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JP2013209063A - 走行制御装置 - Google Patents

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JP2013209063A
JP2013209063A JP2012082415A JP2012082415A JP2013209063A JP 2013209063 A JP2013209063 A JP 2013209063A JP 2012082415 A JP2012082415 A JP 2012082415A JP 2012082415 A JP2012082415 A JP 2012082415A JP 2013209063 A JP2013209063 A JP 2013209063A
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Kazuhiro Kuno
和宏 久野
Masao Kawai
正夫 川合
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Equos Research Co Ltd
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Equos Research Co Ltd
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Abstract

【課題】運転者の意思を反映しながら、車両を駐車領域まで導くことができる走行制御装置を提供すること。
【解決手段】車両1を駐車領域81へ駐車させる駐車支援モードへ移行させた場合に、駐車領域81へ車両1が誘導されるように仮想的な障害物80が設定される。運転者が自らの意思を反映させながら車両1を駐車領域81まで走行させる運転操作を行いつつ、仮想的な障害物80が車両1の周囲に設定されたセーフティゾーン内に入ると、その仮想的な障害物80との接触を回避するように車両1の制動および操舵の少なくともいずれかが制御される。よって、運転者が自らの意思を反映させつつ、車両1を駐車領域81まで導くことができる
【選択図】図5

Description

本発明は、走行制御装置に関し、特に、運転者の意思を反映しながら、車両を駐車領域まで導くことができる走行制御装置に関するものである。
従来より、車両の位置から駐車領域までの走行軌跡を決め、その走行軌跡に沿って車両を走行させることにより、車両を駐車領域まで誘導することで、駐車支援を行う走行制御装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2010−018074号公報
特許文献1に記載される走行制御装置では、その走行制御装置が決めた走行軌跡を進行するので、駐車領域までの走行経路や駐車領域内における車両の駐車位置に対して、運転者の意思を反映させることができないという問題点があった。例えば、車両を駐車させている途中で、運転者が車両を駐車領域の右寄りに寄せて駐車させたいと思っても、走行制御装置によって走行軌跡が決められているので、運転者の意思に沿って車両を駐車領域の右寄りに寄せて駐車させることが難しい。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、運転者の意思を反映しながら、車両を駐車領域まで導くことができる走行制御装置を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段および発明の効果
この目的を達成するために請求項1記載の走行制御装置によれば、検出手段により車両の周囲に存在する物体が検出され、その検出された物体が車両の周囲に設定された所定領域内に存在することにより、制御手段によって、その物体との接触を回避するように車両の制動および操舵の少なくともいずれかが制御される。また、移行手段により車両を駐車領域へ駐車させる駐車モードへ移行させた場合に、駐車領域設定手段によって駐車領域が設定されると、その設定された駐車領域へ車両が誘導されるように仮想的な障害物が、仮想障害物設定手段により設定される。これにより、運転者が自らの意思を反映させながら車両を駐車領域まで走行させる運転操作を行いつつ、設定手段によって設定された仮想的な障害物が車両の周囲に設定された所定領域内に入ると、その仮想的な障害物との接触を回避するように車両の制動および操舵の少なくともいずれかが制御される。仮想的な障害物は、上述した通り、駐車領域へ車両が誘導されるように設定される。よって、運転者が自らの意思を反映させつつ、車両を駐車領域まで導くことができるという効果がある。
請求項2記載の走行制御装置によれば、請求項1記載の走行制御装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、駐車領域設定手段により設定された駐車領域に対し、仮想障害物設定処理手段によって、その駐車領域と車両が進行している通路との接続部分を除く駐車領域の外縁に沿って仮想的な障害物が設定され、更に、通路から駐車領域へ車両を誘導するように駐車領域の長手方向の外縁から通路上に延長される線に沿って仮想的な障害物が設定される。これにより、運転者が自分の意思を反映させて車両1を運転者が通りやすい経路で走行させつつ、通路上にも設定された仮想的な障害物により、その車両を駐車領域まで導くことができるという効果がある。また、仮想的な障害物は、駐車領域の外縁に沿って設定されるので、駐車領域内へ車両を進行させた場合に、その駐車領域の中であれば、運転者が車両を駐車させたい位置に、その車両を駐車させることができるという効果がある。
請求項3記載の走行制御装置によれば、請求項1又は2に記載の走行制御装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、車両の走行状態が取得手段により取得され、その取得された車両の走行状態に基づいて、駐車領域設定手段により設定された駐車領域への車両の駐車が安全に行えるか否かが、判断手段により判断される。そして、駐車領域への車両の駐車が安全に行えないと判断される場合は、駐車領域への進入路を塞ぐように、仮想的な障害物が、仮想障害物設定処理によって設定される。これにより、車両の走行状態から、駐車領域への車両の駐車が安全に行えない場合は、運転者が車両を駐車領域へ進行させようとしても、駐車領域への進入路を塞ぐように設定された仮想的な障害物が、車両に設定された所定領域に入り、その仮想的な障害物との接触を回避するように車両の制動および操舵の少なくともいずれかが制御される。よって、車両の走行状態から駐車領域への車両の駐車が安全に行えない場合は、無理に駐車領域へ車両が進入していくことを抑制することができ、運転者の意思よりも安全を優先させることができるという効果がある。
請求項4記載の走行制御装置は、請求項3記載の走行制御装置の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、車両の走行状態として車両の速度が取得手段によって取得され、その取得された車両の速度に基づいて、駐車領域設定手段により設定された駐車領域への車両の駐車が安全に行えるか否かが、判断手段により判断される。これにより、車両の速度から、駐車領域への車両の駐車が安全に行われないと判断される場合は、駐車領域への進入路を塞ぐように、仮想的な障害物が、仮想障害物設定処理によって設定される。よって、車両の速度を落とさない限り、駐車領域への進入路を塞ぐように設定された仮想的な障害物によって、運転者の意思にかかわらず、車両を駐車領域へ進入させないようにすることができる。従って、車両が駐車モードへ移行した場合に、運転者に安全な速度で車両を運転操作させ、駐車操作を行わせることができるという効果がある。
本発明の車両を模式的に示した模式図である。 (a)は、障害物が存在した場合に車両を減速させるための減速用セーフティゾーンを模式的に示した模式図であり、(b)は、障害物が存在した場合に車両1を操舵させるための操舵用セーフティゾーンを模式的に示した模式図である。 走行制御装置を含む車両の電気的構成を示したブロック図である。 走行制御装置のCPUによって実行される走行支援処理を示すフローチャートである。 (a)〜(c)は、駐車領域への車両の駐車が安全に行えると判断される場合に設定される仮想的な障害物の例を示した模式図であり、(d)は、駐車領域への車両の駐車が安全に行えないと判断される場合に設定される仮想的な障害物の例を示した模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態である走行制御装置100を有する車両1を模式的に示した模式図である。
まず、図1を参照して、車両1の構成について説明する。車両1は、走行制御装置100によって車両1が制御されることにより、運転者の意思を反映しながら、車両を駐車領域まで導くことができるように構成されている。
なお、図1において、矢印Fによって示される方向が車両1の前方向を示している。この矢印Fは、図2においても同様に、矢印Fによって示される方向を車両1の前方向として示している。また、以下の説明において、車両1が矢印F方向に進行する場合を「前進」、車両1が矢印F方向とは逆方向に進行する場合を「後退」と称す。
走行制御装置100は、車両1の走行を制御するコンピュータ装置である。この走行制御装置100は、車両1の周囲にセーフティゾーンを設け、そのセーフティゾーンに存在する障害物との接触を回避するように、車両1の制動や操舵を制御する。
また、走行制御装置100は、運転者が車両1を駐車領域に駐車させる場合に、その運転者の駐車を支援する駐車支援モードへ移行可能に構成されている。走行制御装置100は、駐車支援モードへ移行した場合に、車両1を駐車領域へ誘導するように仮想的な障害物を設定する。
そして、運転者が自らの意思を反映させながら車両1を駐車領域まで走行させる運転操作を行った場合に、その仮想的な障害物が車両1の周囲に設定されたセーフティゾーン内に入ると、その仮想的な障害物との接触を回避するように、車両1の制動および操舵を制御する。これにより、運転者が自らの意思を反映させつつ、車両1が駐車領域まで導かれる。
なお、セーフティゾーンの詳細については、図2を参照して後述する。また、走行制御装置100の詳細については、図3を参照して後述する。
車両1は、走行制御装置100の他に、複数(本実施形態では4輪)の車輪2FL,2FR,2RL,2RRと、それら複数の車輪2FL〜2RRの内の一部(本実施形態では、左右の前輪2FL,2FR)を回転駆動する車輪駆動装置3と、複数の車輪2FL〜2RRの内の一部(本実施形態では、左右の前輪2FL,2FR)を操舵するステアリング装置6及び操舵駆動装置5と、各車輪2FL〜2RRの車輪速を検出する第1〜第4車輪速検出センサ12FL〜12RRと、運転者から車両1の操舵方向の指示を受け付けるステアリングホイール13と、駐車支援モードを設定する駐車支援スイッチ21と、車両1の周囲を撮像する第1〜第3カメラ26a〜26cとを主に有している。
車輪2FL,2FRは、車両1の前方側に配置される左右の前輪であり、車輪駆動装置3によって回転駆動される駆動輪として構成されている。一方、車輪2RL,2RRは、車両1の後方側に配置される左右の後輪であり、車両1の走行に伴って従動する従動輪として構成されている。
車輪駆動装置3は、左右の前輪2FL,2FRに回転駆動力を付与するものであり、デファレンシャルギヤ(図示せず)及び一対のドライブシャフト31を介して左右の前輪2FL,2FRに接続されている。車輪駆動装置3は、走行制御装置100から通知された、目標とすべき車両速度を示す制御信号に基づき、ドライブシャフト31を介して左右の前輪2FL,2FRに回転駆動力を付与する。これにより、車両1は、走行制御装置100から通知された車両速度に応じた速度で走行する。
操舵駆動装置5は、左右の前輪2FL,2FRを操舵するための装置であり、ステアリング装置6に回転駆動力を付与する電動モータ5a(図3参照)を備えて構成されている。ステアリング装置6は、ステアリングシャフト61と、フックジョイント62と、ステアリングギヤ63と、タイロッド64と、ナックルアーム65とを主に備えて構成されている。なお、ステアリング装置6は、ステアリングギヤ63がピニオン(図示せず)とラック(図示せず)とを備えたラックアンドピニオン機構によって構成されている。
操舵駆動装置5は、走行制御装置100から車両1の操舵角を示す制御信号を受信すると、その操舵角に応じて電動モータ5aを駆動し、電動モータ5aの回転駆動力がステアリング装置6のステアリングシャフト61に付与される。その回転駆動力は、ステアリングシャフト61を介してフックジョイント62に伝達されると共にフックジョイント62によって角度を変えられ、ステアリングギヤ63のピニオンに回転運動として伝達される。そして、ピニオンに伝達された回転運動はラックの直線運動に変換され、ラックが直線運動することで、ラックの両端に接続されたタイロッド64が移動し、ナックルアーム65を介して前輪2FL,2FRが操舵される。これにより、車両1は、走行制御装置100から指示された操舵角で、前輪2FL,2FRが操舵される。
第1車輪速検出センサ12FLは、車輪2FLに設けられ、車輪2FLの車輪速を検出するセンサである。また、第2車輪速検出センサ12FR,第3車輪速検出センサ12RL,第4車輪速検出センサ12RRは、それぞれ対応する車輪2FR,2RL,2RRに設けられ、その対応する車輪2FL,2RL,2RRの車輪速を検出するセンサである。第1〜第4車輪速検出センサ12FL〜12RRによって検出された各車輪2FL〜2RRの車輪速は、走行制御装置100に入力され、走行制御装置100において、この入力された車輪速に基づいて車両1の速度(車両速度)や加速度が算出される。
ステアリングホイール13は、車両1の搭乗者から回転操作されることで、車両1の操舵方向の指示を受け付けるものである。ステアリングホイール13は、搭乗者によって回転操作されると、その回転角を走行制御装置100へ送信する。なお、ステアリングホイール13は、搭乗者によって回転操作された回転角速度を走行制御装置100へ送信してもよい。そして、走行制御装置100が、ステアリングホイール13から取得した回転角速度を積分して、回転角を算出してもよい。
第1〜第3カメラ26a〜26cは、車両1の周囲を撮像するための撮像装置であり、CCDイメージセンサや、CMOSイメージセンサなどの撮像素子が搭載されたデジタルカメラで構成されている。各第1〜第3カメラ26a〜26cは、そのカメラを中心として半径30mの範囲を撮像可能に構成される。
駐車支援スイッチ21は、運転者が車両1を駐車領域に駐車させる場合に、その運転者の駐車を支援する駐車支援モードへの移行を設定するための押下型のスイッチである。この駐車支援スイッチ21は、走行制御装置100へ接続され、駐車支援スイッチ21が押下された場合に、その押下を通知する信号を走行制御装置100へ出力する。
運転者が、通常モード(駐車支援モード以外のモード)時に、駐車支援スイッチ21が押下され、その押下を通知する信号が走行制御装置100へ出力されると、走行制御装置100によって、車両1は、駐車支援モードに移行する。また、駐車支援モード時に、駐車支援スイッチ21が押下され、その押下を通知する信号が走行制御装置100へ出力されると、走行制御装置100によって、車両1は、通常モードに復帰する。
なお、駐車支援スイッチ21は、押下型のスイッチに限られるものではなく、通常モードと駐車支援モードとを切り替え可能なスライド型のスイッチによって構成されてもよい。また、本実施形態では、駐車支援モードへの移行を、運転者が駐車支援スイッチ21を操作することにより行われる場合について説明するが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、車両1に設けられたナビゲーション装置より、車両1が駐車場へ侵入したとの情報を受けた場合に、車両1を駐車支援モードへ移行させてもよい。また、車両1の車両速度が所定速度(例えば、時速5km)以下となった場合に、駐車支援モードへ移行してもよい。その他、運転者が車両1を駐車させ得る状況が判断可能な条件を満たした場合に、駐車支援モードへ移行するようにすれば、その条件は任意の条件であってよい。
第1カメラ26aは、車両1の前方左側の角に配設され、車両1の前方および左方向を撮像する。第2カメラ26bは、車両1の前方右側の角に配設され、車両1の前方および右方向を撮像する。第3カメラ26cは、車両1の後端中央部に配設され、車両1の後方を撮像する。なお、第1〜第3カメラ26a〜26cの配設場所や、第1〜第3カメラ26a〜26cによって撮像可能な範囲は、適宜設定されるものであってよい。
各第1〜第3カメラ26a〜26cは、撮像した画像を画像データに変換して走行制御装置100へ出力する。走行制御装置100へ出力された画像データは、その走行制御装置100によって解析され、車両1の周囲に存在する物体と、車両1を基準としたその物体の位置とが検出される。そして、検出された物体の位置からその物体がセーフティゾーン内に存在することで、車両1の走行の障害となり得る物体(即ち、障害物)か否かが判断される。走行制御装置100では、車両1の走行の障害となる物体があると判断すると、車両1を減速させ、また、操舵する制御を行う。
次いで、図2を参照して、車両1の周囲に設定されるセーフティゾーンの詳細について説明する。図2(a)は、そのセーフティゾーン内に障害物が存在した場合に車両1を減速させるための減速用セーフティゾーン(以下、単に「減速ゾーン」と称す)を模式的に示した模式図であり、図2(b)は、そのセーフティゾーン内に障害物が存在した場合に車両1を操舵させるための操舵用セーフティゾーン(以下、単に「操舵ゾーン」と称す)を模式的に示した模式図である。
まず、図2(a)を参照して、減速ゾーンについて説明する。車両1には、減速ゾーンとして、車両1の前方正面に前方正面減速ゾーン71F及び前方正面停止ゾーン72Fと、車両1の後方正面に後方正面減速ゾーン71R及び後方正面停止ゾーン72Rと、前方正面減速ゾーン71F及び前方正面停止ゾーン72Fの左右側方に前方右側減速ゾーン73FR及び前方左側減速ゾーン73FLと、後方正面減速ゾーン71R及び後方正面停止ゾーン72Rの左右側方に後方右側減速ゾーン73RR及び後方左側減速ゾーン73RLと、車両1の右方に右側減速ゾーン74R及び右側停止ゾーン75Rと、車両1の左方に左側減速ゾーン74L及び左側停止ゾーン75Lとが設定される。
前方正面減速ゾーン71Fは、車両1が前進する場合に設定される減速ゾーンであり、車両1の操舵に応じて、その前方先端側が車両1の進行する向きに曲げられて設定される。この前方正面減速ゾーン71Fに障害物が存在する場合に、その障害物が車両1に近い位置にあるほど車両1の進行方向と逆方向に反発力を仮想的に働かせて、車両1を減速させることにより、その障害物との接触を回避する制御が行われる。
前方正面停止ゾーン72Fは、車両1が前進する場合に設定される減速ゾーンであり、車両1の操舵に応じて、その前方先端側が車両1の進行する向きに曲げられて設定される。また、前方正面停止ゾーン72Fは、前方正面減速ゾーン71Fよりも、車両1の前方先端から前方正面減速ゾーン71Fの前方先端までの距離が短く設定される。この前方正面停止ゾーン72Fに障害物が存在する場合、車両1に強い反発力を進行方向と逆方向に仮想的に働かせて、車両1を停止させることにより、その障害物との接触を回避する制御が行われる。
前方右側減速ゾーン73FR及び前方左側減速ゾーン73FLは、車両1が前進する場合に設定される減速ゾーンであり、車両1の操舵に応じて、その前方先端側が車両1の進行する向きに曲げられて設定される。前方右側減速ゾーン73FR又は前方左側減速ゾーン73FLに障害物が存在する場合に、その障害物が車両1に近い位置にあるほど車両1の進行方向と逆方向に反発力を仮想的に働かせて、車両1を減速させることにより、その障害物との接触を回避する制御が行われる。
但し、この場合に車両1に仮想的に働かせる反発力は、前方正面減速ゾーン71Fに障害物が存在する場合に車両1に働かせる反発力よりも弱めに設定される。これは、前方右側減速ゾーン73FR及び前方左側減速ゾーン73FLに存在する障害物は、その場に障害物がある限り、前方正面減速ゾーン71Fに障害物がある場合と比べ、障害物との接触の可能性はないためである。
一方で、車両1の直ぐ側方にある障害物と安全にすれ違うためには、車両1の速度を抑える必要がある。また、側方にある障害物が動体であれば車両1の進行方向にその障害物が進入する可能性もあり、予め車両1の速度を落としておく必要がある。前方右側減速ゾーン73FR及び前方左側減速ゾーン73FLは、そのために用意されたゾーンである。
後方正面減速ゾーン71R,後方正面停止ゾーン72R,後方右側減速ゾーン73RR,後方左側減速ゾーン73RLは、いずれも、車両1が後退する場合に設定される減速ゾーンであり、車両1の操舵に応じて、その後方先端側が車両1の進行する向きに曲げられて設定される。
なお、後方正面減速ゾーン71R,後方正面停止ゾーン72R,後方右側減速ゾーン73RR,後方左側減速ゾーン73RLの各ゾーンにおいて障害物があった場合の役割は、前方正面減速ゾーン71F,前方正面停止ゾーン72F,前方右側減速ゾーン73FF,前方左側減速ゾーン73FLと同一であるため、ここでは説明を省略する。
右側減速ゾーン74R及び左側減速ゾーン74Lは、車両1が後退する場合に設定される減速ゾーンである。この右側減速ゾーン74R及び左側減速ゾーン74Lは、車両1の操舵に応じて、車両1の側面から車両1の外側に向けた減速ゾーンの幅が変化するように設定される。即ち、車両1が操舵された場合に、その旋回外側に位置する減速ゾーンの幅が、操舵角(車両1の回転半径)が大きいほど大きく設定され、その旋回内側に位置する減速ゾーンの幅が、操舵角(車両1の回転半径)が大きいほど小さく設定されるか、所定の幅に維持される。
そして、右側減速ゾーン74R及び左側減速ゾーン74Lに障害物が存在する場合に、車両1に対して進行方向と逆方向に仮想的に反発力を働かせて、車両1を減速させる。ここで、右側減速ゾーン74R及び左側減速ゾーン74Lは、次に説明する右側停車ゾーン75R及び左側停車ゾーン75Lよりも、その減速ゾーンの幅が大きく設定される。これにより、車両1が後退する場合に、車両1の側方、特に、車両1の旋回外側にある障害物の巻き込みを、その障害物が遠くに存在する段階から抑制することができる。
右側停車ゾーン75R及び左側停車ゾーン75Lは、車両1が後退する場合に設定される減速ゾーンである。この右側停車ゾーン75R及び左側停車ゾーン75Lは、車両1の操舵に応じて、車両1の側面から車両1の外側に向けた減速ゾーンの幅が変化するように設定される。即ち、車両1が操舵された場合に、その減速ゾーンの幅が、操舵角(車両1の回転半径)が大きいほど大きく設定される。
そして、右側停車ゾーン75R及び左側停車ゾーン75Lに障害物が存在する場合に、車両1に対して強い反発力を進行方向と逆方向に仮想的に働かせて、車両1を停止させる。これにより、その障害物の巻き込みを回避することができる。
次に、図2(b)を参照して、操舵ゾーンについて説明する。車両1には、操舵ゾーンとして、車両1の前方正面に前方正面操舵ゾーン76Fと、車両1の後方正面に後方正面減速ゾーン76Rと、車両1の左右側面の前方側に右前側操舵ゾーン77R及び左前側操舵ゾーン77Lと、車両1の左右側面の後方側に右後側操舵ゾーン78R及び左後側操舵ゾーン78Lとが設定される。
前方正面操舵ゾーン76Fは、車両1が前進する場合に設定される操舵ゾーンであり、車両1の現在の進行方向と、車両1の車両速度と、車両1の操舵角とから予測される、車両1の進路に沿うように設定される。この前方正面操舵ゾーン76Fに障害物が存在する場合に、その障害物を回避する方向に車両1の操舵を制御することで、その障害物との接触が回避される。
後方正面操舵ゾーン76Rは、車両1が後進する場合に設定される操舵ゾーンであり、車両1の現在の進行方向と、車両1の車両速度と、車両1の操舵角とから予測される、車両1の進路に沿うように設定される。この後方正面操舵ゾーン76Rに障害物が存在する場合に、その障害物を回避する方向に車両1の操舵を制御することで、その障害物との接触が回避される。
右前側操舵ゾーン77R及び左前側操舵ゾーン77Lは、車両1が後退旋回する場合に設定される操舵ゾーンであり、車両1が右方向に後退旋回する場合には、左前側操舵ゾーン77Lが設定され、車両1が左方向に後退旋回する場合には、右前側操舵ゾーン77Rが設定される。また、右前側操舵ゾーン77R及び左前側操舵ゾーン77Lにおける車両1の側面から車両1の外側に向けた操舵ゾーンの幅は、車両1の現在の進行方向と、車両1の車両速度と、車両1の操舵角とから予測される車両1の旋回半径に基づき、その旋回半径が大きいほど長く設定される。
そして、設定された右前側操舵ゾーン77R又は左前側操舵ゾーン77Lに障害物が存在する場合、その障害物を回避する方向に車両1の操舵を制御することで、車両1を後退旋回させる場合に、車両1の側方にある障害物との接触を防止する。
右後側操舵ゾーン78R及び左後側操舵ゾーン78Lは、車両1が前進旋回する場合に設定される操舵ゾーンであり、車両1が右方向に前進旋回する場合には、右後側操舵ゾーン78Rが設定され、車両1が左方向に前進旋回する場合には、左後側操舵ゾーン78Lが設定される。設定された右後側操舵ゾーン78R及び左後側操舵ゾーン78Lに障害物が存在する場合、その障害物を回避する方向に車両1の操舵が制御される。これにより、車両1を前進旋回させる場合に、車両1の側方にある障害物の巻き込みを防止する。
次いで、図3を参照して、走行制御装置100の詳細構成について説明する。図3は、走行制御装置100を含む車両1の電気的構成を示したブロック図である。
走行制御装置100は、CPU91、フラッシュメモリ92及びRAM93を有しており、それらがバスライン94を介して入出力ポート95に接続されている。入出力ポート95には、上述した、車輪駆動装置3、操舵駆動装置5、第1〜第4車輪速検出センサ12FL〜12RR、ステアリングホイール13、駐車支援スイッチ21、第1〜第3カメラ26a〜26c、及び、その他の入出力装置99などが接続されている。
CPU91は、入出力ポート95に接続された第1〜第4車輪速検出センサ12FL〜12RR、ステアリングホイール13、駐車支援スイッチ21、第1〜第3カメラ26a〜26cなどから送信された各種の情報に基づいて、車輪駆動装置3や操舵駆動装置5等を制御する演算装置である。
フラッシュメモリ92は、CPU91によって実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶するための書き換え可能な不揮発性のメモリである。このフラッシュメモリ92には、プログラムメモリ92aが設けられている。
プログラムメモリ92aは、CPU91にて実行される各種のプログラムが格納されたフラッシュメモリ92上の領域である。後述する図4のフローチャートに示す走行支援処理をCPU91にて実行されるためのプログラムは、このプログラムメモリ92aに格納されている。CPU91は、このプログラムメモリ92aに格納されたプログラムに従って各種処理を実行することで、運転者の意思を反映しながら、車両を駐車領域まで導く制御を行う。
RAM93は、書き換え可能な揮発性のメモリであり、CPU91によって実行されるプログラムの実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。RAM93には、駐車支援フラグ93aが少なくとも設けられている。
駐車支援フラグ93aは、車両1が駐車支援モードにあるか否かを示すフラグである。駐車支援フラグ93aは、オンの場合に、車両1が駐車支援モードにあり、駐車支援フラグ93aがオフの場合に、車両1が駐車支援モードになく通常モードにあることを示す。
この駐車支援フラグ93aは、車両1に設けられたイグニッションスイッチ(図示せず)がオンされ、走行制御装置100に電源が投入されたときに、初期値としてオフが設定される。即ち、イグニッションスイッチがオンされた時点では、車両1は通常モードとなる。
また、駐車支援フラグ93aがオフの場合に、駐車支援スイッチ21より、その駐車支援スイッチ21の押下を通知する情報が入力されると、CPU91により、駐車新フラグ93aはオンに設定される。これにより、通常モード時に、駐車支援スイッチ21が押下されると、車両1は、駐車支援モードに移行される。
一方、駐車支援フラグ93aがオンの場合に、駐車支援スイッチ21より、その駐車支援スイッチ21の押下を通知する情報が入力されると、CPU91により、駐車新フラグ93aはオフに設定される。これにより、駐車支援モード時に、駐車支援スイッチ21が押下されると、車両1は、通常モードに復帰する。
この駐車支援フラグ93aがオンされている間、車両1が駐車支援モードにあるとして、走行制御装置100は、駐車領域を設定した上で、車両1を駐車領域へ誘導するように仮想的な障害物を設定する。この仮想的な障害物によって、運転者の意思を反映しながら、車両を駐車領域まで導く制御が行われる。
次いで、図4〜図6のフローチャートと模式図とを参照して、車両1に搭載された走行制御装置100のCPU91により実行される走行制御処理について説明する。まず、図4は、その走行支援処理を示すフローチャートである。走行支援処理は、所定時間間隔毎(例えば、10ミリ秒毎)に実行され、上述した通り、運転者の意思を反映しながら、車両を駐車領域まで導く制御を行う処理である。
走行支援処理がCPU91により実行されると、CPU91は、まず、駐車支援フラグ93aの値から、車両1が駐車支援モードか否かを判断する(S11)。そして、駐車支援フラグ93aがオンであり、車両1が駐車支援モードであると判断される場合は(S11:Yes)、次いで、駐車領域設定処理を実行する(S12)。
駐車領域設定処理では、第1〜第3カメラ26a〜26cによって撮像された画像から、駐車場に引かれた白線を検出し、また、駐車場に駐車中の、その他の車両の存在の有無や、障害物の有無などから、車両1が駐車可能な領域を判断する。そして、その車両1が駐車可能な領域があった場合は、その領域を駐車領域として設定する。
次いで、駐車領域設定処理(S12)によって駐車領域が設定されたか否かを判断する(S13)。そして、駐車領域が設定されている場合は(S13:Yes)、車両1が安全にその駐車領域へ駐車を行えるか否かを判断するために、S14〜S16の判断処理を行う。まず、S14の処理では、車両1の車両速度が所定速度、例えば、時速5km以下であるか否かを判断する(S14)。車両1の車両速度は、第1〜第4車輪速検出センサ12FL〜12RRから走行制御装置100に対して入力された角車輪2FL〜2RRの車輪速度に基づいて、CPU91により算出される。
S14の処理の結果、車両1の車両速度が所定速度以下であれば(S14:Yes)、次いで、S12の処理で設定された駐車領域の幅が所定幅(例えば、2.5m)以上か否かを判断する(S15)。なお、S15の判断で用いられる所定幅は、車両1の車幅に応じて、車両1毎に設定される値としてもよい。また、車両1の車両速度に応じて、S15の判断で用いられる所定幅を変更してもよい。例えば、車両1の車両速度が時速2km以下の場合、所定幅を2.4mとし、車両1の車両速度が時速2kmより大きく5km以下の場合は、所定幅を2.5mとしてもよい。
S15の処理の結果、駐車領域の幅が所定幅以上であると判断された場合は(S15:Yes)、次に、車両1の位置と、S12の処理によって設定された駐車領域の位置とから、車両1から見た駐車領域の方向と、車両1の進行方向との成す角度が、所定角度以上か否かを判断する(S16)。
ここで、車両1から見た駐車領域の方向と、車両1の進行方向との成す角度が、所定角度より小さいと、車両1を駐車領域へ進入させるためには、車両1を急旋回させなければならないため、車両1の走行が不安定となるおそれがある。そこで、S16の判断処理を実行することにより、車両1が安全に駐車領域への駐車を行うか否かを判断している。
そして、車両1の車両速度が所定速度以下であり(S14:Yes)、駐車領域の幅が所定幅以上であり(S15:Yes)、車両1から見た駐車領域の方向と車両1の進行方向との成す角度が所定角度以上である場合(S16:Yes)は、S12の処理により設定された駐車領域への車両1の駐車が安全に行えるので、その駐車領域へ車両を誘導するように仮想的な障害物を設定する(S17)。
その後、S19の処理へ移行し、障害物回避処理を実行し(S19)、走行支援処理を終了する。障害物回避処理では、車両1の走行状況に応じて車両1の周囲に図2に示す減速ゾーンおよび操舵ゾーンを設定する。そして、第1〜第3カメラ26a〜26cにて撮像された車両1の周辺の画像から、減速ゾーン内または操舵ゾーン内に存在する障害物を検出し、その障害物との接触を回避するように、車輪駆動装置6へ減速を指示して車両1を減速させ、または、操舵駆動装置5へ操舵を指示して車両1を操舵する制御を行う。
このとき、S17の処理や、後述するS18の処理によって、仮想的な障害物が設定された場合は、S19の障害物回避処理において、その仮想的な障害物も実際の障害物と同等に取り扱う。即ち、仮想的な障害物が減速ゾーン内または操舵ゾーン内に存在することを検出すると、その障害物との接触を回避するように車輪駆動装置6へ減速を指示して車両1を減速させ、または、操舵駆動装置5へ操舵を指示して車両1を操舵する制御を行う。
ここで、図5(a)〜(c)を参照して、S17の処理における仮想的な障害物の設定例について説明する。図5(a)〜(c)は、駐車領域81への車両1の駐車が安全に行えると判断される場合に設定される仮想的な障害物80の例を示した模式図である。なお、図5(a)〜(c)は、いずれも、車両1に対して後方に駐車領域81が設定され、車両1が駐車領域81に対して左前方より後退して駐車領域81へ進入しようとしている場合の例が示してある。
図5(a)に示す例では、駐車領域81へ車両1が進入する駐車領域81の前端(紙面上側)を開放したまま、駐車領域81の左右両端と後端とに仮想的な障害物80を設定すると共に、駐車領域81の右前端から駐車領域81の前方に向けて仮想的な障害物80を延長して設定し、更に、その延長して設定された仮想的な障害物80の前端から左斜め前方向に仮想的な障害物80を設定する。
ここで設定される仮想的な障害物80は、壁やガードレール、縁石のように連なって設けられるものを想定してもよいし、ポールのように離散して設けられるものを想定してもよい。これは、その他の仮想的な障害物80の設定例においても同様である。
車両1が駐車支援モードへ移行している間、図5(a)に示した仮想的な障害物80が設定されることにより、運転者が自らの意思を反映させた経路をたどりながら車両1を駐車領域81まで走行(図5(a)の例では後退)させる運転を行いつつ、仮想的な障害物80が、車両1に設定された減速ゾーン又は操舵ゾーンに入ると、その仮想的な障害物80との接触を回避するように、S19の処理によって、車両1の制動(減速)や操舵が制御される。これにより、運転者は自分の意思を反映させて、車両1を運転者が通りたい経路で走行させつつ、仮想的な障害物80によって、その車両1を駐車領域81まで導くことができる。
また、運転者が自分の意思を反映させながら駐車領域81内へ車両1を後退させた場合に、その駐車領域81内で、運転者が車両1を駐車させたい位置(例えば、駐車領域81内の左寄り又は右寄り)に、その車両1を駐車させることができる。一方、その駐車領域81を外れて車両1が後退していく場合は、S17の処理によって設定された仮想的な障害物80が、車両1の周囲に設定された減速ゾーンや操舵ゾーン内に入ることになる。これにより、走行制御装置100は、その仮想的な障害物80との接触を回避するように、S19の処理によって、車両1の制動(減速)や操舵が制御される。
従って、本実施形態のおける車両1は、運転者が自らの意思を反映させつつ、車両1を車両領域81まで導くことができる。
図5(b)に示す例では、図5(a)に示した仮想的な障害物80に加え、駐車領域81の左前端から駐車領域81の左斜め前方向に仮想的な障害物80を設定する。図5(b)に示した仮想的な障害物80が設定されることによって、図5(a)に示した仮想的な障害物80と同様に、運転者が自らの意思を反映させつつ、車両1を車両領域81まで導くことができる。更に、駐車領域81の左前端から駐車領域81の左斜め前方向に設定された仮想的な障害物80によって、車両1が駐車領域81の左側にある車両と接触することも確実に抑制できる。
また、図5(c)に示す例では、図5(b)に示した仮想的な障害物80のうち、駐車領域81に右端および左端から駐車領域81の前方へ延びる仮想的な障害物80が曲線を描くように設定される。この図5(c)に示した仮想的な障害物80が設定されることによって、図5(b)に示した仮想的な障害物80と同様に、運転者が自らの意思を反映させつつ、車両1を車両領域81まで導くことができる。
図4に戻り、走行支援処理の説明を続ける。S14の処理により、車両1の車両速度が所定速度より大きいと判断されるか(S14:No)、S15の処理により、駐車領域の幅が所定幅より小さいと判断されるか(S15:No)、または、車両1から見た駐車領域の方向と車両1の進行方向との成す角度が所定角度よりも小さいと判断される場合(S16:No)は、駐車領域への車両1の駐車が安全に行えない状態である。
そこで、これらに該当する場合は、図5(d)に示すように、駐車領域81の前端(紙面上側)を閉鎖し、駐車領域81への進入路を塞ぐようにして、仮想的な障害物80を設定し(S18)、S19の処理へ移行して、上述した障害物回避処理を実行する(S19)。そして、走行支援処理を終了する。
ここで、図5(d)は、駐車領域81への車両1の駐車が安全に行えないと判断される場合に設定される仮想的な障害物80の例を示した模式図である。図5(d)に示すように、駐車領域81への車両1の駐車が安全に行えないと判断される場合に、駐車領域81の前端(紙面上側)を閉鎖し、駐車領域81への進入路を塞ぐようにして、仮想的な障害物80を設定することによって、次の作用効果を生じさせることができる。
即ち、運転者が車両1を駐車領域81へ進行させようとしても、駐車領域81への進入路を塞ぐように設定された仮想的な障害物80が、車両1に設定された減速ゾーン内または操舵ゾーン内に入り、仮想的な障害物80との接触を回避するように、S19の処理によって、車両1の制動(減速)または操舵が制御される。よって、車両1の走行状態から、駐車領域81への車両1の駐車が安全に行えない場合は、無理に駐車領域81へ車両1が進入していくことを抑制することができ、運転者の意思よりも安全を優先させることができる。
特に、本実施形態では、S14の判断処理により、車両1の車両速度に基づいて、駐車領域81への車両1の駐車が安全に行えるか否かが判断される。これにより、車両1の車両速度から、駐車領域81への車両1の駐車が安全に行われないと判断される場合は、図5(d)に示すように、駐車領域81への進入路を塞ぐようにして、仮想的な障害物80が設定されるので、車両1の速度を落とさない限り、運転者の意思にかかわらず、車両1を駐車領域81へ進入させないようにすることができる。従って、車両1が駐車支援モードへ移行した場合に、運転者に安全な速度で車両1を運転操作させ、駐車操作を行わせることができる。
図4に戻り、走行支援処理の説明を続ける。S11の処理により、駐車支援フラグ93aがオフであり、車両1が通常モードにある場合は(S11:No)、S19の処理へ移行し、障害物回避処理を実行する。また、S13の処理の結果、S12の駐車領域設定処理によって駐車領域が特定されなかったと判断される場合も(S13:No)、S19の処理へ移行し、障害物回避処理を実行する。これにより、減速ゾーン内や操舵ゾーン内に実際に存在する障害物によって、車両1の制動や操舵の制御が行われる。
なお、上記実施形態に記載の駐車領域設定処理(S12)が、請求項1記載の「駐車領域設定手段」に対応する。上記実施形態に記載のS17及びS18の処理が、請求項1記載の「仮想障害物設定手段」に対応する。また、上記実施形態に記載のS14〜S16の処理が、請求項2記載の「判断手段」に対応する。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。また、上記実施形態で示した仮想的な障害物の設定方法は一例であり、その設定方法は、種々の方法が適用可能である。
上記実施形態では、車両1が安全にその駐車領域へ駐車を行えるか否かを判断するために、車両1の走行状態を表すものとして、車両1の車両速度、駐車領域の幅、車両1から見た駐車領域の方向と車両1の進行方向との成す角度の3つを判断に用いたが、必ずしもこれら3つを判断に用いる必要はなく、いずれか1つ又は2つを判断に用いるようにしてもよい。また、別の車両1の走行状態を示す指標を判断に用いてもよい。例えば、車両1の加速度やヨーレート、各車輪2FL〜2RRの車輪速などを判断に用いてもよい。
上記実施形態では、車両1の周囲に減速ゾーンと操舵ゾーンとを設け、減速ゾーン内に障害物が存在する場合に車両1の制動を制御し、操舵ゾーン内に障害物が存在する場合に車両1の操舵を制御する場合について説明したが、いずれか一方のセーフティゾーンを設けて、障害物の存在により、車両1の制動だけを制御するものであってもよいし、車両1の操舵だけを制御するものであってもよい。
上記実施形態では、第1〜第3カメラ26a〜26cを搭載して、車両1の周辺情報を取得する場合について説明したが、周辺情報を取得する手段として、ステレオカメラを用いてもよいし、ミリ波レーダ、レーザレーダ、UWB(Ultra Wide Band)レーダ等の各種レーダや、ソナーを用いてもよい。また、道路と車両1との間の通信である路車間通信や、他車との間の通信による車車間通信によって、物体の位置情報を取得してもよい。
例えば、レーザレーダは、レーザビームを車両1の周囲へ照査し、その反射の有無や反射を検出した方向およびレーザビームを照射してから反射を検出するまでの時間に基づいて、車両1の周辺にある道路や物体の形状等を把握するものである。走行制御装置100は、このレーザレーダを用いることにより、レーザレーダにより照射したレーザビームの反射の検出結果から、車両1の周辺に存在する物体等の形状をマップ化し、それに基づいて、物体の位置等を検出するように構成してもよい。
上記実施形態では、操舵装置5がラック&ピニオン式のステアリングギヤとして構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ボールナット式等の他のステアリングギヤ機構を採用することは当然可能である。
1 車両
12FL〜12RR 第1〜第4車輪速検出センサ(取得手段の一部)
21 駐車支援スイッチ(移行手段)
26a〜26c 第1〜第3カメラ(検出手段、取得手段の一部)
71F 前方正面減速ゾーン(所定領域の一部)
71R 後方正面減速ゾーン(所定領域の一部)
72F 前方正面停止ゾーン(所定領域の一部)
72R 後方正面停止ゾーン(所定領域の一部)
73FR 前方右側減速ゾーン(所定領域の一部)
73FL 前方左側減速ゾーン(所定領域の一部)
73RR 後方右側減速ゾーン(所定領域の一部)
73RL 後方左側減速ゾーン(所定領域の一部)
74R 右側減速ゾーン(所定領域の一部)
75R 右側停止ゾーン(所定領域の一部)
74L 左側減速ゾーン(所定領域の一部)
75L 左側停止ゾーン(所定領域の一部)
76F 前方正面操舵ゾーン(所定領域の一部)
76R 後方正面減速ゾーン(所定領域の一部)
77R 右前側操舵ゾーン(所定領域の一部)
77L 左前側操舵ゾーン(所定領域の一部)
78R 右後側操舵ゾーン(所定領域の一部)
78L 左後側操舵ゾーン(所定領域の一部)
91 CPU(制御手段)

Claims (4)

  1. 車両の周囲に存在する物体を検出する検出手段と、
    その検出手段により検出された物体が前記車両の周囲に設定された所定領域内に存在することにより、その物体との接触を回避するように前記車両の制動および操舵の少なくともいずれかを制御する制御手段と、
    前記車両を駐車領域へ駐車させる駐車モードへ移行させる移行手段と、
    その移行手段により前記車両を前記駐車モードへ移行させた場合に、前記駐車領域を設定する駐車領域設定手段と、
    その駐車領域設定手段により設定された前記駐車領域へ前記車両を誘導するように仮想的な障害物を設定する仮想障害物設定手段とを備える走行制御装置。
  2. 前記仮想障害物設定手段は、前記駐車領域設定手段により設定された前記駐車領域に対し、その駐車領域と前記車両が進行している通路との接続部分を除く前記駐車領域の外縁に沿って前記仮想的な障害物を設定すると共に、前記通路から前記駐車領域へ前記車両を誘導するように前記駐車領域の長手方向の外縁から前記通路上に延長される線に沿って前記仮想的な障害物を設定することを特徴とする請求項1記載の走行制御装置。
  3. 前記車両の走行状態を取得する取得手段と、
    その取得手段により取得された前記車両の走行状態に基づいて、前記駐車領域設定手段により設定された前記駐車領域への前記車両の駐車が安全に行えるか否かを判断する判断手段とを備え、
    前記仮想障害物設定手段は、前記判断手段により、前記駐車領域設定手段により設定された前記駐車領域への前記車両の駐車が安全に行えないと判断される場合は、前記駐車領域への進入路を塞ぐように、前記仮想的な障害物を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の走行制御装置。
  4. 前記取得手段は、前記車両の走行状態として前記車両の速度を取得するものであることを特徴とする請求項3記載の走行制御装置。
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