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JP2013208692A - ドリル及びそれを用いた切削加工物の製造方法 - Google Patents

ドリル及びそれを用いた切削加工物の製造方法 Download PDF

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JP2013208692A
JP2013208692A JP2012081806A JP2012081806A JP2013208692A JP 2013208692 A JP2013208692 A JP 2013208692A JP 2012081806 A JP2012081806 A JP 2012081806A JP 2012081806 A JP2012081806 A JP 2012081806A JP 2013208692 A JP2013208692 A JP 2013208692A
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chisel
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JP2012081806A
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Hiroshi Ogawa
浩 小川
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Kyocera Corp
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Abstract

【課題】加工穴の穴位置精度および内壁面平滑性を向上させることができるドリルを提供する。
【解決手段】先端部に位置し第1チゼルエッジ11a1に連続している第1切刃11aを有する第1切削部11Aと、第2チゼルエッジ11b1に連続している第2切刃11bを有する第2切削部11bと、第1、2切刃に連続後端部へ向かって螺旋状に延びている第1、2溝12a、12bと、先端視において第2、1溝まで延びている第1、2外周部とを有する円柱状の切削部を備え、第1切削部よりも前記第2切削部の方が前記後端部側に位置しており、第2切刃の他端は、前記第1チゼルエッジを前記切削部の回転軸方向に延長してなる第1延長線と前記切削部外縁との交点である第1交点16Aと、前記第1切刃に平行で前記回転軸を通過する中心線を前記回転軸方向に延長してなる第2延長線と前記切削部外縁との交点である第2交点16Bとの間に位置しているドリルとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドリル及びそれを用いた切削加工物の製造方法に関する。
従来、例えば、特許文献1には、一対のチゼルエッジにそれぞれ連続する、ドリル本体の外周端まで延びる切刃と、該切刃に比べ回転軌跡が後退している非切削部とを備える一枚刃ドリルが開示されている。そして、切刃と非切削部に対応して、2つの主溝およびそれに連結する2つのランドがドリル本体の先端から設けられた構成が開示されている。
しかしながら、このような1つの切刃による穴あけ加工では、依然として切削バランスが十分であるとは言えず、加工穴の穴位置精度および内壁面平滑性を高めることが困難であった。
そのため、加工穴の穴位置精度および内壁面平滑性を向上させることができるドリル及びこれを用いた切削加工物の製造方法が求められていた。
特開2010−162643号公報
本発明の一実施形態に係るドリルは、 先端部に位置している第1チゼルエッジ、および一端が前記第1チゼルエッジに連続している第1切刃、を有する第1切削部と、 先端部において前記第1チゼルエッジに連続して位置している第2チゼルエッジ、および一端が前記第2チゼルエッジに連続している第2切刃、を有する第2切削部と、 前記第1切刃に連続しており、後端部へ向かって螺旋状に延びている第1溝と、 前記第2切刃に連続しており、前記後端部へ向かって螺旋状に延びている第2溝と、 前記第1切刃の他端に連続しており、先端視において外縁に沿って前記第2溝まで延びている第1外周部と、
前記第2切刃の他端に連続しており、先端視において前記外縁に沿って前記第1溝まで延びている第2外周部と、を有する円柱状の切削部を備え、 先端視において前記切削部の回転軸からの距離が同一の部位を見たとき、前記第1切削部よりも前記第2切削部の方が前記後端部側に位置しており、 先端視において、前記第2切刃の前記他端は、前記第1チゼルエッジを前記切削部の回転軸方向に延長してなる第1延長線と前記切削部の前記外縁との交点である第1交点と、前記第1切刃に平行で前記回転軸を通過する中心線を前記回転軸方向に延長してなる第2延長線と前記切削部の前記外縁との交点である第2交点との間に位置している。
本発明の一の実施形態に係る切削加工物の製造方法は、 前記ドリルを回転軸まわりに回転させる工程と、 回転している前記ドリルの前記第1切刃および前記第2切刃を、被削材に接触させる工程と、 前記被削材と前記ドリルとを離隔させる工程と、を備えている。
本発明の一実施形態に係るドリルによれば、先端視において前記切削部の回転軸からの距離が同一の部位を見たとき、前記第1切削部よりも前記第2切削部の方が前記後端部側に位置していることから、穴あけ加工の初期段階において、被削材に対して第1切削部のみが先に喰い付いて切削を行なうこととなるため、ドリルの回転の中心位置が切削部の回
転軸に対して若干ズレることによって切削部の外縁(外径)に対して若干小さな径の加工穴が形成される。そして、先端視において、前記第2切刃の前記他端は、前記第1チゼルエッジを前記切削部の回転軸方向に延長してなる第1延長線と前記切削部の前記外縁との交点である第1交点と、前記第1切刃に平行で前記回転軸を通過する中心線を前記回転軸方向に延長してなる第2延長線と前記切削部の前記外縁との交点である第2交点との間に位置していることから、穴あけ加工が進んで第2切削部(第2切刃)が切削に寄与する段階になった際に、上述のような切削部の外縁に対して若干小さい径の加工穴を、第1切削部と回転軸を挟んで略反対側に位置している第2切刃の他端によって、切削部の外縁の大きさに広げるように切削することができるとともに、加工穴に存在するバリや加工穴内壁の凹凸を取り除いて平滑性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係るドリルを示す図であり、(a)は全体側面図であり、(b)は先端部側から見た先端図であり、(c)は図3(a)のA−A線断面図である。 図1に示すドリルの切削部のうち先端部側を示す部分拡大図であり、(a)は矢印Aから見た側面図であり、(b)は矢印Bから見た側面図である。 図1に示すドリルの切削部のうち先端部側を示す部分拡大図であり、(a)は矢印Cから見た側面図であり、(b)は矢印Dから見た側面図である。 図1に示すドリルの側面図を回転軸Oを基準にして先端図と対応させて示した図であり、(a)は矢印Eから見た側面図であり、(b)は矢印Fから見た側面図である。 図1に示すドリルの側面図を回転軸Oを基準にして先端図と対応させて示した図であり、(a)は矢印Gから見た側面図であり、(b)は矢印Hから見た側面図である。 本発明の実施形態に係る切削加工物の製造方法を説明する図であり、(a)はドリルを被削材に向かってY方向に近づける工程を示す図であり、(b)はドリルを被削材に接触させる工程を示す図であり、(c)はドリルを被削材からZ方向に離隔させる工程を示す図である。
<ドリル>
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態に係るドリルについて、図1〜図5を参照して詳細に説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態のドリル1は、大略、工作機械の回転するスピンドル等で把持される本体部20と、該本体部20の一端側に設けられた切削部10と、を備えている。本体部20は、工作機械の回転軸の形状に応じて設計される部位である。切削部10は、被削材30と接触する部位である。なお、矢印aは、ドリル1の回転方向を示している。
切削部10は、図2および図3に示すように、被削材30の切削加工において主たる役割を有する部位である。具体的には、先端部10aにおいて、後述する一対のチゼルエッジ11a1、11b1を介して互いに離れて位置している2つの切刃11(第1切刃11a及び第2切刃11b)が形成され、且つ、該2つの切刃11に対応して2つの溝12(第1溝12a及び第2溝12b)が切削部10の外縁(外周)10cに先端部10aから後端部10bに渡って形成されている。ここで、図1(b)および図4に示すように、第1切削部11Aは、第1チゼルエッジ11a1と第1切刃11aを有し、第2切削部11Bは第2チゼルエッジ11b1と第2切刃11bを有している。本実施形態においては、
第1切削部11Aが主たる切刃として機能し、第2切削部11Bは補助的な切刃として機能する。
また、本実施形態において、切削部10の形状は円柱状である。すなわち、切削部10は、回転軸Oに垂直な断面において、先端部10aにおける直径をT1とし、先端部10a以外の部位における直径をT2としたとき、T1及びT2がT1=T2の関係を有している。また、切削部10は、回転軸Oに垂直な断面において、その直径が先端部10aから後端部10bに渡って一定である。なお、切削部10の外縁(外周)10cは、図1(b)、図4および図5において実線で示されている。ここで、本明細書において、回転軸Oとは、先端視における切削部10の中心を通る線であって、一対のチゼルエッジ11a1、11b1が連続する点を通る線をいう。また、本明細書において、先端視とは、ドリル1を先端部10a側から見ることを意味する。
2つのチゼルエッジ(第1チゼルエッジ11a1、第2チゼルエッジ11b1)は、図2および図3などに示すように、切削部10の最も先端部10a側に位置している。本実施形態において、第1チゼルエッジ11a1は、第1切刃11a及び第2切刃11bとともに被削材30を切削する役割を有するのに対して、第2チゼルエッジ11b1は積極的に被削材30を切削する役割を有さないものである。また、図1(b)に示すように、第1チゼルエッジ11a1および第2チゼルエッジ11b1は、切削部10の回転軸O(軸線)を基準にして180°の回転対称の位置には存在していない。具体的には、図1(b)に示すように、先端視において、第1チゼルエッジ11a1に対して第2ゼルエッジ11b1は傾斜して位置している。また、図1(b)に示すように、第2ゼルエッジ11b1の長さは、第1チゼルエッジ11a1の長さよりも長い。これによれば、第2ゼルエッジ11b1の外縁10c側の端部と外縁10cとの距離が小さくすることが可能となり、ドリル1の芯厚を大きく確保することができるため、ドリル強度の向上に寄与する。
そして、図4に示すように、側面視において、切削部10の回転軸Oに垂直な面を基準にしたときに、第1チゼルエッジ11a1の傾斜角θ11a1は、第2ゼルエッジ11b1の傾斜角θ11b1よりも小さい。図4は、ドリル1の側面図と先端図と対応させて示した図であり、(a)は第1チゼルエッジ11a1に垂直な矢印Eから見た側面図であり、(b)は第2ゼルエッジ11b1に垂直な矢印Fから見た側面図である。例えば、回転軸Oに垂直な面に対して、第1チゼルエッジ11a1の傾斜角θ11a1を5〜10°に設定し、第2ゼルエッジ11b1の傾斜角θ11b1を10〜25°に設定することができる。これによれば、被削材30に対する穴あけ加工時において、第2チゼルエッジ11b1よりも先に、第1チゼルエッジ11a1が被削材30に接触することによって切削加工に供することとなる。ここで、第2ゼルエッジ11b1は、必要に応じて、第1チゼルエッジ11a1による切削加工を補助するための切刃として使用すればよい。
なお、本実施形態において、図1(b)に示すように、後述する第3逃げ面14cと第4逃げ面14dとの交線部に第3チゼルエッジ11c1をさらに設けている。これによれば、互いに非対称な配置にある第1チゼルエッジ11a1および第2チゼルエッジ11b1に加えて設けることによって位置バランスを良くすることができ、ドリル1の直進性を向上させることができる。なお、本実施形態においては、穴あけ加工時に、第3チゼルエッジ11c1が加工穴の底面を若干擦るような位置に設けており、ドリル1の直進性をより向上させることが可能となる。
2つの切刃11は、図1などに示すように、切削部10の先端部10aに形成されている。本実施形態において、第1切刃11aおよび第2切刃11bについても、切削部10の回転軸O(軸線)を基準にして180°の回転対称の位置には存在していない。具体的には、図1(b)に示すように、先端視において、第1切刃11aに対して第2切刃11
bは傾斜して位置している。また、図1(b)に示すように、第2切刃11bの長さは、第1切刃11aの長さよりも長い。なお、図1(b)に示すように、先端視において、第2切刃11bは曲線状である。具体的には、先端視において、第2切刃11bは外縁10c側に凸の曲線状である。なお、先端視において、第1チゼルエッジ11a1と第1切刃11aとがなす角は、例えば130〜150°に設定されることが好ましい。
そして、図5に示すように、側面視において、切削部10の回転軸Oに垂直な面を基準にしたときに、第1切刃11aの傾斜角θ11aは、第2切刃11bの傾斜角θ11bよりも小さい。図5は、ドリル1の側面図と先端図と対応させて示した図であり、(a)は第1切刃11aに垂直な矢印Eから見た側面図であり、(b)は第2切刃11bに垂直な矢印Fから見た側面図である。例えば、回転軸Oに垂直な面に対して、第1切刃11aの傾斜角θ11aを15〜40°に設定し、第2切刃11bの傾斜角θ11bを30〜60°に設定することができる。これによれば、上述のような第1チゼルエッジ11a1の傾斜角θ11a1および第2ゼルエッジ11b1の傾斜角θ11b1の大小関係などと相俟って、第2切刃11bによりも先に第1切刃11aが被削材30に接触することによって切削加工に供することとなる。ここで、第2切刃11bは、第1切刃11aによる切削加工を補助するための切刃として使用される。具体的には、第1切削部11Aによって形成された外縁10cに対して若干小さな径の加工穴を、切削部10の外縁10cの大きさに広げるように切削する役割を有する。言い換えれば、第2切刃11bは、外縁10cに対して若干小さな径の加工穴と切削部10の外縁(外径)10cとの差に相当する領域を、第2切刃11bの他端11bb側の部位を用いて切削することができる。
また、第1切削部11A側においては、第1切刃11aに連続している第1逃げ面14aは、第1切刃11aを基準にして例えば5〜15°後端部10b側に傾斜し、且つ、第1逃げ面14aに連続している第2逃げ面14bは、第1逃げ面14aを基準にして例えば5〜40°後端部10b側に傾斜するように設定すれば良い。他方、第2切削部11B側においては、第2チゼルエッジ11b1に連続している第3逃げ面14cは、第2チゼルエッジ11b1を基準にして例えば10〜40°後端部10b側に傾斜し、且つ、第3チゼルエッジ11c1に連続している第4逃げ面14dは、第3チゼルエッジ11c1を基準にして例えば10〜40°後端部10b側に傾斜するように設定すれば良い。
以上、本実施形態に係るドリル1によれば、先端視において切削部10の回転軸Oからの距離が同一の部位を見たとき、図4(a)および(b)に示すように、第1切削部11Aよりも第2切削部11Bの方が後端部10b側に位置していることから、穴あけ加工の初期段階において、被削材30に対して第1切削部11Aのみが先に喰い付いて切削を行なうこととなるため、ドリル1の回転の中心位置が切削部10の回転軸Oに対して若干ズレることによって切削部10の外縁(外径)10cに対して若干小さな径の加工穴31が形成される。すなわち、図4(a)に示すように、先端視において回転軸Oを中点とした同一円を通る第1切削部11Aおよび第2切削部11Bの側面視における位置を比較することができ、回転軸Oからの距離が同一の部位においては第1切削部11Aよりも第2切削部11Bが後端部10b側に位置していることが明確に示されている。例えば、回転軸Oに垂直な面Pおよびそれに平行な面L1〜L3を見てみると、L1、L2およびL3のいずれの面で見た場合においても、第1切削部11Aよりも第2切削部11Bが後端部10b側に位置していることが分かる。それ故、被削材30に対して第1切削部11Aのみが先に喰い付いて切削を行なうこととなる。
そして、図1(b)に示すように、先端視において、第2切刃11bの他端11bbは、第1チゼルエッジ11a1を切削部10の回転軸O方向に延長してなる第1延長線と切削部10の外縁10cとの交点である第1交点16Aと、第1切刃11aに平行で回転軸Oを通過する中心線を回転軸O方向に延長してなる第2延長線と切削部10の外縁10c
との交点である第2交点16Bとの間に位置していることから、穴あけ加工が進んで第2切削部11B(第2切刃11b)が切削に寄与する段階になった際に、上述のような切削部10の外縁10cに対して若干小さい径の加工穴31を、第1切削部11Aと回転軸Oを挟んで略反対側に位置している第2切刃11bの他端11bbによって、切削部10の外縁10cの大きさに広げるように切削することができるとともに、加工穴31に存在するバリや加工穴31内壁の凹凸を取り除いて平滑性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、先端視において、第1切刃11aの他端11abは、切削部10の回転軸Oを基準にして、第2切刃11bの他端11bbと点対称である。これによれば、主たる切刃として機能する第1切刃11aと補助的な切刃として機能する第2切刃11bの位置バランスが良く、上述のような作用効果をより効果的に発揮することができる。
2つの溝12は、2つの切刃11によって生成される切屑を排出することを主目的としている。具体的には、第1溝12a及び第2溝12bは、図1〜図3に示すように、第1切刃11a及び第2切刃11bにそれぞれ連続しており、且つ切削部10の先端部10aから後端部10b(本体部20側)に渡って螺旋状に位置している。そして、切削加工時において、第1切刃11aで形成された切屑は、基本的に第1切刃11aに連続している第1溝12aを通って後端部10b側に排出され、第2切刃11bで形成された切屑は、基本的に第2切刃11bに連続している第2溝12bを通って後端部10b側に排出される。本実施形態においては、図1(b)に示すように、切削部10の外縁10cを基準にした回転軸O側への深さは、第2溝12bの深さD2が第1溝12aの深さD1よりも小さい。上述のように第2切刃11bは第1切刃11aによる切削を補助する機能を有する切刃であるため、第2切刃11bに連続する第2溝12bの深さD2についても第2切刃11bによって生成される切屑を排出するために必要な範囲の深さを確保できればよいからである。そして、第2溝12bの深さD2が第1溝12aの深さD1よりも小さく設定されることによって、ドリル1の芯厚を大きく確保することができるためドリル強度の向上に寄与する。また、第1溝12aの捩れ角と第2溝12bの捩れ角とは同一である。また、第1切刃11aの一端11aaに連続している第1チゼルエッジ11a1によって生成された切屑、および第2切刃11bの一端11baに連続している第2チゼルエッジ11b1によって生成された切屑は、それぞれのチゼルエッジ11a1、11b1に対応して位置する第4逃げ面14dおよび第2逃げ面14bを経由して、第1溝12aおよび第2溝12bを通って後端部10b側に排出される。
外周部16(第1外周部16a、第2外周部16b)は、図1(b)に示すように、溝12が形成されていない領域であって、当該領域においてドリル径(外径)は溝12を形成する前の大きさで維持されている。すなわち、外周部16は、実質的に断面視において切削部10の外縁(外周)10cに相当する部位であり、円弧状をなしている。
第1外周部16aは、図1(b)に示すように、第1切刃11aの他端11abに連続しており、先端視において外縁10cに沿って第2溝12bまで延びている。第1外周部16aは、図1(b)に示すように、先端視において、外縁10cと同一円周上に位置している。これによれば、第1外周部16aは、穴あけ加工時に、被削材30の加工穴31の内壁と摺接してドリル1を案内する機能を備える。
第2外周部16bは、図1(b)に示すように、第2切刃11bの他端11bbに連続しており、先端視において外縁10cに沿って第1溝12aまで延びている。第1外周部16aと同様、第2外周部16bは、図1(b)に示すように、先端視において、外縁10cと同一円周上に位置している。これによれば、第2外周部16bは、穴あけ加工時に、被削材30の加工穴31の内壁と摺接してドリル1を案内する機能を備える。
本実施形態においては、図1(b)に示すように、先端視において、第1外周部16aよりも第2外周部16bの方が、切削部10の外縁10cに沿う長さが短い。これによれば、主たる切刃として機能する第1切削部11Aに連続する第1外周部16aの強度を強く、補助的な切刃として機能する第2切削部11Bに連続する第2外周部16bの強度を必要な強度だけ確保することによって加工穴31の内壁との接触による焦げ付きを低減することが可能となる。
なお、本実施形態のドリル1は、例えば、切刃11の外径が0.6mm未満、好ましくは0.3mm未満の小径ドリル、深穴加工用ドリルとして好適に用いられる。特に、プリント基板等の穴開け加工に適している。また、本実施形態のドリル1は、超微粒子超硬を材料とし、例えば、軸線の長さ(切刃11から溝12が終了するまでの長さ)をLとし、径(切刃11の外径)をDとするとき、L/Dが5以上であるような深穴加工に好適に用いられる。
<切削加工物の製造方法>
次に、本発明の実施形態に係る切削加工物の製造方法について、上述の実施形態に係るドリル1を用いる場合を例に挙げて詳細に説明する。以下、図6を参照しつつ説明する。
本実施形態にかかる切削加工物の製造方法は、以下の(i)〜(iv)の工程を備える。
(i)準備された被削材30に対して上方にドリル1を配置する工程(図6(a)参照
)。
(ii)ドリル1を、回転軸Oを中心に矢印a方向に回転させ、被削材30にドリル1を近づける工程(図6(a)および(b)参照)。
本工程は、例えば、被削材30を、ドリル1を取り付けた工作機械のテーブル上に固定し、ドリル1を回転した状態で近づけることにより行なうことができる。なお、本工程では、被削材30とドリル1とは相対的に近づけばよく、例えば被削材30をドリル1に近づけてもよい。
(iii)ドリル1をさらに被削材30に近づけることによって、回転しているドリル1
の第1切刃11a及び第2切刃11bを、被削材30の表面の所望の位置に接触させて、被削材30に加工穴(貫通孔)31を形成する工程(図6(b)参照)。
本工程において、良好な仕上げ面を得る観点から、ドリル1の切削部10のうち後端部10b側の一部領域が被削材30を貫通しないように設定することが好ましい。すなわち、この一部領域を切屑排出のためのマージン領域として機能させることで、当該領域を介して優れた切屑排出性を奏することが可能となる。
(iv)ドリル1を被削材30から離隔させる工程(図6(c)参照)。
本工程においても、上述の(ii)の工程と同様に、被削材30とドリル1とは相対的に離隔すればよく、例えば被削材30をドリル1から離隔させてもよい。
以上のような工程を経ることによって、優れた穴加工性を発揮することが可能となる。
なお、以上に示したような被削材30の切削加工を複数回行う場合、例えば、1つの被削材30に対して複数の加工穴(貫通孔)31を形成する場合には、ドリル1を回転させ
た状態を保持しつつ、被削材30の異なる箇所にドリル1の第1切刃11a及び第2切刃11bを接触させる工程を繰り返せばよい。
以上、本発明に係るいくつかの実施形態および変形例について例示したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。
例えば、切削部10の形状は、上述の実施形態の構成に限定されるものではなく、当業者が通常用いる形状を採用することができる。例えば、切削部10は、内接円の芯厚が先端部10aから後端部10bに向かって大きくなるようなテーパー状であってもよい。また、切削部10は、ドリル径(外径)が先端部10aから後端部10bに向かうにつれて大きくなるか、あるいは小さくなるように傾斜していてもよい。さらに、切削部10には、所謂アンダーカット部やクリアランス部を設けてもよい。
また、上述の実施形態において、第1溝12aおよび第2溝12bの溝幅を同一としたが、これに代えて、第1溝12aおよび第2溝12bのうち先端部10a側に位置する方の溝幅を大きくしてもよい。これによれば、比較的大きな切屑について先端部10a側の溝12を介して効果的に排出することが可能となる。また、先端部10aから後端部10bに向かうにつれて大きくなるか、あるいは小さくなるようにしてもよい。
また、第1溝12aおよび第2溝12bの溝長が異なっていてもよい。さらに、第1溝12aおよび第2溝12bのいずれか一方、または双方の捩れ角を変化させて2つの溝が合流するようにしてもよい。
1 ドリル
10 切削部
10a 先端部
10b 後端部
10c 外縁
11 切刃
11a 第1切刃
11aa 一端
11ab 他端
11b 第2切刃
11ba 一端
11bb 他端
11a1 第1チゼルエッジ
11b1 第2チゼルエッジ
11c1 第3チゼルエッジ
11A 第1切削部
11B 第2切削部
12 溝
12a 第1溝
12b 第2溝
14 逃げ面
14a 第1逃げ面
14b 第2逃げ面
14c 第3逃げ面
14d 第4逃げ面
16 外周部
16a 第1外周部
16b 第2外周部
16A 第1交点
16B 第2交点
20 本体部
30 被削材
31 加工穴(貫通孔)
O 回転軸

Claims (13)

  1. 先端部に位置している第1チゼルエッジ、および一端が前記第1チゼルエッジに連続している第1切刃、を有する第1切削部と、
    先端部において前記第1チゼルエッジに連続して位置している第2チゼルエッジ、および一端が前記第2チゼルエッジに連続している第2切刃、を有する第2切削部と、
    前記第1切刃に連続しており、後端部へ向かって螺旋状に延びている第1溝と、
    前記第2切刃に連続しており、前記後端部へ向かって螺旋状に延びている第2溝と、
    前記第1切刃の他端に連続しており、先端視において外縁に沿って前記第2溝まで延びている第1外周部と、
    前記第2切刃の他端に連続しており、先端視において前記外縁に沿って前記第1溝まで延びている第2外周部と、を有する円柱状の切削部を備え、
    先端視において前記切削部の回転軸からの距離が同一の部位を見たとき、前記第1切削部よりも前記第2切削部の方が前記後端部側に位置しており、
    先端視において、前記第2切刃の前記他端は、前記第1チゼルエッジを前記切削部の回転軸方向に延長してなる第1延長線と前記切削部の前記外縁との交点である第1交点と、前記第1切刃に平行で前記回転軸を通過する中心線を前記回転軸方向に延長してなる第2延長線と前記切削部の前記外縁との交点である第2交点との間に位置している、ドリル。
  2. 先端視において、前記第1切刃の前記他端は、前記切削部の前記回転軸を基準にして、前記第2切刃の前記他端と点対称である、請求項1に記載のドリル。
  3. 側面視において、前記切削部の前記回転軸に垂直な面を基準にしたときに、前記第1切刃の傾斜角は、前記第2切刃の傾斜角よりも小さい、請求項1または2に記載のドリル。
  4. 先端視において、前記第1切刃に対して前記第2切刃は傾斜している、請求項1〜3のいずれかに記載のドリル。
  5. 先端視において、前記第2切刃は曲線状である、請求項1〜4のいずれかに記載のドリル。
  6. 先端視において、前記第2切刃は前記外縁側に凸の曲線状である、請求項5に記載のドリル。
  7. 前記第2切刃の長さは、前記第1切刃の長さよりも長い、請求項1〜6のいずれかに記載のドリル。
  8. 側面視において、前記切削部の前記回転軸に垂直な面を基準にしたときに、前記第1チゼルエッジの傾斜角は、前記第2チゼルエッジの傾斜角よりも小さい、請求項1〜7のいずれかに記載のドリル。
  9. 前記第2チゼルエッジの長さは、前記第1チゼルエッジの長さよりも長い、請求項1〜8のいずれかに記載のドリル。
  10. 先端視において、前記第1チゼルエッジに対して前記第2チゼルエッジは傾斜している、請求項1〜9のいずれかに記載のドリル。
  11. 先端視において、前記第1外周部よりも第2外周部の方が前記切削部の前記外縁に沿う長さが短い、請求項1〜10のいずれかに記載のドリル。
  12. 前記切削部の前記外縁を基準にした前記回転軸側への深さは、前記第2溝の深さD2が前記第1溝の深さD1よりも小さい、請求項1〜11のいずれかに記載のドリル。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のドリルを回転軸周りに回転させる工程と、
    回転している前記ドリルの前記第1切刃および前記第2切刃を、被削材に接触させる工程と、
    前記被削材と前記ドリルとを離す工程と、
    を備える、切削加工物の製造方法。
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