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JP2013195550A - 光学フィルム、光学表示装置 - Google Patents

光学フィルム、光学表示装置 Download PDF

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JP2013195550A
JP2013195550A JP2012060822A JP2012060822A JP2013195550A JP 2013195550 A JP2013195550 A JP 2013195550A JP 2012060822 A JP2012060822 A JP 2012060822A JP 2012060822 A JP2012060822 A JP 2012060822A JP 2013195550 A JP2013195550 A JP 2013195550A
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Yuri Kousa
由里 小宇佐
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】膜強度、面性、及びハンドリング性のバランスがとれた薄膜の光学フィルム、及びこの光学フィルムを有する光学表示装置を提供する。
【解決手段】光学フィルム1は、透明基材2の一方の面にハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3が設けられ、ハードコート層等3を形成する溶液又は/及びモノマーにより透明基材2が溶解して形成された混合層4が存在し、透明基材2の膜厚が20μm以上かつ50μm未満であり、ハードコート層等3の膜厚が1.0μm以上かつ5.0μm未満であり、混合層4の膜厚が0.5μm以上かつ3.0μm未満であり、ハードコート層等3の膜厚/混合層4の膜厚の値が1以上10未満であり、ハードコート層等3が積層された側の面における表面抵抗値が1.0×107Ω以上かつ1.0×1013Ω以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、帯電防止ハードコートフィルムや反射防止フィルム等の光学フィルム、及び光学フィルムを備えた光学表示装置に関する。
近年、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、タッチパネル等の画像表示装置において、さらなる高性能化、小型化が求められており、これに伴い画像表示面を構成する各部材の小型化、薄型化が求められている。このような画像表示面は、取り扱い時に傷がつかないように、耐擦傷性を付与することが要求されていることから、基材にハードコート層を設けたハードコートフィルムや光学フィルムを利用することにより、耐擦傷性を向上させることが一般になされている。
ここで、光学フィルムを薄膜化するために基材の薄膜化を行うと、基材が薄くなるほど積層させる材料の硬化収縮によりカールが大きくなり、表面フィルムの製造、加工での取り扱い性が難しくなったり、取り扱い中に膜にクラック(脆性)が発生したり、貼り合わせ後に剥がれ現象が生じるという問題がある。
ここで、カールを抑制する方法として、光学層形成時の硬化収縮が小さい材料やフィラーの使用、ハードコート層の構成の変更、ハードコート層の膜厚低下等が挙げられる(特許文献1参照)。しかし、この方法では、膜強度の低下や、コスト増加、その他機能性材料(帯電防止剤等)添加時の相性、干渉縞等の面性不具合が生じやすくなるという問題があり、各特性と品質のバランスが難しい。
また、ハードコート層は、主材料としてアクリル系又はウレタン系光硬化材料を用いており(特許文献2参照)、絶縁性が高いために帯電しやすく、表面へ埃等が付着し汚れが発生するといった問題がある。さらに、薄膜化に伴いハンドリング性が大きく悪化するため、帯電防止機能を有することが要求されている。
一方、反射防止機能を備える光学フィルムをディスプレイ表面に設けることにより、外光の反射を抑制することができ、明所でのコントラストを向上させることができる。また、ディスプレイ装置内部に設けた場合でも、透過率を向上させることができることから画像をより明るく表示可能にすることができ、バックライトの出力などを抑える省エネ効果も期待できる。
特開2010−271400号公報 特開2011−21151号公報
本発明の目的は、膜強度、面性、及びハンドリング性のバランスがとれた薄膜の光学フィルム、及び光学フィルムを有する光学表示装置を提供することである。
上記課題を解決するために、(1)本発明の一態様では、透明基材の少なくとも一方の面に、少なくとも一層のハードコート層又は帯電防止性ハードコート層が設けられた光学フィルムであって、前記透明基材と前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層との間に、前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層を形成する溶液及び/又はモノマーにより前記透明基材が溶解され形成された混合層が存在し、前記透明基材の膜厚が20μm以上かつ50μm未満であり、前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層の膜厚が1.0μm以上かつ5.0μm未満であり、前記混合層の膜厚が0.5μm以上かつ3.0μm未満であり、前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層の膜厚/前記混合層の膜厚の値が1以上かつ10未満であり、前記透明基材に対して前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層が積層された側の面の表面抵抗値が1.0×107Ω以上かつ1.0×1013Ω以下であることを特徴とする光学フィルムを提供できる。
(2)本発明の一態様では、前記透明基材がトリアセチルセルロースであることが好ましい。
(3)本発明の一態様では、前記透明基材の膜厚/(前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層の膜厚+前記混合層の膜厚)の値が5以上であることが好ましい。
(4)本発明の一態様では、前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層上に低屈折率層が積層され、前記低屈折率層の表面での平均視感反射率が0.4%以上かつ1.5%以下であることが好ましい。
(5)本発明の一態様では、前記光学フィルムの前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層上に高屈折率層、低屈折率層が順に積層され、前記低屈折率層の表面での平均視感反射率が0.05%以上かつ0.6%以下であることが好ましい。
(6)本発明の一態様では、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学フィルムを具備してなることを特徴とする光学表示装置を提供できる。
本発明によれば、膜強度、干渉縞、及びハンドリング性のバランスがとれた薄膜の光学フィルム、及び光学フィルムを有する光学表示装置を提供できる。
本実施形態に係る光学フィルムの一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る光学フィルムの一例を示す他の模式断面図である。 本実施形態に係る光学フィルムの一例を示す他の模式断面図である。
以下、本実施形態について説明する。
図1、図2、及び図3は、本実施形態に係る光学フィルム1の一例を示す模式断面図である。
図1のように、本実施形態に係る光学フィルム1にあっては、透明基材2上に、ハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3が積層されており、透明基材2とハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3との間に混合層4が存在する。
また、図2のように、帯電防止性ハードコート層3上に低屈折率層5が積層されていたり、図3のように、ハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3上に、高屈折率層6及び低屈折率層5がこの順序で積層されていたりしても良い。
さらに、光学フィルム1の、ハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3等が設けられている面を機能層が設けられている面11としたとき、機能層が設けられている面11の反対側の面12は、粘着層、接着性を向上させるための層の積層、もしくはケン化処理等の接着性を向上させるための処理を行ったものであっても良い。
ここで、透明基材2として、種々の有機高分子からなるフィルムまたはシートを用いることができる。例えば、透明基材2として、ディスプレイ等の光学部材に通常使用される基材が挙げられる。また、透明基材2として、透明性や光の屈折率等の光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性を考慮して、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等のセルロース系、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール等の有機高分子からなるものが用いられる。特に、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートが好ましい。さらに、これらの有機高分子に公知の添加剤、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を添加することにより機能を付加させたものも使用できる。また、透明基材2は、上記の有機高分子から選ばれる1種または2種以上の混合物、または重合体からなるものでもよく、複数の層を積層させたものであっても良い。
中でも、透明基材2をトリアセチルセルロースフィルムとした場合、トリアセチルセルロースフィルムは、複屈折が少なく、透明性が良好であることから、本実施形態に係る光学フィルムを液晶ディスプレイに用いるにあっては好適に使用することができる。
また、本実施形態では、透明基材2の厚みを、20μm以上かつ50μm未満としている。
透明基材2の厚みは、厚みが増すほど透明性が損なわれ、フィルムの可撓性が減少し、各工程での連続巻き取りが困難になる上、厚みが増すとコストも高くなる。本実施形態では、基材厚みが50μmを超えるとコスト削減と薄膜化の充分な効果が得ることができず、好ましくない。また、光学フィルムの薄膜化を考慮すると基材の厚みは薄い方が好ましいが、20μm未満であると、透明基材2が柔軟過ぎて加工する際の張力により伸張やシワが発生しやすくハンドリングが難しい。そのため、透明基材2の厚みを20μm以上50μm未満としている。
また、本実施形態では、ハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3の厚みを1.0μm以上かつ5.0μm未満としている。
ハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3の厚みが薄いほど、干渉縞が視認しやすくなったり、硬度が低下したりする。本実施形態では、ハードコート層3の厚みが1.0μm未満であると、充分なハードコート性能を得ることができず好ましくない。また、ハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3の厚みが厚いほど、樹脂の硬化収縮時にフィルムのカールが大きくなってしまい、後加工性が不適であったり、後加工においてクラックが発生したりすることがある。また、材料コストが高くなる。本実施形態では、薄膜基材を使用しているため、厚みが5.0μmを超えるとハンドリング性が大きく悪化するため、好ましくない。そのため、ハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3の厚みを1.0μm以上かつ5.0μm未満としている。
また、本実施形態では、混合層4の厚みを0.5μm以上かつ3.0μm未満としている。
混合層4の厚みが薄いほど、基材2とハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3の組成変化の勾配が急になるため、干渉縞が視認しやすくなる。さらに、基材2とハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3の密着性が低下する。そのため、充分な干渉縞抑制効果を得るには、混合層4の厚さは、0.5μm以上であることが好ましい。また、混合層4の厚さが厚いほど光学フィルムの硬度の低下や、面性の悪化をひきおこしやすい。そのため、ハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3の厚さを考慮すると、混合層4の厚みは3μm以下であることが好ましい。
また、本実施形態では、ハードコート層3の膜厚と混合層4の膜厚との比(ハードコート層3の膜厚/混合層4の膜厚)を1以上10未満としている。
これは、ハードコート層3の膜厚/混合層4の膜厚が1未満の場合、本実施形態で規定するハードコート層及び混合層の膜厚範囲内では、硬度の低下、及び面性の悪化を招きやすいため好ましくないからである。また、ハードコート層3の膜厚/混合層4の膜厚が10以上の場合、本実施形態で規定するハードコート層及び混合層の膜厚範囲内では、カールが悪化するため好ましくないからである。
ここで、干渉縞は、透明基材2上にハードコート等を形成させた場合、透明基材2の表面の反射光とハードコート表面の反射光とが干渉して、膜厚のムラに起因して干渉縞とよばれるムラ模様として視認されるものである。ハードコート層を完全に均一の膜厚で形成できれば干渉縞は生じないはずであるが、工業的規模で製造する際に干渉縞を抑制可能なほどの均一性を得ることは困難である。そのため、本実施形態では、混合層4を形成することで、屈折率の濃度勾配により干渉縞の抑制を行っている。
また、本実施形態では、透明基材2の膜厚と(ハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3の膜厚+混合層4の膜厚との比(透明基材2の膜厚/(ハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3の膜厚+混合層4の膜厚))は、5以上であることが好ましい。
この比が大きいほど、膜強度は低下するが、本実施形態で規定するハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3の膜厚、及び混合層4の膜厚範囲内では問題ない。また、この比が小さいほど膜強度は向上するが、カールが大きくなる。本実施形態で規定するハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3の膜厚、及び混合層4の膜厚範囲内ではこの比が5より小さいと、カールにより後加工性が不適であるため好ましくない。
また、本実施形態では、前記機能層が積層された側の面11における表面抵抗値を1.0×107Ω以上かつ1.0×1013Ω以下としている。
前記機能層が積層された側の面11における表面抵抗値が1.0×1013Ωを超える場合にあっては、十分な帯電防止性能を備えることができず、また、薄膜フィルムのため静電気によりハンドリング性が悪化する。また、帯電防止性能向上のために帯電防止性付与材料を添加すると、コストの上昇、面性悪化等を招きやすく、1.0×107Ω未満となるよう導電性粒子を添加した場合は平行線透過率の大幅な低下、イオン性材料を添加した場合は面性の悪化が生じるため、好ましくない。このような導電性粒子は、高屈折率層6に入っていても構わない。
また、本実施形態では、反射防止機能を付与するために設けた、低屈折率層5が積層された構成(図2)、高屈折率層6及び低屈折率層5が積層された構成(図3)において、高屈折率層6及び低屈折率層5は、それぞれの層の光学膜厚、即ち屈折率(n)と膜厚の積が可視光の波長λに対して、それぞれnλ/2、nλ/4と等しくなるように設計される。
また、図2に示すような、ハードコート層3上に低屈折率層5が積層された構成において、低屈折率層5の表面での平均視感反射率が0.3%以上かつ1.5%以下であることが好ましい。特に、0.4%以上かつ1.5%以下であることが好ましい。
これは、低屈折率層5の表面での視感平均反射率が1.5%を超える場合にあっては、十分な反射防止性能を備える光学フィルムとすることができないからである。一方、低屈折率層5の表面での視感平均反射率は低ければ低いほど好ましいが、0.3%より小さい光学フィルムを2層の光学干渉により実現することは困難であり、また製造工程に耐え得る機械強度の観点からも困難だからである。また、反射色相は無色に近いほど好ましく、|a*|≦5.00かつ|b*|≦10.00が好ましく、より好ましくは|a*|≦3.00かつ|b*|≦3.00である。
また、図3に示すような、ハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3上に高屈折率層6及び低屈折率層5が積層された構成において、低屈折率層5の表面での平均視感反射率が0.05%以上かつ0.6%以下であることが好ましい。3層の光学層が形成された反射防止フィルムでは、2層の光学層が形成された反射防止フィルムと比較して、ニュートラルな反射色相を保ちながら反射率を低下させることができる。しかし、2層の光学層で形成される反射防止フィルムと比較して材料、及び製造コストが増えるため、2層構成で比較的無色の反射色相を保てる平均視感反射率0.6%を超えると3層の光学層を形成するメリットが低いため、好ましくないからである。また、低屈折率層5の表面での視感平均反射率が0.05%より小さい反射防止フィルムを3層の光学干渉により実現することは、困難だからである。また、反射色相は無色に近いほど好ましく、|a*|≦3.00かつ|b*|≦3.00が好ましく、より好ましくは|a*|≦2.00かつ|b*|≦2.00である。
また、本実施形態では、反射防止フィルムの分光反射率曲線は、反射防止フィルムの低屈折率層と反対側の面を黒色塗料で艶消し処理した後におこなわれ、低屈折率層5の表面に対しての垂直方向から入射角度は5度に設定され、光源としてC光源を用い、2度視野の条件下で求められる。視感平均反射率は、可視光の各波長の反射率を比視感度により校正し、平均した反射率の値である。このとき、比視感度は明所視標準比視感度が用いられる。
また、本実施形態では、ハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3を形成するにあっては、金属酸化物粒子や四級アンモニウムカチオンを含むハードコート層形成用塗液を湿式成膜法により塗布し、透明基材上に塗膜を形成し、該塗膜に電離放射線を照射し、硬化することにより形成することができる。透明性の観点から、帯電防止性の付与には四級アンモニウムカチオン系が好ましい。
帯電防止性の付与に用いる金属酸化化合物粒子としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、アンチモン含有酸化スズ、リン含有酸化スズ、スズ含有酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、アルミニウム含有酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモン含有酸化亜鉛及びインジウム含有酸化亜鉛から選択される1種又は2種以上の金属酸化物を主成とする導電性を有する金属酸化化合物粒子を用いるのが好ましい。
帯電防止性の付与に用いる四級アンモニウムカチオンとしては、四級アンモニウムカチオンを官能基として分子内に含むアクリル系材料が好ましい。四級アンモニウムカチオンは−N+ X−の構造を示し、四級窒素原子(−N+)とカチオン(X−)を備えることによりハードコート層に導電性を発現させる。このとき、X−としては、Cl−、Br−、I−、F−、HSO4−、SO42−、NO3−、PO43−、HPO42−、H2PO4−、SO3−、OH−等を挙げることができる。
四級アンモニウムカチオンを官能基として分子内に含むアクリル系材料としては、四級アンモニウムカチオンを官能基として分子内に含む多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
四級アンモニウムカチオンを官能基として分子内に含むアクリル系材料として具体的には、ライトエステルDQ−100(共栄社化学製)等を用いることができる。
なお、本実施形態において「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を示している。たとえば、「ウレタン(メタ)アクリレート」は「ウレタンアクリレート」と「ウレタンメタアクリレート」の両方を示している。
また、ハードコート層及び帯電防止性ハードコート層形成用塗液に用いる電離放射線硬化型材料として、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
アクリル系材料の中でも、所望する分子量、分子構造を設計でき、形成されるハードコート層の物性のバランスを容易にとることが可能であるといった理由から、多官能ウレタンアクリレートを好適に用いることができる。ウレタンアクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる。
さらに、ハードコート層及び帯電防止性ハードコート層3には、屈折率調節、膜の硬化強度向上、及びカール抑制のために無機の微粒子や樹脂微粒子を添加しても良い。無機微粒子としては二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン及び硫酸カルシウムがあげられる。樹脂微粒子としては塩化ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂等、及びこれらの架橋樹脂が挙げられる。
なお、本実施形態における反射防止フィルムでは、形成されるハードコート層の鉛筆硬度は、物理的な耐擦傷性を備えるためにH以上、特にディスプレイ表面に用いる場合、2H以上であることが好ましい。
次に、高屈折率層として、高屈折率粒子とバインダマトリックス形成材料を含む高屈折率層形成塗液をハードコート層又は帯電防止性ハードコート層3上に塗布し、湿式成膜法により高屈折率層6を形成する方法について述べる。
高屈折率層形成用塗液にあっては金属酸化物粒子を含むことが好ましい。金属酸化化合物粒子は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、アンチモン含有酸化スズ、リン含有酸化スズ、スズ含有酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、アルミニウム含有酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモン含有酸化亜鉛及びインジウム含有酸化亜鉛から選択される1種又は2種以上の金属酸化物を主成とする導電性を有する金属酸化化合物粒子を用いるのが好ましい。
高屈折率層形成用バインダー材料として用いられる電離放射線硬化型材料としては、アクリル系材料を用いることができる。アクリル系材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
次に、低屈折率層5として、低屈折率粒子とバインダマトリックス形成材料を含む低屈折率層形成塗液をハードコート層、帯電防止層、帯電防止性ハードコート層、又は高屈折率層表面に塗布し、湿式成膜法により低屈折率層を形成する方法について述べる。
低屈折粒子としては、LiF、MgF、3NaF・AlFまたはAlF(いずれも、屈折率1.4)、または、Na3AlF6(氷晶石、屈折率1.33)等の低屈折材料からなる低屈折率粒子を用いることができる。また、粒子内部に空隙を有する粒子を好適に用いることができる。粒子内部に空隙を有する粒子にあっては、空隙の部分を空気の屈折率(≒1)とすることができるため、非常に低い屈折率を備える低屈折率粒子とすることができる。具体的には、多孔質シリカ粒子、内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子を用いることができる。
低屈折率層に用いられる低屈折率粒子としては、粒径が1nm以上かつ100nm以下であることが好ましい。粒径が100nmを超える場合、レイリー散乱によって光が著しく反射され、低屈折率層が白化して反射防止フィルムの透明性が低下する傾向にある。一方、粒径が1nm未満の場合、粒子の凝集による低屈折率層における粒子の不均一性等の問題が生じる。
バインダマトリックス形成材料として用いられる電離放射線硬化型材料としては、アクリル系材料を用いることができる。アクリル系材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
また、フッ素を有する化合物及び/又はシロキサン結合を有する化合物やその共重合体を含有することで、摩擦係数が少なくなり、表面滑性の向上、防汚性の向上、及び屈折率の低下といった効果がある。
シロキサン結合を有する化合物としては、例えばケイ素アルコキシドの加水分解物を用いることができる。さらには、一般式(1)RxSi(OR)4−x(但し、式中Rはアルキル基を示し、xは0≦x≦3を満たす整数である)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物を用いることができる。
一般式(1)で表されるケイ素アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等を用いることができる。ケイ素アルコキシドの加水分解物は、一般式(I)で示される金属アルコキシドを原料として得られるものであればよく、例えば塩酸にて加水分解することで得られるものである。
さらには、低屈折率層のバインダマトリックス形成材料としては、一般式(1)で表されるケイ素アルコキシドに、一般式(2)R´zSi(OR)4−z(但し、式中R´はアルキル基、フルオロアルキル基又はフルオロアルキレンオキサイド基を有する非反応性官能基を示し、zは1≦z≦3を満たす整数である)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物をさらに含有することにより反射防止フィルムの低屈折率層表面に防汚性を付与することができ、さらに、低屈折率層の屈折率をさらに低下することができる。
一般式(2)で示されるケイ素アルコキシドとしては、例えば、オクタデシルトリメトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シロキサン結合を有する化合物の共重合体の例としては、ポリジメチルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、カルボキシル変性ポリジメチルシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン、(メタ)アクリレート変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
フッ素を有する化合物や共重合体の例としては、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキル第四級アンモニウム塩、フルオロアルキルエチレンオキシド付加物などのフルオロアルキル基を有する化合物;ペルフルオロアルキルカルボン酸塩、ペルフルオロアルキル第四級アンモニウム塩、ペルフルオロアルキルエチレンオキシド付加物などのペルフルオロアルキル基を有する化合物;フルオロカーボン基を有する化合物;フッ素化ビニルエーテル、テトラフルオロエチレン重合体;フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンの共重合体;フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体;含フッ素(メタ)アクリル酸エステル;含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの重合体;含フッ素(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体;含フッ素(メタ)アクリル酸エステルと他モノマーの共重合体が挙げられる。
前記共重合体は、低屈折率層形成用硬化性組成物の骨格に導入されていても良いし、個別に存在していても良い。
これら光学層に用いる単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタン及びアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これら光学層に用いる前記2官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これら光学層に用いる前記3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
また、これら光学層形成用塗液にあっては、光重合開始剤を含んでいてもよい。透明基材2上に光学層形成用塗液を湿式成膜法により塗布し塗膜を形成後、電離放射線として紫外線を用い、紫外線照射により塗膜を硬化するにあっては、塗液に光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類等が挙げられる。また、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等を用いることができる。
これら光学層形成用塗液には、必要に応じて、溶媒が加えられる。溶媒を加えることにより、塗工適性を向上させることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、及びメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、及びγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類、水等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。
これら光学層形成用塗液においては、無機微粒子やポリマー粒子を添加することで各特性の調整を行うことができるが、ヘイズの上昇が懸念される。ディスプレイの視認性低下を防ぐ為、これら光学フィルムのヘイズは、3%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%以下であることである。
また、これら光学層形成用塗液においては、機能性添加剤として、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、密着性向上剤、硬化剤、表面調整剤、レベリング剤、屈折率調整剤、光増感剤等を加えることもできる。
以上の材料を調整して得られる光学層形成用塗液を湿式成膜法により透明基材上に塗布し、塗膜を形成し、必要に応じて塗膜の乾燥をおこなったあとに、電離放射線である紫外線もしくは電子線を照射することにより、光学層が形成される。電離放射線としては、紫外線、電子線を用いることができる。紫外線硬化の場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源が利用できる。また、電子線硬化の場合はコックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線が利用できる。
このとき、湿式成膜法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーターを用いた塗布方法を用いることができる。
以上により、本実施形態に係る光学フィルム1は製造される。
(ハードコート層形成用塗液)
ジペンタエリスリトールトリアクリレート25質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25質量部、ウレタンアクリレート50質量部、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製(光重合開始剤))5質量部を用い、これをメチルエチルケトン又は/及びイソプロピルアルコールに溶解してハードコート層形成塗液を調整した。また、混合層の膜厚は、メチルエチルケトンとイソプロピルアルコールの混合比を変更することにより調整した。
(帯電防止性ハードコート層形成用塗液)
四級アンモニウムカチオンを含有するライトエステルDQ100(共栄社化学製)7重量部、アンチモン含有酸化スズ5重量部、ジペンタエリスリトールトリアクリレート25質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25質量部、ウレタンアクリレート53質量部、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製(光重合開始剤))5質量部を用い、これをメチルエチルケトン又は/及びメタノール又は/及びイソプロピルアルコールに溶解して帯電防止性ハードコート層形成塗液を調整した。また、混合層の膜厚は、メチルエチルケトン又は/及びメタノール又は/及びイソプロピルアルコールの混合比を変更することにより調整した。
(高屈折率層形成用塗液)
アンチモン含有酸化スズ5〜20重量部、ジペンタエリスリトールトリアクリレート5質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート3質量部、ウレタンアクリレート10質量部、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製(光重合開始剤))2質量部を用い、これをメチルエチルケトンとイソプロピルアルコールの混合溶剤60〜75重量部に溶解して高屈折率層形成塗液を調整した。
(低屈折率層形成用塗液)
多孔質シリカ微粒子分散液(平均粒子径50nm、固形分20%、溶剤:メチルイソブチルケトン)16.8〜24.8重量部、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:DPEA−12、日本化薬製)2.0重量部、重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、商品名;イルガキュア184)0.1重量部、TSF4460(商品名、GE東芝シリコーン(株)製:アルキルポリエーテル変性シリコーンオイル)0.3重量部を、溶媒であるメチルイソブチルケトン80.9〜72.9重量部で希釈して低屈折率層形成用塗液を調整した。
(ハードコート層及び帯電防止性ハードコート層の形成)
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム製:膜厚40μm又は25μm)の片面に、目的のハードコート又は帯電防止ハードコート膜厚、及び混合層膜厚となるよう調整した、ハードコート層又は帯電防止性ハードコート層形成用塗液を塗布し、50℃・60秒オーブンで乾燥し、乾燥後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン、光源Hバルブ)を用いて照射線量200mJ/mで紫外線照射をおこなうことによりハードコート層又は帯電防止性ハードコート層を形成させた。
(高屈折率層の形成)
上記方法にて形成したハードコート層又は帯電防止性ハードコート層上に目的の視感反射率が得られるよう調整した、高屈折率層形成用塗液を塗布し、50℃・60秒オーブンで乾燥し、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン、光源Hバルブ)を用いて照射線量200mJ/mで紫外線照射をおこなって硬化させて高屈折率層を形成し、反射防止フィルムを作製した。
(低屈折率層の形成)
上記方法にて形成した帯電防止性ハードコート層、又は高屈折率層上に目的の視感反射率が得られるよう調整した、低屈折率層形成用塗液を塗布し、50℃・60秒オーブンで乾燥し、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン、光源Hバルブ)を用いて照射線量300mJ/mで紫外線照射をおこなって硬化させて低屈折率層を形成し、反射防止フィルムを作製した。
表1に、得られた光学フィルムの実施例及び比較例の条件を示す。
Figure 2013195550
また、下記サンプルは以下の理由により、サンプル作成又は特性評価を行っていない。帯電防止性ハードコート層膜厚1.0μm、混合層膜厚1.0μm以上のサンプル、及び帯電防止性ハードコート層膜厚4.0μm、混合層膜厚4.5μm以上のサンプル作成試みたが、面性が悪化したため目的のサンプルを得られなかった。本実施形態に係る光学フィルムより平均視感反射率の低い反射防止フィルムは、作成困難のため作成を行っていない。
実施例、及び比較例で得られた光学フィルムについて、以下の方法で評価をおこなった。
(混合層膜厚)
得られた光学フィルムについて、ミクロトームによる断面出しを行い、得られた断面について透明基材との境界を観察し、不明瞭である層を混合層とした。
(表面抵抗値)
得られた反射防止フィルムの低屈折率層表面の表面抵抗値を、JIS K 6911に準拠して測定した。また、得られた反射防止フィルムを温度25℃、湿度50%の環境下に24時間サンプルを保管し、保管後の反射防止フィルムの低屈折率層表面の表面抵抗値をJIS K 6911に準拠して測定した。
(平均視感反射率)
得られた反射防止フィルムの低屈折率層表面について、自動分光光度計(日立製作所製、U−4000)を用い、入射角5°における分光反射率を測定した。また、得られた分光反射率曲線から平均視感反射率を求めた。なお、測定の際には透明基材であるトリアセチルセルロースフィルムのうち低屈折率層の形成されていない面につや消し黒色塗料を塗布し、反射防止の処置をおこなった。
(密着性)
得られた反射防止フィルムの低屈折率層表面を1マスが1mm角で10マス×10マス=100マスとなるように碁盤目状にカットし切れ込みをいれた後、粘着テープ(ニチバン(株)製、工業用24mm巾セロテープ(登録商標))を用いて剥離試験をおこない、100マス部の残存率で評価した。100マス全てが剥離せずに残存したときを○印、干1マス以上の剥離が確認されたものを×印とした。
(干渉縞)
得られた反射防止フィルムについて、透明基材であるトリアセチルセルロースフィルムのうち低屈折率層の形成されていない面につや消し黒色塗料を塗布したのち、蛍光灯直下で低屈折率総評面の干渉縞を確認した。干渉縞が確認されなかったものを○印、干渉縞が確認されたものを×印とした。
(カール)
ハードコートフィルムを10cm×10cmの大きさに切り出し、各端部の浮き上がり
量を測定。四点の平均値をカール値とした。
(視認性)
視認性が特に高いものを◎印、視認性が高いものを○印、視認性が中程度のものを△印、視認性が低いものを×印とした。
(コスト)
コスト面で特に優れているものを◎印、コスト面で優れているものを○印、コスト面が中程度のものを△印、コスト面が低いものを×印とした。
これらの評価結果を表2に示す。
Figure 2013195550
表1及び表2に示すように、薄膜透明基材フィルム上にハードコート層又は帯電防止性ハードコート層が設けられた光学フィルムであり、ハードコート層の膜厚が1.0μm以上かつ5.0μm未満であり、且つ混合層の膜厚が0.5μm以上かつ3.0μm未満であり、且つハードコート層の膜厚/混合層の膜厚の値が1以上かつ10未満であり、かつ機能層が積層された側の面における表面抵抗値が1.0×107Ω以上かつ1.0×1013Ω以下である光学フィルムを用いた時にカール、干渉縞、及び硬度のバランスがとれた薄膜の光学フィルムを得ることができた。
さらに、透明基材の膜厚/(ハードコート層又は帯電防止性ハードコート層の膜厚+混合層の膜厚)の値が5以上である時、さらにカールが抑制され後工程にて使用しやすい光学フィルムが得られた。
さらに、光学フィルムのハードコート層又は帯電防止性ハードコート層上に低屈折率層が積層され、且つ低屈折率層表面での平均視感反射率が0.4%以上かつ1.5%以下である光学フィルムにおいて、充分な反射防止機能を付与することができた。
また、光学フィルムのハードコート層上に高屈折率層、低屈折率層がこの順序で積層され、且つ低屈折率層表面での平均視感反射率が0.05%以上かつ0.6%以下である光学フィルムにおいて、さらに反射色相と反射率の優れた反射防止機能を付与することができた。
本実施形態に係る光学フィルム、及び光学フィルムを備えた光学表示装置を用いることで、膜強度、面性、及びハンドリング性のバランスがとれた薄膜の光学フィルムを作成することができ、光学産業、特に薄型ディスプレイ産業の新たな需要を生み出すことができる。
1 光学フィルム、2 透明基材、3 ハードコート層又は帯電防止性ハードコート層、4 混合層、5 低屈折率層、6 高屈折率層、11 機能層が設けられている面、12 機能層が設けられている面の反対側の面

Claims (6)

  1. 透明基材の少なくとも一方の面に、少なくとも一層のハードコート層又は帯電防止性ハードコート層が設けられた光学フィルムであって、
    前記透明基材と前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層との間に、前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層を形成する溶液及び/又はモノマーにより前記透明基材が溶解され形成された混合層が存在し、
    前記透明基材の膜厚が20μm以上かつ50μm未満であり、
    前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層の膜厚が1.0μm以上かつ5.0μm未満であり、
    前記混合層の膜厚が0.5μm以上かつ3.0μm未満であり、
    前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層の膜厚/前記混合層の膜厚の値が1以上かつ10未満であり、
    前記透明基材に対して前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層が積層された側の面の表面抵抗値が1.0×107Ω以上かつ1.0×1013Ω以下であることを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記透明基材がトリアセチルセルロースであることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記透明基材の膜厚/(前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層の膜厚+前記混合層の膜厚)の値が5以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. 前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層上に低屈折率層が積層され、
    前記低屈折率層の表面での平均視感反射率が0.4%以上かつ1.5%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 前記光学フィルムの前記ハードコート層又は前記帯電防止性ハードコート層上に高屈折率層、低屈折率層が順に積層され、
    前記低屈折率層の表面での平均視感反射率が0.05%以上かつ0.6%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学フィルムを具備してなることを特徴とする光学表示装置。
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