JP2013184199A - ガス注入機能を備えたノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】耐火物からなるノズル本体の少なくともガス吐出口近傍につき構造体としての一体性を保持しつつ、破壊し難いガス注入機能を備えた貫通孔式のノズルを提供すること。
【解決手段】容器内の溶鋼を排出すると共に溶鋼内に不活性ガスを注入する機能を備えたノズル20において、ガスの通過経路となる貫通孔5を、そのガスプール2側の端部5aとガス吐出口4とを結ぶ仮想の直線を包含する仮想のいかなる方向の同一平面内にも貫通孔全体が包含されないように、立体的な非直線状に設けた。
【選択図】図1
【解決手段】容器内の溶鋼を排出すると共に溶鋼内に不活性ガスを注入する機能を備えたノズル20において、ガスの通過経路となる貫通孔5を、そのガスプール2側の端部5aとガス吐出口4とを結ぶ仮想の直線を包含する仮想のいかなる方向の同一平面内にも貫通孔全体が包含されないように、立体的な非直線状に設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、鋼の連続鋳造においてタンディッシュ等の容器内の溶鋼を内孔より排出するノズルであって、その内孔面から不活性ガスを注入する機能を備えたノズル、特に貫通孔式のガス通過経路を備えた耐火物製のノズルに関する。
鋼の連続鋳造用のノズル、特にタンディッシュからモールドに溶鋼を排出するためにタンディッシュの底部に設置されるノズルでは、その内孔面に溶鋼由来のアルミナ等の介在物が付着することによるノズル閉塞が生じやすい。そのため、内孔面への介在物付着防止、その他溶鋼撹拌等の目的で、ノズルの内孔面から不活性ガスを溶鋼中に注入することが多く行われている。
このようなノズルとしては、その本体を多孔質の耐火物で構成し、耐火物内の気孔をガスの通過経路として、内孔面のほぼ全体からガスを溶鋼中に注入するポーラス式のノズルがある。
また、ポーラス式のノズルのほかに、いわゆる貫通孔式のノズルが使用されることもある。この貫通孔式のノズルは、ノズルの耐食性や耐摩耗性等を向上させる等の目的から、ノズル本体を緻密な耐火物で構成し、その耐火物組織内に貫通孔を形成したものである。この貫通孔は、溶鋼が侵入しない程度に小さな断面積のトンネル状の空間であって、ノズル本体の耐火物内部又はノズル本体とその外周面側に配置されたメタルケースとの間に設けたガスプールと、内孔面に設けたガス吐出口との間を貫通するガスの通過経路である。
このような貫通孔式のノズルは、ノズル本体を緻密な組織の耐火物で構成しているので、ポーラス式のノズルと比較して耐食性や耐摩耗性には優れるが、耐熱衝撃性に劣る傾向がある。更に、貫通孔の部分は構造体の中では「欠陥」でもあり、熱的又は機械的な応力が集中して破壊の起点になりやすいという欠点をも有している。特に、溶鋼の排出開始若しくは停止又は流量制御を内孔上端へのストッパーの嵌合操作で行う場合には、当該ストッパーの操作自体が、ノズルに直接衝撃や圧縮等を加える機械的外力となって、貫通孔式のノズルを破壊する危険性が高くなる。これらの熱的又は機械的な応力によるノズルの破壊は、内孔の溶鋼通過方向を縦軸方向とすると、主としてその縦軸方向に平行な方向、及びその縦軸方向に垂直な方向(横方向)に延びる亀裂等(図4(b)の符号11及び12)として発現しやすい。
従来、貫通孔式のノズルにおいてその貫通孔の配置構造については、例えば特許文献1及び2のように、ノズルを縦方向(上・下方向)で複数段にグループ分けし、グループごとに複数の貫通孔を配置し、貫通孔自体は直線状の経路とし、また、そのグループごとの複数の貫通孔の各貫通孔のほぼ全体は当該ノズルの横方向の同一平面上に存在し、更にはそのように直線状に存在する各貫通孔が複数存在する場合に、ノズルの縦方向の或る断面及び横方向の或る断面それぞれにつき、同一の平面内にも存在するように配置されることが一般的である(図4(a)及び図5参照)。具体的には、貫通孔を含むノズル横方向の任意の断面(平面)において、その同一断面(平面)内に複数の貫通孔が存在する状態となっている。また、ノズル縦方向の任意の断面においても、前述と同様に同一平面内に配置されていることが多い。なお、ノズルの外周側から内孔側に向かって、いずれかの方向に傾斜(角度)を有する場合にも、例えば特許文献3のように各貫通孔はそのほぼ全体及び複数の貫通孔が、いずれかの方向、少なくともノズル縦方向の任意の断面(平面)においては、同一の断面(平面)内に存在することが多い。
しかしながら前記特許文献1〜3のように、貫通孔を直線状に配置した場合、貫通孔を起点に亀裂ないしは破壊が生じることが多い。また、そのような直線状の貫通孔を同一平面内に包含されるように配置すると、更にその平面に亀裂ないしは破壊が集中して生じ、その貫通孔又は平面からノズル本体の耐火物の広範囲に破壊が進展することが多い。破壊がたとえ亀裂程度であっても、その亀裂を含む破壊部分が新たなガスの通過経路となって、更にその周囲ではガスによる応力が増加し、破壊を助長することになる。
一方では、このような亀裂等の破壊部分が新たなガスの通過経路となると、ガスの吐出箇所数、貫通孔端部のガス吐出口の開口面積等が規則性なく増大する。そうすると、ガス吐出口ごとのガスの吐出量、吐出速度、吐出方向・状態等も大きく変動し、更には全ガス吐出量も予測を超えて変動することになる。その結果、意図した設計(当初の仕様)どおりの内孔面からの均一なガス吐出を行うことができず、内孔面への介在物等の付着を招来したり、溶鋼撹拌や介在物浮上等の効果も低下するか不安定になることになる。
このように従来技術では、ガス注入機能を備えるノズルの貫通孔は、ほとんどガスの流出機能・特性に重点を置いて配置されることが多く、破壊に対してはノズル本体の耐火物の成分や組成の変更による物性面の最適化等で改善しようとすることはあるものの、破壊防止の観点で貫通孔の配置構造が検討されることはなかった。すなわち、貫通孔式のノズルの破壊防止、ガスの安定供給のための対策は、依然として十分ではない。
本発明が解決しようとする課題は、耐火物からなるノズル本体の少なくともガス吐出口近傍につき構造体としての一体性を保持しつつ、破壊し難いガス注入機能を備えた貫通孔式のノズルを提供することにある。ひいては、ガスの安定供給、及びノズル内孔面への溶鋼等由来の介在物付着ないしはその増大によるノズル閉塞防止に寄与することを目的とする。
本発明のガス注入機能を備えたノズルは、次の(1)〜(4)の特徴を備えたノズルである。
(1)容器内の溶鋼を排出すると共に溶鋼内に不活性ガスを注入する機能を備えたノズルであって、
溶鋼が通過する内孔面に、ガス吐出口を一個又は複数個備えており、
前記ガス吐出口は、ノズル本体を貫通する貫通孔でガスプールと連通しており、
前記貫通孔は、立体的な非直線状に設けられていることを特徴とするノズル。
(2)前記立体的な非直線状は、凹凸状又は螺旋状である(1)に記載のノズル。
(3)前記貫通孔が複数個設けられており、前記複数個の貫通孔の前記ガスプール側のそれぞれの端部及び前記複数個の貫通孔にそれぞれ連通するガス吐出口のいずれか又は両方は、前記内孔の縦方向の中心軸を包含する同一の仮想平面上に位置しない、(1)又は(2)に記載のノズル。
(4)前記貫通孔が複数個設けられており、前記複数個の貫通孔の前記ガスプール側のそれぞれの端部及び前記複数個の貫通孔にそれぞれ連通するガス吐出口のいずれか又は両方は、前記内孔の縦方向の中心軸に対し垂直方向の同一の仮想平面上に位置しない、(1)から(3)のいずれかに記載のノズル。
(1)容器内の溶鋼を排出すると共に溶鋼内に不活性ガスを注入する機能を備えたノズルであって、
溶鋼が通過する内孔面に、ガス吐出口を一個又は複数個備えており、
前記ガス吐出口は、ノズル本体を貫通する貫通孔でガスプールと連通しており、
前記貫通孔は、立体的な非直線状に設けられていることを特徴とするノズル。
(2)前記立体的な非直線状は、凹凸状又は螺旋状である(1)に記載のノズル。
(3)前記貫通孔が複数個設けられており、前記複数個の貫通孔の前記ガスプール側のそれぞれの端部及び前記複数個の貫通孔にそれぞれ連通するガス吐出口のいずれか又は両方は、前記内孔の縦方向の中心軸を包含する同一の仮想平面上に位置しない、(1)又は(2)に記載のノズル。
(4)前記貫通孔が複数個設けられており、前記複数個の貫通孔の前記ガスプール側のそれぞれの端部及び前記複数個の貫通孔にそれぞれ連通するガス吐出口のいずれか又は両方は、前記内孔の縦方向の中心軸に対し垂直方向の同一の仮想平面上に位置しない、(1)から(3)のいずれかに記載のノズル。
以下に詳述する。
貫通孔は、ガスプールから内孔面上のガス吐出口まで、所定の圧力及び流速でガスを通過させることができるように、所定の大きさで連続して形成される。このような貫通孔は空間であるので、構造体の中では組織の欠陥部分でもあって、応力が集中しやすい部位でもある。
前記特許文献1〜3に示されているように、従来の貫通孔は凹凸がない直線状であるが、これを凹凸の頂点間長さの観点で言い換えるとその長さは貫通孔径の1倍ということである。このようにガス通過経路として貫通孔を直線状で形成すると、いずれの方向であるかにかかわらず、一の仮想平面内に貫通孔の経路全体が包含されることになる。このように一の平面内に空間すなわち構造体としての欠陥部分が集中して、しかもノズル本体を貫通する構造であると、ノズル本体をその厚さ方向の全長に亘って連続的に分断することになるので、その平面に応力が集中して破壊しやすくなる。また更に、そのような直線状の貫通孔を複数配置する場合に複数の貫通孔を同一仮想平面内に包含されるように配置すると、その平面には更に応力が集中しやすくなり、またその平面内は空間部分が相対的に多くなることから、耐火物組織の結合力も相対的に脆弱となって、更に破壊が生じやすなり、破壊が拡大しやすくもなる。
本発明では貫通孔を立体的な非直線状に形成することで、構造体中では破壊の起点となる可能性のある欠陥部分でもある空間を狭い範囲、特に同一平面内に集中させずに、広い範囲に亘って分散させて配置する。欠陥である空間を立体的に広い範囲に分散させることで、応力をも立体的に広く分散させて集中させないこととする。本発明において立体的な非直線状であるとは、同一の広い平面、特に応力集中が生じて破壊が連続的に生じやすい方向の同一平面内には、空間、すなわち貫通孔を連続的に存在させず、前記平面に対して垂直方向にも3次元の立体的な経路を有することを意味する。
貫通孔がいずれか特定の同一平面内で2次元的に非直線状に変化してその2次元である平面の垂直方向の立体的な方向には変化しない場合は、その平面上に関しては直線状の場合よりも却って空間である欠陥が多く(長く)存在することになり、その平面に応力が集中しやすくなるので、応力分散ないしは破壊防止等の効果は十分ではない。すなわち、3次元的にいずれの方向にも非直線状に配置されていることが必要である。なお、本発明において平面は、ノズル構造体の内部の仮想平面であって、現に組織を分断したものではない。
本発明において「立体的な非直線状」は、凹凸状又は螺旋状であることが好ましい。凹凸は屈曲部の連続でもよいが、それらの頂点付近が鋭角ではなく曲線状であることが、その頂点での応力集中を避けるためには好ましい。また、整然とした一定の規則性を備えることは必要ではない。
また、3次元的に応力を均一性がより高い状態で分散させるためには、貫通孔は、そのガスプール側の端部と内孔面のガス吐出口を結ぶ仮想の直線の周囲に、螺旋を描くように配置することが好ましく、前記仮想の直線に直角な方向からの観たその螺旋の円の径は、一定でないことが更に好ましい。
本発明が対象とするノズルは、内孔を溶鋼が通過する円筒状構造であって、内孔から受熱して、内孔側から外周側に温度勾配が生ずる。すると、ノズルの内孔側半径方向に強い圧縮応力が、外周側には強い引張り応力が発生し、ノズル縦方向に亀裂ないしは破壊を生じやすい。またその垂直方向にも、内孔側縦軸方向に強い圧縮応力が、外周側縦方向には強い引張り応力が発生し、横方向の亀裂ないしは破壊を生じやすい。
このような特性を有する構造体としての観点から、応力が集中して亀裂ないしは破壊を生じやすいノズル(内孔)の縦方向中心軸を含む仮想の縦方向同一平面(図2の符号7)内及び前記縦方向中心軸に垂直な横方向の仮想の同一平面(図2の符号8)内には、耐火物組織内の欠陥又は脆弱な部分を集中させずに、分散させることが好ましい。貫通孔は空間であって、構造体の欠陥部分、脆弱部分でもある。したがって、前記縦方向中心軸を含む縦方向の同一平面内に、また前記縦方向中心軸に垂直な横方向の同一平面内に、貫通孔の経路全体が重ならないようにすることが好ましい。
このような観点から更に好ましい立体的な非直線状の形態、程度を具体的に例示すると、貫通孔のガスプール側の端部からガス吐出口を直線で結び、その直線を軸とする半径方向の変動長さ、すなわち隣接する屈曲又は凹凸の頂点(図2(b)の符号10)間の前記縦方向又は横方向での半径方向の長さの差(図2(a)のLv又はLh)が、その貫通孔の径(図2(a)のd)の2倍を超えることが好ましく、より確実に空間を仮想の同一平面内に存在しないようにすると共に応力分散程度を高めるためには、貫通孔径の3倍以上であることがより好ましい。
また、貫通孔経路が縦方向と横方向同時に同一平面内に存在する確率を最も小さくするためには、凹凸の隣接する凹と凸とを結ぶ仮想平面(図2の符号9)の方向はノズル縦軸方向を含む平面に45°であって、その頂点間の長さ(図2のL)は、貫通孔の径の2倍に√2を乗じた値である貫通孔の径の約2.9倍を超えることが好ましく、貫通孔の径の3倍に√2を乗じた値である貫通孔の径の約4.3倍を超えることがより好ましいことになる。すなわち、前記のような長さにすると、経路全体において、ノズル縦方向中心軸を含む縦方向の同一平面内及びその縦方向に垂直な横方向の平面内に、貫通孔が連続して存在することがなく、また凹凸頂点間が離れることになるので、応力の分散効果を高くすることができる。これを図で説明すると、図2の符号8の線を中心とする凹凸頂点間が長くなることで、経路全体において、図2の符号8の線の方向に貫通孔が連続することがないことになる。
螺旋状においては、螺旋状にすることで多方向に、またより均一にかつ漸次連続的に応力を分散させることできるので、貫通孔のガスプール側の端部からガス吐出口を直線で結びその直線を軸とする場合のその軸に対する半径方向の螺旋内側の径が、少なくともその貫通孔の径より大きければ前記の軸方向で空間が連続して重なることがない。螺旋状において、より確実に空間を仮想の同一平面内に存在しないようにすると共に応力分散程度を高めるためには、螺旋内側の径が貫通孔径の2倍以上であることがより好ましい。
前述の個々の貫通孔の配置方法に加え、複数個の貫通孔を配置する場合にも、ノズル内での貫通孔相互の相対的な配置位置を、より応力が集中しにくい構造とすること、すなわち、ノズル(内孔)の縦方向中心軸を含む仮想の縦方向同一平面内及び前記縦方向中心軸に垂直な横方向の仮想の同一平面内には貫通孔を集中させずに分散させることが好ましい。
そこで、まずはノズル縦方向の貫通孔の配置において、貫通孔の複数個のガス吐出口及び複数個のガスプール側端部の少なくともいずれか一方が前記縦方向中心軸を包含する同一の仮想平面上に包含されない配置構造にすることが好ましい。例えば、3個の貫通孔を配置する場合、3個のガス吐出口及び3個のガスプール側端部の少なくともいずれか一方が前記縦方向中心軸を包含する同一の仮想平面上に包含されない配置構造にすることが好ましい。また、複数個のガス吐出口及びガスプール側端部の両方が、それぞれ前記縦方向中心軸を包含する同一の仮想平面上に包含されない配置構造にすることが、その分散効果が大きくなるので、更に好ましい。
ノズル横方向の貫通孔の配置においても同様に、複数個のガス吐出口及び複数個のガスプール側端部の少なくともいずれか一方が前記縦方向中心軸に対し垂直方向の同一の仮想平面上に包含されない配置構造にすることが好ましく、両方がそれぞれ前記縦方向中心軸に対し垂直方向の同一の仮想平面上に包含されない配置構造にすることが、その分散効果が大きくなるので、更に好ましい。
なお、円筒状構造であるノズルの縦方向又は横方向のどちらの方向がより破壊しやすくなるかは、形状面ではその径、耐火物の厚さ、長さ等の要因があり、個別の設計及び操業条件に依存する。したがって、前述の貫通孔の凹凸の方向や複数個の貫通孔を配置する場合の同一平面内に配列しないこととする方向等に関して、縦方向若しくは横方向のどちらの方向を優先するか又は両方とするか等も、個別の設計条件や操業条件に応じて決定すればよい。
本発明によれば、ノズル本体に緻密質の耐火物を適用し、かつ構造体としての一体性を保持しつつ、更にガスの注入量を制御しつつ、破壊し難い貫通孔式のノズルを得ることができる。そして、ノズルの破壊に起因する漏鋼事故を防止することができ、ガス注入を安定化させることができ、鋼の品質の安定化や連続鋳造用諸ノズルの内孔面へのアルミナ等介在物の付着を抑制することもできる。
図1は、本発明のノズルの一例で、(a)はノズル縦軸方向断面の貫通孔部分を示し、(b)はノズル縦軸方向に対する垂直(横)方向断面の貫通孔部分を示し、(c)は貫通孔の形状例(螺旋状)を示す。
図1に示すノズル20において、ノズル本体1は連続した一体(緻密質)の耐火物からなり、その内部にガスプール2が設けられている。ガスプール2は、不活性ガス供給源に通じるガス導入孔(図2の符号3)に連通している。そして、ノズル本体1の内孔面1aにガス吐出口4が設けられ、ガスプール2とガス吐出口4との間に貫通孔5がノズル本体1を貫通して設けられている。本発明において貫通孔5は、そのガスプール2側の端部5aとガス吐出口4(ガス吐出口4側の端部5b)とを結ぶ仮想の直線を包含する仮想のいかなる方向の同一平面内にも貫通孔5全体が包含されず、立体的な非直線状に設けられる。図1の例においては、図1(c)に示すように貫通孔5は螺旋状に設けられている。なお、ノズル本体1には、溶鋼を排出するために上方の一端を溶鋼流入口、下方の一端を溶鋼流出口とする縦軸方向に連通する内孔1bが形成されている。
図3に、複数の貫通孔5を有する例を示す。図3(a)は、ノズル本体1の外周側にメタルケース6を配置し、ノズル本体1とメタルケース6との間にガスプール2を設けた例で、図3(b)は図1と同様にガスプール2をノズル本体1の内部に設けた例である。いずれの例においても、複数個の貫通孔5のガスプール2側のそれぞれの端部5a及び複数個の貫通孔5にそれぞれ連通するガス吐出口4の両方が、内孔1bの縦方向の中心軸を包含する同一の仮想平面上及び前記中心軸に対し垂直方向の同一の仮想平面上に位置しないように配置されている。
次に本発明のノズルの製造方法を述べる。その要旨は次のとおりである。
可燃性物質により、ノズル内孔面に相当する内筒とガスプール内面に相当する外筒を同心上に配置した二重筒状体を形成し、この二重筒状体の内筒と外筒間に可燃性の糸を貫通させるように架橋し、前記の外筒の外側に更に、内側面全体に可燃物層をコーティング等により設置した型を設置する。前記の可燃性の糸を設置する際には、この糸を予め凹凸状又は螺旋状に成形しておく。複数の貫通孔を形成する場合は、ノズル縦方向及び横方向の同一の仮想平面上に貫通孔が配列しないように、各貫通孔のガス吐出口側及びガスプール側の端部のいずれか又は両方の位置を相対的にずらす。
このように形成した前記の成形用筒体等の空間内に、ノズル本体となる耐火物を充填しし、乾燥、焼成を行う。この焼成等工程により、前記の糸、ガスプールとなる可燃性物質は消失して、貫通孔及びガスプールを形成することができる。
ノズル本体を成す耐火物層は、連続鋳造用のノズルに一般的に使用されるアルミナ−黒鉛質等のはい土をCIPにより成形する、キャスタブル耐火物を流し込みないし硬化させることで形成する、等の任意の方法により形成することができる。
貫通孔の断面形状は、前述では説明の便宜上、円形状とみなしているが、必ずしも円形に限る必要はない。ただし、鋭角屈曲するような部分を含む形状は、その屈曲部分を起点に亀裂や破壊が発生することもあるので、避けることが好ましい。貫通孔の断面の大きさは、安定したガスの供給をしつつも溶鋼進入を防止する、吐出したガスの径を粗大化させない等の観点から、約0.3mm以上約0.5mm以下であることが好ましい。0.3mm未満であると、ガス通過の際の抵抗が大きく、また耐火物の熱膨張によって更にその大きさが小さくなって、十分なガスの吐出量を得にくくなる虞があり、約0.5mmを超えると、溶鋼の成分や温度によっても異なるが、溶鋼が貫通孔内に進入して、貫通孔を閉塞させる虞がある。
なお、前述のように、貫通孔の凹凸の頂点間の長さ(図2(a)のLv及びLh)は貫通孔の直径の2又は3倍以上であることが好ましい。また、貫通孔を複数有する場合、隣接する貫通孔間の最短距離も、貫通孔の直径の3倍以上であることが好ましい。更に、本発明において貫通孔は、ガス吐出口とガスプール側の端部とを結ぶ方向を中心軸とする、螺旋状に設けることが好ましい。この螺旋の内側の直径は前述のとおり、貫通孔の径の2倍又は3倍以上が好ましく、ガス吐出口とガスプール側の端部とを結ぶ方向、すなわちいわゆるピッチ(図1の符号Lp)も、隣接する貫通孔間として、貫通孔の径の2倍を超えることが好ましく、3倍以上であることがより好ましい。
ガス注入用のノズルにつき、破壊する危険性を低減する程度、すなわち応力集中を緩和する効果を評価するために、試験片で曲げ強度測定を行った。
試験片は、40mm×40mm×160mmとし、試験片中央部の内部に、試験片を横方向に横断するように、0.5mm径の貫通孔を形成した。貫通孔の形状は、実施例は螺旋状とし、内側の径を5mm、ピッチを約5mmをとした。比較例は直線状とした。
曲げ試験は、支持ロール長さ(支点間の距離)を100mmとし、室温における3点曲げ方法にて行った。
この曲げ試験の結果、曲げ強度(測定値)は、比較例が6.5MPa(平均値)であったのに対し、実施例は7.7MPa(平均値)と、実施例は比較例に対し約18.4%の向上が観られた。このことから、貫通孔を螺旋状に配置した本発明の実施例では、破壊に対する抵抗性が高くなっていること、及び、R値も小さく、強度のばらつきも小さくなっていることがわかる。
また、0.5mm径の貫通孔を円周方向に4つ、縦方向に3段均等に配置した、内孔径90mm〜120mm、長さ310mmの実形状のノズルを用いて、横方向から機械的衝撃を加え、亀裂、破壊の発生状態を観察した。貫通孔の形状は、実施例は内側の径を5mm、ピッチを約5mmの螺旋状とし、更に複数の貫通孔の経路全体がノズル縦方向中心軸を含む同一仮想平面内及びノズル縦方向中心軸に垂直な方向の同一仮想平面内に存在しないように配列し、比較例は直線状とし、縦方向及び横方向を同一仮想平面内に配置した。
その結果、比較例は縦方向及び横方向に、貫通孔に沿った亀裂が発生した。これに対し、実施例では、亀裂が集中せずに、斜め方向にしかもそれぞれが比較例に比較して小さい亀裂が部分的に発生するにとどまった。
20 ノズル
1 ノズル本体
1a 内孔面
1b 内孔
2 ガスプール
3 ガス導入孔
4 ガス吐出口
5 貫通孔
5a ガスプール側の端部
5b ガス吐出口側の端部
6 メタルケース
7 ノズル縦方向中心軸を含む仮想の縦方向平面
8 ノズル縦方向中心軸に垂直な方向の仮想の横方向平面
9 凹凸の隣接する凹と凸とを結ぶ仮想平面
10 隣接する凹凸の頂点
11 ノズル縦方向の亀裂・破壊部分(イメージ)
12 ノズル横方向の亀裂・破壊部分(イメージ)
1 ノズル本体
1a 内孔面
1b 内孔
2 ガスプール
3 ガス導入孔
4 ガス吐出口
5 貫通孔
5a ガスプール側の端部
5b ガス吐出口側の端部
6 メタルケース
7 ノズル縦方向中心軸を含む仮想の縦方向平面
8 ノズル縦方向中心軸に垂直な方向の仮想の横方向平面
9 凹凸の隣接する凹と凸とを結ぶ仮想平面
10 隣接する凹凸の頂点
11 ノズル縦方向の亀裂・破壊部分(イメージ)
12 ノズル横方向の亀裂・破壊部分(イメージ)
Claims (4)
- 容器内の溶鋼を排出すると共に溶鋼内に不活性ガスを注入する機能を備えたノズルであって、
溶鋼が通過する内孔面に、ガス吐出口を一個又は複数個備えており、
前記ガス吐出口は、ノズル本体を貫通する貫通孔でガスプールと連通しており、
前記貫通孔は、立体的な非直線状に設けられていることを特徴とするノズル。 - 前記立体的な非直線状は、凹凸状又は螺旋状である請求項1に記載のノズル。
- 前記貫通孔が複数個設けられており、前記複数個の貫通孔の前記ガスプール側のそれぞれの端部及び前記複数個の貫通孔にそれぞれ連通するガス吐出口のいずれか又は両方は、前記内孔の縦方向の中心軸を包含する同一の仮想平面上に位置しない、請求項1又は請求項2に記載のノズル。
- 前記貫通孔が複数個設けられており、前記複数個の貫通孔の前記ガスプール側のそれぞれの端部及び前記複数個の貫通孔にそれぞれ連通するガス吐出口のいずれか又は両方は、前記内孔の縦方向の中心軸に対し垂直方向の同一の仮想平面上に位置しない、請求項1から請求項3のいずれかに記載のノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012052054A JP2013184199A (ja) | 2012-03-08 | 2012-03-08 | ガス注入機能を備えたノズル |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012052054A JP2013184199A (ja) | 2012-03-08 | 2012-03-08 | ガス注入機能を備えたノズル |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013184199A true JP2013184199A (ja) | 2013-09-19 |
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ID=49386120
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013184199A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020158393A1 (ja) * | 2019-01-30 | 2020-08-06 | 黒崎播磨株式会社 | ストッパー等の製造方法 |
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-
2012
- 2012-03-08 JP JP2012052054A patent/JP2013184199A/ja active Pending
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