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JP2013170657A - トルク確認機能を有したナット、及びその製造方法 - Google Patents

トルク確認機能を有したナット、及びその製造方法 Download PDF

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JP2013170657A JP2012036096A JP2012036096A JP2013170657A JP 2013170657 A JP2013170657 A JP 2013170657A JP 2012036096 A JP2012036096 A JP 2012036096A JP 2012036096 A JP2012036096 A JP 2012036096A JP 2013170657 A JP2013170657 A JP 2013170657A
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Katsunori Ichikawa
克則 市川
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Chugoku Electric Power Co Inc
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Abstract

【課題】トルクレンチを用いない一般の工具を用いた締結作業において、ボルト、ナットの締結状態の良否を目視により確実に確認することができるトルク確認機能を有したナットを提供する。
【解決手段】ナット本体2と、該ナット本体の締結面3に形成した少なくとも二箇所の凹所10と、該各凹所と連通し該ナット本体の外面にて開口する圧出部15、25aと、該各凹所内に充填された軟質の充填部材20と、各凹所内に一部を嵌合させると共に他の部位を締結面から突出させた硬質金属から成る押圧部材25と、を備え、押圧部材が凹所内部に押し込まれた時に充填部材の一部が圧出部に圧出して表示するように構成した。
【選択図】図2

Description

本発明はボルトとナットを用いて被締結部材を締結する際に、工具による過剰な締め付けが行われる直前に警告表示を行って常に適正トルクによる締結が行われるようにしたトルク確認機能を有したナット、及びその製造方法に関する。
ボルトとナットを用いて複数の締結対象部材を締結する際に、ラチェットレンチ、スパナ等の工具によってボルト、ナットに加えられるトルクが適正値を超えている場合にはボルト、ナットの破損、締結対象部材へのダメージ等を招く虞があるため、過剰なトルクが加わらないようにするための工夫がなされている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
特許文献1、2、3の従来例は、何れもボルトの頭部やナットの外周に脆弱な部位、或いは変形容易な部位を設けておき、締結トルクが過大となった場合に脆弱な部分が破断したり、変形容易な部位が変形することを利用して警告表示するようにしている。しかし、何れも強度上の問題があったり、目視による締結状態の良否判断が容易でないため、実用化されていない。
通常のボルト、ナットを用いた締結後に、トルク不足に起因した締結不良が発生することを防止するために、一本のボルトに対して二個のナットを締結するダブルナット締結が行われることも多いが、作業手数を増大させる原因となっている。
ところで近年、適正トルク確認機能を備えたトルクレンチを用いて、締結されたボルト、ナットの適正トルクを確認しながら行う締結作業が一般に行われている。即ち、スパナ、ラチェットレンチ等の締結用工具を用いてボルト、ナットを仮締めした後に、適正トルク確認機能を有したトルクレンチを用いて最終的な締結工程を実施することにより過大トルクによる締結が行われないようにしている。これによれば、ダブルナットを行う必要がなくなる。
しかし、一般の工具とトルクレンチを用いたこのような作業手順は極めて煩雑で手数が掛かるため、改善が求められている。特に、トルクレンチは重量が大きく、運搬、取扱いに不便なため、作業員の負担を増大させる原因となっている。
また、仮締めに際して適正なトルク値を越えるトルクで締結されたボルト、ナットについてはトルクレンチを用いた検査においても適正値であるか否かを確認することができなくなる。このため、トルクレンチを用いて確認できない場合にはボルト、ナットを一度緩めてからトルクレンチで締結し直す必要がある。
また、適正トルクが確認されたボルト、ナットの締結部には筆記具等を用いて検査済みであることを明示するためのチェック表示を行っているが、この確認漏れ防止のための作業も作業員の手数を増大させて作業効率を低下させる原因となっている。
特公昭48−36690号公報 実開昭55−124617号公報 実開昭61−94606号公報
以上のように従来、一般の工具と、重量がありかつ取扱いに不便なトルクレンチとを併用したボルト、ナットの締結作業は、煩雑で効率が悪く、作業員の疲労を増大させる原因となるため、改善が求められていた。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、トルクレンチを用いない一般の工具を用いた締結作業において、ボルト、ナットの締結状態の良否を目視により確実に確認することができるトルク確認機能を有したナット、及びその製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係るトルク確認機能を有したナットは、ナット本体と、該ナット本体の締結面に形成した少なくとも二箇所の凹所と、該各凹所と連通し該ナット本体の外面にて夫々開口する圧出部と、該各凹所内に夫々充填された軟質の充填部材と、前記各凹所内に一部を嵌合させると共に他の部位を前記締結面から突出させた硬質金属から成る押圧部材と、を備え、前記各押圧部材が前記各凹所内部に押し込まれた時に前記各充填部材の一部が前記各圧出部に圧出して表示するように構成したことを特徴とする。
ボルトとナットを締結対象部材に締結する際に、締結荷重が適正であるか、適正に満たない強さであるかを充填部材が圧出部に圧出するか否かにより目視判定できる。
請求項2の発明は、前記各圧出部は、前記各凹所の内周から該ナット本体の外面に貫通して伸びる圧出穴であることを特徴とする。
締結荷重が適正である場合には凹所と連通した圧出穴から充填部材が圧出するため、圧出穴の出口側開口を目視確認することによって適正荷重か否かを知ることができる。
請求項3の発明は、前記各圧出部は、前記ナット外周面に形成され、前記各凹所よりも幅の狭い圧出溝であることを特徴とする。
締結荷重が適正である場合には凹所と連通した圧出溝から充填部材が圧出するため、圧出溝内を目視確認することによって適正荷重か否かを知ることができる。
請求項4の発明は、前記各押圧部材には、前記各圧出部と連通して前記各充填部材の圧出を許容する連通溝が形成されていることを特徴とする。
押圧部材により充填部材が押圧され変形してその一部が圧出部内に圧出される際に、押圧部材に充填部材の移動経路としての連通溝を形成しておくことにより、充填部材が圧出部から圧出され易くなる。
請求項5の発明は、前記各充填部材は、前記ナット本体とは異なる色を有していることを特徴とする。
請求項6の発明は、前記各ナット本体の締結面であって前記各凹所を回避した部位に軟質金属から成る締結トルク過剰表示部材を固定したことを特徴とする。
締結時の締結荷重が適正値を越えて過大な力で締結された場合には、締結トルク過剰表示部材が過剰に潰されてナットと締結対象部材との隙間から押し出されるので、外観から状況を把握することが可能となる。
請求項7の発明は、前記ナット本体の外周面であって、前記各圧出穴よりも前記締結面の対向面寄りの部位に、工具により前記圧出部が隠蔽されることを防止する工具用ストッパ片を突設したことを特徴とする。
レンチによりナットを締結する際には、圧出部を含むナットの外面がレンチにより隠蔽されるが、工具用ストッパ片を設けて圧出部が隠蔽されないように構成した。
請求項8の発明に係るトルク確認機能を有したナットの製造方法は、請求項1乃至7の何れか一項に記載のトルク確認機能を有したナットの製造方法であって、一面に前記締結面を備えた第1の部材、及び第2の部材を準備する工程と、前記第1の部材に前記凹所となる貫通穴を少なくとも二箇所形成する工程と、前記各凹所とナット外周面を連通するように圧出穴を穿孔する工程と、前記各凹所内に前記充填部材と前記押圧部材を夫々配置する工程と、前記第2の部材を前記第1の部材の締結面とは反対側面に接合することにより一体化する工程と、前記第1の部材と前記第2の部材の中心部に雌ネジを形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、トルクレンチの如く重量があり、取扱い、運搬に多大な労力を伴う工具を用いない一般の工具を用いた締結作業において、ボルト、ナットの締結状態の良否を目視により確実に確認することができる。
(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係るトルク確認機能を有したナットの構成を示す正面側斜視図、及び要部拡大図である。 (a)は図1のA−A断面図であり、(b)はボルトとナットによって被締結部材を締結した状態を示す断面図である。 図2(b)のB−B断面図である。 (a)及び(b)は本発明の変形実施形態を示す断面図である。 締結トルク過剰表示部材が作動した状態を示す断面図である。 本発明のトルク確認機能を有したナット1の他の構成例を示す要部断面図である。 本発明のトルク確認機能を有したナット1の他の構成例を示す要部外観斜視図である。 (a)及び(b)は押圧部材が凹所内に押し込まれる手順を示す断面図である。 (a)乃至(d)は本発明のナットを製造する手順の一例を説明する工程図である。 (a)(b)及び(c)は本発明のナット1を雨水から保護するためのカバーと、その取付構造を示す図である。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係るトルク確認機能を有したナットの構成を示す正面側斜視図、及び要部拡大図であり、図2(a)は図1のA−A断面図であり、(b)はボルトとナットによって被締結部材を締結した状態を示す断面図であり、図3は図2(b)のB−B断面図である。
本発明に係るトルク確認機能を有したナット(以下、ナット、という)1は、鉄等の硬質金属から成るナット本体2と、ナット本体の締結面3に形成した少なくとも二箇所の凹所10と、各凹所の内壁から夫々ナット本体の外面に貫通して伸びる圧出穴(圧出部)15と、各凹所10内に充填された軟質金属から成る充填部材20と、各凹所内に一部を嵌合させると共に他の部位を締結面から突出させた硬質金属から成る押圧部材と25と、を備えている。そして、ボルトとナットとを締結して押圧部材25が凹所内部に押し込まれた時に充填部材が圧縮変形してその一部が圧出穴15から押し出されてナット本体外部に圧出して、適正な、或いは過大なトルク(締結力)であることを表示するように構成されている。
ナット本体2の締結面3であって凹所10を回避した部位には、軟質金属、樹脂等から成る締結トルク過剰表示部材30を固定している。
なお、硬質金属とは例えば鉄であり、軟質金属とは例えば、非鉄軟質金属(アルミニウム、銅、黄銅、錫等)である。
また、ナット本体2の外周面であって、圧出穴15よりも締結面とは反対側のナット本体端面16側の部位に、工具用ストッパ片35を突設している。
図2(b)に示すように締結対象部材50をボルト40とナット1との協働により締結する場合には、締結対象部材50に設けた孔51内にボルト40の雄螺子部41を差込み、ラチェットレンチ、スパナ等の通常の工具を用いてボルトの雄螺子部にナット1を螺着する。
ボルト、ナットを締結して行くと、押圧部材25の先端部が締結対象部材50を介してボルト40の頭部により押圧されるため、押圧部材25は凹所10内の充填部材20を押し込みながら凹所内に没入してゆく。押圧部材25が凹所内に没入すると充填部材20が潰れ変形してその一部20aは押圧部材からの圧力によって圧出穴15内に押し込まれ、最後には圧出穴の外部出口から外部へ押し出されて表示する(図3)。
図2(b)のように押圧部材25の先端部が凹所10内に完全に没入した時に、締結対象部材50を介したボルトとナットとの間の締結力(締結トルク)が最適となって圧出穴15から適量の充填部材が押し出されて外観から視認できるように、凹所内の充填部材20の体積、押圧部材25の体積、押圧部材が押し込まれたときに凹所内から圧出穴側に排出される充填部材の量等を予め設定する。
押圧部材25は凹所内の充填部材20と溶接、接着等により固定しておくのが好ましいが、脱落しなければ、単に凹所内に嵌合させておいてもよい。押圧部材の一部が充填部材20に入り込むようにしてもよい。
押圧部材25が押し込まれる過程で、圧出穴15の内側開口部が押圧部材によって塞がれることがないように、例えば凹所10の内壁の少なくとも一部を押圧部材の外径よりも大きく構成する。本例では凹所10の形状を内奥部へ向かう程、大径となるテーパー状とする一方で、押圧部材25を非テーパー状の筒状体としたため、押圧部材25を押し込む過程で圧出穴15が塞がれることを防止できる。
或いは、図中に示したように圧出穴15と対面する押圧部材の外面に充填部材と連通する連通溝25aを形成して押圧部材により加圧されて圧出穴へ向けて押し出されようとする充填部材20が圧出穴に移動し易いように構成しても良い。なお、押圧部材を押し込むことにより圧出穴から充填部材が圧出する構成であればよく、連通溝は必須ではない。
或いは、図4の変形例に示すように、凹所内に嵌合された押圧部材25の部分と、圧出穴15の内側開口部が形成された凹所内壁との間に隙間Sを形成するようにしてもよい。
また、充填部材にはナット本体とは異なる色の材質を選定することにより、圧出穴15から押し出された充填部材を容易に判別できるように構成するのが好ましい。
締結トルク過剰表示部材30は、ナットの雌ネジ部をボルトの雄螺子部に締結した時に締結力が過大である場合に潰れて締結面に展開することにより、締結力が過大であることを表示するための手段である。締結時には押圧部材25が先に作動して適正な締結力であることを表示する一方で、適正な締結力であることが表示された後で更に締結力が加えられた場合には締結トルク過剰表示部材30が作動することとなる。
締結力が適正である場合には図2(b)に示すように締結トルク過剰表示部材30は締結対象部材50からの圧力によって潰されて締結面3に展開するが、ナット側から見える程には締結対象部材と締結面との間からはみ出すことがないようにその量が設定されている。
一方、作業員が力加減を誤って適正値よりも強い力で締結した場合には圧出穴から充填部材が押し出されると同時に、締結トルク過剰表示部材30が更に強い力を受けて潰れて外径方向に大きく展開するため、締結対象部材と締結面との隙間から大きくはみ出す。このため、締結対象部材とナットの締結面3との境界を目視して締結トルク過剰表示部材30がはみ出した状態を確認することによりトルクが過剰であったことを知ることができる。この場合には、ボルト、ナットの締結を解除して新たなボルト、ナットと交換して締結し直すこととなる。
工具用ストッパ片35を圧出穴15よりも端面16寄りに位置するナット本体外面に設けたことにより、ラチェットレンチ、スパナ等の工具をナットに被せて締結作業を行う際に、圧出穴15が工具により隠蔽されて充填部材が排出される状態が確認できなくなることを防止できる。
図5は過剰トルクによって締結トルク過剰表示部材30が締結面を越えて外径方向へ押し出された状態を示した断面図である。
この図に示すように、締結トルク過剰表示部材30が締結対象部材50と締結面3との間で過大な力で加圧されると両部材の隙間から外部へはみ出されてトルクが過大であることを表示する。このため、作業者は表示を見てトルクが過大であり、ボルト、ナットを交換する必要があることを知ることができる。
また、締結トルク過剰表示部材30には、ナット本体、締結対象部材とは異なる色の材質を選定することにより、押し出された締結トルク過剰表示部材30を容易に判別できるように構成するのが好ましい。
なお、締結トルク過剰表示部材を設けずに、充填部材20が圧出穴(圧出部)から圧出された時の量の違いによって締結トルクの適否を目視判定するようにしてもよい。具体的には、圧出穴内に圧出された充填部材が圧出穴内に留まっている場合には締結トルクが適正であるように設定する一方で、圧出穴を越えてナット外周面に突出した場合には締結トルクが過剰であるように設定する。このことは以下の他の実施形態にも共通して当てはまる。
図6は本発明のトルク確認機能を有したナット1の他の構成例を示す要部断面図である。
図2の実施形態に係る圧出穴15はナット本体の中心軸線と直交する径方向へ延びているが、本実施形態の圧出穴15は、圧出穴15の内側開口部を凹所10の内奥部の周壁に設けることにより、圧出穴15の延びる方向をナット本体の中心軸線に対して斜めに傾斜させている。
このように圧出穴15の内側開口部の軸方向位置を外側開口部の軸方向位置とずらすことにより、凹所10と圧出穴15の設計自由度を高めることができる。
次に、図7は本発明のトルク確認機能を有したナット1の他の構成例を示す要部外観斜視図であり、図8(a)及び(b)は押圧部材が凹所内に押し込まれる手順を示す断面図である。
本例では圧出部として、圧出穴15に代えて、圧出切欠き15’を備えている構成が前記実施形態と異なっている。即ち、圧出切欠き15’は、凹所内に押圧部材25を押し込んだ状態において凹所10と連通するようにナット本体の外面に形成した穴であり、本例では押圧部材25の外面に設けた連通溝25aを介して凹所内部と圧出切欠き(圧出部)16とが連通するように構成されている。
図8(a)に示すように締結前においては押圧部材25の一部が締結面3から突出した状態にある。この時、凹所10内に位置する充填部材20が圧出切欠き15’内には位置していないことを作業者は目視確認できる。
一方、(b)のように締結対象部材50をボルト40とナット1との間で締結すると、押圧部材25が凹所内に押し込まれ、締結力が適正な場合には充填部材20が圧縮され、連通溝25aを経由して圧出切欠き15’内に圧出して圧出切欠き内を満たすため、適正なトルクで締結されていることを目視確認することができる。
(b)の状態では、締結トルク過剰表示部材30は単に潰れて展開するだけであるため、外観からその存在を確認できない。しかし、締結トルク過剰表示部材30が締結対象部材50と締結面3との間で過大な力で加圧されると両部材の隙間から外部へはみ出されてトルクが過大であることを表示する。このため、作業者は表示を見てトルクが過大であり、ボルト、ナットを交換する必要があることを知ることができる。
次に、図9(a)乃至(d)は本発明のナットを製造する手順の一例を説明する工程図である。
ナット1を、凹所10となる穴を形成した第1の部材2Aと、第1の部材の端面に接合一体化される第2の部材2Bと、から構成して、第1の部材2Aに対して所要の加工を喉越してから第2の部材2Bを溶接、圧着等により接合一体化することによりナット1を完成することができる。
図9(a)は未加工状態にある第1の部材2Aと、第2の部材2Bを示しており、(b)では第1の部材2Aに凹所10となる貫通穴を機械加工により二箇所形成し、更に各凹所10とナット外周面を連通するように圧出穴15をドリル等により穿孔する。なお、第1の部材2Aを成形により製造する際に凹所10を予め形成しておいてもよい。
また、(b)中に示したように凹所10内には充填部材20と押圧部材25を配置する。充填部材20は凹所10の一方の開口(図面右側開口)から挿入し、押圧部材25は反対側の開口から差込み、両者を固定する。或いは、充填部材の一端に押圧部材を固着した状態で右側の開口から挿入してもよい。
充填部材と押圧部材25を凹所内にセットした後で、(c)に示すように第2の部材2Bを第1の部材2Aの右端面に接合(溶接、圧着)することにより一体化する。
最後に機械加工によりナット1の中心部に雌ネジを形成して完了する。
なお、上記製造方法は一例に過ぎず、種々のバリエーションが可能である。
次に、図10(a)(b)及び(c)は本発明のナット1を雨水から保護するためのカバーと、その取付構造を示す図である。
ナット1は工具により傷つき、傷から発錆し易い。錆はナットを劣化させる大きな原因となる。本発明では、工具用ストッパ片35を利用してカバー70をナットの外面に被せることによりナットを雨水、その他の異物から保護して防錆するようにしている。
カバー70は、樹脂、或いはゴムから構成し、ナットの外面と整合する内面形状を有した本体71と、本体71の先端縁を内側に屈曲させた係止片72と、ボルトの雄螺子部41を突出させる穴73と、を有している。
係止片72を工具用ストッパ片35に係止することにより、脱落しない状態で長期間ナットに取り付けることが可能となる。
以上の構成を備えた本発明によれば、ナット自体に締結時のトルク(締結荷重の多寡)を確認できる構成を備えたことにより、過剰なトルクによる作業の失敗を防止することができる。また、誤って過剰なトルクで締結した場合にもそのことを目視により確認できるので、必要な修正作業を直ちに実施することができる。
このため、トルクレンチのような重量があり、取扱いに不便な工具の使用を避けることができ、作業員の労苦を低減させることができる。
即ち、ボルトとナットを締結対象部材に締結する際に、適正であることを示す表示として充填部材を圧出部内に圧出させるようにしたので、締結荷重が適正であるか、或いは適正に満たない強さであるかを表示できる。
締結荷重が適正である場合に、凹所と連通した圧出穴から充填部材が圧出するようにしたため、圧出穴の出口側開口を確認することによって適正荷重か否かを知ることができる。
各圧出部は、前記ナット外周面に形成され、前記各凹所よりも幅の狭い圧出溝としたので、締結荷重が適正である場合には凹所と連通した圧出溝から充填部材が圧出するため、圧出溝内を確認することによって適正荷重か否かを知ることができる。
各押圧部材には、前記各圧出部と連通して前記各充填部材の圧出を許容する連通溝が形成されているので、押圧部材により充填部材が押圧され変形してその一部が圧出部内に圧出される際に、充填部材が圧出部から圧出され易くなる。
各充填部材は、ナット本体とは異なる色を有しているため、外観上の判断誤りを防止できる。
各ナット本体の締結面であって各凹所を回避した部位に軟質金属から成る締結トルク過剰表示部材を固定したので、締結時の締結荷重が適正値を越えて過大な力で締結された場合には、締結トルク過剰表示部材が過剰に潰されてナットと締結対象部材との隙間から押し出されるので、外観から状況を把握することが可能となる。
レンチによりナットを締結する際には、圧出部を含むナットの外面がレンチにより隠蔽されるが、工具用ストッパ片を設けて圧出部が隠蔽されないように構成した。
なお、上記実施形態では、充填部材、或いは締結トルク過剰表示部材の状態を外観から目視判断する場合について説明したが、作業員の指先の感触によって充填部材が圧出部から出ていることや、締結トルク過剰表示部材がナットと締結部材間から出ていることを確認することも可能である。
1…トルク確認機能を有したナット、2…ナット本体、2A…第1の部材、2B…第2の部材、3…締結面、10…凹所、15…圧出穴(圧出部)、16…ナット本体端面、20…充填部材、20a…一部、25…押圧部材、25a…連通溝、30…締結トルク過剰表示部材、35…工具用ストッパ片、40…ボルト、41…雄螺子部、50…締結対象部材、51…孔、70…カバー、71…本体、72…係止片、73…穴。

Claims (8)

  1. ナット本体と、該ナット本体の締結面に形成した少なくとも二箇所の凹所と、該各凹所と連通し該ナット本体の外面にて夫々開口する圧出部と、該各凹所内に夫々充填された軟質の充填部材と、前記各凹所内に一部を嵌合させると共に他の部位を前記締結面から突出させた硬質金属から成る押圧部材と、を備え、
    前記各押圧部材が前記各凹所内部に押し込まれた時に前記各充填部材の一部が前記各圧出部に圧出して表示するように構成したことを特徴とするトルク確認機能を有したナット。
  2. 前記各圧出部は、前記各凹所の内周から該ナット本体の外面に貫通して伸びる圧出穴であることを特徴とする請求項1に記載のトルク確認機能を有したナット。
  3. 前記各圧出部は、前記ナット外周面に形成され、前記各凹所よりも幅の狭い圧出溝であることを特徴とする請求項1に記載のトルク確認機能を有したナット。
  4. 前記各押圧部材には、前記各圧出部と連通して前記各充填部材の圧出を許容する連通溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のトルク確認機能を有したナット。
  5. 前記各充填部材は、前記ナット本体とは異なる色を有していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のトルク確認機能を有したナット。
  6. 前記各ナット本体の締結面であって前記各凹所を回避した部位に軟質金属から成る締結トルク過剰表示部材を固定したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のトルク確認機能を有したナット。
  7. 前記ナット本体の外周面であって、前記各圧出穴よりも前記締結面の対向面寄りの部位に、工具により前記圧出部が隠蔽されることを防止する工具用ストッパ片を突設したことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のトルク確認機能を有したナット。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載のトルク確認機能を有したナットの製造方法であって、
    一面に前記締結面を備えた第1の部材、及び第2の部材を準備する工程と、
    前記第1の部材に前記凹所となる貫通穴を少なくとも二箇所形成する工程と、
    前記各凹所とナット外周面を連通するように圧出穴を穿孔する工程と、
    前記各凹所内に前記充填部材と前記押圧部材を夫々配置する工程と、
    前記第2の部材を前記第1の部材の締結面とは反対側面に接合することにより一体化する工程と、
    前記第1の部材と前記第2の部材の中心部に雌ネジを形成する工程と、
    を備えたことを特徴とするトルク確認機能を有したナットの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024122742A1 (ko) * 2022-12-09 2024-06-13 나노실리콘주식회사 태양광 공정에서 배출되는 실리콘의 폐슬러지를 이용한 실리콘 음극재용 실리콘 회수 방법

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WO2024122742A1 (ko) * 2022-12-09 2024-06-13 나노실리콘주식회사 태양광 공정에서 배출되는 실리콘의 폐슬러지를 이용한 실리콘 음극재용 실리콘 회수 방법

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