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JP2013158668A - 除湿ローター用濾材 - Google Patents

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JP2013158668A
JP2013158668A JP2012020931A JP2012020931A JP2013158668A JP 2013158668 A JP2013158668 A JP 2013158668A JP 2012020931 A JP2012020931 A JP 2012020931A JP 2012020931 A JP2012020931 A JP 2012020931A JP 2013158668 A JP2013158668 A JP 2013158668A
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Toshimitsu Nakajima
敏充 中島
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

【課題】本発明の課題は、除湿効率が高く、デシカントローターの加工性に優れ、圧力損失が適正な除湿ローター用濾材を提供することである。
【解決手段】乾式不織布に吸湿剤を含有する除湿ローター用濾材において、該不織布がケミカルボンド法により作られ、吸湿剤を含浸又は塗工により担持し、熱カレンダー処理により製造され、吸湿剤がアクリル樹脂系バインダーで担持されてなる除湿ローター用濾材。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸放湿可能な除湿ローター用濾材に関するものである。
回転駆動して連続的に加熱再生可能な除湿ローターが従来から提案されている。除湿ローターについて、以下に説明する。図1は典型的な除湿ローターシステムの概略図である。芯材1の周囲に、ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル、塩化リチウム、塩化カルシウム等の吸湿剤を担持した円筒状のハニカム状構造体を該構造体の開孔面が円筒断面となるように設置し、除湿ローター2を得る。除湿ローター2は芯材1を中心軸として、矢印3の方向に回転駆動され、水分を含んだ被乾燥空気6は冷却コイル(プレクーラ)4により冷却され、除湿ローター2を通過する際に吸湿剤の作用により水分が吸着除去され、乾燥空気8が得られる。一方、除湿ローター2を再生する再生用空気9は再生用ヒータ5でローターを再生するのに適した温度に加熱されて加熱再生空気10となり、加熱再生空気10が除湿ローター2から水分を除去することにより、除湿ローター2を再生すると共に水分を含んだ高湿の排気空気11が得られる。このようにして得られた乾燥空気8及び排気空気11は、使用目的に応じて所定の空間に供給される。
除湿ローターを再生する高温空気の温度は約80〜200℃であり、除湿ローターには高度の耐熱性が要求される。また、熱源が近傍に設置されるため、高度の難燃性を併せ持つ必要がある。従って、従来から除湿ローターには、高度の耐熱性を有し、かつ不燃性である無機材料が用いられている。例えば、吸湿剤であるモレキュラーシーブに、カオリン、コロイダルシリカ、有機樹脂エマルジョンを添加した混合液を金網、金属箔、ガラス繊維シート、石綿紙等の担体に塗着乾燥し、さらにエチルシリケートを含浸加水分解して硬化処理を行い、250℃以上で加熱して有機樹脂エマルジョンを燃焼除去して得られる回転再生型除湿体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、加熱再生を伴う連続式乾式除湿機において、吸湿剤であるゼオライトに、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイダルチタン、金属アルコキシド、ベントナイト、セピオライト等の無機結合剤を添加混合し、該混合物を押出成形によりハニカム状に成形加工した後、800℃程度で焼成して得られる除湿部材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。シリカ・アルミナ系のセラミックス繊維に、少量のパルプ及びバインダーを加えて抄造した無機繊維紙をハニカム状に成形し、該ハニカム成形体を円筒状に積層接着してなるハニカム状円筒体を高温焼成して有機物を除去した後、吸湿剤であるゼオライトに無機結合剤のシリカ又はアルミナの水性ゾルを混合したゾルを浸漬し、高温乾燥して得られるハニカム状吸着ローターも提案されている(例えば、特許文献3参照)。さらに、セラミックス繊維を主成分とする無機繊維紙からなるハニカム成形体に、湿気吸着性と臭気吸着性とを兼ね備えた活性シリカゲル又は活性金属ケイ酸塩ゲルを生成結合させたハニカム状吸着ローターが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
以上の除湿ローターは、無機材料のみで構成された高度の耐熱性を有する不燃性の部材であって、回転駆動して連続的に加熱再生される除湿ローターとして有効に機能する。しかしながら、家電製品等への除湿ローターの応用を考慮した場合、用途(例えば、家庭内の脱臭や除湿)によっては必ずしも高温での再生を必要としない、あるいは、製品筐体の耐熱性、省エネルギー及び安全性の観点から高温での再生システムを採用し難い等の諸事情があって、無機系除湿ローターほどの耐熱性及び不燃性は必須要素ではない。むしろ、陶器様で硬くて脆いため、衝撃に対して極めて弱く壊れ易い、有機成分を除去又は減量するべく焼成等の高温加熱処理を行うため、吸湿剤の吸着特性が劣化する恐れや素材選定上の制約がある、無機材料のみでは吸湿剤の定着強度に不足し、ある程度の粉落ちが避けられない、除湿ローターを構成する基材の厚み制御や薄層化が難しく、除湿ローターの圧力損失の制御及び低圧力損失化が困難である、窯業的な製造方法であるため、焼成等の高温加熱処理の際に除湿ローターに体積変化が生じ易く、寸法精度不良や割れ等による歩留まり低下に起因して高価な部材となる等の無機系除湿ローターの有する諸欠点がクローズアップ・問題視され、これらの改善を求める声が高まっていた。
このような無機系除湿ローターの有する諸欠点を改善した除湿ローターとして、有機繊維を必須成分とする紙、織布、不織布等の繊維基材にバインダーを使用して吸湿剤を塗工又は含浸させることで製造された除湿ローター用濾材をハニカム状構造体に成形してなる有機系除湿ローターや吸湿剤と有機繊維とを含有するスラリーから湿式抄造法によって製造された除湿ローター用濾材が開示されている(例えば、特許文献5及び6参照)。しかしながら、従来の塗工又は含浸によるシートの製造方法では、吸湿剤の担持量が少ないという問題や、シートの厚みが厚く、ローター化の加工が困難という問題があった。また、湿式抄造法での製造では、繊維と吸湿剤の比率の制約から同坪量のシートを製造する場合、吸湿剤の担持量を多くできないため、除湿効率が出ない、吸湿剤の量を多くすると、シートが厚くなり過ぎる問題や、シート自体が軟らかいため、ローター化の加工性が悪くなる問題等があった。
特開昭54−19548号公報 特開昭63−240921号公報 特開平6−226037号公報 特開平5−115737号公報 特開2003−38928号公報 特開2009−240935号公報
本発明の課題は、除湿効率が高く、ハニカム加工性に優れ、圧力損失が適正な除湿ローター用濾材を提供することである。
本発明は、
(1)不織布に吸湿剤が担持されてなる除湿ローター用濾材において、該不織布がケミカルボンド法によって製造されたことを特徴とする除湿ローター用濾材、
(2)吸湿剤が担持された不織布が熱カレンダー処理を施されている(1)記載の除湿ローター用濾材、
(3)前記吸湿剤が含浸又は塗工によって不織布に担持されてなる(1)又は(2)記載の除湿ローター用濾材、
(4)前記吸湿剤が含浸によって不織布に担持されてなる上記(1)又は(2)記載の除湿ローター用濾材。
(5)前記吸湿剤がアクリル樹脂系バインダーで担持されてなる上記(1)〜(4)のいずれか記載の除湿ローター用濾材、
である。
本発明の除湿ローター用濾材は、不織布に吸湿剤が担持されてなる除湿ローター用濾材であり、該不織布がケミカルボンド法によって製造されることにより、吸湿剤の担持量を増やすことができ、吸湿剤の脱落も少なく、除湿性能を著しく向上させることができる。また、吸湿剤が担持された除湿ローター用濾材の寸法安定性が良く、良好な剛直度が得られるため、ハニカム加工性にも優れている。さらに、圧力損失が低いという効果も得られる。
さらに、吸湿剤が担持された不織布が熱カレンダー処理を施されていることにより、ハニカム加工性に優れ、吸湿剤の脱落を防ぎ、透気度を下げることで、濾材表面からの空気の漏れをなくし、圧力損失も低くし、除湿性能を向上させることができる。また、吸湿剤は含浸又は塗工によって担持されるが、含浸がより好ましく、ハニカム加工性に優れ、吸湿剤の脱落を防ぎ、圧力損失も低くすることができる。そして、アクリル樹脂系バインダーで吸湿剤が担持されることにより、濾材の硬さを増し、ハニカム加工性が向上し、吸湿剤の脱落を防ぐという効果が得られる。
典型的な除湿ローターシステムを示す模式図である。
以下に、本発明の除湿ローター用濾材(以下、「濾材」と略す場合がある)に係わる構成要素を詳細に説明する。
本発明の除湿ローター用濾材は、吸湿剤、不織布で構成され、吸湿剤はバインダーで不織布に担持される。
吸湿剤としては、高吸水性高分子、カルボキシメチルセルロース等の有機系吸湿剤、セピオライト、ゼオライト、ベントナイト、アタパルジャイト、珪藻土、珪藻土頁岩、活性炭、多孔質シリカ、水酸化アルミニウム、繊維状酸化チタン、アロフェン、イモゴライト、非晶質アルミノ珪酸塩等の無機系吸湿剤を用いることができる。除湿ローター用濾材の吸湿剤の含有量は、除湿ローター用濾材に対して40〜70質量%であることが好ましく、45〜65質量%であることがより好ましく、50〜60質量%であることがさらに好ましい。40質量%未満になると、目的とする除湿効率が得られなくなる場合があり、70質量%を超えると、除湿ローター用濾材への担持が極端に困難になり、厚みの制御も難しくなり、著しいハニカム加工性の低下を招く。
本発明の除湿ローター用濾材は、不織布を使用する。不織布は、紙、織布等と比較して、空隙率が高く、また、繊維構成によって吸湿剤を担持させる場合の液の塗工性・浸透性を向上させることができるので、吸湿剤の担持用基材に適している。
不織布を構成する繊維としては、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ジエン系樹脂、及びポリウレタン系樹脂等の熱可塑性合成樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂よりなる繊維である。また、木材パルプ、楮、三椏、藁、ケナフ、竹、リンター、バガス、エスパルト、サトウキビ等の植物繊維、あるいはこれらを微細化したものを用いることができ、さらに、セルロース再生繊維であるレーヨン繊維、アセテート等の半合成繊維、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂系繊維、シリコーン樹脂系繊維等を使用することもできる。本発明では、除湿ローター用濾材製造時の加工性が失われない範囲で、ステンレスやニッケルウール等の金属繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ガラス繊維等も用いることができる。
不織布の製造方法は、基本的に(1)フリースを形成する段階、(2)形成したフリースを結合する段階の二段階の工程からなる。それぞれの段階において様々な製法があり、不織布の原料・目的・用途に応じて選択される。
フリース形成法には、比較的短い繊維(15〜100mm、ステーブル・ファイバー)を薄いシート状に形成する乾式法、ごく短い繊維(6mm以下)を水と混ぜ合わせ、紙のように漉いて形成する湿式抄造法、熱可塑性高分子を溶融させ連続した長繊維状に吐出しながら形成するスパンボンド法、スパンボンド法の一種で高温の空気を当てながら形成し、繊維をより細くすることができるメルトブローン法がある。
フリース結合法には、熱で溶融させて繊維を結合させ、厚さの設計が容易であるサーマルボンド法、接着剤中に含浸又は接着剤を吹き付けて繊維を結合させ、単位重量の少ない繊維を結合できるケミカルボンド法、かえしのある針を突き刺して機械的に繊維を結合させるニードルパンチ法、高圧水流を使用し繊維を絡み合わせるスパンレース法(水流絡合法)、ガイドベルト上で形成した繊維に、一定方向からニードルパンチを加えて結合し、編込み様の表面と起毛した裏面を同時に形成できるステッチボンド法、加熱蒸気を吹き付けて繊維を結合させるスチームジェット法、水素結合を利用する方法等がある。
本発明では、ケミカルボンド法によって製造された不織布を使用する。ケミカルボンド法で製造された不織布は、吸湿剤の担持量を増すことができ、除湿性能を著しく向上させることが可能であり、吸湿剤が担持された濾材の寸法安定性が良く、良好な剛直度が得られ、ハニカム加工性に優れている。さらに、圧力損失が低いという効果も得られる。
吸湿剤を担持させる方法としては、塗工又は含浸を用いる。コーティング液としては、吸湿剤を含有する溶液又は分散液を使用する。媒体としては、水や水とアルコール、ケトン等の有機溶剤との混合液を好適に用いることができる。塗工法では、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、ショートドウェルコーター、ダイコーター、コンマコーター、リバースロールコーター、キスコーター、ディップコーター、カーテンコーター、エクストルージョンコーター、マイクログラビアコーター等の各種塗工装置を用いて不織布に塗工する方法を挙げることができる。含浸法では、サイズプレス等の含浸装置を使用することができる。なお、塗工と比較して、含浸の方が、一度に多くの担持量を塗布することができるという利点があるため、好ましい。また、塗工と比較して、含浸では、ハニカム加工性、吸湿剤の脱落の防止、低い圧力損失といった効果を得ることもできる。
本発明においては、上述方法により得られた不織布を、熱カレンダー処理することがより好ましい。本処理により、吸湿剤の含有比率を高く維持したまま、シート強度を上げることが可能になり、除湿効率が高く、かつ、ハニカム加工性を損なうことなく、圧力損失が低い除湿ローター用濾材を得ることができる。また、ケミカルボンド法によって製造された不織布を用いた場合、吸湿剤を担持した後に熱カレンダー処理を行っても、繊維間に担持された吸湿剤が破壊又は潰されることがないため、吸湿剤の脱落(粉落ち)を発生させることなく、ハニカム加工に適した厚さ及び硬さに調整することができる。
吸湿剤を接着するバインダーとしては、アクリル樹脂系、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリエステル、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂等を使用することができる。このうち、アクリル樹脂系バインダーで吸湿剤が担持されることにより、濾材の硬さを増し、ハニカム加工性が向上し、吸湿剤の脱落を防ぐという効果が得られるため、より好ましい。
熱カレンダー処理とは、金属ロールと金属ロール、金属ロールと樹脂ロール、金属ロールと弾性ロール等のロール組み合わせで構成され、少なくとも一方のロールが加熱されているニップ部分に不織布を通過させて、不織布にカレンダー処理を施すことであり、ロールの加熱温度、ニップ圧により、処理後の不織布の厚み、硬さ、平滑性を制御することができる。本発明においては、不織布、吸湿剤の種類にもよるが、通常加熱温度60℃〜120℃、ニップ圧0.5〜5MPaで処理することが好ましい。
本発明において、除湿ローター用濾材の坪量は70〜200g/m、厚みは150〜250μmが好ましい。より好ましくは、80〜150g/m、110〜170μmであり、さらに好ましくは、90〜100g/m、120〜150μmである。本範囲を外れて、坪量、厚みが低下すると、目的とする吸湿効率が得られず、ハニカム加工性が低下することがある。逆に、坪量、厚みが高い場合、除湿性能は得られるものの、圧力損失が高くなる等の不具合が生じることがある。
次に、本発明の除湿ローター用濾材のローター加工について、以下に説明する。本発明の除湿ローター用濾材にハニカム加工を施して、ハニカム状構造体に成形して、除湿ローターとして使用することができる。本発明に係わるハニカム状構造体とは、開孔を有するセル壁からなる構造体であって、具体例として、JIS−Z1516−1995に記載の「外装用段ボール」に準拠して作製される片面段ボールからなるコルゲートハニカム状構造体、六角形セルからなるヘキサゴンハニカム状構造体、正方形セルからなるハニカム状構造体、三角形セルからなるハニカム状構造体、及び中空円筒状セルを集合してなるハニカム状構造体等が挙げられる。ここで、六角形や正方形等のセル形状は必ずしも正多角形である必要はなく、角が丸味を帯びる、辺が曲がっている等の異形であっても構わない。
さらに、本発明の除湿ローター用濾材を用いて成形したハニカム状構造体を型抜き等の方法で円盤状に切り抜いて製造する方法、本発明の除湿ローター用濾材を用いて成形した片面段ボールを渦巻き状にして製造する方法等が挙げられる。
ハニカム状構造体は、開孔率が高く通気性に優れているばかりでなく、大きな表面積を有しているので、大容量の吸着性能を有する除湿ローターとして有効に機能する。また、従来の無機系除湿ローターでは、陶器様で硬くて脆いため、衝撃に対して極めて弱く壊れ易い、有機成分を除去又は減量するべく焼成等の高温加熱処理を行うため、吸湿剤の除湿性能が劣化する恐れや素材選定上の制約がある、無機材料のみでは吸湿剤の定着強度に不足し、ある程度の粉落ちが避けられない、除湿ローターを構成する基材の厚み制御や薄層化が難しく、除湿ローターの圧力損失の制御及び低圧力損失化が困難である、窯業的な製造方法であるため、焼成等の高温加熱処理の際に除湿ローターに体積変化が生じ易く、寸法精度不良や割れ等による歩留まり低下に起因して高価な部材となる、などの一連の課題があったが、ケミカルボンド法によって製造された不織布に吸湿剤が担持されてなる本発明の除湿ローター用濾材を用いて成形したハニカム構造体においては、これらの諸課題を解決することが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本実施例に限定されるものではない。
実施例1
[不織布の作製]
ビニロン繊維(繊度1.7デシテックス、繊維長50mm)/ビニロン繊維(繊度7.8デシテックス、繊維長50mm)/ポリエステル系繊維(繊度2.2デシテックス、繊維長50mm)=40/40/20の質量比で解繊混合し、28g/mのウェブを作製し、該ウェブにアクリル樹脂エマルジョンを有効成分換算で22g/m含浸、乾燥させて強度を付与して、坪量50g/mのケミカルボンド不織布を作製した。
[除湿ローター用濾材の作製]
作製した不織布に、吸湿剤(商品名:ミズカソープ(登録商標)S−0、水澤化学工業(株)製、平均細孔径3nm、比表面積820m/g)70質量部、バインダー(エチレン−酢酸ビニル重合体のエマルジョン)30質量部を含有してなる水性スラリーを調製し、含浸塗工機にて塗工量が72g/mになるように加工して、坪量122g/m、厚み400μmのシートを作製後、熱カレンダー処理(温度:110℃、ニップ圧:5MPa)を施し、厚みを210μmに調整し、実施例1の除湿ローター用濾材を得た。
[除湿ローターの作製]
作製した除湿ローター用濾材をコルゲート作製機にて高さ1.9mm、ピッチ3.2mmの片面段ボールを作製し、これを渦巻き状に巻き上げて、内径90mm、外径350mm、厚み200mmの円筒形ローター状の除湿ローターを作製した。
実施例2
[不織布の作製]
ビニロン繊維(繊度1.7デシテックス、繊維長50mm)/ビニロン繊維(繊度7.8デシテックス、繊維長50mm)/ポリエステル系繊維(繊度2.2デシテックス、繊維長50mm)=40/40/20の質量比で解繊混合し、28g/mのウェブを作製し、該ウェブにアクリル樹脂エマルジョンを有効成分換算で22g/m含浸、乾燥させて強度を付与して、坪量50g/mのケミカルボンド不織布を作製した。
[除湿ローター用濾材の作製]
作製した不織布に、吸湿剤(商品名:ミズカソープ(登録商標)S−0、水澤化学工業(株)製、平均細孔径3nm、比表面積820m/g)70質量部、バインダー(ポリビニルアルコール)30質量部を含有してなる水性スラリーを調製し、含浸塗工機にて塗工量が72g/mになるように加工して、坪量122g/m、厚み400μmのシートを作製後、熱カレンダー処理(温度:110℃、ニップ圧:5MPa)を施し、厚みを215μmに調整し、実施例2の除湿ローター用濾材を得た。
[除湿ローターの作製]
作製した除湿ローター用濾材をコルゲート作製機にて高さ1.9mm、ピッチ3.2mmの片面段ボールを作製し、これを渦巻き状に巻き上げて、内径90mm、外径350mm、厚み200mmの円筒形ローター状の除湿ローターを作製した。
実施例3
[不織布の作製]
ビニロン繊維(繊度1.7デシテックス、繊維長50mm)/ビニロン繊維(繊度7.8デシテックス、繊維長50mm)/ポリエステル系繊維(繊度2.2デシテックス、繊維長50mm)=40/40/20の質量比で解繊混合し、28g/mのウェブを作製し、該ウェブにアクリル樹脂エマルジョンを有効成分換算で22g/m含浸、乾燥させて強度を付与して、坪量50g/mのケミカルボンド不織布を作製した。
[除湿ローター用濾材の作製]
作製した不織布に、吸湿剤(商品名:ミズカソープ(登録商標)S−0、水澤化学工業(株)製、平均細孔径3nm、比表面積820m/g)70質量部、バインダー(ポリウレタンエマルジョン)30質量部を含有してなる水性スラリーを調製し、含浸塗工機にて塗工量が72g/mになるように加工して、坪量122g/m、厚み400μmのシートを作製後、熱カレンダー処理(温度:110℃、ニップ圧:5MPa)を施し、厚みを215μmに調整し、実施例3の除湿ローター用濾材を得た。
[除湿ローターの作製]
作製した除湿ローター用濾材をコルゲート作製機にて高さ1.9mm、ピッチ3.2mmの片面段ボールを作製し、これを渦巻き状に巻き上げて、内径90mm、外径350mm、厚み200mmの円筒形ローター状の除湿ローターを作製した。
実施例4
[不織布の作製]
ビニロン繊維(繊度1.7デシテックス、繊維長50mm)/ビニロン繊維(繊度7.8デシテックス、繊維長50mm)/ポリエステル系繊維(繊度2.2デシテックス、繊維長50mm)=40/40/20の質量比で解繊混合し、28g/mのウェブを作製し、該ウェブにアクリル樹脂エマルジョンを有効成分換算で22g/m含浸、乾燥させて強度を付与して、坪量50g/mのケミカルボンド不織布を作製した。
[除湿ローター用濾材の作製]
作製した不織布に、吸湿剤(商品名:ミズカソープ(登録商標)S−0、水澤化学工業(株)製、平均細孔径3nm、比表面積820m/g)70質量部、バインダー(アクリル樹脂エマルジョン)30質量部を含有してなる水性スラリーを調製し、含浸塗工機にて塗工量が72g/mになるように加工して、坪量122g/m、厚み400μmのシートを作製後、熱カレンダー処理(温度:110℃、ニップ圧:5MPa)を施し、厚みを200μmに調整し、実施例4の除湿ローター用濾材を得た。
[除湿ローターの作製]
作製した除湿ローター用濾材をコルゲート作製機にて高さ1.9mm、ピッチ3.2mmの片面段ボールを作製し、これを渦巻き状に巻き上げて、内径90mm、外径350mm、厚み200mmの円筒形ローター状の除湿ローターを作製した。
実施例5
[不織布の作製]
ポリエステル系繊維(繊度2.2デシテックス、繊維長50mm)/ポリエステル系熱融着繊維(繊度4.4デシテックス、繊維長50mm)=80/20の質量比で解繊混合し、28g/mのウェブを作製し、該ウェブにアクリル樹脂エマルジョンを有効成分換算で22g/m含浸、乾燥させて強度を付与して、坪量50g/mのケミカルボンド不織布を作製した。
[除湿ローター用濾材の作製]
作製した不織布に、吸湿剤(商品名:ミズカソープ(登録商標)S−0、水澤化学工業(株)製、平均細孔径3nm、比表面積820m/g)70質量部、バインダー(アクリル樹脂エマルジョン)30質量部を含有してなる水性スラリーを調製し、含浸塗工機にて塗工量が72g/mになるように加工して、坪量122g/m、厚み400μmのシートを作製後、熱カレンダー処理(温度:110℃、ニップ圧:5MPa)を施し、厚みを200μmに調整し、実施例5の除湿ローター用濾材を得た。
[除湿ローターの作製]
作製した除湿ローター用濾材をコルゲート作製機にて高さ1.9mm、ピッチ3.2mmの片面段ボールを作製し、これを渦巻き状に巻き上げて、内径90mm、外径350mm、厚み200mmの円筒形ローター状の除湿ローターを作製した。
実施例6
[不織布の作製]
ポリエステル系繊維(繊度2.2デシテックス、繊維長50mm)/ポリエステル系熱融着繊維(繊度4.4デシテックス、繊維長50mm)=80/20の質量比で解繊混合し、28g/mのウェブを作製し、該ウェブにアクリル樹脂エマルジョンを有効成分換算で22g/m含浸、乾燥させて強度を付与して、坪量50g/mのケミカルボンド不織布を作製した。
[除湿ローター用濾材の作製]
作製した不織布に、吸湿剤(商品名:ミズカソープ(登録商標)S−0、水澤化学工業(株)製、平均細孔径3nm、比表面積820m/g)70質量部、バインダー(アクリル樹脂エマルジョン)30質量部を含有してなる水性スラリーを調製し、含浸塗工機にて塗工量が72g/mになるように加工して、坪量122g/m、厚み400μmの実施例6の除湿ローター用濾材を得た。
[除湿ローターの作製]
作製した除湿ローター用濾材をコルゲート作製機にて高さ1.9mm、ピッチ3.2mmの片面段ボールを作製し、これを渦巻き状に巻き上げて、内径90mm、外径350mm、厚み200mmの円筒形ローター状の除湿ローターを作製した。
実施例7
[不織布の作製]
ポリエステル系繊維(繊度2.2デシテックス、繊維長50mm)/ポリエステル系熱融着繊維(繊度4.4デシテックス、繊維長50mm)=80/20の質量比で解繊混合し、28g/mのウェブを作製し、該ウェブにアクリル樹脂エマルジョンを有効成分換算で22g/m含浸、乾燥させて強度を付与して、坪量50g/mのケミカルボンド不織布を作製した。
[除湿ローター用濾材の作製]
作製した不織布に、吸湿剤(商品名:ミズカソープ(登録商標)S−0、水澤化学工業(株)製、平均細孔径3nm、比表面積820m/g)70質量部、バインダー(アクリル樹脂エマルジョン)30質量部を含有してなる水性スラリーを調製し、含浸塗工機にて塗工量が72g/mになるように加工して、坪量122g/m、厚み400μmのシートを作製後、カレンダー処理(温度:室温、ニップ圧:5MPa)を施し、厚みを200μmに調整し、実施例7の除湿ローター用濾材を得た。
[除湿ローターの作製]
作製した除湿ローター用濾材をコルゲート作製機にて高さ1.9mm、ピッチ3.2mmの片面段ボールを作製し、これを渦巻き状に巻き上げて、内径90mm、外径350mm、厚み200mmの円筒形ローター状の除湿ローターを作製した。
実施例8
[不織布の作製]
ポリエステル系繊維(繊度2.2デシテックス、繊維長50mm)/ポリエステル系熱融着繊維(繊度4.4デシテックス、繊維長50mm)=80/20の質量比で解繊混合し、28g/mのウェブを作製し、該ウェブにアクリル樹脂エマルジョンを有効成分換算で22g/m含浸、乾燥させて強度を付与して、坪量50g/mのケミカルボンド不織布を作製した。
[除湿ローター用濾材の作製]
作製した不織布に、吸湿剤(商品名:ミズカソープ(登録商標)S−0、水澤化学工業(株)製、平均細孔径3nm、比表面積820m/g)70質量部、バインダー(アクリル樹脂エマルジョン)30質量部を含有してなる水性スラリーを調製し、ブレード塗工機にて塗工量が片面36.0g/mになるように両面加工して、坪量122g/m、厚み400μmのシートを作製後、カレンダー処理(温度:110℃、ニップ圧:5MPa)を施し、厚みを210μmに調整し、実施例8の除湿ローター用濾材を得た。
[除湿ローターの作製]
作製した除湿ローター用濾材をコルゲート作製機にて高さ1.9mm、ピッチ3.2mmの片面段ボールを作製し、これを渦巻き状に巻き上げて、内径90mm、外径350mm、厚み200mmの円筒形ローター状の除湿ローターを作製した。
比較例1
[不織布の作製]
ポリエステル系繊維(繊度2.2デシテックス、繊維長50mm)/ポリエステル系熱融着繊維(繊度4.4デシテックス、繊維長50mm)=50/50の質量比で解繊混合し、50g/mのウェブを作製し、加熱加圧処理を施し、坪量50g/mのサーマルボンド不織布を作製した。
[除湿ローター用濾材の作製]
作製した不織布に、吸湿剤(商品名:ミズカソープ(登録商標)S−0、水澤化学工業(株)製、平均細孔径3nm、比表面積820m/g)70質量部、バインダー(アクリル樹脂エマルジョン)30質量部を含有してなる水性スラリーを調製し、含浸塗工機にて塗工量が72g/mになるように加工して、坪量122g/m、厚み400μmのシートを作製後、熱カレンダー処理(温度:110℃、ニップ圧:5MPa)を施し、厚みを180μmに調整し、比較例1の除湿ローター用濾材を得た。
[除湿ローターの作製]
作製した除湿ローター用濾材をコルゲート作製機にて高さ1.9mm、ピッチ3.2mmの片面段ボールを作製し、これを渦巻き状に巻き上げて、内径90mm、外径350mm、厚み200mmの円筒形ローター状の除湿ローターを作製した。
比較例2
[不織布の準備]
ポリエステル系スパンボンド不織布(フロイデンベルグ社製、坪量:50g/m、厚み:130μm)を準備した。
[除湿ローター用濾材の作製]
準備した不織布に、吸湿剤(商品名:ミズカソープ(登録商標)S−0、水澤化学工業(株)製、平均細孔径3nm、比表面積820m/g)70質量部、バインダー(エチレン−酢酸ビニル重合体のエマルジョン)30質量部を含有してなる水性スラリーを調製し、含浸塗工機にて塗工量が72g/mになるように加工して、坪量122g/m、厚み200μmのシートを作製後、熱カレンダー処理(温度:110℃、ニップ圧:5MPa)を施し、厚みを170μmに調整し、比較例2の除湿ローター用濾材を得た。
[除湿ローターの作製]
作製した除湿ローター用濾材をコルゲート作製機にて片面段ボールを作製しようとしたが、濾材強度が弱く、除湿ローターを作製することができなかった。
比較例3
[水分散物の調製]
有機繊維として、ポリエステル繊維(繊度0.5デニール、繊維長5mm)100質量部及び芯鞘型熱融着性ポリエステル繊維(繊度2デニール、繊維長5mm)60質量部を水中に添加混合し、0.3質量%の繊維の水分散物を調製した。次に、凝集剤として、ポリ塩化アルミニウム及びカチオン性ポリアクリルアマイドを適量添加し、0.3質量%の不織布作製用の水分散物を調製した。
[不織布の作製]
円網抄紙機を用いて、作製した水分散物から坪量100g/mのウェブを湿式抄造し、シリンダドライヤーで加圧加熱処理して、湿式不織布を作製した。
[除湿ローター用濾材の作製]
吸湿剤(商品名:ミズカソープ(登録商標)S−0、水澤化学工業(株)製、平均細孔径3nm、比表面積820m/g)70質量%、バインダー(アクリル樹脂エマルジョン)30質量%の水性スラリーを調製し、ブレード塗工機にて塗工量が片面36.0g/mになるように、作製した不織布に両面加工して、坪量172g/m、厚み300μmのシートを作製し、比較例3の除湿ローター用濾材を得た。
[除湿ローターの作製]
作製した除湿ローター用濾材をコルゲート作製機にて高さ1.9mm、ピッチ3.2mmの片面段ボールを作製し、これを渦巻き状に巻き上げて、内径90mm、外径350mm、厚み200mmの円筒形ローター状の除湿ローターを作製した。
比較例4
[水分散物の調製]
有機繊維として、ポリエステル繊維(繊度0.5デニール、繊維長5mm)100質量部及び芯鞘型熱融着性ポリエステル繊維(繊度2デニール、繊維長5mm)60質量部を水中に添加混合し、0.3質量%の繊維の水分散物を調製した。次に、吸湿剤(商品名:ミズカソープ(登録商標)S−0、水澤化学工業(株)製、平均細孔径3nm、比表面積820m/g)100質量部を水中に添加混合し、次いで、凝集剤として、ポリ塩化アルミニウム及びカチオン性ポリアクリルアマイドを適量添加し、0.3質量%の吸湿剤の水分散物を調製した。
[除湿ローター用濾材の作製]
次に、繊維100質量部に対して、吸湿剤が150質量部となるように、繊維の水分散物と吸湿剤の水分散物を混合し、0.3質量%のスラリーを調製した。次いで、該スラリーから円網抄紙機を用いて坪量100g/mのウェブを湿式抄造し、シリンダドライヤーで加圧加熱処理して、厚み190μmのシートを作製し、比較例4の除湿ローター用濾材を作製した。
[除湿ローターの作製]
作製した除湿ローター用濾材をコルゲート作製機にて片面段ボールを作製しようとしたが、濾材強度が弱く、除湿ローターを作製することができなかった。
比較例5
[不織布の作製]
ポリエステル系繊維(繊度2.2デシテックス、繊維長50mm)/ポリエステル系熱融着繊維(繊度4.4デシテックス、繊維長50mm)=50/50の質量比で解繊混合し、50g/mのウェブを作製し、加熱加圧処理を施し、坪量50g/mのサーマルボンド不織布を作製した。
[除湿ローター用濾材の作製]
作製した不織布に、吸湿剤(商品名:ミズカソープ(登録商標)S−0、水澤化学工業(株)製、平均細孔径3nm、比表面積820m/g)70質量部、バインダー(アクリル樹脂エマルジョン)30質量部を含有してなる水性スラリーを調製し、ブレード塗工機にて塗工量が片面11.0g/mになるように両面加工して、坪量72g/m、厚み180μmの比較例5の除湿ローター用濾材を得た。
[除湿ローターの作製]
作製した除湿ローター用濾材をコルゲート作製機にて高さ1.9mm、ピッチ3.2mmの片面段ボールを作製し、これを渦巻き状に巻き上げて、内径90mm、外径350mm、厚み200mmの円筒形ローター状の除湿ローターを作製した。
比較例6
[不織布の準備]
ポリエステル系スパンボンド不織布(フロイデンベルグ社製、坪量:50g/m、厚み:130μm)を準備した。
[除湿ローター用濾材の作製]
準備した不織布に、吸湿剤(商品名:ミズカソープ(登録商標)S−0、水澤化学工業(株)製、平均細孔径3nm、比表面積820m/g)70質量%、バインダー(エチレン−酢酸ビニル重合体のエマルジョン)30質量%の水性スラリーを調製し、ブレード塗工機にて塗工量が片面13.0g/mになるように両面加工して、坪量76g/m、厚み145μmの比較例6の除湿ローター用濾材を得た。
[除湿ローターの作製]
作製した除湿ローター用濾材をコルゲート作製機にて片面段ボールを作製しようとしたが、濾材強度が弱く、除湿ローターを作製することができなかった。
Figure 2013158668
以上、実施例及び比較例の除湿ローター用濾材及び除湿ローターを下記性能試験に従って評価した。結果を表2に示す。
Figure 2013158668
[剛直度の評価方法及び評価]
剛直度は、濾材の硬さを表す指標の1つであり、剛直度の良い濾材を使用すれば、ローター作製時のハニカム加工性、ハニカム作製時の開口部の目潰れが無く、良好なローターを作製することができる。実施例及び比較例の除湿ローター用濾材をMD方向の測定として幅:25mm×長さ:88mmにカットし、CD方向の測定として幅:88mm×長さ:25mmにカットし剛直度測定用のサンプルを作製し、紙、プラスチック、織布の柔軟度を測定する機械(東洋精機社製:柔軟度試験機(JIS−L1096準拠、ガーレ法))により評価を行った。
ケミカルボンド法によって製造された不織布を使用した実施例1〜8の除湿ローター用濾材は、MD方向の評価において良好な結果を示した。さらに、アクリル樹脂系バインダーを使用して吸湿剤を担持してなる実施例4〜8の除湿ローター用濾材では、非常に良好な剛直度を示した。
一方、比較例1〜6の除湿ローター用濾材はMD方向及びCD方向の評価において、実施例1〜8に比べ悪い結果を示した。さらに、不織布として湿式不織布を使用した比較例3及び吸湿剤を湿式抄造法で担持した比較例4の除湿ローター用濾材は、実施例1〜8に比べ、剛軟度が著しく劣っていた。
[寸法変化率の評価方法及び評価]
寸法変化率は、濾材の伸び縮みを表す指標の1つであり、ローター化した際に寸法安定性の良い濾材を使用すれば、長期にわたる使用に対して耐久性が良く、除湿性能の安定したローターが得られる。実施例及び比較例の除湿ローター用濾材を100mm×100mmの大きさにカットし、寸法変化率用のサンプルを作製する。作製したサンプルは縦3点、横3点の処理前寸法(X)を測定する。次に、80℃に温度設定した恒温槽にサンプルを入れ15時間及び1週間静置し、熱処理を行う。熱処理経過後、サンプルを取り出して処理後寸法(Y)を縦3点、横3点測定する。得られた処理前寸法(X)、処理後寸法(Y)から寸法変化率Zを下記式1により求めた。
(式1)
寸法変化率Z(%)=(X−Y)/X
ケミカルボンド法によって製造された不織布を使用した実施例1〜8の除湿ローター用濾材は、80℃、15時間後及び80℃、1週間後の寸法変化率(%)は、CD方向、MD方向共に良好であり、さらに、MD方向においては特に良好な結果を示した。一方、比較例1〜6の除湿ローター用濾材は、MD方向及びCD方向の評価において、実施例1〜8に比べ悪い結果を示した。
[ハニカム加工性の評価方法及び評価]
実施例及び比較例の除湿ローター用濾材を用いて、コルゲート作製機にて高さ1.9mm、ピッチ3.2mmの片面段ボールを作製し、できあがったコルゲートの形状を4段階に分類し、評価を行った。
コルゲートハニカム状構造体がしっかりしていて硬く、全く潰れが無い=「◎」
コルゲートハニカム状構造体がしっかりしている=「○」
力を加えるとコルゲートハニカム状構造体が潰れる=「△」
コルゲートハニカム状構造体が成形できなかった=「×」
ケミカルボンド法によって製造された不織布を使用した実施例1〜8では、コルゲートハニカム状構造体がしっかりしていた。実施例1〜4の比較から、アクリル樹脂系バインダーで吸湿剤が担持されている実施例4では、実施例1〜3と比較して、コルゲートハニカム状構造体がしっかりしていて硬く、全く潰れが無いコルゲートを作製することができた。さらに、実施例5〜7の比較から、熱カレンダー処理が施されている実施例5では、コルゲートハニカム状構造体がしっかりしていて硬く、全く潰れが無いコルゲートを作製することができた。実施例5と8の比較から、含浸によって吸湿剤が担持されてなる実施例5の方が、ハニカム加工性が優れていた。一方、比較例1、3、5の除湿ローター用濾材は、力を加えるとコルゲートハニカム状構造体が潰れ、比較例2、4、6の除湿ローター用濾材では、コルゲートが成形できなかった。
[粉落ち性の評価方法及び評価]
実施例及び比較例の除湿ローター用濾材をコルゲート作製機にて加工する際にコルゲートギヤに付着する吸湿剤の量、及び加工時に床面に落下した吸湿剤の量を目視により、5段階に分類し評価を行った。
吸湿剤のコルゲートギヤへの付着、吸湿剤の床面への落下は見られない=「◎」
吸湿剤のコルゲートギヤへの付着、吸湿剤の床面への落下はほとんど見られない=「○」
吸湿剤のコルゲートギヤへの付着、吸湿剤の床面への落下がある=「△」
吸湿剤のコルゲートギヤへの付着、吸湿剤の床面への落下が多い、=「×」、
コルゲートハニカム状構造体が成形できない=「−」
ケミカルボンド法によって製造された不織布を使用した実施例1〜8の除湿ローター用濾材では、吸湿剤のコルゲートギヤへの付着、吸湿剤の床面への落下が少なかった。実施例1〜4の比較から、アクリル樹脂系バインダーで吸湿剤が担持されている実施例4の除湿ローター用濾材は、吸湿剤のコルゲートギヤへの付着、吸湿剤の床面への落下は見られなかった。実施例5〜7の比較から、熱カレンダー処理が施されている実施例5の除湿ローター用濾材は、吸湿剤のコルゲートギヤへの付着、吸湿剤の床面への落下は見られなかった。実施例5と8の比較から、含浸によって吸湿剤が担持されてなる実施例5の除湿ローター用濾材の方が、吸湿剤のコルゲートギヤへの付着、吸湿剤の床面への落下が少なかった。
一方、不織布として湿式不織布を使用した比較例3の除湿ローター用濾材は、吸湿剤のコルゲートギヤへの付着、吸湿剤の床面への落下が見られた。不織布としてサーマルボンド不織布を使用した比較例1及び5の除湿ローター用濾材は、吸湿剤のコルゲートギヤへの付着、吸湿剤の床面への落下が多かった。比較例2、4、6のサンプルは、コルゲートが成形できなかった。
[圧力損失の評価方法及び評価]
実施例及び比較例で作製した除湿ローターについて、JIS−B9908に準拠した測定器に装着し、風速が2m/minとなるように調整後、圧力損失を測定した。
ケミカルボンド法によって製造された不織布を使用した実施例1〜8で作製した除湿ローターは、圧力損失が低く良好であった。また、実施例1〜4の比較から、アクリル樹脂系バインダーで吸湿剤が担持されている実施例4で作製した除湿ローターは、他のバインダーを使用した実施例1〜3と比較して、若干ではあるが、圧力損失が低く良好であった。実施例5〜7の比較から、熱カレンダー処理が施されている実施例5で作製した除湿ローターは、圧力損失が低く良好であった。実施例5と8の比較から、含浸によって吸湿剤が担持されてなる実施例5で作製した除湿ローターの方が、圧力損失が低く良好であった。一方、比較例1、3及び5で作製した除湿ローターは、圧力損失が悪く、比較例2、4及び6では、除湿ローターが作製できず、圧力損失の測定には至らなかった。
[除湿量の評価方法及び評価]
実施例及び比較例で作製した除湿ローターを、図1の除湿ローターシステムを用いて次の条件にて除湿量の評価を行った。評価条件は、除湿ローター2の回転数は30rphとし、ローター面積の1/2に面風速2m/secとなるよう、室内の空気(水分を含んだ被乾燥空気6)を冷却コイル(プレクーラ)4にて(25℃、質量絶対湿度16g/kg(DA))に調整し流入させた。除湿ローター2から出てきた乾燥空気8の除湿側出口での温湿度を測定し、除湿入口質量絶対湿度(A)と除湿出口質量絶対湿度(B)の差から除湿量(C)を求めた(下記式2)。
(式2)
除湿量(C)g/kg(DA)=除湿入口質量絶対湿度(A)−除湿出口質量絶対湿度(B)
ケミカルボンド法によって製造された不織布を使用した実施例1〜8で作製した除湿ローターは、良好な除湿量を示した。実施例1〜4の比較から、アクリル樹脂系バインダーで吸湿剤が担持されている実施例4で作製した除湿ローターは、良好な除湿量を示した。実施例5〜7の比較から、熱カレンダー処理が施されている実施例5で作製した除湿ローターは、良好な除湿量を示した。一方、比較例1、3及び5で作製した除湿ローターは、良い除湿量を得ることができなかった。比較例2、4及び6では、除湿ローターが作製できず、除湿量の測定には至らなかった。
本発明の除湿ローター用濾材は、デシカント空調システムに使用できる。また、冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケース等の除湿、蒸散や、電気製品の除湿、加湿、熱交換素子等に利用することができる。
1 芯材
2 除湿ローター
3 除湿ローターの回転方向
4 冷却コイル(プレクーラ)
5 再生用ヒータ
6 水分を含んだ被乾燥空気
7 冷却された水分を含んだ被乾燥空気
8 乾燥空気
9 再生用空気
10 加熱再生空気
11 排気空気

Claims (5)

  1. 不織布に吸湿剤が担持されてなる除湿ローター用濾材において、該不織布がケミカルボンド法によって製造されたことを特徴とする除湿ローター用濾材。
  2. 吸湿剤が担持された不織布が熱カレンダー処理を施されている請求項1記載の除湿ローター用濾材。
  3. 前記吸湿剤が含浸又は塗工によって不織布に担持されてなる請求項1又は2記載の除湿ローター用濾材。
  4. 前記吸湿剤が含浸によって不織布に担持されてなる請求項1又は2記載の除湿ローター用濾材。
  5. 前記吸湿剤がアクリル樹脂系バインダーで担持されてなる請求項1〜4のいずれか記載の除湿ローター用濾材。
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