JP2013154002A - ポリマー膜、センサ、及び測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】必要となる形成材料を最小限に抑えつつ、多機能を備えるポリマー膜、そのポリマー膜を用いたセンサ、及びセンサを用いた測定方法を提供する。
【解決手段】単一の構成材料によって形成されたポリマー膜20であり、ポリマー膜20は、その厚み方向に沿って、多孔質部21と、中間部22と、多孔質部23とを順に備えている。中間部22の透過性は、多孔質部21及び23それぞれの透過性に比べて低くなっている。
【選択図】図2
【解決手段】単一の構成材料によって形成されたポリマー膜20であり、ポリマー膜20は、その厚み方向に沿って、多孔質部21と、中間部22と、多孔質部23とを順に備えている。中間部22の透過性は、多孔質部21及び23それぞれの透過性に比べて低くなっている。
【選択図】図2
Description
本発明は、生体用のセンサの外層膜として利用できる、ポリマー膜、センサ、及び測定方法に関する。
従来からの血糖値測定では、測定の度に、ランセットと呼ばれる器具によって患者の体を穿刺し、そして、血液を採取する必要があり、患者における負担が大きいという問題、更には、連続的な測定が行えないという問題がある。このような問題を解消するため、近年においては、CGM(Continuous Glucose Monitoring)と呼ばれる連続的に皮下組織中のグルコース濃度を測定する方法が提案されている。
CGMでは、センサは、その一部が患者の皮下に埋設されるように配置され、このセンサによって、皮下間質液中のグルコースの濃度に応じた電流値等の信号が連続的出力される。そして、計測装置等によって、信号から血糖値が換算される。CGMによれば、血糖値を連続的に測定することができる。なお、間質液は血液とは異なるが、間質液中のグルコースの濃度は、血液中のグルコースの濃度(血糖値)を反映すると考えられている。よって、皮下間質液中のグルコースの濃度を測定することにより、血糖値を知ることができる。
ここで、CGMで利用されるセンサの構成及び機能について説明する。センサは、通常、ワーキング電極、カウンター電極、リファレンス電極、及び試薬層を備えている。試薬層は、グルコース酸化還元酵素を含んでおり、ワーキング電極に接触するように配置される。
そして、センサが生体に穿刺されると、センサのグルコース酸化還元酵素は、間質液中のグルコースと反応する。例えば、グルコース酸化還元酵素がグルコースオキダーゼであるならば、グルコースは、グルコン酸と過酸化水素とに分解される。そして、ワーキング電極に電圧を印加すると、発生した過酸化水素がワーキング電極で酸化され、電流が流れる。この電流の値は、生体中のグルコース濃度に依存することから、結果、グルコース濃度(血糖値)の算出が可能となる。
このように、CGMにおいて、センサの役割は重要であり、測定精度はセンサの性能に負うところが大きいといえる。また、センサにおいて、性能向上を図るためには、グルコースを効率良く取り込む必要がある。但し、このとき、グルコースを取り込み過ぎると、酵素反応の反応速度がグルコース濃度に依存しなくなり、却って、測定精度が低下してしまうことがある。このような点から、従来から、センサにおいては、試薬層を外層膜によって被覆することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1〜3は、外層膜を備えたセンサを開示している。例えば、特許文献1において、外層膜は、試薬層側から順に、グルコース透過制限層、干渉物質排除層、及び生体適合層を積層することによって形成されている。また、特許文献2においては、外層膜は、試薬層側から順に、O2(酸素)透過制限層、及び親水性被覆層を積層することによって形成されている。更に、特許文献3においては、外層膜は、電極面から順に、親水性被覆層、インターフェース層、酵素固定化層、酸素・グルコース抵抗性膜、グルコース透過制限層、細胞不透過層、及び細胞破壊層を積層することによって形成されている。
上記特許文献1〜3のいずれかに開示された外層膜をセンサに形成すれば、グルコースの効率の良い取り込みを図りつつ、酵素反応の反応速度を抑制できるので、センサの性能向上を図ることができる。しかしながら、このような多機能を備えた外層膜には、以下のような問題がある。
上述したように、上記特許文献1〜3のいずれかに開示された外層膜は、形成材料の異なる複数の層によって構成されている。このため、外層膜の形成において、複数の形成材料を用意する必要がある。そして適切な形成材料の選択を行う際に、個々の形成材料の特性だけでなく、用意する個々の形成材料間の作用によって生じる特性の変化も考慮しなければならない。例えば、形成材料の異なる層間では、強度が低下し易く、外層膜の耐久性が低くなるという問題もある。更に、層間の強度の向上を図るには、更なる技術開発も必要となる。
本発明の目的は、上記課題を解消し、必要となる形成材料を最小限に抑えつつ、多機能を備えるポリマー膜、ポリマー膜を用いたセンサ、及びセンサを用いた測定方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明におけるポリマー膜は、単一の構成材料によって形成されたポリマー膜であって、当該ポリマー膜の厚み方向に沿って、第1の多孔質部と、中間部と、第2の多孔質部とを順に備え、前記中間部の透過性が、前記第1の多孔質部及び前記第2の多孔質部それぞれの透過性に比べて低くなっている、ことを特徴とする。
以上のように、本発明におけるポリマー膜20は、単一の材料によって形成されているが、厚み方向において、特性が異なっている。例えば、各多孔質部は、グルコース等の特定成分が透過し易い構造となっている。一方、これらの間にある中間部は、グルコース等の特定成分が透過しにくい構造となっている。このため、ポリマー膜は、一方の多孔質部によって特定成分を効率良く取り込みつつ、中間部によってポリマー膜の下層に到達する特定成分が多くなり過ぎないよう制限をかけることができる。また、ポリマー膜は、他方の多孔質部によって、特定成分と下層に位置する層との反応を効率良く行わせることもできる。
また、上記本発明におけるポリマー膜においては、前記中間部の平均孔径が、前記第1の多孔質部及び前記第2の多孔質部の平均孔径の3000分の1以上20分の1以下である、のが好ましい。この場合は、上述した機能をより確実に得ることが可能となる。
また、上記本発明におけるポリマー膜においては、前記透過性が、前記第1の多孔質部、前記中間部、又は前記第2の多孔質部を設定時間内に透過するグルコースの量によって規定され、前記第1の多孔質部、前記中間部、及び前記第2の多孔質部のそれぞれの厚み及び面積が同一に設定された条件下で、前記第1の多孔質部を透過するグルコースの量及び前記第2の多孔質部を透過するグルコースの量それぞれが、前記中間部を透過するグルコースの量の1倍より大きく5倍以下となるように、前記中間部が形成されている、のが好ましい。この場合も、上述した機能をより確実に得ることが可能となる。
また、上記本発明におけるポリマー膜においては、前記第1の多孔質部と前記中間部との間、または、前記第2の多孔質部と前記中間部との間に、更に、第2の中間部を備える、のが好ましい。この場合、一方の多孔質部によって特定成分を効率良く取り込みつつ、ポリマー膜の下層に到達する特定成分が多くなり過ぎないよう、更に、制限をかけることができる。
また、上記本発明におけるポリマー膜においては、前記第2の中間部の透過性は、前記第1の多孔質部または前記第2の多孔質部ぞれぞれの透過性に比べて低く、かつ、前記中間部に比べて高い、のが好ましい。この場合は、上述した機能をより確実に得ることが可能となる。
また、上記本発明におけるポリマー膜においては、前記第2の中間部の平均孔径は、前記第1の多孔質部及び前記第2の多孔質部の平均孔径の20分の1以上5分の1以下である、のが好ましい。この場合も、上述した機能をより確実に得ることが可能となる。
また、上記本発明におけるポリマー膜においては、前記透過性が、前記第1の多孔質部、前記中間部、前記第2の中間部、又は前記第2の多孔質部を設定時間内に透過するグルコースの量によって規定され、前記第1の多孔質部、前記中間部、前記第2の中間部、及び前記第2の多孔質部それぞれの厚み及び面積が同一に設定された条件下で、前記第1の多孔質部を透過するグルコースの量及び前記第2の多孔質部を透過するグルコースの量それぞれが、前記中間部または前記第2の中間部を透過するグルコースの量の1倍より大きく5倍以下となるように、前記中間部または前記第2の中間部が形成されている、のが好ましい。この場合も、上述した機能をより確実に得ることが可能となる。
また、上記本発明におけるポリマー膜は、例えば、セルロースアセテートによって形成されている、のが好ましい。
また、上記本発明におけるセンサは、生体中の特定成分を測定するためのセンサであって、ベース部材と、前記ベース部材上に形成された電極と、前記電極上に配置され、且つ前記特定成分に反応する試薬層と、少なくとも前記試薬層を被覆するポリマー膜とを備え、前記ポリマー膜は、単一の構成材料によって形成され、且つ、当該ポリマー膜の厚み方向に沿って、第1の多孔質部と、中間部と、第2の多孔質部とを順に備え、前記中間部の透過性が、前記第1の多孔質部及び前記第2の多孔質部それぞれの透過性に比べて低くなっている、ことを特徴とする。
また、上記本発明におけるセンサは、前記ポリマー膜において、前記第1の多孔質部と前記中間部との間、または、前記第2の多孔質部と前記中間部との間に、更に、第2の中間部を備え、前記第2の中間部の透過性が、前記第1の多孔質部または前記第2の多孔質部ぞれぞれの透過性に比べて低く、かつ、前記中間部に比べて高い、のが好ましい。
また、上記本発明における測定方法は、生体中の特定成分を測定するための測定方法であって、(a)ベース部材と、前記ベース部材上に形成された電極と、前記電極上に配置され、且つ前記特定成分に反応する試薬層と、少なくとも前記試薬層を被覆するポリマー膜とを備え、前記ポリマー膜は、単一の構成材料によって形成され、且つ、当該ポリマー膜の厚み方向に沿って、第1の多孔質部と、中間部と、第2の多孔質部とを順に備え、前記中間部の透過性が、前記第1の多孔質部及び前記第2の多孔質部それぞれの透過性に比べて低くなるように形成されている、センサを用い、その前記試薬層が設けられている部分を、前記生体内に留置させるステップと、(b)前記電極を介して、前記試薬層に電圧を印加するステップと、を有することを特徴とする。
また、上記本発明における測定方法は、前記ポリマー膜において、前記第1の多孔質部と前記中間部との間、または、前記第2の多孔質部と前記中間部との間に、更に、第2の中間部を備え、前記第2の中間部の透過性が、前記第1の多孔質部または前記第2の多孔質部ぞれぞれの透過性に比べて低く、かつ、前記中間部に比べて高い、のが好ましい。
以上の特徴により、本発明によれば、必要となる形成材料を最小限に抑えつつ、多機能を備えるポリマー膜、ポリマー膜を用いたセンサ、及びセンサを用いた測定方法を提供することができる。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における、ポリマー膜、センサ、及び測定方法について、図1〜図2を参照しながら説明する。最初に、本実施の形態におけるセンサの構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるセンサの構成を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態における、ポリマー膜、センサ、及び測定方法について、図1〜図2を参照しながら説明する。最初に、本実施の形態におけるセンサの構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるセンサの構成を示す斜視図である。
図1に示すように、センサ10は、生体中の特定成分を測定するためのセンサである。本実施の形態では、センサ10は、先端部分が皮下に留置された状態で使用される。図1には、センサ10の先端部分のみが示されている。
また、本実施の形態では、測定対象となる特定成分は、間質液又は血液に含まれるグルコースである。センサ10は、グルコースの状態(濃度)に応じて信号を生成する。以降においては、測定対象となる特定成分が、グルコースである例について説明する。なお、本実施の形態において、測定対象となる特定成分は、グルコース以外の成分であっても良い。
図1に示すように、センサ10は、ベース部材11と、ベース部材11上に形成された電極12〜14と、測定対象となる特定成分に反応する試薬を含む試薬層15と、ポリマー膜20とを備えている。図1において、ポリマー膜20は、破線で示されており、センサ10の全体を被覆している。ポリマー膜20の構成については図2を用いて説明する。
ベース部材11は、細長い短冊状に形成されており、更に、その先端部分は、センサ10が生体に突き刺さり易いようにするため、鋭利な形状となっているのが良い。但し、先端部分の形状は特に限定されるものではなく、鋭利な形状以外の形状であっても良い。ベース部材11の形成材料は、特に限定されるものではない。但し、人体への影響が少ない点から、ベース部材11の形成材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、及びポリエチレン(PE)といった熱可塑性樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂及びエポキシ樹脂といった熱硬化性樹脂が挙げられる。
電極12〜電極14は、ベース部材11上に形成され、試薬層15に電圧を印加するために用いられる。また、電極12の上に試薬層15が配置されており、電極12は、ワーキング電極として機能している。更に、電極13はカウンター電極として機能し、電極14はリファレンス電極として機能している。また、電極12〜電極14は、ベース部材11上にセンサ10の長手方向に沿って形成されており、配線としても機能している。電極12〜電極14の形成方法としては、例えば、非腐食性金属、又はカーボンインク等の導電性の材料を用いた、蒸着、スクリーン印刷等が挙げられる。
試薬層15は、本実施の形態では、グルコース酸化還元酵素を電極12の上に固定化することによって形成されている。グルコース酸化還元酵素は、背景技術の欄において述べたように、間質液又は血液に含まれるグルコースと反応する。この結果、電極12と電極13との間を流れる電流の電流値は、グルコースの反応量に応じて変化することから、この電流値を測定することにより、グルコース濃度の測定が可能となる。
また、本実施の形態において、利用可能なグルコース酸化還元酵素としては、グルコースオキシダーゼ(GOD)、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)等が挙げられる。更に、グルコース酸化還元酵素を固定化する方法としては、公知の種々の方法が挙げられ、例えば、グルタルアルデヒドを使う架橋化が挙げられる。
次に、図2を用いて、本実施の形態におけるポリマー膜20の構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態におけるポリマー膜の構成を示す断面図であり、図3は、図2に示したポリマー膜における孔の径と膜厚との関係を示す図である。また、図2は、図1中の切断線A−Aに沿って切断された状態を示している。
図2に示すように、ポリマー膜20は、単一の構成材料によって形成されている。本実施の形態では、ポリマー膜は、セルロースアセテートによって形成されているのが好ましい。その他、ポリマー膜の原料としてはポリウレタン(PU)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ブチルメタクリレート(BMA)ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等も挙げられる。
また、ポリマー膜20は、その厚み方向に沿って、試薬層15側から順に、多孔質部21と、中間部22と、多孔質部23とを備えている。このうち、中間部22は、その透過性が、多孔質部21及び多孔質部23それぞれの透過性に比べて低くなるように形成されている。具体的には、中間部22も、多孔質部21及び23と同様に、多孔質状に形成されている。但し、図3に示すように、中間部22は、孔の径が、多孔質部21及び多孔質部23におけるそれよりも小さくなるように形成されている。
また、図4は図2に挙げた本実施の形態におけるポリマー膜20の他の構成を表す。図2に挙げたポリマー膜と同様の構成要素については同一の符号を示す。図7は、図4に示したポリマー膜における孔の径と膜厚との関係を示す図である。図8は、図5に示したポリマー膜における孔の径と膜厚との関係を示す図である。図9は、図6に示したポリマー膜における孔の径と膜厚との関係を示す図である。また、図4、図5、図6は、図1中の切断線A−Aに沿って切断された状態を示している。
図4、図5、図6に示すように、ポリマー膜20は、単一の構成材料によって形成されている。本実施の形態では、ポリマー膜は、セルロースアセテートによって形成されているのが好ましい。その他、ポリマー膜の原料としてはポリウレタン(PU)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ブチルメタクリレート(BMA)ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等も挙げられる。
図4〜図6に挙げたポリマー膜20は、その厚み方向に沿って、試薬層15側から順に、多孔質部21と、中間部22と、多孔質部23とを備えているのに加え、多孔質部21と中間部22との間、または、多孔質部23と中間部22との間に、更に、第2中間部25を備えている(図4、図5)。或いは、多孔質部21と中間部22との間と、多孔質部23と中間部22との間に、第2中間部25を備えている(図6)。第2中間部25は、その透過性が、多孔質部23または多孔質部21の透過性に比べて低く、かつ、中間部22の透過性に比べて高くなるように形成されている。具体的には、第2の中間部25も、多孔質部21及び23、中間部22と同様に、多孔質状に形成されている。但し、図7、図8、図9に示すように、第2の中間部25は、孔の径が、多孔質部23または多孔質部21におけるそれよりも小さく、かつ、中間部22のそれよりも大きくなるように形成されている。
本実施の形態において、「孔の径」としては、例えば、多孔質部21、中間部22、及び多孔質部22それぞれにおける各孔の径の平均値(平均孔径)を用いることができる。また、各孔の径の測定は、例えば、孔の開口面積を求め、更に、求めた開口面積を持つ円の直径を求め、そして、この円の直径を孔の径とすることによって行うことができる。
また、ポリマー膜20は、単一の材料によって形成されているが、厚み方向において、特性が異なっている。つまり、下側(試薬層15側)に位置する多孔質部21と上側(外側)に位置する多孔質部23とは、グルコースが透過し易い構造となっているのに対して、これらの間にある中間部22は、多孔質部21及び23よりもグルコースが透過しにくい構造となっている。このため、ポリマー膜は、単一の層でありながら、多層構造を有する外層膜と同様に機能することができる。つまり、ポリマー膜20では、外側に位置する多孔質部23によってグルコースが効率良く取り込まれるが、中間部22によって試薬層15に到達するグルコースが多くなり過ぎないよう制限がかけられる。また、ポリマー膜20においては、更に、下側に位置する多孔質部21によって、グルコースと試薬層15とを効率良く反応させることもできる。
更に、第2の中間部25をポリマー膜20に設けた場合、第2の中間部25は、多孔質部21及び23よりもグルコースが透過しにくい構造で、かつ、中間部22よりもグルコースが透過しやすい構造となっている。このため、第2の中間部25を設けたポリマー膜においても、単一の層でありながら、多層構造を有する外層膜と同様に機能することができる。つまり、ポリマー膜20では、外側に位置する多孔質部23によってグルコースが効率良く取り込まれるが、第2の中間部25を設ける事で、試薬層15に到達するグルコースが多くなり過ぎないよう更に制限がかけられる。また、ポリマー膜20においては、更に、下側に位置する多孔質部21によって、グルコースと試薬層15とを効率良く反応させることもできる。
また、本実施の形態では、「孔の径」として、「平均孔径」を用いる場合、ポリマー膜20は、中間部22の平均孔径が、多孔質部21及び多孔質部23の平均孔径の20分の1以下、特には、3000分の1〜20分の1となるように形成されているのが好ましい。また、第2の中間部25の平均孔径が、多孔質部21及び多孔質部23の平均孔径の5分の1以下、特には、5分の1〜20分の1となるように形成されているのが好ましい。この場合は、上記の機能がより確実に発揮される。
また、本実施の形態において、多孔質部21、中間部22、及び多孔質部23それぞれにおける透過性は、例えば、それぞれを設定時間内に透過するグルコースの量によっても規定できる。この場合、中間部22は、多孔質部21を透過するグルコースの量及び多孔質部23を透過するグルコースの量それぞれが、中間部22を透過するグルコースの量の1倍より大きく5倍以下、特には2倍以上5倍以下となるように、形成されているのが好ましい。また、第2の中間部25は、多孔質部21を透過するグルコースの量及び多孔質部23を透過するグルコースの量それぞれが、第2の中間部を透過するグルコースの量の1倍より大きく5倍以下、特には2倍以上5倍以下となるように、形成されているのが好ましい。なお、上記の条件において、多孔質部21、中間部22、及び多孔質部23それぞれの厚み及び面積は同一に設定されている。
[ポリマー膜の作製]
実施の形態に示した製造工程を実行して、実際に、ポリマー膜を作成した。具体的には、先ず、アセトン(50ml)とシクロヘキサノン(50ml)とを混合して得られた溶媒に、セルロースアセテート(5g)を溶解させて、濃度が5%(wt/V)となるセルロースアセテート溶液を調製する。
実施の形態に示した製造工程を実行して、実際に、ポリマー膜を作成した。具体的には、先ず、アセトン(50ml)とシクロヘキサノン(50ml)とを混合して得られた溶媒に、セルロースアセテート(5g)を溶解させて、濃度が5%(wt/V)となるセルロースアセテート溶液を調製する。
次に、温度が23℃、絶対湿度が19g/m3に設定された空間内に、基材となるガラス板を1時間以上放置する。その後、この空間内で、セルロースアセテート溶液中に、基材を浸漬する。続いて、引き上げ速度を0.7mm/sに設定して、基材を引き上げる。これにより、基材の表面に、セルロースアセテート溶液の塗布膜が形成される。
その後、空間内の温度を23℃に維持したまま、絶対湿度を2g/m3に設定し直し、塗布膜の乾燥を実行する。乾燥は、水分及び溶媒が全て蒸発するまで、例えば、16時間程度行われる。この結果、基材上に、実施例1におけるポリマー膜が形成される。
[グルコース透過試験]
次に、得られたポリマー膜を基材から剥離し、剥離したポリマー膜を図10に示す二室回分式透過試験装置40にセットして、グルコースの透過試験を行う。図10は、実施例及び比較例で利用される二室回分式透過試験装置の概略構成を示す図である。なお、本透過試験は、微量のグルコースの透過検出を目的としたものではない。図10に示す二室回分式透過試験装置40によってグルコースの透過が検出された場合は、透過するグルコースが多すぎることを示している。
次に、得られたポリマー膜を基材から剥離し、剥離したポリマー膜を図10に示す二室回分式透過試験装置40にセットして、グルコースの透過試験を行う。図10は、実施例及び比較例で利用される二室回分式透過試験装置の概略構成を示す図である。なお、本透過試験は、微量のグルコースの透過検出を目的としたものではない。図10に示す二室回分式透過試験装置40によってグルコースの透過が検出された場合は、透過するグルコースが多すぎることを示している。
図10に示すように、二室回分式透過試験装置40は、チャンバー41(液量:30mL)とチャンバー42(液量:30mL)とを備えている。また、チャンバー41には、攪拌機43が取り付けられ、チャンバー42には、攪拌機44が取り付けられている。試験片(ポリマー膜)50は、チャンバー41とチャンバー42とを仕切るように取り付けられている。
先ず、図10中左側のチャンバー41に、グルコースの初期濃度が604mg/dLの水溶液を注入し、図10中右側のチャンバー42に、グルコースの初期濃度が0mg/dLの水溶液を注入する。また、取り付けられた試験片50の水溶液と接触する部分の面積は、4.15cm2であった。そして、攪拌機43及び44を稼働させながら、各チャンバーのグルコース濃度の測定を180分間行った。また、グルコース濃度の測定には、グルコース濃度測定装置(アークレイ社製 GA−1150)を使用した。
実施例1における透過試験の結果を表1及び図11に示す。表1は、実施例1における透過試験の結果(グルコース濃度の測定結果)を示している。図11は、実施例1における透過試験の結果をグラフ化して示す図である。表1及び図11において「L」は、図10中左側のチャンバー41における測定結果(グルコース濃度[mg/dL])を示す。また、「R」は、図10中右側のチャンバー42における測定結果(グルコース濃度[mg/dL])を示す。
表1及び図11に示すように、二室回分式透過試験装置40を用いた透過試験では、グルコースの透過は確認できなかった。このことから、実施例1で作成されたポリマー膜によれば、グルコースが透過し過ぎることはないと考えられる。
[グルコース応答試験]
次に、グルコースの応答試験を行った。先ず、ワーキング電極として機能する電極を作製するため、粒径50nm、比表面積1400m2/g、空隙率60vol%の炭素粒子(キャボット社製)を用意する。次に、炭素粒子と、ポリエステル樹脂(バインダー)と、イソホロン(溶剤)とを混合して、印刷用インクを調製する。このとき、炭素粒子、ポリエステル樹脂、及びイソホロンの重量比は、炭素粒子が40%、ポリエステル樹脂が40%、イソホロンが20%となるように設定した。
次に、グルコースの応答試験を行った。先ず、ワーキング電極として機能する電極を作製するため、粒径50nm、比表面積1400m2/g、空隙率60vol%の炭素粒子(キャボット社製)を用意する。次に、炭素粒子と、ポリエステル樹脂(バインダー)と、イソホロン(溶剤)とを混合して、印刷用インクを調製する。このとき、炭素粒子、ポリエステル樹脂、及びイソホロンの重量比は、炭素粒子が40%、ポリエステル樹脂が40%、イソホロンが20%となるように設定した。
次に、上記の印刷インクを用いて、表面に金(Au)を蒸着したポリエーテルイミド樹脂で形成された板状のベース部材の上に、印刷インクの厚みが10μmとなるように印刷を行う。そして、110℃の環境下で、各印刷膜を30分間乾燥させると、印刷膜は、ワーキング電極として機能可能な導電性層となる。
次に、ワーキング電極として機能する印刷膜の上に、試薬層を形成する。具体的には、Cy−GDHを1250U/mL含む酵素液をワーキング電極上に滴下し、これを乾燥させ、試薬層とする。
ベース部材の上に、電極と試薬層とを形成した後、これらが被覆されるように、上述した実施例1におけるポリマー膜を作製する。これにより、CGMのためのグルコースセンサが得られる。次に、測定バイアルに0.1Mリン酸Buffer(pH7.0、+0.1M NaCl)を5ml注入し、更に、上記のセンサをセットし、スターラーで攪拌する。また、このとき、測定バイアルには、カウンター電極として機能する白金(Pt)電極と、リファレンス電極として機能する銀/塩化銀(Ag/AgCl)電極もセットする。
次に、各電極を電源装置に接続し、400mVの電圧を印加し、この状態で、電流値が10nA以下になるまで待機する。そして、測定バイアル中に、2Mグルコースを、終濃度が25mg/dL、50mg/dL、100mg/dL、300mg/dL、600mg/dLと段階を追って変化するように添加する。また、グルコース添加後は、電流値が安定するまで待機し、その後、次のグルコース濃度に向けて、グルコースを更に添加する。
実施例1において、電極間を流れる電流値の変化を確認したところ、グルコースの添加の度(終濃度の変化の度)に、電流値の変化が確認できた。この結果から、各グルコースの終濃度(25mg/dL、50mg/dL、100mg/dL、300mg/dL、600mg/dL)において、いずれもグルコース添加後の電流値において顕著な変動は無く安定していた。また、上記の各グルコース終濃度とその電流値から求めた相関式から、グルコース濃度0mg/dL〜600mg/dLの範囲において、グルコース濃度を有意に算出できた。このことから、実施例1のポリマー膜が形成されたセンサを用いれば、グルコースの濃度の測定が可能であることが分かる。
以上のグルコース透過試験及びグルコース応答試験の結果から、実施例1におけるポリマー膜によれば、試薬層に到達するグルコースの量に制限をかけつつ、グルコースと試薬層とを効率良く反応させることができる。つまり、実施例1によれば、単一の材料によって、生体用のセンサの外層膜として最適な膜を形成することができる。また膜の形成に必要な材料が単一であるので、材料の選択において個々の形成材料の特性のみ考慮すればよい。このことは、必要となる形成材料を最小限に抑えつつ、多機能を備えたポリマー膜を備えたセンサ、及びセンサを用いた測定方法を提供することができることを意味する。
続いて、実施例1におけるポリマー膜の構造について、ポリマー膜の表面と背面において顕微鏡を用いてその構造を調べた。その結果、表面と背面には、多数の孔が形成されていることが確認された。このような孔がポリマー膜の全体にわたって形成されていれば、グルコース透過試験においてグルコースの透過が認められるはずであるが、結果は、上述したように正反対となっている。このことは、実施例1におけるポリマー膜では、図2に示したように、表面側の多孔質部と背面側の多孔質部との間に、これらよりも透過性が低い中間部が形成されていることを意味している。また、実施例1におけるポリマー膜の断面構造を、顕微鏡を用いて調べた結果、表面と背面には、多数の孔が形成されていたが、その中間部では、表面と背面と比べて孔は殆ど形成されていなかった。これは、中間部は、表面や背面と比べて孔の径が小さいために顕微鏡写真に映し出されなかったことによるものである。つまり、実施例1におけるポリマー膜は、図2に示した構成と同様に、表面側の多孔質部と背面側の多孔質部との間に、これらよりもグルコースの透過性が低い中間部が形成されていることを表す。このことは、多機能を備えたポリマー膜を提供することができることを意味する。
次に、実施例2におけるポリマー膜の作製を行った。実施例2においては、ポリマー膜の作製において、基材となるガラス板の最初の放置と塗布膜の形成とが、絶対湿度が12g/m3に設定された空間内で行われている。これ以外の条件は、実施例1と同様である。また、実施例2においても、図10に示した二室回分式透過試験装置を用いてグルコース透過試験を行った。結果を表2に示す。表2は、実施例2における透過試験の結果(グルコース濃度の測定結果)を示している。
表2に示すように、実施例2で作成されたポリマー膜でも、グルコース透過試験においてグルコースの透過は認められなかった。なお、実施例2では、左側のチャンバー41(図10参照)に注入された水溶液におけるグルコースの初期濃度は606mg/dLであった。
また、実施例2のポリマー膜が形成されている以外は、実施例1と同様にして、グルコース応答試験も実施した。その結果、実施例2においても、実施例1と同様に、グルコースの添加の度(終濃度の変化の度)に、電流値の変化が確認できた。この結果から、各グルコースの終濃度(25mg/dL、50mg/dL、100mg/dL、300mg/dL、600mg/dL)において、いずれもグルコース添加後は電流値の顕著な変動は無く安定していた。また、上記の各グルコース終濃度とその電流値から求めた相関式から、グルコース濃度0mg/dL〜600mg/dLの範囲において、グルコース濃度を有意に算出可能であることが認められた。
以上のグルコース透過試験及びグルコース応答試験の結果から、実施例2におけるポリマー膜によれば、試薬層に到達するグルコースの量に制限をかけつつ、グルコースと試薬層とを効率良く反応させることができる。つまり、実施例2によれば、単一の材料によって、生体用のセンサの外層膜として最適な膜を形成することができる。また膜の形成に必要な材料が単一であるので、材料の選択において個々の形成材料の特性のみ考慮すればよい。このことは、必要となる形成材料を最小限に抑えつつ、多機能を備えたポリマー膜を備えたセンサ、及びセンサを用いた測定方法を提供することができることを意味する。
また、実施例2のポリマー膜が形成されている以外は、実施例1と同様に、実施例2におけるポリマー膜の構造を調べるため、ポリマー膜の表面、裏面、断面の顕微鏡写真を撮影した。その結果、実施例2においても、実施例1と同様に、表面と背面とには、多数の孔が形成されていた。また、その中間部では、表面や背面と比べて孔は殆ど形成されていなかった。このことは、実施例2におけるポリマー膜は、実施例1と同様に、図2に示した構成と同様に、表面側の多孔質部と背面側の多孔質部との間に、これらよりもグルコースの透過性が低い中間部が形成されていることを表す。このことは、多機能を備えたポリマー膜を提供することができることを意味する。
以上のグルコース透過試験及びグルコース応答試験の結果から、実施例2におけるポリマー膜による場合も、試薬層に到達するグルコースの量に制限をかけつつ、グルコースと試薬層とを効率良く反応させることができる。つまり、実施例2による場合も、実施例1と同様に、必要となる形成材料を最小限に抑えつつ、多機能を備えるポリマー膜、ポリマー膜を用いたセンサ、及びセンサを用いた測定方法を提供することができる。
以上のように、本発明によれば、必要となる形成材料を最小限に抑えつつ、多機能を備えるポリマー膜を提供できる。本発明は、生体中の特定成分を測定するためのセンサに対して有用である。
10 センサ 10a ポリマー膜で被覆されていないセンサ 11 ベース部材 12 電極(ワーキング電極) 13 電極(カウンター電極) 14 電極(リファレンス電極) 15 試薬層 20 ポリマー膜 21 多孔質部 22 中間部 23 多孔質部 24 孔 25 第2の中間部 30 水分 31 有機溶媒 40 二室回分式透過試験装置 41、42 チャンバー 43、44 攪拌機攪拌機 50 試験片
Claims (12)
- 単一の構成材料によって形成されたポリマー膜であって、 当該ポリマー膜の厚み方向に沿って、第1の多孔質部と、中間部と、第2の多孔質部とを順に備え、前記中間部の透過性が、前記第1の多孔質部及び前記第2の多孔質部それぞれの透過性に比べて低くなっている、ことを特徴とするポリマー膜。
- 前記中間部の平均孔径が、前記第1の多孔質部及び前記第2の多孔質部の平均孔径の3000分の1以上20分の1以下である、請求項1に記載のポリマー膜。
- 前記透過性が、前記第1の多孔質部、前記中間部、又は前記第2の多孔質部を設定時間内に透過するグルコースの量によって規定され、 前記第1の多孔質部、前記中間部、及び前記第2の多孔質部それぞれの厚み及び面積が同一に設定された条件下で、前記第1の多孔質部を透過するグルコースの量及び前記第2の多孔質部を透過するグルコースの量それぞれが、前記中間部を透過するグルコースの量の1倍より大きく5倍以下となるように、前記中間部が形成されている、請求項1または2に記載のポリマー膜。
- 前記ポリマー膜は、前記第1の多孔質部と前記中間部との間、または、前記第2の多孔質部と前記中間部との間に、更に、第2の中間部を備えることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー膜。
- 前記第2の中間部の透過性が、前記第1の多孔質部または前記第2の多孔質部ぞれぞれの透過性に比べて低く、かつ、前記中間部に比べて高い、請求項4に記載のポリマー膜。
- 前記第2の中間部の平均孔径が、前記第1の多孔質部及び前記第2の多孔質部の平均孔径の20分の1以上5分の1以下である、請求項4に記載のポリマー膜。
- 前記透過性が、前記第1の多孔質部、前記中間部、前記第2の中間部、又は前記第2の多孔質部を設定時間内に透過するグルコースの量によって規定され、 前記第1の多孔質部、前記中間部、前記第2の中間部、及び前記第2の多孔質部それぞれの厚み及び面積が同一に設定された条件下で、前記第1の多孔質部を透過するグルコースの量及び前記第2の多孔質部を透過するグルコースの量それぞれが、前記中間部または前記第2の中間部を透過するグルコースの量の1倍より大きく5倍以下となるように、前記中間部または前記第2の中間部が形成されている、請求項4〜6に記載のポリマー膜。
- 当該ポリマー膜が、セルロースアセテートによって形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載のポリマー膜。
- 生体中の特定成分を測定するためのセンサであって、 ベース部材と、前記ベース部材上に形成された電極と、前記電極上に配置され、且つ前記特定成分に反応する試薬層と、少なくとも前記試薬層を被覆するポリマー膜とを備え、 前記ポリマー膜は、単一の構成材料によって形成され、且つ、当該ポリマー膜の厚み方向に沿って、第1の多孔質部と、中間部と、第2の多孔質部とを順に備え、 前記中間部の透過性が、前記第1の多孔質部及び前記第2の多孔質部それぞれの透過性に比べて低くなっている、ことを特徴とするセンサ。
- 前記ポリマー膜は、前記第1の多孔質部と前記中間部との間、または、前記第2の多孔質部と前記中間部との間に、更に、第2の中間部を備え、前記第2の中間部の透過性が、前記第1の多孔質部または前記第2の多孔質部ぞれぞれの透過性に比べて低く、かつ、前記中間部に比べて高い、請求項9に記載のセンサ。
- 生体中の特定成分を測定するための測定方法であって、(a)ベース部材と、前記ベース部材上に形成された電極と、前記電極上に配置され、且つ前記特定成分に反応する試薬層と、少なくとも前記試薬層を被覆するポリマー膜とを備え、前記ポリマー膜は、単一の構成材料によって形成され、且つ、当該ポリマー膜の厚み方向に沿って、第1の多孔質部と、中間部と、第2の多孔質部とを順に備え、前記中間部の透過性が、前記第1の多孔質部及び前記第2の多孔質部それぞれの透過性に比べて低くなっている、センサを用い、その前記試薬層が設けられている部分を、前記生体内に留置させるステップと、(b)前記電極を介して、前記試薬層に電圧を印加するステップと、を有することを特徴とする測定方法。
- 前記ポリマー膜は、前記第1の多孔質部と前記中間部との間、または、前記第2の多孔質部と前記中間部との間に、更に、第2の中間部を備え、前記第2の中間部の透過性が、前記第1の多孔質部または前記第2の多孔質部ぞれぞれの透過性に比べて低く、かつ、前記中間部に比べて高い、請求項11に記載の測定方法。
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