JP2013153702A - 塩分含有食品の離水抑制方法 - Google Patents
塩分含有食品の離水抑制方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013153702A JP2013153702A JP2012017780A JP2012017780A JP2013153702A JP 2013153702 A JP2013153702 A JP 2013153702A JP 2012017780 A JP2012017780 A JP 2012017780A JP 2012017780 A JP2012017780 A JP 2012017780A JP 2013153702 A JP2013153702 A JP 2013153702A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- salt
- mass
- water separation
- containing food
- food
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
Abstract
【課題】
梅加工品などの、塩分含量が10質量%を超える高塩分含量の食品であっても、食品製造時や保存時に経時的に発生する離水を顕著に抑制できる方法を提供する。また、経時的に発生する離水が抑制された、塩分含量10質量%を超える高塩分含量食品を提供する。
【解決手段】
塩分含量が10質量%を超える塩分含有食品に対し、ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンを添加する。
【選択図】なし
梅加工品などの、塩分含量が10質量%を超える高塩分含量の食品であっても、食品製造時や保存時に経時的に発生する離水を顕著に抑制できる方法を提供する。また、経時的に発生する離水が抑制された、塩分含量10質量%を超える高塩分含量食品を提供する。
【解決手段】
塩分含量が10質量%を超える塩分含有食品に対し、ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンを添加する。
【選択図】なし
Description
本発明は、塩分含量が10質量%を超える食品の離水抑制方法に関する。
具体的には、梅加工品、調味用タレ等の塩分含量が高い食品であっても、経時的に発生する離水を顕著に抑制できる方法に関する。本発明はまた、経時的な離水発生が抑制された高塩分含量の食品に関する。
具体的には、梅加工品、調味用タレ等の塩分含量が高い食品であっても、経時的に発生する離水を顕著に抑制できる方法に関する。本発明はまた、経時的な離水発生が抑制された高塩分含量の食品に関する。
食品製造時や保存時に経時的に発生する離水は、内容成分の不均一化、外観の商品価値の低下等を引き起こす。食品からの離水や水分移行を抑制する技術としては、ラムダカラギーナン、キサンタンガム、グァーガム、タマリンドシードガム等を用いて食品へのしみ込みを抑制する技術(特許文献1)、グルコマンナンからなる基材に凝固剤を添加して水分移行を抑制する技術等が知られている(特許文献2)。
特許文献1及び2に開示された技術は、いずれも食品からの水分移行を抑制する技術であるが、塩分濃度が10質量%を超える高塩分含有食品の離水を抑制することは到底できず、塩分含量が高い食品に対して顕著な離水抑制効果を奏する素材が求められていた。
特許文献1及び2に開示された技術は、いずれも食品からの水分移行を抑制する技術であるが、塩分濃度が10質量%を超える高塩分含有食品の離水を抑制することは到底できず、塩分含量が高い食品に対して顕著な離水抑制効果を奏する素材が求められていた。
塩分含量が高い食品として、特許文献3には塩分濃度が2〜15重量%の焼き鳥用塩味のタレが開示されている。特許文献3では、粘度調整剤として澱粉、キサンタンガム、タマリンドガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギナン、サイリウムシードガム、アラビアガム、寒天等の各種多糖類が開示されているが、特許文献3に開示された技術では、保存時に生じる離水を抑制することは到底できなかった。
上記従来技術に鑑み、本発明では、塩分含量が10質量%を超える高塩分含量の食品であっても、食品製造時や保存時に経時的に発生する離水を顕著に抑制できる方法を提供することを目的とする。本発明はまた、経時的に発生する離水が抑制された、塩分含量10質量%を超える高塩分含量食品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記のごとき課題を解決すべく鋭意研究した結果、ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンの3種を必須成分として対象食品に添加することで、塩分含量が10質量%を超える食品であっても、顕著に離水の発生を抑制することを見出して本発明に至った。
本発明は以下の態様を有する塩分含有食品の離水抑制方法に関する;
項1.塩分含量が10質量%を超える塩分含有食品に対して、ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンを添加することを特徴とする、塩分含有食品の離水抑制方法。
項2.塩分含有食品のpHが4以下である、項1に記載の塩分含有食品の離水抑制方法。
項3.ゼラチン100質量部に対して、3〜20質量部のキサンタンガム、並びに3〜35質量部のガラクトマンナンを併用する、項1又は2に記載の塩分含有食品の離水抑制方法。
項4.塩分含有食品が梅加工品である、項1〜3のいずれかに記載の離水抑制方法。
項1.塩分含量が10質量%を超える塩分含有食品に対して、ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンを添加することを特徴とする、塩分含有食品の離水抑制方法。
項2.塩分含有食品のpHが4以下である、項1に記載の塩分含有食品の離水抑制方法。
項3.ゼラチン100質量部に対して、3〜20質量部のキサンタンガム、並びに3〜35質量部のガラクトマンナンを併用する、項1又は2に記載の塩分含有食品の離水抑制方法。
項4.塩分含有食品が梅加工品である、項1〜3のいずれかに記載の離水抑制方法。
本発明はまた、以下の態様を有する塩分含有食品に関する;
項5.ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンを含有し、塩分含量が10質量%を超える、塩分含有食品。
項6.ペースト状である、項5に記載の塩分含有食品。
項5.ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンを含有し、塩分含量が10質量%を超える、塩分含有食品。
項6.ペースト状である、項5に記載の塩分含有食品。
塩分含量が10質量%を超える高塩分含量の食品であっても、食品製造時や保存時に経時的に発生する離水を顕著に抑制することができる。本発明により、経時的に発生する離水が抑制され、商品価値の高い塩分含有食品を提供することができる。更に、本発明で得られる塩分含有食品は多糖類を用いているにも関わらず、糊状感がなく良好な食感を有する。
(I)塩分含有食品の離水抑制方法
本発明の離水抑制方法は、塩分含量が10質量%を超える塩分含有食品に対して、ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンを添加することを特徴とする。
ゼラチンは、動物の皮膚や骨、腱などの結合組織の主成分であるコラーゲンに熱を加え、抽出したものであり、タンパク質を主成分とする。主にゼリー等のゲル化剤として使用されている。本発明では、高塩分含有食品の離水抑制を目的として、かかるゼラチンを用いる。塩分含有食品に対するゼラチンの添加量は、対象食品の塩分含量等によって適宜調整することが可能であるが、具体的には0.5〜5質量%、好ましくは1〜4質量%、更に好ましくは2〜3質量%である。
本発明の離水抑制方法は、塩分含量が10質量%を超える塩分含有食品に対して、ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンを添加することを特徴とする。
ゼラチンは、動物の皮膚や骨、腱などの結合組織の主成分であるコラーゲンに熱を加え、抽出したものであり、タンパク質を主成分とする。主にゼリー等のゲル化剤として使用されている。本発明では、高塩分含有食品の離水抑制を目的として、かかるゼラチンを用いる。塩分含有食品に対するゼラチンの添加量は、対象食品の塩分含量等によって適宜調整することが可能であるが、具体的には0.5〜5質量%、好ましくは1〜4質量%、更に好ましくは2〜3質量%である。
本発明で使用するキサンタンガムは、キサントモナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)が菌体外に生産する多糖類であり、D−マンノース、D−グルコース、D−グルクロン酸で構成されている。主鎖はβ−1,4結合しているD−グルコースからなり、側鎖は主鎖のD−グルコース残基1つおきにD−マンノース2分子とD−グルクロン酸が結合している。側鎖の末端にあるD−マンノースはピルビン酸塩となっている場合がある。また、主鎖に結合したD−マンノースのC−6位はアセチル化されている場合がある。
商業上入手可能なキサンタンガム製剤として、例えば三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「サンエース[登録商標]」を例示することができる。
塩分含有食品に対するキサンタンガムの添加量は、対象食品の塩分含量等によって適宜調整することが可能であるが、具体的には0.1〜0.5質量%、好ましくは0.1〜0.4質量%、更に好ましくは0.2〜0.3質量%である。
ゼラチン及びキサンタンガムの併用割合は特に限定されないが、好ましくは、ゼラチン100質量部に対して3〜20質量部、更に好ましくは6〜10質量部のキサンタンガムを併用することができる。
商業上入手可能なキサンタンガム製剤として、例えば三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「サンエース[登録商標]」を例示することができる。
塩分含有食品に対するキサンタンガムの添加量は、対象食品の塩分含量等によって適宜調整することが可能であるが、具体的には0.1〜0.5質量%、好ましくは0.1〜0.4質量%、更に好ましくは0.2〜0.3質量%である。
ゼラチン及びキサンタンガムの併用割合は特に限定されないが、好ましくは、ゼラチン100質量部に対して3〜20質量部、更に好ましくは6〜10質量部のキサンタンガムを併用することができる。
本発明では、前記ゼラチン及びキサンタンガムに加えて、更にガラクトマンナンを併用することを特徴とする。ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンの3種類を必須成分として併用することで、塩分含量が10質量%を超える高塩分含有食品であっても、顕著に離水の発生を抑制することができる。
ガラクトマンナンは、β−D−マンノースの主鎖がβ−1,4結合、α−D−ガラクトースの側鎖がα−1,6結合した多糖類であり、具体的にはグァーガム、ローカストビーンガム、タラガム等を例示できる。グァーガムは、マンノースとガラクトースの比率が約2:1であり、以下、マンノースとガラクトースの比率がローカストビーンガムは約4:1、タラガムは約3:1である。
ガラクトマンナンは、β−D−マンノースの主鎖がβ−1,4結合、α−D−ガラクトースの側鎖がα−1,6結合した多糖類であり、具体的にはグァーガム、ローカストビーンガム、タラガム等を例示できる。グァーガムは、マンノースとガラクトースの比率が約2:1であり、以下、マンノースとガラクトースの比率がローカストビーンガムは約4:1、タラガムは約3:1である。
塩分含有食品に対するガラクトマンナンの添加量は、対象食品の塩分含量等によって適宜調整することが可能であるが、具体的には0.1〜1質量%、好ましくは0.2〜0.8質量%、更に好ましくは0.3〜0.5質量%である。また、本発明では好ましくは、ゼラチン100質量部に対して3〜35質量部、更に好ましくは10〜17質量部のガラクトマンナンを併用することにより、より高い離水抑制効果を奏する。
本発明が対象とする塩分含有食品は、塩分含量が10質量%を超えるものである。
このような塩分含有食品の具体例として、例えば梅加工品を含有したペースト状又はゲル状食品、タレ等の調味料等を例示できる。
このような塩分含有食品の具体例として、例えば梅加工品を含有したペースト状又はゲル状食品、タレ等の調味料等を例示できる。
本発明において塩分含量とは、1価及び2価のカチオンを含む塩類の総含有量をいい、塩類として具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の無機塩や、アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルタミン酸ナトリウム等の有機酸塩等が挙げられる。
かかる塩分含量が10質量%を超えると、塩分の染み出し等の理由から、塩分含量が低い食品に比べて経時的に発生する離水が一段と増加するが、本発明では、塩分含量が10質量%を超える食品、更には15質量%以上の塩分含量を有する食品であっても、顕著に離水発生を抑制することができる。特には、本発明は食塩(塩化ナトリウム)含量が10質量%、更には15質量%を超える食品に対しても顕著な離水抑制効果を発揮するという利点も有する。
かかる塩分含量が10質量%を超えると、塩分の染み出し等の理由から、塩分含量が低い食品に比べて経時的に発生する離水が一段と増加するが、本発明では、塩分含量が10質量%を超える食品、更には15質量%以上の塩分含量を有する食品であっても、顕著に離水発生を抑制することができる。特には、本発明は食塩(塩化ナトリウム)含量が10質量%、更には15質量%を超える食品に対しても顕著な離水抑制効果を発揮するという利点も有する。
本発明の離水抑制方法の対象となる食品の形状は特に制限されない。好ましくはペースト状(半流動状)又はゲル状である。本発明においてゲル状とは、静置した際に自重で形状が崩れない食品を指す。
中でもペースト状の食品は、離水が多量に発生しやすい傾向があるが、本発明では塩分含量が10質量%を超えるペースト状食品であっても、顕著に離水の発生を抑制することができる。
中でもペースト状の食品は、離水が多量に発生しやすい傾向があるが、本発明では塩分含量が10質量%を超えるペースト状食品であっても、顕著に離水の発生を抑制することができる。
本発明にかかる離水抑制方法は、ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンを塩分含有食品に添加することで達成される。最終的にゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンが塩分含有食品に添加されていれば、その添加時期や添加方法は特に制限されない。
本発明にかかる離水抑制方法は、更に、塩分含有食品のpHが4以下であっても、高い離水抑制効果を奏する。対象食品のpHが低下すると、塩分含有食品から発生する離水量は格段に増大する。しかし、本発明では塩分含有食品のpHが4以下、更にはpHが3以下であっても、塩分含量10質量%を超える食品からの離水発生を顕著に抑制することができ、極めて高い離水抑制効果を奏する。
(II)塩分含有食品
本発明はまた、ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンを含有する、塩分含量10質量%を超える塩分含有食品に関する発明であり、得られる塩分含有食品は、顕著に離水が抑制されていることを特徴とする。
本発明はまた、ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンを含有する、塩分含量10質量%を超える塩分含有食品に関する発明であり、得られる塩分含有食品は、顕著に離水が抑制されていることを特徴とする。
本発明の塩分含有食品は、上述の方法に従って調製することができる。ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンの添加時期は特に制限されず、常法に従って塩分含有食品を製造可能である。好ましくは本発明の塩分含有食品は、水にゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンを添加し、加熱溶解した溶液を調製後、塩分などを添加して製造することが望ましい。
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」、文中「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。
実験例1 塩分含有食品の離水抑制
表1及び表2に示す処方に従って、塩分含有食品からの離水抑制効果を試験した。
(塩分含有食品の調製)
鍋に水を添加し、撹拌しながら表2に示す多糖類を添加し、煮沸撹拌溶解した。次いで梅肉を加え撹拌しながら加熱し、加えた水がなくなるまで煮詰め、容器に充填した。室温まで放冷後、冷蔵庫にて一晩冷却することで、ペースト状塩分含有食品(梅ペースト;塩分含量21質量%、pH2.5)を調製した。
表1及び表2に示す処方に従って、塩分含有食品からの離水抑制効果を試験した。
(塩分含有食品の調製)
鍋に水を添加し、撹拌しながら表2に示す多糖類を添加し、煮沸撹拌溶解した。次いで梅肉を加え撹拌しながら加熱し、加えた水がなくなるまで煮詰め、容器に充填した。室温まで放冷後、冷蔵庫にて一晩冷却することで、ペースト状塩分含有食品(梅ペースト;塩分含量21質量%、pH2.5)を調製した。
(離水抑制試験)
調製したペースト状塩分含有食品について、離水抑制試験を行った。具体的には、直径110mmのろ紙に直径57mmの円を描き、ペースト状塩分含有食品10gを円内に均一に伸ばした。
室温で1時間経過後、直径57mmの円より外側に発生した離水量を測定し、式1から離水率を計算した。結果を表2に示す。
(離水量の測定)
離水測定Polar Planimeterにてろ紙上の離水面積を測定した。
離水量=(室温で1時間経過後の離水面積)−(当初載せたペースト状塩分含有食品の面積)
(離水率の測定)
上記で求めた離水量を基に、下記式1より離水率を求めた。
調製したペースト状塩分含有食品について、離水抑制試験を行った。具体的には、直径110mmのろ紙に直径57mmの円を描き、ペースト状塩分含有食品10gを円内に均一に伸ばした。
室温で1時間経過後、直径57mmの円より外側に発生した離水量を測定し、式1から離水率を計算した。結果を表2に示す。
(離水量の測定)
離水測定Polar Planimeterにてろ紙上の離水面積を測定した。
離水量=(室温で1時間経過後の離水面積)−(当初載せたペースト状塩分含有食品の面積)
(離水率の測定)
上記で求めた離水量を基に、下記式1より離水率を求めた。
注1)内訳:ラムダカラギナン0.58質量%、キサンタンガム0.1質量%、グァーガム0.06質量%、タマリンド種子多糖類0.06質量%、合計0.8質量%
注2)グルコマンナン0.5質量%に加えて、水酸化カルシウム0.025質量%を用いた。
注2)グルコマンナン0.5質量%に加えて、水酸化カルシウム0.025質量%を用いた。
ゼラチン、キサンタンガムに加えてガラクトマンナンを併用した実施例1〜4のペースト状塩分含有食品は、塩分含量が21質量%と極めて高く、かつpHも3以下であるにも関わらず、顕著に離水が抑制され、かつ糊状感もなく滑らかな食感を有していた。
実施例1のペースト状塩分含有食品について、調製から1日経過後の様子を図1に示した。調製後から1日が経過しているにも関わらず、依然としてペースト状塩分含有食品からの離水が顕著に抑制されていた。
実施例1のペースト状塩分含有食品について、調製から1日経過後の様子を図1に示した。調製後から1日が経過しているにも関わらず、依然としてペースト状塩分含有食品からの離水が顕著に抑制されていた。
比較例1は、ゼラチン及びキサンタンガムを併用し、ガラクトマンナンを不使用とした例である。表2から明らかなように、ゼラチン及びキサンタンガムを併用しても高塩分含量のペースト状塩分含有食品の離水を抑制することはできなかった(比較例1、図2)。
比較例2は、特許文献2で開示された技術を用いた例である。具体的には、ラムダカラギナン、キサンタンガム、グァーガム及びタマリンドシードガムの4種を併用してペースト状塩分含有食品を調製したが、キサンタンガム及びグァーガムを含有するにも関わらず、離水率は約60%と十分に離水を抑制することができなかった(図3)。また、得られたペースト状塩分含有食品の食感は糊っぽく、滑らかな食感から遠いものとなってしまった。
比較例3は、特許文献3で開示された技術を用いた例である。具体的には、グルコマンナン及び水酸化カルシウムを併用してペースト状塩分含有食品を調製したが、比較例2と同様にして十分に離水を抑制することができなかった(図4)。加えて、得られたペースト状塩分含有食品の表面は小さいゲル状物の集合によって凸凹した表面となってしまった。
実施例5 塩分含有食品の調製
塩分含有食品を調製した。具体的には、水25部を鍋に入れ攪拌しながらゼラチン3部、キサンタンガム0.2部、タラガム0.5部を加え加熱し攪拌溶解した。次いで、市販の梅ペースト96.2部、アスコルビン酸ナトリウム0.1部を加え、攪拌しながら100部まで煮詰めた。煮詰め終了後、ポリエチレンチューブに詰め冷却し、塩分含有食品(梅ペースト;塩分含量21質量%、pH2.6)を調製した。得られた塩分含有食品を室温で3ヶ月保存を行ったところ、離水もなく、食感も良好であった。
塩分含有食品を調製した。具体的には、水25部を鍋に入れ攪拌しながらゼラチン3部、キサンタンガム0.2部、タラガム0.5部を加え加熱し攪拌溶解した。次いで、市販の梅ペースト96.2部、アスコルビン酸ナトリウム0.1部を加え、攪拌しながら100部まで煮詰めた。煮詰め終了後、ポリエチレンチューブに詰め冷却し、塩分含有食品(梅ペースト;塩分含量21質量%、pH2.6)を調製した。得られた塩分含有食品を室温で3ヶ月保存を行ったところ、離水もなく、食感も良好であった。
Claims (6)
- 塩分含量が10質量%を超える塩分含有食品に対して、ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンを添加することを特徴とする、塩分含有食品の離水抑制方法。
- 塩分含有食品のpHが4以下である、請求項1に記載の塩分含有食品の離水抑制方法。
- ゼラチン100質量部に対して、3〜20質量部のキサンタンガム、並びに3〜35質量部のガラクトマンナンを併用する、請求項1又は2に記載の塩分含有食品の離水抑制方法。
- 塩分含有食品が梅加工品である、請求項1〜3のいずれかに記載の離水抑制方法。
- ゼラチン、キサンタンガム及びガラクトマンナンを含有し、塩分含量が10質量%を超える、塩分含有食品。
- ペースト状である、請求項5に記載の塩分含有食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012017780A JP2013153702A (ja) | 2012-01-31 | 2012-01-31 | 塩分含有食品の離水抑制方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012017780A JP2013153702A (ja) | 2012-01-31 | 2012-01-31 | 塩分含有食品の離水抑制方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013153702A true JP2013153702A (ja) | 2013-08-15 |
Family
ID=49049576
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012017780A Pending JP2013153702A (ja) | 2012-01-31 | 2012-01-31 | 塩分含有食品の離水抑制方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013153702A (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5828226A (ja) * | 1981-08-11 | 1983-02-19 | Kibun Kk | いか塩辛の製造方法 |
JPS62269650A (ja) * | 1986-05-15 | 1987-11-24 | House Food Ind Co Ltd | 塩分含有粘稠食品の製造法 |
JP2000060448A (ja) * | 1998-08-24 | 2000-02-29 | Nisshin Oil Mills Ltd:The | ガラクトマンナン類含有食品 |
JP2001258517A (ja) * | 2000-03-22 | 2001-09-25 | Myojo Foods Co Ltd | ゲル状粒子含有液体スープ組成物及びその製造方法 |
WO2007068402A1 (en) * | 2005-12-12 | 2007-06-21 | Unilever N.V. | Concentrate for preparing a bouillon, soup, sauce, gravy or for use as a seasoning, the concentrate comprising particulates and gelatin and starch |
JP2011024484A (ja) * | 2009-07-24 | 2011-02-10 | Sanei Gen Ffi Inc | 納豆巻き用ゲル状調味料 |
-
2012
- 2012-01-31 JP JP2012017780A patent/JP2013153702A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5828226A (ja) * | 1981-08-11 | 1983-02-19 | Kibun Kk | いか塩辛の製造方法 |
JPS62269650A (ja) * | 1986-05-15 | 1987-11-24 | House Food Ind Co Ltd | 塩分含有粘稠食品の製造法 |
JP2000060448A (ja) * | 1998-08-24 | 2000-02-29 | Nisshin Oil Mills Ltd:The | ガラクトマンナン類含有食品 |
JP2001258517A (ja) * | 2000-03-22 | 2001-09-25 | Myojo Foods Co Ltd | ゲル状粒子含有液体スープ組成物及びその製造方法 |
WO2007068402A1 (en) * | 2005-12-12 | 2007-06-21 | Unilever N.V. | Concentrate for preparing a bouillon, soup, sauce, gravy or for use as a seasoning, the concentrate comprising particulates and gelatin and starch |
JP2011024484A (ja) * | 2009-07-24 | 2011-02-10 | Sanei Gen Ffi Inc | 納豆巻き用ゲル状調味料 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Amini Sarteshnizi et al. | A review on application of hydrocolloids in meat and poultry products. | |
Tahergorabi et al. | Physicochemical changes in surimi with salt substitute | |
JP5856180B2 (ja) | ゲル組成物 | |
US12089617B2 (en) | Imitation skinless sausages | |
BR112018003034B1 (pt) | Composição, seu uso e seu processo de preparação, e produto alimentício | |
JP6713728B2 (ja) | 液状増粘剤 | |
JP2007209283A (ja) | ゼリーが分散混入された食肉加工品 | |
JP5912432B2 (ja) | 魚肉練製品およびその魚肉練製品の製造方法 | |
JP6503168B2 (ja) | 大麦粒を含むレトルト食品 | |
JP2013153702A (ja) | 塩分含有食品の離水抑制方法 | |
JP6602534B2 (ja) | 液状とろみ剤 | |
JP6182753B2 (ja) | ディップソース及びディップソースの素 | |
JP2014093978A (ja) | 加温して喫食可能なゲル状食品 | |
CN1465276A (zh) | 面条的制作方法 | |
JP2016094586A (ja) | 改質カードラン増粘多糖類 | |
JP5839924B2 (ja) | 酸性ゲル状食品 | |
JP2019076001A (ja) | 調理済み米飯加工食品用組成物 | |
JP3794675B2 (ja) | 冷凍・解凍しても粘度低下せず、食品素材からの肉汁の流出を防止する液体調味料組成物 | |
JP2006109786A (ja) | フリーズドライ食品の製造法 | |
JP2001275620A (ja) | 調味液をゼリー化した魚介類のレトルト食品 | |
AU2015327905B2 (en) | Fine emulsion sausages and method of making | |
JP6449614B2 (ja) | 液体食品及びその製造方法 | |
JP6067669B2 (ja) | 冷凍惣菜用調味液 | |
JP2019054763A (ja) | 食品被覆用組成物 | |
JP2007089410A (ja) | 玉子焼用品質改良剤及びその応用 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150120 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20151027 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151110 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20160329 |