JP2013153115A - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】体格増大や製造コスト増加を齎すことなく、優れた放熱性を有する金属化フィルムコンデンサを提供する。
【解決手段】金属化フィルム1dを巻き回し、もしくは積層させてなる金属化フィルム柱体の2つの電極取り出し面に金属溶射部2,2が形成され、金属溶射部2,2に外部引き出し端子3,3の一部が接続されてなる金属化フィルムコンデンサ10であって、金属化フィルム1d内に板状の放熱性を有する絶縁フィラー1eが含有されている。
【選択図】図2
【解決手段】金属化フィルム1dを巻き回し、もしくは積層させてなる金属化フィルム柱体の2つの電極取り出し面に金属溶射部2,2が形成され、金属溶射部2,2に外部引き出し端子3,3の一部が接続されてなる金属化フィルムコンデンサ10であって、金属化フィルム1d内に板状の放熱性を有する絶縁フィラー1eが含有されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、巻回し型もしくは積層型の金属化フィルムコンデンサに関するものである。
従来の金属化フィルムを巻き回してなる巻回し型、もしくは金属化フィルムを積層してなる積層型の金属化フィルムコンデンサは、図4で示すような構造を有している。すなわち、図示する金属化フィルムコンデンサCは、金属化フィルムcが巻装されてなる金属化フィルム柱体Kと、その両端の2つの電極取り出し面に形成された金属溶射部e,e(メタリコン電極)と、この金属溶射部eにはんだ層gにて接続された外部引き出し端子f(バスバー)とから大略構成されている。ここで、金属化フィルムcは、金属蒸着膜bが誘電体フィルムaの一側面に形成されて構成され、この金属化フィルムcを2枚積層して一組とし(2枚一対の金属化フィルムd)、この2枚一対の金属化フィルムdを巻き回すことで金属化フィルム柱体Kが形成される。
一組の金属化フィルムcの一方の誘電体フィルムaの一側面に形成された金属蒸着膜bは、その長手方向に沿う一方端が一方の金属溶射部eに密着しており、その長手方向に沿う他方端には、他方の金属溶射部eから絶縁されるべく、数mm程度の隙間領域(絶縁マージンmg)が設けられている。また、金属蒸着膜bのうちで金属溶射部eに密着している端部は、電極接触を保証するために他の部位よりも厚めのいわゆるヘビーエッジとなっており、たとえば、金属蒸着膜の一般部の厚みが数十nm程度である場合に、ヘビーエッジの厚みはその倍程度に調整されている。
なお、金属化フィルムコンデンサCがさらに不図示のケース内に収容され、ケース内に形成された不図示のモールド樹脂体にて封止された構造のものも一般的であり、このような構造の金属化フィルムコンデンサがたとえば特許文献1で開示されている。
ところで、上記する従来の金属化フィルムコンデンサにおいては、連続電圧印加時に金属化フィルム柱体(素子)内に熱が篭り、熱暴走、すなわち、絶縁最弱部からの漏れ電流によって素子内の温度が上昇し、この温度上昇によって絶縁性が低下し、この絶縁性低下によって漏れ電流が増加し、さらに温度が上昇して絶縁破壊に至り得るといった危険性を有している。
この絶縁破壊の危険性を解消するべく、特許文献2には、巻装された金属化フィルムに冷媒を流して金属化フィルムの内部から冷却する構造が開示されており、特許文献3には、金属化フィルムコンデンサを構成するケース外周にフィンを設けて放熱する構造が開示されている。さらに、特許文献4には、金属化フィルムコンデンサを構成するケースにフィンを設ける代わりに放熱性を高める金属板を設置した構造が開示されている。
このように、放熱性向上を図るための種々の構造の金属化フィルムコンデンサの開示があるが、特許文献2で開示の金属化フィルムコンデンサでは巻装された金属化フィルムの内部に冷媒流路を設けることからコンデンサの体格が増大し、さらにはこの冷媒流路を設けるといった複雑な構造ゆえに製造コストが増加するといった問題がある。また、特許文献3,4で開示の金属化フィルムコンデンサでは、ケース外周にフィンや金属板を設ける構造ゆえに金属化フィルム内部に篭った熱の放熱効果が十分に期待し難いといった問題がある。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、体格増大や製造コスト増加を齎すことなく、優れた放熱性を有する金属化フィルムコンデンサを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による金属化フィルムコンデンサは、金属化フィルムを巻き回し、もしくは積層させてなる金属化フィルム柱体の2つの電極取り出し面に金属溶射部が形成され、該金属溶射部に外部引き出し端子の一部が接続されてなる金属化フィルムコンデンサであって、前記金属化フィルム内に板状の放熱性を有する絶縁フィラーが含有されているものである。
金属化フィルム柱体は、ポリプロピレン(PP)やポリフェニレンサルファイド(PPS)などからなる誘電体フィルムの表面にアルミニウムや亜鉛などからなる金属蒸着膜が形成されてなる金属化フィルムを2枚積層して一組とし、双方の金属化フィルムが異なる端部に絶縁マージンを有することでそれぞれが固有の金属溶射部(メタリコン電極)に接触するようになっている。
本発明の金属化フィルムコンデンサは、この金属化フィルムを構成する誘電体フィルム内に板状の放熱性を有する絶縁フィラーが含有されており、比較的面積の広い板状に形成された放熱性を有する絶縁フィラーがフィルム内に分散していることで、この板状の絶縁フィラーが金属化フィルムの内部から金属溶射部に通じる複数の放熱経路を形成し(この複数の放熱経路の中でも最短経路が放熱性に大きく寄与)、このことによって放熱性が格段に向上したものとなる。
ここで、放熱性を有する絶縁フィラーとしては、シリカやアルミナ、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化マグネシウム、タルク、クレーのいずれか一種、もしくはこれらの内の二種以上が混合されたものを使用することができる。また、「板状」とは、通常使用される細くて長さの比較的短いフィラーに対し、平面的にある程度の広さを有した任意の平面形状の形態を意味しており、平面視が多角形(正方形、長方形、五角形等)もの、円形や楕円形のものなどを挙げることができる。
このように、板状で放熱性のある絶縁フィラーがフィルム内に分散していることで、放熱性が向上することに加えて、板状の絶縁フィラーによってフィルム内部にフィルムの厚み方向となる内部電極間の絶縁経路が長くなり、金属化フィルムの耐電圧性も向上することとなり、このことによって、既述する熱暴走の起点の形成が解消される。
巻回し型もしくは積層型の金属化フィルム柱体の両端の電極取り出し面に、亜鉛などからなる金属溶射部が形成され、この金属溶射部に外部引き出し端子の一部がはんだ付けされる。この外部引き出し端子は、棒状や板状のバスバーなどからなり、その素材としては銅やアルミニウム、ニッケル、ステンレスなどが適用される。
本発明の金属化フィルムコンデンサは、その構成要素である金属化フィルムの内部に板状で放熱性のある絶縁フィラーを分散させただけの極めて簡易な構造を有するものであり、金属化フィルムを冷却するという技術思想に代えて、金属化フィルム自体の放熱性を高めるという新規な技術思想によるものである。そして、金属化フィルム内にフィラーを含有させる構成ゆえに金属化フィルムコンデンサの体格が増大することもないし、既述する絶縁フィラーはいずれもその素材が汎用素材であることから、製造コストを大きく増加させるものではない。なお、放熱性を有する絶縁フィラーを使用して放熱性を向上させるといった技術思想は新規なものではないが、板状で放熱性を有する絶縁フィラーを金属化フィルム内に含有させる技術思想は新規なものである。
以上の説明から理解できるように、本発明の金属化フィルムコンデンサによれば、金属化フィルム内に比較的面積の広い板状の放熱性を有する絶縁フィラーが含有されていることにより、この板状で放熱性を有する絶縁フィラーが金属化フィルムの内部から金属溶射部に通じる複数の放熱経路を形成してその放熱性を格段に向上させることができ、さらには、板状の絶縁フィラーによってフィルム内部にフィルムの厚み方向となる内部電極間の絶縁経路を長くし、もって耐電圧性も向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の金属化フィルムコンデンサの実施の形態を説明する。なお、図示例はケースやその内部にポッティングされる封止樹脂体などが存在しない形態であるが、ケース等を具備する形態であってもよいことは勿論のことである。また、金属溶射部と外部引き出し端子の接続構造は、図示例のはんだ付け構造以外にも、金属溶射部内に外部引き出し端子の一部が埋設された構造であってもよい。
(金属化フィルムコンデンサ)
図1は本発明の金属化フィルムコンデンサの一実施の形態を示した斜視図であり、図2は図1のII−II矢視図であって金属化フィルムコンデンサの縦断面図であり、図3は図2のIII部の誘電体フィルムを拡大して斜めから見た図である。図示する金属化フィルムコンデンサ10は、金属化フィルム1cが巻装されてなる金属化フィルム柱体1と、その両端の2つの電極取り出し面に形成された金属溶射部2,2(メタリコン電極)と、この金属溶射部2,2のそれぞれにはんだ層4にて接続された外部引き出し端子3(バスバー)とから大略構成されている。
図1は本発明の金属化フィルムコンデンサの一実施の形態を示した斜視図であり、図2は図1のII−II矢視図であって金属化フィルムコンデンサの縦断面図であり、図3は図2のIII部の誘電体フィルムを拡大して斜めから見た図である。図示する金属化フィルムコンデンサ10は、金属化フィルム1cが巻装されてなる金属化フィルム柱体1と、その両端の2つの電極取り出し面に形成された金属溶射部2,2(メタリコン電極)と、この金属溶射部2,2のそれぞれにはんだ層4にて接続された外部引き出し端子3(バスバー)とから大略構成されている。
金属蒸着膜1bが誘電体フィルム1aの一側面に形成されて金属化フィルム1cが構成され、この金属化フィルム1cを2枚積層して一組とし(2枚一対の金属化フィルム1d)、この2枚一対の金属化フィルム1dを巻き回すことで金属化フィルム柱体1が製造される。
ここで、一組の金属化フィルム1cの一方の誘電体フィルム1aの一側面に形成された金属蒸着膜1bは、その長手方向に沿う一方端が一方の金属溶射部2に密着しており、その長手方向に沿う他方端には、他方の金属溶射部2から絶縁されるべく、たとえば2mm程度の隙間領域(絶縁マージンmg)が設けられている。また、金属蒸着膜1bのうちで上記金属溶射部2に密着している端部は、電極接触を保証するために他の部位よりも厚めのいわゆるヘビーエッジとなっており、たとえば、金属蒸着膜の一般部が30nm程度である場合に、ヘビーエッジはその倍の60nm程度に調整される。
ここで、誘電体フィルム1aは、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などから形成でき、金属蒸着膜1bは、アルミニウムや亜鉛、銅などを誘電体フィルム表面に蒸着することで形成される。さらに、金属溶射部2は、金属化フィルム柱体1の端面に導電性樹脂層4が被膜された外部引き出し端子3を配設し、これに側方からアルミニウムや亜鉛などを溶射することで形成される。
この誘電体フィルム1aの内部には、多数の板状で放熱性を有する絶縁フィラー1eが分散されている。
この板状で放熱性を有する絶縁フィラー1eは、シリカやアルミナ、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化マグネシウム、タルク、クレーのいずれか一種、もしくはこれらの内の二種以上が混合したものをその素材としている。また、図示する絶縁フィラー1eは図3で示すように平面視六角形の板状のフィラーであるが、これ以外の平面視形状、たとえば、正方形や長方形、五角形等の多角形のものや、円形や楕円形のものなどであってもよい。なお、絶縁フィラー1eの素材や添加量、平面寸法や厚み等は、コンデンサの搭載要件やその使用環境に応じて適宜設定される。
比較的面積の広い板状で放熱性を有する絶縁フィラー1eが誘電体フィルム1a内に分散していることで、この板状で放熱性を有する絶縁フィラー1eが金属化フィルム1cの内部から金属溶射部2に通じる複数の放熱経路を形成し(図2中の経路Z1、図3中の経路Z)、このことによって金属化フィルムコンデンサ10の放熱性は格段に向上する。
そして、この放熱性向上は、誘電体フィルム1a内に板状の絶縁フィラー1eが分散した構成に起因することから、金属化フィルムコンデンサ10が冷媒流路を具備する場合のように複雑な構造でなく、したがって体格が増大することもないし、その製造コストが高価になることもない。
さらに、板状で放熱性のある絶縁フィラー1eが誘電体フィルム1a内に分散していることにより、誘電体フィルム1a内部においてその厚み方向となる内部電極間の絶縁経路が長くなり(図2中の湾曲した経路Z2)、金属化フィルムコンデンサ10の耐電圧性(絶縁破壊強さ)も向上することになる。
[放熱性と絶縁破壊強さに関する実験とその結果]
本発明者等は、板状でタルク素材の絶縁フィラーを厚さ1mmの誘電体板材の内部に分散させてなる試験体(実施例)と、この絶縁フィラーが存在しない試験体(比較例)をそれぞれ試作し、双方の熱伝導率と絶縁破壊強さを特定する実験をおこなった。実験結果を以下の表1に示す。
本発明者等は、板状でタルク素材の絶縁フィラーを厚さ1mmの誘電体板材の内部に分散させてなる試験体(実施例)と、この絶縁フィラーが存在しない試験体(比較例)をそれぞれ試作し、双方の熱伝導率と絶縁破壊強さを特定する実験をおこなった。実験結果を以下の表1に示す。
実験の結果、比較例に比して実施例の熱伝導率は4倍となり、絶縁破壊強さも5%程度上昇することが実証されている。
ここで、熱伝導率と放熱性(熱拡散率)の関係式として、以下の一般式がある。
熱拡散率=熱伝導率/(比熱×密度) ・・・・・・・・・・・(1)
熱拡散率=熱伝導率/(比熱×密度) ・・・・・・・・・・・(1)
また、熱拡散率と熱の伝導時間の関係式として、以下の一般式がある。
熱の伝達時間=(0.1388×伝熱距離2)/熱拡散率・・・・・・(2)
熱の伝達時間=(0.1388×伝熱距離2)/熱拡散率・・・・・・(2)
本実験結果より、比較例に対して実施例の熱伝導率が4倍となっていることから、熱の伝達時間は1/4となり、素子中央部の温度が従来構造に比して4倍速く冷えることになる。したがって、絶縁最弱部からの漏れ電流によって素子内の温度が上昇し、この温度上昇によって絶縁性が低下し、この絶縁性低下によって漏れ電流が増加し、さらに温度が上昇して絶縁破壊に至るといった、いわゆる熱暴走の危険性を効果的に解消することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…金属化フィルム柱体、1a…誘電体フィルム、1b…金属蒸着層、1c…一対の金属化フィルム、1d…2枚一対の金属化フィルム、1e…板状で放熱性を有する絶縁フィラー、2…金属溶射部(メタリコン電極)、3…外部引き出し端子(バスバー)、4…はんだ層、10…金属化フィルムコンデンサ、mg…絶縁マージン
Claims (2)
- 金属化フィルムを巻き回し、もしくは積層させてなる金属化フィルム柱体の2つの電極取り出し面に金属溶射部が形成され、該金属溶射部に外部引き出し端子の一部が接続されてなる金属化フィルムコンデンサであって、
前記金属化フィルム内に板状の放熱性を有する絶縁フィラーが含有されている金属化フィルムコンデンサ。 - 前記金属化フィルム柱体がケース内に収容され、ケース内のモールド樹脂体に埋設されている請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサ。
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