JP2013147572A - 加水燃料製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】界面活性剤の使用を抑制又は回避しつつより実用的な加水燃料の製造装置を提供する。
【解決手段】加水燃料製造装置2は、水ミストを生成する水ミスト生成手段10と、燃料油ミストを生成する燃料油ミスト生成手段40と、水ミストに負の電圧を印加する負電圧印加手段82と、前記燃料油ミストに正の電圧を印加する正電圧印加手段92と、を備え、電圧印加された前記水ミストと前記燃料油ミストとが供給され接触混合させるためのキャビティ104を有する混合手段100と、を備えるようにする。
【選択図】図1
【解決手段】加水燃料製造装置2は、水ミストを生成する水ミスト生成手段10と、燃料油ミストを生成する燃料油ミスト生成手段40と、水ミストに負の電圧を印加する負電圧印加手段82と、前記燃料油ミストに正の電圧を印加する正電圧印加手段92と、を備え、電圧印加された前記水ミストと前記燃料油ミストとが供給され接触混合させるためのキャビティ104を有する混合手段100と、を備えるようにする。
【選択図】図1
Description
本明細書の開示は加水燃料の製造方法、製造装置及び加水燃料等に関する。
近年、先進国のみならず低開発国においてもエネルギー消費拡大に伴う化石燃料の使用増大とCO2排出が急増している。そこで、より石油資源の使用量を削減できる技術や、より効率的に石油資源を活用できる技術が求められている。
ここに、燃料油(重油・灯油・軽油・廃油等)に水と界面活性剤とを混合してオイル中に水を分散させた燃料である重油等の石油資源と水とを界面活性剤等を用いて乳化混合してエマルジョンとして用いるエマルジョン燃料が知られている。エマルジョン燃料は、燃焼・爆発に伴う温度を低下させる効果によりNOxの低減と、水の微爆発による燃料分散により空気との接触面積が増大して燃焼効率が向上し、粒子状物質(PM)の低減という効果がある。
一方、エマルジョン燃料にはエマルジョン状態を長期に渡って維持することが困難な場合があり、油水分離や二層化などが生じることがあった。また、燃料の種類や水との配合比率に応じて安定なエマルジョン状態を得るためには、界面活性剤の選択や使用量や配合比率等の検討が非常に煩雑であった。
こうしたことから、水と燃料との混合に際して、水、燃料及び添加剤を噴霧衝突させて粒子を微粒子化してこれらをエマルジョン化することが提案されている(特許文献1)。また、燃料中に、高電圧を印加して帯電させた水の液滴を微細分散させることでエマルジョン燃料をその場生成させてそのまま内燃機関に供給することが開示されている(特許文献2)。
しかしながら、これらの技術によっても依然として、界面活性剤の使用を抑制又は回避することは困難であり、また、安定した品質のエマルジョン燃料を製造することは困難であった。
さらに、エマルジョン燃料に関しては、水を含有することに起因して、着火性能の低下、金属腐食の問題、低温の状態におけるエマルジョン性能の超早期低下という問題があった。さらにまた、界面活性剤を含有することに起因して、燃焼効率の低下や粘性が高くなるために燃料供給路におけるフィルターの目詰まりを起こしてシステム機能停止可能性の問題があった。
さらに、エマルジョン燃料に関しては、水を含有することに起因して、着火性能の低下、金属腐食の問題、低温の状態におけるエマルジョン性能の超早期低下という問題があった。さらにまた、界面活性剤を含有することに起因して、燃焼効率の低下や粘性が高くなるために燃料供給路におけるフィルターの目詰まりを起こしてシステム機能停止可能性の問題があった。
そこで、本明細書の開示は、界面活性剤の使用を抑制又は回避しつつより実用的な加水燃料の製造方法及び製造装置を提供することを一つの目的とする。
本発明者らは、燃料油に対して加水して得られる加水燃料の製造方法について種々検討し、燃料油と水とをそれぞれミスト化するとともに、燃料油のミストには正の高電圧を、水のミストには負の高電圧を帯電させ、両者を接触させることにより、界面活性剤の使用を回避又は抑制して実用的な加水燃料を生成できるという知見を得た。本明細書の開示によれば、以下の手段が提供される。
本明細書の開示によれば、負に荷電された水ミストと正に荷電された燃料油ミストとを、接触させて混合する工程、を備える、加水燃料の製造方法。
本明細書の開示によれば、水ミストを生成する水ミスト生成手段と、燃料油ミストを生成する燃料油ミスト生成手段と、前記水ミストに負の電圧を印加する負電圧印加手段と、
前記燃料油ミストに正の電圧を印加する正電圧印加手段と、を備え、電圧印加された前記水ミストと前記燃料油ミストとが供給され接触させるためのキャビティを有する混合手段と、を備える、加水燃料製造装置が提供される。
前記燃料油ミストに正の電圧を印加する正電圧印加手段と、を備え、電圧印加された前記水ミストと前記燃料油ミストとが供給され接触させるためのキャビティを有する混合手段と、を備える、加水燃料製造装置が提供される。
本明細書の開示によれば、上記加水燃料の製造方法により得られ、均一な液体である、加水燃料が提供される。
本明細書に開示される加水燃料の製造方法によれば、燃料油は、正荷電燃料油ミストとし、水は、負荷電水ミストとして、接触して混合されて、界面活性剤の使用を回避又は抑制しても、良好な混合状態が形成される。本明細書の開示を拘束するものではないが、燃料及び水を、それぞれミスト化及び異なる電荷に帯電させ、さらにこうした両ミストを接触させることで、電荷が中和されるとともに、電気化学的に安定でかつ、水を含みながらも均一な液体としての加水燃料が生成されるものと推論される。こうした均一系の形成には、なんらかの化学反応を伴っているとも推論される。
こうして得られる加水燃料は、燃料油と水とが、均一な液体を形成しており、しかもその均一状態を安定して維持できる。また、良好な燃焼効率を確保することができる。さらに、着火性能を維持できるほか、界面活性剤を含有することに起因する燃焼効率の低下を回避又は抑制できる。さらに、界面活性剤に起因する粘性の増大も回避又は抑制できるため、フィルターの目詰まりが回避又は抑制できる。
また、本明細書に開示される加水燃料の製造装置によれば、燃料油を正荷電燃料油ミストとし、水を負荷電水ミストとして、接触させることができる。このため、上記のとおり、界面活性剤の使用を回避又は抑制しても、良好な加水燃料を製造できる。
また、本明細書に開示される加水燃料によれば、安定した均一な液体状態を維持できかつ良好な燃焼効率を備えることができる。
本明細書の開示において、燃料油とは、化石資源に由来する液体燃料を意味している。具体的には、重油、灯油、軽油、廃油等が挙げられる。
本明細書の開示において、加水燃料に用いられる水とは、水を主体とするものであって、一般的にエマルジョン燃料など燃料油に混合される液体が包含される。典型的には、水である。
以下、本明細書の開示を各種の実施形態として図を適宜参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
(加水燃料製造装置)
図1に、加水燃料製造装置2の概要を示す。加水燃料製造装置2は、負に帯電した水ミストを生成する水ミスト生成手段10と、正に帯電した燃料油ミストを生成する燃料油ミスト生成手段40と、燃料油ミスト及び水ミストにそれぞれ正の電圧及び負の電圧を印加する電圧印加手段80と、電圧印加された前記燃料油ミストと前記水ミストとが供給されて衝突混合させるキャビティ104を有する混合手段100とを少なくとも備えている。さらに、加水燃料装置100は、加水燃料を含む混合物の貯留手段160を備えることができる。
(加水燃料製造装置)
図1に、加水燃料製造装置2の概要を示す。加水燃料製造装置2は、負に帯電した水ミストを生成する水ミスト生成手段10と、正に帯電した燃料油ミストを生成する燃料油ミスト生成手段40と、燃料油ミスト及び水ミストにそれぞれ正の電圧及び負の電圧を印加する電圧印加手段80と、電圧印加された前記燃料油ミストと前記水ミストとが供給されて衝突混合させるキャビティ104を有する混合手段100とを少なくとも備えている。さらに、加水燃料装置100は、加水燃料を含む混合物の貯留手段160を備えることができる。
水ミスト生成手段10は、水を貯留する水タンク12と、ミスト化のための構成としての、超音波照射装置14と、水輸送ポンプ16と、水ミスト噴射装置18と、これらを連絡する一連の配管群19を備えている。超音波照射装置14は、気泡を内包させることにより微細なミストを生成させるために備えられている。
水ミスト噴射装置18は、後述する混合手段100の一端に備えられている。水ミスト噴射装置の構造を図2に示す。図2に示すように、水ミスト噴射装置18は、加圧された水が供給される加圧室20と、当該加圧室20の壁部22に設けられた噴射口26を有する複数のノズル部24と、加圧室20の外周を取り巻くように配設されたガス供給口28とさらに、この空気排出口28の周囲を取り巻くように配設されるとともに、ミストの噴射方向に沿って所定長の長さに周設されたガイド部30とを備えている。
加圧室20は、円盤状のプレート21と、この中央に配置された平坦な円盤状のドームである壁部22とによって構成されている。プレート21の中央部には、加圧室20に連通するように、水供給口22aが開口されている。この水供給口22aに水タンク12から配管群19を通じて超音波処理された水が供給されるようになっている。
ノズル部24は、水ミストをキャビティ104を指向して噴射するように備えられている。ノズル部24は、壁部22の混合手段100側に複数個分散状に配置されている。各ノズル部24のそれぞれの噴射口26から適切な大きさの液滴でかつ適切な指向性でミストを噴出できるようになっている。
ガス供給口28は、外部からのガスをノズル部24の外周側から混合手段100側に向けて供給できるように構成されている。ガス供給口28は、壁部22の外周に沿って、所定間隔で複数個備えられている。これらのガス供給口28からガスを供給するために、プレート21の加圧室20の反対側面には、ガスを導入可能なガス室32が備えられており、当該ガス室32に対して外部からガス導入口29を介してガスが導入可能に形成されている。このガスは、特に限定されないが、不活性ガスあるいは空気であってよく、必要に応じて加圧される。ガス室32に導入されたガスは、ガス供給口28を介して、混合手段100側に向けて排出されるようになっている。
ガイド部30は、ガス供給口28のさらに外周側を取り囲むようにして混合手段100のキャビティ104側、すなわち、ミスト噴射方向に沿って所定長さに形成されている。このガイド部30の長さは特に限定されないが、ミストの指向性等を考慮して適宜決定され、好ましくは、ノズル部24のキャビティ104側への突出位置よりも長くキャビティ104側に突出するように決定される。ガイド部30は絶縁性樹脂で形成されることが好ましい。
プレート21のキャビティ104側は、ガイド部30を含んだ外周側を覆う隔壁部34で覆われている。隔壁部34は、ノズル部24よりも長く突出されたガイド部30の頂部に当接するように備えられて、ガイド部30の外周にわたって水ミストと隔離された空間を構成するようになっている。
燃料油ミスト生成手段40は、水ミスト生成手段10と同様、燃料を貯留する水タンク42と、ミスト化のための詳細構成としての、超音波照射装置44と、燃料油輸送ポンプ46と、燃料油ミスト噴射装置48と、これらを連絡する一連の配管群49を備えている。
燃料油ミスト噴射装置48は、後述する混合手段100の一端であって、水ミスト噴射装置18が備えられる一端と対向する他端に備えられている。燃料油ミスト噴射装置48の構造も、水ミスト噴射手段と同様に図2に示すことができる。すなわち、図2に示すように、燃料油ミスト噴射装置48は、加圧された燃料油が供給される加圧室50と、当該加圧室50の壁部52に設けられた噴射口56を有する複数のノズル部54と、加圧室50の外周を取り巻くように配設されたガス供給口58と、このガス供給口58の周囲を取り巻くように配設されるとともに、ミストの噴射方向に沿って所定長の長さに周設されたガイド部60とを備えている。
加圧室50、ノズル部54、ガス供給口58及びガイド部60も、図2に示すように、水ミスト噴射装置18と同様にその詳細構成をそれぞれ備えている。さらに、プレート51のキャビティ104側は、ガイド部60を含んだ外周側を覆う隔壁部64で覆われている。
電圧印加手段80は、水ミスト生成手段10の水ミスト噴射装置18の近傍に負の電圧端子82と燃料油ミスト生成手段40の燃料油ミスト噴射装置48の近傍に正の電圧端子92とを備えている。負の電圧端子82は、ガイド部30の外周にガイド部30の外周面に接するように配置された金属などの導電性材料からなるリングとして備えられている。結果として、複数のノズル部24の外周側を取り囲むようにして備えられている。この電圧端子82には、負の電圧が印加されるように電線84及び図示しない電源が連結されている。
同様に、正の電圧端子92は、ガイド部60の外周にガイド部60の外周面に接するように配置された金属などの導電性材料からなるリングとして備え得られている。結果として、複数のノズル部54の外周側を取り囲むようにして備えられている。この電圧端子92には、正の電圧が印加されるように電線94及び図示しない電源が接続されている。
負の電圧端子82及び正の電圧端子92には、それぞれ3000V以上30000V以下の範囲でそれぞれ負及び正の同電位を印加するように構成されている。この範囲で同電圧を印加することで、良好な接触混合が実現される。
混合手段100は、中央付近をミストの混合接触のためのキャビティ104として備える槽体102として構成されている。槽体102は、水平状に配置された直管状の筒体であり、当該筒体の一端が水ミスト噴射装置18及び他端が燃料油ミスト噴射装置48で密閉されている。また、槽体102の中央付近のキャビティ104には、混合物貯留手段160に連通する排出部110を備えている。
混合物貯留手段160は、槽体102の中央下方側に備えられており、キャビティ104で混合された混合物が重力に従い滴下し蓄積されるタンク162として備えられている。
つぎに、この加水燃料製造装置2によって加水燃料を製造する工程について説明する。水タンク12から供給される水は、超音波照射装置14によってキャビテーションされ、水輸送ポンプ16によって配管群19、水供給口22aを介して水ミスト噴射装置12の加圧室20にまで到達される。所定圧で加圧された水は、ノズル部24の噴射口26から所定の大きさの液滴で所定の指向性の水ミストとしてキャビティ104に向けて加速されて噴射される。
水ミストの噴射に伴って、ガイド部30の外周にリング状に設置した負の電圧端子82には、電線84を介して負の電圧が印加される。この結果、噴出口26から噴出される水ミストは負に帯電される。負の電圧端子82は、プレート21、ガイド部30及び隔壁部34で水ミストとは遮断されている。
この水の移送及び噴射と同時に、外部から空気がガス供給口29を介してガス室32に空気が導入され、複数のガス供給口28から所定流量で空気が噴出される。複数のノズル部24が配設された外周を取り囲むようにガス供給口28が形成されているため、噴出される水ミストを取り囲むようなガス流が形成される。このため、ミストの指向性が確保されるとともに、ミストの外周側が直線状に規制されることとなり、槽体102の内周面に水ミストが付着することが抑制され、効率的に燃料油ミストと混合される。また、ガイド部30も、ガス供給口28を取り囲むように形成されている。このため、良好な上記ガス流層を形成するのに寄与し、結果として、水ミストの指向性を向上し、槽体102内部への付着を抑制し、効率的な燃料油ミストとの接触を可能とする。
同様にして燃料油タンク42からの燃料油も、ノズル部54の噴射口56から所定の大きさの液滴で所定の指向性の燃料油ミストとして、水ミストとは反対方向からキャビティ102に向けて加速されて噴射される。燃料油ミストは、噴射と同時に正の電圧端子92によって正に帯電され、またガス供給口58及びガイド部60により形成されたガス流によってその指向性等が規制される。
こうして槽体102の両端から、それぞれ反対方向を指向して加速されて噴射された水ミストと燃料油ミストとは、槽体102の中央部のキャビティ104で対向接触(衝突)し、衝突とともに電荷が中和され、微細な中和液滴として凝集し、下方に落下し、排出口110を通じてタンク162に回収される。
こうして得られた中和液滴は集積されて加水燃料として最終的にタンク162から回収することができる。
(加水燃料)
本明細書に開示される加水燃料は、燃料油と水とを含んで、均一な液体である、加水燃料である。加水燃料は、界面活性剤等を含んでいてもよいが、好ましくは、実質的に水と燃料油とからなる。本明細書において実質的に燃料油と水とからなる、とは、意図的な界面活性剤の使用を介在させないで加水燃料を使用することを意味し、例えば、界面活性剤量が加水燃料に対して1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下、より一層好ましくは、0.1質量%以下である。
本明細書に開示される加水燃料は、燃料油と水とを含んで、均一な液体である、加水燃料である。加水燃料は、界面活性剤等を含んでいてもよいが、好ましくは、実質的に水と燃料油とからなる。本明細書において実質的に燃料油と水とからなる、とは、意図的な界面活性剤の使用を介在させないで加水燃料を使用することを意味し、例えば、界面活性剤量が加水燃料に対して1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下、より一層好ましくは、0.1質量%以下である。
また、本明細書において均一な液体とは、肉眼で観察するとき澄明〜ほぼ澄明な液体であり、白濁や相分離を生じていない状態をいう。好ましくは、肉眼で観察するとき澄明な液体である。
こうした加水燃料によれば、加水しているのにもかかわらず、使用した燃料油と同等の燃焼効率を得られるほか、燃焼効率他についても、使用した燃料油と同等かあるいはそれ以上の品質を得ることができる。そして、その燃焼効率は、従来のエマルジョン燃料に比べて高く、例えば、燃料油としてA重油を用いたとき、44MJ/Kg以上の燃焼カロリーを備えることができる。すなわち、加水していても、燃焼カロリーがA重油と同等程度となっている。また、流動点は、−10℃より低く、好ましくは、−12℃以下、より好ましくは−15℃以下、さらに好ましくは、−17℃以下である。また、引火点も60℃以上であり、好ましくは65℃以上であり、より好ましくは70℃以上である。また、水分はカールフィッシャー法(例えば、JIS K2275)で測定することができるが、例えば、加水燃料は、加水しているにもかかわらず、1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下、より一層好ましくは0.05%以下、さらに一層好ましくは、0.03%以下であり、より好ましくは0.02%以下であり、さらに好ましくは0.01%以下である。この他、本明細書に開示される加水燃料は、A重油のJIS規格であるK2205−1991の規格を全て充足することができる。さらに、本明細書に開示される加水燃料は、−20℃〜80℃において、密封静置保存したとき、少なくとも150日以上、好ましくは200日以上、より好ましくは300日以上安定した混合状態を維持できることがわかっている。
例えば、A重油:水を質量比で60:40とし、各噴射圧力7Mpa,室内温度10℃という条件(他加温等がない状態)で製造した加水燃料につき、JIS K2205−1991に記載の方法で、以下の特性について評価を行った。結果を以下の表に示す。また、原料であったA重油と加水燃料との外観写真を図7に示す。
図7に示すように、加水燃料は、A重油よりも淡色の茶褐色の澄明な液体であった。
また、この加水燃料につき、ガスクロマトグラフィーを行った結果を図8に示す。対照として、市販灯油と市販軽油についても同様にしてガスクロマトグラフィーを行った。通常、ガスクロマトグラム上の保持時間の短い範囲には炭素数が少ない炭化水素が見出されるが、図8に示すように、加水燃料については、軽油や灯油には見出されない炭素数の少ない炭化水素が存在することが明らかであった。なお、一般に、軽油とA重油とは、同様の炭化水素組成を有するとされている。加水燃料中は、A重油のみを燃料成分としているため、軽油と同様のクロマトグラムとなるはずであるが、本明細書に開示される加水燃料は、原料成分であるA重油よりも炭素数の少ない炭化水素が生成していることが明らかとなった。こうしたことから本明細書に開示される加水燃料においては、水との混合均一化によって、燃料中の炭化水素に水素添加等が生じて、低分子化等が生じていることが推測された。なお、こうした推論は、本発明を必ずしも限定するものではない。
以上説明した本明細書に開示される加水燃料製造装置によれば、水及び燃料油をそれぞれ反対電荷に帯電されたミストとして接触することで、均一な液体状態を維持し実用的な加水燃料を容易に製造することができる。
また、本明細書に開示される加水燃料製造装置によれば、特別な加熱手段や撹拌手段も必要とすることなく、低エネルギーコストで加水燃料を製造することができる。
なお、本実施形態の加水燃料製造装置2においては、水ミストと燃料油ミストとを対向接触させるようにしたがこれに限定するものではない。水ミストと燃料油ミストは、それぞれ異方向から供給されて接触混合されるものであればよい。したがって、対向接触のほか、所定の角度でミストが交差するように接触混合させる交差接触であってもよい。こうした接触形態に応じて槽体102の形態が適宜選択される。例えば、交差接触のためには後述する第5の実施形態に開示される形態を採用することもできる。
また、加水燃料製造装置2においては、ポンプやノズル部によりミストを加速して接触混合させるものとしたがこれに限定するものでなく、外部から導入されたガス流によってミストを移送して接触するものであってもよい。また、加速は必ずしも必要ではない。ミストの接触混合を促進するために、キャビティ104においてガス流を供給したり、機械的な撹拌など公知の撹拌方法を採用してもよい。
加水燃料製造装置2においては超音波照射装置14、44を用いてミスト化を促進するものとしたが、こうしたミスト化促進装置が必ずしも必要でなく、また、これに限定するものではない。こうした手段なくてもノズル部によりミスト化を促進してもよく、他の公知のミスト化手段を適宜利用できる。
加水燃料製造装置2においては、貯留手段160を備えることとしたが、生成した加水燃料をそのまま貯留することなく、燃焼装置に配送する構成を採ることもできる。
加水燃料製造装置2においては、ガス供給口28、58及びガイド部30、60を備えて、ミスト流の指向性等を向上させるものとしたが、こうした構成は必ずしも必要ではない。ノズル部24、54などの設定によりこうした規制手段を省略することもできる。
加水燃料製造装置2においては、電圧印加手段80の形態は、リング状の負の電圧端子82及び正の電圧端子92に限定されるものではない。コイルなどを用いた公知の電圧印加方法を適宜採用できる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、加水燃料の収率又はミストの漏洩を改善した形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する構成については同一の符号を用いるものとする。
本実施形態では、加水燃料の収率又はミストの漏洩を改善した形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する構成については同一の符号を用いるものとする。
図3には、本実施形態の加水燃料製造装置202の概略を示す。この加水燃料製造装置202は、未凝集成分の回収及び再循環のための構成を備えている。
加水燃料製造装置202は、槽体102からの未凝集成分の回収手段204を備えている。当該回収手段204は、槽体102の内部の主として水滴や燃料油滴を貯留手段160に回収するための手段である。回収手段204は、タンク162への管体等で構成される連通部206、208として構成される。連通部206、208は、槽体102のタンク162側に設けられている。
加水燃料製造装置202は、タンク162の上部気相に存在するミスト、すなわち、ヘッドスペースミストを、水ミスト生成手段及び/又は燃料油ミスト生成手段に返流する返流手段210を備えている。タンク162の上部であって、加水燃料を含む混合物の液相の上部、すなわち、ヘッドスペースには、既に中和され凝集された凝集ミストのほか、未だミスト状態の未凝集成分(水滴及び/又は燃料油液滴、以下、未凝集ミストともいう。)が存在しうる。こうした未凝集ミストは、槽体102の排出部110からタンク162に導入された成分や連通部206、208からタンク162に導入された成分に由来する。こうしたヘッドスペースミストには、未凝集ミストを含む場合が多いため、これらを回収することで、効率的に水と燃料油から加水燃料を製造できる。返流手段210は、タンク162の上部のヘッドスペースミストの返流配管系212とポンプ218とを備えている。返流配管系212は、分岐しており、分岐先の一つである返流配管系214は、水ミスト噴射装置18のガス供給口28にヘッドスペースミストを返流し、他の一つである返流配管系216は、ヘッドスペースミストを燃料油ミスト噴射装置48のガス供給口58に返流する。
さらに、加水燃料製造装置202は、タンク162の下方に集積される水分を水ミスト生成手段10に返流する返流手段220を備えている。水分を効果的に返流するために、タンク162下部には、タンク162の底部の最下部を構成する水貯留部222を備えている。水貯留部222から水ミスト生成手段10への返流配管系224を備えている。返流配管系224は、水ミスト生成手段10の超音波照射装置14とポンプ16との間に設けた三方バルブ等に連結して、適時に水ミスト生成手段10に合流するように構成されている。
さらに、加水燃料製造装置202は、タンク162の中層に蓄積される加水燃料を燃料油ミスト生成手段40に返流する手段230を備えている。返流手段230は、タンク162の中層部から燃料油ミスト生成手段40への返流配管系234を備えている。返流配管系234は、燃料油ミスト生成手段40の超音波照射装置44とポンプ46との間に設けた三方バルブ等に連結して、適時に燃料油ミスト生成手段10に合流するように構成されている。
次に、こうした回収手段等を設けた場合の水成分や燃料油成分の回収・循環について説明する。未凝集成分の回収手段204を備えることで、槽体102内における未凝集成分を低減し、これらを後述する返流手段を利用して再循環させて効率的に加水燃料とすることができる。また、回収手段204を槽体102の底部に備えることで、未だミスト状の未凝集成分のほか、槽体102の内壁に付着し、その後壁面を流下して底面に蓄積した未凝集成分も効率的にタンク162に回収できる。
また、返流手段210を備えることで、ヘッドスペースミストは、返流配管系212、214、216及びポンプ218を介して水ミスト噴射装置18のガス供給口28及び燃料油ミスト噴射装置48のガス供給口に到達され、再びキャビティ102での接触混合に供される。なお、ガス供給口28、58から排出される際、ノズル部24,54から噴射されるミストと同様、負又は正に帯電されることとなり、接触混合が可能になる。なお、一部の負に帯電した水ミストが燃料油ミスト噴射装置48に返流されると、正電圧が印加される結果、電荷が中和され、同様に一部の正に帯電した燃料油ミストが水ミスト噴射装置18に返流された場合にも電荷が中和され、接触混合しにくいミストが形成されてしまう。しかしながら、こうした返流手段210を備えることで、繰り返しヘッドスペースミストが水ミスト噴射装置18及び燃料油ミスト噴射装置48に返流されることで、最終的には、ヘッドスペース中の未凝集ミストが、凝集された加水燃料として回収される。
また、返流手段220を備えることで、未凝集の水分を再び水ミストとして接触混合に供することができる。こうすることで未凝集の水分を低減し、意図した組成の加水燃料を得ることができる。さらに、返流手段230を備えることで、既に凝集した加水燃料を燃料油ミストとして水ミストとの接触混合に供することができる。こうすることで未凝集の水分と接触混合に供する燃料油ミストを生成供給できるため、意図した組成の加水燃料を得ることができる。
以上の回収手段204、返流手段210、220、230を備えることで、効率的に水分と燃料油成分を利用できるとともに、ミストの装置外部への漏洩を抑制することができる。
なお、加水燃料製造装置202においては、返流手段210は、ヘッドスペースミストの全量を再び水ミスト噴射装置18及び燃料油ミスト噴射装置48に供給することとしたが、これに限定するものではない。例えば、ヘッドスペースミスト中の凝集ミストと未凝集ミストとを分離できる気液分離手段を付随していてもよい。こうした気液分離手段により、気相として分離される未凝集ミストのみを返流配管系212に導入し、液相として分離される凝集ミストをタンク162に返流するようにしてもよい。こうした気液分離手段としては、冷却ラジエータ、遠心分離機等が挙げられる。
また、返流手段210の返流配管系212には、活性炭などの燃料ガスを吸着可能な吸着材を備えた吸着回路を備えることができる。吸着回路は、返流配管系212のポンプ218等の吸引装置が作動を停止しても、槽体102や返流配管系212内部に残留している燃料ガスを一時的に吸着して、燃料ガスを返流配管系212内に保持させることができる。一方、吸引装置が作動を開始したときには、吸着した燃料ガスを吸着材から脱離させて返流配管系212に返流できるようになっている。燃料ガスは、重油由来等であって異臭を散逸するほか、燃料ロスにもつながるため、吸引装置の停止時における外部への漏洩を抑制又は回避することは有意義である。
こうした吸着回路は、例えば、以下の構成を備えることができる。吸着回路は、吸着材が充填された充填部を内部に有するケーシングを備えており、ケーシングには、槽体102の上部あるいは返流配管系212の上流側からの燃料ガスが導入される燃料ガス吸引口と、返流配管系212に連通して燃料ガスを返流配管系212に排出する燃料ガス排出口とを備える。さらに、吸引装置が作動するなど回路内が所定の陰圧となったときには、開放されて大気とケーシング内とを連通するバルブを備えている。吸着回路は、返流配管系のいずれの箇所にあってもよく、ポンプ218等の吸引装置よりも槽体102側に備えられていてもよいし、水ミスト生成手段及び/又は燃料油ミスト生成手段側に備えられていてもよい。
吸着回路は、例えば、以下のように作動させることができる。すなわち、返流配管系212が作動している(ポンプ218等の吸引装置が作動している)ときには、槽体102上部からの燃料ガスが導入されるとともに、バルブが開放されて大気が導入されて、燃料ガスは、充填部及び燃料ガス排出口を通過して返流配管系212に排出される。一方、返流配管系212が作動していないときには、バルブが閉鎖されるため、燃料ガスは吸着材に保持された状態が維持され、吸着回路内に燃料ガスが留め置かれる。その後、返流配管系212が作動すると、再び、バブルが開放されて大気が回路内に導入されるため、吸着材に吸着された燃料ガスは、返流配管系212に排出される。吸着材は、燃料の分子の大きさを考慮し、通常はファンデルワールス力による吸着性能に基づいて、大気の導入等によって容易に脱離できるような吸着材の種類や細孔径を決定することができる。
なお、加水燃料装置202における回収手段204、返流手段210、220、230は、それぞれ独立して加水燃料の効率的利用に寄与することができるため、これらは単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。また、これらの回収手段204、返流手段210、220、230は、それぞれ独立して第1の実施形態の加水燃料装置2に適用できるほか、後述する実施形態においても独立して適用できる。
(第3の実施形態)
本実施形態の加水燃料製造装置302は、混合手段100の槽体102の排出部110に、未凝集ミストの集束手段310を備えている。以下、第1の実施形態と共通する構成については同一の符号を用いるものとする。
本実施形態の加水燃料製造装置302は、混合手段100の槽体102の排出部110に、未凝集ミストの集束手段310を備えている。以下、第1の実施形態と共通する構成については同一の符号を用いるものとする。
図4には、加水燃料製造装置302の概略を示す。集束手段310は、未凝集ミストを集束させて接触混合を促進するために、排出部110の内径が縮径した状態の縮径部312と、縮径部312に直流電流を印加可能に設けた電磁コイルの券回部314とから構成されている。縮径部312は、未凝集ミストを物理的に集束させることができる。また、電磁コイルの券回部312は、14を券回して直流電流の印加によるピンチ効果により導体である未凝集ミスト凝集する。こうすることで、排出部110を通過する未凝集ミストである水ミスト及び燃料油ミストの接触混合を促進して凝集して加水燃料化を促進することができる。
なお、集束手段310における縮径部312及び電磁コイル券回部314は、それぞれ独立して未凝集ミストを集束して加水燃料の効率的製造に寄与することができるため、これらは単独であるいは2種組み合わせて用いることができる。また、これらの集束手段は、それぞれ独立して既述の加水燃料製造装置2、202に適用できるほか、後述する実施形態の加水燃料製造装置においても独立して適用できる。
なお、ピンチ効果による未凝集ミストの凝集手段として本実施形態では、電磁コイルの券回部314としたが、これに限定するものではなく、同様の効果は、永久磁石を配置することなどによっても得ることができる。
(第4の実施形態)
本実施形態の加水燃料製造装置402は、槽体102における水ミスト及び燃料油ミストの指向性を向上させるための手段として、水ミスト噴射装置18近傍に槽体102に対する負電圧印加手段410と、燃料油ミスト噴射装置48近傍に槽体102に対する正電圧印加手段412と、を備えている。以下、第1の実施形態と共通する構成については同一の符号を用いるものとする。
本実施形態の加水燃料製造装置402は、槽体102における水ミスト及び燃料油ミストの指向性を向上させるための手段として、水ミスト噴射装置18近傍に槽体102に対する負電圧印加手段410と、燃料油ミスト噴射装置48近傍に槽体102に対する正電圧印加手段412と、を備えている。以下、第1の実施形態と共通する構成については同一の符号を用いるものとする。
図5には、加水燃料製造装置402の概略を示す。負の電圧印加手段410は、槽体102に対して負の電圧を印加可能な槽体102に対する電圧コイルの券回部である。また、正の電圧印加手段412は、槽体102に対して正の電圧を印加可能な槽体102に対する電圧コイルの券回部である。負の電圧印加手段410は、槽体102において水ミスト噴射装置18から水ミストの指向性を向上できる所定範囲にわたって形成されている。また、正の電圧印加手段412は、槽体102において燃料油ミスト噴射装置48から燃料油ミストの指向性を向上できる所定範囲にわたって形成されている。
負の電圧印加手段410によれば、水ミスト噴射装置18から噴射され負に帯電した水ミストは、電気的な反発力により負に帯電した槽体102の内壁に付着することが抑制され、直進性が確保される。また、正の電圧印加手段412によれば、燃料油ミスト噴射装置48から噴射され正に帯電された燃料油ミストは、電気的な反発力により正に帯電された槽体102の内壁への付着が抑制され、直進性が確保される。この結果、水ミストと燃料油ミストとの接触混合が促進されることとなる。
なお、負の電圧印加手段410及び正の電圧印加手段412は、それぞれ独立して加水燃料の効率的製造に寄与することができるため、これらは単独であるいは2種組み合わせて用いることができる。また、これらの指向性向上手段は、それぞれ独立して既述の加水燃料製造装置2、202、302に適用できるほか、後述する実施形態の加水燃料製造装置においても独立して適用できる。
なお、こうした電気的反発力によるミストの槽体102の内壁付着抑制及び直進性向上のための手段として、本実施形態では、槽体102に対する電圧コイルの券回部としたが、これに限定するものではなく、同様の効果は、公知の技術を適用することで適宜得ることができる。
(第5の実施形態)
本実施形態の加水燃料製造装置502は、燃料油ミストと水ミストを直交衝突させるための混合手段600及び付随する構成を備えている。以下、第1の実施形態と共通する構成については同一の符号を用いるものとする。
本実施形態の加水燃料製造装置502は、燃料油ミストと水ミストを直交衝突させるための混合手段600及び付随する構成を備えている。以下、第1の実施形態と共通する構成については同一の符号を用いるものとする。
図6には、加水燃料製造装置502の概略を示す。加水燃料製造装置502の混合手段600は、垂直方向に起立した直管状体604とその直管状体604の一部から徐々に傾斜する直管状部606とを備える槽体602を備えている。直管状体604の直管状部606の基部となる近傍が水ミストと燃料油ミストとの接触混合のためのキャビティ608となっている。また、直管状体604の下方側が排出部610を構成しタンク162に連通されている。
直管状体604の上端には、燃料油ミスト噴射装置48が配設されて密閉されており、直管状部606の基部との反対側の開口には、水ミスト噴射装置18が配設されて密閉されている。燃料油ミスト噴射装置48近傍には燃料油ミスト生成手段40が配置され、水ミスト噴射装置18近傍には水ミスト生成手段10が配置されている。
直管状部606の水ミスト噴射装置18近傍の底部付近には、未凝集成分をタンク162に回収する回収手段としての連通部616を備えている。
次に、こうした加水燃料製造装置502における作用について説明する。こうした槽体602を用いることで、水ミストと燃料油ミストとがほぼ直交状に交差して衝突される。このため、両者の接触確率が高まり、結果として接触混合による加水燃料化効率が高まることになる。また、降下してくる燃料油ミストに対して側方から水ミストを供給するようにしたことで、水ミストは水ミストの進行方向にある直管状体604の内壁に衝突して再び燃料油ミストと接触させることができる。また、水ミストの供給路としての直管状部606を外部に向かって斜め下方に傾斜するように設けたため、未凝集の水ミスト等は、直管状部606の下端に集積される。こうして集積された未凝集水ミストが連通部616により、効果的にタンク162に回収される。
なお、本実施形態では、燃料油ミストを上方から水ミストを側方から供給するものとしたがこれに限定するものではない。水ミストを上方から燃料油ミストを側方から供給するものとしてもよい。
また、本実施形態では、ほぼ直交するように交差衝突するようにしたがこれに限定するものではなく、浅い角度で交差する交差衝突にも適用される。
また、本実施形態は、水ミストと燃料油ミストの交差衝突を実現するために、直管状体604とその側方に斜め下方に突出する直管状部606とを組み合わせた槽体としたが、これに限定するものではない。直管状体604とその側方にほぼ垂直にあるいは斜め上方に突出する直管状部606との組み合わせとしてもよい。また、Y字状体の槽体として、二股に分岐した一方から水ミストを供給し他方から燃料油ミストを供給するようにしてもよい。
本実施形態における槽体構成及びそれに付随する構成は、それ自体独立して加水燃料の効率的製造に寄与することができるため、第1の実施形態に開示される加水燃料製造装置2のほか、第2〜第4の実施形態に開示される加水燃料装置202、302、402に適用できる。
以上説明した本明細書に開示される加水燃料の製造装置は、単独で用いられる加水燃料の製造装置として用いられるほか、燃焼炉や内燃機関などの加水燃料の燃焼手段を備える装置の一部としても用いられる。したがって、本明細書に開示される加水燃料の製造装置を備える燃焼装置や内燃機関としても実施されうる。さらに、こうした燃焼装置や内燃機関を備える、発熱装置、発電装置、動力機械(車両、船舶、飛行機などの移動体を含む。)としても実施されうる。
(加水燃料の製造方法)
本明細書に開示される加水燃料の製造方法は、負に荷電された水ミストと正に荷電された燃料油ミストとを、接触させて混合する混合工程、を備えることができる。また、混合工程は、水ミストと燃料油ミストとを加速させて衝突混合させる工程としてもよく、混合工程は、燃料油ミストと水ミストとを対向衝突又は交差衝突させる工程としてもよい。本明細書に開示される製造方法は、本明細書に開示される加水燃料の製造装置を利用して実施することができるほか、これら装置に限定されないで、上記工程を実施することができる。
本明細書に開示される加水燃料の製造方法は、負に荷電された水ミストと正に荷電された燃料油ミストとを、接触させて混合する混合工程、を備えることができる。また、混合工程は、水ミストと燃料油ミストとを加速させて衝突混合させる工程としてもよく、混合工程は、燃料油ミストと水ミストとを対向衝突又は交差衝突させる工程としてもよい。本明細書に開示される製造方法は、本明細書に開示される加水燃料の製造装置を利用して実施することができるほか、これら装置に限定されないで、上記工程を実施することができる。
2、202、302、402、502 加水燃料製造装置、10 水ミスト生成手段、40 燃料油ミスト生成手段、12、42 タンク、14,44 超音波照射装置、16、46 ポンプ、18、48 ミスト噴射装置、82 負電圧印加手段、92 正電圧印加手段、100 混合手段、104、608 キャビティ
Claims (16)
- 負に荷電された水ミストと正に荷電された燃料油ミストと、を、接触させて混合する工程、を備える、加水燃料の製造方法。
- 前記混合工程は、前記燃料油ミストと前記水ミストとを衝突混合させる工程である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記混合工程は、前記燃料油ミストと前記水ミストとを対向衝突又は交差衝突させる工程である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 水ミストを生成する水ミスト生成手段と、
燃料油ミストを生成する燃料油ミスト生成手段と、
前記水ミストに負の電圧を印加する負電圧印加手段と、
前記燃料油ミストに正の電圧を印加する正電圧印加手段と、
を備え、
電圧印加された前記水ミストと前記燃料油ミストとが供給され接触混合させるためのキャビティを有する混合手段と、
を備える、加水燃料製造装置。 - 前記キャビティにおいて、電圧印加された前記水ミストと前記燃料油ミストとは、それぞれ異方向から供給されて接触混合される、請求項4に記載の加水燃料製造装置。
- 前記混合手段は、電圧印加された前記水ミストと前記燃料油ミストとを対向接触又は交差接触可能に構成されている、請求項4又は5に記載の加水燃料製造装置。
- 前記キャビティにおいて、電圧印加された前記水ミストと前記燃料油ミストとは、それぞれ加速されて衝突混合される、請求項4〜6のいずれかに記載の加水燃料製造装置。
- 前記水ミスト生成手段及び前記燃料油ミスト生成手段は、それぞれ前記水ミスト及び前記燃料油ミストを前記キャビティを指向して噴射するノズル部を備える、請求項4〜7のいずれかに記載の加水燃料製造装置。
- 前記負電圧印加手段は、前記水ミストを噴出するノズル部の外周を取り囲むように備えられ、前記正電圧印加手段は、前記燃料油ミストを噴出するノズル部の外周を取り囲むように備えられる、請求項8に記載の加水燃料製造装置。
- さらに、前記燃料油ミストと前記水ミストとを接触混合して得られる加水燃料を含む混合物の貯留手段を備える、請求項4〜9のいずれかに記載の加水燃料製造装置。
- 前記貯留手段の上部のミストを前記混合手段に返流する手段を備える、請求項10に記載の加水燃料製造装置。
- 前記貯留手段の水分を前記水ミスト生成手段に返流する手段を備える、請求項10又は11に記載の加水燃料製造装置。
- 前記貯留手段の加水燃料を前記燃料油ミスト生成手段に返流する手段を備える、請求項10〜12のいずれかに記載の加水燃料製造装置。
- 前記混合手段と前記貯留手段との間において、前記燃料油ミストと前記水ミストとを集束させる手段を備える、請求項10〜13のいずれかに記載の加水燃料製造装置。
- 前記混合手段に、電圧印加された前記水ミストに対して電気的反発力を生じさせる負の電圧印加手段と電圧印加された前記燃料油ミストに対して電気的反発力を生じさせる正の電圧印加手段とを備える、請求項4〜14のいずれかに記載の加水燃料製造装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られ、均一な液体である、加水燃料。
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