JP2013140175A - Gas sensor - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、窒素酸化物(NOx)センサのような被測定ガス中の酸化物気体の濃度を測定するガスセンサや酸素センサにおいて、被測定ガス中の所定ガス成分を検出するセンサ素子を有するガスセンサに関する。 The present invention relates to a gas sensor or an oxygen sensor that measures the concentration of oxide gas in a gas to be measured, such as a nitrogen oxide (NOx) sensor, and a gas sensor having a sensor element that detects a predetermined gas component in the gas to be measured. .
従来、被測定ガス中の所望のガス成分の濃度を知るために、各種の測定装置が用いられている。例えば、燃焼ガス等の被測定ガス中のNOx濃度を測定する装置として、ジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性を有する固体電解質層上にPt電極およびRh電極を形成したセンサ素子(以下、単に素子とも称する)を有するガスセンサが公知である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。 Conventionally, various measuring devices are used to know the concentration of a desired gas component in the gas to be measured. For example, a sensor element (hereinafter referred to as a Pt electrode and a Rh electrode) formed on a solid electrolyte layer having oxygen ion conductivity such as zirconia (ZrO 2 ) as an apparatus for measuring the NOx concentration in a measurement gas such as combustion gas. A gas sensor having a simple structure is also known (see, for example, Patent Document 1 and Patent Document 2).
特許文献1および特許文献2に記載されるようなガスセンサを用いて被測定ガス中のNOx成分の濃度を測定するにあたって、センサ素子は、これを構成する固体電解質の酸素イオン伝導性が活性化する温度に加熱されることとなる。所定の温度に加熱されたセンサ素子において、固体電解質層上に形成されてなる測定電極によりNOxが還元され、これによって発生する酸素量に比例する電流等がセンサ出力として検出される。そして、検出されたセンサ出力に基づいて被測定ガス中のNOx成分の濃度が求められることとなる。
In measuring the concentration of the NOx component in the gas to be measured using the gas sensor as described in Patent Document 1 and
一方、このようなガスセンサを用いて行う所定ガス成分の濃度測定において、従来、センサ素子の加熱等によって、すなわち、センサ素子自体の温度や素子内部の被測定ガスの温度の上昇によって、センサ出力が低下するという問題がある。そして、センサ出力の低下はガスセンサの測定精度の低下につながることとなる。 On the other hand, in the measurement of the concentration of a predetermined gas component performed using such a gas sensor, the sensor output is conventionally increased by heating the sensor element, that is, by increasing the temperature of the sensor element itself or the temperature of the gas to be measured inside the element. There is a problem of lowering. And the fall of a sensor output will lead to the fall of the measurement accuracy of a gas sensor.
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、センサ素子や被測定ガスの温度変化に伴うセンサ出力の変化を抑制し、該センサ出力の変化による測定精度の低下を抑制することのできるガスセンサを提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of the above problems, and can suppress a change in sensor output accompanying a temperature change of a sensor element or a gas to be measured, and can suppress a decrease in measurement accuracy due to the change in the sensor output. An object is to provide a gas sensor.
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質を主成分として構成されるセンサ素子を有し、前記センサ素子を前記固体電解質の活性化する温度に加熱し保温したうえで、前記固体電解質の酸素イオン伝導性を利用して、被測定ガス中の所定ガス成分の濃度に応じて前記固体電解質を流れる電流を検出するガスセンサであって、前記センサ素子は、所定の固体電解質層の第1主面側に設けられ、前記所定ガス成分の濃度測定に際して、酸素濃度の基準とする基準ガスと接触する基準電極と、前記固体電解質層の第2主面側に設けられ、前記所定ガス中の酸化物気体成分を還元可能な測定電極と、を備え、前記基準電極と前記測定電極との電位差を制御指標としたセンサ出力が得られるとともに、前記固体電解質層の厚さ方向から見たときに、前記測定電極と前記基準電極とは、互いの重心が幅方向にずれており、前記固体電解質層の厚さ方向から見た前記測定電極の面積をS1とし、前記固体電解質層の厚さ方向から見て前記基準電極が前記測定電極と重なっている領域の面積をS2として、前記重なりの程度を表すパラメータである重なり率Rを、
R=(S2/S1)×100
で定義したとき、前記重なり率Rが10以上77以下である、ことを特徴とする。
In order to solve the above problems, the invention of claim 1 has a sensor element composed mainly of a solid electrolyte having oxygen ion conductivity, and the sensor element is heated to a temperature at which the solid electrolyte is activated. A gas sensor that detects the current flowing through the solid electrolyte according to the concentration of a predetermined gas component in the gas to be measured using the oxygen ion conductivity of the solid electrolyte after being kept warm, and the sensor element includes: A reference electrode provided on the first main surface side of the predetermined solid electrolyte layer and in contact with a reference gas used as a reference for oxygen concentration when measuring the concentration of the predetermined gas component; and on the second main surface side of the solid electrolyte layer Provided with a measurement electrode capable of reducing an oxide gas component in the predetermined gas, a sensor output using a potential difference between the reference electrode and the measurement electrode as a control index is obtained, and the solid When viewed from the thickness direction of the electrolyte layer, the measurement electrode and the reference electrode have their centroids shifted in the width direction, and the area of the measurement electrode viewed from the thickness direction of the solid electrolyte layer Is defined as S1, and the area of the region where the reference electrode overlaps the measurement electrode when viewed from the thickness direction of the solid electrolyte layer is defined as S2, and the overlapping rate R, which is a parameter representing the degree of overlapping,
R = (S2 / S1) × 100
The overlap rate R is 10 or more and 77 or less.
請求項2の発明は、請求項1に記載のガスセンサであって、前記重なり率Rが50以上77以下である、ことを特徴とする。 A second aspect of the present invention is the gas sensor according to the first aspect, wherein the overlap rate R is 50 or more and 77 or less.
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のガスセンサにおいて、前記所定のガス成分が窒素酸化物であり、前記センサ素子がジルコニアを主成分として構成されることを特徴とする。 According to a third aspect of the present invention, in the gas sensor according to the first or second aspect, the predetermined gas component is nitrogen oxide, and the sensor element is mainly composed of zirconia.
請求項1ないし請求項3の発明によれば、測定電極と基準電極との位置が重なるようにするので、測定電極と基準電極との温度差を小さくすることができる。これにより、電極間の温度差によって発生する熱起電力を小さくすることができるので、該熱起電力によるセンサ出力への影響を低減することができる。すなわち、熱起電力による測定精度の低下を抑制することができる。 According to the first to third aspects of the invention, since the positions of the measurement electrode and the reference electrode are overlapped, the temperature difference between the measurement electrode and the reference electrode can be reduced. Thereby, since the thermoelectromotive force generated due to the temperature difference between the electrodes can be reduced, the influence of the thermoelectromotive force on the sensor output can be reduced. That is, a decrease in measurement accuracy due to thermoelectromotive force can be suppressed.
<ガスセンサの構成>
図1は、本発明に係るガスセンサの一例であるガスセンサ100の構成を概略的に示す断面模式図である。ガスセンサ100は、測定対象とするガス(被測定ガス)中の所定のガス成分を検出し、さらにはその濃度を測定するためのものである。本実施の形態においては、ガスセンサ100が窒素酸化物(NOx)を検出対象成分とするNOxセンサである場合を例として説明を行う。係るガスセンサ100は、被測定ガス中の所定ガス成分の検出に用いる、ジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性を有する固体電解質からなるセンサ素子101を有する。
<Configuration of gas sensor>
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view schematically showing a configuration of a
図1に例示するセンサ素子101は、それぞれが酸素イオン伝導性を有する固体電解質からなる第1基板層1と、第2基板層2と、第3基板層3と、第1固体電解質層4と、スペーサ層5と、第2固体電解質層6との6つの層が、図面視で下側からこの順に積層(図面視で上下方向、つまり、各固体電解質層に垂直な方向を積層方向とも称する)された構造を有する、長尺の板状体形状の素子である。また、これら6つの層は固体電解質によって緻密に形成されている。係るセンサ素子101は、例えば、各層に対応するセラミックスグリーンシートに所定の加工や回路パターンの印刷などを行った後にそれらを積層し一体化させ、さらに、素子単位にカットして焼成することによって製造される。
A
センサ素子101の一端部(素子先端部)であって、第2固体電解質層6の下面と第1固体電解質層4の上面との間には、ガス導入口10と、第1拡散律速部11と、緩衝空間12と、第2拡散律速部13と、第1内部空所20と、第3拡散律速部30と、第2内部空所40とがこの順に、連通する態様にて隣接形成されてなる。ガス導入口10と、緩衝空間12と、第1内部空所20と、第2内部空所40とは、スペーサ層5をくり抜いた態様にて設けられた上部を第2固体電解質層6の下面で、下部を第1固体電解質層4の上面で、側部をスペーサ層5の側面で区画された内部空間である。第1拡散律速部11と第2拡散律速部13と、第3拡散律速部30とはいずれも、2本の横長の(図面に垂直な方向に開口が長手方向を有する)スリットとして設けられる。なお、ガス導入口10から第2内部空所40に至る部位をガス流通部とも称する。
A
また、センサ素子101の他端部(素子他端部)であって、ガス流通部よりも素子先端部より遠い位置には、第3基板層3の上面とスペーサ層5の下面との間であって、側部を第1固体電解質層4の側面で区画される位置に基準ガス導入空間43が設けられている。基準ガス導入空間43には、NOx濃度の測定を行う際の基準ガスとして例えば大気が導入される。
Further, the other end of the sensor element 101 (the other end of the element) is located farther from the tip of the element than the gas flow part, and is between the upper surface of the third substrate layer 3 and the lower surface of the
大気導入層48は、多孔質アルミナからなる層であって、大気導入層48には基準ガス導入空間43を通じて基準ガスが導入されるようになっている。
The
基準電極42は、第1固体電解質層4の下面(第1主面)と第3基板層3の上面とに挟まれる態様にて形成されてなる電極である。基準電極42の周囲には、基準ガス導入空間43につながる大気導入層48が設けられており、これにより、基準電極42には、基準ガスが導入されるようになっている。また、後述するように、基準電極42を用いて第1内部空所20や第2内部空所40内の酸素濃度(酸素分圧)を測定することが可能となっている。
The
ガス流通部において、ガス導入口10は、外部空間に対して開口してなる部位であり、該ガス導入口10を通じて外部空間からセンサ素子101内に被測定ガスが取り込まれるようになっている。
In the gas circulation part, the
第1拡散律速部11は、ガス導入口10から取り込まれた被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与する部位である。
The first diffusion rate-determining
緩衝空間12は、第1拡散律速部11より導入された被測定ガスを第2拡散律速部13へと導くために設けられた空間である。
The
第2拡散律速部13は、緩衝空間12から第1内部空所20に導入される被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与する部位である。
The second diffusion
被測定ガスが、センサ素子101外部から第1内部空所20内まで導入されるにあたって、外部空間における被測定ガスの圧力変動(被測定ガスが自動車の排気ガスの場合であれば排気圧の脈動)によってガス導入口10からセンサ素子101内部に急激に取り込まれた被測定ガスは、直接第1内部空所20へ導入されるのではなく、第1拡散律速部11、緩衝空間12、第2拡散律速部13を通じて被測定ガスの圧力変動が打ち消された後、第1内部空所20へ導入されるようになっている。これによって、第1内部空所20へ導入される被測定ガスの圧力変動、すなわち濃度変動はほとんど無視できる程度のものとなる。
When the gas to be measured is introduced from the outside of the
第1内部空所20は、第2拡散律速部13を通じて導入された被測定ガス中の酸素濃度(酸素分圧)を調整するための空間として設けられている。係る酸素濃度は、主ポンプセル21が作動することによって調整される。
The first
主ポンプセル21は、第1内部空所20に面する第2固体電解質層6の下面ほぼ全面に設けられた天井電極部22aを有する内側ポンプ電極22と、第2固体電解質層6の上面の天井電極部22aと対応する領域に外部空間に露出する態様にて設けられた外側ポンプ電極23と、これらの電極に挟まれた第2固体電解質層6とによって構成されてなる電気化学的ポンプセルである。
The
内側ポンプ電極22は、第1内部空所20を区画する上下の固体電解質(第2固体電解質層6および第1固体電解質層4)、および側壁を与えるスペーサ層5にまたがって形成されている。具体的には、第1内部空所20の天井面を与える第2固体電解質層6の下面には天井電極部22aが形成され、また、底面を与える第1固体電解質層4の上面には底部電極部22bが形成され、そして、それら天井電極部22aと底部電極部22bとを接続するように側部電極部22c(図示省略)が第1内部空所20の両側面部を構成するスペーサ層5の側壁面(内面)に形成されて、側部電極部22cの配設部位においてトンネル形態とされた構造において配設されている。
The
内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23とは、多孔質サーメット電極(Auを1%含むPtとZrO2とのサーメット電極)として形成される。なお、被測定ガスに接触する内側ポンプ電極22は、被測定ガス中のNO成分に対する還元能力を弱めた、あるいは、還元能力のない材料を用いて形成される。
The
主ポンプセル21においては、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間に、センサ素子101の外部に備わる可変電源24により所望のポンプ電圧Vp0を印加して、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間に正方向あるいは負方向にポンプ電流Ip0を流すことにより、第1内部空所20内の酸素を外部空間に汲み出しあるいは外部空間の酸素を第1内部空所20に汲み入れることが可能となっている。
In the
また、第1内部空所20における雰囲気中の酸素濃度を検出するために内側ポンプ電極22と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、基準電極42とによって、電気化学的なセンサセル、すなわち、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80が構成されている。
In order to detect the oxygen concentration in the atmosphere in the first
主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80においては、該センサセルで発生する起電力V0を測定することで第1内部空所20内の酸素濃度がわかるようになっている。さらに、測定した起電力V0の値が一定となるようにポンプ電圧Vp0をフィードバック制御することで、ポンプ電流Ip0を制御することができる。これによって、第1内部空所20内の酸素濃度は所定の一定値に保たれている。
In the main pump control oxygen partial pressure
第3拡散律速部30は、第1内部空所20で主ポンプセル21の動作により酸素濃度(酸素分圧)が制御された被測定ガスに所定の拡散抵抗を付与して、該測定ガスを第2内部空所40に導く部位である。
The third
第2内部空所40は、第3拡散律速部30を通じて導入された被測定ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定に係る処理を行うための空間として設けられる。NOx濃度の測定は、補助ポンプセル50により酸素濃度が調整された第2内部空所40内において、測定用ポンプセル41の動作により行われる。
The second
補助ポンプセル50は、第2内部空所40に面する第2固体電解質層6の下面の略全体に設けられた天井電極部51aを有する補助ポンプ電極51と、外側ポンプ電極23(外側ポンプ電極23に限られるものではなく、センサ素子101外側の適当な電極であれば足りる)と、第2固体電解質層6とによって構成される、補助的な電気化学的ポンプセルである。
The auxiliary pump cell 50 includes an
係る補助ポンプ電極51は、先の第1内部空所20内に設けられた内側ポンプ電極22と同様なトンネル形態とされた構造において、第2内部空所40内に配設されている。つまり、第2内部空所40の天井面を与える第2固体電解質層6に対して天井電極部51aが形成され、また、第2内部空所40の底面を与える第1固体電解質層4には、底部電極部51bが形成され、そして、それらの天井電極部51aと底部電極部51bとを連結する側部電極部51c(図示省略)が、第2内部空所40の側壁を与えるスペーサ層5の両側面にそれぞれ形成されたトンネル形態の構造となっている。
The
なお、補助ポンプ電極51についても、内側ポンプ電極22と同様に、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた、あるいは、還元能力のない材料を用いて形成される。
Note that the
補助ポンプセル50においては、補助ポンプ電極51と外側ポンプ電極23との間に、センサ素子101外部に備わる可変電源46を通じて所望の電圧Vp1を印加することにより、第2内部空所40内の雰囲気中の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間から第2内部空所40内に汲み入れることが可能となっている。
In the auxiliary pump cell 50, a desired voltage Vp1 is applied between the
また、第2内部空所40内における雰囲気中の酸素分圧を制御するために、補助ポンプ電極51と、基準電極42と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル81が構成されている。
Further, in order to control the oxygen partial pressure in the atmosphere in the second
なお、この補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル81にて検出される起電力V1に基づいて電圧制御される可変電源52にて、補助ポンプセル50がポンピングを行う。これにより第2内部空所40内の雰囲気中の酸素分圧は、NOxの測定に実質的に影響がない低い分圧にまで制御されるようになっている。
The auxiliary pump cell 50 performs pumping by the
また、これとともに、そのポンプ電流Ip1が、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80の起電力の制御に用いられるようになっている。具体的には、ポンプ電流Ip1は、制御信号として主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80に入力され、その起電力V0が制御されることにより、第3拡散律速部30から第2内部空所40内に導入される被測定ガス中の酸素分圧の勾配が常に一定となるように制御されている。NOxセンサとして使用する際は、主ポンプセル21と補助ポンプセル50との働きによって、第2内部空所40内での酸素濃度は約0.001ppm程度の一定の値に保たれる。
At the same time, the pump current Ip1 is used to control the electromotive force of the oxygen partial pressure
測定用ポンプセル41は、第2内部空所40内において、被測定ガス中のNOx濃度の測定を行う。測定用ポンプセル41は、第2内部空所40に面する第1固体電解質層4の上面(第2主面)であって第3拡散律速部30から離間した位置に設けられた測定電極44と、外側ポンプ電極23と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4とによって構成された電気化学的ポンプセルである。
The
測定電極44は平面視ほぼ矩形状の多孔質サーメット電極である。測定電極44は、第2内部空所40内の雰囲気中に存在するNOxを還元するNOx還元触媒としても機能する。さらに、測定電極44は、第4拡散律速部45によって被覆されてなる。
The
第4拡散律速部45は、アルミナ(Al2O3)を主成分とする多孔体にて構成される膜である。第4拡散律速部45は、測定電極44に流入するNOxの量を制限する役割を担うとともに、測定電極44の保護層としても機能する。
The fourth diffusion rate-determining
測定用ポンプセル41においては、測定電極44の周囲の雰囲気中における窒素酸化物の分解によって生じた酸素を汲み出して、その発生量をポンプ電流Ip2(ポンプ電流Ip2は、ガスセンサ100において得られるセンサの出力の1つであり、以下、測定用ポンプセル41において、測定電極44の周囲の酸素を汲み出すことにより発生する電流Ip2を、センサ出力Ip2とも称する)として検出することができる。
In the
また、測定電極44の周囲の酸素分圧を検出するために、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、測定電極44と、基準電極42とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82が構成されている。測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82にて検出された起電力V2(以下、制御電圧V2とも称する)に基づいて可変電源46が制御される。
Further, in order to detect the oxygen partial pressure around the
第2内部空所40内に導かれた被測定ガスは、酸素分圧が制御された状況下で第4拡散律速部45を通じて測定電極44に到達することとなる。測定電極44の周囲の被測定ガス中の窒素酸化物は還元されて(2NO→N2+O2)酸素を発生する。そして、発生した酸素は測定用ポンプセル41によってポンピングされることとなるが、その際、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82にて検出された制御電圧V2が一定となるように可変電源46の電圧Vp2が制御される。測定電極44の周囲において発生する酸素の量は、被測定ガス中の窒素酸化物の濃度に比例するものであるから、測定用ポンプセル41におけるポンプ電流Ip2を用いて被測定ガス中の窒素酸化物濃度が算出されることとなる。
The gas to be measured introduced into the second
また、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、外側ポンプ電極23と、基準電極42とから電気化学的なセンサセル83が構成されている。このセンサセル83によって得られるVrefによりセンサ素子101外部の被測定ガス中の酸素濃度を検出可能となっている。
The second
このような構成を有するガスセンサ100においては、主ポンプセル21と補助ポンプセル50とを作動させることによって酸素分圧が常に一定の低い値(NOxの測定に実質的に影響がない値)に保たれた被測定ガスが測定用ポンプセル41に与えられる。したがって、被測定ガス中のNOxの濃度に略比例して、NOxの還元によって発生する酸素が測定用ポンプセル41より汲み出されることによって流れるポンプ電流Ip2に基づいて、被測定ガス中のNOx濃度を知ることができるようになっている。
In the
さらに、センサ素子101は、固体電解質の酸素イオン伝導性を高めるために、センサ素子101を加熱して保温する温度調整の役割を担うヒータ部70を備えている。ヒータ部70は、ヒータ電極71と、ヒータ72と、スルーホール73と、ヒータ絶縁層74と、圧力放散孔75とを備えている。
Furthermore, the
ヒータ電極71は、第1基板層1の下面に接する態様にて形成されてなる電極である。ヒータ電極71を外部電源と接続することによって、外部からヒータ部70へ給電することができるようになっている。
The
ヒータ72は、第2基板層2と第3基板層3とに上下から挟まれる態様にて形成される電気抵抗体である。ヒータ72は、スルーホール73を介してヒータ電極71と接続されており、該ヒータ電極71を通して外部より給電されることにより発熱し、センサ素子101を形成する固体電解質の加熱と保温を行う。
The
また、ヒータ72は、第1内部空所20から第2内部空所40の全域に渡って埋設されており、センサ素子101全体を上記固体電解質が活性化する温度に調整することが可能となっている。
The
ヒータ絶縁層74は、ヒータ72の上下面に、アルミナ等の絶縁体によって形成されてなる絶縁層である。ヒータ絶縁層74は、第2基板層2とヒータ72との間の電気的絶縁性、および、第3基板層3とヒータ72との間の電気的絶縁性を得る目的で形成されている。
The
圧力放散孔75は、第3基板層3を貫通し、基準ガス導入空間43に連通するように設けられてなる部位であり、ヒータ絶縁層74内の温度上昇に伴う圧力上昇を緩和する目的で形成されている。
The
<測定電極と基準電極の位置関係>
次に、測定電極44と基準電極42との位置関係ついて説明する。センサ素子101においては、上述したように、固体電解質の活性化等を目的としてセンサ素子101を加熱して保温するためのヒータ部70が形成されている。また、センサ素子101の一先端部には被測定ガスをセンサ素子101内部に取り込むためのガス導入口10が、他端部には大気等の基準ガスが取り込まれる基準ガス導入空間43が設けられている。このように、センサ素子101は、ヒータ部70の動作により所定の温度に加熱される一方で、ヒータ72の温度よりも通常低い温度である素子外部の被測定ガスや大気等の基準ガスとの接触がある。センサ素子101においては、ヒータ72や素子内部の被測定ガスの温度の違いによって、温度分布には偏り(温度勾配)が生じることとなる。
<Positional relationship between measurement electrode and reference electrode>
Next, the positional relationship between the
さらに、センサ素子101は、ジルコニア等を主成分とする固体電解質層(第1基板層1、第2基板層2、第3基板層3、第1固体電解質層4、スペーサ層5、および、第2固体電解質層6)、貴金属等の成分が含まれる測定電極44や基準電極42等の各電極、アルミナ等の絶縁体によって構成されるヒータ絶縁層74、さらにはセンサ素子101内部に形成される空間部(第1内部空所20や第2内部空所40、基準ガス導入空間43)などにより構成されており、これらの熱伝導率の違いもセンサ素子101内部の温度分布に偏りが生じる原因となっている。
Further, the
そして、素子内部の温度分布の偏りによって、各電極間(例えば、測定電極44と基準電極42との間)には温度差が生じることとなる。さらに、各電極間に生じた温度差によって、該電極間には熱起電力が生じる。
A temperature difference is generated between the electrodes (for example, between the
制御電圧V2は、測定電極44近傍の酸素濃度と基準ガス導入空間43より取り込まれ大気導入層48を通じて基準電極42に到達した(基準ガス)酸素濃度との差によって生じる起電力である。測定電極44近傍と基準電極42周囲との酸素濃度差が大きければ制御電圧V2は大きな値となり、該酸素濃度差が小さければ制御電圧V2は小さな値となる。そして、制御電圧V2が一定になるように可変電源46の電圧Vp2が制御され、測定用ポンプセル41によるポンピングが行われる。
The control voltage V2 is an electromotive force generated by the difference between the oxygen concentration in the vicinity of the
測定電極44と基準電極42との間に熱起電力が生じていると、測定電極44と基準電極42との間の酸素濃度差による起電力に、熱起電力が加わった電圧が制御電圧V2として検出されることとなる。このように検出された制御電圧V2は熱によって発生した起電力を含んでいるので、可変電源46によって電圧を一定にすると酸素濃度差によって生じる起電力は本来制御される起電力より低くなる。つまり測定電極44と基準電極42間の酸素濃度差は小さくなる。従って第2内部空所40では本来制御される酸素濃度より高くなる。そして、第2内部空所40の酸素濃度が高い状態では、NOxの還元反応が抑制されることとなる。特に、測定電極44近傍においては酸素濃度が高いので、NOxの還元反応が抑制されることとなる。また、制御電圧V2のうち熱起電力の割合が大きくなるにつれて、測定電極44におけるNOxの還元反応は抑制される程度は増すこととなる。
When a thermoelectromotive force is generated between the
以上のように、測定電極44と基準電極42との間に生じる熱起電力によってNOxの還元反応が抑制されるため、センサ出力(ポンプ電流Ip2)が低下してしまうので、センサの測定精度が低下してしまうこととなる。
As described above, since the reduction reaction of NOx is suppressed by the thermoelectromotive force generated between the
このようなセンサ出力の低下、および、センサ出力の低下による測定精度の低下を抑制するため、本発明においては、測定電極44と基準電極42との相対位置を好適なものとしている。すなわち、固体電解質層の積層方向からセンサ素子101を見たとき(第1基板層1側あるいは第2固体電解質層6側からセンサ素子101を見たとき)、測定電極44と基準電極42とが所定の程度の重なり(以下、単に重なりとも称する)有するように、これらの電極を配してなる。
In order to suppress such a decrease in sensor output and a decrease in measurement accuracy due to a decrease in sensor output, the relative position between the
図2は、測定電極44と基準電極42との重なりの様子を例示すべく示す、ガスセンサ100の図1におけるI−II断面説明図である。図2においては、第2固体電解質層6の上面に垂直な方向から見た、スペーサ層5に形成されてなる第2内部空所40を概略的に示している。また、図2では、第3基板層3と第1固体電解質層4とに挟まれる位置に形成される基準電極42を点線で示している。なお、第2内部空所40内の第4拡散律速部45および補助ポンプ電極51については図示を省略している。図2において示すように、係る実施の形態においては、測定電極44の面積より基準電極42の面積が大きい場合を例として説明する。
FIG. 2 is a cross-sectional explanatory diagram of the
図2に示すように、係るセンサ素子101においては、基準電極42と測定電極44とが重なりを有するように配設されてなる。図中の領域D1は、素子の積層方向からみたときの測定電極44と基準電極42とが重っている領域(重なり領域)を示す。重なり領域D1は、測定電極44に全面に対する重なりを示す。
As shown in FIG. 2, in the
なお、センサ素子101の幅方向に関しては、基準電極42と測定電極44とが重なりを有していれば、幅方向にずれても該電極間の熱起電力値の変化は小さいことが発明者によって確認されている。
Regarding the width direction of the
図2に示すように、測定電極44と基準電極42との重なりを有している構成、すなわち、重なり領域D1の面積が0ではない構成においては、測定電極44と基準電極42との温度差が、電極に重なりがない場合と比較してより小さくなるため熱起電力は抑制される。すなわち、熱起電力に起因したセンサ精度の低下を抑制することができる。
As shown in FIG. 2, in the configuration in which the
このように、本発明においては、測定電極44と基準電極42とが重なりを有するような位置に配設することによって、電極間の温度差をより小さくすることで熱起電力を小さなものとし、センサ出力変化を抑制している。
Thus, in the present invention, the thermoelectromotive force is reduced by reducing the temperature difference between the electrodes by disposing the
ここで、重なりの程度を示すパラメータ量として重なり率をR定義する。重なり率Rは、測定電極44の面積を面積S1とし、基準電極42において測定電極44と重なっている領域(重なり領域)の面積を面積S2として、以下の(式1)で定義される値である。
Here, R is defined as a parameter amount indicating the degree of overlap. The overlap rate R is a value defined by the following (formula 1), where the area of the
R=(S2/S1)×100 ・・・(式1)
すなわち、重なり率Rは、測定電極44の面積S1のうち基準電極42と重なっている領域の面積の割合を表す量であるといえる。例えば、係るセンサ素子101においては、図2に示す測定電極44と基準電極42との位置関係においては、重なり率Rは100%となる。
R = (S2 / S1) × 100 (Formula 1)
That is, it can be said that the overlapping rate R is an amount representing the ratio of the area of the area overlapping the
係るガスセンサ100において、高精度で所定ガス成分の濃度測定を行うためには、熱起電力は10mV程度以下であることが好ましい。そして、熱起電力が10mV以下であるためには、重なり率が約10%以上であることが好適である。より好ましくは、重なり率が50%以上であり、この場合、熱起電力は2mV程度になる。さらに好ましくは、重なり率が100%とすることである(図2に示すような位置関係に対応)。
In such a
なお、センサ素子101の厚さ方向に関しても、測定電極44と基準電極42との位置は近い方が温度差は小さくなることが確認されている。しかしながら、基準電極42を被覆する絶縁層(大気導入層48)や基準電極42自体の厚さ、さらには、測定用ポンプセル41を形成するために測定電極44と基準電極42との間には固体電解質の層を形成する必要があること等の制約があるため、これらと温度分布の関係を考慮したうえで厚さ方向の位置関係を決定する必要がある。
In addition, regarding the thickness direction of the
なお、基準電極42を基準ガス導入空間43側に移動させた場合や、基準電極42を大きくした場合は、センサの測定精度が低下することが発明者によって確認されている。
In addition, when the
以上のような構成のガスセンサ100においては、センサ素子101内部の温度分布の偏りによって生じる電極間の熱起電力を、電極の位置を好適なものとすることで抑制し、素子の温度上昇によって生じる素子内部の温度分布によるセンサ出力の影響を低減することができる。これにより、係るガスセンサ100においては、高い精度で所定ガスの濃度測定を行うことができるようになっている。
In the
<測定電極と基準電極との位置関係の別の例>
次に、測定電極44と基準電極42との位置関係の別の態様について説明する。図3は、測定電極44と基準電極42との重なりの様子を例示すべく示す図である。図3は、図1に示すガスセンサ100において、測定電極44と基準電極42との位置が図1および図2に示すものとは異なる態様のI−II断面図を示す。図3においては、基準電極42の位置が異なる以外は図1および図2に示すものと同様の構成である。
<Another example of the positional relationship between the measurement electrode and the reference electrode>
Next, another aspect of the positional relationship between the
図3においても、図2に示したのと同様、基準電極42と測定電極44とが重なりを有するように配設されてなる。図中の領域D2は、素子の積層方向から見たときの測定電極44と基準電極42とが重なっている領域を示す。図3においても、測定電極44の面積より基準電極42の面積が大きく、重なり領域D2は、測定電極44の第2固体電解質層6側の面の一部領域となっている。
Also in FIG. 3, as shown in FIG. 2, the
図3に示すような重なりの態様であっても、測定電極44と基準電極42とは、重なりを有しているので、素子内部の温度分布の偏りによってこれら電極間に生じる温度差を低減することができる。
Even in the overlap mode as shown in FIG. 3, the
<変形例>
係る実施の形態においては、ヒータ72(およびこれを含むヒータ部70)が一体形成されているセンサ素子101について説明したが、本発明の適用はこれに限られるものではない。本発明は、ヒータが別体に形成されているセンサ素子についても適用可能であり、この場合においても、ヒータの加熱および保温により測定電極と基準電極との間の温度差および該温度差に起因した熱起電力を低減し、該熱起電力によるセンサ出力への影響を抑制することができる。
<Modification>
In this embodiment, the
また、測定電極44および基準電極42が平面矩形状のサーメット電極である場合について説明したが、これらの電極の形状は平面矩形状に限られるものではない。
Moreover, although the case where the
また、NOx濃度を測定するガスセンサ100(およびセンサ素子101)について説明したが、本発明の適用はNOxを濃度測定の対象ガス成分とする場合に限られるものではなく、酸素および酸化物気体を濃度測定の対象ガス成分とする場合においても適用可能である。この場合についても、上述した実施の形態と同様に、熱起電力に起因した測定精度の低下を抑制することができる。 Further, the gas sensor 100 (and sensor element 101) for measuring the NOx concentration has been described. However, the application of the present invention is not limited to the case where NOx is a target gas component for concentration measurement, and oxygen and oxide gases are concentrated. The present invention can also be applied to the case where the measurement target gas component is used. Also in this case, similarly to the embodiment described above, it is possible to suppress a decrease in measurement accuracy due to the thermoelectromotive force.
また、測定電極44の面積が基準電極42の面積よりも小さい場合について説明したが、測定電極44と基準電極42との面積の大小関係はこれに限られるものではない。
Further, although the case where the area of the
(実施例)
実施例として、空間にガスセンサ100を配し、ヒータ部70によってセンサ素子101を約800℃に加熱し保温したうえで、測定電極44と基準電極42との間に生じる熱起電力の値を測定した。なお、熱起電力の測定は、複数のガスセンサ100(試験センサ1ないし8)に対して行った。全ての試験センサを乾燥空気8L/minの条件下で試験した。
(Example)
As an example, the
熱起電力の測定には、測定電極44と基準電極42との位置関係が以下に示すものを用いた。基準電極42の重心は、ガス導入口10側の素子先端部から基準ガス導入空間43側の素子他端部へ長手方向に8.0mmの位置にある。また、基準電極42の積層方向から見た面積は6.0×10−3cm2である。測定電極44の重心は、ガス導入口10側の素子先端部から基準ガス導入空間43側の素子他端部へ長手方向に8.05mmの位置にある。すなわち基準電極42の重心は、測定電極44の重心位置からガス導入口10側の素子先端部側の長手方向に0.05mmの位置にある(以後、重心位置Cと表記する)。測定電極44の積層方向からみた面積は4.0×10−3cm2である。また、基準電極42と測定電極44との重なり領域の面積は3.1×10−3cm2であり、すなわち、重なり率Rが77%であるセンサ素子を用いて試験を行った。なお、測定電極44と基準電極42の重心位置との幅方向の距離は1.3mmの範囲内であるものを用いた。
For the measurement of the thermoelectromotive force, the positional relationship between the
(比較例)
一方、比較例としては、実施例と同様に、空間にガスセンサ100を配し、ヒータ部70によってセンサ素子101を約800℃に加熱し保温したうえで、基準電極42の重心位置を測定電極44の重心から素子のガス導入口10側へ長手方向に1.2mm、4.0mm(以後、重心位置B、Cと表記する)移動させたときの各位置における基準電極42と測定電極44の間の熱起電力の値を測定した。熱起電力の測定は、実施例に係る試験センサ1ないし8と同様のものを用いて行った。また、実施例と同様に試験センサを乾燥空気8L/minの条件下で試験した。
(Comparative example)
On the other hand, as a comparative example, similarly to the embodiment, the
(実施例と比較例の比較)
上述のような試験センサ1ないし8において測定した、測定電極44と、基準電極42の重心位置A、B、C間に生じる熱起電力の結果を表1として示す。
(Comparison of Example and Comparative Example)
Table 1 shows the results of the thermoelectromotive force generated between the
表1は、試験センサ1〜8について、測定電極44と基準電極42の重心位置A、B、Cの間の熱起電力と、測定電極44の重心から基準電極42の重心位置A、B、Cの距離との関係を示す表である。また、測定電極44については、基準電極42との重なりがあるため、重なり率Rについても示しており、重なり率Rは77.0%である。
Table 1 shows, for the test sensors 1 to 8, the thermoelectromotive force between the center positions A, B, and C of the
表1に示すように、測定電極44の重心をガス導入口10側の長手方向へ移動させるにつれて、これら電極間に生じる熱起電力の値は大きくなることが確認できた。すなわち、第1内部空所20から第2内部空所40に至る領域において、測定電極44からの位置が遠くなるほど徐々に熱起電力の値が大きくなっていくことが確認された。
As shown in Table 1, it was confirmed that the value of the thermoelectromotive force generated between these electrodes increases as the center of gravity of the
また、測定電極44と基準電極42の重心位置Aとの間(重なり率77.0%)に生じる熱起電力の大きさは、測定電極44の重心位置B、Cの間に生じる熱起電力の大きさに比べて非常に小さなものとなっている。特に、重なりを有している測定電極44と基準電極42との間生じる熱起電力は、10mV程度以下となった。ガスセンサにおいて高い測定精度を得るためには、測定電極44と基準電極42との間に生じる熱起電力の大きさが10mV程度以下であることが望ましい。
The magnitude of the thermoelectromotive force generated between the
表2は、上述の表1にて示した結果のうち、測定電極44と基準電極42の重心位置A、B、Cの間に生じる熱起電力の結果を抜き出し、試験センサ1ないし8の熱起電力の平均値を算出した値を示す。
Table 2 extracts the result of the thermoelectromotive force generated between the gravity center positions A, B, and C of the
表2に示すように、試験センサ1ないし8の熱起電力の平均値は基準電極42の重心位置Bでは12mV、基準電極42の重心位置Aでは1.5mVである。一方、上述したように、測定電極44と基準電極と42とは重なり率Rが77.0%である。
As shown in Table 2, the average value of the thermoelectromotive force of the test sensors 1 to 8 is 12 mV at the centroid position B of the
図4は、上記の重なり率Rと熱起電力の平均値との関係を示す図である。重なり率Rが0%の基準電極42の重心位置Bと測定電極44の間の熱起電力の平均値と比較して、重なり率Rが77.0%の基準電極42の重心位置Aと測定電極44の間の熱起電力の平均値の方が小さくなることが確認された。また、重なり率が大きくなるにともなって熱起電力の値は徐々に減少していくことが発明者によって確認されている。
FIG. 4 is a diagram showing the relationship between the overlap ratio R and the average value of the thermoelectromotive force. Compared with the average value of the thermoelectromotive force between the center of gravity position B of the
1 第1基板層
2 第2基板層
3 第3基板層
4 第1固体電解質層
5 スペーサ層
6 第2固体電解質層
41 測定用ポンプセル
42 基準電極
44 測定電極
70 ヒータ部
100 ガスセンサ
101 センサ素子
Ip2 ポンプ電流
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 1st board |
Claims (3)
前記センサ素子は、
所定の固体電解質層の第1主面側に設けられ、前記所定ガス成分の濃度測定に際して、酸素濃度の基準とする基準ガスと接触する基準電極と、
前記固体電解質層の第2主面側に設けられ、前記所定ガス中の酸化物気体成分を還元可能な測定電極と、
を備え、
前記基準電極と前記測定電極との電位差を制御指標としたセンサ出力が得られるとともに、
前記固体電解質層の厚さ方向から見たときに、前記測定電極と前記基準電極とは、互いの重心が幅方向にずれており、
前記固体電解質層の厚さ方向から見た前記測定電極の面積をS1とし、前記固体電解質層の厚さ方向から見て前記基準電極が前記測定電極と重なっている領域の面積をS2として、前記重なりの程度を表すパラメータである重なり率Rを、
R=(S2/S1)×100
で定義したとき、前記重なり率Rが10以上77以下である、
ことを特徴とするガスセンサ。 It has a sensor element composed mainly of a solid electrolyte having oxygen ion conductivity, and the sensor element is heated to a temperature at which the solid electrolyte is activated and kept warm, and then the oxygen ion conductivity of the solid electrolyte is increased. A gas sensor that detects a current flowing through the solid electrolyte according to a concentration of a predetermined gas component in a gas to be measured,
The sensor element is
A reference electrode provided on a first main surface side of a predetermined solid electrolyte layer, and in contact with a reference gas serving as a reference for oxygen concentration when measuring the concentration of the predetermined gas component;
A measurement electrode provided on the second main surface side of the solid electrolyte layer and capable of reducing an oxide gas component in the predetermined gas;
With
While obtaining a sensor output using the potential difference between the reference electrode and the measurement electrode as a control index,
When viewed from the thickness direction of the solid electrolyte layer, the measurement electrode and the reference electrode, the center of gravity of each other is shifted in the width direction,
The area of the measurement electrode viewed from the thickness direction of the solid electrolyte layer is S1, and the area of the region where the reference electrode overlaps the measurement electrode when viewed from the thickness direction of the solid electrolyte layer is S2. The overlapping rate R, which is a parameter representing the degree of overlapping,
R = (S2 / S1) × 100
When defined by the above, the overlapping rate R is 10 or more and 77 or less,
A gas sensor characterized by that.
前記重なり率Rが50以上77以下である、
ことを特徴とするガスセンサ。 The gas sensor according to claim 1,
The overlap ratio R is 50 or more and 77 or less,
A gas sensor characterized by that.
前記所定のガス成分が窒素酸化物であり、前記センサ素子がジルコニアを主成分として構成されることを特徴とするガスセンサ。 The gas sensor according to claim 1 or 2,
The gas sensor, wherein the predetermined gas component is nitrogen oxide, and the sensor element is mainly composed of zirconia.
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