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JP2013133483A - 高強度高加工性缶用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高強度高加工性缶用鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、引張強度が550MPa以上の強度を有し、かつ全伸びが10%以上である高強度高加工性缶用鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.020%以上0.100%以下、Si:0.100%以下、Mn:0.10%以上0.80%以下、P:0.10%超え0.30%以下、S:0.001%以上0.020%以下、Al:0.005%以上0.100%以下、N:0.0250%超え0.0350%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、結晶粒の展伸度が2.00以下であり、引張強度が550MPa以上で、全伸びが10%以上である高強度高加工性缶用鋼板。
【選択図】なし

Description

本発明は、高強度であり、かつ、高い加工性を有する缶用鋼板およびその製造方法に関するものである。
飲料缶や食缶に用いられる鋼板のうち、蓋や底、3ピース缶の胴、絞り缶などには、DR(Double−Reduce)材と呼ばれる鋼板が用いられる場合がある。焼鈍の後に再度冷間圧延を行うDR材は、圧延率の小さい調質圧延のみを行うSR(Single−Reduce)材に比べて板厚を薄くすることが容易であり、薄い鋼板を用いることにより製缶コストを低減することが可能となる。
DR材を製造するDR法は焼鈍後に冷間圧延を施すことで加工硬化が生じるため、薄くて硬い鋼板を製造することができる。しかし、その反面、DR法により製造されたDR材は延性に乏しいため、SR材に比べて加工性が劣る。
また、飲料缶、食缶の蓋としては、EOE(Easy Open End)方式が広く使用されている。EOE方式で蓋を製造するに際しては、タブを取り付けるためのリベットを張り出し加工および絞り加工によって成形する必要があり、この加工に要求される材料の延性は、引張試験における約10%の伸びに相当する。
また、3ピース飲料缶の胴材は、筒状に成形された後、蓋や底を巻き締めるために両端にフランジ加工を施される。そのため、この際の缶胴端部にも約10%の伸びが要求される。
一方で、製缶素材としての鋼板は板厚に応じた強度が必要とされ、DR材の場合は薄くすることによる缶強度を確保するために、約550MPa以上の引張強度が必要とされる。
従来用いられてきたDR材では、上記のような延性と強度を両立することは困難であり、EOE方式の蓋や飲料缶の胴材にはSR材が用いられてきた。しかし、現在、コスト低減の観点から、EOE方式の蓋や飲料缶の胴材に対してDR材を適用する要求が高まっている。さらに、DR材を2ピース缶胴に用いる要求も出ている。
これらを受けて、特許文献1には、質量%で、C:0.02%超0.10%以下、Si:0.10%以下、Mn:1.5%以下、P:0.20%以下、S:0.20%以下、Al:0.10%以下、N:0.0120〜0.0250%を含有し、かつ該Nのうち固溶Nとして0.0100%以上を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる低炭材を用い、スラブ抽出温度を1200℃以上としてスラブ鋳造時に生じたAlNを分解させ、熱延コイルを650℃以下で巻き取りAlNの析出を抑制させることにより、冷延鋼板の固溶N量の絶対量を一定以上確保し、さらに、塗装焼付処理後の時効硬化によって、2次冷間圧延することなく、あるいは低圧下率の2次冷間圧延を行うことにより、生産性を高くした高強度缶用鋼板および製造方法が開示されている。
特許文献2には、P成分を用いて硬質化することで2回目の冷間圧延での圧下率を低くすることを可能とし、引張強度TSが500MPa以上で、かつ板幅方向と圧延方向の耐力差が40MPa以下であり、さらに、加工性に優れた容器用鋼板とその製造方法が開示されている。
特開2009−263788号公報 特開2009−263789号公報
しかしながら、上記従来技術は、いずれも以下のような問題点を抱えている。
特許文献1に記載の製造方法では、Nが0.0120〜0.0250%と低いため、二次冷間圧延が5〜10%未満の低圧下率では、550MPa以上の十分な強度が得られず、高強度化に対応することが難しい。また、固溶N量を0.0100%以上確保するために、スラブ抽出温度を1200℃以上としてスラブ鋳造時に生じたAlNを分解させる必要があり、高温に加熱するための昇熱時間が余分にかかり、スケール欠陥などが発生し安定して製造することが出来ない。
特許文献2に記載の製造方法では、Pが0.1%以下と低いため、二次冷間圧延が5〜10%未満の低圧下率では、十分な強度が得られず、高強度化に対応することが難しい。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、引張強度が550MPa以上の強度を有し、かつ全伸びが10%以上であり、強度および加工性に優れた缶用鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、以下の知見を得た。
高強度材で加工性を確保するには、適切な量のCを添加して強度を付与しつつ、適切な量のNおよびPを添加し、二次冷間圧延率を適切な範囲に制御して加工硬化させることで、強度と加工性とを両立することが可能である。
また、熱間圧延後の巻き取り温度が高いと、析出するセメンタイトが粗大となり、局部伸びが低下するため、巻き取り温度も適切な温度範囲に制御する必要がある。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]質量%で、C:0.020%以上0.100%以下、Si:0.100%以下、Mn:0.10%以上0.80%以下、P:0.10%超え0.30%以下、S:0.001%以上0.020%以下、Al:0.005%以上0.100%以下、N:0.0250%超え0.0350%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、結晶粒の展伸度が2.00以下であり、引張強度が550MPa以上で、全伸びが10%以上であることを特徴とする高強度高加工性缶用鋼板。
[2]質量%で、C:0.020%以上0.100%以下、Si:0.100%以下、Mn:0.10%以上0.80%以下、P:0.10%超え0.30%以下、S:0.001%以上0.020%以下、Al:0.005%以上0.100%以下、N:0.0250%超え0.0350%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼を連続鋳造によりスラブとし、Ar3変態点以上の仕上げ温度で熱間圧延を行った後に650℃以下の温度で巻き取り、次いで、80%以上の圧延率で一次冷間圧延を行い、さらに5%以上10%未満の圧延率で二次冷間圧延を行うことを特徴とする高強度高加工性缶用鋼板の製造方法。
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%は、すべて質量%である。また、本発明の高強度高加工性缶用鋼板において、高強度とは引張強度(TS)550MPa以上、高加工性とは全伸び10%以上をいう。
本発明によれば、引張強度が550MPa以上でかつ全伸びが10%以上の高強度高加工性缶用鋼板を得ることができる。その結果、鋼板の加工性向上により、EOE方式で蓋を製造する際のリベット加工時や3ピース缶のフランジ加工時に割れを生じず、板厚の薄いDR材による製缶が可能となり、缶用鋼板の大幅な薄肉化が達成される。また、製造条件を適切な範囲に制御して加工硬化させるため、生産安定性にも優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の缶用鋼板は、引張強度が550MPa以上でかつ全伸びが10%以上の高強度高加工性缶用鋼板である。そして、このような鋼板は、0.020%以上0.100%以下のCを含有し、0.0250%超え0.0350%以下のNを含有し、0.10%超え0.30%以下のPを含有する鋼を用いてその他の成分も本願請求の範囲とすることで、可能となる。また、熱間圧延後の巻き取り温度および二次冷間圧延率を適正な条件に設定することにより、製造することが可能となる。
本発明の缶用鋼板の成分組成について説明する。
C:0.020%以上0.100%以下
本発明において、重要な要件である。Cは、二次冷間圧延率を抑えて伸びを確保する一方、含有量を高めとすることで高強度化に寄与する。C量が0.100%を超えると過剰に硬質となり、加工性を確保したまま二次冷間圧延で薄い鋼板を製造することが不可能となる。したがって、C量の上限は0.100%とする。一方、C量が0.020%未満であると、鋼板の薄肉化による顕著な経済効果を得るために必要な引張強度550MPa以上が得られない。したがって、C量の下限は0.020%とする。
Si:0.100%以下
Si量が0.100%を超えると、表面処理性の低下、耐食性の劣化等の問題を引き起こすので、上限は0.100%とする。
Mn:0.10%以上0.80%以下
Mnは、Sによる熱間圧延中の赤熱脆性を防止し、結晶粒を微細化する作用を有し、望ましい材質を確保する上で必要な元素である。さらに、薄肉化した材料で缶強度確保のため必要とされる強度を得るためにも必要な元素である。このような効果を得るためには、Mn量の下限は0.10%とする。一方、Mnを多量に添加し過ぎると、耐食性が劣化し、また鋼板が過剰に硬質化するので、上限は0.80%とする。
P:0.10%超え0.30%以下
Pは、鋼を硬質化させ、加工性を悪化させると同時に、耐食性をも悪化させる有害な元素である。そのため、上限は0.30%とする。一方、P量が0.10%以下では、引張強度550MPa以上を得ることが出来ない。そのため、下限は0.10%とする。
S:0.001%以上0.020%以下
Sは、鋼中で介在物として存在し、延性の低下、耐食性の劣化をもたらす有害な元素である。そのため、上限は0.020%とする。一方、S量を0.001%未満とするには脱硫コストが過大となる。よって、下限は0.001%とする。
Al:0.005%以上0.100%以下
Alは、製鋼時の脱酸材として必要な元素である。Alが少ないと、脱酸が不十分となり、介在物が増加し、加工性が劣化する。Al量が0.005%以上であれば十分に脱酸が行われている。したがって、下限0.005%とする。一方、Al量が0.100%を超えると、アルミナクラスターなどに起因する表面欠陥の発生頻度が増加する。したがって、上限は0.100%とする。
N:0.0250%超え0.0350%以下
Nは多量に添加すると、熱間延性が劣化し、連続鋳造においてスラブの割れが発生する。よって、上限は0.0350%とする。なお、N量が0.0250%以下では引張強度550MPa以上が得られない。このため、下限は0.0250%とする。
残部はFeおよび不可避的不純物とする。
次に、本発明の缶用鋼板の機械的性質について説明する。
引張強度は550MPa以上とする。引張強度が550MPa未満であると、製缶素材としての鋼板の強度を確保するために、顕著な経済効果が得られるほど鋼板を薄くすることができない。よって、引張強度は550MPa以上とする。
全伸び(破断伸び)は10%以上とする。全伸びが10%未満であると、例えばEOE方式に適用した場合のリベット加工の際に割れを生じる。例えば、3ピース缶胴に適用した場合のフランジ加工の際に割れを生じる。したがって、全伸びは10%以上とする。
上記引張強度および上記全伸びは「JIS Z 2241」に示される金属材料引張試験方法により測定することができる。
次に、本発明の缶用鋼板の結晶粒について説明する。
圧延方向断面における結晶粒の展伸度は2.00以下とする。展伸度とは、「JIS G 0202」に示されるように、加工によってフェライト結晶粒が展伸された度合いを表す値である。圧延方向断面における結晶粒の展伸度が2.00を超えると、フランジ加工性やネック加工性に重要な圧延直角方向の伸びが不足する。
また、圧延方向断面における平均結晶粒径は5μm以上が好ましい。本発明の缶用鋼板の最終的な機械的性質には結晶粒の状態が影響する。圧延方向断面における平均結晶粒径が5μm未満であると、鋼板の伸びが不足し、加工性を損なう場合がある。
なお、上記圧延方向断面における結晶粒の展伸度および上記圧延方向断面における平均結晶粒径は、「JIS G 0551」に示される結晶粒度の顕微鏡試験方法により測定することができる。
また、圧延方向断面における結晶粒の展伸度および上記圧延方向断面における平均結晶粒径は、DR率により、調整することができる。
次に、本発明の缶用鋼板の製造方法について説明する。
本発明の高強度高加工性缶用鋼板は、連続鋳造によって製造された上記組成からなる鋼スラブを用い、Ar3変態点以上の仕上げ温度で熱間圧延を行った後に650℃以下の温度で巻き取り、次いで、80%以上の圧延率で一次冷間圧延を行い、次いで、5%以上10%未満の圧延率で二次冷間圧延を行うことで製造される。
通常は一回の冷間圧延のみでは顕著な経済効果が得られるような薄い板厚とすることは困難である。すなわち、一回の冷間圧延で薄い板厚を得るには圧延機への負荷が過大となり、設備能力によっては困難である。例えば、最終板厚を0.14mmとする場合には、熱間圧延後の板厚を1.8mmとすると、92.2%と大きな一次冷間圧延率が必要となる。また、冷間圧延後の板厚を小さくするために熱間圧延の段階で通常よりも薄く圧延することも考えられるが、熱間圧延の圧延率を大きくすると、圧延中の鋼板の温度低下が大きくなり、所定の仕上げ圧延温度が得られなくなる。さらに、焼鈍前の板厚を小さくすると、連続焼鈍を施す場合は、焼鈍中に鋼板の破断や変形等のトラブルが生じる可能性が大きくなる。これらの理由により、本発明においては焼鈍後に二回目の冷間圧延を施し、極薄の鋼板を得ることが好ましい。
仕上げ温度:Ar3変態点以上
仕上げ温度がAr3変態点未満であると、熱延時にフェライトが生成し熱延板の組織が粗大化して、製品の強度の低下などに影響がでる。よって、仕上げ温度はAr3変態点以上であることが好ましい。
巻き取り温度:650℃以下
熱間圧延後の巻き取り温度が650℃超えであると、形成するパーライト組織が粗大となり、これが脆性破壊の起点となるために局部伸びが低下して10%以上の全伸びが得られない。よって、熱間圧延後の巻き取り温度は650℃以下とする。
一次冷間圧延率:80%以上
一次冷間圧延率が小さい場合、最終的に極薄の鋼板を得るために熱間圧延と二次冷間圧延の圧延率を大きくする必要がある。熱間圧延率を大きくすることは上述の理由から好ましくなく、二次冷間圧延率は後述する理由により制限する必要がある。以上の理由により、一次冷間圧延率を80%未満とすると極薄の鋼板の製造が困難となるため、一次冷間圧延率は80%以上とする。
焼鈍条件は特に限定しないが、焼鈍により再結晶が完了する必要がある。製造コストの観点から連続焼鈍法を用いるのが好ましい。
二次冷間圧延率:5%以上10%未満
二次冷間圧延率は10%未満とする。二次冷間圧延率を10%以上とすると、二次冷間圧延による加工硬化が過大となり、10%以上の全伸びが得られなくなる。一方、二次冷間圧延率が5%未満の場合は、圧延中に鋼板のスリップが起こるなどの圧延の不具合が発生する。よって、5%以上とする。
二次冷間圧延以降は、めっき等の工程を常法通り行い、缶用鋼板として仕上げる。
表1に示す成分組成を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼を実機転炉で溶製し、連続鋳造法により鋼スラブを得た。得られた鋼スラブを1210℃で再加熱した後、Ar3変態点以上の仕上げ温度で熱間圧延し、表2に示す条件で一次冷間圧延を施した。熱間圧延の仕上げ圧延温度は890℃とし、圧延後には酸洗を施している。次いで、均熱温度680℃、均熱時間20秒の連続焼鈍および表2に示す条件で二次冷間圧延を施した。得られた鋼板にSnめっきを両面に連続的に施して、片面Sn付着量2.8g/mのぶりきを得た。
Figure 2013133483
以上により得られためっき鋼板(ぶりき)に対して、210℃、10分の塗装焼付け相当の熱処理を行った後、引張試験を行った。引張試験は、JIS5号サイズの引張試験片を用いて、引張速度10mm/minで引張強度(破断強度)および全伸び(破断伸び)を測定した。
また、めっき鋼板のサンプルを採取し、圧延方向断面における、平均結晶粒径および結晶粒の展伸度を測定した。圧延方向断面における平均結晶粒径および結晶粒の展伸度は、鋼板の垂直断面を研磨しナイタルエッチングにより粒界を現出させた上で、「JIS G 0551」に記載の直線試験線による切断法により測定した。
耐圧強度の測定は、0.182mmのサンプルを63mmΦの蓋に成形したのち、63mmΦの溶接缶胴に巻締めて取り付け、缶内部に圧縮空気を導入し、缶蓋が変形したときの圧力を測定した。内部の圧力が0.2MPaの時に缶蓋が変形しなかったものを○、0.2MPa未満で缶蓋が変形したものを×とした。加工性は、JIS 7729に規定された試験機を用いて、JIS Z 2247に規定された方法で試験を実施した。エリクセン値(貫通割れ発生時の成形高さ)が6mm以上を○、6mm未満を×とした。
以上により得られた結果を、製造条件と併せて、表2に示す。
Figure 2013133483
表1および2より、本発明例であるNo.7は耐圧強度に優れており、極薄の缶用鋼板として必要な引張強度550MPa以上を達成している。また、加工性にも優れており、蓋や3ピース缶胴の加工に必要な10%以上の全伸びを有している。
一方、比較例のNo.1は、C含有量が少なすぎるため、引張強度が不足している。No.2は、C含有量が多すぎるため、全伸びが不足している。No.3は、P含有量が少なすぎるため、引張強度が不足している。No.4は、P含有量が多すぎるため、全伸びが不足している。No.5は、N含有量が少なすぎるため、引張強度が不足している。No.6は、N含有量が多すぎるため、全伸びが不足している。比較例のNo.8は、巻き取り温度が高すぎるため、平均結晶粒径が大きく、固溶Cがカーバイドとして析出し軟質化するため、引張強度が不足している。比較例のNo.9は、二次冷間圧延率が大きすぎるため、展伸度が大きく、加工による硬化のため、全伸びが不足している。
本発明の缶用鋼板は、550MPa以上の引張強度、10%以上の全伸びを有し、薄い板厚にて得ることが可能である。そのため、缶蓋、缶底、3ピース缶胴、2ピース缶胴等の材料として最適である。

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.020%以上0.100%以下、Si:0.100%以下、Mn:0.10%以上0.80%以下、P:0.10%超え0.30%以下、S:0.001%以上0.020%以下、Al:0.005%以上0.100%以下、N:0.0250%超え0.0350%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、結晶粒の展伸度が2.00以下であり、引張強度が550MPa以上で、全伸びが10%以上であることを特徴とする高強度高加工性缶用鋼板。
  2. 質量%で、C:0.020%以上0.100%以下、Si:0.100%以下、Mn:0.10%以上0.80%以下、P:0.10%超え0.30%以下、S:0.001%以上0.020%以下、Al:0.005%以上0.100%以下、N:0.0250%超え0.0350%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼を連続鋳造によりスラブとし、Ar3変態点以上の仕上げ温度で熱間圧延を行った後に650℃以下の温度で巻き取り、次いで、80%以上の圧延率で一次冷間圧延を行い、さらに5%以上10%未満の圧延率で二次冷間圧延を行うことを特徴とする高強度高加工性缶用鋼板の製造方法。
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