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JP2013130789A - 感光性着色組成物及びそれを用いたカラーフィルタ - Google Patents

感光性着色組成物及びそれを用いたカラーフィルタ Download PDF

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JP2013130789A JP2011281424A JP2011281424A JP2013130789A JP 2013130789 A JP2013130789 A JP 2013130789A JP 2011281424 A JP2011281424 A JP 2011281424A JP 2011281424 A JP2011281424 A JP 2011281424A JP 2013130789 A JP2013130789 A JP 2013130789A
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photosensitive coloring
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Noriko Asahi
▲徳▼子 旭
Satoshi Okuma
聡 大熊
Eiji Aoki
英士 青木
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Abstract

【課題】透明電極を有するカラーフィルタにおいて透明電極のシワあるいはクラックが発生せず、広色度域と耐熱性を両立することができるカラーフィルタ用感光性着色組成物およびカラーフィルタを提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも、(a)透明樹脂、(b)光重合性モノマー、(c)光重合開始剤、(d)着色剤、(e)溶剤を含有し、(a)透明樹脂が熱可塑性樹脂を含み、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が150℃〜250℃であって、40℃から200℃の間で少なくとも3点以上応力値を測定し、横軸に温度、縦軸に応力をプロットしたときの傾きの絶対値が0.1以下であることを特徴とする感光性着色組成物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタに使用される感光性着色組成物、およびこれを用いたカラーフィルタに関する。
近年、テレビはもちろんコンピュータ端末やモバイル端末でもテレビ画像が配信されるようになったこと、また、地上デジタル放送開始などの影響に伴い、全てのアプリケーションで従来のテレビ規格同等またはそれ以上の画質要求が数多くあり、あらゆる液晶表示装置において広色度域、高精細、高コントラスト、高速応答性、高輝度などが求められている。なかでもスマートフォンを始めとするモバイル端末に使用される液晶表示装置において、高精細化と広色度域化が求められ、該液晶表示装置に用いるカラーフィルタにも高精細化と広色度域化が求められ、ブラックマトリックスの線幅を細くするなどの工夫がなされている。
一般に、カラー液晶表示装置に用いられているカラーフィルタの上には、一般に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。透明電極には透明性、抵抗率の低さなどの観点からITO(インジウムドープ酸化スズ)が一般的に用いられる。これらの透明電極および配向膜の性能を充分に得るには、その形成工程を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。
しかしながら、このようにカラーフィルタを作製した場合、高温での処理において透明電極にシワまたはクラックが起こることがある。特に、ブラックマトリックスの線幅が細いカラーフィルタにおいては、着色画素同士の重なり部分においてクラックが発生しやすい。透明電極にシワやクラックが発生した場合、発生箇所の局所的な抵抗率が高くなり、残像等の問題が生じたり、また透明電極のシワやクラックに追随して、液晶は配向膜にシワやクラックが発生し、液晶の配向が乱れることで表示時のコントラストの低下等の問題が生じ、液晶表示装置の表示品位が大きく低下する場合があった。
前述の加熱工程を経ても熱分解しにくい、感光性着色組成物用樹脂として、参考文献1には、シクロへキシルマレイミドを含む樹脂に提案がなされている。また、参考文献2には、着色剤にアルミニウムフタロシアニン顔料を含む着色組成物において、含有する熱可塑性樹脂のガラス転移温度が70℃〜170℃であることによって、耐熱性等に優れたカラーフィルタの提供を実現している。
さらに、耐熱性が弱い染料を着色剤に用いた、着色組成物において、特許文献3は含有するアルカリ可溶性バインダーのガラス転移温度および残存モノマー量を制御することによって、耐熱性に優れた組成物及びカラーフィルタを実現している。特許文献4は含有するバインダーに特徴的な構造を含み、かつ、ガラス転移温度を制御することで、耐熱性に優れた組成物及びカラーフィルタを実現している。
一方、特許文献5においては、イミド化後にガラス転移温度が270℃以上あることを特徴とした、ポリイミド前駆体混合物を有することによって、着色剤の昇華等を抑制した、カラーフィルタを提供している。
特許第3841497号 特開2011−057909号公報 特開2004−286810号公報 特許第4090292号 特開2009−05189号公報 特開平10−253821号公報 特開2000−329921号公報 特開平6−067015号公報
A.Brenner and S.Senderoff:J.Res.Natl.Bur.Stand.42,105(1949) 山寺秀哉 豊田中央研究所R&DレビューVol.34,No.1,19−24(1999)
本発明は以上のような事情の下になされ、透明電極を有するカラーフィルタにおいて透明電極のシワあるいはクラックが発生せず、広色度域と耐熱性を両立することができるカラーフィルタ用感光性着色組成物およびカラーフィルタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明物の請求項1に係る発明は、少なくとも、(a)透明樹脂、(b)光重合性モノマー、(c)光重合開始剤、(d)着色剤、(e)溶剤を含有し、(a)透明樹脂が熱可塑性樹脂を含み、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が150℃〜250℃であって、40℃から200℃の間で少なくとも3点以上応力値を測定し、横軸に温度、縦軸に応力をプロットしたときの傾きの絶対値が0.1以下であることを特徴とする感光性着色組成物である。
また、本発明物の請求項2に係る発明は、前記熱可塑性樹脂が、N−置換マレイミドを含む分子量3000〜150000の共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の感光性着色組成物である。
また、本発明物の請求項3に係る発明は、前記N−置換マレイミドがシクロへキシルマレイミドであることを特徴とする請求項2に記載の感光性着色組成物である。
また、本発明物の請求項4に係る発明は、前記着色剤が赤色の着色剤としてジケトピロロピロール顔料を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性着色組成物である。
また、本発明物の請求項5に係る発明は、透明基板上に、少なくともブラックマトリクスと、複数の透明着色フィルタセグメントと、透明電極とを備えるカラーフィルタであって、請求項1乃至4の何れかに記載の感光性着色組成物で製造された、フィルタセグメントの着色層の膜厚が2.0〜5.0μmであることを特徴とするカラーフィルタである。
また、本発明物の請求項6に係る発明は、請求項5に記載のカラーフィルタを用いたことを特徴とする表示装置である。
本発明によれば、透明電極を有するカラーフィルタにおいて透明電極のシワあるいはク
ラックが発生せず、広色度域と耐熱性を両立することができるカラーフィルタ用感光性着色組成物およびカラーフィルタを提供することができる。
曲率半径の測定方法の一実施形態である光てこ方法の装置の概念図を示す。 実施例での温度−応力の関係を示す。
以下、まず本発明を要約し、次いで材料面の詳細、感光性着色組成物の一般的製法、カラーフィルタ基板の製造方法、実施例の順に詳述する。
本発明に係る感光性着色組成物は、少なくとも、(a)透明樹脂、(b)光重合性モノマー、(c)光重合開始剤、(d)着色剤、(e)溶剤を含有するものである。また、分散剤、光増感剤、連鎖移動剤などの添加剤を含有するものであっても良い。
そして、感光性着色組成物中の透明樹脂が熱可塑性樹脂を含み、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が150℃〜250℃であって40℃から200℃の間で少なくとも3点以上応力値を測定し、横軸に温度、縦軸に応力をプロットしたときの傾きの絶対値が0.1以下であることを特徴とする。すなわち、上記の特性を有する熱可塑性樹脂を用いることにより、着色画素の膨張量を制御することができ、ITOのクラックを生じない。
本発明に用いる着色組成物に含む透明樹脂について、そのガラス転移温度が150℃から250℃であることが好ましい。より好ましくは180℃から250℃の範囲である。
ガラス転移温度とは低温では非晶質固体である物質が、温度上昇により、ある温度範囲で急激にその粘度が低下する、という変化である。この変化は熱平衡としての相転移ではなく、原子または分子のミクロな運動が急激に活発になるために生じる準安定な非平衡状態であり、ガラス転移温度の付近では比体積、膨張係数、比熱などが、顕著な折れ曲がりを示す。一般に、ガラス転移温度が高いほど熱安定性が高く、熱膨張係数が小さいことが知られており、本発明は、特定のガラス転移温度を有する樹脂を着色組成物に用いることで、カラーフィルタ用着色組成物の熱膨張を抑え、さらには、応力が小さく、画素のひずみが少ないカラーフィルタを提供する。
本発明に用いる着色組成物について、40℃から200℃の間で少なくとも3点以上応力値を測定し、横軸に温度、縦軸に応力をプロットしたときの傾きの絶対値が0.1以下である。但し、温度の単位は摂氏であり、応力の単位はMPaである。着色組成物の温度−応力の関係の測定は、非特許文献1、特許文献6、特許文献7に記載されているシリコン基板の曲率半径の変化を測定する方法を参考に応力を求める。
曲率半径の測定方法には触針式の測定器を用いる方法や、レーザーを用いた光てこ方法が挙げられるが、いずれの方法を用いても構わない。以下、光てこ方法の装置を用いた測定方法について説明する。図1は光てこ方法の装置の概念図である。本発明では応力の温度依存性を測定する必要があるため、シリコンウエハ12は加熱ステージ11上に置いて測定する。また、着色組成物の応力(σ)は、シリコンウエハ12上に着色組成物の塗膜13を形成し、塗膜形成前後での曲率半径から下記式(1)を用いて算出する。また、下記式(1)のR(シリコン基板の有効曲率半径)は下記式(2)で算出する。
σ:応力
E:シリコン基板のヤング率
h:シリコン基板の厚さ
ν:シリコン基板のポアソン比
R:シリコン基板の有効曲率半径
t:着色組成物の塗膜の膜厚
:着色組成物の塗膜形成前のシリコンウエハの曲率半径
:着色組成物の塗膜形成後のシリコンウエハの曲率半径
測定に用いるシリコンウエハの大きさ、厚さ、結晶形については特に制限はない。シリコンウエハの曲率半径を測定した後、シリコンウエハ上に着色組成物の塗膜を作成する。塗膜の膜厚は該着色組成物を用いてカラーフィルタを作成する際の膜厚にあわせることが望ましい。着色組成物をシリコンウエハ上に塗布した後、該着色組成物を生産ラインで使用することを想定した条件にて、プリベーク、露光、ポストベークを実施する。このポストベークまで実施した基板の曲率半径を測定する。さらに加熱ステージで加熱しながら該シリコンウエハの曲率半径を測定する。測定した曲率半径から上記式(2)を用いて応力値を計算する。
上記の方法で算出した温度−応力プロットの傾きは、下記式(3)に示すように熱応力の値に相当し、熱膨張係数に比例している。(非特許文献2)
σ:0℃における内部応力
σ:熱応力
T:測定温度
:塗膜のヤング率
ν:塗膜のポアソン比
α:塗膜の熱膨張係数
α:シリコンウエハの熱膨張係数
着色組成物のヤング率、ポアソン比は着色組成物の組成によらずほとんど変らないと言え、シリコンウエハの熱膨張係数も定数と考えることができることから、熱応力は塗膜の熱膨張係数に比例していると考えられる。
透明電極膜形成の下地となる、ブラックマトリックスおよび着色画素は樹脂であるため、熱応力が大きく、透明熱膨張係数の差が大きいと透明電極のスパッタあるいは焼成時の加熱のときに着色画素の熱膨張量に差異が生じる。着色画素の熱膨張係数と比較して、透明電極、例えばITOの熱膨張係数は1桁小さいため、着色画素の膨張に対してITOが追随できず、ITOのクラックが生じる。着色画素の熱膨張係数は3×10−5乃至4×10−5程度であり、ITOの熱膨張係数は7.2×10−6である。(特許文献8)
次に、本発明に係る感光性着色組成物を構成する各成分について説明する。
(透明樹脂)
着色組成物に用いる透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂に
は、少なくとも熱可塑性樹脂を含み、他に熱硬化性樹脂などの非感光性樹脂や感光性樹脂が含まれてもよい。透明樹脂には、必要に応じて、その前駆体である、放射線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
前記透明樹脂に含まれる熱可塑性樹脂としては、N−置換マレイミドを含む重量平均分子量3,000〜150,000の共重合体が好ましい。すなわち、N−置換マレイミドが含まれることにより、○○・・・の作用効果を得ることができる。また、重量平均分子量が3,000〜150,000の範囲であれば、○○・・・の効果があり好ましい。またさらに、N−置換マレイミドとしては、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、n−ブチルマレイミド、ラウリルマレイミド等を用いることができるが、中でも、シクロヘキシルマレイミドが、分散性、透明性に優れ、膜硬度等の点においても良好であるから特に好ましい。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられ、メラミン樹脂あるいはエポキシ樹脂が好ましい。但し、これらの樹脂はアルカリ可溶性を示さない。
前記非感光性樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有しない樹脂であり、熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル− 酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、前記感光性樹脂としては、反応性官能基を有する線状高分子に、この反応性官能基と反応可能な置換基を有する(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等を反応させて、エチレン不飽和二重結合を該線状高分子に導入した樹脂が挙げられる。また、反応性官能基を有する(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等に、この反応性官能基と反応可能な置換基を有する線状高分子を反応させて、エチレン不飽和二重結合を該線状高分子に導入した樹脂が挙げられる。前記反応性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が例示でき、この反応性官能基と反応可能な置換基としては、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等が例示できる。
また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子を、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも、感光性樹脂として使用できる。
光硬化の生じやすさを示す、感光性透明樹脂中に水酸基などを介して導入されるエチレン性不飽和二重結合の量は、得られる感光性透明樹脂の「二重結合当量」により示される。
本発明における感光性透明樹脂の二重結合当量は200〜1200であることが好ましく、300〜900であることがより好ましい。感光性透明樹脂の二重結合当量が200未満の場合は、エチレン性不飽和二重結合を導入させる反応性の置換基を有するエチレン性不飽和単量体の比率が高くなり、諸特性を維持するのに十分な量の他のエチレン性不飽和単量体を共重合させることができない。1200を越える場合は、エチレン性不飽和二重結合の数が少ないため十分な感度を得ることができない。
近年、ジケトピロロピロール系赤色顔料であるC.I.Pigment Red 254が多く用いられている。この顔料は、従来用いられてきた、アントラキノン系赤色顔料であるC.I.Pigment Red 177よりも600nm付近の透過スペクトルが短波長側に寄っているため、明度向上が可能となる。
しかしながら、機械的な処理による微細化は容易であるが、凝集力が強いため、微細化度合いが進むとともに難分散となり、コントラストを向上させるのは容易ではない。難分散である顔料の微細化には柔軟な特性の分散樹脂が有用であるが、熱による膨張係数が大きいことがしられており、ITO焼成においてクラックが発生しやすい、という問題がある。
(赤色着色組成物)
本発明に用いる赤色着色剤に用いる顔料の配合量は特に限定されるものではないが、組成物の総量100質量%に対して、1〜20質量%程度であることが好ましい。また、カラーフィルタの分光調整等のために、複数の顔料を組み合わせて用いることもできる。以下に、着色層用の有機顔料の具体例をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで示す。
Pigment Red1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:3,81:x,83,88,90,97,112,119,122,123,144,146,149,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,180,184,185,187,188,190,192,200,202,206,207,208,209,210,215,216,217,220,223,224,226,227,228,240,246,254,255,264,272,279。
顔料のうち少なくとも1種類の顔料は、該顔料、水溶性無機塩及び水溶性無機塩を実質的に溶解しない水溶性有機溶剤を含む混合物を混練(以下、この工程をソルトミリングと呼ぶ)した後、水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去することにより微細化することが好ましい。微細化した顔料を用いると、フィルタセグメントの分光透過率が向上し、コントラストもより高くなる。ソルトミリング時には、後述の顔料誘導体、水溶性有機溶剤に少なくとも一部溶解する樹脂等を併用することができ、このような処理によって得られた微細化処理顔料を用いることにより、より光学特性の優れたフィルタセグメントを形成することができる。
顔料の平均一次粒子径を制御する手段としては、顔料を機械的に粉砕して平均一次粒子径を制御する方法(磨砕法と呼ぶ)、良溶媒に溶解したものを貧溶媒に投入して所望の平均一次粒子径の顔料を析出させる方法(析出法と呼ぶ)、および合成時に所望の平均一次粒子径の顔料を製造する方法(合成析出法と呼ぶ)等がある。使用する顔料の合成法や化学的性質等により、個々の顔料について適当な方法を選択して行うことができる。以下にそれぞれの方法について説明するが、本発明の感光性着色組成物に含まれる顔料の平均一次粒子径の制御方法は、上記方法のいずれを用いてもよい。
磨砕法は、顔料をボールミル、サンドミルまたはニーダーなどを用いて、食塩等の水溶性の無機塩などの磨砕剤およびそれを溶解しない水溶性有機溶剤とともに機械的に混練(以下、この工程をソルトミリングと呼ぶ)した後、無機塩と有機溶剤を水洗除去し、乾燥することにより所望の平均一次粒子径の顔料を得る方法である。ただし、ソルトミリング処理により、顔料が結晶成長する場合があるため、処理時に上記有機溶剤に少なくとも一部溶解する固形の樹脂や顔料分散剤を加えて、結晶成長を防ぐ方法が有効である。
顔料と無機塩の比率は、無機塩の比率が多くなると顔料の微細化効率は良くなるが、顔料の処理量が少なくなるために生産性が低下する。一般的には、顔料が1重量部に対して無機塩を1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部用いるのが良い。また、上記水溶性有機溶剤は、顔料と無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、顔料と無機塩との配合比にもよるが、通常顔料の50〜300重量%の量が用いられる。
上記ソルトミリングについてさらに具体的には、顔料と水溶性の無機塩の混合物に湿潤剤として少量の水溶性有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して乾燥することにより、所望の平均一次粒子径の顔料を得ることができる。
析出法は、顔料を適当な良溶媒に溶解させたのち、貧溶媒と混ぜ合わせて、所望の平均一次粒子径の顔料を析出させる方法で、溶媒の種類や量、析出温度、析出速度などにより比表面積の大きさが制御できる。一般に顔料は溶媒に溶けにくいため、使用できる溶媒は限られるが、例として濃硫酸、ポリリン酸、クロロスルホン酸などの強酸性溶媒または液体アンモニア、ナトリウムメチラートのジメチルホルムアミド溶液などの塩基性溶媒などが知られている。
(分散剤)
着色剤として顔料を用いる場合には、適宜、樹脂型顔料分散剤、色素誘導体、界面活性剤等の分散剤を用いることができる。分散剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散剤を用いて顔料を感光性樹脂組成物中に分散することにより、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。分散剤の添加量は特に限定されるものではないが、着色材100重量部に対して、好ましくは0.1〜40重量部、より好ましくは0.1〜30重量部、さらに好ましくは1〜10重量部の量で用いることができる。
(樹脂型顔料分散剤)
樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、感光性透明樹脂および非感光性透明樹脂と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の感光性樹脂組成物への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤としては、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などが用いられる。また、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物等も用いられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
市販の樹脂型顔料分散剤としては、ビックケミー社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、アビシア社製のSOLSPERS E−3000、9000、13240、13650、13940、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32600、34750、36600、38500、41000、41090、53095等、エフカケミカルズ社製のEFKA−46、47、48、452、LP4008、4009、LP4010、LP4050、LP4055、400、401、402、403、450、451、453、4540、4550、LP4560、120、150、1501、1502、1503等が挙げられる。
色素誘導体は、有機色素に置換基を導入した化合物である。有機色素には、一般に色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独で、または2種類以上を混合して用いることができる。
(光重合性モノマー)
光重合性モノマーは、露光光線の照射によって重合し、感光性着色組成物を用いて作製した着色感光層を現像液不溶性に変化させるものである。一般には、ラジカルにより重合が誘起されるモノマーであるが、本発明で使用できる2〜4官能の光重合性モノマーとしては、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルなどが代表例に挙げられる
(界面活性剤)
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミンなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
(貯蔵安定剤)
本発明の感光性着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色材100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部の量で用いることができる。
(重合開始剤)
重合開始剤としてはオキシムエステル系重合開始剤が好適に使用できる。例えば、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−[1−フェニル−2−オキソ−2−(4´−メトキシ−ナフチル)エチリデン]ヒドロキシルアミンである。
また、このオキシムエステル系重合開始剤に加えて、他の重合開始剤を併用することもできる。このような重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン系化合物、トリアジン系化合物、ホスフィン系化合物、キノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられる。アセトフェノン系化合物としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が例示できる。また、ベンゾイン系化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が例示できる。ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4´−メチルジフェニルサルファイド等が例示できる。チオキサンソン系化合物としては、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等が例示できる。トリアジン系化合物としては、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリルs−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4´−メトキシスチリル)−6−トリアジン等が例示できる。ホスフィン系化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が例示できる。また、キノン系化合物としては、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等を例示できる。
重合開始剤の使用量は、感光性着色組成物の全固形分量を基準として0.5〜50重量%が好ましく、より好ましくは3〜30重量%である。
(光増感剤)
本発明に係る感光性着色組成物には、重合開始剤に加えて光増感剤を添加することが好ましい。光増感剤としては、アミン系化合物を例示することができる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4´−ビス(ジメチルアミノ)ベ
ンゾフェノン、4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4´−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等である。
また、α−アシロキシムエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4´−ジエチルイソフタロフェノン、3,3´,4,4´−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等を増感剤として使用することもできる。これら増感剤の使用量は、光重合開始剤と増感剤の合計量を基準として0.5〜60重量%が好ましく、より好ましくは3〜40重量%である。
(溶剤)
本発明の感光性着色組成物には、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために、感光性着色組成物の粘度を適正化すると共に、着色剤を十分に感光性樹脂組成物中に均一に分散させるために、溶剤を含有させることができる。溶剤としては、水、有機溶剤等が利用できる。有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−n−アミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。溶剤は、着色材100重量部に対して、好ましくは800〜4000重量部、より好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
以下に、本発明のカラーフィルタを得るための方法を記述する。
本発明のカラーフィルタは、少なくとも前記赤色感光性組成物を用いて形成される赤色フィルタセグメントと、緑色フィルタセグメント及び青色フィルタセグメントを具備する加法混色型と、少なくともマゼンタ色フィルタセグメントと、シアン色フィルタセグメント及びイエロー色フィルタセグメントを具備する減法混色型のものがある。
前記緑色フィルタセグメントは、先に説明した本発明の赤色感光性着色組成物中の赤色顔料の代わりに、例えば、C.I.Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いて得られる。また、本発明の感光性着色組成物に限らず、通常の緑色感光性着色組成物を用いて形成することもできる。また、緑色感光性着色組成物には、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等の黄色顔料を併用することができる。
前記青色フィルタセグメントは、先に説明した本発明の赤色感光性着色組成物中の赤色顔料の代わりに、例えば、C.I.Pigment Blue 1,1:2,1:x,9:x,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:5,15:6,16,22,24,24:x,56,60,61,62,80等の青い炉顔料を用いて得られる組成物である。また、前記緑色フィルタセグメントと同様に、通常の青色感光性着色組成物を用いて形成することができる。また、青色組成物には、C.I.Pigment Violet 1,1:x,3,3:3,3:x,5:1,19,23,27,29,30,32,37,40,42,50等の紫色顔料を併用することができる。
本発明のカラーフィルタは、フォトリソグラフィー法により、透明基板上に各色のフィルタセグメントを形成することにより製造することができる。前記透明基板としては、ガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
以下に、フォトリソグラフィー法による各色フィルタセグメントの形成方法について説明する。
透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように感光性着色組成物を塗布する。次に、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成する。なお、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
以上の一連の工程を、感光性着色組成物およびパターンを替え、必要な数だけ繰り返すことで必要な色数が組み合わされた着色パターンすなわち複数色の画素を備えるカラーフィルタを得ることができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においてこれに限定されるものではない。
<透明樹脂の調整>
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で下記表1に記載の光重合性モノマーと熱重合開始剤(2,2´−アゾビスイソブチロニトリル)の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行い、滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂の溶液を得た。その後、室温まで冷却し、アクリル樹脂の溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、各アクリル樹脂の不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して透明樹脂1〜6を調製した。
<顔料分散体の調整>
下記表2に記載の顔料と、表3記載の分散剤と、上記で調整した透明樹脂1を、下記表
4に示す組成で均一に攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体RP−1、GP−1、BP−1及びYP−1を調整した。
<感光性着色組成物の調整>
上記で調整した顔料分散体と下記表5に示す組成(重量比)で、均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して各色の感光性着色組成物(レジスト)を調整した。
モノマー :トリメチロールプロパントリアクリレート
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォ
リノプロパン−1−オン
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア 907」)
増感剤 :4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
有機溶剤 :シクロヘキサノン
<カラーフィルタの作製>
上記で調整した感光性着色組成物を表6に示す組み合わせで用いて、以下の方法に従い、実施例1〜2及び比較例1〜3のカラーフィルタCF−1からCF−5を作製した。
予めブラックマトリックスが形成されてあるガラス基板に、先ず、感光性着色組成物(レジスト)の一つである赤色着色組成物をスピンコート法により塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で20分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。さらに、クリーンオーブン中で、230℃で30分間ポストベークを行い、基板上にストライプ状の赤色フィルタセグメントを形成した。同様にして、緑色着色組成物による緑色フィルタセグメント、及び青色着色組成物による青色フィルタセグメントを形成した。
次に、上記3色のフィルタセグメントを形成した前記ガラス基板上に、スパッタリング装置にて、ITOターゲットを用い、室温で、Ar:400SCCM、O:0.2SCCM導入してガス圧を0.67Paに調圧した後、3.5W/cmの出力で、膜厚150nmのITO膜を形成し、その後、230℃のオーブンにて熱処理を行って、カラーフィルタを作製した。
<評価項目>
透明樹脂のガラス転移温度の測定、着色組成物の応力の測定及び作製したカラーフィルタのITOクラックの評価を以下の方法で行なった。
(透明樹脂のガラス転移温度の評価)
上記実施例および比較例で得られた透明樹脂をスピンコート法によりガラス基板板上に塗布した後乾燥させ、透明樹脂膜を得た。DSC(セイコー電子製、DSC6200システム)を用い、30℃〜300℃の温度範囲において昇温速度10℃/minの条件下で測定した。得られた透明樹脂膜10mgを剃刀で削りとったものを測定し、横軸を温度、縦軸は基準物質との温度差から計算した示差熱であり、DSC曲線のガラス転移温度(Tg)を示した。得られた透明樹脂のガラス転移温度を表1に示す。
(応力の測定)
着色組成物の応力の測定方法について記載する。
測定装置は薄膜ストレス測定装置(Tencor Instruments社製 FLX2328)を使用した。測定に用いるシリコンウエハは、直径4インチ、厚さ525μm、ミラー指数[111]のウエハを使用した。
まず、シリコンウエハのみの曲率半径を測定した。次いで、焼成後の膜厚が2.5μmになるよう着色組成物をスピンコータにて塗布した。その後乾燥し、230℃のオーブンで30分焼成した。次に、薄膜ストレス測定装置の加熱ステージを40℃に設定してシリコンをセットし、5分間ならした後、昇温速度15℃/分、測定間隔1分で、40℃から230℃の範囲で応力値を測定した。得られた赤色着色組成物の測定結果を図2にそれぞれ温度−応力の関係として示す。表7には、それぞれの温度−応力プロットの傾きを示した。なお、230℃未満の温度で応力値がゼロになった場合、ゼロに達する前までの傾きの値を採用した。下記の表7に結果を示す。
(ITOクラックの評価)
上記実施例1及び実施例2、比較例1から3で得られたカラーフィルタを走査型電子顕微鏡にて観察した。隣接する緑色画素および青色画素との重なり部にてITOのクラックやシワなどの外観異常の無いものを○とした。異常の生じたものを×とした。評価結果を表6に示す。
<比較結果>
実施例1及び2で得られた本発明品では、ITOクラックやシワなどが生じことのない高品位のカラーフィルタが得られた。一方、比較例1〜3で得られた比較例品では、ITOのクラックやシワなどの外観異常が確認された。この結果から、本発明に係る透明樹脂を用いることにより良好なカラーフィルタを提供することができる。
11 加熱ステージ
12 Si基板
13 薄膜
14 レーザー
15 ミラー
16 検出器
17 反射光
18 サンプルBOX

Claims (6)

  1. 少なくとも、(a)透明樹脂、(b)光重合性モノマー、(c)光重合開始剤、(d)着色剤、(e)溶剤を含有し、(a)透明樹脂が熱可塑性樹脂を含み、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が150℃〜250℃であって、40℃から200℃の間で少なくとも3点以上応力値を測定し、横軸に温度、縦軸に応力をプロットしたときの傾きの絶対値が0.1以下であることを特徴とする感光性着色組成物。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、N−置換マレイミドを含む分子量3000〜150000の共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の感光性着色組成物。
  3. 前記N−置換マレイミドがシクロへキシルマレイミドであることを特徴とする請求項2に記載の感光性着色組成物。
  4. 前記着色剤が赤色の着色剤としてジケトピロロピロール顔料を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性着色組成物。
  5. 透明基板上に、少なくともブラックマトリクスと、複数の透明着色フィルタセグメントと、透明電極とを備えるカラーフィルタであって、請求項1乃至4の何れかに記載の感光性着色組成物で製造された、フィルタセグメントの着色層の膜厚が2.0〜5.0μmであることを特徴とするカラーフィルタ。
  6. 請求項5に記載のカラーフィルタを用いたことを特徴とする表示装置。
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