JP2013129583A - ハニカム構造体及びハニカムフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】温度変化に伴う体積変化が小さいハニカム構造体およびハニカムフィルタを提供する。
【解決手段】ハニカム構造体100は、多孔質の隔壁120により仕切られた互いに平行な複数の貫通孔110を有し、隔壁120が、チタン酸アルミニウムを含有する粒子を含み、当該粒子が、カルシウムを含有する。ハニカムフィルタ1は、一端面100aで複数の貫通口110のうちの一部および他端面100bで複数の貫通口の残部に封口部130を備える。
【選択図】図1
【解決手段】ハニカム構造体100は、多孔質の隔壁120により仕切られた互いに平行な複数の貫通孔110を有し、隔壁120が、チタン酸アルミニウムを含有する粒子を含み、当該粒子が、カルシウムを含有する。ハニカムフィルタ1は、一端面100aで複数の貫通口110のうちの一部および他端面100bで複数の貫通口の残部に封口部130を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハニカム構造体及びハニカムフィルタに関する。
ハニカム構造体は、被捕集物を含む流体から当該被捕集物を除去するハニカムフィルタを得るために用いられている。ハニカムフィルタとしては、例えば、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関から排気される排気ガスを浄化するための排ガスフィルタが挙げられる。このようなハニカムフィルタを得るためのハニカム構造体は、例えば、多孔質の隔壁により仕切られた互いに平行な複数の貫通孔を有している(例えば、下記特許文献1参照)。
ところで、従来のハニカム構造体では、ハニカム構造体を急熱・急冷することにより生じる体積変化によってハニカム構造体が破損する場合がある。このようにハニカム構造体が破損すると、当該ハニカム構造体を用いて得られたハニカムフィルタのフィルタ特性が劣化し得る。そのため、従来のハニカム構造体に対しては、温度変化に伴う体積変化が小さいことが求められている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、温度変化に伴う体積変化が小さいハニカム構造体、及び、当該ハニカム構造体を備えるハニカムフィルタを提供することを目的とする。
本発明者は、ハニカム構造体における隔壁の構成材料として、高温耐熱性(耐高温分解性)に優れるチタン酸アルミニウムに着目した。そして、本発明者は、チタン酸アルミニウムを含有する隔壁を有するハニカム構造体について鋭意検討した結果、このようなハニカム構造体を昇温及び降温させた場合において、隔壁の熱膨張率が昇温時と降温時において大きく異なる傾向があり、昇温後の降温時において特に温度変化に伴う体積変化が大きくなり易いことを見出した。また、本発明者の知見によれば、チタン酸アルミニウムを含有する隔壁を有するハニカム構造体を昇温又は降温させた場合において、ハニカム構造体における中心部の温度と外周部の温度とが互いに異なり易く、ハニカム構造体内に温度差が生じる傾向がある。このようなハニカム構造体において上記のとおり温度変化に伴う体積変化が大きいと、ハニカム構造体を昇温及び降温させた場合に、ハニカム構造体の中心部と外周部とにおいて体積変化の程度が異なり易くなるため、クラックが生じる等してハニカム構造体が破損し易くなると推測される。これに対し、本発明者は、チタン酸アルミニウムを含有する粒子を隔壁が含み、当該粒子がカルシウムを含有することにより、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明に係るハニカム構造体は、多孔質の隔壁により仕切られた互いに平行な複数の貫通孔を有し、隔壁が、チタン酸アルミニウムを含有する粒子を含み、当該粒子が、カルシウムを含有する。
本発明に係るハニカム構造体では、チタン酸アルミニウムを含有する粒子を隔壁が含み、当該粒子がカルシウムを含有することにより、温度変化に伴うハニカム構造体の体積変化を小さくすることができる。このようなハニカム構造体では、ハニカム構造体を急熱・急冷することにより生じる体積変化によってハニカム構造体が破損することを抑制可能であり、フィルタ特性が劣化することを抑制することができる。
上記のとおり温度変化に伴うハニカム構造体の体積変化を小さくすることができる要因について、本発明者は以下のとおり推測している。但し、要因は下記に限られるものではない。すなわち、チタン酸アルミニウムを含有する隔壁の熱膨張率が昇温時と降温時において大きく異なる傾向がある要因は、昇温時においては、チタン酸アルミニウムを含有する粒子の膨張に伴い、粒子間のマイクロクラックが収縮し、降温時においては、粒子の収縮に伴い、マイクロクラックが膨張することに関係していると推測される。具体的には、昇温時に収縮したマイクロクラックは、昇温過程から降温過程に推移して直ちに膨張するものではなく、昇温時及び降温時の同一温度における粒子及びマイクロクラックの状態は互いに同一の状態ではないと推測される。このような状態の相違に基づき、熱膨張率が昇温時と降温時において大きく異なると推測される。これに対し、本願発明では、降温時において温度変化に伴う体積変化が小さくなるように粒子及びマイクロクラックの状態にカルシウム(Ca)が寄与することで、このような降温時の効果が充分に得られ易くなるものと推測される。
本発明に係るハニカム構造体において、上記粒子は、マグネシウムを更に含有していてもよい。この場合、温度変化に伴うハニカム構造体の体積変化を小さくし易くなる。
本発明に係るハニカムフィルタは、上記ハニカム構造体と、上記複数の貫通孔のうちの一部の一端及び上記複数の貫通孔のうちの残部の他端を封口する封口部と、を備える。本発明に係るハニカムフィルタでは、上記特定の成分を含有する粒子を含む隔壁をハニカム構造体が有していることにより、温度変化に伴うハニカム構造体の体積変化を小さくすることができる。このようなハニカムフィルタでは、ハニカムフィルタを急熱・急冷することにより生じる体積変化によってハニカム構造体が破損することや、フィルタ特性が劣化することを抑制することができる。
本発明によれば、温度変化に伴うハニカム構造体の体積変化を小さくすることができる。そのため、本発明では、ハニカム構造体、及び当該ハニカム構造体を備えるハニカムフィルタを急熱・急冷することにより生じる体積変化によって、ハニカム構造体が破損することを抑制することができる。これにより、本発明では、ハニカム構造体のフィルタ特性や、当該ハニカム構造体を用いて得られたハニカムフィルタのフィルタ特性が劣化することを抑制することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<ハニカムフィルタ>
図1は、本実施形態に係るハニカムフィルタを示す斜視図であり、図2は、図1のII−II矢視図である。ハニカムフィルタ1は、ハニカム構造体100と、封口部130とを備えている。
図1は、本実施形態に係るハニカムフィルタを示す斜視図であり、図2は、図1のII−II矢視図である。ハニカムフィルタ1は、ハニカム構造体100と、封口部130とを備えている。
ハニカム構造体100は、図1,2に示すように、互いに平行に配置された複数の貫通孔110を有する円柱体である。複数の貫通孔110のそれぞれは、ハニカム構造体100の中心軸に平行に伸びる隔壁120により仕切られている。貫通孔110は、貫通孔110のうちの一部を構成する貫通孔(第1の貫通孔)110aと、貫通孔110のうちの残部を構成する貫通孔(第2の貫通孔)110bとを有している。
貫通孔110aにおけるハニカム構造体100の一端側の端部は、ハニカム構造体100の一端面100aにおいてガス流入口として開口しており、貫通孔110aにおけるハニカム構造体100の他端側の端部は、ハニカム構造体100の他端面100bにおいて封口部130により封口されている。一方、貫通孔110bにおけるハニカム構造体100の一端側の端部は、一端面100aにおいて封口部130により封口されており、貫通孔110bにおけるハニカム構造体100の他端側の端部は、他端面100bにおいてガス流出口として開口している。
貫通孔110bは、貫通孔110aに隣接している。ハニカム構造体100では、貫通孔110aと貫通孔110bとが交互に配置されて格子構造が形成されている。貫通孔110a,110bは、ハニカム構造体100の両端面に垂直であり、端面から見て正方形配置、すなわち、貫通孔110a,110bの中心軸が、正方形の頂点にそれぞれ位置するように配置されている。貫通孔110a,110bにおける当該貫通孔の軸方向(長手方向)に垂直な断面は、例えば正方形状である。
貫通孔110a,110bの長手方向におけるハニカム構造体100の長さは、例えば30〜300mmである。ハニカム構造体100が円柱体である場合、ハニカム構造体100の外径(直径)は、例えば10〜300mmである。また、貫通孔110a,110bの軸方向に垂直な断面の内径(正方形の一辺の長さ)は、例えば0.5〜1.2mmである。隔壁120の平均厚み(セル壁厚)は、例えば0.1〜0.5mmである。
なお、ハニカムフィルタの形状は必ずしも上述した形状に限定されるものではない。例えば、ハニカムフィルタにおける貫通孔の軸方向に垂直な当該貫通孔の断面は、正方形状等の矩形状であることに限定されず、三角形状、六角形状、八角形状、円形状、楕円形状等であってもよい。また、貫通孔には、径の異なるものが混在していてもよく、断面形状の異なるものが混在していてもよい。また、貫通孔の配置は特に限定されるものではなく、貫通孔の中心軸の配置は、正三角形の頂点に配置される正三角形配置、千鳥配置等であってもよい。さらに、ハニカムフィルタは円柱体であることに限られず、楕円柱、三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等であってもよい。
ハニカム構造体100において隔壁120は、多孔質であり、例えば多孔質セラミックス焼結体を含んでいる。隔壁120は、流体(例えば、すす等の微粒子を含む排ガス)が透過できるような構造を有している。具体的には、流体が通過し得る多数の連通孔(流通経路)が隔壁120内に形成されている。
隔壁120の気孔率(開気孔率)は、圧力損失を低減する観点から、30体積%以上が好ましい。隔壁120の気孔率は、捕集効率を向上させる観点から、60体積%以下が好ましい。隔壁120の気孔率は、原料の粒子径、孔形成剤の添加量、孔形成剤の種類、焼成条件により調整可能であり、水銀圧入法により測定することができる。
隔壁120の気孔径(細孔直径)は、圧力損失を低減する観点から、5μm以上が好ましい。隔壁120の気孔径は、捕集効率を向上させる観点から、30μm以下が好ましい。隔壁120の気孔径は、原料の粒子径、孔形成剤の添加量、孔形成剤の種類、焼成条件により調整可能であり、水銀圧入法により測定することができる。
隔壁120は、セラミックス焼結体を構成する粒子として、チタン酸アルミニウムを含有する結晶粒子(チタン酸アルミニウム型の結晶粒子、以下「チタン酸アルミニウム粒子」という。)を含んでいる。セラミックス焼結体を構成する粒子におけるチタン酸アルミニウム粒子の含有割合は、質量基準で例えば80〜100%である。
チタン酸アルミニウム粒子は、チタン酸アルミニウムを構成するアルミニウム(アルミニウム元素)、チタン(チタン元素)及び酸素を含有すると共に、カルシウム(カルシウム元素)を含有している。また、チタン酸アルミニウム粒子は、マグネシウム(マグネシウム元素)を更に含有していてもよく、例えば、チタン酸アルミニウム粒子はチタン酸アルミニウムマグネシウムを含有することができる。チタン酸アルミニウム粒子は、カルシウム及びマグネシウムを含有していてもよい。
チタン酸アルミニウム粒子は、例えば、主にチタン酸アルミニウム系結晶によって形成されている。「主にチタン酸アルミニウム系結晶によって形成されている」とは、結晶粒子を構成する主結晶相がチタン酸アルミニウム系結晶相であることを意味し、チタン酸アルミニウム系結晶相は、例えば、チタン酸アルミニウム結晶相、チタン酸アルミニウムマグネシウム結晶相等であってもよい。
チタン酸アルミニウム粒子におけるチタン酸アルミニウムの含有量は、粒子全体を基準として50〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましい。チタン酸アルミニウム粒子において、Al2O3に換算したアルミニウムと、TiO2に換算したチタンとのモル比(アルミニウム:チタン)は、35:65〜45:55が好ましく、40:60〜45:55がより好ましい。
チタン酸アルミニウム粒子がチタン酸アルミニウムマグネシウムを含有する場合、チタン酸アルミニウムマグネシウムの組成式は、例えばAl2(1−x)MgxTi(1+x)O5であり、xの値は、0.03以上が好ましく、0.03〜0.20がより好ましく、0.03〜0.18が更に好ましい。チタン酸アルミニウム粒子は、原料由来の微量成分又は製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
チタン酸アルミニウム粒子において、CaOに換算したカルシウムの含有量の割合は、Al2O3に換算したアルミニウムの含有量に対してモル比(カルシウムの含有量/アルミニウムの含有量)で0.1以上が好ましい。カルシウムの含有量の割合が0.1以上であると、チタン酸アルミニウム系結晶相が主結晶相を構成し易くなり、隔壁120の機械強度が向上し易くなる。CaOに換算したカルシウムの含有量の割合は、Al2O3に換算したアルミニウムの含有量に対してモル比(カルシウムの含有量/アルミニウムの含有量)で0.5以下が好ましい。カルシウムの含有量の割合が0.5以下であると、チタン酸アルミニウム系結晶相が主結晶相を構成し易くなり、隔壁120の機械強度が向上し易くなる。チタン酸アルミニウム粒子におけるカルシウムの含有量は、例えば、蛍光X線回折(XRF)により得ることができる。
隔壁120を構成するセラミックスにおけるチタン酸アルミニウムの含有量は、セラミックス全体を基準として50〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましい。隔壁120において、Al2O3に換算したアルミニウムと、TiO2に換算したチタンとのモル比(アルミニウム:チタン)は、35:65〜45:55が好ましく、40:60〜45:55がより好ましい。
隔壁120がチタン酸アルミニウムマグネシウムを含む場合、チタン酸アルミニウムマグネシウムの組成式は、例えばAl2(1−x)MgxTi(1+x)O5であり、xの値は、0.03以上が好ましく、0.03〜0.20がより好ましく、0.03〜0.18が更に好ましい。隔壁120は、原料由来の微量成分又は製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
隔壁120は、ケイ素源粉末由来のガラス相から構成される粒子を含んでいてもよい。ガラス相は、SiO2が主要成分である非晶質相を指す。ガラス相は、カルシウムを含有していてもよい。ガラス相は、例えばチタン酸アルミニウム粒子間の粒界に存在している。ガラス相の含有量は、隔壁120を構成するセラミックス全体を基準として、4質量%以下が好ましい。ガラス相の含有量が4質量%以下であることにより、パティキュレートフィルタ等のセラミックスフィルタに要求される細孔特性を充足するチタン酸アルミニウム系セラミックス焼成体が得られ易くなる。ガラス相の含有量は、2質量%以上が好ましい。
隔壁120において、CaOに換算したカルシウムの含有量の割合は、Al2O3に換算したアルミニウムの含有量に対してモル比(カルシウムの含有量/アルミニウムの含有量)で0.1以上が好ましい。カルシウムの含有量の割合が0.1以上であると、チタン酸アルミニウム系結晶相が主結晶相を構成し易くなり、隔壁120の機械強度が向上し易くなる。CaOに換算したカルシウムの含有量の割合は、Al2O3に換算したアルミニウムの含有量に対してモル比で0.5以下が好ましい。カルシウムの含有量の割合が0.5以下であると、チタン酸アルミニウム系結晶相が主結晶相を構成し易くなり、隔壁120の機械強度が向上し易くなる。カルシウムの含有量は、例えば、原料物質の仕込み量から算出することや、蛍光X線分析法(XRF)を用いた測定により得ることができる。
隔壁120において、SiO2に換算したケイ素の含有量の割合は、Al2O3に換算したアルミニウムの含有量に対してモル比(ケイ素の含有量/アルミニウムの含有量)で0.05以上が好ましい。SiO2に換算したケイ素の含有量の割合は、Al2O3に換算したアルミニウムの含有量に対してモル比で0.2以下が好ましい。ケイ素の含有量及びアルミニウムの含有量は、例えば、原料物質の仕込み量から算出することや、蛍光X線分析法(XRF)を用いた測定により得ることができる。
隔壁120は、チタン酸アルミニウム系結晶相やガラス相以外の結晶相を含んでいてもよい。このようなチタン酸アルミニウム系結晶相以外の結晶相としては、セラミックス焼成体の作製に用いる原料由来の相等を挙げることができる。原料由来の相は、例えばチタン酸アルミニウム粒子間の粒界に存在している。原料由来の相は、例えば、ハニカムフィルタの製造に際してチタン酸アルミニウム系結晶相を形成することなく残存したアルミニウム源粉末、チタン源粉末、マグネシウム源粉末等に由来する相であり、アルミナ、チタニア、マグネシア等の相が挙げられる。また、原料由来の相は、カルシウム源粉末に由来する相であってもよく、例えばカルシア(CaO)等の相であってもよい。隔壁120を形成する結晶相は、X線回折スペクトルにより確認することができる。
ハニカムフィルタ1は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関からの排ガス中に含まれるすす等の被捕集物を捕集するパティキュレートフィルタとして適する。例えば、ハニカムフィルタ1では、図2に示すように、一端面100aから貫通孔110aに供給されたガスGが隔壁120内の連通孔を通過して隣の貫通孔110bに到達し、他端面100bから排出される。このとき、ガスG中の被捕集物が隔壁120の表面や連通孔内に捕集されてガスGから除去されることにより、ハニカムフィルタ1はフィルタとして機能する。
また、ハニカム構造体100は、上述のパティキュレートフィルタを得るために用いられるだけでなく、ビール等の飲食物の濾過に用いる濾過フィルタ;石油精製時に生じるガス成分(例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、酸素)を選択的に透過させるための選択透過フィルタ;触媒担体などに用いられる。
<ハニカムフィルタの製造方法>
次に、ハニカムフィルタ1の製造方法について説明する。上記ハニカムフィルタ1の製造方法は、例えば、セラミックス粉末や添加剤を含む原料混合物を調製する原料調製工程と、原料混合物を成形して、貫通孔を有する成形体を得る成形工程と、成形体を焼成する焼成工程と、を備え、成形工程と焼成工程の間、又は、焼成工程の後に、各貫通孔の一端を封口する封口工程を更に備える。ハニカム構造体100のみを得る場合には、成形工程において得られた成形体の貫通孔を封口することなく当該成形体を焼成すればよい。
次に、ハニカムフィルタ1の製造方法について説明する。上記ハニカムフィルタ1の製造方法は、例えば、セラミックス粉末や添加剤を含む原料混合物を調製する原料調製工程と、原料混合物を成形して、貫通孔を有する成形体を得る成形工程と、成形体を焼成する焼成工程と、を備え、成形工程と焼成工程の間、又は、焼成工程の後に、各貫通孔の一端を封口する封口工程を更に備える。ハニカム構造体100のみを得る場合には、成形工程において得られた成形体の貫通孔を封口することなく当該成形体を焼成すればよい。
[原料調製工程]
原料調製工程では、セラミックス粉末と添加剤とを混合した後に混練して原料混合物を調製する。添加剤としては、例えば孔形成剤(造孔剤)、バインダ、可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。
原料調製工程では、セラミックス粉末と添加剤とを混合した後に混練して原料混合物を調製する。添加剤としては、例えば孔形成剤(造孔剤)、バインダ、可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。
セラミックス粉末は、例えば、アルミニウム源粉末、チタン源粉末及びカルシウム源粉末を適宜混合して得ることができる。セラミックス粉末は、マグネシウム源粉末及び/又はケイ素源粉末を更に含んでいてもよい。
(アルミニウム源粉末)
アルミニウム源粉末は、隔壁を構成するセラミックスのアルミニウム成分となる化合物の粉末である。アルミニウム源粉末としては、例えば、アルミナ(酸化アルミニウム)の粉末が挙げられる。アルミナの結晶型としては、γ型、δ型、θ型、α型等が挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。アルミナの結晶型は、α型が好ましい。
アルミニウム源粉末は、隔壁を構成するセラミックスのアルミニウム成分となる化合物の粉末である。アルミニウム源粉末としては、例えば、アルミナ(酸化アルミニウム)の粉末が挙げられる。アルミナの結晶型としては、γ型、δ型、θ型、α型等が挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。アルミナの結晶型は、α型が好ましい。
アルミニウム源粉末は、単独で空気中で焼成することによりアルミナに導かれる化合物の粉末であってもよい。かかる化合物としては、例えばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、金属アルミニウム等が挙げられる。
アルミニウム塩は、無機酸とのアルミニウム無機塩であってもよく、有機酸とのアルミニウム有機塩であってもよい。アルミニウム無機塩としては、例えば、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウムアルミニウム等のアルミニウム硝酸塩;炭酸アンモニウムアルミニウム等のアルミニウム炭酸塩などが挙げられる。アルミニウム有機塩としては、例えば、蓚酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム等が挙げられる。
アルミニウムアルコキシドとしては、例えば、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムsec−ブトキシド、アルミニウムtert−ブトキシド等が挙げられる。
水酸化アルミニウムの結晶型としては、例えば、ギブサイト型、バイヤライト型、ノロソトランダイト型、ベーマイト型、擬ベーマイト型等が挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。アモルファスの水酸化アルミニウムとしては、例えば、アルミニウム塩、アルミニウムアルコキシド等のような水溶性アルミニウム化合物の水溶液を加水分解して得られるアルミニウム加水分解物が挙げられる。
アルミニウム源粉末は、1種又は2種以上のいずれでもよい。アルミニウム源粉末は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
アルミニウム源粉末において、レーザ回折法により測定される体積基準の累積百分率50%相当粒径(中心粒径、D50)は、20〜60μmが好ましく、25〜60μmがより好ましい。アルミニウム源粉末のD50をこの範囲内に調整することにより、優れた多孔性を示すチタン酸アルミニウム系セラミックス焼成体が得られると共に、焼成収縮率をより効果的に低減させることができる。
(チタン源粉末)
チタン源粉末は、隔壁を構成するセラミックスのチタン成分となる化合物の粉末であり、例えば酸化チタンの粉末である。酸化チタンは、例えば、酸化チタン(IV)、酸化チタン(III)、酸化チタン(II)であり、酸化チタン(IV)が好ましい。酸化チタン(IV)の結晶型は、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型である。酸化チタンは不定形(アモルファス)であってもよい。酸化チタンは、アナターゼ型やルチル型の酸化チタン(IV)がより好ましい。
チタン源粉末は、隔壁を構成するセラミックスのチタン成分となる化合物の粉末であり、例えば酸化チタンの粉末である。酸化チタンは、例えば、酸化チタン(IV)、酸化チタン(III)、酸化チタン(II)であり、酸化チタン(IV)が好ましい。酸化チタン(IV)の結晶型は、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型である。酸化チタンは不定形(アモルファス)であってもよい。酸化チタンは、アナターゼ型やルチル型の酸化チタン(IV)がより好ましい。
チタン源粉末は、単独で空気中で焼成することによりチタニア(酸化チタン)に導かれる化合物の粉末であってもよく、例えば、チタニウム塩、チタニウムアルコキシド、水酸化チタニウム、窒化チタン、硫化チタン、チタン金属である。
チタニウム塩は、例えば、三塩化チタン、四塩化チタン、硫化チタン(IV)、硫化チタン(VI)、硫酸チタン(IV)である。チタニウムアルコキシドは、例えば、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)t−ブトキシド、チタン(IV)イソブトキシド、チタン(IV)n−プロポキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシド、及び、これらのキレート化物である。
チタン源粉末は、1種又は2種以上のいずれでもよい。チタン源粉末は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
チタン源粉末において、レーザ回折法により測定される体積基準の累積百分率50%相当粒径(D50)は、0.1〜25μmが好ましい。チタン源粉末のD50は、充分に低い焼成収縮率を達成するため、0.1〜20μmがより好ましい。
原料混合物中におけるAl2O3(アルミナ)換算でのアルミニウム源粉末とTiO2(チタニア)換算でのチタン源粉末のモル比(アルミニウム源粉末:チタン源粉末)は、35:65〜45:55が好ましく、40:60〜45:55がより好ましい。このような範囲内で、チタン源粉末をアルミニウム源粉末に対して過剰に用いることにより、原料混合物の成形体の焼成収縮率をより効果的に低減させることが可能となる。
(カルシウム源粉末)
カルシウム源粉末は、隔壁を構成するセラミックスのカルシウム成分となる化合物の粉末である。カルシウム源粉末としては、例えば、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム等が挙げられる。カルシウム源粉末は、1種又は2種以上のいずれでもよい。カルシウム源粉末は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
カルシウム源粉末は、隔壁を構成するセラミックスのカルシウム成分となる化合物の粉末である。カルシウム源粉末としては、例えば、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム等が挙げられる。カルシウム源粉末は、1種又は2種以上のいずれでもよい。カルシウム源粉末は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
原料混合物中におけるCaO(カルシア)換算でのカルシウム源粉末の配合量は、チタン酸アルミニウムと共にカルシウムを含有する粒子が得られやすくなる観点から、Al2O3(アルミナ)換算でのアルミニウム源粉末とTiO2(チタニア)換算でのチタニウム源粉末との合計量に対して、モル比で、0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましい。カルシウム源粉末の上記配合量の上限値は、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。
(マグネシウム源粉末)
セラミックス粉末は、マグネシウム源粉末を更に含有していてもよい。セラミックス粉末がマグネシウム源粉末を含む場合、得られるチタン酸アルミニウム系セラミックス焼成体は、チタン酸アルミニウムマグネシウム結晶を含む焼成体である。マグネシウム源粉末は、マグネシア(酸化マグネシウム)の粉末のほか、単独で空気中で焼成することによりマグネシアに導かれる化合物の粉末である。このような化合物は、例えば、マグネシウム塩、マグネシウムアルコキシド、水酸化マグネシウム、窒化マグネシウム、金属マグネシウムである。
セラミックス粉末は、マグネシウム源粉末を更に含有していてもよい。セラミックス粉末がマグネシウム源粉末を含む場合、得られるチタン酸アルミニウム系セラミックス焼成体は、チタン酸アルミニウムマグネシウム結晶を含む焼成体である。マグネシウム源粉末は、マグネシア(酸化マグネシウム)の粉末のほか、単独で空気中で焼成することによりマグネシアに導かれる化合物の粉末である。このような化合物は、例えば、マグネシウム塩、マグネシウムアルコキシド、水酸化マグネシウム、窒化マグネシウム、金属マグネシウムである。
マグネシウム塩は、例えば、塩化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ピロりん酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、ジメタクリル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウムである。
マグネシウムアルコキシドは、例えばマグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等である。
マグネシウム源粉末として、マグネシウム源とアルミニウム源とを兼ねた化合物の粉末を用いることができる。このような化合物は、例えば、マグネシアスピネル(MgAl2O4)である。
マグネシウム源粉末は、1種又は2種以上のいずれでもよい。マグネシウム源粉末は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
マグネシウム源粉末において、レーザ回折法により測定される体積基準の累積百分率50%相当粒径(D50)は、0.5〜30μmが好ましい。マグネシウム源粉末のD50は、成形体の焼成収縮率を低減する観点から、3〜20μmがより好ましい。
原料混合物中におけるMgO(マグネシア)換算でのマグネシウム源粉末の配合量は、Al2O3(アルミナ)換算でのアルミニウム源粉末とTiO2(チタニア)換算でのチタニウム源粉末との合計量に対して、モル比で、0.03〜0.15が好ましく、0.03〜0.12がより好ましい。マグネシウム源粉末の含有量をこの範囲内に調整することにより、耐熱性がより向上された、大きい気孔径及び気孔率を有するチタン酸アルミニウム系セラミックス焼成体を比較的容易に得ることができる。
(ケイ素源粉末)
ケイ素源粉末は、隔壁を構成するセラミックスのシリコン成分となる化合物の粉末である。ケイ素源粉末を用いることにより、耐熱性がより向上されたチタン酸アルミニウム系セラミックス焼成体を得ることができる。ケイ素源粉末は、例えば、二酸化ケイ素、一酸化ケイ素等の酸化ケイ素(シリカ)の粉末である。
ケイ素源粉末は、隔壁を構成するセラミックスのシリコン成分となる化合物の粉末である。ケイ素源粉末を用いることにより、耐熱性がより向上されたチタン酸アルミニウム系セラミックス焼成体を得ることができる。ケイ素源粉末は、例えば、二酸化ケイ素、一酸化ケイ素等の酸化ケイ素(シリカ)の粉末である。
ケイ素源粉末は、単独で空気中で焼成することによりシリカに導かれる化合物の粉末であってもよい。かかる化合物は、例えば、ケイ酸、炭化ケイ素、窒化ケイ素、硫化ケイ素、四塩化ケイ素、酢酸ケイ素、ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、長石、ガラスフリットであり、長石、ガラスフリットが好ましく、工業的に入手が容易であると共に組成が安定している点で、ガラスフリットがより好ましい。ガラスフリットは、ガラスを粉砕して得られるフレーク又は粉末状のガラスをいう。ケイ素源粉末として、長石とガラスフリットとの混合物からなる粉末を用いてもよい。
ガラスフリットを用いる場合、得られるチタン酸アルミニウム系セラミックス焼成体の耐熱分解性をより向上させるという観点から、ガラスフリットの屈伏点は、例えば600℃以上である。本明細書において、ガラスフリットの屈伏点は、熱機械分析装置(TMA:Thermo Mechanical Analysis)を用いて低温からガラスフリットの膨張を測定し、膨張が止まり、次に収縮が始まる温度(℃)と定義される。
ガラスフリットを構成するガラスには、ケイ酸〔SiO2〕を主成分(全成分中50質量%以上)とする一般的なケイ酸ガラスを用いることができる。ガラスフリットを構成するガラスは、その他の含有成分として、一般的なケイ酸ガラスと同様、アルミナ〔Al2O3〕、酸化ナトリウム〔Na2O〕、酸化カリウム〔K2O〕、酸化カルシウム〔CaO〕、マグネシア〔MgO〕等を含んでいてもよい。また、ガラスフリットを構成するガラスは、ガラス自体の耐熱水性を向上させるために、ZrO2を含有していてもよい。
ケイ素源粉末は、1種又は2種以上のいずれでもよい。ケイ素源粉末は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
ケイ素源粉末において、レーザ回折法により測定される体積基準の累積百分率50%相当粒径(D50)は、0.5〜30μmが好ましい。ケイ素源粉末のD50は、成形体の充填率をより向上させて機械的強度が更に高い焼成体を得るため、1〜20μmがより好ましい。
原料混合物がケイ素源粉末を含む場合、原料混合物中におけるケイ素源粉末の含有量は、Al2O3(アルミナ)換算でのアルミニウム源粉末とTiO2(チタニア)換算でのチタニウム源粉末との合計量100質量部に対して、SiO2(シリカ)換算で、0.1〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
ハニカムフィルタの製造では、上記マグネシアスピネル(MgAl2O4)等の複合酸化物やガラスフリットのように、隔壁120の構成成分となる複数の元素が一の粉末に含まれていてもよい。この場合、これらの化合物は、それぞれの金属源化合物を混合した原料と同じであると考えることができる。このような考えに基づき、原料混合物中におけるアルミニウム源、チタニウム源、カルシウム源、マグネシウム源、ケイ素源の含有量が調整される。
原料混合物にはチタン酸アルミニウムやチタン酸アルミニウムマグネシウムが含まれていてもよく、例えば、原料混合物の構成成分としてチタン酸アルミニウムマグネシウムを使用する場合、チタン酸アルミニウムマグネシウムは、アルミニウム源、チタニウム源及びマグネシウム源を兼ね備えた原料混合物に相当する。
チタン酸アルミニウムやチタン酸アルミニウムマグネシウムは、本製造方法により得られるハニカムフィルタから調製してもよい。例えば、本製造方法により得られたハニカムフィルタが破損した場合、破損したハニカムフィルタやその破片等を粉砕して使用することができる。粉砕して得られる粉末をチタン酸アルミニウムマグネシウム粉末とすることができる。
(添加剤)
孔形成剤としては、焼成工程において成形体を脱脂・焼成する温度以下で消失する素材によって形成されたものを使用することができる。脱脂や焼成において、孔形成剤を含有する成形体が加熱されると、孔形成剤は燃焼等によって消滅する。これにより、孔形成剤が存在していた箇所に空間ができると共に、この空間同士の間に位置するセラミックス粉末が焼成の際に収縮することにより、流体を流すことができる連通孔を隔壁内に形成することができる。
孔形成剤としては、焼成工程において成形体を脱脂・焼成する温度以下で消失する素材によって形成されたものを使用することができる。脱脂や焼成において、孔形成剤を含有する成形体が加熱されると、孔形成剤は燃焼等によって消滅する。これにより、孔形成剤が存在していた箇所に空間ができると共に、この空間同士の間に位置するセラミックス粉末が焼成の際に収縮することにより、流体を流すことができる連通孔を隔壁内に形成することができる。
孔形成剤は、例えば、トウモロコシ澱粉、大麦澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、豆澱粉、米澱粉、エンドウ澱粉、サンゴヤシ澱粉、カンナ澱粉、ポテト澱粉(馬鈴薯デンプン)である。孔形成剤において、レーザ回折法により測定される体積基準の累積百分率50%相当粒径(D50)は、例えば5〜50μmである。原料混合物が孔形成剤を含有する場合、孔形成剤の含有量は、例えば、セラミックス粉末100質量部に対して1〜25質量部である。
バインダは、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロース等のセルロース類;ポリビニルアルコール等のアルコール類;リグニンスルホン酸塩等の塩;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等のワックスである。原料混合物におけるバインダの含有量は、例えば、セラミックス粉末100質量部に対して20質量部以下である。
可塑剤は、例えばグリセリン等のアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラギン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸Al等のステアリン酸金属塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(例えばポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル)である。原料混合物における可塑剤の含有量は、例えば、セラミックス粉末100質量部に対して0〜10質量部である。
分散剤は、例えば、硝酸、塩酸、硫酸等の無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウムなどの界面活性剤である。原料混合物における分散剤の含有量は、例えば、セラミックス粉末100質量部に対して0〜20質量部である。
溶媒は、例えば水であり、不純物が少ない点で、イオン交換水が好ましい。原料混合物が溶媒を含有する場合、溶媒の含有量は、例えば、セラミックス粉末100質量部に対して10〜100質量部である。
[成形工程]
成形工程では、ハニカム構造を有するグリーンハニカム成形体を得る。成形工程では、例えば、一軸押出機により原料混合物を混練しながらダイから押出す、いわゆる押出成形法を採用することができる。
成形工程では、ハニカム構造を有するグリーンハニカム成形体を得る。成形工程では、例えば、一軸押出機により原料混合物を混練しながらダイから押出す、いわゆる押出成形法を採用することができる。
[焼成工程]
焼成工程では、成形工程において得られたハニカム構造のグリーンハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を得る。焼成工程では、成形体の焼成前に、成形体中(原料混合物中)に含まれる孔形成剤等を除去するための仮焼(脱脂)が行われてもよい。成形体の焼成において、焼成温度は、1300℃以上が好ましく、1400℃以上がより好ましい。また、焼成温度は、1650℃以下が好ましく、1550℃以下がより好ましい。昇温速度は特に限定されるものではないが、例えば1〜500℃/時間である。焼成時間は、セラミックス粉末がチタン酸アルミニウム系結晶に遷移するのに充分な時間であればよく、原料の量、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気等により異なるが、例えば10分〜24時間である。
焼成工程では、成形工程において得られたハニカム構造のグリーンハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を得る。焼成工程では、成形体の焼成前に、成形体中(原料混合物中)に含まれる孔形成剤等を除去するための仮焼(脱脂)が行われてもよい。成形体の焼成において、焼成温度は、1300℃以上が好ましく、1400℃以上がより好ましい。また、焼成温度は、1650℃以下が好ましく、1550℃以下がより好ましい。昇温速度は特に限定されるものではないが、例えば1〜500℃/時間である。焼成時間は、セラミックス粉末がチタン酸アルミニウム系結晶に遷移するのに充分な時間であればよく、原料の量、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気等により異なるが、例えば10分〜24時間である。
[封口工程]
封口工程は、成形工程と焼成工程の間、又は、焼成工程の後に行われる。成形工程と焼成工程の間に封口工程を行う場合、成形工程において得られた未焼成のグリーンハニカム成形体の各流路の一方の端部を封口材で封口した後、焼成工程においてグリーンハニカム成形体と共に封口材を焼成することにより、流路の一方の端部を封口する封口部を備えるハニカムフィルタが得られる。焼成工程の後に封口工程を行う場合、焼成工程において得られたハニカム焼成体の各流路の一方の端部を封口材で封口した後、ハニカム焼成体と共に封口材を焼成することにより、流路の一方の端部を封口する封口部を備えるハニカムフィルタが得られる。封口材としては、上記グリーンハニカム成形体を得るための原料混合物と同様の混合物を用いることができる。
封口工程は、成形工程と焼成工程の間、又は、焼成工程の後に行われる。成形工程と焼成工程の間に封口工程を行う場合、成形工程において得られた未焼成のグリーンハニカム成形体の各流路の一方の端部を封口材で封口した後、焼成工程においてグリーンハニカム成形体と共に封口材を焼成することにより、流路の一方の端部を封口する封口部を備えるハニカムフィルタが得られる。焼成工程の後に封口工程を行う場合、焼成工程において得られたハニカム焼成体の各流路の一方の端部を封口材で封口した後、ハニカム焼成体と共に封口材を焼成することにより、流路の一方の端部を封口する封口部を備えるハニカムフィルタが得られる。封口材としては、上記グリーンハニカム成形体を得るための原料混合物と同様の混合物を用いることができる。
1…ハニカムフィルタ、100…ハニカム構造体、110,110a,110b…貫通孔、120…隔壁、130…封口部。
Claims (3)
- 多孔質の隔壁により仕切られた互いに平行な複数の貫通孔を有し、
前記隔壁が、チタン酸アルミニウムを含有する粒子を含み、
当該粒子が、カルシウムを含有する、ハニカム構造体。 - 前記粒子が、マグネシウムを更に含有する、請求項1に記載のハニカム構造体。
- 請求項1又は2に記載のハニカム構造体と、
前記複数の貫通孔のうちの一部の一端及び前記複数の貫通孔のうちの残部の他端を封口する封口部と、を備える、ハニカムフィルタ。
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JP2011282042A JP2013129583A (ja) | 2011-12-22 | 2011-12-22 | ハニカム構造体及びハニカムフィルタ |
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JP2015174813A (ja) * | 2014-03-18 | 2015-10-05 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | セラミック射出成形用材料とセラミック製品の製造方法 |
-
2011
- 2011-12-22 JP JP2011282042A patent/JP2013129583A/ja active Pending
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