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JP2013121327A - 新規エタノール生産菌 - Google Patents

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JP2013121327A
JP2013121327A JP2011270285A JP2011270285A JP2013121327A JP 2013121327 A JP2013121327 A JP 2013121327A JP 2011270285 A JP2011270285 A JP 2011270285A JP 2011270285 A JP2011270285 A JP 2011270285A JP 2013121327 A JP2013121327 A JP 2013121327A
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ethanol
bacterium
gas
producing
substrate
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JP2011270285A
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Naomichi Nishio
尚道 西尾
Yutaka Nakashimada
豊 中島田
Teruyuki Nikaido
輝之 二階堂
Hiroaki Yamamoto
浩明 山本
Akiko Matsumoto
明子 松本
Naoki Kawada
直紀 河田
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Daicel Corp
Hiroshima University NUC
Original Assignee
Daicel Corp
Hiroshima University NUC
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は合成ガスを基質とするエタノール生産能を有する菌、および当該菌を用いた効率的なエタノールの生産方法の提供を課題とする。
【解決手段】 本発明者は、土壌サンプル中の微生物をH2とCO2を基質として培養し、酢酸・エタノール生産菌を探索した。全国各地から土壌サンプルを50種類採取し、H2とCO2を基質として複合培地で回分培養を行い、酢酸・エタノール生成をHPLCにより確認した。さらにH2-CO2混合ガスを基質として培養し、より高濃度のエタノールを安定的に生産する菌叢を決定した。得られた菌叢を顕微鏡観察したところ、少なくとも2種類の菌が確認できたことから、ロールチューブ法により単一菌を取得した。即ち、合成ガスを基質とするエタノール生産能を有する菌を取得することに成功した。
【選択図】なし

Description

本発明は合成ガスを基質とするエタノール生産能を有する菌、および当該菌を用いた効率的なエタノールの生産方法に関する。
今日、化石資源の枯渇化、及び二酸化炭素の排出による地球温暖化が懸念されている。酢酸は化学工業において数多く利用されているが、主に化石資源からの製造に依存している。また、エタノールは燃料として近年注目されているが、食糧との競合が問題となっている。
なお、下記の文献に示すエタノール産生方法(特許文献1)、および酢酸の生物学的生産方法(特許文献2)等が報告されている。
公表特許公報(特表2000-513233) 公開特許公報(特開2003-339371)
本発明は合成ガスを基質とするエタノール生産能を有する菌、および当該菌を用いた効率的なエタノールの生産方法の提供を課題とする。
上述の技術背景から、食糧とも競合しない再生可能資源を使った生産方法への転換が求められている。そこで着目したのが、廃木材などのバイオマスをガス化して得られる合成ガスから、微生物を使って生産する方法である。
合成ガスとは、H2とCO、CO2が主成分の混合ガスであり、バイオマスから発生させられるため枯渇の心配がなく、また、CO2を使用できるので地球温暖化の抑制にも役立つと考えられる。
本発明者は、土壌サンプル中の微生物をH2とCO2を基質として培養し、酢酸・エタノール生産菌を探索した。
全国各地から土壌サンプルを50種類採取し、H2とCO2を基質として複合培地で回分培養を行い、酢酸・エタノール生成をHPLCにより確認した。そこで、さらにH2-CO2混合ガスを基質として培養し、より高濃度のエタノールを安定的に生産する菌叢を決定した。得られた菌叢を顕微鏡観察したところ、少なくとも2種類の菌が確認できたことから、ロールチューブ法により単一菌を取得した。即ち、合成ガスを基質とするエタノール生産能を有する菌を取得することに成功した。
より具体的には、本発明は、常温常圧下で気体状である炭素化合物および水素等を含む合成ガスを原料としてエタノール産生能を有するクロストリジウム属又はその派生属に属する菌を提供するものである。
また本発明は、常温常圧下で気体状である炭素化合物および水素等を含む合成ガスを原料としてエタノール産生能を有するクロストリジウム属又はその派生属に属する菌を、常温常圧でガス状である炭素化合物および水素等を含む合成ガスの存在下で培養することを特徴とする、エタノールの生産方法を提供するものである。
さらに、本発明は、上記エタノール生産能を有する菌を培養し、生成したエタノールを気化させることにより培養液から分離し、次いで液化することを特徴とするエタノールの生産方法を提供する。
本発明は、合成ガスを基質とするエタノール生産能を有する菌、および当該菌を用いた効率的なエタノールの生産方法に関し、より具体的には、
〔1〕 合成ガスを基質としてエタノール産生能を有し、16s rRNA遺伝子の塩基配列が、配列番号:1に記載の塩基配列と95%以上の同一性を示す菌、
〔2〕 前記菌がクロストリジウム属に属する菌である〔1〕に記載の菌、
〔3〕 前記合成ガスが、H2、およびCO2を含む混合ガスである、〔1〕または〔2〕に記載の菌、
〔4〕 前記合成ガスがさらにCOを含む混合ガスである、〔3〕記載の菌、
〔5〕 受託番号NITE P-1155として寄託されたエタノール産生能を有する菌、
〔6〕 〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のエタノール産生能を有する菌を、合成ガスの存在下で培養することを特徴とするエタノールの生産方法、
〔7〕 前記合成ガスが、H2、およびCO2を含む混合ガスである、〔6〕に記載の方法、
〔8〕 前記合成ガスが、さらにCOを含む混合ガスである、〔7〕に記載の方法、
〔9〕 生成したエタノールを気化させて培養液から分離し、次いで液化させて回収する工程を含む、〔6〕〜〔8〕のいずれかに記載の方法、
を、提供するものである。
本発明のエタノール生産菌は、合成ガスを基質としてエタノール生産能を有する菌である。したがって、廃木材などのバイオマスをガス化して得られる合成ガスを利用してエタノールを生産することが可能であり、バイオマスから発生させられるため枯渇の心配がなく、さらに、CO2を使用できることから、地球温暖化の抑制にも役立つと考えられる。
図1は、125 mlのバイアルに培地を50 ml入れ、ヘッドスペースをH2-CO2(H2:CO2=80:20)及びH2-CO2にCOを加えたサンプル(H2:CO2:CO=64:16:20)にて、28℃、120 rpmで培養を5日間行った結果を示すグラフである。還元剤にはL-システインを使用した。黒菱(◆);H2-CO2ガスが基質の時のサンプル、白丸(○);H2-CO2にCOを添加した場合の結果を表している。 図2は、本願発明のクロストリジウム エスピー(Clostridium sp.) HUD-1株の16s rRNA塩基配列に基づく簡易分子系統樹を描画した図である。
本発明は、合成ガスを基質とするエタノール生産能を有する菌(以下、「本発明のエタノール生産菌」と記載する場合あり)に関する。
本発明のエタノール生産菌としては、常温常圧下で気体状の炭素化合物等を含む合成ガスを基質としてエタノールを生産する菌であれば特に制限はなく、好気性菌、嫌気性菌のいずれでも問題はないが、好ましくはクロストリジウム(Clostridium)属またはその派生属であるサーモアナエロバクテリウム(Thermoanaerobacterium)属、サーモアナエロバクター(Thermoanaerobacter)属、モーレラ(Moorella)属に属する菌が挙げられる。
最も好ましくは、本発明のエタノール生産菌として、後述するように、クロストリジウム属に属する菌が挙げられる。
また、本発明のエタノール生産菌は、合成ガスを基質としてエタノール産生能を有し、16s rRNA遺伝子の塩基配列が、配列番号:1に記載の塩基配列と、通常95%、好ましくは96%、さらに好ましくは97%、さらに好ましくは98%、最も好ましくは99%以上の同一性を示す菌である。
本発明のエタノール生産菌の16s rRNAの塩基配列を配列番号:1へ記載する。
また、本発明のエタノール生産菌としては、以下の寄託機関へ寄託されたクロストリジウム エスピー(Clostridium sp.) HUD-1株を具体的に例示することができる。
(イ)寄託機関:独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター
(所在地:日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)
(ロ)受託日(寄託日):2011年10月26日
(ハ)受託番号:NITE P-1155 (クロストリジウム エスピー HUD-1株; Clostridium sp. HUD-1)
クロストリジウム エスピー HUD-1株は本発明者らが自然界より新たに分離した合成ガスよりエタノールを生産する能力が高い菌株である。本菌株は以下の性質を有する。
生育温度:30〜37℃、45℃では生育しない
大きさ: 0.9-1.0 μm×2.0-4.0 μm
グラム染色:−
胞子の有無:+
運動性:+
コロニー形態(クロストリジウム強化寒天培地):淡黄色、円形、レンズ状に盛り上がる、全縁、表面スムーズ、不透明、粘稠度はバター様
カタラーゼ:−
オキシダーゼ:−
インドール産生:−
ウレアーゼ:−
D-グルコース:+
D-マンニトール:+
乳酸:-
ショ糖:+
マルトース:+
サリシン:+
D-キシロース:+
L-アラビノース:+
ゼラチン加水分解:-
エスクリン加水分解:+
グリセリン:-
D-セロビオース:-
D-マンノース:+
D-メレチトース:-
D-ラフィノース:-
D-ソルビトール:-
L-ラムノース:-
D-トレハロース:-
アルカリフォスファターゼ:-
エステラーゼ(C4):+
エステラーゼ リパーゼ(C8):-
リパーゼ(C14):-
ロイシンアリルアミダーゼ:-
バリンアリルアミダーゼ:-
シスチンアリルアミダーゼ:-
トリプシン:-
キモトリプシン:-
酸性フォスファターゼ:+
ナフトール−AS-BI-ホスホハイドロラーゼ:+
α-ガラクトシダーゼ:-
β-ガラクトシダーゼ:-
β-グルクロニダーゼ:-
α-グルコシダーゼ:-
β-グルコシダーゼ:-
N-アセチル-β-グルコシダーゼ:-
α-マンノシダーゼ:-
α-フコシダーゼ:-
また、本菌からDNAを抽出し、16S rRNA特異的プライマーを用いてPCR増幅を行い、その全塩基配列を決定した(配列表)。
本菌株の16s rRNA遺伝子配列をBLASTを用いて相同性検索を行った結果、本菌株はクロストリジウム マグナム(Clostridium magnum)DSM 2767株と98.6%の相同性を示した。また、16S rRNA配列による簡易系統樹を作成したところ、HUD-1株はクロストリジウム マグナム(Clostridium magnum)とクラスターを形成し、HUD-1株がクロストリジウム マグナム(Clostridium magnum)と近縁であることが示された(系統樹図)。しかしながら、クロストリジウム マグナム(Clostridium magnum)とは16S rRNAの配列からも同種と言えるほど高い相同性ではなく、D-マルトース、L-アラビノースを発酵し、45℃で生育しないなど生理学的試験においてもクロストリジウム マグナム(Clostridium magnum)とは異なる点も見られたため、HUD-1株をクロストリジウム エスピー(Clostridium sp.)と同定した。
本発明のエタノール生産菌の好ましい態様としては、上記の菌(Clostridium sp. HUD-1)の16s rRNA遺伝子の塩基配列(配列番号:1)と通常95%以上、好ましくは96%以上、より好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の同一性を示す塩基配列からなる16s rRNA遺伝子を有するクロストリジウム属の菌であって、エタノール産生能を有することを特徴とする菌が挙げられる。
本発明において見出された菌は、エタノールの他に酢酸などの有機酸も生産する。したがって、本発明のエタノール生産菌は、後述の実施例において示されるように、エタノールと併せて酢酸等の有機酸が生産される菌であってもよい。
本発明のエタノール生産法に用いられる菌は、通常、10℃〜50℃、好ましくは、20℃〜40℃の温度でエタノール生産能を有する菌である。
また、本発明で用いるエタノール生産菌としては、常温常圧下で気体状(ガスともいう)である合成ガスを基質としてエタノールを生産する能力を有する菌である。ここで常温常圧とは、通常、25℃大気圧をいう。当該炭素化合物としては、CO(一酸化炭素)、CO2(二酸化炭素)、メタン、エタン、エチレン等が挙げられ、好ましくは、COまたはCO2が挙げられる。これらの炭素化合物に加えて、水素、硫化水素等を併用することもできる。したがって、本発明における「合成ガス」とは、通常、上記のガスから選択される単一のガス、あるいは、上記のガスから選択される複数の混合ガスを言う。
混合ガスの例としては、一酸化炭素と水素の混合ガス、二酸化炭素と水素の混合ガス、一酸化炭素と二酸化炭素と水素の混合ガス等が挙げられる。本発明の合成ガスは、好ましくは、H2およびCO2を含む(もしくは、からなる)混合ガスであり、より好ましくは、H2、CO2およびCOを含む(もしくは、からなる)混合ガスである。
上記混合ガスに、窒素などの不活性ガスやメタンガス、硫化水素などの他種類のガス等が混合していてもエタノール生産に阻害がない限り特に問題はない。また、これらの炭素化合物は、ガス状で添加することも可能であるが、炭酸塩などの二酸化炭素発生源となりうる物質を添加し培養液中で二酸化炭素を発生させてもよい。なお、本発明における二酸化炭素や一酸化炭素には、炭素を含む原料、すなわちメタンやエタンなどのガスや石炭や木材などの有機性物質を燃焼などによる酸化によって製造したものも含まれる。また、本発明における水素には、硫化水素やメタン等の水素を含む物質を酸化して製造したものも含まれる。
本発明は、本発明のエタノール生産菌を用いたエタノールの生産方法(以下、「本発明のエタノール生産方法」と記載する場合あり)を提供する。
本発明のエタノール生産方法は、本発明のエタノール生産菌を、上述の合成ガスの存在下で培養することを特徴とする方法である。
本発明の方法における「合成ガス」の好ましい態様としては、例えば、H2、およびCO2を含む混合ガスが挙げられる。また、本発明の合成ガスとしては、H2、およびCO2に加えてさらにCOを含む混合ガスであることが好ましい。
本発明のエタノール生産方法においては、好ましくは、生成したエタノールを気化させて培養液から分離し、次いで液化させて回収する工程を含む方法である。
また、本発明のエタノール生産方法においては、通常、10℃〜50℃、好ましくは、20℃〜40℃の温度条件下で本発明のエタノール生産菌を培養することが好ましい。
本発明のエタノール生産方法における培養において、用いることができる炭素源は、上述の二酸化炭素や一酸化炭素などの気体状炭素化合物の他、炭酸塩など二酸化炭素を発生することのできる無機塩も利用することができる。炭素源としてはガスのみに制限されるのではなく、通常培養で利用される糖類、アミノ酸類などを併用することもできる。
また、本発明のエタノール生産方法における、合成ガスの供給方法にも特に制限はなく、培地中にガスを溶解させるために加圧する方法、あるいは、常圧にて連続してガスを供給する方法などがある。また、培地中へ溶解させる方法としてはガスを発生させることができる塩類、例えば炭酸塩、炭酸水素塩を加えることも可能である。
窒素源は塩化アンモニウムのようなアンモニウム塩や硝酸ソーダのような硝酸塩のように、通常発酵に用いうる各種窒素化合物を用いることができる。また、培地への添加成分にも特に制限はなく、必要に応じ、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、塩化ナトリウム、塩化コバルト、塩化カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウムなどの無機化合物や酵母エキスなどのビタミン源を添加することは、通常培養で行われるとおりである。
培養の形態には特に制限はなく、通常利用されている攪拌混合槽のほか、一段あるいは多段の気泡塔型発酵槽、ドライチューブ型の発酵槽、充てん型発酵槽、流動層型発酵槽などでも利用できる。
本願発明のエタノール生産方法においては、生成したエタノールを気化させることによって回収することができる。気化させるための条件としては、加圧、常圧、減圧のいずれの状態においても可能である。
気化したエタノールを液化する方法については、特に制限はなく、例えば水を冷媒に用いた冷却、空気を冷媒に用いた冷却、ガスを冷媒に用いた方法など公知の冷却方法を利用することができる。また、冷却温度については、気化したエタノールが液化する温度であれば特に制限はないが、常圧であればエタノールの沸点以下の温度(78℃以下)で行うことが好ましい。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
以下の実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
前培養、測定機器の条件を以下のように設定した。
・前培養
(1) 培地に3 g/lのL-システインを前培地量に対して1%添加。
(2) 4℃で冷蔵保存していた菌体を前培養量に対して10%になるように植菌。
(3) 28℃で培養。
(4) 3〜5日でOD 660が0.3以上になるので、その後、(1)(2)と同じ方法で新しい培地に植菌し、28℃で培養。
(5) 1〜2日でOD 660=0.2以上になるので、それを実験用に使用した。なお、植菌の仕方は(1)(2)と同じ方法で行った。
・測定機器の条件
・HPLC
<システム>
PU - 980 pump
RI - 930 detecter
CO - 980 colum oven
851 - AS auto sampler (日本分光)
C - R3A chromatopac (島津製作所)
移動相は0.1 %( v/v )H3PO4を用い、0.7 ml min-1の流速で流した。
[ポンプ圧20 〜 30 kg (cm2)-1]
カラムオーブンの温度は60℃に設定
回分培養で採取した培養液は、まず15,000 rpmで、5 分間遠心分離し、菌体を除去した。得られた上清を適宜希釈した後、0.45μmのMixed cellulose estel filter ( Dismic-13, Advantec, 東洋濾紙) でろ過したものを高機能液体クロマトグラフィー ( HPLC:High Performance Liquid Chromatography ) にて有機酸を定量した。
・GC-8A
<分析条件>
Column : Stainless steel column
Column packing material : Activated carbon
Carrier gas : Argon gas
Current : 60 mA
Column temperature : 70℃
Injection/Detector temperature : 140℃
ガスタイトシリンジを用いてサンプルを引き取り、ガスクロマトグラフィー(GC-8A:Shimadzu;TCD:Thermal Conductivity Detector)を用いてバイアル瓶中のヘッドスペースのガス組成を分析した。
・OD
採取した培養液を適度に希釈(吸光度が0.6を超えない程度に希釈)後、吸光光度計(島津分光高度計 UV-1600)にて吸光度を測定した。
・pH
培養液の pH は、pHメーター(堀場製作所; pH Meter F-21)で測定した。
〔実施例1〕集積培養
サンプルとして全国から約50種類の土壌サンプル(温泉、腐葉土、砂浜、公園など)を採取し、培地を使って培養を行った。以下に組成と作り方を示す。また、還元剤としてL-システインを使用しており、その作成方法についても記す。
基本培地(l -1 )(ATTC medium 1754 PETC medium改変)
C. ljungdahliiの培養に用いられるATCC 1754 PETC medium (http://www.atcc.org)を改変したものを基本培地として用いた。改変として、Cysteine・HCl・H2Oの最終濃度を0.3 g l-1に減らし、Na2S・9H2Oを除いた。培地作製は、Reducing Agent(Cysteine・HCl・H2O, 30 g l-1)と基質(フルクトース等)を別に調製した。嫌気的に培地を調製する方法として、Hungateの方法を改変したMillerらの方法を用いた。各成分の組成と調製手順を以下に示す。
NH4Cl 1.0 g
KCl 0.1 g
MgSO4・7H2O 0.2 g
NaCl 0.8 g
KH2PO4 0.1 g
CaCl2・2H2O 20.0 mg
Yeast extract 1.0 g (オリエンタル酵母工業)
Trace Elements 10.0 ml
Wolfe’s Vitamin Solution 10.0 ml
NaHCO3 2.0 g
HClでpH6.9に調整
ミリQ水で900 mlにフィルアップ
Resazurin 1 mg
20分間ボイルして脱気。培地が青から赤に変色したら脱気完了
CO2を注入しながら氷中で20分間冷却
Reducing Agent
ミリQ水 100 ml
20分間ボイルして脱気
N2を注入しつつ氷中で室温まで冷却
L-Cysteine・HCl・H2O 3.0 g
N2を注入しつつさらに氷中で20分間冷却
0.45μmフィルターで濾過滅菌しつつ、N2を注入した滅菌済みバイアル瓶に注入
遮光し保存
培地は、予めCO2を注入しておいた30 mlネジ口試験管に10 mlずつ分注し、蓋をして121℃、15分でオートクレーブした。作成した培地に、土壌サンプルを1 g投入し、L-システインを0.1 ml添加、ヘッドスペースをH2-CO2(H2:CO2=80:20)で置換して、2.5 atmになるように封入した。このサンプルを、28℃、180 rpmで振とう培養し、翌日新しい培地に継代して同じ条件で培養する。継代を3回以上行い土壌成分がほとんど残っていない条件になってから酢酸生産量をHPLCにて測定し、酢酸並びにエタノール生産量が最も高いサンプルを決定した。結果として、砂浜から採取した土壌サンプルが最も生産量が高いことがわかったので、続いてこれの単離に移った。
〔実施例2〕ロールチューブ法による菌の単離
ロールチューブは、培地15 ml(125 mlバイアルに分注しておく)に寒天(ナカライテスク;ゲル化温度30〜31℃)を0.35 g添加してオートクレーブして作成した。作成後は4℃で保存しておいた。
植菌するときに湯浴でゲル化させ、60℃程度を保ちながら植菌、L-システイン0.15 ml添加後、寒天をバイアル壁面に付着させた。ヘッドスペースをH2-CO2で置換した後、2.5 atmになるように封入して、28℃で静置培養した。3〜5日後にコロニー形成したものをパスツールピペットでつつき5 mlの液体培地で、再びH2-CO2で培養し単離を行った。
〔実施例3〕H2-CO2での培養
125 mlのバイアルに培地を50 ml入れ、ヘッドスペースをH2-CO2(H2:CO2=80:20)及びH2-CO2にCOを加えたサンプル(H2:CO2:CO=64:16:20)にて、28℃、120 rpmで培養を5日間行った。還元剤にはL-システインを使用した。
結果を図1に示した。図中、黒菱(◆)はH2-CO2ガスが基質の時のサンプル、白丸(○)はH2-CO2にCOを添加した場合の結果を表している。どちらのサンプルも、酢酸とエタノールの両方を生産していることが伺えた。また、COを添加した場合、H2-CO2ガスが基質の物と比べエタノール生産量が若干高くなっていることから、H2-CO2ガスよりも合成ガス(H2-CO2-COガス)を使用した方が効率よくエタノール生産が行えるのではないかと考えられた。以下の表1に酢酸とエタノール生産量について記す。
Figure 2013121327

Claims (9)

  1. 合成ガスを基質としてエタノール産生能を有し、16s rRNA遺伝子の塩基配列が、配列番号:1に記載の塩基配列と95%以上の同一性を示す菌。
  2. 前記菌がクロストリジウム属に属する菌である請求項1に記載の菌。
  3. 前記合成ガスが、H2、およびCO2を含む混合ガスである、請求項1または2に記載の菌。
  4. 前記合成ガスがさらにCOを含む混合ガスである、請求項3記載の菌。
  5. 受託番号NITE P-1155として寄託されたエタノール産生能を有する菌。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のエタノール産生能を有する菌を、合成ガスの存在下で培養することを特徴とするエタノールの生産方法。
  7. 前記合成ガスが、H2、およびCO2を含む混合ガスである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記合成ガスが、さらにCOを含む混合ガスである、請求項7に記載の方法。
  9. 生成したエタノールを気化させて培養液から分離し、次いで液化させて回収する工程を含む、請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
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