JP2013119219A - 樹脂部材の製造方法、転写用型及び転写装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】型面の転写用凹凸パターンを確実に樹脂材料に転写できる樹脂部材の製造方法と、その製造方法に好適に用いることができる転写用型及び転写装置を提供する。
【解決手段】表面に凹凸パターン31を有する樹脂部材30を製造するに際し、支持基材21に支持させた導電性材料層22と、導電性材料層22上に積層して転写用凹凸パターン23aを形成した非導電性材料層24と、を備えた転写用型20を準備し、転写用型20と支持体12との間に樹脂材料32を配置し、転写用型20に電磁波を照射して導電性材料層22を誘導加熱することで非導電性材料層24を加熱し、転写用型20と支持体12とを近接方向に加圧して転写用凹凸パターン23aと樹脂材料32とを近接方向に加圧して転写用凹凸パターン23aと樹脂材料32とを圧接することで、転写用凹凸パターン23aを樹脂材料32に転写する。
【選択図】図1
【解決手段】表面に凹凸パターン31を有する樹脂部材30を製造するに際し、支持基材21に支持させた導電性材料層22と、導電性材料層22上に積層して転写用凹凸パターン23aを形成した非導電性材料層24と、を備えた転写用型20を準備し、転写用型20と支持体12との間に樹脂材料32を配置し、転写用型20に電磁波を照射して導電性材料層22を誘導加熱することで非導電性材料層24を加熱し、転写用型20と支持体12とを近接方向に加圧して転写用凹凸パターン23aと樹脂材料32とを近接方向に加圧して転写用凹凸パターン23aと樹脂材料32とを圧接することで、転写用凹凸パターン23aを樹脂材料32に転写する。
【選択図】図1
Description
本発明は、表面に凹凸パターンを有する樹脂部材を製造する方法と、この製造方法に好適に使用できる転写用型及び転写装置に関する。
従来、凹凸パターンを有する樹脂部材を製造するために、転写用型を誘導加熱して転写する技術が提案されている。
下記特許文献1には、Tダイから熱可塑性樹脂を押し出した後、エンボスを刻設したロールで圧延賦形する際、誘導加熱を利用してロールを加熱することで、エンボスを容易に賦形できるようにしたエンボスシートの成形方法が記載されている。
下記特許文献2には、インプリント装置により金型の微細パターンを樹脂製のワークに転写する際、金型を誘導加熱すると共にワークを誘電加熱する微細パターンプレス成形法が記載されている。
下記特許文献1には、Tダイから熱可塑性樹脂を押し出した後、エンボスを刻設したロールで圧延賦形する際、誘導加熱を利用してロールを加熱することで、エンボスを容易に賦形できるようにしたエンボスシートの成形方法が記載されている。
下記特許文献2には、インプリント装置により金型の微細パターンを樹脂製のワークに転写する際、金型を誘導加熱すると共にワークを誘電加熱する微細パターンプレス成形法が記載されている。
しかしながら、誘導加熱を利用した従来の成形方法では、凹凸パターンを転写する際、樹脂材料の一部が過剰に加熱されて溶融されてしまい、凹凸パターンを所定の領域全体に均一に転写できないことがあった。
樹脂材料の部分的な過加熱を防止するためにヒータを用いて金型を加熱するとすれば、昇温時間が長くなり、しかも降温にも時間を要するため、転写処理のスループットが悪化するという問題点があった。
樹脂材料の部分的な過加熱を防止するためにヒータを用いて金型を加熱するとすれば、昇温時間が長くなり、しかも降温にも時間を要するため、転写処理のスループットが悪化するという問題点があった。
そこで本発明は、型面の転写用凹凸パターンを確実に転写できてスループットを容易に向上できる樹脂部材の製造方法と、転写用型及びこれを用いた転写装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、転写用凹凸パターンの形状に起因して型面が局部的に過剰に誘導加熱されること、型面を直接誘導加熱せずに加熱することで樹脂材料の部分的な過加熱を解決できることを見出し、本発明に到達した。
即ち、上記目的を達成する樹脂部材の製造方法は、表面に凹凸パターンを有する樹脂部材の製造方法であって、支持基材に支持された導電性材料層と、導電性材料層上に積層されて転写用凹凸パターンを有する非導電性材料層と、を備えた転写用型を準備し、支持体と転写用型との間に樹脂材料を配置し、転写用型に電磁波を照射して導電性材料層を誘導加熱することで非導電性材料層を加熱し、支持体と転写用型とを近接方向に加圧して転写用凹凸パターンと樹脂材料とを圧接することで、転写用凹凸パターンを樹脂材料に転写するものである。
即ち、上記目的を達成する樹脂部材の製造方法は、表面に凹凸パターンを有する樹脂部材の製造方法であって、支持基材に支持された導電性材料層と、導電性材料層上に積層されて転写用凹凸パターンを有する非導電性材料層と、を備えた転写用型を準備し、支持体と転写用型との間に樹脂材料を配置し、転写用型に電磁波を照射して導電性材料層を誘導加熱することで非導電性材料層を加熱し、支持体と転写用型とを近接方向に加圧して転写用凹凸パターンと樹脂材料とを圧接することで、転写用凹凸パターンを樹脂材料に転写するものである。
上記目的を達成する転写用型は、型面の転写用凹凸パターンを樹脂材料の表面に転写するために使用され且つ電磁波が照射される転写用型であって、支持基材と、支持基材に支持された導電性材料層と、導電性材料層上に積層されて転写用凹凸パターンを有する非導電性材料層と、を備えたものである。
上記目的を達成する転写装置は、上記のような転写用型と、転写用型の型面と対向配置された非導電性の支持体と、転写用型と支持体とを近接方向に加圧して型面と樹脂材料とを圧接する加圧部と、転写用型に電磁波を照射する電磁波発信部と、を備えたものである。
本発明によれば、支持基材に支持された導電性材料層と、この導電性材料層上に積層された非導電性材料層と、を転写用型に設けている。そのため転写用型に電磁波が照射されると、導電性材料層が誘導加熱され、この熱により非導電性材料層を加熱することができる。
そしてこの非導電性材料層に転写用凹凸パターンを有するため、転写用凹凸パターンの形状に関わらず非導電材料層全体を加熱することができる。そのため転写用凹凸パターンの形状に応じて局部的に過剰に誘導加熱されることを確実に防止して、樹脂材料の表面に転写用凹凸パターンを確実に転写することが可能である。
本発明によれば、導電性材料層の厚みに応じて昇温時間を短縮でき、非導電性材料層の厚みに応じて導電性材料層からの熱を短時間で型面に伝達することができる。そのため昇温時間を短縮でき、転写処理のスループットを容易に向上することができる。従って、型面の転写用凹凸パターンを確実に転写できてスループットを容易に向上できる樹脂部材の製造方法と、転写用型及びこれを用いた転写装置を提供することができる。
そしてこの非導電性材料層に転写用凹凸パターンを有するため、転写用凹凸パターンの形状に関わらず非導電材料層全体を加熱することができる。そのため転写用凹凸パターンの形状に応じて局部的に過剰に誘導加熱されることを確実に防止して、樹脂材料の表面に転写用凹凸パターンを確実に転写することが可能である。
本発明によれば、導電性材料層の厚みに応じて昇温時間を短縮でき、非導電性材料層の厚みに応じて導電性材料層からの熱を短時間で型面に伝達することができる。そのため昇温時間を短縮でき、転写処理のスループットを容易に向上することができる。従って、型面の転写用凹凸パターンを確実に転写できてスループットを容易に向上できる樹脂部材の製造方法と、転写用型及びこれを用いた転写装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図を用いて具体的に説明する。本実施形態では、図1及び図2に示す転写装置10及び転写用型20を用いて図3に示す樹脂部材30を製造する例について説明する。
[樹脂部材30]
本実施形態で製造する樹脂部材30は、図3に示すように、少なくとも表面の所定領域に凹凸パターン31が設けられた部材である。この樹脂部材30は膜又はシート等の薄肉部材であってもよく、板状又は塊状の厚肉部材であってもよい。また樹脂のみからなる部材であっても、他の材料と樹脂とが一体化された複合部材であってもよい。
凹凸パターン31が設けられる領域は平面状であるのが好ましいが、転写用型20による転写処理が可能であれば曲面であってもよい。凹凸パターン31は用途に応じて適宜選択できる。従来よりインプリント技術で形成される形状であれば形成可能である。例えば凹凸の高さが10nm〜500nmであってもよい。
本実施形態で製造する樹脂部材30は、図3に示すように、少なくとも表面の所定領域に凹凸パターン31が設けられた部材である。この樹脂部材30は膜又はシート等の薄肉部材であってもよく、板状又は塊状の厚肉部材であってもよい。また樹脂のみからなる部材であっても、他の材料と樹脂とが一体化された複合部材であってもよい。
凹凸パターン31が設けられる領域は平面状であるのが好ましいが、転写用型20による転写処理が可能であれば曲面であってもよい。凹凸パターン31は用途に応じて適宜選択できる。従来よりインプリント技術で形成される形状であれば形成可能である。例えば凹凸の高さが10nm〜500nmであってもよい。
[樹脂材料32]
樹脂部材30を製造するための樹脂材料32は、転写処理により樹脂部材30が得られる材料である。樹脂材料32を構成する樹脂は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等を適宜選択可能であるが、熱可塑性樹脂であれば製造が容易で好適である。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
樹脂部材30を製造するための樹脂材料32は、転写処理により樹脂部材30が得られる材料である。樹脂材料32を構成する樹脂は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等を適宜選択可能であるが、熱可塑性樹脂であれば製造が容易で好適である。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
[転写装置10の全体構成]
樹脂材料32を転写処理するための転写装置10は、図1(a)(b)に示すように、転写用型20と、転写用型20の型面23に対向配置された支持体12と、転写用型20と支持体12とを近接方向に加圧して型面23と樹脂材料32とを圧接させる加圧部14と、転写用型20に電磁波を照射する電磁波発信部16と、を備えている。
この転写装置10では、電磁波を透過しない材料により形成された不図示のカバーにより全体が覆われている。
樹脂材料32を転写処理するための転写装置10は、図1(a)(b)に示すように、転写用型20と、転写用型20の型面23に対向配置された支持体12と、転写用型20と支持体12とを近接方向に加圧して型面23と樹脂材料32とを圧接させる加圧部14と、転写用型20に電磁波を照射する電磁波発信部16と、を備えている。
この転写装置10では、電磁波を透過しない材料により形成された不図示のカバーにより全体が覆われている。
[転写用型20]
転写用型20は、図2に示すように、支持基材21と、支持基材21に支持された導電性材料層22と、導電性材料層22上に積層されて型面23を構成する非導電性材料層24と、を備えている。この実施形態では、支持基材21上に導電性材料層22が直接積層され、導電性材料層22の表面に非導電性材料層24が直接積層されている。
転写用型20は、図2に示すように、支持基材21と、支持基材21に支持された導電性材料層22と、導電性材料層22上に積層されて型面23を構成する非導電性材料層24と、を備えている。この実施形態では、支持基材21上に導電性材料層22が直接積層され、導電性材料層22の表面に非導電性材料層24が直接積層されている。
[支持基材21]
支持基材21は、型面23を構成する非導電性材料層24及び導電性材料層22を安定して支持するものである。支持基材21の形状、構造等は、導電性材料層22及び非導電性材料層24を確実に支持できる範囲で適宜選択でき、例えば1〜100mm程度の厚みの板状体としてもよい。型面23側の表面が平滑であれば、均一な導電性材料層22を容易に形成できて好適である。
支持基材21は、型面23を構成する非導電性材料層24及び導電性材料層22を安定して支持するものである。支持基材21の形状、構造等は、導電性材料層22及び非導電性材料層24を確実に支持できる範囲で適宜選択でき、例えば1〜100mm程度の厚みの板状体としてもよい。型面23側の表面が平滑であれば、均一な導電性材料層22を容易に形成できて好適である。
支持基材21を構成する材料は、転写時に型面23に作用する応力に対して十分な強度を確保できる硬質材料であるのがよい。この硬質材料は、転写時に転写用型20に照射される電磁波により導電性材料層22よりも誘導加熱されない材料であるのが好ましく、非導電性材料が特に好ましい。支持基材21が加熱されると、転写用型20全体の温度が上昇するため転写処理の際に昇温速度及び降温速度が遅くなるからである。
またこの硬質材料は非導電性材料層24よりも熱伝導性が低い材料であるのがよい。支持基材21の熱伝導性が高いと、導電性材料層22を誘導加熱した際、導電性材料層22からの熱量が支持基材21側に多く拡散するため、誘導加熱の際に昇温時間が長くなり、また転写用型20全体の温度が上昇するため加熱後に降温時間も長くなる。
特に限定されるものではないが、熱伝導率が3W/mK以下の材料であれば、導電性材料層22より格段に熱伝導率が低くて特に好適に使用できる。
特に限定されるものではないが、熱伝導率が3W/mK以下の材料であれば、導電性材料層22より格段に熱伝導率が低くて特に好適に使用できる。
このような支持基材21を構成する材料としては、例えばシリコン基板、ジルコニア(ZrO3、熱伝導率3W/mK)、ムライト(3Al2O3・2SiO2、熱伝導率2.5〜2.9W/mK)、ソーダガラス(熱伝導率0.7W/mK)、磁器(熱伝導率0.15W/mK)、陶器(熱伝導率1〜1.6W/mK)等のセラミックスなどを使用してもよい。
[導電性材料層22]
導電性材料層22は、支持基材21に支持され、電磁波が照射されることで誘導加熱される層である。導電性材料層22は型面23に対応する領域の全面に設けられているのがよい。この導電性材料層22は導電性を有する材料からなる。導電性を有する材料であれば、転写時に転写用型20に照射される電磁波及び抵抗に応じて誘導加熱可能である。加熱された際、過剰な劣化や変形が生じないという理由で、導電性樹脂等よりは金属が好ましい。
導電性材料層22は、支持基材21に支持され、電磁波が照射されることで誘導加熱される層である。導電性材料層22は型面23に対応する領域の全面に設けられているのがよい。この導電性材料層22は導電性を有する材料からなる。導電性を有する材料であれば、転写時に転写用型20に照射される電磁波及び抵抗に応じて誘導加熱可能である。加熱された際、過剰な劣化や変形が生じないという理由で、導電性樹脂等よりは金属が好ましい。
導電性材料層22は薄膜からなるのが好適である。導電性材料層22が厚いと、導電性材料層22の熱容量が大きくなることで昇温時間が長くなる上、誘導加熱の際、表皮効果及び熱拡散等により厚み方向に温度分布が生じて導電性材料層22の温度を調整し難くなる。
そのため導電性材料層22の厚みを、例えば5nm〜500nm以下としてもよい。
そのため導電性材料層22の厚みを、例えば5nm〜500nm以下としてもよい。
導電性材料層22は厚みをなるべく均一にするのがよい。厚みが不均一であると、導電性材料層22の温度にバラツキを生じ易く、型面23に温度ムラを生じ易くなるからである。
この導電性材料層22の型面23側となる表面は平滑であればよく、導電性材料層22が薄い場合、表裏両面が平滑であることが好ましい。ここでいう平滑とは、型面23の転写用凹凸パターン23aに比べて微細な角部や角張った頂部が少ないことである。導電性材料層22を平滑にすることで、電磁波により誘導加熱された際、電荷が集中して局部的に過剰に加熱されることを防止し易く、導電性材料層22全体を均一に加熱することが容易である。
このような導電性材料層22は、例えば蒸着法、スパッタリング法により形成してもよい。導電性材料としては、例えばクロム(Cr)、アルミニウム(Al)、ニッケルクロム(Ni・Cr)、酸化インジウムスズ(ITO)等が挙げられる。これらの金属であれば体積抵抗値が低いため好適に使用できる。
[非導電性材料層24]
非導電性材料層24は、導電性材料層22上に積層されて型面23を構成する層である。非導電性材料層24には樹脂材料32に転写するための転写用凹凸パターン23aが刻設されている。
非導電性材料層24は、導電性材料層22上に積層されて型面23を構成する層である。非導電性材料層24には樹脂材料32に転写するための転写用凹凸パターン23aが刻設されている。
この転写用型20では、電磁波が照射された際、導電性材料層22が誘導加熱されて生じた熱により非導電性材料層24が加熱されるように構成する必要がある。そのためには非導電性材料層24を構成する材料が導電性材料層22より誘導加熱され難い材料であることが必要である。非導電性材料層24を構成する材料としては、絶縁性のある無機材料からなるのが好適であり、例えばSi、SiO、SiO2、SiOx等のシリコン系材料、アルミニウムの陽極酸化皮膜等を用いることができる。
非導電性材料層24の厚みは、出来るだけ薄くすることが望ましく、薄膜からなるのがよい。非導電性材料層24を薄く形成することで、導電性材料層22からの熱で瞬時に型面23を所望の温度に昇温することができる。なお非導電性材料層24は、導電性材料層22が露出しないように少なくとも転写用凹凸パターン23aの凹凸の高さより厚く形成されている。
非導電性材料層24は導電性材料層22上に他の層を介して積層してもよいが、直接接して積層されていれば、誘導加熱時に導電性材料層22からの熱が伝達され易く、より短時間で昇温できて好適である。
このような非導電性材料層24は、導電性材料層22上に非導電性材料層24を積層することで形成でき、例えば蒸着法、スパッタリング法、CVD法により形成してもよい。
なお導電性材料層22としてアルミニウムを用いた場合には、非導電性材料層24としてアルミニウムの陽極酸化皮膜を用いてもよい。この場合、導電性材料層22及び非導電性材料層24を一つの薄膜として形成してもよい。またアルミニウム以外の導電性材料層22上にアルミニウム皮膜を積層して陽極酸化皮膜を形成してもよい。
なお導電性材料層22としてアルミニウムを用いた場合には、非導電性材料層24としてアルミニウムの陽極酸化皮膜を用いてもよい。この場合、導電性材料層22及び非導電性材料層24を一つの薄膜として形成してもよい。またアルミニウム以外の導電性材料層22上にアルミニウム皮膜を積層して陽極酸化皮膜を形成してもよい。
非導電性材料層24に設けられる転写用凹凸パターン23aは、樹脂部材30の表面に形成しようとする凹凸パターンに対応した形状を有する。転写された凹凸パターン31が転写後に転写用凹凸パターン23aより縮小する場合には、縮小分を加えた大きさで設ける。転写用凹凸パターン23aの形成方法は特に限定されないが、例えばフォトリソグラフィにより形成してもよい。なお、非導電性材料層24としてアルミ陽極酸化皮膜を用いる場合、この皮膜に存在する微細な凹凸を利用して転写用凹凸パターン23aを形成してもよい。
[支持体12]
転写装置10の支持体12は、転写用型20の型面23に対向配置され、樹脂材料32の背面、即ち転写用凹凸パターン23aが転写される面の反対側を支持するものである。
支持体12を構成する材料は、転写時に樹脂材料32の変形を阻止して型面23全体に押し付けることが可能な強度を有する硬質材料であるのがよい。この硬質材料は、転写時に転写用型20に照射される電磁波により導電性材料層22よりも加熱されない材料であるのがよい。硬質材料が非導電性材料からなるものであれば、電磁波により誘導加熱されないため、樹脂材料の背面側を加熱せずに支持できて好適である。このような支持体12を構成する材料としては、転写用型20の支持基材21と同様の材料を例示することができる。
転写装置10の支持体12は、転写用型20の型面23に対向配置され、樹脂材料32の背面、即ち転写用凹凸パターン23aが転写される面の反対側を支持するものである。
支持体12を構成する材料は、転写時に樹脂材料32の変形を阻止して型面23全体に押し付けることが可能な強度を有する硬質材料であるのがよい。この硬質材料は、転写時に転写用型20に照射される電磁波により導電性材料層22よりも加熱されない材料であるのがよい。硬質材料が非導電性材料からなるものであれば、電磁波により誘導加熱されないため、樹脂材料の背面側を加熱せずに支持できて好適である。このような支持体12を構成する材料としては、転写用型20の支持基材21と同様の材料を例示することができる。
[加圧部14]
転写装置10の加圧部14は、転写用型20と支持体12とを互いに近接方向に加圧するものである。例えばサーボモータ、流体圧シリンダー、ウエイト等により駆動されるように構成されているが、詳細な図示は省略している。本実施形態では、転写用型20が所定位置に固定されており、加圧部14により支持体12が駆動される。転写用型20と支持体12とを近接方向に加圧することで、転写用型20の型面23と支持体12との間にある樹脂材料32を型面23に押し付け、転写用凹凸パターン23aを確実に転写させることができる。
転写装置10の加圧部14は、転写用型20と支持体12とを互いに近接方向に加圧するものである。例えばサーボモータ、流体圧シリンダー、ウエイト等により駆動されるように構成されているが、詳細な図示は省略している。本実施形態では、転写用型20が所定位置に固定されており、加圧部14により支持体12が駆動される。転写用型20と支持体12とを近接方向に加圧することで、転写用型20の型面23と支持体12との間にある樹脂材料32を型面23に押し付け、転写用凹凸パターン23aを確実に転写させることができる。
[電磁波発信部16]
転写装置10の電磁波発信部16は、転写時に転写用型20に電磁波を照射して導電性材料層22を誘導加熱するものである。電磁波発信部16は転写用型20の導電性材料層22全体にできるだけ均一に電磁波を照射できるものが好適である。
照射する電磁波は高周波、マイクロ波、ミリ波等で、周波数、出力、照射時間等は導電性材料層22の材質や厚み、所望の型面温度等に応じて適宜設定することができる。例えばマイクロ波を照射する電磁波発信部16の場合、出力を100W〜750Wとし、照射時間を30〜120secとしてもよい。なおマイクロ波を照射する場合、マルチモードの発信器を用いてもよいが、導電性材料層22を均一に加熱できるという理由でシングルモードの発信器を用いるのが好ましい。
転写装置10の電磁波発信部16は、転写時に転写用型20に電磁波を照射して導電性材料層22を誘導加熱するものである。電磁波発信部16は転写用型20の導電性材料層22全体にできるだけ均一に電磁波を照射できるものが好適である。
照射する電磁波は高周波、マイクロ波、ミリ波等で、周波数、出力、照射時間等は導電性材料層22の材質や厚み、所望の型面温度等に応じて適宜設定することができる。例えばマイクロ波を照射する電磁波発信部16の場合、出力を100W〜750Wとし、照射時間を30〜120secとしてもよい。なおマイクロ波を照射する場合、マルチモードの発信器を用いてもよいが、導電性材料層22を均一に加熱できるという理由でシングルモードの発信器を用いるのが好ましい。
[樹脂部材30の製造]
次に、このような転写装置10を用いて樹脂部材30を製造する方法について説明する。
まず図2に示す転写用型20を準備する。転写用型20を作製するには、支持基材21上に蒸着法、スパッタリング法等により導電性材料を積層し、導電性材料層22を形成する。導電性材料層22上に、蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の薄膜形成法や陽極酸化等の表面処理法により非導電性材料層24を積層する。非導電性材料層24にフォトリソグラフィにより転写用凹凸パターン23aを形成する。この転写用型20は予め作製されたものを用いてもよい。
また、樹脂部材30に応じた樹脂材料32を準備する。本実施形態では、樹脂材料32として予め成形された熱可塑性樹脂からなるシートを用いる。
次に、このような転写装置10を用いて樹脂部材30を製造する方法について説明する。
まず図2に示す転写用型20を準備する。転写用型20を作製するには、支持基材21上に蒸着法、スパッタリング法等により導電性材料を積層し、導電性材料層22を形成する。導電性材料層22上に、蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の薄膜形成法や陽極酸化等の表面処理法により非導電性材料層24を積層する。非導電性材料層24にフォトリソグラフィにより転写用凹凸パターン23aを形成する。この転写用型20は予め作製されたものを用いてもよい。
また、樹脂部材30に応じた樹脂材料32を準備する。本実施形態では、樹脂材料32として予め成形された熱可塑性樹脂からなるシートを用いる。
その後、図1(a)に示すように、転写用型20を加圧部14に接続し、型面23と支持体12とを対向配置する。樹脂材料32を転写用型20の型面23と支持体12の押付面13との間に配置する。
そして、電磁波発信部16から型面23に電磁波を照射すると共に、加圧部14により転写用型20と支持体12とを近接方向に加圧して樹脂材料32を転写用型20の型面23に圧接する。
そして、電磁波発信部16から型面23に電磁波を照射すると共に、加圧部14により転写用型20と支持体12とを近接方向に加圧して樹脂材料32を転写用型20の型面23に圧接する。
このとき、転写用型20に電磁波が照射されると、導電性材料層22が誘導加熱され、導電性材料層22で生じた熱により非導電性材料層24が加熱され、型面23が所望の温度に昇温される。この型面23の温度により樹脂材料32の表面が加熱される。加熱時には、樹脂材料32の表面温度が樹脂材料32の樹脂の軟化点以上で、樹脂材料32の樹脂が溶融される温度未満の温度範囲となるように加熱する。
また加圧部14により転写用型20と支持体12とを近接方向に加圧すると、樹脂材料32の表面に型面23が確実に接触して押し付けられ、加熱された樹脂材料32の表面に型面23の転写用凹凸パターン23aが転写される。加圧部14からの圧力は、樹脂材料32が押し潰されない範囲で、樹脂材料32に応じて適宜設定することができる。
このような加熱加圧状態は短時間で終了してもよいが、樹脂が劣化しない範囲で所定時間継続してもよい。加熱加圧状態を継続すれば、より穏やかな条件で転写用凹凸パターン23aを転写させることができる。
その後、電磁波発信部16による電磁波の照射を終了し、加圧部14が駆動して転写用型20と支持体12とを広く離間させる。そして樹脂部材30及び転写用型20を冷却し、樹脂部材30を凹凸パターン31が形成された状態で固化する。冷却時には、少なくとも樹脂部材30の表面及び転写用型20の型面23が所定温度以下となればよく、自然放冷でもよく、送風等の冷却手段により強制的に冷却してもよい。
樹脂部材30の凹凸パターン31が固化された後、型面23から剥離することで、表面に凹凸パターン31を有する樹脂部材30を得ることができる。
[本実施形態により得られる作用効果]
上記のような転写用型20及び転写装置10を用いて樹脂部材30を製造する本実施形態では、まず転写用型20が、支持基材21に支持された導電性材料層22と、この導電性材料層22上に積層されて型面23を構成する非導電性材料層24と、を備えている。そのため転写用型20に電磁波が照射された際、導電性材料層22が誘導加熱され、この熱により非導電性材料層24を加熱することができる。
このとき型面23が直接誘導加熱されることがないため、転写用凹凸パターン23aの形状に起因して局部的に過剰に加熱されることを防止できる。そのため、樹脂材料32の表面の一部が過剰に加熱されて溶融することがなく、型面23の転写用凹凸パターン23aが設けられた領域全体で、確実に転写用凹凸パターン23aを樹脂材料32に転写することが可能である。
また導電性材料層22の厚みに応じて昇温時間を短縮でき、非導電性材料層24の厚みに応じて導電性材料層22からの熱を短時間で型面23に伝達できる。そのため昇温時間を短縮でき、転写処理のスループットを容易に向上できる。
上記のような転写用型20及び転写装置10を用いて樹脂部材30を製造する本実施形態では、まず転写用型20が、支持基材21に支持された導電性材料層22と、この導電性材料層22上に積層されて型面23を構成する非導電性材料層24と、を備えている。そのため転写用型20に電磁波が照射された際、導電性材料層22が誘導加熱され、この熱により非導電性材料層24を加熱することができる。
このとき型面23が直接誘導加熱されることがないため、転写用凹凸パターン23aの形状に起因して局部的に過剰に加熱されることを防止できる。そのため、樹脂材料32の表面の一部が過剰に加熱されて溶融することがなく、型面23の転写用凹凸パターン23aが設けられた領域全体で、確実に転写用凹凸パターン23aを樹脂材料32に転写することが可能である。
また導電性材料層22の厚みに応じて昇温時間を短縮でき、非導電性材料層24の厚みに応じて導電性材料層22からの熱を短時間で型面23に伝達できる。そのため昇温時間を短縮でき、転写処理のスループットを容易に向上できる。
導電性材料層22や非導電性材料層24が薄膜からなる転写用型20を用いていれば、電磁波が照射された際、導電性材料層22を瞬時に昇温でき、導電性材料層22の熱を瞬時に型面23に伝達できる。また、導電性材料層22及び非導電性材料層24の熱容量を小さくでき、誘導加熱後に短時間で放熱できて型面23を短時間で降温できる。
そのため型面23の昇温時間及び降温時間を極めて短くでき、転写処理の処理時間を短縮できる上、樹脂材料32の表面が高温で維持される時間を最小限に短縮できる。これにより樹脂材料32の劣化を防止することが可能である。
そのため型面23の昇温時間及び降温時間を極めて短くでき、転写処理の処理時間を短縮できる上、樹脂材料32の表面が高温で維持される時間を最小限に短縮できる。これにより樹脂材料32の劣化を防止することが可能である。
導電性材料層22の表面が平滑な転写用型20を用いたり、導電性材料層22の厚みが均一な転写用型20を用いていれば、電磁波が照射された際、導電性材料層22全体を均一に加熱に加熱できて、型面23全体における温度のバラツキを小さくしたり無くすことができる。そのため、樹脂材料32の表面により均一に転写用凹凸パターン23aを転写することができる。
支持基材21が非導電性の硬質材料からなる転写用型20を用いていれば、電磁波が照射された際、支持基材21が誘導加熱されないため転写時に余分な熱量が生じない。そのため加熱時には型面23の温度調整が容易であり、また降温時にはより短時間で放熱できる。
また上記の転写装置10では、支持体12も非導電性の硬質材料からなるので、電磁波が照射された際、支持体12が誘導加熱により昇温することを防止できる。そのため樹脂材料32の背面側を加熱せずに支持でき、また熱膨張等を防止して精度よく確実な転写処理を行うことができる。
上記実施形態は本発明の範囲内において適宜変更可能である。例えば上記では転写装置10として下側に電磁波発信部16が配置され、上側に加圧部14が配置され、転写用型20が水平に配置された例について説明したが、これらの配置位置や向きは何ら限定されない。
上記ではシート乃至板状体からなる樹脂材料32に転写用凹凸パターン23aを転写したが、樹脂材料32としては立体的形状を有したものであってもよい。
上記では支持体12の型面23との対向面を平面状に設けたが、支持体12に樹脂材料32の形状に対応した凹部を設け、この凹部を型面23と対向させてもよい。このような支持体12を用いれば、転写時に樹脂材料32が型面23により過剰に押し潰されることを防止できる。
上記ではシート乃至板状体からなる樹脂材料32に転写用凹凸パターン23aを転写したが、樹脂材料32としては立体的形状を有したものであってもよい。
上記では支持体12の型面23との対向面を平面状に設けたが、支持体12に樹脂材料32の形状に対応した凹部を設け、この凹部を型面23と対向させてもよい。このような支持体12を用いれば、転写時に樹脂材料32が型面23により過剰に押し潰されることを防止できる。
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1〜4の転写用型20及び比較例1〜3の転写用型20を作製し、図1に示すような転写装置10を用い、厚み1mmのポリエチレンシートからなる樹脂材料32への転写処理を行った。得られた樹脂部材30の凹凸パターンを接触式膜厚計及び顕微鏡観察により比較した。
実施例1〜4の転写用型20及び比較例1〜3の転写用型20を作製し、図1に示すような転写装置10を用い、厚み1mmのポリエチレンシートからなる樹脂材料32への転写処理を行った。得られた樹脂部材30の凹凸パターンを接触式膜厚計及び顕微鏡観察により比較した。
[実施例1]
(転写用型20の作製)
図2に示す転写用型20を作製した。十分に厚肉のガラス基板からなる支持基材21に、厚み10nmのCr薄膜からなる導電性材料層22を蒸着により直接積層した。さらに導電性材料層22に、厚み500nmのSiO薄膜からなる非導電性材料層24を蒸着により直接積層した。
その後、非導電性材料層24にフォトリソグラフィにより転写用凹凸パターン23aを形成した。転写用凹凸パターン23aは格子パターンで、縦方向及び横方向のピッチをそれぞれ170μmとし、一方の線幅(凸部の幅)×線間スペース(凹部の幅)を30μm×140μm、他方を25μm×145μmとし、導電性材料層22の表面から凸部頂部までの高さを140nmとした。凹部と導電性材料層22との間の厚みは10〜20nm程度であった。
(転写用型20の作製)
図2に示す転写用型20を作製した。十分に厚肉のガラス基板からなる支持基材21に、厚み10nmのCr薄膜からなる導電性材料層22を蒸着により直接積層した。さらに導電性材料層22に、厚み500nmのSiO薄膜からなる非導電性材料層24を蒸着により直接積層した。
その後、非導電性材料層24にフォトリソグラフィにより転写用凹凸パターン23aを形成した。転写用凹凸パターン23aは格子パターンで、縦方向及び横方向のピッチをそれぞれ170μmとし、一方の線幅(凸部の幅)×線間スペース(凹部の幅)を30μm×140μm、他方を25μm×145μmとし、導電性材料層22の表面から凸部頂部までの高さを140nmとした。凹部と導電性材料層22との間の厚みは10〜20nm程度であった。
(転写処理)
得られた転写用型20を転写装置10に装着して転写処理を行った。
転写条件は加圧部14により0.003MPaの荷重を負荷しながら、シングルモードの電磁波発信器から電磁波を、波長2.45GHz、電磁波出力300W、照射時間60秒の条件で照射した。転写処理後の樹脂材料32表面の観察結果を表1に示す。
得られた転写用型20を転写装置10に装着して転写処理を行った。
転写条件は加圧部14により0.003MPaの荷重を負荷しながら、シングルモードの電磁波発信器から電磁波を、波長2.45GHz、電磁波出力300W、照射時間60秒の条件で照射した。転写処理後の樹脂材料32表面の観察結果を表1に示す。
[実施例2]
電磁波の照射時間を120秒とする他は全て実施例1と同様にして転写処理を行った。転写処理後の樹脂材料32表面の観察結果を表1に示す。
電磁波の照射時間を120秒とする他は全て実施例1と同様にして転写処理を行った。転写処理後の樹脂材料32表面の観察結果を表1に示す。
[実施例3]
導電性材料層22の表面から凸部頂部までの高さを475nmとした他は実施例1,2と同じにして、実施例3の転写用型20を作製した。
その後、電磁波出力を500Wとし、照射時間を30秒とする他は、実施例1,2と同様に転写処理を行った。結果を表1に示す。
導電性材料層22の表面から凸部頂部までの高さを475nmとした他は実施例1,2と同じにして、実施例3の転写用型20を作製した。
その後、電磁波出力を500Wとし、照射時間を30秒とする他は、実施例1,2と同様に転写処理を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
電磁波の照射時間を60秒とする他は全て実施例3と同様にして転写処理を行った。転写処理後の樹脂材料32表面の観察結果を表1に示す。
電磁波の照射時間を60秒とする他は全て実施例3と同様にして転写処理を行った。転写処理後の樹脂材料32表面の観察結果を表1に示す。
[比較例1]
導電性材料層22を設けずに、ガラス基板からなる支持基材21の表面に厚み500nmのSiO薄膜からなる非導電性材料層24を設ける他は実施例1と同様にして、転写用型を作製して転写処理を行った。その結果、樹脂材料32上に凹凸パターンの転写を確認できなかった。
導電性材料層22を設けずに、ガラス基板からなる支持基材21の表面に厚み500nmのSiO薄膜からなる非導電性材料層24を設ける他は実施例1と同様にして、転写用型を作製して転写処理を行った。その結果、樹脂材料32上に凹凸パターンの転写を確認できなかった。
[比較例2]
ガラス基板からなる支持基材21の表面に厚み100nmのCr薄膜からなる導電性材料層22を実施例1と同様にして設けた後、非導電性材料層24を設けずに、実施例1と同様の格子パターンをCr薄膜の表面に直接形成して転写用型を作製した。この転写用型を用いて実施例1と同様に転写処理を行った。その結果、転写処理後に樹脂材料32が転写用型の型面に融着してしまい、樹脂材料32を転写用型から剥がすことが容易でなかった。
無理に引き剥がして樹脂材料32の表面を観察したところ、型周囲のエッジ部と一部の格子交点部分が過剰に溶融されており、転写用凹凸パターン23aを転写できなかった。
ガラス基板からなる支持基材21の表面に厚み100nmのCr薄膜からなる導電性材料層22を実施例1と同様にして設けた後、非導電性材料層24を設けずに、実施例1と同様の格子パターンをCr薄膜の表面に直接形成して転写用型を作製した。この転写用型を用いて実施例1と同様に転写処理を行った。その結果、転写処理後に樹脂材料32が転写用型の型面に融着してしまい、樹脂材料32を転写用型から剥がすことが容易でなかった。
無理に引き剥がして樹脂材料32の表面を観察したところ、型周囲のエッジ部と一部の格子交点部分が過剰に溶融されており、転写用凹凸パターン23aを転写できなかった。
[比較例3]
一辺30μmの四角形が30μm間隔で配列したドットパターンを形成する他は、比較例2と同様にして転写用型を作製し、転写処理を行った。その結果、転写処理後に樹脂材料32が転写用型の型面に融着してしまい、樹脂材料32を転写用型から剥がすことが容易でなかった。
無理に引き剥がして樹脂材料32の表面を観察したところ、型周囲のエッジ部と一部の表面が過剰に溶融されており、転写用凹凸パターン23aを転写できなかった。
一辺30μmの四角形が30μm間隔で配列したドットパターンを形成する他は、比較例2と同様にして転写用型を作製し、転写処理を行った。その結果、転写処理後に樹脂材料32が転写用型の型面に融着してしまい、樹脂材料32を転写用型から剥がすことが容易でなかった。
無理に引き剥がして樹脂材料32の表面を観察したところ、型周囲のエッジ部と一部の表面が過剰に溶融されており、転写用凹凸パターン23aを転写できなかった。
10 転写装置
12 支持体
13 押付面
14 加圧部
16 電磁波発信部
20 転写用型
21 支持基材
22 導電性材料層
23 型面
23a 転写用凹凸パターン
24 非導電性材料層
30 樹脂部材
31 凹凸パターン
32 樹脂材料
12 支持体
13 押付面
14 加圧部
16 電磁波発信部
20 転写用型
21 支持基材
22 導電性材料層
23 型面
23a 転写用凹凸パターン
24 非導電性材料層
30 樹脂部材
31 凹凸パターン
32 樹脂材料
Claims (3)
- 表面に凹凸パターンを有する樹脂部材の製造方法であって、
支持基材に支持された導電性材料層と、該導電性材料層上に積層されて転写用凹凸パターンを有する非導電性材料層と、を備えた転写用型を準備し、
支持体と上記転写用型との間に樹脂材料を配置し、上記転写用型に電磁波を照射して上記導電性材料層を誘導加熱することで上記非導電性材料層を加熱し、上記支持体と上記転写用型とを近接方向に加圧して上記転写用凹凸パターンと上記樹脂材料とを圧接することで、上記転写用凹凸パターンを上記樹脂材料に転写する、樹脂部材の製造方法。 - 型面の転写用凹凸パターンを樹脂材料の表面に転写するために使用され且つ電磁波が照射される転写用型であって、
支持基材と、該支持基材に支持された導電性材料層と、該導電性材料層上に積層されて上記転写用凹凸パターンを有する非導電性材料層と、を備えた、転写用型。 - 請求項2に記載の転写用型と、該転写用型の前記型面と対向配置された非導電性の支持体と、上記転写用型と上記支持体とを近接方向に加圧して上記型面と上記樹脂材料とを圧接する加圧部と、上記転写用型に電磁波を照射する電磁波発信部と、を備えた、転写装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011268436A JP2013119219A (ja) | 2011-12-07 | 2011-12-07 | 樹脂部材の製造方法、転写用型及び転写装置 |
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JP2011268436A Pending JP2013119219A (ja) | 2011-12-07 | 2011-12-07 | 樹脂部材の製造方法、転写用型及び転写装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022163339A1 (ja) * | 2021-01-28 | 2022-08-04 | 株式会社micro-AMS | 成形体の製造方法 |
-
2011
- 2011-12-07 JP JP2011268436A patent/JP2013119219A/ja active Pending
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WO2022163339A1 (ja) * | 2021-01-28 | 2022-08-04 | 株式会社micro-AMS | 成形体の製造方法 |
JP7584133B2 (ja) | 2021-01-28 | 2024-11-15 | 株式会社micro-AMS | 成形体の製造方法 |
EP4286130A4 (en) * | 2021-01-28 | 2024-12-04 | micro-AMS Inc. | PROCESS FOR MANUFACTURING MOULDED BODY |
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