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JP2013116483A - アルミニウム合金材と異種金属材との接合方法 - Google Patents

アルミニウム合金材と異種金属材との接合方法 Download PDF

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JP2013116483A JP2011264846A JP2011264846A JP2013116483A JP 2013116483 A JP2013116483 A JP 2013116483A JP 2011264846 A JP2011264846 A JP 2011264846A JP 2011264846 A JP2011264846 A JP 2011264846A JP 2013116483 A JP2013116483 A JP 2013116483A
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崇 村瀬
Yutaka Yanagawa
裕 柳川
Toshiya Okada
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Abstract

【課題】アルミニウム合金材と異種金属材との接合方法について、良好な接合性と接合時の材料変形の少ない、信頼性の高い新規な接合方法を提供する。
【解決手段】本発明は、アルミニウム合金材を一方の被接合部材とし、異種金属材を他方の被接合部材として、前記一方の被接合部材と他方の被接合部材を接合する方法において、他方の被接合部材は、前記一方のアルミニウム合金より固相線温度が高い異種金属材、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の全質量に対する前記アルミニウム合金材内に生成する液相の質量の比が5%以上35%以下となる温度において接合することを特徴とするアルミニウム合金材と異種金属材との接合方法である。ここで、本発明においては、一方の被接合部材はアルミニウム合金材のMg濃度の調整又はフラックスの使用の有無によりアルミニウム合金材表面の酸化皮膜を破壊し、確実な接合を図る。
【選択図】図2

Description

本発明は、アルミニウム合金材を一方の被接合部材とし、アルミニウム以外の金属及びその合金いずれかを他方の被接合部材として、両被接合部材を接合する、異種金属の接合方法に関する。
金属製部材の接合方法には、従来から様々な方法が採用されている。非特許文献1には、金属の接合方法が材質的接合法、化学的接合法及び機械的接合法に大きく分類されている。アルミニウム合金材を被接合材とする接合においても上記方法のいずれも適用できるが、特に、用いられるのは材質的接合法である。
化学的接合法は、いわゆる接着剤を用いた接合方法である。材質的接合法とは異なり高温で接合する必要がなく、被接合部材自体の変形が生じないという利点がある。また、機械的接合法としては、リベットやボルト締め等が挙げられる。この方法は、材質的接合法や化学的接合法に比べて比較的簡単に接合ができ、方法によっては接合のやり直しが容易であるという利点がある。しかし、化学的接合法は、金属結合のような強固な接合が得られないので、接合部の信頼性や熱伝導性が材質的接合法と比べて劣るという欠点がある。また、機械的接合法も、接合部の形状が限定され、また、気密性・密閉性を必要とする接合には不適であるという欠点がある。
上記2つの接合法に対し、材質的接合法は、被接合部材同士を金属結合によって強固に接合するものであって、適切に行なうことにより接合部の信頼性を高くすることができる。そして、この利点により、材質的接合法は接合強度や気密性等が要求されるアルミニウム合金材の接合法として最も一般的なものとなっている。
そして、材質的接合法は、被接合材の状態に応じて更に分類可能である。具体的には、被接合材の少なくとも一方を溶融させて接合する溶接法と、被接合材の溶融を伴わない拡散接合法、摩擦接合法、圧接法等の固相接合法、そして、ろう接等の液相−固相反応接合法に分類される。
溶接法は、接合部を電気又は炎により加熱して溶融、合金化して接合を成すものである。接合部の隙間が大きい場合や接合強度が必要な場合は、接合時に溶加材を同時に溶融させて隙間を充填する。この方法では、接合部が溶融するため確実な接合がなされる。その一方、接合部を溶融して接合するため、接合部近傍の形状が大きく変形し、金属組織も局所的に大きく変化して別組織となり局所的な脆弱化が生じることがある。また、接合部のみを局所的に加熱していく必要があるために、同時に多点を接合するのが困難となる等の問題もある。
一方、液相−固相反応接合法であるハンダ付け法やろう付法は、被接合部材よりも融点の低いハンダ材やろう材を用いて、電気又は炎により加熱することで、これらハンダ材やろう材のみを溶融させて接合部の隙間を充填することにより接合を成すものである。この接合法は、点状や線状の接続部の接合に有利であり、ハンダ材やろう材は接合凝固時にフィレットと称する形状を成すことにより強度や熱伝導性等の面で非常に高い信頼性が得られる。
また、ハンダ付け法やろう付法は、母材を溶融させることなく短時間で強固な接合を得ることができる。特に、ノコロックろう付法や真空ろう付法等の炉中ろう付法は、ろう材と被接合部材であるアルミニウム合金材をクラッドしたブレージングシートを用いることを特徴とする。ブレージングシートをプレス加工し、中空構造を有する積層型熱交換器を組み立て、炉中で加熱することにより接合箇所が多く複雑な形状を有する部材・部品を効率的に製造することができる。このような利点を活かしたろう付法は、自動車用熱交換器やヒートシンク等接合箇所が多く狭い間隔で接合される製品の接合に多く適用されている。
但し、ハンダ付け法やろう付法にも一応の欠点があり、液相が流動するため、微細な流路等がろうで埋められてしまうことがある。また、ブレージングシートを用いる接合では、接合部にろうを容易に均一供給できる利点がある一方で、ブレージングシートの製造が複雑であることから、コストダウンや調達性の改善が求められている。更に、接合面側での切削等の加工の自由度が損なわれる等の問題もある。
固相接合法には拡散接合法や摩擦接合法等が知られており、これらは原則として被接合部材の溶融を伴わない接合方法である。拡散接合法は、母材同士を密着させ、基本的に母材の融点以下で塑性変形を生じない程度に加圧し、接合面間に生じる原子の拡散を利用して接合を成すものである。この接合方法では、被接合部材の変形を伴わずに同時に多点の接合や面接合が可能である。従って、微細な形状を有する被接合部材の接合が可能である。しかし、拡散現象を利用するために、溶接やろう付等と比べて接合に長時間を要し、通常、30分程度からそれ以上の時間、所定温度での保持が必要となる。また、接合に加圧が必要であるため、接合操作の煩雑化やコスト増加が避けられない。更に、アルミニウム合金材の場合には、その表面に安定で強固な酸化皮膜が存在しこれによって拡散が阻害されるために、固相拡散接合の適用が難しい。この点、被接合部材にMgを0.5〜1.0mass%程度含有するアルミニウム合金材を用いる場合は、Mgの還元作用により酸化皮膜が破壊されて比較的容易に接合をすることが可能であるが、その他のアルミニウム合金材では、接合面の酸化皮膜を除去する清浄化処理が必要となり、アルゴンイオン衝撃、グロー放電、超音波付与等特殊な工程を要する等の問題がある。
同じく固相接合法である摩擦接合法の中でアルミニウム材に適用される摩擦攪拌接合法は、全てのアルミニウム合金材に適用可能である。母材の溶融を伴わないために、接合による被接合部材の変形が少ないという利点がある。一方で、接合部の形状が直線や緩曲線に限定され、複雑な形状の接合が困難である。また、接合ツールを接合部に直接接触させるために、微細な形状の接合が困難であると共に、同時に多点を接合することも困難である。また、この接合方法では、接合終端部に接合ピンの痕が残るのを避けられない。更に、接合部において被接合部材が攪拌されるので、母材とは異なる組織を呈することにより接合強度が低下する問題もある。
尚、溶接法と固相接合法とは被接合材の溶融の有無で区別されるが、この他金属部材の全体を半溶融状態として行う接合方法も提案されている。特許文献1には、合金粉末の半溶融を利用した接合方法が提案されている。この接合方法では、被接合部材である合金粉末はその全体が半溶融状態となるためその形状変形が著しく、形状変形を抑制したい部材の接合には適さない。また、特許文献2には、半溶融の合金母材に非金属部材を圧入して非金属部材と合金母材とを接合する方法が提案されている。しかしながら、この接合方法では所定の金型にパンチを圧接して接合するため、製品の形状が限定される。
また、特許文献3には、導波管タイプのアンテナを作製するにあたり、導波管を構成するスロット板と基板にMg系のアルミニウム合金を用い、該アルミニウム合金の固液共存域あるいは固液共存域付近の温度にて加熱・加圧して拡散接合を行う方法が提案されている。この方法では、楔を用いた冶具で接合面を加圧して、冶具と該アルミニウムの熱膨張差を利用し更に接合部に加圧を与え拡散接合をなす。その際、部材であるスロット板と基板を液相率が最大で1.7%となるような接合条件が示されている。しかしながら、液相率が1.7%程度の場合、生成する液相が少なすぎ、十分な強度を有する接合がなされないおそれがあった。また、特許文献3で提案されている方法において、液相の割合が大きくなるよう温度を更に高くした場合は、圧力が掛かり過ぎて大きな変形が起こるおそれがあった。更に、この方法では、平坦な板状のものしか接合できず、また接合面の向きが加圧方向に限定されてしまう。
特許文献4には、二つの金属合金の被接合部材がいずれも固相率が30%以上90%未満(液相率が10%以上70%未満)の範囲内にある温度においてこれらを鍛造型内に挿入し、鍛造して成形と同時に接合をなす方法が提案されている。この方法は複数の合金板を鍛造で複合材化する方法であるため、接合前後での形状を保ったまま接合することはできなかった。また、接合する材料の間に中空部を設けたり、平坦でない材料を接合することはできない。更には、高温で大掛かりな鍛造装置も必要とする。
特開2005−30513号公報 特開2003−88948号公報 特開平10−313214号公報 特許第4261705号
溶接・接合技術データブック、p.57、溶接・接合技術データブック編集委員会(2007年)
アルミニウム合金材の材質接合法による接合方法は上記の通り様々であるが、一般的には、被接合部材を溶融させない接合方法、若しくは、接合部近辺のみを局所的に溶融させる接合方法が採用されることが多い。被接合部材を広範に溶融すると、形状が保たれず所望の形状が得られないためである。もっとも、実用的な速度で接合を確実に行うためには、被接合部材を全く溶融させないよりも部分的にであっても溶融させることが必要とされる。しかし、部分的であっても被接合部材を溶融すると、その部分の変形を回避することはできない。そのため、接合後の寸法変化や強度変化を想定して、部材の設計、組立を行わなければならない。
また、溶融を伴わない固相拡散接合においては、大きな加圧が必要とされる。この加圧により、アルミニウム合金が溶融していなくても大きく変形するおそれがある。特に、微細な形状を持ったアルミニウム合金の場合、その形状を保つことが困難になる。
本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑み、アルミニウム合金材と異種金属材との接合方法について、良好な接合性と、接合時の材料の流動による変形が殆どない、信頼性の高い新規な接合方法の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、被接合部材であるアルミニウム合金の金属組織学上の特性に着目し、アルミニウム合金を加熱する際に生成する液相を異種金属材との接合に利用する新規な接合方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本願に係る第1の発明は、アルミニウム合金材を一方の被接合部材とし、アルミニウム以外の金属又はその金属合金を他方の被接合部材として、前記一方の被接合部材と他方の被接合部材を接合する方法において、前記一方の被接合部材はMg濃度が0.5質量%以下に規制されたアルミニウム合金からなり、他方の被接合部材は、前記一方のアルミニウム合金より固相線温度が高い金属又はその金属合金からなり、非酸化性雰囲気中でフラックスが接合部材間に塗布された状態で、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の全質量に対する当該アルミニウム合金材内に生成する液相の質量の比が5%以上35%以下となる温度において接合することを特徴とするアルミニウム合金材と異種金属材との接合方法である。
また、本願に係る第2の発明は、アルミニウム合金材を一方の被接合部材とし、アルミニウム以外の金属又はその金属合金を他方の被接合部材として、前記一方の被接合部材と他方の被接合部材を接合する方法において、前記一方の被接合部材はMg濃度が0.2質量%以上2.0質量%以下を含有するアルミニウム合金からなり、他方の被接合部材は、前記一方のアルミニウム合金より固相線温度が高い金属又はその金属合金からなり、真空中または非酸化性雰囲気中で前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の全質量に対する当該アルミニウム合金内に発生する液相の質量の比が5%以上35%以下となる温度において接合することを特徴とするアルミニウム合金材と異種金属材との接合方法である。
以下、本発明について詳細に説明する。本願に係る第1、第2の発明は、一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の加熱時に生成する所定量の液相を、他方の被接合部材である異種金属材との接合に利用するという主要な構成が共通する。そこで、まずこの液相の生成メカニズムについて説明する。尚、本願では、このアルミニウム合金材が生成する液相を利用する接合を「しみ出し接合」とする。
図1に代表的な2元系共晶合金であるAl−Si合金の状態図を模式的に示す。Si濃度がc1であるアルミニウム合金材を加熱すると、共晶温度(固相線温度)Teを超えた付近の温度T1で液相の生成が始まる。共晶温度Te以下では、図2(a)に示すように、結晶粒界で区分されるマトリクス中に晶析出物が分布している。ここで液相の生成が始まると、図2(b)に示すように、晶析出物分布の偏析の多い結晶粒界が溶融して液相となる。次いで、図2(c)に示すように、アルミニウム合金のマトリクス中に分散する主添加元素成分であるSiの晶析出物粒子や金属間化合物の周辺が球状に溶融して液相となる。更に図2(d)に示すように、マトリクス中に生成したこの球状の液相は、界面エネルギーにより時間の経過や温度上昇と共にマトリクスに再固溶し、固相内拡散によって結晶粒界や表面に移動する。次いで、図1に示すように温度がT2に上昇すると、状態図より液相量は増加する。
また、図1において、一方のアルミニウム合金材のSi濃度が最大固溶限濃度より小さいc2の場合には、固相線温度Ts2を超えた付近で液相の生成が始まる。但し、c1の場合と異なり、溶融直前の組織は図3(a)に示すように、マトリクス中に晶析出物が存在しない場合がある。この場合、図3(b)に示すように粒界でまず溶融して液相となった後、図3(c)に示すようにマトリクス中において局所的に溶質元素濃度が高い場所から液相が発生する。図3(d)に示すように、マトリクス中に生成したこの球状の液相は、c1の場合と同様に、界面エネルギーにより時間の経過や温度上昇と共にマトリクスに再固溶し、固相内拡散によって結晶粒界や表面に移動する。温度がT3に上昇すると、状態図より液相量は増加する。
上記のようなメカニズムでしみ出し、接合部に供給される液相の量は、ろう付に比べてごく僅かであり、接合工程後において接合部位近傍の形状変化がほとんど発生しない。すなわち、接合部に供給される液相はアルミニウム合金材と異種金属材の間のすき間を埋める程度であり、溶接法のビードや、ろう付法でのフィレットのような接合後の形状変化が、本発明に係る接合方法では殆ど発生しない。それにも拘わらず、溶接法やろう付法と同じく金属結合による接合を可能とする。従って、製品設計においてはその減少分を考慮する必要がある。本発明のしみ出し接合においては接合後における寸法変化が極めて小さいため、高精度の製品設計が可能となる。
このように、本発明のしみ出し接合は、アルミニウム合金材内部の局所的な溶融により生成される液相を利用するものである。そして、加熱温度の調整により液相の質量を好適な範囲にすることにより、接合と形状維持の両立を実現できるものである。尚、本発明における他方の被接合部材である異種金属材は、当該加熱温度において固相線温度以下にある必要がある。異種金属材が固相線温度を超えた状態にあると、異種金属材までも溶融を開始し、接合界面近傍でアルミニウム合金と反応して接合界面付近で急激に液相生成が加速するため部材形状を保てなくなるおそれがあるからである。
本願に係る第1、第2の発明で共通する接合の基本的なメカニズムは上記の通りである。そして、本願に係る第1、第2の発明の相違点であるが、それは一方の被接合部材であるアルミニウム合金部材の酸化皮膜破壊のための手法にあり、具体的には、アルミニウム合金部材のMg濃度の調整とフラックス使用の有無である。これらの手法の詳細については後述することとし、本願に係る第1、第2の発明の特徴について更に詳しく述べる。
A.被接合部材の組合せ
まず、本発明に係るアルミニウム合金材のしみ出し接合では、アルミニウム合金材を一方の被接合部材とし、異種金属材を他方の被接合部材として、一方の被接合部材と他方の被接合部材とを接合する。尚、上記の通り、しみ出し接合を可能とするため、異種金属材としては、一方のアルミニウム合金より固相線温度が高い金属又はその金属合金からなるものを適用対象とする。
B.液相の質量比の範囲
本発明に係るアルミニウム合金材のしみ出し接合では、一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の全質量に対する当該アルミニウム合金材内に生成する液相の質量の比(以下、「液相率」と記す)が5%以上35%以下となる温度で接合する必要がある。液相率が35%を超えると、生成する液相の量が多過ぎてアルミニウム合金材が形状を維持できなくなり大きな変形をしてしまう。一方、液相率が5%未満では接合が困難となる。好ましい液相率は5〜30%であり、より好ましい液相率は10〜20%である。
尚、加熱中における実際の液相率を測定することは極めて困難である。そこで、本発明で規定する液相率は、通常、平衡状態図を利用して、合金組成と最高到達温度を基にてこの原理(lever
rule)によって求めることができる。すでに状態図が明らかになっている合金系においては、その状態図を使い、てこの原理を用いて液相率を求めることができる。一方、平衡状態図が公表されていない合金系に関しては、平衡計算状態図ソフトを利用して液相率を求める。平衡計算状態図ソフトには、合金組成と温度を用いて、てこの原理で液相率を求める手法が組み込まれている。平衡計算状態図ソフトには、Thermo−Calc;Thermo−Calc Software AB社製などがある。平衡状態図が明らかになっている合金系においても、平衡計算状態図ソフトを用いて液相率を計算しても、平衡状態図からてこの原理を用いて液相率を求めた結果と同じ結果となるので、簡便化のために、平衡計算状態図ソフトを利用しても良い。
C.酸化皮膜の破壊方法
アルミニウム合金材の表層には強固な酸化皮膜が形成されており、これによって接合が阻害される。従って、接合においては酸化皮膜を破壊する必要がある。本発明に係る第1、第2の発明は、いずれも酸化被膜を破壊するための方法を備える。そこで次に、各発明における酸化皮膜除去の具体的方法を説明する。尚、以下の説明ではアルミニウムの酸化皮膜の破壊について説明するものであるが、アルミニウムの酸化皮膜は極めて強固であり、アルミニウムに比べると異種金属材は通常、酸化皮膜が生じても酸化皮膜が還元・破壊されやすい。よって、アルミニウムの酸化皮膜が破壊されれば、異種金属の酸化皮膜も同時に破壊され、接合が可能である。
C−1.フラックスによる酸化皮膜の破壊
この方法は、本願第1の発明で採用される方法であり、酸化皮膜を破壊する為に少なくとも接合部にフラックスを塗布するものである。フラックスはアルミニウム合金のろう付で用いるKAlF、KAlF、KAlF・HO、KAlF、AlF、KZnF、KSiF等のフッ化物系フラックスや、CsAlF、CsAlF・2HO、CsAlF・HO等のセシウム系フラックス、又はKClやNaCl、LiCl、ZnCl等の塩化物系フラックスが用いられる。これらフラックスは、しみ出し接合において液相が溶融する前に又は接合温度に至る前に溶融し、酸化皮膜と反応して酸化皮膜を破壊する。
更にこの方法では、酸化皮膜の形成を抑制するために、窒素ガスやアルゴンガス等の非酸化性雰囲気中で接合する。特にフッ化物系のフラックスを用いる場合は、酸素濃度を250ppm以下に抑え、露点を−25℃以下に抑えた非酸化性ガス雰囲気中で接合するのが好ましい。
また、フッ化物系のフラックスを用いる場合、一方の被接合部材のアルミニウム合金材においてアルミニウム合金中にMgが0.5質量%を超えて含有されると、フラックスとMgが反応してフラックスの酸化皮膜破壊作用が損なわれる。この点を考慮して、一方の被接合部材のアルミニウム合金材のMg濃度の上限を0.5質量%とするものである。尚、Mg含有量が0.5質量%以下の条件を満たせば、アルミニウム合金に含有される他の元素の種類や含有量には制限はない。
C−2.Mgのゲッター作用による酸化皮膜の破壊
この方法は、本願第2の発明で採用される方法である。この方法ではアルミニウム合金材にMgが所定量添加されている材料を適用するものであり、この場合は接合部にフラックスを塗布しなくても、酸化被膜が破壊されて接合が可能になる。このとき、アルミニウム合金が溶融し液相が表層に出てくるときに、アルミニウム合金中より蒸発するMgのゲッター作用によって酸化皮膜が破壊される。そして、第2の発明におけるアルミニウム合金材のMg濃度については0.2質量%以上2.0質量%以下とする、0.2質量%未満ではMgのゲッター作用が期待できないからであり、2.0質量%を越えると加熱過程でMgO酸化皮膜が多く生成し、著しく接合性が低下するからである。
本発明に係るしみ出し接合法は、以上説明した基本的構成により、被接合部材の変形を最小限としつつ確実な接合を行うことができる。ここで、本発明においては、被接合部材の形状維持を考慮した接合条件として、接合時間、及び、両被接合部材に加わる応力を適宜に設定することで好ましい接合を得ることができる。
D.形状維持に必要な接合時間
本発明において接合時間の意義は、液相を生じる一方の被接合部材であるアルミニウム合金材における液相率が5%以上である時間である。そして、この接合時間は3600秒以内であるのが好ましい。3600秒以内とすると接合前からの形状変化が少ない接合体を得ることができ、さらに1800秒以内とすると、さらに形状変化の少ない精緻な接合体を得ることができる。また、接合時間は30秒以上であることが好ましい。30秒以上であれば確実に接合された接合体を得ることができ、さらに60秒であればより確実に接合された接合体を得ることができる。
E.接合時における両被接合部材に加わる応力
本発明の接合においては、接合部で両被接合部材が接していれば接合面に圧力を加える必要は必ずしもない。但し、実際の製品の製造過程では、被接合部材同士を固定したりクリアランスを縮めたりする為に、冶具等で両被接合部材に応力が加わる場合が多い。また、自重によっても被接合部材内に応力が発生する。
このとき、各被接合部材内の各部位に発生する応力は、形状と荷重から求められる。この応力は、例えば、構造計算プログラム等を用いて計算することができる。本発明では、接合時において液相を生じる被接合部材の各部位に発生する応力のうち最大のもの(最大応力)をP(kPa)とし、当該被接合部材であるアルミニウム合金での液相率をVとしたときに、P≦460−12Vを満たすよう接合することが好ましい。この式の右辺で示される値は限界応力であり、これを超える応力が液相を生じる被接合部材に加わると、液相率が35%以内であっても被接合部材に大きな変形が発生するおそれがある。
F.被接合材の組み合わせの具体例
上述のように、本発明に係るアルミニウム合金材のしみ出し接合が適用される被接合部材の組み合わせは、アルミニウム合金材を一方の被接合部材とし、異種金属材を他方の被接合部材する。ここで、各被接合部材についての好適な例を以下に述べる。
F−1.アルミニウム合金材(固相線温度と液相線温度の差)
一方の被接合部材である液相を生成するアルミニウム合金材は、その固相線温度と液相線温度との差が10℃以上であるものが好ましい。固相線温度を超えると液相の生成が始まるが、固相線温度と液相線温度との差が小さいと、固体と液体が共存する温度範囲が狭くなり、発生する液相の量を制御することが困難となる。従って、この差を10℃以上とするのが好ましい。この条件を満たす組成を有する2元系の合金の具体例としては、Al−Si系合金、Al−Cu系合金、Al−Mg系合金、Al−Zn系合金、Al−Ni系合金等が挙げられる。
上記の条件を満たすアルミニウム合金材としては、上記のような共晶型アルミニウム合金が固液共存領域を大きく有するので有利である。但し、他の全率固溶型、包晶型、偏晶型等の合金であっても、固相線温度と液相線温度の差が10℃以上有するものであれば良好な接合が可能となる。また、上記の2元系合金は主添加元素以外の添加元素を含有することができ、実質的には3元系や4元系合金、更に5元以上の多元系の合金にも本発明は適用できる。例えばAl−Si−Mg系やAl−Si−Cu系、Al−Si−Zn系、Al−Si−Cu−Mg系等が挙げられる。
固相線温度と液相線温度の差は大きくなるほど適切な液相量に制御するのが容易になる。従って、固相線温度と液相線温度の差に上限は特に設けない。また、液相を生成するアルミニウム合金材は、液相率が5%〜35%となるときの温度範囲が10℃以上であることがより好ましく、液相率が5〜35%となるときの温度範囲が20℃以上であることが更に好ましい
尚、本発明に係るアルミニウム合金材と異種金属材との接合方法において、溶融する側をアルミニウム合金とした理由として、アルミニウム合金の強固な酸化皮膜を破壊する場合、アルミニウム合金側から液相を生じたほうが酸化皮膜の破壊がより容易になるからである。特に、上記したMg元素のゲッター効果を用いて接合する場合は、液相の内部からMgが酸化皮膜を突き破る必要があり、アルミニウム合金側から液相を生じさせないと接合が困難となる。
F−2.異種金属材
上記の通り、異種金属材は、しみ出し接合を可能とするため、一方のアルミニウム合金より固相線温度が高い金属もしくはその合金からなるものを適用対象とする。この異種金属材としては、鉄、銅、チタン、ニッケル、マグネシウムのいずれかの金属又はその金属合金に対して本発明を適用できる。尚、本発明において、「金属」とは純金属を示すが、これは不可避不純物を含んだ状態の純金属も含むものである。
以上説明したように、本発明に係るアルミニウム合金材と異種金属材との接合方法は、接合するアルミニウム合金内部に生じる僅かな液相を利用して接合を行うものである。本発明では、アルミニウム合金材と異種金属材との接合を、信頼性の高い金属結合によって可能とする。
また、本発明は、被接合部材自体が溶融により大きく流動することがなく、ハンダ材やろう材、溶化材等を用いないため、接合による寸法変化が小さく、殆ど形状変化を生じない。特に、微細な流路を有する部材の接合においても、液相の流れ込みや変形によって流路が塞がれることなく良好な接合を行える。
また、ろう付法と同等の信頼性を有する同時多点接合を、置きろう、ろうペースト、ろう材をクラッドしたブレージングシート等を用いることなく行うことができる。これにより、接合性能を損なうことなく材料のコストダウンが可能となる。
尚、本発明は、接合による変形が少なく同時多点接合が可能である点で拡散接合と同様であるが、拡散接合と比べて、加圧が不要で、接合に要する時間を短くでき、Mgを含有していないアルミニウム合金材の接合であっても、接合面の清浄化処理のための特殊な工程を必要としないといった利点を有する。
2元系共晶合金としてAl−Si合金の状態図を示す模式図である。 本発明に係るアルミニウム合金材と異種金属材の接合方法における、アルミニウム合金材での液相の生成メカニズムを示す説明図である。 本発明に係るアルミニウム合金材と異種金属材の接合方法における、アルミニウム合金材の液相の生成メカニズムを示す説明図である。 接合率を評価する為の逆T字型接合試験片を示す斜視図である。 変形率を評価する為のサグ試験を説明する斜視図(a)及び側面図(b)である。
以下に、本発明を実施例と比較例に基づいて詳細に説明する。以下では複数のアルミニウム合金材及び異種金属材を用意して、本発明に係るしみ出し接合法を適用して接合を行い接合性の評価を行った(第1実施形態)。また、アルミニウム合金材の変形率の評価についての詳細検討も行った(第2実施形態)。
第1実施形態(実施例1〜37、比較例38〜59)
表1に、一方の被接合材として用いたアルミニウム合金材の組成を示す。表1に示す合金鋳塊を調製した後、熱間圧延及び冷間圧延により厚さ2mmの圧延板を得た。この圧延板をレベラーに掛けた後に380℃で2時間焼鈍して、圧延板試料とした。
Figure 2013116483
表2に、他方の被接合部材として用いた異種金属材の組成を示す。表2に示す合金鋳塊を調製した後、熱間圧延及び冷間圧延により厚さ3mmの圧延板を得た。尚、B12については、表1組成の材料を圧延後、ニッケルメッキ(厚さ5μm)を表面に施した。
Figure 2013116483
以上のようにして作成したアルミニウム合金材及び異種金属材の圧延板試料を用いて、接合試験を行い接合率と変形率を評価した。この接合試験では、まず、上記圧延板試料から幅20mm×長さ50mmの二枚の板を切り出し、それぞれの端面をフライスにより平滑にして、アルミニウム合金材を上板とし、異種金属材を下板として組み合わせ、図4に示す逆T字型接合試験片を作製した。表3に、各試験片の上板と下板の組み合わせを示す。この接合試験片の接合面には、フッ化カリウム系又はフッ化セシウム系又は塩化物系のフラックスを塗布するか、或いは、フラックスを塗布しなかった。フラックス塗布の有無と種類を表6〜8に示す。これらの表において、「F」はフッ化カリウム系非腐食性フラックス(KAlF)を、「Cs」はフッ化セシウム系の非腐食性フラックス(CsAlF)を、「Cl」は塩化物系のフラックス(NaF:7%、NaCl:25%、ZnCl:8%、LiCl:13%、KCl:47%)、「−」はフラックスを塗布しなかった場合を示す。
そして、上記の試験片を、窒素雰囲気中、アルゴン雰囲気中又は真空雰囲気中で所定の温度まで昇温してその温度(表3に示す接合温度)に所定の時間保持した後に、炉中で自然冷却した。窒素雰囲気及びアルゴン雰囲気は、酸素濃度100ppm以下で露点−45℃以下に管理した。真空雰囲気は、10−5torrに管理した。いずれの雰囲気中においても昇温速度は、520℃以上において、10℃/分とした。そして、接合加熱後の試験片より、接合率、変形率、総合評価を以下の通り評価した。
(1)接合率評価
接合率は次のようにして求めた。超音波探傷装置を用い、接合部での接合がなされている部分の長さを測定した。逆T字試験片の接合部の全長を50mmとして、{接合部での接合がなされている部分の長さ(mm)/50(mm)}×100によって接合率(%)を算出した。接合率が、95%以上を◎とし、90%以上95%未満を○とし、25%以上90%未満を△とし、25%未満を×として判定した。
(2)変形率評価
表1に示した組成の上記圧延板試料から幅10mm×長さ30mmの板を切り出して、変形率測定用の試験片とした。図5(a)に示すように、この試験片を突き出し長さ20mmをもってサグ試験用冶具に取り付けてセットした(図には、3枚の試験片がセットされている)。サグ試験のような片持ち梁の形状での最大応力P(N/m)は、曲げモーメントMと断面係数Zより、以下のように求めた。
P=M/Z=(W×I/2)/(bh/6)
=[(g×ρ×I×b×h/I)×I/2]/(bh/6)
=3×g×ρ×I/h
M:曲げモーメント(N・m)
等分布荷重の片持ち梁の場合W×I/2
Z:断面係数(m
断面形状が長方形の場合bh/6
W:等分布荷重(N/m)
g:重力加速度(m/s
ρ:アルミニウムの密度(kg/m
I:突き出し長さ(m)
b:板幅(m)
h:板厚(m)
尚、最大応力Pは、突き出し部の根元に掛かる。この試験で試験片にかかる最大応力Pは、上式に数値を代入して計算した結果、31kPaであった。この試験片を、表3に示す雰囲気中で所定の温度まで加熱しその温度(各表に示す接合温度)に各表に示す所定の時間保持した後に、炉中で自然冷却した。窒素雰囲気及びアルゴン雰囲気は、酸素濃度100ppm以下で露点−45℃以下に管理した。真空雰囲気は、10−5torrに管理した。いずれの雰囲気中においても昇温速度は、520℃以上において、10℃/分とした。
加熱後の試験片より、変形率を以下のように求めた。図5(b)に示すように、加熱後における試験片の垂下量を測定した。突き出し長さ(20mm)を用いて、{垂下量(mm)/20(mm)}×100によって変形率(%)を算出した。変形率が50%以下を◎とし、50%を超え70%以下を○とし、70%を超え80%以下を△とし、80%を超えるものを×として判定した。
(3)総合判定
以上の結果より、各評価の判定に対して◎を5点、○を3点、△を0点、×を−5点として点数をつけ、合計点が10点を◎とし、6点以上9点以下を○とし、1点以上5点以下を△とし、0点以下を×として総合判定を行った。総合判定が◎、○、△を合格とし、×を不合格とした。接合率、変形率及び総合判定の結果を、接合条件(温度、平衡液相率の計算値)と共に表3に示す。
Figure 2013116483
表3からわかるように、実施例1〜37では、接合加熱時のアルミニウム合金材中の液相率が適正な範囲であったため良好な接合がなされ、総合判定が合格であった。
一方、液相量の観点から比較例をみると、比較例38、43、48、50、52では、アルミニウム合金材に生成した液相量が低過ぎたために接合率が低くなり総合判定が不合格となった。また、比較例39では、アルミニウム合金材に液相が生成しなかったために接合がなされず総合判定が不合格となった。更に、比較例40、42、44〜47、49、51、53〜56ではアルミニウム合金材に生成した液相量が多すぎたために変形率が高くなり総合判定が不合格となった。
尚、ろう材組成とフラックス使用の有無との関係から、比較例41、57では、アルミニウム合金材のMg含有量が0.2質量%未満にもかかわらずフラックスが塗布されなかったために接合が不十分となり、総合判定が不合格となった。また、比較例58では、アルミニウム合金材のMg含有量が0.5質量%を超えていたにもかかわらずフラックスが塗布されたために接合が不十分となり、総合判定が不合格となった。更に、比較例59はフラックスが塗布されていない状態でもアルミニウム合金材のMg含有量が2.0質量%を超えていたために接合が不十分となり、総合判定が不合格となった。
第2実施形態(実施例60〜71、参考例1〜3)
ここでは、サグ試験を行い、加熱中に被接合部材が耐えられる応力Pを評価した。この評価は、第1実施形態での評価において、総合評価が合格となる条件(合金、加熱条件)を選んで、アルミニウム合金材の変形率の評価のみを更に詳細に行なったものである。試験片には、表1のアルミニウム合金材を選んで用いた。試験片は、板厚1mm、幅15mm、長さ60mmとした。この試験片について突き出し長さを20〜50mmに変化させて、図5(a)に示すサグ試験用冶具に取り付けてセットした。
具体的な試験方法は、試験片を、窒素雰囲気中で所定の温度まで加熱しその温度に180秒保持した後に、炉中で自然冷却した。窒素雰囲気は、酸素濃度100ppm以下で露点−45℃以下に管理した。昇温速度は、520℃以上において、10℃/分とした。
加熱後の試験片より、変形率を以下のように求めた。図5(b)に示すように、加熱後における試験片の垂下量を測定した。各突き出し長さを用いて、{垂下量(mm)/突き出し長さ(mm)}×100によって変形率(%)を算出した。変形率が50%未満を◎とし、50%以上70%未満を○とし、70%以上を×として判定した。◎と○を合格とし、×を不合格とした。変形率、突き出し長さ、応力及び限界応力を、加熱条件(加熱温度、液相率、加熱温度での保持時間)と共に表4に示す。
Figure 2013116483
表4から、実施例60〜71では、応力P(kPa)が、V(%)を液相率とした限界応力(460−12V)以下であった。その結果、これらの実施例ではいずれも垂下量が突き出し長さに対して70%未満であり、良好な変形率となった。これに対して、参考例1〜3では応力Pが限界応力(460−12V)よりも大きくなった。その結果、いずれも垂下量が突き出し長さに対して70%以上となり変形率が大きかった。
以上の結果より、被接合部材に加わる応力Pが限界応力(460−12V)以下であれば、部材の接合前後での変形が5%以内に抑えられ、精度の高い構造物が作製できることが確認された。
本発明により、良好な接合性と、接合による変形が殆どない、信頼性の高いアルミニウム合金材と異種金属材の接合方法であり、工業的な価値が大きい。本発明によれば、接合箇所が多い、複雑な形状を有する等の特徴がある部材・部品を効率的に製造することができ、例えば、熱交換器やヒートシンク等の接合に有用である。

Claims (5)

  1. アルミニウム合金材を一方の被接合部材とし、アルミニウム以外の金属又はその金属合金を他方の被接合部材として、前記一方の被接合部材と他方の被接合部材を接合する方法において、
    前記一方の被接合部材はMg濃度が0.5質量%以下に規制されたアルミニウム合金からなり、
    他方の被接合部材は、前記一方のアルミニウム合金より固相線温度が高い金属又はその金属合金からなり、
    非酸化性雰囲気中でフラックスが接合部材間に塗布された状態で、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の全質量に対する前記アルミニウム合金材内に生成する液相の質量の比が5%以上35%以下となる温度において接合することを特徴とするアルミニウム合金材と異種金属材との接合方法。
  2. アルミニウム合金材を一方の被接合部材とし、アルミニウム以外の金属又はその金属合金を他方の被接合部材として、前記一方の被接合部材と他方の被接合部材を接合する方法において、
    前記一方の被接合部材はMg濃度が0.2質量%以上2.0質量%以下を含有するアルミニウム合金からなり、
    他方の被接合部材は、前記一方のアルミニウム合金より固相線温度が高い金属又はその金属合金からなり、
    真空中または非酸化性雰囲気中で、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の全質量に対する前記アルミニウム合金内に発生する液相の質量の比が5%以上35%以下となる温度において接合することを特徴とするアルミニウム合金材と異種金属材との接合方法。
  3. 一方の被接合部材であるアルミニウム合金材において、アルミニウム合金材の全質量に対する前記アルミニウム合金材内に生成する液相の質量の比が5%以上である時間が、30秒以上3600秒以内である請求項1又は2に記載のアルミニウム合金材と異種金属材との接合方法。
  4. 一方の被接合部材であるアルミニウム合金材に発生する最大応力をP(kPa)とし、前記アルミニウム合金材の全質量に対する前記アルミニウム合金材内に生成する液相の質量の比をV(%)としたときに、P≦460−12Vを満たす条件で接合する請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のアルミニウム合金材と異種金属材との接合方法。
  5. 他方の被接合部材は、鉄、銅、チタン、ニッケル、マグネシウムのいずれかの金属又はその金属基とする合金からなる請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のアルミニウム合金材と異種金属材の接合方法。
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