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JP2013095700A - ラクタム化合物及び/又はアミド化合物の製造方法 - Google Patents

ラクタム化合物及び/又はアミド化合物の製造方法 Download PDF

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JP2013095700A
JP2013095700A JP2011240009A JP2011240009A JP2013095700A JP 2013095700 A JP2013095700 A JP 2013095700A JP 2011240009 A JP2011240009 A JP 2011240009A JP 2011240009 A JP2011240009 A JP 2011240009A JP 2013095700 A JP2013095700 A JP 2013095700A
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Koji Kasai
幸司 笠井
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】ラクトン化合物(I)を良好な転化率で転化して、ラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)を良好な選択率で製造する方法を提供する。
【解決手段】ラクトン化合物(I)と、アンモニア又はアミン化合物(II)とを、水及びメソポーラスシリカの存在下に反応させて、下記式で示されるラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)を製造する。前記メソポーラスシリカは、MCM−41であることが好ましい。
Figure 2013095700

(式中、R1は、炭素数3〜7のアルキレン基を表し、R2は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、式(I)
Figure 2013095700
(式中、Rは、炭素数3〜7のアルキレン基を表す。)
で示されるラクトン化合物〔以下、ラクトン化合物(I)ということがある。〕と、式(II)
Figure 2013095700
(式中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。)
で示される化合物〔以下、アンモニア又はアミン化合物(II)ということがある。〕とを反応させて、式(III)
Figure 2013095700
(式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるラクタム化合物〔以下、ラクタム化合物(III)ということがある。〕及び/又は式(IV)
Figure 2013095700
(式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるアミド化合物〔以下、アミド化合物(IV)ということがある。〕を製造する方法に関するものである。
ラクタム化合物(III)及びアミド化合物(IV)は、合成繊維等の原料、医農薬の製造中間体、溶剤等として有用である。従来、ラクトン化合物(I)と、アンモニア又はアミン化合物(II)とを反応させてラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)を製造する方法として、例えば、特許文献1には、固体触媒としてZSM−5を使用し、該ZSM−5及び水の存在下、γ−ブチロラクトンと、アンモニア、アルキルアミン又はエタノールアミンとを反応させる方法が提案されている。
特開2001−302625号公報
しかしながら、前記従来の方法では、ラクトン化合物(I)の転化率やラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)の選択率の点で必ずしも満足のいくものではなかった。
そこで、本発明の目的は、ラクトン化合物(I)を良好な転化率で転化して、ラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)を良好な選択率で製造する方法を提供することにある。
本発明者等は、前記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
(1)式(I)
Figure 2013095700
(式中、Rは、炭素数3〜7のアルキレン基を表す。)
で示されるラクトン化合物と、式(II)
Figure 2013095700
(式中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。)
で示される化合物とを、水及びメソポーラスシリカの存在下に反応させることを特徴とする式(III)
Figure 2013095700
(式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるラクタム化合物及び/又は式(IV)
Figure 2013095700
(式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるアミド化合物の製造方法。
(2)前記メソポーラスシリカがMCM−41である前記(1)に記載の製造方法。
(3)前記MCM−41がアルミニウムを含むものである前記(2)に記載の製造方法。
(4)式(II)で示される化合物の使用量が、式(I)で示されるラクトン化合物1モルに対して1〜20モルである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)式(II)、(III)及び(IV)におけるRが水素原子である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)式(I)で示されるラクトン化合物が、γ−ブチロラクトン又はε−カプロラクトンである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)前記反応を200〜600℃で行う前記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、ラクトン化合物(I)を良好な転化率で転化して、ラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)を良好な選択率で製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明では、式(I)
Figure 2013095700
(式中、Rは、炭素数3〜7のアルキレン基を表す。)
で示されるラクトン化合物〔ラクトン化合物(I)〕と、式(II)
Figure 2013095700
(式中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。)
で示される化合物〔アンモニア又はアミン化合物(II)〕とを、水及びメソポーラスシリカの存在下に反応させる。
式(I)中、炭素数3〜7のアルキレン基としては、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基が挙げられる。ラクトン化合物(I)としては、例えば、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、ζ−エナントラクトン、η−カプリロラクトン等が挙げられ、中でも、γ−ブチロラクトン又はε−カプロラクトンを原料とする場合に、本発明の方法は有利に採用される。
式(II)中、アルキル基としては、炭素数が1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、炭素数が2〜6のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、2−メチルアリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、2−メチル−2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、炭素数が3〜6のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、トリフェニルエチル基、(1−ナフチル)メチル基、(2−ナフチル)メチル基等が挙げられる。ヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソブチル基等が挙げられる。本発明の方法において、アンモニア又はアミン化合物(II)としては、中でも、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−オクチルアミン、ビニルアミン、エタノールアミンが好ましく、アンモニア、メチルアミンがより好ましく、アンモニアがさらに好ましい。
アンモニア又はアミン化合物(II)の使用量は、ラクトン化合物(I)1モルに対して、1〜20モルが好ましく、1〜10モルがより好ましい。
本発明では、水の存在下に反応を行うことにより、前記反応を円滑に進行させることができる。水の使用量は、ラクトン化合物(I)1モルに対して、0.1〜10モルが好ましく、0.5〜5モルがより好ましい。
本発明では、メソポーラスシリカを触媒として使用することにより、前記反応を円滑に進行させることができる。メソポーラスシリカとしては、通常2〜50nmのほぼ均一な大きさの細孔を有する、所謂メソポーラス構造を有するものであることができ、その表面積は通常600〜1500m/g程度である。かかるメソポーラスシリカの種類として、例えば、MCM−41、MCM−48、FSM−16、SBA−3、HMS、MSU−X、SBA−12、SBA−15、SBA−16等が挙げられる。これらの中でも、ラクトン化合物(I)を良好な転化率で転化して、ラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)を良好な選択率で製造できる点で、MCM−41が好ましい。尚、メソポーラス構造の有無は、透過型電子顕微鏡による観察や、窒素吸着測定における細孔分布、またはXRD(X線回折)測定における2θ=0.2〜4.0°のピークの有無等の分析で確認することができる。
前記メソポーラスシリカは、該メソポーラスシリカを構成する元素としてケイ素及び酸素を含むものであるが、ケイ素及び酸素以外の元素が含まれてもよく、例えば、実質的にケイ素と酸素から骨格が構成されるメソポーラスシリカであってもよいし、骨格を構成する元素としてさらに他の元素を含むメソポーラスメタロシリケートであってもよいし、細孔中に他の元素が組み込まれたメソポーラスシリカであってもよいし、メソポーラスシリカ表面に他の元素が担持されていてもよい。該メソポーラスシリカに含まれうる、ケイ素及び酸素以外の元素としては、アルミニウム、ホウ素、ガリウム、鉄、クロム、ニッケル等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、アルミニウムが好ましい。本発明の方法においては、ラクトン化合物(I)を良好な転化率で転化して、ラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)を良好な選択率で製造できる点で、骨格を構成する元素としてアルミニウムを含むメソポーラスシリケート(メソポーラスアルミノシリケート)を触媒として使用するのが好ましく、骨格を構成する元素としてアルミニウムを含むMCM−41を触媒として使用するのがより好ましい。骨格を構成する元素としてアルミニウムを含むMCM−41を触媒として使用する場合、該MCM−41に含まれるケイ素の含有量は、アルミニウムに対する原子比(Si/Al)で表わして、5〜500であるのが好ましい。
前記メソポーラスシリカの調製法は、特に制限はなく、公知の方法を適宜採用することができるが、例えば、ケイ素化合物と、構造規定剤と、水とを混合し、生じた結晶から構造規定剤を除去する方法が挙げられる。ケイ素及び酸素以外の元素を含むメソポーラスシリカの調製は、ケイ素及び酸素以外の元素を含む化合物、ケイ素化合物、構造規定剤及び水を混合し、生じた結晶から構造規定剤を除去することにより行ってもよいし、ケイ素化合物、構造規定剤及び水を混合し、生じた結晶から構造規定剤を除去した後、ケイ素及び酸素以外の元素の担持を行うことにより行ってもよいし、ケイ素化合物、構造規定剤及び水を混合し、生じた結晶にケイ素及び酸素以外の元素を担持した後、構造規定剤を除去することにより行ってもよい。
ケイ素化合物としては、例えば、コロイダルシリカ、シリカゲル、フュームドシリカ等の非晶質シリカ;珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等の珪酸アルカリ;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
構造規定剤は、メソポーラス構造の形成に利用される有機化合物を意味する。構造規定剤の種類や分子形状によって、メソポーラス構造や細孔径を制御することができる(ゼオライトの科学と工学、講談社サイエンティフィク、2000年、p.13−23参照)。例えば、MCM−41型のメソポーラスシリカを調製する場合には、ネイチャー(Nature)、(米国)、1992年、第359巻、p.710−712に記載されているように、構造規定剤として長鎖アルキルアンモニウム塩〔C2n+1(CH 。式中、nは整数を表す。〕が選択され、MCM−48型のメソポーラスシリカを調製する場合には、ミクロポーラス・アンド・メソポーラス・マテリアルズ(Microporous and Mesoporous Materials)、(オランダ)、2001年、第44巻、p.9−16に記載されているように、構造規定剤として長鎖アルキルアンモニウム塩〔C2n+1(CH 。式中、nは整数を表す。〕が選択され、FSM−16型のメソポーラスシリカを調製するには、ビュレティン・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティー・オブ・ジャパン(Bulletin of the Chemical Society of Japan)、(日本)、1996年、第69巻、p.1449−1457に記載されているように、原料として層状ケイ素化合物が、構造規定剤としてヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドの如き四級アンモニウム塩が、それぞれ使用され、SBA−3型のメソポーラスシリカを調製する際には、キャタリシス・コミュニケーションズ(Catalysis Communications)、(オランダ)、2008年、第9巻、第13号、p.2287−2290に記載されているように、構造規定剤としてジェミニ界面活性剤〔C2n+1(CH(CH(CH2m+1 。式中、n、s、mは整数を表す。〕が選択され、HMS型のメソポーラスシリカを調製する際には、アプライド・キャタリシス・A:ジェネラル(Applied Catalysis A: General)、(オランダ)、2008年、第347巻、p.133−141に記載されているように、構造規定剤として長鎖アルキルアミン〔C2n+1NH 。式中、nは整数を表す。〕が選択され、MSU−X型のメソポーラスシリカを調製する際には、ミクロポーラス・アンド・メソポーラス・マテリアルズ(Microporous and Mesoporous Materials)、(オランダ)、2008年、第109巻、p.199−209に記載されているように、構造規定剤としてオレイル デカオキシエチレン(Oleyl decaoxyethylene)が選択され、SBA−12型のメソポーラスシリカを調製する際には、ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー・B(Journal of Physical Chemistry B)、(米国)アメリカ、2002年、第106巻、p.3118−3123に記載されているように、構造規定剤としてポリエチレンオキシドが選択され、SBA−15型のメソポーラスシリカを調製する際には、サイエンス(Science)、(米国)、第279巻、p.548−552や、ミクロポーラス・アンド・メソポーラス・マテリアルズ(Microporous and Mesoporous Materials)、(オランダ)、2006年、第91巻、p.156−160に記載されているように、構造規定剤としてトリブロックコポリマー(ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド共重合体)が使用され、SBA−16型のメソポーラスシリカを調製する際には、ミクロポーラス・アンド・メソポーラス・マテリアルズ(Microporous and Mesoporous Materials)、(オランダ)、2007年、第105巻、p.15−23に記載されているように、構造規定剤としてトリブロックコポリマー(ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド共重合体)が選択され、SBA−16型のメソポーラスシリカを調製する際には、ミクロポーラス・アンド・メソポーラス・マテリアルズ(Microporous and Mesoporous Materials)、(オランダ)、2007年、第105巻、p.15−23に記載されているように、構造規定剤としてトリブロックコポリマー(ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド共重合体)が選択される。
上述した構造規定剤において、中でも、長鎖アルキルアンモニウム塩が好ましい。前記長鎖アルキルアンモニウム塩としては、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
構造規定剤の使用量は、ケイ素化合物1モルに対し、通常0.05〜1.0モル、好ましくは0.10〜0.50モルである。
メソポーラスシリカの調製時における水の使用量は、ケイ素化合物1モルに対し、通常5〜200モル、好ましくは20〜100モルである。混合温度は、通常20〜200℃、好ましくは20〜150℃であり、混合時の圧力は、常圧下、加圧下、減圧下のいずれでもよく、適宜設定される。また、混合時間は、通常0.1〜400時間、好ましくは1〜200時間である。
混合後に得られる結晶を含む懸濁液からの結晶の回収は、例えば、該懸濁液を濾過し、濾残を乾燥することにより行うことができる。尚、該乾燥の前に、必要に応じて洗浄処理を行ってもよい。かかる乾燥は、通常、空気雰囲気下で行われ、乾燥温度は40〜120℃程度であり、乾燥時間は2〜24時間程度である。乾燥は、通常、常圧下で行われるが、減圧下で行ってもよい。また、噴霧乾燥により乾燥させ、成形体として結晶を回収してもよい。
結晶からの構造規定剤の除去は、結晶をトルエン、メタノール、エタノール、アセトン等の有機溶媒で洗浄することにより行ってもよいし、塩酸(塩化水素の水溶液)、硫酸水溶液、硝酸水溶液等の酸性水溶液で洗浄することにより行ってもよいし、200〜800℃で熱処理することにより行ってもよい。これらは、いずれか一つを採用してもよく、二つ以上を組み合わせて採用してもよい。中でも、200〜800℃で熱処理することにより、結晶から構造規定剤を除去するのが好ましい。前記熱処理は、酸素含有ガスの雰囲気下で行ってもよいし、窒素等の不活性ガスの雰囲気下で行ってもよい。また、該熱処理は、酸素含有ガス又は不活性ガスの雰囲気下、多段階で行ってもよい。
水及びメソポーラスシリカの存在下におけるラクトン化合物(I)とアンモニア又はアミン化合物(II)との反応は、回分式で行ってもよく、半回分式で行ってもよく、連続式で行ってもよいが、生産性及び操作性の点から、連続式で行うのが好ましい。該反応における反応温度は、200〜600℃が好ましく、300〜500℃がより好ましい。反応圧力は、通常0.1〜1MPaである。該反応を連続式で行う場合、気相条件下に固定床形式又は流動床形式で好適に行うことができ、原料のラクトン化合物(I)の供給速度は、触媒1kgあたりの供給速度(kg/h)、すなわち空間速度WHSV(h−1)として、通常1〜50h−1、好ましくは2〜10h−1である。該反応を連続式で行う場合、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガスを原料とともに供給してもよい。
かくして、式(III)
Figure 2013095700
(式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるラクタム化合物〔ラクタム化合物(III)〕及び/又は式(IV)
Figure 2013095700
(式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるアミド化合物〔アミド化合物(IV)〕を含む反応混合物を得ることができる。反応後の後処理操作については適宜選択されるが、例えば、適宜濾過やデカンテーション等により反応混合物からメソポーラスシリカを分離した後、抽出、蒸留、晶析等の操作を行うことにより、ラクタム化合物(III)及び/又はアミド化合物(IV)を分離することができる。アミド化合物(IV)は、公知の方法、例えば、特開2003−321427号公報に記載された方法等によって、分子内脱水縮合反応させることにより、ラクタム化合物(III)に変換することができる。ゆえに、アミド化合物(IV)は、ラクタム化合物(III)の製造における中間体として有用である。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、ラクトン化合物(I)の空間速度WHSV(h−1)は、ラクトン化合物(I)の供給速度(g/h)を触媒重量(g)で除することにより算出した。また、ラクトン化合物(I)、ラクタム化合物(III)及びアミド化合物(IV)の分析はガスクロマトグラフィーにより行い、ラクトン化合物(I)の転化率、ラクタム化合物(III)の選択率及びアミド化合物(IV)の選択率は、供給したラクトン化合物(I)のモル数をa、未反応のラクトン化合物(I)のモル数をb、生成したラクタム化合物(III)のモル数をc、生成したアミド化合物(IV)のモル数をdとして、それぞれ以下の式により算出した。
・ラクトン化合物(I)の転化率(%)=[(a−b)/a]×100
・ラクタム化合物(III)の選択率(%)=[c/(a−b)]×100
・アミド化合物(IV)の選択率(%)=[d/(a−b)]×100
実施例1
(a)<MCM−41型メソポーラスシリカの製造>
ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(東京化成工業株式会社製)21.6g(0.059モル)とイオン交換水215.4gとを混合し強く撹拌した。得られた混合液に、撹拌下、コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製のスノーテックス20、シリカ(SiO)含有量21重量%、アルミニウム含有量0.032重量%)127.6gと、4.2重量%水酸化ナトリウム水溶液113.2gとを交互に少量ずつ滴下し、全量滴下後、得られた混合液を40℃で2時間撹拌した。撹拌後の混合液のpHは11.8であった。この混合液をステンレス製オートクレーブに入れ、静置条件下、140℃で48時間水熱処理した。得られたスラリーを濾過し、濾残を2Lのイオン交換水で洗浄した後、80℃にて一晩乾燥し、乾燥物を得た。得られた乾燥物5gをイオン交換水50gに分散させ、得られたスラリーに、pHが6〜7に安定するまで7.3重量%塩酸を少量ずつ加えた後、80℃で20時間静置した。静置後のスラリーを濾過し、濾残を500mLのイオン交換水で洗浄した後、80℃にて一晩乾燥し、白色の結晶を得た。得られた結晶を乳鉢で粉砕し、磁性皿に薄く広げ、空気雰囲気下に600℃で6時間熱処理し、MCM−41型メソポーラスシリカ触媒(A)を得た。得られた触媒(A)をICP発光分析により分析したところ、アルミニウムに対するケイ素の原子比(Si/Al)は250であった。
(b)<ε−カプロラクタム〔式(III)中、Rがペンチレン基であり、Rが水素原子である化合物〕及び6−ヒドロキシヘキサンアミド〔式(IV)中、Rがペンチレン基であり、Rが水素原子である化合物〕の製造>
前記(a)で得られた触媒(A)0.375gを、内径12mmの石英ガラス製反応管中に充填して触媒層を形成させ、窒素4.2L/hの流通下、350℃にて2時間予熱処理した。次いで、触媒層の温度を300℃に下げた後、窒素2.43L/hの流通下、ε−カプロラクトン〔式(I)中、Rがペンチレン基である化合物〕/水/アンモニア〔式(II)中、Rが水素原子である化合物〕=1.9/1/5.6(モル比)の混合物を1.17L/h(ε−カプロラクトンのWHSV=3.6h−1)の供給速度で反応管に供給し、反応を行った。反応開始から0時間後〜1時間後の反応ガスを捕集し、ガスクロマトグラフィーにより分析した。ε−カプロラクトンの転化率は17.7%であり、ε−カプロラクタムの選択率は4.5%、6−ヒドロキシヘキサンアミドの選択率は74.7%であった(合計選択率79.2%)。
実施例2
<ε−カプロラクタム及び6−ヒドロキシヘキサンアミドの製造>
実施例1(a)で得られた触媒(A)0.375gを、内径12mmの石英ガラス製反応管中に充填して触媒層を形成させ、4.2L/hの流通下、350℃にて2時間予熱処理した。次いで、触媒層の温度を300℃に下げた後、窒素1.97L/hの流通下、ε−カプロラクトン/水/アンモニア=1.9/1/9.3(モル比)の混合物を1.69L/h(ε−カプロラクトンのWHSV=3.6h−1)の供給速度で反応管に供給し、反応を行った。反応開始から0時間後〜1時間後の反応ガスを捕集し、ガスクロマトグラフィーにより分析した。ε−カプロラクトンの転化率は33.1%であり、ε−カプロラクタムの選択率は3.3%、6−ヒドロキシヘキサンアミドの選択率は81.7%であった(合計選択率85.0%)。
比較例1
触媒(A)に代えて、H−ZSM−5[PQコーポレーション社製、アルミニウムに対するケイ素の原子比(Si/Al)=140]を使用した以外は、実施例1(b)と同様に反応を行った。ε−カプロラクトンの転化率は13.3%であり、ε−カプロラクタムの選択率は16.5%、6−ヒドロキシヘキサンアミドの選択率は31.6%であった(合計選択率48.1%)。
実施例3
<2−ピロリドン〔式(III)中、Rがプロピレン基であり、Rが水素原子である化合物〕及び4−ヒドロキシブタンアミド〔式(IV)中、Rがプロピレン基であり、Rが水素原子である化合物〕の製造>
実施例1(a)で得られた触媒(A)0.375gを、内径12mmの石英ガラス製反応管中に充填して触媒層を形成させ、4.2L/hの流通下、350℃にて2時間予熱処理した。次いで、触媒層の温度を300℃に下げた後、窒素3.0L/hの流通下、γ−ブチロラクトン〔式(I)中、Rがプロピレン基である化合物〕/水/アンモニア=2.5/1/2.5(モル比)の混合物を0.65L/h(γ−ブチロラクトンのWHSV=2.4h−1)の供給速度で反応管に供給し、反応を行った。反応開始から0時間後〜1時間後の反応ガスを捕集し、ガスクロマトグラフィーにより分析した。γ−ブチロラクトンの転化率は48.1%であり、2−ピロリドンの選択率は4.6%、4−ヒドロキシブタンアミドの選択率は77.3%であった(合計選択率81.9%)。
比較例2
触媒(A)に代えて、H−ZSM−5[PQコーポレーション社製、アルミニウムに対するケイ素の原子比(Si/Al)=40]を使用した以外は、実施例3と同様に反応を行った。γ−ブチロラクトンの転化率は26.7%であり、2−ピロリドンの選択率は46.1%、4−ヒドロキシブタンアミドの選択率は34.0%であった(合計選択率80.1%)。

Claims (7)

  1. 式(I)
    Figure 2013095700
    (式中、Rは、炭素数3〜7のアルキレン基を表す。)
    で示されるラクトン化合物と、式(II)
    Figure 2013095700
    (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。)
    で示される化合物とを、水及びメソポーラスシリカの存在下に反応させることを特徴とする式(III)
    Figure 2013095700
    (式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
    で示されるラクタム化合物及び/又は式(IV)
    Figure 2013095700
    (式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。)
    で示されるアミド化合物の製造方法。
  2. 前記メソポーラスシリカがMCM−41である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記MCM−41がアルミニウムを含むものである請求項2に記載の製造方法。
  4. 式(II)で示される化合物の使用量が、式(I)で示されるラクトン化合物1モルに対して1〜20モルである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 式(II)、(III)及び(IV)におけるRが水素原子である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 式(I)で示されるラクトン化合物が、γ−ブチロラクトン又はε−カプロラクトンである請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記反応を200〜600℃で行う請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104418763A (zh) * 2013-08-23 2015-03-18 江苏磐希化工有限公司 一种芳基羧酸胺化制备芳基酰胺的方法

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