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JP2013095147A - ハイブリッド自動車 - Google Patents

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JP2013095147A
JP2013095147A JP2011236405A JP2011236405A JP2013095147A JP 2013095147 A JP2013095147 A JP 2013095147A JP 2011236405 A JP2011236405 A JP 2011236405A JP 2011236405 A JP2011236405 A JP 2011236405A JP 2013095147 A JP2013095147 A JP 2013095147A
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Yumi Shono
由美 正野
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Toyota Motor Corp
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】エンジンを始動するときに昇圧コンバータをより適正に保護すると共にエンジンをより確実に始動する。
【解決手段】エンジンの始動が指示されたときに、2つのモータが接続された駆動電圧系電力ラインの電圧VHが昇圧コンバータの負荷率制限Rcの範囲内で設定された目標電圧VH*になるよう昇圧コンバータを制御すると共に、エンジンのクランキング用に設定されたクランキングトルクTcrが第1モータから出力されてエンジンがクランキングされ始動されるようエンジンと第1モータとを制御するものにおいて、昇圧コンバータの負荷率制限Rcは、昇圧コンバータの複数のスイッチング素子の素子温度Tcが高いほど小さくなると共に複数のスイッチング素子を冷却する冷却水の冷却水温Tmwが高いほど小さくなる傾向の値であり、クランキングトルクTcrを、昇圧コンバータの負荷率制限Rcが小さいほど小さくなる傾向に設定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ハイブリッド自動車に関し、詳しくは、走行用の動力を出力可能なエンジンと、エンジンをクランキング可能な第1モータと、走行用の動力を出力可能な第2モータと、バッテリと、複数のスイッチング素子のスイッチングによってバッテリが接続された電池電圧系からの電力を昇圧して第1モータおよび第2モータが接続された駆動電圧系に供給可能な昇圧コンバータと、を備えるハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、走行用の動力を出力可能なエンジンと、エンジンをモータリング可能な第1のモータ(MG1)と、走行用の動力を出力可能な第2のモータ(MG2)と、バッテリと、バッテリが接続された低電圧系からの電力を昇圧してモータMG1,MG2が接続された高電圧系に供給可能な昇圧回路とを備え、エンジンを始動するときには、昇圧回路の温度に基づく許容負荷の範囲内で昇圧回路を駆動制御すると共に、バッテリの出力制限や出力制限より大きい超過出力の範囲内でモータMG1によってエンジンがモータリングされて始動されるようモータMG1やエンジンを制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、エンジンを始動するときに、昇圧回路の温度に基づく許容負荷が閾値未満のときには、バッテリの出力制限の範囲内でエンジンが始動されるようモータMG1やエンジンを制御することにより、バッテリから出力制限を超えた電力が出力されるのを抑制している。
特開2009−160953号公報
上述したハード構成のハイブリッド自動車では、昇圧回路の許容負荷を昇圧回路の複数のスイッチング素子の素子温度に応じて設定し、エンジンを始動するときに、昇圧回路の許容負荷の範囲内で昇圧回路を駆動制御する一方で、エンジンをクランキングするためのクランキングトルクとしては昇圧回路の許容負荷に関係なく決めたトルクをモータMG1から出力する場合があった。この場合、エンジンを始動するときに、昇圧回路の許容負荷を超えるパワーに相当するクランキングトルクがモータMG1から出力されることにより昇圧回路を適正に保護することができなくなったり、昇圧回路がその許容負荷の範囲内で制御されることによりエンジンをクランキングするのに必要なクランキングトルクをモータMG1から出力することができずエンジンが始動できなくなったりする場合があった。
本発明のハイブリッド自動車は、エンジンを始動するときに昇圧コンバータをより適正に保護すると共にエンジンをより確実に始動することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
走行用の動力を出力可能なエンジンと、前記エンジンをクランキング可能な第1モータと、走行用の動力を出力可能な第2モータと、バッテリと、複数のスイッチング素子のスイッチングによって前記バッテリが接続された電池電圧系からの電力を昇圧して前記第1モータおよび前記第2モータが接続された駆動電圧系に供給可能な昇圧コンバータと、を備えるハイブリッド自動車において、
前記エンジンの始動が指示されたとき、前記駆動電圧系の電圧が前記昇圧コンバータの駆動制限の範囲内で前記駆動電圧系の目標電圧になるよう前記昇圧コンバータを制御すると共に、前記エンジンのクランキング用に設定されたクランキング用トルクが前記第1モータから出力されて前記エンジンがクランキングされ始動されるよう前記エンジンと前記第1モータとを制御する始動時制御手段を備え、
前記昇圧コンバータの駆動制限は、前記昇圧コンバータの複数のスイッチング素子の温度が高いほど小さくなると共に前記複数のスイッチング素子を冷却する冷却液の温度が高いほど小さくなる傾向の値であり、
前記クランキング用トルクは、前記昇圧コンバータの駆動制限が小さいほど小さくなる傾向に設定される、
ことを特徴とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、エンジンの始動が指示されたとき、第1モータおよび第2モータが接続された駆動電圧系の電圧が昇圧コンバータの駆動制限の範囲内で駆動電圧系の目標電圧になるよう昇圧コンバータを制御すると共に、エンジンのクランキング用に設定されたクランキング用トルクが第1モータから出力されてエンジンがクランキングされ始動されるようエンジンと第1モータとを制御する。そして、昇圧コンバータの駆動制限は、昇圧コンバータの複数のスイッチング素子の温度が高いほど小さくなると共に複数のスイッチング素子を冷却する冷却液の温度が高いほど小さくなる傾向の値であり、クランキング用トルクは、昇圧コンバータの駆動制限が小さいほど小さくなる傾向に設定される。したがって、クランキング用トルクが昇圧コンバータの駆動制限に応じて設定されるから、クランキング用トルクが昇圧コンバータの駆動制限に関係なく設定されるものに比して、エンジンを始動するときに昇圧コンバータの複数のスイッチング素子の温度上昇を抑制することができる。また、昇圧コンバータの駆動制限がスイッチング素子の温度と冷却液の温度とに基づいて設定されるから、昇圧コンバータの駆動制限がスイッチング素子の温度のみに基づいて設定されるものに比して、エンジンのクランキング用に第1モータから出力するパワーを大きくすることができ、クランキング用トルクを大きくすることができる。これにより、エンジンをより確実に始動することができる。この結果、エンジンを始動するときに昇圧コンバータをより適正に保護すると共にエンジンをより確実に始動することができる。
こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記始動時制御手段は、前記エンジンのクランキング用に前記クランキング用トルクと共に設定された出力用時間に亘って前記第1モータから前記クランキング用トルクが出力されて前記エンジンがクランキングされ始動されるよう前記エンジンと前記第1モータとを制御する手段であり、前記クランキング用トルクおよび前記出力用時間は、前記昇圧コンバータの駆動制限が小さいほど前記クランキング用トルクが小さくなると共に前記出力用時間が長くなる傾向にそれぞれ設定される、ものとすることもできる。こうすれば、昇圧コンバータの駆動制限が小さいことによりクランキング用トルクが比較的小さいときに、比較的長い出力用時間に亘って第1モータからクランキング用トルクを出力することができるから、エンジンをより確実に始動することができる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 HVECU70により実行される始動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 昇圧コンバータ55の負荷率制限設定用マップの一例を示す説明図である。 クランキングトルク設定用マップの一例を示す説明図である。 出力時間設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22を始動する際のモータMG1の仮トルクTm1tmpとエンジン22の回転数Neとの関係の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36に接続されたモータMG2と、図示しない複数のスイッチング素子のスイッチングによってモータMG1,MG2を駆動するインバータ41,42と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ50と、図示しない複数のスイッチング素子のスイッチングによってインバータ41,42が接続された電力ライン(以下、駆動電圧系電力ライン54aという)とバッテリ50が接続された電力ライン(以下、電池電圧系電力ライン54bという)との間で電力のやりとりを行なうと共に駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHを調節する昇圧コンバータ55と、インバータ41,42を制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、モータMG1,MG2やインバータ41,42,昇圧コンバータ55を冷却する冷却装置60と、昇圧コンバータ55を制御すると共に車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサからのクランクポジションθcrやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサからの冷却水温Twe,燃焼室内に取り付けられた圧力センサからの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブや排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサからのカムポジションθca,スロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットルポジションTP,吸気管に取り付けられたエアフローメータからの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサからの吸気温Ta,排気系に取り付けられた空燃比センサからの空燃比AF,同じく排気系に取り付けられた酸素センサからの酸素信号O2などが入力ポートを介して入力されており、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁への駆動信号やスロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの制御信号,吸気バルブの開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、エンジンECU24は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転角速度ωm1,ωm2や回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧Vbやバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
冷却装置60は、図示しないエンジンルームの最前部に配置され冷却水と外気との熱交換を行なうラジエータ62と、モータMG1,MG2とインバータ41,42と昇圧コンバータ55とラジエータ62とを含む循環流路64と、循環流路64内を循環するように冷却水を圧送する電動ポンプ66と、を備える。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、駆動電圧系電力ライン54aの正極母線と負極母線とに接続された平滑用のコンデンサ57の端子間電圧を検出する電圧センサ57aからの電圧(駆動電圧系電力ライン54aの電圧)VHや電池電圧系電力ライン54bの正極母線と負極母線とに接続された平滑用のコンデンサ58の端子間電圧を検出する電圧センサ58aからの電圧(電池電圧系電力ライン54bの電圧)VL,昇圧コンバータ55の複数のスイッチング素子の温度を検出する温度センサ55aからの素子温度Tc,冷却装置60の循環流路64を流れる冷却水の温度を検出する水温センサ67からの冷却水温Tmw,イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、HVECU70からは、冷却装置60の電動ポンプ66への制御信号や昇圧コンバータ55への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2との運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード,エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードとは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
エンジン運転モードでは、HVECU70は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算すると共に計算した走行用パワーPdrv*からバッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて得られるバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22から出力すべきパワーとしての要求パワーPe*を設定する。そして、要求パワーPe*を効率よくエンジン22から出力することができるエンジン22の回転数NeとトルクTeとの関係としての動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)を用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によってモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定すると共にモータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクを要求トルクTr*から減じてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、設定した目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に送信し、トルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行ない、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
モータ運転モードでは、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
また、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、冷却装置60の循環流路64内の冷却水(LLC(ロングライフクーラント))の温度Tmwに基づいて電動ポンプ66を回転すべき目標回転数Np*を設定し、電動ポンプ66が目標回転数Np*で回転するよう電動ポンプ66を制御することにより、冷却水を循環流路64内で循環させてモータMG1,MG2の固定子やインバータ41,42の複数のスイッチング素子,昇圧コンバータ55の複数のスイッチング素子を冷却する。
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にエンジン22を始動する際の動作について説明する。図2は、HVECU70により実行される始動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、モータ運転モードにおいて、バッテリ50の蓄電割合SOCがエンジン22の始動に必要なパワーに相当する割合より若干大きい閾値以下となったり、エンジン22の要求パワーPe*がエンジン22を運転した方が効率がよいと判断される閾値以上となったり、車速Vがエンジン22の運転停止を禁止すべきと判断される閾値以上となったりすることにより、エンジン22の始動が指示されたときに実行される。
図2の始動時制御ルーチンが実行されると、HVECU70のCPUは、まず、温度センサ55aからの昇圧コンバータ55の素子温度Tcや温度センサ67からの冷却装置60の冷却水温Tmwなど制御を開始するのに必要なデータを入力し(ステップS100)、入力した素子温度Tcと冷却水温Tmwとに基づいて昇圧コンバータ55の駆動制限としての負荷率制限Rcを設定する(ステップS110)。負荷率制限Rcは、昇圧コンバータ55の駆動により駆動電圧系電力ライン54aに作用させることが可能な最大電圧VHmax(例えば、600Vや700Vなど)のうち駆動電圧系電力ライン54aに作用させてもよい電圧の割合であり、実施例では、素子温度Tcと冷却水温Tmwと負荷率制限Rcとの関係を予め実験や解析により定めて負荷率制限設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、素子温度Tcと冷却水温Tmwとが与えられるとマップから対応する負荷率制限Rcを導出して設定するものとした。図3に負荷率制限設定用マップの一例を示す。
昇圧コンバータ55の負荷率制限Rcは、実施例では、昇圧コンバータ55の複数のスイッチング素子が過熱するのを抑制可能な範囲内でできるだけ大きい値とされており、図3に示すように、素子温度Tcが高いほど小さくなると共に冷却水温Tmwが高いほど小さくなるように定められている。ここで、昇圧コンバータ55の複数のスイッチング素子の過熱を抑制するために、負荷率制限Rcを素子温度Tcのみに基づいて設定する場合を比較例として考える。この比較例では、冷却水温Tmwが高いときでも素子が過熱しないようにするために、素子温度Tcが素子の過熱を判定可能な温度より十分に小さい温度まで上昇したときには負荷率制限Rcを値1より小さくし始める必要が生じる。これに対し、実施例では、冷却水温Tmwが低いときには素子温度Tcの上昇が抑制されやすいことを考慮して、冷却水温Tmwが低いほど比較例と比べて同一の素子温度Tcに対する負荷率制限Rcを大きくすることができる。なお、図3の例では、負荷率制限Rcは、素子温度Tcが高いほど段階的に(階段状に)低くなるものとしたが、直線的に(素子温度Tcに対して比例傾向に)低くなるものとしてもよいし、曲線的に(滑らからに)低くなるものとしてもよい。また、図3の例では、負荷率制限Rcは、冷却水温Tmwが3段階に(水温Tmw1,Tmw2,Tmw3の順に)高くなるほど同一の素子温度Tcに対して小さくなるものとしたが、何段階で低くなるものとしてもよい。
こうして負荷率制限Rcを設定すると、設定した負荷率制限Rcに基づいて、エンジン22をクランキング(モータリング)するためにモータMG1から出力するクランキングトルクTcrと、モータMG1からクランキングトルクTcrを出力する時間である出力時間Toutとを設定する(ステップS120)。クランキングトルクTcrおよび出力時間Toutは、実施例では、負荷率制限RcとクランキングトルクTcrとの関係および負荷率制限Rcと出力時間Toutとの関係をそれぞれ予め実験や解析により定めてクランキングトルク設定用マップおよび出力時間設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、負荷率制限Rcが与えられると各マップから対応するクランキングトルクTcrおよび出力時間Toutを導出して設定するものとした。図4にクランキングトルク設定用マップの一例を示し、図5に出力時間設定用マップの一例を示す。
モータMG1から出力するクランキングトルクTcrは、図4に示すように、負荷率制限Rcが値1以上のときにはエンジン22のクランキングに通常要するトルクとして予め実験などにより定められた所定トルクTcr1が設定され、負荷率制限Rcが値1より小さいほど所定トルクTcr1より小さくなるように設定される。これにより、本始動時制御において、モータMG1からのクランキングトルクTcrによるエンジン22のクランキングによってその回転数Neが共振回転数帯を超えたときにモータMG1から出力されるパワーを、即ち、エンジン22を始動する際にモータMG1から出力されるパワーが最も大きくなるタイミングにおけるそのモータMG1からの出力パワーを、昇圧コンバータ55の負荷率制限Rcが値1より小さいほど、小さくすることができる。
モータMG1からクランキングトルクTcrを出力する出力時間Toutは、図5に示すように、負荷率制限Rcが値1以上のときには、モータMG1からクランキングトルクTcrとして所定トルクTcr1を出力しエンジン22を始動する際に、エンジン22の回転数Neが共振回転数帯を超えるようにするためにクランキングトルクTcrの出力を継続させる時間として予め実験などにより定められた所定出力時間Tout1(例えば、0.4秒や0.5秒など)が設定され、負荷率制限Rcが値1より小さいほど所定出力時間Tout1より大きくなるように設定される。これにより、モータMG1のクランキングトルクTcrが所定トルクTcr1より小さいためにエンジン22の回転数Neが共振回転数帯を超えないなどによりエンジン22を始動することができなくなるのを抑制することができる。
こうしてクランキングトルクTcrと出力時間Toutとを設定すると、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する(ステップS130)。ここで、エンジン22の回転数Neは、図示しないクランクポジションセンサにより検出されたクランクポジションθcrに基づいて演算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の蓄電割合SOCとに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS140)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。
続いて、クランキングトルクTcrと出力時間Toutと始動開始(本始動時制御の開始)からの経過時間tstartとを用いてモータMG1から出力すべきトルクの仮の値としての仮トルクTm1tmpを設定する(ステップS150)。図6は、エンジン22を始動する際のモータMG1の仮トルクTm1tmpとエンジン22の回転数Neとの関係の一例を示す説明図である。実施例では、図示するように、エンジン22の始動が指示された時間t11の直後から、レート処理を用いてクランキングトルクTcrをモータMG1の仮トルクTm1tmpに設定して、エンジン22の回転数Neを迅速に増加させる。そして、クランキングトルクTcrを出力する状態を出力時間Toutに亘って継続することによりエンジン22の回転数Neが共振回転数帯を通過した時間t12から、レート処理を用いて、エンジン22を安定して所定回転数Nstart以上でモータリング可能な所定のトルクTlowをモータMG1の仮トルクTm1tmpに設定して、モータMG1の電力消費や駆動軸36に作用するトルクを小さくする。そして、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nstartに至った時間t13から、レート処理を用いて、モータMG1の仮トルクTm1tmpを値0とし、エンジン22の完爆が判定された時間t14から、発電用のトルクをモータMG1の仮トルクTm1tmpに設定する。ここで、所定回転数Nstartは、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御を開始する回転数である。
次に、次式(1)および式(2)を共に満たすモータMG1から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm1min,Tm1maxを設定し(ステップS160)、設定した仮トルクTm1tmpを式(3)によりトルク制限Tm1min,Tm1maxで制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップ170)。ここで、式(1)はモータMG1やモータMG2により駆動軸36に出力されるトルクの総和が値0から要求トルクTr*までの範囲内となる関係であり、式(2)はモータMG1とモータMG2とにより入出力される電力の総和が入出力制限Win,Woutの範囲内となる関係である。
0≦−Tm1/ρ+Tm2≦Tr* (1)
Win≦Tm1・Nm1+Tm2・Nm2≦Wout (2)
Tm1*=max(min(Tm1tmp,Tm1max),Tm1min) (3)
そして、要求トルクTr*に設定したトルク指令Tm1*をプラネタリギヤ30のギヤ比ρで除したものを加えてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(4)により計算し(ステップS180)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(5)および式(6)により計算すると共に(ステップS190)、計算した仮トルクTm2tmpを式(7)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS200)。
Tm2tmp=Tr*+Tm1*/ρ (4)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (6)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (7)
こうしてモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する(ステップS210)。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
続いて、モータMG1の回転数Nm1および設定したトルク指令Tm1*とモータMG2の回転数Nm2およびトルク指令Tm2*とに基づいて、モータMG1,MG2の駆動に要する駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧の仮の値である仮電圧VHtmpを設定し(ステップS220)、設定した仮電圧VHtmpを次式(8)により駆動電圧系電力ライン54aの最大電圧VHmaxと負荷率制限Rcとの積で制限して駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VH*を設定する(ステップS230)。ここで、仮電圧VHtmpは、実施例では、モータMG1の回転数Nm1とトルク指令Tm1*と駆動電圧系電力ライン54aに要求される電圧との関係を予め実験などにより定めたマップを用いて得られる電圧値と、モータMG2の回転数Nm2とトルク指令Tm2*と駆動電圧系電力ライン54aに要求される電圧との関係を予め実験などにより定めたマップを用いて得られる電圧値とのうち、大きい方の電圧値を設定するものとした。
VH*=min(VHtmp,VHmax・Rc) (8)
こうして駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VH*を設定すると、駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHが目標電圧VH*になるよう昇圧コンバータ55のスイッチング素子をのスイッチング制御を行なう(ステップS240)。こうした制御により、エンジン22を始動する際に素子温度Tcと冷却水温Twとに基づく負荷率制限Rcの範囲内で昇圧コンバータ55を駆動することができ、昇圧コンバータ55の昇圧能力の過度な制限を抑制すると共に昇圧コンバータ55のスイッチング素子の過熱を抑制することができる。
次に、エンジン22の回転数Neを上述の所定回転数Nstartと比較し(ステップS250)、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nstart未満のときには、ステップS130の処理に戻り、ステップS130〜S250の処理を繰り返す。エンジン22の回転数Neが所定回転数Nstart以上のときには、エンジン22の運転開始を指示する制御信号をエンジンECU24に送信し(ステップS260)、エンジン22が完爆に至ったか否かを判定する(ステップS270)。そして、エンジン22が完爆に至るのを待って(ステップS130〜S260)、エンジン22が完爆に至ったときには、始動時制御ルーチンを終了する。
ここで、昇圧コンバータ55の複数のスイッチング素子の過熱を抑制するために負荷率制限Rcを素子温度Tcのみに基づいて設定すると共に、負荷率制限Rcに拘わらずモータMG1からクランキングトルクTcrとしての所定トルクTcr1を所定出力時間Tout1に亘って出力することによってエンジン22をクランキングして始動する場合を比較例として考える。この比較例では、負荷率制限Rcに拘わらず(即ち、昇圧コンバータ55の素子温度Tcに拘わらず)モータMG1からクランキングトルクTcrとして通常用の所定トルクTcr1を出力しようとするために昇圧コンバータ55のスイッチング素子が過熱する可能性があるだけでなく、昇圧コンバータ55の駆動が負荷率制限Rcにより制限されるために駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHをモータMG1,MG2の駆動に要求される目標電圧VH*まで昇圧することができず、モータMG1から出力可能なパワーが不足し、モータMG1からの所定トルクTcr1が制限されてエンジン22を始動することができない場合が生じる。これに対し、実施例では、昇圧コンバータ55の負荷率制限Rcが小さいほど小さくなるクランキングトルクTcrをモータMG1から出力してエンジン22をクランキングするから、昇圧コンバータ55のスイッチング素子が過熱するのを抑制しながらエンジン22を始動することができる。また、実施例では、昇圧コンバータ55の負荷率制限Rcを素子温度Tcと冷却水温Tmwとに基づいて設定するから、上述したように比較例に比べて同一の素子温度Tcに対して負荷率制限Rcを大きく設定することができ、エンジン22の始動の途中でモータMG1から出力可能なパワーが不足するのが抑制され、エンジン22をより確実に始動することができる。しかも、実施例では、クランキングトルクTcrが小さいほどその出力時間Toutを長くするから、エンジン22を始動することができなくなるのをより確実に抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22の始動が指示されたときに、モータMG1,MG2が接続された駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHが昇圧コンバータ55の負荷率制限Rcの範囲内で設定された目標電圧VH*になるよう昇圧コンバータ55を制御すると共に、エンジン22のクランキング用に設定されたクランキングトルクTcrがモータMG1から出力されてエンジン22がクランキングされ始動されるようエンジン22とモータMG1とを制御するものにおいて、昇圧コンバータ55の負荷率制限Rcは、昇圧コンバータ55の複数のスイッチング素子の素子温度Tcが高いほど小さくなると共に複数のスイッチング素子を冷却する冷却水の冷却水温Tmwが高いほど小さくなる傾向の値であり、クランキングトルクTcrは、昇圧コンバータ55の負荷率制限Rcが小さいほど小さくなる傾向に設定されるから、クランキングトルクTcrが昇圧コンバータ55の負荷率制限Rcに関係なく設定されるものに比して、エンジン22を始動するときに昇圧コンバータ55の複数のスイッチング素子の温度上昇を抑制することができる。また、昇圧コンバータ55の負荷率制限Rcが素子温度Tcと冷却水温Tmwとに基づいて設定されるから、昇圧コンバータ55の負荷率制限Rcが素子温度Tcのみに基づいて設定されるものに比して、エンジン22のクランキング用にモータMG1から出力するパワーを大きくすることができ、クランキングトルクTcrを大きくすることができる。これにより、エンジン22をより確実に始動することができる。この結果、エンジン22を始動するときに昇圧コンバータ55をより適正に保護すると共にエンジン22をより確実に始動することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、昇圧コンバータ55の負荷率制限Rcに応じてモータMG1のクランキングトルクTcrとその出力時間Toutとを設定するものとしたが、出力時間Toutについては、負荷率制限Rcに拘わらず一定の時間(例えば、クランキングトルクTcrが小さいときでもエンジン22を始動可能に予め定められた時間など)を用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、昇圧コンバータ55の負荷率制限Rcやバッテリ50の出力制限Woutが極めて小さい場合については特に触れていないが、負荷率制限Rcがエンジン22を始動不能と判断可能な閾値以下の場合や、出力制限Woutがエンジン22を始動不能と判断可能な閾値以下の場合には、エンジン22の始動を行なわないものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG1が「第1モータ」に相当し、モータMG2が「第2モータ」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、昇圧コンバータ55が「昇圧コンバータ」に相当し、エンジン22の始動が指示されたときに駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHが素子温度Tcが高いほど小さくなり且つ冷却水温Tmwが高いほど小さくなるように設定された昇圧コンバータ55の負荷率制限Rcの範囲内の目標電圧VH*になるよう昇圧コンバータ55を制御すると共に、負荷率制限Rcが小さいほど長くなるように設定された出力時間Toutに亘ってモータMG1のトルク指令Tm1*に負荷率制限Rcが小さいほど小さくなるクランキングトルクTcrを設定するなどしてそのトルク指令Tm1*をモータECU40に送信する図2の始動時制御ルーチンを実行するHVECU70と、トルク指令Tm1*に基づいてインバータ41をスイッチング制御することによってモータMG1を制御するモータECU40とが「始動時制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54a 駆動電圧系電力ライン、54b 電池電圧系電力ライン、55 昇圧コンバータ、57,58 コンデンサ、57a,58a 電圧センサ、60 冷却装置、62 ラジエータ、64 循環流路、66 電動ポンプ、67 温度センサ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ。

Claims (2)

  1. 走行用の動力を出力可能なエンジンと、前記エンジンをクランキング可能な第1モータと、走行用の動力を出力可能な第2モータと、バッテリと、複数のスイッチング素子のスイッチングによって前記バッテリが接続された電池電圧系からの電力を昇圧して前記第1モータおよび前記第2モータが接続された駆動電圧系に供給可能な昇圧コンバータと、を備えるハイブリッド自動車において、
    前記エンジンの始動が指示されたとき、前記駆動電圧系の電圧が前記昇圧コンバータの駆動制限の範囲内で前記駆動電圧系の目標電圧になるよう前記昇圧コンバータを制御すると共に、前記エンジンのクランキング用に設定されたクランキング用トルクが前記第1モータから出力されて前記エンジンがクランキングされ始動されるよう前記エンジンと前記第1モータとを制御する始動時制御手段を備え、
    前記昇圧コンバータの駆動制限は、前記昇圧コンバータの複数のスイッチング素子の温度が高いほど小さくなると共に前記複数のスイッチング素子を冷却する冷却液の温度が高いほど小さくなる傾向の値であり、
    前記クランキング用トルクは、前記昇圧コンバータの駆動制限が小さいほど小さくなる傾向に設定される、
    ことを特徴とするハイブリッド自動車。
  2. 請求項1記載のハイブリッド自動車において、
    前記始動時制御手段は、前記エンジンのクランキング用に前記クランキング用トルクと共に設定された出力用時間に亘って前記第1モータから前記クランキング用トルクが出力されて前記エンジンがクランキングされ始動されるよう前記エンジンと前記第1モータとを制御する手段であり、
    前記クランキング用トルクおよび前記出力用時間は、前記昇圧コンバータの駆動制限が小さいほど前記クランキング用トルクが小さくなると共に前記出力用時間が長くなる傾向にそれぞれ設定される、
    ことを特徴とするハイブリッド自動車。
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