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JP2013061372A - フィルム・パターンド・リターダーの製造方法、並びにフィルム・パターンド・リターダー、及びそれを有する偏光板及び画像表示装置 - Google Patents

フィルム・パターンド・リターダーの製造方法、並びにフィルム・パターンド・リターダー、及びそれを有する偏光板及び画像表示装置 Download PDF

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慎一 森嶌
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Abstract

【課題】高精細な配向パターンを有し、且つ寸法変化によるパターンの位置ズレが抑制されたフィルム・パターンド・リターダーの製造方法の提供。
【解決手段】フィルムと、その上にパターンド・リターダー層とを少なくとも有するフィルム・パターンド・リターダーの製造方法であって、1)フィルムを、Tg−100<T1<Tg(但しTgはフィルムのガラス転移点である)を満足するT1で加熱する工程、2)上記フィルムの表面上に、液晶を主成分として含有する組成物を塗布して塗膜を形成する工程、及び3)前記塗膜を加熱して液晶を配向させる工程、をこの順で含むことを特徴とするフィルム・パターンド・リターダーの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、高精細なパターンを有し、かつ製造が容易で実用性に優れたフィルム・パターンド・リターダーの製造方法、並びにそれによって製造されたフィルム・パターンド・リターダー、及びそれを有する偏光板及び立体画像表示装置等の画像表示装置に関する。
立体画像表示装置に利用されるパターンド・リターダーの需要が増加している。特に、取り扱い性、可撓性、軽量性等に優れる、フィルム支持体上に、パターンド・リターダー層を有する、フィルム・パターンド・リターダー(以下、「FPR」という場合がある)に対する期待は高い。
ところで、パターンド・リターダーの作製には、画素等のパターンに対応した高精彩且つ微細なパターン形成技術が必要である。従来、液晶セル内にパターン位相差層を有する、いわゆるインセルタイプの液晶セルの構成が提案され(例えば、特許文献1)、インセルタイプの液晶セルのパターン位相差層の形成には、種々のパターン技術が利用されている。
特開2006−39327号公報
しかし、従来のいわゆるインセルタイプの液晶セルの作製では、液晶セル用の剛直なガラス基板を支持体とし、その上に、パターン位相差層を形成している。FPRでは、可撓性のフィルム上に、微細な位相差層のパターンを形成する必要があり、製造工程中にフィルムが寸法変化し、パターンの位置ズレ等が発生するという問題がある。位置ズレのあるFPRを立体画像表示装置に利用すると、クロストーク発生の原因になる。
本発明は上記問題点を解決することを課題とする。
具体的には、本発明の第一の課題は、高精細な配向パターンを有し、寸法変化によるパターンの位置ズレが抑制されたフィルム・パターンド・リターダーの製造方法を提供することである。
本発明の第二の課題は、寸法変化によるパターンの位置ズレが抑制されたフィルム・パターンド・リターダー及びそれを有する偏光板、並びに低コストで視認性の高い立体画像表示装置を提供することである。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] フィルムと、その上にパターンド・リターダー層とを少なくとも有するフィルム・パターンド・リターダーの製造方法であって、下記1)〜3)
1)フィルムを、Tg−100<T1<Tg(但しTgはフィルムのガラス転移点である)を満足するT1で加熱する工程
2)上記フィルムの表面上に、液晶を主成分として含有する組成物を塗布して塗膜を形成する工程、及び
3)前記塗膜を加熱して液晶を配向させる工程、
をこの順で含むことを特徴とするフィルム・パターンド・リターダーの製造方法。
[2]1)工程が、フィルムの膜面温度T1sを、Tg−120℃≦T1S℃≦Tg−20℃にする工程である[1]の方法。
[3] 1)工程が、セルロースアシレートフィルムを加熱し、該フィルムの膜面温度を80℃〜150℃にする工程である[1]又は[2]の方法。
[4] 1)工程の後に、マスク露光する工程を含む[1]〜[3]のいずれかの方法。
[5]マスク露光に用いられるマスクのトータルピッチP1と、パターンド・リターダーのトータルピッチP2との差ΔP(=P1−P2)の割合ΔP/P1が、0.1%未満である[4]の方法。
[6] マスク露光する工程が、互いに異なる方向に液晶の長軸を配向させる配向能をそれぞれ有する第1及び第2配向制御領域が交互に配置されたパターン配向膜を形成する工程である[4]又は[5]の方法。
[7] 3)工程の後に、液晶の配向を固定する工程をさらに含む[1]〜[6]のいずれかの方法。
[8] 互いに面内遅相軸方向が異なる第1位相差領域及び第2位相差領域を含み、前記第1及び第2位相差領域が、面内において交互に配置されているパターンド・リターダー層を有するフィルム・パターンド・リターダーの製造方法である、[1]〜[7]のいずれかの方法。
[9] [1]〜[8]のいずれかの方法により製造されたフィルム・パターンド・リターダー。
[10] [9]のフィルム・パターンド・リターダーと、偏光子とを有する偏光板。
[11] [9]のフィルム・パターンド・リターダー、又は[10]のパターンド偏光板を有する画像表示装置。
本発明によれば、高精細な配向パターンを有し、且つ寸法変化によるパターンの位置ズレが抑制されたフィルム・パターンド・リターダーの製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、寸法変化によるパターンの位置ズレが抑制されたフィルム・パターンド・リターダー及びそれを有する偏光板、並びに低コストで視認性の高い立体画像表示装置を提供することができる。
本発明の方法により製造可能なフィルム・パターンド・リターダーの一例の断面模式図である。 本発明の方法により製造可能なフィルム・パターンド・リターダーの一例の上面図である。 本発明に利用可能な配向膜の上面模式図である。 本発明の方法によって製造されるパターンド・リターダー層と直線偏光膜との関係の一例を示す概略図である。 本発明の方法によって製造されるフィルム・パターンド・リターダーの4例の断面模式図を、液晶表示パネル部との組み合わせとして示した模式図である。 実施例で形成したパターンド・リターダー層の一例の上面模式図である。 実施例で利用したゴム状フレキソ版の一部の断面模式図である。 実施例で利用したフレキソ印刷装置の一部の断面模式図である。 実施例で利用したマスクとワイヤーグリッド偏光子との方向を示すために用いた上面模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
1.フィルム・パターンド・リターダーの製造方法
本発明は、FPRの製造方法に関し、具体的には、フィルムと、その上にパターンド・リターダー層とを少なくとも有するフィルム・パターンド・リターダーの製造方法であって、下記1)〜3)
1)フィルムを、Tg−100<T1<Tg(但しTgはフィルムのガラス転移点である)を満足するT1で加熱する工程、
2)上記フィルムの表面上に、液晶を主成分として含有する組成物を塗布して塗膜を形成する工程、及び
3)前記塗膜を加熱して液晶を配向させる工程、
をこの順で含むことを特徴とするFPRの製造方法に関する。
本発明の方法は、パターンド・リターダーを形成する前に、1)工程を実施する、即ち、支持体として用いるフィルムを加熱処理する、ことを一つの特徴とする。この加熱処理により、フィルム中の主成分高分子が配向緩和して平衡状態へ安定化し、フィルムの熱及び/又は湿度等に依存する寸法変化を軽減することができ、それによりその上に形成されるパターン光学異方性層のパターンの位置ズレを軽減することができる。
なお、本明細書では、「高分子」の用語は、樹脂及び重合体(単独重合体及び共重合体の双方を含む)のいずれも含む意味で用いられる。
例えば、パターンド・リターダーの形成のために、配向膜等にマスク露光やマスクラビング等を行う場合には、使用するマスクは、パターンド・リターダーを搭載する画像表示装置の画素等に対応する様に、開口部及び非開口部の幅(本明細書では「マスクのピッチ」という)が精密に調整されている。しかし、精密にピッチが調整されたマスクを用いて、マスク露光等を行っても、支持体であるフィルムが製造工程中に供与される熱や環境湿度等によって寸法変化してしまうと、パターンの位置ズレが生じる。本発明の方法では、上記加熱処理を行うことにより、支持体フィルムの熱等による寸法変化が抑制されているので、パターンの位置ズレを軽減することができる。
具体的には、本発明の製造方法によれば、1)工程、即ち支持体フィルムの加熱処理工程、の後に、パターン形成のために、マスク露光又はマスクラビングを行う態様において、当該工程に用いられるマスクのトータルピッチP1と、パターンド・リターダー層のトータルピッチP2との差ΔP(=P1−P2)の割合ΔP/P1を、0.1%未満(好ましくは0.09%以下、より好ましくは0.8%以下)まで低下させることができる。上記加熱処理を行わない支持体フィルムを用いると、ΔP/P1は0.1%を超えてしまい、立体画象表示装置に用いる場合には、クロストーク現象が観察される場合がある。
なお、マスクのトータルピッチP1とは、露光等の処理がされるマスクの被処理領域に存在する複数の開口部及び非開口部のトータルの幅をいうものとする。例えば、被処理領域にピッチPのストライプ状のn個の開口部及びn個の非開口部が交互に存在する態様では、トータルピッチは、2×n×Pになる。パターンド・リターダー層のトータルピッチP2も同様であり、マスクの被処理領域に対応する位置に形成されたパターンド・リターダー層のトータルの幅をいうものとする。
以下、本発明の方法の各工程について詳細に説明する。
1)工程
1)工程では、支持体となるフィルムを、Tg−100<T1<Tg(但しTgはフィルムのガラス転移点である)を満足するT1で加熱する。本工程により、該フィルム中の残存歪み等を解消し非平衡状態から平衡状態へ安定化し、主成分高分子を少なくとも部分的に配向緩和させることができる。加熱処理により、高分子の主鎖の少なくとも一部が配向緩和してもよいし、側鎖の少なくとも一部が配向緩和してもよく、また双方の少なくとも一部が配向緩和してもよい。特に、加熱処理により、非晶質部分で発生する歪み等を解消するために、高分子の側鎖の少なくとも一部が配向緩和するのが好ましい。
なお、フィルム中の主成分高分子の配向緩和の有無は、X線やラマン解析を追跡すること等によって確認することができる。
1)工程では、フィルムを、Tg−100℃<T1<Tg℃(但しTgはフィルムのガラス転移点である)を満足するT1で加熱する。この範囲で加熱することにより、安定的にフィルム中の主成分高分子の配向緩和を促進することができる。加熱温度T1は、好ましくはTg−80℃<T1<Tg−10℃である。なお、上記分析方法では、主成分高分子の配向緩和の有無を確認できない場合であっても、この範囲内の温度で加熱処理することにより、本発明の効果が得られる。なお、フィルムのガラス転移点は、DSC測定により知ることができる。
上記温度T1で加熱処理することにより、フィルムの膜面温度T1sを、Tg−120℃≦T1S℃≦Tg−20℃とするのが好ましく、Tg−100℃≦T1S℃≦Tg−30℃とするのがより好ましい。例えば、セルロースアシレートを主成分とするセルロースアシレートのTgは一般的には160〜200℃程度であるので、支持体用フィルムとしてセルロースアシレートフィルムを用いる態様では、1)工程は、セルロースアシレートフィルムを加熱し、該フィルムの膜面温度を80℃〜150℃(より好ましくは100〜130℃)にする工程である。
1)工程の加熱処理を実施する時間tについては特に制限はないが、一般的には、1分≦t≦60分が好ましく、特に好ましくは2分≦t≦10分である。
1)工程の実施は、フィルム上に他の層を形成するために利用されてもよい。具体的には、1)工程の加熱処理の実施により、フィルム上に形成した塗膜を乾燥して、機能層を形成してもよい。機能層の一例は、2)工程でフィルム上に塗布される液晶の配向を制御可能な配向膜である。勿論、配向膜を、1)工程の実施とは別に、1)工程の前、又は1)工程の後であって且つ2)工程の前に、フィルム上に形成してもよい。
例えば、1)工程を実施する前に、上記配向膜用材料を含有する塗布液をフィルム表面に塗布し、塗膜を形成した後、1)工程の加熱処理により、塗膜中の溶媒を乾燥・除去して、配向膜を形成することができる。
また、1)工程は、フィルムに対する表面処理と同時に実施されてもよい。フィルムには、その上に形成されるパターンド・リターダー層との密着性を良化するための表面処理が施される場合がある。採用する表面処理が加熱工程を含む場合は、該加熱工程と同時に1)工程を実施してもよい。1)工程は、例えば、アルカリ鹸化処理後の乾燥工程、後述する反射防止層等の表面フィルム加工工程等であり、これらの工程と同時に実施してもよい。
本発明の方法では、パターンド・リターダーのパターンを構築するパターン形成工程が必要である。パターン形成工程の一例は、マスク露光又はマスクラビング等の開口部と非開口部とを有するマスクを用いた処理である。マスクを用いた処理は、配向膜に対して実施されるのが好ましい。例えば、1)工程と同時に、1)工程の前に、又は1)工程の後であって2)工程の前に、フィルム表面上に配向膜を形成した後、2)工程の前に、配向膜に対して、マスク露光、マスクラビング等のマスクを用いた処理を実施し、パターン配向膜を形成するのが好ましい。パターン配向膜の一例は、互いに異なる(例えば直交する)方向に液晶分子の長軸(遅相軸という場合もある)を配向させる配向制御能をそれぞれ有する第1及び第2配向制御領域が交互に配置されたパターン配向膜である。
マスクとしては、開口部及び非開口部のピッチ等が、搭載される画像表示装置の画素に応じて精密に調整されたものが用いられる。本発明では、1)工程の実施により、フィルムがその後の工程中に寸法変化することが抑制されている。従って、マスクを用いた処理によって形成されたパターンは、その後の工程においても維持される。
パターン配向膜形成のためのマスク露光の条件については、特に制限はない。パターン配向膜形成の機構に応じて、好ましい露光条件も変動するであろう。後述する光酸発生剤の分解を利用して、パターン配向膜を形成する態様では、マスク紫外線露光により、光酸発生剤を分解して、酸性化合物を発生させる。光酸発生剤の分解とともに酸性化合物の生成及び拡散が起こるため、フォトマスク下での照射には、紫外線を用いるのが好ましく、非偏光紫外線を用いるのがより好ましい。照射波長としては200〜250nmにピークを有することが好ましく、UV−C光源を用いることが好ましく、その露光量は、5〜1000mJ/cm2程度であることが好ましく、5〜100mJ/cm2程度であることがさらに好ましく、5〜50mJ/cm2程度であることが特に好ましい。露光量が少なすぎるとパターンが形成できない。一方、露光量が多すぎると酸性化合物の拡散によりパターン解像度が低下する。パターン解像度を向上させるためには、室温で露光することが好ましい。
なお、光照射の条件は、配向膜組成物の組成等に応じて適宜設定することができ、上記条件に限定されるものではない。
なお、パターン配向膜は、光配向膜であってもよく、その態様では、マスク露光には、直線偏光紫外線が利用される。
また、パターン配向膜は、マスクを用いたマスクラビング処理の実施によって形成されてもよい。
使用されるマスクの一例は、ストライプ状の開口部と非開口部とが交互に配置されたマスクである。開口部及び非開口部の幅(ピッチ)は、搭載される画像表示装置の画素の構成等に応じて決定される。一般的には、各ストライプの幅は、100〜1000μmである。
2)工程
2)工程では、上記フィルムの表面上に、液晶を主成分として含有する組成物を塗布して塗膜を形成する。2)工程は、好ましくは、配向膜(より好ましくはパターン配向膜)が形成された後に実施するのが好ましい。
液晶を含有する前記組成物は、塗布液として調製されているのが好ましい。塗布液の調製に用いられる溶媒について特に制限はなく、液晶が可溶な有機溶媒の1種又は2種以上の混合溶媒を用いることができる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布方法についても特に制限はく、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーテティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。
3)工程
3)工程では、前記塗膜を加熱して液晶を配向させる。この時の加熱温度T3は、使用される液晶の液晶相転移温度及び等方相転移温度等に応じて決定される。一般的には、50〜150℃であり、70〜140℃であるのが好ましく、80〜130℃であるのがより好ましい。なお、1)工程の加熱処理温度T1との関係で、T3はT3≦T1を満足しているのが好ましい。3)工程における加熱温度T3に限らず、パターンド・リターダー層が形成されるまでのいずれの工程においてもT1を超える温度での加熱工程が実施されないのが好ましい。例えば、1)工程の後に、フィルムの表面処理、配向膜の形成等を行う際に加熱処理してもよいが、1)工程の加熱温度T1℃未満で行うのが好ましい。2)工程でも加熱処理を行ってもよいが、その際も加熱温度は、T1℃未満とする。
3)工程では、液晶を配向させて、例えば、面内遅相軸及び位相差の少なくとも一方が互いに異なる複数の位相差領域からなるパターンを形成する。一例は、互いに面内遅相軸方向が異なる第1位相差領域及び第2位相差領域を含み、前記第1及び第2位相差領域が、面内において交互に配置されているパターンド・リターダー層である。該パターンド・リターダー層は、互いに異なる(例えば直交する)方向に液晶の長軸を配向させる配向制御能をそれぞれ有する第1及び第2配向制御領域が交互に配置されたパターン配向膜上で液晶を配向させることで形成することができる。例えば、液晶の遅相軸をパターンラビング配向膜のラビング方向に対して直交及び平行にしてそれぞれ配向させる。これにより、第1及び第2位相差領域の面内遅相軸の方向が決定され、互いに直交した面内遅相軸を有する第1及び第2位相差領域が形成される。さらに、液晶の配向状態によって、第1及び第2位相差領域の光学特性(Re及びRth)が決定される。パターンド・リターダー層は、λ/4板、即ち直線偏光を円偏光に変換する機能を有する光学異方性層であるのが好ましい。λ/4板としての機能を有する液晶の配向状態は種々ある。一例は、棒状液晶化合物の遅相軸(分子長軸)を層面に水平配向させた配向状態である。及び他の例は、ディスコティック液晶の円盤面を層面に対して垂直配向させた配向状態である。より好ましくは、ディスコティック液晶の垂直配向状態である。
勿論、液晶又はそれとともに利用される添加剤等の作用により、マスク露光等のマスクを用いた処理を、液晶を含有する膜に対して行うことで、パターンド・リターダー層の形成が可能な場合もある。又は、第1及び第2位相差領域等、複数の位相差領域を形成するために、液晶及び/又は添加剤が互いに異なる、又はその含有割合が互いに異なる、複数の液晶組成物を利用して、パターンド・リターダー層の形成を行ってもよい。いずれの態様でも、1)工程を実施していることにより、その後の工程におけるフィルムの寸法変化が抑制されているので、設計通りのパターン形成が可能である。
3)工程の後に、液晶の配向を固定することが好ましい。パターンド・リターダー層の光学特性の変動を抑制するためには、固定は、化学結合の形成を伴う態様が好ましく、重合反応や架橋反応によって実施されるのが好ましい。従って、3)工程に用いられる組成物は、重合性もしくは架橋性を有する硬化性組成物であるのが好ましい。液晶が重合性基もしくは架橋性基を有するのも好ましい。
液晶の配向の固定は、前記硬化性組成物の重合反応を実施することによるのが好ましい。利用される重合反応は、光重合反応であっても熱重合反応であってもよい。光重合反応が、制御が容易である点で好ましい。即ち、前記硬化性組成物は、光重合反応を可能とする光重合開始剤を含有しているのが好ましい。
液晶の配向固定のために実施される光照射には、例えば、紫外線が利用される。照射エネルギーは、10mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、25〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。照度は10〜1000mW/cm2であることが好ましく、20〜500mW/cm2であることがより好ましく、40〜350mW/cm2であることがさらに好ましい。照射波長としては250〜450nmにピークを有することが好ましく、300〜410nmにピークを有することがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは加熱条件下で光照射を実施してもよい。光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)あるいはショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)が好ましく用いられる。
パタード・リターダー層の形成方法として、以下の態様が挙げられる。
第1の態様は、液晶の配向制御に影響を与える複数の作用を利用し、その後、外部刺激(熱処理等)によりいずれかの作用を消失させて、所定の配向制御作用を支配的にする方法である。例えば、配向膜による配向制御能と、液晶組成物中に添加される配向制御剤の配向制御能との複合作用により、液晶を所定の配向状態とし、それを固定して一方の位相差領域を形成した後、外部刺激(熱処理等)により、いずれかの作用(例えば配向制御剤による作用)を消失させて、他の配向制御作用(配向膜による作用)を支配的にし、それによって他の配向状態を実現し、それを固定して他方の位相差領域を形成する。例えば、後述する所定のピリジニウム化合物又はイミダゾリウム化合物は、ピリジニウム基又はイミダリウム基が親水的であるため前記親水的なポリビニルアルコール配向膜表面に偏在する。特に、ピリジニウム基が、さらに、水素原子のアクセプターの置換基であるアミノ基が置換されていると、ポリビニルアルコールとの間に分子間水素結合が発生し、より高密度に配向膜表面に偏在すると共に、水素結合の効果により、ピリジニウム誘導体がポリビニルアルコールの主鎖と直交する方向に配向するため、ラビング方向に対して液晶の直交配向を促進する。後述する所定のピリジニウム誘導体等は、分子内に複数個の芳香環を有しているため、液晶、特にディスコティック液晶との間に強い分子間π−π相互作用が起こり、ディスコティック液晶の配向膜界面近傍における直交配向を誘起する。特に、親水的なピリジニウム基に疎水的な芳香環が連結されていると、その疎水性の効果により垂直配向を誘起する効果も有する。しかし、その効果は、ある温度を超えて加熱すると、水素結合が切断され、前記ピリジニウム化合物等の配向膜表面における偏在性及び密度が低下し、その作用を消失する。その結果、ラビング配向膜そのものの規制力により液晶が配向し、液晶は平行配向状態になる。この方法の詳細については、特願2010−141346号明細書に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
本態様では、マスク露光は、配向状態を固定するために、液晶を含有する膜に対して実施される。
第2の態様は、パターン配向膜を利用する態様である。この態様では、互いに異なる配向制御能を有するパターン配向膜を形成し、その上に、液晶組成物を配置し、液晶を配向させる。液晶は、パターン配向膜のそれぞれの配向制御能によって配向規制され、互いに異なる配向状態を達成する。それぞれの配向状態を固定することで、配向膜のパターンに応じて第1及び第2の位相差領域のパターンが形成される。パターン配向膜は、印刷法、ラビング配向膜に対するマスクラビング、光配向膜に対するマスク露光等を利用して形成することができる。また、配向膜を一様に形成し、配向制御能に影響を与える添加剤(例えば、上記オニウム塩等)を別途所定のパターンで印刷することによって、パターン配向膜を形成することもできる。大掛かりな設備が不要である点や製造容易な点で、印刷法を利用する方法が好ましい。この方法の詳細については、特願2010−173077号明細書に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
本態様では、例えばマスクを用いたマスク露光等の処理は、配向膜に対して実施される。
また、第1及び第2の態様を併用してもよい。一例は、配向膜中に光酸発生剤を添加する例である。この例では、配向膜中に光酸発生剤を添加し、パターン露光により、光酸発生剤が分解して酸性化合物が発生した領域と、発生していない領域とを形成する。光未照射部分では光酸発生剤はほぼ未分解のままであり、配向膜材料、液晶、及び所望により添加される配向制御剤の相互作用が配向状態を支配し、液晶を、その遅相軸がラビング方向と直交する方向に配向させる。配向膜へ光照射し、酸性化合物が発生すると、その相互作用はもはや支配的ではなくなり、ラビング配向膜のラビング方向が配向状態を支配し、液晶は、その遅相軸をラビング方向と平行にして平行配向する。前記配向膜に用いられる光酸発生剤としては、水溶性の化合物が好ましく用いられる。使用可能な光酸発生剤の例には、Prog. Polym. Sci., 23巻、1485頁(1998年)に記載の化合物が含まれる。前記光酸発生剤としては、ピリジニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩が特に好ましく用いられる。この方法の詳細については、特願2010−289360号明細書に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
本態様では、配向膜に対してマスク露光が実施される。
上記パターン形成方法の態様は例示であって、上記態様に限定されるものではない。
パターンド・リターダー層を形成した後に又は形成する前に、他の機能層を積層するための工程を実施してもよい。他の機能層の例には、偏光膜、ハードコート層、光反射防止層が含まれる。これらの層を、フィルム上に形成した積層フィルムを作製し、上記方法により製造されるフィルム・パターンド・リターダーと貼合してもよい。また、パターンド・リターダー層を形成した後に、又は形成する前に、支持体として利用されるフィルムの裏面(パターンド・リターダー層を形成する面と反対側の面)に、上記機能層を、貼合もしくは塗布等により形成してもよい。また、パターンド・リターダー層を形成した後に、パターンド・リターダー層の表面に直接、貼合もしくは塗布等により形成してもよい。
次に、本発明の方法に利用可能な種々の材料等について説明する。
支持体用フィルム:
支持体用フィルムは、主成分として高分子(樹脂及び重合体の双方を含む意味である)を含有するものであれば、特に制限はない。光学性能透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるポリマーが好ましい。例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、又は前記ポリマーを混合したポリマーも例としてあげられる。また本発明の高分子フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
また、前記透明支持体を形成する材料としては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を好ましく用いることが出来る。熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等があげられる。
また、前記透明支持体を形成する材料としては、従来偏光板の透明保護フィルムとして用いられてきた、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(以下、セルロースアシレートという)を好ましく用いることができる。
以下に、前記透明支持体の例として、主にセルロースアシレートについて詳細を説明するが、その技術的事項は、他の高分子フィルムについても同様に適用できることは明らかである。
セルロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細は、例えばプラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載されているが、本発明は、該記載に制限されるものではない。
セルロースアシレートはセルロースの水酸基がアシル化されたもので、その置換基はアシル基の炭素原子数が2のアセチル基から炭素原子数が22のものまでいずれも用いることができる。本発明のセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸の結合度を測定し、計算によって置換度を得ることができる。測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じて実施することができる。
セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、セルロースの水酸基へのアシル置換度が2.50〜3.00であることがのぞましい。更には置換度が2.75〜3.00であることがのぞましく、2.85〜3.00であることがよりのぞましい。
セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸のうち、炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族基でも芳香族基でもよく特に限定されず、単一でも2種類以上の混合物でもよい。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれ更に置換された基を有していてもよい。これらの好ましいアシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、へプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることが出来る。これらの中でも、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどが好ましく、アセチル、プロピオニル、ブタノイルがより好ましい。
上述のセルロースの水酸基に置換するアシル置換基のうちで、実質的にアセチル基/プロピオニル基/ブタノイル基の少なくとも2種類からなる場合においては、その置換度が2.50〜3.00の場合にセルロースアシレートフィルムの光学異方性が低下できる。
より好ましいアシル置換度は2.60〜3.00であり、更にのぞましくは2.65〜3.00である。また、セルロースの水酸基に置換するアシル置換基がアセチル基のみからなる場合には、フィルムの光学異方性が低下できることに加え、更に添加剤との相溶性、使用する有機溶剤への溶解性の観点で置換度が2.80〜2.99であることが好ましく、2.85〜2.95であることがより好ましい。
セルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であるのが好ましく、セルロースアセテートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度が高すぎるとセルロースアシレートのドープ溶液の粘度が高くなり、流延によりフィルム作製が困難になる。重合度が低すぎると作製したフィルムの強度が低下してしまう。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。特開平9−95538号公報に詳細に記載されている。
また、本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって評価され、その多分散性指数Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることが更に好ましく、1.0〜1.6であることが最も好ましい。
低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。なお、低分子成分の少ないセルロースアシレートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量部に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子量部分布の点でも好ましい(分子量分布の均一な)セルロースアシレートを合成することができる。本発明のセルロースアシレートの製造時に使用される際には、その含水率は2質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは1質量%以下であり、特には0.7質量%以下である。一般に、セルロースアシレートは、水を含有しており2.5〜5質量%の含水率が知られている。セルロースアシレートの含水率にするためには、乾燥することが必要であり、その方法は目的とする含水率になれば特に限定されない。本発明のこれらのセルロースアシレートの合成方法は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて7頁〜12頁に詳細に記載されている。
セルロースアシレートは置換基、置換度、重合度、分子量分布など前述した範囲であれば、単一あるいは異なる2種類以上のセルロースアシレートを混合して用いることができる。
支持体として用いるフィルムの作製には、セルロースアシレートとともに、種々の添加剤(例えば、光学的異方性を低下する化合物、波長分散調整剤、微粒子、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、剥離剤、光学特性調整剤など)を使用することができ、これらについて以下に説明する。またその添加する時期はドープ作製工程(セルロースアシレート溶液の作製工程)における何れでもよいが、ドープ作製工程の最後に添加剤を添加し調製する工程を行ってもよい。
これらの添加剤の添加量を調整することにより、0≦Re(550)≦10を満たすセルロースアシレートフィルムを作製することができ、当該フィルムを支持体として用いることで、支持体の光学特性の影響をほとんど受けずに、本発明の光学フィルム中に含まれる全ての前記第1及び第2の位相差領域のReを、110nm≦Re(550)≦165nmの範囲にすることができる。Re値は、120≦Re(550)≦145であることが好ましく、130≦Re(550)≦145であることが特に好ましい。
また、後述する光学異方性層との関係では、前記透明支持体のRthと光学異方性層(λ/4板)のRthの合計が|Rth|≦20nmを満たすために、透明支持体は、−150nm≦Rth(630)≦100nmを満たすことが好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムの光学的異方性を低下させる化合物を、少なくとも一種含有することものぞましい態様である。
セルロースアシレートフィルムの光学的異方性を低下させる化合物について説明する。フィルム中のセルロースアシレートが面内及び膜厚方向に配向するのを抑制する化合物を利用することで、光学的異方性を低下させることができる。光学的異方性を低下させる化合物はセルロースアシレートに十分に相溶し、化合物自身が棒状の構造や平面性の構造を持たないことが有利である。具体的には芳香族基のような平面性の官能基を複数持っている場合、それらの官能基を同一平面ではなく、非平面に持つような構造が有利である。
低位相差のセルロースアシレートフィルムを作製するためには、上述のようにフィルム中のセルロースアシレートが面内及び膜厚方向に配向するのを抑制して光学的異方性を低下させる化合物のうち、オクタノール−水分配係数(logP値)が0〜7である化合物が好ましい。logP値が7を超える化合物は、セルロースアシレートとの相溶性に乏しく、フィルムの白濁や粉吹きを生じやすい。また、logP値が0よりも小さな化合物は親水性が高いために、セルロースアセテートフィルムの耐水性を悪化させる場合がある。logP値として更に好ましい範囲は、1〜6であり、特に好ましい範囲は1.5〜5である。
オクタノール−水分配係数(logP値)の測定は、JIS日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。また、オクタノール−水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。計算方法としては、Crippen's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)、Viswanadhan's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989).)、Broto's fragmentation法(Eur.J.Med.Chem.− Chim.Theor.,19,71(1984).)などが好ましく用いられるが、Crippen's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)がより好ましい。ある化合物のlogPの値が測定方法あるいは計算方法により異なる場合に、該化合物が範囲内であるかどうかは、Crippen's fragmentation法により判断することが好ましい。なお本明細書に記載のlogPの値は、Crippen's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)により求めたものである。
光学的異方性を低下させる化合物は、芳香族基を含有してもよいし、含有しなくてもよい。また光学的異方性を低下させる化合物は、分子量が150以上3000以下であることが好ましく、170以上2000以下であることが好ましく、200以上1000以下であることが特に好ましい。これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマー構造であっても良いし、そのモノマーユニットが複数結合したオリゴマー構造、ポリマー構造でも良い。
光学的異方性を低下させる化合物は、好ましくは、25℃で液体であるか、融点が25〜250℃の固体であり、更に好ましくは、25℃で液体であるか、融点が25〜200℃の固体である。また光学的異方性を低下させる化合物は、セルロースアシレートフィルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。
光学的異方性を低下させる化合物の添加量は、セルロースアシレートに対し0.01〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが特に好ましい。
光学的異方性を低下させる化合物は、単独で用いても、2種以上化合物を任意の比で混合して用いてもよい。
光学的異方性を低下させる化合物を添加する時期はドープ作製工程中の何れであってもよく、ドープ作製工程の最後に行ってもよい。
光学的異方性を低下させる化合物は、少なくとも一方の側の表面から全膜厚の10%までの部分における該化合物の平均含有率が、該セルロースアシレートフィルムの中央部における該化合物の平均含有率の80〜99%である。当該化合物の存在量は、例えば、特開平8−57879号公報に記載の赤外吸収スペクトルを用いる方法などにより表面及び中心部の化合物量を測定して求めることができる。
セルロースアシレートフィルムの光学的異方性を低下させる化合物の具体例としては、例えば、特開2006−199855号公報の[0035]〜[0058]記載の化合物が挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。
前記フィルムには、紫外線(UV)吸収剤を添加するのが望ましい。
UV吸収剤は、中でも、200〜400nmの紫外領域に吸収を持ち、フィルムの|Re(400)−Re(700)|及び|Rth(400)−Rth(700)|の双方を低下させる化合物が好ましく、セルロースアシレート固形分に対して0.01〜30質量%使用するのがよい。
また、近年テレビやノートパソコン、モバイル型携帯端末などの液晶表示装置ではより少ない電力で輝度を高めるために、液晶表示装置に用いられる光学部材の透過率が優れたものが要求されている。その点においては、200〜400nmの紫外領域に吸収を持ち、フィルムの|Re(400)−Re(700)|及び|Rth(400)−Rth(700)|を低下させる化合物をセルロースアシレートフィルムに添加する場合、分光透過率が優れていることが要求される。本発明のセルロースアシレートフィルムにおいては、波長380nmにおける分光透過率が45%以上95%以下であり、かつ波長350nmにおける分光透過率が10%以下であることがのぞましい。
UV吸収剤は揮散性の観点から分子量が250〜1000であることが好ましい。より好ましくは260〜800であり、更に好ましくは270〜800であり、特に好ましくは300〜800である。これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマー構造であっても良いし、そのモノマーユニットが複数結合したオリゴマー構造、ポリマー構造でも良い。
UV吸収剤は、セルロースアシレートフィルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。
セルロースアシレートフィルムのUV吸収剤の具体例としては、例えば、特開2006−199855号公報の[0059]〜[0135]に記載の化合物が挙げられる。
前記セルロースアシレートフィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズを下げることができより好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットル以上が好ましく、100〜200g/リットル以上が更に好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
これらの微粒子は、通常平均粒子径が0.1〜3.0μmの2次粒子を形成し、これらの微粒子はフィルム中では、1次粒子の凝集体として存在し、フィルム表面に0.1〜3.0μmの凹凸を形成させる。2次平均粒子径は0.2μm以上1.5μm以下が好ましく、0.4μm以上1.2μm以下が更に好ましく、0.6μm以上1.1μm以下が最も好ましい。1次、2次粒子径はフィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒径とした。また、場所を変えて粒子200個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とした。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)などの市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でアエロジル200V、アエロジルR972Vが1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化珪素の微粒子であり、光学フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
本発明において2次平均粒子径の小さな粒子を有するセルロースアシレートフィルムを得るために、微粒子の分散液を調製する際にいくつかの手法が考えられる。例えば、溶剤と微粒子を撹拌混合した微粒子分散液をあらかじめ調製し、この微粒子分散液を別途用意した少量のセルロースアシレート溶液に加えて撹拌溶解し、更にメインのセルロースアシレート溶液(ドープ液)と混合する方法がある。この方法は二酸化珪素微粒子の分散性がよく、二酸化珪素微粒子が更に再凝集しにくい点で好ましい調製方法である。ほかにも、溶剤に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解した後、これに微粒子を加えて分散機で分散を行いこれを微粒子添加液とし、この微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する方法もある。これらの方法に限定されないが、二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度が高い方が添加量に対する液濁度は低くなり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。最終的なセルロースアシレートのドープ溶液中でのマット剤微粒子の添加量は1m3あたり0.01〜1.0gが好ましく、0.03〜0.3gが更に好ましく、0.08〜0.16gが最も好ましい。
使用される溶剤は低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムには、光学的に異方性を低下する化合物、UV吸収剤の他に、用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外吸収剤、など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号公報などに記載されている。更にまた、赤外吸収剤としては例えば特開2001−194522号公報に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程において何れの時期でも良いが、ドープ作製工程の最後に添加剤を添加するのがよい。更にまた、各添加剤の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開2001−151902号公報などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。これらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
また、可塑剤については、後述の実施例の中には、可塑剤を添加したものとしていないものがあるが、光学的に異方性を低下する化合物などが可塑剤としての効果を及ぼす化合物の場合には、可塑剤を添加する必要がないのは言うまでもない。
前記セルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレート溶液を用いた溶液製膜法により製造するのが好ましい。セルロースアシレート溶液(ドープ)の調製は、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよく、更には冷却溶解法あるいは高温溶解方法、更にはこれらの組み合わせで実施される。セルロースアシレート溶液の調製、更には溶解工程に伴う溶液濃縮、ろ過の各工程に関しては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている製造工程が好ましく用いられる。
前記セルロースアシレート溶液のドープ透明度としては85%以上であることがのぞましい。より好ましくは88%以上であり、更に好ましくは90%以上であることがのぞましい。本発明においてはセルロースアシレートドープ溶液に各種の添加剤が十分に溶解していることを確認した。具体的なドープ透明度の算出方法としては、ドープ溶液を1cm角のガラスセルに注入し、分光光度計(UV−3150、島津製作所)で550nmの吸光度を測定した。溶媒のみをあらかじめブランクとして測定しておき、ブランクの吸光度との比からセルロースアシレート溶液の透明度を算出した。
前記セルロースアシレートフィルムを製造する方法及び設備は、従来のセルローストリアセテートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて得られたフィルムを乾燥装置のロール群で機械的に搬送し乾燥を終了して巻き取り機でロール状に所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。本発明のセルロースアシレートフィルムの主な用途である、電子ディスプレイ用の光学部材である機能性保護膜に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらについては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁〜30頁に詳細に記載されており、流延(共流延を含む),金属支持体,乾燥,剥離などに分類され、本発明において好ましく用いることができる。
また、セルロースアシレートフィルムの厚さは10〜120μmが好ましく、20〜100μmがより好ましく、30〜90μmが更に好ましい。
パターンド・リターダー層(パターン光学異方性層):
本発明において、パターンド・リターダー層(パターン光学異方性層)の主原料として使用可能な液晶としては、棒状液晶及びディスコティック液晶を挙げることができ、ディスコティック液晶が好ましく、重合性基を有するディスコティック液晶がより好ましい。
棒状液晶としては、例えば、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号、世界特許(WO)95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号、同11−513019号及び特願2001−64627号などの各公報及び明細書に記載の化合物の中から選んで用いることができる。
前記低分子棒状液晶化合物としては、下記一般式(X)で表される化合物が好ましい。
一般式(X)
1−L1−Cy1−L2−(Cy2−L3n−Cy3−L4−Q2
式中、Q1及びQ2はそれぞれ独立に重合性基を表し、L1及びL4はそれぞれ独立に二価の連結基を表し、L2及びL3はそれぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表し、Cy1、Cy2及びCy3はそれぞれ独立に二価の環状基を表し、nは0、1又は2である。
式中、Q1及びQ2はそれぞれ独立に重合性基である。重合性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応又は縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。
本発明の光学異方性層の主原料として使用可能なディスコティック液晶としては、前記のとおり重合性基を有する化合物が好ましい。
前記ディスコティック液晶としては、下記一般式(I)で表される化合物が好ましい。
一般式(I): D(−L−H−Q)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Hは二価の芳香族環又は複素環であり、Qは重合性基を含む基であり、nは3〜12の整数を表す。
円盤状コア(D)は、ベンゼン環、ナフタレン環、トリフェニレン環、アントラキノン環、トルキセン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環が好ましく、ベンゼン環、トリフェニレン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環が特に好ましい。
Lは、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基が好ましく、*−CH=CH−又は*−C≡C−のいずれか一方を少なくとも一つ以上含む二価の連結基であることが特に好ましい。ここで、*は一般式(I)中のDに結合する位置を表す。
Hは、芳香族環としては、ベンゼン環及びナフタレン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。複素環としては、ピリジン環及びピリミジン環が好ましく、ピリジン環が特に好ましい。Hは、芳香族環が特に好ましい。
Qが有する重合性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応又は縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。中でも、(メタ)アクリレート基、エポキシ基が好ましい。
Qは、Hと重合性基とを連結する連結基を含んでいてもよく、連結基の例には、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−、炭素原子数1〜20のアルキレン基(但し、1つの炭素原子又は隣接しない2以上の炭素原子は酸素原子に置き換わっていてもよい)、及びこれらの組み合わせが含まれる。
前記一般式(I)で表されるディスコティック液晶は、下記一般式(II)又は(III)
で表されるディスコティック液晶であることが特に好ましい。
Figure 2013061372
式中、L、H、Qは、前記一般式(I)におけるL、H、Qとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
Figure 2013061372
式中、Y1、Y2、及びY3は、後述する一般式(IV)におけるY11、Y12、及びY13と同義であり、その好ましい範囲も同一である。また、L1、L2、L3、H1、H2、H3、R1、R2、及びR3も、後述する一般式(IV)におけるL1、L2、L3、H1、H2、H3、R1、R2、R3と同義であり、その好ましい範囲も同一である。
後述するように、一般式(I)、(II)、又は(III)で表されるように、分子内に複
数個の芳香環を有しているディスコティック液晶は、配向制御剤として用いられるピリジニウム化合物又はイミダゾリウム化合物等のオニウム塩との間に分子間π−π相互作用が起こるため、垂直配向を実現できる。特に、例えば、一般式(II)において、Lが、*−CH=CH−又は*−C≡C−のいずれか一方を少なくとも一つ以上含む二価の連結基である場合、及び、一般式(III)において、複数個の芳香環及び複素環が単結合で連結さ
れる場合は、該連結基により結合の自由回転が強く束縛されることにより分子の直線性が保持されるため、液晶性が向上すると共に、より強い分子間π−π相互作用が起こり安定な垂直配向が実現できる。
前記ディスコティック液晶としては、下記一般式(IV)で表される化合物が好ましい。
Figure 2013061372
式中、Y11、Y12及びY13は、それぞれ独立に置換されていてもよいメチン又は窒素原子を表す。
11、Y12およびY13がメチンの場合、メチンの水素原子は置換基で置き換わってもよい。メチンが有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子およびシアノ基を好ましい例として挙げることができる。これらの置換基の中では、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基がさらに好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜12アルコキシカルボニル基、炭素数2〜12アシルオキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基がより好ましい。
11、Y12およびY13は、化合物の合成の容易さおよびコストの点において、いずれもメチンであることがより好ましく、メチンは無置換であることがさらに好ましい。
1、L2及びL3は、それぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表す。
1、L2およびL3が二価の連結基の場合、それぞれ独立に、−O−,−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH=CH−、−C≡C−、二価の環状基およびこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数1〜7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
1、L2およびL3における二価の環状基とは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の連結基(以下、環状基と呼ぶことがある)である。環状基は5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環としては、ベンゼン環およびナフタレン環が好ましい例として挙げられる。脂肪族環としては、シクロヘキサン環が好ましい例として挙げられる。複素環としては、ピリジン環およびピリミジン環が好ましい例として挙げられる。環状基は、芳香族環および複素環がより好ましい。なお、本発明における2価の環状基は、環状構造のみ(但し、置換基を含む)からなる2価の連結基であることがより好ましい(以下、同じ)。
1、L2およびL3で表される二価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイル基およびナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。
1、L2およびL3で表される二価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数が2〜16アルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル基で置換されたカルバモイル基および炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。
1、L2およびL3としては、単結合、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−二価の環状基−、*−O−CO−二価の環状基−、*−CO−O−二価の環状基−、*−CH=CH−二価の環状基−、*−C≡C−二価の環状基−、*−二価の環状基−O−CO−、*−二価の環状基−CO−O−、*−二価の環状基−CH=CH−および*−二価の環状基−C≡C−が好ましい。特に、単結合、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−CH=CH−二価の環状基−および*−C≡C−二価の環状基−が好ましく、単結合が最も好ましい。ここで、*は一般式(IV)中のY11、Y12およびY13を含む6員環側に結合する位置を表す。
一般式(I)中、H1、H2及びH3は、それぞれ独立に一般式(IV−A)又は(IV−B)の基を表す。
Figure 2013061372
一般式(IV−A)中、YA1及びYA2は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し;
XAは、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;
*は上記一般式(IV)におけるL1〜L3側と結合する位置を表し;
**は上記一般式(IV)におけるR1〜R3側と結合する位置を表す。
Figure 2013061372
一般式(IV−B)中、YB1及びYB2は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表し;
XBは、酸素原子、硫黄原子、メチレン又はイミノを表し;
*は上記一般式(IV)におけるL1〜L3側と結合する位置を表し;
**は上記一般式(IV)におけるR1〜R3側と結合する位置を表す。
一般式(IV)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に下記一般式(IV−R)を表す。
一般式(IV−R)
*−(−L21−Q2n1−L22−L23−Q1
一般式(IV−R)中、*は、一般式(IV)におけるH1〜H3側と結合する位置を表す。
21は単結合又は二価の連結基を表す。L21が二価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数1〜7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
21は単結合、***−O−CO−、***−CO−O−、***−CH=CH−および***−C≡C−(ここで、***は一般式(DI−R)中の*側を表す)のいずれかが好ましく、単結合がより好ましい。
2は少なくとも1種類の環状構造を有する二価の基(環状基)を表す。このような環状基としては、5員環、6員環、または7員環を有する環状基が好ましく、5員環または6員環を有する環状基がより好ましく、6員環を有する環状基がさらに好ましい。上記環状基に含まれる環状構造は、縮合環であっても良い。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環が好ましい例として挙げられる。脂肪族環としては、シクロヘキサン環が好ましい例として挙げられる。複素環としては、ピリジン環およびピリミジン環が好ましい例として挙げられる。
上記Q2のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−1,6−ジイル基、ナフタレン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイルナフタレン−2,7−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。これらの中でも、特に、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基および1,4−シクロへキシレン基が好ましい。
2は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。
n1は、0〜4の整数を表す。n1としては、1〜3の整数が好ましく、1もしくは2がさらに好ましい。
22は、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−S−、**−NH−、**−SO2−、**−CH2−、**−CH=CH−または**−C≡C−を表し、**はQ2側と結合する位置を表す。
22は、好ましくは、**−O−、**−O−CO−、**−CO−O−、**−O−CO−O−、**−CH2−、**−CH=CH−、**−C≡C−であり、より好ましくは、**−O−、**−O−CO−、**−O−CO−O−、**−CH2−である。L22が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置換されていてもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基および炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。ここで、−NH−、−CH2−、−CH=CH−の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基および炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。これらの置換基に置換されることにより、本発明の液晶性化合物から液晶性組成物を調製する際に、使用する溶媒に対する溶解性を向上させることができる。
23は、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれることが好ましい。L23は、炭素原子を1〜20個含有することが好ましく、炭素原子を2〜14個を含有することがより好ましい。さらに、L23は、−CH2−を1〜16個含有することが好ましく、−CH2−を2〜12個含有することがさらに好ましい。
1は重合性基または水素原子を表す。本発明の液晶性化合物を光学補償フィルムのような位相差の大きさが熱により変化しないものが好ましい光学フィルム等に用いる場合には、Q1は重合性基であることが好ましい。重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。すなわち、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
Figure 2013061372
さらに、重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基または開環重合性基が好ましい。
重合性エチレン性不飽和基の例としては、下記の式(M−1)〜(M−6)が挙げられる。
Figure 2013061372
式(M−3)、(M−4)中、Rは水素原子またはアルキル基を表し、水素原子またはメチル基が好ましい。
上記式(M−1)〜(M−6)の中、(M−1)または(M−2)が好ましく、(M−1)がより好ましい。
開環重合性基は、環状エーテル基が好ましく、エポキシ基またはオキセタニル基がより好ましい。
前記式(IV)の化合物の中でも、下記一般式(IV')で表される化合物がより好ましい。
Figure 2013061372
一般式(DIV)中、Y11、Y12およびY13は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表し、メチンが好ましく、メチンは無置換であるのが好ましい。
11、R12およびR13は、それぞれ独立に下記一般式(IV'−A)、下記一般式(IV'−B)または下記一般式(IV'−C)を表す。固有複屈折の波長分散性を小さくしようとする場合、一般式(IV'−A)または一般式(IV'−C)が好ましく、一般式(IV'−A)がより好ましい。R11、R12およびR13は、R11=R12=R13であることが好ましい。
Figure 2013061372
一般式(IV'−A)中、A11、A12、A13、A14、A15およびA16は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表す。
11およびA12は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。
13、A14、A15およびA16は、それらのうち、少なくとも3つがメチンであることが好ましく、すべてメチンであることがより好ましい。さらに、メチンは無置換であることが好ましい。
11、A12、A13、A14、A15またはA16がメチンの場合の置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。
1は、酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し、酸素原子が好ましい。
Figure 2013061372
一般式(IV'−B)中、A21、A22、A23、A24、A25およびA26は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表す。
21およびA22は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。
23、A24、A25およびA26は、それらのうち、少なくとも3つがメチンであることが好ましく、すべてメチンであることがより好ましい。
21、A22、A23、A24、A25またはA26がメチンの場合の置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。
2は、酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し、酸素原子が好ましい。
Figure 2013061372
一般式(IV'−C)中、A31、A32、A33、A34、A35およびA36は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表す。
31およびA32は、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が窒素原子であることがより好ましい。
33、A34、A35およびA36は、少なくとも3つがメチンであることが好ましく、すべてメチンであることがより好ましい。
31、A32、A33、A34、A35またはA36がメチンの場合、メチンは置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。
3は、酸素原子、硫黄原子、メチレンまたはイミノを表し、酸素原子が好ましい。
一般式(IV'−A)中のL11、一般式(IV'−B)中のL21、一般式(IV'−C)中のL31はそれぞれ独立して、−O−、−C(=O)−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−NH−、−SO2−、−CH2−、−CH=CH−または−C≡C−を表す。好ましくは、−O−、−C(=O)−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−であり、より好ましくは、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−C≡C−である。特に、小さい固有複屈折の波長分散性が期待できる、一般式(DI−A)中のL11は、−O−、−CO−O−、−C≡C−が特に好ましく、この中でも−CO−O−が、より高温でディスコティックネマチック相を発現できるため、好ましい。上述の基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基および炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
一般式(IV'−A)中のL12、一般式(IV'−B)中のL22、一般式(IV'−C)中のL32はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。ここで、−NH−、−CH2−、−CH=CH−の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基および炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましく、特にハロゲン原子、メチル基、エチル基が好ましい。
12、L22、L32はそれぞれ独立して、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれることが好ましい。
12、L22、L32はそれぞれ独立して、炭素数1〜20であることが好ましく、炭素数2〜14であることがより好ましい。炭素数2〜14が好ましく、−CH2−を1〜16個有することがより好ましく、−CH2−を2〜12個有することがさらに好ましい。
12、L22、L32を構成する炭素数は、液晶の相転移温度と化合物の溶媒への溶解性に影響を及ぼす。一般的に炭素数は多くなるほど、ディスコティックネマチック相(ND相)から等方性液体への転移温度が低下する傾向にある。また、溶媒への溶解性は、一般的に炭素数は多くなるほど向上する傾向にある。
一般式(IV'−A)中のQ11、一般式(IV'−B)中のQ21、一般式(IV'−C)中のQ31はそれぞれ独立して重合性基または水素原子を表す。また、Q11、Q21、Q31は重合性基であることが好ましい。重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。すなわち、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例については、上記と同様であり、好ましい例も上記と同様である。
前記一般式(IV)で表される化合物の具体例には、特開2006-76992号公報の[0052]の[化13]〜[化43]に記載の例示化合物、並びに特開2007−2220号公報の[0040]の[化13]〜[0063]の[化36]に記載の例示化合物が含まれる。但し、これらの化合物に限定されるものではない。
上記化合物は、種々の方法により合成することができ、例えば、特開2007−2220号公報の[0064]〜[0070]に記載の方法により合成することができる。
前記ディスコティック液晶化合物は、液晶相として、カラムナー相およびディスコティックネマチック相(ND相)を示すことが好ましく、これらの液晶相の中では、良好なモ
ノドメイン性を示すディスコティックネマチック相(ND相)が好ましい。
前記ディスコティック液晶化合物の中でも、液晶相を20℃〜300℃の範囲で発現させるものが好ましい。より好ましくは40℃〜280℃であり、さらに好ましくは60℃〜250℃である。ここで20℃〜300℃で液晶相を発現するとは、液晶温度範囲が20℃をまたぐ場合(例えば、10℃〜22℃)や、300℃をまたぐ場合(例えば、298℃〜310℃)も含む。40℃〜280℃と60℃〜250℃に関しても同様である。
前記一般式(IV)で表されるディスコティック液晶は、分子内に複数個の芳香環を有しているため、後述する、ピリジニウム化合物又はイミダゾリウム化合物との間に強い分子間π−π相互作用が起こり、ディスコティック液晶の配向膜界面近傍におけるチルト角を増加させる。特に、一般式(IV')で表されるディスコティック液晶は、複数個の芳香環が単結合で連結されているため、分子の回転自由度が束縛された直線性の高い分子構造を有しているため、ピリジニウム化合物又はイミダゾリウム化合物との間により強い分子間π−π相互作用が起こり、ディスコティック液晶の配向膜界面近傍におけるチルト角を増加させ垂直配向状態が実現できる。
棒状液晶化合物を利用する場合は、棒状液晶を水平配向させるのが好ましい。尚、本明細書において「水平配向」とは、棒状液晶の子長軸と層面が平行であることをいう。厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が10度未満の配向を意味するものとする。傾斜角は0〜5度が好ましく、0〜3度がより好ましく、0〜2度がさらに好ましく、0〜1度が最も好ましい。
なお、前記組成物中には、液晶の水平配向を促進する添加剤を添加してもよく、該添加剤の例には、特開2009−223001号公報の[0055]〜[0063]に記載の化合物が含まれる。
ディスコティック液晶を利用する場合は、ディスコティック液晶を垂直配向させるのが好ましい。尚、本明細書において「垂直配向」とは、ディスコティック液晶の円盤面と層面が垂直であることをいう。厳密に垂直であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が70度以上の配向を意味するものとする。傾斜角は85〜90度が好ましく、87〜90度がより好ましく、88〜90度がさらに好ましく、89〜90度が最も好ましい。
なお、前記組成物中には、液晶の垂直配向を促進する添加剤を添加していることが好ましく、該添加剤の例は、前記の通りである。
なお、液晶性化合物を配向させた光学異方性層において、光学異方性層の一方の面におけるチルト角(液晶性化合物における物理的な対象軸が光学異方性層の界面となす角度をチルト角とする)θ1及び他方の面のチルト角θ2を、直接的にかつ正確に測定することは困難である。そこで本明細書においては、θ1及びθ2は、以下の手法で算出する。本手法は本発明の実際の配向状態を正確に表現していないが、光学フィルムのもつ一部の光学特性の相対関係を表す手段として有効である。
本手法では算出を容易にすべく、下記の2点を仮定し、光学異方性層の2つの界面におけるチルト角とする。
1.光学異方性層は液晶性化合物を含む層で構成された多層体と仮定する。さらに、それを構成する最小単位の層(液晶性化合物のチルト角は該層内において一様と仮定)は光学的に一軸と仮定する。
2.各層のチルト角は光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化すると仮定する。
具体的な算出法は下記のとおりである。
(1)各層のチルト角が光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化する面内で、光学異方性層への測定光の入射角を変化させ、3つ以上の測定角でレターデーション値を測定する。測定及び計算を簡便にするためには、光学異方性層に対する法線方向を0°とし、−40°、0°、+40°の3つの測定角でレターデーション値を測定することが好ましい。このような測定は、KOBRA−21ADH及びKOBRA−WR(王子計測器(株)製)、透過型のエリプソメータAEP−100((株)島津製作所製)、M150及びM520(日本分光(株)製)、ABR10A(ユニオプト(株)製)で行うことができる。
(2)上記のモデルにおいて、各層の常光の屈折率をno、異常光の屈折率をne(neは各々すべての層において同じ値、noも同様とする)、及び多層体全体の厚みをdとする。さらに各層におけるチルト方向とその層の一軸の光軸方向とは一致するとの仮定の元に、光学異方性層のレターデーション値の角度依存性の計算が測定値に一致するように、光学異方性層の一方の面におけるチルト角θ1及び他方の面のチルト角θ2を変数としてフィッティングを行い、θ1及びθ2を算出する。
ここで、no及びneは文献値、カタログ値等の既知の値を用いることができる。値が未知の場合はアッベ屈折計を用いて測定することもできる。光学異方性層の厚みは、光学干渉膜厚計、走査型電子顕微鏡の断面写真等により測定数することができる。
[オニウム塩化合物(配向膜側配向制御剤)]
本発明では、前述のように、重合性基を有する液晶化合物、特に、重合性基を有するディスコティック液晶の垂直配向を実現するために、オニウム塩を添加することが好ましい。オニウム塩は配向膜界面に偏在し、液晶分子の配向膜界面近傍におけるチルト角を増加させる作用をする。
オニウム塩としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
一般式(1)
Z−(Y−L−)nCy+・X‐
式中、Cyは5又は6員環のオニウム基であり、L、Y、Z、Xは、後述する一般式(II)におけるL23、L24、Y22、Y23、Z21、Xに同義であり、その好ましい範囲も同一であり、nは2以上の整数を表す。
5又は6員環のオニウム基(Cy)は、ピラゾリウム環、イミダゾリウム環、トリアゾリウム環、テトラゾリウム環、ピリジニウム環、ピラジニウム環、ピリミジニウム環、トリアジニウム環が好ましく、イミダゾリウム環、ピリジニウム環が特に好ましい。
5又は6員環のオニウム基(Cy)は、配向膜材料と親和性のある基を有するのが好ましい。オニウム塩化合物は、酸発生剤が分解していない部分(未露光部分)では配向膜材料との親和性が高く配向膜界面に偏在している。一方、酸発生剤が分解し酸性化合物が発生している部分(露光部分)では、オニウム塩のアニオンがイオン交換し親和性が低下し配向膜界面における偏在性が低下している。水素結合は、液晶を配向させる実際の温度範囲内(室温〜150℃程度)において、結合状態にも、その結合が消失した状態にもなり得るので、水素結合による親和性を利用するのが好ましい。但し、この例に限定されるものではない。
例えば、配向膜材料としてポリビニルアルコールを利用する態様では、ポリビニルアルコールの水酸基と水素結合を形成するために、水素結合性基を有しているのが好ましい。水素結合の理論的な解釈としては、例えば、H.Uneyama and K.Morokuma、Journal of American Chemical Society、第99巻、第1316〜1332頁、1977年に報告がある。具体的な水素結合の様式としては、例えば、J.N.イスラエスアチヴィリ著、近藤保、大島広行訳、分子間力と表面力、マグロウヒル社、1991年の第98頁、図17に記載の様式が挙げられる。具体的な水素結合の例としては、例えば、G.R.Desiraju、Angewante Chemistry International Edition English、第34巻、第2311頁、1995年に記載のものが挙げられる。
水素結合性基を有する5又は6員環のオニウム基は、オニウム基の親水性の効果に加え、ポリビニルアルコールと水素結合することによって、配向膜界面の表面偏在性を高めるとともに、ポリビニルアルコール主鎖に対する直交配向性を付与する機能を促進する。好ましい水素結合性基としては、アミノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、酸アミド基、ウレイド基、カルバモイル基、カルボキシル基、スルホ基、含窒素複素環基(例えば、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、1,3,5−トリアジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、キノリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、コハクイミド基、フタルイミド基、マレイミド基、ウラシル基、チオウラシル基、バルビツール酸基、ヒダントイン基、マレイン酸ヒドラジド基、イサチン基、ウラミル基などが挙げられる)を挙げることができる。更に好ましい水素結合性基としては、アミノ基、ピリジル基を挙げることができる。
例えば、イミダゾリウム環の窒素原子ように、5又は6員環のオニウム環に、水素結合性基を有する原子を含有していることも好ましい。
nは、2〜5の整数が好ましく、3又は4であるのがより好ましく、3であるのが特に好ましい。複数のL及びYは、互いに同一であっても異なっていてもよい。nが3以上である場合、一般式(1)で表されるオニウム塩は、3つ以上の5又は6員環を有しているため、前記ディスコティック液晶と強い分子間π−π相互作用が働くため、該ディスコティック液晶の垂直配向、特に、ポリビニルアルコール配向膜上では、ポリビニルアルコール主鎖に対する直交垂直配向を実現することができる。
前記一般式(1)で表されるオニウム塩は、下記一般式(2a)で表されるピリジニウム化合物又は下記一般式(2b)で表されるイミダゾリウム化合物であることが特に好ましい。
一般式(2a)及び(2b)で表される化合物は、主に、前記一般式(I)〜(IV)で表されるディスコティック液晶の配向膜界面における配向を制御することを目的として添加され、ディスコティック液晶の分子の配向膜界面近傍におけるチルト角を増加させる作用がある。
Figure 2013061372
式中、L23及びL24はそれぞれ二価の連結基を表す。
23は、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−O−AL−O−、−O−AL−O−CO−、−O−AL−CO−O−、−CO−O−AL−O−、−CO−O−AL−O−CO−、−CO−O−AL−CO−O−、−O−CO−AL−O−、−O−CO−AL−O−CO−又は−O−CO−AL−CO−O−であるのが好ましく、ALは、炭素原子数が1〜10のアルキレン基である。L23は、単結合、−O−、−O−AL−O−、−O−AL−O−CO−、−O−AL−CO−O−、−CO−O−AL−O−、−CO−O−AL−O−CO−、−CO−O−AL−CO−O−、−O−CO−AL−O−、−O−CO−AL−O−CO−または−O−CO−AL−CO−O−が好ましく、単結合または−O−がさらに好ましく、−O−が最も好ましい。
24は、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−または−N=N−であるのが好ましく、−O−CO−又は−CO−O−がより好ましい。mが2以上のとき、複数のL24が交互に、−O−CO−及び−CO−O−であるのがさらに好ましい。
22は水素原子、無置換アミノ基、又は炭素原子数が1〜20の置換アミノ基である。
22が、ジアルキル置換アミノ基である場合、2つのアルキル基が互いに結合して含窒素複素環を形成してもよい。このとき形成される含窒素複素環は、5員環または6員環が好ましい。R23は水素原子、無置換アミノ基、または炭素原子数が2〜12のジアルキル置換アミノ基であるのがさらに好ましく、水素原子、無置換アミノ基、または炭素原子数が2〜8のジアルキル置換アミノ基であるのがよりさらに好ましい。R23が無置換アミノ基及び置換アミノ基である場合、ピリジニウム環の4位が置換されていることが好ましい。
Xはアニオンである。
Xは、一価のアニオンであることが好ましい。アニオンの例には、ハライドイオン(フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)およびスルホン酸イオン(例、メタンスルホネートイオン、p−トルエンスルホネートイオン、ベンゼンスルホネートイオン)が含まれる。
22及びY23はそれぞれ、5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基である。
前記5又は6員環が置換基を有していてもよい。好ましくは、Y22及びY23のうち少なくとも1つは、置換基を有する5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基である。Y22およびY23は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい6員環を部分構造として有する2価の連結基であるのが好ましい。6員環は、脂肪族環、芳香族環(ベンゼン環)および複素環を含む。6員脂肪族環の例は、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環およびシクロヘキサジエン環を含む。6員複素環の例は、ピラン環、ジオキサン環、ジチアン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環およびトリアジン環を含む。6員環に、他の6員環または5員環が縮合していてもよい。
置換基の例は、ハロゲン原子、シアノ、炭素原子数が1〜12のアルキル基および炭素原子数が1〜12のアルコキシ基を含む。アルキル基およびアルコキシ基は、炭素原子数が2〜12のアシル基または炭素原子数が2〜12のアシルオキシ基で置換されていてもよい。置換基は、炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3)のアルキル基であるのが好ましい。置換基は2以上であってもよく、例えば、Y22及びY23がフェニレン基である場合は、1〜4の炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3)のアルキル基で置換されていてもよい。
なお、mは1又は2であり、2であるのが好ましい。mが2のとき、複数のY23及びL24は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
21は、ハロゲン置換フェニル、ニトロ置換フェニル、シアノ置換フェニル、炭素原子数が1〜10のアルキル基で置換されたフェニル、炭素原子数が2〜10のアルコキシ基で置換されたフェニル、炭素原子数が1〜12のアルキル基、炭素原子数が2〜20のアルキニル基、炭素原子数が1〜12のアルコキシ基、炭素原子数が2〜13のアルコキシカルボニル基、炭素原子数が7〜26のアリールオキシカルボニル基および炭素原子数が7〜26のアリールカルボニルオキシ基からなる群より選ばれる一価の基である。
mが2の場合、Z21は、シアノ、炭素原子数が1〜10のアルキル基または炭素原子数が1〜10のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数4〜10のアルコキシ基であるのがさらに好ましい。
mが1の場合、Z21は、炭素原子数が7〜12のアルキル基、炭素原子数が7〜12のアルコキシ基、炭素原子数が7〜12のアシル置換アルキル基、炭素原子数が7〜12のアシル置換アルコキシ基、炭素原子数が7〜12のアシルオキシ置換アルキル基または炭素原子数が7〜12のアシルオキシ置換アルコキシ基であることが好ましい。
アシル基は−CO−R、アシルオキシ基は−O−CO−Rで表され、Rは脂肪族基(アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基)または芳香族基(アリール基、置換アリール基)である。Rは、脂肪族基であることが好ましく、アルキル基またはアルケニル基であることがさらに好ましい。
pは、1〜10の整数である。pは、1または2であることが特に好ましい。Cp2pは、分岐構造を有していてもよい鎖状アルキレン基を意味する。Cp2pは、直鎖状アルキレン基(−(CH2p−)であることが好ましい。
式(2b)中、R30は、水素原子又は炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3)のアルキル基である。
前記式(2a)又は(2b)で表される化合物の中でも、下記式(2a')又は(2b')で表される化合物が好ましい。
Figure 2013061372
式(2a')及び(2b')中、式(2)と同一の符号は同一の意義であり、好ましい範囲も同様である。L25はL24と同義であり、好ましい範囲も同様である。L24及びL25は、−O−CO−又は−CO−O−であるのが好ましく、L24が−O−CO−で、且つL25が−CO−O−であるのが好ましい。
23、R24及びR25はそれぞれ、炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3)のアルキル基である。n23は0〜4、n24は1〜4、及びn25は0〜4を表す。n23及びn25が0で、n24が1〜4(より好ましくは1〜3)であるのが好ましい。
30は、炭素原子数が1〜12(より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3)のアルキル基であるのが好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、特開2006−113500号公報明細書中[0058]〜[0061]に記載の化合物が挙げられる。
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例を示す。但し、下記式中、アニオン(X-)は省略した。
Figure 2013061372
式(2a)及び(2b)の化合物は、一般的な方法で製造することができる。例えば、式(2a)のピリジニウム誘導体は、一般にピリジン環をアルキル化(メンシュトキン反応)して得られる。
オニウム塩は、その添加量が、液晶化合物に対して5質量%を超えることはなく、0.1〜2質量%程度であるのが好ましい。
前記一般式(2a)及び(2b)で表されるオニウム塩は、ピリジニウム基又はイミダリウム基が親水的であるため前記親水的なポリビニルアルコール配向膜表面に偏在する。特に、ピリジニウム基に、さらに、水素原子のアクセプターの置換基であるアミノ基(一般式(2a)及び(2a')において、R22が無置換のアミノ基又は炭素原子数が1〜20の置換アミノ基)が置換されていると、ポリビニルアルコールとの間に分子間水素結合が発生し、より高密度に配向膜表面に偏在すると共に、水素結合の効果により、ピリジニウム誘導体がポリビニルアルコールの主鎖と直交する方向に配向するため、ラビング方向に対して液晶の直交配向を促進する。前記ピリジニウム誘導体は、分子内に複数個の芳香環を有しているため、前述した、液晶、特にディスコティック液晶との間に強い分子間π−π相互作用が起こり、ディスコティック液晶の配向膜界面近傍における直交配向を誘起する。特に、一般式(2a')で表されるように、親水的なピリジニウム基に疎水的な芳香環が連結されていると、その疎水性の効果により垂直配向を誘起する効果も有する。
上記オニウム塩は、ポリビニルアルコール等からなる配向膜の界面に偏在する性質を有する。上記オニウム塩が、配向膜界面に偏在する状態では、液晶(特にディスコティック液晶)は、その遅相軸をラビング方向に対して直交する方向にして垂直配向(以下、直交垂直配向という)する傾向がある。一方、上記オニウム塩が配向膜界面に偏在しない状態では、液晶(特にディスコティック液晶)は、本来のラビング配向膜の配向制御能に従って配向し、即ち、その遅相軸をラビング方向に対して平行にして垂直配向(以下、平行垂直配向という)する傾向がある。上記オニウム塩の配向膜界面偏在性をON−OFFできれば、液晶がそれぞれ直交垂直配向した領域と、水平垂直配向した領域とをパターン状に形成することができる。上記オニウム塩の配向膜界面偏在性のON−OFFは、配向膜中に含有される光酸発生剤が発生する酸性化合物や、加熱等の外部刺激によって制御することができる。
[フルオロ脂肪族基含有共重合体(空気界面配向制御剤)]
フルオロ脂肪族基含有共重合体は、液晶の空気界面における配向を制御することを目的として添加され、液晶の分子の空気界面近傍におけるチルト角を増加させる作用がある。さらに、ムラ、ハジキなどの塗布性も改善される。
本発明に使用可能なフルオロ脂肪族基含有共重合体としては、特開2004−333852号、同2004−333861号、同2005−134884号、同2005−179636号、及び同2005−181977号などの各公報及び明細書に記載の化合物の中から選んで用いることができる。特に好ましくは、特開2005−179636号、及び同2005−181977号の各公報及び明細書に記載の、フルオロ脂肪族基と、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ{−OP(=O)(OH)2}}及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の親水性基とを側鎖に含むポリマーである。
フルオロ脂肪族基含有共重合体は、その添加量が、液晶化合物に対して2質量%を超えることはなく、0.1〜1質量%程度であるのが好ましい。
フルオロ脂肪族基含有共重合体は、フルオロ脂肪族基の疎水性効果により空気界面への偏在性を高めると共に、空気界面側に低表面エネルギーの場を提供し、液晶、特にディスコティック液晶のチルト角を増加させることができる。さらに、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ{−OP(=O)(OH)2}}及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の親水性基とを側鎖に含む共重合成分を有すると、これらのアニオンと液晶のπ電子との電荷反発により液晶化合物の垂直配向を実現することができる。
[重合開始剤]
前記の重合性基を有する液晶化合物を含有する組成物(例えば塗布液)を、所望の液晶相を示す配向状態とした後、重合反応を進行させて、該配向状態を固定する(上記方法の5)工程)。固定化は、液晶化合物に導入した反応性基の重合反応により実施することが好ましい。紫外線照射による、光重合反応により固定化するのが好ましい。光重合反応としては、ラジカル重合、カチオン重合のいずれでも構わない。ラジカル光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。カチオン光重合開始剤の例には、有機スルフォニウム塩系、ヨードニウム塩系、フォスフォニウム塩系等を例示する事ができ、有機スルフォニウム塩系、が好ましく、トリフェニルスルフォニウム塩が特に好ましい。これら化合物の対イオンとしては、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロフォスフェートなどが好ましく用いられる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。
[増感剤]
また、感度を高める目的で重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、及びチオキサントン等が含まれる。光重合開始剤は複数種を組み合わせてもよく、使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。液晶化合物の重合のための光照射は紫外線を用いることが好ましい。
[その他の添加剤]
前記組成物は、重合性液晶化合物とは別に、非液晶性の重合性モノマーを含有していてもよい。重合性モノマーとしては、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物が好ましい。なお、重合性の反応性官能基数が2以上の多官能モノマー、例えば、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンアクリレートを用いると、耐久性が改善されるので好ましい。前記非液晶性の重合性モノマーは、非液晶性成分であるので、その添加量が、液晶化合物に対して40質量%を超えることはなく、0〜20質量%程度であるのが好ましい。
パタンード・レターダー層の厚みについては特に制限されないが、0.1〜10μmであるのが好ましく、0.5〜5μmであるのがより好ましい。
配向膜:
本発明の方法では、パターンド・リターダー層の形成に配向膜を利用するのが好ましい。利用可能な配向膜の例には、ラビング配向膜及び光配向膜が含まれる。「ラビング配向膜」とは、ラビングによって、液晶分子の配向規制能を有するように処理された膜を意味する。ラビング配向膜には、液晶分子を配向規制する配向軸があり、当該配向軸に従って、液晶分子は配向する。本発明では、液晶分子は、配向膜への紫外線照射部分でラビング方向に対して液晶の遅相軸が平行になるように配向し、未照射部分で液晶分子の遅相軸がラビング方向に対して直交配向するパターンラビング配向膜を利用するのが好ましい。当該パターンラビング配向膜は、光酸発生剤を利用することで、形成することができる。また、マスクラビングによりパターンラビング配向膜を形成してもよい。
ラビング配向膜は、一般的にはポリマーを主成分とする。配向膜用ポリマー材料としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。本発明において利用されるポリマー材料は、ポリビニルアルコール又はポリイミド、及びその誘導体が好ましい。特に変性又は未変性のポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコールは、種々の鹸化度のものが存在する。本発明では、鹸化度85〜99程度のものを用いるのが好ましい。市販品を用いてもよく、例えば、「PVA103」、「PVA203」(クラレ社製)等は、上記鹸化度のPVAである。ラビング配向膜については、WO01/88574A1号公報の43頁24行〜49頁8行、特許第3907735号公報の段落番号[0071]〜[0095]に記載の変性ポリビニルアルコールを参照することができる。ラビング配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがさらに好ましい。
ラビング処理は、一般にはポリマーを主成分とする膜の表面を、紙や布で一定方向に数回擦ることにより実施することができる。ラビング処理の一般的な方法については、例えば、「液晶便覧」(丸善社発行、平成12年10月30日)に記載されている。
ラビング密度を変える方法としては、「液晶便覧」(丸善社発行)に記載されている方法を用いることができる。ラビング密度(L)は、下記式(A)で定量化されている。
式(A) L=Nl(1+2πrn/60v)
式(A)中、Nはラビング回数、lはラビングローラーの接触長、rはローラーの半径、nはローラーの回転数(rpm)、vはステージ移動速度(秒速)である。
ラビング密度を高くするためには、ラビング回数を増やす、ラビングローラーの接触長を長く、ローラーの半径を大きく、ローラーの回転数を大きく、ステージ移動速度を遅くすればよく、一方、ラビング密度を低くするためには、この逆にすればよい。
ラビング密度と配向膜のプレチルト角との間には、ラビング密度を高くするとプレチルト角は小さくなり、ラビング密度を低くするとプレチルト角は大きくなる関係がある。
長尺状の偏光膜であって、吸収軸が長手方向の偏光膜と貼り合わせるには、長尺のポリマーフィルムからなる支持体上に配向膜を形成し、長手方向に対して45°の方向に連続的にラビング処理して、ラビング配向膜を形成するのが好ましい。
光酸発生剤:
本発明に利用するパターンラビング配向膜の一例は、少なくとも一種の光酸発生剤を含有する。光酸発生剤とは、紫外線等の光照射により分解し酸性化合物を発生する化合物である。前記光酸発生剤が、光照射により分解して酸性化合物を発生すると、配向膜の配向制御能に変化が生じる。ここでいう配向制御能の変化は、配向膜単独の配向制御能の変化として特定されるものであっても、配向膜とその上に配置される光学異方性層形成用組成物中に含まれる添加剤等とによって達成される配向制御能の変化として特定されるものであってもよいし、またこれらの組み合わせとして特定されるものであってもよい。
後述する円盤状(ディスコティック)液晶は、オニウム塩を添加することで、直交垂直配向状態になる場合がある。分解により発生した酸と、該オニウム塩とが、アニオン交換すると、該オニウム塩の配向膜界面における偏在性が低下し、直交垂直配向効果を低下させ、平行垂直配向状態を形成させてもよい。また、例えば、配向膜がポリビニルアルコール系配向膜である場合には、そのエステル部分が発生した酸により分解し、その結果、前記オニウム塩の配向膜界面偏在性を変化させてもよい。
前記配向膜に用いられる光酸発生剤としては、水溶性の化合物が好ましく用いられる。使用可能な光酸発生剤の例には、Prog. Polym. Sci., 23巻、1485頁(1998年)に記載の化合物が含まれる。
前記光酸発生剤としては、ピリジニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩が特に好ましく用いられる。ピリジニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩の好ましい例としては、下記の一般式で表される塩をそれぞれ挙げることができる。
Figure 2013061372
Figure 2013061372
Figure 2013061372
式中、Rはそれぞれ水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖アルキル基もしくは分岐アルキル基、炭素原子数1〜6の直鎖アルコキシ基もしくは分岐アルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、又はハロゲン原子である。Yは、炭素原子数1〜6の直鎖アルキル基もしくは分岐アルキル基、炭素原子数1〜6の直鎖アルコキシ基もしくは分岐アルコキシ基である。X―は、ピリジニウム塩、ヨードニウム塩又はスルホニウム塩の対アニオンを表し、分解により生じる酸性化合物のアニオンになる。好ましくはPF6 -、BF4 -、又はCn2n+1SO3 -(但し、nは1〜12の整数)である。例えば、X―がBF4 -である光酸発生剤からは、分解により酸HBF4が発生し、X―がPF6 -である光酸発生剤からは、HPF6が発生し、X―がCn2n+1SO3 -である光酸発生剤からは、Cn2n+1SO3Hが発生する。
以下に、本発明に利用可能な光酸発生剤の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。また、以下の具体例では、アニオンが特定された塩を例示するが、当該アニオンを他のアニオンに置き換えた具体例も、使用可能な光酸発生剤の具体例として例示される。
Figure 2013061372
Figure 2013061372
Figure 2013061372
前記配向膜の形成に利用される組成物は、塗布液として調製するのが好ましい。塗布の調製に用いられる溶媒は、水を含有しているのが好ましく、より好ましくは水を20質量%以上、さらに好ましくは50〜80質量%含む。含水溶媒により調製した塗布液を使用することで、支持体上に塗布する際、溶媒による支持体の溶出を抑制または制御することができる。
前記配向膜組成物中の各成分の含有量は、安定な配向膜を形成できるように適宜設定することができる。例えば、主成分である配向膜用ポリマー材料の含有量は、組成物(溶媒を含む)の合計量に対して2.0〜10.0質量%、好ましくは2.0〜5.0質量%とすることができる。光酸発生剤の添加量は、前述のオニウム塩の対アニオンとイオン交換し得る範囲で適宜設定することができ、例えば、配向膜用ポリマー材料に対して0.1〜10.0質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%とすることができる。また、組成物における溶媒量は、例えば、組成物の合計量に対して80〜98質量%、好ましくは90〜97質量%とすることができる。
また、本発明には光配向膜を利用してもよい。光配向膜の形成に利用される光配向材料としては、多数の文献等に記載がある。本発明では、例えば、特開2006−285197号公報、特開2007−76839号公報、特開2007−138138号公報、特開2007−94071号公報、特開2007−121721号公報、特開2007−140465号公報、特開2007−156439号公報、特開2007−133184号公報、特開2009−109831号公報、特許第3883848号、特許第4151746号に記載のアゾ化合物、特開2002−229039号公報に記載の芳香族エステル化合物、特開2002−265541号公報、特開2002−317013号公報に記載の光配向性単位を有するマレイミド及び/又はアルケニル置換ナジイミド化合物、特許第4205195号、特許第4205198号に記載の光架橋性シラン誘導体、特表2003−520878号公報、特表2004−529220号公報、特許第4162850号に記載の光架橋性ポリイミド、ポリアミド、又はエステルが好ましい例として挙げられる。特に好ましくは、アゾ化合物、光架橋性ポリイミド、ポリアミド、又はエステルである。
2.フィルム・パターンド・リターダー及びその用途
本発明の方法により製造されるフィルム・パターンド・リターダーの一態様は、図1に断面模式図として示す通り、フィルム16、配向膜14、及び光学異方性層12を有する。光学異方性層12は、図2に上面図を示す様に、第1及び第2の位相差領域12a及び12bが、均等且つ対称に配置されたパターンド・リターダー層である。第1及び第2の位相差領域12a及び12bは、互いに直交する面内遅相軸a及びbをそれぞれ有する。円偏光を利用する態様では、第1及び第2の光学フィルム10のReはλ/4であるのが好ましく、具体的には、110〜165nmであるのが好ましい。Reは、120〜145nmであることが特に好ましい。フィルム16が、位相差フィルムである場合は、フィルム16のReも含めて、フィルム・パターンド・リターダー全体としてReが前記範囲であるのが好ましい。一例では、フィルム16は低Reのフィルムからなり、具体的には、フィルム16のRe(550)が0〜10nmである。一方、Rthは全体として小さいほど、クロストークを軽減する観点では好ましく、具体的には、全体として、Rthの絶対値は、20nm以下であるのが好ましい。
配向膜14は、パターン配向膜であってもよい。配向膜14の一態様は、ポリビニルアルコールもしくは変性ポリビニルアルコール等の主成分ポリマーとともに、光酸発生剤を少なくとも含有し、その表面が一方向に配向処理され、且つ該光酸発生剤の分解の程度が互いに異なる第1及び第2配向制御領域を含み、前記第1及び第2配向制御領域が、面内において交互に配置されているパターン配向膜である。光酸発生剤の分解の程度は、光酸発生剤が分解することによって生じる酸性化合物の、各配向制御領域中における含有量を定量することで知ることができる。第1及び第2の位相差領域12a及び12bを有するパターン光学異方性層に利用される配向膜の一態様は、第1及び第2の位相差領域12a及び12bにそれぞれ対応する第1及び第2の配向制御領域を有するパターン配向膜であって、第1及び第2の配向制御領域における光酸発生剤の分解の程度が互いに異なる、即ち、第1及び第2の配向制御領域にそれぞれ含まれる光酸発生剤が分解することによって発生した酸性化合物の割合が互いに異なるパターン配向膜である。本態様のパターン配向膜では、第1及び第2の配向制御領域にそれぞれ含まれる光酸発生剤が分解することによって生成した酸性化合物もしくはそれを構成するイオンの濃度によって、配向制御能に差が設けられている。本態様のパターン配向膜の一例は、第1及び第2配向制御領域のいずれか一方は、光酸発生剤を未分解のまま含有し、他方は光酸発生剤の分解が進行し、それによって発生した酸性化合物を含有する配向膜である。
配向膜14は配向制御能が互いに異なる第1及び第2の配向制御領域を有することが好ましいが、配向規制力発現のための配向処理は複数の方向に行う必要はない。即ち、互いに異なる方向にラビング処理するマスクラビング等の煩雑な配向処理は行わなくてもよい。一方向に配向処理してあるのが好ましい。例えば、第1及び第2の位相差領域12a及び12bを有するパターン光学異方性層に利用される配向膜の一態様は、図3に示す通り、第1の位相差領域12aの面内遅相軸a又は第2の位相差領域12bの面内遅相軸bと一致したC1又はC2方向にラビング処理された配向膜である。
図1及び図2に示すフィルム・パターンド・リターダーを直線偏光膜と組み合わせる際は、図4に示す通り、第1及び第2位相差領域12a及び12bの面内遅相軸a及びbをそれぞれ、直線偏光膜18の透過軸Pと±45°にして配置する。この構成により右眼用及び左眼用の円偏光画像を分離することができる。また、λ/2板をさらに積層することで、視野角をより拡大してもよい。
本発明の方法によって製造されるフィルム・パターンド・リターダーは、図1に示す層構成に限定されるものではない。例えば、パターンド・リターダー層のさらに外側に、反射防止層を有していると、画像表示装置のさらに外側に配置される際に、表示特性を改善できるので好ましい。反射防止層は、基材フィルムに支持された状態で、フィルム・パターンド・リターダーと貼合されてもよい。基材フィルムとしては、特に制限はなく、例えば、パターンド・リターダー層の支持体用フィルムと同様のフィルムを用いることができる。
前記反射防止層については、特に制限はない。光散乱層と低屈折率層がこの順で積層した反射防止層、又は中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層がこの順で積層した反射防止層等が好適に用いられる。これは、特に立体画像を表示する場合に、外光反射によるフリッカが発生してしまうのを効果的に防ぐことができるからである。上記反射防止層は、さらにハードコート層、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を有していてもよい。上記反射防止層を構成する各層の詳細については、特開2007−254699号公報の[0182]〜[0220]に記載があり、本発明に利用可能な反射防止層についても好ましい特性、好ましい材料等について、同様である。
図5に、本発明の方法によって製造されるフィルム・パターンド・リターダーであって、反射防止層を有するいくつかの例の断面模式図を、液晶表示パネル部との組み合わせとして示す。但し、これらの限定されるものではない。なお、図5中、表示パネル部として液晶パネルの構成を示したが、液晶パネルに限定されるものではなく、有機EL表示パネル、プラズマ表示パネル等、種々の表示パネルの構成を利用することができる。
本発明の方法により製造されるフィルム・パターンド・リターダーは、画像表示装置及び立体画像表示システムに利用することができる。前記画像表示装置の一例は、
第1及び第2の偏光膜;
第1及び第2の偏光膜の間に配置される、少なくとも一方に電極を有し対向配置された一対の基板と、該一対の基板間の液晶層とを含む液晶セル;及び
第1偏光膜の外側に前記フィルム・パターンド・リターダー;を少なくとも有する画像表示装置であって、
前記第1偏光膜の吸収軸方向と、パターンド・リターダー層の第1及び第2位相差領域の面内遅相軸がそれぞれ±45°の角度をなすことを特徴とする画像表示装置である。
また、前記立体画像表示システムの一例は、前記画像表示装置と、前記フィルム・パターンド・リターダーの外側に配置される第3の偏光板とを少なくとも備え、第3の偏光板を通じて立体画像を視認させる立体画像表示システムである。
前記画像表示装置は、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)等、いずれの表示モードの態様であってもよい。
第3の偏光板:
前記立体画像表示システムでは、特に3D映像とよばれる立体画像を視認者に認識させるため、眼鏡形状の偏光板(第3の偏光板)を通して画像を認識する。
[偏光眼鏡]
前記映像表示システムは、右眼鏡と左眼鏡の遅相軸が直交する偏光眼鏡を含み、前記光学フィルムの前記第1及び第2の位相差領域のいずれか一方から出射された右眼用画像光が右眼鏡を透過し、且つ左眼鏡で遮光され;前記第1及び第2の位相差領域の他方から出射された左眼用画像光が左眼鏡を透過し、且つ右眼鏡で遮光されるように構成されていることが好ましい。
前記偏光眼鏡は、位相差機能層と直線偏光子を含むことで偏光眼鏡を形成している。なお、直線偏光子と同等の機能を有するその他の部材を用いてもよい。
偏光眼鏡を含め、前記映像表示システムの具体的な構成について説明する。まず、前記フィルム・パターンド・リターダーは、映像表示パネルの交互に繰り返されている複数の第一ライン上と複数の第二ライン上(例えば、ラインが水平方向であれば水平方向の奇数ライン上と偶数ライン上であり、ラインが垂直方向であれば垂直方向の奇数ライン上と偶数ライン上でもよい)に偏光変換機能が異なる前記第1の位相差領域と前記第2の位相差領域が設けられている。円偏光を表示に利用する場合には、上述の前記第1の位相差領域と前記第2の位相差領域の位相差は、ともにλ/4であることが好ましく、前記第1の位相差領域と前記第2の位相差領域は遅相軸が直交していることがより好ましい。
円偏光を利用する場合、前記第1の位相差領域と前記第2の位相差領域の位相差値をともにλ/4とし、映像表示パネルの奇数ラインに右眼用画像を表示し、奇数ライン位相差領域の遅相軸が45度方向であるならば、偏光眼鏡の右眼鏡と左眼鏡にともにλ/4板を配置することが好ましく、偏光眼鏡の右眼鏡のλ/4板の遅相軸は具体的には略45度に固定すればよい。また、上記の状況であれば、同様に、映像表示パネルの偶数ラインに左眼用画像を表示し、偶数ライン位相差領域の遅相軸が135度方向であるならば、偏光眼鏡の左眼鏡の遅相軸は具体的には略135度に固定すればよい。
更に、一度前記フィルム・パターンド・リターダーにおいて円偏光として画像光を出射し、偏光眼鏡により偏光状態を元に戻す観点からは、上記の例の場合の右眼鏡の固定する遅相軸の角度は正確に水平方向45度に近いほど好ましい。また、左眼鏡の固定する遅相軸の角度は正確に水平135度(又は−45度)に近いほど好ましい。
また、例えば前記映像表示パネルが液晶表示パネルである場合、液晶表示パネルのフロント側偏光板の吸収軸方向が通常、水平方向であり、前記偏光眼鏡の直線偏光子の吸収軸が該フロント側偏光板の吸収軸方向に直交する方向であることが好ましく、前記偏光眼鏡の直線偏光子の吸収軸は鉛直方向であることがより好ましい。
また、前記液晶表示パネルのフロント側偏光板の吸収軸方向と、前記フィルム・パターンド・リターダーの奇数ライン位相差領域と偶数ライン位相差領域の各遅相軸は、偏光変換の効率上、45度をなすことが好ましい。
なお、このような偏光眼鏡と、前記フィルム・パターンド・リターダー及び液晶表示装置の好ましい配置については、例えば特開2004−170693号公報に開示がある。
偏光眼鏡の例としては、特開2004−170693号公報に記載のものや、市販品として、Zalman製、ZM−M220Wの付属品を挙げることができる。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
<透明支持体Aの作製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Aを調製した。
────────────────────────────────────
セルロースアシレート溶液Aの組成
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置換度2.86のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 54質量部
1−ブタノール 11質量部
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別のミキシングタンクに、下記の組成物を投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液Bを調製した。
────────────────────────────────────
添加剤溶液Bの組成
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下記化合物B1(Re低下剤) 40質量部
下記化合物B2(波長分散制御剤) 4質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 80質量部
メタノール(第2溶媒) 20質量部
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Figure 2013061372
<<セルロースアセテート透明支持体の作製>>
セルロースアシレート溶液Aを477質量部に、添加剤溶液Bの40質量部を添加し、充分に攪拌して、ドープを調製した。ドープを流延口から0℃に冷却したドラム上に流延した。溶媒含有率70質量%の場外で剥ぎ取り、フィルムの巾方向の両端をピンテンター(特開平4−1009号の図3に記載のピンテンター)で固定し、溶媒含有率が3乃至5質量%の状態で、横方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が3%となる間隔を保ちつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚み60μmのセルロースアセテート保護フィルム(透明支持体A)を作製した。透明支持体Aは紫外線吸収剤を含有しておらず、Re(550)は0nmであり、Rth(550)は12.3nmであった。
<<アルカリ鹸化処理>>
セルロースアセテート透明支持体Aを、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの片面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/m2で塗布し、110℃に加熱し、(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。続いて、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m2塗布した。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルロースアセテート透明支持体Aを作製した。透明支持体AのTgは約180℃であった。
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アルカリ溶液の組成(質量部)
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水酸化カリウム 4.7質量部
水 15.8質量部
イソプロパノール 63.7質量部
界面活性剤
SF−1:C1429O(CH2CH2O)20H 1.0質量部
プロピレングリコール 14.8質量部
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<ラビング配向膜付透明支持体の作製>
上記作製した支持体の、鹸化処理を施した面に、下記の組成のラビング配向膜塗布液を#8のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、さらに145℃(=T1)の温風(膜面温度が125℃(=T1S))で60分間乾燥し、配向膜を形成した。次に、透過部の横ストライプ幅285μm、遮蔽部の横ストライプ幅285μmのストライプマスク(ストライプ数1050本:トータルピッチ299.25mm)をラビング配向膜上に配置し、室温空気下にて、UV−C領域における照度2.5mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を4秒間照射して、光酸発生剤を分解し酸性化合物を発生させることにより第1位相差領域用配向層を形成した。その後に、ストライプマスクのストライプに対して45°の角度を保持して500rpmで一方向に1往復、ラビング処理を行い、ラビング配向膜付透明支持体を作製した。なお、配向膜の膜厚は、0.5μmであった。
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配向膜形成用塗布液の組成
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配向膜用ポリマー材料 3.9質量部
(PVA103、クラレ(株)製ポリビニルアルコール)
光酸発生剤(S−2) 0.1質量部
メタノール 36質量部
水 60質量部
────────────────────────────────────
Figure 2013061372
<パターン化された光学異方性層Aの作製>
下記の光学異方性層用塗布液を、バーコーターを用いて塗布量4ml/m2で塗布した。次いで、膜面温度110℃で2分間加熱熟成した後、80℃まで冷却し空気下にて20mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を20秒間照射して、その配向状態を固定化することによりパターン光学異方性層Aを形成した。マスク露光部分(第1位相差領域)は、ラビング方向に対し遅相軸方向が平行にディスコティック液晶が垂直配向しており、未露光部分(第2位相差領域)は直交に垂直配向していた。なお、光学異方性層の膜厚は0.9μmであった。
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光学異方性層用塗布液の組成
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ディスコティック液晶E−1 100質量部
配向膜界面配向剤(II−1) 3.0質量部
空気界面配向剤(P−1) 0.4質量部
光重合開始剤 3.0質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
メチルエチルケトン 400質量部
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Figure 2013061372
形成されたパターン光学異方性層Aの第1位相差領域及び第2位相差領域をそれぞれTOF-SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法、ION−TOF社製TOF−SIMS V)により分析したところ、第1位相差領域と第2位相差領域とでは、対応する配向層中における光酸発生剤S−2の存在比が8対92であり、第1位相差領域ではS−2がほとんど分解していることがわかった。また、光学異方性層においては、第1位相差領域の空気界面に、II−1のカチオン及び光酸発生剤S−2から発生した酸HBF4のアニオンBF4 -が存在していることが確認された。第2位相差領域の空気界面には、これらのイオンはほとんど観測されず、II−1のカチオン及びBr-が配向膜界面近傍に存在していることがわかった。空気界面におけるそれぞれのイオンの存在比は、II−1のカチオンは93対7、BF4 -は90対10であった。このことから、第2位相差領域中、配向膜界面配向剤(II−1)は配向膜界面に偏在しているが、第1位相差領域では偏在性が減少し、空気界面にも拡散していること、及び第1位相差領域においては、発生した酸HBF4とII−1がアニオン交換することによってII−1カチオンの拡散が促進されていることが理解できる。
パターン化された光学異方性層Aを、第1位相差領域又は第2位相差領域のいずれか一方の遅相軸が、直交位に組合された2枚の偏光板のいずれか一方の偏光軸と平行になるように、偏光板の間に入れ、さらに、位相差530nmの鋭敏色板を、その遅相軸が偏光板の偏光軸と45°の角度をなすように、光学異方性層の上においた。次に、光学異方性層を+45°回転させた状態を観察した。この観察結果から明らかなように、+45°回転させた場合、第1位相差領域の遅相軸と鋭敏色板の遅相軸が平行になっているため、位相差は530nmよりも大きくなり、その色は青色(白黒図面では濃淡の濃い部分)に変化している。一方、第2位相差領域の遅相軸は鋭敏色板の遅相軸と直交しているため、位相差は530nmよりも小さくなり、その色は白色(白黒図面では濃淡の淡い部分)に変化する。
即ち、図6に示す通り、面内遅相軸がストライプパターンの長手方向に対してそれぞれ±45°である第1及び第2位相差領域が交互に配置されている光学異方性層Aが形成されたことが確認された。第1及び第2位相差領域のピッチは、図6に示す通り、理想的には、マスクの透過部及び遮光部のピッチと等しい285μmである。
(光学異方性層の評価)
作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を下記表に示す。下記表中、垂直とは、チルト角70°〜90°を表す。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1を計算した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は299.19mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、ほとんど変化はなかったが、60μmだけ短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.02%であり、小さかった。
また、下記表に示す結果から、ディスコティック液晶を、ピリジニウム塩化合物、及びフルオロ脂肪族基含有共重合体の存在下で、光酸発生剤を含有したPVA系ラビング配向膜にマスク露光した後、一方向にラビング処理した該配向膜上で配向させることによって、垂直配向であるとともに、遅相軸が直交した第1位相差領域と第2位相差領域を有するパターン化された光学異方性層が得られることも理解できる。
<表面フィルムAの作製>
<<反射防止膜の作製>>
[ハードコート層用塗布液Aの調製]
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌してハードコート層塗布液Aとした。
メチルエチルケトン900質量部に対して、シクロヘキサノン100質量部、部分カプロラクトン変性の多官能アクリレート(DPCA−20、日本化薬(株)製)750質量部、シリカゾル(MIBK−ST、日産化学工業(株)製)200質量部、光重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)50質量部、を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルタで濾過してハードコート層用の塗布液を調製した。
[中屈折率層用塗布液Aの調製]
ZrO2微粒子含有ハードコート剤(デソライトZ7404[屈折率1.72、固形分濃度:60質量%、酸化ジルコニウム微粒子含量:70質量%(対固形分)、酸化ジルコニウム微粒子の平均粒子径:約20nm、溶剤組成:メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン=9/1、JSR(株)製])5.1質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)1.5質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.05質量部、メチルエチルケトン66.6質量部、メチルイソブチルケトン7.7質量部及びシクロヘキサノン19.1質量部を添加して攪拌した。充分に攪拌の後、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して中屈折率層用塗布液Aを調製した。
[中屈折率層用塗布液Bの調製]
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)4.5質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.14質量部、メチルエチルケトン66.5質量部、メチルイソブチルケトン9.5質量部及びシクロヘキサノン19.0質量部を添加して攪拌した。十分に攪拌ののち、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して中屈折率層用塗布液Bを調製した。
屈折率1.36、膜厚90μmとなるように、中屈折率用塗布液Aと中屈折率用塗布液Bとを適量混合し、中屈折率塗布液を調製した。
[高屈折率層用塗布液の調製]
ZrO2微粒子含有ハードコート剤(デソライトZ7404[屈折率1.72、固形分濃度:60質量%、酸化ジルコニウム微粒子含量:70質量%(対固形分)、酸化ジルコニウム微粒子の平均粒子径:約20nm、光重合開始剤含有、溶剤組成:メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン=9/1、JSR(株)製])14.4質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)0.75質量部、メチルエチルケトン62.0質量部、メチルイソブチルケトン3.4質量部、シクロヘキサノン1.1質量部を添加して攪拌した。充分に攪拌の後、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して高屈折率層用塗布液Cを調製した。
[低屈折率層用塗布液の調製]
(パーフルオロオレフィン共重合体(1)の合成)
Figure 2013061372
内容量100mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブに酢酸エチル40ml、ヒドロキシエチルビニルエーテル14.7g及び過酸化ジラウロイル0.55gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。更にヘキサフルオロプロピレン(HFP)25gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は、0.53MPa(5.4kg/cm2)であった。該温度を保持し8時間反応を続け、圧力が0.31MPa(3.2kg/cm2)に達した時点で加熱をやめ放冷した。室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。得られた反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカンテーションにより溶剤を除去することにより沈殿したポリマーを取り出した。更にこのポリマーを少量の酢酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥後ポリマー28gを得た。次に該ポリマーの20gをN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解、氷冷下アクリル酸クロライド11.4gを滴下した後、室温で10時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え水洗、有機層を抽出後濃縮し、得られたポリマーをヘキサンで再沈殿させることによりパーフルオロオレフィン共重合体(1)を19g得た。得られたポリマーの屈折率は1.422、質量平均分子量は50000であった。
[中空シリカ粒子分散液Aの調製]
中空シリカ粒子微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、触媒化成工業(株)製CS60−IPA、平均粒子径60nm、シエル厚み10nm、シリカ濃度20質量%、シリカ粒子の屈折率1.31)500質量部に、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン30質量部、及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.51質量部加え混合した後に、イオン交換水9質量部を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8質量部を添加し、分散液を得た。その後、シリカの含率がほぼ一定になるようにシクロヘキサノンを添加しながら、圧力30Torrで減圧蒸留による溶媒置換を行い、最後に濃度調整により固形分濃度18.2質量%の分散液Aを得た。得られた分散液AのIPA残存量をガスクロマトグラフィーで分析したところ0.5質量%以下であった。
[低屈折率層用塗布液Aの調製]
各成分を下記のように混合し、メチルエチルケトンに溶解して固形分濃度5質量%の低屈折率層用塗布液Aを作製した。下記各成分の質量%は、塗布液の全固形分に対する、各成分の固形分の比率である。
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・P−1:パーフルオロオレフィン共重合体(1) 15質量%
・DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(日本化薬(株)製) 7質量%
・MF1:国際公開第2003/022906号パンフレットの実施例記載の下
記含フッ素不飽和化合物(重量平均分子量1600) 5質量%
・M−1:日本化薬(株)製KAYARAD DPHA 20質量%
・分散液A:前記中空シリカ粒子分散液A(アクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシランで表面修飾した中空シリカ粒子ゾル、固形分濃度18.2%) 50質量%
・Irg127:光重合開始剤イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ(株)製) 3質量%
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Figure 2013061372
TD80UL(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=2nm/40nm)を表面フィルム用支持体Aとして使用し、表面フィルム用支持体A上に、前記組成のハードコート層用塗布液Aをグラビアコーターを用いて塗布した。なお、TD80ULは、紫外線吸収剤を含んでいる。100℃で乾燥した後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量150mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ12μmのハードコート層Aを形成した。
更に中屈折率層用塗布液、高屈折率層用塗布液、低屈折率層用塗布液Aをグラビアコーターを用いて塗布した。中屈折率層の乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら180W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度300mW/cm2、照射量240mJ/cm2の照射量とした。
高屈折率層の乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度300mW/cm2、照射量240mJ/cm2の照射量とした。
低屈折率層の乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量600mJ/cm2の照射量とした。このようにして、表面フィルムAを作製した。
<光学フィルムAの作製>
上記作製した表面フィルムAのTD80UL面とパターン化された光学異方性層Aの光学異方性層面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムAを作製した。
<偏光板Aの作製>
TD80UL(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=2nm/40nm)を偏光板A用保護フィルムAとして使用し、この表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理したTD80ULと、同様のアルカリ鹸化処理したVA用位相差フィルム(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=50nm/125nm)を、これらの鹸化した面が偏光膜側となるようして偏光膜の間に挟んで貼り合せ、TD80ULとVA用位相差フィルムが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板Aを作製した。このとき位相差フィルムの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が垂直になるようにした。
<光学フィルムA付偏光板Aの作製>
上記作製した光学フィルムAの透明支持体A面と偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムA付偏光板Aを作製した。このときパターン化された光学異方性層の遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置Aの作製>
ナナオ社製FlexScanS2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムA付偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合わせた。このような手順で、図5(a)の構成の立体表示装置Aを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは、図4と同様である。
(実施例2)
<パターン化された光学異方性層AAの作製>
ラビング配向膜塗布液を#8のワイヤーバーで連続的に塗布した後、60℃の温風で60秒、さらに145℃(=T1)の温風(膜面温度(=T1S)125℃)で10分間乾燥し、配向膜を形成した以外は実施例1と同様の操作にてパターン化された光学異方性層AAの作製を行った。なお、配向膜の膜厚は、0.5μmであり、光学異方性層の膜厚は、0.9μmであった。
(光学異方性層の評価)
実施例1と同様に、作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を下記表に示す。下記表中、垂直とは、チルト角70°〜90°を表す。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1を計算した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は299.085mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、ほとんど変化はなかったが、165μmだけ短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.055%であり、小さかった。
また、下記表に示す結果から、ディスコティック液晶を、ピリジニウム塩化合物、及びフルオロ脂肪族基含有共重合体の存在下で、光酸発生剤を含有したPVA系ラビング配向膜にマスク露光した後、一方向にラビング処理した該配向膜上で配向させることによって、垂直配向であるとともに、遅相軸が直交した第1位相差領域と第2位相差領域を有するパターン化された光学異方性層が得られることも理解できる。
<表面フィルムAAの作製>
実施例1と同様の方法にて光学フィルムAAを作製した。
<光学フィルムAAの作製>
上記作製した表面フィルムAAのTD80UL面とパターン化された光学異方性層AAの光学異方性層面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムAAを作製した。
<偏光板AAの作製>
実施例1と同様の方法にて偏光板AAを作製した
<光学フィルムAA付偏光板AAの作製>
上記作製した光学フィルムAAの透明支持体A面と偏光板AAのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムAA付偏光板AAを作製した。このときパターン化された光学異方性層の遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置AAの作製>
ナナオ社製FlexScanS2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムAA付偏光板AAのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合わせた。図5(a)の構成の立体表示装置AAを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは、図4と同様である。
(実施例3)
<パターン化された光学異方性層AAAの作製>
ラビング配向膜塗布液を#8のワイヤーバーで連続的に塗布した後、60℃の温風で60秒、さらに145℃(=T1)の温風(膜面温度(=T1S)125℃)で1分間乾燥し、配向膜を形成した以外は実施例1と同様の操作にてパターン化された光学異方性層AAAの作製を行った。なお、配向膜の膜厚は、0.5μmであり、光学異方性層の膜厚は、0.9μmであった。
(光学異方性層の評価)
実施例1と同様に、作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を下記表に示す。下記表中、垂直とは、チルト角70°〜90°を表す。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1を計算した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は299.01mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、ほとんど変化はなかったが、240μmだけ短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.08%であり、小さかった。
また、下記表に示す結果から、ディスコティック液晶を、ピリジニウム塩化合物、及びフルオロ脂肪族基含有共重合体の存在下で、光酸発生剤を含有したPVA系ラビング配向膜にマスク露光した後、一方向にラビング処理した該配向膜上で配向させることによって、垂直配向であるとともに、遅相軸が直交した第1位相差領域と第2位相差領域を有するパターン化された光学異方性層が得られることも理解できる。
<表面フィルムAAAの作製>
実施例1と同様の方法にて光学フィルムAAAを作製した。
<光学フィルムAAAの作製>
上記作製した表面フィルムAAAのTD80UL面とパターン化された光学異方性層AAAの光学異方性層面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムAAAを作製した。
<偏光板AAAの作製>
実施例1と同様の方法にて偏光板AAAを作製した
<光学フィルムAAA付偏光板AAAの作製>
上記作製した光学フィルムAAAの透明支持体A面と偏光板AAAのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムAAA付偏光板AAAを作製した。このときパターン化された光学異方性層の遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置AAAの作製>
ナナオ社製FlexScanS2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムAAA付偏光板AAAのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合わせた。図5(a)の構成の立体表示装置AAAを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは、図4と同様である。
(実施例4)
<透明支持体B>
TD80UL(富士フイルム社製)を用意し、透明支持体Bとして使用した。TD80ULの膜厚は80μmであり、紫外線吸収剤を含有しており、面内レターデーションRe(550)は2nm、厚み方向のレターデーションRth(550)は40nmであった。また、透明支持体BのTgは約180℃であった。
<パターン化された光学異方性層Bの作製>
透明支持体Aを上記透明支持体Bに変更し、ラビング配向膜塗布液を#8のワイヤーバーで連続的に塗布した後、60℃の温風で60秒、さらに145℃(=T1)の温風(膜面温度(=T1S)125℃)で2分間乾燥し、配向膜を形成した以外は実施例1と同様の操作にてパターン化された光学異方性層Bの作製を行った。なお、配向膜の膜厚は、0.5μmであり、光学異方性層の膜厚は、0.9μmであった。
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配向層用組成
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配向膜用ポリマー材料 3.9質量部
(PVA103、クラレ(株)製ポリビニルアルコール)
光酸発生剤(I−33) 0.1質量部
メタノール 36質量部
水 60質量部
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Figure 2013061372
形成されたパターン光学異方性層Bの第1位相差領域及び第2位相差領域をそれぞれTOF-SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法、ION−TOF社製TOF−SIMS V)により分析したところ、第1位相差領域と第2位相差領域では、対応する配向層中における光酸発生剤I−33の存在比が10対90であり、第1位相差領域ではI−33がほとんど分解していることがわかった。また、光学異方性層においては、第1位相差領域の空気界面に、配向膜界面配向剤(II−1)のカチオン及び光酸発生剤I−33から発生した酸HBF4のアニオンBF4 -が存在していることが確認された。第2位相差領域の空気界面には、これらのイオンはほとんど観測されず、II−1のカチオン及びBr-が配向膜界面近傍に存在していることがわかった。空気界面におけるそれぞれのイオンの存在比は、II−1のカチオンは93対7、BF4 -は90対10であった。このことから、第2位相差領域中、配向膜界面配向剤(II−1)は配向膜界面に偏在しているが、第1位相差領域では偏在性が減少し、空気界面にも拡散していること、及び第1位相差領域においては、発生した酸HBF4とII−1がアニオン交換することによってII−1カチオンの拡散が促進されていることが理解できる。
(光学異方性層の評価)
実施例1と同様に、作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を下記表に示す。下記表中、垂直とは、チルト角70°〜90°を表す。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1を計算した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は299.235mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、ほとんど変化はなかったが、15μmだけ短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.005%であり、顕著に小さかった。
また、下記表に示す結果から、ディスコティック液晶を、ピリジニウム塩化合物、及びフルオロ脂肪族基含有共重合体の存在下で、光酸発生剤を含有したPVA系ラビング配向膜にマスク露光した後、一方向にラビング処理した該配向膜上で配向させることによって、垂直配向であるとともに、遅相軸が直交した第1位相差領域と第2位相差領域を有するパターン化された光学異方性層が得られることも理解できる。
<光学フィルムBの作製>
パターン化された光学異方性層BのTD80ULの表面に、実施例1と同様の方法にて反射防止膜を形成し、光学フィルムBを作製した。
<光学フィルムB付偏光板Bの作製>
上記作製した光学フィルムBのパターン化された光学異方性層B面と実施例1で作製した偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムB付偏光板Bを作製した。このときパターン化された光学異方性層Bの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置Bの作製>
ナナオ社製FlexScanS2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムB付偏光板BのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合わせた。図5(b)の構成の立体表示装置Bを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図3と同様であった。
(実施例5)
<透明支持体Cの作製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
────────────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液の組成
────────────────────────────────────────
酢化度60.7〜61.1%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 336質量部
メタノール(第2溶媒) 29質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
────────────────────────────────────────
別のミキシングタンクに、下記のレターデーション上昇剤(A)16質量部、メチレンクロライド92質量部及びメタノール8質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。セルロースアセテート溶液474質量部にレターデーション上昇剤溶液25質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、6.0質量部であった。
Figure 2013061372
得られたドープを、バンド延伸機を用いて流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってから、70℃の温風で1分乾燥し、バンドからフィルムを140℃の乾燥風で10分乾燥し、残留溶剤量が0.3質量%の透明支持体Cを作製した。
得られた透明支持体Cの厚さは80μmであった。また、面内レターデーション(Re)は8nm、厚み方向のレターデーション(Rth)は78nmであった。透明支持体CのTgは約180℃であった。
<ラビング配向膜付透明支持体の作製>
作製した透明支持体Cを鹸化処理を施した後に、145℃(=T1)の温風(膜面温度(=T1S)125℃)で10分間加熱処理した。次に鹸化処理を施した面に、クラレ社製ポリビニルアルコール「PVA103」の4%水溶液を、12番バーで塗布を行い、80℃で5分間乾燥させた。その後に、400rpmで一方向に1往復ラビング処理を行い、ラビング配向膜付透明支持体を作製した。なお、配向膜の膜厚は、0.5μmであった。
<パターン化された光学異方性層Cの作製>
下記の光学異方性層用組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、光学異方性層用塗布液として用いる。該塗布液を塗布、膜面温度80℃で1分間乾燥して液晶相状態とし均一配向させた後、室温まで冷却した。次に、ストライプマスクのストライプが上記ラビング方向に対して45°になるように保持して、透過部の横ストライプ幅285μm、遮蔽部の横ストライプ幅285μmのストライプマスク(ストライプ数1050本:トータルピッチP1は299.25mm)を光学異方性層用塗布液を塗布した上に配置し、空気下にて20mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を5秒間照射して、その配向状態を固定化することにより第1位相差領域を形成した。続いて、膜面温度140℃まで昇温し、一旦等方相にした後、100℃まで降温し、その温度で1分間加熱して均一配向させた。室温まで冷却した後、20mW/cm2で20秒間全面照射して、その配向状態を固定化することにより第2位相差領域を形成した。第1位相差領域と第2位相差領域の遅相軸は直交しており、膜厚は、0.9μmであった。
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光学異方性層用組成物
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ディスコティック液晶E−2 100質量部
配向膜界面配向剤(II−1) 1.0質量部
空気界面配向剤(P−2) 0.4質量部
光重合開始剤 3.0質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
メチルエチルケトン 400質量部
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Figure 2013061372
(光学異方性層の評価)
実施例1と同様に、作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を下記表に示す。下記表中、垂直とは、チルト角70°〜90°を表す。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1を計算した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は299.205mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、ほとんど変化はなかったが、45μmだけ短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.015%であり、小さかった。
また、下記表に示す結果から、ディスコティック液晶を、ピリジニウム塩化合物、及びフルオロ脂肪族基含有共重合体の存在下で、一方向にラビング処理したPVA系ラビング配向膜上で配向させ、加熱温度を変化させて露光することによって、垂直配向であるとともに、遅相軸が直交した第1位相差領域と第2位相差領域を有するパターン化された光学異方性層が得られることも理解できる。
<偏光板Cの作製>
厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。実施例1と同様の方法にてアルカリ鹸化処理したVA用位相差フィルム(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=50nm/125nm)及びパターン化された光学異方性層Cの透明支持体Cで、偏光膜を挟んで接着剤で貼り合せ、VA用位相差フィルムとパターン化された光学異方性層Cの透明支持体Cが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板Cを作製した。このときパターン化された光学異方性層Cの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<表面フィルムA付偏光板Cの作製>
実施例1で作製した表面フィルムAのTD80UL面と上記偏光板Cのパターン化された光学異方性層C面を接着剤で貼り合せ、表面フィルムA付偏光板Cを作製した。
<立体表示装置Cの作製>
ナナオ社製FlexScanS2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した表面フィルムA付偏光板CのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合わせた。図5(c)の構成の立体表示装置Cを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図4と同様であった。
(実施例5−1)
<パターン化された光学異方性層C−1の作製>
実施例5で作製した透明支持体Cを鹸化処理を施した後に、125℃(=T1)の温風(膜面温度(=T1S)105℃)で2分間加熱処理した以外は実施例5と同様の操作にてパターン化された光学異方性層C−1の作製を行った。なお、配向膜の膜厚は、0.5μmであり、光学異方性層の膜厚は、0.9μmであった。
(光学異方性層の評価)
実施例1と同様に、作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。
配向膜側及び空気界面のチルト角は垂直であり、遅相軸方向は80℃加熱処理が−45°、140℃処理が+45°であり、Reは130nmであり、Rthは−65nmであった。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1計算した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は299.175mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、ほとんど変化はなかったが、75μmだけ短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.025%であり、小さかった。
(実施例5−2)
<パターン化された光学異方性層C−2の作製>
実施例5で作製した透明支持体Cを鹸化処理を施した後に、100℃(=T1)の温風(膜面温度(=T1S)80℃)で60分間加熱処理した以外は実施例5と同様の操作にてパターン化された光学異方性層C−1の作製を行った。なお、配向膜の膜厚は、0.5μmであり、光学異方性層の膜厚は、0.9μmであった。
(光学異方性層の評価)
実施例1と同様に、作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。
配向膜側及び空気界面のチルト角は垂直であり、遅相軸方向は80℃加熱処理が−45°、140℃処理が+45°であり、Reは130nmであり、Rthは−65nmであった。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1計算した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は299.175mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、ほとんど変化はなかったが、75μmだけ短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.025%であり、小さかった。
(実施例5−3)
<パターン化された光学異方性層C−2の作製>
実施例5で作製した透明支持体Cを鹸化処理を施した後に、155℃(=T1)の温風(膜面温度(=T1S)140℃)で2分間加熱処理した以外は実施例5と同様の操作にてパターン化された光学異方性層C−1の作製を行った。なお、配向膜の膜厚は、0.5μmであり、光学異方性層の膜厚は、0.9μmであった。
(光学異方性層の評価)
実施例1と同様に、作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。
配向膜側及び空気界面のチルト角は垂直であり、遅相軸方向は80℃加熱処理が−45°、140℃処理が+45°であり、Reは130nmであり、Rthは−65nmであった。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1計算した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は299.175mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、ほとんど変化はなかったが、75μmだけ短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.025%であり、小さかった。
(実施例6)
<パターン化された光学異方性層CCの作製>
実施例5で作製した透明支持体Cを鹸化処理を施した後に、145℃(=T1)の温風(膜面温度(=T1S)125℃)で2分間加熱処理した以外は実施例5と同様の操作にてパターン化された光学異方性層CCの作製を行った。なお、配向膜の膜厚は、0.5μmであり、光学異方性層の膜厚は、0.9μmであった。
(光学異方性層の評価)
実施例1と同様に、作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を下記表に示す。下記表中、垂直とは、チルト角70°〜90°を表す。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1を、下記表に示した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は299.175mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、ほとんど変化はなかったが、75μmだけ短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.025%であり、小さかった。
また、下記表に示す結果から、ディスコティック液晶を、ピリジニウム塩化合物、及びフルオロ脂肪族基含有共重合体の存在下で、一方向にラビング処理したPVA系ラビング配向膜上で配向させ、加熱温度を変化させて露光することによって、垂直配向であるとともに、遅相軸が直交した第1位相差領域と第2位相差領域を有するパターン化された光学異方性層が得られることも理解できる。
<偏光板CCの作製>
厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。実施例1と同様の方法にてアルカリ鹸化処理したVA用位相差フィルム(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=50nm/125nm)及びパターン化された光学異方性層CCの透明支持体Cで、偏光膜を挟んで接着剤で貼り合せ、VA用位相差フィルムとパターン化された光学異方性層CCの透明支持体Cが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板CCを作製した。このときパターン化された光学異方性層CCの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<表面フィルムA付偏光板CCの作製>
実施例1で作製した表面フィルムAのTD80UL面と上記偏光板CCのパターン化された光学異方性層CC面を接着剤で貼り合せ、表面フィルムA付偏光板CCを作製した。
<立体表示装置CCの作製>
ナナオ社製FlexScanS2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した表面フィルムA付偏光板CCのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合わせた。図5(c)の構成の立体表示装置CCを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図4と同様であった。
(実施例7)
<パターン化された光学異方性層CCCの作製>
光学異方性層塗布液を下記組成に変更した以外、実施例5と同様の操作にてパターン化された光学異方性層CCCを作製した。なお、配向膜の膜厚は、0.5μmであり、光学異方性層の膜厚は、0.8μmであった。
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光学異方性層用組成
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ディスコティック液晶E−3 100質量部
配向膜界面配向剤(II−1) 1.0質量部
空気界面配向剤(P−1) 0.3質量部
光重合開始剤 3.0質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 9.9質量部
メチルエチルケトン 400質量部
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Figure 2013061372
(光学異方性層の評価)
実施例1と同様に、作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を下記表に示す。下記表中、垂直とは、チルト角70°〜90°を表す。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1を、下記表に示した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は299.205mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、ほとんど変化はなかったが、45μmだけ短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.015%であり、小さかった。
また、下記表に示す結果から、ディスコティック液晶を、ピリジニウム塩化合物、及びフルオロ脂肪族基含有共重合体の存在下で、一方向にラビング処理したPVA系ラビング配向膜上で配向させ、加熱温度を変化させて露光することによって、垂直配向であるとともに、遅相軸が直交した第1位相差領域と第2位相差領域を有するパターン化された光学異方性層が得られることも理解できる。
<偏光板CCCの作製>
厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。実施例1と同様の方法にてアルカリ鹸化処理したVA用位相差フィルム(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=50nm/125nm)及びパターン化された光学異方性層CCCの透明支持体Cで、偏光膜を挟んで接着剤で貼り合せ、VA用位相差フィルムとパターン化された光学異方性層CCの透明支持体Cが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板CCCを作製した。このときパターン化された光学異方性層CCCの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<表面フィルムA付偏光板CCCの作製>
実施例1で作製した表面フィルムAのTD80UL面と上記偏光板CCCのパターン化された光学異方性層CCC面を接着剤で貼り合せ、表面フィルムA付偏光板CCCを作製した。
<立体表示装置CCCの作製>
ナナオ社製FlexScanS2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した表面フィルムA付偏光板CCCのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合わせた。図5(c)の構成の立体表示装置CCCを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図4と同様であった。
(実施例8)
<ラビング配向膜付透明支持体の作製>
(1)平行配向膜(第一の配向膜)の作製
実施例4で作製した透明支持体Bを鹸化処理を施した後に145℃(=T1)の温風(膜面温度(=T1S)125℃)で10分間加熱処理した。この鹸化処理を施した面に、クラレ社製ポリビニルアルコール「PVA103」の4%水/メタノール溶液(PVA103(4.0g)を水72g及びメタノール24gに溶解させた、粘度4.35cp、表面張力44.8dyne)を、12番バーで塗布を行い、80℃で5分間乾燥させた。
(2)パターニング直交配向膜(第二の配向膜)の作製
和光純薬製ポリアクリル酸(Mw25000)2.0gをトリエチルアミン2.52g/水1.12g/プロパノール5.09g/3−メトキシ−1−ブタノール5.09gに溶解させ、塗布液を調製した。
次に、フレキソ版として、図7に示す形状の凹凸を有する合成ゴム状フレキソ版を作製した。
図8に記載のフレキソ印刷装置として、フレキシプルーフ100(RK Print Coat Instruments Ltd. UK)を使用した。アニロックスローラはセル400線/cm(容積3cm3/m2)を使用した。上記フレキソ版をフレキシプルーフ100の圧胴に感圧テープをつけて貼り合わせた。印圧ローラに前記平行配向膜を貼り付けた後、前記パターニング直交配向膜用塗布液をドクターブレードに入れ、印刷速度30m/minで直交配向膜を平行配向膜の上にパターン印刷した。
(3)ラビング配向層の作製
80℃で5分間乾燥させた後に、パターンのストライプラインに対して45°方向に、1000rpmで1往復ラビング処理を行い、ラビング配向層を作製した。
<パターン化された光学異方性層Dの作製>
実施例5で作製した光学異方性用塗布液を塗布、膜面温度110℃で1分間乾燥して液晶相状態とした後、80℃まで冷却して、空気下にて160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射して、その配向状態を固定化して、パターン化された光学異方性層Dの作製を試みた。光学異方性層の膜厚は、0.9μmであった。
(光学異方性層の評価)
実施例1と同様に、作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を表1に示す。下記表中、垂直とは、チルト角70°〜90°を表す。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1を、下記表に示した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は299.22mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、ほとんど変化はなかったが、30μmだけ短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.01%であり、小さかった。
また、下記表に示す結果から、ディスコティック液晶を、ピリジニウム塩化合物、及びフルオロ脂肪族基含有共重合体の存在下で、一方向にラビング処理したPVA系ラビング配向膜(第一の配向膜)/ポリアクリル酸系ラビング配向膜(第二の配向膜)上で配向させて露光することによって、垂直配向であるとともに、遅相軸が直交した第1位相差領域と第2位相差領域を有するパターン化された光学異方性層が得られることが理解できる。
<光学フィルムDの作製>
パターン化された光学異方性層Dの透明支持体Bの表面に、実施例1と同様の方法にて反射防止膜を形成し、光学フィルムDを作製した。
<光学フィルムD付偏光板Dの作製>
TD80UL(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=2nm/40nm)を偏光板D用保護フィルムDとして使用し、この表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜をえた。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理したTD80ULを、鹸化した面が偏光膜側となるようして偏光膜の片面に貼り合せ、さらにもう片面には、光学フィルムDのパターン化された光学異方性層D面を接着剤を介して貼り合せた。このようにして、TD80ULと光学フィルムDが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板Dを作製した。このときパターン化された光学異方性層の遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置Dの作製>
ナナオ社製FlexScanS2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムD付偏光板DのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合わせた。図5(d)の構成の立体表示装置Dを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図4と同様であった。
(実施例9)
<光配向膜付透明支持体Aの作製>
実施例1で作製した透明支持体Aの鹸化処理を施した面に、下記構造の光配向材料E−1 1%水溶液を塗布し、膜面温度(=T1S)125℃で60分間乾燥した。得られた塗布膜に、空気下にて160W/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射した。このとき、ワイヤーグリッド偏光子(Moxtek社製, ProFlux PPL02)を図9(a)に示すように、方向1にセットして、さらにマスクA(透過部の横ストライプ幅285μm、遮蔽部の横ストライプ幅285μmのストライプマスク(ストライプ数1050本:トータルピッチ(P1)299.25mm))を通して、露光を行った。その後、図9(b)に示すように、ワイヤーグリッド偏光子を方向2にセットして、さらにマスクB(透過部の横ストライプ幅285μm、遮蔽部の横ストライプ幅285μmのストライプマスク)を通して、露光を行った。露光マスク面と光配向膜の間の距離を200μmに設定した。この際用いる紫外線の照度はUV−A領域(波長380nm〜320nmの積算)において100mW/cm2、照射量はUV−A領域において1000mJ/cm2とした。
Figure 2013061372
<パターン化された光学異方性層Eの作製>
下記の光学異方性層用組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、塗布液として用いた。光配向膜付透明支持体A上に該塗布液を塗布、膜面温度105℃で2分間乾燥して液晶相状態とした後、75℃まで冷却して、空気下にて160W/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射して、その配向状態を固定化して、パターン化された光学異方性層Eの作製を試みた。光学異方性層の膜厚は、1.3μmであった。
────────────────────────────────────────
光学異方性層用組成
────────────────────────────────────────
棒状液晶(LC242、BASF(株)製) 100質量部
水平配向剤A 0.3質量部
光重合開始剤 3.3質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.1質量部
メチルエチルケトン 300質量部
────────────────────────────────────────
Figure 2013061372
(光学異方性層の評価)
作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面の棒状液晶のチルト角、空気界面の棒状液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を下記表に示す。下記表中、水平とは、チルト角0°〜20°を表す。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1を、下記表に示した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は299.19mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、ほとんど変化はなかったが、60μmだけ短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.02%であり、小さかった。
また、下記表に示す結果から、棒状液晶を光配向膜上で配向させて露光することによって、水平配向であるとともに、遅相軸が直交した第1の位相差領域と第2の位相差領域を有するパターン化された光学異方性層が得られることが理解できる。
<光学フィルムEの作製>
パターン化された光学異方性層Eの透明支持体Aの表面に、実施例1と同様の方法にて反射防止膜を形成し、光学フィルムEを作製した。
<光学フィルムE付偏光板Eの作製>
上記作製した光学フィルムEのパターン化された光学異方性層E面と実施例1で作製した偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムE付偏光板Eを作製した。このときパターン化された光学異方性層Eの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置Eの作製>
ナナオ社製FlexScanS2231の視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムE付偏光板EのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合わせた。図5(b)の構成の立体表示装置Eを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図4と同様であった。
(比較例1)
<パターン化された光学異方性層aの作製>
ラビング配向膜塗布液を#8のワイヤーバーで連続的に塗布した後、70℃の温風(膜面温度60℃)で60秒乾燥し、配向膜を形成した以外は実施例1と同様の操作にてパターン化された光学異方性層aの作製を行った。なお、配向膜の膜厚は、0.5μmであり、光学異方性層の膜厚は、0.9μmであった。
(光学異方性層の評価)
実施例1と同様に、作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を下記表に示す。下記表中、垂直とは、チルト角70°〜90°を表す。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1を、下記表に示した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は298.95mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、300μm短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.1%であった。
<表面フィルムaの作製>
実施例1と同様の方法にて光学フィルムaを作製した。
<光学フィルムaの作製>
上記作製した表面フィルムaのTD80UL面とパターン化された光学異方性層aの光学異方性層面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムaを作製した。
<偏光板aの作製>
実施例1と同様の方法にて偏光板aを作製した
<光学フィルムa付偏光板aの作製>
上記作製した光学フィルaの透明支持体A面と偏光板aのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムa付偏光板aを作製した。このときパターン化された光学異方性層の遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置aの作製>
ナナオ社製FlexScanS2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムa付偏光板aのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合わせた。図5(a)の構成の立体表示装置aを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは、図4と同様である。
(比較例2)
<パターン化された光学異方性層bの作製>
ラビング配向膜塗布液を#8のワイヤーバーで連続的に塗布した後、70℃の温風(膜面温度60℃)で60秒乾燥し、配向膜を形成した以外は実施例4と同様の操作にてパターン化された光学異方性層bの作製を行った。なお、配向膜の膜厚は、0.5μmであり、光学異方性層の膜厚は、0.9μmであった。
(光学異方性層の評価)
実施例1と同様に、作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を下記表に示す。下記表中、垂直とは、チルト角70°〜90°を表す。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1を、下記表に示した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は298.95mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、300μm短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.1%であった。
<光学フィルムbの作製>
パターン化された光学異方性層bのTD80ULの表面に、実施例1と同様の方法にて反射防止膜を形成し、光学フィルムbを作製した。
<光学フィルムb付偏光板bの作製>
上記作製した光学フィルムbのパターン化された光学異方性層b面と実施例1で作製した偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムb付偏光板bを作製した。このときパターン化された光学異方性層bの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置bの作製>
ナナオ社製FlexScanS2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムb付偏光板bのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合わせた。図5(b)の構成の立体表示装置bを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図4と同様であった。
(比較例3)
<パターン化された光学異方性層cの作製>
実施例5で作製した透明支持体Cを鹸化処理を施した後に、70℃の温風(膜面温度60℃)で10分間乾燥した以外は実施例5と同様の操作にてパターン化された光学異方性層cの作製を行った。なお、配向膜の膜厚は、0.5μmであり、光学異方性層の膜厚は、0.9μmであった。
(光学異方性層の評価)
実施例1と同様に、作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を下記表に示す。下記表中、垂直とは、チルト角70°〜90°を表す。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1を、下記表に示した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は298.95mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、300μm短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.1%であった。
<偏光板cの作製>
厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。実施例1と同様の方法にてアルカリ鹸化処理したVA用位相差フィルム(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=50nm/125nm)及びパターン化された光学異方性層cの透明支持体Cで、偏光膜を挟んで接着剤で貼り合せ、VA用位相差フィルムとパターン化された光学異方性層cの透明支持体Cが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板cを作製した。このときパターン化された光学異方性層cの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<表面フィルムA付偏光板cの作製>
実施例1で作製した表面フィルムAのTD80UL面と上記偏光板cのパターン化された光学異方性層c面を接着剤で貼り合せ、表面フィルムA付偏光板cを作製した。
<立体表示装置cの作製>
ナナオ社製FlexScanS2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した表面フィルムA付偏光板cのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合わせた。図5(c)の構成の立体表示装置cを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図4と同様であった。
(比較例4)
<パターン化された光学異方性層dの作製>
(1)平行配向膜(第一の配向膜)の作製
実施例4で作製した透明支持体Bを鹸化処理を施した後に70℃の温風(膜面温度60℃)で10分間加熱処理した以外は実施例8と同様の操作にてパターン化された光学異方性層dの作製を行った。なお、光学異方性層の膜厚は、0.9μmであった。
(光学異方性層の評価)
実施例1と同様に、作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を下記表に示す。下記表中、垂直とは、チルト角70°〜90°を表す。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1を、下記表に示した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は298.95mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、300μm短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.1%であった。
<光学フィルムdの作製>
パターン化された光学異方性層dの透明支持体Bの表面に、実施例1と同様の方法にて反射防止膜を形成し、光学フィルムdを作製した。
<光学フィルムd付偏光板dの作製>
実施例8と同様の方法にて光学フィルムd付偏光板dを作製した。
<立体表示装置dの作製>
ナナオ社製FlexScanS2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムd付偏光板dのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合わせた。図5(d)の構成の立体表示装置dを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図4と同様であった。
(比較例5)
<パターン化された光学異方性層eの作製>
実施例1で作製した透明支持体Aの鹸化処理を施した面に、実施例9の光配向材料E−1 1%水溶液を塗布し、膜面温度60℃で60分間乾燥した以外は実施例9と同様の操作にてパターン化された光学異方性層eの作製を行った。なお、光学異方性層の膜厚は、1.3μmであった。
(光学異方性層の評価)
実施例1と同様に、作製した光学異方性層のストライプ1050本分の距離(トータルピッチP2)を、ミツトヨ社製Quick Vision Proを用いて測定した。
次いで、作製した光学異方性層を透明支持体から剥離した後、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、配向膜界面のディスコティック液晶のチルト角、空気界面のディスコティック液晶のチルト角、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を下記表に示す。下記表中、垂直とは、チルト角70°〜90°を表す。
光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2、及びストライプマスクのトータルピッチP1をそれぞれ測定し、その差P2−P1を、下記表に示した。光学異方性層のストライプ1050本分のトータルピッチP2は298.95mmであり、一方、ストライプマスクのトータルピッチP1は299.25mmであり、300μm短くなっていた。その変化の割合ΔP/P1は0.1%であった。
<光学フィルムeの作製>
パターン化された光学異方性層eの透明支持体Aの表面に、実施例1と同様の方法にて反射防止膜を形成し、光学フィルムeを作製した。
<光学フィルムe付偏光板eの作製>
上記作製した光学フィルムeのパターン化された光学異方性層e面と実施例1で作製した偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムe付偏光板eを作製した。このときパターン化された光学異方性層Eの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置eの作製>
ナナオ社製FlexScanS2231の視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムe付偏光板eのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合わせた。図5(b)の構成の立体表示装置eを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図4と同様であった。
<立体表示装置の評価>
視差を有する右眼/左眼用画像が交互に並んだ立体画像を表示した各立体表示装置を、極角0度から3Dメガネを通して観察し、クロストークの度合いを7段階でそれぞれ評価した。続いて、方位角0度および180度の極角45度から観察し、同様に評価した。続いて、方位角90度および270度の極角5度から観察し、同様に評価した。評価は7(クロストーク無し)〜1(クロストーク大)の7段階で実施した。結果を下記表2に示す。
Figure 2013061372
Figure 2013061372
12 光学異方性層(パターンド・リターダー層)
14 配向膜
16 フィルム
18 直線偏光膜

Claims (8)

  1. フィルムと、その上にパターンド・リターダー層とを少なくとも有するフィルム・パターンド・リターダーの製造方法であって、下記1)〜3)
    1)フィルムを、Tg−100<T1<Tg(但しTgはフィルムのガラス転移点である)を満足するT1で加熱する工程
    2)上記フィルムの表面上に、液晶を主成分として含有する組成物を塗布して塗膜を形成する工程、及び
    3)前記塗膜を加熱して液晶を配向させる工程、
    をこの順で含むことを特徴とするフィルム・パターンド・リターダーの製造方法。
  2. 1)工程が、フィルムの膜面温度T1sを、Tg−120℃≦T1S℃≦Tg−20℃にするする工程である請求項1に記載の方法。
  3. 1)工程が、セルロースアシレートフィルムを加熱し、該フィルムの膜面温度を80℃〜150℃にする工程である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 1)工程の後に、マスク露光する工程を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. マスク露光に用いられるマスクのトータルピッチP1と、パターンド・リターダーのトータルピッチP2との差ΔP(=P1−P2)の割合ΔP/P1が、0.1%未満である請求項4に記載の方法。
  6. マスク露光する工程が、互いに異なる方向に液晶の長軸を配向させる配向能をそれぞれ有する第1及び第2配向制御領域が交互に配置されたパターン配向膜を形成する工程である請求項4又は5に記載の方法。
  7. 3)工程の後に、液晶の配向を固定する工程をさらに含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 互いに面内遅相軸方向が異なる第1位相差領域及び第2位相差領域を含み、前記第1及び第2位相差領域が、面内において交互に配置されているパターンド・リターダー層を有するフィルム・パターンド・リターダーの製造方法である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
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