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JP2013051335A - 光誘起電荷分離素子、光電池及びそれらの製造方法 - Google Patents

光誘起電荷分離素子、光電池及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】真空装置を必要としない新たな太陽電池に利用可能な光電池を提供する。
【解決手段】シリコン基材のシリコン表面の少なくとも一部に、厚みが0.3〜100nmの範囲の酸化グラフェン層が直接設けられた光誘起電荷分離素子。シリコン基材のシリコン表面の少なくとも一部に厚みが0.3〜100nmの範囲の酸化グラフェン層を直接形成する工程を含む、光誘起電荷分離素子の製造方法。上記光誘起電荷分離素子を用いた光電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、光誘起電荷分離素子、光電池及びそれらの製造方法に関する。特に本発明は、酸化グラフェン層を用いる光誘起電荷分離素子と、この素子を用いる光電池、さらにはそれらの製造方法に関する。
従来の結晶シリコン系太陽電池は結晶シリコン基板上に減圧プラズマCVD法でアモルファスシリコン系薄膜を堆積したHIT構造太陽電池(三洋電機)が主体である。この太陽電池の製造には、真空装置が必要である。さらに、反応性ガスの分解により排ガスが形成されるため、排ガス処理装置等設備投資も必要となり、装置コストを押し上げている。また作製条件の維持、管理が結晶Si主体の太陽電池ではアモルファスシリコンに限らず清浄表面の化学終端が必要とされる。大気圧環境で環境負荷を与えず、塗布法で従来の薄膜シリコン系と同等またはそれ以上の性能を有する太陽電池の出現が期待されている。
ところで、近年新たなユニークな特性を有する物質としてグラフェンに注目が集まっている。塗布法により作製したグラフェン薄膜は透明導電性電極として用いられること報告されている(非特許文献1)。さらに、グラフェンを用いた太陽電池などの電子デバイスについても提案されている(特許文献1)。
特開2011-121828号公報
グラフェン・イノベーション、日経BP、2011、P134-145
非特許文献1には、グラフェン薄膜が透明導電性電極として用いられることが記載されているが、太陽電池についての記載はない。特許文献1には、基板上にレジスト膜を精度よくパターニングし、そのレジスト膜の開口内に親水化膜を形成した後、酸化グラフェン(GO)が親水性を有することを利用して、親水化膜の部分にのみ、GOを選択的に化学的に結合させて固定化し、更にそのGOを還元して親水化膜の部分にのみグラフェンが選択的に固定化されたグラフェン構造体を得ることが記載され、得られたグラフェン構造体は、基板上にグラフェンが設けられてなり、且つ、基板における親水処理の部位とグラフェン、及び/又は、基板における疎水処理の部位以外の部位とグラフェンとの間に、親水処理による結合が形成されたものである。上記基板として二酸化シリコンを表面に有するシリコン基板を開示し、二酸化シリコン表面にシランカップリング剤を介して酸化グラフェンを結合させている。
このように形成された酸化グラフェンは、シリコン基板とは直接接触しておらず、かつ二酸化シリコンは、導電性に乏しいことから、酸化グラフェンはシリコン基板との間で電子の授受はできないものと推察される。
本発明は、真空装置を必要としない新たな太陽電池に利用可能な光電池を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、塗布法により薄膜を形成できる酸化グラフェンを用いて、従来にない、新たな光電池を提供することを目指して検討を重ねた。その結果、所定の厚さを有する酸化グラフェン層をシリコン基材のシリコン表面に直接設けることで、光誘起電荷分離素子を形成できること、さらに、この光誘起電荷分離素子を用いることで光電池、太陽電池を構成できることを見出して本発明を完成させた。
本発明は以下のとおりである。
[1]
シリコン基材のシリコン表面の少なくとも一部に、厚みが0.3〜100nmの範囲の酸化グラフェン層が直接設けられた光誘起電荷分離素子。
[2]
前記シリコン表面は水素終端された表面である[1]に記載の素子。
[3]
前記酸化グラフェン層は、元素分析による酸素含有量が5〜50質量%の範囲である酸化グラフェンを含有している[1]または[2]に記載の素子。
[4]
前記酸化グラフェン層は、厚みが0.3〜20nmの範囲である[1]〜[3]のいずれかに記載の素子。
[5]
前記シリコン基材が、単結晶、多結晶またはアモルファスシリコンからなる[1]〜[4]のいずれかに記載の素子。
[6]
前記シリコン基材が、n型である[1]〜[5]のいずれかに記載の素子。
[7]
前記シリコン基材が、シリコン製の基板、シリコン層を設けた非シリコン製の基板、またはシリコン製のボールである[1]〜[6]のいずれかに記載の素子。
[8]
前記酸化グラフェン層は、酸素含有量が層内で均一である[1]〜[7]のいずれかに記載の素子。
[9]
前記酸化グラフェン層は、少なくとも一部が、前記シリコン基材と反対側の部分の酸素含有量が、前記シリコン基材側の部分の酸素含有量より低い[1]〜[7]のいずれかに記載の素子。
[10]
シリコン基材のシリコン表面の少なくとも一部に厚みが0.3〜100nmの範囲の酸化グラフェン層を直接形成する工程を含む、光誘起電荷分離素子の製造方法。
[11]
前記酸化グラフェン層の形成工程は、酸化グラフェン含有溶液を前記シリコン基材の表面に塗布し、次いで塗布層から前記溶液に含まれていた溶媒を除去することで実施される、[10]に記載の製造方法。
[12]
前記酸化グラフェン含有溶液の酸化グラフェンは、酸素含有量が5質量%以上である[11]に記載の製造方法。
[13]
前記酸化グラフェン含有溶液の溶媒は、メタノールまたはメタノール水溶液である、[11]または[12]に記載の製造方法。
[14]
前記酸化グラフェン層を減圧下または常圧下で、200℃以下の温度で加熱する工程をさらに含む[10]に記載の製造方法。
[15]
前記酸化グラフェン層の表面の少なくとも一部をプラズマ処理する工程をさらに含む[10]に記載の製造方法。
[16]
前記酸化グラフェン層を還元雰囲気に暴露する工程をさらに含む[10]に記載の製造方法。
[17]
前記還元雰囲気は、還元性ガスを含有するプラズマ状物質の雰囲気である[16]に記載の製造方法。
[18]
前記還元雰囲気は、還元剤を含有する雰囲気である[16]に記載の製造方法。
[19]
前記還元雰囲気は、還元剤及びプラズマ状物質を含有する雰囲気である[16]に記載の製造方法。
[20]
前記還元剤がヒドラジンである[18]〜[19]のいずれかに記載の製造方法。
[21]
前記プラズマ状物質がH2/Arプラズマである[17]に記載の製造方法。
[22]
[1]〜[9]のいずれかに記載の素子を用いた光電池。
[23]
酸化グラフェン層の表面に透明導電性物質被覆層を介して配設された電極を有している、[22]に記載の光電池。
[24]
前記素子の酸化グラフェン層は、少なくとも一部が、シリコン基材と反対側の部分の酸素含有量が、シリコン基材側の部分の酸素含有量より低く、酸素含有量がシリコン基材側の部分より低いシリコン基材と反対側の部分の表面に配設された電極を有している、[23]に記載の光電池。
[25]
太陽電池として用いられる[22]〜[24]のいずれかに記載の光電池。
本発明によれば、優れた光電変換効率を有する光誘起電荷分離素子を提供することができ、この光誘起電荷分離素子を用いることで、光電池、太陽電池を構成できる。本発明の光誘起電荷分離素子は塗布法による薄膜形成により作製できることから、真空装置を必要としない。
AM1.5の白色光照射下における光電流‐電圧特性から変換効率:ηを決定する式の関係を示す。
<光誘起電荷分離素子>
本発明は、光誘起電荷分離素子に関し、本発明の光誘起電荷分離素子は、シリコン基材のシリコン表面の少なくとも一部に、厚みが0.3〜100nmの範囲の酸化グラフェン層が直接設けられた光誘起電荷分離素子である。
本発明で用いるシリコン基材は、所定波長の光の照射によって電荷分離が誘起され得る半導体であるシリコン部分を有する基材であれば、特に制限はない。シリコン基材は、例えば、基材全体がシリコンからなるシリコン製の基板であっても、シリコン以外の部材の表面にシリコン層を有する、シリコン層を設けた非シリコン製の基板であっても良い。さらに、シリコン基材はシリコン製のボールであることもできる。シリコン製の基板としては、例えば単結晶シリコンや多結晶シリコンの塊状結晶から切り出した基板などが利用可能で、シリコン層を設けた非シリコン製の基板としては、例えばガラスや石英などの無機基板、ポリイミド、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂、変性PPE(ポリフェニレン・エーテル)などの樹脂基板にシリコン層を形成した基板が利用可能である。シリコン製のボールとしては、溶融したシリコンを球形化するなどの一般的な方法で製造されたものが利用可能である。シリコン基材を構成するシリコンは、単結晶、多結晶またはアモルファスのいずれのシリコンであることも出来る。さらに、シリコン基材を構成するシリコンは、所定波長の光の照射によって電荷分離が誘起され得る半導体である、という観点からからn型半導体であることが出来る。これらシリコン基材を構成するシリコンとしては、既知の材料をそのまま利用できる。
本発明で用いるシリコン基材は、シリコン表面を有するものであり、このシリコン表面に酸化グラフェン層が直接設けられている。酸化グラフェン層が設けられるシリコン表面は、酸化グラフェン層を設けるための最表面がシリコンであるものを意味し、例えば、シリコン表面は水素終端されたシリコン表面であることができる。水素終端されたシリコン表面を有するシリコン基材は、公知の方法で準備したものであることができる。
本発明の光誘起電荷分離素子においては、酸化グラフェン層は、シリコン基材のシリコン表面の少なくとも一部に設けられる。即ち、酸化グラフェン層は、シリコン基材のシリコン表面の全面に設けられてもよく、またはシリコン基材のシリコン表面の一部に設けられてもよい。酸化グラフェン層の厚みは0.3〜100nmの範囲である。酸化グラフェン層の厚みが0.3nm未満では、光誘起電荷分離素子としての機能が得られず、一方、100nmを超えると酸化グラフェン層による光の吸収量が増大して、シリコン基材への光照射量が減り、光誘起電荷分離素子の性能が低下する。酸化グラフェン層の厚みは、好ましくは0.3〜50nmの範囲、より好ましくは0.3〜40nmの範囲、さらに好ましくは0.3〜20nmの範囲、さらに一層好ましくは0.3〜10nmの範囲である。
本発明における酸化グラフェン層とは、酸化グラフェンを含有する層を意味しているものとし、酸化グラフェンとは、組成変化・構造変化を起こす処理(例えば還元処理など)を行った酸化グラフェンも含めているものとする。組成変化・構造変化を起こす処理としては、酸化グラフェン層を形成する前あるいは酸化グラフェン層を形成した後に行うことができる。酸化グラフェン層を形成する前の処理としては、例えば、酸化グラフェン含有溶液に加熱処理を行う、光照射を行う、還元剤を添加して加熱処理を行うことなどが可能である。酸化グラフェン層を形成した後に行う処理としては、加熱処理、還元雰囲気にさらす処理、光照射、プラズマ処理などが可能である。酸化グラフェン層に特定の機能を持たせるため、バインダーや分散剤、レベリング剤、還元剤などの酸化グラフェン以外の成分を含有させることも可能であるが、光誘起電荷分離素子として性能が低下するため、これらの成分の添加量は好ましくは50質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、さらに一層好ましくは添加しないことである。
酸化グラフェン層の厚みは、原子間力顕微鏡や透過型電子顕微鏡、分光エリプソメトリーなどの一般的な方法により評価することが可能である。
酸化グラフェン層中の酸化グラフェンは水酸基やカルボン酸基などの酸素含有基を有するものであることができ、元素分析による酸素含有量は、例えば、5〜50質量%の範囲であることができる。酸素含有量が5質量%未満では、バンドギャップが狭く光誘起電荷分離素子として性能が得られにくくなる傾向があり、一方50質量%を超えると、酸化グラフェンとしての構造が維持できなくなる傾向がある。但し、これらの範囲に限定される意図ではない。なお、酸素含有量はXPS(X線光電子分光法)やSEM(走査電子顕微鏡)・TEM(透過型電子顕微鏡)と組み合わせたエネルギー分散型X線分析により評価することが可能である。酸化グラフェン層中の酸化グラフェンのうち、酸素含有量が5〜50質量%の範囲となる酸化グラフェンの割合としては、特に制限はないが、好ましくは10質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは90質量%の範囲である。酸素含有量が5〜50質量%の範囲となる酸化グラフェンの割合が10質量%未満であるとシリコン層表面と接する酸化グラフェンの酸素含有量を5〜50質量%の範囲にすることが困難であるという問題がある。酸素含有量が5〜50質量%の範囲とならない酸化グラフェンは、例えば、酸素含有量が5質量%未満の酸化グラフェン及び酸素含有量が50質量%を超える酸化グラフェンであり、酸素含有量が5質量%以上であり、かつ5質量%に近い酸化グラフェンの場合には、酸素含有量が5質量%未満の酸化グラフェンを含む傾向があり、一方で、酸素含有量が50質量%以下であり、かつ50質量%に近い酸化グラフェンの場合には、酸素含有量が50質量%を超える酸化グラフェンを含む傾向がある。
酸化グラフェンは、黒鉛由来のグラフェン構造を残した部分とアモルファス構造部分が形成されているといわれており、アモルファス構造部分の存在によりグラフェンとは異なる機能が発現する。アモルファス構造部分の存在はラマンスペクトルで確認することができ、酸化グラフェンのラマンスペクトルにおけるピークの高さの比HG/HDとして、HG/HD≦100の範囲にあることが好ましく、HG/HD≦10であることがより望ましい。ここで、HGはラマンシフト1650cm-1付近に検出されるG線に由来するピーク(酸化されていない領域由来)の高さを意味し、HDはラマンシフト1350cm-1付近に検出されるD線に由来するピーク(酸化によりグラフェン構造が崩れた領域由来)の高さを意味する。HG/HDの値が100より大きくなるとバンドギャップが狭く光誘起電荷分離素子として性能が得られにくくなる傾向がある。
酸化グラフェン層は、酸素含有量が層内で均一であることができる。酸素含有量を層内で均一にするためには、酸化グラフェン層全体を均一な温度で加熱するなど酸化グラフェン層全体で均一となる還元条件で処理することで実現することができる。例えば、シリコン基材に酸化グラフェン層を形成したものは、酸素含有量が層内で均一である。さらに、シリコン基材に酸化グラフェン層に形成した後に酸化グラフェン層全体を均一に加熱還元したものも、酸素含有量が層内で均一である。光誘起電荷分離素子として高い出力電流を得るためには、酸化グラフェン層とシリコンの界面が重要であるが、酸素含有量が層内で均一となる処理の場合、処理が均一であることから、理想的な界面を形成する条件が得られやすい。
また、酸化グラフェン層は、少なくとも一部が、シリコン基材と反対側の部分の酸素含有量が、シリコン基材側の部分の酸素含有量より低いものであることもできる。酸素含有量を酸化グラフェン層のシリコン基材側とその反対側で変えるためには、酸化グラフェン層全体で均一ではない還元条件で処理することで実現できる。酸化グラフェン層を設けたシリコン基材を、例えば、還元剤雰囲気にさらすこと、あるいはプラズマ処理を行うことなどのように酸化グラフェン層のシリコン基材と反対側から、還元雰囲気にさらすことで、条件によっては、酸化グラフェン層の層内で酸素含有量に分布(濃度勾配)がある酸化グラフェン層を形成することもできる。この場合、シリコン基材側とシリコン基材と反対側で酸化グラフェン層内に異なる機能を実現することができ、シリコン基材側では酸化グラフェン層とシリコンの理想的な界面を実現すると同時にシリコン基材と反対側では、電極として理想的な機能を果たすことが可能となる。例えば、光誘起電荷分離素子として高い出力電流を得るためには、酸化グラフェン層とシリコンの界面が重要であるが、一方で、界面で生じたキャリア(電子・正孔)を有効に電流として取り出すには、キャリアを受け取る電極の導電性は高い方が望ましい。酸化グラフェンは酸素含有量が少なくなるほど導電性が高くなることから、シリコン基材と反対側の部分の酸素含有量が、シリコン基材側の部分の酸素含有量より低いものであることにより、酸化グラフェン層とシリコンの界面で最適な酸素含有量を実現すると同時に、シリコン基材と反対側の部分の導電性を高め、電極としての性能向上が同時に行えるのである。
光誘起電荷分離素子は、物質に光(フォトン)を照射し、吸収した結果生成したキャリア(電子・正孔)の輸送を利用した素子一般を指し、本発明の光誘起電荷分離素子も同様の機能を有する。光誘起電荷分離素子は、光電池、太陽電池、センサー、EL、撮像素子等、入射光により生成した電子・正孔を輸送して出力電流を利用する素子として用いることができる。
<光誘起電荷分離素子の製造方法>
本発明の光誘起電荷分離素子の製造方法は、上記本発明の光誘起電荷分離素子を製造する方法である。本発明の製造方法は、シリコン基材のシリコン表面の少なくとも一部に厚みが0.3〜100nmの範囲の酸化グラフェン層を直接形成する工程を含む。
本発明の製造方法に用いるシリコン基材は、本発明の光誘起電荷分離素子の説明において説明したものと同様のものである。酸化グラフェン層を形成するシリコン表面は、上記のように、最表面がシリコンであるものを用いる。最表面がシリコンであるものは、例えば、シリコン表面は水素終端されたシリコン表面であることができる。水素終端されたシリコン表面を有するシリコン基材は、公知の方法で準備したものであることができる。
酸化グラフェン層の形成方法は、特に限定はないが、例えば、酸化グラフェン含有溶液をシリコン基材の表面に塗布し、次いで塗布層から前記溶液に含まれていた溶媒を除去することで実施することができる。
酸化グラフェン含有溶液に含有される酸化グラフェンは黒鉛を特定の方法で酸化することにより製造される黒鉛の層間化合物である。酸化グラフェンを得るための黒鉛の酸化法としては、公知のBrodie法(硝酸、塩素酸カリウムを使用)、Staudenmaier法(硝酸、硫酸、塩素酸カリウムを使用)、Hummers−Offeman法(硫酸、硝酸ナトリウム、過マンガン酸カリウムを使用)などが利用できる。これらのうち、特に酸化が進行するのはHummers−Offeman法(W.S.Hummers et al.,J.Am.Chem.Soc.,80,1339(1958);米国特許No.2798878(1957))であり、本発明でもこの酸化方法が特に推奨される。なお、層数が多い酸化グラフェンは通常酸化黒鉛と呼ばれるが、本発明では層数が多い場合も含めて酸化グラフェンと呼ぶことにする。
酸化グラフェンを層状に剥離し、層数の少ない酸化グラフェンを得るためには、例えば酸化グラフェンの精製を十分行えばよい。精製操作には、デカンテーション、濾過、遠心分離、透析、イオン交換などの公知の手段を用いればよい。精製時において、多層構造の分離は自発的に生じるが、これに加えて、振とうなどの撹拌操作やせん断力などの物理力を加えると分離がさらに促進されるので望ましい。超音波照射も利用可能であるが、層の分離と共に各層の基本構造が破壊されてアスペクト比が小さくなる傾向がある。
以上の方法により、酸化グラフェン含有溶液を作製することができる。この酸化グラフェン含有溶液には、バインダー、レベリング剤、分散剤、還元剤などの成分を添加してもよい。
酸化グラフェン含有溶液中の酸化グラフェンの酸素含有量としては、5質量%以上であることが好ましく10質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。酸素含有量が5質量%未満になると、酸化黒鉛からの層分離が困難になる。また、酸素含有量が30質量%以上であれば、酸化黒鉛からの層分離が容易になる。十分に酸化された状態として酸素含有量の上限は一般に50質量%程度までである。酸化グラフェン含有溶液中の酸化グラフェンの酸素含有量は、40℃で真空乾燥させた酸化グラフェンについて、前記のようにXPS(X線光電子分光法)等により評価することができる。
酸化グラフェン含有溶液中の酸化グラフェン粒子の厚みはできるだけ薄いものほど、薄い酸化グラフェン層を形成できるため望ましい。そこで、酸化グラフェン粒子の厚みとしては、5nm以下の厚みの酸化グラフェン粒子を60%以上含有しているものが好ましく、1.5nm以下の厚みの酸化グラフェン粒子を60%以上含有するものであるとさらに好ましい。厚みの評価は原子間力顕微鏡を用いて次のような方法で行うことができる。希釈した酸化グラフェン粒子の水分散液を基板(マイカ)の上に滴下し、原子間力顕微鏡により重なりのない孤立した粒子を見つけ、原子間力顕微鏡で測定される基板と孤立粒子の高さの差が粒子の厚みとなる。粒子にしわが形成されている場合、しわの部分は厚さを反映していないので、しわのない部分と基板との高さの差で厚みを評価するようにする。吸着水の影響もあるため、厚みが1.5nm以下は酸化グラフェンの層数が1層と考えられる。一定厚み以下の酸化グラフェンの含有割合は、30個の粒子について厚みを測定し、30個中の一定厚み以下の酸化グラフェンの割合で算出することとする。
酸化グラフェン含有溶液はシリコン表面に塗布し、均一な厚みの塗膜を形成できるものであることが、均一な厚みの酸化グラフェン層を形成するという観点から適当である。そのような観点から、酸化グラフェン含有溶液は、溶媒としては、例えば、メタノールまたはメタノールと水の混合溶液を用いることができる。溶媒をメタノールまたはメタノールと水の混合溶液とする酸化グラフェン含有溶液は、例えば、特開2002-53313号公報に記載されており、この公報を参照して適宜調製できる。酸化グラフェン含有溶液における酸化グラフェンの含有量は、特に制限はなく、酸化グラフェンの種類、溶媒の種類、塗布方法および塗布層の所望の厚み等を考慮して適宜決定できる。
酸化グラフェン含有溶液をシリコン基材の表面に塗布する方法は、特に制限はなく、例えば、スピンコート法、バーコータ法、ロールコータ法、スプレーコート法等を挙げることができる。塗布条件は、塗布方法に応じて、酸化グラフェン含有溶液の酸化グラフェン含有量や最終的な酸化グラフェン層の所望の膜厚を考慮して、適宜決定できる。
酸化グラフェン含有溶液をシリコン基材の表面に塗布した後、塗布層から溶媒を除去することで、酸化グラフェン層を形成することができる。塗布層からの溶媒の除去は、溶媒の種類に応じて適宜決定することができ、例えば、減圧下または常圧下で、加熱することで、実施することができる。
本発明の製造方法は、形成された酸化グラフェン層は、減圧下または常圧下で、200℃以下の温度で加熱する工程をさらに含むことができる。この工程における加熱により、酸化グラフェン層に溶媒が残存する場合には、溶媒が除去されることもあるが、それ以外に、酸化グラフェン層を構成する酸化グラフェンの酸素含有基を脱離させて、酸化グラフェン層の酸素含有量を原料として用いた酸化グラフェンに比べて低下させることもできる。上記における減圧条件は、例えば、0.1Torr以下であることができる。
本発明の製造方法は、酸化グラフェン層の表面の少なくとも一部をプラズマ処理する工程をさらに含むこともできる。プラズマ処理とは不活性ガス雰囲気下で放電することにより、前記不活性ガスの電離作用によって生じるプラズマを基材層の少なくとも一方の面上に照射し、該基材層の面上をエッチング、濡れ性の向上および官能基の導入などの効果を付与する処理である。上記プラズマ処理は大気圧プラズマ処理および真空プラズマ処理などが挙げられる。特に、真空装置が不要で生産性が高いことから大気圧プラズマ処理がより好ましい。プラズマに使用するガスは特に限定されないが、アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス、二酸化炭素ガス、空気、水素ガス、メタン等の炭化水素系ガス、一酸化炭素、アンモニア等から選ばれる1つないし複数のガスが挙げられる。プラズマ処理した酸化グラフェン層は、酸化グラフェンの酸素含有基を脱離させて、酸化グラフェン層の酸素含有量を原料として用いた酸化グラフェンに比べて低下させることもでき、酸化グラフェン層のシリコン基材と反対側の部分の酸素含有量が、シリコン基材側の部分の酸素含有量より低くすることも可能である。
本発明の製造方法は、酸化グラフェン層を還元雰囲気に暴露する工程をさらに含むこともできる。還元雰囲気は、還元剤を含有する雰囲気あるいは還元性ガスを含有するプラズマ状物質の雰囲気であることができる。還元剤としては、例えば、ヒドラジンを挙げることかできる。還元性ガスとしては、水素、メタン等の炭化水素系ガス、一酸化炭素、アンモニアなどを挙げることができる。還元性ガスを含有するプラズマ状物質としては、例えば、H2/Arプラズマ、CH4/Arプラズマ、CO/Arプラズマ、NH3/Arプラズマ等を挙げることができる。還元雰囲気に酸化グラフェン層を暴露すると、酸化グラフェン層を構成する酸化グラフェンの一部が還元されて、酸化グラフェン層の酸素含有量を原料として用いた酸化グラフェンに比べて低下させることもできる。
また、前記還元雰囲気は、還元剤及びプラズマ状物質を含有する雰囲気であることもできる。還元剤としては、例えば、ヒドラジンを挙げることができる。プラズマ状物質としては、還元性ガスを含有するプラズマ状物質であっても、還元性ガスを含有していないプラズマ状物質であってもよい。例えば、Arプラズマ、N2プラズマ、Heプラズマ、H2/Arプラズマ、CH4/Arプラズマ、CO/Arプラズマ、NH3/Arプラズマ等を挙げることができる。還元剤及びプラズマ状物質を含有する雰囲気に酸化グラフェン層を暴露すると、酸化グラフェン層を構成する酸化グラフェンの一部が還元されて、酸化グラフェン層の酸素含有量を原料として用いた酸化グラフェンに比べて低下させることもできる。
<光電池>
本発明は、上記本発明の光誘起電荷分離素子を用いた光電池を包含する。本発明の光電池は、本発明の光誘起電荷分離素子に加えて、少なくとも光誘起電荷分離素子から、電流を取り出すための電極を有することができる。電極は、シリコン基材のシリコン部分と酸化グラフェン層のそれぞれに接続したものである。電極の酸化グラフェン層への接続は、直接であることもできるし、透明電導性物質を介して行うこともできる。電極は、導電性が高いものであれば特に制限はないが、例えば、金、銀、白金、アルミ等の金属および銀などの金属ペースト、カーボンペースト等を使用することができ、スパッタ、真空蒸着、スクリーン印刷等で作製することができる。光の入射側に配設される電極は光の入射を必要以上に妨げないように配設することが好ましい。透明電導性物質は、光透過率が高いものであれば特に制限はないが、例えば、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリアズレン、ポリイソチアナフテン、ポリカルバゾール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリフェニルアセチレン、ポリジアセチレン及びポリナフタレンの各誘導体などの導電性高分子、ITO、インジウム亜鉛酸化物(IZO),酸化錫、酸化亜鉛等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、銀ナノワイヤー、グラフェン、カーボンナノチューブ等を挙げることかできる。光透過率としては、透明導電性物資の全光線透過率として、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。全光線透過率が80%未満であると光誘起電荷分離素子に届く光が少なく、十分な発電効率が得られないという問題がある。酸化グラフェン層は、その表面に透明導電性物質被覆層を介して配設された電極を有することができる。
本発明の光電池において、前記素子の酸化グラフェン層は、少なくとも一部が、シリコン基材と反対側の部分の酸素含有量が、シリコン基材側の部分の酸素含有量より低く、酸素含有量がシリコン基材側の部分より低いシリコン基材と反対側の部分の表面に配設された電極を有しているものであることができる。このような構成を採用することで、シリコン基材と反対側部分の酸化グラフェンが透明導電性物質層として機能することにより透明導電性物質層を省略できるという利点がある。
本発明の光電池は、太陽電池として用いられる。本発明の光電池は、太陽光以外の光によっても起電力を示し、例えば、室内灯などの光によっても電池として利用できる。また、本発明の光電池は、太陽光を起電力源とする太陽電池として用いられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(酸化グラフェンの合成例)
天然黒鉛SNO−3(純度99.97質量%以上)10gを、硝酸ナトリウム(純度99%)7.5g、硫酸(純度96%)621g、過マンガン酸カリウム(純度99%)45gからなる混合液中に入れ、約20℃で5日間、緩やかに撹拌しながら放置した。得られた高粘度の液を、5質量%硫酸水溶液1000cmに約1時間で撹拌しながら加えて、さらに2時間撹拌した。得られた液に過酸化水素(30質量%水溶液)30gを加えて、2時間撹拌した。
この液を、水により十分精製することで、平板状の酸化グラフェンの水分散液を得た。液の一部を40℃で真空乾燥させ、乾燥前後の質量変化を測定した結果から、液中の酸化グラフェンの固形分濃度は1.3質量%と算出された。また、40℃で真空乾燥させた酸化グラフェンのXPS分析で、酸素は42質量%であった。液の一部を水で希釈してからマイカの上で乾燥させ、原子間力顕微鏡を使って酸化グラフェンの厚みを評価したところ、30個の粒子で確認された厚みは1.1nm,2.2nm,0.8nm,0.9nm,1.7nm,1.5nm,1.1nm,1.8nm,0.9nm,1.0nm,1.6nm,2.2nm,1.1nm,1.0nm,1.3nm,0.9nm,0.9nm,1.2nm,1.9nm,1.4nm,1.7nm,1.8nm,1.0nm,1.3nm,1.1nm,0.8nm,2.0nm,1.4nm,1.8nm,1.3nmであり、1.5nm以下の厚みの酸化グラフェン粒子が20個で67%、5nm以下の厚みの酸化グラフェンは30個で100%と、いずれも全体の60%以上含有していた。30個の粒子で確認された粒子径(最大径(外側輪郭線上の任意の2点を、その間の長さが最大になるように選んだ時の長さ))は、2.0μm,4.3μm,5.4μm,2.5μm,1.0μm,6.8μm,10.5μm,2.3μm,4.4μm,1.4μm,4.1μm,1.6μm,1.5μm,2.1μm,1.2μm,1.6μm,1.1μm,1.0μm,1.4μm,1.7μm,2.9μm,4.4μm,2.9μm,1.9μm,1.2μm,1.8μm,2.6μm,6.8μm,1.8μm,6.0μmであり、平均の粒子径は3μmであった。上記の1.3質量%酸化グラフェン水分散液を1.0質量%に濃度調整した分散液を以下、「分散液A」と呼ぶ。
(シリコン基板の前処理)
単結晶シリコン(N型Si(100)3-5Ω・cm)基板(縦2cm x横 2cm x厚み 0.3mm)を1%フッ酸に5分間浸漬し、蒸留水による洗浄と乾燥を行った。続いて、単結晶シリコン基板の裏面に裏面電極としてアルミを真空蒸着した。このようにして作製した基板を基板Aと呼ぶ。なお、裏面電極と反対の面をおもて面と呼ぶことにする。
(酸化グラフェン層の膜厚の測定法)
分光エリプソメトリー(偏光解析)により、以下の方法で酸化グラフェン層の膜厚を測定した。分光エリプソメトリー(偏光解析)では、直線偏光を試料斜めに入射した際の反射光(一般には楕円偏光)のエネルギー分散(スペクトル)を解析することで膜の光学定数(屈折率、吸収係数、膜厚)を決定できる。機器としてJobin Yvon社製のUVICELを用いて、入射角70°で測定した。解析はTauc-Lorentzモデルおよび有効媒質近似を用いて計算結果と測定結果の標準偏差が最小になるまで計算をおこなった。最小になった膜厚、光学定数を酸化グラフェン層のバルク成分の光学定数、膜厚として定義した。
(太陽電池の性能評価法)
AM1.5の白色光照射下(シリコン基板のおもて面側から照射)における光電流‐電圧特性から、開放電圧、短絡電流、変換効率を測定した。変換効率:ηは、上記AM1.5の白色光照射下における光電流‐電圧特性から図1に示す式の関係にしたがって決定した。
実施例1
分散液Aにメタノールを添加し、0.01質量%の酸化グラフェン分散液を作製した。作製した分散液を基板Aのおもて面に回転速度1000rpmの条件でスピンコートし、30秒放置した。再度3000rpmで回転し、基板Aのおもて面に一様な酸化グラフェン塗布膜を得た。次に、真空中(0.1Torr)でホットプレートにより120℃、30分加熱処理を行った。このときの酸化グラフェン層の膜厚は16nmであった。酸化グラフェン塗布膜表面を親水性にするため、アルゴン大気圧プラズマ照射(出力5W)を3分間行った後、導電性PEDOT:PSS膜(5%DMSO添加PEDOT:PSS CLEVIOS社製)をドロップキャスト法で成膜した。PEDOT:PSS膜上部に銀ペーストで電極を作製し、太陽電池の性能評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例2
分散液Aにメタノールを添加し、0.5質量%の酸化グラフェン分散液を作製した。作製した分散液を基板Aのおもて面に回転速度1000rpmの条件でスピンコートし、30秒放置した。再度3000rpmで回転し、基板Aのおもて面に一様な酸化グラフェン塗布膜を得た。次に、真空中(0.1Torr)でホットプレートにより120℃、30分加熱処理を行った。このときの酸化グラフェン層の膜厚は20nmであった。酸化グラフェン塗布膜表面を親水性にするため、アルゴン大気圧プラズマ照射(出力5W)を3分間行った後、導電性PEDOT:PSS膜(5%DMSO添加PEDOT:PSS CLEVIOS社製)をドロップキャスト法で成膜した。PEDOT:PSS膜上部に銀ペーストで電極を作製し、太陽電池の性能評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例3
分散液Aにメタノールを添加し、0.01質量%の酸化グラフェン分散液を作製した。作製した分散液を基板Aのおもて面に回転速度1000rpmの条件でスピンコートし、30秒放置した。再度3000rpmで回転し、基板Aのおもて面に一様な酸化グラフェン塗布膜を得た。次に、真空中(0.1Torr)でホットプレートにより200℃、30分加熱処理を行った後、ヒドラジン(NH2NH2)ガス雰囲気で80℃、20分間加熱することで酸化グラフェンを還元した。このときの酸化グラフェン層の膜厚は6nmであった。酸化グラフェン塗布膜表面を親水性にするため、アルゴン大気圧プラズマ照射(出力5W)を3分間行った後、導電性PEDOT:PSS膜(5%DMSO添加PEDOT:PSS CLEVIOS社製)を回転速度3000rpmでスピンコートした。PEDOT:PSS膜上部に銀ペーストで電極を作製し、太陽電池の性能評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例4
導電性PEDOT:PSS膜をドロップキャストで成膜した以外は実施例3と同様にして、太陽電池基板を作製した。太陽電池の性能評価を行った結果を表1に示した。
実施例5
分散液Aにメタノールを添加し、0.5質量%の酸化グラフェン分散液を作製した。作製した分散液を基板Aのおもて面に回転速度1000rpmの条件でスピンコートし、30秒放置した。再度3000rpmで回転し、基板Aのおもて面に一様な酸化グラフェン塗布膜を得た。次に、真空中(0.1Torr)でホットプレートにより200℃、30分加熱処理を行った後、ヒドラジン(NH2NH2)ガス雰囲気で80℃、20分間加熱することで酸化グラフェンを還元した。このときの酸化グラフェン層の膜厚は8nmであった。酸化グラフェン塗布膜表面を親水性にするため、アルゴン大気圧プラズマ照射(出力5W)を3分間行った後、導電性PEDOT:PSS膜(5%DMSO添加PEDOT:PSS CLEVIOS社製)を回転速度3000rpmでスピンコートした。PEDOT:PSS膜上部に銀ペーストで電極を作製し、太陽電池の性能評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例6
導電性PEDOT:PSS膜(5%DMSO添加PEDOT:PSS CLEVIOS社製)をドロップキャストで成膜した以外は実施例5と同様にして、太陽電池基板を作製した。太陽電池の性能評価を行った結果を表1に示した。
実施例7
分散液Aにメタノールを添加し、0.5質量%の酸化グラフェン分散液を作製した。作製した分散液を基板Aのおもて面に回転速度1000rpmの条件でスピンコートし、30秒放置した。再度3000rpmで回転し基板Aのおもて面に一様な酸化グラフェン塗布膜を得た。次に、真空中(0.1Torr)でホットプレートにより200℃、30分加熱処理を行った後、ヒドラジン(NH2NH2)ガス雰囲気で80℃、20分間加熱することで酸化グラフェンを還元した。続いて、アルゴン大気圧プラズマ照射(出力10W)を流量0.5SLMで2分間行った。このときの酸化グラフェン層の膜厚は7nmであった。最後に銀ペーストで電極を作製し、太陽電池の性能評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例8
アルゴン大気圧プラズマ照射(出力10W)を水素/アルゴン大気圧プラズマ照射(水素はアルゴンに対して2質量%で流量は0.5SLM)に変えた以外は実施例7と同様にして太陽電池基板を作製した。プラズマ照射後の酸化グラフェン層の膜厚は7nmであった。太陽電池の性能評価を行った結果を表1に示した。
実施例9
アルゴン大気圧プラズマ照射(出力10W)をヒドラジン/アルゴン大気圧プラズマ照射(ヒドラジン蒸気下で流量が0.5SLMのアルゴンプラズマ処理)に変えた以外は実施例7と同様にして太陽電池基板を作製した。プラズマ照射後の酸化グラフェン層の膜厚は7nmであった。太陽電池の性能評価を行った結果を表1に示した。
比較例1
基板Aのおもて面に導電性PEDOT:PSS膜(5%DMSO添加PEDOT:PSS CLEVIOS社製)を回転速度3000rpmでスピンコートした。PEDOT:PSS膜上部に銀ペーストで電極を作製し、太陽電池の性能評価を行った。評価結果を表1に示した。
比較例2
基板Aのおもて面に導電性PEDOT:PSS膜(5%DMSO添加PEDOT:PSS CLEVIOS社製)をドロップキャスト法で成膜した。PEDOT:PSS膜上部に銀ペーストで電極を作製し、太陽電池の性能評価を行った。評価結果を表1に示した。
本発明は、太陽電池を初めとする種々の光誘起電荷分離を利用する素子に適用することができる。

Claims (25)

  1. シリコン基材のシリコン表面の少なくとも一部に、厚みが0.3〜100nmの範囲の酸化グラフェン層が直接設けられた光誘起電荷分離素子。
  2. 前記シリコン表面は水素終端された表面である請求項1に記載の素子。
  3. 前記酸化グラフェン層は、元素分析による酸素含有量が5〜50質量%の範囲である酸化グラフェンを含有している請求項1または2に記載の素子。
  4. 前記酸化グラフェン層は、厚みが0.3〜20nmの範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の素子。
  5. 前記シリコン基材が、単結晶、多結晶またはアモルファスシリコンからなる請求項1〜4のいずれかに記載の素子。
  6. 前記シリコン基材が、n型である請求項1〜5のいずれかに記載の素子。
  7. 前記シリコン基材が、シリコン製の基板、シリコン層を設けた非シリコン製の基板、またはシリコン製のボールである請求項1〜6のいずれかに記載の素子。
  8. 前記酸化グラフェン層は、酸素含有量が層内で均一である請求項1〜7のいずれかに記載の素子。
  9. 前記酸化グラフェン層は、少なくとも一部が、前記シリコン基材と反対側の部分の酸素含有量が、前記シリコン基材側の部分の酸素含有量より低い請求項1〜7のいずれかに記載の素子。
  10. シリコン基材のシリコン表面の少なくとも一部に厚みが0.3〜100nmの範囲の酸化グラフェン層を直接形成する工程を含む、光誘起電荷分離素子の製造方法。
  11. 前記酸化グラフェン層の形成工程は、酸化グラフェン含有溶液を前記シリコン基材の表面に塗布し、次いで塗布層から前記溶液に含まれていた溶媒を除去することで実施される、請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記酸化グラフェン含有溶液の酸化グラフェンは、酸素含有量が5質量%以上である請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記酸化グラフェン含有溶液の溶媒は、メタノールまたはメタノール水溶液である、請求項11または12に記載の製造方法。
  14. 前記酸化グラフェン層を減圧下または常圧下で、200℃以下の温度で加熱する工程をさらに含む請求項10に記載の製造方法。
  15. 前記酸化グラフェン層の表面の少なくとも一部をプラズマ処理する工程をさらに含む請求項10に記載の製造方法。
  16. 前記酸化グラフェン層を還元雰囲気に暴露する工程をさらに含む請求項10に記載の製造方法。
  17. 前記還元雰囲気は、還元性ガスを含有するプラズマ状物質の雰囲気である請求項16に記載の製造方法。
  18. 前記還元雰囲気は、還元剤を含有する雰囲気である請求項16に記載の製造方法。
  19. 前記還元雰囲気は、還元剤及びプラズマ状物質を含有する雰囲気である請求項16に記載の製造方法。
  20. 前記還元剤がヒドラジンである請求項18〜19のいずれかに記載の製造方法。
  21. 前記プラズマ状物質がH2/Arプラズマである請求項17に記載の製造方法。
  22. 請求項1〜9のいずれかに記載の素子を用いた光電池。
  23. 酸化グラフェン層の表面に透明導電性物質被覆層を介して配設された電極を有している、請求項22に記載の光電池。
  24. 前記素子の酸化グラフェン層は、少なくとも一部が、シリコン基材と反対側の部分の酸素含有量が、シリコン基材側の部分の酸素含有量より低く、酸素含有量がシリコン基材側の部分より低いシリコン基材と反対側の部分の表面に配設された電極を有している、請求項23に記載の光電池。
  25. 太陽電池として用いられる請求項22〜24のいずれかに記載の光電池。
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