JP2013003445A - 移動装置、撮影レンズおよび撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動装置の駆動効率を向上させる。
【解決手段】移動装置であって、移動体と、移動体を移動させるリニアモータと、リニアモータを駆動する駆動制御部と、移動体に接触して移動体の移動を妨げる摺動抵抗力を発揮する摺動抵抗部とを備える移動装置であって、摺動抵抗力は、駆動制御部がリニアモータを駆動する場合の単位時間当たりの加速制御時間の割合である駆動デュティに基づいて決定される。上記移動装置において、摺動抵抗力であるF(N)は、駆動デュティをD(%)、重力加速度をG(m/s2)、移動体の質量をM(kg)としたときに、F=(1−0.02D)MG(ただし、D<50)により決定されてもよい。
【選択図】図4
【解決手段】移動装置であって、移動体と、移動体を移動させるリニアモータと、リニアモータを駆動する駆動制御部と、移動体に接触して移動体の移動を妨げる摺動抵抗力を発揮する摺動抵抗部とを備える移動装置であって、摺動抵抗力は、駆動制御部がリニアモータを駆動する場合の単位時間当たりの加速制御時間の割合である駆動デュティに基づいて決定される。上記移動装置において、摺動抵抗力であるF(N)は、駆動デュティをD(%)、重力加速度をG(m/s2)、移動体の質量をM(kg)としたときに、F=(1−0.02D)MG(ただし、D<50)により決定されてもよい。
【選択図】図4
Description
本発明は、移動装置、撮影レンズおよび撮像装置に関する。
レンズの移動装置として、マグネットおよびコイルを有するアクチュエータを備えた撮像装置がある(特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2004−191453号公報
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2004−191453号公報
電磁力を利用して可動子を移動させるアクチュエータは、ある静止位置に可動子を保持する場合にも電力を消費する。このため、可動子の移動に対する抵抗を徒に減らしても、アクチュエータの動作全般の効率が改善されるとは限らない。
上記課題を解決すべく、本発明の第一態様として、移動体と、移動体を移動させるリニアモータと、リニアモータを駆動する駆動制御部と、移動体に接触して移動体の移動を妨げる摺動抵抗力を発揮する摺動抵抗部とを備える移動装置であって、摺動抵抗力は、駆動制御部がリニアモータを駆動する場合の単位時間当たりの加速制御時間の割合である駆動デュティに基づいて決定される移動装置が提供される。
また、本発明の第二態様として、上記移動装置を備える撮影レンズが提供される。更に、本発明の第三態様として、上記移動装置を備える撮像装置が提供される。
上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。これら特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、アクチュエータ100の斜視図である。アクチュエータ100は、機器に対して固定される固定子200と、固定子200に対して移動する可動子300とを備える。
固定子200は、基盤210、支持部220、ガイドバー230および駆動部248を有する。基盤210は長方形であり、その長手方向と平行に、後述する可動子300の位置を検出する場合に用いる位置センサ212が配される。また、基盤210の一端には、アクチュエータ100全体の重力方向に対する傾きを検出する姿勢センサ214が配される。
支持部220は、基盤210の長手方向両端から、互いに平行に、垂直に立ち上がる。支持部220は、後述するレンズ310に対する入射光および出射光を通過させる開口222をそれぞれ有する。一対の支持部220の各々において、互いに対向する面の開口222周囲に、レンズ枠ストッパ224、ガイドバー230、駆動部248の各端部が支持される。
一対のガイドバー230は、それぞれ両端において支持部220に対して固定される。これにより、ガイドバー230は、互いに平行に、また、基盤210に対してそれぞれ平行に配される。
レンズ枠ストッパ224は、支持部220の互いに対向する面から、ガイドバー230と平行に、他方の支持部220に向かって突出する。レンズ枠ストッパ224の先端に当接することにより、後述するレンズ枠320の移動範囲の一端が規定される。
駆動部248は、開口222に対して対称な位置に、互いに対向して配される。一対の駆動部248は、それぞれ両端において支持部220に対して固定される。
可動子300は、レンズ310、レンズ枠320、被駆動部カバー330を有する。レンズ枠320は、一対の開口222の間でレンズ310を保持する。
レンズ枠320は、その外周の一部に被案内部322を装着されている。被案内部322は、ガイドバー230を挿通される丸穴321を有する。丸穴321は、ガイドバー230の外径と略同じ形状と寸法を有する。これにより、レンズ310、レンズ枠320および被案内部322は、ガイドバー230の長手方向に摺動可能に、ガイドバー230から支持される。
なお、レンズ枠320の側部には、被案内部322に代えて、一対の被駆動部328が配される。しかしながら、図示の状態では、被駆動部328は、被駆動部カバー330により覆われている。そこで、被駆動部328については他の図を参照して説明する。
図2は、アクチュエータ100における固定子200における駆動部248と、可動子300における被駆動部328の水平断面図である。図2には、図1における片側の駆動部248および被駆動部328を、アクチュエータ100の高さ方向中程で水平な面により切った様子が描かれる。図2において、図1と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
固定子200においては、略全長にわたって長手方向に配された複数の駆動コイル244が一定の配列ピッチP2で配されることで駆動部248を形成する。複数の駆動コイル244は、互いに同じ大きさおよび巻き数を有する。
可動子300においては、駆動コイル244の配列方向と平行な方向に配列された複数の永久磁石340が被駆動部328を形成する。永久磁石340は、駆動部248の長手方向について互いに等しい幅を有して、一定の磁極ピッチP1を有する磁気パターンが着磁されている。また、着磁以外でも単独磁石の貼り合わせで形成しても構わない。
駆動コイル244および永久磁石340は、一定の間隔をおいて互いに対向する。ここで図2のような磁石とコイルの配列では永久磁石340の同極間の磁極ピッチP1は、駆動コイル244の配列ピッチP2よりも大きい。
図3は、図2に示した駆動部248および被駆動部328の模式的側面図である。図3において、図1および図2と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
駆動部248において、駆動コイル244の各々は、紙面に垂直な芯の回りに巻かれている。これにより、駆動コイル244の各々に駆動電流が流された場合、駆動コイル244の各々の内側と外側とを循環する磁束が生じて磁界が形成される。駆動コイル244により生じた磁界は、特定の磁気パターンを有する永久磁石340と相互作用により、可動子300を移動させる駆動力を発生する。
図4は、アクチュエータ100を、長手方向と直交する面により切った垂直断面図である。図1から図3までと共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
同図に示す断面においては、ヨーク342を備えた永久磁石340が、駆動コイル244と対向していることが判る。また、レンズ枠320の外周下側に配された被案内部322の構造が現れる。即ち、下側の被案内部322の下面には位置指標324が配される。位置指標324は、基盤210の上面に配された位置センサ212に対向しつつ、可動子300と共に、紙面に垂直な方向に移動する。
なお、位置指標324は、例えば磁化された磁性体により形成できる。また、位置センサ212は、基盤210の長手方向に配された複数のホール素子を有するホール素子アレイにより形成できる。更に、位置指標324をリニアスケールとし、位置センサ212をリニアエンコーダとすることもできる。
また、図4に示す断面においては、被案内部322の角穴323に、下側のガイドバー230が挿通されていることが判る。更に、角穴323の一面は、圧電材料により摺動抵抗発生部350を形成する。即ち、摺動抵抗発生部350は、印加された制御電圧により幅および厚さを変化させる。これにより、角穴323の内側の幅が変化し、角穴323に挿通されたガイドバー230の側面にかかる圧力が変化する。
こうして、摺動抵抗発生部350は、印加された駆動電圧の大きさに応じて、ガイドバー230と角穴323との間で発生する摺動抵抗を変化させることができる。事前に摺動抵抗発生部350の駆動電圧と対応する摺動抵抗の関係を測定してテーブル化すれば、摺動抵抗をコントロールできる。このように、アクチュエータ100は、レンズ枠320、被案内部322および被駆動部328を含む組立体に接触して、可動子300が移動する場合に生じる摺動抵抗力を発揮し、更にそれを変化させる摺動抵抗調整機構を備える。
図5は、アクチュエータ100の電気的構造を示すブロック図である。アクチュエータ100は、位置算出部410、演算部420、三相指令発生部430、摺動抵抗指令発生部440および姿勢算出部450を含む駆動制御部400を備える。
位置算出部410は、位置指標324の移動に伴って位置センサ212が検出したパルス信号から可動子300の位置を算出する。姿勢算出部450は、姿勢センサ214が検出したアクチュエータ100の傾きに基づいて、ガイドバー230が水平面に対してなす仰角θを算出する。
演算部420は、可動子300の目標位置を入力された場合に、位置算出部410が算出した可動子300の位置を参照しつつ、可動子300の目標位置までの距離および方向に応じた駆動量を決定する。また、演算部420は、姿勢算出部450の算出した仰角θを参照して、摺動抵抗発生部350において発生する摺動抵抗力Fの大きさを決定する。
摺動抵抗指令発生部440は、演算部420から指示された摺動抵抗力Fの大きさに見合った駆動電圧を摺動抵抗発生部350に印加する。これにより、摺動抵抗発生部350はガイドバー230を挟む間隔を変化させ、可動子300およびガイドバー230の間で発生する摺動抵抗力を変化させる。
三相指令発生部430は、演算部420から指示された駆動量に従って、駆動コイル244に供給する、U相、V相およびW相の三相指令を発生する。三相指令発生部430から出力された三相指令は、駆動電流に増幅されて駆動コイル244に供給される。複数の駆動コイル244は、個別に巻かれた上で、U相、V相およびW相の三相に結線される。
なお、図示の例では、U相、V相およびW相の三相が3組示されるが、三相あるいは3組に限られないことはいうまでもない。また、駆動コイル244の結線も三相結線に限られるわけではなく、3相以上または2相の結線でもよい。更に、駆動コイル244の各々には、電流制御をする目的、または、過電流を検出する目的で、電流検出抵抗245を設けてもよい。
図6は、三相指令発生部430が駆動コイル244に駆動力を発生させる駆動電流の波形を示すグラフである。図示のように、三相指令発生部430は、駆動コイル244に対して、U相、V相およびW相の三相の駆動電流を供給する。各相の駆動電流は正弦波状に周期的に変化する。このような駆動電流の位相は、位置算出部410が算出した可動子300の位置に対応する。
また、各相の駆動電流は、相互に1/3周期ずつ位相がずれている。これにより、可動子300の永久磁石340は、可動子300の進行方向について先行する駆動コイル244の発生する磁界と引き付け合い、且つ、進行方向について後方の駆動コイル244と反発し合う。よって、駆動コイル244の配列された平面に沿って可動子300をガイドバー230の軸方向に移動させる軸方向推力が発生する。なお、駆動電流の極性を反転させることにより、可動子300の移動方向を反転させることもできる。
図7は、アクチュエータ100における可動子300の移動速度と駆動電流を示すグラフである。上段の曲線は、可動子300が目標位置に向かって移動する場合の速度の変化を示す。
図示のように、可動子300は駆動制御部400の制御の下に当初加速し、次いで最大速度を維持して定速走行し、最後に減速して停止する。また、図の前半と後半とに示すように、可動子300は、ガイドバー230に沿って相反する方向に移動し得る。
ここで、可動子300が移動を開始して加速する期間を加速期間Ta、可動子300が最大速度を維持しつつ移動する期間を定速走行期間Tv、可動子300が減速する期間をTd、可動子300が次の移動を開始するまでの期間を待機期間Twとする。また、可動子300が移動を開始してから停止し、次の移動を開始するまでの時間(Ta+Tv+Td+Tw)を単位時間TTとする。なお、説明の便宜のために、加速と減速は対称的であり、加速期間Taおよび減速期間Tdにおける加速度の絶対値は等しいものとする。
更に、可動子300に対して加速度が作用している期間(Ta+Tv+Td)を加速制御時間TAとし、単位時間TTに対する加速制御時間TAの割合を駆動デュティDと呼ぶ。また、単位時間TTに対する加速期間Taおよび減速時間Tdの割合を加減速比率pと呼び、単位時間TTに対する定速走行期間Tvの割合を定速走行比率qと呼ぶ。
なお、アクチュエータ100は、定速走行している可動子300に対しても、可動子300に対する摺動抵抗Fに見合った軸方向推力を作用させている。よって、定速走行期間Tvも加速制御時間TAに算入される。また、可動子300の移動距離が短い場合は、定速走行期間Tvがなく、加速期間Taおよび減速時間Tdの合計が加速制御時間TAになる場合もある。
図7下段のグラフは、アクチュエータ100に供給される駆動電流の変化を示す。ここに示す電流のプロファイルは、アクチュエータ100の仰角θが零の場合、即ち、アクチュエータ100が水平で、上段に示した速度プロファイルで、可動子300を水平に移動させる場合に駆動コイル244に供給する駆動電流の変化を示す。
図示のように、アクチュエータ100が水平の場合、可動子300の移動方向にかかわらず、加速期間Taには、移動方向の軸方向推力Fmを発生させる加速電流aが駆動コイル244に供給される。また、減速期間Tdにも、加速電流aが供給される。ただし、減速期間Tdに供給される加速電流aは、加速期間Taに供給される加速電流aと極性が反対になる。
加速期間Taと減速期間Tdの間には、可動子300の移動速度が一定になる定速走行期間Tvがある。定速走行期間Tvには、加速期間Taと同じ極性で、摺動抵抗力Fに見合った摺動抵抗分電流μが供給される。
電動モータの発熱量(W)は、駆動電流の二乗に比例する。よって、図7に示した電流プロファイルから、水平なアクチュエータ100において可動子300を移動させた場合に発生する損失Laは、下記の式1のように表すことができる。式1からは、摺動抵抗分電流μを最小にしたときに、損失Laが最小になることが判る。
図8は、アクチュエータ100が傾斜した状態で、可動子300が重力に抗して移動した場合、即ち、重力方向に対してマイナス(−)方向に移動した場合に、可動子300に作用する力を模式的に示す図である。図8において、図1から図4までと共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
図示の状態において、アクチュエータ100は水平面に対して仰角θで傾斜している。このため、可動子300が移動する場合には、駆動コイル244が発生した軸方向推力Fmとガイドバー230に対する摺動抵抗力Fの他に、重力加速度Gに起因する落下力Fgが可動子300に作用する。
よって、軸方向推力Fmが可動子300に対して重力方向(−)に作用する場合、摺動抵抗力Fは、落下力Fgと同じ向きに可動子300に対して作用する。なお、可動子300の質量をMとした場合に可動子300に作用する落下力Fgは、下記の式2により表される。
Fg=M×G×sinθ ・・・式2
Fg=M×G×sinθ ・・・式2
図9は、アクチュエータ100が傾斜した状態で、可動子300が重力に従う方向に移動した場合、即ち、重力方向に対してプラス(+)方向に移動した場合に、可動子300に作用する力を模式的に示す図である。図9においても、図1から図4までと共通の要素に同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
この状態でも、可動子300には、軸方向推力Fm、摺動抵抗力Fおよび落下力Fgが軸方向に作用する。ただし、可動子300が重力方向(+)方向に移動する場合には、落下力Fgが、摺動抵抗力Fと反対の向きに可動子300に対して作用する。
図10は、上記のようにアクチュエータ100が傾斜している場合の駆動電流の変化を示すグラフである。図10において、駆動電流の変化を示す電流プロファイルは下段に示される。また図10の上段は、図7の上段と同ように可動子300の速度プロファイルを示す。
図10下段左側には、仰角θのアクチュエータ100において、可動子300が重力に抗して重力方向(−)に移動した場合の駆動電流のプロファイルが示される。図8に示したようにアクチュエータ100が傾斜している場合、待機期間Twに、落下力Fgに抗して可動子300をその位置に保持するために、落下力相当分電流μが駆動コイルに供給される。
よって、可動子300が重力方向(−)に移動する場合は、落下力相当分電流gに対して、加速制御期間TAの駆動電流が重畳される。このようなアクチュエータ100において可動子300を移動させる場合に生じる損失Lbは、落下力相当分電流g、加速電流aおよび摺動抵抗分電流μにより下記式3のように表せる。
ここで、[α=μ/g]により定義される摺動抵抗比αを[μ=αg]として式3に代入すると、式3は下記の式4のようにαの二次関数として表せる。
F(α)=g2α2+(4p+4g−2)g2α+2a2p+g2・・・式4
F(α)=g2α2+(4p+4g−2)g2α+2a2p+g2・・・式4
式5における「(p+q)」は、駆動デュティDの定義から、下記の式6のように駆動デュティDにより表すことができる。
p+q=(D/100) ・・・式6
p+q=(D/100) ・・・式6
よって、式5の条件を満たす場合の摺動抵抗比αは、下記の式7のように表すことができる。
α=1−2(D/100)
=1−0.02D
(ただし、D<50) ・・・式7
α=1−2(D/100)
=1−0.02D
(ただし、D<50) ・・・式7
アクチュエータ100においては、摺動抵抗発生部350を制御することにより摺動抵抗力Fを変化させることができる。そこで、演算部420が下記の式8を満たす摺動抵抗力Fを発生させることにより、駆動制御部400は、上記式7の条件が成立した状態でアクチュエータ100を動作させることができる。なお、駆動デュティDが50%であるか、50%を越える場合はα=0、即ち、摺動抵抗力は最小にするものとする。
F=(1−0.02D)MG・・・式8
(ただし、D<50)
F=(1−0.02D)MG・・・式8
(ただし、D<50)
このように、傾斜したアクチュエータ100において可動子300が重力方向(−)に移動する場合は、アクチュエータ100の発熱量Wが少なくなる摺動抵抗比αが得られる摺動抵抗力Fを算出して、算出結果に応じた摺動抵抗力Fを摺動抵抗発生部350に発生させる。これにより、アクチュエータ100における発熱量を抑制して、アクチュエータ100の駆動効率を向上させることができる。
図10下段右側には、仰角θのアクチュエータ100において、可動子300が重力に従って重力方向(+)に移動した場合の駆動電流のプロファイルが示される。この場合は、落下力Fgの一部は、摺動抵抗力Ffと打ち消し合う。よって、可動子300が移動した場合のアクチュエータ100における損失Lcは、下記の式9のように表すことができる。
ここで、[α=μ/g]により定義される摺動抵抗比αを、[μ=αg]として式7に代入すると、式7は、下記の式10のようにαの二次関数として表せる。
F(α)=g2α2−2g2α+2a2p+g2・・・式10
F(α)=g2α2−2g2α+2a2p+g2・・・式10
このため、可動子300が重力方向(+)に移動する場合は、α=1となること、即ち、落下力Fgと摺動抵抗力Fとが等しいことが損失Lcを最小にする条件となる。よって、演算部420は、落下力Fgに見合った摺動抵抗力Fを算出して、摺動抵抗指令発生部440に当該摺動抵抗力Fを摺動抵抗発生部350に発生させるべく指示を出す。
図11は、上記のような条件を満たしつつ実行される、駆動制御部400の駆動制御手順を示すフローチャートである。アクチュエータ100が動作を開始すると、駆動制御部400の演算部420は、可動子300の目標位置と、そのときの可動子300の位置とから、可動子300の駆動距離を算出する(ステップS101)。
次に、演算部420は、算出した移動量で可動子300を移動させる場合の駆動デュティDを算出する(ステップS102)。駆動デュティDは、直近の移動が終了した時点から、今回の移動指令を受けた時点までを待機期間Twとして、求められた移動距離に応じた加速制御時間TAとの比をとることにより求められる。更に、演算部420は、姿勢算出部450から、アクチュエータ100の仰角θを取得する(ステップS103)。
ここで、取得した仰角θが零であった場合、即ち、アクチュエータ100が水平であった場合(ステップS104:YES)は、上記式1に従って、摺動抵抗発生部350が発生する摺動抵抗力Fを最小にすべき旨を、摺動抵抗指令発生部440に指示する。これにより、摺動抵抗指令発生部440は、摺動抵抗発生部350に、摺動抵抗が最小になる駆動電圧を印加する(ステップS105)。
続いて、駆動制御部400においては、三相指令発生部430が、駆動コイル244に駆動電流を供給する加速制御を開始する(ステップS106)。また、可動子300が目標位置に到達すると、駆動制御部400は制御を終了する(ステップS107)。
また、ステップS104において仰角が零ではなかった場合、即ち、アクチュエータ100が水平面に対して傾いていた場合、演算部420は、まず、可動子300に作用する落下力Fgを算出する(ステップS108)。落下力Fgは、仰角θ、重力加速度Gおよび可動子300の質量Mに基づいて式2に従って求められる。
次に、演算部420は、姿勢算出部450から取得した仰角θと、目標位置への可動子300の移動方向が、重力方向に対して抗する方向(重力方向(−))であるか、重力に従う方向(重力方向(+))であるかを判断する(ステップS109)。
ここで、可動子300の移動方向が重力方向(+)の場合(ステップS109:NO)、演算部420は、上記式11に従って、落下力Fgと同じ摺動抵抗力Ffを摺動抵抗発生部350に発生させるべく、摺動抵抗指令発生部440に指示をだす(ステップS110)。度摺動抵抗発生部350が指示した摺動力Ffを発生すると、駆動制御部400は加速制御を開始し(ステップS106)、可動子300が目標位置に到達すると制御を終了する(ステップS107)。
また、ステップS109において、可動子300の移動方向が重力方向(−)であった場合(ステップS109:YES)、演算部420は、既知の駆動デュティDに基づいて、式6に従って計算することにより、損失が最小になる摺動抵抗比αを算出する(ステップS111)。次に、演算部420は、摺動抵抗比αおよび落下力Fgに基づいて摺動抵抗力Ffを算出する(ステップS112)。
こうして摺動抵抗力Ffが算出されると、演算部420は、摺動抵抗発生部350に摺動抵抗力Ffを発生させるべく、摺動抵抗指令発生部440に指示をだす(ステップS113)。度摺動抵抗発生部350が指示した摺動抵抗力Ffを発生すると、駆動制御部400は加速制御を開始し(ステップS106)、可動子300が目標位置に到達すると制御を終了する(ステップS107)。
このように、姿勢が変化する携帯機器にアクチュエータ100を装備した場合、駆動制御部400は、アクチュエータ100の姿勢を検出して、姿勢に応じた摺動抵抗力Fを、摺動抵抗発生部350に発生させる。これにより、アクチュエータ100の損失を低減し、発熱を抑制できる。
図12は、アクチュエータ100の摺動抵抗比αおよび損失(W)の関係を示すグラフである。ここでは、質量が25gの可動子300を有してモータ定数が0.5(N/W1/2)のアクチュエータ100について、摺動抵抗比αと損失(W)を算出してプロットした。
図中に記載した「水平移動」とは、仰角θが零の水平なアクチュエータ100における可動子300の移動を意味する。また、「垂直移動」は、仰角θが90°で、垂直なアクチュエータ100における可動子300の移動を意味する。更に、「(+)」および「(−)」は、可動子300の移動方向が重力に従う方向(+)か、重力に抗する方向(−)かを示す。図示の通り、いずれの場合も損失(W)の変化は二次曲線を描き、ある加速度比において損失(W)が最小になることが判る。
また、図中に記載した「平均」は、式1[水平]の2倍と式3[方向(−)]および式7[方向(+)]との和により算出した損失(W)の平均値を意味する。このように、可動子300の垂直方向および水平方向の移動について予め算出した摺動抵抗比の平均値を用意して、そのような摺動抵抗比αが形成される摺動抵抗力Fをアクチュエータ100に設定することにより、摺動抵抗力Fを変化させる機構無しに、アクチュエータ100の損失を抑制できる。
図13は、上記アクチュエータ100に生じる損失(W)をシミュレイトした計算結果を示す図である。また、図14に、算出結果をプロットしたグラフを示す。
図中に記載した「水平移動の摺動抵抗比α」とは、仰角θが零の水平なアクチュエータ100において損失が最小になる摺動抵抗比αを意味する。「垂直移動の摺動抵抗比α」は、仰角θが90°で、垂直なアクチュエータ100において損失が最小になる摺動抵抗比αを意味する。「(+)」および「(−)」は、移動方向が重力に従う方向(+)か、重力に抗する方向(−)かを示す。
図13において、「平均発熱時の摺動抵抗比α」は、式1[水平]の2倍と式3[方向(−)]および式7[方向(+)]との和により算出した水平、垂直動作の平均発熱式から発熱最小となる最適な摺動抵抗比αを意味する。このように、可動子300の垂直の双方向および垂直の移動について予め算出した摺動抵抗比αを用意することにより、損失が最小になる摺動抵抗αを選択して、アクチュエータ100に予め設定することができる。
即ち、特定の姿勢で固定して使用されるアクチュエータ100、例えば、監視カメラのレンズ鏡筒においてレンズを駆動するアクチュエータ100の場合は、仕様および設置状態から推定した駆動デュティDに基づいて摺動抵抗比αを選択して、当該摺動抵抗比αを発生する一定の摺動抵抗力Fを摺動抵抗発生部350に設定すればよい。このような摺動抵抗発生部350は、例えば固定子と可動子の間で弾性変形する弾性部材等により形成できる。よって、演算部420の負荷が軽くなると共に、摺動抵抗指令発生部440は省略できる。
図15は、他の構造を有するアクチュエータ101の斜視図である。アクチュエータ101は、以下に説明する部分を除くと、図1に示したアクチュエータ100と同じ構造を有する。よって、共通の要素には同じ符号を付して重複する説明を省く。
アクチュエータ101は、アクチュエータ100の駆動部248に替えて、一対の揺動部240を備える。一対の揺動部240は、開口222に対して対称な位置に対向して配される。揺動部240の各々の両端には揺動軸242が設けられ、支持部220から揺動自在に支持される。
図示の例では、図中で手前側の揺動部240は、その下端に揺動軸242が設けられている。よって、揺動部240が揺動した場合は、揺動部240の上端が、開口222の径方向に変位する。また、図中で奥側の揺動部240は、その上端に揺動軸242が設けられている。よって、揺動部240が揺動した場合は、揺動部240の下端が、開口222の径方向に変位する。
また、揺動部240の各々において揺動する場合に変位する側の端部には、付勢部材250の一端が結合される。付勢部材250の他端は、レンズ枠ストッパ224に結合される。更に、揺動部240の各々の外面には、揺動軸242から遠い側に、耐磨耗性材料層246が配される。
図16は、アクチュエータ101の垂直断面図である。アクチュエータ101の可動子300においては、下側の被案内部322において、下側のガイドバー230が角穴323に挿通されている。よって、ガイドバー230と被案内部322との間に生じる摺動抵抗を能動的に変化させることはできない。
揺動部240は、アクチュエータ100の駆動部248と同様の駆動コイル244を備える。よって、当該駆動コイル244に、図6に示した波形の駆動電流を供給することにより、可動子300はガイドバー230に沿って移動する。
アクチュエータ101においては、揺動部240の各々は、付勢部材250によりレンズ枠ストッパ224に向かって引き付けられている。これにより、レンズ310の径方向の推力が作用していない場合、揺動部240は、レンズ枠320および永久磁石340並びに被駆動部カバー330のいずれにも接触しない位置に保持される。
図17は、揺動部240を揺動させる場合に、駆動コイル244に供給する駆動電流の波形を示すグラフである。即ち、この駆動電流は、揺動部240を揺動させて、その一端をレンズ310の径方向に変位させる推力を生じさせる。よって、この推力を径方向推力と記載する。また、径方向推力を発生させる駆動電流を、径方向駆動電流と記載する。
図17において、図中に点線で示す正弦波は、図6に示したW相に相当する。これに対して、図中に実線で示すのは、径方向駆動電流の波形であり、軸方向駆動電流に対して、永久磁石340の磁極ピッチP1の1/4ピッチ分、位相が遅れている。このような径方向駆動電流は、U相、V相およびW相の軸方向駆動電流のそれぞれに対応して発生される。
軸方向駆動電流と1/4ピッチ分の位相がずれた径方向駆動電流を供給された駆動コイル244の各々は、軸方向駆動電流を供給された場合と同様にそれぞれ磁界を発生する。しかしながら、駆動コイル244が径方向駆動電流により発生した磁界に対する永久磁石340の相対位置は、軸方向駆動電流により生じた磁界に対する相対位置と異なる。
このため、径方向駆動電流により生じた磁界は、永久磁石340に対する軸方向推力の発生には寄与しない。また、当該磁界を形成する磁束のうち、ガイドバー230の軸方向と直交する磁束が永久磁石340に支配的に作用する。これにより、駆動コイル244に生じた磁界と永久磁石340との間には、付勢部材250の付勢力に抗して揺動部240を揺動させ、耐磨耗性材料層246を、被駆動部カバー330の内面に押し付ける径方向推力が発生する。
図18は、アクチュエータ101の垂直断面であり、径方向推力が作用した場合の状態を示す。図16と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
しかしながら、アクチュエータ101においては、揺動部240の各々が、揺動軸242について基盤210に対して揺動する。また、揺動部240の各々における揺動軸242と反対の端部は、付勢部材250により、被駆動部カバー330から離れる方向に向かって付勢されている。
径方向駆動電流により駆動コイル244および永久磁石340の間に径方向推力が生じた場合、揺動部240は、付勢部材250の付勢力に抗して揺動する。これにより、揺動部240の一端は、レンズ310の径方向外側に変位する。よって、揺動部240の外周面の一部に配された耐磨耗性材料層246が被駆動部カバー330の内面に接触する。
この状態で可動子300が移動した場合、可動子300および揺動部240の間には摺動抵抗力が発生する。また、ここで発生する摺動抵抗力の大きさは、駆動コイル244に供給される径方向駆動電流の大きさに依存する。つまり、径方向駆動電流は、摺動抵抗力を制御する摺動抵抗指令となる。このように、アクチュエータ101においては、揺動部240および被駆動部カバー330の間に、摺動抵抗力を変化させる調整機構が形成される。
既に説明した通り、駆動制御部400における演算部420は、アクチュエータ101における発熱が最小となる摺動抵抗力を算出し、当該摺動抵抗力が得られる径方向駆動電流を摺動抵抗指令発生部440に発生させる。よって、アクチュエータ101における発熱が抑制され、アクチュエータ101に投入された電力を効率よく利用できる。
なお、上記アクチュエータ100、101において、軸方向駆動電流および径方向駆動電流により発生した磁界が相互に作用して、可動子300の移動に連れて軸方向推力または径方向推力が変動する場合がある。そのような場合、演算部420は、軸方向推力および径方向推力の少なくとも一方を一定に保つべく、三相指令発生部430に対する指示を補正してもよい。
即ち、軸方向駆動電流および径方向駆動電流により駆動コイル244が発生する磁界の特性は予め判っている。よって、位置算出部410が算出した可動子300の位置に応じて指令を修正することにより、いずれかの推力を安定させることができる。
また、上記の例では、可動子300に永久磁石340を配置し、揺動部240に駆動コイル244を配置した。しかしながら、可動子300に駆動コイル244を配置し、揺動部240に永久磁石340を配置しても、同様の機能を有するアクチュエータ100、101を形成できる。
更に、上記の例では、径方向推力により揺動部240を径方向外側に変位させて摺動抵抗力を発生させた。しかしながら、駆動コイル244および永久磁石340が引き合う径方向推力が発生する径方向駆動電流を供給して、揺動部240およびレンズ枠320を接触させて摺動抵抗力を発生させてもよい。
図19は、一眼レフカメラ500の模式的断面図である。一眼レフカメラ500は、レンズ鏡筒600およびカメラボディ700を含む。
レンズ鏡筒600は、固定筒610と、レンズ620、630、640とを有する。固定筒610の後端は、レンズマウント650を介して、カメラボディ700のボディマウント750と結合される。レンズマウント650およびボディマウント750の結合は、特定の操作により解除できる。これにより、カメラボディ700には、同じ規格のレンズマウント650を有する他のレンズ鏡筒600を装着できる。
レンズ鏡筒600において、カメラボディ700から最も遠いレンズ620は、固定筒610から直接に支持される。これに対して、他のレンズ630,640は、固定筒610対して移動するレンズ枠320により支持される。
即ち、レンズ630、640は、それぞれ独立したレンズ枠320に保持される。レンズ枠320の各々は、その外周に被案内部322を装着される。更に、被案内部322は、固定筒610に対して固定された一対のガイドバー230を挿通されており、レンズ鏡筒600の長手方向に、ガイドバー230に案内されつつ摺動する。
なお、断面図には現れないが、固定筒610の紙面に対して手前側および奥側には、それぞれが駆動コイル244を備えた駆動部248が配される。また、レンズ枠320の手前側および奥側には、それぞれ、永久磁石340を含む被駆動部328が配される。
これにより、レンズ630を保持したレンズ枠320を含む第一の可動子301と、レンズ630を保持したレンズ枠320を含む第二の可動子302とを有するアクチュエータ100が、レンズ鏡筒600に形成される。以下、図8までに示したアクチュエータ100と共通な要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
被案内部322の各々の底部には、位置指標324が個別に装着される。また、固定筒610の底面には、位置センサ212が配される。よって、位置算出部410は、第一の可動子301および第二の可動子302の位置を個別に算出できる。また、三相指令発生部430は、算出された位置情報に基づいて、それぞれが軸方向推力を発生させる2組の三相駆動電流を含む軸方向駆動電流を発生する。これにより、第一の可動子301および第二の可動子302は個別に移動する。
このとき、ガイドバー230と被案内部322との間に適切な摺動抵抗が生じることにより、可動子301、302をそれぞれ効率よく移動させることができる。これにより、カメラボディ700の電力消費を抑制できる。
なお、レンズ630は、レンズ鏡筒600の倍率を変化させる場合に移動するズームレンズのひとつであり得る。また、レンズ640は、レンズ鏡筒600の焦点位置を変化させる場合に移動するフォーカシングレンズのひとつであり得る。
カメラボディ700は、レンズ鏡筒600に対してボディマウント750の背後において、筐体710の内部に、メインミラー720およびサブミラー722を備える。また、メインミラー720の下方に合焦光学系730を、メインミラー720の上方にピント板742を、それぞれ備える。ピント板742の更に上方には、ペンタプリズム744およびファインダ光学系746が配される。
更に、メインミラー720の後方には、フォーカルプレンシャッタ790、ローパスフィルタ782および撮像素子780が順次配される。撮像素子780の背後には、システム制御部772、画像演算部774等が実装された主基板770が配される。
メインミラー720はメインミラー保持枠721に保持される。メインミラー保持枠721は、メインミラー揺動軸723を介して、筐体710から軸支される。サブミラー722はサブミラー保持枠727に保持される。サブミラー保持枠727は、サブミラー揺動軸729を介して、メインミラー保持枠721の下面側に軸支される。
メインミラー720は、レンズ鏡筒600から入射した被写体光束の光路上に傾斜して配置される斜設状態と、被写体光束を避けて上昇する退避位置との間を揺動する。斜設状態にあるメインミラー720は、入射光の大半をピント板742に向かって反射する。ピント板742は、レンズ鏡筒600のレンズ620、630、640が合焦した場合に像を結ぶ位置に配されて当該像を可視化する。
ピント板742に結像された画像は、ペンタプリズム744を介してファインダ光学系746から観察される。ペンタプリズム744を通すことにより、ファインダ光学系746では、ピント板742上の像を正立正像として見ることができる。
メインミラー720は、入射光の一部を透過するハーフミラー領域を有する。これにより、サブミラー722は被写体光束の一部を受けて、合焦光学系730に向かって反射する。合焦光学系730は、入射した被写体光束の一部を合焦センサに導く。これにより、カメラボディ700は、レンズ鏡筒600を合焦させる場合の、可動子301の目標位置を決定できる。
なお、メインミラー720が上昇して退避状態になった場合は、サブミラー722も被写体光束の光路から退避する。よって、入射した被写体光束は、フォーカルプレンシャッタ790に直接に入射する。更に、フォーカルプレンシャッタ790が開いている場合、被写体光束は、ローパスフィルタ782を通過した後、撮像素子780に入射する。
撮像素子780は、CCDセンサ、CMOSセンサなどの光電変換素子により形成される。撮像素子780は、受光した被写体像を電気信号に変換して出力する。撮像素子780から出力された電気信号は、画像演算部774において画像データに変換される。こうして、被写体光束に対応した画像データが獲得される。画像演算部774と共に主基板770に実装されたシステム制御部772は、メインミラー720、サブミラー722、フォーカルプレンシャッタ790等の動作シーケンスを制御する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
100、101 アクチュエータ、200 固定子、210 基盤、212 位置センサ、214 姿勢センサ、220 支持部、222 開口、224 レンズ枠ストッパ、230 ガイドバー、240 揺動部、242 揺動軸、244 駆動コイル、245 電流検出抵抗、246 耐磨耗性材料層、248 駆動部、250 付勢部材、300、301、302 可動子、310 レンズ、320 レンズ枠、321 丸穴、322 被案内部、323 角穴、324 位置指標、328 被駆動部、330 被駆動部カバー、340 永久磁石、342 ヨーク、350 摺動抵抗発生部、400 駆動制御部、410 位置算出部、420 演算部、430 三相指令発生部、440 摺動抵抗指令発生部、450 姿勢算出部、500 一眼レフカメラ、600 レンズ鏡筒、610 固定筒、620、630、640 レンズ、650 レンズマウント、700 カメラボディ、710 筐体、720 メインミラー、721 メインミラー保持枠、722 サブミラー、723、729 揺動軸、727 サブミラー保持枠、730 合焦光学系、742 ピント板、744 ペンタプリズム、746 ファインダ光学系、750 ボディマウント、770 主基板、772 制御部、774 画像演算部、780 撮像素子、782 ローパスフィルタ、790 フォーカルプレンシャッタ
Claims (9)
- 移動体と、
前記移動体を移動させるリニアモータと、
前記リニアモータを駆動する駆動制御部と、
前記移動体に接触して前記移動体の移動を妨げる摺動抵抗力を発揮する摺動抵抗部と
を備える移動装置であって、
前記摺動抵抗力は、前記駆動制御部が前記リニアモータを駆動する場合の単位時間当たりの加速制御時間の割合である駆動デュティに基づいて決定される移動装置。 - 前記摺動抵抗力であるF(N)は、前記駆動デュティをD(%)、重力加速度をG(m/s2)、前記移動体の質量をM(kg)としたときに、
F=(1−0.02D)MG
(ただし、D<50)
により決定される請求項1に記載の移動装置。 - 前記摺動抵抗部は、
前記摺動抵抗力を変化させる調整機構と、
前記駆動制御部から前記駆動デュティを取得して前記摺動抵抗力を決定する演算部と、
決定された前記摺動抵抗力を発揮するように前記調整機構を作動させる作動部と
を備える請求項1または2に記載の移動装置。 - 前記移動体をガイドするガイドシャフトを備え、
前記調整機構は、前記移動体と前記ガイドシャフトの間に働く摺動抵抗力を変化させる請求項3に記載の移動装置。 - 前記調整機構は、前記移動体と前記ガイドシャフトの間に圧電素子を備える請求項4に記載の移動装置。
- 前記調整機構は、前記リニアモータを構成するコイルとマグネット間の吸着力または反発力により接触する前記リニアモータの固定子と前記移動体の間に働く摺動抵抗力を変化させる請求項3に記載の移動装置。
- 前記移動装置の姿勢を検出する姿勢センサを備え、
前記演算部は、前記姿勢に基づいて前記摺動抵抗力を変更する請求項3から6のいずれか1項に記載の移動装置。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の移動装置を備える撮影レンズ。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載の移動装置を備える撮像装置。
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-
2011
- 2011-06-20 JP JP2011136333A patent/JP2013003445A/ja not_active Withdrawn
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