JP2013002494A - 管体の接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、簡単な作業にて管体同士を接合することができる新規な管体の接続構造を提供することを目的とする。
【解決手段】 二本の管体2それぞれに対して一対のフランジ継手3を各々外装させ、前記二本の管体2間の継ぎ目23を中子部材4にて覆い、前記一対のフランジ継手3の内周面に設けられたテーパ部313と前記中子部材4の外周面に設けられた短管当接部44とを摺接させながら、フランジ部32が互いに近づく方向に向けて移動させて各フランジ部32同士を接合させることによって、前記中子部材4に締め付け力を生じさせた状態にて、前記二本の管体2を接続する。
【選択図】図1
【解決手段】 二本の管体2それぞれに対して一対のフランジ継手3を各々外装させ、前記二本の管体2間の継ぎ目23を中子部材4にて覆い、前記一対のフランジ継手3の内周面に設けられたテーパ部313と前記中子部材4の外周面に設けられた短管当接部44とを摺接させながら、フランジ部32が互いに近づく方向に向けて移動させて各フランジ部32同士を接合させることによって、前記中子部材4に締め付け力を生じさせた状態にて、前記二本の管体2を接続する。
【選択図】図1
Description
本発明は、二本の管体が開口端同士を対峙させた状態で、それぞれに外装されたフランジ継手同士の接合によって接続されてなる管体の接続構造に関する。
管体同士を接続することによって管路を構築するにあたっては、通常、接続される管体同士を受け挿しし、接着剤で固定する手段(接着手段)、又は、各管体に外装されたフランジ部の接合面同士を対峙させ、ボルト等の締結部材を用いて固定する手段(締結手段)のいずれかの手段が用いられる。
接着手段によって管体同士を接続する場合、接続箇所における接着剤の接続強度を十分に高くしなければ、管路に応力が負荷された際に接続箇所において管体が外れたりする場合がある。
一方、締結手段は、ボルト等の締結力によって管体同士を接続することから、その接続強度は前記接着手段に比べて非常に高い。但し、締結手段を行うにあたっては、接続される管体同士にそれぞれフランジ部が設けられていることが前提となる。そのため、フランジ部が設けられていない管体同士を締結手段によって接続するにあたっては、「フランジ継手」と称される短管の一端にフランジ部が設けられた部材を管体に固定する必要が生じる。
管体にフランジ継手を固定するにあたっては、接着剤による固定が一般的に行われているが、接着剤による固定強度を十分に高くしなければ、管路に応力が負荷された際に管体からフランジ継手が外れるため、管体及びフランジ継手の素材に応じて適当な接着剤を選択する必要が生じる。
しかしながら、例えば、高圧配管等として利用されている複層管は、その外周面に積層されたガラス繊維強化樹脂層(FRP層)の接着性が悪く、この種の複層管に対し、接着剤を用いてフランジ継手を十分な固定強度にて固定することは困難であった。
そのため、この種の複層管にフランジ継手を固定する場合にあっては、複層管における接合箇所のFRP層を剥ぎ取って硬質塩化ビニル層を露出させ、露出させた硬質塩化ビニル層とフランジ継手の内周面との間に充填型接着剤を介在させて固定する手段が行われている(例えば、下記特許文献1参照)。
しかしながら、複層管からFRP層を剥ぎ取るにあたっては、複層管に外装されたFRP層に対し、硬質塩化ビニル層まで切り込まないように注意しながらノコギリ等で切込みを入れ、剥ぎ取る箇所をバーナー等で加熱した後、ペンチ等を用いてFRP層を剥ぎ取るといった非常に煩雑な作業工程を要する。特に、高圧配管として使用される複層管においては、FRP層が非常に厚く設けられており、剥ぎ取り作業をより困難なものにしていた。
本発明は、前記技術的課題を解決するために開発されたもので、簡単な作業にて管体同士を接合することができる新規な管体の接続構造を提供することを目的とする。
本発明の管体の接続構造は、二本の管体が開口端同士を対峙させた状態で接続されてなる管体の接続構造であって、互いに接続される二本の管体と、短管の一端の外周周りにフランジ部が設けられてなり、前記短管に前記管体が挿入された状態で前記二本の管体それぞれに対して各々外装される一対のフランジ継手と、前記二本の管体間の継ぎ目を覆った状態で、前記二本の管体の外周面と、前記二本の管体それぞれに外装された各フランジ継手における各短管の内周面と、の間に介在される筒状の中子部材と、を具備し、前記フランジ継手には、前記短管の内周面において、前記短管の他端側から一端側に向かって内径を拡大するテーパ部が設けられてなり、前記中子部材は、一の筒口から他の筒口に向かって筒壁を切り分ける一条のスリット部が設けられた筒体、若しくは、一の筒口から他の筒口に向かって筒壁を切り分ける複数条のスリット部によって分割された複数個の分割体が集合することによって筒体となるものであり、その外周面には、両筒口側から軸芯に沿って中央部側に向かうにつれて外径を増加させる凸型のテーパ面となされた短管当接部が設けられてなり、前記二本の管体それぞれに対して前記一対のフランジ継手を各々外装させ、前記二本の管体間の継ぎ目を前記中子部材にて覆うと共に前記中子部材に存する前記スリット部に充填材を介在させ、前記一対のフランジ継手を、前記テーパ部と前記短管当接部とを摺接させながら、それぞれに設けられたフランジ部が互いに近づく方向に向けて移動させて、前記テーパ部によって前記短管当接部が押圧された状態にて各フランジ部同士を接合させることによって、前記中子部材に生じた締め付け力にて前記二本の管体がそれぞれ締め付けられた状態で、前記二本の管体同士が接続されてなることを特徴とする(以下、本発明接続構造と称する。)。
本発明接続構造においては、前記二本の管体には、いずれも外周面を周回する一ないし複数の凹溝が設けられてなり、前記中子部材には、その内周面を周回する複数の凸条が設けられてなり、前記凹溝と前記凸条とが係合された状態にて、前記二本の管体間の継ぎ目が前記中子部材にて覆われてなるものが好ましい態様となる。
本発明接続構造においては、前記二本の管体の外周面と前記中子部材の内周面との間には、弾性部材が介在されてなるものが好ましい態様となる。
本発明接続構造においては、前記弾性部材が、前記凹溝に嵌まり込んだ状態で保持されてなるものが好ましい態様となる。
本発明接続構造においては、前記弾性部材が、隣接する前記凸条間に存する溝部に嵌まり込んだ状態で保持されてなるものが好ましい態様となる。
本発明接続構造においては、前記二本の管体の外周面と前記中子部材の内周面との間には、接着剤又は粘着剤が介在されてなるものが好ましい態様となる。
本発明接続構造においては、前記短管当接部と前記テーパ部との間には、接着剤又は粘着剤が介在されてなるものが好ましい態様となる。
本発明によれば、簡単な作業にて管体同士を接続することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
<実施形態1>
図1に示す実施形態1に係る本発明接続構造1は、二本の管体2(2A、2B)と、一対のフランジ継手3(3A、3B)と、中子部材4とを具備する。
図1に示す実施形態1に係る本発明接続構造1は、二本の管体2(2A、2B)と、一対のフランジ継手3(3A、3B)と、中子部材4とを具備する。
前記二本の管体2(2A、2B)は、いずれも硬質塩化ビニル管21の外周面をFRP層22で補強してなる円筒状の複層管である。
前記一対のフランジ継手3(3A、3B)は、前記二本の管体2(2A、2B)にそれぞれ外装されるものであり、いずれも円筒状の短管31の一端311の外周面に環状のフランジ部32が設けられた形状を有する。前記一対のフランジ継手3(3A、3B)は、いずれもガラス繊維と熱硬化性樹脂からなる複合材を素材とし、前記短管31と前記フランジ部32とが一体的に型枠形成されたものである。前記フランジ部32の接合面321は、前記短管31の一端311の端面と面一となっている。一方、前記短管31の他端312の端面は、フランジ部32の裏面322から突出させている。
前記フランジ部32には、接合面321から裏面322にわたって貫通する複数の接続孔323が設けられている。即ち、前記一対のフランジ継手3(3A、3B)における各フランジ部32の接合面321同士を対峙させると共に前記接続孔323を連通させた状態で、前記接続孔323にボルトBを挿し入れてナットNにて締結すれば、各フランジ継手3(3A、3B)同士が接合される仕組みとなっている。
前記短管31の内周面には、他端312側から一端311側に向かってその内径をなだらかに拡大するテーパ部313が設けられている。
前記フランジ部32の裏面322と、前記フランジ部32の裏面322から突出させた前記短管31の外周面とがなす角部には、複数のリブRが設けられている。
前記中子部材4は、開口端同士を対峙させた状態の前記二本の管体2(2A、2B)の外周面と、前記一対のフランジ継手3(3A、3B)の各短管31の内周面との間に介在されるものであり、一の筒口41から他の筒口42にわたって筒壁を切り分ける二条のスリット部43が設けられている。即ち、前記中子部材4は、筒体が二分割に縦割りされた如き形状の分割体4A、4Bの集合体からなる。
前記中子部材4の内周面は、開口端同士を対峙させた状態の前記二本の管体2(2A、2B)の外周面に沿い得る湾曲形状を有する。一方、前記中子部材4の外周面には、両筒口41、42側から軸芯に沿って中央部側に向かうにつれて外径を増加させる凸型のテーパ面となされた短管当接部44が設けられている。この短管当接部44の曲率半径及びテーパ角は、短管31に設けたテーパ部313の曲率半径及びテーパ角と同一に設定している。
本発明接続構造1を構築するにあたっては、まず、図2(a)に示すように、前記二本の管体2(2A、2B)それぞれに対し、前記一対のフランジ継手3(3A、3B)の各々を外装し、前記二本の管体2(2A、2B)の開口端同士を対峙させる。この際、各管体2(2A、2B)に外装された各フランジ継手3(3A、3B)は、それぞれ各管体2(2A、2B)の対峙される開口端より奥側に移動させておき、各管体2(2A、2B)における開口端が、それぞれに外装されたフランジ継手3(3A、3B)における短管31の一端311から十分に突出するようにする。
次いで、図2(b)に示すように、開口端同士を対峙させた状態の前記二本の管体2(2A、2B)間の継ぎ目23を覆うようにして前記中子部材4を配置する。この際、前記二本の管体2(2A、2B)の外周面と前記中子部材4の内周面との間に、ゴムやエラストマーなどの弾性部材を介在させても良い。又、前記二本の管体2(2A、2B)の外周面と前記中子部材4の内周面との間に、接着剤や粘着剤を介在させることによって、前記二本の管体2(2A、2B)に前記中子部材4を固定しても良い。接着剤を用いる場合にあっては、硬化した際に弾性を発揮する弾性接着剤を用いることが好ましい。前記二本の管体2(2A、2B)の外周面と前記中子部材4の内周面との間に弾性部材、或いは接着剤や粘着剤を介在させると、前記二本の管体2(2A、2B)の外周面と前記中子部材4の内周面との間に存する隙間が埋められて、各部材間のシール性が向上する。
前述の如く前記中子部材4は、分割体4A、4Bの集合体であり、前記二本の管体2(2A、2B)間の継ぎ目23を覆うようにして配置された前記中子部材4には、分割体4Aと分割体4Bとの間に二条のスリット部43が存在する。本発明接続構造1を構築するにあたり、分割体4A、4B間に存する二条のスリット部43には、充填材5が介在される。本実施形態においては、前記充填材5として、前記スリット部43の長さ方向にわたって充填され得る形状を有するシリコーンゴムを用いた。
前記二本の管体2(2A、2B)に前記中子部材4を配置した後、図2(c)に示すように、各フランジ継手3(3A、3B)を、フランジ部32同士が互いに近づく方向に向けて移動させる。この移動の際、前記テーパ部313と前記短管当接部44とが摺接し、前記テーパ部313によって前記短管当接部44が徐々に押圧されていく。各フランジ継手3(3A、3B)における各フランジ部32同士がある程度近づいた時点で、各フランジ部32に設けられた接続孔323を連通させた上でボルトBを差し入れ、ナットNを用いて締結していく。
ボルトB及びナットNを用いてフランジ部32同士を締結すると、フランジ部32同士が更に近接し、より一層、前記テーパ部313による押圧力が強くなり、前記中子部材4が各管体2(2A、2B)に向かって押し付けられるため、前記中子部材4の内周面と各管体2(2A、2B)の外周面との密着性が高まる。同時に、前記中子部材4に設けられたスリット部43の幅が狭くなり、前記スリット部43に介在された前記充填材5が押し潰される。
押し潰された前記充填材5は、弾性変形し、前記スリット部43の深さ方向に拡張する。前記スリット部43の幅が狭くなると共に、前記充填材5が前記スリット部43の深さ方向に拡張することから、前記スリット部43は、前記充填材5によって隅々まで満たされる。更に、押し潰された前記充填材5は弾性反発し、前記短管当接部44と前記テーパ部313との密着性がより一層高まる。
前記テーパ部313によって前記短管当接部44が十分に押圧された時点で前記フランジ部32同士の締結を完了させる。これによって、図1(b)に示す本発明接続構造1が構築される。本発明接続構造1においては、前記中子部材4に、前記二本の管体2(2A、2B)を締め付ける締め付け力が生じており、この締め付け力によって各管体2(2A、2B)が固定されている。又、前記中子部材4は、前記二本の管体2(2A、2B)の外周面と、前記一対のフランジ継手3(3A、3B)における各短管31の内周面との間において、いわゆる「くさび」として機能する。これより、各フランジ継手3(3A、3B)から前記二本の管体2(2A、2B)が抜け出すことが好適に防止される。
ところで、本発明接続構造1を構築するにあたっては、前記中子部材4の外周面と前記短管31の内周面との間に、接着剤や粘着剤を介在させることが好ましい。前記中子部材4の外周面と前記短管31の内周面との間に、接着剤や粘着剤を介在させた状態で、各フランジ継手3(3A、3B)を移動させて、前記テーパ部313と前記短管当接部44とを摺接させれば、乾燥、硬化する前の接着剤や粘着剤が潤滑剤として作用し、フランジ部32同士をより近接させた状態で接合することができ、もって、より強い締め付け力にて各管体2(2A、2B)を固定することができる。又、介在させた接着剤や粘着剤によって各フランジ継手3(3A、3B)の固定強度も向上する。
本実施形態においては、前記二本の管体2(2A、2B)として、硬質塩化ビニル管21の外周面をFRP層22で補強してなる円筒状の複層管を用いたが、本発明において用いられる二本の管体2(2A、2B)の素材は特に限定されるものではない。二本の管体2(2A、2B)は、例えば、硬質塩化ビニルの単層管(VP管(塩ビ厚肉管)やVU管(塩ビ薄肉管))や、コンクリート管、ガラス繊維強化複合管、或いは金属管であっても良い。又、二本の管体2(2A、2B)としては円筒形状、即ち軸心に対して垂直となる水平面にて切断された水平断面形状が円形のものに限られず、例えば、水平断面形状が、楕円、四角形或いは更なる多角形状となっているものを用いても良い。更に、二本の管体2(2A、2B)につき、それぞれ互いに異なる材質からなるものを用いても良い。
又、本実施形態においては、前記一対のフランジ継手3(3A、3B)として、ガラス繊維と熱硬化性樹脂からなる複合材を素材とするものを用いているが、前記二本の管体2(2A、2B)と同様、本発明において各フランジ継手3(3A、3B)を構成する素材は特に限定されるものではない。又、前記短管31としては、円筒形状の他、例えば、水平断面形状が、楕円、四角形或いは更なる多角形状となっているものを用いても良い。更に、前記短管31は、前記管体2を挿入し得る内径を有するものであれば良く、例えば、前記管体2として円筒形状のものを用いた場合において、必ずしも前記短管31を円筒形状とする必要はない。前記管体2と前記短管31との形状が違っていても、介在させる中子部材4の内周面及び外周面の形状を適宜設定すれば、対応することができる。前記フランジ部32の形状についても環状のもの、即ち、外縁形状が円形のものとする必要は無く、外縁形状が楕円、四角形或いは更なる多角形状のものであっても良い。
前記短管31の内周面に設けられたテーパ部313は、必ずしも前記短管31の内周面全域にわたって設ける必要は無い。例えば、短管31の一端311の近辺にのみテーパ部313を設けても良いし、短管31の他端312の近辺にのみテーパ部313を設けても良い。又、短管31の内周面の中ほどにおいてテーパ部313を設けても良い。要は、中子部材4の外周面の少なくとも一部が、短管31のテーパ部313に沿い得るように短管当接部44を設ければ良い。
ところで、本実施形態においては、前記フランジ継手3として、短管31の一端311の端面がフランジ部32の接合面321と面一となされ、且つ、前記短管31の他端312が、フランジ部32の裏面322から突出してなるものを用いている。
この形状のフランジ継手3においては、前記短管31の内周面と管体2の外周面との間に中子部材4が介在された際、前記短管31に対し、その管壁を拡張する応力が負荷される。この応力は、フランジ部32の裏面322と裏面322から突出させた前記短管31の外周面とがなす角部に最も大きく作用する。この点につき、本実施形態においては、係る角部においてリブRを複数設け、しかも、このリブRにおける短管31の外周面と接する一片の長さを、フランジ部32の裏面322と接する一片の長さより長くすることによって、短管31に負荷された応力をフランジ部32において効率よく吸収できるようにしている。又、このリブRにおける短管31の外周面と接する一片の長さを、フランジ部32の裏面322から突出させた短管31の突出長さに対し50%以上の長さとすることによって、短管31に負荷された応力が効率よく分散されるようにし、短管31の隔壁が拡張することを好適に防止している。更に、このリブRを、フランジ部32に設けた複数の接続孔323を挟む位置に設けることによって、フランジ部32に吸収させた応力によってフランジ部32に変形が生じることを防止している。
なお、本実施形態においては、短管31の一端311の端面がフランジ部32の接合面321と面一となされたフランジ継手3を用いているが、フランジ継手3としては、短管31の一端311がフランジ部32の接合面321から突出されたものを用いても良いし、フランジ部32の接合面321及び裏面322のいずれからも短管31の端面が突出していないもの(板状のフランジ部32に短管31としての貫通孔が形成されたもの)を用いても良い。
図3に、板状のフランジ部32に短管31としての貫通孔が形成されたフランジ継手3を用いた本発明接続構造1を図3に示す。この場合、短管31の外周全体が周囲に設けられたフランジ部32によって覆われた状態となるため、短管31の管壁は拡張しない。
本実施形態において、前記中子部材4は、二条のスリット部43によって二個の分割体4A、4Bに分割されている。スリット部43の数を増やせば、中子部材4はスリット部43の数に応じて分割される。但し、スリット部43が一条のみの場合、中子部材4は分割されず、一の筒口41から他の筒口42にわたって筒壁を切り分ける一条のスリット部43が設けられた筒体となる。前記中子部材4に設けられるスリット部43の数が多くなりすぎると、本発明接続構造1の構築時の作業性が悪くなるため、前記スリット部の数としては、1〜4条程度(好ましくは、2〜3条程度)とすることが好ましい。
又、本実施形態においては、前記中子部材4の内周面につき、開口端同士を対峙させた状態の前記二本の管体2(2A、2B)の外周面に沿い得る湾曲形状とし、中子部材4の外周面に設けた短管当接部44の曲率半径及びテーパ角を、短管31に設けたテーパ部313の曲率半径及びテーパ角と同一となるように設定しているが、例えば、中子部材4を樹脂や金属などの可撓性を有する部材で構成し、本発明接続構造1が構築された際に、中子部材4の内周面及び短管当接部44が、それぞれ前記二本の管体2(2A、2B)の外周面及び短管31のテーパ部313に沿い得る形状に可撓変形するようにしても良い。
本実施形態においては、前記充填材5として、シリコーンゴムから形成されたものを用いたが、この充填材5は、フッ素ゴムやスチレン‐ブタジエンゴムなどの他の弾性体から形成しても良い。又、充填材5は、スリット部43の端面に接着やはめ込みなどによって固定しても良い。更に、充填材5は、スリット部43に接着剤などの硬化性の液状体をスリット部43に注入し、硬化させることによって形成しても良い。充填材5として接着剤を用いる場合にあっては、硬化した際に弾性を発揮する弾性接着剤を用いることが好ましい。
<実施形態2>
図4に示す、実施形態2に係る本発明接続構造1は、二本の管体2(2A、2B)と、一対のフランジ継手3(3A、3B)と、中子部材4とを具備する。
図4に示す、実施形態2に係る本発明接続構造1は、二本の管体2(2A、2B)と、一対のフランジ継手3(3A、3B)と、中子部材4とを具備する。
前記二本の管体2(2A、2B)は、前記実施形態1と同様、いずれも硬質塩化ビニル管21の外周面をFRP層22で補強してなる円筒状の複層管である。なお、前記二本の管体2(2A、2B)には、いずれも開口端近辺において外周面を周回する凹溝24が旋盤加工によって三条設けられている。なお、前記凹溝24の深さが深すぎて、前記凹溝24の底部において硬質塩化ビニル管21が露出すると、管体2の強度が不足する場合があるため、前記凹溝24の深さとしては、管体2に設けられたFRP層22の層厚の50%以内とすることが好ましい。
前記一対のフランジ継手3(3A、3B)は、いずれも円筒状の短管31の一端311の外周面に環状のフランジ部32が設けられた形状を有する。前記短管31の内周面には、他端312側から一端311側に向かってその内径をなだらかに拡大するテーパ部313が設けられている。前記短管31には、他端312側において前記短管31の内径を小さくさせる厚肉部314が設けられている。なお、前記厚肉部314においてテーパ部313は設けられておらず、前記厚肉部314を除く短管31の内周面においてテーパ部313が設けられている。
前記中子部材4には、一の筒口41から他の筒口42にわたって筒壁を切り分ける二条のスリット部43が設けられている。即ち、前記中子部材4は、筒体が二分割に縦割りされた如き形状の分割体4A、4Bの集合体からなる。
前記中子部材4には、両筒口41、42側において外径を小さくさせる段落ち部45がそれぞれ設けられている。この段落ち部45は、本発明接続構造1が構築された際、前記一対のフランジ継手3(3A、3B)にそれぞれ設けられた厚肉部314と前記管体2の外周面との間に差し入れられる。
前記中子部材4の内周面は、開口端を対峙させた状態の前記二本の管体2(2A、2B)の外周面に沿い得る湾曲形状を有する。又、前記中子部材4の内周面には、内周面を周回する凸条46が複数設けられている。この凸条46は、本発明接続構造1が構築される際に、前記二本の管体2(2A、2B)にそれぞれ設けられた凹溝24と係止される。
一方、前記中子部材4の外周面には、両筒口41、42側から軸芯に沿って中央部側に向かうにつれて外径を増加させる凸型のテーパ面となされた短管当接部44が設けられている。なお、この短管当接部44は、前記段落ち部45には設けられていない。
実施形態2に係る本発明管体構造1を構築するにあたっては、前記実施形態1とほぼ同様の手順で行う。
まず、図5(a)に示すように、前記二本の管体2(2A、2B)それぞれに対し、前記一対のフランジ継手3(3A、3B)を各々外装し、前記二本の管体2(2A、2B)の開口端同士を対峙させる。
次いで、図5(b)に示すように、前記二本の管体2(2A、2B)間の継ぎ目23を覆うようにして前記中子部材4を配置する。この際、前記二本の管体2(2A、2B)の外周面に設けられた前記凹溝24に、前記中子部材4の内周面に設けられた前記凸条46を嵌め入れる。前記凹溝24に前記凸条46を嵌め入れれば、前記二本の管体2(2A、2B)に前記中子部材4が係止される。又、前記二本の管体2(2A、2B)に対する前記中子部材4の位置決めも容易となる。前記中子部材4を構成する分割体4A、4B間に存するスリット部43には、弾性を有する充填材5が介在される。
前記二本の管体2(2A、2B)に前記中子部材4を配置した後、図5(c)に示すように、各フランジ継手3(3A、3B)を、それぞれに設けられた各フランジ部32同士が互いに近づく方向に向けて移動させる。この移動の際、前記テーパ部313と前記短管当接部44とが摺接し、前記テーパ部313によって前記短管当接部44が徐々に押圧されていく。各フランジ継手3(3A、3B)における各フランジ部32同士がある程度近づいた時点で、各フランジ部32に設けられた接続孔323を連通させた上でボルトBを差し入れ、ナットNを用いて締結していけば、フランジ部32同士が更に近接し、より一層、前記テーパ部313による押圧力が強くなる。
前記テーパ部313によって前記短管当接部44が十分に押圧された時点で前記フランジ部32同士の締結を完了させる。これによって、実施形態2に係る本発明接続構造1が構築される。本発明接続構造1においては、前記テーパ部313と前記短管当接部44との接触面積が、前記実施形態1に係る本発明接続構造1より小さいため、より強い締め付け力を前記二本の管体2(2A、2B)に付与することができる。又、本発明接続構造1においては、前記中子部材4の両筒口41、42に設けられた各段落ち部45が、前記一対のフランジ継手3(3A、3B)にそれぞれ設けられた厚肉部314と前記管体2の外周面との間に差し入れられているため、前記テーパ部313によって前記短管当接部44が強く押圧された際に、前記中子部材4が反り返って、両筒口41、42が浮き上がることが好適に防止されている。
なお、本実施形態においては、各管体2(2A、2B)に対し、凹溝24を複数条設けているが、この凹溝24の数は特に限定されるものではない。凹溝24の数としては、1〜5条程度とすることが好ましい。又、凹溝24は、管体2の外周面を螺旋状に周回する螺旋溝としても良い。
ところで、実施形態2に係る本発明管体構造1においては、前記二本の管体2(2A、2B)の外周面と前記中子部材4の内周面との間に、ゴムやエラストマーなどの弾性部材を介在させて各部材間のシール性を向上させることが好ましい。
前記二本の管体2(2A、2B)の外周面と前記中子部材4の内周面との間に、ゴムやエラストマーなどの弾性部材を介在させるにあたっては、図6(a)に示すように、前記二本の管体2(2A、2B)の外周面にそれぞれ設けられた凹溝24に弾性部材6を嵌まり込ませた状態としたり、図6(b)に示すように、前記中子部材4の内周面に設けた隣接する前記凸条46間に存する溝部に弾性部材6を嵌まり込ませた状態としたりすることが好ましい。
このような状態で、本発明接続構造1を構築すれば、前記中子部材4によって前記二本の管体2(2A、2B)を締め付ける締め付け力によって、弾性部材6が押し潰されて、前記凹溝24や隣接する前記凸条46間に存する溝部が埋められるため、各部材間のシール性がより一層向上する。
その余は、前記実施形態1にて説明した事項と同様であることから、ここでは説明を省略する。
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、簡単な作業にて管体同士を接合することができ、従来、接続作業が非常に煩雑であった複層管等の接続作業を非常に容易にする。
1 本発明接続構造
2 管体
23 継ぎ目
24 凹溝
3 フランジ継手
31 短管
311 一端
312 他端
313 テーパ部
314 厚肉部
32 フランジ部
4 中子部材
41 一の筒口
42 他の筒口
43 スリット部
44 短管当接部
45 段落ち部
46 凸条
5 充填材
6 弾性部材
2 管体
23 継ぎ目
24 凹溝
3 フランジ継手
31 短管
311 一端
312 他端
313 テーパ部
314 厚肉部
32 フランジ部
4 中子部材
41 一の筒口
42 他の筒口
43 スリット部
44 短管当接部
45 段落ち部
46 凸条
5 充填材
6 弾性部材
Claims (7)
- 二本の管体が開口端同士を対峙させた状態で接続されてなる管体の接続構造であって、
互いに接続される二本の管体と、
短管の一端の外周周りにフランジ部が設けられてなり、前記短管に前記管体が挿入された状態で前記二本の管体それぞれに対して各々外装される一対のフランジ継手と、
前記二本の管体間の継ぎ目を覆った状態で、前記二本の管体の外周面と、前記二本の管体それぞれに外装された各フランジ継手における各短管の内周面と、の間に介在される筒状の中子部材と、
を具備し、
前記フランジ継手には、前記短管の内周面において、前記短管の他端側から一端側に向かって内径を拡大するテーパ部が設けられてなり、
前記中子部材は、一の筒口から他の筒口に向かって筒壁を切り分ける一条のスリット部が設けられた筒体、若しくは、一の筒口から他の筒口に向かって筒壁を切り分ける複数条のスリット部によって分割された複数個の分割体が集合することによって筒体となるものであり、その外周面には、両筒口側から軸芯に沿って中央部側に向かうにつれて外径を増加させる凸型のテーパ面となされた短管当接部が設けられてなり、
前記二本の管体それぞれに対して前記一対のフランジ継手を各々外装させ、
前記二本の管体間の継ぎ目を前記中子部材にて覆うと共に前記中子部材に存する前記スリット部に充填材を介在させ、
前記一対のフランジ継手を、前記テーパ部と前記短管当接部とを摺接させながら、それぞれに設けられたフランジ部が互いに近づく方向に向けて移動させて、前記テーパ部によって前記短管当接部が押圧された状態にて各フランジ部同士を接合させることによって、
前記中子部材に生じた締め付け力にて前記二本の管体がそれぞれ締め付けられた状態で、前記二本の管体同士が接続されてなることを特徴とする管体の接続構造。 - 請求項1に記載の管体の接続構造において、
前記二本の管体には、いずれも外周面を周回する一ないし複数の凹溝が設けられてなり、
前記中子部材には、その内周面を周回する複数の凸条が設けられてなり、
前記凹溝と前記凸条とが係合された状態にて、前記二本の管体間の継ぎ目が前記中子部材にて覆われてなる管体の接続構造。 - 請求項1又は2に記載の管体の接続構造において、
前記二本の管体の外周面と前記中子部材の内周面との間には、弾性部材が介在されてなる管体の接続構造。 - 請求項2に記載の管体の接続構造において、
前記弾性部材が、前記凹溝に嵌まり込んだ状態で保持されてなる管体の接続構造。 - 請求項2又は4に記載の管体の接続構造において、
前記弾性部材が、隣接する前記凸条間に存する溝部に嵌まり込んだ状態で保持されてなる管体の接続構造 - 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の管体の接続構造において、
前記二本の管体の外周面と前記中子部材の内周面との間には、接着剤又は粘着剤が介在されてなる管体の接続構造。 - 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の管体の接続構造において、
前記短管当接部と前記テーパ部との間には、接着剤又は粘着剤が介在されてなる管体の接続構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011132074A JP2013002494A (ja) | 2011-06-14 | 2011-06-14 | 管体の接続構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2011132074A JP2013002494A (ja) | 2011-06-14 | 2011-06-14 | 管体の接続構造 |
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JP2011132074A Withdrawn JP2013002494A (ja) | 2011-06-14 | 2011-06-14 | 管体の接続構造 |
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JP (1) | JP2013002494A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017057939A (ja) * | 2015-09-17 | 2017-03-23 | コスモ工機株式会社 | 管継手の設置方法 |
JP2020073815A (ja) * | 2019-11-18 | 2020-05-14 | コスモ工機株式会社 | 管継手の設置方法 |
JP7020734B1 (ja) | 2020-09-04 | 2022-02-16 | 株式会社富田化成 | 繊維強化プラスチック製のタンク分割体、繊維強化プラスチック製のタンク、及び繊維強化プラスチック製のタンク分割体の製造方法 |
JP7502150B2 (ja) | 2020-07-23 | 2024-06-18 | 株式会社リケンCkjv | ハウジング管継手 |
-
2011
- 2011-06-14 JP JP2011132074A patent/JP2013002494A/ja not_active Withdrawn
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