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JP2012523272A - ヒトの女性における骨盤底修復のための装置および方法 - Google Patents

ヒトの女性における骨盤底修復のための装置および方法 Download PDF

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JP2012523272A JP2012504705A JP2012504705A JP2012523272A JP 2012523272 A JP2012523272 A JP 2012523272A JP 2012504705 A JP2012504705 A JP 2012504705A JP 2012504705 A JP2012504705 A JP 2012504705A JP 2012523272 A JP2012523272 A JP 2012523272A
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タウンゼント,フィリップ,エー.
アフレモヴ,マイケル
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ミネソタ メディカル ディベロップメント、インコーポレイテッド
タウンゼント,フィリップ,エー.
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Abstract

女性の骨盤臓器脱に対処するためのプロテーゼは、形状記憶材料から作られたフレームを含み、このフレームは、非拘束状態にある場合に、薄い弾性メッシュシートを伸張状態に支持する。メッシュシートには、外科医がプロテーゼを骨盤内の所望の配置に動かす際に用いられる、メッシュシートの後方の外周に近接して2つの指受容ポケットが形成される。フレームは、骨盤内の骨構造および筋組織に一致しかつそれらによって支持されるような形にされる一方で、骨盤内臓器を適切な位置に維持するように骨盤内臓器に必要な支持を与える。形状記憶材料を使用することによって、プロテーゼを、膣壁の小さな切り口を通して容易に配置するために、小さいサイズに丸めるまたは折り畳むことが可能であるが、運ぶためのシースから展開された後にその記憶した形状に跳ね戻ることが可能である。
【選択図】 図1

Description

I.関連出願への相互参照:本願は、2009年4月9日に出願された米国出願番号第12/421,116号の一部継続出願である、2009年9月22日に出願された米国出願番号第12/564,179号の一部継続出願である、2010年3月3日に出願された米国出願番号第12/716,323号の一部継続出願である。
II.発明の分野:本発明は、概して、ヘルニア修復用の、外科的に移植可能なプロテーゼ、より具体的には、特に骨盤底修復のために設計された移植可能なデバイスに関する。
III.従来技術の考察:以下の定義は、本明細書および特許請求の範囲において用いる用語に適用される。
性器脱または骨盤臓器脱(POP)とは、膣の突出をもたらす、骨盤内臓器の線維性筋性支持の損失のことをさす。脱出は、通常、それが起きる膣の領域に応じて類型化される。
前膣脱(または前骨盤区画脱)は、通常、膀胱が関連し(膀胱瘤)、また、しばしば、尿道膀胱接合部の超可動性も関連する(膀胱尿道瘤)。
後膣脱(または後骨盤区画脱)は、しばしば、膣管内への直腸の係蹄の突出(直腸瘤)および/また腹膜嚢内への小腸の係蹄の突出(腸瘤)が関連する。
子宮膣脱とは、子宮と膣の完全な突出のことをさす。
膣円蓋脱との用語は、膣円蓋の完全または部分的な逆位のことをさし、膣円蓋脱は、子宮摘出を行った患者に最もよく発生する。
仮性直腸瘤(pseudrectocele)との用語は、後膣壁の正中部の露出がもたらされる、会陰不全または会陰異常を説明するものである。仮性直腸瘤は、直腸瘤の外観を模倣するが、膣襞の喪失を伴う、直腸壁および膣壁の両方を含む直腸窩(rectal pouch)の形成は関連しない。
腸瘤とは、膣尖を通る腹膜嚢(通常、小腸で埋まっている)のヘルニア形成である。腸瘤はさらに、牽引性腸瘤(traction enterocele)または圧出性腸瘤(pulsion enterocele)に分類される。
牽引性腸瘤は、脱出する頸部または膣の折返し部分(cuff)によって引き下げられる後盲嚢(posterior cul-de-sac)の突出である。
圧出性腸瘤は、慢性的に上昇する腹腔内圧により生じる膣を通る盲嚢の突出である。圧出性腸瘤はしばしば大きく、また、常に小腸を含む。腸瘤は、通常、直腸膣隔膜の切開部(dissect)として遭遇するが、膀胱と前膣壁との間の空間においても発生しうる。
あらゆる民族の女性にPOPを発症させ易くする因子には、経膣分娩時の骨盤組織への損傷、それに続く慢性的な腹腔内圧の上昇、肥満、加齢、およびエストロゲン欠乏が含まれる。骨盤外傷および骨盤手術は、神経筋構造、結合組織、および骨盤底の筋肉を損傷してしまう場合があり、また、経膣分娩は、骨盤組織の伸張、転位、裂傷、および剥離の原因となる。緊張性尿失禁および骨盤臓器脱の症状を有する女性によって証明されているように、陰部神経への神経損傷も起きる可能性がある。重労働による慢性的な緊張も陰部神経を損傷して神経筋機能を損傷することにより骨盤底機能障害の原因となりうる。
子宮摘出後の膣円蓋脱は、不快であり、ますます一般的になってきている問題である。膣円蓋脱は、膣式または腹式子宮摘出後に起きることがあり、また、しばしば、子宮の除去後の膣尖の支持の適切な再建に対する配慮が不十分であることからもたらされる。
POPは、関連する臓器に応じて多くの症状を呈しうる。最もよく見られる症状は、膣内で感じるまたは膣から出現する突出または膨らみの病状であり、これは、長時間の起立または歩行によって悪化する。場合によっては、脱出は、歩行困難となるほど大きい。他の一般的な症状には、腰痛、尿失禁、膀胱および直腸排尿困難、および性機能障害が含まれる。脱出の症状を有する女性には、膣上皮における変化も、よく見られる。若い女性では、膣周りの皮膚は肥大しうるが、年配の女性では、特にエストロゲン補充療法を受けていない場合は、膣周りの皮膚は萎縮する。膣の解剖学的構造および骨盤臓器機能の変化による性機能障害も脱出の症状を有する女性に見られうる。
ヒトの女性では、骨盤内筋膜の凝縮(condensation)は、骨盤筋隔膜(muscular pelvic diaphragm)に沿った骨盤臓器の支持に関与しており、膀胱、子宮、膣および直腸を骨盤壁に付着させる。骨盤内筋膜は、子宮傍結合組織と傍膣結合組織とに細分される。子宮傍結合組織は、凝縮された骨盤内筋膜の子宮仙骨−基靱帯複合体からなり、これは、子宮の構造上の支持の一部を与える。これらのいわゆる「靱帯」は、実際には、緩い組織の単一の塊の2つの異なる部分に過ぎない。傍膣結合組織は、膣上部2/3を骨盤壁に付着させ、子宮が生体内原位置にある(in situ)場合、子宮傍結合組織につながっている。傍膣結合組織は、子宮摘出後の膣尖の吊り下げを助ける。
膣は、主に3つの支持レベルを有する。
レベルIの支持は、膣尖および頸部傍膣(paracervical vagina)を含み、上傍膣結合組織の長い結合組織線維からなる。
膣の正中部(レベルII)は、膀胱と直腸との間に延びて横方向に付着され、下部傍膣結合組織によって支持される。このレベルでは、前膣壁と骨盤内筋膜は融合して恥骨頸部筋膜を形成し、この恥骨頸部筋膜は、膀胱の下に横たわり、膣腔内に膀胱が突出することを阻止する。後方では、骨盤内筋膜は、後膣壁と融合して直腸膣筋膜または隔膜を形成する。この層によって、直腸が後膣壁を通り突出することが阻止される。
膣の最下部(レベルIII)は、膣入口において見出され、膣の最下部を吊り下げるための傍膣結合組織が介在しない。このレベルでは、膣は側方に肛門挙筋と、前方に尿道と、後方に会陰と直接融合する。
上傍膣結合組織(レベルIの支持)の懸垂線維への損傷は、腸瘤を伴う子宮および膣円蓋脱をもたらしうる。恥骨頸部筋膜または直腸膣筋膜(レベルIIの支持線維)への損傷は、それぞれ、膀胱瘤および直腸瘤の発症につながる。損傷は、しばしば、両レベルにおいて起きるので、障害は複合的に生じる。
骨盤底の別の重要なコンポーネントは、骨盤底の支持において重要である肛門挙筋である。これらの筋肉は、子宮および膣を適切な位置に維持する一定の自然張力(basal tone)を維持する。肛門挙筋の上方では、靱帯および膜筋が臓器を適切な位置に安定させる。筋肉活動における一定の調整によって骨盤靱帯の伸張が阻止される。恥骨内臓筋(pubovisceral muscle)の収縮は、直腸を恥骨に向けて引っ張り、それにより尿生殖裂孔が閉じられ、尿道、膣、および子宮が圧縮される。骨盤底は、静止した厚切りの塊ではなくて、変化する刺激に応じて絶えず拡張および収縮している動的なトランポリンと考えるべきである。挙筋は、腹腔内圧が高い間に、反射的に収縮する(咳嗽、くしゃみ等)。この過程において、尿道、膣、および直腸は、挙筋プレートに対して圧縮され、それによりそれらの骨盤内での正常位置が維持される。挙筋または骨盤内筋膜の伸張または裂傷は、尿生殖裂孔の拡大および挙筋プレートの軸における回転をもたらしうる。続いて子宮または膣脱への傾向が発生する。
POPの治療における最初の重要な進歩は、脱腸帯として機能する膣ペッサリーの開発であった。一般的に言えば、ペッサリーは、下垂臓器を支持するために膣内に挿入可能なデバイスである。ペッサリーの使用は、19世紀半ばに多くの人気を博し、ペッサリーは、手術危険度が容認できないほどである場合または患者がこの選択肢を好む場合に今でも使用されている。20世紀では、POPの理解および外科治療が急速に進歩した。
1909年、ジョージア大学のジョージ・ホワイト(George White)博士は、経膣傍膣アプローチを用いた膀胱瘤修復を初めて報告した人のうちの1人である。骨盤側壁の腱弓への恥骨頸部筋膜の付着による、現在「レベルII」骨盤臓器支持と呼ばれるものの博士の正しい評価は、1950年代に当分野の主流の研究者によって再発見された。この処置には、高等かつ専門的な縫合技術が伴う。
1950年代では、ルイジアナ大学のミルトン・マックコール(Milton McCall)博士は、子宮摘出後の膣円蓋のいわゆる「レベルI」支持における子宮仙骨靱帯の重要性を強調した。
より最近になって、1990年代では、POPのヘルニアの性質に重点が置かれるようになり、吸収性の縫合材料から永久縫合糸への移行がもたらされた。
同じく1990年代に、骨盤解剖学者であるミシガン大学のジョン・デランシー(John Delancey)氏は、「正常膣構造の生体力学的解析(A Biomechanical Analysis of Normal Vaginal Anatomy)」を出版した。この著作物は、3つの支持レベルの各々のための具体的な外科手術目標を特定した。これらは、近位膣吊り下げ(レベルI支持)、正中膣側方付着(レベルII支持)、および会陰および泌尿生殖器筋膜への遠位膣融合である。これらは、現代の骨盤外科医が骨盤ヘルニア外科手術を完了するために満足しなければならない基本概念である。
20世紀の大半において、骨盤底ヘルニアの外科的修復は、ジョンズ・ホプキンス病院(Johns Hopkins Hospital)の影響力のある骨盤外科医ハワード・ケリー(Howard Kelly)氏や当分野における他の研究者による、膣壁の筋膜の脆弱化がこれらのヘルニアの原因であるという仮定に基づいてきている。中部、前部、および後部の膣壁の筋膜のひだ形成は、別名、前方および後方膣壁縫縮術としてもそれぞれ知られ、通常、吸収性縫合材料(クローミック腸線)を用いるが、これはこれらのヘルニアの多くの外科治療の中心であった。
このアプローチでの高い再発ヘルニア形成率(特に膀胱瘤形成の再発率)は、骨盤底ヘルニア形成に関与する正確な障害についての徹底的な研究をもたらした。これらの障害は、これらの研究者によって、出産時に受けた損傷に因るものであり、また、単なる脆弱化ではなく部位に固有であると考えられた。このような解剖学的部位に固有な損傷が、骨盤再建手術の概念に結びつく。ジョージア大学のA.コリン・リチャードソン(A. Colin Richardson)博士は、膀胱と前壁との間の恥骨頸部筋膜への損傷を、近位型、遠位型、正中型、および側方型に分類した。ロードアイランド大学のデイビッド・ニコルス(David Nichols)博士といった他の研究者は、これらの障害の各々を特定しかつ修復して、支持付着部(support attachments)をそれらの元の解剖学的位置に戻すことを婦人科医に奨励した。これには、例えば縫合糸を用いて恥骨頸部筋膜を腱弓に再付着することによる膣傍ヘルニア(paravaginal hernia)の修復が含まれる。このような骨盤再建手術は、成功するには、個々の外科医の訓練、スキルおよび専門知識にかなり依存する。また、骨盤再建手術は、しばしば、比較的長時間に及ぶ手術時間が必要となる。
したがって、成功のために個々の外科医の特質にあまり依存せず、手術時間が短い、外科移植可能なデバイスが必要である。同時にこのような新規のデバイスは、骨盤底修復の従来の方法に対して、機能および低い合併症発生率の点において、改良された結果を示さなければならない。
さらに、高等かつ専門的な縫合技術を必要とすることなく、極めて重要なレベルII支持機構への損傷を修復し、それにより正常機能を回復させる能力を有する外科移植可能なデバイスが必要である。
また、最小限の縫合で迅速に位置決めされて適切な位置に保持されることが可能なレベルI支持を回復させる能力を有する外科移植可能なプロテーゼが必要である。
理想的には、高等かつ専門的な縫合技術を必要とすることなく、骨盤解剖学者であるジョン・デランシ氏によって支持されているようにレベルI、II、およびIII支持を同時に対処する単一の容易に移植可能なデバイスが作製されるべきである。
生体材料技術の進歩によって、軽量のポリプロピレンメッシュ、生分解可能で生体適合性があり、形状記憶するポリマーおよび生物学的移植片が開発された。このような材料は、いずれも様々な成功度で過去10年間において骨盤底修復に用いられてきている。合併症発生率が下がった改良機能も、特に超軽量ポリプロピレンメッシュ技術における進歩において見られる。
これらの材料の外科移植方法の進化は、近年速くなってきている。この進化には、侵襲性が最小となるように合成および生合成の移植片インプラントを用いた修復を容易にするとされる複数の専用キットの開発が含まれる。これらの専用キットは、あまりにも早く市場に入ったので、従来の方法に比べて改良された安全性および効率を確認するためのデータを有する科学文献が立ち遅れた。これらのシステムは、米国および世界中で広く市場に普及し、アポジー・アンド・ペリジー(Apogee and Perigee)システム(アメリカン・メディカル・システムズ(American Medical Systems)、ミネソタ州ミネトンカ)、アバウルタ(Avaulta)(バード・ウロロジカル(Bard Urological)、ジョージア州コビングトン)、およびガイネケア・プロリフト(Gynecare Prolift)(エチコン(Ethicon)、ニュージャージー州ソマーヴィル)が含まれる。
これらのシステムは、4つのメッシュアームによって移植片またはパッチを固定して、前方修復には、閉鎖筋空間を通る4つの長い湾曲ニードルのブラインドパッサージ(blind passage)を用い、後方修復には、2つのニードルパッサージ(needle passages)を用いる。ここでも、結果は、外科医の専門知識度に大きく依存する。外科専門家や当分野における権威によって大規模研究が、通常、低い合併症発生率で、限定されかつ行われている。最適利用のためには、これらのキットは、特にニードルパッサージの精度とメッシュアームの過剰な引っ張りの回避については、依然として外科的スキルにかなり依存する。
本発明は、このようなニードルおよびメッシュアームを使用しない。さらに、本発明は、レベルI、II、およびIII支持のための必要性を十分に満足し、かつ、移植されたパッチが折り目や皺なく平らに確実に維持する。
上述した必要性は、骨盤底修復用のインプラントに関する本発明によって満足される。移植可能なプロテーゼは、適切な生物学的移植片または合成メッシュ材料のシートを開いて保持するための拡張可能なフレームから構成される。デバイスは、デバイスフレームと骨盤壁との間に加えられた低レベルの反跳力によって骨盤内に適切な位置に保持されるように設計される。前骨盤底修復について、このような反跳力には、次に限定されないが、フレームと、いわゆる「最大寸法の面」にごく近接する線維筋性骨盤側壁との間の反跳力が含まれる。側方では骨盤筋膜腱弓、後方では仙棘靱帯、前方では恥骨下枝として知られる骨盤の両側にある解剖学的構造は、フレームの面とごく近接することになる。
広義に述べるに、本発明の移植可能なデバイスは、所定の形状構造のメッシュ生地または移植片材料のシートを、女性患者の骨盤底に近接するデバイスの移植後に、シートをその所定の形状構造に維持するための支持フレームと共に含みうる。支持フレームは、メッシュ生地または移植片材料のシートに取り付けられ、かつ、デバイスの中心軸について左右相称である第1および第2の翼部を含む。翼部は、その第1の端に、女性患者内に移植された場合に仙棘靭帯に近接して骨盤壁に接するように適応された、丸みが付けられた翼先端部を含み、第1および第2の翼部の翼先端部は、凸状の弓形セグメントによって互いに一体に接合される。翼先端部とは反対側の、第1および第2の翼部の端部は、翼先端部が仙棘靱帯に近接する患者の後膣壁に係合する場合に、女性の恥骨枝および/または恥骨結合の後面上に載るような寸法にされる。
フレーム自体は、形状記憶特性を示す生分解可能なポリマーから形成されることが好適であるが、ニチノールワイヤを含んでもよい。
フレームの形状記憶特性によって、フレームは、その薄型の構造で膣壁に外科的に付けられた切り口を通して運ぶために比較的小さい半径方向寸法を有する管状構造に丸められるまたは折り畳まれることが可能であるが、一旦、骨盤底に近接する体内となると、その所定の所望の形状に広がる。
更なる実施形態では、メッシュ生地または生物学的移植片材料のシートは、その材料の後縁にある翼先端部材に近接して形成され、女性患者の仙棘靱帯への後縁の配置を容易にするよう医療専門家の人差し指および中指を受容するように構成された閉鎖端付きポケットを有しうる。指は、ポケット内に入れられると、V字を形成するように広げられ、また、指がポケットから出された場合に、プロテーゼの後縁が仙棘靱帯に係合するように坐骨棘を触覚で感知するために用いられる。
上述した、本発明の特徴、目的および利点は、当業者であれば、特に添付図面と共に考慮した場合に以下の好適な実施形態の詳細な説明から明らかとなろう。
図1は、拡張かつ非拘束(unconstrained)状態にある第1の実施形態の平面図である。 図2は、約3cmの長さの膣の切り口を介して骨盤区画内に入れられるように適合された、丸められて薄くされた状態にある図1のデバイスを示す。 図3は、骨盤底ヘルニアの治療における本発明のデバイスの配置を示す、女性の骨盤隔膜の上面図(superior view)である。 図4は、拡張かつ非拘束状態にある代替の実施形態の平面図である。 図5は、拡張かつ非拘束状態にある更なる代替の実施形態の平面図である。 図6は、図5の実施形態のフレームを通して取られた断面図である。 図7は、骨盤臓器脱の治療における図4のデバイスの配置を示す、女性の骨盤の前面像を示す解剖学的骨格図である。 図8は、骨盤臓器脱に対処するための本発明のプロテーゼの近似配置(approximate placement)を示す矢状断面図である。 図9は、膀胱瘤を示す矢状概略図である。 図10は、図9と同様であるが、膀胱瘤の治療におけるプロテーゼの配置を示す図である。 図11は、拡張かつ非拘束状態にあるさらに別の実施形態の平面図である。 図12は、拡張状態にあるさらに別の実施形態の平面図である。 図13は、後方傍膣区画障害(posterior paravaginal compartment defects)に対処するために特別に形作られた本発明のプロテーゼの拡大平面図である。 図14は、前方傍膣区画障害(anterior paravaginal compartment defects)に対処するために特別に形作られた本発明のプロテーゼの平面図である。 図15は、図13の図と同様であるが、フレームが着脱可能である図である。 図16は、図14の図と同様であるが、フレームが着脱可能である図である。 図17は、図13の図と同様であるが、代替のフレーム構造を有する図である。 図18は、図14の図と同様であるが、代替のフレーム構造を有する図である。 図19は、付着用のアンカーと、前膣傍区画障害に対処するための代替のフレーム構造とを組み入れた更なる実施形態である。 図20は、図19の実施形態と同様であるが、後膣傍区画障害に対処するために形作られている実施形態である。
好適な実施形態の本記載は、本発明の記載全体の一部として見なされる添付図面に関連して読まれることを意図している。記載中、「より下の」、「より上の」、「水平方向の」、「垂直方向の」、「より上方の」、「より下方の」、「上」、「下」、「上部」、および「下部」、並びにそれらの派生語(例えば「水平方向に」、「下方向に」、「上方向に」等)といった相対語は、そのとき記載されているまたは議論されている図面において示される向きをさすと解釈すべきである。これらの相対語は、記載の便宜のために過ぎず、装置を特定の向きに構築するまたは動作させることを必要とはしない。「接続された」、「接続する」、「付着された」、「付着する」、「接合する」および「接合している」といった用語は、交換可能に用いられ、別の構造または表面に固定された1つの構造または表面をさし、または、特に明示されない限り1つの部品となるよう一体に製造される。
図1をまず参照するに、図1は、本発明の第1の実施形態に従って構成された骨盤底修復パッチ10の平面図を示す。骨盤底修復パッチ10は、所定の形状構造を有するメッシュ生地シート12を含んでいることが分かる。限定されることなく、メッシュ生地シートは、ポリプロピレンまたはPTFEから形成されうる。これらは共に、移植可能な医用プロテーゼを作る際に過去に用いられてきている。このようなメッシュ生地が望ましいが、シート12は、適切に処理されたブタ真皮組織といった異種移植片を含みうることも考えられる。
シート材料12には、女性患者の骨盤底に近接してパッチ10を配置した後に、その所定の形状構造にシート12を維持するための支持フレーム14が設けられている。
図1に見られるように、本実施形態に用いられる支持フレーム14は、シート12に、例えば密集したステッチ16によって取り付けられている。支持フレーム14は、デバイスの仮想中心軸21について左右相称であることが好適である第1および第2の翼部18、20を含む。翼部18、20の各々は、その第1の端に、丸みが付けられた翼先端部22、24を含み、第1および第2の翼部18、20上のこれらの翼先端部は、凹状の弓形セグメント26によって互いに一体に接合されている。
図1の実施形態では、翼先端部22、24とは反対側の翼部18、20の端28、30は、丸みが付けられている。凸状の弓形セグメント29、31が、翼先端22、24を各々の反対側の端28、30に接合する。
支持フレーム14は、形状記憶材料の1つ以上のストランドを含んでよく、複数のストランドがケーブルとして一緒に巻かれる。限定されることなく、ストランドは、ニチノールといった形状記憶金属から、または、或いは、弾性特性を有する適切な生分解可能なポリマーから作られうる。
フレームの形成において生体材料として用いられるべき特定のポリマーは、機械的特性および分解時間を、適用の必要性に合わせるポリマーである。この適用に理想的なポリマーは、炎症/毒性反応を惹起せず、その目的を果たした後に体内で代謝可能であり、顕著な痕跡を残すことなく、殺菌可能であり、所望の構造に容易に加工可能なポリマーである。
ポリジオキサノンは、−10℃から0℃の範囲のガラス転移温度と、約55%の結晶化度を有する生分解可能なポリマーである。ポリマー鎖の主鎖内へのエーテル酸素基の存在によって、材料に良好な柔軟性が与えられる。ポリジオキサノンは形状記憶特性も示す。ポリジオキサノンの単一フィラメントは、3週間後にはその当初の破壊強度の約50%を失い、6ヶ月以内に吸収される。これにより、メッシュ内に組織が内部成長するのに十分な時間が与えられる。
図1にさらに示されるように、シート12は、フレーム部材の外形にほぼ従うが、シート材料12の境界は、支持フレームを越えて側方に越えて延在している。
ケーブルフレーム14を構成している複数のストランドが解けることを防ぐために、ストランドの自由端に管状フェルール32を付けて閉ループを形成することが好都合であることが分かっている。フレームが、ケーブルとして一緒にねじられる複数のニチノールワイヤのストランドを含む場合、フェルール32は、ストランドの両端を取り囲んで適切な位置にレーザビームで溶接されうる。フレームがポリマーを含む場合、自由端は融解によって融合され、その後凝固されうる。いずれの場合も、複数のストランドが解けることは阻止される。
フレーム14が弾性材料から作られる場合、デバイスを、ほぼ平らである図1に示す構造から、図2に示す管状構造に丸めることができる。したがって、デバイスは、膣の壁の2〜3cmの長さの切り口を通して、骨盤腔内に挿入されることができ、骨盤腔内では、デバイスは、弾性反跳によって広がるようにされ、したがって、図1に示す形状構造に再度なる。次に、外科医は、手術によって補正することを意図している臓器脱の種類および度合いに最適に対処すべく、自身の指を使ってデバイスを前に説明した適切な骨盤平面に位置決めしうる。その固有特性によって、フレームは、骨盤底修復に用いられる従来技術のパッチ材料のむらのある縫合によるメッシュの膨れまたは皺を減少する。このような膨れまたは皺は一般に性交時の性交疼痛をもたらす。
シート12の配置後、および、膣壁における切り口を閉じる前に金属フレーム14を取り外すことが所望される場合、シートは、その上に、間隔が開けられた「ベルトループ」状の複数の付属品を含むように形成されてよく、フレーム14はこれらの付属品を通される。適切に間隔が置かれた生分解可能な固定タックを用いてシート12を適切な位置に保持した後、フレーム14は、ベルトループ付属品から外されて、患者から取り外されることが可能である。当然ながら、フレーム14が生分解可能なポリマーを含む場合は、術後3ヶ月程の期間にシート材料内への組織の内部成長後に身体によって吸収されるため、フレームを外す必要はない。
次に図3を参照すると、骨盤底ヘルニアの治療における本発明のデバイスの配置を示す、女性の骨盤隔膜の上面図(superior view)が示される。適切に配置される場合、プロテーゼフレーム14の丸みがつけられた翼先端部22、24は、仙椎36と仙骨38との間に延在する仙棘靱帯34の領域において骨盤壁に寄りかかるように配置される。反対側の端部28、30は、下部結合部と隣接する恥骨下枝40の領域に柔らかく係合する。デバイスがこのように位置決めされると、フレームの凸状の弓形部分29、31は、骨盤筋膜腱弓42の領域において骨盤側壁によって支持されることになる。この配置は、凹状の円弧セグメント26の前端部が頸部Cのレベルにおける膣周りを回る。端28と30を接続する凹状のセグメントは、尿道U用の隙間を与える。
図4は、レベルIおよびレベルII支持の修復に取り組むためのデバイスの代替の実施形態である。この代替の実施形態は、ポリプロピレンメッシュまたは処理済みブタ真皮材料102といった生体適合性材料を支持するフレーム部材100を含む。
図1の実施形態にあるように、フレームは、ここでも、仮想中心軸104について左右相称である。フレームは、軸104の両側に1対の翼形部材106、108を形成するよう一体に接合される複数のほぼ円形の弧で構成される。
円弧は、女性患者内に配置されると、仙棘靱帯の領域に接するように配置される翼先端部110、112を画成する。これらの翼先端部は、直腸Rを妨げないようなサイズと形状にされた凹状の弓形セグメントによって互いに接合され、それにより、頸部Cのレベルにおける膣に支持を与える。凹状の弓形部分116は、下部恥骨結合部骨盤下枝(lower Symphysis Pubis inferior pelvic rami)とのインプラントの係合を可能にする。凸状の弓形セグメント118、120は、それらが、最大寸法を有する骨盤平面に近接する坐骨棘より僅かに上方に位置する平面において、骨盤側壁に柔らかく係合するように設計されている。
図4の実施形態では、フレーム100は、形状記憶特性を示す生体適合性の生分解可能なポリマーから形作られることが好適である。高分子量のポリ(ε‐カプトラクタン)および高重量画分のハードセグメントを決定するブロック(high weight fraction of hard-segment determining blocks)から形成されるポリウレタンは、高い形状記憶特性を示す。テレフタル酸ポリエチレンおよびポリエチレンオキシドで作られたブロックコポリマーも、ポリクリゴライド(PGA)およびポリラクチド(PLA)のコポリマーであるので、有力な候補である。フレーム材料の別の有力な候補は、ポリノルボルネンと呼ばれるポリマーである。生分解可能特性を示す形状記憶ポリマーの更なる情報を希望する読者は、アンドレアス・リンデリン(Andreas Lendlein)およびステファン・ケルチ(Steffen Kelch)による著書「形状記憶ポリマー(Shape-Memory Polymers)、(アンゲヴァンテ・ケミー(Angew. Chem.)英語版、2002年41号、2034−2057頁)を参照されたい。この内容は、参照することにより本明細書に組み込むものとする。
次に、図5を参照すると、レベルIおよびレベルIIの膣支持を修復するためにプロテーゼが用いられるべき場合、組織の内部成長を促進するようにメッシュに繊維が編み込まれている更なる実施形態が示される。翼先端部110、112の領域において、メッシュシート102には、番号126により特定されるテレフタル酸ポリエチレン(PET)の繊維が織り込まれている。テレフタル酸ポリエチレンは線維症を引き起こす物質として知られ、それにより、メッシュシート102は、時間の経過に伴う生分解によってフレームの弾性が失われる前に、固定される。
更なる選択肢として、吸収前の弾性フレームの骨盤組織への圧力による患者の不快症状の可能性を減少するために、フレームは、成形作業時に、図6に示すような横断面を示すように形成されうる。ポリマーフレーム部材100は、軟質の変形可能な発泡材料から作られる緩衝層122を示すように一体に形成される。緩衝層122は、フレーム部材100の弓形部118、120にのみ渡されればよい。緩衝層122は、接触力をより大きい面積に亘って広げるように変形可能であるように十分に弾性があり、それにより、フレーム構造と、それが接する組織との間の接触圧力が減少する。図5の実施形態および図6の断面図は、緩衝層122は、隆起したトレッド状の突起128を有しうることを示しうる。これらの突起は、緩衝層122の表面から半径方向に延在し、骨盤側壁の線維筋性組織にフレームを固定することを支援する。これらの突起は、緩衝層122と一体に形成されてもよい。
図7は、骨盤臓器脱の様々な形態に対処する際のプロテーゼの配置を説明するために、本発明のプロテーゼがその上に置かれた骨格女性骨盤の前面像である。プロテーゼの前部は、図8に最もよく確認できるように、下側の膣結合に係合するようにされ、その一方で、その翼先端部110、112は、第3と第4の仙骨分節間の接合部に近接する仙棘靱帯に接している。その名前が示す通り、仙棘靱帯は、その尖部によって坐骨棘へと付着され、また、内側に、その広い基部によって、仙骨および尾骨の外側縁に付着される薄い三角形の靱帯である。プロテーゼがこのように位置決めされると、プロテーゼの凸状の弓形セグメント118、120は、坐骨棘に対して幾分高くなっており、骨盤筋膜腱弓の領域に係合する。
図9は、前膣壁筋膜内の障害によって、膀胱の後壁が膣空間内へと脱出する膀胱瘤と知られる状態の概略図である。図9では、恥骨結合は番号200によって特定され、坐骨棘は番号202によって特定されている。尿道204は、膀胱206につながり、子宮212につながる膣管210内の膀胱瘤208または突出を示している。直腸は、番号214によって特定されている。
膀胱および尿道は、恥骨頸部筋膜によって膣から離される。障害のない筋膜は、膀胱が膣内に膨らんで下がることを防ぐ。膀胱瘤を有する女性は、この筋膜に障害または脆弱部を有する。
図10は、図9の図と同様であるが、本発明のプロテーゼを上述したように展開して、膀胱206に側方支持を与えて膀胱瘤が修復される図である。この図では、その前部が恥骨結合または下枝に係合され、または、その後方の翼尖端部が、図10では番号216によって特定される仙棘靱帯の領域に接するフレーム100の断面が表示される。
遭遇している特定の脱出状態用のメッシュシートの適切な位置決め後に、骨盤底修復デバイスからフレームを取り外すことが所望される場合、本発明の骨盤底修復デバイスは、図11に示すように構成されることが可能である。上述した実施形態におけるように、本発明の骨盤底修復デバイスは、所定の形状構造のメッシュ生地シート11を含み、このメッシュシートは、スコットランド、グラスゴー所在のムファイ・メディカル・デバイシズ社(Mpathy Medical Devices Limited)によるスマートメッシュ(Smartmesh)(登録商標)といった超軽量ポリプロピレン織物材料であることが好適である。
上述した実施形態におけるように、メッシュ生地は、翼尖端17、19をそれぞれ示す1対の翼形部材13、15を示すように切り出される。翼部材13、15は、仮想中心軸21についてほぼ左右相称である。
メッシュシート11の周囲に沿ってほぼ一定の間隔で、複数のループ23が置かれる。これらのループは、メッシュシート11と一体に形成されてもよいし、縫い作業によりメッシュシートに追加されてもよい。
移植可能な骨盤底修復デバイスはさらに、女性患者の骨盤底のすぐ近くにデバイスを移植した後にその所定の形状構造にシート11を維持するための支持フレーム25を含む。このフレーム25は、それぞれニチノールといった形状記憶材料である2つの別個のセグメント27、33を含む点で、上述した実施形態に用いられたものとは異なる。セグメント27、33は、単一のストランドであっても、または、ケーブルとして一緒にねじられた複数の細いストランドを含んでもよい。
図11に見られるように、フレームセグメント27は、翼部材13上のループ23を通り延在し、フレームセグメント33は、翼部材15のループ23を通り延在する。フレームセグメント27、33は、中心線21に近接するゾーン31において互いに重なり合うが、互いに接合はしない。フレームセグメント27、33は、非拘束時には図11に示す形状構造を維持するように熱処理されている。それぞれの第1の端に翼先端部17、19を含む翼部13、15は、女性患者内に移植されると仙棘靱帯に接するように適応され、翼先端部17、19から重なり合うゾーン35にまで延在する第1および第2の別個のセグメント27、33の所定の部分によって画成される凸状の弓形セグメントによって互いに接合される。翼先端部の反対側にある凸状の湾曲端部は、翼先端部が仙棘靱帯と係合する場合に女性患者の恥骨下枝上に載るように適応されうる。
図11を続けて参照するに、フレームセグメント27、33は、特定の種類の膣脱に対処するようにデバイスが適切に位置決めされると、膣の壁に外科的に付けられたスリットを通り延在するように適応された尾状の延在部37で終端する。この尾部37は、単一のストランドを含みうるので、フレーム25の残りの部分より高い柔軟性を有する。ほんの3日間ほどで、パッチ11の固定および安定に十分なメッシュ材料への早期の組織内部成長が起きた。医療専門家が、膣鏡を介して膣管内に鉗子を通してフレームセグメント27、33の末端33を掴み、一度につき一本で、フレームセグメントをループ23を通り膣入口から出るように引抜くことにより、フレームセグメントは取り外される。
上述した実施形態と同様に、図11のデバイスは、膣壁に形成された外科的につけられたスリットの通過のために、縮小された形状に容易に丸められるまたはそうでなければ折り畳むことができ、また、フレームの形状記憶特性によって、フレームは、上述したような様式での配置を可能にするように容易に広がる。
図12は、骨盤底修復のために生体内原位置(in situ)で配置された本発明のさらに別の代替の実施形態を示す。上述した実施形態におけるように、プロテーゼは、弾性合成メッシュまたは生物学的移植片材料のシートを含む。前者の例としては、ムファイ・メディカル・デバイシズ社(Mpathy Medical Devices Ltd)の製品であるスマートメッシュ(Smartmesh)(登録商標)と知られる超軽量ポリプロピレンメッシュである。このシートは、形状記憶材料の単一フィラメントを含むフレーム14に固定される。
図12の実施形態では、フレーム14は、第1の自由端部44を有する開ループを形成する。第1の自由端部は、その端部が膣壁に外科的に付けられた開口を通り突出することができるような長さである。フレーム部材14の第2の自由端46は、メッシュ材料シート11上に配置されたままである。図12の実施形態では、メッシュ材料11は、ループフレーム14を超えて、好適には約1cm越えてフレーム部材14をほぼ囲むスカートが形成されている点にもさらに留意されたい。
限定されることなく、メッシュシート11は、フレーム14にその長さに沿ってらせん状に巻き付くと同時にメッシュの中を通過する1対の適切な縫合糸48を用いて、フレームに一時的に取り付けられてもよい。この1対の糸は、結び目によって接合される。このようにすると、フレームは、遭遇している特定の脱出状態に対処すべくメッシュが適切に展開されると、続けて取り外されることが可能となる。合成メッシュの場合、フレームの取り外しは、メッシュを展開する手術の約72時間後に行われてよい。縫合糸38は、結び目を超えて膣管内に延在する自由端を有し、この自由端は、膣管内で鉗子によって掴まれ、結び目に沿って1対の糸が切られると、フレームおよびメッシュから解かれるように抜かれる。この取り外しをより容易とするために、2対の縫合糸を用いてもよく、第1の対が、図12に示すようにプロテーゼの左半分上に延在し、第2の対は、プロテーゼの右半分に巻き付けられる。フレームの取り外しは、オフィス環境において行われることが可能である。
図12の実施形態の更なる特徴は、図12中、番号50、52によって特定されるように、メッシュ11内に形成される指受容ポケットが含まれる点である。ポケット50、52は、予め形成されて、メッシュシートに縫い付けられることによって取り付けられるか、或いは、ポケットは、メッシュ材料11は例えばポリプロピレンといった熱可塑性材料であることが好適であることを考えると、適切な成形作業時に形成されてもよい。ポケットは、施術者の人差し指と中指がVを形成するように広げられる場合にそれらの2本の指を受容するように、通常、デバイスの中心線21の両側に配置される。施術者の指がポケットに挿入された状態で、施術者が女性患者の骨盤内で坐骨棘の突起を触覚で検知し、したがって、プロテーゼの翼先端部が、プロテーゼの仙棘靱帯への固定のためにその構造に接することを特定するまで、プロテーゼは動かされうる。
図13〜図19は、特許法の第112章の「ベストモード」要件に従うべく本明細書に含められている。具体的には、これらの図面は、POPに対処するためのプロテーゼの製造および成形のために考えられたベストモードを示す。
図13は、膣傍後区画脱(paravaginal posterior compartment prolapse)の治療における使用に特に有利である本発明の一実施形態を示す。図11および図12のデバイスにおけるような凸状の弓形翼を示すのではなく、メッシュ11はよりV字型であるが、より柔らかく丸みを帯びた頂部60を有する。さらに、このメッシュは、メッシュの後翼先端22、24から突出する指ポケット50、52を与えるように形成されている。膣円蓋、すなわち頸部に近接する膣壁にレベルIの支持を与える場合に、プロテーゼを患者の仙棘靱帯に取り付けるために用いられる縫合糸66、68により大きい保持力を与えるために、指ポケットの端部62、64に追加のウェビングを設けることが有利であることが分かっている。フレーム部材70は、閉ループとして形成され、かつ織り込まれることによってまたは縫われることによってフレーム部材がその上に取り付けられるメッシュ11の形状構造にほぼ従う生分解可能弾性ポリマー材料を含みうる。
メッシュ11は、縫合糸72、74によって会陰体に付着されるように適応され、プロテーゼがこのように付着されると、プロテーゼは後膣傍区画脱(posterior paravaginal compartment polapse)のためのレベルIIIの支持を与える。
幾分楕円形のフレーム70に生分解可能な材料を用いることで、約10〜12週間の期間後、フレームは完全に吸収される。完全な吸収は、メッシュが完全に内皮化(endothelialized)され、したがってフレームによって最初に達成されたメッシュの所望の形状構造に固定された後に起きる。
図14は、図13のプロテーゼと同様であるが、前膣傍区画脱(anterior paravaginal compartment prolapse)に対処するように設計されたものを示す。図に示すように、本プロテーゼは、幾分より丸みが付けられ、その形状構造において僅かに異なる。図13の実施形態と同様に、本プロテーゼは、後翼先端領域22’、24’を越えて延在する指受容ポケット50’、52’を有し、ポケット50’、52’の端62’、64’は補強され、それにより縫合糸66’、68’を用いてポケット端を患者の仙棘靱帯に取り付けて、前骨盤区画脱の結果生じる膀胱瘤に対処するレベルI支持をもたらすことができる。
生分解可能な弾性フレーム70’は、非拘束時には、合成メッシュ11’を幾分平らに維持し、膀胱と膣との間に適切に配置されると、レベルIIの支持を与える。レベルIIIの支持は、プロテーゼの前端が、72’、74’と示す縫合糸によって患者の恥骨頸部筋膜に縫合されると与えられる。
図15および図16の実施形態は、各々、図13および図14の実施形態と同じ目的で設計されているが、生分解可能なフレームを採用する代わりに、ニチノールまたは他の形状記憶合金ワイヤフレームが採用されている。ワイヤフレーム80は、プロテーゼが設置され、通常、配置後約72時間以内の組織の内部成長によってメッシュが固定されると、取り外されるように設計されている。
フレームは、ループとして形成され、かつ図示するようにメッシュを通りおよびワイヤフレームの周りに編まれる縫合糸82、84によって、メッシュに一時的に取り付けられる。フレームは、結び目86、88の上方の縫合糸のループを最初に切断し、プロテーゼが最初に移植された際に膣壁に形成されていた外科的に付けられたスリット90を通して縫合糸82、84を引き抜くことによってメッシュから分離することができる。縫合糸ストリップが取り外されると、同じ外科的開口90を通してフレームワイヤ80を引き抜くことが可能である。
図17および図18は、各々、後および前区画脱を治療するためのプロテーゼの代替の構造を示す。メッシュ11は、図13および図14の先の実施形態におけるのと同じ形状構造であるが、支持フレームが変更されている。図13および図14におけるようなループではなく、図17の実施形態におけるフレームは、翼先端22’’、24’’とメッシュ延在耳94、96との間のメッシュの縁に沿って配置される直線補強材90、92を含む。
図18の実施形態では、補強材部材98、100は、メッシュの境界の形状にほぼ一致するように、直線ではなくて弓形である。
図17における補強材90、92と、図18における98、100は、ポリジオキサノンといった弾性生分解可能なプラスチックであることが好適である。先に開示した実施形態では、補強材は、ニチノール、または、膣壁の切り口を通して運ぶために縮小した形状に折り畳まれるまたは丸められることが可能であるが、非拘束時には、所定の形状構造に広がることが可能であるように形状記憶特性を示す他の合金であってよい。
図17および図18の実施形態における延在耳は、それぞれ、94、96と94’、96’であり、これらの延在耳は、各デバイスが後および/または前区画膣傍脱(compartment paravaginal prolapse)の治療に用いられる場合に、恥骨頸部筋膜(図17)および会陰体(図18)に、メッシュ11が縫合糸によって取り付けられる方法を与える。
図19は、ヒトの女性における骨盤底修復のための移植可能なデバイスのさらに別の実施を示す。マサチューセッツ州レインハム所在のムファイ・メディカル社(Mpathy Medical, Inc.)から、その会社の商標、スマートメッシュ(Smartmesh)(登録商標)の名前で市販されるような種類の超軽量ポリプロピレンメッシュ材料のシート110を含むことが分かる。このメッシュは、所定の形状構造を有してよく、ここでは、幾分円形であり、1対の閉鎖端を有する指先受容部112、114を有する。ポケット112は、外科医の右手の中指の末節骨を受容するように設計される一方で、ポケット114は、右利きの場合には外科医の中指、左利きの場合には人差し指の末節骨を受容する。
閉鎖端を有するポケットへの侵入開口は、境界または縁116によって特定される。縁116のメッシュ末端部には、ポリプロピレンの追加の補強ストランドが織り込まれる。ポケット112、114の強化された閉鎖端には、指ポケットの閉鎖端に取り付けられた広いヘッド120と尖ったバーブ付きシャフト122とを有する、指が挿入可能なタックの形態であることが好適である付着部材118が取り付けられる。
メッシュシート110の周囲に沿って、複数のループ124が形成され、これらのループに、膣壁に外科的に付けられたスリット128を通るように丸められるまたは折り畳まれ、骨盤空間内で非拘束状態にされる場合にメッシュを展開するまたは広げるように設計された形状記憶材料から作られたフレーム部材126が通される。フレームは、ニチノール(登録商標)といったニッケル・チタン合金の複数の細いストランドを含むケーブルとして形成されることが好適である。フレーム126は、閉ループではなく、そのオーステナイト状態では、ループ124を通る間にメッシュ110の外形に従い、両端130、132は接続されないように形成される。端130はスリット128を通り、それにより、通常は術後約6日間内でメッシュを適切な位置に固定すべくメッシュへの組織の内部成長が起きると、医療専門家が、端130を引くことによってフレームを取り外すことができる。
使用時、バーブ付きタック118を用いて、タックヘッド120に指先の力を加えることによって、仙棘靱帯内に指ポケットを固定する。
図20は、図19と実質的に同一であるが、後膣傍区画障害の治療により寄与する形状構造である点で少し異なる。図20におけるメッシュおよびフレームは、幾分円の形状を有するのではなく、より長円、すなわち楕円の形状を有する。
前膣壁脱または膀胱瘤の外科的修復のための方法を、図7から図12を参照して説明する。関連する外科的処置は、その概説において、当分野における研究者にはよく知られていよう。潜在性および顕性の両方の緊張性尿失禁(SUI)のための同時の処置を、同じ麻酔下で行うことができる。
患者の標準的な術前準備が最適に行われた後、患者は適切な麻酔の投与を受け、いわゆる変形砕石位にされる。次に患者は、標準的な方法で手術の準備が施されドレープが掛けられる。これには、尿道の特定のために標準的な無菌法を用いた膀胱留置カテーテルの挿入や抗血栓塞栓のための空気式連続圧縮ストッキングの下肢への装着が含まれる。錘付き膣鉤または「ロン・スター(Lone Star)」(登録商標)といった他の好適な形態の開創器が用いられる。
2対のアリス(Allis)鉗子、または同様の鉗子が、膀胱瘤に対して約5cm間隔で矢状面において適用される。このような鉗子の下の方にある対が、膀胱頸部に近接して配置される。膀胱瘤の介在する膣壁は、クランプ間で牽引されて配置され、適切な局所麻酔薬と血管収縮剤を含む適当な量の生理食塩水が、22ゲージニードルを用いて浸潤される。これにより、最適なハイドロディセクションおよび止血が容易となる。
アリス鉗子に対する対向する牽引を維持しつつ、膀胱頸部の領域から始まり、膣尖に向かう頭部方向の正中線において進む、最大で約3cmの長さの小さい切り口が膣壁に付けられる。ハイドロディセクションの使用によって、安全な方法で切り口を膀胱筋膜(恥骨頸部筋膜)に到達するほど深くすることができ、それにより、後続のメッシュの押出しに伴う創傷の治癒の失敗を最小限にする。
当業者には周知である、指先を使った鋭的から鈍的な切除(first sharp then blunt dissection)術を用いて、膀胱を前膣壁から離して、坐骨棘と、骨盤の両側の仙棘靱帯に到達かつ特定する。
次に、幾つかの開示された実施形態に示す本発明が、完全に閉じられかつ丸く折り畳まれた構造で、膣と膀胱との間の仙骨に向かう正中線における膣の切り口を通される。次に、デバイスは、固有の弾性反跳によって広げられ、上述した所望の解剖学的位置に指によって位置決めされる。骨盤の両側において、本発明の後方フレームが、坐骨棘のすぐ上方かつ近接して位置決めされ、上述したようにポリマーフレームに組み込まれた短い突起によって、尾骨筋の線維筋性組織内へと柔らかく固定される。
仙棘靱帯複合体へのメッシュの固定の代替実施形態および方法には、例えば、指先圧縮に適している生分解可能なバーブが含まれる。
上述したように、メッシュシートの適切な配置後に、患者からフレームを取り外すことが所望される場合、図12の実施形態では、メッシュシートのそのフレームからの分離は、まず膣壁に外科的に付けられた切り口を通して糸48を抜き出し、次に、鉗子で自由端44を掴みことによってフレーム自体を取り外し、解放されているフレームを膣壁の開口から引き抜くことによって可能にされる。
本発明の実施形態を用いることにより、骨盤修復処置が、最小限の縫合で行われることが可能である。フレーム構造が、メッシュ生地または移植片材料のシートをその展開された状態に保持し、また、術後約3日間に組織が固定されるまでメッシュの移動を阻止するために必要である生分解可能な固定ピンはほんの数個でよい。或いは、ボストン・サイエンティフィック・コーポレーション(Boston Scientific Corporation)からのカピオ(Capio)結紮デバイスを用いて、フレームの取り外しの前にメッシュを適切な位置に縫合してもよい。
本発明は、特許法規を遵守しかつ新規の原理を適用しそのような特殊なコンポーネントを構築および利用するために必要となる情報を当業者に提供するために相当に詳細に本明細書において説明した。しかし、本発明は、明確に異なる機器およびデバイスを用いても行われることが可能であり、また、機器および作業手順の両方に関して様々な変更が、本発明の範囲から逸脱することなく達成可能であることは理解されるべきである。

Claims (34)

  1. 骨盤底修復のための移植可能なデバイスであって、
    (a)所定の形状構造を有する薄い弾性シートと、
    (b)女性患者の骨盤底に近接する前記デバイスの移植後に、前記シートをその所定の形状構造に維持するための支持フレームと、
    を含み、
    (c)前記支持フレームは、前記シートに取り付けられ、かつ、前記デバイスの中心軸について左右相称である第1および第2の翼部を含み、前記翼部は、その第1の端に、女性患者内に移植された場合に仙棘靭帯に接するように適応された、丸みが付けられた翼先端部を含み、前記第1および第2の翼部の前記翼先端部は、凸状の弓形セグメントによって互いに一体に接合され、前記翼先端部とは反対側の、前記第1および第2の翼部の端部は、前記翼先端部が前記仙棘靱帯に係合する場合に前記女性患者の恥骨下枝上に載るような寸法にされる、移植可能なデバイス。
  2. 前記支持フレームは、ケーブルとして一緒に巻かれた形状記憶材料の複数のストランドを含む、請求項1に記載の移植可能なデバイス。
  3. 前記形状記憶材料は、ニチノールを含む、請求項2に記載の移植可能なデバイス。
  4. 前記支持フレームは、形状記憶材料の少なくとも1つのストランドを含む、請求項1に記載の移植可能なデバイス。
  5. 前記形状記憶材料は、生分解可能なポリマーである、請求項4に記載の移植可能なデバイス。
  6. 前記支持フレームはさらに、前記第1および第2の翼位置の所定の部分上に緩衝層を含む、請求項5に記載の移植可能なデバイス。
  7. 前記緩衝層は、空隙によって前記形状記憶材料の前記少なくとも1つのストランドから離される、請求項6に記載の移植可能なデバイス。
  8. 前記緩衝層は、その上に半径方向に延在する固定突起を有する、請求項6に記載の移植可能なデバイス。
  9. 前記翼先端部から反対側の、前記第1および第2の翼部の前記端部は、各々、V字型で、間隔が開けられ、互いに分離されている、請求項1に記載の移植可能なデバイス。
  10. 前記シートは、合成メッシュを含む、請求項1に記載の移植可能なデバイス。
  11. 前記合成メッシュは、ポリプロピレンおよびPTFEのうちの1つを含む、請求項10に記載の移植可能なデバイス。
  12. 前記シートは、異種移植片材料である、請求項1に記載の移植可能なデバイス。
  13. 前記ケーブルの解れを防ぐように前記第1および第2の翼部の端部に接合された管状フェルールをさらに含む、請求項9に記載の移植可能なデバイス。
  14. 前記フレームは、前記丸みが付けられた翼先端部と前記第1および第2の翼部の前記端部との間に延在する凸状の弓形セグメントを含む、請求項13に記載の移植可能なデバイス。
  15. 前記シートおよびフレームは、前記患者の体に外科的に付けられた開口を通して運ぶために、縮小された形状の円筒構造に丸められることが可能である、請求項1に記載の移植可能なデバイス。
  16. 前記シートは、定期的な間隔でその外周に取り付けられた複数のループを含む、請求項1に記載の移植可能なデバイス。
  17. 前記支持フレームは、第1および第2の別個のセグメントを含み、各々、前記シートの前記周囲の約半分に全体的に渡され、前記複数のループのうちの所定の幾つかを通過する、請求項16に記載の移植可能なデバイス。
  18. 前記支持フレームは、ケーブルとして一緒に巻かれた形状記憶材料の複数のストランドを含む、請求項17に記載の移植可能なデバイス。
  19. 前記形状記憶材料は、ニチノールを含む、請求項18に記載の移植可能なデバイス。
  20. 前記支持フレームは、形状記憶材料の少なくとも1つのストランドを含む、請求項16に記載の移植可能なデバイス。
  21. 前記形状記憶材料は、生分解可能なポリマーである、請求項20に記載の移植可能なデバイス。
  22. 前記翼先端部から反対側の、前記第1および第2の翼部の前記端部は、各々、前記デバイスが請求項1の段落(c)において記載したように位置決めされた場合に、前記女性の膣の壁に外科的に付けられたスリットを通り延在するように適応された延在部において終端する、請求項1に記載の移植可能なデバイス。
  23. 前記合成メッシュは、ポリプロピレンおよびPTFEのうちの1つを含む、請求項1に記載の移植可能なデバイス。
  24. 前記フレームは、前記丸みが付けられた翼先端部と前記第1および第2の翼部の前記延在部との間に延在する凸状の弓形セグメントを含む、請求項22に記載の移植可能なデバイス。
  25. 前記シートおよびフレームは、前記膣壁に外科的に付けられた開口を通して運ぶために、縮小された形状の構造に折り畳み可能である、請求項1に記載の移植可能なデバイス。
  26. 前記支持フレームは、前記骨盤底に近接する前記デバイスの配置後に、前記延在部を1回につき1つを掴み、前記メッシュシートの前記ループから外れた前記第1および第2のセグメントを、前記患者の前記膣開口から引き抜くことによって、前記ループから取り外されることが可能である、請求項17に記載の移植可能なデバイス。
  27. 骨盤底修復のための移植可能なデバイスであって、
    (a)所定の形状構造を有する弾性メッシュシートであって、前記シートの後縁から突出する1対の、閉鎖端付きポケットを有し、1つのポケットは人差し指の末節骨を受容するようなサイズにされ、もう1つのポケットは外科医の中指の末節骨をその中に受容するようなサイズにされる、弾性メッシュシートと、
    (b)非拘束状態にあり、女性患者の骨盤底に近接する前記デバイスの移植後に、前記所定の形状構造に前記メッシュシートを維持するための支持フレームであって、前記メッシュシートに着脱可能に付着される、形状記憶特性を示す材料の少なくとも1つのセグメントを含む、支持フレームと、
    (c)前記1対の、閉鎖端付きポケットの各々の前記閉鎖端に取り付けられ、かつ、前記ポケットの前記端を前記女性患者の仙棘靱帯に固定するために前記外科医によって展開可能である付着部材と、
    を含む、移植可能なデバイス。
  28. 前記付着部材は、前記ポケットの前記閉鎖端の外側に延在する尖ったバーブ付き突起を含む、請求項27に記載の移植可能なデバイス。
  29. 前記仙棘靱帯内への前記尖ったバーブ付き突起の押込みを容易とするように前記外科医の人差し指(forefinger)および人差し指(index fingers)による係合のために適応された前記バーブ付き突起の近位端上のヘッド部材をさらに含む、請求項28に記載の移植可能なデバイス。
  30. 前記所定の形状構造はほぼ円形であり、前記支持フレームは、前記メッシュシートを囲み、かつ、前記メッシュシートの周囲上の複数の半径方向に延在するループを通過することによって前記メッシュシートに固定される、請求項27に記載の移植可能なデバイス。
  31. 前記所定の形状構造はほぼ長円形であり、前記支持フレームは、前記メッシュシートを囲み、かつ、前記メッシュシートの周囲上の複数の半径方向に延在するループを通過することによって前記メッシュシートに固定される、請求項27に記載の移植可能なデバイス。
  32. 前記ヘッド部材と前記尖ったバーブ付き突起は、生分解可能なポリマーで作られる、請求項29に記載の移植可能なデバイス。
  33. 前記形状記憶特性を示す材料は、ニッケル‐チタン合金である、請求項27に記載の移植可能なデバイス。
  34. 前記支持フレームは、前記メッシュシートに取り付けられ、かつ、その前端部から後端部へと前記メッシュシートの両側の縁に沿って延在する第1および第2のほぼ直線の補強セグメントを含む、請求項27に記載の移植可能なデバイス。
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