JP2012250882A - 成形体、被包体及び成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリカを含み、細孔を有しており、細孔径が0.003μm以上150μm以下である細孔の積算細孔容積V0.003に対する、細孔径が0.1μm以上150μm以下である細孔の積算細孔容積V0.1の割合R0.1が50%以上85%以下であり、V0.1が0.2mL/g以上3mL/g以下であり、30℃における熱伝導率が0.05W/m・K以下である成形体。
【選択図】なし
Description
本実施形態の成形体は、シリカを含み、細孔を有しており、細孔径が0.003μm以上150μm以下である細孔の積算細孔容積V0.003に対する、細孔径が0.1μm以上150μm以下である細孔の積算細孔容積V0.1の割合R0.1が50%以上85%以下であり、V0.1が0.2mL/g以上3mL/g以下であり、30℃における熱伝導率が0.05W/m・K以下である。なお、R0.1は、(V0.1/V0.003)×100と表してもよい。
成形体中のシリカの含有率が50質量%以上であると、固体伝導による伝熱が小さいため、断熱材用途の場合は好ましい。シリカの含有率が成形体の75質量%以上であると、シリカ粒子同士の付着力が増して、成形体の原料である無機混合物の飛散が少なくなるためより好ましい。なお、本明細書中、シリカとは、組成式SiO2で表される成分からなる成分の他、SiO2を含む材料を指し、SiO2に加えて金属成分等、他の無機化合物を含有する組成物を包含する。シリカは、純粋な二酸化ケイ素に加えて、Si及び種々の他元素との塩や複合酸化物を含有してもよいし、水酸化物のような含水酸化物を含有してもよいし、シラノール基を有していてもよい。成形体中のシリカは、結晶質であっても、非晶質であっても、それらの混合体であってもよいが、断熱材用途の場合は非晶質であると、断熱材中の固体伝導による伝熱が小さく、断熱性能が向上するため、好ましい。
成形体は無機繊維を含有することが好ましい。無機繊維を含有すると、加圧成形において、成形体からの粒子の脱落が少なく、生産性が高いという利点を有する。本明細書中、無機繊維とは、平均太さに対する無機繊維の平均長さの比(アスペクト比)が10以上であるものをいう。アスペクト比は10以上であることが好ましく、成形体の作製時において、小さい圧力で成形を可能とし、成形体の生産性を向上させる観点から50以上がより好ましく、成形体の曲げ強度の観点から100以上がさらに好ましい。無機繊維のアスペクト比は、FE−SEMにより測定した無機繊維1000本の太さ及び長さの平均値から求めることができる。無機繊維は成形体中で単分散して混合されていることが好ましいが、無機繊維が互いに絡まった状態や、複数の無機繊維が同一方向で揃った束の状態で混合されていてもかまわない。また、単分散状態において、無機繊維の向きが同一方向で揃った状態であってもかまわないが、熱伝導率を小さくする観点から、無機繊維は、伝熱方向に対して垂直方向に配向していることが好ましい。
成形体は、赤外線不透明化粒子を含有することが、高い温度での断熱性能を要する場合は、好ましい。赤外線不透明化粒子とは、赤外線を反射、散乱又は吸収する材料からなる粒子を指す。成形体に赤外線不透明化粒子が混合されていると、輻射による伝熱が抑制されるため、特に200℃以上の高い温度領域での断熱性能が高い。
成形体は、細孔径が0.1μm以上150μm以下である細孔の積算細孔容積V0.1の割合R0.1が、細孔径が0.003μm以上150μm以下である細孔の積算細孔容積V0.003に対して50%以上85%以下であり、さらにV0.1は0.2mL/g以上3mL/g以下である。積算細孔容積は、後述する水銀圧入法により測定した値により定義される。R0.1が50%未満であると成形欠陥が発生しやすい傾向があり、85%超であると断熱性能が低い傾向がある。V0.1が0.2mL/g未満であると断熱性能が低い傾向があり、3mL/g超であると成形欠陥が発生しやすい傾向がある。なお、このときV0.003は0.5mL/g以上3.8mL/g以下であることが好ましい。
成形体は、30℃における熱伝導率が0.05W/m・K以下である。断熱性能の観点から、熱伝導率は0.045W/m・K以下が好ましく、0.040W/m・K以下がより好ましく、0.037W/m・K以下がさらに好ましい。成形体が赤外線不透明化粒子を含む場合は、800℃における熱伝導率が0.15W/m・K以下であることが好ましく、0.14W/m・K以下であることがより好ましく、0.13W/m・K以下であることがさらに好ましい。熱伝導率の測定方法は、後述する。
成形体は、粒子同士の付着力を高め、成形体からの粒子の脱離を少なくする観点から、成形体の全質量を基準としてNaの含有量が0.005質量%以上3質量%以下であることが好ましく、0.005質量%以上2質量%以下であることがより好ましく、0.005質量%以上1.5質量%以下であることがさらに好ましい。同様に、Geの含有量が10ppm以上1000ppm以下であることが好ましく、20ppm以上900ppm以下であることがより好ましく、20ppm以上800ppm以下であることがさらに好ましい。また、同様に、Feの含有量が0.005質量%以上6質量%以下であることが好ましく、0.005質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、0.005質量%以上2質量%以下であることがさらに好ましい。成形体におけるNa、Ge、Feの含有量は、XRF(蛍光X線分析)により定量することができる。成形体は不純物としてアルミニウム(Al)、リン(P)、硫黄(S)、塩素(Cl)、ニッケル(Ni)を含んでいてもかまわない。
本実施形態の成形体の製造方法は、シリカを含み、平均粒子径DSが5nm以上30nm以下である小粒子と、シリカを含み、平均粒子径DLが40nm以上60μm以下である大粒子と、を混合し、無機混合物を得る工程と、無機混合物を成形体のかさ密度が0.25g/cm3以上2.0g/cm3以下になるように成形する工程と、を有する。
シリカ粒子の具体例としては、下記のものが挙げられる。
「シリカ」や「石英」と呼ばれるケイ素の酸化物。
ケイ素の部分酸化物。
シリカアルミナやゼオライトのようなケイ素の複合酸化物。
Na、Ca、K、Mg、Ba、Ce、B、Fe及びAlのいずれかのケイ酸塩(ガラス)。
ケイ素以外の元素の酸化物、部分酸化物、塩又は複合酸化物(アルミナやチタニア等)と、ケイ素の酸化物、部分酸化物、塩又は複合酸化物との混合体。
SiCやSiNの酸化物。
ケイ酸ナトリウムを原料に酸性で作られるゲル法シリカ。
ケイ酸ナトリウムを原料にアルカリ性で作られる沈降法シリカ。
アルコキシシランの加水分解・縮合で合成されるシリカ。
ケイ素の塩化物を燃焼して作られるヒュームドシリカ。
ケイ素金属ガスを燃焼して作られるシリカ。
フェロシリコン製造時などに副生するシリカヒューム。
アーク法やプラズマ法で製造されるシリカ。
ケイ石を溶融して作られる溶融シリカなど。
Na、Ge、Feは、シリカの製造プロセスや無機混合物の製造プロセス中に、Na、Ge、Feを含む化合物としてそれぞれ添加してもよいが、十分な量のNa、Ge、Feを予め含有しているシリカを含む無機化合物粒子を使用してもよい。Na、Ge、Feを含む化合物としては、特に限定されないが、例えばNa、Ge、Feの酸化物、複合酸化物、水酸化物、窒化物、炭化物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、難溶性の塩、及びアルコキシド等が挙げられる。これらは単独で添加してもよく、もしくはこれらの混合物を添加してもよい。Na、Ge、Feを不純物として含有するシリカを含む無機化合物粒子を無機混合物の原料とするのは、生産性、コスト、作業性の観点から、好ましい態様である。このようなシリカを含む無機化合物粒子は、例えば沈殿法で作られたシリカゲル由来の粒子やフェロシリコン製造時などに複製するシリカヒュームとして得ることができる。
シリカ粒子、赤外線不透明化粒子及び無機繊維は、公知の粉体混合機、例えば、改訂六版 化学工学便覧(丸善)に掲載されているものを使用して混合することができる。この時、シリカを含む無機化合物粒子を2種類以上混合したり、Na、K、Mg、Ca、Fe、P、Sをそれぞれ含む化合物やその水溶液を混合することも可能である。公知の粉体混合機としては、容器回転型(容器自体が回転、振動、揺動する)として水平円筒型、V型(攪拌羽根が付いていてもよい)、ダブルコーン型、立方体型及び揺動回転型、機械撹拌型(容器は固定され、羽根などで撹拌する)として、単軸リボン型、複軸パドル型、回転鋤型、二軸遊星攪拌型、円錐スクリュー型、高速撹拌型、回転円盤型、ローラー付き回転容器型、撹拌付き回転容器型、高速楕円ローター型、流動撹拌型(空気、ガスによって撹拌する)として、気流撹拌型、重力による無撹拌型が挙げられる。これらの混合機を組み合わせて使用してもよい。
成形体は、原料である無機混合物を加圧成形して得ることができる。加圧成形方法としては、金型プレス成形法(ラム式加圧成形法)、ラバープレス法(静水圧成形法)、押出成形法など、従来から知られるセラミックス加圧成形法によって成形することができる。生産性の観点から、金型プレス成形法が好ましい。
一般化すると、体積αcm3で、かさ密度がβg/cm3(ただし、βは粉体のかさ密度より大きい)の成形体を製造する場合、αβgだけ、粉体を秤量し、体積αまで粉体を圧縮することによって、成形する。
被包体は、外被材と、外被材に収容された成形体と、を有する。被包体は成形体と比較して取扱が容易で、施工もしやすいという利点を有する。図1は、本実施形態に係る被包体の断面模式図である。また、図2は本実施形態に係る成形体が含有する小粒子及び大粒子の断面模式図である。図1及び図2に示すように、本実施形態の被包体1は、複数の小粒子Sと、小粒子Sよりも粒子径が大きい複数の大粒子Lと、を含有する成形体2と、成形体2を収容する外被材3から構成される。成形体2内において、小粒子S及び大粒子Lは混合されており、大粒子Lの周囲に小粒子Sが存在している。なお、このような成形体2をコア材という場合がある。
外被材は、コア材である成形体を収容可能な限り、特に限定されないが、例として、ガラスクロス、アルミナ繊維クロス、シリカクロス等の無機繊維織物、無機繊維編物、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、フッ素系樹脂フィルム等の樹脂フィルム、プラスチック−金属フィルム、アルミニウム箔、ステンレス箔、銅箔等の金属箔、セラミックペーパー、無機繊維不織布、有機繊維不織布、ガラス繊維紙、炭素繊維紙、ロックウール紙、無機充填紙、有機繊維紙、セラミックコーティング、フッ素樹脂コーティング、シロキサン樹脂コーティング等の樹脂コーティング等を挙げることができる。被包体を断熱材とする場合、外被材の熱容量を小さくする観点から、外被材の厚みは薄い方が好ましいが、使用状況や必要な強度等に応じて適宜選択することが可能である。外被材が、コア材を使用する温度で安定なものからなる場合、使用時においても、外被材がコア材である無機混合物もしくは成形体を収容した状態である。高温で使用される被包体の場合は、使用後のコア材の取扱いがし易い観点で、耐熱性の高い外被材は好ましいが、本明細書中、「外被材」はコア材の使用時にコア材を収容しているものの他、コア材の運搬や施工の工程でコア材を収容しているものを包含する。つまり、外被材は運搬時や施工時にのみコア材を保護し、使用時には溶融及び/又は揮発してしまうものを包含するので、外被材そのものや外被材に含まれる有機成分は、コア材の使用温度で溶融や消失をしてもよい。
成形体は、シリカ粒子を含み、使用状況に応じて大粒子、赤外線不透明化粒子や無機繊維を添加し形成した無機混合物を原料とし、この無機混合物を加圧成形してコア材とし、外被材で被覆したものでもよい。成形体をコア材とする場合は、後述するように、成形体の原料である無機混合物と外被材を共に加圧成形してもよいし、無機混合物を加圧成形した後に外被材で被覆することも可能である。
本実施形態の成形体及び被包体は、断熱材の他、吸音材、防音材、遮音材、反響防止材、消音材、研磨剤、触媒担体、吸着剤、芳香剤や殺菌剤などの薬剤を吸着する担体、脱臭剤、消臭剤、調湿材、充填剤、顔料等に好適に用いることもできる。
無機混合物の積算細孔容積の測定、熱伝導率の測定、スプリングバックの測定は、次の方法により実施する。
細孔分布測定装置 オートポア 9520形(株式会社 島津製作所製)を使用して、水銀圧入法により測定する。成形体をセルに入るように直方体に切断して1個を低感度セルに採り、初期圧約7kPa(約1psia、細孔直径約180μm相当)の条件で昇圧測定する。水銀パラメータは、装置デフォルトの水銀接触角130degrees、水銀表面張力485dynes/cmに設定し、測定する。
縦30cm、横30cm、厚み20mmの形状にした成形体を測定試料とし、30℃での熱伝導率を、ヒートフローメーター HFM 436 Lambda(商品名、NETZSCH社製)を使用して熱伝導率を測定する。較正は、JISA1412−2に従い、密度163.12kg/m3、厚さ25.32mmのNIST SRM 1450c校正用標準板を使用して、高温側と低温側の温度差が20℃の条件において、15、20、24、30、40、50、60、65℃で予め実施する。800℃における熱伝導率は、JIS A 1421−1の方法に準拠して測定する。直径30cm、厚み20mmの円板状にした成形体2枚を測定試料とし、測定装置として、保護熱板法熱伝導率測定装置(英弘精機株式会社製)を使用する。
成形体原料である無機混合物(前述の小粒子と大粒子を含み、必要に応じて、さらに赤外線不透明化粒子や無機繊維等を含む混合粉末全体)の、水平方向における寸法を固定し、無機混合物に対して垂直方向に所定のかさ密度の成形体を得られるように圧力を加えた状態での、無機混合物(成形体)の垂直方向における厚みをT1とし、加圧後、水平方向における成形体の寸法を固定したまま、圧力を開放した後の成形体の垂直方向における厚みをT2としたとき、T1に対するT2−T1の比率、すなわち成形体の厚みの増加率100(T2−T1)/T1[%]を測定することで評価する。なお、「水平方向における寸法を固定」するとは、例えば、正方形や円筒状の枠状の金型に成形体原料である無機混合物が充填された状態のことを指す。
平均粒子径が12nmのシリカ粉体25質量%と、平均粒子径が80nmのシリカ粉体75質量%をハンマーミルを使用して均一に混合したシリカ粉体を得た。このシリカ粉体792gを使用して、内寸が縦30cm、横30cmの金型で加圧成形を行い、縦30cm、横30cm、厚み20mm、かさ密度が0.44g/cm3である実施例1の成形体を得た。実施例1の成形体においてはスプリングバックやラミネーションが抑制されており、成形欠陥が見られなかった。この時の成形体の厚みの増加率は105%であった。この成形体の積算細孔容積を測定したところ、R0.1は79%、V0.1は1.5mL/g、V0.003は1.9mL/gであった。また、30℃における熱伝導率は0.0266W/m・Kであった。
平均粒子径が7.5nmのシリカ粉体90質量%と、平均粒子径が60μmのシリカ粉体10質量%をハンマーミルを使用して均一に混合したシリカ粉体を得た。このシリカ粉体421gを使用して、実施例1と同じ金型で加圧成形を行い、縦30cm、横30cm、厚み20mm、かさ密度が0.23g/cm3である実施例2の成形体を得た。実施例2の成形体においてはスプリングバックやラミネーションが抑制されており、成形欠陥が見られなかった。この時の成形体の厚みの増加率は107%であった。この成形体の積算細孔容積を測定したところ、R0.1は68%、V0.1は2.6mL/g、V0.003は3.8mL/gであった。また、30℃における熱伝導率は0.0205W/m・Kであった。
平均粒子径が14nmのシリカ粉体25質量%と、平均粒子径が150nmのシリカ粉体75質量%をハンマーミルを使用して均一に混合したシリカ粉体を得た。このシリカ粉体900gを使用して、実施例1と同じ金型で加圧成形を行い、縦30cm、横30cm、厚み20mm、かさ密度が0.5g/cm3である実施例3の成形体を得た。実施例3の成形体においてはスプリングバックやラミネーションが抑制されており、成形欠陥が見られなかった。この時の成形体の厚みの増加率は103%であった。この成形体の積算細孔容積を測定したところ、R0.1は53%、V0.1は0.8mL/g、V0.003は1.5mL/gであった。また、30℃における熱伝導率は0.0264W/m・Kであった。
平均粒子径が7.5nmのシリカ粉体50質量%と、平均粒子径が80nmのシリカ粉体50質量%をハンマーミルを使用して均一に混合したシリカ粉体を得た。このシリカ粉体594gを使用して、実施例1と同じ金型で加圧成形を行い、縦30cm、横30cm、厚み20mm、かさ密度が0.33g/cm3である実施例4の成形体を得た。実施例4の成形体においてはスプリングバックやラミネーションが抑制されており、成形欠陥が見られなかった。この時の成形体の厚みの増加率は104%であった。この成形体の積算細孔容積を測定したところ、R0.1は67%、V0.1は1.8mL/g、V0.003は2.7mL/gであった。また、30℃における熱伝導率は0.0198W/m・Kであった。
平均粒子径が14nmのシリカ粉体21質量%と、平均粒子径が150nmのシリカ粉体63質量%をハンマーミルを使用して均一に混合した後、平均粒子径が1μmの、赤外線不透明化粒子であるケイ酸ジルコニウム16質量%を添加して引き続き均一に混合し、シリカ粉体を得た。このシリカ粉体1042gを使用して、実施例1と同じ金型で加圧成形を行い、縦30cm、横30cm、厚み20mm、かさ密度が0.58g/cm3である実施例5の成形体を得た。実施例5の成形体においてはスプリングバックやラミネーションが抑制されており、成形欠陥が見られなかった。この時の成形体の厚みの増加率は102%であった。この成形体の積算細孔容積を測定したところ、R0.1は59%、V0.1は1.0mL/g、V0.003は1.7mL/gであった。また、30℃における熱伝導率は0.0275W/m・Kであった。さらに、上記シリカ粉体を819gずつ使用して、内径が直径30cmの円筒型の金型を使用して加圧成形を行い、直径30cm、厚み20mmの円板状の成形体を2枚得た。この2枚の成形体を用いて800℃における熱伝導率を測定したところ、0.0851W/m・Kであった。
平均粒子径が7.5nmのシリカ粉体22質量%と、平均粒子径が80nmのシリカ粉体68質量%をハンマーミルを使用して均一に混合した後、平均繊維径が11μmで平均繊維長さが6.4mmのグラスファイバー10質量%を添加して高速せん断ミキサーで混合して均一にし、シリカ粉体を得た。このシリカ粉体864gを使用して、実施例1と同じ金型で加圧成形を行い、縦30cm、横30cm、厚み20mm、かさ密度が0.48g/cm3である実施例6の成形体を得た。実施例6の成形体においてはスプリングバックやラミネーションが抑制されており、成形欠陥が見られなかった。この時の成形体の厚みの増加率は106%であった。この成形体の積算細孔容積を測定したところ、R0.1は61%、V0.1は1.1mL/g、V0.003は1.8mL/gであった。また、30℃における熱伝導率は0.0263W/m・Kであった。
平均粒子径が14nmのシリカ粉体20質量%と、平均粒子径が6μmのシリカ粉体60質量%をハンマーミルを使用して均一に混合した後、平均粒子径が1μmの、赤外線不透明化粒子であるケイ酸ジルコニウム15質量%を添加して引き続き均一に混合し、さらに平均繊維径が11μmで平均繊維長さが6.4mmのグラスファイバー5質量%を添加して高速せん断ミキサーで混合して均一にし、シリカ粉体を得た。このシリカ粉体491gを使用して、実施例1と同じ金型で加圧成形を行い、縦30cm、横30cm、厚み20mm、かさ密度が0.27g/cm3である実施例7の成形体を得た。実施例7の成形体においてはスプリングバックやラミネーションが抑制されており、成形欠陥が見られなかった。この時の成形体の厚みの増加率は102%であった。この成形体の積算細孔容積を測定したところ、R0.1は57%、V0.1は0.4mL/g、V0.003は0.7mL/gであった。また、30℃における熱伝導率は0.0263W/m・Kであった。
平均粒子径が14nmのシリカ粉体331gを使用して、実施例1と同じ金型で加圧成形を行い、縦30cm、横30cm、厚み20mm、かさ密度が0.18g/cm3である比較例1の成形体を得た。比較例1の成形体には、スプリングバックに起因すると推定される成形欠陥が見られた。このため、比較例1の成形体の熱伝導率を評価することができなかった。この成形体の積算細孔容積を測定したところ、R0.1は72%、V0.1は3.6mL/g、V0.003は5.0mL/gであった。
平均粒子径が320nmのシリカ粉体1978gを使用して、実施例1と同じ金型で加圧成形を行い、縦30cm、横30cm、厚み20mm、かさ密度が1.1g/cm3である比較例2の成形体を得た。比較例2の成形体には、ラミネーションに起因すると推定される成形欠陥が見られた。このため、比較例2の成形体の熱伝導率を評価することができなかった。この成形体の積算細孔容積を測定したところ、R0.1は95%、V0.1は0.58mL/g、V0.003は0.61mL/gであった。
平均粒子径が80nmのシリカ粉体1163gを使用して、実施例1と同じ金型で加圧成形を行い、縦30cm、横30cm、厚み20mm、かさ密度が0.65g/cm3である比較例3の成形体を得た。比較例3の成形体には、スプリングバックに起因すると推定される成形欠陥が見られた。このため、比較例3の成形体の熱伝導率を評価することができなかった。この成形体の積算細孔容積を測定したところ、R0.1は47%、V0.1は0.52mL/g、V0.003は1.1mL/gであった。
Claims (12)
- シリカを含み、細孔を有しており、
細孔径が0.003μm以上150μm以下である細孔の積算細孔容積V0.003に対する、細孔径が0.1μm以上150μm以下である細孔の積算細孔容積V0.1の割合R0.1が50%以上85%以下であり、
前記V0.1が0.2mL/g以上3mL/g以下であり、
30℃における熱伝導率が0.05W/m・K以下である成形体。 - 赤外線不透明化粒子を含有し、800℃における熱伝導率が0.15W/m・K以下である、請求項1に記載の成形体。
- 前記赤外線不透明化粒子の平均粒子径が0.5μm以上30μm以下であり、前記赤外線不透明化粒子の含有率が、成形体の全質量を基準として、0.1質量%以上39.5質量%以下である、請求項2に記載の成形体。
- ナトリウムを含有し、前記ナトリウムの含有量が、成形体の全質量を基準として、0.005質量%以上3質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形体。
- 鉄を含有し、前記鉄の含有量が、成形体の全質量を基準として、0.005質量%以上6質量%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の成形体。
- 無機繊維を含有し、前記無機繊維の含有量が、成形体の全質量を基準として、0.1質量%以上50質量%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の成形体。
- 前記無機繊維が生体溶解性を有する、請求項6に記載の成形体。
- ゲルマニウムを含有し、前記ゲルマニウムの含有量が、成形体の全質量を基準として、10ppm以上1000ppm以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の成形体。
- 外被材と、
該外被材に収容された請求項1〜8のいずれか一項に記載の成形体と、
を備える被包体。 - 前記外被材が無機繊維を含む、請求項9に記載の被包体。
- 前記外被材が樹脂フィルムである、請求項9に記載の被包体。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の成形体の製造方法であって、
シリカを含み、平均粒子径DSが5nm以上30nm以下である小粒子と、シリカを含み、平均粒子径DLが40nm以上60μm以下である大粒子と、を混合し、無機混合物を得る工程と、前記無機混合物を成形体のかさ密度が0.25g/cm3以上2.0g/cm3以下になるように成形する工程と、を有する、成形体の製造方法。
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