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JP2012241557A - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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JP2012241557A
JP2012241557A JP2011110280A JP2011110280A JP2012241557A JP 2012241557 A JP2012241557 A JP 2012241557A JP 2011110280 A JP2011110280 A JP 2011110280A JP 2011110280 A JP2011110280 A JP 2011110280A JP 2012241557 A JP2012241557 A JP 2012241557A
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JP2011110280A
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Takasuke Shikita
卓祐 敷田
Ryoji Tachibana
良二 立花
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】冷却水循環回路の冷却水温度を適正に検出することが可能な内燃機関の冷却装置を提供する。
【解決手段】冷却水循環回路のメイン回路Aにメインポンプ3を、このメイン回路Aから分岐しヒータコア8を有する空調用冷却水回路Bに空調用ポンプ7をそれぞれ設ける。水温センサ23をシリンダヘッドのウォータジャケット5の出口部分に配設する。空調用冷却水回路Bにおける空調用ポンプ7の吐出側をシリンダヘッドのウォータジャケット5の入口部分に、吸入側を水温センサ23の下流側にそれぞれ接続する。これにより、エンジン駆動に伴うメインポンプ3の作動時及びアイドリングストップ制御に伴う空調用ポンプ7の作動時共に、シリンダヘッドのウォータジャケット5から流出した冷却水の温度を水温センサ23により検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷却水循環回路中に複数のポンプを備えた内燃機関の冷却装置に係る。特に、本発明は、冷却水循環回路の冷却水温度を適正に検出するための対策に関する。
従来より、自動車用エンジン(内燃機関)の冷却系には冷却水循環回路が備えられている。この冷却水循環回路は、例えば下記の特許文献1や特許文献2に開示されているように、エンジン本体に形成されたウォータジャケットや、ラジエータや、エンジンのクランクシャフトから回転駆動力を受けて作動する機械式ウォータポンプ等から構成されている。そして、エンジンの駆動に伴う上記機械式ウォータポンプの作動により、冷却水循環回路に冷却水を循環させることでエンジンを冷却するようになっている。
また、この冷却水循環回路を循環している比較的高温度(例えば80℃)の冷却水の熱量を利用して車室内の暖房を行うようにもなっている。つまり、上記冷却水循環回路(以下「メイン回路」と呼ぶ場合もある)から分岐する空調用冷却水回路を備えさせ、この空調用冷却水回路に設けたヒータコアにより冷却水と空調用空気との間で熱交換を行ってこの空気を加温(加熱)し、この加温後の空気を空調風として車室内に供給するものである。
一方、近年の地球環境問題に鑑みた自動車の制御手法の一つとして、自動車が交差点の信号待ちで停車した場合等において所定の条件が成立すると、燃焼室への燃料供給を停止(所謂フューエルカット)してエンジンを停止し、排気ガスの排出量を抑え且つ燃料消費率の改善を図る所謂「アイドリングストップ制御」が提案されている(例えば下記の特許文献3を参照)。
ところが、上記アイドリングストップ制御によってエンジンが停止すると、上記機械式ウォータポンプも停止してしまい、上記冷却水の循環動作が行われなくなる。その結果、上記空調用冷却水回路にも冷却水(空気を加温するための熱源となる冷却水)が流れなくなって乗員の暖房要求に応えることが難しくなる。
この点に鑑み、例えば下記の特許文献2及び特許文献3に開示されているように、上記機械式ウォータポンプとは別に、上記空調用冷却水回路に冷却水を流すための電動ウォータポンプを備えさせ、エンジンが停止しても、この電動ウォータポンプの作動により空調用冷却水回路に冷却水を流すことを可能にし、これによって暖房能力を維持することが提案されている。
特開2003−65051号公報 特開2000−73763号公報 特開2008−248715号公報
ところで、上述した如くエンジンが停止した場合に電動ウォータポンプの作動により空調用冷却水回路に冷却水を流すようにしたシステムにおいては以下の課題があった。
一般に、上記メイン回路には、冷却水温度を検出するための水温センサが配設されている。そして、この水温センサによって検出された冷却水温度の検出信号はエンジンECUに送信され、このエンジンECUが、冷却水温度に応じたエンジン制御を行うようになっている。例えば、ハイブリッド車両においては、冷却水温度が所定温度未満である冷間時にはエンジン暖機のためにエンジンを駆動する一方、冷却水温度が所定温度以上に達し且つエンジン負荷が比較的小さい場合にはエンジンを停止するといった制御等が行われている。
一方、車室内の暖房能力を高めるためには、例えば特許文献2に開示されているように、シリンダヘッド(エンジン本体において最も熱容量が大きい部分)から流出した冷却水を空調用冷却水回路のヒータコアに流すことで、シリンダヘッドで回収した熱をヒータコアに与えるようにすることが好ましい。つまり、メイン回路に対する空調用冷却水回路の接続位置をシリンダヘッドの出口側(機械式ウォータポンプの作動時におけるシリンダヘッドの出口側)に設定することが好ましい。
しかしながら、特許文献2に開示されている回路構成において上記シリンダヘッドの出口側に水温センサを配置した場合、上記機械式ウォータポンプの作動時にあっては、シリンダヘッドを通過した冷却水の温度が水温センサによって検出されるのに対し、機械式ウォータポンプが停止され、電動ウォータポンプの作動により空調用冷却水回路に冷却水を流す状況においては、ヒータコアを通過してシリンダヘッドに向かって流れる冷却水の温度が水温センサによって検出されることになる。つまり、前者の場合には、シリンダヘッドからの熱を受けることで比較的高温になった冷却水の温度が水温センサによって検出されるのに対し、後者の場合には、ヒータコアに熱を与えることで比較的低温になった冷却水の温度が水温センサによって検出されることになる。このため、エンジンの暖機状態が同じであっても、上記前者の場合と後者の場合とでは、水温センサによって検出される冷却水温度に大きな差が生じてしまって、エンジンの暖機状態に応じた適正なエンジン制御を実行することが困難になる可能性がある。また、電動ウォータポンプの作動により空調用冷却水回路に冷却水を流す状況においては、上述した如く水温センサによって検出される冷却水温度が比較的低いことから、ハイブリッド車両等にあっては、エンジンの発停が繰り返される(例えばヒータコアやラジエータにおいて冷却水から放出される熱量の変化に応じて冷却水温度が大きく変化することになりエンジンの発停が繰り返される)といったハンチングを招いてしまう虞もある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷却水循環回路の冷却水温度を適正に検出することが可能な内燃機関の冷却装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、メインポンプと空調用ポンプ(ヒータ用ポンプ)とを有する冷却水循環回路を備えた内燃機関の冷却装置に対し、メインポンプを作動させる場合と、このメインポンプを停止し空調用ポンプを作動させる場合との何れにおいても、シリンダヘッドから流出した冷却水の温度が水温センサ(水温検出手段)によって検出されるようにする。これにより、何れの作動状態においても内燃機関の暖機状態に応じた冷却水温度の検出を可能にしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、内燃機関本体を冷却する冷却水循環動作を行わせるために作動するメインポンプと、冷却水の熱を利用するヒータコアに冷却水を流すために作動するヒータ用ポンプとを有すると共に、循環する冷却水の温度が水温検出手段によって検出される冷却水循環回路を備えた内燃機関の冷却装置を前提とする。この内燃機関の冷却装置に対し、上記メインポンプが作動している場合と、このメインポンプが停止しており且つ上記ヒータ用ポンプが作動している場合との何れにおいても、冷却水の流れが、内燃機関本体のシリンダヘッド内の冷却水通路から上記水温検出手段の配設箇所へ向かう流れとなるように上記冷却水循環回路を構成している。
この特定事項により、メインポンプが作動している場合、及び、このメインポンプが停止しており且つヒータ用ポンプが作動している場合の何れにおいても、シリンダヘッド内の冷却水通路から流出した冷却水の温度が水温検出手段によって検出されることになる。このため、常に、内燃機関の暖機状態に応じた冷却水温度の検出が可能になる。その結果、冷却水の温度に応じて内燃機関を制御する場合に、内燃機関の暖機状態に応じた適切な制御をポンプの作動状態に関わりなく実行することが可能になる。
上記冷却水循環回路の具体構成としては以下のものが挙げられる。
上記メインポンプを、冷却水循環回路のメイン回路に配設する一方、上記ヒータ用ポンプを、上記メイン回路から分岐されたヒータ用回路に配設する。また、上記ヒータ用回路の一端をシリンダヘッド内の冷却水通路の入口部分に接続する。そして、上記メインポンプが作動している場合、上記ヒータ用回路に、内燃機関本体のシリンダブロック内の冷却水通路を経た後、シリンダヘッド内の冷却水通路をバイパスして冷却水が流入する構成としている。
この回路構成によれば、上記メインポンプが作動している場合に、シリンダブロック内の冷却水通路を流れた冷却水とヒータ用回路を流れた冷却水とがシリンダヘッド内の冷却水通路内で衝突することがなくなり、冷却水の循環動作の円滑化を図ることができる。つまり、シリンダヘッド内の冷却水通路内での冷却水の淀みを抑制でき、シリンダヘッドの冷却性能を高めることができる。
また、上記メインポンプを、冷却水循環回路のメイン回路に配設する一方、上記ヒータ用ポンプを、上記メイン回路から分岐されたヒータ用回路に配設する。また、上記ヒータ用回路の一端をシリンダヘッド内の冷却水通路の入口部分に接続する。そして、上記メインポンプが停止し且つ上記ヒータ用ポンプが作動している場合、上記ヒータ用回路に、内燃機関本体のシリンダヘッド内の冷却水通路を経た後、シリンダブロック内の冷却水通路をバイパスして冷却水が流入する構成としている。
この回路構成によれば、シリンダブロック内の冷却水通路での冷却水流れをほぼ停止させ、シリンダヘッド内の冷却水通路を流れた冷却水をヒータ用回路に流してヒータコアに熱を与えることができる。このため、シリンダブロック内の冷却水通路に冷却水を流さないことによる内燃機関の暖機性能の向上と、比較的温度の高いシリンダヘッドから回収した熱をヒータコアに与えることによる暖房性能の向上とを両立することができる。
以上のような回路構成において、上記メイン回路におけるシリンダヘッド内の冷却水通路の出口部分に上記水温検出手段を配設する一方、上記ヒータ用回路の他端を、メイン回路における水温検出手段の配設箇所の下流側に接続している。
これにより、ヒータ用回路を流れてヒータコアに熱を与えることで比較的低温となった冷却水は水温検出手段の配設箇所の下流側においてメイン回路へ合流することとなり、この冷却水の温度が水温検出手段によって検出されることがなくなる。つまり、内燃機関の暖機状態に応じた冷却水温度が水温検出手段によって検出されることになる。
また、上記内燃機関が停止している場合には、上記メインポンプが停止し且つ上記ヒータ用ポンプが作動する構成としている。
この場合、内燃機関が停止した状態でメイン回路を冷却水が循環するといった状況は生じず、水温検出手段で検出される冷却水温度が大きく変化するといった状況は招きにくくなる。その結果、冷却水温度に応じて内燃機関の発停が制御されるものにあっては、そのエンジンの発停が繰り返されるといったハンチングを防止することができる。
より具体的な冷却水循環回路の構成としては以下のものが挙げられる。つまり、上記メインポンプを、冷却水循環回路のメイン回路に配設する一方、上記ヒータ用ポンプを、上記メイン回路から分岐されたヒータ用回路に配設する。また、上記メイン回路を、メインポンプの吐出側にシリンダブロック内の冷却水通路及びシリンダヘッド内の冷却水通路を直列に接続すると共に、シリンダヘッド内の冷却水通路の出口部分に上記水温検出手段を配設した構成とする。一方、ヒータ用回路を、ヒータ用ポンプの吐出側を上記シリンダヘッド内の冷却水通路の入口部分に接続し、ヒータ用ポンプの吸入側を上記水温検出手段の配設箇所の下流側に接続した構成とする。そして、上記メインポンプが作動している場合に、このメインポンプから吐出された冷却水が、シリンダブロック内の冷却水通路を経た後、シリンダヘッド内の冷却水通路側及びヒータ用回路側に分流され、シリンダヘッド内の冷却水通路及びヒータ用回路をそれぞれ流れた冷却水が上記水温検出手段の配設箇所の下流側で合流されてメインポンプに戻る冷却水循環動作を行うようにする。一方、上記メインポンプが停止しており且つ上記ヒータ用ポンプが作動している場合に、ヒータ用ポンプから吐出した冷却水が、ヒータコア、シリンダヘッド内の冷却水通路、上記水温検出手段の配設箇所を経てヒータ用ポンプに戻る冷却水循環動作を行うようにする。
このように、メインポンプが作動している場合と、ヒータ用ポンプが作動している場合とで、ヒータ用回路における冷却水の循環方向を反転させることにより、何れの場合にも、シリンダヘッド内の冷却水通路から流出した冷却水の温度が水温検出手段によって検出されるようにしている。これにより、常に、内燃機関の暖機状態に応じた冷却水温度の検出が可能になる。
また、上記メインポンプが停止しており且つ上記ヒータ用ポンプが作動している場合に、上記シリンダヘッド内の冷却水通路と、冷却水からの放熱を行うラジエータと、上記ヒータコアとの間で冷却水を循環させるようにしている。
このように冷却水を循環させた場合、シリンダヘッド内の冷却水通路を流れて比較的高温となった冷却水をラジエータによって冷却することができる。特に、内燃機関のデッドソーク時(内燃機関が高負荷運転状態から停止されることなどによりエンジン本体の温度が過剰上昇する状態)にあっては、シリンダヘッドの冷却性能を高めることができ、デッドソーク状態を早期に解消することが可能である。
本発明では、メインポンプ及び空調用ポンプの作動状態に関わりなく、シリンダヘッドから流出した冷却水の温度が水温検出手段によって検出されるようにしている。このため、内燃機関の暖機状態に応じた冷却水温度の検出が可能になり、その結果、冷却水の温度に応じて内燃機関を制御する場合に、内燃機関の暖機状態に応じた適切な制御を実行することが可能になる。
実施形態に係るエンジンの冷却系の回路構成を示す概略図である。 空調用ダクトの内部構成を示す図である。 制御系の構成を示すブロック図である。 冷間時における冷却水循環動作を説明するための図1相当図である。 暖機完了後における冷却水循環動作を説明するための図1相当図である。 アイドリングストップ制御中で且つ車室内暖房要求時における冷却水循環動作を説明するための図1相当図である。 比較例1に係るエンジンの冷却系の回路構成を示す概略図である。 比較例2に係るエンジンの冷却系の回路構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、エンジンの冷却系に備えられるウォータポンプとして、機械式ウォータポンプ及び電動ウォータポンプを備えた場合について説明する。
−冷却系の回路構成−
図1は、本実施形態に係るエンジンの冷却系の回路構成を示す概略図である。この図1に示すように、本実施形態に係るエンジンの冷却系(冷却水循環回路)としては、エンジン冷却のための冷却水が流れるメイン回路Aと、このメイン回路Aから分岐され、車室内空調用の熱源(例えば車室内暖房のための熱源)としての冷却水を流すための空調用冷却水回路Bとを備えている。以下、各回路A,Bについて説明する。
(メイン回路A)
メイン回路Aには、ラジエータ1、サーモスタット2、機械式ウォータポンプで成るメインポンプ3、これら各機器1,2,3を接続する配管H1,H2,H3,H4,H5が備えられている。
具体的には、ラジエータ1とサーモスタット2とが第1配管(ロアホース)H1によって接続されており、サーモスタット2とメインポンプ3の吸入口とが第2配管H2によって接続されている。また、メインポンプ3の吐出口はエンジン本体(内燃機関本体)に形成されたウォータジャケットに連通している。具体的に、このウォータジャケットは、シリンダブロックのウォータジャケット4とシリンダヘッドのウォータジャケット5とを備え、メインポンプ3から吐出された冷却水(熱回収媒体)がシリンダブロックのウォータジャケット4を経た後、シリンダヘッドのウォータジャケット5に導入されるようになっている。シリンダヘッドのウォータジャケット5を流れた冷却水は、取り出し管H3によってエンジン本体から取り出される。この取り出し管H3は分岐され、一方は第3配管(アッパホース)H4によってラジエータ1に接続されている一方、他方は第4配管H5によって上記サーモスタット2に接続されている。また、この第4配管H5にはEGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラ等といった冷却水による冷却が必要な補機6が配設されている。
以下、このメイン回路Aに備えられている各機器の構成及び機能について簡単に説明する。
上記ラジエータ1は、例えばダウンフロータイプのものであり、図示しないアッパタンクとロアタンクとの間にラジエータコアが備えられている。また、このラジエータ1の近傍には図示しない冷却ファンが配設されている。これにより、エンジン本体から取り出し管H3及び第3配管H4を経てアッパタンクに回収された冷却水がロアタンクに向けてラジエータコアの内部を流下する際に外気(走行風や上記冷却ファンの駆動による送風)との間で熱交換を行い、外気に放熱することで冷却水が冷却されるようになっている。
サーモスタット2は、メイン回路Aの水路を切り換えることによって冷却水の温度を調節するものであって、例えば内部に封入されたワックスの熱膨張を利用し、内装されたバルブが冷却水温度に応じて開閉される機構を備えた冷却水温度応動弁で構成されている。
そして、エンジンの冷間時、つまり冷却水温度が比較的低い場合には、サーモスタット2のバルブが閉鎖して上記第1配管H1側を遮断し、これによってラジエータ1とメインポンプ3との間を非連通とする。つまり、エンジン本体の内部に形成されたウォータジャケット4,5と第4配管H5とメインポンプ3との間で冷却水を循環させる(ラジエータ1をバイパスして流す)ことで暖機性能の向上が図れるようにしている。
一方、エンジンの暖機完了後、つまり冷却水温度が比較的高い場合には、サーモスタット2のバルブが開放してラジエータ1とメインポンプ3とが連通し、ラジエータ1に冷却水を流すことでその冷却水が回収した熱を大気に放出するようにしている。
メインポンプ3は、メイン回路Aに水流を発生させるためのものであって、その駆動軸に備えられたウォータポンププーリとクランクシャフトプーリ(共に図示省略)との間に伝動ベルトが掛け渡されていることにより、クランクシャフトの回転力を受けて作動するようになっている。
(空調用冷却水回路B)
次に、メイン回路Aから分岐された空調用冷却水回路Bについて説明する。
この空調用冷却水回路Bは、一端が上記第4配管H5(より具体的には、この第4配管H5における上記補機6とサーモスタット2との間)に接続されている一方、他端が上記シリンダブロックのウォータジャケット4とシリンダヘッドのウォータジャケット5との境界部分(より具体的には、シリンダヘッドのウォータジャケット5の入口部分)に接続されている。
また、この空調用冷却水回路Bには、電動ウォータポンプで成る空調用ポンプ(ヒータ用ポンプ)7、ヒータコア(熱交換器)8が備えられ、これら機器7,8が直列に接続されている。
上記空調用ポンプ7は、電動モータにより作動され、この電動モータの回転数を制御することにより、この空調用ポンプ7の回転数(ポンプ出力)が調整される。これにより空調用冷却水回路Bにおける単位時間当たりの冷却水流量が調整可能となっている。また、本実施形態では、上記メインポンプ3の停止時(後述するアイドリングストップ制御によるエンジンの停止時など)に乗員からの空調要求(暖房要求など)がある場合に、空調用ポンプ7が作動されるようになっている。尚、この空調用ポンプ7は、上記メインポンプ3よりも小型のものが採用されている。
上記ヒータコア8は、冷却水の熱を利用して車室内を暖房する場合などにおいて空気を加温するための暖房用熱交換器であって、上記空調用ポンプ7の吐出側に接続されていると共に、エアコンディショナの空調用ダクト9(図2を参照)に臨んでいる。
図2は、この空調用ダクト9の内部構成を示している。この図2に示すように、ヒータコア8は、空調用送風機91(以下、ブロワと呼ぶ)により送風された空気を冷却水と熱交換して加温するものである。このヒータコア8は、空調用ダクト9内の通風路において冷房用蒸発器92の下流側に設置され、例えば、この蒸発器92で冷却された冷風を所定温度まで再加熱することにより車室内への吹出空気温度を制御したり、車室内の暖房要求時に蒸発器92をバイパスした空気を加熱するようになっている。
上記ブロワ91はモータ91aにより駆動される電動式遠心ファンにより構成されている。
図2中の9aは図示しない内外気切替箱を通して空気が吸入される空気吸入口、9bはヒータコア8で温度調整された空気を車室内へ吹き出す吹出口である。この吹出口9bとしては、乗員頭部に向けて空気を吹き出すフェイス吹出口、乗員足元部に向けて空気を吹き出すフット吹出口、車両窓ガラスに向けて空気を吹き出すデフロスタ吹出口等が設けられている。
−制御系−
図3は、本実施形態における制御系の概略を示すブロック図である。
この図3における21は自動車用空調装置の制御パネル(図示せず)に設けられた空調用スイッチ群で、空調用圧縮機(図示せず)を起動する空調スイッチ、目標温度を設定する温度設定スイッチ、吹出モードスイッチ、ブロワ91の制御スイッチ等からなる。22は自動車用空調装置の自動制御用のセンサ群で、車室内温度を検出する内気温センサ、外気温度を検出する外気温センサ、日射量を検出する日射センサ、上記蒸発器92の冷却温度を検出する蒸発器温度センサ等を包含している。
図中23は冷却水温度を検出する水温センサ(水温検出手段)である。この水温センサ23は、サーミスタ等の感温抵抗素子から成っている。また、この水温センサ23は、図1に示すように、シリンダヘッドのウォータジャケット5の出口部分(より具体的には上記取り出し管H3)に配設され、このシリンダヘッドのウォータジャケット5から流出する冷却水の温度を検出するようになっている。
また、図中24はエンジンの点火回路に電源を供給するイグニッションスイッチである。
更に、図中20はマイクロコンピュータおよびその周辺回路から構成されるエアコンECUである。このエアコンECU20は、上記空調用スイッチ群21、センサ群22、水温センサ23およびイグニッションスイッチ24等から入力される入力信号を予め設定されたプログラムに従って判定、演算処理を行うとともに、その演算処理結果に基づいて上記ブロワ91、各ウォータポンプ3,7等の作動を制御するようになっている。
また、本実施形態に係る自動車は、交差点での信号待ち等のように一時的に停車した際に、エンジンの各気筒に備えられた点火プラグ12の点火動作を停止(点火カット)すると共に、インジェクタ13からの燃料供給を停止(フューエルカット)してエンジンを停止させる所謂アイドリングストップ制御を行うようになっている。以下、このアイドリングストップ制御を行うための制御系について説明する。
図3に示すように、エンジンの運転状態を制御するエンジンECU10にはアイドリングストップ制御を行うためのアイドルストップコントローラ11が接続されている。このアイドルストップコントローラ11は、アイドリングストップ条件(内燃機関自動停止条件)の成立時に、エンジンECU10に向けて点火カット信号及びフューエルカット信号を発信する。一方、エンジン始動条件(アイドリングストップ解除条件)が成立した際、このアイドルストップコントローラ11は、エンジンECU10に向けて点火カット解除信号及びフューエルカット解除信号を発信すると同時に、始動制御信号を図示しないスタータに送信するようになっている。
また、このアイドルストップコントローラ11には、車速センサ14からの車速検知信号、シフトレバー位置センサ15からのシフト位置信号、ブレーキペダルセンサ16からのブレーキペダル踏み込み信号及びブレーキペダル踏み込み解除信号が入力されるようになっている。
また、アイドルストップコントローラ11は、図示しないクランク角センサにより検出されたエンジン回転数信号NEをエンジンECU10から受けるようになっている。
本実施形態に係る自動車のアイドリングストップ条件は、イグニッションがONの状態で、例えば車速センサ14からの車速検知信号によって車速が「0」であることが検知され、且つブレーキペダルセンサ16からのブレーキペダル踏み込み信号によってブレーキペダルの踏み込み操作がなされていることが検知された場合に成立する。このアイドリングストップ条件が成立することで、アイドルストップコントローラ11は、エンジンECU10に向けて点火カット信号及びフューエルカット信号を発信することになる。また、この点火カット信号及びフューエルカット信号の発信に伴って、エンジンECU10は、点火プラグ12の点火動作を停止する制御を行うと共に、インジェクタ13の燃料噴射動作を停止する制御を行ってエンジンを停止させる。
一方、このアイドリングストップ制御によってエンジンが停止している状態からエンジンを始動させるためのエンジン始動条件は、上記アイドリングストップ条件が成立した後に、ブレーキペダルセンサ16からのブレーキペダル踏み込み解除信号によってブレーキペダルの踏み込み解除操作がされたことが検知されるか、またはシフトレバー位置センサ15からのシフト位置信号によってシフトレバーが「N(ニュートラル)」位置或いは「P(パーキング)」位置の何れかの位置から、走行レンジ位置(「D(ドライブ)」の位置、「1(第1速)」の位置、「2(第2速)」の位置、「R(リバース)」の位置の何れか)に操作されたことが検知された場合に成立する。このエンジン始動条件が成立することで、アイドルストップコントローラ11がエンジンECU10に向けて点火カット解除信号及びフューエルカット解除信号を発信すると同時に、始動制御信号をスタータに送信するようになっている。上記点火カット解除信号及びフューエルカット解除信号を受けたエンジンECU10は点火プラグ12の点火動作を開始すると共にインジェクタ13の燃料噴射動作を開始する制御を行う。また、上記始動制御信号によってスタータのスタータモータが作動してエンジンのクランキングが行われる。
そして、本実施形態では、乗員が車室内の空調(暖房等)を要求している際、上記アイドリングストップ条件が成立してエンジンが停止した場合に、上記空調用ポンプ7を起動するようになっている。その理由について説明する。上記アイドリングストップ制御によってエンジンが停止すると、上記メインポンプ(機械式ウォータポンプ)3も停止してしまい、上記空調用冷却水回路Bへの冷却水の供給が行われなくなり、乗員の空調要求に応えることが難しくなる可能性がある。このため、このような状況では、空調用ポンプ(電動ウォータポンプ)7を作動させて、空調用冷却水回路Bでの冷却水の循環(ヒータコア8とシリンダヘッドのウォータジャケット5との間での冷却水の循環)を行わせ、これによって空調能力を維持するようにしている。この際の冷却水循環動作については後述する。
−冷却水循環動作−
次に、上述の如く構成された冷却水循環回路における冷却水循環動作について説明する。
(冷間時)
先ず、エンジンの始動初期時等のような冷間時には、サーモスタット2のバルブが閉鎖され、且つエンジンの駆動に伴ってメインポンプ3が作動する。これにより、図4に矢印で示すように、メインポンプ3、エンジン本体内部の各ウォータジャケット4,5、取り出し管H3、第4配管H5、補機6、サーモスタット2、第2配管H2の順で冷却水が流れる循環動作が行われる。この図4では冷却水が流れる回路部分を太線で示している。これにより、ラジエータ1をバイパスして冷却水を循環させ、ラジエータ1における放熱動作を行わせないことでエンジンの暖機を早期に完了させるようにする。
また、この場合、冷却水温度が低く、暖房要求に応えることができないため、上記空調用ポンプ7は停止している。尚、仮にメイン回路Aから空調用冷却水回路Bに冷却水が流れ込んだ場合であっても、上記ブロワ91を停止させておけば車室内に冷風が供給されることはない。
このような冷間時の冷却水循環動作にあっては、シリンダヘッドのウォータジャケット5から流出した冷却水が水温センサ23の配設位置を流れることになる。つまり、この水温センサ23によって、シリンダヘッドのウォータジャケット5から流出した冷却水の温度が検出されることになる。即ち、エンジンの暖機状態に応じた冷却水の温度が検出されることになる。そして、この検出された冷却水温度が所定の暖機完了温度に達するまで上述した冷間時の運転が継続される。
(暖機完了後)
エンジンの暖機完了後には、サーモスタット2のバルブが開放され、且つエンジンの駆動に伴うメインポンプ3の作動が継続される。これにより、図5に矢印で示すように、メインポンプ3から吐出されてシリンダブロックのウォータジャケット4を経た冷却水の一部は、シリンダヘッドのウォータジャケット5及び取り出し管H3を流れた後、ラジエータ1側と補機6側とに分流される。これにより、第3配管H4からラジエータ1に流入された冷却水は、その熱がラジエータコアによって大気に放出され冷却されることになる。
上記ラジエータ1及び補機6をそれぞれ流れた冷却水は、合流された後、第2配管H2を経てメインポンプ3に戻ることになる。
また、上記シリンダブロックのウォータジャケット4を経た冷却水の他の一部は、空調用冷却水回路Bに流れ込むことになる。つまり、ヒータコア8を流れた後、上記ラジエータ1及び補機6をそれぞれ流れた冷却水に合流してメインポンプ3に戻ることになる。
そして、乗員が上記空調用スイッチ群21を操作することで車室内の空調要求(暖房要求等)が生じている場合には、上記ブロワ91が起動して空調用ダクト9に空気が流されることになる。これにより、冷却水と空気とがヒータコア8において熱交換されて、この空気が加温され、所定温度の温風として上記空調用ダクト9の吹出口9bから車室内に供給され、車室内が空調される。この場合、エンジンの暖機が完了しており、シリンダブロックのウォータジャケット4を流れる冷却水は、シリンダブロックからの熱を受けることで十分に高温となっているため、ヒータコア8に対して十分な熱量を与えることができて暖房能力が確保されている。
尚、この場合、エンジンが駆動しており、その駆動力を受けるメインポンプ3によって空調用冷却水回路Bへの冷却水の導入が可能な状況であるので、空調用ポンプ7は停止状態が維持されている。
このような暖機完了後の冷却水循環動作にあっても、シリンダヘッドのウォータジャケット5から流出した冷却水が水温センサ23の配設位置を流れることになる。つまり、この水温センサ23によって、シリンダヘッドのウォータジャケット5から流出した冷却水の温度が検出されることになる。即ち、エンジンの暖機状態に応じた冷却水の温度が検出されることになる。
また、このような冷却水の循環動作によれば、シリンダブロックのウォータジャケット4を流れた冷却水と空調用冷却水回路Bを流れた冷却水とがシリンダヘッドのウォータジャケット5内で衝突することがなくなり、冷却水の循環動作の円滑化を図ることができる。このため、シリンダヘッドのウォータジャケット5内での冷却水の淀みを抑制でき、シリンダヘッドの冷却性能を高めることができる。
(アイドリングストップ制御中で且つ車室内暖房要求時)
上記アイドリングストップ条件が成立してエンジンが停止した場合、それに伴ってメインポンプ(機械式ウォータポンプ)3も停止する。この場合に、乗員が車室内の空調(暖房等)を要求している場合には、上記空調用ポンプ7が起動されることになる。
この場合の冷却水の循環動作としては、図6に実線の矢印で示すように、空調用ポンプ7、ヒータコア8、シリンダヘッドのウォータジャケット5、取り出し管H3、補機6の順で冷却水が循環する。つまり、空調用冷却水回路Bにおける冷却水の流れ方向は、上述した暖機完了後での空調用冷却水回路Bにおける冷却水の流れ方向とは逆方向となる。この図6においても冷却水(車室内の暖房に寄与する冷却水)が流れる回路部分を太線で示している。
これにより、エンジン駆動時(上述した暖機完了後での駆動時)において発熱量が特に大きかったシリンダヘッドの熱を、このシリンダヘッドのウォータジャケット5を流れる冷却水によって回収し、ヒータコア8に与えることが可能となる。そして、このヒータコア8における冷却水と空調用空気との熱交換により、空調用空気が加温され、所定温度の温風として上記空調用ダクト9の吹出口9bから車室内に供給され、車室内が空調される。
このようなアイドリングストップ制御中で且つ車室内暖房要求時における冷却水循環動作にあっても、シリンダヘッドのウォータジャケット5から流出した冷却水が水温センサ23の配設位置を流れることになる。つまり、この水温センサ23によって、シリンダヘッドのウォータジャケット5から流出した冷却水の温度が検出されることになる。
また、このような冷却水の循環が行われている際に、冷却水温度が比較的高く、サーモスタット2のバルブが開放されている場合には、図6に破線の矢印で示すように、シリンダヘッドのウォータジャケット5から流出した冷却水の一部は、第3配管H4、ラジエータ1、第1配管H1、サーモスタット2の順で流れた後、再び空調用冷却水回路Bに戻ることになる。つまり、シリンダヘッドのウォータジャケット5において冷却水が回収した熱は、その一部がヒータコア8において放熱され(暖房用の熱源等として回収され)、他の一部がラジエータ1によって放熱されることになる。このため、シリンダヘッドの冷却性能を確保することができる。例えば、デッドソーク時にあっては、ラジエータ1による冷却水の冷却動作によってデッドソーク状態を早期に解消することが可能である。
また、車室内暖房要求が無い場合であっても、デッドソーク時に空調用ポンプ7を作動させ、図6に示す冷却水の循環動作(図6に実線及び破線で示す冷却水の循環動作)を行わせるようにした場合にも、冷却水の熱をラジエータ1によって放出することができ、デッドソーク状態を早期に解消することが可能である。
以上が、冷却水循環回路における冷却水循環動作である。このように、本実施形態の冷却水循環回路によれば、上記冷間時、暖機完了後、アイドリングストップ制御中の何れにおいても、シリンダヘッドのウォータジャケット5から流出した冷却水が水温センサ23の配設位置を流れることになる。つまり、この水温センサ23によって、シリンダヘッドのウォータジャケット5から流出した冷却水の温度が検出されることになる。その結果、常に、エンジンの暖機状態に応じた冷却水温度の検出が可能になり、冷却水の温度に応じてエンジンを制御する場合に、エンジンの暖機状態に応じた適切な制御を、ポンプ3,7の作動状態に関わりなく実行することが可能になる。
尚、上記実施形態にあっては、上記ヒータコア8の配設位置と補機6の配設位置とを入れ換えても上記と同様の効果を奏することが可能である。
−比較例との対比−
次に、本実施形態に係る回路構成と、比較例の回路構成との対比について説明する。
図7は比較例1に係るエンジンの冷却系の回路構成を示す概略図であり、図8は比較例2に係るエンジンの冷却系の回路構成を示す概略図である。これら図7及び図8においては、上記実施形態の図1で示した各部材及び機器と同一の部材及び機器については同符号を付している。
(比較例1との対比)
図7に示す比較例1では、上記実施形態の回路構成に対し、メイン回路Aに対する空調用冷却水回路Bの接続位置が異なっている。具体的には、空調用冷却水回路Bにおける空調用ポンプ7の吐出側の一端が水温センサ23の下流側に接続されている。
この比較例1の回路構成の場合、アイドリングストップ制御によってメインポンプ3が停止し、空調用ポンプ7が作動している際、図7に実線の矢印で示すように、空調用冷却水回路Bを循環する冷却水はシリンダヘッドのウォータジャケット5を流れないものとなる。これでは、シリンダヘッドの熱が回収されず、ヒータコア8に十分な熱量を与えることが難しくなり、暖房能力の低下に繋がってしまう。
これに対し、上述した実施形態の回路構成によれば、空調用ポンプ7が作動している際、空調用冷却水回路Bを循環する冷却水はシリンダヘッドのウォータジャケット5を流れ、シリンダヘッドの熱が回収可能であって、ヒータコア8に十分な熱量を与えることができ、暖房能力を十分に確保することが可能である。
また、エンジンのデッドソーク時には、冷却水の温度が高いためサーモスタット2のバルブが開放されることになる。そして、図7に示す比較例1の場合、図中に破線の矢印で示すように空調用冷却水回路Bを流れる冷却水の一部が、ラジエータ1を経て空調用ポンプ7に戻る状態となる。ところが、上述した如く、シリンダヘッドのウォータジャケット5には冷却水が流れていないため、シリンダヘッドを冷却できず、デッドソーク状態を解消できない状況が継続されてしまうことになる。
これに対し、上述した実施形態の回路構成によれば、図6で示したように、空調用ポンプ7が作動している際、シリンダヘッドのウォータジャケット5に冷却水が流れており、この冷却水の一部が、シリンダヘッドのウォータジャケット5とラジエータ1との間で循環し、シリンダヘッドが冷却されることになる。このため、デッドソーク状態を早期に解消することが可能である。
(比較例2との対比)
図8に示す比較例2は、上記実施形態の回路構成に対し、空調用冷却水回路Bに配設されている空調用ポンプ7の吐出方向が異なっている。つまり、この空調用ポンプ7の作動時には、空調用冷却水回路Bにおける冷却水の循環方向が、上記実施形態における空調用ポンプ7の作動時のもの(図6を参照)とは逆方向となる。
この場合、メインポンプ3の作動時にあっては、シリンダヘッドのウォータジャケット5を通過した冷却水の温度が水温センサ23によって検出されるのに対し、メインポンプ3が停止され、空調用ポンプ7の作動により空調用冷却水回路Bで冷却水を循環させる状況においては、図8に矢印で示すように、ヒータコア8を通過してシリンダヘッドのウォータジャケット5に向かって流れる冷却水の温度が水温センサ23によって検出されることになる。つまり、前者の場合には、シリンダヘッドからの熱を受けることで比較的高温になった冷却水の温度が水温センサ23によって検出されるのに対し、後者の場合には、ヒータコア8に熱を与えることで比較的低温になった冷却水の温度が水温センサ23によって検出されることになる。このため、エンジンの暖機状態が同じであっても水温センサ23によって検出される冷却水温度に大きな差が生じてしまって、冷却水温度に応じた適正なエンジン制御を実行することが困難になる可能性がある。また、空調用ポンプ7の作動により空調用冷却水回路Bに冷却水を流す状況においては、水温センサ23によって検出される冷却水温度が比較的低いことから、ハイブリッド車両等にあっては、エンジンの発停が繰り返されるといったハンチングを招いてしまう虞もある。
これに対し、上述した実施形態の回路構成によれば、メインポンプ3の作動時、及び、空調用ポンプ7の作動時の何れにおいても、シリンダヘッドのウォータジャケット5から流出した冷却水の温度を水温センサ23によって検出することになるため(図4〜図6に示す冷却水循環状態を参照)、エンジンの暖機状態を正確に検出することが可能になり、また、上記ハンチングを招くこともない。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は、自動車用エンジンの冷却装置に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、自動車以外に使用されるエンジンの冷却装置に対しても適用可能である。
また、上記実施形態では、メイン回路Aに配設されるメインポンプ3として、エンジンのクランクシャフトの回転駆動力を受けて作動する機械式ポンプを採用していた。本発明はこれに限らず、このメインポンプ3も空調用ポンプ7と同様の電動ウォータポンプとしてもよい。
また、上記実施形態では、メインポンプ3が作動される場合と、メインポンプ3が停止され且つ空調用ポンプ7が作動される場合とでは、空調用冷却水回路Bでの冷却水の循環方向が互いに逆方向となっていた。本発明は、これに限らず、シリンダヘッドのウォータジャケット5から流出した冷却水の温度が水温センサ23によって検出される構成であれば、メインポンプ3が作動される場合と、メインポンプ3が停止され且つ空調用ポンプ7が作動される場合とで、空調用冷却水回路Bでの冷却水の循環方向を同一方向とするようにしてもよい。
本発明は、メイン回路での冷却水循環を行わせるウォータポンプと空調用冷却水回路での冷却水循環を行わせるウォータポンプとを有する冷却水循環回路を備えた内燃機関の冷却装置に適用可能である。
1 ラジエータ
3 メインポンプ
4 シリンダブロックのウォータジャケット(シリンダブロック内の冷却水通路)
5 シリンダヘッドのウォータジャケット(シリンダヘッド内の冷却水通路)
7 空調用ポンプ(ヒータ用ポンプ)
8 ヒータコア
23 水温センサ(水温検出手段)
A メイン回路
B 空調用冷却水回路

Claims (7)

  1. 内燃機関本体を冷却する冷却水循環動作を行わせるために作動するメインポンプと、冷却水の熱を利用するヒータコアに冷却水を流すために作動するヒータ用ポンプとを有すると共に、循環する冷却水の温度が水温検出手段によって検出される冷却水循環回路を備えた内燃機関の冷却装置において、
    上記メインポンプが作動している場合と、このメインポンプが停止しており且つ上記ヒータ用ポンプが作動している場合との何れにおいても、冷却水の流れが、内燃機関本体のシリンダヘッド内の冷却水通路から上記水温検出手段の配設箇所へ向かう流れとなるように上記冷却水循環回路が構成されていることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の冷却装置において、
    上記メインポンプは、冷却水循環回路のメイン回路に配設されている一方、上記ヒータ用ポンプは、上記メイン回路から分岐されたヒータ用回路に配設されており、
    上記ヒータ用回路においては、その一端がシリンダヘッド内の冷却水通路の入口部分に接続されており、
    上記メインポンプが作動している場合、上記ヒータ用回路には、内燃機関本体のシリンダブロック内の冷却水通路を経た後、シリンダヘッド内の冷却水通路をバイパスして冷却水が流入するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  3. 請求項1記載の内燃機関の冷却装置において、
    上記メインポンプは、冷却水循環回路のメイン回路に配設されている一方、上記ヒータ用ポンプは、上記メイン回路から分岐されたヒータ用回路に配設されており、
    上記ヒータ用回路においては、その一端がシリンダヘッド内の冷却水通路の入口部分に接続されており、
    上記メインポンプが停止し且つ上記ヒータ用ポンプが作動している場合、上記ヒータ用回路には、内燃機関本体のシリンダヘッド内の冷却水通路を経た後、シリンダブロック内の冷却水通路をバイパスして冷却水が流入するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  4. 請求項2または3記載の内燃機関の冷却装置において、
    上記メイン回路においては、シリンダヘッド内の冷却水通路の出口部分に上記水温検出手段が配設されている一方、
    上記ヒータ用回路の他端は、メイン回路における水温検出手段の配設箇所の下流側に接続されていることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  5. 請求項1〜4のうち何れか一つに記載の内燃機関の冷却装置において、
    上記内燃機関が停止している場合に、上記メインポンプが停止し且つ上記ヒータ用ポンプが作動する構成となっていることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  6. 請求項1記載の内燃機関の冷却装置において、
    上記メインポンプは、冷却水循環回路のメイン回路に配設されている一方、上記ヒータ用ポンプは、上記メイン回路から分岐されたヒータ用回路に配設されており、
    上記メイン回路では、メインポンプの吐出側に、シリンダブロック内の冷却水通路及びシリンダヘッド内の冷却水通路が直列に接続されていると共に、シリンダヘッド内の冷却水通路の出口部分に上記水温検出手段が配設されている一方、
    上記ヒータ用回路は、ヒータ用ポンプの吐出側が上記シリンダヘッド内の冷却水通路の入口部分に接続され、ヒータ用ポンプの吸入側が上記水温検出手段の配設箇所の下流側に接続されており、
    上記メインポンプが作動している場合には、このメインポンプから吐出された冷却水が、シリンダブロック内の冷却水通路を経た後、シリンダヘッド内の冷却水通路側及びヒータ用回路側に分流され、シリンダヘッド内の冷却水通路及びヒータ用回路をそれぞれ流れた冷却水が上記水温検出手段の配設箇所の下流側で合流されてメインポンプに戻る冷却水循環動作を行うようになっている一方、
    上記メインポンプが停止しており且つ上記ヒータ用ポンプが作動している場合には、ヒータ用ポンプから吐出した冷却水が、ヒータコア、シリンダヘッド内の冷却水通路、上記水温検出手段の配設箇所を経てヒータ用ポンプに戻る冷却水循環動作を行うようになっていることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  7. 請求項1〜6のうち何れか一つに記載の内燃機関の冷却装置において、
    上記メインポンプが停止しており且つ上記ヒータ用ポンプが作動している場合には、上記シリンダヘッド内の冷却水通路と、冷却水からの放熱を行うラジエータと、上記ヒータコアとの間で冷却水が循環するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105134359A (zh) * 2015-10-16 2015-12-09 安徽江淮汽车股份有限公司 一种采用延迟循环流路的发动机冷却系统
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