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JP2012237498A - 膨張弁装置 - Google Patents

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JP2012237498A
JP2012237498A JP2011106600A JP2011106600A JP2012237498A JP 2012237498 A JP2012237498 A JP 2012237498A JP 2011106600 A JP2011106600 A JP 2011106600A JP 2011106600 A JP2011106600 A JP 2011106600A JP 2012237498 A JP2012237498 A JP 2012237498A
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temperature
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Yuya Suzuki
佑哉 鈴木
Tatsuhiro Matsuki
達広 松木
Kazuaki Takemoto
和明 竹元
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Denso Corp
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Abstract

【課題】簡単な構成で、弁体に作用する負荷が変動しても、流量制御の分解能および応答性を確保することができる膨張弁装置を提供する。
【解決手段】トルク推定部によって弁体53に作用する負荷を推定する。そしてECU10は、トルク推定部によって推定された負荷に応じてマイクロステップ駆動の制御を実施する。したがって負荷の大小によってマイクロステップ駆動の制御が異なることになる。これによって弁体53に作用する負荷が変動しても、マイクロステップ駆動が負荷に応じて制御されるので、流量制御の分解能および応答性を確保することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、冷媒を減圧膨張させる膨張弁装置に関し、特にステッピングモータにより弁体を変位させて冷媒流量を変更可能な電動式の膨張弁装置に関する。
従来技術として、特許文献1に示すような車両用冷凍サイクルが開示されている。特許文献1に記載の冷凍サイクルは、室外熱交換器に至る流路にて、ステッピングモータを用いた電子膨張弁とバイパス弁とが並列に接続される構成となっている。このように並列にすることなく、バイパス弁の機能を取り込んだ膨張弁を用いる構成もある。しかしバイパス弁の機能を取り込んだ膨張弁は、大口径になり、開口面積が大きくなる分、流量分解能が低下してしまうという問題がある。
このような問題を解決する技術が、特許文献2に開示されている。特許文献2に記載の減速装置付電動弁では、分解能を低下させないために、ギヤを用いる減速装置によって弁棒を高精度に変位させている。しかし減速装置付電動弁では、構成が複雑になるという問題がある。
また分解能を確保するため、バイパス弁の機能を取り込んだ膨張弁において、ステッピングモータをマイクロステップ駆動させて、弁を高精度に変位させる技術がある。しかしステッピングモータをマイクロステップ駆動による位置制御には、うねりによる分解能の低下、およびヒステリシスによる応答性の遅れといった問題がある。
このような問題を解決する技術が、特許文献3および特許文献4に開示されている。特許文献3に記載の技術では、うねりによって分解能が低下するという問題に対して、駆動電流波形を補正する技術が開示されている。また特許文献4に記載の技術では、ヒステリシスによって応答性が遅れるとういう問題に対して、ヒステリシス分だけ複数のステップ電流値を飛ばす技術が開示されている。
特開2004−142646号公報 特開2006−226369号公報 特開昭63−171197号公報 特開平8−149892号公報
冷凍サイクルに用いられる膨張弁では、弁体には冷媒の圧力が作用する。冷凍サイクルにおける冷媒圧力は一定ではないので、弁体に作用する負荷も変動する。弁体に作用する負荷が変動すると、負荷変動に伴って、うねり方およびヒステリシス量も変わってしまう。したがって前述の特許文献3および特許文献4に記載の技術のように、単一の補正波形および単一の飛ばすステップ数では、冷凍サイクルにおいて、必要な流量分解能や応答性が得られないという問題がある。
そこで、本発明は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、弁体に作用する負荷が変動しても、流量制御の分解能および応答性を確保することができる膨張弁装置を提供することを目的とする。
本発明は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、冷凍サイクル(3)に設けられ、冷凍サイクルを循環する冷媒を減圧膨張可能な膨張弁装置(50)であって、
内部に冷媒が流通する冷媒通路(51a)が形成されたハウジング(51)と、
ハウジング内に設けられ、冷媒通路の開度を変更可能な弁体(53)と、
ステッピングモータ(55)を有し、ステッピングモータの回転角度に応じて弁体を変位させ開度を調節する電動駆動部(55,51b)と、
弁体に作用する冷媒による負荷を推定する負荷推定手段(111)と、
ステッピングモータをマイクロステップ駆動によって制御する駆動制御手段(111)と、を備え、
駆動制御手段は、負荷推定手段によって推定された負荷に応じて駆動制御を実施することを特徴とする膨張弁装置である。
請求項1に記載の発明に従えば、負荷推定手段によって弁体に作用する負荷を推定する。そして駆動制御手段は、負荷推定手段によって推定された負荷に応じてマイクロステップ駆動の制御を実施する。したがって負荷の大小によってマイクロステップ駆動の制御が異なることになる。これによって弁体に作用する負荷が変動しても、マイクロステップ駆動が負荷に応じて制御されるので、流量制御の分解能および応答性を確保することができる。
また請求項2に記載の発明では、駆動制御手段は、ステッピングモータの回転方向が変わったときには、回転方向変更後から所定角度位置までのステップ数を、回転方向が同じときに比べて増やすように制御し、
ステップ数の増加値は、負荷の大きさに応じて変更されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明に従えば、駆動制御手段は、回転方向が変更された場合には、ステップ数を増やすように制御する。回転方向が変わると、ヒステリシスによる応答性の遅れによって、回転方向変更後から動き始めるまで、ある程度のステップ数が必要だからである。これによって回転方向変更後であっても、弁体を所定位置まで変位させることができる。またステップ数の増加数は、負荷の大きさに応じて変更される。これによって弁体に作用する負荷が変動しても、マイクロステップ駆動が負荷に応じて制御されるので、応答性が遅れることを防ぐことができる。
さらに請求項3に記載の発明では、駆動制御手段は、ステップ間隔が等間隔となるようにステッピングモータに与える電流波形を補正して、マイクロステップ駆動し、
電流波形の補正幅は、負荷の大きさに応じて変更されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明に従えば、駆動制御手段は、ステップ間隔が等間隔となるように電流波形を補正して、マイクロステップ駆動する。マイクロステップ駆動の制御では、電流値の増加幅とステップ間隔が正比例しない、いわゆるうねりと呼ばれる現象が発生する。このうねりによって分解能が低下するが、本発明ではステップ間隔が等間隔となるように電流波形を補正するので、分解能を確保することができる。また電流波形の補正幅は、負荷の大きさに応じて変更される。これによって弁体に作用する負荷が変動しても、マイクロステップ駆動が負荷に応じて制御されるので、分解能を確保することができる。
さらに請求項4に記載の発明では、負荷推定手段は、冷媒通路に流入する冷媒の圧力を用いて、負荷を推定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明に従えば、負荷推定手段は、冷媒通路に流入する冷媒の圧力を用いて負荷を推定する。弁体には冷媒の圧力が作用するので、冷媒の圧力を用いることによって、負荷を推定することができる。
さらに請求項5に記載の発明では、負荷推定手段は、冷媒通路に流入する冷媒の温度を用いて、負荷を推定することを特徴とする。
請求項5に記載の発明に従えば、負荷推定手段は、冷媒通路に流入する冷媒の温度を用いて、負荷を推定する。冷媒の温度によって冷媒の圧力を推定することができる。弁体には冷媒の圧力が作用するので、冷媒の圧力を用いることによって、負荷を推定することができる。
なお、前述の各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
車両用空調装置100の概略構成を示す模式図である。 暖房用可変絞り弁50を示す断面図である。 空調制御装置10の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。 冷凍サイクル3におけるモリエル線図である。 ECU10の処理の第1段階を示すフローチャートである。 ECU10の処理の第2段階を示すフローチャートである。 ECU10の処理の第3段階を示すフローチャートである。 ステップ数と回転量との関係の一例を示すグラフである。 ステップ数と回転量との関係の他の例を示すグラフである。 未補正の弁開度と冷媒温度との関係の一例を示すグラフである。 補正をした場合の弁開度と冷媒温度との関係の一例を示すグラフである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に関して、図1〜図11を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態の膨張弁装置を用いた車両用空調装置100の概略構成を示す模式図である。図1に示す車両用空調装置100は、自動車などの車両の車室内を空調する空調ユニット(エアコンユニット)1における各空調機器(アクチュエータ)を、空調制御装置(エアコン制御装置:以下ECUという)10によって制御するように構成された自動車用オートエアコンである。空調ユニット1は、内部に自動車の車室内に空調風を導く空気通路を形成する送風ダクト2と、送風ダクト2内において車室内に向かう空気流を発生させる遠心式送風機と、送風ダクト2内を流れる空気を冷却するエバポレータ27、およびエバポレータ27を通過した空気を再加熱するガスクーラ22を有する冷凍サイクル3とを備えている。
送風ダクト2は、自動車の車室内の前方側に配設されている。送風ダクト2の空気の流れ方向の上流側には、車室内空気(以下、「内気」という)を取り入れる内気吸込口11、および車室外空気(以下、「外気」という)を取り入れる外気吸込口12が形成されている。そして、内気吸込口11および外気吸込口12の空気通路側には、内外気切替ドア4が回転自在に支持されている。内外気切替ドア4は、サーボモータなどのアクチュエータ13により駆動されて、吸込口モードを、外気導入(FRS)モードまたは内気循環(REC)モードなどに切り替える。
また、送風ダクト2の空気の流れ方向の下流側には、図示しない複数の吹出口が形成されている。複数の吹出口は、少なくとも、自動車の窓ガラスの内面に向かって主に温風を吹き出すためのデフロスタ(DEF)吹出口、乗員の上半身(頭胸部)に向かって主に冷風を吹き出すためのフェイス(FACE)吹出口、および乗員の下半身(足元部)に向かって主に温風を吹き出すためのフット(FOOT)吹出口などを有している。
複数の吹出口は、図示しない複数のモード切替ドアによって選択的に開閉される。複数のモード切替ドアは、サーボモータなどのアクチュエータ14により駆動されて、吹出口モード(MODE)を、フェイス(FACE)モード、バイレベル(B/L)モード、フット(FOOT)モード、フットデフ(F/D)モード、デフロスタ(DEF)モードに切り替える。
遠心式送風機は、送風ダクト2の空気の流れ方向の上流側に一体的に形成されたスクロールケーシングに回転自在に収容された遠心式ファン5、および遠心式ファン5を回転駆動するブロワモータ16などを有する。図示しないブロワ駆動回路を介して印加されるブロワモータ端子電圧(ブロワ制御電圧、ブロワレベル)に基づいてブロワモータ16の回転速度が変更される。これによって遠心式送風機から車室内へ向かう空調風の送風量が制御される。
次に、冷凍サイクル3に関して説明する。冷凍サイクル3は、コンプレッサ21、ガスクーラ22、第1減圧部50、室外熱交換器24、内部熱交換器25、第2減圧部26、エバポレータ27、アキュムレータ28およびこれらを環状に接続する冷媒配管とで構成されている。コンプレッサ21は、内蔵する駆動モータ(図示せず)によって回転駆動される。コンプレッサ21は、エバポレータ27より吸入した冷媒をたとえば臨界圧力以上まで高温、高圧に圧縮して吐出する電動式の冷媒圧縮機である。コンプレッサ21は、通電(ON)されると稼働し、通電が停止(OFF)されると停止する。そして、コンプレッサ21は、ECU10が算出する目標回転速度となるようにインバータ20により回転速度が制御される。
ガスクーラ22は、送風ダクト2内においてエバポレータ27よりも空気の流れ方向の下流側に配置される。ガスクーラ22は、コンプレッサ21より流入する冷媒ガスとの熱交換によって通過する空気を加熱する加熱用熱交換器である。ガスクーラ22の空気入口部および空気出口部には、ガスクーラ22を通過する空気量とガスクーラ22を迂回する空気量とを調節して車室内へ吹き出す空気の吹出温度を調整するエアミックス(A/M)ドア6が回転自在に支持されている。これらのエアミックスドア6は、サーボモータなどのアクチュエータ15により駆動される。
第1減圧部50は、ガスクーラ22から冷媒ガスが流入する暖房用可変絞り弁50によって構成されている。暖房用可変絞り弁50は、膨張弁装置であり、ガスクーラ22から流出する冷媒を弁開度に応じて減圧膨張可能な減圧装置で、ECU10によって弁開度が電気的に制御される暖房用電動式膨張弁(EVH)が使用されている。また、暖房用可変絞り弁50は、ECU10の制御によって弁開度を全開とする全開モードが設定可能となっている。弁解度が全開の場合には、通過する冷媒を減圧することなく、単なる配管として機能する。
室外熱交換器24は、送風ダクト2の外部、たとえば自動車が走行する際に生じる走行風を受け易い場所(具体的にはエンジンルームの前方部など)に設置される。室外熱交換器24は、内部を流れる冷媒と図示しない電動式ファンにより送風される室外空気(外気)とを熱交換する。室外熱交換器24は、暖房モード時には、外気より吸熱する吸熱器として運転される。また、室外熱交換器24は、冷房モードまたは除湿モード時には、外気へ放熱する放熱器として運転される。
内部熱交換器25は、室外熱交換器24の出口部より流出した高温側の冷媒とアキュムレータ28の出口部より流出した低温側の冷媒とを熱交換させる。したがって内部熱交換器25は、コンプレッサ21の吸入口に吸入される冷媒を過熱させる冷媒−冷媒熱交換器である。内部熱交換器25は、高温側熱交換器29aの一端面に低温側熱交換器29の他端面が熱交換可能に密着するように配置された二層の熱交換構造となっている。
第2減圧部は、内部熱交換器25中の高温側熱交換器29aから冷媒が流入する冷房用可変絞り弁26、および内部熱交換器25中の高温側熱交換器29aから流出する冷媒を冷房用可変絞り弁26およびエバポレータ27を迂回させてアキュムレータ28へ送るためのバイパス配管33などによって構成されている。冷房用可変絞り弁26は、内部熱交換器25中の高温側熱交換器29aから流出する冷媒を弁開度に応じて減圧する減圧装置で、ECU10によって弁開度が電気的に制御される冷房用電動式膨張弁(EVC)が使用されている。また、バイパス配管33には、通電(ON)されると開弁し、通電が停止(OFF)されると閉弁する電磁式開閉弁(VH:以下、「暖房用電磁弁」という)34を設置している。
エバポレータ27は、冷房用可変絞り弁26で減圧された冷媒を遠心式ファン5によって送風される被吸熱流体としての空気との熱交換によって蒸発気化させ、アキュムレータ28を介して内部熱交換器25中の低温側熱交換器29およびコンプレッサ21に冷媒ガスを供給する空気−冷媒熱交換器(吸熱器)である。また、アキュムレータ28は、エバポレータ27より流入した冷媒を一時的に貯留するための貯留室を有する気液分離器である。
ここで、冷凍サイクル3の循環回路切替手段は、冷凍サイクル3の運転モード、つまり冷凍サイクル3中の冷媒の循環経路を、冷房モード用循環回路(冷房サイクル)、暖房モード用循環回路(暖房サイクル)、除湿モード(除湿暖房モード)用循環回路(除湿サイクル)のいずれかのサイクルに切り替えるものである。循環回路切替手段は、本実施形態では、全開モードを設定可能な暖房用可変絞り弁50、および暖房用電磁弁34が上記の循環回路切替手段に相当する。
具体的には、暖房用可変絞り弁50が全開モードとなり、暖房用電磁弁34が閉弁することで、冷凍サイクル3の運転モードが冷房サイクル(冷房モード用循環回路)となる。また、暖房用可変絞り弁50が冷媒を減圧膨張するように小流量制御する減圧膨張モードとなり、暖房用電磁弁34が開弁することで、冷凍サイクル3の運転モードが暖房サイクル(暖房モード用循環回路)となる。また、暖房用可変絞り弁50が減圧膨張モードとなり、暖房用電磁弁34が閉弁することで、冷凍サイクル3の運転モードが除湿サイクル(除湿モード用循環回路)となる。
ここで、本実施形態の冷凍サイクル3は、たとえば臨界温度の低い二酸化炭素(CO)を主成分とする冷媒を使用し、コンプレッサ21の吐出口から吐出される冷媒の高圧圧力が冷媒の臨界圧力以上となる超臨界蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルにより構成されている。この超臨界蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルでは、高圧側の冷媒圧力の上昇によりガスクーラ22の入口部の冷媒温度(冷媒の入口温度)、つまりコンプレッサ21の吐出口より吐出される冷媒の吐出温度を、たとえば120℃程度まで高めることができる。なお、ガスクーラ22内に流入する冷媒は、コンプレッサ21で臨界圧力以上に加圧されているので、ガスクーラ22で放熱しても凝縮液化することはない。
ECU10は、制御処理や演算処理を行うCPU、各種プログラムやデータを保存するメモリ(ROM、RAM)、I/Oポートおよびタイマなどの機能を含んで構成され、それ自体は周知の構造を持つマイクロコンピュータを内蔵している。そして、ECU10は、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)すると、電力供給が成されて、図示しないエアコン操作パネルなどからの操作信号、各種センサからのセンサ信号、およびメモリ内に格納された制御プログラムに基づいて、空調ユニット1の各アクチュエータ(サーボモータ13〜15、ブロワモータ16、各可変絞り弁26,50、暖房用電磁弁34、インバータ20など)を電気的に制御する。
エアコン操作パネルには、温度設定スイッチ、エアコン(A/C)スイッチ、吸込口設定(FRS/REC切替)スイッチ、吹出口モード設定(MODE切替)スイッチ、デフロスタ(DEF)スイッチ、風量設定スイッチ、オート(AUTO)スイッチ、オフ(OFF)スイッチなどが配置されている。エアコン(A/C)スイッチは、自動車の車室内の冷房または除湿を希望する冷房または除湿スイッチであり、冷凍サイクル3の運転モードのうち冷房モードまたは除湿モードのうちいずれかの運転モードを希望する冷房または除湿モード設定手段でもある。A/CスイッチをONすると冷凍サイクル3のコンプレッサ21を強制的に起動し、A/CスイッチをOFFするとコンプレッサ21の運転を強制的に停止するようにしても良い。
DEFスイッチは、吹出口モードをDEFモードに固定するように指令するDEFモード固定スイッチで、また、自動車のフロント窓ガラスの曇りの除去またはフロント窓ガラスの防曇を希望する防曇スイッチである。また、DEFスイッチは、冷凍サイクル3の運転モードを除湿モードに固定するように指令する除湿モード選択手段であり、除湿優先モードまたは吹出温度優先モードのうちのいずれかの除湿モードを設定する除湿モード設定手段でもある。DEFスイッチの代わりに、吹出口モードをDEFモードに固定するように指令することなく、オン状態の時に自動車の車室内の除湿または自動車のフロント窓ガラスの防曇のみを希望する除湿または防曇スイッチやフロント窓ガラスの曇り状態を検出する防曇センサなどの除湿モード設定手段を設けても良い。
また、AUTOスイッチは、少なくとも目標吹出温度(TAO)に基づいて、冷凍サイクル3の運転モードを、冷房モード、暖房モードおよび除湿モードのいずれかに自動的に設定するように指令するスイッチである。また、AUTOスイッチは、空調ユニット1の各アクチュエータを自動的に制御するように指令する自動制御スイッチで、MODE切替スイッチまたは風量設定スイッチなどが操作された際に、たとえば吹出口モード切替制御またはブロワモータ16制御などの自動空調制御が解除される。
また、コンプレッサ21の吐出口より吐出される冷媒の吐出圧力(SP)を検出する吐出圧力センサ40、コンプレッサ21の吐出口より吐出される冷媒の吐出温度(TD)を検出する吐出温度センサ41、ガスクーラ22の出口部より流出するガスクーラ出口冷媒温度(TCO)を検出する第1冷媒温度センサ42、および室外熱交換器24の出口部より流出する室外熱交換器出口冷媒温度(THO)を検出する第2冷媒温度センサ43などからのセンサ信号は、ECU10に入力されるように構成されている。したがって吐出圧力センサ40は、冷凍サイクル3の高圧圧力を検出する高圧圧力検出手段である。また吐出温度センサ41は、ガスクーラ22の入口部に流入する冷媒の入口温度を検出する冷媒入口温度検出手段でもある。また冷凍サイクル3中の暖房用可変絞り弁50が減圧する前の冷媒圧力、すなわち、冷媒通路51aのうち弁体53よりも上流側の冷媒通路51aの圧力を検出する高圧側冷媒圧力センサ42aを設けている。高圧側冷媒圧力センサ42aからのセンサ信号も同様にECU10に入力される。
また、車室外の空気温度である外気温度(TAM)を検出する外気温度センサ44、エバポレータ27の下流直後の空気温度(TE:以下、「エバ後温度」という)を検出するエバ後温度センサ45、車室内の空気温度である内気温度(TR)を検出する内気温度センサ46、車室内に入射する日射量(TS)を検出する日射センサ47、およびガスクーラ22の下流直後の空気温度(TGC:以下、「ガスクーラ後温度」という)を検出するガスクーラ後温度センサ48からのセンサ信号は、A/D変換回路によってA/D変換された後に、ECU10に入力されるように構成されている。
次に、暖房用可変絞り弁50の構成に関して説明する。図2は、暖房用可変絞り弁50を示す断面図である。図2に示すように、暖房用可変絞り弁50は、ハウジング51、弁座部材52、弁体53、スプリング54、モータ部55、リング部材57およびOリング58を含んで構成されている。
ハウジング51は、たとえば金属材からなり、内部に冷媒が流通する略L字形状の冷媒通路51aが形成されている。ハウジング51内には、冷媒通路51aの折れ曲がり部に、内側の空間が冷媒通路51aの一部をなすように、たとえば金属材からなる円筒形状の弁座部材52が挿設されている。弁座部材52は、図示上端面の内周縁部が弁座52aとなっている。
ハウジング51の冷媒通路51a内には、弁体53が配設されている。弁体53は、たとえば金属からなる。弁体53は、本体部53bが略円錐台形状をなしており、図示下端面の外周縁部が、弁座部材52の弁座52aに対して離座および着座する着座領域となっている。弁体53は、本体部53bから図示上方に向かって延設された軸部53aを有している。軸部53aは、ハウジング51を上下方向に貫通する孔部内に配設されており、上端がハウジング51外に位置するように突出している。
ハウジング51の図示上方にはステッピングモータであるモータ部55が配設されている。モータ部55は、円筒部と、円筒部の図示上端を閉塞する半球面状部とを有する略ドーム型のケース体553を備えている。ケース体553の円筒部の外周側に円環状のステータ551が配設され、円筒部の内側にロータ552が配設されている。
ケース体553の円筒部の図示下端には、外方に向かって張り出したフランジ部が設けられている。このフランジ部とハウジング51との間には、シール部材であるOリング58が介設されている。ハウジング51に形成されたかしめが、ケース体553のフランジ部の上方に配設されたリング部材57を介してフランジ部をハウジング51に押し付けている。これによりハウジング51とモータ部55のケース体553との間が全周に亘ってシールされている。
ステータ551は、A相コイルおよびB相コイルからなる2相構造をなしている。モータ部55は、いわゆる2相ステッピングモータである。ケース体553内に配設されたロータ552は、磁性材料からなり図示上端面から円環状に凹んだ除肉部を有する略円柱形状の本体部552aと、本体部552aの外周面に配設されロータ回転方向に等ピッチに着磁された永久磁石からなる円筒磁石552bと有している。
ロータ552の本体部552aには、図示下端面中央から上方に向かって凹んだ円柱形状凹部が形成されており、この凹部の天井面となる部位に、前述した弁体53の軸部53aの上端部が係止している。ロータ552の本体部552aにおける円柱形状凹部の内周面には、雌ねじ部が形成されている。ハウジング51には、図示上方に向かって突設され、外周面に雄ねじ部が形成された円筒形状の雄ねじ部材51bが固定されている。ロータ552の本体部552aにおける雌ねじ部と、雄ねじ部材51bの雄ねじ部とは螺合しており、ロータ552が回転するとロータ552が軸線方向(図示上下方向)に変位するようになっている。ロータ552が回転して軸線方向に変位すると、ロータ552の本体部552aに係止している弁体53も共に変位し、弁体53と弁座52aと間の開度を変更可能になっている。
モータ部55およびロータ552に螺合する雄ねじ部材51bからなる構成が、本実施形態において、ステッピングモータを有して、ステッピングモータの回転角度に応じて弁体53を変位させ冷媒通路51aの開度を調節する電動駆動部に相当する。
弁体53の軸部53aには段部が形成されており、段部とロータ552の本体部552aにおける天井面部位との間に、スプリング54が介装されている。これにより、弁体53が弁座52aに着座した後にもロータ552が図示下方に変位した場合には、スプリング54が圧縮されることで、弁体53と弁座52aとの着座部に過剰な荷重が印加されることを抑制している。
次に、暖房用可変絞り弁50を作動制御する空調制御装置10に関して説明する。図3は、各部を作動制御する空調制御装置10の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。ECU10は、エアコン制御部101、前述した各スイッチおよび各センサからの信号を入力処理してエアコン制御部101へ送る入力処理部102、エアコン制御部101で決定した前述の各アクチュエータの制御値情報を電気的な信号として各アクチュエータに向けて出力する駆動部103を有している。
また、ECU10は、エアコン制御部101が決定した暖房用可変絞り弁50の弁開度指令を受け、暖房用可変絞り弁50のモータ部55の駆動方向(回転方向)やステップ数などの駆動情報(具体的には電流指令値)を決定するステップ駆動制御部111、ステップ駆動制御部111が決定した暖房用可変絞り弁50の駆動情報に基づいてステータ551のA相コイル、B相コイルにたとえばPWM制御により通電するモータ駆動部113、A相コイルおよびB相コイルを流れる電流値を入力してステップ駆動制御部111にフィードバックするモータ入力処理部112を有している。ステップ駆動制御部111、モータ入力処理部112およびモータ駆動部113からなる構成が、本実施形態において、ステッピングモータを駆動制御する駆動制御手段に相当する。
エアコン制御部101は、冷凍サイクル3の運転モードとして冷房モードを選択したときには、暖房用可変絞り弁50を全開とする弁開度指令をステップ駆動制御部111へ出力する。一方、冷凍サイクル3の運転モードとして暖房モードもしくは除湿モード(除湿暖房モード)を選択したときには、所望の空調を行うための冷凍サイクル3の運転効率が良好となるように暖房用可変絞り弁50において冷媒を減圧膨張する弁開度指令をステップ駆動制御部111へ出力する。
ステップ駆動制御部111は、エアコン制御部101からの弁開度指令を受けて、暖房用可変絞り弁50が冷媒を減圧膨張する減圧膨張モードにおいて弁体53の位置(弁開度)を調節する駆動条件を算出する。またステップ駆動制御部111は、暖房用可変絞り弁50が冷媒を減圧膨張する減圧膨張モードと弁体53を全開位置とする全開モードとの間でモード切り換えをする駆動条件を算出する。ステップ駆動制御部111は、減圧膨張モードにおいて弁体53の位置を調節する駆動を行う際には、モータ部55をマイクロステップ駆動により駆動する条件を算出する。ステップ駆動制御部111は、たとえば弁体53を指令弁開度位置にまで変位させるためのロータ552の回転方向(駆動方向)およびマイクロステップ数(マイクロステップパルス数)を算出する。
ここでマイクロステップ駆動に関して説明する。モータ部55の駆動には、フルステップ駆動とマイクロステップ駆動とがある。フルステップ駆動とは、ロータ552の歯(具体的には、円筒磁石552bの磁極)を、ステータ551の歯(具体的には、各相コイルにより磁化される磁極)に対向する位置から、ステータ551の当該歯の隣の歯に対向する位置にまで、1ステップで移動させる駆動方法である。フルステップ駆動に対してマイクロステップ駆動とは、ロータ552の歯を、ステータ551の歯に対向する位置から、ステータ551の当該歯の隣の歯に対向する位置にまで、複数段階に分割して移動させる駆動方法である。すなわち、マイクロステップ駆動は、フルステップ駆動における1ステップの駆動角度を、複数ステップに分割して段階的に駆動する(ステータ551の歯と歯の間で、ロータ552の歯を止めることが可能な)駆動方法である。
ステップ駆動制御部111は、算出した駆動方向およびパルス数に対応してモータ部55を定電流駆動するための電流指令値をモータ駆動部113へ出力し、モータ駆動部113は入力した電流指令値に基づいてA相コイルおよびB相コイルに通電する。これによってステップ駆動制御部111は、エアコン制御部101からの弁開度指令に基づいて、減圧膨張モードと全開モードとを選択的に切り替える。減圧膨張モードは、暖房用可変絞り弁50の冷媒通路51aを流通する冷媒を減圧する必要があるときに、小流量制御域で冷媒を減圧膨張するモードである。全開モードは、冷媒通路51aを流通する冷媒を減圧する必要がないときに、冷媒通路51aを流通する冷媒流量が最大流量となるように弁体位置を最大開度位置とするモードである。
減圧膨張モード時には、ステッピングモータであるモータ部55のマイクロステップ駆動により弁体53を変位させて冷媒流量制御を行い、減圧膨張モードと全開モードとの間のモード切り換え時には、モータ部55のフルステップ駆動により弁体53を変位させる。これによって冷媒を減圧膨張する減圧膨張モード時には、冷媒流量制御精度を向上することができ、減圧膨張モードと全開モードとの間のモード切り換え時には、速やかにモードを変更することができる。
またステップ駆動制御部111は、トルク推定部の機能を有する。トルク推定部は、負荷推定手段であって、弁体53に作用する冷媒による負荷(負荷トルク)を推定する。負荷トルクの推定方法は、まず暖房用可変絞り弁50に流入前の冷媒圧力(Pin)と流下後の圧力(Pout)から差圧(DP)を求める(式1参照)。つぎに、差圧(DP)に開口部の面積(S)を乗ずることにより弁体53に作用する負荷Fを求める(式2参照)。
DP=Pin‐Pout …(式1)
F=DP×S …(式2)
次に、求めた負荷Fとネジの直動変換の係数(たとえばネジの動摩擦係数、有効径およびピッチ)より、負荷トルクを推定する。
本実施形態のトルク推定部では、暖房用可変絞り弁50の前の圧力(Pin)は、高圧側冷媒圧力センサ42aからのセンサ信号を用いる。また暖房用可変絞り弁50の後の圧力(Pout)は、圧力センサがある場合にはその値を用いても良いし、低圧側に圧力センサがない場合には室外熱交換器24の温度と、図4に示すモリエル線図より、圧力を推定して用いても良い。図4は、冷凍サイクル3におけるモリエル線図である。図4に示すように、暖房用可変絞り弁50においては等温線に沿った等温変化であるので、室外熱交換器24の温度(Tout)によって低圧側の冷媒圧力(Pout)を推定することができる。
次に、本実施形態のECU10の処理について、図5〜図7を用いて説明する。図5は、ECU10の処理の第1段階を示すフローチャートである。図6は、ECU10の処理の第2段階を示すフローチャートである。図7は、ECU10の処理の第3段階を示すフローチャートである。図5〜図7に示す処理は、イグニッションスイッチがON状態にありECU10へ電力供給が成されているとき所定時間毎に随時実行される。また、イグニッションスイッチがON→OFFへと切り換わってECU10への電力供給が断たれた時には、強制的に終了されるものである。
フローが開始されると、ステップS1では、自動車の車室内を空調する空調ユニット1における各空調機器(アクチュエータ)の制御に必要な各種センサからセンサ信号を取り込み、ステップS2に移る。
ステップS2では、エアコン操作パネルからの操作信号を取り込み、ステップS3に移る。ステップS3では、予めメモリ内に格納された演算式に基づいて、自動車の車室内に吹き出す空調風の目標吹出温度(TAO)を算出し、ステップS4に移る。
ステップS4では、コンプレッサ21をON状態にするかOFFにするかを判定するコンプレッサ作動判定を行い、ONにすると判定した場合にはステップS5に移り、OFFにすると判定した場合にはステップS1に戻る。コンプレッサ作動判定は、たとえばエアコン(A/C)スイッチがONされているか否かで判定する。したがってエアコンスイッチがOFFされている場合には、ステップS1以降の制御処理を繰り返す。
ステップS5では、ステップS3で算出した目標吹出温度(TAO)に基づいて、冷凍サイクル3の運転モードを判定する運転モード判定を行う。まず、目標吹出温度(TAO)が所定値(α:たとえば45℃)よりも低温であるか否かを判定する。この判定結果がNOの場合、つまりTAO≧αの場合には、ステップS7に移り、判定結果がYESの場合、つまりTAO<αの場合には、ステップS6に移る。ステップS7では、目標吹出温度が高いので、冷凍サイクル3の運転モードとして暖房サイクル(暖房モード)を選択し、ステップS10に移る。
ステップS6では、目標吹出温度(TAO)が所定値(β:たとえば15℃)よりも高温であるか否かを判定する。この判定結果がNOの場合、つまりTAO≦βの場合には、ステップS9に移り、判定結果がYESの場合、つまりTAO>βの場合には、ステップS8に移る。ステップS9では、目標吹出温度が低いので、冷凍サイクル3の運転モードとして冷房サイクル(冷房モード)を選択し、ステップS10に移る。ステップS8では、β<TAO<αの場合であるので、冷凍サイクル3の運転モードとして除湿サイクル(除湿モード)を選択し、ステップS10に移る。
ステップS10では、運転モードが決定したので、予めメモリ内に格納された特性図(マップ)から、目標吹出温度(TAO)に対応するブロワモータ16に印加するブロワモータ端子電圧(ブロワ制御電圧、ブロワレベル)を算出し、ステップS11に移る。
ステップS11では、エアコン操作パネルに設置された吸込口設定(FRS/REC切替)スイッチの操作状態(入力状態)に基づいて、吸込口モード(内外気モード)を切り替える内外気切替ドア4の開度を算出し、ステップS12に移る。ここで吸込口モードの決定においては、吸込口設定スイッチの入力状態によって外気導入(FRS)モードまたは内気循環(REC)モードのいずれかの吸込口モードを選択しても良いし、目標吹出温度(TAO)に基づいて外気導入(FRS)モードまたは内気循環(REC)モードのいずれかの吸込口モードを選択しても良い。
ステップS12では、エアコン操作パネルに設置された吹出口モード設定(MODE切替)スイッチまたはDEFスイッチの操作状態(入力状態)に基づいて、吹出口モードを切り替える複数のモード切替ドアの開度を算出し、運転モードによってステップS13またはステップS14に移る。ここで、吹出口モードの決定においては、吹出口モード設定スイッチまたはDEFスイッチの入力状態によってFACEモード、B/Lモード、FOOTモード、F/Dモード、DEFモードのいずれかの吹出口モードとなるように決定しても良いし、目標吹出温度(TAO)が低い温度から高い温度に向かって、FACEモード、B/Lモード、FOOTモードとなるように決定しても良い。
ステップS13では、冷凍サイクル3の運転モードとして冷房モードまたは除湿モードが選択されている時には、目標エバ後温度(TEO)を算出し、ステップS15に移る。なお、冷房モード時の目標エバ後温度(TEO)は、TEO=TAOとする。また、自動車の車室内に乗車する乗員の湿度感を低減し、自動車の車室内の空調環境の快適性を向上するために、除湿モード時の目標エバ後温度(TEO)の決定には、たとえば外気温(TAM)に係数(f1)を乗じる演算式が用いられる。
ステップS14では、冷凍サイクル3の運転モードとして暖房モードまたは除湿モードが選択されている時には、目標ガスクーラ後温度(TGCO)を算出し、ステップS15に移る。なお、暖房モード時には、目標ガスクーラ後温度(TGCO)は、TGCO=TAOとする。また、中間期の空調フィーリングの向上のために、吹出口モードとしてB/Lモードが選択されている場合、あるいは除湿モード時には、目標ガスクーラ後温度(TGCO)を、たとえばTGCO=a×TAO+b×TE+cとする。なお、TEはエバ後温度センサ45によって検出されたエバポレータ27の下流直後の空気温度(エバ後温度)である。
ここで、TGCOをTAOより高い温度となるように定数a、b、cを決定することで、次のステップS15でのエアミックスドア6開度がたとえば50%などの中間開度にコントロールされ、FACE吹出口から低い吹出温度の空調風、FOOT吹出口から高い吹出温度の空調風を得ることができ、自動車の車室内の空調環境として頭寒足熱の快適な空調環境を作り出すことができる。
ステップS15では、予めメモリ内に格納された演算式に基づいて、ガスクーラ22を通過する空気量とガスクーラ22を迂回する空気量とを調節して実際の吹出温度を調整する2つのエアミックスドア6の開度(A/M開度)を算出し、ステップS16に移る。
ステップS16では、予めメモリ内に格納された演算式に基づいて、コンプレッサ21の回転速度の目標回転速度(IVOn)の増減量を算出し、ステップS17に移る。
ステップS17では、冷凍サイクル3のサイクル効率を最大となるように、冷凍サイクル3を最高効率(省動力、省電力)で作動させるために、冷凍サイクル3の運転モードとして冷房モードが選択されている時には、第2冷媒温度センサ43によって検出される室外熱交換器出口冷媒温度(THO)から目標高圧圧力(SPO)を算出し、ステップS18に移る。また、冷凍サイクル3の運転モードとして暖房モードが選択されている時には、第1冷媒温度センサ42によって検出されるガスクーラ出口冷媒温度(TCO)から目標高圧圧力(SPO)を算出し、ステップS18に移る。
ステップS18では、ステップS17で算出された目標高圧圧力(SPO)になるように、冷房用可変絞り弁26または暖房用可変絞り弁50の開度の増減量を算出し、ステップS19に移る。
ステップS19では、暖房用可変絞り弁50において、前述したように式1などを用いて差圧(DP)を算出し、ステップS20に移る。ステップS20では、前述したように式2などを用いて負荷(F)を算出し、ステップS21に移る。ステップS21では、暖房用可変絞り弁50の弁体53かかる負荷(F)と直動変換の係数(ネジの摩擦係数、ネジの径およびピッチ)を乗じ、弁体53にかかる負荷トルクを算出し、ステップS22に移る。
ステップS22では、算出した負荷トルクと前回算出した負荷トルクと比較し、変化した場合(異なる場合)には、ステップS23に移り、変化していない場合(同じ場合)には、ステップS26に移る。ステップS23では、モータ部55の回転方向が変化したか否かを判断し、変化している場合には、ステップS24に移り、変化していない場合には、ステップS25に移る。
ステップS24では、負荷が変化しており、さらに回転方向も変化しているので、負荷トルクに応じて、電流波形補正とヒステリシス量補正とを実施し、ステップS26に移る。ステップS25では、負荷が変化しているが、回転方向は変化していないので、負荷トルクに応じて電流波形補正を実施し、ステップS26に移る。
ステップS26では、上記の各ステップにて算出された目標値となるように、空調ユニット1の各空調機器(アクチュエータ)へ制御信号を出力し、ステップS1に戻る。暖房用可変絞り弁50においては、負荷トルクが変化していない場合には、そのまま弁開度増減量分動かすように制御する。またモータ部55の回転方向が変化していない場合はヒステリシスに対する飛ばし量の補正は不要なので、うねりに対する電流波形補正のみ行い、補正後の弁開度の増減量分を動かすように制御する。また回転方向が変化した場合には、電流波形補正および飛ばし量補正の両方を行い、補正後の弁開度の増減量分を動かすように制御する。このように図7に示す処理では、負荷トルクに応じて補正がされるので、冷媒圧力の変化を考慮して、モータ部55を高精度にマイクロステップ駆動することができる。
また、冷凍サイクル3の運転モードの設定、および、各運転モードにおける冷凍サイクル3のサイクル効率を最大化するように、コンプレッサ21の運転状態(回転速度など)、暖房用可変絞り弁50および冷房用可変絞り弁26の開度、および暖房用電磁弁34の開閉状態を決定し、これらを制御する。
冷凍サイクル3の運転モードとして冷房モードが選択された時には、暖房用可変絞り弁50が全開モードとなり、暖房用電磁弁34が閉弁するため、コンプレッサ21の吐出口から吐出された冷媒が、ガスクーラ22→全開の暖房用可変絞り弁50→室外熱交換器24→高温側熱交換器29a→冷房用可変絞り弁26→エバポレータ27→アキュムレータ28→低温側熱交換器29→コンプレッサ21の経路(図1に白矢印で示した経路)で循環する(冷房モード用循環回路、冷房サイクル)。
ここで、冷房モードが選択された時には、ガスクーラ22の空気入口部および空気出口部に取り付けられたエアミックスドア6の開度が、全閉(MAX・COOL)となるように制御され、コンプレッサ21の吐出口から吐出された高温高圧の冷媒はガスクーラ22を通過する際に放熱することはない。よって、エバポレータ27を通過する際に冷却された空気は、ガスクーラ22を迂回するように送風ダクト2内を流れ、たとえばFACE吹出口から自動車の車室内に吹き出されて、車室内の温度が所望の温度(設定温度)となるように車室内が冷房される。また、内部熱交換器25では、高温側熱交換器29a内を流れる、室外熱交換器24から流出した高温高圧の冷媒と、低温側熱交換器29内を流れる、アキュムレータ28から流出した低温低圧の冷媒とを熱交換させることにより、エバポレータ27内に流入する高温高圧の冷媒を冷却する。これにより、エバポレータ27のエンタルピが増大することによって、省動力または省電力で冷凍サイクル3のサイクル効率を向上できる。
また、冷凍サイクル3の運転モードとして暖房モードが選択された時には、暖房用可変絞り弁50が減圧膨張モードとなり、暖房用電磁弁34が開弁するため、コンプレッサ21の吐出口から吐出された冷媒が、ガスクーラ22→暖房用可変絞り弁50→室外熱交換器24→高温側熱交換器29a→暖房用電磁弁34→アキュムレータ28→低温側熱交換器29→コンプレッサ21の経路(図1に黒矢印で示した経路)で循環する(暖房モード用循環回路、暖房サイクル)。なお、暖房モードが選択された時には、冷房用可変絞り弁26は、全閉状態とすることが好ましい。
ここで、エアミックスドア6の開度が、全開(MAX・HOT)となるように制御され、コンプレッサ21の吐出口から吐出された高温高圧の冷媒はガスクーラ22を通過する際に送風ダクト2内を流れる空気と熱交換して放熱し、たとえばFOOT吹出口から自動車の車室内に吹き出されて、車室内の温度が所望の温度(設定温度)となるように車室内が暖房される。また、内部熱交換器25では、低温低圧の冷媒がそれぞれの高温側熱交換器29a、低温側熱交換器29を通過するため熱交換しない。
また、冷凍サイクル3の運転モードとして除湿モードが選択された時には、暖房用可変絞り弁50が減圧膨張モードとなり、暖房用電磁弁34が閉弁するため、コンプレッサ21の吐出口から吐出された冷媒が、ガスクーラ22→暖房用可変絞り弁50→室外熱交換器24→高温側熱交換器29a→冷房用可変絞り弁26→エバポレータ27→アキュムレータ28→低温側熱交換器29→コンプレッサ21の経路(図2にドット矢印で示した経路)で循環する(除湿モード用循環回路、除湿サイクル)。
ここで、エバポレータ27を通過する際に冷却除湿された空気は、ガスクーラ22を通過する際に再加熱され、たとえばDEF吹出口またはFOOT吹出口から自動車の車室内に吹き出されて、車室内の温度が所望の温度(設定温度)となるように、しかもフロント窓ガラスの曇りを除去または防曇するように車室内が除湿暖房される。ここで、暖房用可変絞り弁50と冷房用可変絞り弁26との弁開度の絞り度合いによって、コンプレッサ21から吐出される冷媒の吐出圧力および室外熱交換器24の冷媒圧力が可変されるため、ガスクーラ22の加熱能力(ガスクーラ後温度、吹出温度)またはエバポレータ27の除湿能力(エバ後温度)が目標値となるようにコントロールされる。
具体的には、コンプレッサ21から吐出される冷媒の吐出圧力および室外熱交換器24の冷媒圧力が低く設定されるようにコントロールされた場合(暖房用可変絞り弁50の開度:小、冷房用可変絞り弁26の開度:大)には、室外熱交換器24が吸熱器として機能(作動)するため、ガスクーラ22で放熱される熱量が増大し、自動車の車室内に吹き出される空調風の吹出温度が比較的に高温となる。
逆に、コンプレッサ21から吐出される冷媒の吐出圧力および室外熱交換器24の冷媒圧力が高く設定されるようにコントロールされた場合(暖房用可変絞り弁50の開度:大、冷房用可変絞り弁26の開度:小)には、室外熱交換器24が放熱器として機能(作動)するため、ガスクーラ22で放熱される熱量が減少し、自動車の車室内に吹き出される空調風の吹出温度が比較的に低温となる。
次に、暖房用可変絞り弁50の弁開度における具体的な補正に関して説明する。図8は、モータ部55におけるステップ数と回転量との関係の一例を示すグラフである。図8では、弁体53への負荷トルクが0mNm(10−3Nm)、50mNmおよび100mNmの3つの場合に、何ら補正していない場合の回転量とステップ数との関係を示している。図8に示すように、ステップ数と回転量とは正比例(線形)ではなく、いわゆるうねりが発生している。そしてうねり方は、負荷トルクによって異なっている。このようなうねりを補正するために、電流波形を補正する必要があり、その補正量が弁体53への負荷トルクの量に応じて異なる。そこで、ECU10は、ステップS24またはステップS25において、ステップ間隔が等間隔となるように電流波形を補正して、マイクロステップ駆動する。さらに補正幅は、負荷の大きさに応じて変更される。補正幅は、たとえば制御マップとして予めメモリに記憶されている。
図9は、モータ部55におけるステップ数と回転量との関係の他の例を示すグラフである。図9では、弁体53への負荷トルクが0mNm、50mNmおよび100mNmの3つの場合に、何ら補正していない場合の回転量とステップ数との関係を示している。図9に示すグラフでは、グラフ左端で回転方向を変更している。そうすると、ヒステリシスによる応答性の遅れは、グラフの左端からn2の間に発生している。そして遅れ方は、負荷トルクによって異なり、回転方向が変えて動かすときに、負荷トルクが大きいと動き始めるまでに必要なステップ数が多くなっている。このような応答性の遅れを補正するために、回転方向変更後からステップ数を飛ばす補正の必要があり、その補正量が弁体53への負荷トルクの量に応じて異なる。そこで、ECU10は、ステップS24において、モータ部55の回転方向が変わったときには、回転方向変更後から所定角度位置までのステップ数を、回転方向が同じときに比べて増やすように制御する。さらにステップ数の増加値は、負荷の大きさに応じて変更される。増加値は、たとえば制御マップとして予めメモリに記憶されている。
次に、図10および図11を用いて、ヒステリシス補正による効果に関して説明する。図10は、ヒステリシス補正をしていない場合の弁開度と冷媒温度との関係の一例を示すグラフである。図11は、ヒステリシス補正をした場合の弁開度と冷媒温度との関係の一例を示すグラフである。
図10では、時刻t11において、目標冷媒温度(目標SC)にするため、現在の弁開度b11から弁開度b12となるように、マイクロステップ駆動によって回転方向を変更する。すると、ヒステリシスによる応答性の遅れによって、駆動するまでに時間がかかり、時刻t12では、弁開度b12に到達してない。そして時刻t12では、現在の弁開度から弁開度b13となるように、マイクロステップ駆動される。すると今度は、回転方向が変更されていないので、時刻t13にて弁開度t13となる。この場合、応答性遅れによって目標冷媒温度に対して大きくずれることになる。そして、目標冷媒温度に近づけるために、時刻t13において、弁開度b13から弁開度b14となるように、マイクロステップ駆動によって回転方向を変更する。すると、同様にヒステリシスによる応答性の遅れによって、駆動するまでに時間がかかり、時刻t14では、弁開度b14に到達してない。そして時刻t14では、現在の弁開度から弁開度b15となるように、マイクロステップ駆動される。すると今度は、回転方向が変更されていないので、時刻t15にて弁開度t15となる。この場合、応答性遅れによって目標冷媒温度に対して、またしても大きくずれることになる。このように応答性の遅れによって、目標冷媒温度への到達が遅れてしまう。
換言すると、ヒステリシスがある場合はそのヒステリシスの分、目標に対する応答性が悪くなる。結果として、冷媒温度は目標に対して応答性が悪くなり、さらに目標冷媒温度とのずれも大きくなる。
これに対して図11に示すように、ヒステリシス量を補正した場合には、時刻t11において、目標冷媒温度(目標SC)とするため、弁開度b11から弁開度b12となるように、マイクロステップ駆動によって回転方向を変更する。すると、ヒステリシスによる応答性の補正によって、時刻t12で弁開度b22に到達することになる。そして時刻t12では、弁開度b22から弁開度b23となるように、マイクロステップ駆動される。そして、順次、目標弁開度に制御されるので、目標冷媒温度に対して大きくずれることなく、冷媒温度を制御することができる。
換言すると、ヒステリシスがない場合(補正した場合)には、目標弁開度に対して応答性良く追従することができ、冷媒温度も目標に対して、大きくずれることなく制御することが可能となる。効果として、目標冷媒温度とのずれが少ないため、空調温度の制御性が良く、効率面でも有利となる。
以上説明したように本実施形態のトルク推定部によって弁体53に作用する負荷を推定する。そしてECU10は、トルク推定部によって推定された負荷に応じてマイクロステップ駆動の制御を実施する。したがって負荷の大小によってマイクロステップ駆動の制御が異なることになる。これによって弁体53に作用する負荷が変動しても、マイクロステップ駆動が負荷に応じて制御されるので、流量制御の分解能および応答性を確保することができる。
また本実施形態では、ECU10は、回転方向が変更された場合には、ステップ数を増やすように制御する。回転方向が変わると、ヒステリシスによる応答性の遅れによって、回転方向変更後から動き始めるまで、ある程度のステップ数が必要だからである。これによって回転方向変更後であっても、弁体53を所定位置まで変位させることができる。またステップ数の増加数は、負荷の大きさに応じて変更される。これによって弁体53に作用する負荷が変動しても、マイクロステップ駆動が負荷に応じて制御されるので、応答性が遅れることを防ぐことができる。
さらに本実施形態では、ECU10は、ステップ間隔が等間隔となるように電流波形を補正して、マイクロステップ駆動する。マイクロステップ駆動の制御では、電流値の増加幅とステップ間隔が正比例しない、いわゆるうねりと呼ばれる現象が発生する。このうねりによって分解能が低下するが、本実施形態ではステップ間隔が等間隔となるように電流波形を補正するので、分解能を確保することができる。また電流波形の補正幅は、負荷の大きさに応じて変更される。これによって弁体53に作用する負荷が変動しても、マイクロステップ駆動が負荷に応じて制御されるので、分解能を確保することができる。
また本実施形態では、トルク推定部は、ハウジング51内の冷媒通路51aに流入する冷媒の圧力を用いて負荷を推定する。弁体53には冷媒の圧力が作用するので、冷媒の圧力を用いることによって、負荷を推定することができる。
換言すると、本実施形態では、流量分解能と応答性とを確保するため、単一の補正幅では足りないので、場合に応じて最適な補正幅にすることを特徴としている。場合に応じてというところが、弁体53への負荷の大きさ、測定した圧力の大きさ、推定した負荷トルクの大きさとなる。
また本実施形態では、マイクロステップ駆動のときに負荷に応じて補正をするが、フルステップ駆動のときには補正しなくてもよい。フルステップ駆動のときは、高精度の位置決めが必要ではないので、補正しなくとも弁体53の位置制御ができるからである。フルステップ駆動ときに補正しないことによって、演算負荷を軽減することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
前述の第1実施形態では、差圧から負荷トルクを推定して、補正には負荷トルクの変動を用いるとしたが、差圧を用いた推定方法に限るものではない。たとえば、低圧側の圧力変化は少ないとして、差圧に換えて高圧側の圧力センサによる値だけを補正に用いてもよい。また負荷トルクと補正値は1対1で対応してもよいし、一定の範囲で段階的に関連付けてもよい。
また前述の第1実施形態では、負荷トルクを推定しているが負荷トルクの推定に限るものではなく、負荷トルクを推定することなく単に負荷を推定し、負荷と補正値との関連を示す制御マップを用いて補正してもよい。
また前述の第1実施形態では、とび補正(電流補正)とヒス補正(ステップを飛ばす補正)の両方を行うとしたが、どちらか一方だけでも行うような制御方法であってもよい。
また前述の第1実施形態では、冷房用可変絞り弁26にも暖房用可変絞り弁50と同一構成の膨張弁を採用することができる。これによれば、冷房用可変絞り弁26と暖房用可変絞り弁50とを共通化することができる。さらに冷房用可変絞り弁26に対しても、暖房用可変絞り弁50と同様に、負荷に応じて弁開度(ステップ数)を補正するように構成してもよい。また冷凍サイクル3に他の膨張弁装置がある場合には、その膨張弁装置に対しても暖房用可変絞り弁50と同様に負荷に応じた制御を行っても良い。
また前述の第1実施形態では、トルク推定部は、ハウジング51内の冷媒通路51aに流入する冷媒の温度を用いて、負荷を推定するように構成してもよい。冷媒の温度によって冷媒の圧力を推定することができるからである。
また前述の第1実施形態では、冷媒通路51aのうち弁体53よりも上流側の冷媒通路51aの圧力を検出する高圧側圧力検出手段である高圧側冷媒圧力センサ42aを、暖房用可変絞り弁50に直近の上流側冷媒配管に設けていたが、これに限定されるものではない。たとえば、弁体53よりも上流側の冷媒通路51aに臨むように、ハウジング51に高圧側冷媒圧力センサを設けてもかまわない。また、高圧側圧力検出手段として、吐出圧力センサを共用してもかまわない。
また前述の第1実施形態では、モータ部55は、2相ステッピングモータであったが、これに限定されるものではなく、多相ステッピングモータであってもよい。たとえば、5相ステッピングモータであってもかまわない。
また前述の第1実施形態では、冷凍サイクル3は、超臨界蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルであったが、高圧側圧力が冷媒の臨界圧力以下である蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルであってもかまわない。
また前述の第1実施形態では、膨張弁装置である暖房用可変絞り弁50および駆動制御手段を、車両用空調装置100の冷凍サイクル3に適用していたが、これに限定されるものではない。たとえば、定置式の冷凍サイクル3に暖房用可変絞り弁50および駆動制御手段を適用しても有効である。
3…冷凍サイクル
50…暖房用可変絞り弁(膨張弁装置)
51…ハウジング
51a…冷媒通路
51b…雄ねじ部材(電動駆動部)
52…弁座部材
52a…弁座
53…弁体
55…モータ部(ステッピングモータ,電動駆動部)
101…エアコン制御部
111…ステップ駆動制御部(負荷推定手段,駆動制御手段)
112…モータ入力処理部
113…モータ駆動部

Claims (5)

  1. 冷凍サイクル(3)に設けられ、前記冷凍サイクルを循環する冷媒を減圧膨張可能な膨張弁装置(50)であって、
    内部に冷媒が流通する冷媒通路(51a)が形成されたハウジング(51)と、
    前記ハウジング内に設けられ、前記冷媒通路の開度を変更可能な弁体(53)と、
    ステッピングモータ(55)を有し、前記ステッピングモータの回転角度に応じて前記弁体を変位させ前記開度を調節する電動駆動部(55,51b)と、
    前記弁体に作用する冷媒による負荷を推定する負荷推定手段(111)と、
    前記ステッピングモータをマイクロステップ駆動によって制御する駆動制御手段(111)と、を備え、
    前記駆動制御手段は、前記負荷推定手段によって推定された負荷に応じて前記駆動制御を実施することを特徴とする膨張弁装置。
  2. 前記駆動制御手段は、前記ステッピングモータの回転方向が変わったときには、回転方向変更後から所定角度位置までのステップ数を、回転方向が同じときに比べて増やすように制御し、
    前記ステップ数の増加値は、前記負荷の大きさに応じて変更されることを特徴とする請求項1に記載の膨張弁装置。
  3. 前記駆動制御手段は、ステップ間隔が等間隔となるように前記ステッピングモータに与える電流波形を補正して、前記マイクロステップ駆動し、
    前記電流波形の補正幅は、前記負荷の大きさに応じて変更されることを特徴とする請求項1または2に記載の膨張弁装置。
  4. 前記負荷推定手段は、前記冷媒通路に流入する冷媒の圧力を用いて、前記負荷を推定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の膨張弁装置。
  5. 前記負荷推定手段は、前記冷媒通路に流入する冷媒の温度を用いて、前記負荷を推定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の膨張弁装置。
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