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JP2012234959A - 熱可塑性樹脂で被覆された光発電糸及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂で被覆された光発電糸及びその製造方法 Download PDF

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修一 源中
Yuko Fukaki
裕子 深城
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Abstract

【課題】耐久性に優れると共に、柔軟で高効率な発電性能を発揮する光発電糸を提供する。
【解決手段】導電糸の周囲に中心側から順に、活性層、導電性高分子層及び熱可塑性樹脂層が積層された光発電糸において、該熱可塑性樹脂層の厚さが0.1μm〜50μm、かつ、該熱可塑性樹脂層の厚さが前記導電糸の直径に対して1/20〜1/5である耐久性に優れた光発電糸及び製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、優れた耐熱変形性と耐摩擦性のある光発電糸及びその製造方法に関する。
地球温暖化をもたらす化石燃料の代替エネルギーとして、つまり、温室効果ガス排出量を削減した低炭素社会の実現に不可欠なエネルギーとして、太陽光エネルギーを直接電力に変換する太陽電池を利用した太陽光発電の普及が期待されている。
太陽電池は、光起電力効果により太陽光を即時に電力に変換するもので、従来シリコン太陽電池が主流であった。近年、製法が簡便で生産コストを低く抑えることのできる有機化合物を用いた太陽電池の開発が行われている。有機化合物を用いた太陽電池には、色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池がある。
このような有機化合物を用いた太陽電池としては、特許文献1には透明材料の管の内面に透明導電層、色素増感多孔質半導体層、電解質層を順に設け、管の中央部分に対極が挿入された構造の色素増感光電変換素子が開示されている。
しかしながら、特許文献1の技術は、布帛にするための製編あるいは製織に好適とはいえなかった。
特開2007−012545
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、耐久性に優れると共に、柔軟で高効率な発電性能を発揮する光発電糸を提供する。
本発明者は、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、導電糸の周囲に中心側から順に、活性層、導電性高分子層及び熱可塑性樹脂層が積層された光発電糸において、該熱可塑性樹脂層の厚さが0.1μm〜50μm、かつ、該熱可塑性樹脂層の厚さが前記導電糸の直径に対して1/20〜1/5である耐久性に優れた光発電糸を見出し本発明に到達した。本発明は以下の手段を提供する。
[1]導電糸の周囲に中心側から順に、活性層、導電性高分子層及び熱可塑性樹脂層が積層された光発電糸において、該熱可塑性樹脂層の厚さが0.1μm〜50μm、かつ、該熱可塑性樹脂層の厚さが前記導電糸の直径に対して1/20〜1/5であることを特徴とする光発電糸。
[2]前記活性層が、ポリチオフェン誘導体及びフラーレン誘導体からなる前項1に記載の光発電糸。
[3]前記導電性高分子層が、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリアニリン(PANI)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)から選ばれる1種である前項1または2に記載の光発電糸。
[4]前記熱可塑性樹脂層が、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)、PVB(ポリビニルブチラール樹脂)から選ばれる1種である前項1〜3のいずれか1項に記載の光発電糸。
[5]酸素濃度1%以下の不活性ガス雰囲気下で、導電糸の周囲に活性層を塗工し乾燥することにより活性層を得る活性層積層工程と、前記活性層の周囲に導電性高分子層を塗工し乾燥することにより導電性高分子層を得る導電性高分子層積層工程と、前記導電性高分子層の周囲に熱可塑性樹脂層を塗工することにより該熱可塑性樹脂層の厚さが0.1μm〜50μm、かつ、該熱可塑性樹脂層の厚さが前記導電糸の直径に対して1/20〜1/5である熱可塑性樹脂層を得る熱可塑性樹脂層積層工程と、前記熱可塑性樹脂層に50kGy〜250kGyの範囲の電子線照射を行う電子線照射工程とを順に実施することを特徴とする光発電糸の製造方法。
[6]前記活性層積層工程において、前記活性層としてポリチオフェン誘導体及びフラーレン誘導体を用いる前項5に記載の光発電糸の製造方法。
[7]前記導電性高分子層積層工程において、前記導電性高分子層としてポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリアニリン(PANI)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)から選ばれる1種を用いる前項5または6に記載の光発電糸の製造方法。
[8]前記熱可塑性樹脂層積層工程において、前記熱可塑性樹脂としてEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)、PVB(ポリビニルブチラール樹脂)から選ばれる1種を用いる前項5〜7のいずれか1項に記載の光発電糸の製造方法。
[1]の発明では、導電糸の周囲に中心側から順に、活性層、導電性高分子層及び熱可塑性樹脂層が積層された光発電糸において、該熱可塑性樹脂層の厚さが0.1μm〜50μm、かつ、該熱可塑性樹脂層の厚さが前記導電糸の直径に対して1/20〜1/5であるので酸素及び水分を充分遮蔽すると共に、耐久性に優れた光発電糸とすることができる。
[2]の発明では、前記活性層が、ポリチオフェン誘導体及びフラーレン誘導体からなり、電子供与性のポリチオフェン誘導体がドナー、電子吸引性の強いフラーレン誘導体がアクセプターとして働くので、太陽光の照射により光起電力が発生し、高効率な発電性能を発揮する光発電糸とすることができる。
[3]の発明では、前記導電性高分子層が、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリアニリン(PANI)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)であるので安定して活性層3で発生した正孔を取り出すことができる。
[4]の発明では、前記熱可塑性樹脂層が、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)、PVB(ポリビニルブチラール樹脂)から選ばれる1種であるので比較的容易に熱溶解し塗工することができる。さらに、酸素及び水分を遮蔽するので導電性高分子層及び活性層を保護すると共に、光発電糸に耐久性を付与することができる。
[5]の発明では、活性層積層工程と、導電性高分子層積層工程と、熱可塑性樹脂層積層工程及び電子線照射工程を順に実施することによって、耐久性に優れた柔軟で高効率な発電性能を発揮する光発電糸を製造することができる。該熱可塑性樹脂層の厚さが0.1μm〜50μm、かつ、該熱可塑性樹脂層の厚さが前記導電糸の直径に対して1/20〜1/5であるので酸素及び水分を充分に遮蔽することができる。しかも、50kGy〜250kGyの範囲の電子線照射を実施するので熱可塑性樹脂層の架橋を促進するので耐久性を向上させることができる。活性層積層工程、導電性高分子層積層工程、熱可塑性樹脂層積層工程及び電子線照射工程を酸素濃度1%以下の不活性ガス雰囲気下で実施することで、活性層、導電性高分子層及び熱可塑性樹脂層における発電性能を損なう酸素を遮蔽することができる。さらに電子線照射工程では熱可塑性樹脂層の架橋反応を阻害するのを防止することができる。
[6]の発明では、前記活性層積層工程において、前記活性層としてポリチオフェン誘導体及びフラーレン誘導体を用いるので電子供与性のポリチオフェン誘導体がドナー、電子吸引性の強いフラーレン誘導体がアクセプターとして働くので、太陽光の照射により光起電力が発生し、高効率な光発電糸を製造することができる。
[7]の発明では、前記導電性高分子層積層工程において、前記導電性高分子層としてポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリアニリン(PANI)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)から選ばれる1種を用いるので安定して活性層3で発生した正孔を取り出すことができる光発電糸を製造することができる。
[8]の発明では、前記熱可塑性樹脂層積層工程において、前記熱可塑性樹脂としてEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)、PVB(ポリビニルブチラール樹脂)から選ばれる1種を用いるので比較的容易に熱溶解し塗工することができる。さらに、酸素及び水分を遮蔽するので導電性高分子層及び活性層を保護すると共に、耐久性のある光発電糸を製造することができる。
本発明に係る光発電糸の一実施形態を図1に示す。本実施形態の光発電糸は、導電糸の周囲に中心側から順に、活性層、導電性高分子層及び熱可塑性樹脂層が積層された光発電糸である。図において、1は光発電糸、2は導電糸、3は活性層、4は導電性高分子層、5は熱可塑性樹脂層を示している。光発電糸1は、導電糸2の周囲に活性層3を積層し、さらに導電性高分子層4を積層し、最後に熱可塑性樹脂層5を積層している。
導電糸2としては、例えば天然繊維(綿等)又は合成繊維(ポリエステル繊維、ナイロン繊維等)の周りに金属(アルミニウム、ステンレス、金、銀等)薄膜を蒸着処理した繊維、無機繊維(ステンレス鋼繊維等)、導電性繊維(カーボン練り込み繊維、導電性高分子からなる繊維)を採用することができる。中でも軽量で柔軟性があるのでアルミニウムを蒸着するのが好ましい。導電糸2の繊度は、0.003デシテックス〜10210デシテックスの範囲が好ましい。0.003デシテックスより細い繊度では、発電糸の強度が弱くなり、取扱いが困難となるので好ましくない。また、10210デシテックスより太い繊度では、発電糸の柔軟性が不充分となるので好ましくない。
活性層3としては、ポリチオフェン誘導体及びフラーレン誘導体からなり、電子供与性のポリチオフェン誘導体がドナー、電子吸引性の強いフラーレン誘導体がアクセプターとして働くので、太陽光の照射により光起電力が発生し、高効率な光発電糸とすることができる。ポリチオフェン誘導体としては、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリ−3−オクチルチオフェン(P3OT)、ポリ−3−ドデシルチオフェン(P3DDT)を挙げることができる。中でも、高い開放電圧を与えるポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)が好ましい。また、フラーレン誘導体としては、フラーレン骨格を有するものであれば特に限定されないが、例えば、フェニルC61ブチル酸メチルエステル(PCBM)を挙げることができる。
導電性高分子層4としては、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリアニリン(PANI)/ポリスチレンスルホン酸PSSから選ばれる1種を採用することができる。ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)にポリスチレンスルホン酸(PSS)がドープされた混合物、及びポリアニリン(PANI)にポリスチレンスルホン酸(PSS)がドープされた混合物は活性層3で発生した正孔を安定的に取り出すので、高効率な光発電糸とすることができる。
熱可塑性樹脂層5としては、熱可塑性樹脂としてEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)、PVB(ポリビニルブチラール樹脂)から選ばれる1種を採用するので比較的容易に熱溶解し塗工することができる。さらに、酸素及び水分を遮蔽するので導電性高分子層4及び活性層3を保護すると共に、耐久性のある光発電糸1を製造することができる。
本発明に係る光発電糸1の製造方法は、導電糸2の周囲に中心側から順に、活性層3、導電性高分子層4及び熱可塑性樹脂層5が積層された光発電糸1の製造方法において、酸素濃度1%以下の不活性ガス雰囲気下で、導電糸2の周囲に活性層3を塗工し乾燥することにより活性層3を得る活性層積層工程と、前記活性層3の周囲に導電性高分子層4を塗工し乾燥することにより導電性高分子層4を得る導電性高分子層積層工程と、前記導電性高分子層4の周囲に熱可塑性樹脂層5を塗工することにより該熱可塑性樹脂層5の厚さが0.1μm〜50μm、かつ、該熱可塑性樹脂層5の厚さが前記導電糸2の直径に対して1/20〜1/5である熱可塑性樹脂層5を得る熱可塑性樹脂層積層工程と、前記熱可塑性樹脂層5に50kGy〜250kGyの範囲の電子線照射を行う電子線照射工程とを順に実施することを特徴とする。
本発明に係る光発電糸1の製造方法によれば、活性層積層工程と、導電性高分子層積層工程と、熱可塑性樹脂層積層工程及び電子線照射工程を順に実施することによって、耐久性に優れた柔軟で高効率な発電性能を発揮する光発電糸1を製造することができる。該熱可塑性樹脂層5の厚さが0.1μm〜50μm、かつ、該熱可塑性樹脂層5の厚さが前記導電糸2の直径に対して1/20〜1/5であるので酸素及び水分を充分遮蔽すると共に、耐久性に優れた光発電糸1とすることができ、しかも、50kGy〜250kGyの範囲の電子線照射を実施するので熱可塑性樹脂層5の架橋を促進するため耐久性の向上した光発電糸1を製造することができる。活性層積層工程、導電性高分子層積層工程、熱可塑性樹脂層積層工程及び電子線照射工程を酸素濃度1%以下の不活性ガス雰囲気下で実施することで、活性層3、導電性高分子層4及び熱可塑性樹脂層5における発電性能を損なう酸素を遮蔽することができる。さらに電子線照射工程では熱可塑性樹脂層5の架橋反応を阻害するのを防止することができるので、耐久性に優れた光発電糸1を製造することができる。
本発明に係わる光発電糸1の製造方法において、活性層積層工程から電子線照射工程までの処理を、酸素濃度1%以下の不活性ガス雰囲気下で行う。前記不活性ガス雰囲気とは、導電糸2の周囲に中心側から順に積層した活性層3、導電性高分子層4及び熱可塑性樹脂層5において発電性能を損わないようにするために窒素置換などで酸素濃度を1%以下にした状態である。また、活性層積層工程から熱可塑性樹脂層積層工程までの各積層工程は、精度良く均一に積層する方法を用いれば良く、例えばダイコート法、ディップコート法を挙げることができる。
(活性層積層工程)
活性層積層工程では、ポリチオフェン誘導体とフラーレン誘導体を溶媒に溶解した混合溶液を、例えばダイコート法で塗工することで、導電糸2の周囲に精度良く積層することができる。溶媒としては特に限定されないが、例えばジクロロベンゼン、クロロベンゼン、トルエンを挙げることができる。積層する活性層3の厚さは特に限定されないが、20nm〜1500nmの範囲が好ましい。活性層3の厚さが20nm未満では電荷分離が発生し難くなるので発電性能の低下を招くため好ましくない。1500nmを超えると活性層内で電荷の移動に対する抵抗が大きくなるので発電性能の低下を招くため好ましくない。
(導電性高分子層積層工程)
導電性高分子層積層工程では、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)にポリスチレンスルホン酸(PSS)がドープされた混合物、またはポリアニリン(PANI)にポリスチレンスルホン酸(PSS)がドープされた混合物を水に分散させた分散溶液を、例えばダイコート法で塗工することで、活性層3の周囲に精度良く積層することができる。積層する導電性高分子層4の厚みは特に限定されない。必要な発電性能に基づいて厚みを調整すれば良い。
(熱可塑性樹脂層積層工程)
熱可塑性樹脂層積層工程では、融点温度以上に加熱されたEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)、またはPVB(ポリビニルブチラール樹脂)を、例えばダイコート法で塗工することで、導電性高分子層4の周囲に精度良く積層することができる。積層する熱可塑性樹脂層5の厚さは特に限定されないが、100nm〜50000nmの範囲が好ましい。熱可塑性樹脂層5の厚さが100nm未満では酸素及び水分に対する遮蔽力が充分とはいえなくなり発電性能の低下を招くため好ましくない。50000nmを超えると光発電糸の柔軟性を損なうため好ましくない。
(電子線照射工程)
電子線照射工程では、照射量が50kGy〜250kGyの範囲の電子線を照射する。熱可塑性樹脂層5に50kGy〜250kGyの範囲の電子線を照射することで、熱可塑性樹脂層5を架橋反応により耐久性に優れた層とすることができる。照射量が50kGy未満では架橋反応が進まず、照射量が250kGyを超えると、電子線が導電性高分子層4及び活性層3にまで達し、導電性高分子層4及び活性層3を破壊してしまうため発電性能の低下を招くおそれがある。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例のものに特に限定されるものではない。なお、試験方法及び評価は次の通りである。
(耐光強伸度試験)
80℃±3℃の雰囲気下にてJIS B 7753に準じたサンシャインウェザーメータS80(スガ試験機株式会社製)を用い、JIS C8915に準じて2000時間露光し、オートグラフAG−1KN(株式会社島津製作所)を用いて、JIS L 1015に準じて光発電糸の引張り強さ及び伸び率の変化を測定した。耐候試験後の強伸度変化が10%以内を「○」、強伸度変化が10%を超えたものを「×」で表し、「○」を合格とした。
(摩擦堅牢度試験)
JIS L 0849に準じた摩擦試験機II形を用い、14cm×5cmの厚紙に光発電糸1を重ならないように3cm幅で長手方向に巻きつけた試験片を試験し評価した。導電性高分子層4の摩擦用白綿布への着色を目視で評価した。着色が認められなかったものを「○」、僅かに認められたものを「△」、着色が認められたものを「×」で表し、「○」を合格とした。
<実施例1>
酸素濃度0.1%の窒素ガス雰囲気下で、導電糸2として用意した直径100μmのアルミニウム蒸着ポリエステル糸の周囲に、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)とアクセプターとしてフェニルC61ブチル酸メチルエステル(PCBM)をトルエン溶媒に溶解し混合液をダイコート法にて厚み150nmになるように塗工した後、150℃×20分緩やかに加熱し溶媒を揮発させ活性層3を積層した。次に、活性層3の周囲にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)にポリスチレンスルホン酸(PSS)をドープさせた水分散体をダイコート法にて厚み150nmになるように塗工した後、200℃×20分加熱し水分を乾燥させ導電性高分子層4を積層した。さらに、導電性高分子層4の周囲に180℃で溶融した熱可塑性樹脂EVA(エチレン−ビニル共重合樹脂)をダイコート法にて厚み8000nmになるように塗工し、20℃の室温の中で空冷して熱可塑性樹脂層5を積層した。最後に、照射量100kGyの電子線を熱可塑性樹脂層5に照射して熱可塑性樹脂層5の架橋を促進、硬化させて光発電糸1を得た。
<実施例2>
熱可塑性樹脂EVA(エチレン−ビニル共重合樹脂)を厚み10000nmになるように塗工したことと、熱可塑性樹脂層5に照射した電子線の照射量を80kGyとしたこと以外は実施例1と同様にして光発電糸1を得た。
<実施例3>
酸素濃度0.5%の窒素ガス雰囲気下で実施したことと、導電糸2として直径200μmのステンレス鋼繊維を用いたことと、熱可塑性樹脂EVA(エチレン−ビニル共重合樹脂)を厚み20000nmになるように塗工したこと以外は実施例1と同様にして光発電糸1を得た。
<実施例4>
活性層3としてポリ−3−オクチルチオフェン(P3OT)、ポリ−3−ドデシルチオフェン(P3DDT)をトルエン溶媒に溶解し混合液をダイコート法にて厚み200nmになるように塗工したことと、熱可塑性樹脂EVA(エチレン−ビニル共重合樹脂)を厚み10000nmになるように塗工したことと、熱可塑性樹脂層5に照射した電子線の照射量を200kGyとしたこと以外は実施例1と同様にして光発電糸1を得た。
<実施例5>
酸素濃度0.3%の窒素ガス雰囲気下で実施したことと、導電性高分子層4としてポリアニリン(PANI)にポリスチレンスルホン酸(PSS)をドープさせた水分散体を厚み100nmになるように塗工したことと、熱可塑性樹脂EVA(エチレン−ビニル共重合樹脂)を厚み15000nmになるように塗工したこと以外は実施例1と同様にして光発電糸1を得た。
<実施例6>
熱可塑性樹脂PVB(ポリビニルブチラール樹脂)を厚み15000nmになるように塗工熱可塑性樹脂層5に照射した電子線の照射量を150kGyとしたこと以外は実施例1と同様にして光発電糸1を得た。
<比較例1>
熱可塑性樹脂EVA(エチレン−ビニル共重合樹脂)を厚み60000nmになるように塗工したこと以外は実施例1と同様にして光発電糸1を得た。
<比較例2>
酸素濃度10%の窒素ガス雰囲気下で実施したこと以外は実施例2と同様にして光発電糸1を得た。
<比較例3>
電子線を照射しなかった以外は実施例3と同様にして光発電糸1を得た。
<比較例4>
熱可塑性樹脂にアクリル樹脂を厚み10000nmになるように塗工したこと以外は実施例4と同様にして光発電糸1を得た。
実施例1〜6及び比較例1〜4と評価結果を表1に示す。
本発明に係わる光発電糸の一実施形態を示す概略断面図である。
1・・・光発電糸
2・・・導電糸
3・・・活性層
4・・・導電性高分子層
5・・・熱可塑性樹脂層
本発明に係る光発電糸は、例えば製編あるいは製織し布帛にすることで、太陽光発電に応用できる。

Claims (8)

  1. 導電糸の周囲に中心側から順に、活性層、導電性高分子層及び熱可塑性樹脂層が積層された光発電糸において、該熱可塑性樹脂層の厚さが0.1μm〜50μm、かつ、該熱可塑性樹脂層の厚さが前記導電糸の直径に対して1/20〜1/5であることを特徴とする光発電糸。
  2. 前記活性層が、ポリチオフェン誘導体及びフラーレン誘導体からなる請求項1に記載の光発電糸。
  3. 前記導電性高分子層が、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリアニリン(PANI)/ポリスチレンスルホン酸PSSから選ばれる1種である請求項1または2に記載の光発電糸。
  4. 前記熱可塑性樹脂層が、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)、PVB(ポリビニルブチラール樹脂)から選ばれる1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光発電糸。
  5. 酸素濃度1%以下の不活性ガス雰囲気下で、導電糸の周囲に活性層を塗工し乾燥することにより活性層を得る活性層積層工程と、前記活性層の周囲に導電性高分子層を塗工し乾燥することにより導電性高分子層を得る導電性高分子層積層工程と、前記導電性高分子層の周囲に熱可塑性樹脂層を塗工することにより該熱可塑性樹脂層の厚さが0.1μm〜50μm、かつ、該熱可塑性樹脂層の厚さが前記導電糸の直径に対して1/20〜1/5である熱可塑性樹脂層を得る熱可塑性樹脂層積層工程と、前記熱可塑性樹脂層に50kGy〜250kGyの範囲の電子線照射を行う電子線照射工程とを順に実施することを特徴とする光発電糸の製造方法。
  6. 前記活性層積層工程において、前記活性層としてポリチオフェン誘導体及びフラーレン誘導体を用いる請求項5に記載の光発電糸の製造方法。
  7. 前記導電性高分子層積層工程において、前記導電性高分子層としてポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリアニリン(PANI)/ポリスチレンスルホン酸PSSから選ばれる1種を用いる請求項5または6に記載の光発電糸の製造方法。
  8. 前記熱可塑性樹脂層積層工程において、前記熱可塑性樹脂としてEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)、PVB(ポリビニルブチラール樹脂)から選ばれる1種を用いる請求項5〜7のいずれか1項に記載の光発電糸の製造方法。
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