JP2012233826A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、モータの絶縁劣化(絶縁抵抗の異常な低下)を検出する絶縁劣化検出装置を備えたモータ制御装置及びモータの絶縁劣化を検出する方法に関するものである。
サーボモータは、PWM制御されるインバータ回路を備えたモータ制御装置により駆動される。工作機械の中でも、切削液を用いて加工を行う工作機械では、切削液がモータに付着することがある。そして切削液の性質によっては、モータ内部に切削液が入り込み、モータの電気的な絶縁を劣化させるという問題がある。モータの電気的な絶縁劣化は徐々に進行し、最終的には地絡に至る。モータが地絡すると、漏電ブレーカをトリップさせたり、モータ制御装置を破損させたりして、モータを利用するシステムをダウンするに至る。システムのダウンは、工場の製造ラインに多大な影響を及ぼす。そのため、予防保全の観点から、モータの絶縁劣化を検出できる装置が必要とされている。
このような、モータの絶縁の劣化を検出する従来の方法としては、
(1)電気絶縁抵抗計を用いる方法
(2)PWM制御されるインバータ回路の一対の直流入力部すなわちプラス極及びマイナス極の両方又はいずれか一方の極と対地(グランド)間に、コンデンサと抵抗の直列回路を挿入し、この直列回路の抵抗の両端の電位差を検出する回路を設けてモータの駆動を停止することなく、モータの絶縁劣化を検出する方法(特許文献1)
(3)PWM制御されるインバータ回路の直流入力部をアースし(グランドに接続し)、インバータ回路に含まれる半導体素子を利用してインバータ装置に印加される直流電圧をモータに印加し、その時のインバータ装置の直流電圧及び直流電流を測定してモータの電気絶縁抵抗を求める方法(特許文献2)
(4)遮断器を通して電源に接続されたPWMインバータのマイナス極とグランドとの間に抵抗とスイッチを挿入し、前記遮断器が開状態になっている時に、スイッチを閉にし、PWMインバータのプラス極の半導体スイッチを導通状態にして、前記抵抗の電圧降下から求める方法(特許文献3)
などがある。
(1)電気絶縁抵抗計を用いる方法
(2)PWM制御されるインバータ回路の一対の直流入力部すなわちプラス極及びマイナス極の両方又はいずれか一方の極と対地(グランド)間に、コンデンサと抵抗の直列回路を挿入し、この直列回路の抵抗の両端の電位差を検出する回路を設けてモータの駆動を停止することなく、モータの絶縁劣化を検出する方法(特許文献1)
(3)PWM制御されるインバータ回路の直流入力部をアースし(グランドに接続し)、インバータ回路に含まれる半導体素子を利用してインバータ装置に印加される直流電圧をモータに印加し、その時のインバータ装置の直流電圧及び直流電流を測定してモータの電気絶縁抵抗を求める方法(特許文献2)
(4)遮断器を通して電源に接続されたPWMインバータのマイナス極とグランドとの間に抵抗とスイッチを挿入し、前記遮断器が開状態になっている時に、スイッチを閉にし、PWMインバータのプラス極の半導体スイッチを導通状態にして、前記抵抗の電圧降下から求める方法(特許文献3)
などがある。
上記(1)の絶縁抵抗計を用いる方法は、モータとモータ制御装置の間の配線をはずして、モータの巻線と対地(グランド)間に絶縁抵抗計を接続して電気絶縁抵抗を計測し、電気絶縁抵抗の値により絶縁の劣化を検出するものである。しかし、この方法では、モータの配線をはずさなければならず、多くの作業工数を必要とするという問題があった。
上記(2)の方法では、電源を通して流れる漏れ電流により、検出回路に流れる電流が影響を受け、絶縁劣化の検出に誤差を生ずるという問題があった。
上記(3)の方法では、インバータ回路の直流側をアースし(グランドに接続し)、インバータ回路中の半導体素子を利用してインバータ装置の直流電圧をモータに印加する。そしてそのときのインバータ回路の直流入力電圧及び直流入力電流を測定してモータの電気絶縁抵抗を求めるものである。しかし、この方法では、モータの電気絶縁が劣化して地絡が発生していた場合、インバータ回路の直流電圧をインバータ回路中の半導体素子の導通によりショートさせることになる。その結果、半導体素子が破損してしまうという問題があった。また、直流電流を測定する検出器には、絶縁劣化検出時には微小電流が流れ、通常のモータ制御時には大きな電流が流れる。このため、大電流を流すことができて、しかも微小電流を精度よく検出できる電流検出器が必要になる。しかしながら一般的な電流検出器では、このような精度を得ることができず、検出精度を高めることに問題があった。
(4)の方法では、ノイズ対策としてPWMインバータの直流部とアース間にコンデンサを設けている場合、このコンデンサにより絶縁抵抗検出用抵抗の電圧が安定するまでに時間がかかる。インバータ回路のプラス極のスイッチの電源が、半導体スイッチを常時オンにしたままにできるインバータ回路では問題にならない。しかしインバータ回路のプラス極の半導体スイッチの電源を図5のようにインバータ回路の上段にコンデンサとダイオードを付けてブートストラップ回路を用いた場合、プラス極の電源はPWM動作の短い時間しかオン状態にできないため、絶縁抵抗を検出する前にプラス極の半導体スイッチがオフしてしまい、使用できないという問題があった。なお図5の回路は、自励式のインバータ回路であり、半導体スイッチを構成するトランジスタTR1乃至TR6の駆動信号(ゲート信号)は、トランジスタ信号TR1乃至TR6に対してそれぞれ設けられた駆動回路DC1〜DS6から与えられる。
本発明は、上記課題を解消するためになされたものであり、その目的は、モータの配線をはずしたりする必要がなく、モータが地絡していてもインバータ回路の半導体スイッチの破損がなく、また、ブートストラップ回路を半導体スイッチのドライブ回路に適用でき、しかも電源からの漏れ電流の影響のない絶縁抵抗検出機能を備えたモータ制御装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、インバータ回路のスイッチングによる漏れ電流の影響を受けることがなく、モータが地絡していても、インバータ回路中の半導体スイッチを破損させずに、精度よくモータの絶縁劣化を検出することができるモータの絶縁劣化検出方法を提供することにある。
本発明のモータ制御装置は、整流回路と、インバータ回路と、絶縁劣化検出装置とを備えている。整流回路は、交流電源に遮断器を介して接続され且つ正極直流出力部と負極直流出力部との間に平滑用コンデンサを備えている。また1台以上のインバータ回路は、一対の半導体スイッチが直列接続されて構成され且つ一対の半導体スイッチの接続点が交流出力部となる複数のアーム回路が、並列接続されて構成され、複数のアーム回路中の上段の半導体スイッチのドライブ回路がブートストラップ回路により構成され、1台以上のモータの複数相の励磁巻線に電圧を印加する。そして絶縁劣化検出装置は、インバータ回路により駆動されるモータの絶縁抵抗を検出して絶縁抵抗の劣化を検出する。
本発明では、電圧分圧回路と、検出動作制御部と、絶縁抵抗検出部とを備えた絶縁劣化検出装置を用いる。電圧分圧回路は、正極直流出力部及び負極直流出力部の一方とグランドとの間に常開スイッチ回路を介して配置されている。検出動作制御部は、遮断器が開状態になっているときに、常開スイッチ回路を閉状態にする。その上で、検出動作制御部は、複数のアーム回路中の少なくとも一つのアーム回路中の一対の半導体スイッチの一方をオン状態にして他方をオフ状態にし、その後一方をオフ状態にして他方をオン状態にする駆動を同じデューティ比で繰り返して、少なくとも1相の励磁巻線に平滑用コンデンサから正電圧及び負電圧を交互に印加するとともに、上段の半導体スイッチのブートストラップ回路を下段の半導体スイッチがオンしているときにチャージ動作状態にする検出動作を行う。そして絶縁抵抗検出部は、検出動作中において、電圧分圧回路から出力された分圧電圧とインバータ回路に入力される直流電圧とに基づいて絶縁抵抗を検出する。ここで「駆動を同じデューティ比のPWM信号を用いて繰り返す検出動作」とは、パルス幅を一定にしたPWM信号を用いて、対象となる少なくとも一つのアーム回路中の一対の半導体スイッチ(上段の半導体スイッチと下段の半導体スイッチ)の一方をオン状態にして他方をオフ状態にし、その後一方をオフ状態にして他方をオン状態にする駆動を繰り返し行うことを意味する。
本発明によれば、このような検出動作を行うことにより、モータを回転させることなく、インバータ回路の上段に使用する半導体スイッチ及び下段の半導体スイッチを駆動して、励磁巻線に電圧を印加するため、絶縁抵抗を確実に検出することができる。また下段の半導体スイッチがオン状態になっているときに、上段の半導体スイッチのブートストラップ回路をチャージ動作状態にするので、ブートストラップ回路を上段の半導体スイッチのドライブ回路に使用することが可能になる。
なお絶縁抵抗が低下したモータを検知した場合、いずれかの励磁巻線が原因となって絶縁抵抗が低下しているのかを判定する場合には、複数のアーム回路を順番に選択して各アーム回路に含まれる一対の半導体スイッチに検出動作をさせる。このようにすると、いずれの相の励磁巻線が原因となって絶縁抵抗が小さくなっているのかを特定できる。
本発明によれば、モータの通常運転を停止し、遮断器をOFFにして交流電源を遮断してモータの絶縁抵抗を検出する。このため、絶縁抵抗の検出に電源ラインを通して流れる漏れ電流や電源のノイズの影響を受けることがない。また、絶縁抵抗検出時のみ通電する電圧分圧回路から出力される分圧電圧を用いて絶縁抵抗を検出するため、電圧分圧回路を構成する絶縁抵抗検出用の抵抗は、専用の抵抗値とすることができる。さらに絶縁劣化検出時において、電圧分圧回路はモータ及び平滑用コンデンサに対して抵抗負荷となるため、モータ側で地絡が発生していたとしても、平滑用コンデンサから短時間のうちに過電流が導通した半導体スイッチを通して流れることがない。そのためモータで地絡が発生した場合でも、インバータ回路中の半導体スイッチが破損するのを防ぐことができる。なお絶縁劣化検出装置を動作させる際に必要な制御電源は、遮断器が接続される電源とは別に用意してもよいし、遮断器を介さずに電源に接続された電源回路を利用してもよい。また絶縁抵抗を検出するために、モータの配線をはずす必要はなく、特別な作業工数も必要ない。
特に本発明によれば、電圧分圧回路は、負極直流出力部に一端が電気的に接続された第1の抵抗器の他端と、アース部に電気的に一端が接続された第2の抵抗器の他端とが電気的に接続されて構成されたものを用いることができる。この場合には、第1の抵抗器の両端電圧が分圧電圧VR1として絶縁抵抗検出部に入力され、第2の抵抗器はモータが地絡状態にあるときに過電流が流れるのを防止する保護抵抗とするのが好ましい。このようにするとモータが地絡状態にあるときに過電流が発生することを確実に防止できる。また第1の抵抗器の他端と第2の抵抗器の他端との間に常開スイッチ回路を配置するのが好ましい。また常開スイッチ回路を第2の抵抗器とグランドとの間に設けるようにしてもよい。
絶縁抵抗検出部は、分圧電圧VR1と平滑用コンデンサの端子間電圧VDCとを入力として、デューティ比をD%、第1の抵抗体の抵抗値をR1、第2の抵抗体の抵抗値をR2としたときに、絶縁抵抗RMを、
RM=VDC×(D/100)×(R1/VR1)−(R1+R2)
の演算式により求めるように構成することができる。この演算式を用いると、モータを装置から取り外すことなく、絶縁抵抗を求めることができる。
RM=VDC×(D/100)×(R1/VR1)−(R1+R2)
の演算式により求めるように構成することができる。この演算式を用いると、モータを装置から取り外すことなく、絶縁抵抗を求めることができる。
インバータ回路が、2台以上のモータに対してそれぞれ設けられた2台以上のインバータ回路である場合には、検出動作制御部を次のように構成することができる。すなわち、複数のインバータ回路から検出対象とする1台のインバータ回路を選択し、且つ選択した1台のインバータ回路において、検出動作を行うように検出動作制御部を構成することができる。このようにすると2台以上のモータの絶縁抵抗を1つの電圧分圧回路及び1つの絶縁抵抗検出部を用いて検出できる。
またインバータ回路が3台以上のモータに対してそれぞれ設けられた3台以上のインバータ回路である場合には、検出動作制御部を次の動作を行うように構成することができる。すなわち3台以上のインバータ回路から2台のインバータ回路の組み合わせを複数決定し、決定した複数の組み合わせにそれぞれ対応する2台のインバータ回路を選択し、且つ選択した2台のインバータ回路について、同時に検出動作を行う。その際に絶縁抵抗検出部が検出する並列絶縁抵抗に基づいて、絶縁抵抗が低下しているモータを駆動するインバータ回路を含む2台のインバータ回路を特定する。そして特定した2台のインバータ回路のそれぞれにおいて、検出動作を行う。検出動作制御部が上記の動作を行った後、絶縁抵抗検出部が、検出した絶縁抵抗に基づいて絶縁抵抗が低下しているモータを特定するようにしてもよい。
本発明のモータの絶縁劣化検出方法では、最初に遮断器を開状態にする。その後、正極直流出力部及び負極直流出力部の一方とグランドとの間に電圧分圧回路を電気的に接続する。複数のアーム回路中の少なくとも一つのアーム回路中の一対の半導体スイッチの一方をオン状態にして他方をオフ状態にし、その後一方をオフ状態にして他方をオン状態にする駆動を同じデューティ比のPWM信号を用いて繰り返し、少なくとも1相の励磁巻線に平滑用コンデンサから正電圧及び負電圧を交互に印加するとともに上段の半導体スイッチのブートストラップ回路を下段の半導体スイッチがオンしているときにチャージ動作状態にする検出動作を行う。そして電圧分圧回路から出力された分圧電圧とインバータ回路に入力される直流電圧とに基づいてモータの絶縁抵抗を検出する。
インバータ回路が2台以上のモータに対してそれぞれ設けられた2台以上のインバータ回路である場合には、2台以上のインバータ回路から検出対象とする1台のインバータ回路を選択する。そして選択した1台のインバータ回路において、検出動作を行えば、2台以上のモータの絶縁抵抗の劣化を検出できる。
インバータ回路が3台以上のモータに対してそれぞれ設けられた3台以上のインバータ回路である場合には、3台以上のインバータ回路から2台のインバータ回路の組み合わせを複数決定する。次に決定した複数の組み合わせにそれぞれ対応する2台のインバータ回路を選択し、且つ選択した2台のインバータ回路において、それぞれ同時に検出動作を行い、並列絶縁抵抗を検出する。そして、並列絶縁抵抗が低下しているモータを駆動するインバータ回路を含む2台のインバータ回路を特定する。その後、特定した2台のインバータ回路のそれぞれにおいて、検出動作を行い、検出した絶縁抵抗に基づいて絶縁抵抗が低下したモータを特定する。
以下図面を参照して、本発明のモータ制御装置及びモータの絶縁劣化検出方法を実施する実施の形態を詳細に説明する。図1(A)は1つのインバータ回路5により1台の三相交流電動機(モータ)Mを駆動するモータ制御装置1の構成の一例を示す図であり、(B)は後述する上段の半導体スイッチを構成するトランジスタTR1乃至TR3に対して用いるブートストラップ回路の例を示す図である。モータ制御装置1は、遮断器2としての電磁接触器を通して三相交流電源ACに接続されている。このモータ制御装置1では、三相交流電源ACから出力された三相交流を6個のダイオードD1〜D6がブリッジ接続されて構成された全波整流回路3により全波整流して直流電圧を得ている。そしてこの直流電圧を電解コンデンサからなる平滑用コンデンサCにより平滑化する。本実施の形態では、全波整流回路3と平滑用コンデンサCとにより整流回路が構成されている。そして平滑用コンデンサCの両端が、正極直流出力部4Aと負極直流出力部4Bとを構成している。
またインバータ回路5は、3つのアーム回路51〜53が、並列接続されて構成されたブリッジ回路により構成されている。3つのアーム回路51〜53は、それぞれトランジスタからなる一対の半導体スイッチ(TR1及びTR4,TR2及びTR5及びTR3及びTR6)が直列接続されて構成されている。そして一対の半導体スイッチ(TR1及びTR4,TR2及びTR5及びTR3及びTR6)の接続点CP1〜CP3が、交流出力部となっている。接続点CP1〜CP3には、モータMのスター結線された三相励磁巻線W1〜W2が接続されている。図1には、スター結線された三相励磁巻線W1〜W2の中性点と対地(グランド)との間にモータの電気的な絶縁劣化により徐々に小さくなる電気的な絶縁抵抗RMを図示してある。インバータ回路5で使用する6個のトランジスタTR1〜TR6には、ダイオードDがそれぞれ逆並列接続されている。本実施例では、このインバータ回路5は、図示しないインバータ制御回路に含まれるPWM制御回路10から出力されるPWM制御信号に基づいてPWM制御されて、直流電力を交流電力に変換して出力する。そしてPWM制御回路10は、モータMの出力軸に固定された図示しないエンコーダなどの位置検出器からの出力に基づいてモータMの回転子の位置が検出され、その検出情報を基にモータMの回転子の位置や速度制御を行う。また上段のトランジスタTR1〜TR3には、代表的に図1(B)に一例を示すような、抵抗R0,コンデンサC0,ダイオードD0及び直流電源DPSからなるブートストラップ回路BSCがそれぞれ設けられている。なおトランジスタTR1及びTR4のベースには、PWM信号をトランジスタに与える駆動回路DC1及びDC4が配置されている。トランジスタTR2及びTR5並びにトランジスタTR3及びTR6にも、図1(B)の構成と同様のブートストラップ回路及び駆動回路が配置されている。このブートストラップ回路BSCは、下段のトランジスタTR4が導通している期間直流電源DPS→抵抗R0→ダイオードD0→コンデンサC0→トランジスタTR4の回路を流れる電流により、コンデンサC0が充電される。その結果、コンデンサC0の電荷により、トランジスタTR1のベースエミッタ間電圧を上昇させることができる。したがって後述するように、遮断器2が開いた後でも、上段のトランジスタTR1〜TR3のベースに、駆動回路DC1を介して加わるPWM駆動信号により、上段のトランジスタTR1〜TR3の導通状態を確保できる。
モータ制御装置1には、インバータ回路5により駆動されるモータMの電気的な絶縁劣化(絶縁抵抗RMの低下)を検出する絶縁劣化検出装置6が内蔵されている。絶縁劣化検出装置6は、電圧分圧回路7と、検出動作制御部8と、絶縁抵抗検出部9とを備えている。電圧分圧回路7は、負極直流出力部4Bの一方とグランドとの間にリレー接点からなる常開スイッチ回路SWを介して配置されている。具体的には、電圧分圧回路7は、負極直流出力部4Bに一端が電気的に接続された絶縁劣化検出用抵抗としての第1の抵抗器R1の他端と、グランドに電気的に一端が接続された第2の抵抗器R2の他端との間に、常時は開状態にあるが指令が入力されると閉状態となる常開スイッチ回路SWが配置された構成を有している。第1の抵抗器R1の両端電圧が分圧電圧として、電圧比較部9内のADコンバータに入力される。第2の抵抗器R2は、モータMが地絡状態にあるときに過電流が流れるのを防止する抵抗値を有する保護抵抗を構成している。このように電圧分圧回路7を構成すると、モータMが地絡状態にあるときに過電流が発生することを確実に防止できる。
検出動作制御部8は、電磁接触器からなる遮断器2が開状態になっているときに、常開スイッチ回路SWを閉状態にする。検出動作制御部8は、以下の検出動作を行う。まず3つのアーム回路51〜53中の少なくとも一つのアーム回路(以下代表的にアーム回路51を例として説明する)中の一対の半導体スイッチ(以下代表的にトランジスタTR1及びTR4を例として説明する)の一方をオン状態にして他方をオフ状態にし、その後一方をオフ状態にして他方をオン状態にする駆動を同じデューティ比のPWM信号を用いて繰り返す。例えば、トランジスタTR1をオンさせている期間トランジスタTR4をオフさせ、トランジスタTR4をオンさせている期間トランジスタTR1をオフさせるオン・オフ動作を行う。このオン・オフ動作により、1相の励磁巻線W1に平滑用コンデンサCから正電圧及び負電圧が交互に印加される。そして前述のように上段のトランジスタTR1に対するブートストラップ回路BSCを下段のトランジスタTR4がオンしているときにコンデンサC0をチャージするチャージ動作を行う。
「駆動を同じデューティ比のPWM信号を用いて繰り返す」とは、図2(A)乃至(C)に例示するように、PWM制御を行う場合において使用するPWM信号のデューティ比が100%より小さいデューティ比(例えば50%)で、且つパルス幅を一定にした同じPWM信号を用いて対象となる一対のトランジスタTR1及びTR4の一方をオン状態にして他方をオフ状態にし、その後一方をオフ状態にして他方をオン状態にする駆動を同じデューティ比を持ったPWM信号を用いて繰り返すことを意味する。図2の右図に示すように、このようなPWM信号を用いることにより励磁巻線に印加される電圧の平均をデューティに応じた電圧値とすることができる。デューティ比が例えば60%であるとすると、トランジスタTR1が60%のデューティ期間オン状態(この期間トランジスタTR4はオフ状態)となり、トランジスタTR4が残りの40%のデューティ期間オン状態(この期間トランジスタTR1はオフ状態)となる。デューティ比は、下段のトランジスタによりブートストラップ回路をチャージ動作状態にできて、しかも絶縁抵抗RMの検出に必要な電圧を励磁巻線に印加できるものであればよい。すなわちデューティ比の上限値は、インバータ回路5の上側のトランジスタTR1乃至TR3のゲート電源を例えば図2(B)に示すようなブートストラップ回路により充電できる値にするのが好ましい。そしてデューティ比の下限値は、モータに印加される平均電圧が低下しても、絶縁抵抗の検出精度が低下することを阻止できる値にするのが好ましい。
そして絶縁抵抗検出部9は、検出動作中において、電圧分圧回路から出力された分圧電圧とインバータ回路に入力される直流電圧とに基づいて絶縁抵抗を検出する。絶縁抵抗検出部9は、アナログ−デジタルコンバータADと中央演算装置CPUとから構成される。アナログ−デジタルコンバータADは、電圧分圧回路7から出力された分圧電圧VR1とインバータ回路5に入力される直流電圧(平滑用コンデンサの端子間電圧)VDCとをデジタルデータに変換する。そして中央演算装置CPUは、後に説明する演算式に従って絶縁抵抗RMを演算する。
使用する演算式は以下のようにして決定した。まずモータMの絶縁抵抗RMの抵抗値をRMとし、平滑用コンデンサの端子間電圧をVDCとし、第1の抵抗体R1の両端の電圧をVR1とし、デューティ比をD%、第1の抵抗体R1の抵抗値をR1、第2の抵抗体R2の抵抗値をR2としたときに、第1の抵抗体R1の両端の電圧VR1は以下の式で表すことができる。
VR1=VDC×(D/100)/(RM+R1+R2)×R1
なお、ここでは、VDCと比較してインバータ素子の電圧降下は小さいものとして無視している。絶縁抵抗RMは、
RM=VDC×(D/100)×(R1/VR1)−(R1+R2)
の演算式で算出できる。
なお、ここでは、VDCと比較してインバータ素子の電圧降下は小さいものとして無視している。絶縁抵抗RMは、
RM=VDC×(D/100)×(R1/VR1)−(R1+R2)
の演算式で算出できる。
上記の演算式による演算は、中央演算装置CPUで実行される。なお本実施の形態では、中央演算装置CPUは、検出した絶縁抵抗をモニタリングし、絶縁抵抗が予め定めた値以上になると、モータ制御装置を使用するユーザにアラームを発生する。アラームが発生した場合、ユーザは絶縁抵抗が低い場合はモータを交換し、モータが地絡してシステムダウンするのを防止する。なお、本実施の形態では、アーム回路51〜53中の少なくとも一つのアーム回路中の一対のトランジスタTR1及びTR4等をPWM駆動して交互にオン・オフさせる。具体的には、各励磁巻線に電圧を印加する一対のトランジスタTR1及びTR4等の一方のトランジスタを50%のデューティのPWM信号でオン状態にし、他方のトランジスタをオフ状態にし、その後他方のトランジスタを50%のデューティのPWM信号でオン状態にし、一方のトランジスタをオフ状態にする駆動を繰り返す。50%のデューティのPWM信号を用いると、励磁巻線に印加される正電圧及び負電圧の絶対値は等しくなり、絶縁抵抗の検出とブートストラップ回路のチャージ動作の両方をバランスよく実行することができる。
なお本実施の形態では、励磁巻線W1にトランジスタTR1を介して正電圧を印加して絶縁抵抗を検出した後、励磁巻線W1にトランジスタTR4を介して負電圧を印加している期間トランジスタTR1のブートストラップ回路のチャージ動作を行う。次に励磁巻線W2にトランジスタTR3を介して正電圧を印加して絶縁抵抗を検出した後、励磁巻線W2にトランジスタTR6を介して負電圧を印加している期間トランジスタTR3のブートストラップ回路のチャージ動作を行う。その後励磁巻線W3にトランジスタTR2を介して正電圧を印加して絶縁抵抗を検出した後、励磁巻線W3にトランジスタTR5を介して負電圧を印加している期間トランジスタTR2のブートストラップ回路のチャージ動作を行う。
なお検出動作制御部8が指定する、励磁巻線に電圧を印加する順番は、本実施の形態に限定されるものではない。また検出動作制御部8は、複数の励磁巻線に対して、前述と同様の検出動作を同時に実行して、各励磁巻線に電圧を印加し、同時に絶縁抵抗を検出するようにしてもよい。
なお検出動作において、PWM制御回路10は、検出動作制御部8から検出動作のためのPWM信号発生指令を受け取ると、指定されたアーム中の一対のトランジスタの一方のトランジスタの駆動回路に所定のデューティのPWM信号を与え、他方のトランジスタの駆動回路に反転した所定のデューティのPWM信号を与える。
上記実施の形態では、上記演算式を用いて絶縁抵抗を演算により求めたが、絶縁抵抗を検出する場合に、上記演算式を用いることに限定されるものではなく、比較器を用いて絶縁抵抗を相対的に検出するようにしてもよい。例えば、絶縁抵抗RMが高い場合は分圧電圧VR1は低く、絶縁抵抗RMが低い場合は分圧電圧VR1は高くなる。したがって絶縁抵抗RMがある程度劣化した場合の分圧電圧VR1に相当する電圧を電圧基準電圧Vrefとして、分圧電圧VR1と電圧基準電圧Vrefとを比較することにより、絶縁抵抗RMを相対的に検出することができる。
また、整流回路3は、PWMコンバータなどのように三相交流電源ACに電力を回生できる回路でもよい。その場合は、絶縁劣化を検出する際に、PWMコンバータを停止させて、絶縁劣化の検出を行う。
なお絶縁劣化検出装置6を動作させる際に必要な制御電源及び前述の直流電源DPSは、遮断器2が接続される三相交流電源ACとは別に用意されている。また制御電源を、遮断器2を介さずに三相交流電源ACに接続して構成するようにしてもよい。
図3は、本発明のモータ制御装置の第2の実施の形態の回路構成を示している。図3に示した回路構成には、図1に示した回路構成を構成する部材と同様の部材に、図1に示した部材に付した符号の数に100の数または200の数を加えた数の符号を付して、詳細な説明を省略する。図3の実施の形態では、全波整流回路103に対して2台のインバータ回路105及び205が接続されている。そして2台のインバータ回路105及び205には2台のモータM1及びM2がそれぞれ接続されている。本実施の形態では、2台のモータをそれぞれ1つの絶縁劣化検出装置106を利用してその絶縁抵抗を検出することができる。そこでこの実施の形態では、絶縁劣化検出装置106の検出動作制御部108を、遮断器102が開状態になっているときに、常開スイッチ回路SWを閉状態にし、2台のインバータ回路105及び205から順番に検出対象とする1台のインバータ回路を選択し、且つ選択したインバータ回路中の複数相の励磁巻線に対して前述の検出動作を行うように構成する。
具体的には、例えば検出動作制御部108は、最初にインバータ回路105のアーム151〜153に含まれる一対のトランジスタ(TR1及びTR4,TR2及びTR5,TR3及びTR6)の上段のトランジスタを50%のデューティ比でオン状態にしている期間モータM1の絶縁抵抗RM1の抵抗RM1を検出し、その後下段のトランジスタを50%のデューティ比でオン状態にしている期間上段のトランジスタのブートストラップ回路のチャージ動作を行う。次に検出動作制御部108は、インバータ回路105中のトランジスタにPWM信号を与えることを停止して、インバータ回路205のアーム251〜253に含まれる一対のトランジスタ(TR1及びTR4,TR2及びTR5,TR3及びTR6)の上段のトランジスタを50%のデューティ比でオン状態にしている期間モータM2の絶縁抵抗RM2の抵抗RM2を検出し、その後下段のトランジスタを50%のデューティ比でオン状態にしている期間上段のトランジスタのブートストラップ回路のチャージ動作を行う。
このように1台のモータの絶縁抵抗の検出により絶縁劣化の判定が終わった後に、残りの1台のモータに対応するインバータ回路においても同様の検出動作を実行すれば、複数台のモータについて順番に絶縁抵抗の検出を行うことができ、コストを下げて、複数台のモータの絶縁抵抗の検出の絶縁劣化の判定をすることが可能になる。
図4は、本発明のモータ制御装置の第3の実施の形態の回路構成を示している。図4に示した回路構成には、図1に示した回路(インバータ回路を除く)を構成する部材と同様の部材に、図1に示した部材に付した符号の数に200の数を加えた数の符号を付して、詳細な説明を省略する。図4の実施の形態では、全波整流回路203に対して4台のインバータ回路105,205,305及び405が接続されている。そして4台のインバータ回路105〜405には4台のモータM1〜M4がそれぞれ接続されている。本実施の形態では、4台のモータを、図3の実施の形態と同様に、それぞれ1つの絶縁劣化検出装置206を利用してその絶縁抵抗を検出することができる。モータの絶縁劣化を1台ずつ検出する場合には、絶縁劣化検出装置206の検出動作制御部208を、遮断器202が開状態になっているときに、常開スイッチ回路SWを閉状態にし、4台のインバータ回路105〜405から順番に検出対象とする1台のインバータ回路を選択し、選択した1台のインバータ回路において、図1の実施の形態と同様に検出動作を行う。
具体的には、最初にインバータ回路105によって駆動されるモータM1の絶縁抵抗RM1の抵抗R M1 を検出し、次にインバータ回路205によって駆動されるモータM2の絶縁抵抗RM2の抵抗R M2 を検出し、次にインバータ回路305によって駆動されるモータM3の絶縁抵抗RM3の抵抗R M3 を検出し、最後のインバータ回路405によって駆動されるモータM4の絶縁抵抗RM4の抵抗R M4 を検出すればよい。
このように1台ずつインバータ回路を選択するのではなく、同時に複数台のインバータ回路を選択して、同時に複数台のモータの絶縁抵抗を検出するように、検出動作制御部208を構成することも可能である。例えば4台のインバータ回路105〜405から2台のインバータ回路105及び205を第1の組み合わせとして選択する。そして選択した2台のインバータ回路105及び205(第1の組み合わせ)によって駆動されるモータM1及びM2の絶縁抵抗を検出する。次に残りの2台のインバータ回路305及び405(第2の組み合わせ)を選択する。そして残りの2台のインバータ回路305及び405(第2の組み合わせ)によって駆動されるモータM3及びM4の絶縁抵抗を検出する。本実施の形態によれば、選択した2台のインバータ回路を1つの組み合わせとして、順次モータの絶縁劣化を検出することができる。1回に選択するインバータ回路の台数を同じ台数にすれば、検出動作制御部208の構成は簡単になる。なお同時に複数台のインバータ回路を1つの組み合わせとして検出動作を行う場合には、どの1つの組み合わせの内のいずれかのモータで絶縁劣化が発生していることは判る。しかし具体的に、どのモータで絶縁劣化が発生しているのかは直ちには判らないので、絶縁抵抗が劣化しているモータを駆動する2台のインバータ回路について、個別に最初の実施の形態と同様にして絶縁抵抗を検出して、絶縁劣化が発生しているモータを特定すればよい。
なおインバータ回路が5台のように、同じ台数の組み合わせに分けることができない場合には、選択するインバータ回路の台数を固定のものとせずに、変動するものとすればよい。すなわち最初に、3台のインバータ回路からなる第1の組み合わせについて検出動作を行い、次に2台のインバータ回路からなる第2の組み合わせについて検出動作を行うようにしてもよい。
4台のモータM1乃至M4のうち絶縁抵抗が低下しているモータを特定するためには、図4に破線で示すように、中央演算装置CPUで演算結果を検出動作制御部208に戻す構成を採用する。そして検出動作制御部208は、複数台のインバータ回路から適宜の2台のインバータ回路を選択し、それらインバータ回路で同時に検出動作を行う。
すなわち2台のインバータ回路のそれぞれについて、一つのアーム回路中の一対のトランジスタに前述の所定のデューティのPWM信号を与える。このようにすると2台のインバータ回路で駆動する2台のモータの絶縁抵抗が並列接続された状態で、絶縁抵抗検出部209が絶縁抵抗(並列絶縁抵抗)を検出する。中央演算装置CPU が、並列絶縁抵抗を演算し、並列絶縁抵抗が予め定めた基準値より大きい2台のインバータ回路を特定する情報を検出動作制御部208に戻す。この情報を得た検出動作制御部208は、特定の2台のインバータ回路について前述と同様に個々に検出動作を行う。そして中央演算装置CPUで2台のモータの絶縁抵抗をそれぞれ演算して、絶縁抵抗の劣化を判定するようにする。具体的に説明すると、まずインバータ回路105及び205について同時に検出動作を行い、モータM1とM2の並列絶縁抵抗の検出を行った後、インバータ回路105及び205での検出動作を停止する。次に、インバータ回路305及び405で前述の検出動作を行い、モータM3,M4の並列絶縁抵抗の検出を行った後、インバータ回路305,405での検出動作を停止する。次に、モータM1,M2の並列絶縁抵抗が低い場合は、インバータ回路105について検出動作を行ってモータM1の絶縁抵抗の検出を行った後、インバータ回路105での検出動作を停止する。次にインバータ回路205について検出動作を行ってモータM2の絶縁抵抗の検出を行った後、インバータ回路205での検出動作を停止する。モータM3もしくはM4が故障している場合は、インバータ回路305について検出動作を行い、モータM3の絶縁抵抗検出を行った後、インバータ回路305での検出動作を停止する。次にインバータ回路405について検出動作を行って、モータM4の絶縁抵抗の検出を行った後、インバータ回路405での検出動作を停止する。これにより、1つの絶縁抵抗検出部209で効率的に4台のモータの絶縁劣化の検出を行うことができる。
上記各実施の形態では、モータの通常運転を停止し、電磁接触器をOFFにして三相交流電源を遮断してモータの絶縁抵抗を検出する。このため、電源ラインを通して流れる漏れ電流や電源のノイズの影響を受けることがない。また、絶縁抵抗検出時のみ通電する検出抵抗を用いて絶縁抵抗を検出するため、絶縁抵抗検出用抵抗体は、専用の抵抗値を持った抵抗体とすることができる。またモータが地絡していても、保護抵抗があるため、過大な電流が流れることがない。さらに各実施の形態によれば、モータの配線をはずす必要はなく、特別な作業工数も必要ない。さらに、モータを複数台駆動するモータ制御装置においては、複数台のモータに対し1つの絶縁抵抗検出部を構成すればよく、低コスト化が図れる。また、1つの絶縁抵抗検出部で各々のモータの絶縁抵抗を検出できる。また、組合せを工夫することで、モータが何台もある場合も、早く故障しているモータを発見できる。また、モータのどの相に絶縁劣化を生じているのかも見極めることができる。
上記3つの実施の形態では、絶縁抵抗の検出の際に、負極直流出力部4B,104Bに分圧抵抗回路7,107を接続しているが、正極直流出力部4A,104Aに分圧抵抗回路7,107を接続してもよい。
上記実施の形態では、モータがスター結線された三相励磁巻線を有するものであるが、デルタ結線された三相励磁巻線を有するモータの絶縁抵抗を検出する場合にも本発明を適用できるのは勿論である。
本発明によれば、モータを回転させることなく、インバータ回路の上段に使用する半導体スイッチ及び下段の半導体スイッチを交互に駆動して励磁巻線に電圧を印加するため、絶縁抵抗を確実に検出することができる。また下段の半導体スイッチがオン状態になっているときに、上段の半導体スイッチのブートストラップ回路をチャージ動作状態にするので、ブートストラップ回路を上段の半導体スイッチのドライブ回路に使用することが可能になる。
1 モータ制御装置
2,102,202 遮断器
3,103,203 全波整流回路
4A,104A,204A 正極直流出力部
4B,104B,204B 負極直流出力部
5,105,205,305,405 インバータ回路
6,106,206 絶縁劣化検出装置
7,107,207 電圧分圧回路
8,108,208 検出動作制御部
9,109,209 絶縁抵抗検出部
10,110,210 PWM制御回路
TR1〜TR6 トランジスタ(半導体スイッチ)
D ダイオード
C 平滑用コンデンサ
R1 第1の抵抗器
R2 第2の抵抗器
SW 常開スイッチ回路
2,102,202 遮断器
3,103,203 全波整流回路
4A,104A,204A 正極直流出力部
4B,104B,204B 負極直流出力部
5,105,205,305,405 インバータ回路
6,106,206 絶縁劣化検出装置
7,107,207 電圧分圧回路
8,108,208 検出動作制御部
9,109,209 絶縁抵抗検出部
10,110,210 PWM制御回路
TR1〜TR6 トランジスタ(半導体スイッチ)
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