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JP2012211532A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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JP2012211532A
JP2012211532A JP2011077028A JP2011077028A JP2012211532A JP 2012211532 A JP2012211532 A JP 2012211532A JP 2011077028 A JP2011077028 A JP 2011077028A JP 2011077028 A JP2011077028 A JP 2011077028A JP 2012211532 A JP2012211532 A JP 2012211532A
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JP2011077028A
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Atsushi Nakai
敦士 中井
Nobuaki Kobayashi
信章 小林
Takahiro Saito
貴博 齋藤
Yoji Ono
洋史 大野
Yoshio Okamoto
良雄 岡本
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Hitachi Astemo Ltd
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Hitachi Automotive Systems Ltd
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Abstract

【課題】液滴状態の燃料の干渉を抑制し、燃料の粗大化を抑制することができる燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】ノズルプレート8の一端側側面にはスワール室41と中央室42が形成されている。スワール室41は2つ形成されており、それぞれ連通路とスワール付与室46とから構成されている。スワール付与室46は内側面と底部とを有する有底円形凹状に形成されており、底部には貫通孔である燃料噴射孔44が形成されている。各スワール室41に連通してスワールが付与された燃料を噴射する燃料噴射孔44の軸方向向きを、隣接する燃料噴射孔44から噴射される燃料噴霧が液膜状態のときに重ならないように形成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンの燃料噴射に用いられる燃料噴射弁に関する。
この種の技術としては、下記の特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報には、スワール室が形成された通路プレートと、スワール室に開口する燃料噴孔が形成されたインジェクタプレートとが弁座部材に溶接されているものが開示されている。
特開2003−336562号公報
上記特許文献1に記載の技術では、燃料噴孔がスワール室の直下方向に向いているため、隣り合う燃料噴孔から噴射された燃料が液膜状態のときに干渉し、液滴状態となったときの燃料の粒径が肥大化して、燃料の気化が抑制されるおそれがあった。
本発明は上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、液滴状態の燃料の干渉を抑制し、燃料の粗大化を抑制することができる燃料噴射弁を提供することである。
上記目的を達成するため本願発明では、各スワール室に連通して前記スワールが付与された燃料を噴射する燃料噴射孔の軸方向向きを、隣接する前記燃料噴射孔から噴射される燃料噴霧が液膜状態のときに重ならないように形成した。
本発明により、スワール付与室の熱変形を抑制することができる。
実施例1の燃料噴射弁の軸方向断面図である。 実施例1の燃料噴射弁のノズルプレート付近の拡大断面図である。 実施例1のノズルプレートの拡大図である。 実施例1の燃料噴射孔から燃料が噴射される様子を示す図である。 実施例1の液膜が広がる様子を示した図である。 実施例1の液膜状態の範囲を示した図である。 他の実施例のノズルプレートの拡大図である。 他の実施例の液膜状態の範囲を示した図である。 他の実施例のノズルプレートの拡大図である。 他の実施例の液膜状態の範囲を示した図である。 他の実施例のノズルプレートの拡大図である。 他の実施例のノズルプレートの拡大図である。 他の実施例のノズルプレートの拡大図である。
〔実施例1〕
実施例1の燃料噴射弁1について説明する。
[燃料噴射弁の構成]
図1は燃料噴射弁1の軸方向断面図である。この燃料噴射弁1は、自動車用ガソリンエンジンに用いられるものであって、インテークマニホールド(吸入管)内に向けて燃料を噴射する、所謂低圧用の燃料噴射弁である。
燃料噴射弁1は、磁性筒体2と、磁性筒体2内に収容されるコア筒体3と、軸方向に摺動可能な弁体4と、弁体4と一体に形成された弁軸5と、閉弁時に弁体4により閉鎖される弁座6を有する弁座部材7と、開弁時に燃料が噴射される燃料噴射孔を有するノズルプレート8と、通電時に弁体4を開弁方向に摺動させる電磁コイル9と、磁束線を誘導するヨーク10とを有している。
磁性筒体2は、例えば電磁ステンレス鋼等の磁性金属材料により形成された金属パイプ等からなり、深絞り等のプレス加工、研削加工等の手段を用いることにより、図1に示すように段付き筒状をなして一体に形成されている。磁性筒体2は、一端側に形成された大径部11と、大径部11よりも小径であって他端側に形成された小径部12とを有している。
小径部12には、一部を薄肉化した薄肉部13が形成されている。小径部12は、薄肉部13より一端側にコア筒体3を収容するコア筒体収容部14と、薄肉部13より他端側に弁部材15(弁体4、弁軸5、弁座部材7)を収容する弁部材収容部16とに分けられている。薄肉部13は、後述するコア筒体3と弁軸5が磁性筒体2に収容された状態で、コア筒体3と弁軸5との間の隙間部分を取り囲むように形成されている。薄肉部13は、コア筒体収容部14と弁部材収容部16との間の磁気抵抗を増大させ、コア筒体収容部14と弁部材収容部16間を磁気的に遮断している。
大径部11の内径は弁部材15に燃料を送る燃料通路17を構成しており、大径部11の一端部には燃料を濾過する燃料フィルタ18が設けられている。燃料通路17にはポンプ47が接続されている。このポンプ47は、ポンプ制御装置54により制御されている。
コア筒体3は中空部19を有する円筒形に形成されており、磁性筒体2のコア筒体収容部14に圧入されている。中空部19には、圧入等の手段により固定されたばね受20が収容されている。このばね受20の中心には軸方向に貫通した燃料通路43が形成されている。
弁体4の外形は略球体状に形成されており、周上に燃料噴射弁1の軸方向に対して並行に削られた燃料通路面21を有している。弁軸5は大径部22と、外形が大径部22より小径に形成された小径部23とを有している。
小径部23の先端には弁体4が溶接により一体に固定されている。なお図中の黒半円や黒三角は溶接箇所を示している。大径部22の端部にはばね挿入孔24が穿設されている。このばね挿入孔24の底部は、ばね挿入孔24よりも小径に形成されたばね座り部25が形成されるとともに、段部のばね受部26が形成されている。小径部23の端部には燃料通路孔27が形成されている。この燃料通路孔27はばね挿入孔24と連通している。小径部23の外周と燃料通路孔27とは貫通した燃料流出孔28が形成されている。
弁座部材7は、略円錐状の弁座6と、弁座6より一端側に弁体4の径とほぼ同型に形成された弁体保持孔30と、弁体保持孔30から一端開口側に向かうにつれて大径に形成された上流開口部31と、弁座6の他端側に開口する下流開口部48とが形成されている。
弁軸5および弁体4は、磁性筒体2に軸方向摺動可能に収装されている。弁軸5のばね受部26とばね受20との間にコイルバネ29が設けられ、弁軸5および弁体4を他端側に付勢している。弁座部材7は磁性筒体2に挿入され、溶接により磁性筒体2に固定されている。弁座6は、角度45°で弁体保持孔30から下流開口部48へ向かって径が小さくなるように形成され、閉弁時には弁体4が弁座6に座るようになっている。
磁性筒体2のコア筒体3の外周には電磁コイル9が挿嵌されている。すなわち、電磁コイル9はコア筒体3の外周に配置されることとなる。電磁コイル9は、樹脂材料により形成されたボビン32と、このボビン32に巻回されたコイル33とから構成されている。コイル33は、コネクタピン34を介して電磁コイル制御装置55に接続されている。
電磁コイル制御装置55は、クランク角を検出するクランク角センサからの情報に基づいて計算した燃焼室側に燃料を噴射するタイミングに応じて、電磁コイル9のコイル33に通電して燃料噴射弁1を開弁させる。
ヨーク10は中空の貫通孔を有し、一端開口側に形成された大径部35と、大径部35より小径に形成された中径部36と、中径部36より小径に形成され他端開口側に形成された小径部37から構成されている。小径部37は、弁部材収容部16の外周に嵌合されている。中径部36の内周には電磁コイル9が収装されている。大径部35の内周には連結コア38が配置されている。
連結コア38は磁性金属材料等により略C字状に形成されている。ヨーク10は、小径部37および連結コア38を介して大径部35において磁性筒体2と接続しており、すなわち電磁コイル9の両端部で磁性筒体2と磁気的に接続されていることとなる。ヨーク10の他端側先端には、燃料噴射弁1をエンジンの吸気ポートと接続するためのOリング40を保持し、かつ磁性筒体先端を保護するためのプロテクタ52が取り付けられている。
コネクタピン34を介して電磁コイル9に給電されると磁界が発生し、この磁界の磁力によって、弁体4および弁軸5をコイルばね29の付勢力に抗して開弁させる。
燃料噴射弁1の図1に示すように、大部分が樹脂カバー53により被覆されている。樹脂カバー53に被覆されている部分は、磁性筒体2の大径部11の一端部を除いた部分から小径部12の電磁コイル9設置位置まで、電磁コイル9とヨーク10の中径部36との間、連結コア38の外周と大径部35との間、大径部35の外周、中径部36の外周、およびコネクタピン34の外周である。コネクタピン34の先端部分は樹脂カバー53が開口して形成されており、コントロールユニットのコネクタが差し込まれるようになっている。
磁性筒体2の一端部外周にはOリング39が、ヨーク10の小径部37の外周にはOリング40が設けられている。
弁座部材7の他端側にはノズルプレート8が溶接されている。このノズルプレート8には、燃料にスワール(旋回流)を与える複数のスワール室41と、各スワール室41に燃料を分配する中央室42と、スワール室41においてスワールが与えられた燃料が噴射される燃料噴射孔44が形成されている。
閉弁時の弁体4からスワール室41(ノズルプレートの一端面)までの高さ方向の距離(図2のA)は、スワール室41および燃料噴射孔44の高さ方向長さ(ノズルプレートの厚さ:図2のB)のよりも短く形成されている。
[ノズルプレートの構成]
図2は燃料噴射弁1のノズルプレート8付近の拡大断面図である。図3はノズルプレート8を示す図であり、図3(a)はノズルプレート8を軸方向一端側(上流側)から見た平面図、図3(b)は図3(a)のC-C断面図である。ノズルプレート8の構成について、図2、図3を用いて説明する。
ノズルプレート8の一端側側面にはスワール室41と中央室42が形成されている。スワール室41は2つ形成されており、それぞれ連通路45とスワール付与室46とから構成されている。各連通路45はノズルプレート8の中心付近で接続し、接続部分に中央室42が形成されている。連通路45の先にはスワール付与室46が形成され、連通路45はスワール付与室46の接線方向に接続している。スワール付与室46は内側面と底部とを有する有底円形凹状に形成されているおり、底部には貫通孔である燃料噴射孔44が形成されている。
燃料噴射孔44の軸方向長さは、スワール付与室46の高さ方向の長さよりも長く形成されている。ここで燃料噴射孔44の軸方向ベクトルaを定義する。軸方向ベクトルaの方向を燃料噴射孔44の軸方向とし、向きを燃料が噴射される向きを正としている。また軸方向ベクトルaのノズルプレート8の径方向成分を径方向ベクトルbとし、ベクトルbに直交する成分を鉛直方向ベクトルcとする。
各燃料噴射孔44は、径方向ベクトルbがノズルプレート8の中心から見て径方向外側となるように形成されている。より具体的には、2つのスワール付与室46のうち一方のスワール付与室46に開口する燃料噴射孔44の径方向ベクトルb1と、他方のスワール付与室46に開口する燃料噴射孔44の径方向ベクトルb2とが成す角度が、180度となるように燃料噴射孔44の軸方向向きが形成されている。この角度180度は、360度をノズルプレート8に形成した燃料噴射孔44の数である「2」で除した角度である。
[作用]
(閉弁時の燃料の流れ)
電磁コイル9のコイル33に通電されていないときには、弁体4が弁座6に座るようにコイルバネ29により弁軸5を他端側に付勢している。そのため弁体4と弁座6との間が閉鎖され、ノズルプレート8側には燃料は供給されないようになっている。
(開弁時の燃料の流れ)
図4はスワール室41および燃料噴射孔44部分の拡大図であり、燃料噴射孔44から燃料が噴射される様子を示している。
電磁コイル9のコイル33に通電されているときには、コイルバネ29の付勢力に抗して電磁力により弁軸5が一端側に引き上げられる。そのため、弁体4と弁座6との間が解放され、燃料がノズルプレート8側に供給される。
ノズルプレート8に供給された燃料はまず中央室42に入り、中央室42の底部と衝突することで軸方向の流れから径方向の流れに変換されて各連通路45に流れ込む。連通路45はスワール付与室46の接線方向に接続しているため、連通路45を通過した燃料はスワール付与室46の内側面に沿って旋回する。
スワール付与室46において燃料に旋回力(スワール力)が付与されて、旋回力を持った燃料は燃料噴射孔44の側壁部分に沿うように旋回しながら噴射される。そのため、燃料噴射孔44から噴射された燃料は、燃料噴射孔44の接線方向に飛散する。燃料噴射孔44から噴射された直後の燃料噴霧は、燃料噴射孔44開口部のエッジ部分によって薄い液膜状態で円錐状に広がる。その後、液膜状態の燃料が分離して微粒化した液滴となる(図4)。
これにより燃料の気化を促進することができ、特に低温始動時の窒素酸化物等の発生を低減することができる。
(燃料噴霧の衝突抑制)
ノズルプレート8の径の大きさは燃料噴射弁1の全体の大きさから決められ、またノズルプレート8を弁座部材7に溶接する際に、ノズルプレート8の径方向端部を全周に渡って入熱するため、燃料噴射孔44を形成することができる範囲は限られている。さらに燃料噴射孔44から噴射された燃料は円錐状に広がる。そのため、燃料噴射孔44をノズルプレート8の軸方向と同一方向に向けて形成した場合、隣り合う燃料噴霧が干渉するおそれがあった。特に燃料噴霧が液膜状態のときに干渉すると、液滴状態となった燃料の液粒が肥大化しやすく、燃料の微粒化が抑制されるおそれがあった。
そこで実施例1の燃料噴射弁1では、燃料噴射孔44の径方向ベクトルbを、ノズルプレート9の中心から見て径方向外側に向いて形成した。
これにより、燃料噴射孔44から噴射された燃料噴霧が液膜状態のときに、隣接する燃料噴射孔44から噴射された燃料噴霧との干渉を抑制することができ、燃料の微粒化を図ることができる。
より具体的には、2つのスワール付与室46のうち一方のスワール付与室46に開口する燃料噴射孔44の径方向ベクトルb1と、他方のスワール付与室46に開口する燃料噴射孔44の径方向ベクトルb2とが成す角度を180度となるように燃料噴射孔44の軸方向向きを形成した。
図5はノズルプレート8の断面図に燃料噴霧の液膜が広がる様子を示した図であり、液膜状態の範囲をd1,d2で示している。図6はノズルプレート8を軸方向一端側(上流側)から見た平面図に液膜状態の範囲d1,d2を点線で示した図である。図6に示すように、各燃料噴射孔44から噴射された燃料の液膜は、燃料噴射孔44よりも径方向外側を中心として広がっている。そのため、液膜同士が干渉せず、燃料の微粒化を図ることができる。
言い換えると燃料噴射孔44の軸方向向きを、隣接する燃料噴射孔44から噴射される燃料噴霧が液膜状態のときに重ならないように形成した。
これにより、燃料噴射孔44から噴射された燃料噴霧が液膜状態のときに、隣接する燃料噴射孔44から噴射された燃料噴霧と干渉せず、燃料の微粒化を図ることができる。
さらに言い換えると、燃料噴射孔44の軸方向向きを、他の燃料噴射孔44から噴射される燃料噴霧が液膜状態のときに重ならないように形成した。
これにより、燃料噴射孔44から噴射された燃料噴霧が液膜状態のときに、他の燃料噴射孔44から噴射された燃料噴霧と干渉せず、燃料の微粒化を図ることができる。
(燃料噴霧の指向性向上)
上述のように、隣接する燃料噴射孔44から噴射される燃料噴霧が液膜状態のときに重ならないようするためには、燃料噴霧の指向性を高める必要がある。
そこで実施例1の燃料噴射弁1では、燃料噴射孔44の軸方向長さをスワール付与室46の高さ方向の長さよりも長く形成した。
これにより、燃料噴霧の指向性を高めることができ、液膜同士の干渉を抑制し、燃料の微粒化を図ることができる。
(デッドスボリュームの抑制)
燃料噴射弁1の閉弁時には、下流開口部48、中央室42、スワール室41、燃料噴射孔44に燃料が残留する。閉弁時に燃料が残留する体積をデッドボリュームと呼ぶ。エンジンのシリンダ内に直接燃料を噴射する高圧用の燃料噴射弁の場合は、デッドボリュームが少々大きかったとしても燃料噴射時の圧力で燃料はシリンダ内に供給され、デッドボリュームにはほとんど燃料は残留しない。しかし、実施例1のような低圧用の燃料噴射弁1では、燃料噴射時の圧力が小さいためデッドボリュームに燃料が残留することとなる。
残留燃料は、燃料噴射の精度悪化や、不完全燃焼による炭化水素の増大、低パルス制御時の開閉弁の応答性の悪化、燃料噴射初期の噴霧粒子の粗大化を引き起こす原因となっている。残留燃料を低減するにはデッドボリュームを小さくすることが必要となる。
そこで実施例1の燃料噴射弁1では、閉弁時の弁体4からスワール室41までの高さ方向の距離を、スワール室41および燃料噴射孔44の高さ方向長さのよりも短く形成した。
これにより、特に弁座部材7側のデッドボリュームを低減することができ、残留燃料を低減することができる。よって、燃料噴射の精度悪化や、不完全燃焼による炭化水素の増大、低パルス制御時の開閉弁の応答性の悪化、燃料噴射初期の噴霧粒子の粗大化を抑制することができる。
[効果]
実施例1の燃料噴射弁1の効果について以下に列記する。
(1)摺動可能に設けられた弁体4と、閉弁時に弁体4が座る弁座6が一端側に形成された弁座部材7と、弁座部材7の他端側に形成され、燃料にスワールを付与する複数のスワール付与室46と、各スワール付与室46に連通してスワールが付与された燃料を噴射する燃料噴射孔44を形成したノズルプレート8と、を設け、燃料噴射孔44の軸方向ベクトルの方向を燃料噴射孔44の軸方向とし、燃料が噴射される向きを正としたときに、燃料噴射孔44の軸方向ベクトルのノズルプレート9の径方向成分を、ノズルプレート9の中心から見て径方向外側に向いて形成した。
よって、燃料噴射孔44から噴射された燃料噴霧が液膜状態のときに、隣接する燃料噴射孔44から噴射された燃料噴霧との干渉を抑制することができ、燃料の微粒化を図ることができる。
(2)燃料噴射孔44の軸方向ベクトルの方向を燃料噴射孔44の軸方向とし、隣り合う燃料噴射孔44の軸方向ベクトルのノズルプレート8の径方向成分がなす角度が、360度を前記燃料噴射孔の数で除した角度となるように形成した。
よって、燃料噴射孔44よりも径方向外側を中心として広がり、燃料噴射孔44から噴射された燃料噴霧が液膜状態のときに、隣接する燃料噴射孔44から噴射された燃料噴霧と干渉せず、燃料の微粒化を図ることができる。
(3)燃料噴射孔44の軸方向長さを、スワール付与室の高さ方向の長さよりも長く形成した。
よって、燃料噴霧の指向性を高めることができ、液膜同士の干渉を抑制し、燃料の微粒化を図ることができる。
(4)燃料噴射弁1は、エンジン(内燃機関)のインテークマニホールド(吸気管)に向けて燃料を噴射する弁であって、閉弁時の弁体4からスワール付与室46までの高さ方向の距離を、スワール付与室46および燃料噴射孔44の高さ方向長さのよりも短く形成した。
よって、デッドボリュームを低減することができ、残留燃料を低減することができる。したがって、燃料噴射の精度悪化や、不完全燃焼による炭化水素の増大、低パルス制御時の開閉弁の応答性の悪化、燃料噴射初期の噴霧粒子の粗大化を抑制することができる。
(5)摺動可能に設けられた弁体4と、閉弁時に弁体4が座る弁座6が一端側に形成された弁座部材7と、弁座部材7の他端側に形成され、燃料にスワールを付与する複数のスワール付与室46と、各スワール付与室46に連通してスワールが付与された燃料を噴射する燃料噴射孔44の軸方向向きを、該燃料噴射孔44から噴射される燃料噴霧が液膜状態のときに、隣接する燃料噴射孔44から噴射される燃料噴霧と重ならないように形成したノズルプレート8とを設けた。
よって、燃料噴射孔44から噴射された燃料噴霧が液膜状態のときに、隣接する燃料噴射孔44から噴射された燃料噴霧と干渉せず、燃料の微粒化を図ることができる。
(6)燃料噴射孔44の軸方向向きを、該燃料噴射孔44から噴射される燃料噴霧が液膜状態のときに、他の燃料噴射孔44から噴射される燃料噴霧と重ならないように形成した。
よって、燃料噴射孔44から噴射された燃料噴霧が液膜状態のときに、他の燃料噴射孔44から噴射された燃料噴霧と干渉せず、燃料の微粒化を図ることができる。
〔他の実施例〕
以上、本願発明を実施例1に基づいて説明してきたが、各発明の具体的な構成は実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
実施例1の燃料噴射弁1ではスワール室41を2つ形成したが、スワール室41の個数は燃料噴射量の設計に応じて適宜変更しても良い。
たとえばスワール室41を3つ形成したときと、4つ形成したときについて以下に説明する。
図7はスワール室41を3つ形成したときのノズルプレート8を示す図であり、図7(a)はノズルプレート8を軸方向一端側(上流側)から見た平面図、図7(b)は図7(a)のD-D断面図である。
3つのスワール付与室46のうち1つのスワール付与室46に開口する燃料噴射孔44の径方向ベクトルb3と、隣接するスワール付与室46に開口する燃料噴射孔44の径方向ベクトルb4,b5とが成す角度が、120度となるように燃料噴射孔44の軸方向向きが形成されている。この角度120度は、360度をノズルプレート8に形成した燃料噴射孔44の数である「3」で除した角度である。
図8はノズルプレート8を軸方向一端側(上流側)から見た平面図に、液膜状態の範囲d3,d4,d5を点線で示した図である。図8に示すように、各燃料噴射孔44から噴射された燃料の液膜は、燃料噴射孔44よりも径方向外側を中心として広がっている。そのため、液膜同士が干渉せず、燃料の微粒化を図ることができる。
図9はスワール室41を4つ形成したときのノズルプレート8を示す図であり、図9(a)はノズルプレート8を軸方向一端側(上流側)から見た平面図、図9(b)は図9(a)のE-E断面図である。
4つのスワール付与室46のうち1つのスワール付与室46に開口する燃料噴射孔44の径方向ベクトルb6と、隣接するスワール付与室46に開口する燃料噴射孔44の径方向ベクトルb7,b9とが成す角度が、90度となるように燃料噴射孔44の軸方向向きが形成されている。また、4つのスワール付与室46のうち1つのスワール付与室46に開口する燃料噴射孔44の径方向ベクトルb8と、隣接するスワール付与室46に開口する燃料噴射孔44の径方向ベクトルb7,b9とが成す角度が、90度となるように燃料噴射孔44の軸方向向きが形成されている。この角度90度は、360度をノズルプレート8に形成した燃料噴射孔44の数である「4」で除した角度である。
図10はノズルプレート8を軸方向一端側(上流側)から見た平面図に、液膜状態の範囲d6,d7,d8.d9を点線で示した図である。図10に示すように、各燃料噴射孔44から噴射された燃料の液膜は、燃料噴射孔44よりも径方向外側を中心として広がっている。そのため、液膜同士が干渉せず、燃料の微粒化を図ることができる。
また実施例1の燃料噴射弁1では、隣り合う燃料噴射孔44の径方向ベクトルbが成す角度が、360度を燃料噴射孔44の数で除した角度となるように形成した。しかし、この角度に関わらず、燃料噴射孔44の軸方向は、該燃料噴射孔44から噴射される燃料噴霧が液膜状態のときに、他の燃料噴射孔44から噴射される燃料噴霧と重ならないように形成すれば良い。
図11〜図13は、隣り合う燃料噴射孔44の径方向ベクトルbが成す角度を、360度を燃料噴射孔44の数で除した角度の他の角度となる場合の例を示す図である。図11はスワール室41を4つ形成したときのノズルプレート8を示す図であり、図12はスワール室41を4つ形成したときのノズルプレート8を示す図であり、図13はスワール室41を4つ形成したときのノズルプレート8を示す図である。図11〜図13に示すように、ノズルプレート8の中心から各燃料噴射孔44を見たときに、径方向ベクトルbの向きが径方向外側に向かって180度の範囲にあれば良い。
1 燃料噴射弁
4 弁体
6 弁座
7 弁座部材
8 ノズルプレート
44 燃料噴射孔
46 スワール付与室

Claims (6)

  1. 摺動可能に設けられた弁体と、
    閉弁時に前記弁体が座る弁座が一端側に形成された弁座部材と、
    前記弁座部材の他端側に形成され、燃料にスワールを付与する複数のスワール付与室と、
    各スワール付与室に連通して前記スワールが付与された燃料を噴射する燃料噴射孔を形成したノズルプレートと、
    を設け、
    前記燃料噴射孔の軸方向ベクトルの方向を前記燃料噴射孔の軸方向とし、燃料が噴射される向きを正としたときに、
    燃料噴射孔の前記軸方向ベクトルの前記ノズルプレートの径方向成分を、前記ノズルプレートの中心から見て径方向外側に向いて形成したことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    隣り合う燃料噴射孔の前記軸方向ベクトルの前記ノズルプレートの径方向成分同士がなす角度が、360度を前記燃料噴射孔の数で除した角度となるように形成したことを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料噴射弁において、
    前記燃料噴射孔の軸方向長さを、前記スワール付与室の高さ方向の長さよりも長く形成したことを特徴とする燃料噴射弁。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の燃料噴射弁において、
    前記燃料噴射弁は、内燃機関の吸気管に向けて燃料を噴射する弁であって、
    閉弁時の前記弁体から前記スワール付与室までの高さ方向の距離を、前記スワール付与室および前記燃料噴射孔の高さ方向長さのよりも短く形成したことを特徴とする燃料噴射弁。
  5. 摺動可能に設けられた弁体と、
    閉弁時に前記弁体が座る弁座が一端側に形成された弁座部材と、
    前記弁座部材の他端側に形成され、燃料にスワールを付与する複数のスワール付与室と、
    各スワール付与室に連通して前記スワールが付与された燃料を噴射する燃料噴射孔の軸方向向きを、該燃料噴射孔から噴射される燃料噴霧が液膜状態のときに、隣接する前記燃料噴射孔から噴射される燃料噴霧と重ならないように形成したノズルプレートと、
    を設けた燃料噴射弁。
  6. 請求項5に記載の燃料噴射弁において、
    前記燃料噴射孔の軸方向向きを、該燃料噴射孔から噴射される燃料噴霧が液膜状態のときに、他の前記燃料噴射孔から噴射される燃料噴霧と重ならないように形成したことを特徴とする燃料噴射弁。
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