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JP2012210747A - スクライビングホイールおよびスクライブ装置 - Google Patents

スクライビングホイールおよびスクライブ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】脆性材料基板に良好なスクライブラインを形成することができるスクライビングホイール、および、このスクライビングホイールを有するスクライブ装置を提供する。
【解決手段】多結晶体ダイヤモンド製のスクライビングホイール50は、2つの円錐台の下底面(ただし、下底面は上底面より面積が大きい)が互いに対向するように配置されたものであり、略円盤形状(算盤珠形状)を有している。また、スクライビングホイール50の成形に用いられる多結晶体ダイヤモンドは、微細な結晶粒組織、または非晶質を有するグラファイト型炭素物質を出発物質として、超高圧高温下で直接的にダイヤモンドに変換燒結されたものである。また、多結晶体ダイヤモンドは、実質的にダイヤモンドのみからなるものであり、多結晶体ダイヤモンドには、意図的に他の物質が添加されていない。
【選択図】図7

Description

本発明は、スクライビングホイール、およびこのスクライビングホイールを有するスクライブ装置に関する。
従来より、脆性材料基板(例えば、ガラス基板等)上にスクライブラインを形成するために使用されるツールとして、燒結ダイヤモンド製のスクライビングホイール(カッタホイール)が、知られている。
特開2009−166169号公報
ここで、焼結ダイヤモンド(Polycrystalline diamond:PCD)は、ダイヤモンドが熱力学的に安定となる超高圧高温下において、ダイヤモンド粒子、金属結合材、および添加剤の混合物が焼結されることにより生成される。そのため、燒結ダイヤモンドは、単結晶ダイヤモンドと比較して、劈開の問題がなく、機械的特性の異方性を有さず、かつ、優れた靭性を有している。
しかしながら、高温下における燒結ダイヤモンドの機械的特性は、粒界に含まれる金属結合材に起因して低下する。例えば、スクライブラインの形成のために、スクライビングホイールの刃先が脆性材料基板と当接すると、スクライビングホイールの刃先の温度が上昇する。その結果、燒結ダイヤモンドの粒界結合強度が低下し、耐摩耗性等の機械的特性が低下するという問題が生ずる。
そこで、本発明では、脆性材料基板に良好なスクライブラインを形成することができるスクライビングホイール、および、このスクライビングホイールを有するスクライブ装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、多結晶体ダイヤモンド製のスクライビングホイールであって、円盤状の本体部と、前記本体部の外周に設けられた円環状の刃と、前記刃の最外周部に沿って設けられた刃先とを備え、前記刃の厚さは、前記本体部の中心から前記刃先に向かって小さくなり、前記多結晶体ダイヤモンドは、微細な結晶粒組織、または非晶質を有するグラファイト型炭素物質を出発物質として、超高圧高温下で直接的にダイヤモンドに変換燒結されたものであり、実質的にダイヤモンドのみからなるものであることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のスクライビングホイールにおいて、前記刃先は、前記最外周部に沿って設けられた複数の突起部、を有していることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のスクライビングホイールを、脆性材料基板に対し、圧接転動させることによって、前記脆性材料基板上にスクライブラインを形成するスクライブユニットと、前記脆性材料基板を保持しつつ、保持された前記脆性材料基板をスクライブユニットに対して相対的に移動させる保持ユニットとを備えることを特徴とする。
請求項1から請求項3に記載の発明によれば、スクライビングホイールを構成する多結晶体ダイヤモンドは、微細な結晶粒組織または非晶質、を有するグラファイト型炭素物質を出発物質として、超高圧高温下で直接的にダイヤモンドに変換燒結される。また、多結晶体ダイヤモンドは、実質的にダイヤモンドのみからなる。
これにより、この多結晶体ダイヤモンド製のスクライビングホイールは、常温における硬度を向上できるだけでなく、高温下における機械的特性をも向上できる。そのため、スクライビングホイールのさらなる長寿命化を実現することができる。
特に、請求項2に記載の発明によれば、スクライビングホイールは、多結晶体ダイヤモンドにより成形されており、常温におけるスクライビングホイールの硬度、および高温下におけるスクライビングホイールの機械的特性が向上する。そのため、刃先の最外周部に複数の突起部が設けられている場合でも、各突起部の欠損を抑制し、スクライビングホイールのさらなる長寿命化を実現することができる。
本発明の実施の形態におけるスクライブ装置の全体構成の一例を示す正面図である。 本発明の実施の形態におけるスクライブ装置の全体構成の一例を示す側面図である。 スクライビングホイール付近の構成の一例を示す正面図である。 スクライビングホイール付近の構成の一例を示す下面図である。 キャスター効果を説明するための下面図である。 スクライビングホイールの構成の一例を示す側面図である。 スクライビングホイールの構成の一例を示す正面図である。 図6のA部分の拡大図である。 スクライビングホイールの刃先に形成された溝形状の他の例を示す図である。 スクライビングホイールの刃先に形成された溝形状の他の例を示す図である。 スクライビングホイールの刃先に形成された溝形状の他の例を示す図である。
<1.スクライブ装置の構成>
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1および図2は、それぞれスクライブ装置1の全体構成の一例を示す正面図および側面図である。図3および図4は、スクライビングホイール50付近の構成の一例を示す正面図および下面図である。図5は、キャスター効果を説明するための下面図である。
スクライブ装置1は、例えばガラス基板またはセラミックス基板等のように、脆性材料で形成された基板(以下、単に、「脆性材料基板」とも呼ぶ)4の表面に、スクライブライン(切りすじ:縦割れ)を入れる装置である。
図1および図2に示すように、スクライブ装置1は、主として、保持ユニット10と、スクライブユニット20と、撮像部ユニット60と、制御ユニット90と、を備えている。なお、図1および以降の各図には、それらの方向関係を明確にすべく必要に応じて適宜、Z軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系が付されている。
ここで、図3に示すように、スクライブ装置1により脆性材料基板4の表面にスクライブラインSLが形成されると、脆性材料基板4には、垂直方向(Z軸方向)に延びる垂直クラックKが発生する(スクライブ工程)。
そして、この垂直クラックKが発生した脆性材料基板4に対して応力が付与されること(ブレーク工程)によって、スクライブラインSLが形成された脆性材料基板4の主面から、その逆側の主面まで垂直クラックKを伸展させ、脆性材料基板4を切断する手法を、「割断」と呼ぶ。
一方、スクライブ工程のみによって(すなわち、ブレーク工程を実行することなく)、垂直クラックKを脆性材料基板4のスクライブラインSLの主面から逆側の主面まで伸展させ、脆性材料基板4を切断する手法を、「分断」と呼ぶ。
これら、割断および分断は、切りくずがでない点で、ダイヤモンドカッティングソー(若しくはホイール)、またはダイヤモンドダイシングソーを用いた研削切断よりも好ましい切断手法である。
また、本実施の形態のスクライブ方法により割断または分断可能な脆性材料基板4の材質の例としては、ガラス、セラミック、シリコン、またはサファイア等が挙げられる。特に近年、通信機器関連の高周波モジュールに用いる基板として、HTCC(High Temperature Co-fired Ceramics)から、比較的加工のしやすいLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)への移行が加速している。そのため、本実施の形態のスクライブ方法は、益々有効に用いられることになる。
保持ユニット10は、脆性材料基板4を保持するとともに、保持された脆性材料基板4をスクライブユニット20に対して相対的に移動させる。図1に示すように、保持ユニット10は、基部10a上に設けられており、主として、テーブル11と、ボールねじ機構12と、モータ13と、を有している。
ここで、基部10aは、例えば略直方体状の石定盤により形成されており、その上面(保持ユニット10と対向する面)は、平坦加工されている。これにより、基部10aの熱膨張を低減でき、保持ユニット10に保持された脆性材料基板4を良好に移動させることができる。
テーブル11は、載置された脆性材料基板4を吸着保持する。また、テーブル11は、保持された脆性材料基板4を、矢印AR1方向(X軸プラスまたはマイナス方向:以下、単に、「進退方向」とも呼ぶ)に進退させるとともに、矢印R1方向に回転させる。図1および図2に示すように、テーブル11は、主として、吸着部11aと、回転台11bと、移動台11cと、を有している。
吸着部11aは、回転台11bの上側に設けられている。図1および図2に示すように、吸着部11aの上面には、脆性材料基板4が載置可能とされている。また、吸着部11aの上面には、複数の吸着溝(図示省略)が格子状に配置されている。したがって、脆性材料基板4が載置された状態で、各吸着溝内の雰囲気が排気(吸引)されることによって、脆性材料基板4は、吸着部11aに対して吸着される。
回転台11bは、吸着部11aの下側に設けられており、Z軸と略平行な回転軸11dを中心に吸着部11aを回転させる。また、移動台11cは、回転台11bの下側に設けられており、進退方向に沿って、吸着部11aおよび回転台11bを移動させる。
したがって、テーブル11に吸着保持された脆性材料基板4は、矢印AR1方向に進退させられるとともに、吸着部11aの進退動作にともなって移動する回転軸11dを中心に回転させられる。
ボールねじ機構12は、テーブル11の下側に配置されており、テーブル11を矢印AR1方向に進退させる。図1および図2に示すように、ボールねじ機構12は、主として、送りネジ12aと、ナット12bと、を有している。
送りネジ12aは、テーブル11の進退方向に沿って延びる棒体である。送りネジ12aの外周面には、螺旋状の溝(図示省略)が設けられている。また、送りネジ12aの一端は支持部14aにより、送りネジ12aの他端は支持部14bにより、それぞれ回転可能に支持されている。さらに、送りネジ12aは、モータ13と連動連結されており、モータ13が回転すると、その回転方向に送りネジ12aが回転する。
ナット12bは、送りネジ12aの回転にしたがい、不図示のボールの転がり運動によって、矢印AR1方向に進退する。図1および図2に示すように、ナット12bは、移動台11cの下部に固定されている。
したがって、モータ13が駆動させられ、モータ13の回転力が送りネジ12aに伝達されると、ナット12bは、矢印AR1方向に進退する。その結果、ナット12bが固定されているテーブル11は、ナット12bと同様に矢印AR1方向に進退する。
一対のガイドレール15、16は、進行方向におけるテーブル11の移動を規制する。図2に示すように、一対のガイドレール15、16は、基部10a上において、矢印AR2方向に所定距離だけ隔てて固定されている。
複数(本実施の形態では2つ)の摺動部17(17a、17b)は、ガイドレール15に沿って矢印AR1方向に摺動自在とされている。図1および図2に示すように、各摺動部17(17a、17b)は、移動台11cの下部において、矢印AR1方向に所定距離だけ隔てて固定されている。
複数(本実施の形態では2つ:ただし、図示の都合上、摺動部18aのみ記載)の摺動部18は、ガイドレール16に沿って矢印AR1方向に摺動自在とされている。図1および図2に示すように、各摺動部18は、摺動部17(17a、17b)と同様に、移動台11cの下部において、矢印AR1方向に所定距離だけ隔てて固定されている。
このように、モータ13の回転力がボールねじ機構12に付与されると、テーブル11は、一対のガイドレール15、16に沿って移動する。そのため、進退方向におけるテーブル11の直進性を確保することができる。
スクライブユニット20は、保持ユニット10に保持された脆性材料基板4に対し、多結晶体ダイヤモンド製のスクライビングホイール50(図3参照)を圧接転動させることによって、脆性材料基板4の表面にスクライブラインSLを形成する。図1および図2に示すように、スクライブユニット20は、主として、ヘッド部30と、駆動部40と、を有している。
ヘッド部30は、不図示の昇降・加圧機構によって、保持されたスクライビングホイール50から脆性材料基板4の表面に対し、押圧力(以下、単に、「スクライブ荷重」とも呼ぶ)を付与する。図3に示すように、ヘッド部30は、ホルダ35を有している。また、ホルダ35は、スクライビングホイール50を回転自在に保持する要素である。図3に示すように、ホルダ35は、主として、ピン36と、支持枠体37と、旋回部38と、を有している。
ピン36は、スクライビングホイール50を貫通する貫通孔50aに、挿入された状態で固定された棒体である。ここで、貫通孔50aは、図3および図4に示すように、X軸と略平行な回転軸50bに沿って延びている。
支持枠体37は、図3に示すように、貫通孔50aの両開口(両端)を覆うように配置された構造物である。貫通孔50aの両端から突出するピン36は、支持枠体37に対して、回転可能に設置されている。したがって、ピン36に固定されたスクライビングホイール50は、支持枠体37に対して回転自在とされている。
旋回部38は、図3に示すように、支持枠体37の上部に設けられており、Z軸と略平行な回転軸38aを中心に支持枠体37を回転させる。図4に示すように、下面から見た旋回部38の回転軸38aの位置と、脆性材料基板4における保持ユニット10の設置位置50cとは、ズレている。
これにより、スクライビングホイール50の進行方向が、図5に示すように、矢印AR3(2点鎖線)方向から矢印AR4(実線)方向に変化すると、キャスター効果によりスクライビングホイール50には、回転軸38a周りのトルクが働く。そのため、スクライビングホイール50は矢印R2方向に回動し、スクライビングホイール50の位置は2点鎖線位置から実線位置に変化する。
このように、スクライビングホイール50の進行方向が変化して、スクライビングホイール50の姿勢が進行方向に対して角度θ1だけズレた場合であっても、スクライビングホイール50に矢印R2方向のトルクが働く。その結果、スクライビングホイール50の姿勢と、スクライビングホイール50の進行方向が略平行となるように、スクライビングホイール50が旋回する。
駆動部40は、スクライビングホイール50が設けられたヘッド部30を、矢印AR2方向(Y軸プラスまたはマイナス方向:以下、単に、「往復方向」とも呼ぶ)に往復させる。図2に示すように、駆動部40は、主として、支柱41と、レール42と、モータ43と、を有している。図2には、駆動手段としてボールねじを使用した例を示したが、他の手段、例えば、リニアモータ(リニアレール)等を使用することもできる。
複数(本実施の形態では2本)の支柱41(41a、41b)は、基部10aから上下方向(Z軸方向)に延びる。図2に示すように、各ガイドレール42は、支柱41a、41bの間に挟まれた状態で、これら支柱41a、41bに対して固定される。
複数(本実施の形態では2本)のガイドレール42は、往復方向におけるヘッド部30の移動を規制する。図2に示すように、複数のガイドレール42は、上下方向に所定距離だけ隔てて固定されている。
モータ43は、不図示の送り機構(例えば、ボールねじ機構)と連動連結されている。これにより、モータ43が回転すると、ヘッド部30は、複数のガイドレール42に沿って矢印AR2方向に往復する。
スクライビングホイール50は、脆性材料基板4上に圧接転動させられることによって、脆性材料基板4上にスクライブラインSL(図3参照)を形成する。なお、スクライビングホイール50の詳細な構成については、後述する。
撮像部ユニット60は、保持ユニット10に保持された脆性材料基板4を撮像する。図2に示すように、撮像部ユニット60は、複数のカメラ65(65a、65b)を有している。
複数(本実施の形態では2台)のカメラ65(65a、65b)は、図1および図2に示すように、保持ユニット10の上方に配置されている。各カメラ65(65a、65b)は、脆性材料基板4上に形成された特徴的な部分(例えば、アライメントマーク(図示省略))の画像を撮像する。そして、各カメラ65(65a、65b)により撮像された画像に基づいて、脆性材料基板4の位置および姿勢が求められる。
ここで、脆性材料基板4の「位置」とは、絶対座標系における脆性材料基板4上の任意の位置を言うものとする。また、脆性材料基板4の「姿勢」とは、ヘッド部30の往復方向に対する脆性材料基板4の基準線(例えば、脆性材料基板4が角形の場合、4辺のうちの1辺)の傾きを言うものとする。
さらに、本実施の形態において、角形の脆性材料基板4が使用されており、脆性材料基板4の4つのコーナーのうち、隣接する2つのコーナーにはアライメントマークが形成されている。また、各アライメントマークは、対応するカメラ65a、65bで撮像され、これら撮像された画像に基づいて、絶対座標系における各アライメントマークの位置が求められる。そして、これらアライメントマークの位置に基づいて、脆性材料基板4の位置および姿勢が演算される。
制御ユニット90は、スクライブ装置1の各要素の動作制御、およびデータ演算を実現する。図1および図2に示すように、制御ユニット90は、主として、ROM91と、RAM92と、CPU93と、を有している。
ROM(Read Only Memory)91は、いわゆる不揮発性の記憶部であり、例えば、プログラム91aが格納されている。なお、ROM91としては、読み書き自在の不揮発性メモリであるフラッシュメモリが使用されてもよい。RAM(Random Access Memory)92は、揮発性の記憶部であり、例えば、CPU93の演算で使用されるデータが格納される。
CPU(Central Processing Unit)93は、ROM91のプログラム91aに従った制御(保持ユニット10の進退・回転動作、および駆動部40によるヘッド部30の往復動作等の制御)、並びに脆性材料基板4の位置および姿勢演算等のデータ処理を実行する。
例えば、CPU93は、
(1)脆性材料基板4の位置および姿勢を演算するとともに、
(2)この位置および姿勢の演算結果に基づいて、回転台11bを回転動作させ、かつ、移動台11cを進退動作させることによって、ヘッド部30に対する脆性材料基板4のアライメント処理を実行させる。
<2.スクライビングホイールの構成>
図6および図7は、スクライビングホイール50の構成の一例を示す側面図および正面図である。本実施の形態において、スクライビングホイール50は、多結晶体ダイヤモンドにより成形されたものである。
図3ないし図7に示すように、スクライビングホイール50は、2つの円錐台の下底面(ただし、下底面は上底面より面積が大きい)が互いに対向するように配置されたものであり、略円盤形状(算盤珠形状)を有している。図6ないし図8に示すように、スクライビングホイール50は、主として、本体部51と、刃52と、刃先52aと、を有している。
本体部51は、図6および図7に示すように、円盤状とされており、本体部51の中心付近には、回転軸50bに沿って本体部51を貫通する貫通孔50aが設けられている。また、本体部51の外周には、円環状の本体部51が設けられている。
刃52は、図6に示すように、回転軸50bを中心とした同心円状の内周および外周により形成される円環状体である。図7に示すように、刃52は、正面視V字状とされている。回転軸50bに沿った刃52の厚さTb(図7参照)は、回転軸50b側から刃先52aに向かうに従って、徐々に小さくなる。
刃先52aは、刃52の最外周部(すなわち、刃52のうち、回転軸50bからの距離が最大となり、刃52の厚さTbが最小となる部分)に沿って設けられている。図6に示すように、刃先52aの各部分には、意図して形成された凹凸がなく、刃先52aの各部分と回転軸50bとの距離は、同一となる。
そして、刃先52aが当接した状態で、スクライビングホイール50が脆性材料基板4上を回転することによって、刃先52aの軌跡に応じたスクライブラインSLが、脆性材料基板4上に形成される。
<2.1.スクライビングホイールの寸法>
ここで、スクライビングホイール50の外径Dm(図7参照)は、通常、1〜10(mm)、好ましくは、1〜5(mm)(さらに好ましくは、1〜3(mm))の範囲である。スクライビングホイール50の外径Dmが1mmより小さい場合には、スクライビングホイール50の取り扱い性および耐久性が低下する。一方、スクライビングホイール50の外径Dmが5mmより大きい場合には、スクライブ時の垂直クラックKが脆性材料基板4に対して深く形成されないことがある。
また、スクライビングホイール50の厚さTh(図7参照)は、好ましくは、0.5〜1.2(mm)(さらに好ましくは、0.5〜1.1(mm))の範囲である。スクライビングホイール50の厚さThが0.5mmより小さい場合には、加工性および取り扱い性が低下することがある。一方、スクライビングホイール50の厚さThが12mmより大きい場合には、スクライビングホイール50の材料および製造のためのコストが高くなる。
また、刃52の刃先角θ2(図7参照)は、通常鈍角であり、好ましくは、90<θ2≦160(deg)(さらに好ましくは、100≦θ2≦140(deg))の範囲である。なお、刃先角θ2の具体的角度は、切断する脆性材料基板4の材質、および/または、厚さ等から適宜設定される。
<2.2.スクライビングホイールに含まれる材料>
スクライビングホイール50の成形に用いられる多結晶体ダイヤモンドは、微細な結晶粒組織、または非晶質を有するグラファイト型炭素物質を出発物質として、超高圧高温下で直接的にダイヤモンドに変換燒結されたものである。また、多結晶体ダイヤモンドは、実質的にダイヤモンドのみからなるものであり、多結晶体ダイヤモンドには、意図的に他の物質が添加されていない。
微細な結晶粒組織を有するグラファイト型炭素物質としては、例えば、平均粒子径0.5〜1(μm)のダイヤモンド粒子が、挙げられる。また、非晶質を有するグラファイト型炭素物質としては、アモルファスカーボン(amorphous Carbon:a−G)、カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube:CNT)、またはフラーレンC60が、挙げられる。
ここで、スクライビングホイール50の成形に使用可能な種々のダイヤモンド(例えば、単結晶ダイヤモンド、燒結ダイヤモンド、および多結晶体ダイヤモンド)を、比較検討する。
まず、多結晶体ダイヤモンドと、単結晶ダイヤモンドと、を比較検討する。単結晶ダイヤモンドは、劈開性および結晶異方性を有しており、特定の面方位において最高硬度となることが知られている。
これに対して、多結晶体ダイヤモンドは、単結晶ダイヤモンドと比較して、劈開の問題がなく、機械的特性の異方性を有さず、かつ、優れた靭性を有している。また、多結晶体ダイヤモンドの硬度は、室温において、特定の面方位に依存する単結晶ダイヤモンドの最高硬度と、同等となる。そのため、各面方位における多結晶体ダイヤモンドの硬度は、略同一となり、単結晶ダイヤモンドの最高硬度と同等である。
また、単結晶ダイヤモンドは、高温下において、特有の(111)<110>方向ですべり変形を誘起することが知られている。その結果、単結晶ダイヤモンドは、加熱により硬度が低下するという問題を有している。
これに対して、多結晶体ダイヤモンドは、粒界結合強度が高く、粒界における亀裂伝播の抑止効果および塑性変形の抑止効果を有している。そのため、多結晶体ダイヤモンドは、単結晶ダイヤモンドと比較して、高温下において優れた硬度特性を有している。
次に、多結晶体ダイヤモンドと、燒結ダイヤモンドと、を比較検討する。燒結ダイヤモンドは、ダイヤモンド粒子、金属結合材、および添加剤の混合物が焼結されることによって生成される。そのため、燒結ダイヤモンドは、多結晶体ダイヤモンドと同様に、単結晶ダイヤモンドと比較して、劈開の問題がなく、機械的特性の異方性を有さず、かつ、優れた靭性を有している。
しかしながら、燒結ダイヤモンドは、粒界に含まれる結合材に起因して、高温下における機械的特性が低下するという問題を、有している。
例えば、燒結ダイヤモンドにおいて、隣接するダイヤモンド粒子は、金属結合材の触媒作用によって結合している。すなわち、燒結ダイヤモンドは、実質的に、この結合により形成されたダイヤモンドの構造体と、金属結合材と、を有する複合材料である。そのため、場合によっては、ダイヤモンドの構造体の熱膨張率と、金属結合材の熱膨張率と、の差に起因して、ダイヤモンドの構造体に微小クラックが発生する。その結果、燒結ダイヤモンドが熱履歴を受けると、場合によっては、燒結ダイヤモンドの硬度が低下する。
これに対して、多結晶体ダイヤモンドは、燒結助剤および金属結合材を含まず、ダイヤモンド単相の多結晶体である。多結晶体ダイヤモンドは、数十nmの緻密なダイヤモンド粒子が互いに強固に直接接合した構造を有している。すなわち、多結晶体ダイヤモンドは、粒界に介在物を実質的に有さず、介在物に起因して微小クラックが発生するという問題を、有しない。そのため、多結晶体ダイヤモンドは、燒結ダイヤモンドとは異なり、熱履歴により硬度が低下するという問題を低減できる。
このように、多結晶体ダイヤモンドは、単結晶ダイヤモンドの長所と、燒結ダイヤモンドの長所と、に加えて耐熱性を有している。これにより、多結晶体ダイヤモンドにより形成されたスクライビングホイール50は、常温における硬度を向上できるだけでなく、高温下における機械的特性をも向上できる。そのため、スクライビングホイール50のさらなる長寿命化が、実現できる。
<3.スクライビングホイールの成形手法>
ここでは、多結晶体ダイヤモンドからスクライビングホイール50を成形する手法について説明する。まず、本成形手法では、まず、好適厚さ(0.5〜1.2(mm))とされた多結晶体ダイヤモンドから、所望の半径となる円盤が切り取られる。
次に、回転軸50bに沿った刃52の厚さTbが回転軸50b側から刃先52aに向かうに従って徐々に小さくなるように、円盤の周縁部が削られる。これにより、円盤の周縁部に、正面視V字状の刃52が形成される。
<4.スクライブ方法>
ここでは、スクライビングホイール50により、脆性材料基板4上にスクライブラインSLを形成する手法について説明する。
本手法において、ヘッド部30のスクライビングホイール50は、不図示の昇降・加圧機構により脆性材料基板4に対して圧接される。また、保持ユニット10のモータ13、および/または、駆動部40のモータ43が、駆動させられ、ヘッド部30が、保持ユニット10に保持された脆性材料基板4に対して水平面内で相対的に移動させられる。そのため、脆性材料基板4上には、スクライビングホイール50により所望のスクライブラインSLが形成され、垂直クラックKが発生する。
ここで、スクライブ荷重は、好ましくは、5〜50(N)(さらに好ましくは、15〜30(N))の範囲である。また、脆性材料基板4に対するスクライビングホイール50の移動速度(以下、単に、「スクライブ速度」とも呼ぶ)は、通常、50〜1200(mm/sec)、好ましくは、50〜300(mm/sec)の範囲である。なお、スクライブ荷重およびスクライブ速度の具体的な値は、脆性材料基板4の材質、および/または、厚さ等から適宜設定される。
また、脆性材料基板4上には、ヘッド部30の相対移動に応じて、以下のようなスクライブラインSLが形成される。
例えば、モータ43が停止させられた状態で、モータ13が駆動させられると、ヘッド部30が停止させられた状態で、保持ユニット10が進退方向(図1の矢印AR1方向)に移動させられる。すなわち、ヘッド部30は、保持ユニット10に保持された脆性材料基板4に対して進退方向に相対移動する。そのため、脆性材料基板4の上面には、この進退方向に沿ったスクライブラインSL(図3参照)が形成される。
一方、モータ13が停止させられた状態で、モータ43が駆動させられると、保持ユニット10が停止させられた状態で、ヘッド部30が往復方向(図2の矢印AR2方向)に移動させられる。すなわち、ヘッド部30は、保持ユニット10に保持された脆性材料基板4に対して往復方向に相対移動する。そのため、脆性材料基板4の上面には、この往復方向に沿ったスクライブラインSL(図3参照)が形成される。
また、各モータ13、43の動作状態が、(1)モータ43が停止させられ、モータ13が駆動させられた状態から、(2)モータ13が停止させられ、モータ43が駆動させられた状態に変化すると、ヘッド部30の移動方向が、キャスター効果によって脆性材料基板4と平行な進退方向(第1水平方向)から往復方向(第2水平方向)に変化する。すなわち、スクライビングホイール50が脆性材料基板4と当接したまま、スクライビングホイール50の刃先52aの向きが90度変更させられる。そのため、脆性材料基板4の上面には、略L字状のスクライブラインSL(図3参照)が形成される。
さらに、モータ13、43が同時に回転する場合、ヘッド部30の進行方向は、進退方向(矢印AR1方向)および往復方向(矢印AR2方向)に対して傾いた状態となる。そのため、脆性材料基板4の上面には、進退方向および往復方向に対して傾いた状態のスクライブラインSL(図3参照)が形成される。さらに、モータ13、43の回転数が変化させられる場合、曲線状のスクライブラインSL(図3参照)が形成される。
ここで、本実施の形態において、略L字状のスクライブラインが形成されるように脆性材料基板4に垂直クラックK(図3参照)を発生させることを、「L字スクライブ」とも呼ぶ。
なお、割断の場合には、ブレーク装置(図示省略)によって、脆性材料基板4の主面のうち、(1)スクライブラインSLが形成された主面(以下、単に、「形成面」とも呼ぶ)と、(2)形成面と逆側の主面と、に対し、応力が付与される。そのため、スクライブ工程において脆性材料基板4に発生した垂直クラックKは、形成面と逆側の面まで伸展し、脆性材料基板4が切断される(ブレーク工程)。
また、分断の場合には、スクライブ工程によって、深い垂直クラックKが形成される。そのため、ブレーク装置(図示省略)は必要とされず、スクライブ工程のみで脆性材料基板4が切断される。
<5.本実施の形態におけるスクライビングホイールの利点>
以上のように、本実施の形態のスクライビングホイール50は、多結晶体ダイヤモンド製であり、この多結晶体ダイヤモンドは、微細な結晶粒組織、または非晶質を有するグラファイト型炭素物質を出発物質として、超高圧高温下で直接的にダイヤモンドに変換燒結されている。また、多結晶体ダイヤモンドは、極微量の窒素等が含まれている場合があるが、実質的にダイヤモンドのみからなり、多結晶体ダイヤモンドには、意図的に他の物質が添加されていない。
これにより、多結晶体ダイヤモンドにより形成されたスクライビングホイール50は、常温における硬度を向上できるだけでなく、高温下における機械的特性をも向上できる。そのため、スクライビングホイール50のさらなる長寿命化が、実現できる。
<6.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
(1)本実施の形態において、刃先52aの各部分には、意図して形成された凹凸がないものとして説明したが(図6および図7参照)、刃先52aの形状はこれに限定されるものでない。図8は、図6のA部分の拡大図である。図8に示すように、刃先52aは、突起部54を有するとともに、刃先52aには、溝53と、稜線54aと、が設けられている。
複数の溝53は、刃先52aに設けられた側面視略V字状の凹みであり、レーザ加工、放電加工、または研削加工等の従来公知の加工方法により形成される。図8に示すように、隣接する溝53は、刃52の外周に沿って所望のピッチPだけ隔てて形成されている。
ただし、本実施の形態のスクライビングホイール50は、上述のように小径(1〜5(mm))であり、溝53の形成には、加工精度が求められる。そのため、溝53の加工方法としてはレーザ加工が推奨され、使用されるレーザ光としては、例えばYAG高周波レーザ、炭酸ガスレーザ、グリーンレーザ、UVレーザ、フェムト秒レーザが挙げられる。
複数の突起部54は、図8に示すように、本体部51の最外周部に沿って設けられている。より具体的には、各突起部54は、刃先52aに沿って設けられた複数の溝53のうち、隣接する溝53の間に設けられている。
このように、刃先52aは、複数の突起部54を有しており(図8参照)、脆性材料基板4の切断(分断または割断)は、各突起部54が刃先52aに当接する(食い込む)ことにより実現される。
また、上述のように、スクライビングホイール50は、多結晶体ダイヤモンドにより成形されている。これにより、常温におけるスクライビングホイール50の硬度、および高温下におけるスクライビングホイール50の機械的特性が向上する。
そのため、スクライビングホイール50が切断対象となる脆性材料基板4に当接させられた状態で、スクライビングホイール50の進行方向が変化させられる場合であっても、刃先52aの各突起部54が欠損することを有効に防止できる。そのため、スクライビングホイール50のさらなる長寿命化が、実現される。
なお、図8には、図示の都合上、3つの溝53、および4つの突起部54のみが記載されている。また、刃先52aに形成されている複数の溝53は、マイクロメータオーダで意図的に加工されたものである。したがって、複数の溝53は、刃先52a形成時の研削加工により必然的に形成される研削条痕とは、区別されるものである。
また、刃先52aに形成される溝53の深さDp(換言すると突起部54の高さ:図8参照)は、通常、1〜60(μm)、好ましくは、1〜20(μm)(さらに好ましくは、1〜15(μm))の範囲である。溝53の深さDpが1μm以上(特には2μm以上)となるスクライビングホイール50によって、連続してスクライブラインSLが形成された場合には、垂直クラックKが所望深さ以上となるスクライブラインSLの長さ(以下、単に、「有効切削長さ」とも呼ぶ)が、十分確保できる。一方、加工性の点より、深さDpは、60μm以下に設定される。
また、隣接する溝53の間のピッチP(図8参照)は、通常、10〜200(μm)、好ましくは、50〜200(μm)(さらに好ましくは、70〜170(μm))の範囲である。隣接する溝53の間のピッチPが、10μmより小さい場合には、スクライビングホイール50の刃先52aの摩耗が大きくなり、耐久性が低下することがある。一方、このピッチPが200μmより大きい場合には、良好な垂直クラックKを脆性材料基板4に形成できないことがある。
また、隣接する溝53の間に形成される稜線54aの長さL(図8参照)は、好ましくは、25〜75(μm)(さらに好ましくは、25〜75(μm))の範囲である。この稜線54aの長さLが25μmより小さい場合には、十分な有効切削長さを確保できず、スクライビングホイール50の寿命が短くなるという問題が生ずる。
さらに、稜線54aの長さLに対する溝53の幅Wの割合Rt(=W/L)は、通常、0.2〜5.0、好ましくは、0.5〜5.0(さらに、深い垂直クラックを形成させる点から好ましくは、1.0〜3.5、一方、割断面又は分割面の品質点から好ましくは、0.5〜1.0)の範囲である。この場合、有効切削長さが十分確保できる。
(2)また、刃先52aに設けられる複数の溝53の形状は、側面視略V字状に限定されるものでない。図9から図11は、スクライビングホイール50の刃先52aに形成された溝53の他の例を示す図である。図9に示すように、溝53は、例えば、側面視台形状の凹みであっても良い。また、図10および図11に示すように、側面視円弧状または矩形状の凹みであっても良い。
1 スクライブ装置
4 脆性材料基板
10 保持ユニット
20 スクライブユニット
50 スクライビングホイール
51 本体部
52 外周辺部
52 刃
52a 刃先
53 溝
54 突起部
90 制御ユニット
K 垂直クラック
SL スクライブライン

Claims (3)

  1. 多結晶体ダイヤモンド製のスクライビングホイールであって、
    (a) 円盤状の本体部と、
    (b) 前記本体部の外周に設けられた円環状の刃と、
    (c) 前記刃の最外周部に沿って設けられた刃先と、
    を備え、
    前記刃の厚さは、前記本体部の中心から前記刃先に向かって小さくなり、
    前記多結晶体ダイヤモンドは、
    微細な結晶粒組織、または非晶質を有するグラファイト型炭素物質を出発物質として、超高圧高温下で直接的にダイヤモンドに変換燒結されたものであり、
    実質的にダイヤモンドのみからなるものであることを特徴とするスクライビングホイール。
  2. 請求項1に記載のスクライビングホイールにおいて、
    前記刃先は、
    (b-1) 前記最外周部に沿って設けられた複数の突起部、
    を有していることを特徴とするスクライビングホイール。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスクライビングホイールを、脆性材料基板に対し、圧接転動させることによって、前記脆性材料基板上にスクライブラインを形成するスクライブユニットと、
    前記脆性材料基板を保持しつつ、保持された前記脆性材料基板をスクライブユニットに対して相対的に移動させる保持ユニットと、
    を備えることを特徴とするスクライブ装置。
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