JP2012201843A - 共重合ポリカーボネート - Google Patents
共重合ポリカーボネート Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012201843A JP2012201843A JP2011069427A JP2011069427A JP2012201843A JP 2012201843 A JP2012201843 A JP 2012201843A JP 2011069427 A JP2011069427 A JP 2011069427A JP 2011069427 A JP2011069427 A JP 2011069427A JP 2012201843 A JP2012201843 A JP 2012201843A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polycarbonate
- sugar
- derived
- copolymer
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Abstract
【解決手段】糖由来のアルコールに由来する構造単位を有する共重合ポリカーボネートであって、該糖由来のアルコールに由来する構造単位の重量分率をx、該共重合ポリカーボネートのガラス転移温度をy(℃)とした場合に、下記式(I)および(II)を満たす共重合ポリカーボネート。
0.60≦x≦0.83 (I)
y<358x−139 (II)
【選択図】なし
Description
しかし、このような高分子量ジヒドロキシ化合物との共重合を行う場合、異なる構造のポリマーは一般的に非相容で、屈折率も異なるため、得られるポリカーボネートの透明性が低下してしまう問題があった。
0.60≦x≦0.83 (I)
y<358x−139 (II)
[5] 前記糖由来のアルコールと前記ポリジオールを含むポリヒドロキシ化合物と、下記式(3)で表される炭酸ジエステルとを、触媒の存在下、溶融重縮合する、[2]から[4]のいずれか1項に記載の共重合ポリカーボネートの製造方法。
本発明の共重合ポリカーボネートは、糖由来のアルコールに由来する構造単位を有する共重合ポリカーボネートであって、該糖由来のアルコールに由来する構造単位の重量分率をx、該共重合ポリカーボネートのガラス転移温度をy(℃)とした場合に、下記式(I)および(II)を満たす共重合ポリカーボネートである。
0.60≦x≦0.83 (I)
y<358x−139 (II)
上記式(I)は、本発明の共重合ポリカーボネートの植物化度の指標として、本発明の共重合ポリカーボネートにおける糖由来のアルコール(以下「糖由来アルコール」と称す場合がある。)の重量分率を規定するものであり、ここで、本発明の共重合ポリカーボネート中の糖由来アルコールに由来する構造単位の重量分率xは、下記式(III)から求められる。
MC:カーボネート結合構造単位の分子量
nA:共重合ポリカーボネートを構成する全ポリヒドロキシ化合物に由来する構造単位中の糖由来アルコールに由来する構造単位のモル分率
<M>:共重合ポリカーボネートを構成する全ポリヒドロキシ化合物に由来する構造単位の平均分子量
前記式(II)は、本発明の共重合ポリカーボネートの糖由来アルコールに由来する構造単位の重量分率xとガラス転移温度y(℃)との関係を示すものである。
示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製DSC6220)を用いて測定を行い、測定条件としては、共重合ポリカーボネートサンプル約10mgを同社製アルミパンに入れて密封し、50mL/分の窒素気流下、昇温速度20℃/分で室温から250℃まで昇温し、3分間温度を保持した後、0℃まで20℃/分の速度で冷却する。0℃で3分間保持し、再び200℃まで20℃/分の速度で昇温し、2回目の昇温で得られたDSCデータより、補外ガラス転移開始温度を決定する。この温度をガラス転移温度とする。
y≦378x−156 (IIa)
y≦395x−169 (IIb)
本発明の共重合ポリカーボネートは、糖由来アルコールに由来する構造単位を有するが、本発明における糖由来アルコールとは、ポリカーボネートを構成することが可能であるものであれば、如何なるものも使用することが可能であって、糖そのものでも良く、アルドースやケトースを還元したものでも良く、更に分子内脱水環化したものでも良い。また、複数種の糖由来アルコールを使用することも妨げない。当該糖由来アルコールは、共重合ポリカーボネートを構成するために、通常2価のアルコールが用いられるが、3価もしくはそれ以上の水酸基を有する糖由来アルコールであっても構わない。
本発明の共重合ポリカーボネートは、上記糖由来アルコールに由来する構造単位の他、更に、ポリジオールに由来する構造単位を有することが好ましい。このポリジオールとしては、糖由来のアルコールと共重合ポリカーボネートを生成するものであれば如何なるものも使用することが可能であって、直鎖状の構造のものであっても、環状構造を有するものであっても、分岐構造を有するものであっても構わず、分子内に水酸基における酸素以外のヘテロ原子を有するものであっても構わない。また、複数種のポリジオールを使用することも妨げない。
本発明の共重合ポリカーボネートは、上記糖由来アルコールとポリジオール以外のポリヒドロキシ化合物(以下「その他のポリヒドロキシ化合物」と称す場合がある。)に由来する構造単位を含んでいても構わない。
本発明の共重合ポリカーボネートの分子量は、還元粘度で表すことができ、還元粘度は、通常0.30dL/g以上であり、0.32dL/g以上が好ましく、更には0.35dL/g以上が好ましい。また、還元粘度は、通常1.20dL/g以下であり、1.00dL/g以下がより好ましく、0.80dL/g以下が更に好ましい。
本発明の共重合ポリカーボネートに含まれる下記式(7)で表される末端基の濃度(末端フェニル基濃度)が高すぎると、残存モノヒドロキシ化合物や残存炭酸エステルの量が多くなってしまい、逆に低すぎると熱安定性が低下する恐れがある。
共重合ポリカーボネート中の共重合ポリカーボネートの末端フェニル基濃度を制御するには、本発明の共重合ポリカーボネートを製造する際に、原料である糖由来アルコールとポリジオールを含むポリヒドロキシ化合物と、後述する式(3)で表される炭酸ジエステルのモル比率を制御する他、エステル交換反応時の触媒の種類や量、重合圧力や重合温度を制御する方法等が挙げられる。
本発明の共重合ポリカーボネートに、1族金属、中でもナトリウム、カリウム、セシウムが多く含まれると色相に悪影響を及ぼす可能性がある。該金属は、本発明の共重合ポリカーボネートの製造に用いられる後述のエステル交換反応触媒や、原料や反応装置から混入する場合がある。共重合ポリカーボネート中のこれらの合計量は、金属量として、共重合ポリカーボネートを構成する全ポリヒドロキシ化合物に由来する構造単位1mol当たり、通常2μmol以下、好ましくは1μmol以下、より好ましくは0.5μmol以下である。
本発明の共重合ポリカーボネートを透明材料や光学材料として使用するためには、ヘーズが10.0%以下であることが好ましく、より好ましくは5.0%以下であって、特には3.0%以下が好ましい。本発明におけるヘーズは前述のとおり、特にポリジオールの分子構造と分子量に影響されるため、それらを適宜調節することによって、これら好ましい範囲とすることが可能である。
本発明の共重合ポリカーボネートの引張伸びは、成形品の成形性や耐久性の観点から、10%以上であることが好ましく、より好ましくは15%以上であって、特には20%以上が好ましい。
本発明の共重合ポリカーボネートの鉛筆硬度は、成形品の表面傷付き性に関わるため、F以上であることが好ましく、より好ましくはH以上であって、特には2H以上が好ましい。
本発明の共重合ポリカーボネートの溶融粘度は、剪断速度1000sec−1における240℃での溶融粘度が800Pa・s以下であることが好ましく、より好ましくは750Pa・s以下であって、特には700Pa・s以下が好ましい。溶融粘度が高すぎると成形時にシルバーが発生しやすく成形品の外観不良が起こりやすくなる。また、成形性改善のために成形温度を高くすると着色の原因となるため好ましくない。ただし、溶融粘度の下限は成形体としての使用に耐えうる必要があることから通常100Pa・s以上である。
本発明の共重合ポリカーボネートは、光弾性係数が0Pa−1以上〜20×10−12Pa−1未満、特に0Pa−1以上15×10−12Pa−1未満であることが好ましい。光弾性係数が大き過ぎると成形品の光学歪みが大きくなるため、光学用途に好ましくない。
光弾性係数Cは、貯蔵弾性率E’とひずみ光学係数O’を用いて次式より求められる。
C=O’/E’
本発明の共重合ポリカーボネートは、上述した糖由来アルコールとポリジオールを含むポリヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを原料として、エステル交換反応により重縮合させて得ることができる。
用いられる炭酸ジエステルとしては、通常、下記式(3)で表されるものが挙げられる。
これらの炭酸ジエステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、ここで、脂肪族基、芳香族基の炭素数は、これらが置換基を有する場合、該置換基の炭素数も含む合計の炭素数を意味する。
本発明の共重合ポリカーボネートは、上述のように本発明の糖由来アルコールとポリジオールを含むポリヒドロキシ化合物と上記式(3)で表される炭酸ジエステルをエステル交換反応させて製造される。
より詳細には、エステル交換させ、副生するモノヒドロキシ化合物等を系外に除去することによって得られる。この場合、通常、エステル交換反応触媒存在下でエステル交換反応により重縮合を行う。
用いられる触媒としては、製造された共重合ポリカーボネートの透明性、色相、耐熱性、熱安定性、および機械的強度を満足させ得るものであれば限定されないが、長周期型周期表における1族または2族(以下、単に「1族」、「2族」と表記する。)の金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物が挙げられる。好ましくは1族金属化合物および/または2族金属化合物が使用される。
上記重合触媒の使用量は、通常、重合に使用した全ポリヒドロキシ化合物1mol当たり0.1μmol〜300μmol、好ましくは0.5μmol〜100μmolであり、中でもリチウムおよび長周期型周期表における2族からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物を用いる場合、特にはマグネシウム化合物および/またはカルシウム化合物を用いる場合は、金属量として、前記全ポリヒドロキシ化合物1mol当たり、通常0.1μmol以上、好ましくは0.3μmol以上、特に好ましくは0.5μmol以上とする。また上限としては、通常20μmol、好ましくは10μmol、さらに好ましくは3μmol、特に好ましくは1.5μmolが好適である。
本発明の共重合ポリカーボネートの原料であるイソソルビドやポリオキシアルキレングリコール等、エーテル構造を有する化合物は、酸素によって徐々に酸化されやすいので、保管や製造時には酸素による分解を防ぐため、水分が混入しないようにし、また、脱酸素剤等を用いたり、窒素雰囲気下で取り扱うことが肝要である。上記の化合物が酸化されると、蟻酸等の分解物が発生する場合がある。例えば、これら分解物を含む原料を使用すると、得られる共重合ポリカーボネートの着色を招く可能性があり、また、物性を著しく劣化させる可能性があるだけではなく、重合反応に影響を与え、高分子量の重合体が得られない場合もあり、好ましくない。
本発明の共重合ポリカーボネートは、糖由来アルコールとポリジオールを含むポリヒドロキシ化合物と前記式(3)で表される炭酸ジエステルとをエステル交換反応により重縮合させることによって得られるが、原料であるポリヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルは、エステル交換反応前に均一に混合することが好ましい。
尚、これら芳香族モノヒドロキシ化合物は、用いる原料により、当然置換基を有していてもよく、例えば、炭素数が5以下であるアルキル基などを有していてもよい。
本発明において、ポリヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを重縮合させる方法は、上述の触媒存在下、通常、複数の反応器を用いて多段階で実施される。反応の形式は、バッチ式、連続式、あるいはバッチ式と連続式の組み合わせのいずれの方法でもよい。
重合反応の温度は、低すぎると生産性の低下や製品への熱履歴の増大を招き、高すぎるとモノマーの揮散を招くだけでなく、共重合ポリカーボネートの分解や着色を助長する可能性がある。
具体的には、第1段目の反応は、重合反応器の内温の最高温度として、140℃〜270℃、好ましくは180℃〜240℃、更に好ましくは200℃〜230℃で、110kPa〜1kPa、好ましくは70kPa〜5kPa、更に好ましくは30kPa〜10kPa(絶対圧力)の圧力下、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜3時間、発生するモノヒドロキシ化合物を反応系外へ留去しながら実施される。
副生したモノヒドロキシ化合物は、資源有効活用の観点から、必要に応じ精製を行った後、炭酸ジフェニルやビスフェノールA等の原料として再利用することが好ましい。
本発明の共重合ポリカーボネートは、上述の通り重縮合後、通常、冷却固化させ、回転式カッター等でペレット化される。
上記の共重合ポリカーボネートの溶融押出しの際、押出機中で、残存モノマーの減圧脱揮や、通常知られている、熱安定剤、中和剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、潤滑剤、可塑剤、相溶化剤、難燃剤等を添加、混練することも出来る。
以下の実施例および比較例の記載の中で用いた化合物の略号は次の通りである。
PEG#400:ポリエチレングリコール、数平均分子量400(三洋化成社製)
PEG#1000:ポリエチレングリコール、数平均分子量1000(三洋化成社製)
PEG#2000:ポリエチレングリコール、数平均分子量2000(三洋化成社製)
PEG#3400:ポリエチレングリコール、数平均分子量3400(三洋化成社製)
PPG#1000:ポリプロピレングリコール、数平均分子量1000(三洋化成社製)
PPG#2000:ポリプロピレングリコール、数平均分子量2000(三洋化成社製)
PTMG#1000:ポリテトラメチレングリコール、数平均分子量1000(三菱化学社製)
PDMS#550:ポリジメチルシロキサン、数平均分子量550(信越化学社製)
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール(新日本理化社製)
DPC:ジフェニルカーボネート(三菱化学社製)
以下の実施例および比較例において、ポリカーボネートの物性ないし特性の評価等は次の方法により行った。
酸素計(AMI社製:1000RS)を使用し、測定した。
溶媒として塩化メチレンを用い、0.6g/dLの濃度のポリカーボネート溶液を調製した。森友理化工業社製ウベローデ型粘度管を用いて、温度20.0℃±0.1℃で測定を行い、溶媒の通過時間t0と溶液の通過時間tから次式(i)より相対粘度ηrelを求め、相対粘度から次式(ii)より比粘度ηspを求めた。
ηrel=t/t0 (i)
ηsp=(η−η0)/η0=ηrel−1 (ii)
比粘度を濃度c(g/dL)で割って、還元粘度ηsp/cを求めた。この値が高いほど分子量が大きい。
ポリカーボネート30mgを秤取し、重クロロホルム約0.7mLに溶解させた。これを内径5mmのNMR用チューブに入れ、日本電子社製JNM−AL400(共鳴周波数400MHz)を用いて常温で1H−NMRスペクトルを測定し、各ユニットに基づくシグナル強度比より求めた。
ポリカーボネートのガラス転移温度は、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製DSC6220)を用いて測定した。ポリカーボネートサンプル約10mgを同社製アルミパンに入れて密封し、50mL/分の窒素気流下、昇温速度20℃/分で室温から250℃まで昇温した。3分間温度を保持した後、0℃まで20℃/分の速度で冷却した。0℃で3分保持し、再び200℃まで20℃/分の速度で昇温した。2回目の昇温で得られたDSCデータより、補外ガラス転移開始温度を採用した。
ポリカーボネートのペレットを窒素雰囲気下、110℃で10時間乾燥する。次に、乾燥したポリカーボネートのペレットを射出成形機(日本製鋼所社製J75EII型)に供給し、シリンダー温度230℃、金型温度80℃で、幅60mm×長さ60mm×厚さ3mmの試験片を成形し、日本電色工業株式会社製ヘーズメーター(1001DP)を用いて測定した。
ISO 527に準拠して測定した。前述の射出成形により、1A形試験片を成形し、温度23℃、相対湿度50%、引張速度50mm/分の条件で測定した。
東洋精機株式会社製キャピログラフを用いて、直径1mm×長さ10mmのダイを使用して温度240℃、剪断速度1000sec−1 における溶融粘度を測定した。
前述のヘーズ測定と同じ試験片を使用し、東洋精機株式会社製鉛筆引掻塗膜硬さ試験機を用いて、JIS K5600−5−4に記載の方法で鉛筆硬度を測定した。
He−Neレーザー、偏光子、補償板、検光子、光検出器からなる複屈折測定装置と振動型粘弾性測定装置(レオロジー社製DVE−3)を組み合わせた装置を用いて測定した。(詳細は、日本レオロジー学会誌Vol.19,p.93〜97(1991)を参照。)
80℃で5時間真空乾燥した共重合ポリカーボネートサンプル4.0gを、幅8cm、長さ8cm、厚さ0.5mmのスペーサーを用いて、熱プレスにて熱プレス温度250℃で、予熱1分、圧力20MPaの条件で1分間加圧後、スペーサーごと取り出し、水管冷却式プレスで、圧力20MPaで3分間加圧冷却しシートを作製した。このシートから幅5mm、長さ20mmの試料を切り出し、粘弾性測定装置に固定し、25℃の室温で貯蔵弾性率E’を周波数96Hzにて測定した。同時に、出射されたレーザー光を偏光子、試料、補償板、検光子の順に通し、光検出器(フォトダイオード)で拾い、ロックインアンプを通して角周波数ωまたは2ωの波形について、その振幅とひずみに対する位相差を求め、ひずみ光学係数O’を求めた。このとき、偏光子と検光子の方向は直交し、またそれぞれ、試料の伸長方向に対してπ/4の角度をなすように調整した。
光弾性係数Cは、貯蔵弾性率E’とひずみ光学係数O’を用いて次式より求めた。
C=O’/E’
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置に、ISBとPEG#400と、蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたDPC、および酢酸カルシウム1水和物を、モル比でISB/PEG#1000/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.97/0.03/1.00/8.00×10−7になるように仕込み、十分に窒素置換した(酸素濃度0.0005〜0.001vol%)。続いて熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始した。昇温を開始後40分で内温を210℃にし、内温が210℃に到達した時点でこの温度を保持するように制御すると同時に、減圧を開始し、210℃に到達してから90分で13.3kPa(絶対圧力、以下同様)にして、この圧力を保持するようにしながら、さらに30分間保持した。重合反応とともに副生するフェノール蒸気は、100℃の還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を重合反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は続いて45℃の凝縮器に導いて回収した。
ISB、PEG#400、DPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比でISB/PEG#400/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.93/0.07/1.00/8.00×10−7になるように仕込んだ他は実施例1と同様に実施し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。
得られた共重合ポリカーボネートは透明性が良好であった。
ISB、PEG#1000、DPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比でISB/PEG#1000/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.99/0.01/1.00/1.00×10−6になるように仕込んだ他は実施例1と同様に実施し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。
得られた共重合ポリカーボネートは透明性が良好であった。
ISB、PEG#2000、DPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比でISB/PEG#2000/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.995/0.005/1.000/1.00×10−6になるように仕込んだ他は実施例1と同様に実施し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。
得られた共重合ポリカーボネートは透明性が良好であった。
ISB、PEG#3400、DPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比でISB/PEG#3400/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.997/0.003/1.000/1.5×10−6になるように仕込んだ他は実施例1と同様に実施し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。
ISB、PPG#1000、DPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比でISB/PPG#1000/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.982/0.018/1.000/2.0×10−6になるように仕込んだ他は実施例1と同様に実施し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。
得られた共重合ポリカーボネートは透明性が良好であった。
ISB、PTMG#1000、DPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比でISB/PTMG#1000/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.99/0.01/1.00/2.0×10−6になるように仕込んだ他は実施例1と同様に実施し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。
ISB、DPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比でISB/DPC/酢酸カルシウム1水和物=1.00/1.00/8.00×10−7になるように仕込み、最終重合温度を240℃にした以外は実施例1と同様に実施し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。
得られたポリカーボネートの還元粘度は0.389dL/g、ガラス転移温度は159℃であり、透明性な樹脂が得られたが、引張試験では低い引張伸びしか示さなかった。
ISB、DPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比でISB/DPC/酢酸カルシウム1水和物=1.00/1.00/1.00×10−6になるように仕込み、最終重合温度を250℃にした以外は実施例1と同様に実施し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。
得られたポリカーボネートの還元粘度は0.475dL/g、ガラス転移温度は161℃であり、透明性な樹脂が得られたが、非常に溶融粘度が高いために射出成形の際の成形性が悪く、成形品にシルバーが発生し、ヘーズが悪化した。ただし、引張試験では十分な引張伸びが得られた。
ISB、CHDM、DPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比でISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.90/0.10/1.00/1.0×10−6になるように仕込んだ他は実施例1と同様に実施し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。
得られた共重合ポリカーボネートの還元粘度は0.460dL/g、ガラス転移温度は143℃であり、透明性が良好な樹脂が得られたが、引張試験では低い引張伸びしか示さなかった。
ISB、CHDM、DPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比でISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.70/0.30/1.00/1.0×10−6になるように仕込んだ他は実施例1と同様に実施し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。
得られた共重合ポリカーボネートの還元粘度は0.480dL/g、ガラス転移温度は122℃であり、透明性は良好であったが、ヘーズは低く、引張伸びも優れていたが、鉛筆硬度が低下し、光弾性係数が増加した。
ISB、PPG#2000、DPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比でISB/PPG#400/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.99/0.01/1.00/2.0×10−6になるように仕込んだ他は実施例1と同様に実施した。
ISB、PDMS#550、DPCおよび酢酸カルシウム1水和物を、モル比でISB/PDMS#550/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.98/0.02/1.00/3.0×10−6になるように仕込んだ他は実施例1と同様に実施し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。
得られた共重合ポリカーボネートは白濁しており、透明な成形体が得られなかった。
更に、本発明の共重合ポリカーボネートは、低分子量ジヒドロキシ化合物を共重合成分に用いるよりも高い植物化度を有しており、同時に機械物性や表面硬度にも優れている。さらに、透明性が高く、且つ光学歪みが小さい特性も有するものも得ることができる。
本発明の共重合ポリカーボネートは、柔軟性が必要なフィルム、シート分野、耐熱性が必要なボトル、容器分野、衝撃強度が要求される種々の構造材料に適している。さらには光学歪みが小さいことから、カメラレンズ、ファインダーレンズ、CCDやCMOS用レンズなどのレンズ用途、液晶やプラズマディスプレイなどに利用される位相差フィルム、拡散シート、偏光フィルムなどのフィルム、シート、光ディスク、フィルム、シート、光学材料、光学部品、色素や電荷移動剤等を固定化するバインダーなどの用途への使用に適している。
Claims (5)
- 糖由来のアルコールに由来する構造単位を有する共重合ポリカーボネートであって、該糖由来のアルコールに由来する構造単位の重量分率をx、該共重合ポリカーボネートのガラス転移温度をy(℃)とした場合に、下記式(I)および(II)を満たす共重合ポリカーボネート。
0.60≦x≦0.83 (I)
y<358x−139 (II) - 前記共重合ポリカーボネートが、更にポリジオールに由来する構造単位を有する、請求項1に記載の共重合ポリカーボネート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011069427A JP2012201843A (ja) | 2011-03-28 | 2011-03-28 | 共重合ポリカーボネート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011069427A JP2012201843A (ja) | 2011-03-28 | 2011-03-28 | 共重合ポリカーボネート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012201843A true JP2012201843A (ja) | 2012-10-22 |
Family
ID=47183168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011069427A Pending JP2012201843A (ja) | 2011-03-28 | 2011-03-28 | 共重合ポリカーボネート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012201843A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021095471A (ja) * | 2019-12-16 | 2021-06-24 | 帝人株式会社 | コポリマー材料およびそれからなる医療用成形品 |
JP2022041498A (ja) * | 2020-09-01 | 2022-03-11 | 帝人株式会社 | 抗菌成形品 |
JP2022048632A (ja) * | 2020-09-15 | 2022-03-28 | 帝人株式会社 | 抗カビ成形品 |
JP2023105348A (ja) * | 2022-01-19 | 2023-07-31 | 三菱ケミカル株式会社 | 共重合ポリカーボネート樹脂及び成形品 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004111106A1 (ja) * | 2003-06-16 | 2004-12-23 | Teijin Limited | ポリカーボネートおよびその製造方法 |
JP2006028441A (ja) * | 2004-07-21 | 2006-02-02 | Teijin Ltd | 脂肪族ポリカーボネートからなる光学用フィルム |
JP2008024919A (ja) * | 2006-06-19 | 2008-02-07 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート共重合体及びその製造方法 |
JP2009144018A (ja) * | 2007-12-12 | 2009-07-02 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネートからばる電気電子関連部材。 |
US20100190953A1 (en) * | 2006-06-19 | 2010-07-29 | Mitsubishi Chemical Corporation | Polycarbonate copolymer and method of producing the same |
JP2010539264A (ja) * | 2007-09-13 | 2010-12-16 | スティヒティング ダッチ ポリマー インスティテュート | ポリカーボネート及びこれを作製する方法 |
-
2011
- 2011-03-28 JP JP2011069427A patent/JP2012201843A/ja active Pending
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004111106A1 (ja) * | 2003-06-16 | 2004-12-23 | Teijin Limited | ポリカーボネートおよびその製造方法 |
US20060149024A1 (en) * | 2003-06-16 | 2006-07-06 | Aya Ono | Polycarbonate and process for producing the same |
JP2006028441A (ja) * | 2004-07-21 | 2006-02-02 | Teijin Ltd | 脂肪族ポリカーボネートからなる光学用フィルム |
JP2008024919A (ja) * | 2006-06-19 | 2008-02-07 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート共重合体及びその製造方法 |
US20100190953A1 (en) * | 2006-06-19 | 2010-07-29 | Mitsubishi Chemical Corporation | Polycarbonate copolymer and method of producing the same |
JP2010539264A (ja) * | 2007-09-13 | 2010-12-16 | スティヒティング ダッチ ポリマー インスティテュート | ポリカーボネート及びこれを作製する方法 |
US20110034616A1 (en) * | 2007-09-13 | 2011-02-10 | Bart Noordover | Polycarbonate and process for producing the same |
JP2009144018A (ja) * | 2007-12-12 | 2009-07-02 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネートからばる電気電子関連部材。 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021095471A (ja) * | 2019-12-16 | 2021-06-24 | 帝人株式会社 | コポリマー材料およびそれからなる医療用成形品 |
JP7433606B2 (ja) | 2019-12-16 | 2024-02-20 | 帝人株式会社 | コポリマー材料およびそれからなる医療用成形品 |
JP2022041498A (ja) * | 2020-09-01 | 2022-03-11 | 帝人株式会社 | 抗菌成形品 |
JP2022048632A (ja) * | 2020-09-15 | 2022-03-28 | 帝人株式会社 | 抗カビ成形品 |
JP2023105348A (ja) * | 2022-01-19 | 2023-07-31 | 三菱ケミカル株式会社 | 共重合ポリカーボネート樹脂及び成形品 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN104017199B (zh) | 聚碳酸酯及其制造方法 | |
US10689486B2 (en) | Resin produced by polycondensation, and resin composition | |
TWI441850B (zh) | 聚碳酸酯共聚合體及其製造方法 | |
JP5927780B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂及びフィルムの製造方法 | |
JP5532531B2 (ja) | ポリカーボネート共重合体及びその製造方法 | |
EP2420522B1 (en) | Copolymerized polycarbonate and method for producing the same | |
WO2011071162A1 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物並びにこれを成形して得られる成形体、フィルム、プレート及び射出成形品 | |
JP5977917B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂 | |
JP2011241277A (ja) | 共重合ポリカーボネート | |
CN104837890B (zh) | 经高分子量化的芳香族聚碳酸酯树脂的制造方法 | |
JP6807175B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物、その製造方法、成形体 | |
TW201433589A (zh) | 高分子量化的芳香族聚碳酸酯樹脂之製造方法 | |
EP2669311B1 (en) | Polycarbonate resin and process for production thereof | |
TW201439147A (zh) | 高分子量化的芳香族聚碳酸酯樹脂之製造方法 | |
JP2012201843A (ja) | 共重合ポリカーボネート | |
JP6079067B2 (ja) | 共重合ポリカーボネート | |
JP5907232B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂 | |
JP2011126970A (ja) | ポリカーボネート樹脂及びそれからなる耐面衝撃部材 | |
JP2016188376A (ja) | ポリカーボネート樹脂 | |
JP2009127037A (ja) | 植物由来成分を有するポリカーボネート及びその製造方法 | |
JP2012207183A (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140207 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140528 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140603 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140729 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150127 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150325 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20151006 |