JP2012187116A - 胃および食道癌細胞を同定および標的とするための組成物および方法 - Google Patents
胃および食道癌細胞を同定および標的とするための組成物および方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】胃または食道癌の診断試薬、キットおよび方法を提供する。胃または食道癌を有する患者を処置するための、およびインビボで胃または食道腫瘍を造影するための化合物、組成物および方法を提供する。
【解決手段】胃または食道癌細胞について個体をスクリーニングするインビトロ法であって、個体に由来する腸管外組織および/または体液のサンプルを調査してCRCA-1RNAが該サンプル中の細胞により発現されているかどうかを決定する工程を含んで成り、該CRCA-1RNAの発現が該サンプル中の胃または食道癌細胞の存在の可能性を与え、上記胃または食道癌細胞が腺癌細胞である、方法。薬剤、遺伝子治療剤およびアンチセンス化合物のような活性化合物を、胃または食道の細胞に送達するための組成物および方法。胃または食道癌を処置および防止するためのワクチン組成物および方法。
【選択図】なし
【解決手段】胃または食道癌細胞について個体をスクリーニングするインビトロ法であって、個体に由来する腸管外組織および/または体液のサンプルを調査してCRCA-1RNAが該サンプル中の細胞により発現されているかどうかを決定する工程を含んで成り、該CRCA-1RNAの発現が該サンプル中の胃または食道癌細胞の存在の可能性を与え、上記胃または食道癌細胞が腺癌細胞である、方法。薬剤、遺伝子治療剤およびアンチセンス化合物のような活性化合物を、胃または食道の細胞に送達するための組成物および方法。胃または食道癌を処置および防止するためのワクチン組成物および方法。
【選択図】なし
Description
発明の分野
本発明は胃癌および食道癌細胞を検出するためのインビトロ診断方法、そのような方法を行うためのキットおよび試薬に関する。本発明は胃癌および食道腫瘍をインビボ造影および処置するための化合物および方法に関する。本発明は標的化された遺伝子治療、アンチセンスおよび薬剤組成物を作成および使用するための方法および組成物に関する。本発明は予防用および治療用の抗−胃および食道癌ワクチンおよび組成物、およびその作成および使用法に関する。
本発明は胃癌および食道癌細胞を検出するためのインビトロ診断方法、そのような方法を行うためのキットおよび試薬に関する。本発明は胃癌および食道腫瘍をインビボ造影および処置するための化合物および方法に関する。本発明は標的化された遺伝子治療、アンチセンスおよび薬剤組成物を作成および使用するための方法および組成物に関する。本発明は予防用および治療用の抗−胃および食道癌ワクチンおよび組成物、およびその作成および使用法に関する。
発明の背景
転移した胃および食道癌を含め、胃または食道癌の個体をスクリーニングし、診断し、そして監視する試薬、キットおよび方法が必要である。未知の起源の癌が胃または食道癌であることを同定そして確認し、そして組織および癌サンプルを分析して胃癌または食道癌を同定そして確認し、そしてそのような癌細胞の移動レベルを決定するための試薬、キットおよび方法が必要である。胃および食道癌細胞を特異的に標的とすることができる組成物も必要である。胃および食道癌細胞に特異的に結合することができるイメージング剤が必要である。胃および食道癌細胞の改良された造影法が必要である。胃および食道癌細胞に特異的に結合することができる治療薬が必要である。胃または食道癌細胞に罹患していると疑われる個体、特に胃または食道癌細胞の転移に罹患していると疑われる個体を処置する改善された方法が必要である。胃および食道癌の転移を処置し、そして防止するワクチン組成物が必要である。遺伝子治療薬、アンチセンス化合物および他の薬剤を胃および食道癌細胞に特異的に送達することができる治療薬が必要である。
転移した胃および食道癌を含め、胃または食道癌の個体をスクリーニングし、診断し、そして監視する試薬、キットおよび方法が必要である。未知の起源の癌が胃または食道癌であることを同定そして確認し、そして組織および癌サンプルを分析して胃癌または食道癌を同定そして確認し、そしてそのような癌細胞の移動レベルを決定するための試薬、キットおよび方法が必要である。胃および食道癌細胞を特異的に標的とすることができる組成物も必要である。胃および食道癌細胞に特異的に結合することができるイメージング剤が必要である。胃および食道癌細胞の改良された造影法が必要である。胃および食道癌細胞に特異的に結合することができる治療薬が必要である。胃または食道癌細胞に罹患していると疑われる個体、特に胃または食道癌細胞の転移に罹患していると疑われる個体を処置する改善された方法が必要である。胃および食道癌の転移を処置し、そして防止するワクチン組成物が必要である。遺伝子治療薬、アンチセンス化合物および他の薬剤を胃および食道癌細胞に特異的に送達することができる治療薬が必要である。
発明の要約
本発明はさらに、個体が胃または食道癌細胞を有するか否かを決定するインビトロ法に関する。本発明は正常および癌性結腸細胞ならびに胃および食道腫瘍細胞により発現されるCRCA-1が、結腸以外のサンプル中の細胞により発現するか否かを決定するために、個体に由来する非結腸組織および体液のサンプルを調査するインビトロ法に関する。結腸管外のサンプル中のCRCA-1翻訳産物またはCRCA-1転写産物(transcript)の存在はCRCA-1の発現を示し、そして個体が転移した結腸癌または胃癌および食道癌に罹患している可能性の証明である。
本発明はさらに、個体が胃または食道癌細胞を有するか否かを決定するインビトロ法に関する。本発明は正常および癌性結腸細胞ならびに胃および食道腫瘍細胞により発現されるCRCA-1が、結腸以外のサンプル中の細胞により発現するか否かを決定するために、個体に由来する非結腸組織および体液のサンプルを調査するインビトロ法に関する。結腸管外のサンプル中のCRCA-1翻訳産物またはCRCA-1転写産物(transcript)の存在はCRCA-1の発現を示し、そして個体が転移した結腸癌または胃癌および食道癌に罹患している可能性の証明である。
本発明はさらに腫瘍細胞が胃または食道に由来するのかどうかを決定するインビトロ法に関する。本発明は癌に罹患している個体が胃または食道癌に罹患しているのかどうかを診断するインビトロ法に関する。本発明は胃または食道腫瘍細胞により発現されるCRCA-1が腫瘍細胞により発現されているのか否かを決定するために、個体に由来する腫瘍サンプルを調査するインビトロ法に関する。CRCA-1の発現の指標であるCRCA-1翻訳産物またはCRCA-1転写産物の存在は、個体が胃または食道癌に罹患している可能性の証明である。
さらに本発明は本発明の方法を実施するためのインビトロキットおよび本発明のそのようなインビトロキットの成分として有用な試薬および組成物に関する。
本発明はさらに胃および食道腫瘍の造影法および胃または食道癌に罹患していると疑われる個体の処置法に関し、この方法は該個体に本発明の医薬組成物を投与する工程を含んで成り、ここで組成物または結合化合物(conjugated compound)が胃または食道癌に罹
患しているヒトにおける治療的または診断的使用に効果的な量で存在する。
患しているヒトにおける治療的または診断的使用に効果的な量で存在する。
本発明はさらに胃および食道癌細胞に活性剤を送達する方法に関し、この方法は胃または食道癌を有する個体に、医薬的に許容されるキャリアーまたは希釈剤、およびCRCA-1翻訳産物リガンドをその表面に含むリポソームおよびその中にカプセル化された活性成分を含んで成る非結合組成物(unconjugated composition)を含んで成る医薬組成物を投与する工程を含んで成る。
本発明はさらにCRCA-1翻訳産物の少なくとも1つのエピトープを含んで成るタンパク質を含んで成る、死んだ、または不活性化された胃または食道腫瘍細胞;およびそれを含んで成るワクチンに関する。幾つかの態様では、死んだ、または不活性化された細胞または粒子は、CRCA-1翻訳産物を含んで成る。幾つかの態様では死んだ、または不活性化された細胞または粒子は、ハプテン化されている。
さらに本発明は、転移した胃または食道癌に罹患している個体の処置法、および転移した胃または食道癌が疑われる個体の処置法に関する。本発明の方法は、そのような個体に効果的な量のそのようなワクチンを投与することを提供する。本発明はさらに免疫治療剤としてそのようなワクチンの使用に関する。
好適な態様の詳細な説明
本出願は引用により本明細書に編入する、1997年8月7日に出願された米国特許出願第08/908,643号に関連する。本出願はまた引用により本明細書に編入する、2000年3月27日に出願された米国特許仮出願第60/192,229号に関連する。
本出願は引用により本明細書に編入する、1997年8月7日に出願された米国特許出願第08/908,643号に関連する。本出願はまた引用により本明細書に編入する、2000年3月27日に出願された米国特許仮出願第60/192,229号に関連する。
定義
本明細書で使用する用語「ST」および「天然ST」は互換的に使用し、そして大腸菌(E.coli)ならびに他の生物により生産されるペプチドである熱−安定性トキシン(ST)を称することを意味する。STは、1)生物により自然に生産される、2)ST受容体に結合する、および3)STが誘導する下痢を媒介するシグナルカスケードを活性化する天然に存在するペプチドである。
本明細書で使用する用語「ST」および「天然ST」は互換的に使用し、そして大腸菌(E.coli)ならびに他の生物により生産されるペプチドである熱−安定性トキシン(ST)を称することを意味する。STは、1)生物により自然に生産される、2)ST受容体に結合する、および3)STが誘導する下痢を媒介するシグナルカスケードを活性化する天然に存在するペプチドである。
本明細書で使用する「ST受容体」、「グアニリルシクラーゼC受容体」および「GCC受容体」は、STに結合する、局所的および転移した結腸癌細胞を含む結腸細胞に見いだされる受容体を称することを意味する。正常な個体では、ST受容体はもっぱら腸の細胞、特に十二指腸、小腸(空腸および回腸)、大腸、結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸およびS字結腸)および直腸の細胞内に見いだされる。
本明細書で使用する用語「結腸直腸癌に関連する転写産物」および「CRCA-1転写産物」とは、ヒトST受容体遺伝子の転写により生産されるST受容体のmRNAの別の形態を称することを意味する。CRCA-1転写産物はそのST受容体をコードするmRNAの配列とは別の配列を有する。CRCA-1転写産物は好ましくは配列番号1に説明するヌクレオチド配列を有する。CRCA-1転写産物は、局所的および転移した結腸直腸細胞を含む結腸直腸細胞中に見いだされる。正常な個体では、CRCA-1転写産物はもっぱら腸の細胞、特に十二指腸、小腸(空腸および回腸)、大腸、結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸およびS字結腸)および直腸の細胞内に見いだされる。
本明細書で使用するように、用語「CRCA-1転写産物の機能的フラグメント」として使用する用語「機能的フラグメント」は、完全長の配列を持つ核酸分子に関して機能的なCRCA-1転写産物のフラグメントを意味する。例えば機能的フラグメントはオリゴヌクレオチド
または核酸プローブ、プライマー、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたは核酸分子またはコード配列として有用となることができる。CRCA-1転写産物の機能的フラグメントは他の既知の核酸分子に比べて独特であり、特にCRCA-1転写産物の機能的フラグメントはST受容体のmRNAの核酸配列に比べて独特である。ヒトST受容体タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、図1の配列番号82およびF.J.Sauvage et al.,1991 J.Biol.Chem.266:17912-17918に開示され、これらは引用により本明細書に編入する。CRCA-1転写産物の生成をもたらす欠失した配列を図1に開示する。すなわちCRCA-1の機能的フラグメントには、ST受容体のmRNA上には見いだされない特別な配列を含む。そのような独特な配列には、いずれかの側の欠失配列を含み、すなわちST受容体のmRNA配列に関する独特の配列を形成する。したがって機能的フラグメントは配列番号1のヌクレオチド110〜113を含む。独特な配列はさらにヌクレオチド110に5〜10以上の配列5'、およびヌクレオチド113に5〜10以上の配列3'を含むことが好ましい。機能的フラグメントの配列を有するCRCA-1転写産物のオリゴヌクレオチドおよび他のフラグメントには、配列番号1のヌクレオチド110−113を含み、そしてさらに欠失により形成される独特な4個のヌクレオチド配列に対する配列5'および3'を含む。例えばCRCA-1に関して独特な配列を含む8〜28個のヌクレオチドを有するPCRプライマー、すなわち8ヌクレオチドを有する機能的フラグメントは、ヌクレオチド配列106〜113もしくは110〜117、または中間配列から生じる8ヌクレオチド配列、すなわち107〜114、108〜115もしくは109〜116を含むことができ、あるいは28ヌクレオチドを有する機能的フラグメントは、ヌクレオチド配列86〜113もしくは110〜137、または中間配列から生じる28ヌクレオチド配列を含むことができる。同様に他のCRCA-1転写産物の機能的フラグメントは、配列番号1のフラグメントの一部として配列番号1の110〜113を含む。CRCA-1に特異的なプライマーに関して、そのようなプライマーの組にはそのようなプライマー対がCRCA-1に特異的な配列を増幅するために使用できるという条件で、CRCA-1転写産物の1つの独特なフラグメントおよび独特なCRCA-1配列に特異的ではない1つのプライマーを含むことができる。
または核酸プローブ、プライマー、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたは核酸分子またはコード配列として有用となることができる。CRCA-1転写産物の機能的フラグメントは他の既知の核酸分子に比べて独特であり、特にCRCA-1転写産物の機能的フラグメントはST受容体のmRNAの核酸配列に比べて独特である。ヒトST受容体タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、図1の配列番号82およびF.J.Sauvage et al.,1991 J.Biol.Chem.266:17912-17918に開示され、これらは引用により本明細書に編入する。CRCA-1転写産物の生成をもたらす欠失した配列を図1に開示する。すなわちCRCA-1の機能的フラグメントには、ST受容体のmRNA上には見いだされない特別な配列を含む。そのような独特な配列には、いずれかの側の欠失配列を含み、すなわちST受容体のmRNA配列に関する独特の配列を形成する。したがって機能的フラグメントは配列番号1のヌクレオチド110〜113を含む。独特な配列はさらにヌクレオチド110に5〜10以上の配列5'、およびヌクレオチド113に5〜10以上の配列3'を含むことが好ましい。機能的フラグメントの配列を有するCRCA-1転写産物のオリゴヌクレオチドおよび他のフラグメントには、配列番号1のヌクレオチド110−113を含み、そしてさらに欠失により形成される独特な4個のヌクレオチド配列に対する配列5'および3'を含む。例えばCRCA-1に関して独特な配列を含む8〜28個のヌクレオチドを有するPCRプライマー、すなわち8ヌクレオチドを有する機能的フラグメントは、ヌクレオチド配列106〜113もしくは110〜117、または中間配列から生じる8ヌクレオチド配列、すなわち107〜114、108〜115もしくは109〜116を含むことができ、あるいは28ヌクレオチドを有する機能的フラグメントは、ヌクレオチド配列86〜113もしくは110〜137、または中間配列から生じる28ヌクレオチド配列を含むことができる。同様に他のCRCA-1転写産物の機能的フラグメントは、配列番号1のフラグメントの一部として配列番号1の110〜113を含む。CRCA-1に特異的なプライマーに関して、そのようなプライマーの組にはそのようなプライマー対がCRCA-1に特異的な配列を増幅するために使用できるという条件で、CRCA-1転写産物の1つの独特なフラグメントおよび独特なCRCA-1配列に特異的ではない1つのプライマーを含むことができる。
本明細書で使用する用語「結腸直腸癌に関連する翻訳産物」および「CRCA-1翻訳産物」は、配列番号2〜81に説明する翻訳産物を称することを意味する。
本明細書で使用する、用語「CRCA-1翻訳産物の機能的フラグメント」の「機能的フラグメント」は、完全長配列を持つタンパク質様化合物と同じ様式で機能するCRCA-1翻訳産物のフラグメントを意味する。例えばCRCA-1の免疫学的に機能的なフラグメントは、抗-CRCA-1翻訳産物抗体により認識されるエピトープを含んで成る。リガンドが結合するCRCA-1の機能的フラグメントは、CRCA-1翻訳産物を認識し、そして結合するリガンドに結合することができる構造を形成する配列を含んで成る。
本明細書で使用する用語「抗-CRCA-1翻訳産物抗体により認識されるエピトープ」とは、非CRCA-1翻訳産物のエピトープを認識しない、すなわち非CRCA-1タンパク質とは交差反応しない抗-CRCA-1翻訳産物抗体により認識されるエピトープを称する。
本明細書で使用する用語「抗体」は、完全な、無欠の抗体およびそれらのFabフラグメントおよびF(ab)2フラグメントを称することを意味する。完全な、無欠の抗体にはマウスモノクローナル抗体、キメラ抗体およびヒト化抗体のようなモノクローナル抗体を含む。
本明細書で使用する用語「CRCA-1翻訳産物リガンド」とは、CRCA-1翻訳産物に特異的に結合する化合物を称することを意味する。CRCA-1翻訳産物に結合する抗体は、CRCA-1翻訳産物リガンドである。CRCA-1翻訳産物リガンドは、タンパク質、ペプチドまたは非ペプチドであることができる。
本明細書で使用する用語「活性剤」は、治療薬またはイメージング剤である化合物を称
することを意味する。
することを意味する。
本明細書で使用する用語「放射安定性(radiostable)」とは、放射性崩壊を受けない化合物;すなわち放射性ではない化合物を称することを意味する。
本明細書で使用する「治療薬」とは、化学治療剤、トキシン、放射性治療剤、標的剤または放射線増感剤を称することを意味する。
本明細書で使用する用語「化学治療剤」とは、細胞と接触および/または包含された時に細胞分割を阻害するかまたは分化を誘導して、細胞に細胞死を引き起こす効果を及ぼす化合物を称することを意味する。
本明細書で使用する用語「トキシン」は、細胞と接触および/または包含した時に細胞死を生じる化合物を称することを意味する。
本明細書で使用する用語「放射性治療剤」とは、細胞と接触および/または包含した時に細胞死を生じる放射性核種を称することを意味する。
本明細書で使用する用語「標的剤(targeting agent)」とは、他の化合物により結合できる、および/または他の化合物と反応できる化合物を称することを意味する。標的剤は、化学治療剤、トキシン、酵素、放射性治療剤、抗体またはイメージング剤を、標的剤が会合する細胞に送達し、かつ/または同時に投与した活性剤を転換または変換または強化するために使用することができる。標的剤は、第2の作用物質(agent)と接触した時に所望の活性を有する第3の作用物質に転換されるか、または第2の作用物質を所望の活性を有する作用物質へと転換させる、細胞上に局在する第1の作用物質を構成する部分を含むことができる。結果は局在化した作用物質が、所望の活性を持つ作用物質を癌細胞に暴露し易くする。
本明細書で使用する用語「放射線増感剤」とは、電離放射線の傷害効果に対する細胞の感受性を上げる作用物質を称することを意味する。放射線増感剤は低用量の放射線が投与されても治療的に効果的な用量を提供することを可能とする。
本明細書で使用する用語「イメージング剤」とは、検出することができる化合物を称することを意味する。
本明細書で使用する用語「CRCA-1翻訳産物結合部分」とは、CRCA-1翻訳産物リガンドを構成する結合化合物の部分を称することを意味する。
本明細書で使用する用語「活性部分」とは、活性剤を構成する結合化合物の部分を称することを意味する。
本明細書で使用する用語「結合化合物」および「結合組成物」とは互換的に使用され、そしてCRCA-1翻訳産物結合部分および活性部分を含んで成り、そしてCRCA-1翻訳産物に結合することができる化合物を称することを意味する。本発明の結合化合物は、CRCA-1翻訳産物リガンドを構成する部分および活性剤を構成する部分を含んで成る。すなわち本発明の結合化合物はCRCA-1翻訳産物に特異的に結合し、そして治療剤またはイメージング剤である部分を含むことができる。結合組成物は、分子間のスペーサーとして役立つ架橋物質(crosslinker)および/または分子を含んで成ってもよい。
本明細書で使用する用語「架橋物質」、「架橋剤」、「結合剤」、「カップリング剤」
、「縮合試薬」および「二官能性架橋剤」は互換的に使用され、そしてCRCA-1翻訳産物リガンドおよび活性剤を結合し、複合化合物を形成するために使用される分子群を称する。
、「縮合試薬」および「二官能性架橋剤」は互換的に使用され、そしてCRCA-1翻訳産物リガンドおよび活性剤を結合し、複合化合物を形成するために使用される分子群を称する。
本明細書で使用する用語「結腸直腸癌」は、小腸下(すなわち盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸およびS字結腸を含む大腸(結腸)および直腸を含む)の腸管の癌細胞に特徴的な医学的状態として結腸直腸癌を定める十分に受け入れられている医学的定義を含むことを意味する。さらに本明細書で使用するように、用語「結腸直腸癌」は、さらに十二指腸および小腸(空腸および回腸)の癌細胞に特徴的である医学的状態を含むことを意味する。本明細書で使用する結腸直腸癌の定義は通常の医学的定義よりも広いが、十二指腸および小腸の細胞もCRCA-1翻訳産物を含むのでそのように提供される。
本明細書で使用する用語「転移」は、1つの器官または身体の部分に生じた癌細胞が別の身体の部分に移動し、そして複製し続けるプロセスを称することを意味する。転移した細胞は続いてさらに転移し得る腫瘍を形成する。このように転移はもともと発生した身体の部分から身体の他の部分へ起こる癌の広がりを称する。
本明細書で使用する用語「転移した結腸直腸癌細胞」は、結腸直腸癌細胞が、十二指腸および小腸(空腸および回腸)、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸およびS字結腸を含む大腸(結腸)および直腸以外の身体の部分に位置した、すでに転移した結腸直腸癌を称することを意味する。
本明細書で使用する用語「非結腸直腸サンプル」および「腸外サンプル」とは互換的に使用され、そして結腸直腸組織以外の起源に由来する組織または体液のサンプルを称することを意味する。幾つかの好適な態様では、非結腸直腸サンプルはリンパ節のような組織のサンプルである。幾つかの好適な態様では、非結腸直腸サンプルは起源が確認されていない腺癌である腸外組織のサンプルである。幾つかの好適な態様では、非結腸直腸サンプルは血液サンプルである。
本明細書で使用する用語「起源が確認されていない腺癌に罹患している個体」とは、起源が決定的には同定されていない腫瘍を有する個体を称することを意味する。
本明細書で使用する用語「胃または食道癌の罹病性が疑われる個体」は、胃または食道癌を発症する特定の危険性にある個体を称することを意味する。胃または食道癌を発症する特定の危険性にある個体の例は、家族の病歴が、家族のメンバーの間で平均より高い胃または食道癌の発症率を示す個体、かつ/または胃または食道癌をすでに発症し、そして効果的に処置したのでぶり返しおよび再発の危険性に直面している個体である。
本明細書で使用する用語「アンチセンス組成物」および「アンチセンス分子」は互換的に使用され、そしてDNAまたはRNAにハイブリダイズし、そして転写または翻訳が起こることを阻害かつ/または防止することにより転写または翻訳を調節する化合物を称することを意味する。アンチセンス分子には核酸分子およびそれらの誘導体および同族体を含む。アンチセンス分子は、アンチセンス分子が核酸分子または誘導体もしくは同族体であるか否かにかかわらず、相補的なヌクレオチド配列が行う様式と同じ様式でDNAまたはRNAにハイブリダイズする。アンチセンス分子は発現が結腸直腸癌に関連する遺伝子の転写または翻訳を阻害または防止する。
本明細書で使用する用語「CRCA-1免疫原」とは、1以上のCRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメントまたはそれもしくはハプテン化したそれらの産物を含んでなるタンパク質、少なくとも1つのCRCA-1エピトープを提示する細胞および粒子、および1つのCRCA-1エピトープを提示するハプテン化細胞およびハプテン化粒子を称することを意味する。
本明細書で使用する用語「組換え発現ベクター」は、プラスミド、ファージ、ウイルス粒子または適当な宿主に導入された時、タンパク質をコードするコード配列の発現を支配するために必要な遺伝的要素を含む他のベクターを称することを意味する。コード配列は必要な調節配列に操作可能に連結される。発現ベクターは周知であり、そして容易に入手可能である。発現ベクターの例には、プラスミド、ファージ、ウイルスベクター、および宿主細胞を形質転換し、そしてコード配列の発現を容易にする伝達物を含む他の核酸分子(1つまたは複数)を含む。
本明細書で使用する用語「非正統的転写」とは、他の組織に由来する細胞中の組織−特異的遺伝子の低レベルまたはバックグラウンド発現を称することを意味する。すなわち非正統的転写の現象は、他の組織中で組織特異的な転写産物に関するmRNAのコピーを提供する。遺伝子発現を検出するために使用する検出技術が非正統的転写を検出するために十分な感度ならば、非正統的転写による陰性サンプル中の転写産物の発現レベルは、対照および/または定量的アッセイおよび/または他の手段を使用することより、非正統的転写による疑陽性の発生を排除するために割り引かなければならない。あるいはサンプル中のCRCA遺伝子発現の証明の検出は、非正統的転写により存在するCRCA転写産物を検出することなく行う。これはバックグラウンドとして存在する非正統的転写により存在するCRCA転写産物の検出に十分な感受性ではない技法を使用して行う。
ST受容体およびCRCA-1
胃または食道に由来する癌腫は、それらの細胞表面上にST受容体を発現する。そのような腫瘍によるST受容体の発現は、このタンパク質およびそのmRNAを腸外組織および血液中の癌細胞の存在の特異的バイオマーカーになることを可能とする。実際にこの特徴は、RT-PCR分析によるST受容体mRNAの検出が、結腸直腸癌を持つ患者を段階にわけ(stage)、そして手術後の患者について彼らの血液中に疾患の再発の証拠を追跡し、ならびに胃および食道癌を検出するための診断試験となることを可能とする。さらにST受容体は活性剤をインビボの腫瘍細胞に送達するために活性剤に結合したリガンドを用いて標的とすることができる。
胃または食道に由来する癌腫は、それらの細胞表面上にST受容体を発現する。そのような腫瘍によるST受容体の発現は、このタンパク質およびそのmRNAを腸外組織および血液中の癌細胞の存在の特異的バイオマーカーになることを可能とする。実際にこの特徴は、RT-PCR分析によるST受容体mRNAの検出が、結腸直腸癌を持つ患者を段階にわけ(stage)、そして手術後の患者について彼らの血液中に疾患の再発の証拠を追跡し、ならびに胃および食道癌を検出するための診断試験となることを可能とする。さらにST受容体は活性剤をインビボの腫瘍細胞に送達するために活性剤に結合したリガンドを用いて標的とすることができる。
引用により本明細書に編入する1996年5月21日に発効されたWaldmanへの米国特許第5,518,888号明細書、1994年10月26日に出願されたPCT/US94/12232号明細書、1995年6月6日に出願された米国特許出願第08/467,920号明細書および1996年1月5日に出願された米国特許出願第08/583,447号明細書は、転移した結腸直腸腫瘍がST受容体を標的にすることにより、活性化合物を送達するために標的化され得ることを開示する。結腸直腸癌のマーカーとして胃腸管外の細胞上のST受容体の存在は、転移した結腸直腸腫瘍を有する個体のスクリーニング、同定および処置を可能とする。ST受容体は遺伝子治療薬およびアンチセンス化合物の結腸直腸細胞への標的送達にも使用することができる。
引用により本明細書に編入する1997年2月11日に発効されたWaldmanへの米国特許第5,601,990号明細書、1994年10月26日に出願されたPCT/US94/12232号明細書および1997年5月2日に出願されたPCT/US97/07467号明細書は、腸管外に由来する組織および体液のサンプル中のST受容体の発現の証拠の検出が転移した結腸直腸癌を示すことを開示する。
引用により本明細書に編入する1997年5月2日に出願されたPCT/US97/07565号明細書は、ST受容体と反応する抗体により標的にすることができるエピトープを含む免疫原は、予防的および治療的な抗-転移性結腸直腸癌組成物として有用なワクチン組成物に使用できることを開示する。
最近、ヒトの結腸癌腫細胞から単離されたST受容体の別のmRNA形態が同定された。この
mRNAはST受容体のコード領域中の第1エキソンに核酸の実質的な欠失を有する。この欠失はコード領域のフレームシフトを生じるので、もはやST受容体のアミノ酸配列をコードしない。しかしこの交互スプライス変異体mRNAはST受容体の発現に平行する発現の選択的パターンを表すようである。この新たに同定されたmRNAは正常な腸の粘膜細胞、ヒト結腸直腸腫瘍にのみ検出されたが、腸外組織では検出されなかった。さらにこの新たに同定されたmRNAはST受容体mRNAとは別にRT-PCR分析により検出することができる。今、CRCAは胃および食道癌について癌細胞中で発現することが見いだされた。すなわち本発明はこの結腸直腸癌に付随する転写産物(CRCA-1)の、胃および食道癌を有する患者を診断し、段階にわけ、そして術後に監視するための特異的な分子診断マーカーとしての使用を提供する。
mRNAはST受容体のコード領域中の第1エキソンに核酸の実質的な欠失を有する。この欠失はコード領域のフレームシフトを生じるので、もはやST受容体のアミノ酸配列をコードしない。しかしこの交互スプライス変異体mRNAはST受容体の発現に平行する発現の選択的パターンを表すようである。この新たに同定されたmRNAは正常な腸の粘膜細胞、ヒト結腸直腸腫瘍にのみ検出されたが、腸外組織では検出されなかった。さらにこの新たに同定されたmRNAはST受容体mRNAとは別にRT-PCR分析により検出することができる。今、CRCAは胃および食道癌について癌細胞中で発現することが見いだされた。すなわち本発明はこの結腸直腸癌に付随する転写産物(CRCA-1)の、胃および食道癌を有する患者を診断し、段階にわけ、そして術後に監視するための特異的な分子診断マーカーとしての使用を提供する。
限定するわけではないがRT-PCRを含む分子技法を使用したCRCA-1の発現の検出は、患者を診断し、そして段階にわけ、術後の再発の発生を追跡し、そして潜在的には正常な人を胃または食道癌の発症についてスクリーニングするために使用することができる。限定するわけではないがRT-PCRを含む分子技法を使用したCRCA-1の発現の検出は、患者を診断し、そして段階にわけ、術後の再発の発生を追跡し、そして潜在的には正常な人を胃または食道癌の発症についてスクリーニングするために使用することができる。
CRCA-1転写産物のヌクレオチド配列は、配列番号1に説明する。
さらに1以上の翻訳産物がCRCA-1転写産物の翻訳から生成し得ることが見いだされた。転写産物は翻訳が始まることができる多数の開始コドンを含み、多数の翻訳産物を生成する。CRCA-1翻訳産物のアミノ酸配列は、配列番号2〜81に説明する。
ST受容体はそれらが腸管にある細胞の先端ブラシ境界膜(apical brush border membrane)にのみ存在する点が独特である。実際にはそれらは胎盤哺乳類の他の細胞型には見いだされない。さらにST受容体はほとんど排他的に先端膜に局在し、わずかに腸細胞側の基底外側膜に見いだされるだけである。ST受容体のようにCRCA-1の発現も同様に局在化している。
腸にある粘膜細胞は、腸内容物の血流への、および血流の成分の腸管腔への通過に対するバリアを形成する強固な連結部により互いに結合している。したがってST受容体およびCRCA-1単離物を発現している細胞の先端位置は、循環系からそのような細胞の隔離をもたらすので、それらは身体の残りから離れて存在すると考えることができ;本質的に身体の「外側」である。したがって身体の残りは腸管の「外側」と考えられる。腸管の「外側」に投与される組成物は離れて維持され、そして通常はST受容体を発現する細胞からも分離される。逆に腸管の外側の組織から採取した組織サンプルは、ST受容体およびCRCA-1を発現する細胞を通常は含まない。
結腸直腸癌に罹患している個体では、癌細胞はしばしばST受容体を生産し、そして提示する細胞に由来し、そしてこれらの癌細胞はそれらの細胞表面上にSTを生成し、そして提示し続ける。CRCA-1は結腸直腸癌細胞で発現することが観察された。同様にCRCA-1は胃および食道癌で発現する。
胃および食道腫瘍細胞によるCRCA-1の発現は、インビトロスクリーニング、モニタリングおよびステージングのための検出可能な標的、ならびに造影および処置のための活性剤を含んで成る結合組成物のインビボ送達の標的を提供する。
インビトロ診断
本発明の幾つかの態様に従い、腸管の外側の細胞によるCRCA-1発現の証拠を検出するために、患者および患者のサンプルをスクリーニングし、診断し、そして分析するための組
成物、キットおよびインビトロ方法が提供され、ここでCRCA-1の発現は胃または食道癌を示唆している。さらに本発明は腸管の外側の腫瘍細胞によるCRCA-1発現の証拠を検出するために、患者および患者のサンプルのインビトロスクリーニングおよび分析に有用な方法、組成物およびキットに関し、ここでCRCA-1を発現する細胞の存在は腫瘍が胃または食道癌を起源とすることを示唆し、または確認する。さらに本発明の観点では、胃または食道細胞を視覚化するために有用な組成物、キットおよび方法を提供する。胃または食道の原発性癌を同定するための胃または食道組織に由来する組織サンプルを分析するそのような組成物、キットおよび方法。
本発明の幾つかの態様に従い、腸管の外側の細胞によるCRCA-1発現の証拠を検出するために、患者および患者のサンプルをスクリーニングし、診断し、そして分析するための組
成物、キットおよびインビトロ方法が提供され、ここでCRCA-1の発現は胃または食道癌を示唆している。さらに本発明は腸管の外側の腫瘍細胞によるCRCA-1発現の証拠を検出するために、患者および患者のサンプルのインビトロスクリーニングおよび分析に有用な方法、組成物およびキットに関し、ここでCRCA-1を発現する細胞の存在は腫瘍が胃または食道癌を起源とすることを示唆し、または確認する。さらに本発明の観点では、胃または食道細胞を視覚化するために有用な組成物、キットおよび方法を提供する。胃または食道の原発性癌を同定するための胃または食道組織に由来する組織サンプルを分析するそのような組成物、キットおよび方法。
インビトロスクリーニングおよび診断組成物、方法およびキットは、局所的疾患および/または転移した疾患を診断された人および/またはその疾患に遺伝的に関連している人のような胃または食道癌について高い危険性群にある個体を監視するために使用することができる。インビトロスクリーニングおよび診断組成物、方法およびキットは、原発性の胃または食道癌を患っている、および/またはそれらを処置した個体を、癌が転移したかどうかを決定するための監視に使用することができる。インビトロスクリーニングおよび診断組成物、方法およびキットは、胃または食道癌を患っている、および/またはそれらを処置した個体を、癌が排除されたかどうかを決定するための監視に使用することができる。インビトロスクリーニングおよび診断組成物、方法およびキットは疑いがある、すなわち遺伝子スクリーニングおよび/または家系により遺伝的に素因があると同定された個体の監視に使用することができる。遺伝学の解明および技術の開発ならびに疫学における進歩により、個体が胃または食道癌を発症する確率および危険性の評価の決定が可能である。家族の病歴および/または遺伝子スクリーニングを使用して、特定の個体が胃または食道癌を含む特定の種類の癌を発症する確率を推定することが可能である。特定の形態の癌を発症する素因があると同定された個体を、胃または食道癌の証拠を検出するために監視し、またはスクリーニングすることができる。そのような証拠を発見したら、早期の処置を施して疾患を克服することができる。したがって胃または食道癌を発症する危険がある個体を同定することができ、そしてそのような個体からサンプルを採取することができる。本発明は胃または食道癌に罹患した親類を含む家族の病歴が同定された個体を監視するために特に有用である。同様に本発明は胃または食道癌を有すると診断された個体、そして特にすでに処置し、そして腫瘍を除去した個体、および/または胃または食道癌について処置した人を含め寛解を経験している個体を監視するために有用である。
インビトロスクリーニングおよび診断組成物、方法およびキットは腫瘍の分析に使用することができる。CRCA-1の発現は細胞型のマーカーであり、そして未知の起源の腺癌の起源が胃または食道腫瘍であり得ることを示唆し、ならびに胃または食道癌の初期診断における補助が確実となる。胃または食道が起源と考えられる腫瘍は、本発明の組成物、方法およびキットを使用してそのまま確認することができる。
本発明のインビトロスクリーニングおよび診断組成物、キットおよび方法は胃または食道の組織に由来する組織サンプルを分析して、原発性の胃または食道癌を同定するために使用することができる。
本発明に従い、CRCA-1転写または翻訳産物に結合する化合物が提供される。身体中の正常な組織は、胃腸管の細胞を除きCRCA-1転写または翻訳産物を持たない。CRCA-1の発現は細胞型のマーカーであり、そして腸外サンプル中で胃または食道癌を同定するため有用である。
本発明の幾つかの態様では、非-結腸直腸組織および液体サンプルまたは腫瘍サンプルをスクリーニングして、CRCA-1翻訳産物の存在または不存在を同定することができる。ELISAアッセイおよびウエスタンブロットのような技法を行って、1以上のCRCA-1翻訳産物
がサンプル中に存在するかどうかを決定することができる。
がサンプル中に存在するかどうかを決定することができる。
本発明の幾つかの態様では、非-結腸直腸組織および液体サンプルまたは腫瘍サンプルをスクリーニングして、1以上のCRCA-1翻訳産物が結腸直腸管の外側の細胞中で発現しているかどうかを、CRCA-1転写産物の存在または不存在を検出することにより同定することができる。したがってCRCA-1転写産物またはそれらから生成されたcDNAの存在は、PCR増幅、分枝オリゴヌクレオチド法、ノーザンブロット(mRNA)、サザンブロット(cDNA)またはオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションのような技法を使用して決定することができる。
本発明の幾つかの態様では、非-結腸直腸組織サンプルまたは腫瘍サンプルの細胞を調査して、1以上のCRCA-1翻訳産物の存在または不存在を同定することができる。免疫組織化学的ブロットのような技法を組織切片について行って、1以上のCRCA-1翻訳産物がサンプル中に存在するかどうかを決定することができる。
本発明の幾つかの態様では、非-結腸直腸組織サンプルまたは腫瘍サンプルの細胞を調査して、1以上のCRCA-1翻訳産物が結腸直腸管の外側の細胞中で発現しているかどうかを、CRCA-1転写産物の存在または不存在を検出することにより決定することができる。組織切片に由来する細胞中のCRCA-1転写産物またはそれらから生成されたcDNAの存在は、in situハイブリダイゼーションのような技法を使用して決定することができる。
非-結腸直腸組織および液体サンプル中または非-結腸直腸組織サンプルに由来する細胞上の1以上のCRCA-1翻訳産物の存在は、胃または食道癌の可能性を示唆している。腫瘍サンプル中または腫瘍細胞上の1以上のCRCA-1翻訳産物の存在は、腫瘍が胃または食道に由来し得ることを示唆している。非-結腸直腸組織および液体サンプル中または非-結腸直腸組織サンプルに由来する細胞上のCRCA-1転写産物の存在は、胃または食道癌の可能性を示唆している。腫瘍サンプル中および腫瘍細胞中のCRCA-1転写産物の存在は、腫瘍が胃または食道に由来し得ることを示唆している。
サンプルは切除した組織または針生検を含む生検材料から得ることができる。外科病理学用の組織切片調製物は凍結し、そして標準的技法を使用して調製することができる。組織切片上の免疫組織化学およびin situハイブリダイゼーション結合アッセイは、固定した細胞で行うことができる。余分な腸のサンプルは超音波、機械的破壊または界面活性剤による溶解のような化学的溶解のような標準的技法により均一化することができる。また血液、尿、リンパ液、脳脊髄液、羊水、膣液、精液および便サンプルのような身体の腫瘍サンプルもスクリーニングして、そのような腫瘍が結腸直腸に由来するのかどうかを決定することができるということも企図する。
非-結腸直腸組織サンプルは結腸直腸管、すなわち小腸下(すなわち盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸およびS字結腸を含む大腸(結腸)、および直腸)の腸管およびさらに十二指腸および小腸(空腸および回腸)を除く任意の組織から得ることができる。結腸直腸管を除くすべての組織の細胞は、1以上のCRCA-1翻訳産物を発現しない。すなわち1以上のCRCA-1翻訳産物またはCRCA-1転写産物が非-結腸直腸組織サンプル中で検出されれば、胃または食道癌の存在の可能性が示唆される。幾つかの好適な態様では、組織サンプルはリンパ節である。
組織サンプルは生検針の使用を含む標準的な外科的技法により得ることができる。当業者は、1以上のCRCA-1翻訳産物について調査できる多種の試験サンプルを容易に想定し、そして組織サンプルを得る方法を認識するだろう。
組織サンプルは、1以上のCRCA-1翻訳産物の存在についてスクリーニングするために、超音波、機械的破壊または界面活性剤による溶解のような化学的溶解またはそれらの組み合わせのような周知技法により均一化または調製することができる。
体液サンプルの例には血液、尿、リンパ液、脳脊髄液、羊水、膣液および精液を含む。幾つかの好適な態様では、血液を体液サンプルとして使用する。細胞は遠心のように液体サンプルから単離することができる。当業者は1以上のCRCA-1翻訳産物について調査できる多種の試験サンプルを容易に想定するだろう。試験サンプルはシリンジまたは綿棒を用いて液体を取り出すような方法により得ることができる。当業者は試験サンプルを得る別の方法を容易に認識するだろう。
血液サンプルを使用したアッセイでは、血漿を血液細胞から分離することができる。血漿は、1以上のCRCA-1翻訳産物が腫瘍細胞から開裂またははがれる(sloughed)時に血液中に放出された短縮化タンパク質を含む1以上のCRCA-1翻訳産物についてスクリーニングすることができる。幾つかの態様では、血液細胞画分を胃または食道腫瘍細胞の存在についてスクリーニングする。幾つかの態様では、血液細胞画分中に存在するリンパ球は、細胞を溶解し、そして血液細胞により巻き込まれた(engulfed)胃または食道腫瘍細胞の存在の結果として存在し得る1以上のCRCA-1翻訳産物またはCRCA-1転写産物の存在を検出することによりスクリーニングされる。
本発明の観点には、サンプルがCRCA-1を発現する細胞を含むかどうかを、CRCA-1転写産物を検出するためのヌクレオチドに基づく分子分析により決定する種々の方法を含む。数種の方法がそのような分析を行うために利用でき、それらにはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法、分枝オリゴヌクレオチド法、ノーザンブロット法、オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション法およびin situハイブリダイゼーション法を含む。
本発明はCRCA-1転写産物の同定法に使用するオリゴヌクレオチドプローブおよびプライマー、およびそのような成分を含んで成る診断キットに関する。
CRCA-1転写産物を検出するためのmRNA配列に基づく方法には、限定するわけではないがポリメラーゼ連鎖反応法、分枝オリゴヌクレオチド法、ノーザンおよびサザンブロット法、in situハイブリダイゼーション法およびオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション法を含む。
本明細書に記載する方法は、どのように本発明を実施できるかを例示することを意味し、そして本発明の範囲を限定することを意味しない。非-結腸直腸サンプル中のCRCA-1転写産物の存在を検出するための他の配列に基づく方法も本発明に従い使用できることを意図する。
非-結腸直腸サンプルに由来する遺伝子材料中のCRCA-1転写産物を検出する好適な方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を使用する。PCR法は当業者により日常的に行われ、そしてその診断における使用は周知であり、そして認められている。PCR法を行うための方法は、「PCRプロトコール:方法および応用の指針(PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications)」、Innis,M.A.,et al.編集、アカデミック出版、サンディエゴ、カリフォルニア州(1990)に開示されており、これは引用により本明細書に編入する。PCR法の応用は「ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chaine Reaction)」、Erlich,H.A.,et al.編集、コールドスプリングハーバー出版、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク州(1989)に開示され、これは引用により本明細書に編入する。引用により本明細書に編入する米国特許第4,683,202号明細書、米国特許第4,683,195号明細書、米国特許第4,965,188号明細書および米国特許第5,075,216号明細書は、PCRを行う方法を開示する。PCRはパ
ーキンエルマーシータス(Perkin Elmer Cetus)のGENE AMP RNA PCR キット、部品番号N808-0017を使用して日常的に行うことができる。
ーキンエルマーシータス(Perkin Elmer Cetus)のGENE AMP RNA PCR キット、部品番号N808-0017を使用して日常的に行うことができる。
PCR法は、RNAまたはDNA分子中に存在する配列にハイブリダイズする5'および3'プライマーを提供することにより、そしてさらにDNAの相補鎖を生成するためにプライマーと遊離ヌクレオチドとの間のヌクレオチド配列に相補的な塩基を満たす遊離ヌクレオチドおよび酵素を提供することにより、多数のDNA配列のコピーを迅速に生成することを可能とする。酵素はプライマーに隣接する相補的配列を満たす。5'プライマーおよび3'プライマーの両方が核酸の同じ小さいフラグメント上のヌクレオチド配列にハイブリダイズすれば、特別な二本鎖のサイズの産物の指数的増幅が生じる。1つのプライマーのみが核酸フラグメントにハイブリダイズすれば、1次増幅により長さが変動する1本鎖産物を生成する。
PCRプライマーは配列情報を使用して当業者により日常的に設計され得る。CRCA-1転写産物のヌクレオチド配列は配列番号1に説明されている。この方法を行うために、RNAをサンプル中の細胞から抽出し、そして周知の方法および容易に入手可能な出発材料を使用してcDNAを作成するために試験または使用する。当業者はPCRプライマーを容易に作成することができる。1組のプライマーは一般に2つのプライマーを含む。抽出したmRNAまたはそれらから生成したcDNAについてPCRを行う時、CRCA-1転写産物またはそれらから生成したcDNAが存在すれば、mRNAまたはcDNAの多数のコピーが生成されるだろう。存在しない場合は、PCRは別々の検出可能な産物を生成しないだろう。プライマーは一般に8〜50ヌクレオチドであり、好ましくは約15〜35ヌクレオチド、より好ましくは18〜28ヌクレオチドであり、これらはCRCA-1転写産物またはそれらから生成されたcDNAと同一または相補的であり、したがってそれらにハイブリダイズする。好適な態様では、プライマーはそれぞれ、配列番号1の15〜35ヌクレオチド、より好ましくは18〜28ヌクレオチドのフラグメントである。プライマーは配列にハイブリダイズして増幅されなければならない。典型的なプライマーは18〜28ヌクレオチド長であり、そして一般的に50%〜60%のG+C組成を有する。好ましくはプライマー全体がハイブリダイズしなければならない配列に相補的である。好ましくはプライマーは100塩基対〜2000塩基対のPCR産物を生成する。しかし50〜10kb以上の産物を生成することも可能である。mRNAが鋳型として使用される場合、プライマーはmRNA配列にハイブリダイズしなければならない。cDNAが鋳型として使用される場合、プライマーはcDNA配列にハイブリダイズしなければならない。少なくとも1つのプライマーが、ST受容体タンパク質をコードするmRNAには見いだされない独特なヌクレオチド配列にハイブリダイズする。
mRNAまたはcDNAは標準的なPCRプロトコールに従いプライマー、遊離ヌクレオチドおよび酵素と合わせられる。混合物は一連の温度変化を受ける。CRCA-1転写産物またはそれらから生成されたcDNAが存在する場合、すなわち両プライマーが同じ分子上の配列にハイブリダイズする場合、プライマーおよび介在する相補的配列を含んで成る分子が指数的に増幅するだろう。増幅したDNAは様々な周知手段により容易に検出することができる。CRCA-1転写産物またはそれらから生成されたcDNAが存在しない場合、PCR産物は指数的に増幅しないだろう。したがってPCR法はサンプル中のCRCA-1転写産物の大変容易で単純かつ信頼性のある検出法を提供する。
PCR産物は幾つかの周知手段により検出することができる。増幅したDNAの存在を検出するための好適な方法は、PCR反応材料をゲル電気泳動により分離し、そして存在するならば増幅したDNAを視覚化するためにゲルをエチジウムブロマイドで染色することである。増幅したDNAの予想されるサイズのサイズ標準は、好ましくはゲルに対照として泳動する。
場合によっては通常ではない少量のRNAが回収され、そして少量のcDNAがそれらから生成されるだけの時のように、最初のPCR反応産物についてPCR反応を行うことが好ましく、または必要である。すなわち最初の反応により生成された増幅したDNAの量を検出することが困難ならば、2回目のPCRを行って最初に増幅したDNAの多数のDNA配列のコピーを作成することができる。プライマーのネスティッド(nested)組をこのPCR反応に使用する。プライマーのネスティッド組は、最初の反応に使用した5'プライマーの下流および3'プライマーの上流の配列にハイブリダイズする。
本発明はCRCA-1転写産物またはそれらから生成されたcDNAを増幅するためのPCR法を行うためにプライマーとして有用なオリゴヌクレオチドを含む。
本発明に従い、非結腸直腸サンプル中のCRCA-1転写産物またはそれらから生成されたcDNAの存在の検出法を行うために有用な診断キットを集成することができる。そのような診断キットは、PCR法を行うためにプライマーとして有用なオリゴヌクレオチドを含んで成る。本発明に従い診断キットは、増幅したDNAの存在を検出するために使用するゲル上の標準として泳動するサイズマーカーを含んで成る容器を含んで成ることが好ましい。このサイズマーカーは、CRCA-1転写産物またはそれらから生成されたcDNAの存在下でプライマーにより生成されるDNAと同じサイズである。幾つかのキット中のさらなる成分には、アッセイを行うための使用説明書を含む。さらにキットは任意に陽性および陰性結果の外観を表す絵(depiction)または写真を含んでもよい。
PCRアッセイは、均一化した組織サンプルおよび体液サンプル中の細胞中のCRCA-1転写産物を検出するために有用である。液体サンプルのプラズマ部分に関するPCRは、CRCA-1転写産物を検出するために使用できることを意図する。
サンプルがCRCA-1を発現している細胞を含むかどうかを決定する別の方法は、サンプルから抽出されたmRNAの分枝鎖オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション分析による。分枝鎖オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションは、引用により本明細書に編入する米国特許第5,597,909号明細書、米国特許第5,437,977号明細書および米国特許第5,430,138号明細書に記載されているように行うことができる。試薬はこれらの特許明細書の教示およびCRCA-1転写産物の配列に従い設計することができる。
サンプルがCRCA-1を発現している細胞を含むかどうかを決定する別の方法は、非結腸直腸サンプルから抽出されたmRNAのノーザンブロット分析による。ノーザンブロット分析を行うための技術は当業者には周知であり、そしてSambrook,J.et al.,(1989) モレキュラークローニング:ラボラトリーマニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版、コールドスプリングハーバー、ニューヨークに記載されている。mRNA抽出、mRNAの電気泳動的分離、ブロッティング、プローブの調製およびハイブリダイゼーションは、すべて容易に入手可能な出発材料を使用して日常的に行うことができる周知の技術である。
mRNAはpoly dTカラムを使用して抽出し、そして材料を電気泳動により分離し、そして例えばニトロセルロース紙に転写する。単離された特異的フラグメント(1つまたは複数)から作成した標識したプローブを使用して、紙上に固定化された相補的フラグメントの存在を視覚化することができる。ノーザンブロットでmRNAを同定するために有用なプローブは、CRCA-1転写産物に相補的なヌクレオチド配列を有する。当業者は配列番号1の配列情報を使用してそのようなプローブを設計し、またはプローブとして使用するためにCRCA-1転写産物またはそれらから生成したcDNAを単離し、そしてクローン化することができる。そのようなプローブは少なくとも15ヌクレオチド、好ましくは30〜200、より好ましくは40〜100ヌクレオチドのフラグメントであり、そしてCRCA-1転写産物全体でもよい。
本発明に従い、ノーザンブロッティングにより非結腸直腸サンプル中のCRCA-1転写産物の存在の検出法を行うために有用な診断キットを集成することができる。そのような診断キットは、mRNAにハイブリダイズするプローブとして有用なオリゴヌクレオチドを含んで成る。プローブは放射標識してもよい。本発明に従い診断キットは、ゲル上の標準として泳動するサイズマーカーを含んで成る容器を含んで成ることが好ましい。本発明に従い診断キットは、プローブにハイブリダイズする陽性対照を含んで成る容器を含んで成ることが好ましい。幾つかのキット中のさらなる成分には、アッセイを行うための使用説明書を含む。さらにキットは任意に陽性および陰性結果の外観を表す絵または写真を含んでもよい。
ノーザンブロット分析は、均一化した組織および体液サンプル中の細胞中のCRCA-1転写産物を検出するために有用である。液体サンプルのプラズマ部分に関するPCRは、CRCA-1転写産物を検出するために使用できることを意図する。
CRCA-1の存在を検出する別の方法は、オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション法による。オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション法は当業者には周知である。簡単に説明すると、検出可能なプローブ、これはCRCA-1転写産物のヌクレオチド配列にハイブリダイズする特異的なヌクレオチド配列を含む。サンプルに由来するRNAまたはRNAから生成したcDNAを、通常は濾紙等に固定する。プローブを加え、そしてプローブが固定した遺伝子材料に完全に相補的である場合のみハイブリダイゼーションが可能な条件下で維持する。条件はプローブの一部のみが固定された材料にハイブリダイズするプローブを洗い流すために十分ストリンジェントである。洗浄した濾紙上のプローブの検出は、相補的配列を示す。
オリゴヌクレオチドアッセイに有用なプローブは少なくとも18ヌクレオチドの相補的DNAであり、そしてCRCA-1転写産物に完全に相補的な配列ほどの大きさでよい。幾つかの好適な態様では、本発明のプローブは30〜200ヌクレオチド、好ましくは40〜100ヌクレオチドである。プローブは好ましくはST受容体をコードする配列に関して独特である配列を含む。
当業者は配列番号1に開示された配列情報を使用して、CRCA-1転写産物に完全に相補的であるが、ST受容体をコードする配列には相補的ではないプローブを設計することができる。ハイブリダイゼーション条件は完全には相補的ではないハイブリダイゼーションにより日常的に至適化してバックグラウンドシグナルを最小にすることができる。幾つかの好適な態様では、プローブは完全長のクローンである。プローブは少なくとも15ヌクレオチド、好ましくは30〜200ヌクレオチド、より好ましくは40〜100ヌクレオチドのフラグメントであり、そしてCRCA-1転写産物全体でもよい。
本発明はオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションを行うためにプローブとして有用な標識したオリゴヌクレオチドを含む。すなわちそれらはCRCA-1転写産物に完全に相補的であるが、ST受容体転写産物には相補的ではない。例えばmRNA配列は異なるエキソンによりコードされる部分を含む。本発明の標識したプローブは放射標識したヌクレオチドで標識されるか、または容易に入手可能な非放射性の検出系により検出可能である。
本発明に従い、本発明のオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション法を行うために有用である診断キットを集成することができる。そのような診断キットは、ST受容体をコードするコード配列とは異なるCRCA-1転写産物の部分をコードする標識したオリゴヌクレオチドを含んで成る。本発明に従いオリゴヌクレオチド診断キットの標識プローブは、放射性ヌクレオチドにより標識されることが好ましい。本発明によるオリゴヌクレオチドハイ
ブリダイゼーションに基づく診断キットは、好ましくは陽性および陰性対照を表すDNAサンプルを含んで成る。陽性対照のDNAサンプルはプローブがアッセイ条件下で分子にハイブリダイズするように、キットのプローブに完全に相補的なヌクレオチド配列を有する核酸分子を含んで成るものである。陰性対照のDNAサンプルは、キットのプローブの配列に部分的に相補的なヌクレオチド配列である少なくとも1つの核酸分子を含んで成るものである。アッセイ条件下で、プローブは陰性対照のDNAサンプルとはハイブリダイズしないだろう。幾つかのキット中のさらなる成分には、アッセイを行うための使用説明書を含む。さらにキットは任意に、陽性および陰性結果の外観を表す絵または写真を含んでもよい。
ブリダイゼーションに基づく診断キットは、好ましくは陽性および陰性対照を表すDNAサンプルを含んで成る。陽性対照のDNAサンプルはプローブがアッセイ条件下で分子にハイブリダイズするように、キットのプローブに完全に相補的なヌクレオチド配列を有する核酸分子を含んで成るものである。陰性対照のDNAサンプルは、キットのプローブの配列に部分的に相補的なヌクレオチド配列である少なくとも1つの核酸分子を含んで成るものである。アッセイ条件下で、プローブは陰性対照のDNAサンプルとはハイブリダイズしないだろう。幾つかのキット中のさらなる成分には、アッセイを行うための使用説明書を含む。さらにキットは任意に、陽性および陰性結果の外観を表す絵または写真を含んでもよい。
オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション法は、均一化した組織サンプルおよび体液サンプル中の細胞中のCRCA-1転写産物を検出するために有用である。液体サンプルのプラズマ部分に関するPCRは、CRCA-1転写産物を検出するために使用できることを意図する。
本発明は腫瘍サンプルの由来が胃または食道であるか否かを決定するために、腫瘍サンプルを評価するためのインビトロキット、およびそれを行うために有用な試薬および組成物に関する。本発明の幾つかの態様では、腫瘍サンプルは胃または食道の腫瘍を除去するための手術を受けているか、または手術から回復した個体、他の器官の腫瘍または生検材料から単離することができる。腫瘍サンプルはCRCA-1転写産物の存在または不存在を同定するために分析する。免疫組織化学アッセイのような技法を行って、1以上のCRCA-1翻訳産物が腫瘍サンプル中の細胞に存在するかどうかを決定し、この存在は結腸直腸起源であることを示す。ST受容体タンパク質をコードするmRNAまたはそれらから生成したcDNAの存在は、in situハイブリダイゼーション、免疫組織化学およびin situ ST結合アッセイのような技法を使用して決定することができる。
in situハイブリダイゼーション技法は当業者には周知である。簡単に説明すると、細胞を固定し、そして特異的なヌクレオチド配列を含む検出可能なプローブを固定化した細胞に加える。細胞が相補的なヌクレオチド配列を含む場合、検出できるプローブがそれらにハイブリダイズする。
オリゴヌクレオチドアッセイに有用なプローブは少なくとも18ヌクレオチドの相補的DNAであり、そしてCRCA-1転写産物に完全に相補的な配列ほどの大きさでよい。幾つかの好適な態様では、本発明のプローブは30〜200ヌクレオチド、好ましくは40〜100ヌクレオチドである。プローブはST受容体をコードする配列から独特である配列を含む。
当業者は配列番号1に説明された配列情報およびヒトST受容体mRNAに関する既知の配列を使用して、CRCA-1を発現する細胞を同定するためのin situハイブリダイゼーション法に有用なプローブを設計することができる。プローブは好ましくはCRCA-1転写産物に対応するヌクレオチド配列にハイブリダイズする。ハイブリダイゼーション条件は、ST受容体をコードする配列に完全に相補的ではないハイブリダイゼーションおよび/または交差ハイブリダイゼーションにより日常的に至適化してバックグラウンドシグナルを最小にすることができる。プローブは好ましくは完全長のCRCA-1転写産物にハイブリダイズする。プローブは少なくとも15ヌクレオチド、好ましくは30〜200ヌクレオチド、より好ましくは40〜100ヌクレオチドのフラグメントであり、そしてCRCA-1転写産物、より好ましくはCRCA-1転写産物の18〜28ヌクレオチドフラグメントでもよい。
プローブは完全に相補的であり、そして部分的に相補的な配列には十分にハイブリダイズしない。本発明に従いin situハイブリダイゼーションに関しては、プローブが蛍光により検出できることが好ましい。通常の手法はプローブをビオチンで修飾したヌクレオチドで標識し、そして次に蛍光的にタグをつけたアビジンを用いて検出する。したがってプ
ローブ自体は蛍光により標識される必要はないが、後に蛍光マーカーにより検出することができる。
ローブ自体は蛍光により標識される必要はないが、後に蛍光マーカーにより検出することができる。
本発明はオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションを行うためにプローブとして有用な標識オリゴヌクレオチドを含む。すなわちそれらはmRNA配列に完全に相補的であるが、ゲノム配列またはST受容体mRNAには相補的ではない。例えばmRNA配列は異なるエキソンによりコードされる部分を含む。本発明の標識プローブは放射標識したヌクレオチドで標識されるか、または容易に入手可能な非放射性の検出系により検出可能である。
本発明はCRCA-1を発現する細胞を同定するためのin situハイブリダイゼーションに有用なプローブに関する。
細胞を固定し、そしてプローブを遺伝子材料に加える。プローブはサンプル中に存在する相補的な核酸配列にハイブリダイズするだろう。蛍光顕微鏡を使用して、プローブはそれらの蛍光マーカーにより視覚化することができる。
本発明に従い、本発明のin situハイブリダイゼーション法を行うために有用な診断キットを集成することができ、これはmRNA配列に完全に相補的であるが、ゲノム配列には相補的ではない。例えばmRNA配列には異なるエキソン配列を含む。本発明のin situ診断キットの標識プローブは、蛍光マーカーにより標識されることが好ましい。
当業者は固定した細胞を分析して、結腸癌細胞の転移的移動のレベルを特徴つけることができる。結腸に由来する細胞の標識は、改良された分析を可能とする。
免疫組織化学法を使用して、1以上のCRCA-1翻訳産物を含む細胞を同定し、そして本質的染色することができる。そのような「染色」は転移性の移動の分析を可能とする。上記のような固定化細胞および細胞中に存在するCRCA-1翻訳産物と接触したような抗-CRCA-1翻訳産物抗体は、抗体と反応する。抗体は検出可能に標識されるか、または標識した第2抗体または細胞を染色するためにプロテインAを使用して検出される。
腫瘍切片を評価するために本明細書に記載する技法は、リンパ節ならびに他の組織のサンプルについて組織切片を分析して、CRCA-1を発現する細胞の存在を同定するために使用することもできる。サンプルはCRCA-1の発現を検出するために調製され、そして「染色」される。
イムノアッセイ法は、非-結腸直腸組織または体液のサンプル中の1以上のCRCA-1翻訳産物の存在を、そのようなCRCA-1翻訳産物に対する暴露に応答して生産された抗体を使用して検出することにより、胃または食道癌に罹患している個体の診断に使用することができる。さらにイムノアッセイ法は、腫瘍サンプル中の1以上のCRCA-1翻訳産物の存在を、そのようなCRCA-1翻訳産物に対する暴露に応答して生産された抗体を使用して検出することにより、胃または食道癌に罹患している個体の同定に使用することができる。
抗体は好ましくはモノクローナル抗体である。抗体は好ましくはヒト細胞中で作られる1以上のCRCA-1翻訳産物に対して生成される。イムノアッセイは周知であり、そしてその設計は当業者により日常的に行うことができる。当業者は、幾つかのCRCA-1翻訳産物の1つに特異的に結合し、そして本発明の方法およびキットに有用なモノクローナル抗体を、標準技法および容易に入手可能な出発材料を使用して生産することができる。モノクローナル抗体を生産する技法は、引用により本明細書に編入するHarlow,E.and D.Lane,(1988)抗体:ラボラトリーマニュアル(ANTIBODIES:A Laboratory Manual)、コールドスプリングハーバーラボラトリー、コールドスプリングハーバー ニューヨークに概略され、ハイ
ブリドーマおよび標的タンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗体の生産に関する詳細な指針を提供する。抗体の代わりに1以上のCRCA-1翻訳産物に特異的に結合するFAbおよびF(Ab)2を含むことは本発明の範囲内である。
ブリドーマおよび標的タンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗体の生産に関する詳細な指針を提供する。抗体の代わりに1以上のCRCA-1翻訳産物に特異的に結合するFAbおよびF(Ab)2を含むことは本発明の範囲内である。
簡単に説明するとCRCA-1翻訳産物をマウスに注射する。マウスの脾臓を取り出し、脾臓細胞を単離し、そして不死化マウス細胞と融合する。ハイブリッド細胞、またはバブリドーマを培養し、そして抗体を分泌する細胞を選択する。抗体を分析し、そしてCRCA-1翻訳産物に特異的に結合することが見いだされれば、それら抗体を生産するハイブリドーマを培養して、抗CRCA-1翻訳産物特異的抗体の連続供給を生産する。
抗体は好ましくはモノクローナル抗体である。抗体は好ましくはヒト細胞中で作られるCRCA-1翻訳産物に対して生成される。
試験サンプル中のタンパク質の存在を検出するための手段は日常的であり、そして当業者はタンパク質または抗体の存在または不存在を周知な方法を使用して検出することができる。タンパク質の存在を検出する1つの周知方法は、イムノアッセイである。当業者はサンプル中のCRCA-1翻訳産物の存在を検出するためにイムノアッセイを行うための多数の方法を容易に想定することができる。
幾つかの態様に従い、イムノアッセイはプラスチック表面のような固相支持体にサンプル中のタンパク質を結合させることを含んで成る。次いでCRCA-1翻訳産物に選択的に結合する検出可能な抗体を加える。検出可能な抗体の検出は、CRCA-1翻訳産物の存在を示す。検出可能な抗体は標識することができ、または非標識抗体でもよい。非標識抗体は第1抗体に特異的に結合する第2の標識した抗体、または抗体と複合体を形成するタンパク質である標識したプロテインAを使用して検出することができる第2の非標識抗体を使用して検出することができる。種々のイムノアッセイ手法が、80年代のイムノアッセイ(Immunoassays for the 80's)、A.Voller at al.,編集、パーク大学、1981に記載され、これは引用により本明細書に編入する。
単純なイムノアッセイは、固相支持体を試験サンプルに接触させて行うことができる。試験サンプル中に存在する任意のタンパク質が固相支持体に結合し、そして特異的な検出可能な抗体調製物により検出することができる。そのような技法はドットブロット、ウエスタンブロットおよびそのような類似アッセイに必須である。
他のイムノアッセイはより複雑かもしれないが、実際には優れた結果を提供する。典型的かつ好適な免疫計量(immunometric)アッセイには、タンパク質を検出するための「正規(forward)」アッセイを含み、この方法は固相支持体に結合した第1の抗-タンパク質抗体を試験サンプルと接触させる。適当なインキューベーション期間の後、固相支持体を洗浄して非結合タンパク質を除去する。次いで特異的タンパク質の部分に特異的であり第1抗体により認識されない第2の顕著な抗-タンパク質抗体を加える。第2抗体は好ましくは検出可能である。検出可能な抗体と第1抗体を介して固相支持体に結合した特異的タンパク質との複合体の形成を可能とする2回目のインキューベーション期間の後、固相支持体を2回洗浄して非結合の検出可能な抗体を除去する。あるいは第2抗体は検出可能でなくてもよい。この場合、第2抗体に結合する第3の検出可能な抗体を系に加える。この種の「正規サンドイッチ」アッセイは、結合が起こったがどうかを決定するための単純なイエス/ノーアッセイであるか、または検出可能な抗体の量を対照で得られた量と比較することにより定量的にすることができる。そのような「2部位」または「サンドイッチ」アッセイは、Wide、ラジオイムノアッセイ法(Radioimmuno Assay Method)、Kirkham、編集、E&Sリビングストーン、エジンバラ、1970、第199〜206頁により記載され、これは引用により本明細書に編入する。
他の種類の免疫計量アッセイはいわゆる「同時」および「逆」アッセイである。同時アッセイには1回のインキューベーション工程が含まれ、ここで第1抗体が固相支持体に結合し、第2の検出可能な抗体および試験サンプルが同時に加えられる。インキューベーションが完了した後、固相支持体を洗浄して非結合タンパク質を除去する。固相支持体に会合した検出可能な抗体の存在は、次いで通例の「正規サンドイッチ」アッセイにおけるように決定される。同時アッセイは、試験サンプル中の抗体の検出用に類似様式で適合させてもよい。
「逆」アッセイは、検出可能な抗体溶液の試験サンプルへの付加、続いてインキューベーション期間、そしてさらなるインキューベーション期間の後に固相支持体に結合する抗体の付加の段階的様式を含んで成る。固相支持体は通例の様式で洗浄して非結合タンパク質/抗体複合体および未反応の検出可能抗体を除去する。固相支持体に会合した検出可能抗体の測定は、「同時」および「正規」アッセイにおけるように決定する。逆アッセイは、試験サンプル中の抗体の検出用に類似様式で適合させてもよい。
免疫計量アッセイの第1成分は、タンパク質を固定化することができるニトロセルロースまたは他の固相支持体に加えることができる。試験サンプル中のCRCA-1翻訳産物の存在を決定するための第1成分は、抗-CRCA-1翻訳産物抗体である。「固相支持体」または「支持体」は、タンパク質を結合することができる任意の材料を意図する。周知の固相支持体には、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然および修飾セルロース、ポリアクリルアミド、アガロースおよびマグネットを含む。支持体の性質はある程度可溶性でもよく、または本発明の目的には不溶性でもよい。支持体の形状はビーズのような球状、または試験管の内部のような円筒状、または棒の外面でよい。あるいは表面はシート、試験片等のように平らでもよい。当業者はタンパク質を結合するための他の適当な多くの「固相支持体」を知っており、そして日常的な実験によりそれを確かめることができるだろう。好適な固相支持体は、96-ウェルマイクロタイタープレートである。
1以上のCRCA-1翻訳産物の存在を検出するために、検出可能な抗-CRCA-1翻訳産物抗体を使用する。抗体の検出に関して幾つかの方法が周知である。
抗体が検出可能に標識できる1つの方法は、抗体を酵素に連結し、続いて酵素イムノアッセイ(EIA)または捕捉ELISAのような酵素−結合免疫吸着アッセイ(ELISA)に抗体を使用することによる。後にその基質に暴露される酵素は基質と反応し、そして例えば分光光度的、蛍光測定的または視覚的手段により検出できる化学部分を生じる。検出可能に標識される抗体に使用できる酵素は限定するわけではないが、マレイン酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌のヌクレアーゼ、デルタ-5-ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ、アルファ-グリセロリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオース リン酸 イソメラーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコース オキシダーセ、ベータ-ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼおよびアセチルコリンエステラーゼを含む。当業者は使用できる他の酵素も容易に認識するだろう。
抗体が検出可能に標識できる別の方法は放射性同位体を介し、そして後にラジオイムノアッセイ(RIA)に使用することである(例えば、引用により本明細書に編入するWork,T.S. et al.,分子生物学における研究技術および生物化学(Laboratory Techniques and Biochemistry in Molecular Biology)、ノース ホーランド(North Holland)出版社、ニューヨーク、1978を参照にされたい)。放射性同位体は、ガンマカウンターまたはシンチレーションカウンターのような手段により、またはオートラジオグラフィーにより検出す
ることができる。本発明の目的に特に有用な同位体は、3H、125I、131I、35Sおよび14Cである。好ましい125Iは同位体である。当業者は使用することができる他の放射性同位体も容易に認識するだろう。
ることができる。本発明の目的に特に有用な同位体は、3H、125I、131I、35Sおよび14Cである。好ましい125Iは同位体である。当業者は使用することができる他の放射性同位体も容易に認識するだろう。
抗体を蛍光化合物で標識することも可能である。蛍光-標識した抗体が適切な波長の光に暴露される時、蛍光化合物の存在はその蛍光により検出することができる。中でも最もよく使用される蛍光標識化合物は、フルオロセイン イソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o-フタルデヒドおよびフルオレサミンである。当業者は使用することができる他の蛍光化合物も容易に認識するだろう。
抗体は、152Euまたは他のランタン系列のような蛍光-発光金属を使用して検出可能に標識することもできる。これらの金属は、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)またはエチレンジアミン-テトラ酢酸(EDTA)のような金属錯化基を使用してタンパク質−特異的抗体に結合することができる。当業者は使用することができる他の蛍光-発光金属ならびに他の金属錯化基も容易に認識するだろう。
抗体は、化学発光化合物にカップリングすることにより検出可能に標識することもできる。化合発光物で標識した抗体の存在は、化学反応の過程中に生じる発光の存在を検出することにより決定する。特に有用な化学発光標識化合物の例は、ルミノール、イソルミノール、テロマティック(theromatic)アクリジンエステル、イミダゾール、アクリジン塩および蓚酸エステルである。当業者は使用することができる他の化学発光化合物も容易に認識するだろう。
同様に生物発光化合物も抗体を標識するために使用することができる。生物発光は触媒的タンパク質が化学発光反応の効率を上げる生物系に見いだされる化学発光の1種である。生物発光タンパク質の存在は、発光の存在を検出することにより測定される。標識の目的に重要な生物発光化合物は、ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびエクオリンである。当業者は使用することができる他の生物発光化合物も容易に認識するだろう。
タンパク質-特異的抗体、フラグメントまたは誘導体の検出は、例えば検出可能な標識が放射性のガンマエミッターである場合、シンチレーションカウンターにより行うことができる。あるいは検出は、例えば標識が蛍光材料である場合、蛍光計により行うことができる。酵素標識の場合、検出は酵素の基質を使用する比色法により行うことができる。検出は同様に調製した標準と比較して、基質の酵素的反応の程度の視覚的比較により行ってもよい。当業者は使用することができる他の適当な検出法も容易に認識するだろう。
所定のロットの抗体の結合活性は、周知な方法により測定することができる。当業者は日常的に実験を利用することにより、各測定に関する操作可能かつ最適なアッセイ条件を定めることができるだろう。
陽性および陰性対照は、それぞれ既知の量の1以上のCRCA-1翻訳産物およびCRCA-1翻訳産物無しを試験アッセイと平行して行うアッセイに加えることにより行うことができる。当業者は適切な対照を行うために必要な知識を有するだろう。さらにキットはこのアッセイを行うための使用説明書を含んで成ってもよい。さらにキットは場合により、陽性および陰性の結果の外観を表す絵または写真を含んで成ることができる。
CRCA-1翻訳産物は、陽性対照用の試薬として日常的に生産されてもよい。当業者はCRCA-1翻訳産物が生産され、そして単離される種々の様式を想定するだろう。
抗体組成物とは、タンパク質の検出に必要な抗体(1つまたは複数)を称する。例えば試験サンプル中のCRCA-1翻訳産物の検出に使用される抗体組成物は、CRCA-1翻訳産物に結合する第1抗体ならびに第1または第2抗体にそれぞれ結合する第2または第3抗体を含んで成る。
CRCA-1翻訳産物の存在について試験サンプルを調査するために、以下に記載する標準的な免疫計量アッセイを行うことができる。CRCA-1翻訳産物の特異的部分を認識する第1抗-CRCA-1翻訳産物抗体が、96-ウェルのマイクロタイタープレートに一定量のバッファー中で加えられる。プレートは結合が起こるために十分な一定期間インキューベーションされ、そして続いてPBSで洗浄して非結合抗体を除去する。次いでプレートをPBS/BSA溶液でブロッキングして、サンプルタンパク質がマイクロタイタープレートに非特異的に結合することを防ぐ。続いて試験サンプルをウェルに加え、そしてプレートを結合が起こるため十分な期間インキューベーションする。ウェルをPBSで洗浄して非結合タンパク質を除去する。CRCA-1翻訳産物の部分を認識するが、第1抗体により認識されない標識した抗-CRCA-1翻訳産物抗体をウェルに加える。プレートを結合が起こるため十分な期間インキューベーションし、そして続いてPBSで洗浄して非結合の標識抗-CRCA-1翻訳産物抗体を除去する。続いて標識および結合抗-CRCA-1翻訳産物抗体の量を標準的技法により測定する。
試験サンプル中のCRCA-1翻訳産物の検出に有用なキットは、抗-CRCA-1翻訳産物抗体を含んで成る容器、および対照を含んで成る容器を含んで成る。対照は、CRCA-1翻訳産物を含まない1つの対照サンプルおよび/またはCRCA-1翻訳産物を含む別の対照サンプルを含む。キットに使用する抗-CRCA-1翻訳産物抗体は、標識により検出できるように検出可能である。検出可能な抗-CRCA-1翻訳産物抗体が標識されていない場合、例えば別の容器中で幾つかのキットに提供され得る第2抗体またはプロテインAにより検出することができる。幾つかキット中のさらなる成分は、固体支持体、バッファーおよびアッセイを行うための使用説明書を含む。さらにキットは場合により、陽性および陰性の結果の外観を表す絵または写真を含んで成ることができる。
イムノアッセイは、均一化した組織サンプルおよびプラズマ部分を含む体液サンプルまたは液体サンプル中の細胞中の1以上のCRCA-1翻訳産物を検出するために有用である。
ウエスタンブロットは、非結腸直腸組織または体液の1以上のCRCA-1翻訳産物の存在を検出することにより、胃または食道癌に罹患している個体の診断を補助するために有用となり得る。ウエスタンブロットは癌に罹患している個体に由来する腫瘍のサンプル中に1以上のCRCA-1翻訳産物の存在を検出するためにも使用することができる。ウエスタンブロットは検出可能な抗-CRCA-1翻訳産物抗体がサンプル中に存在するCRCA-1翻訳産物に結合することを使用し、これによりサンプル中の受容体の存在を示す。
引用により本明細書に編入するSambrook,J.et al.,(1989) モレキュラークローニング:ア ラボラトリーマニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版、コールドスプリングハーバー、ニューヨークに記載されているウエスタンブロット法はイムノアッセイと同様であるが、本質的な差異はサンプルを抗体に暴露する前に、サンプル中のタンパク質をゲル電気泳動により分離し、そして分離したタンパク質を抗体で釣り上げる点である。幾つかの好適な態様では、マトリックスはSDS-PAEGゲルマトリックスであり、そしてマトリックス中で分離したタンパク質を濾紙のようなキャリアーに転写した後、抗体で釣り上げる。上記の抗-CRCA-1翻訳産物抗体は、ウエスタンブロット法に有用である。
一般にサンプルは均一化し、そして細胞はTriton-Xのような界面活性剤を使用して溶解する。次いで材料を、Sambrook,J.et al.,(1989) モレキュラークローニング:ア ラボラ
トリーマニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版、コールドスプリングハーバー、ニューヨークの標準的な技法により分離する。
トリーマニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版、コールドスプリングハーバー、ニューヨークの標準的な技法により分離する。
ウエスタンブロットにより試験サンプル中の1以上のCRCA-1翻訳産物の検出に有用なキットは、抗-CRCA-1翻訳産物抗体を含んで成る容器、および対照を含んで成る容器(1つまたは複数)を含んで成る。対照は、CRCA-1翻訳産物を含まない1つの対照サンプルおよび/または1以上のCRCA-1翻訳産物を含む別の対照サンプルを含む。キットに使用する抗-CRCA-1翻訳産物抗体は、標識により検出できるように検出可能である。検出可能な抗-CRCA-1翻訳産物抗体が標識されていない場合、例えば別の容器中に幾つかのキットで提供され得る第2抗体またはプロテインAにより検出することができる。幾つかキット中のさらなる成分は、アッセイを行うための使用説明書を含む。さらにキットは場合により、陽性および陰性の結果の外観を表す絵または写真を含んで成ることができる。
ウエスタンブロットは、均一化した組織サンプルおよびプラズマ部分を含む体液サンプルまたは液体サンプル中の細胞中の1以上のCRCA-1翻訳産物を検出するために有用である。
インビボ造影および治療薬
本発明の幾つかの態様に従い、個体の胃または食道腫瘍を検出し、造影し、または処置するための組成物およびインビボ法が提供される。
本発明の幾つかの態様に従い、個体の胃または食道腫瘍を検出し、造影し、または処置するための組成物およびインビボ法が提供される。
本発明の結合組成物が循環系に投与される時のように腸管外に投与された時、それらは腸管にある細胞から離れて留まり、そしてCRCA-1を発現する腸管外の細胞にのみ結合する。結合組成物は非-結腸直腸由来細胞には結合しない。すなわち腸管外に投与された結合組成物の活性部分は、胃または食道癌細胞のようなCRCA-1を発現する細胞に送達される。
本発明に有用な治療用および診断用の医薬組成物は、CRCA-1を発現する細胞を特異的に標的とする結合化合物を含む。これらの結合化合物は1以上のCRCA-1翻訳産物に結合する部分を含み、この部分は腸管の細胞を除く身体の正常組織中の細胞がそのような翻訳産物を持たないので結合しない。さらに本発明に従い、CRCA-1翻訳産物結合部分は、ST受容体に結合しない。
正常な結腸直腸細胞とは異なり、CRCA-1を発現する癌細胞は腸管外に投与された、例えば循環系に投与された物質に近付くことができる。正常組織中のCRCA-1翻訳産物は腸の粘膜細胞の先端膜にのみ存在し、すなわち腸管の外側に投与された標的化された癌の化学療法剤およびイメージング剤から腸の粘膜バリアにより効果的に隔離されている。このように胃または食道癌細胞は、例えば結合化合物を含んで成る医薬組成物を循環系に投与することによるように、そのような化合物を腸管の外に投与することにより、本発明の結合組成物により標的とすることができる。
当業者は、胃または食道に罹患の疑いがある個体を同定することができる。胃または食道癌を有することが診断されたこれらの個体では、転移を予想し、そして転移した細胞を根絶する積極的な試みが標準的な治療である。本発明は医薬組成物および造影法を提供し、そしてこれにより転移をより決定的に診断する。さらに本発明は胃または食道癌細胞を特異的に標的とし、そして排除するための治療薬を含んで成る医薬組成物および方法を提供する。さらに本発明は胃または食道癌細胞を特異的に排除するための治療薬を含んで成る医薬組成物および方法を提供する。
本発明の結合組成物を含んで成る医薬組成物は、原発性および転移した胃または食道腫
瘍に罹患している個体を診断または処置するために使用することができる。
瘍に罹患している個体を診断または処置するために使用することができる。
本発明は、結合組成物中にCRCA-1翻訳産物結合部分を使用することに依存する。CRCA-1翻訳産物結合部分は、CRCA-1翻訳産物に対するリガンドとして作用する、すなわちそれに特異的に結合する結合組成物の本質的な部分である。結合組成物はCRCA-1翻訳産物結合部分に会合する活性部分も含み;活性部分は、細胞を造影し、標的とし、中和し、または殺すいずれかのために有用な活性剤である。
本発明に従い、CRCA-1翻訳産物結合部分は結合組成物のCRCA-1翻訳産物リガンド部分である。幾つかの態様では、CRCA-1翻訳産物リガンドは抗体である。
幾つかの好適な態様では、結合化合物は抗-CRCA-1翻訳産物抗体を含んで成るCRCA-1翻訳産物結合部分を含んで成る。
CRCA-1翻訳産物結合部分として使用するCRCA-1翻訳産物リガンドは、出来る限り小さいことが好ましい。すなわちCRCA-1翻訳産物リガンドは非−ペプチド低分子または小さいペプチドであることが好ましく、好ましくは25アミノ酸未満、より好ましくは20アミノ酸未満である。幾つかの態様では、結合組成物のCRCA-1翻訳産物結合部分を構成するCRCA-1翻訳産物リガンドは、15アミノ酸未満である。10アミノ酸未満を含んで成るCRCA-1翻訳産物結合ペプチド、および5アミノ酸未満のCRCA-1翻訳産物結合ペプチドは、本発明に従いCRCA-1翻訳産物結合部分として使用することができる。限定するわけではないがCRCA-1翻訳産物に特異的に結合する抗体のような分子を含むCRCA-1翻訳産物結合部分として役立つより大きな分子を含むことも本発明の範囲内である。
CRCA-1翻訳産物結合部分として有用なCRCA-1翻訳産物リガンドは、本明細書の実施例1に説明するような種々の周知な組み合わせライブラリースクリーニング法を使用して同定することができる。
アッセイを使用してペプチドおよび非ペプチド組成物の両方がCRCA-1翻訳産物リガンドであるかどうかを決定するために試験し、あるいは結合組成物がCRCA-1翻訳産物結合活性を有するかどうかを決定するために、試験することができる。CRCA-1翻訳産物に特異的に結合するそのような組成物は、CRCA-1翻訳産物に結合することが知られている抗体を使用した競合結合アッセイにより同定することができる。競合結合アッセイは、容易に入手可能な出発材料を使用して当業者により容易に行うことができる、薬理学の分野では標準的な技法である。
CRCA-1翻訳産物は、合成的、組換え的に生産するか、または天然資源から単離することができる。
1例として固相合成を使用して、保護したまたは誘導体化したアミノ酸を不活性な固体支持体にその非保護カルボキシルまたはアミノ基を介して結合させる。次にアミノまたはカルボキシル基の保護基は選択的に除去され、そして適当に保護された相補的な(アミノまたはカルボキシル)基を有する配列中の次のアミノ酸を混合し、そして固体支持体にすでに結合している残基と反応させる。次いでアミノまたはカルボキシル基の保護基が、この新たに加えられたアミノ酸残基から除去され、そして次のアミノ酸(適当に保護されている)を次いで加え、そして進む。すべての所望するアミノ酸残が適当な配列に連結された後、残りの末端および側鎖基の保護基(および固体支持体)を連続して、または同時に除去して差最終的なペプチドを提供する。本発明のペプチドは好ましくはベンジル化またはメチルベンジル化アミノ酸を欠く。そのような保護基部分は合成の過程で使用することができるが、それらはペプチドを使用する前に除去される。いたる所で記載するように、
立体配座を制限するための分子内連結を形成するために、さらなる反応が必要かもしれない。
立体配座を制限するための分子内連結を形成するために、さらなる反応が必要かもしれない。
ペプチドであるCRCA-1翻訳産物および結合組成物またはそれらの部分は、組換えDNA法により調製することもできる。所望のペプチドをコードする適当なDNA配列を供給することにより、当該技術分野で現在知られている組換え法を使用したペプチドの生産が可能になる。コード配列は天然資源から得るか、合成するか、または日常的な方法により広く入手可能な出発材料を使用して構築することができる。コードDNAが合成的に調製される時、DNAを発現することを意図する宿主に既知のコドン優先性(codon preferance)を使用することが有利である。
自然に存在するCRCA-1翻訳産物を生産するために、当業者は周知な技術を使用してCRCA-1翻訳産物をコードするDNA分子を得、そして例えば本明細書に記載するような周知の発現系で使用するために、そのDNA分子を市販されている発現ベクターに挿入することができる。
例えば市販のプラスミドpSE20(インビトロゲン(Invitrogen)、サンディエゴ、カリフォルニア州)は、大腸菌(E.coli)での組換え生産に使用することができる。市販されているプラスミドpYES2(インビトロゲン、サンディエゴ、カリフォルニア州)は、酵母のS.セルビシエ(S.cerevisiae)株での生産に使用することができる。市販されているMaxBac(商標)(インビトロゲン、サンディエゴ、カリフォルニア州)完全バキュロウイルス発現系は、昆虫細胞中での生産に使用することができる。市販のプラスミドpcDNAI(インビトロゲン、サンディエゴ、カリフォルニア州)は、チャイニーズハムスター卵巣細胞のような哺乳動物細胞中での生産に使用することができる。
当業者はこれらのまたは他の市販されている発現ベクターおよび系を使用するか、または周知方法および容易に入手可能な出発材料を使用してベクターを作成することができる。プロモーターおよびポリアデニリル化シグナル、および好ましくはエンハンサーのような必要な制御配列を含む発現系は容易に入手可能であり、そして当該技術分野では様々な宿主について知られている。例えばSambrook,J.et al.、モレキュラークローニング:ア ラボラトリーマニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、第2版、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版(1989)を参照にされたい。すなわち所望のタンパク質は、原核および真核系の両方で調製することができ、タンパク質をプロセス化された形態スペクトルをもたらす。
最も多く使用される原核系は大腸菌(E.coli)であるが、枯草菌(B.subtilis)およびシュードモナス(Pseudomonas)のような他の系も有用である。原核系に適当な制御配列には、lacプロモーター、trpプロモーター、tacプロモーターのようなハイブリッドプロモーター、ラムダファージP1プロモーターを含む構成的および誘導性プロモーターの両方を含む。一般に外来タンパク質は融合または成熟タンパク質のいずれかとしてこれらの宿主中で生産され得る。所望の配列が成熟タンパク質として生産される時、生産された配列は効率的に除去される必要がないメチオニンが先についているかもしれない。したがって本発明で特許請求するペプチドおよびタンパク質は、細菌中で生産される時はN-末端Metが先端についているかもしれない。さらに構築物は、ペプチドのコード配列がタンパク質の分泌をもたらす機能性のシグナルペプチドが先端に付いているように作ることができる。この問題について原核宿主中で生産する時は、シグナル配列は分泌により除去される。
現在、広範な真核宿主を組換え外来タンパク質の生産に利用することができる。細菌におけるように、真核宿主は所望のタンパク質を直接生産する発現系で形質転換することができるが、より多くはタンパク質の分泌を行うためにシグナル配列が提供される。真核系
は、より高等生物のタンパク質をコードするゲノム配列中に存在し得るイントロンをプロセッシングすることができる点でさらに有利である。また真核系は、例えばグリコシレーション、カルボキシ−末端アミド化、酸化または特定のアミノ酸残基の誘導化、立体配座の制御等をもたらす種々のプロセッシングメカニズムも提供する。
は、より高等生物のタンパク質をコードするゲノム配列中に存在し得るイントロンをプロセッシングすることができる点でさらに有利である。また真核系は、例えばグリコシレーション、カルボキシ−末端アミド化、酸化または特定のアミノ酸残基の誘導化、立体配座の制御等をもたらす種々のプロセッシングメカニズムも提供する。
通常使用される真核系には限定するわけではないが、酵母、真菌細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞、鳥類細胞および高等植物の細胞を含む。そのような各種宿主で使用するためのコンパチブルで操作可能であり、ならびに例えばバキュロウイルスのポリヘドロンプロモーターのようなターミネーター配列およびエンハンサーである、適当なプロモーターが市販されている。上記のようにプロモーターは構成性または誘導性のいずれかであることができる。例えば哺乳動物系では、マウスのメタロチオネンプロモーターは、重金属イオンを添加することにより誘導することができる。
所望する宿主に適当な発現系の構築に関する事項は、当該技術分野では既知である。タンパク質の組換え生産には、タンパク質をコードするDNAを選択した発現ベクターに適当に連結し、そしてコンパチブルな宿主を形質転換するために使用し、この宿主を次いで外来遺伝子の発現が起こる条件下で培養し、そして維持する。すなわち本発明のタンパク質は、細胞を溶解することにより培養から、または適当かつ当該技術分野で既知の培養基から回収される。
当業者は、周知技法を使用して生産されたタンパク質を単離することができる。
本発明に従い、活性部分は治療薬またはイメージング剤であることができる。当業者はCRCA-1翻訳産物リガンドを含む転移した結腸直腸細胞を特異的に標的とし、そしてそのようなリガンドを多種の活性剤に結合することができる利点を容易に認識することができる。
CRCA-1翻訳産物結合部分に結合した時に、胃または食道癌細胞のようなCRCA-1を発現する細胞に特異的に送達される、活性部分として有用な化学療法剤は、典型的には化学合成により生産される小さい化学的物体である。化学療法剤には、細胞傷害的および細胞増殖抑制的薬剤を含む。化学療法剤は、形質転換された状態を分化した状態へ戻すような、または細胞の複製を阻害するような細胞に対する他の効果を有するものも含むことができる。化学療法剤の例には例えば:メトトレキセート(アメトプテリン)、ドキソルビシン(アドリマイシン)、ダウノルビシン、シトシンアラビノシド、エトポシド、5-4フルオロウラシル、メルファラン、クロラムブシルおよび他のナイトロゲンマスタード(例えば、シクロホスファミド)、シス-白金、ビンデシン(および他のビンカアルカロイド)、マイトマイシンおよびブレオマイシンのような通常の細胞傷害的および細胞増殖抑制性薬剤を含む。他の化学療法剤には、プロチオニン(大麦粉のオリゴペプチド)、マクロモマイシン(macromomycine)、1,4-ベンゾキノン誘導体およびトレニモン(trenimon)を含む。
トキシンは有用な活性部分である。トキシンをCRCA-1翻訳産物結合部分に結合した時、結合組成物はCRCA-1翻訳産物結合部分およびトキシン部分が細胞を殺すために、胃または食道癌細胞のようなCRCA-1を発現する細胞に特異的に送達される。トキシンは一般に、細菌、植物等を含む種々の生物の複雑な毒性産物である。トキシンの例には限定するわけではないが:リシン、リシンA鎖(リシントキシン)、シュードモナス(Pseudomonas)エキソトキシン(PE)、ジフテリアトキシン(DT)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)ホスホリパーゼC(PLC)、ウシ膵臓リボヌクレアーゼ(BPR)、アメリカヤマゴボウ
抗ウイルスタンパク質(PAP)、アブリン(abrin)、アブリンA鎖(アブリントキシン)、コブラ ヘビ毒因子(CVF)、ゲロニン(gelonin:GEL)、サポリン(SAP)、モデカ
シン(modeccin)、ビスクミン(viscumin)およびボルケンシン(volkensin)を含む。上で検討したように、タンパク質トキシンをCRCA-1翻訳産物結合ペプチドと使用する時、結合組成物は組換えDNA技法を使用して生産することができる。簡単に説明すると、CRCA-1翻訳産物リガンドおよびトキシンの両方をキメラ遺伝子上にコードする組換えDNA分子を構築することができる。キメラ遺伝子が発現する時、CRCA-1翻訳産物結合部分および活性部分を含む融合タンパク質が生産される。タンパク質トキシンも非ペプチド結合を介してCRCA-1翻訳産物結合ペプチドとの結合化合物を形成するために有用である。
抗ウイルスタンパク質(PAP)、アブリン(abrin)、アブリンA鎖(アブリントキシン)、コブラ ヘビ毒因子(CVF)、ゲロニン(gelonin:GEL)、サポリン(SAP)、モデカ
シン(modeccin)、ビスクミン(viscumin)およびボルケンシン(volkensin)を含む。上で検討したように、タンパク質トキシンをCRCA-1翻訳産物結合ペプチドと使用する時、結合組成物は組換えDNA技法を使用して生産することができる。簡単に説明すると、CRCA-1翻訳産物リガンドおよびトキシンの両方をキメラ遺伝子上にコードする組換えDNA分子を構築することができる。キメラ遺伝子が発現する時、CRCA-1翻訳産物結合部分および活性部分を含む融合タンパク質が生産される。タンパク質トキシンも非ペプチド結合を介してCRCA-1翻訳産物結合ペプチドとの結合化合物を形成するために有用である。
さらに、癌を処置するために活性剤を使用する他の取り組みがある。例えばCRCA-1翻訳産物結合部分および活性酵素である活性部分を含む結合組成物を生産することができる。CRCA-1翻訳産物結合部分は腫瘍細胞に対して結合組成物を特異的に局在させる。酵素により活性薬剤に転換され得る不活性なプロドラッグを患者に投与する。プロドラッグは腫瘍に対して局在している酵素によってのみ活性薬剤に転換される。酵素/プロドラッグ対の例には、アルカリホスファターゼ/エトポシドホスフェートを含む。そのような場合、アルカリホスファターゼをCRCA-1翻訳産物結合リガンドに結合させる。結合化合物は投与され、そして転移した細胞に局在化する。エトポシドホスフェート(プロドラッグ)との接触で、エトポシドホスフェートは化学療法剤であるエトポシドに転換され、これが癌細胞に取り込まれる。
放射線増感剤は、細胞の放射線に対する感度を上げる物質である。放射線増感剤の例には、ニトロイミダゾール、メトロニダゾールおよびミソニダゾールを含む(DeVita,V.T.Jr.、内服薬のハリソンの原理(Harrison's Principles of Internal Medicine)、第68頁、マグロー−ヒルブック社、ニューヨーク、1983を参照にされたい、これは引用により本明細書に編入する)。活性部分として放射線増感剤を含んで成る結合化合物は、投与され、そして転移した細胞に局在化する。個体が照射に暴露されると放射線増感剤は「励起」し、そして細胞死を引き起こす。
放射性核種は、放射線療法または造影手法に有用である医薬組成物中に使用される。
放射線療法にトキシンとして有用な放射性核種の例には:47Sc、67Cu、90Y、109Pd、123I、125I、131I、186Re、188Re、199Au、211At、212Pbおよび212Bを含む。当業者に使用された他の放射性核種には:32Pおよび33P、71Ge、77As、103Pb、105Rh、111Ag、119Sb、121Sn、131Cs、143Pr、161Tb、177Lu、191Os、193MPt、197Hg、すべてのベータネガティブおよび/またはオーガーエミッターを含む。幾つかの好適な放射性核種には:90Y、131I、211At、および212Pd/212Biを含む。
本発明に従い、活性部分はイメージング剤であることができる。イメージング剤は診断手法ならびに転移した細胞の場所を同定するために使用する手法に有用である。造影は当業者に周知の多くの手法により行うことができ、そしてそのような手法に有用な適切なイメージング剤を周知手段によりCRCA-1翻訳産物リガンドに結合することができる。造影は例えばラジオシンチグラフィー、核磁気共鳴造影(MRI)またはコンピューター断層撮影法(CTスキャン)により行うことができる。最も普通に使用されている放射性核種イメージング剤には、放射性ヨウ素およびインジウムを含む。CTスキャンによる造影は、鉄キレートのような重金属を使用することができる。MRIスキャンニングはガドリニウムまたはマンガンのキレートを使用することができる。さらに陽電子放出形断層撮影法(PET)も、酸素、窒素、鉄、炭素またはガリウムの陽電子エミッターを使用して可能となり得る。造影法に有用な放射性核種の例には:43K、52F、57Co、67Cu、67Ga、68Ga、77Br、81Rb/81MKr、87MSr、99MTc、111In、134MIn、123I、125I、127Cs、129Cs、131I、132I、197Hg、203Pbおよび206Biを含む。
結合組成物は非免疫原性または大変低レベルの免疫原性であることが好ましい。したがってCRCA-1翻訳産物結合部分は小さく、免疫原性が不十分または非免疫原性ペプチドまたは非ペプチドであることが好ましい。あるいはCRCA-1翻訳産物結合部分はヒト化または霊長類化された抗体またはヒト抗体であり得る。
CRCA-1翻訳産物リガンドは、実験無しで当業者により容易に行える種々の周知技法により活性剤に結合される。CRCA-1翻訳産物リガンドを活性剤に結合するために使用する技法は、CRCA-1翻訳産物リガンドおよび活性剤の分子的性質に依存する。CRCA-1翻訳産物リガンドおよび活性剤が結合して1つの分子を形成した後、アッセイを行って結合した分子が部分の活性を保持することを確認することができる。上記の競合結合アッセイを使用して、CRCA-1翻訳産物結合部分が結合化合物としてその結合活性を保持することを確認することができる。同様に活性部分の活性は活性剤の各種類に関する様々なアッセイを使用して試験することができる。放射性核種は活性を保持し、すなわちそれらの放射性は結合にかかわらず保持される。トキシン、薬剤および標的化剤である活性剤に関して、これら化合物の非結合状態の活性を示すために標準的なアッセイを使用してそれらの活性が保持されたことを確認することができる。
結合はCRCA-1翻訳産物リガンドと活性剤との間で直接的に達成されてもよく、または連結する中間分子基をCRCA-1翻訳産物リガンドと活性剤との間に提供してもよい。架橋物質は、各部分の結合部位を提供することにより結合を容易にするために特に有用である。架橋物質には一方が他方の活性を妨害することを防ぐために、互いに分子を離すためのスペーサーとして役立つさらなる分子基を含んでもよい。
当業者は周知技術を使用してCRCA-1翻訳産物リガンドを化学療法剤に結合することができる。例えば、引用により本明細書に編入するMagerstadt,M.抗体結合物および悪性疾患(Antibody Conjugates and Malignant Disease)(1991)CRC出版、ボカラトン、米国、第110−152頁)は、種々の細胞増殖抑制剤を抗体のアミノ酸へ結合することを教示している。そのような反応は、化学療法剤を抗-CRCA-1翻訳産物抗体を含むCRCA-1翻訳産物リガンドへ適当なリンカーを用いて結合させるために応用することができる。癌を処置するために現在使用されているほとんどの化学療法剤は、タンパク質に直接化学的に架橋し易い官能基を有する。例えば遊離アミノ基をメトトレキセート、ドキソルビシン、ダウノルビシン、シトシンアラビノシド、シス-プラチン、ビンデシン、マイトマイシンおよびブレオマイシン上で利用することができると同時に、遊離のカルボン酸基をメトトレキセート、メルファランおよびクロラムブシル上で利用することができる。これらの官能基、すなわち遊離アミノおよびカルボン酸は、これらの薬剤を抗体の1つの遊離アミノ基に直接架橋結合することができる種々のホモ二官能性およびヘテロ二官能性化学架橋剤の標的である。例えば遊離アミノ基を有するCRCA-1翻訳産物リガンドを、遊離アミノ基を有するメトトレキセート、ドキソルビシン、ダウノルビシン、シトシンアラビノシド、シス-プラチン、ビンデシン、マイトマイシンおよびブレオマイシン、またはアルカリホスファターゼ、またはタンパク質-もしくはペプチドに基づくトキシンのような活性剤に架橋結合するための1つの手法は、ホモ二官能性スクシンイミジルエステル、好ましくはジスクシンイミジルスベレート(ピアス社(Pierce Co)、ロックホード、イリノイ州)のような炭素鎖スペーサーを使用する。開裂可能な結合化合物が必要な場合、3,3'-ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート:ピアス社)を使用して同じプロトコールを採用する。
ペプチドまたはタンパク質であるCRCA-1翻訳産物リガンドを、トキシンのようなペプチドに基づく活性剤に結合するために、CRCA-1翻訳産物リガンドおよびトキシンを1つの融合タンパク質として、標準的なペプチド合成または組換えDNA技法(両方とも当業者により日常的に行うことができる)を使用して生産してもよい。あるいは2つのペプチド、CRCA-1翻訳産物リガンドペプチドおよびペプチドに基づくトキシンを別々のペプチドとして
生産し、かつ/または単離し、そして架橋剤を使用して結合してもよい。化学療法剤を含む結合組成物のように、CRCA-1翻訳産物結合ペプチドおよびトキシンの結合は、この分子の受容体−結合機能を保存しながらCRCA-1翻訳産物結合ペプチドの1つの遊離アミノ基を修飾する能力を活用することができる。
生産し、かつ/または単離し、そして架橋剤を使用して結合してもよい。化学療法剤を含む結合組成物のように、CRCA-1翻訳産物結合ペプチドおよびトキシンの結合は、この分子の受容体−結合機能を保存しながらCRCA-1翻訳産物結合ペプチドの1つの遊離アミノ基を修飾する能力を活用することができる。
当業者はCRCA-1翻訳産物リガンドを、周知技法を使用して放射性核種に結合することができる。例えば各々、引用により本明細書に編入するMagerstadt,M.(1991)抗体結合物および悪性疾患(Antibody Conjugates and Malignant Disease)CRC出版、ボカラトン、FLA;およびBarchel,S.W.and Rhodes,B.H.,(1983) 放射線造影および放射線療法(Radioimaging and Radiotherapy)、エルセビア(Elsevier)、ニューヨーク、ニューヨーク州は、種々の治療用および診断用放射性核種の抗体のアミノ酸への結合を教示している。
本発明は本発明の結合化合物および医薬的に許容されるキャリアーまたは希釈剤を含んで成る医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、当業者により製剤されることができる。適当な医薬キャリアーは、この分野における標準的な参考書であるレミングトンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Science)、A.Osolに記載されており、これは引用により本明細書に編入する。本発明の方法を行うにあたり、本発明の結合化合物を単独または他の診断、治療または添加剤と組み合わせて使用することができる。そのような添加剤には、着色剤、安定化剤、張性調節剤および抗菌剤のような賦形剤を含む。医薬組成物は好ましくは滅菌されており、そして発熱物質を含まない。
本発明の結合組成物は、医薬的に許容される補形剤と一緒に例えば溶剤、懸濁剤または乳液として配合されることができる。そのような補形剤の例は、水、塩水、リンゲル溶液、デキストロース溶液および5%ヒト血清アルブミンである。リポソームを使用してもよい。補形剤は等張性(例えば塩化ナトリウム、マンニトール)および化学的安定性(例えばバッファーおよび保存剤)を維持する添加剤を含んでもよい。製剤は通常使用される技法により滅菌される。例えば、注射により投与するために適する非経口組成物は、1.5重量%の有効成分を0.9%塩化ナトリウム溶液に溶解することにより調製される。
本発明による医薬組成物は、単回投与または多回投与のいずれかで投与することができる。本発明による医薬組成物は個々の治療薬として、または他の治療薬と組み合わせて投与することができる。本発明の処置は、連続的または同時に投与することができる通例の治療と組み合わせてもよい。
本発明の医薬組成物は、結合組成物を標的とする細胞に到達させることができる任意の手段により投与することができる。幾つかの態様では、投与の経路には静脈内、動脈内、腹腔内、腫瘍が存在する器官の血流への局所的または腫瘍自体への直接投与から成る群から選択される経路を含む。静脈内投与は好適な投与様式である。注入ポンプの補助により行ってもよい。
投与する用量は:活性部分の性質;結合組成物の性質;薬物動態学的特性;投与の様式および経路;受容体の年齢、健康および体重;症状の性質および程度;同時処置の種類;および処置の頻度のような因子に依存して変動する。
結合化合物は1以上のCRCA-1翻訳産物を含む細胞を特異的に標的するので、化学療法剤またはトキシンを含んで成る結合化合物は、化学療法剤またはトキシンが非結合活性剤として投与される時に使用される用量よりは少ない用量、好ましくは最高100倍少ない活性剤を含む用量で投与される。幾つかの態様では、化学療法剤またはトキシンを含んで成る結合化合物は、化学療法剤またはトキシンが非結合活性剤として投与される投薬用量よりも活性部分として10〜100倍少ない活性剤を含む用量で投与される。適切な用量を決定す
るために、化合物の量は好ましくは重量に代えてモルで測定される。このように異なるCRCA-1翻訳産物結合部分の変動し得る重量は計算に影響しない。本発明の結合組成物中、1対1のCRCA-1翻訳産物結合部分対活性部分を想定すると、投与される非結合化合物のモルに比べてより少ないモルの結合化合物、好ましくは最高100倍少ない量で投与することができる。
るために、化合物の量は好ましくは重量に代えてモルで測定される。このように異なるCRCA-1翻訳産物結合部分の変動し得る重量は計算に影響しない。本発明の結合組成物中、1対1のCRCA-1翻訳産物結合部分対活性部分を想定すると、投与される非結合化合物のモルに比べてより少ないモルの結合化合物、好ましくは最高100倍少ない量で投与することができる。
典型的には化学治療剤結合物は、多回の分割された用量で静脈内に投与される。
最高20gm IV/用量のメトトレキセートが典型的には非結合形態で投与される。メトトレキセートが本発明の結合化合物の活性部分として投与される時、用量は10-から100-倍減少する。すなわち各結合化合物が1つのCRCA-1翻訳産物結合部分に結合した1分子のメトトレキセートを含むと想定すると、投与する結合化合物の総量中、最高約0.2〜2.0gのメトトレキセートが存在し、したがって投与される。幾つかの態様では、投与する結合化合物の総量中、最高約200mg〜2gのメトトレキセートが存在し、したがって投与される。
放射性同位体である活性部分に連結したCRCA-1翻訳産物結合部分を含んで成る結合組成物をイメージング剤として有用な医薬組成物中に調薬するために、各CRCA-1翻訳産物結合部分を1つの放射性活性部分に連結することが想定される。投与する放射性同位体の量は、放射性同位体に依存する。当業者は、投与する結合化合物の量を比活性および活性部分として使用する所定の放射性核種のエネルギーに基づき容易に配合することができる。典型的にはイメージング剤の用量あたり0.1〜100ミリキュリー、好ましくは1〜10ミリキュリー、もっとも多くは2〜5ミリキュリーを投与する。すなわちCRCA-1翻訳産物結合部分および放射性部分を含んで成る結合組成物を含んで成るイメージング剤として有用な本発明の医薬組成物は、0.1〜100ミリキュリーを含んで成り、幾つかの態様では好ましくは1〜10ミリキュリー、幾つかの態様では好ましくは2〜5ミリキュリー、幾つかの態様ではより好ましくは1〜5ミリキュリーを含んで成る。投薬用量の例には:131I=用量あたり約0.1〜100ミリキュリーの間、幾つかの態様では好ましくは1〜10ミリキュリー、幾つかの態様では2〜5ミリキュリー、そして幾つかの態様では約4ミリキュリー;111In=用量あたり約0.1〜100ミリキュリーの間、幾つかの態様では好ましくは1〜10ミリキュリー、幾つかの態様では1〜5ミリキュリー、そして幾つかの態様では約2ミリキュリー;99mTc=用量あたり約0.1〜100ミリキュリーの間、幾つかの態様では好ましくは5〜75ミリキュリー、幾つかの態様では10〜50ミリキュリー、そして幾つかの態様では約27ミリキュリー。両方とも引用により本明細書に編入するWessels B.W.and R.D.Rogus(1984)Med.Phys.11:638およびKwok,C.S.et al.(1985)Med.Phys.12:405は、放射性結合化合物を含む本発明の医薬組成物の調製に使用することができる診断用および治療用結合物の詳細な用量計算を開示する。
本発明の1つの観点は、胃または食道癌に罹患していることが疑われる個体の処置法に関する。そのような個体は、医薬的に許容されるキャリアーまたは希釈剤、およびCRCA-1翻訳産物結合部分および活性部分(ここで活性部分は放射安定性の治療薬である)を含んで成る結合化合物を含んで成る医薬組成物を個体に投与することにより処置することができる。本発明の幾つかの態様では、医薬組成物は医薬的に許容されるキャリアーまたは希釈剤、およびCRCA-1翻訳産物結合部分および活性部分(ここで活性部分は放射安定性の活性剤であり、そしてCRCA-1翻訳産物結合部分は抗体である)を含んで成る結合化合物を含んで成る。本発明の幾つかの態様では、医薬組成物は医薬的に許容されるキャリアーまたは希釈剤、およびCRCA-1翻訳産物結合部分および活性部分(ここで活性部分は放射安定性の治療薬である)を含んで成る結合化合物を含んで成る。本発明の幾つかの態様では、医薬組成物は医薬的に許容されるキャリアーまたは希釈剤、およびCRCA-1翻訳産物結合部分および活性部分(ここで活性部分は:メトトレキセート、ドキソルビシン、ダウノルビシン、シトシンアラビノシド、エトポシド、5-4フルオロウラシル、メルファラン、クロラ
ムブシル、シス-白金、ビンデシン、マイトマイシン、ブレオマイシン、ピューロチオニン、マクロモマイシン、1,4-ベンゾキノン誘導体、トレニモン、リシン、リシンA鎖、シュードモナス(Pseudomonas)エキソトキシン、ジフテリアトキシン、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)ホスホリパーゼC、ウシ膵臓リボヌクレアーゼ、アメリカヤマゴボウ 抗ウイルスタンパク質(PAP)、アブリン、アブリンA鎖、コブラ ヘビ毒因子(CVF)、ゲロニン(GEL)、サポリン、モデカシン、ビスクミン、ボルケンシン、アルカリホスファターゼ、ニトロイミダゾール、メトロニダゾールおよびミソニダゾールから成る群から選択される放射安定性の活性剤である)を含んで成る結合化合物を含んで成る。処置される個体は転移した結腸直腸癌を有すると診断され得るか、または局所的な結腸直腸癌を有すると診断され、そして場合により未だ転移が検出されていない場合に先を見越して処置を受けることができる。医薬組成物は治療に効果的な量の結合組成物を含む。治療に効果的な量は、個体に致死的な副作用を引き起こすことなく癌細胞に細胞傷害的または細胞増殖抑制的効果を引き起こすために効果的な量である。
ムブシル、シス-白金、ビンデシン、マイトマイシン、ブレオマイシン、ピューロチオニン、マクロモマイシン、1,4-ベンゾキノン誘導体、トレニモン、リシン、リシンA鎖、シュードモナス(Pseudomonas)エキソトキシン、ジフテリアトキシン、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)ホスホリパーゼC、ウシ膵臓リボヌクレアーゼ、アメリカヤマゴボウ 抗ウイルスタンパク質(PAP)、アブリン、アブリンA鎖、コブラ ヘビ毒因子(CVF)、ゲロニン(GEL)、サポリン、モデカシン、ビスクミン、ボルケンシン、アルカリホスファターゼ、ニトロイミダゾール、メトロニダゾールおよびミソニダゾールから成る群から選択される放射安定性の活性剤である)を含んで成る結合化合物を含んで成る。処置される個体は転移した結腸直腸癌を有すると診断され得るか、または局所的な結腸直腸癌を有すると診断され、そして場合により未だ転移が検出されていない場合に先を見越して処置を受けることができる。医薬組成物は治療に効果的な量の結合組成物を含む。治療に効果的な量は、個体に致死的な副作用を引き起こすことなく癌細胞に細胞傷害的または細胞増殖抑制的効果を引き起こすために効果的な量である。
本発明の1つの観点は、胃または食道癌に罹患していることが疑われる個体の処置法に関する。そのような個体は、医薬的に許容されるキャリアーまたは希釈剤、およびCRCA-1翻訳産物結合部分および活性部分(ここで活性部分は放射性である)を含んで成る医薬組成物を個体に投与することにより処置することができる。本発明の幾つかの態様では、医薬組成物は医薬的に許容されるキャリアーまたは希釈剤、およびCRCA-1翻訳産物結合部分および活性部分(ここで活性部分は放射性であり、そしてST受容体結合部分は抗体である)を含んで成る結合化合物を含んで成る。本発明の幾つかの態様では、医薬組成物は医薬的に許容されるキャリアーまたは希釈剤、およびCRCA-1翻訳産物および活性部分(ここで活性部分は:47Sc、67Cu、90Y、109Pd、123I、125I、131I、186Re、188Re、199Au、211At、212Pb、212B、32Pおよび33P、71Ge、77As、103Pb、105Rh、111Ag、119Sb、121Sn、131Cs、143Pr、161Tb、177Lu、191Os、193MPt、197Hg、32Pおよび33P、71Ge、77As、103Pb、105Rh、111Ag、119Sb、121Sn、131Cs、143Pr、161Tb、177Lu、191Os、193MPt、197Hg、すべてのベータネガティブおよび/またはオーガーエミッターから成る群から選択される放射性剤である)を含んで成る結合化合物を含んで成る。処置される個体は転移した癌を有すると診断され得るか、または局所的な癌を有すると診断され、そして場合により未だ転移が検出されていない場合に先を見越して処置を受けることができる。医薬組成物は治療に効果的な量の結合組成物を含む。治療に効果的な量は、個体に致死的な副作用を引き起こすことなく転移した結腸直腸癌細胞に細胞傷害的または細胞増殖抑制的効果を引き起こすために効果的な量である。組成物は原発性腫瘍の腫瘍内に注射することができる。
本発明の1つの観点は、原発性または転移した胃もしくは食道癌に罹患していることが疑われる個体の原発性または転移した胃もしくは食道癌細胞を放射線造影により検出する方法に関する。診断された原発性または転移した胃もしくは食道腫瘍を有することが疑われ得る個体は、CRCA-1翻訳産物に結合するイメージング剤を個体に投与することにより確認することができる。腫瘍は胃または食道での局所化を検出することにより造影することができる。個体は転移した胃もしくは食道癌に罹患していると診断されることができ、そして転移した胃もしくは食道癌細胞は、医薬的に許容されるキャリアーまたは希釈剤、およびCRCA-1翻訳産物結合部分および活性部分(ここで活性部分は放射性であり、そして局所化した放射性の蓄積または凝集の存在を検出し、CRCA-1翻訳産物を含む細胞の存在を示す)を含んで成る結合化合物を含んで成る医薬組成物を個体に投与、好ましくは静脈内投与することにより検出することができる。本発明の幾つかの態様では、医薬組成物は医薬的に許容されるキャリアーまたは希釈剤、およびCRCA-1翻訳産物結合部分および活性部分(ここで活性部分は放射性であり、そしてST受容体結合部分は抗体である)を含んで成る結合化合物を含んで成る。本発明の幾つかの態様では、医薬組成物は医薬的に許容されるキャリアーまたは希釈剤、およびST受容体結合部分および活性部分(ここで活性部分は:
鉄キレートのような放射性重金属、ガドリニウムまたはマンガンの放射性キレート、酸素、窒素、鉄、炭素またはガリウムの陽電子エミッター、43K、52F、57Co、67Cu、67Ga、68Ga、77Br、81Rb/81MKr、87MSr、99MTc、111In、134MIn、123I、125I、127Cs、129Cs、131I、132I、197Hg、203Pbおよび206Biから成る群から選択される放射性剤である)を含んで成る結合化合物を含んで成る。処置される個体は転移した胃または食道癌を有すると診断されるか、または局所的な胃または食道癌を有すると診断される可能性があり、そして未だ転移が検出されていない場合でも先を見越して処置を受けることができる。医薬組成物は診断に効果的な量の結合組成物を含む。診断に効果的な量は、個体に致死的な副作用を引き起こすことなくST受容体を含む細胞が位置する身体の部位が検出できるために効果的な量である。
鉄キレートのような放射性重金属、ガドリニウムまたはマンガンの放射性キレート、酸素、窒素、鉄、炭素またはガリウムの陽電子エミッター、43K、52F、57Co、67Cu、67Ga、68Ga、77Br、81Rb/81MKr、87MSr、99MTc、111In、134MIn、123I、125I、127Cs、129Cs、131I、132I、197Hg、203Pbおよび206Biから成る群から選択される放射性剤である)を含んで成る結合化合物を含んで成る。処置される個体は転移した胃または食道癌を有すると診断されるか、または局所的な胃または食道癌を有すると診断される可能性があり、そして未だ転移が検出されていない場合でも先を見越して処置を受けることができる。医薬組成物は診断に効果的な量の結合組成物を含む。診断に効果的な量は、個体に致死的な副作用を引き起こすことなくST受容体を含む細胞が位置する身体の部位が検出できるために効果的な量である。
一般的に胃または食道癌細胞を標的とするドラッグデリバリー
本発明の別の観点は、胃または食道癌細胞のようなCRCA-1翻訳産物を含んで成る細胞に治療薬を送達するために使用するCRCA-1翻訳産物リガンドを含んで成る非結合および結合組成物に関する。幾つかの態様では、作用物質は:メトトレキセート、ドキソルビシン、ダウノルビシン、シトシンアラビノシド、エトポシド、5-4フルオロウラシル、メルファラン、クロラムブシル、シス-白金、ビンデシン、マイトマイシン、ブレオマイシン、ピューロチオニン、マクロモマイシン、1,4-ベンゾキノン誘導体、トレニモン、リシン、リシンA鎖、シュードモナス(Pseudomonas)エキソトキシン、ジフテリアトキシン、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)ホスホリパーゼC、ウシ膵臓リボヌクレアーゼ、アメリカヤマゴボウ 抗ウイルスタンパク質(PAP)、アブリン、アブリンA鎖、コブラ ヘビ毒因子(CVF)、ゲロニン(GEL)、サポリン(SAP)、モデカシン、ビスクミン、ボルケンシン、アルカリホスファターゼ、ニトロイミダゾール、メトロニダゾールおよびミソニダゾールのような薬剤またはトキシンである。免疫系により標的とすることができる抗原を生成するために、または細胞を殺すか、またはその増殖を抑制するタンパク質を生産するために遺伝材料を癌細胞に送達する。幾つかの態様では、CRCA-1翻訳産物リガンドを使用して、欠失した内因性遺伝子に置き換える、または治療的タンパク質をコードする核酸分子をコードする核酸を送達する。幾つかの態様では組成物は遺伝子治療のプロトコールで使用され、個体に遺伝子の欠失を埋め合わせるために必要な、かつ/または望ましい遺伝子材料を送達する。
本発明の別の観点は、胃または食道癌細胞のようなCRCA-1翻訳産物を含んで成る細胞に治療薬を送達するために使用するCRCA-1翻訳産物リガンドを含んで成る非結合および結合組成物に関する。幾つかの態様では、作用物質は:メトトレキセート、ドキソルビシン、ダウノルビシン、シトシンアラビノシド、エトポシド、5-4フルオロウラシル、メルファラン、クロラムブシル、シス-白金、ビンデシン、マイトマイシン、ブレオマイシン、ピューロチオニン、マクロモマイシン、1,4-ベンゾキノン誘導体、トレニモン、リシン、リシンA鎖、シュードモナス(Pseudomonas)エキソトキシン、ジフテリアトキシン、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)ホスホリパーゼC、ウシ膵臓リボヌクレアーゼ、アメリカヤマゴボウ 抗ウイルスタンパク質(PAP)、アブリン、アブリンA鎖、コブラ ヘビ毒因子(CVF)、ゲロニン(GEL)、サポリン(SAP)、モデカシン、ビスクミン、ボルケンシン、アルカリホスファターゼ、ニトロイミダゾール、メトロニダゾールおよびミソニダゾールのような薬剤またはトキシンである。免疫系により標的とすることができる抗原を生成するために、または細胞を殺すか、またはその増殖を抑制するタンパク質を生産するために遺伝材料を癌細胞に送達する。幾つかの態様では、CRCA-1翻訳産物リガンドを使用して、欠失した内因性遺伝子に置き換える、または治療的タンパク質をコードする核酸分子をコードする核酸を送達する。幾つかの態様では組成物は遺伝子治療のプロトコールで使用され、個体に遺伝子の欠失を埋め合わせるために必要な、かつ/または望ましい遺伝子材料を送達する。
幾つかの態様では、CRCA-1翻訳産物リガンドは送達媒体と合わせられるか、または包含され、これにより送達媒体が特異的に標的化された送達媒体に転換する。例えばCRCA-1翻訳産物結合ペプチドをウイルス粒子の外側部分に組み込み、そのようなウイルスをCRCA-1翻訳産物をもつ細胞に特異的なウイルスにすることができる。同様に、ウイルス粒子の外側上に暴露されるか、または接近できる活性なCRCA-1翻訳産物結合ペプチドを含む融合タンパク質として生産されるようにウイルスのコートタンパク質を工作し、そのようなウイルスをCRCA-1翻訳産物をもつ細胞に特異的なウイルスにすることができる。幾つかの態様では、CRCA-1翻訳産物リガンドはCRCA-1翻訳産物リガンドがリポソームの外側に暴露されるか、または接近できるリポソームに組み込むか、または包含させて、そのようなリポソームがCRCA-1翻訳産物をもつ細胞を特異的に標的することができる。
本発明の観点に従い、結合または非結合組成物中の活性剤は、薬剤、トキシンまたは核酸分子である。核酸はRNAでよく、好ましくはDNAである。幾つかの態様では、核酸分子は細胞中に存在して望ましくないタンパク質の生産を抑制するアンチセンス分子であるか、またはアンチセンス配列をコードする。幾つかの態様では核酸分子は細胞中に存在して望ましくないタンパク質の生産を抑制するリボザイムをコードする。幾つかの態様では、核酸分子は細胞中で望ましく生産されるタンパク質またはペプチドをコードする。幾つかの態様では、核酸分子は標的細胞中で欠失している遺伝子の機能的コピーをコードする。核酸分子は好ましくは細胞中でコード配列を発現するために必要な調節配列に操作可能に連
結される。
結される。
リポソームは脂質から成る小さい小胞である。CRCA-1翻訳産物をもつ細胞中で発現することが望まれるタンパク質をコードする遺伝子構築物は、これらの小胞の中心に導入される。これら小胞の外殻は、CRCA-1翻訳産物リガンドを含んで成る。引用により本明細書に編入するリポソーム(Liposome)、第1、2および3巻、CRC出版社、ボカラトン、FLAは、外殻に抗体を含むリポソームにカプセル化された活性剤の調製を開示する。本発明では、例えば抗-CRCA-1翻訳産物抗体のようなCRCA-1翻訳産物リガンドが外殻に会合している。中に活性剤を含むリポソームのマトリックス中にCRCA-1翻訳産物リガンドを含んで成る非結合組成物は、CRCA-1翻訳産物リガンドが好ましくは抗体であるそのような組成物を含む。
1つの態様では、正常なコピーのp53腫瘍抑制遺伝子の癌細胞への送達が、遺伝子治療剤を標的化するために、CRCA-1翻訳産物リガンドを使用して行われる。p53腫瘍抑制遺伝子の突然変異は、多くの癌の発生に優勢な役割を果たすと思われる。この疾患を克服するための1つの取り組みは、この遺伝子の正常なコピーをこの遺伝子の突然変異体形を発現している癌細胞に送達することである。正常なp53腫瘍抑制遺伝子を含んで成る遺伝子構築物が、CRCA-1翻訳産物リガンドを含んで成るリポソームに包含される。組成物は腫瘍に送達される。CRCA-1翻訳産物結合リガンドはp53抑制遺伝子の突然変異により作られた損傷を正すために、正常な遺伝子を含むリポソームを特異的に標的化し、そして方向づける。遺伝子構築物の調製は当業者の技術範囲内である。本発明はそのような構築物を、本発明のCRCA-1翻訳産物リガンドを使用することにより特異的に標的化することができる。本発明の組成物には、送達媒体と会合した抗-CRCA-1翻訳産物抗体のようなCRCA-1翻訳産物リガンド、および細胞中での発現に必要な調節配列に連結された、生産が腸管の細胞中で望まれるタンパク質のコード配列を含んで成る遺伝子構築物を含む。腸管の細胞に取り込まれるために、組成物は経口的にまた浣腸により投与され、これにより腸管に入り、そして1以上のCRCA-1翻訳産物を含んで成る細胞と接触する。送達媒体はCRCA-1翻訳産物リガンドによりCRCA-1翻訳産物と会合し、そして媒体は細胞中に内面化(internalized)されるか、または活性剤/遺伝子構築物は細胞により取り込まれる。いったん内面化されれば、構築物は個体に治療的効果を提供することができる。
アンチセンス
本発明は、胃または食道癌細胞にアンチセンス化合物を特異的に送達するための手段を提供することにより、胃または食道癌細胞を防止し、そして処置し、そしてこれにより望ましくない遺伝子発現が起こっているそのような細胞中の遺伝子の発現を、そのような発現が起こっていない細胞に悪い効果を及ぼすことなく停止するために有用な組成物、キットおよび方法を提供する。
本発明は、胃または食道癌細胞にアンチセンス化合物を特異的に送達するための手段を提供することにより、胃または食道癌細胞を防止し、そして処置し、そしてこれにより望ましくない遺伝子発現が起こっているそのような細胞中の遺伝子の発現を、そのような発現が起こっていない細胞に悪い効果を及ぼすことなく停止するために有用な組成物、キットおよび方法を提供する。
本発明の結合組成物は、胃または食道癌細胞を含むCRCA-1を発現する細胞を標的とするために有用である。結合組成物は、非結腸直腸由来細胞には結合しない。1以上のCRCA-1翻訳産物を欠く非結腸直腸は、結合組成物を取り込まない。すなわち本発明は胃または食道癌細胞のみにアンチセンス組成物を送達するための組成物および方法を提供する。
本発明は胃または食道癌細胞のみが化合物の活性部分に暴露され、そして胃または食道癌細胞のみが結合化合物の効果を受ける、胃または食道癌に特異的な取り組みを提供する。CRCA-1結合部分は胃または食道癌細胞に結合する。これらの細胞に結合すると、結合化合物は内面化され、そして分子のアンチセンス部分を含む結合化合物の送達が起こる。正常な結腸直腸細胞中では結合化合物の活性部分を形成するアンチセンス分子が相補的な癌に関連する遺伝子は発現しないので、正常な結腸直腸細胞中の結合化合物の存在は正常細胞には効果が無い。しかし結腸直腸癌細胞中では、結合化合物の活性部分を形成するアン
チセンス分子が相補的な癌遺伝子が発現する。結腸直腸癌細胞中の結合化合物の存在は、癌遺伝子の転写または翻訳を抑制し、そしてこれにより形質転換した表現型を減少または排除するために役立つ。
チセンス分子が相補的な癌遺伝子が発現する。結腸直腸癌細胞中の結合化合物の存在は、癌遺伝子の転写または翻訳を抑制し、そしてこれにより形質転換した表現型を減少または排除するために役立つ。
本発明は局在化したまたは転移した胃または食道癌細胞を撲滅するために、ならびに形質転換した表現型の発生を防ぐために使用することができる。すなわち本発明は、治療的ならびに予防的に使用することができる。
当業者は、胃または食道癌に罹患していると疑われる個体を容易に同定することができる。胃または食道癌と診断された個体では、転移を疑い、そして転移した細胞を積極的に根絶することが標準的な治療である。本発明は、転移した胃または食道癌細胞を特異的に標的とし、そして排除するための医薬組成物および方法を提供する。さらに本発明は胃または食道癌細胞を特異的に排除するための治療薬を含んで成る医薬組成物および方法を提供する。
本発明は結合組成物中にCRCA-1翻訳産物結合部分を使用することに依存する。CRCA-1翻訳産物結合部分は本質的にはCRCA-1翻訳産物に対するリガンドとして作用し、すなわちこれらの受容体に特異的に結合する結合組成物の部分である。結合組成物はまた、CRCA-1翻訳産物結合部分と会合する活性部分を含み;この活性部分は、発現が癌に関連している遺伝子の発現の転写または翻訳を抑制または防止するために有用なアンチセンス組成物である。
本発明に従い、活性部分はアンチセンス組成物である。特に結合化合物の活性部分を形成するアンチセンス分子は、胃または食道癌細胞中のDNAまたはRNAとハイブリダイズし、そしてDNAまたはRNAの転写または翻訳が起こることを阻害かつ/または防止する。アンチセンス組成物は、核酸分子、それらの誘導体または同族体であり得る。アンチセンス組成物の化学的性質は、発現が抑制されるかまたは防止されるDNAまたはRNA分子に相補的であるDNAまたはRNA分子を模する官能基を保有する核酸分子または修飾核酸分子または非核酸分子の性質であり得る。アンチセンス組成物は、発現が胃または食道癌に関連している遺伝子、すなわち癌に関連する遺伝子の転写または翻訳を抑制または防止する。
点突然変異の挿入、およびK-rasおよびH-ras中の欠失が多くの腫瘍中で同定された。癌遺伝子HER-2/ERBB-2、HER-1/ERBB-1、HRAS-1、C-MYCおよび抗-癌遺伝子p53、RB1の改変の複雑な特性。
ラットのモデルを対象とした化学的な発癌現象は、fos、転写調節および増殖を媒介する癌遺伝子中の点突然変異を証明した。Alexander,RJ,et al.、N-メチル-N-ニトロソウレアにより誘導されるラットの結腸腫瘍における癌遺伝子の改変。American Journal of the Medical Science.303(1):16-24,1992,Janを参照にされたい(これは、その中に引用されている本明細書に引用により編入する技術文献を含め、引用により本明細書に編入する)。
ラットのモデルを対象とした化学的な発現現象は、癌遺伝子ablにおける点突然変異を証明した。Alexander,RJ,et al.、N-メチル-N-ニトロソウレアにより誘導されるラットの結腸腫瘍における癌遺伝子の改変。American Journal of the Medical Science.303(1):16-24,1992,Janを参照にされたい。
MYCは転写および増殖の調節に役割を果たす癌遺伝子である。エキソンIIの翻訳開始領域に相補的なmycに対する15塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、結腸直腸癌細胞とインキューベーションした。このアンチセンス分子は、結腸直腸癌の増殖を用量−依存
的様式で抑制した。興味深いことには、このオリゴヌクレオチドの取り込みは低かった(0.7%)。また正常な染色体5の結腸直腸癌細胞への転移がmyc発現の調節および増殖の損失をもたらした。これらのデータは、mycの調節に重要な腫瘍抑制遺伝子がこの染色体に含まれていることを示唆する。
的様式で抑制した。興味深いことには、このオリゴヌクレオチドの取り込みは低かった(0.7%)。また正常な染色体5の結腸直腸癌細胞への転移がmyc発現の調節および増殖の損失をもたらした。これらのデータは、mycの調節に重要な腫瘍抑制遺伝子がこの染色体に含まれていることを示唆する。
新規なタンパク質であるチロシンホスファターゼ、G1が同定された。結腸直腸腫瘍細胞中のこのタンパク質をコードするmRNAの調査により、これはこれらの細胞中で点突然変異および欠失を受けることが明らかとなり、そしてこれらの細胞の増殖特性に役割を果しているかもしれない。Takekawa,M.et al.タンパク質チロシンホスファターゼG1の遺伝子の染色体局在化およびヒト結腸癌細胞における異所性の転写物。FEBS Letters.339(3):222-8,1994 Feb.21(これは、その中に引用されている本明細書に引用により編入する技術文献を含め、引用により本明細書に編入する)。
ガストリンは結腸癌細胞の成長をPKAが媒介するサイクリックAMP-依存的メカニズムを通して調節する。PKAの特別なクラスの調節サブユニットに対するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドは、結腸癌腫細胞中でサイクリックAMPの成長-促進効果を抑制した。Bold RJ,et al.ヒト結腸癌の実験的な遺伝子治療。Surgery.116(2):189-95;discussion 195-6,1994 Aug.およびYokozaki,H.,et al.,サイクリックAMP-依存的プロテインキナーゼのRIアルファサブユニットを減少させる(deplete)消費するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドは、ヒトの癌細胞における増殖抑制を誘導する。Cancer Research.53(4):868-72,1993 Feb 15を参照にされたい(両方とも、それらの中に引用されている本明細書に引用により編入する技術文献を含め、引用により本明細書に編入する)。
CRIPTOは、結腸癌腫瘍中のほとんどで発現する上皮増殖因子に関連する遺伝子である。CRIPTO mRNAの5'-末端に対するアンチセンスホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチドはCRIPTO発現を有意に低下させ、そしてインビトロおよびインビボで結腸直腸腫瘍細胞の増殖を抑制した。Ciardiello,F.et al.アンチセンスRNAおよびオリゴデオキシヌクレオチドによるヒト結腸癌細胞おけるCRIPTO発現および腫瘍形成性の抑制。Oncogene.9(1):291-8,1994 Jan.(両方とも、それらの中に引用されている本明細書に引用により編入する技術文献を含め、引用により本明細書に編入する)。
多くの癌腫細胞が形質転換因子アルファを分泌する。TGFアルファmRNAに対する23ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、結腸直腸癌細胞のDNA合成および増殖の両方を抑制した。Sizeland,AM,Burgess,A.W.アンチセンス形質転換増殖因子アルファオリゴヌクレオチドは、結腸の癌腫細胞系の自己分泌刺激増殖を抑制する。Molecular Biology of the Cell.3(11):1235-43,1992 Nov.(これは、その中に引用されている本明細書に引用により編入する技術文献を含め、引用により本明細書に編入する)。
オリゴヌクレオチド、それらの誘導体および同族体を含むアンチセンス組成物、結合プロトコール、および転写および翻訳の阻害に関するアンチセンス法は一般に:アンチセンスの調査および応用(Antisense Research and Applications)、Crooke,S.and B.Lebleu編集、CRC出版社、ボカラトンFLA1993:化学および生物学における核酸(Nucleic Acids in Chemistry and Biology)、Blackburm,G.and M.J.Gait編集、オックスフォード大学出版社のIRL出版、ニューヨーク 1990;およびオリゴヌクレオチドおよび同族体:実践的手法(Oligonucleptides and Analogues:A Practical Apprpach)Eckstein,F編集、オックスフォード大学出版社のIRL出版、ニューヨーク 1991に記載されており、これらは、その中に引用されている本明細書に引用により編入する技術文献を含め、引用により本明細書に編入する。
本発明のアンチセンス分子は、結腸直腸癌遺伝子のフラグメントに相補的な配列を含ん
で成る。引用に本明細書に編入するUllrich et al.,EMBO J.,1986,5:2503を参照にされたい。
で成る。引用に本明細書に編入するUllrich et al.,EMBO J.,1986,5:2503を参照にされたい。
本発明の結合化合物中の活性部分を形成することができるアンチセンス組成物は、DNA二重らせん中のホモプリンの局所的な広がりを認識し、そして主溝でそれらに結合して三重らせんを形成することができるホモピリミジンから形成されたオリゴヌクレオチドを含む。Helen,C and Toulme,JJ.アンチセンス、センスおよび抗遺伝子核酸による遺伝子発現の特異的調節。Biochem.Biophys Acta,1049:99-125,1990を参照にされたい(これは、その中に引用されている本明細書に引用により編入するすべての技術文献を含め、引用により本明細書に編入する)。三重らせんの形成は、特異的な遺伝子がRNAポリメラーゼにより転写を受ける能力を中断する。myc-特異的オリゴヌクレオチドを使用した三重らせんの形成が観察された。Cooney,M.et al.,Science 241:456-459を参照にされたい(これは、その中に引用されている本明細書に引用により編入するすべての技術文献を含め、引用により本明細書に編入する)。
イントロンとエキソンとの間の境界の配列に相補的なDNAまたはRNAのアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用して、特異的な遺伝子の新たに生成された核RNA転写産物が転写のためにmRNAへ成熟することを防ぐことができる。
特異的な遺伝子に相補的なアンチセンスRNAをtat遺伝子のmRNAにハイブリダイズさせ、そしてその転写を防ぐことができる。アンチセンスRNAは、インビトロで合成された「即使用可能な」RNAとして、または転写によりアンチセンスRNAを生じる細胞に安定にトランスフェクトされるアンチセンス遺伝子として細胞に提供され得る。mRNAとのハイブリダイゼーションは、ハイブリダイズした分子のRNAseHによる分解および/または翻訳複合体の形成の阻害をもたらす。両方の結果から、元の遺伝子産物を生産することができない。
DNAまたはRNAのアンチセンス配列を細胞に送達することができる。幾つかの化学的修飾が開発されて、それらの特異的配列を認識する能力を妨害することなくこれらの分子の安定性を延ばし、そして機能が改善された。これらにはホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホロチオエート、アルファ-アノマーを含むDNasesによる分解に対するそれらの耐性の上昇、ソラレンのような種々のインターカレート剤への共有結合により、それらのsに対する親和性の上昇、ならびにポリリシンを含む種々の基に結合させることにより細胞による取り込みの上昇を含む。これらの分子はmRNAにコードされる特異的な配列を認識し、そしてそれらのハイブリダイゼーションがこれらのメッセージの翻訳を防止し、そして分解を増す。
本発明の結合組成物は、新生物の形質転換を引き起こす遺伝子の発現を終結するための特異的かつ効果的手段を提供する。CRCA-1翻訳産物はリガンドが誘導するエンドサイトーシスを受け、そして結合化合物を細胞の細胞質に送達することができる。
CRCA-1翻訳産物結合部分は、応答の誘導に活性な核酸のようなアンチセンス組成物に直接結合する。例えばMYCに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを、抗-CRCA-1翻訳産物抗体に直接結合する。これはCD4受容体に結合するペプチドを使用して行なわれた。Cohen,J.S.編集、オリゴデオキシヌクレオチド:遺伝子発現のアンチセンスインヒビター(Oligodeoxynucleotides:Antisense Inhibitors of Gene Expression)。分子および構造的生物学の話題(Topics in Molecular and Structural Biology)、CRC出版社、ボカラトン、1989を参照にされたい(これは、その中に引用されている本明細書に引用により編入するすべての技術文献を含め、引用により本明細書に編入する)。正確な骨格およびその合成は具体的にされず、そして十分に確立された技術から選択することができる。合成には化学的結合またはFMOC化学を使用した固相合成によるキメラ分子の直接合成のいずれかが関
与する。Haralambidis,J,et al.(1987)Tetrahedron Lett.28:5199-5202を参照にされたい(これは、その中に引用されている本明細書に引用により編入するすべての技術文献を含め、引用により本明細書に編入する)。あるいはペプチド-核酸結合物は、固相合成によりペプチド-ペプチド核酸キメラとして固相合成により直接合成することができる。Nielsen,PE,et al.(1994)DNA鋳型鎖に結合したペプチド核酸による配列-特異的な転写の停止。Gene149:139-145(これは、その中に引用されている本明細書に引用により編入するすべての技術文献を含め、引用により本明細書に編入する)。
与する。Haralambidis,J,et al.(1987)Tetrahedron Lett.28:5199-5202を参照にされたい(これは、その中に引用されている本明細書に引用により編入するすべての技術文献を含め、引用により本明細書に編入する)。あるいはペプチド-核酸結合物は、固相合成によりペプチド-ペプチド核酸キメラとして固相合成により直接合成することができる。Nielsen,PE,et al.(1994)DNA鋳型鎖に結合したペプチド核酸による配列-特異的な転写の停止。Gene149:139-145(これは、その中に引用されている本明細書に引用により編入するすべての技術文献を含め、引用により本明細書に編入する)。
幾つかの態様では、ポリリシンを本発明の結合組成物に核酸に対して非−共有的様式で複合化し、そしてこれら分子の細胞の細胞質への送達を強化するために使用することができる。さらに核酸の細胞への取り込みの特異性および効率を強化するために、ペプチドおよびタンパク質を共有的様式でポリリシンに結合し、そしてこの結合体を核酸と非-共有結合的様式で複合することができる。このようにCRCA-1翻訳産物リガンドを確立された技法によりポリリシンに化学的に結合する。ポリリシン−CRCA-1翻訳産物リガンド結合体は選択した核酸と複合化することができる。このようにポリリシン-オロソムコイド結合体は、オロソムコイド受容体を発現する肝癌細胞に対して発現する遺伝子を含むプラスミドに対して特異的に使用された。この取り組みを使用して、全遺伝子またはオリゴヌクレオチドを送達することができる。すなわちこれは望ましくない遺伝子(例えばMYC、ras)の発現を終結し、または欠失されたまたは削除された遺伝子(例えばhMSH2、hMLH1およびhPMS2)の機能を置き換えるための潜在的能力を有する。
好適な態様に従い、Mycはその発現が結合組成物内のアンチセンス分子により抑制される遺伝子として役立つ。CRCA-1翻訳産物結合部分は、15塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドを、エキソンIIの翻訳開始領域に相補的なmycに送達するために使用する。MYCに対する15塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドは、Collins,JF,Herman,P,Schuch,C,Bagby GC,Jr.Journal of Clinical Investigation.89(5):1523-7,1992 Mayに報告されているように合成される。幾つかの態様では、結合組成物をすでに報告したようにポリリシンに結合する。Wu,GY,and Wu,CH,(1988)インビトロのHep G2 肝癌細胞へのed遺伝子の送達に関する証拠。Biochem.27:887-892(これは引用により本明細書に編入する)。
結合組成物はキメラ分子として固相合成により直接合成することができる。ピルモルからナノモル濃度のこの結合体は、インビトロで結腸直腸癌細胞中のMYC合成を抑制する。
アンチセンス分子は好ましくは5〜50ヌクレオチド長、より好ましくは5〜25ヌクレオチド、そして幾つかの態様では10〜15ヌクレオチドのヌクレオチド配列にハイブリダイズし、すなわち相補的である。
さらに誤対合配列が結腸直腸癌遺伝子配列と実質的に相補的であるような、本発明の方法を行う上記に同定した配列内の誤対合も、本開示の範囲内と考える。結腸直腸癌遺伝子配列と実質的な相補性を許容する誤対合は、いったん本開示から着手すれば当業者にはわかるだろう。このオリゴも非修飾または修飾され得る。
治療用組成物および方法は、癌が局所化され、かつ/または転移している症例の胃または食道癌を克服するために使用することができる。個体に治療に効果的な量の結合化合物を投与する。治療に効果的な量は、個体に致死的な副作用を引き起こすことなく転移した結腸直腸癌細胞に細胞傷害的または細胞増殖抑制的効果を引き起こすために効果的な量である。治療に効果的な量の結合組成物が投与された個体は、治療に効果的な量を受容しなかった個体が有する危険に比べて、胃または食道癌を排除する機会が増す。
局所化された胃または食道癌を処置するために、治療に効果的な量の結合化合物は、局
所化した腫瘍に接触するように投与される。すなわち結合化合物は、経口的または腫瘍内に投与される。経口および直腸製剤は、引用により本明細書に編入するレミングトンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Science)、第18版、1990、マック出版社、イーストン、ペンシルバニア州に教示されている。
所化した腫瘍に接触するように投与される。すなわち結合化合物は、経口的または腫瘍内に投与される。経口および直腸製剤は、引用により本明細書に編入するレミングトンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Science)、第18版、1990、マック出版社、イーストン、ペンシルバニア州に教示されている。
本発明による医薬組成物は、単回投与または多回投与のいずれかとして投与することができる。本発明の医薬組成物は個々の治療薬として、または他の治療薬との組み合わせのいずれかとして投与することができる。本発明の処置は、連続的または同時に投与され得る通例の治療と組み合わせてもよい。
本発明はアンチセンス化合物を胃または食道細胞に送達し、そして哺乳動物中で癌遺伝子の発現を抑制する方法を対象する。この方法は、癌遺伝子のDNAまたはmRNAの領域に対して相補的である配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドに結合されたCRCA-1翻訳産物結合部分を含んで成る、効果的な量の結合組成物を哺乳動物に投与することを含んで成る。
結合化合物は、意図する投与経路および標準的な製薬プラクティスに関して選択された医薬的に許容されるキャリアーとの混合物で哺乳動物に投与され得る。投薬用量は、患者の体重および臨床的状態に関して設定される。本発明の結合組成物は、未分化の細胞かつ/または異常な表現型を有する細胞が無くなるまで十分な期間、投与される。治療的方法では、処置は形質転換した細胞の増殖を抑制するために十分な時間を要し、そして結合組成物は他の化学療法剤と一緒に投与して患者の癌を管理し、そして克服することができる。
本発明を結合化合物は、単独でまたは他の化合物と組み合わせて本発明の方法に採用することができる。投与される量は、患者の年齢、体重および臨床的状態のような因子に依存する。Gennaro,Alfonso編集、レミングトンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)、第18版、1990、マック出版社、イーストン、ペンシルバニア州を参照にされたい。
治療用および予防用ワクチン
本発明は個体を胃または食道癌に対して保護し、そして胃または食道癌に罹患している個体を処置するための予防用および治療用ワクチンに関する。
本発明は個体を胃または食道癌に対して保護し、そして胃または食道癌に罹患している個体を処置するための予防用および治療用ワクチンに関する。
本発明に従い、1以上のCRCA-1翻訳産物は予防的および治療的免疫応答を誘導できる標的化剤として役立つ。具体的にはCRCA-1翻訳産物に対して免疫応答を誘導するワクチンが提供される。本発明のワクチンは限定するわけではないが、以下のワクチン技術を含む:1)DNAワクチン、すなわちST受容体タンパク質上に存在しないCRCA-1翻訳産物に由来する少なくとも1つのエピトープをコードするDNAは、エピトープが発現され、そして免疫応答の標的として役立つ個体の細胞に投与されるワクチン;
2)組換えアデノウイルス、ワクシニア、サルモネラ(Salmonella)およびBCGのような感染性ベクターが媒介するワクチン、ここでベクターは感染性ベクターが個体に投与された時、エピトープが発現され、そして免疫応答の標的として役立つように、ST受容体タンパク質上に存在しないCRCA-1翻訳産物に由来する少なくとも1つのエピトープをコードする遺伝情報を持つ;
3)a)ST受容体タンパク質上に存在しないCRCA-1翻訳産物に由来する少なくとも1つのエピトープを提示する死んだ細胞または不活性化ウイルス粒子のいずれかを含んで成り、そしてb)個体に投与された時、免疫応答の標的として役立つ、死んだまたは不活性化ワクチン;
3)a)ST受容体タンパク質上に存在しないCRCA-1翻訳産物に由来する少なくとも1つの
エピトープを提示する死んだ細胞または不活性化ウイルス粒子のいずれかを含んで成り、b)より免疫原性となるようにハプテン化され、そしてc)個体に投与された時、免疫応答の標的として役立つ、ハプテン化された死んだまたは不活性化ワクチン;
4)ST受容体タンパク質上に存在しないCRCA-1翻訳産物に由来する少なくとも1つのエピトープを含むタンパク質分子を含むワクチンであるサブユニットワクチン;ならびに
5)ST受容体タンパク質上に存在しないCRCA-1翻訳産物に由来する少なくとも1つのエピトープを含むタンパク質分子を含み、そしてb)より免疫原性となるようにハプテン化されたワクチンであるハプテン化されたサブユニットワクチン。
2)組換えアデノウイルス、ワクシニア、サルモネラ(Salmonella)およびBCGのような感染性ベクターが媒介するワクチン、ここでベクターは感染性ベクターが個体に投与された時、エピトープが発現され、そして免疫応答の標的として役立つように、ST受容体タンパク質上に存在しないCRCA-1翻訳産物に由来する少なくとも1つのエピトープをコードする遺伝情報を持つ;
3)a)ST受容体タンパク質上に存在しないCRCA-1翻訳産物に由来する少なくとも1つのエピトープを提示する死んだ細胞または不活性化ウイルス粒子のいずれかを含んで成り、そしてb)個体に投与された時、免疫応答の標的として役立つ、死んだまたは不活性化ワクチン;
3)a)ST受容体タンパク質上に存在しないCRCA-1翻訳産物に由来する少なくとも1つの
エピトープを提示する死んだ細胞または不活性化ウイルス粒子のいずれかを含んで成り、b)より免疫原性となるようにハプテン化され、そしてc)個体に投与された時、免疫応答の標的として役立つ、ハプテン化された死んだまたは不活性化ワクチン;
4)ST受容体タンパク質上に存在しないCRCA-1翻訳産物に由来する少なくとも1つのエピトープを含むタンパク質分子を含むワクチンであるサブユニットワクチン;ならびに
5)ST受容体タンパク質上に存在しないCRCA-1翻訳産物に由来する少なくとも1つのエピトープを含むタンパク質分子を含み、そしてb)より免疫原性となるようにハプテン化されたワクチンであるハプテン化されたサブユニットワクチン。
本発明は、エピトープに対する治療的および予防的免疫応答を誘導できる免疫原エピトープを含んで成る、またはコードするそれぞれタンパク質または核酸分子を個体に投与することを含んで成る。そのようなエピトープは一般に6〜8アミノ酸長である。したがって本発明のワクチンは、少なくともタンパク質、またはST受容体タンパク質上に存在しない1以上のCRCA-1翻訳産物に由来する少なくとも6〜8アミノ酸長をコードする核酸を含んで成る。本発明のワクチンは、少なくともタンパク質、または少なくとも10〜約1000アミノ酸長をコードする核酸を含んで成る。本発明のワクチンは、少なくともタンパク質、または少なくとも約25〜約500アミノ酸長をコードする核酸を含んで成ることができる。本発明のワクチンは、少なくともタンパク質、または少なくとも約50〜約400アミノ酸長をコードする核酸を含んで成ることができる。本発明のワクチンは、少なくともタンパク質、または少なくとも約100〜約300アミノ酸長をコードする核酸を含んで成ることができる。
本発明は、胃または食道癌を有することが分かっている個体を処置する組成物および方法に関する。胃または食道癌は、認められた臨床用および研究用の病理学的プロトコールを使用して当業者により診断することができる。本発明は胃または食道癌に罹患していると診断された個体を処置するために有用な免疫療法用ワクチンを提供する。本発明の免疫療法用ワクチンは、他の治療薬と組み合わせて投与することができる。
本発明は、胃または食道癌の罹病性を疑われる個体の胃または食道癌を防止する組成物および方法に関する。そのような個体は家族の病歴が、家族のメンバーの間で平均より高い胃または食道癌の発症率を示す個体、および/または胃または食道癌をすでに発症し、そして効果的に処置したが、ぶり返しおよび再発の危険性に直面している個体である。そのような個体には、すでに切除したか、または処置した局所化のみの、または局所化および転移した胃または食道癌を含む胃または食道癌を有すると診断された個体を含む。本発明のワクチンは原発性および転移した胃または食道癌を防ぎ、そして克服するために、疑いがある個体に対して予防的でもよい。
本発明はそのようなワクチンの活性成分であるか、または活性成分を作るために必要な組成物、活性成分を含むそのような組成物の作成法、およびワクチンの作成および使用法に関する。
CRCA-1転写産物のヌクレオチド配列は配列番号1に説明し、そして種々の翻訳産物のアミノ酸配列を配列番号2〜81に説明する。本発明は、特異的なCRCA-1翻訳産物をコードするCRCA-1転写産物の単離されたフラグメントに関する。
本発明は、CRCA-1転写産物またはそれらのフラグメントを含んで成る発現ベクターを含む組換えベクターに関する。本発明は、CRCA-1転写産物またはそれらの機能的フラグメントをコードするヌクレオチド配列含んで成る発現ベクターを含む組換えベクターに関する。
本発明は、そのようなベクターを含んで成る宿主細胞およびそのような組換え細胞を使用したCRCA-1翻訳産物の作成法に関する。
本発明は単離されたCRCA-1転写産物および単離されたCRCA-1翻訳産物およびそのような産物に特異的な単離された抗体およびそのような抗体を生産するハイブリドーマに関する。
本発明は単離されたCRCA-1翻訳産物およびそれらの機能的フラグメントに関する。したがって本発明の幾つかの観点は、CRCA-1翻訳産物の少なくとも1つのエピトープを含んで成る単離されたタンパク質に関する。
本発明の幾つかの観点は、それらをより免疫原性にするためにハプテン化される上記の単離されたタンパク質に関する。すなわち、本発明の幾つかの観点は少なくとも1つのCRCA-1翻訳産物エピトープを含んで成るハプテン化されたタンパク質に関する。
したがって本発明の幾つかの観点は、少なくとも1つのCRCA-1翻訳産物エピトープを含んで成るタンパク質をコードする単離された核酸分子に関する。
裸のDNAワクチンは、引用により本明細書に編入するPCT/US90/01515に記載されている。他はリポソームが媒介するDNA転移、マイクロインジェクティルを使用したDNA送達(引用により本明細書に編入する1990年7月31日に発効されたSanford et al.,への米国特許第4,945,050号明細書)、およびエレクトロポレーションを使用したDNA送達を教示する。各々の場合で、DNAは細菌で生産されたプラスミドでよく、単離され、そして処置する動物に投与される。プラスミドDNA分子は目的のタンパク質をコードする配列が発現する動物の細胞により取り込まれる。このように生産されたタンパク質は、動物に治療的または予防的効果を提供する。
個体に治療的および/または予防的免疫学的効果を生じるために、ウイルスベクターを含むベクターおよび核酸分子を個体の細胞に送達する他の手段の使用は同様に周知である。ワクシニアベクターを使用する組換えワクチンは、例えば引用により本明細書に編入する1991年5月21日に発効されたStunnenberg et alへの米国特許第5,017,487号明細書に開示されている。
幾つかの場合では、患者に由来する腫瘍細胞を殺すかまたは不活性化し、そしてワクチン生成物として投与する。引用により本明細書に編入するBerd et al.May 1986 Cancer Research 46:2572-2577およびBerd et al.May 1991 Cancer Research 51:2731-2734は、ワクチン生成物に基づく腫瘍細胞の調製および使用を記載する。本発明の幾つかの観点に従い、Berd et al.に記載された方法および技法は、メラノーマ細胞の代わりに胃または食道癌細胞を使用することにより適合させる。
例えば研究用試薬またはサブユニットワクチンの成分として、単離されたCRCA-1翻訳産物およびそれらのフラグメントの製造および使用は周知である。当業者はCRCA-1翻訳産物およびそれらのフラグメントをコードするCRCA-1転写産物またはそれらの特異的部分を単離することができる。いったん単離すれば、核酸分子は標準的な技法および容易に入手可能な出発材料を使用して発現ベクター中に挿入することができる。
CRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメント、またはCRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメントを含んで成るタンパク質をコードする核酸分子をコードするヌクレオチド配列を含んで成る組換え発現ベクター。本発明の組換え発現ベクターは、本発明の単離されたタンパク質を調製するための組換え発現系を調製するために、宿主の形質転換に有用であ
る。
る。
本発明は、1以上のCRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメント、または1以上のCRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメントを含んで成るタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む組換え発現ベクターを含んで成る宿主細胞に関する。タンパク質の生産のための周知の組換え発現系に使用するための宿主細胞は周知であり、そして容易に入手可能である。宿主細胞の例には、大腸菌(E.coli)のような細菌細胞、S.セルビシエ(S.cerevisiae)のような酵母細胞、S.フルギペルダ(S.frugiperda)のような昆虫細胞、非-ヒト哺乳動物組織培養細胞であるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞およびHeLa細胞のようなヒト組織培養細胞を含む。
本発明は、本発明のタンパク質をコードする核酸配列を含んで成る組換え発現ベクターを含んで成るトランスジェニック非-ヒト哺乳動物に関する。組換えタンパク質を生産するために有用なトランスジェニック非-ヒト哺乳動物は、トランスジェニック動物を作出するために必要な発現ベクターおよび技法のように周知である。一般にトランスジェニック動物は、1以上のCRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメント、または1以上のCRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメントを含んで成るタンパク質をコードするヌクレオチド配列が、哺乳動物細胞に特異的なプロモーターに操作可能に連結された組換え発現ベクターを含んで成り、これによりコード配列が哺乳動物細胞中のみで発現し、そのように発現した組換えタンパク質を動物の乳から回収する。
幾つの態様では、例えば当業者は本明細書に記載するような周知の発現系で使用するために、周知技法を使用してそのようなDNA分子を市販されている発現ベクターに挿入することができる。
CRCA-1翻訳産物またはそれらの機能的フラグメント、またはCRCA-1翻訳産物またはそれらの機能的フラグメントを含んで成るタンパク質をコードするDNAを含む発現ベクターを使用してコンパチブルな宿主を形質転換し、これは次いで外来DNAの発現が起こる条件下で培養そして維持する。このように生産された本発明のタンパク質は細胞を溶解することによりカルチャーから、または当該技術分野で適当かつ知られた培養基から回収される。タンパク質に特異的に結合する抗体を使用する、CRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメントまたはそれらを含んで成るタンパク質の精製法は周知である。特定のタンパク質に特異的に結合する抗体は、周知技法および容易に入手可能な出発材料を使用して天然資源からタンパク質を精製するために使用することができる。そのような抗体を使用して、組換えDNA法によりタンパク質を生産した時に存在する材料からタンパク質を精製してもよい。本発明は1以上のCRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメントまたはそれらを含んで成るタンパク質上に存在するエピトープに結合する抗体に関する。CRCA-1翻訳産物上に存在するエピトープに結合する抗体は、アフィニティークロマトグラフィーのような周知技法を使用して天然資源または組換え発現系の両方からタンパク質を単離し、そして精製するために有用である。イムノアフィニティー技術は一般に、引用により本明細書に編入するWaldman et al.1991 Methods of Enzymol.195:391-396に記載されている。抗体はサンプル中にそのようなタンパク質の存在を検出し、そして細胞がタンパク質を発現しているかどうかを決定するために有用である。抗体の生産および完全なタンパク質構造、無欠な抗体、FabフラグメントおよびF(ab)2フラグメント、およびそのような分子をコードする遺伝子配列の組織化は周知であり、そして例えば引用により本明細書に編入するHarlow,E.and D.Lane(1988)抗体:ア ラボラトリーマニュアル(ANTIBODIES:A Laboratory Manual)、コールドスプリングハーバーラボラトリー、コールドスプリングハーバー、ニューヨークに記載されている。
本発明の幾つかの態様では、トランスジェニック非ヒト動物を作出する。本発明に従い
トランスジェニック動物は、1以上のCRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメント、またはそれらを含んで成るタンパク質をコードするヌクレオチドを、哺乳動物に特異的なプロモーターの制御下に含む。当業者は、両方とも引用により本明細書に編入する1989年10月10日に発効されたWagnerへの米国特許第4,873,191号明細書および1988年4月12日に発効されたLederへの米国特許第4,736,866号明細書に教示されたような標準的技法を使用して、
1以上のCRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメント、またはそれらを含んで成るタンパク質を生産するトランスジェニック動物を作出することができる。好適な動物はヤギおよび齧歯類、特にラットおよびマウスである。
トランスジェニック動物は、1以上のCRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメント、またはそれらを含んで成るタンパク質をコードするヌクレオチドを、哺乳動物に特異的なプロモーターの制御下に含む。当業者は、両方とも引用により本明細書に編入する1989年10月10日に発効されたWagnerへの米国特許第4,873,191号明細書および1988年4月12日に発効されたLederへの米国特許第4,736,866号明細書に教示されたような標準的技法を使用して、
1以上のCRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメント、またはそれらを含んで成るタンパク質を生産するトランスジェニック動物を作出することができる。好適な動物はヤギおよび齧歯類、特にラットおよびマウスである。
これらのタンパク質を組換え法により生産することに加えて、自動化ペプチド合成器を使用して1以上のCRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメントまたはそれらのフラグメント、またはそれらを含んで成るタンパク質を生産することもできる。そのような技術は当業者には周知であり、そして置換を有する誘導体がDNAをコードするタンパク質生産に提供されなければ有用である。
幾つかの態様では、サブユニットワクチンまたは細胞または死んだまたは不活性化されたワクチンの粒子を作るタンパク質をハプテン化して免疫原性を上げることができる。これらの場合、ハプテン化はより大きな分子構造を1以上のCRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメント、またはそれらを含んで成るタンパク質に結合することである。場合により、患者に由来する腫瘍細胞を殺し、そして効果的なワクチン生成物を作成するための手段としてハプテン化する。CRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメント、またはそれらを含んで成るタンパク質を作成し、そして提示するための遺伝子情報が提供される細菌または真核細胞のような他の細胞が殺され、そして活性なワクチン成分として使用される場合、そのような細胞をハプテン化して免疫原性を上げることができる。ハプテン化は周知であり、そして容易に行うことができる。
細胞を一般的に、そして腫瘍細胞を特にハプテン化する方法は、引用により本明細書に編入するBerd et al.May 1986 Cancer Research 46:2572-2577およびBerd et al.May 1991 Cancer Research 51:2731-2734に記載されている。さらなるハプテン化プロトコールは、Miller et al.J.Immunol.117(5:1):1591-1526に記載されている。
本発明によるハプテン化組成物およびハプテン化CRCA-1免疫原を調製するために使用されるように適合され得る方法は以下に記載される米国特許に含まれ、これらは引用により本明細書に編入する:1991年8月6日に発効されたStrahilevitzへの米国特許第5,037,645号明細書;1992年5月12日に発効されたShiosaka et al.への米国特許第5,112,606号明細書;1985年7月2日に発効されたStevensへの米国特許第4,526716号明細書;1982年5月11日に発効されたChristenson et al.への米国特許第4,329,281号明細書;1977年5月10日に発効されたGrossへの米国特許第4,002,878号明細書。ペプチドワクチンおよび本発明のCRCA-1免疫原を修飾するために適合させることができるペプチドの免疫原性を強化する方法は、引用により本明細書に編入するFrancis et al.1989 Methods of Enzymol.178:659-676にも記載されている。引用により本明細書に編入するSad et al.1992 Immunology 76:599-603は、ゴナドトロピン放出ホルモンをジフテリアトキソイドに結合することにより免疫治療ワクチンの作成法を教示する。CRCA-1免疫原も同様に結合して本発明の免疫治療ワクチンを生産することができる。引用により本明細書に編入するMacLean et al.1993 Cancer Immunol.Immunother.36:215-222は、本発明の免疫治療ワクチンを生産するために適合させることができる免疫治療ワクチン生産のための結合法を記載する。ハプテンはCRCA-1免疫原に結合できるキーホールリンペットヘモシアニンである。
本発明の幾つかの観点によるワクチンは、CRCA-1免疫原と組み合わせて医薬的に許容されるキャリアーを含んで成る。医薬製剤は周知であり、そしてそのようなタンパク質を含
んで成る医薬組成物は、当業者により日常的に配合され得る。適当な医薬用キャリアーは、引用により本明細書に編入する当該技術分野で標準的な参考書であるレミングトンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Science)、A.Osol、に記載されている。本発明は医薬的に許容されるキャリアーおよびCRCA-1免疫原を含んで成る注入可能な医薬組成物に関する。CRCA-1免疫原は好ましくは滅菌されており、そして滅菌された医薬キャリアーと組み合わせる。
んで成る医薬組成物は、当業者により日常的に配合され得る。適当な医薬用キャリアーは、引用により本明細書に編入する当該技術分野で標準的な参考書であるレミングトンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Science)、A.Osol、に記載されている。本発明は医薬的に許容されるキャリアーおよびCRCA-1免疫原を含んで成る注入可能な医薬組成物に関する。CRCA-1免疫原は好ましくは滅菌されており、そして滅菌された医薬キャリアーと組み合わせる。
幾つの態様では、例えば1以上のCRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメント、またはそれらを含んで成るタンパク質を溶液、懸濁液、乳液または凍結乾燥粉末として医薬的に許容される賦形剤と一緒に配合することができる。そのような賦形剤の例は、水、塩水、リンゲル溶液、デキストロース溶液および5%ヒト血清アルブミンである。リポソームおよび固定油のような非水性賦形剤を使用してもよい。賦形剤または凍結乾燥粉末は、等張性(例えば塩化ナトリウム、マンニトール)および化学的安定性(例えばバッファーおよび保存剤)を維持する添加剤を含んでもよい。製剤は通常使用される技法により滅菌される。
注入可能な組成物は、例えば滅菌水、電解質/デキストロース、植物起源の脂肪油、脂肪エステル、またはプロピレングリコールおよびポリエチレングリコールのようなポリオールのような希釈剤中にCRCA-1免疫原を含んで成ることができる。注入可能物は滅菌され、そして発熱物質を含んではならない。
本発明のワクチンは、免疫原性応答を認識し、そして誘導するために免疫原剤を身体の免疫系に提示することができる任意の手段により投与することができる。医薬組成物は非経口的、すなわち静脈内、皮下、筋肉内に投与することができる。
投薬用量は、特定薬剤の薬物動態学的特性およびその投与の様式および経路;受容体の年齢、健康および体重;症状の性質および程度、併用処置の種類、処置の頻度および所望の効果のような既知の因子に依存して変動する。防御または治療に効果的な免疫応答を誘導するために、定量の免疫原が送達される。当業者は日常的な方法により範囲および最適な投薬用量を容易に決定することができる。
以下の実施例は具体的説明であり、本発明を限定することを意味しない。
実施例1
上記のようにCRCA-1翻訳産物結合部分は、抗体、タンパク質、ポリペプチド、ペプチドまたは非ペプチドであり得るCRCA-1翻訳産物リガンドである。ペプチドおよび非ペプチドCRCA-1特異的リガンドは、周知の技法を使用して同定することができる。
上記のようにCRCA-1翻訳産物結合部分は、抗体、タンパク質、ポリペプチド、ペプチドまたは非ペプチドであり得るCRCA-1翻訳産物リガンドである。ペプチドおよび非ペプチドCRCA-1特異的リガンドは、周知の技法を使用して同定することができる。
過去数十年間で、受容体とリガンド、例えばCRCA-1翻訳産物と抗CRCA-1翻訳産物抗体の特異的な高親和性相互作用は、その基礎がリガンドの3次元的な立体配座のスペース、およびリガンドの結合に関与する分子の領域の相補的な3次元的立体配置にあることが認識された。さらに自然に存在するアミノ酸、非天然アミノ酸および有機分子の様々なアレイ(array)を、それらの直線構造の自然なリガンドには無関係な立体配置であるが、立体配座のスペース中の天然リガンドの3-次元構造に似ている立体配置中に見いだすことができ、すなわち高親和性および特異性で受容体により認識されることが知られるようになった。さらに当業者が天然のアミノ酸、非天然アミノ酸および有機化合物のこれらの配列の大きなライブラリーを作成し、その受容体の自然なリガンドとは無関係な、高親和性および特異性を有する受容体と相互作用する個々の化合物を見越して同定することを可能にする教示が技術文献中に記載された。すなわち当業者には、抗-CRCA-1翻訳産物抗体に構
造的関連性が無い、CRCA-1翻訳産物に特異的かつ強固に結合することができる自然に存在するアミノ酸、非天然アミノ酸、または有機化合物の配列を同定することは比較的簡単な仕事である。
造的関連性が無い、CRCA-1翻訳産物に特異的かつ強固に結合することができる自然に存在するアミノ酸、非天然アミノ酸、または有機化合物の配列を同定することは比較的簡単な仕事である。
ペプチドであるCRCA-1翻訳産物リガンドを同定するために、当業者はCRCA-1翻訳産物に結合するペプチドを同定するためにランダムペプチドライブラリーをスクリーニングするための周知方法を使用することができる。最も基本的な方法では、標的に結合するペプチドが単離そしてシークエンシングされる。幾つかの方法では、各ランダムペプチドを、その特定のランダムペプチドのコード配列を含む核酸分子に連結する。各々がコード配列に連結されたランダムペプチドは、CRCA-1翻訳産物と接触させられ、そしてCRCA-1翻訳産物に結合しないペプチドは除去される。次いでCRCA-1翻訳産物に結合するペプチドのコード配列を含む核酸分子を使用して、ペプチドのアミノ酸配列を決定し、ならびに大量のペプチドを生産することができる。支持体上の空間的位置が特異的合成、したがって特異的ペプチドに対応する固体支持体上にペプチドライブラリーを作成することも可能である。そのような方法はしばしば、多様なペプチドライブラリーを固体支持体上に作成するためにフォトリソグラフィーのような工程を使用し、ここで支持体上の空間的所在位置(adress)が配列の決定を可能とする。
固体支持体上での有機化合物ライブラリーの生産は、例えばオリゴヌクレオチドおよび糖のような非ペプチド化合物の組み合わせライブラリーを作成するために使用することもできる。固体支持体上のペプチドライブラリーの場合のように、固体支持体上の空間的位置が特異的合成、したがって特異的化合物に対応する。そのような方法はしばしば、多様な化合物ライブラリーを固体支持体上に作成するためにフォトリソグラフィーのような工程を使用し、ここで支持体上の空間的所在位置が化合物を製造する合成スキームの決定を可能とする。いったん合成スキームが確認されれば、化合物の構造を知ることができるようになる。
引用により本明細書に編入するGallop et al.1994 J.Medicinal Chemistry 37:1233は、ランダムペプチドライブラリーをスクリーニングし、そして標的タンパク質が結合するそのようなライブラリーからペプチドを同定する種々の方法論の幾つかの総説を提供する。これらの教示に従い、ペプチドであり、そしてCRCA-1翻訳産物特異的結合分子として有用なCRCA-1翻訳産物特異的リガンドが当業者により同定され得る。
ファージ粒子上に提示されるペプチドおよびタンパク質は、Gallop et al.同上に記載されている。核酸の無作為な配列を、バクテリオファージの表面タンパク質をコードする遺伝子に挿入し、これを細菌を感染するために使用してヌクレオチドの無作為な配列によりコードされるペプチドを表面に発現しているファージを得ることができる。ペプチドを提示するこれらのファージは、これらのペプチドが特異的なタンパク質、受容体、抗体等に結合するかどうかを決定するために使用することができる。ペプチドの同一性は、ペプチドを発現しているファージに由来する組換えDNAをシークエンシングすることにより決定できる。この取り組みは、ライブラリーのペプチドのほとんどの配列を生じる可能性を有する(最高109の独特なペプチド)。この技法を使用して、血小板上のフィブリノーゲン受容体に対する新規な結合ペプチド(これはこの受容体の自然に存在するリガンドとは配列相同性をもたない)が同定された(引用により本明細書に編入するSmith et al.,1993 Gene 128:37)。同様にこの技法はMHCクラスII受容体(引用により本明細書に編入するHammer et al.,1993 Cell 74:197)、およびシャペロニン受容体(引用により本明細書に編入するBlond-Elguindi et al.,1993 Cell75:717)に結合するペプチドを同定するためにも応用された。
プラスミド上に提示されるペプチドは、Gallop et al.同上に記載されている。この取
り組みでは、ペプチドのライブラリーをコードする無作為なオリゴヌクレオチドは、その発現がlacオペロンのような特異的プロモーターの制御下の特別なプラスミドで発現され得る。このペプチドはlacオペロンの制御下、LacIタンパク質にカップリングされる融合タンパク質として発現される。この融合タンパク質はプラスミド上のlacオペレーターに特異的に結合するので、無作為ペプチドはそれをコードする特異的なDNA要素に会合している。このように、ペプチドの配列は融合タンパク質に関連するDNAのPCRにより推定することができる。これらのタンパク質を溶液相でスクリーニングしてそれらが特異的受容体に結合するかどうかを決定することができる。この取り組みを使用して、特異的酵素に関する新規基質が同定された(Schatz 1993)。
り組みでは、ペプチドのライブラリーをコードする無作為なオリゴヌクレオチドは、その発現がlacオペロンのような特異的プロモーターの制御下の特別なプラスミドで発現され得る。このペプチドはlacオペロンの制御下、LacIタンパク質にカップリングされる融合タンパク質として発現される。この融合タンパク質はプラスミド上のlacオペレーターに特異的に結合するので、無作為ペプチドはそれをコードする特異的なDNA要素に会合している。このように、ペプチドの配列は融合タンパク質に関連するDNAのPCRにより推定することができる。これらのタンパク質を溶液相でスクリーニングしてそれらが特異的受容体に結合するかどうかを決定することができる。この取り組みを使用して、特異的酵素に関する新規基質が同定された(Schatz 1993)。
Gallop et al.同上にも記載されている上記技法の変法を使用することができ、ここではプラスミドにペプチドライブラリーをコードされる無作為オリゴヌクレオチドを無細胞系で発現させることができる。この取り組みでは、オリゴヌクレオチドの無作為な配列を含む分子DNAライブラリーを構築することができ、これを細菌中でインビトロ転写/翻訳系にて発現させる。リガンドの同一性は目的のmRNAを含む新生鎖ペプチド/ポリソームの複合体を受容体を含んで成るアフィニティー樹脂で精製し、次いでRT-PCRでの増幅後にシークエンシングすることにより決定する。この技法を使用することにより、大きなライブラリー(最高1011組換え体)の生成を可能とする。ジノルフィンに特異的に向けられた抗体を認識するペプチドが、この技法を使用して同定された(引用により本明細書に編入するCull et al.,1992 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1865)。
ペプチドのライブラリーは受容体に対してスクリーニングするために化学合成により作成することができる。例えば多数の多様なペプチドの同時調製は、Gallop et al.同上に記載されているように多ペプチド合成の取り組みを採用して作成した。1つの応用では、無作為なペプチドをポリアクリルアミドマイクロタイタープレート上の標準的な固相Merrifield合成(マルチピン(multipin)合成)により生成し、これは続いて受容体結合と競合するそれらの能力について標準的な競合結合アッセイでスクリーニングする(引用により本明細書に編入するWang et al.1993 Bioog.Med.Chem.Lett.3:447)。実際にこの取り組みを使用してサブスタンスP受容体に対する新規結合ペプチドが同定された(Wang et al.同上)。同様に「ティーバッグ」法(固体支持体樹脂のバックを種々のアミノ酸と連続的にインキューベーションして、種々のペプチド配列を生成する)を採用して多ペプチド合成によりペプチドライブラリーを構築することができる(Gallop et al.,同上)。この取り組みを使用して、インテグリン受容体(引用により本明細書に編入するRuggeri et
al.,1986 Proc.Natl.Acad.Sci.USA83:5708)、および神経ペプチドY受容体(引用により本明細書に編入するBeck-Sickinger et al.,1990 Int.J.Peptide Protein Res.36:522)に結合するペプチドが同定された。
al.,1986 Proc.Natl.Acad.Sci.USA83:5708)、および神経ペプチドY受容体(引用により本明細書に編入するBeck-Sickinger et al.,1990 Int.J.Peptide Protein Res.36:522)に結合するペプチドが同定された。
一般に組み合わせライブラリーの作成および用途は、(1) ビルディングブロック(building blocks)の多様な配列を生成するための方法、(2)所望の機能をもたらす配列のメンバーを同定するための方法、および(3)そのメンバーの構造をデコンボルティング(deconvoluting)するための方法に依存する。これらの拘束に対する幾つかの取り組みが定められた。
以下は本発明のCRCA-1翻訳産物特異的リガンドを同定するための手法に使用することができるライブラリーの生成法に関する記載である。
上記の取り組みを修飾して、すべての可能な組み合わせでアミノ酸のような化学的なビルディングブロック組のメンバーを一緒に連結することにより、莫大な分子の多様性のライブラリーを生成することができる(Gallop et al.同上)。1つの取り組みでは、活性化モノマーの混合物を固体支持体上のアミノ酸の成長している鎖に各サイクルでカップリ
ングする。これは多価合成系である。
ングする。これは多価合成系である。
またスプリット(split)合成には唯一のビルディングブロックのみを含む個々の反応における成長鎖をインキューベーションすることを含む(Gallop et al.同上)。付加後、すべての反応からの樹脂を混合し、そして次のカップリングのために別個の反応に分配する。これらの取り組みによりスクリーニング用にnxの異なるペプチドの推計学的コレクションを生じ、ここでnはビルディングブロックの数であり、そしてxは反応サイクルの数である。
あるいは1以上の位置で既知のアミノ酸を含み、残りは無作為である分子の配列を生成することができる(Gallop et al.同上)。これにより所望の活性を持つメンバーをスクリーニングする限られたライブラリーが生じる。これらのメンバーは同定され、それらの構造が決定され、そして定めたアミノ酸を含む別の位置で構造が再生され、そしてスクリーニングされる。この反復的な取り組みは最終的に、受容体の立体配座的結合ポケットを認識するために最適なペプチドを生じる。
さらに、配列はペプチドを形成するアミノ酸に限られず、有機分子の直線的または非直線的配列にも広げることができる(引用により本明細書に編入するGordon et al.,1994 J.Medicinal Chemistry 37:1385)。実際にこの無作意に配列された無機ビルディングブロックのライブラリー作成法を使用して、7回膜貫通受容体に結合するリガンドが同定された(引用により本明細書に編入するZukermann et al.,1994,J.Med.Chem.37:2678)。
受容体との相互作用を試験するために、合成後に修飾して化学的側鎖基および結合を改変して、「デザイナー」配列を与えることができるライブラリーが現在構築されている(引用により本明細書に編入するOsteresh et al.,1994 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11138)。「ライブラリー」から「ライブラリー」を生成するこの技法は、グラム陽性細菌に選択的な抗微生物活性を持つ化合物を生じるペプチドライブラリーのプレメチル化に応用された。
ライブラリーはまた、アミノ酸の特異的な構造的配列というよりは、薬理学的モチーフの配列を発現するようにも構築されている(引用により本明細書に編入するSepetov et al.,1995 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:5426)。この技法は受容体に対する特異的親和性を有する構造的モチーフを同定することを求め、これは構造−活性関係を定めるためのライブラリーを採用してさらに改良して修飾することができる。このモチーフライブラリーの調査法を使用して、「ライブラリーのライブラリー」を生成し、ライブラリー調査の初期段階でスクリーニングすることが必要な成分のメンバーの数を減らす。
以下は、無作意に生成した分子のライブラリーから、本発明によるCRCA-1翻訳産物特異的リガンドを同定する方法を説明する。
受容体と相互作用するライブラリーの成分は、固体支持体上に固定化されたそれらの受容体への結合により同定することができる(Gordon et al.同上)。
それらはまた、溶液相でコグネイト受容体に結合する自然なリガンドと競合するそれらの能力により同定され得る(Gordon et al.同上)。
成分は、それら成分が固体支持体に固定化されている時、溶液受容体へのそれらの結合により同定してもよい(Gordon et al.同上)。
いったん受容体に結合するライブラリーのメンバーが同定されたならば、構造を同定し
、そして取り扱う大量のメンバーの生成するために、または構造−活性関係を研究するためのさらなる同族体を開発するために、メンバーの構造をデコンボルティング(推定)しなければならない。以下は、本発明に従い有力なCRCA-1翻訳産物特異的リガンドとして同定された分子の構造を推定するためのデコンボルーション法を記載する。
、そして取り扱う大量のメンバーの生成するために、または構造−活性関係を研究するためのさらなる同族体を開発するために、メンバーの構造をデコンボルティング(推定)しなければならない。以下は、本発明に従い有力なCRCA-1翻訳産物特異的リガンドとして同定された分子の構造を推定するためのデコンボルーション法を記載する。
ペプチドライブラリーはバクテリオファージ粒子の表面上に発現され得る(Gallop et al.,同上)。受容体と相互作用するペプチドがいったん同定されれば、その構造はファージに由来するDNAを単離し、そしてPCRによりその配列を決定することにより推定することができる。
Lacオペロンの制御下にプラスミドで発現したライブラリーは、これらのペプチドがペプチドをコードするプラスミド上のlacオペロンと特異的に相互作用するlacIタンパク質に融合するので、デコンボルーションすることができる(Gallop et al.同上)。構造は、lacIタンパク質に結合しているそのプラスミドを単離し、そしてPCRによりヌクレオチドおよびペプチド配列を推定することにより推定することができる。
プラスミドで発現したライブラリーは、転写/翻訳系を使用する無細胞系で発現することもできる(Gallop et al.同上)。このパラダイムでは、受容体と相互作用するタンパク質がそれに付いたリボゾームおよびmRNAを用いて単離される。ペプチドの配列は会合するmRNAのRT-PCRにより推定される。
ライブラリーの構築はフォトリソグラフィーと組み合わせることができるので、ライブラリーの任意のメンバーの構造は基質配列内の位置を決定することにより推定できる(Gallop et al.同上)。この技法は、構造的情報がメンバーの正確な位置により推定できるので、位置的な呼び出し能力(positional addressability)と呼ばれている。
ライブラリーのメンバーはライブラリーを他の分子の同定可能な配列を用いて標識することにより同定することもできる(引用により本明細書に編入するOhlmeyer et al.,1993
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10922)。この技法は上記の配列をコードするファージのプラスミドにペプチドを会合させる修飾である。幾つかの方法は、ペプチドの連続的合成履歴をコードするためのヌクレオチドの配列を使用する。すなわちヌクレオチドを成長しているペプチドに連続的に付加し、そしてPCRにより解読して会合しているペプチドの構造を生じることができる。あるいは小さい有機分子の配列は、ペプチドの連続的合成履歴をコードするシークエンシング可能なタグとして使用することができる。すなわちヌクレオチドを成長しているペプチドに連続的に付加し、そしてPCRにより解読して会合するペプチドの構造を得ることができる。あるいは小さい有機分子の配列は、ライブラリーのメンバーの連続的な合成履歴をコードするシークエンシング可能なタグとして使用することができる。
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10922)。この技法は上記の配列をコードするファージのプラスミドにペプチドを会合させる修飾である。幾つかの方法は、ペプチドの連続的合成履歴をコードするためのヌクレオチドの配列を使用する。すなわちヌクレオチドを成長しているペプチドに連続的に付加し、そしてPCRにより解読して会合しているペプチドの構造を生じることができる。あるいは小さい有機分子の配列は、ペプチドの連続的合成履歴をコードするシークエンシング可能なタグとして使用することができる。すなわちヌクレオチドを成長しているペプチドに連続的に付加し、そしてPCRにより解読して会合するペプチドの構造を得ることができる。あるいは小さい有機分子の配列は、ライブラリーのメンバーの連続的な合成履歴をコードするシークエンシング可能なタグとして使用することができる。
最後に、ライブラリーのメンバーの構造はアミノ酸配列分析により直接決定することができる。
引用により本明細書に編入する以下の特許は、ランダムペプチドまたは非ペプチドライブラリーの作成法および標的タンパク質に結合する化合物を同定するためのそのようなライブラリーのスクリーニング法を記載する。本発明で使用するように、CRCA-1翻訳産物は特許で開示されたように生成、そしてスクリーニングされたペプチドおよび非ペプチドリガンドを同定するために使用する標的となることができる。
両方とも引用により本明細書に編入する1993年12月14日に発効されたSchatzへの米国特許第5,270,170号明細書および1994年8月16日に発効されたSchatzへの米国特許第5,338,66
5号明細書は、CRCA-1翻訳産物リガンドを同定するために使用することができるペプチドおよびスクリーニング法に言及する。
5号明細書は、CRCA-1翻訳産物リガンドを同定するために使用することができるペプチドおよびスクリーニング法に言及する。
引用により本明細書に編入する1995年3月7日に発効されたDillonへの米国特許第5,395,750号明細書は、予め定めた抗原に結合するタンパク質の生産法に言及する。そのような方法は、CRCA-1翻訳産物リガンドを生産するために使用することができる。
引用により本明細書に編入する1993年6月29日に発効されたLadner et al.への米国特許第5,223,409号明細書は、新規結合タンパク質に対する方向付けられた進展(directed revolution)に言及する。そのようなタンパク質はCRCA-1翻訳産物リガンドを同定するためにそこに開示されているように生産、そしてスクリーニングすることができる。
引用により本明細書に編入する1994年11月22日に発効されたVenton et al.への米国特許第5,366,862号明細書は、有用なペプチドを生成そしてスクリーニングするための方法に言及する。そこに記載されている方法は、CRCA-1翻訳産物リガンドを同定するために使用することができる。
各々引用により本明細書に編入する1994年8月23日に発効されたKauvarへの米国特許第5,340,474号明細書ならび米国特許第5,133,866号明細書、米国特許第4,963,263号明細書および米国特許第5,217,869号明細書は、CRCA-1翻訳産物リガンドを同定するために使用することができる。
引用により本明細書に編入する1995年4月11日に発効されたPirrung et al.への米国特許第5,405,783号明細書は、ポリマーの配列の大規模フォトリソグラフィック固相合成に言及する。そこの教示はCRCA-1翻訳産物リガンドを同定するために使用することができる。
引用により本明細書に編入する1992年9月1日に発効されたPirrung et al.への米国特許第5,143,854号明細書は、ポリペプチドの大規模フォトリソグラフィック固相合成およびそれらの受容体結合スクリーニングに言及する。
引用により本明細書に編入する1995年1月24日に発効されたWinkler et al.への米国特許第5,384,261号明細書は、機械的に方向付けられた流れのパターンを使用して大変大規模な固定化ポリマー合成に言及する。そのような方法はCRCA-1翻訳産物リガンドを同定するために有用である。
引用により本明細書に編入する1993年6月22日に発効されたCoolidge et al.への米国特許第5,221,736号明細書は、イムノアフィニティー技法を使用した連続的なペプチドおよびオリゴヌクレオチド合成に言及する。そのような技術はCRCA-1翻訳産物リガンドを同定するために有用である。
引用により本明細書に編入する1995年5月2日に発効されたMcGall et al.への米国特許第5,412,087号明細書は、オリゴヌクレオチドおよび他の生物学的ポリマーの表面上への空間的に呼び出し可能な固定化に言及する。そのような技術はCRCA-1翻訳産物リガンドを同定するために有用である。
引用により本明細書に編入する1994年6月28日に発効されたCody et al.への米国特許第5,324,483号明細書は、多同時合成に関する装置に言及する。そこに開示された装置および方法は、CRCA-1翻訳産物リガンドを同定するためスクリーニングすることができる多くの化合物を生産するために使用することができる。
引用により本明細書に編入する1993年10月12日に発効されたBarrett et al.への米国特許第5,252,743号明細書は、抗リガンドの表面上への空間的に指示可能(addressable)な固定化に言及する。そこに記載されている方法および組成物はCRCA-1翻訳産物リガンドを同定するために有用である。
引用により本明細書に編入する1995年6月13日に発効されたFoder et al.への米国特許第5,424,186号明細書は、大変大規模な固定化ポリマー合成に言及する。そこに記載されているオリゴヌクレオチドの合成法は、CRCA-1翻訳産物リガンドを同定するために使用することができる。
引用により本明細書に編入する1995年5月30日に発効されたCampbellへの米国特許第5,420,328号明細書は、ホスホネートエステルの合成法に言及する。そのように生産されたホスホネートエステルは、CRCA-1翻訳産物リガンドである化合物を同定するためにスクリーニングすることができる。
引用により本明細書に編入する1994年2月22日に発効されたEllmanへの米国特許第5,288,514号明細書は、固体支持体上のベンゾジアゼピン化合物の固相および組み合わせ合成に言及する。そのような方法および化合物は、CRCA-1翻訳産物リガンドを同定するために使用することができる。
上記のように、CRCA-1翻訳産物リガンドは抗体またはそれらのフラグメントでもよい。実際にこれら受容体の独特な決定基に対して生成した抗体はそのタンパク質を認識し、そしてそのタンパク質のみが結果として新規な診断用剤および治療剤をこの独特なマーカーに向けるために使用できる特異的な標的分子として役立つことができる。さらにこれらの抗体を使用して生物学的サンプル中のCRCA-1翻訳産物またはそれらのフラグメントの存在を同定し、結腸直腸癌細胞の存在をインビトロで診断することができる。
実施例2
受容体グアニリルシクラーゼのファミリーの幾つかのメンバーは、交互スプライシングを受けることが観察された。ナトリウム利尿ペプチドANPおよびBNPの受容体であるラットGCAは、細胞外の傍膜(juxtamembrane)領域中に9bp配列の挿入を含む交互にスプライシングされた形態、GCA1として発現する(Tallerico-Melnyk et al.,Biochemical & Biophysical Research Communications.209:930-935,1995)。結合および触媒機能に及ぼすこの配列改変の影響は不明なままである。C-型ナトリウム利尿ペプチドの受容体であるラットGCBは、交互にスプライシングされた形態、GCB2として発現し、細胞外の傍膜領域中に75bpの欠失を含む(Ohyama et al.,Biochemical & Biophysical Research Communications.183:743-749,1992)。この変異体は主に中枢神経系で発現し(Francoeur,et al.,Clinical and Experimental Pharmacology and Physiology.Suppl.1: S172-174,1995)、完全長のGCBと同じ結合親和性を保有するが、リガンド−受容体相互作用はグアニリルシクラーゼ活性またはGMP生産と共役しない。ウシANPクリアランス受容体である、短縮化されたナトリウム利尿性ペプチド受容体グアニリルシクラーゼは、交互にスプライシングされてSer472−Gly473がCys472に置き換えられた変異体を形成し、これによりさらなるシステイン残基を含む変異体を形成する(Mizuno et al.,The Journal of Biological Chemistry.268:5162-5167,1993)。野生型および変異体クリアランス受容体は、同一の機能的特徴を保有する。159ヌクレオチドの欠失がラットGCC触媒ドメインで報告された(London,et al.,American Journal of Physiology.273:G93-G103,1997)。しかしこの転写は交互スプライシングによるよりは異なる遺伝子から生じていると思われる。触媒的機能に及ぼすこの配列改変の意義は未知のままである。
受容体グアニリルシクラーゼのファミリーの幾つかのメンバーは、交互スプライシングを受けることが観察された。ナトリウム利尿ペプチドANPおよびBNPの受容体であるラットGCAは、細胞外の傍膜(juxtamembrane)領域中に9bp配列の挿入を含む交互にスプライシングされた形態、GCA1として発現する(Tallerico-Melnyk et al.,Biochemical & Biophysical Research Communications.209:930-935,1995)。結合および触媒機能に及ぼすこの配列改変の影響は不明なままである。C-型ナトリウム利尿ペプチドの受容体であるラットGCBは、交互にスプライシングされた形態、GCB2として発現し、細胞外の傍膜領域中に75bpの欠失を含む(Ohyama et al.,Biochemical & Biophysical Research Communications.183:743-749,1992)。この変異体は主に中枢神経系で発現し(Francoeur,et al.,Clinical and Experimental Pharmacology and Physiology.Suppl.1: S172-174,1995)、完全長のGCBと同じ結合親和性を保有するが、リガンド−受容体相互作用はグアニリルシクラーゼ活性またはGMP生産と共役しない。ウシANPクリアランス受容体である、短縮化されたナトリウム利尿性ペプチド受容体グアニリルシクラーゼは、交互にスプライシングされてSer472−Gly473がCys472に置き換えられた変異体を形成し、これによりさらなるシステイン残基を含む変異体を形成する(Mizuno et al.,The Journal of Biological Chemistry.268:5162-5167,1993)。野生型および変異体クリアランス受容体は、同一の機能的特徴を保有する。159ヌクレオチドの欠失がラットGCC触媒ドメインで報告された(London,et al.,American Journal of Physiology.273:G93-G103,1997)。しかしこの転写は交互スプライシングによるよりは異なる遺伝子から生じていると思われる。触媒的機能に及ぼすこの配列改変の意義は未知のままである。
この研究はヒトにおいてGCCが完全長の野生型転写産物および細胞外リガンド−結合ドメインをコードする領域中に142塩基を欠く交互にスプライシングされた転写産物として発現されることを示す。スプライシングはエキソン1の別の5'受容ー部位で起こる。この結果はリーディングフレイム中にシフトを生じ、野生型転写産物の26アミノ酸のみをコードする転写産物を生成し、その23アミノ酸はシグナルペプチドを形成する(引用により本明細書に編入するDe Sauvage et al.,The Journal of Biological Chemistry.266:17912-17918,1991)。交互にスプライシングされたGCCの変異体の発現は野生型GCCと平行し、そして腸に由来する組織に限定されている(Carrithers et al.,Gastroenterology.107:1653-1661,1994;Carrithers et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.93:14827-14832,1996;Carrithers et al.,Dis.Colon.Rectum.39:171-181,1996)。
方法
細胞培養および臨床検体。
T84ヒト結腸細胞(アメリカンタイプカルチャーコレクション、ロックビル、メリーランド州)を、DMEM/F12(ギブコ(Gibco)/BRL-ライフテクノロジーズ、ゲチスバーグ、メリーランド州)中で150cm3の組織培養フラスコ中でコンフルエントになるまで成長させた。組織はトーマスジェファーソン大学病院および共同ヒト組織ネットワーク(フィラデルフィア、ペンシルバニア州)からの組織化された検討委メンバー会(Institutional Review
Board)により認められたプロトコールの下に得た。得た時、組織サンプルは簡単に液体窒素中で凍結し、そしてモーターおよび乳棒を使用して粉砕した。
細胞培養および臨床検体。
T84ヒト結腸細胞(アメリカンタイプカルチャーコレクション、ロックビル、メリーランド州)を、DMEM/F12(ギブコ(Gibco)/BRL-ライフテクノロジーズ、ゲチスバーグ、メリーランド州)中で150cm3の組織培養フラスコ中でコンフルエントになるまで成長させた。組織はトーマスジェファーソン大学病院および共同ヒト組織ネットワーク(フィラデルフィア、ペンシルバニア州)からの組織化された検討委メンバー会(Institutional Review
Board)により認められたプロトコールの下に得た。得た時、組織サンプルは簡単に液体窒素中で凍結し、そしてモーターおよび乳棒を使用して粉砕した。
核酸抽出
全RNAは、単一の試薬(TriZol試薬;ギブコ/BRL)を使用して酸チオシアン酸グアニジニウム/フェノール/クロロホルム法の変更法により抽出した。RNAはUV分光計により定量した。Oligotex mRNAキット(キアジェン(Qiagen)、シャストワース、カリフォルニア州)を使用して全RNAからmRNAを単離した。RNA調製物はジエチルピロカーボネートで処理した水(Rnaseを含まない)中に-80℃で保存した。
全RNAは、単一の試薬(TriZol試薬;ギブコ/BRL)を使用して酸チオシアン酸グアニジニウム/フェノール/クロロホルム法の変更法により抽出した。RNAはUV分光計により定量した。Oligotex mRNAキット(キアジェン(Qiagen)、シャストワース、カリフォルニア州)を使用して全RNAからmRNAを単離した。RNA調製物はジエチルピロカーボネートで処理した水(Rnaseを含まない)中に-80℃で保存した。
逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応
RT-PCRは0.2mLの熱循環試験管(TKRバイオテックプロダクツ(Biotech Products)、ハンチンドン バレー、ペンシルバニア州)を使用して、DeltaCyclerIIシステム熱循環器(エリコムプ(Ericomp)、サンディエゴ、カリフォルニア州)で行った。RNA(〜3.5μg)の逆転写は、μLあたり0.25単位の鳥類の骨髄芽腫ウイルス逆転写酵素XL(プロメガ(Promega)、マジソン、ウィスコンシン州)を用いて、総容量20μL中に10mM Tris-HCl(pH8.3)、50mM KCl、4mM MgCl2、1mMの各dATP、dCTP、dGTP、dTTP、μLあたり1単位のRNaseインヒビターおよび1μM アンチセンスプライマーを含む反応で行った。熱循環は1循環の58℃で30分、99℃で5分および4℃で5分で進めた。生成したcDNAを同じ反応管中でPCRに供し、そして2.5単位のTaqポリメラーゼ(プロメガ)を100μLの10mM Tris-HCl、50mM
KCl、5.5mM MgCl2および0.5μMのセンスプライマー中に含んだ。インキューベーションおよび熱循環条件は:95℃で2分間を1循環;94℃で30秒、58℃で30秒そして72℃で90秒を35循環;そして72℃で7分を1循環であった。反応生成物は4%NuSieve(商標)3:1アガロース(FMCバイオプロダクツ(Bioproducts)、ロックランド、メイン州)で電気泳動により分離し、そして増幅産物は、エチジウムブロマイドで視覚化した。ヒトβ-アクチンに特異的なプライマー(クローンテック(CLONTECH)、パロアルト、カリフォルニア州)を陽性対象として使用した。増幅産物の同一性は、配列分析により確認した。
RT-PCRは0.2mLの熱循環試験管(TKRバイオテックプロダクツ(Biotech Products)、ハンチンドン バレー、ペンシルバニア州)を使用して、DeltaCyclerIIシステム熱循環器(エリコムプ(Ericomp)、サンディエゴ、カリフォルニア州)で行った。RNA(〜3.5μg)の逆転写は、μLあたり0.25単位の鳥類の骨髄芽腫ウイルス逆転写酵素XL(プロメガ(Promega)、マジソン、ウィスコンシン州)を用いて、総容量20μL中に10mM Tris-HCl(pH8.3)、50mM KCl、4mM MgCl2、1mMの各dATP、dCTP、dGTP、dTTP、μLあたり1単位のRNaseインヒビターおよび1μM アンチセンスプライマーを含む反応で行った。熱循環は1循環の58℃で30分、99℃で5分および4℃で5分で進めた。生成したcDNAを同じ反応管中でPCRに供し、そして2.5単位のTaqポリメラーゼ(プロメガ)を100μLの10mM Tris-HCl、50mM
KCl、5.5mM MgCl2および0.5μMのセンスプライマー中に含んだ。インキューベーションおよび熱循環条件は:95℃で2分間を1循環;94℃で30秒、58℃で30秒そして72℃で90秒を35循環;そして72℃で7分を1循環であった。反応生成物は4%NuSieve(商標)3:1アガロース(FMCバイオプロダクツ(Bioproducts)、ロックランド、メイン州)で電気泳動により分離し、そして増幅産物は、エチジウムブロマイドで視覚化した。ヒトβ-アクチンに特異的なプライマー(クローンテック(CLONTECH)、パロアルト、カリフォルニア州)を陽性対象として使用した。増幅産物の同一性は、配列分析により確認した。
GCCvarのクローニング
RT-PCRは、T84全RNAについてGCC特異的センス(81〜96)およびアンチセンス(1834-1853)プライマーを使用して行った。ヌクレオチド番号についてはGeneBank配列S57551を参照にされたい(引用により本明細書に編入するSingh,et al.,Biochemical & Biophysical
Research Communications.179:1455-1463,1991)。増幅産物は1%アガロース(シグマ(Sigama)、セントルイス、モンタナ州)ゲルで電気泳動により分離した。1つのRT-PCR産物、GCCの細胞外および膜貫通領域を含むフラグメント(〜1772bp)をアガロースから抽出し、pGem-T Easyベクター(プロメガ)に連結し、そしてDH5αコンピテント細胞(ギブコ/BRL)に形質転換した。プラスミドDNAは細菌から単離し、シークエンシングし、そして配列をプログラムDNAStrider(商標)を使用して分析した。
RT-PCRは、T84全RNAについてGCC特異的センス(81〜96)およびアンチセンス(1834-1853)プライマーを使用して行った。ヌクレオチド番号についてはGeneBank配列S57551を参照にされたい(引用により本明細書に編入するSingh,et al.,Biochemical & Biophysical
Research Communications.179:1455-1463,1991)。増幅産物は1%アガロース(シグマ(Sigama)、セントルイス、モンタナ州)ゲルで電気泳動により分離した。1つのRT-PCR産物、GCCの細胞外および膜貫通領域を含むフラグメント(〜1772bp)をアガロースから抽出し、pGem-T Easyベクター(プロメガ)に連結し、そしてDH5αコンピテント細胞(ギブコ/BRL)に形質転換した。プラスミドDNAは細菌から単離し、シークエンシングし、そして配列をプログラムDNAStrider(商標)を使用して分析した。
半定量的RT-PCR
RT-PCRはヒト結腸組織に由来する全RNAについて、欠失領域を挟む特異的なセンス(126〜147)およびアンチセンス(416〜435)プライマーを使用して行った。1ピコモルのα32P-dCTP(6,000Ci/ミリモル)(アマーシャムライフサイエンス(Amersham Life Science)、クリーブランド、オハイオ州)をPCR反応混合物に加え、増幅産物への放射標識ヌクレオチドの取り込みを可能とした。生成したバンドGCCvar(168bp)およびGCC(309bp)をゲルから切り出し、そしてScintiVerse(商標)BDシンチレーション液(フィッシャー サイエンティフィック(Fisher Scientific)、ピッツバーグ、ペンシルバニア州、米国)を含む7mLのシンチレーションバイアルに入れた。サンプルを1900TR液体ンチレーションアナライザー(パッカード インスツルメンツ(Packard Instruments)、メリデン、コネチカット州)中でカウントして32Pレベルを定量した。Cvar対GCC比は、これらの転写物の相対的発現の尺度として使用した。増幅産物中の放射活性は、各産物中のdCTP残基の数に対して標準化した(GCCvar中の88;GCC中の160)。この技法を使用して、5種のヒト結腸組織サンプルを二重で分析した。
RT-PCRはヒト結腸組織に由来する全RNAについて、欠失領域を挟む特異的なセンス(126〜147)およびアンチセンス(416〜435)プライマーを使用して行った。1ピコモルのα32P-dCTP(6,000Ci/ミリモル)(アマーシャムライフサイエンス(Amersham Life Science)、クリーブランド、オハイオ州)をPCR反応混合物に加え、増幅産物への放射標識ヌクレオチドの取り込みを可能とした。生成したバンドGCCvar(168bp)およびGCC(309bp)をゲルから切り出し、そしてScintiVerse(商標)BDシンチレーション液(フィッシャー サイエンティフィック(Fisher Scientific)、ピッツバーグ、ペンシルバニア州、米国)を含む7mLのシンチレーションバイアルに入れた。サンプルを1900TR液体ンチレーションアナライザー(パッカード インスツルメンツ(Packard Instruments)、メリデン、コネチカット州)中でカウントして32Pレベルを定量した。Cvar対GCC比は、これらの転写物の相対的発現の尺度として使用した。増幅産物中の放射活性は、各産物中のdCTP残基の数に対して標準化した(GCCvar中の88;GCC中の160)。この技法を使用して、5種のヒト結腸組織サンプルを二重で分析した。
タンパク質発現および検出
GCCvarcDNA転写産物は、ポリメラーゼ連鎖反応を使用して伸長の重複によりc-mycエピトープ(EQKLISEEDL−配列番号83)で標識した。GCCvarcDNAクローンを増幅し、そしてc-mycエピトープを予測される終結コドンの近くに挿入した。標識したGCCvarcDNAをpRc/CMV2発現ベクター(インビトロゲン(Invitrogen)、カールスバッド、カリフォルニア州)に連結し、そしてリポフェクタミン試薬(ギブコ/BRL)を使用してCOS-7細胞にトランスフェクトした。pRc/CMV2ベクターを陰性対照として使用し、そして発現ベクターpMT2中のc-mycエピトープ標識GCCクローンを陽性対照として使用した。細胞はトランスフェクション後24時間、2mLのOpti-Mem減少(reduced)血清培地(ギブコ/BRL)中で成長させた。培地は細胞の上から集め、そして細胞を溶解し、そしてタンパク質は1XPBS、1%Triton X(商標)-100、12mM デオキシコール酸ナトリウム、3.5mM ドデシル硫酸ナトリウム、0.5μg/mL ロイペプチン、1mM EDTA、1μg/mL ペプスタチンおよび0.2mM PMSFを使用して可溶化した。タンパク質濃度はバイオ-ラッド(Bio-Rad)のタンパク質アッセイ(ヘラクレス、カリフォルニア州)を使用して決定した。約140μgの全細胞溶解物タンパク質および1.4mLの回収した培地は、4%アガロース(シグマ)に固定化されたプロテインGの存在下で1μgのc-myc抗体(c-myc(Ab-1);カルビオケム(CALBIOCHEM)、ラジョラ、カリフォルニア州)との免疫沈降に供した。免疫沈降物はプレキャスト4〜20%Tris-グリシン ポリアクリルアミドゲル(フィッシャーサイエンティフィック)で分離し、そして15ボルトのエレクトロブロッティングで一晩、PVDF膜に転写した。ブロットは10mM Tris-HCl、pH8.0、150mM NaCl、0.2%TWEEN(商標)-20および5% 脱脂粉乳を含む溶液でブロッキングした。膜を40μgのc-myc抗体とインキューベーションし、洗浄し、抗-ウサギIgG-HRP(サンタクルズ バイオテクノロジー(Santa Cruz Biotechnology)、サンタクルズ、カリフォルニア州)と1:10,000の希釈でインキューベーションし、そして再度洗浄した。タンパク質は、ECL(商標)ウエスタンブロッティング系(アマーシャム ライフ サイエンス)を使用してオートラジオグラフィーにより検出した(〜17時間の暴露)。
GCCvarcDNA転写産物は、ポリメラーゼ連鎖反応を使用して伸長の重複によりc-mycエピトープ(EQKLISEEDL−配列番号83)で標識した。GCCvarcDNAクローンを増幅し、そしてc-mycエピトープを予測される終結コドンの近くに挿入した。標識したGCCvarcDNAをpRc/CMV2発現ベクター(インビトロゲン(Invitrogen)、カールスバッド、カリフォルニア州)に連結し、そしてリポフェクタミン試薬(ギブコ/BRL)を使用してCOS-7細胞にトランスフェクトした。pRc/CMV2ベクターを陰性対照として使用し、そして発現ベクターpMT2中のc-mycエピトープ標識GCCクローンを陽性対照として使用した。細胞はトランスフェクション後24時間、2mLのOpti-Mem減少(reduced)血清培地(ギブコ/BRL)中で成長させた。培地は細胞の上から集め、そして細胞を溶解し、そしてタンパク質は1XPBS、1%Triton X(商標)-100、12mM デオキシコール酸ナトリウム、3.5mM ドデシル硫酸ナトリウム、0.5μg/mL ロイペプチン、1mM EDTA、1μg/mL ペプスタチンおよび0.2mM PMSFを使用して可溶化した。タンパク質濃度はバイオ-ラッド(Bio-Rad)のタンパク質アッセイ(ヘラクレス、カリフォルニア州)を使用して決定した。約140μgの全細胞溶解物タンパク質および1.4mLの回収した培地は、4%アガロース(シグマ)に固定化されたプロテインGの存在下で1μgのc-myc抗体(c-myc(Ab-1);カルビオケム(CALBIOCHEM)、ラジョラ、カリフォルニア州)との免疫沈降に供した。免疫沈降物はプレキャスト4〜20%Tris-グリシン ポリアクリルアミドゲル(フィッシャーサイエンティフィック)で分離し、そして15ボルトのエレクトロブロッティングで一晩、PVDF膜に転写した。ブロットは10mM Tris-HCl、pH8.0、150mM NaCl、0.2%TWEEN(商標)-20および5% 脱脂粉乳を含む溶液でブロッキングした。膜を40μgのc-myc抗体とインキューベーションし、洗浄し、抗-ウサギIgG-HRP(サンタクルズ バイオテクノロジー(Santa Cruz Biotechnology)、サンタクルズ、カリフォルニア州)と1:10,000の希釈でインキューベーションし、そして再度洗浄した。タンパク質は、ECL(商標)ウエスタンブロッティング系(アマーシャム ライフ サイエンス)を使用してオートラジオグラフィーにより検出した(〜17時間の暴露)。
雑報
平均および平均の標準誤差は、マイクロソフト社のExcel(商標)を使用して評価した。
結果は少なくとも3回の実験の代表である。実験は少なくとも2連で行った。すべての試薬は市販のものから得、そして最高の分析用級であった。
平均および平均の標準誤差は、マイクロソフト社のExcel(商標)を使用して評価した。
結果は少なくとも3回の実験の代表である。実験は少なくとも2連で行った。すべての試薬は市販のものから得、そして最高の分析用級であった。
結果
RT-PCRを使用して、GCCvarをコードするcDNAを単離した。GCCvarクローンの配列は、翻訳開始コドンの後の72bpで起こる142bpの欠失を除き、GCCと同一である。スプライシングは5'供与部位のコンセンサス配列内で起こる。GCCcDNA転写産物は、配列C-A-G-G-T-G-A-G-T(配列番号84)、5'スプライス部位コンセンサス配列(C/A)-A-G-G-U-(A/G)-A-G-U(配列番号85)の正確な対合を含む。交互スプライシングは2つのグアニンヌクレオチド間で起こり、そしてGCCvarの第1エキソンの未成熟な末端を表す。野生型GCC転写産物では、第1エキソンは開始A-T-G後の214bpで終結する。GCCvar中の第1エキソンの短縮化は、翻訳読み取り枠にシフトを生じる。野生型の開始コドンがコンピテントであると仮定すると、26アミノ酸ペプチドをコードするGCCvar転写産物はGCCタンパク質の最初の25アミノ酸と同一である。しかし26番目の残基は、バリンからアラニンに変化し、そして27番目のコドンは終結シグナルを生成するだろう。野生型GCC転写産物では、第1エキソンの末端は72番目のアミノ酸としてアラニンを生成し、そして第2エキソンからの2個のヌクレオチドと一緒に73位にグリシンを生成する。
RT-PCRを使用して、GCCvarをコードするcDNAを単離した。GCCvarクローンの配列は、翻訳開始コドンの後の72bpで起こる142bpの欠失を除き、GCCと同一である。スプライシングは5'供与部位のコンセンサス配列内で起こる。GCCcDNA転写産物は、配列C-A-G-G-T-G-A-G-T(配列番号84)、5'スプライス部位コンセンサス配列(C/A)-A-G-G-U-(A/G)-A-G-U(配列番号85)の正確な対合を含む。交互スプライシングは2つのグアニンヌクレオチド間で起こり、そしてGCCvarの第1エキソンの未成熟な末端を表す。野生型GCC転写産物では、第1エキソンは開始A-T-G後の214bpで終結する。GCCvar中の第1エキソンの短縮化は、翻訳読み取り枠にシフトを生じる。野生型の開始コドンがコンピテントであると仮定すると、26アミノ酸ペプチドをコードするGCCvar転写産物はGCCタンパク質の最初の25アミノ酸と同一である。しかし26番目の残基は、バリンからアラニンに変化し、そして27番目のコドンは終結シグナルを生成するだろう。野生型GCC転写産物では、第1エキソンの末端は72番目のアミノ酸としてアラニンを生成し、そして第2エキソンからの2個のヌクレオチドと一緒に73位にグリシンを生成する。
センス(126〜147)およびアンチセンス(416〜435)プライマーを使用して、GCCvar(168bp)およびGCC(309bp)の両方を、ヒト結腸、回腸および結腸癌腫組織およびヒト癌腫細胞系T84、Caco-2、SW620、SW1116、SW1463およびNCIに由来する全RNA中に検出した。これらのプライマーを使用して、GCCもGCCvarもヒト膵臓、子宮、肺、腎臓または細胞系HS766Tに由来する全RNA中には検出されなかった。同様に、欠失領域に広がるセンスプライマー(180−192+335−343)、およびアンチセンスプライマー(677−699)を使用して、結腸、回腸、結腸癌腫組織およびT84、Caco-2、SW620、SW1116、SW1463およびNCIに由来する全RNA中にGCCvar(378bp)を特異的に検出したが、膵臓、子宮、肺、腎臓または細胞系HS766Tでは検出しなかった。以前の実験では、センス(828−850)およびアンチセンス(1068−1090)プライマーを使用して、ヒトGCCが腸でのみ特異的に発現されるが、腸管外組織では発現しないことが示された。これらのプライマーはGCCおよびGCCvarのヌクレオチド配列が同一である欠失から下流の領域を増幅し、識別できないこれらの異なる転写産物からの増幅産物を生じた。本実験では、265bpの産物がこのプライマーの組を用いて検出され、結腸、回腸、結腸癌腫組織およびT84、Caco-2、SW620、SW1116、SW1463およびNCI細胞中でのGCCおよび/またはGCCvarの発現が確認されたが、膵臓、子宮、肺、腎臓または細胞系HS766Tでは確認されなかった。増幅産物の同一性は、配列分析により確認した。β-アクチンに特異的なプライマーは各サンプルについて増幅産物を生成し、これらの分析に使用したRNAの完全性を証明した。
T84細胞およびヒト結腸mRNAを全RNAから単離した。これらのサンプルは全RNA中のGCCvar発現を調査するために使用した同じプライマーを用いてスクリーニングした。欠失領域を挟む特異的プライマーは、GCC(309bp)およびGCCvar(168bp)の両方を結腸およびT84mRNA中に検出した。同様にGCCvarは欠失領域に広がるセンスプライマーを使用することにより結腸およびT84mRNA中で特異的に検出され、378bp増幅産物を生成した。GCCおよび/またはGCCvarも両転写産物の同一領域を増幅するプライマーを使用して検出され、そしてすなわち1つの265bp産物を生成した。ここでもβ-アクチンに特異的なプライマーは各サンプルについて増幅産物を生成し、これらの分析に使用したmRNAの完全性が証明された。
各失領域を挟む特異的プライマーを使用して、ヒトの結腸から単離されたGCCおよびGCCvarの全RNA発現レベルを比較した。半−定量的RT-PCRは、PCR反応混合物中にα32P-dCTPを使用して行った。増幅産物の放射活性は各産物中のdCTP残基数に対して標準化した(GCCvar中の88;GCC中の160)。GCCvarに関する全RNAは、ヒト腸内のGCCよりも.4±0.7(平
均±SEM、n=5)倍以上多かった(表1)。
均±SEM、n=5)倍以上多かった(表1)。
推定される26アミノ酸GCCvarペプチドの発現を検出するために、c-mycエピトープを27位の終結コドン付近に挿入した。GCCvarをコードするcDNAの組換え発現は、培地または細胞溶解サンプルのいずれの中にも検出可能なタンパク質産物を生産しなかった。このペプチドはエピトープタグおよび完全なシグナルペプチドを含む4kDaのサイズであると予想された。シグナルペプチドが開裂されれば、ペプチドは1.4kDaであったろう。陰性対照である発現ベクター単独と比較して、明確なバンドは同定されなかった。陽性対照であるGCCをコードするcDNAの組換え発現は、細胞溶解サンプル中に明確な高分子量タンパク質産物(〜120kDa)を生産した。これは報告されている成熟GCCタンパク質のサイズに相当する。
考察
この実験は、GCCが交互スプライシングを受け、ヒト腸細胞に変異体転写産物GCCvarを生産することを示す。GCCおよびGCCvarはGCCvar転写産物中の第1エキソンの3'末端で起こる142bp欠失を除き同一である。第1エキソンの短縮化は、27番目のコドンに翻訳終結シグナルをもたらすフレーム−シフトを引き起こす。しかしGCCに関する自然な翻訳開始部位は、GCCvar中で活性なままではないかもしれない。c-mycエピトープタグを含むGCCvarを使用した組換え発現実験では、タグが自然な状態の開始部位に枠内で挿入された時、検出可能なタンパク質産物を生産しなかった。これは自然な開始部位がもはや活性ではないか、またはペプチド産物が生成時にタンパク質溶解により分解されたかのいずれかを示す。
この実験は、GCCが交互スプライシングを受け、ヒト腸細胞に変異体転写産物GCCvarを生産することを示す。GCCおよびGCCvarはGCCvar転写産物中の第1エキソンの3'末端で起こる142bp欠失を除き同一である。第1エキソンの短縮化は、27番目のコドンに翻訳終結シグナルをもたらすフレーム−シフトを引き起こす。しかしGCCに関する自然な翻訳開始部位は、GCCvar中で活性なままではないかもしれない。c-mycエピトープタグを含むGCCvarを使用した組換え発現実験では、タグが自然な状態の開始部位に枠内で挿入された時、検出可能なタンパク質産物を生産しなかった。これは自然な開始部位がもはや活性ではないか、またはペプチド産物が生成時にタンパク質溶解により分解されたかのいずれかを示す。
GCCおよびGCCvarは、ヒトの結腸、回腸、結腸癌腫組織およびT84、Caco-2、SW620、SW1116、SW1463およびNCI細胞に由来する全RNA中で検出されたが、ヒトの腎臓、膵臓、子宮、および細胞系HS766Tに由来する全RNA中で検出されず、これら転写産物の腸外、組織および細胞ではなく腸内での発現の特異性を示した。GCCvarはヒトの腸細胞に由来する全およびmRNAで検出され、この転写産物は核に限定して集成される(editing)RNAの中断産物ではなく、成熟した細胞質メッセージにプロセスされることを示す。
この研究は、GCCおよびGCCvarから同一増幅産物を生じるプライマーを使用して、増幅産物が腸に由来する組織および細胞にのみ検出されるが、腸外組織に由来するものからは検出されなかったヒトの組織におけるGCCの発現の特異性を調査した実験を支持する。合わせて考えると、これらのデータはヒトGCCおよびGCCvarは腸に由来する組織のみで特異的に発現するという示唆を支持する。
交互スプライシングは前駆体mRNA内のスプライス部位の異なる組み合わせの存在を反映する。異なる転写産物は変異体タンパク質をコードし、その中には明らかな生理学的機能をもつものもある。スプライシングは2段階のプロセスにより起こる。最初にプレ-mRNAが5'スプライス部位で開裂され、線状の第1エキソンRNA種およびイントロン−第2エキソンRNA種が投げ縄状(lariat)の構造で生じる。5'スプライス部位のグアノシンおよび3'スプライス部位付近のアデノシンの2'-ヒドロキシルが2'-5'ホスホジエステル結合、RNA分岐点を形成し、投げ縄の形成を誘導する。次にプレ-mRNAが3'スプライス部位で開裂され、そしてエキソンが一緒に連結されてmRNA転写産物を形成し、そしてイントロンが投げ縄の構造で切り出される。5'供与部位および3'受容部位の両方にコンセンサスRNA配列がある。しかしスキャンニング法が分岐点の第1のA−G下流を同定することを示唆したので分岐点の位置は、3'スプライス部位の決定により重要となるだろう。RNAの二次構造、立体的拘束、スプライス連結親和性およびスプライス部位の競合は、すべて交互スプライシングを調節する。
GCCvarは翻訳の未成熟な終結をコードすることが最初に報告されたので、グアニリルシクラーゼファミリーの他の変異体に比べて独特であると思われる。グアニリルシクラーゼスプライス変異体の中で、各々がヌクレオチドの付加または欠失にかかわらず正しい翻訳リーディングフレイムを保持する。ラットの副腎および腎臓乳頭中でGCAと同時発現する(co-expressed)GCA1を形成する9bpの挿入が、リガンド親和性、シグナル伝達または受容体の内面化を改変し得る。GCB2は、グアニリルシクラーゼ活性化とは共役しないナトリウム利尿ペプチド受容体を生成する75bpの欠失を有する。過剰なシステイン残基を含むANPクリアランス受容体の変異体形は、自然な受容体とは機能的に区別できない。変異体のクリアランス受容体中の過剰なシステインは、野生型受容体により形成される二量体よりも大きなジスルフィド連結オリゴマーを形成することができる。
結論するとこの実験はヒトにおいて、GCCは完全長の野生型転写産物および細胞外リガンド結合ドメインをコードする領域から削除された142塩基を欠く交互にスプライスされた転写産物として発現されることを示す。交互スプライシングは、エキソン1の交互5'スプライス受容部位の使用から生じる。交互スプライシングは、リーディングフレイム中のシフトおよび27番目のコドンに未成熟な翻訳終結シグナルの形成をもたらす。GCCの交互にスプライスされた変異体の発現の特異性は野生型GCCに平行し、そして腸に由来する組織に限られる。興味深いことには、腸の細胞は野生型GCC転写産物よりも多くのGCCvarを含み、その意義は不明なままである。しかしGCCおよびGCCvarの相対的量を操作することは、これにより腸細胞が機能的GCC発現を調節する1つのメカニズムであるかもしれない。
aRT-PCRは欠失領域を挟む特異的なプライマーを使用して行った。ヒト結腸に由来する全RNAを逆転写し、そしてα32P-dCTPを含むPCR混合物を使用して増幅した。PCR産物はアガロースゲル電気泳動により解析した。増幅産物、GCCvar(168bp)およびGCC(309bp)を切り出し、そして取り込まれた32Pをシンチレーション分光計により定量した。5つの異なる結腸サンプルを使用し、そして各サンプルを少なくとも2回、分析した。
bGCC(増幅産物中のCPM/dCTP)に対するGCCvar(増幅産物中のCPM/dCTP)の比率。増幅産物中の放射活性は、その産物中のdCTP残基の数に対して標準化した(GCCvar中の88;GCC中の160)。
cn=5。
bGCC(増幅産物中のCPM/dCTP)に対するGCCvar(増幅産物中のCPM/dCTP)の比率。増幅産物中の放射活性は、その産物中のdCTP残基の数に対して標準化した(GCCvar中の88;GCC中の160)。
cn=5。
以下に本発明の主な特徴と態様を列挙する。
1. 胃または食道癌細胞について個体をスクリーニングするインビトロ法であって、個体に由来する腸管外組織および/または体液のサンプルを調査してCRCA-1転写産物が該サンプル中の細胞により発現されているかどうかを決定する工程を含んで成り、該CRCA-1転写産物の発現が該サンプル中の胃または食道癌細胞の存在の可能性を与える上記方法。
2. 上記細胞による上記CRCA-1転写産物の発現が、上記サンプルを上記CRCA-1転写産物またはそれらから生成されたcDNAを選択的に増幅するプライマーと接触させるポリメラーゼ連鎖反応により決定される、1.に記載の方法。
3. 上記サンプルが体液である、1.に記載の方法。
4. 上記サンプルをが血液である、1.に記載の方法。
5. 上記サンプルがリンパ節組織である、1.に記載の方法。
6. 胃または食道癌を有すると疑われる患者から摘出された腫瘍細胞が胃または食道腫瘍細胞であると確認するインビトロ法であって、腫瘍細胞がCRCA-1転写産物を発現するかどうかを決定する工程を含んで成り、CRCA-1転写産物の発現が腫瘍細胞が胃または食道腫瘍細胞であることを示す、上記方法。
7. 上記腫瘍細胞による上記CRCA-1転写産物の発現が、上記細胞を、上記CRCA-1転写産物またはそれらから生成されたcDNAを選択的に増幅するプライマーと接触させるポリメラーゼ連鎖反応により決定される、6.に記載の方法。
8. 胃または食道癌について個体をスクリーニングするインビトロ法であって、個体に由来する腸管外組織および/または体液のサンプルを調査してCRCA-1転写産物が該細胞に存在するかどうかを決定する工程を含んで成り、該サンプル中のCRCA-1転写産物の存在が該個体が胃または食道癌を有する可能性があることを示唆する上記方法。
9. 上記サンプルが体液である、8.に記載の方法。
10. 上記サンプルが血液である、8.に記載の方法。
11. 上記サンプルがリンパ節組織である、8.に記載の方法。
12. 上記CRCA-1転写産物が、CRCA-1転写産物の配列を特異的に増幅するプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応アッセイにより検出される、8.に記載の方法。
13. 胃または食道癌を有する個体を診断する方法であって、CRCA-1転写産物またはCRCA-1翻訳産物の存在を検出するために胃または食道癌を有することが疑われる個体に由来する腸管外組織および/または体液のサンプルを調査する工程を含んで成り、胃または食
道癌を有することが疑われる個体に由来する腸管外組織および/または体液のサンプル中のCRCA-1転写産物またはCRCA-1翻訳産物の存在が個体が胃または食道癌を有することを示す、上記方法。
道癌を有することが疑われる個体に由来する腸管外組織および/または体液のサンプル中のCRCA-1転写産物またはCRCA-1翻訳産物の存在が個体が胃または食道癌を有することを示す、上記方法。
14. CRCA-1の存在が、サンプルを上記CRCA-1転写産物またはそれらから生成されたcDNAを選択的に増幅するプライマーと接触させるポリメラーゼ連鎖反応により検出される、13.に記載の方法。
15. 上記サンプルが体液である、13.に記載の方法。
16. 上記サンプルが体液である、13.に記載の方法。
17. 個体が胃癌を有すると疑われる、13.に記載の方法。
18. 個体が胃癌について処置された、17.に記載の方法。
19. 個体が食道癌を有すると疑われる、13.に記載の方法。
20. 個体が食道癌について処置された、19.に記載の方法。
Claims (12)
- 胃または食道癌細胞について個体をスクリーニングするインビトロ法であって、個体に由来する腸管外組織および/または体液のサンプルを調査してCRCA-1RNAが該サンプル中の細胞により発現されているかどうかを決定する工程を含んで成り、該CRCA-1RNAの発現が該サンプル中の胃または食道癌細胞の存在の可能性を与え、上記胃または食道癌細胞が腺癌細胞である、上記方法。
- 上記細胞による上記CRCA-1RNAの発現が、上記サンプルを上記CRCA-1RNAまたはそれらから生成されたcDNAを選択的に増幅するプライマーと接触させるポリメラーゼ連鎖反応により決定される、請求項1に記載の方法。
- 上記サンプルが体液である、請求項1に記載の方法。
- 上記サンプルをが血液である、請求項1に記載の方法。
- 上記サンプルがリンパ節組織である、請求項1に記載の方法。
- 胃または食道癌を有すると疑われる患者から摘出された腫瘍細胞が胃または食道腫瘍細胞であると確認するインビトロ法であって、腫瘍細胞がCRCA-1RNAを発現するかどうかを決定する工程を含んで成り、CRCA-1RNAの発現が腫瘍細胞が胃または食道腫瘍細胞であることを示し、上記胃または食道癌が腺癌であり、上記胃または食道腫瘍細胞が腺癌細胞である、上記方法。
- 上記腫瘍細胞による上記CRCA-1RNAの発現が、上記細胞を、上記CRCA-1RNAまたはそれらから生成されたcDNAを選択的に増幅するプライマーと接触させるポリメラーゼ連鎖反応により決定される、請求項6に記載の方法。
- 胃または食道癌について個体をスクリーニングするインビトロ法であって、個体に由来する腸管外組織および/または体液のサンプルを調査してCRCA-1RNAが該細胞に存在するかどうかを決定する工程を含んで成り、該サンプル中のCRCA-1RNAの存在が該個体が胃または食道癌を有する可能性があることを示唆し、上記胃または食道癌が腺癌である、する上記方法。
- 上記サンプルが体液である、請求項8に記載の方法。
- 上記サンプルが血液である、請求項8に記載の方法。
- 上記サンプルがリンパ節組織である、請求項8に記載の方法。
- 上記CRCA-1RNAが、CRCA-1RNAの配列を特異的に増幅するプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応アッセイにより検出される、請求項8に記載の方法。
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