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JP2012177827A - トナー、このトナーを用いたフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置 - Google Patents

トナー、このトナーを用いたフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置 Download PDF

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JP2012177827A
JP2012177827A JP2011041288A JP2011041288A JP2012177827A JP 2012177827 A JP2012177827 A JP 2012177827A JP 2011041288 A JP2011041288 A JP 2011041288A JP 2011041288 A JP2011041288 A JP 2011041288A JP 2012177827 A JP2012177827 A JP 2012177827A
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alkyl group
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Masaki Watanabe
政樹 渡邉
Yuji Yamashita
裕士 山下
Akiyuki Sekiguchi
聖之 関口
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】帯電性、帯電立ち上がり性、耐久性及び環境安定性に優れたトナー、このトナーを用いたフルカラー画像形成方法及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】結着樹脂及び結着樹脂前駆体のいずれかとフェノール多量体とを含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製する溶解乃至分散液調製工程Aと、前記トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中に添加し、乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製する乳化乃至分散液調製工程Bと、前記乳化乃至分散液から前記有機溶媒を除去する有機溶媒除去工程Cと、を少なくとも含むトナーの製造方法によって製造されるトナーであって、前記フェノール多量体が下記一般式(1)で表される化合物であるトナーである。
Figure 2012177827

【選択図】なし

Description

本発明は、トナー、このトナーを用いたフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置に関する。
近年、電子写真方式の画像形成技術分野では、より高画質のフルカラー画像形成が要求されており、高画質化への現像剤設計がなされてきている。画像の高画質化、特にフルカラー画像の高画質化への要求に対応するために、トナーの小粒径化がますます進み、潜像を顕像化して忠実に再現することが検討されている。トナーの小粒径化において、トナーを所望のトナー形状及び表面構造に制御することを可能にする手段として、重合によりトナーを製造する方法が提案されている(特許文献1及び特許文献2参照)。重合により製造された重合法トナーでは、トナー粒子の粒径制御に加えて形状制御も可能である。また、これと併せてトナー粒子の粒径を小さくすることにより、ドットや細線の再現性が良くなり、パイルハイト(画像層厚)も低くすることが可能となり、より高画質化が期待できる。前記重合法トナーは、通常、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤及びその他の添加剤により構成されている。
トナーに、良好な帯電特性、経時安定性及び環境安定性を付与するために、従来より様々な帯電制御剤が提案されている。この場合、フルカラートナー用の帯電制御剤には、有色材料を用いることができないため、トナーの色相に影響を与えない無色、白色又は淡色の帯電制御剤を使用しなければならない。
このような帯電制御剤としては、例えば、サリチル酸誘導体の金属錯塩化合物(特許文献3、特許文献4、特許文献5及び特許文献6参照)、芳香族ジカルボン酸金属塩化合物(特許文献7参照)、アントラニル酸誘導体の金属錯塩化合物(特許文献8参照)、有機ホウ素化合物(特許文献9及び特許文献10参照)などが提案されている。
しかしながら、これらの帯電制御剤は、環境安定性に対して懸念されるクロムを含有する化合物であったり、耐久性の不足、帯電性付与効果の不足及び環境安定性の不足等の問題があり、帯電制御剤として十分満足する性能を有するものではなかった。一方、無金属の帯電制御剤としては、フェノール誘導体縮合物(特許文献11参照)などが提案されており、これらは帯電制御剤としての性能を十分に満足する場合もある。
また、重合法トナーでは、トナー材料に由来する帯電制御剤の分解が生じたり、トナー中での帯電制御剤の分散が困難であったりするため、多くの場合、帯電制御剤としての機能が十分に発揮できないという問題がある。したがって、重合法トナーに適用可能な帯電制御剤を使用して帯電性を制御することによって、トナーの帯電性、耐久性及び環境安定性に優れ、さらに、小粒径化による高画質化との両立が期待できるトナー及びその関連技術は未だ提供されておらず、その速やかな提供が望まれているのが現状である。
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、フルカラー画像形成方法において、重合法トナーに適用可能な帯電制御剤を使用して帯電性を制御することによって、トナーの帯電性、帯電立ち上がり性、耐久性及び環境安定性に優れたトナー、このトナーを用いたフルカラー画像形成方法及び画像形成装置を提供することにある。
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
<1>本発明のトナーは、結着樹脂及び結着樹脂前駆体のいずれかとフェノール多量体とを含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製する溶解乃至分散液調製工程Aと、前記トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中に添加し、乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製する乳化乃至分散液調製工程Bと、前記乳化乃至分散液から前記有機溶媒を除去する有機溶媒除去工程Cと、を少なくとも含むトナーの製造方法によって製造されるトナーであって、前記フェノール多量体が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする。
Figure 2012177827
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は−(CHCOOR10(R10は、水素原子又は低級アルキル基を表し、mは1〜3の整数である)を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、−NO、−NH、−NR (Rは低級アルキル基)、−SOH、フェニル基、アルコキシ基又は−Si(CHを表す。R乃至Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、−NH又は−N(R(Rは低級アルキル基)を表す。Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は−(CHCOOR20(R20は、水素原子又は低級アルキル基を表し、pは1〜3の整数である)を表す。R12は、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、−NO、−NH、−N(R17(R17は低級アルキル基)、−SOH、フェニル基、アルコキシ基又は−Si(CHを表す。R14及びR15は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、−NH又は−N(R19(R19は低級アルキル基)を表す。R16は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R21は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は−(CHCOOR20(R20は、水素原子又は低級アルキル基を表し、qは1〜3の整数である)を表す。R22は、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、−NO、−NH、−N(R17(R17は低級アルキル基)、−SOH、フェニル基、アルコキシ基又は−Si(CHを表す。R24及びR25は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、−NH、又は−N(R19(R19は低級アルキル基)を表す。R26は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。nは整数である。)
<2>前記フェノール多量体において、R、R11、R21が水素原子、R、R12、R22が塩素原子であり、且つ、R、R、R16、R26が水素原子、R、R、R14、R15、R24、R25が水素原子またはメチル基であることを特徴とする。
<3>前記フェノール多量体において、R、R、R14、R15、R24、R25が水素原子であることを特徴とする。
<4>前記フェノール多量体において、重合度nが5〜25であることを特徴とする。
<5>本発明のトナーは、さらに、乳化乃至分散液調製工程Bにおいて、前記トナー材料の溶解乃至分散液を平均粒子径5〜50nmのアニオン性樹脂微粒子とアニオン性界面活性剤とを含む水系媒体中に添加し、乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製することを特徴とする。
<6>本発明のトナーは、さらに、前記フェノール多量体が、帯電性を有することを特徴とする。
<7>本発明のトナーは、さらに、前記結着樹脂が、ポリエステル系樹脂であることを特徴とする。
<8>本発明のトナーは、さらに、前記フェノール多量体含有量が、前記トナー材料中0.01〜5.0質量%であることを特徴とする。
<9>本発明のトナーは、さらに、前記フェノール多量体の平均分散径が、10〜500nmであることを特徴とする。
<10>本発明のトナーは、さらに、トナーの帯電量が、−80〜−10μC/gであることを特徴とする。
<11>本発明のトナーは、さらに、トナーの体積固有抵抗ρ(Ωcm)の常用対数値Logρが、10.9〜11.4(LogΩcm)であることを特徴とする。
<12>本発明のトナーは、さらに、トナーの体積平均粒径/個数平均粒径(Dv/Dn)が、1.05〜1.25であることを特徴とする。
<13>本発明のトナーは、さらに、トナーの平均円形度が、0.950〜0.990であることを特徴とする。
<14>本発明のトナーは、さらに、トナーのBET比表面積が、0.5〜4.0m/gであることを特徴とする。
<15>本発明のトナーは、さらに、前記トナー材料が、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする。
<16>本発明のフルカラー画像形成方法は、電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーにより現像して前記電子写真感光体上にトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録媒体上に転写する二次転写工程と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を前記記録媒体上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を前記中間転写体上に転写した後の前記電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング工程とを有するフルカラー画像形成方法において、前記現像工程で用いるトナーが、上述したトナーであることを特徴とする。
電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーにより現像して前記電子写真感光体上にトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録媒体上に転写する二次転写工程と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を前記記録媒体上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を前記中間転写体上に転写した後の前記電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング工程と、を含み、前記現像工程で用いるトナーが、上述したトナーであることを特徴とする。
<17>本発明のフルカラー画像形成方法は、さらに、前記二次転写工程において、トナー像の記録媒体への転写の線速度が300〜1000mm/secであり、前記二次転写手段のニップ部での転写時間が0.5〜20msecであることを特徴とする。
<18>本発明のフルカラー画像形成方法は、さらに、タンデム方式の電子写真画像形成プロセスを採用することを特徴とする。
<19>本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像して前記電子写真感光体上にトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を、中間転写体を介して又は介さずに記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により前記記録媒体上に定着させる定着手段と、前記転写手段によりトナー像を前記中間転写体又は前記記録媒体上に転写した後の前記電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えたフルカラー画像形成装置において、前記トナーが、上述したトナーであることを特徴とする。
本発明によれば、帯電性、帯電立ち上がり性、耐久性及び環境安定性に優れたトナー、このトナーを用いたフルカラー画像形成方法及び画像形成装置を提供することができる。
本発明のトナーの構造の一例を示す図である。 本発明で用いる接触式のローラ式帯電装置の一例を示す概略構成図である。 本発明で用いる接触式のブラシ式帯電装置の一例を示す概略構成図である。 本発明で用いる磁気ブラシ式帯電装置の一例を示す概略構成図である。 本発明で用いる現像装置の一例を示す概略構成図である。 本発明で用いる定着装置の一例を示す概略構成図である。 本発明で用いる定着ベルトの層構成の一例を示す図である。 本発明に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。
以下に、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における実施の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明のトナーは、溶解乃至分散液調製工程Aと、乳化乃至分散液調製工程Bと、有機溶媒除去工程Cとを含む工程によって製造される。
<溶解乃至分散液調製工程A>
溶解乃至分散液調製工程Aは、少なくとも結着樹脂及び結着樹脂前駆体のいずれかと後述する一般式(1)で表されるフェノール多量体とを含むトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散させてトナー材料の溶解乃至分散液を調製する工程である。
結着樹脂前駆体としては、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)が挙げられ、結着樹脂に替えて結着樹脂前駆体を用いる場合、乳化乃至分散液調製工程Bにおいて、前記活性水素基含有化合物と反応させることにより、前記結着樹脂前駆体に由来する結着樹脂が得られる。
前記トナー材料としては、結着樹脂及び結着樹脂前駆体のいずれかと前記フェノール多量体とを含む限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。トナー材料は、例えば、着色剤、さらに必要に応じて、その他の成分として、離型剤、帯電制御剤等を含むことができる。
なお、前記有機溶媒は、乳化乃至分散液調製工程Bにおけるトナーの造粒時乃至造粒後、有機溶媒除去工程Cにおいて除去される。
−有機溶媒−
前記有機溶媒としては、前記トナー材料を溶解乃至分散させることが可能な溶媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーの造粒時乃至造粒後の除去の容易性の点で沸点が150℃未満のものが好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等を用いることができる。有機溶媒としてはエステル系溶媒が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。これらの有機溶媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー材料100質量部に対して、40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部がさらに好ましい。
なお、前記トナー材料の溶解乃至分散液の調製は、前記有機溶媒中に、前記結着樹脂、前記活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、離型剤、着色剤及び帯電制御剤等を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。
また、前記トナー材料の中で、溶解乃至分散液調製工程Aで用いられる成分には、少なくとも前記結着樹脂及び前記結着樹脂前駆体のいずれかが含まれていればよく、これ以外の成分については、乳化乃至分散液調製工程Bにおいて、水系媒体中に添加混合してもよいし、または前記トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体に添加する際に、溶解乃至分散液と共に前記水系媒体に添加してもよい。
−フェノール多量体−
前記フェノール多量体は、トナー材料に分解されずにトナー表面近傍に偏在するように、トナー粒子内部に内添される。前記フェノール多量体は、前記トナーに対して帯電特性を付与する目的で添加され、高い帯電性を有する点で好ましい。前記フェノール多量体は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2012177827
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は−(CHCOOR10(R10は、水素原子又は低級アルキル基を表し、mは1〜3の整数である)を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、−NO、−NH、−NR (Rは低級アルキル基)、−SOH、フェニル基、アルコキシ基又は−Si(CHを表す。R乃至Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、−NH又は−N(R(Rは低級アルキル基)を表す。Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は−(CHCOOR20(R20は、水素原子又は低級アルキル基を表し、pは1〜3の整数である)を表す。R12は、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、−NO、−NH、−N(R17(R17は低級アルキル基)、−SOH、フェニル基、アルコキシ基又は−Si(CHを表す。R14及びR15は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、−NH又は−N(R19(R19は低級アルキル基)を表す。R16は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R21は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は−(CHCOOR20(R20は、水素原子又は低級アルキル基を表し、qは1〜3の整数である)を表す。R22は、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、−NO、−NH、−N(R17(R17は低級アルキル基)、−SOH、フェニル基、アルコキシ基又は−Si(CHを表す。R24及びR25は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、−NH、又は−N(R19(R19は低級アルキル基)を表す。R26は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。nは整数である。)
前記枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基等が挙げられる。前記低級アルキル基は、これらのアルキル基のうち炭素数1〜10のアルキル基であり、炭素数1〜6が好ましい。前記炭素数1〜5のアルキル基及び炭素数1〜3のアルキル基は、前記アルキル基のうち、炭素数1〜5のアルキル基及び炭素数1〜3のアルキル基である。前記アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基及びナフチルエチル基等が挙げられる。前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基及びtert−ブトキシ基等が挙げられる。前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等が挙げられる。フェニル基は、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基等の置換フェニル基であってもよい。
上記一般式(1)において、R等としては、上述したものから適宜選択することができるが、以下のものが好ましい。Rとしては水素原子が好ましい。Rとしてはハロゲン原子が好ましい。Rとしては水素原子が好ましい。Rとしては水素原子もしくはメチル基が好ましい。Rとしては水素原子もしくはメチル基が好ましい。Rとしては水素原子が好ましい。R11としては水素原子が好ましい。R12としてはハロゲン原子が好ましい。R14としては水素原子もしくはメチル基が好ましい。R15としては水素原子もしくはメチル基が好ましい。R16としては水素原子が好ましい。R21としては水素原子が好ましい。R22としてはハロゲン原子が好ましい。R24としては水素原子もしくはメチル基が好ましい。R25としては水素原子もしくはメチル基が好ましい。R26としては水素原子が好ましい。
前記フェノール多量体の一般式(1)において、特に好ましい様態として以下のものが好ましい。Rとしては水素原子が好ましい。Rとしては塩素原子が好ましい。Rとしては水素原子が好ましい。Rとしては水素原子が好ましい。Rとしては水素原子が好ましい。Rとしては水素原子が好ましい。R11としては水素原子が好ましい。R12としては塩素原子が好ましい。R14としては水素原子が好ましい。R15としては水素原子が好ましい。R16としては水素原子が好ましい。R21としては水素原子が好ましい。R22としては塩素原子が好ましい。R24としては水素原子が好ましい。R25としては水素原子が好ましい。R26としては水素原子が好ましい。R、R、R14、R15、R24、R25にメチル基を置換すると、電子吸引性が低下し、帯電付与効果が低下してしまうためである。また、塩素原子の箇所にフッ素原子を置換すると、酢酸エチルに対して溶解性を示し、臭素原子を置換すると、結晶化ができないため、塩素が特に好ましい。
前記フェノール多量体の重合度は、n=5〜25が好ましく、特にn=10〜20が好ましい。重合度が低いと酢酸エチルに対する溶解性が増し、トナー中に内添しても、トナー内部で均一拡散したり、或いは、トナーの外側に染み出してきてしまうため、本来の機能を十分に発揮できなくなる恐れがある。
前記フェノール多量体は、トナー材料を核としたトナー粒子本体中の樹脂に対する親和性の差を利用することで、トナー粒子本体中の樹脂相に任意に含有させることができる。ここで、前記フェノール多量体をトナー粒子の表面近傍における樹脂相に含有させることで、感光体、キャリア等の他の部材への帯電制御剤のスペントを抑制させることができる。
前記溶解乃至分散液調製工程Aで調製される溶解乃至分散液における前記フェノール多量体の平均分散径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜500nmが好ましく、100〜500nmがより好ましく、100〜150nmがさらに好ましい。前記平均分散径が10nm未満であると、フェノール多量体がトナー表面に顕著に偏在し、トナーが異型化することで必要以上の帯電量が発生するおそれがある。また、帯電付与効果が十分に得られないおそれがある。前記平均分散径が、500nmを超えると、トナーとキャリアとを攪拌する際に、フェノール多量体がキャリアへ移行し、キャリアを汚染させることで帯電量が低下するおそれがある。
前記フェノール多量体の分散径は、例えば、以下の方法により測定することができる。即ち、トナー1gをクロロホルム100gに10時間浸漬し、遠心分離器(H−9R;コクサン社製、LNアングルローター使用)を用い、500rpm(9,545g)にてフェノール多量体分散液を遠心分離する。遠心分離した上澄みにフェノール多量体の粒子が存在する。粒度分布測定装置(LA−920;堀場製作所社製)を用いて粒径の測定を行う。LA−920を用いた測定の際に、LA−920専用アプリケーション(Ver3.32)(堀場製作所社製)を用いて解析を行う。
LA−920による測定は、具体的にはクロロホルムで光軸調整した後、バックグラウンドを測定する。その後循環を開始し、フェノール多量体分散液を滴下する。透過率が安定したことを確認した後に超音波を下記条件で照射する。照射した後に透過率の値が70〜95%の範囲となる条件で分散粒子径を測定する。
LA−920による測定は、粒子径の測定再現性の点から透過率の値が70〜95%の範囲となる条件で測定することが重要である。また、超音波照射後に透過率が前記値から外れた場合は再度測定を行う必要がある。前記透過率の値を得るためには、前記分散液の滴下量を調節する必要がある。
測定・解析条件は、以下のように設定する。
データ取り込み回数:15回
相対屈折率:1.20
循環:5
超音波強度:7
なお、前記測定方法は、製造されるトナー中に含まれる前記フェノール多量体における平均分散径を測定するものであるが、前記フェノール多量体は、トナー材料により分解されることなくトナー中に内添されるため、前記測定に係る平均分散径を前記溶解乃至分散液調製工程Aで調製される溶解乃至分散液における前記フェノール多量体の平均分散径として適用することができる。
また、前記トナー中における前記フェノール多量体の存在状態は、以下のように観察することができる。即ち、トナー粒子を酸化ルテニウム水溶液の蒸気中に曝して3分間染色し、大気中に30分間放置した後、硬化型エポキシ樹脂で30分間包埋する。次いで、ウルトラミクロトームを使用して、切削厚み80nm、切削速度0.4mm/secでダイヤモンドナイフ(Ultra
Sonic35;イーエムジャパン社製)により切削する。次いで、コロジオン膜メッシュ上に切片を固定し、透過型電子顕微鏡(JEM−2100F;日本電子社製)にて、加速電圧200kV、SpotSize3、CL
AP1、OL AP3の条件で、明視野法による観察を行うことができる。
前記フェノール多量体の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー材料の溶解乃至分散液中0.01〜5.0質量%が好ましい。前記フェノール多量体の添加量が0.01質量%よりも少ないと、異形化効果が十分に得られないことがあり、5.0質量%よりも多いと、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。また、トナーの表面性状が悪化し、キャリアを汚染し長期に渡り十分な帯電性を維持することができず、さらに、環境安定性を阻害するおそれもある。
−結着樹脂及び結着樹脂前駆体−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂及びエチレン・酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、定着時にシャープメルトし、画像表面を平滑化できる点で、低分子量化しても十分な可撓性を有するポリエステル系樹脂が好ましい。結着樹脂としてポリエステル系樹脂を用いる場合、さらに他の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
前記ポリエステル系樹脂としては、下記一般式(2)で表されるポリオールの1種又は2種以上と、下記一般式(3)で表されるポリカルボン酸の1種又は2種以上とを反応させて得られるポリエステル系樹脂が好ましい。
A−(OH) ・・・ (2)
B−(COOH)s ・・・(3)
(式中、A及びBは、炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基又はヘテロ環芳香族基を表す。r及びsは2〜4の整数である。)
前記一般式(2)で表されるポリオールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールA酸化エチレン付加物、ビスフェノールA酸化プロピレン付加物、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA酸化エチレン付加物及び水素化ビスフェノールA酸化プロピレン付加物等が挙げられる。
前記一般式(3)で表されるポリカルボン酸の具体例としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸及びエチレングリコールビス(トリメリット酸)等が挙げられる。
前記結着樹脂の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー材料の溶解乃至分散液中、5〜25質量%が好ましい。前記結着樹脂の添加量が5質量%未満であると、フェノール多量体の分散径が小さくならないおそれがあり、25質量%を超えると、前記トナー材料の溶解乃至分散液に添加した際に凝集が起こり、異形化及び帯電付与効果が十分に得られないおそれがある。トナー材料の溶解乃至分散液としては、前記溶解乃至分散液中、前記フェノール多量体を5質量%、及び前記結着樹脂を5質量%含むことが特に好ましい。
−活性水素基含有化合物−
前記トナー材料中に活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂が含まれることにより、得られるトナーの機械的強度が高まり、外添剤の埋没を抑制することができる。また、このトナーの加熱定着時の流動性を調節することができ、定着温度幅を広げることもできる。なお、本発明においては、前記活性水素基含有化合物及びこの活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂が、結着樹脂前駆体に相当する。
前記活性水素基含有化合物は、乳化乃至分散液調製工程Bにおける水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。前記活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体がイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、アミン類(B)が好ましい。
前記活性水素基としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基及びメルカプト基等が挙げられる。前記活性水素基含有化合物は、これらの活性水素基を1種有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
前記アミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、及び(B1)〜(B5)におけるアミノ基をブロックしたもの(B6)などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中で、ジアミン(B1)、及びジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物が好ましい。
前記ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン及び脂肪族ジアミン等が挙げられる。前記芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン及び4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。前記脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン及びイソホロンジアミン等が挙げられる。前記脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
前記3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン等が挙げられる。前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン及びヒドロキシエチルアニリン等が挙げられる。前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン及びアミノプロピルメルカプタン等が挙げられる。前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸及びアミノカプロン酸等が挙げられる。
前記(B1)〜(B5)におけるアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、B1からB5のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、及びオキサゾリゾン化合物等が挙げられる。
前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応、架橋反応等を停止させるには、反応停止剤を用いることが好ましい。反応停止剤を用いると、接着性基材の分子量等を所望の範囲に制御することができる。反応停止剤としては、特に制限はなく、例えば、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、及びこれらのモノアミンをブロックしたもの(ケチミン化合物)等が挙げられる。
前記アミン類(B)と、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)との混合比率としては、特に制限はないが、前記イソシアネート基含有プレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、前記アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3〜3/1であることが好ましく、1/2〜2/1であることがより好ましく、1/1.5〜1.5/1であることがさらに好ましい。
前記混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
−活性水素基含有化合物と反応可能な重合体−
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、及びこれらの誘導体樹脂等が挙げられる。これらの中で、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が好ましい。これらのプレポリマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記プレポリマーにおける活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸及び酸クロリド基等が挙げられ、イソシアネート基が好ましい。前記プレポリマーは、これらの基を1種有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
また、前記プレポリマーとしては、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基を含有するウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)が好ましい。
前記ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基等が挙げられる。
前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)におけるウレア結合生成基がイソシアネート基である場合、ポリエステル樹脂(RMPE)としては、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)等が好ましい。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの等が挙げられる。
前記ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、及びジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物等が挙げられる。これらのポリオールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中で、ジオール(DIO)単独、及びジオール(DIO)と少量の3価以上のポリオール(TO)との混合物が好ましい。
前記ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
前記アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のアルキレン基を有するものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。
前記アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
前記脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。
前記ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等が挙げられる。
前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。
これらの中で、炭素数2〜12のアルキレン基を有するアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレン基を有するアルキレングリコールとの混合物がより好ましい。
前記3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、3価以上の多価脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、及び3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
前記3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等が挙げられる。
前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノール体(本州化学工業社製のトリスフェノールPAなど)、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等が挙げられる。
前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
前記ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物におけるジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、及びジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中で、ジカルボン酸(DIC)単独、及びジカルボン酸(DIC)と少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸(DIC)としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
前記アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸及びセバシン酸等が挙げられる。
前記アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸及びフマール酸等が挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記3価以上のポリカルボン酸(TC)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸等が挙げられる。
前記芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、及びジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物から選択される酸無水物、及び低級アルキルエステルを用いることもできる。
前記低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等が挙げられる。
前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物におけるジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリオール(PO)と前記ポリカルボン酸(PC)とを重縮合反応させる際の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリオール(PO)における水酸基[OH]と、ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])が2/1〜1/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1であるのがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であるのがさらに好ましい。
前記ポリオール(PO)のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。前記含有量が0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの等が挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート及びテトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート及びシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート及びジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート及びトリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(PIC)と、前記活性水素基含有ポリエステル樹脂(例えば水酸基含有ポリエステル樹脂)とを反応させる際の混合比率としては、前記ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と前記水酸基含有ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、5/1〜1/1であるのが好ましく、4/1〜1.2/1でるのがより好ましく、3/1〜1.5/1であるのが特に好ましい。イソシアネート基[NCO]が5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)の1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、特に制限はないが、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい。前記イソシアネート基の平均数が、1未満であると、ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)の重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はないが、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、3,000〜40,000が好ましく、4,000〜30,000がより好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、3,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、40,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。即ち、まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mLの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μL注入して測定する。試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure
Chemical Co.製又は東洋ソーダ工業社製の、分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10及び4.48×10のものを用いることができ、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
前記結着樹脂としては、紙等の記録媒体に対し接着性を示し、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、を水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーを含むことが好ましい。
前記結着樹脂の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3,000以上が好ましく、5,000〜1,000,000がより好ましく、7,000〜500,000がさらに好ましい。前記重量平均分子量が、3,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30〜70℃が好ましく、40〜65℃がより好ましい。
前記ガラス転移温度(Tg)が30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。前記トナーでは、架橋反応、伸長反応したポリエステル樹脂が共存しているので、従来のポリエステル系トナーと比較してガラス転移温度が低くても良好な保存性を示す。
前記ガラス転移点(Tg)は、具体的に次のような手順で決定される。測定装置として熱分析装置(TA−60WS;島津製作所社製)及び示差走査熱量計(DSC−60;島津製作所社製)を用い、次に示す測定条件で測定する。
測定条件
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50mL/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
測定結果に対して、データ解析ソフト(TA−60、バージョン1.52;島津製作所社製)を用いて解析を行う。解析方法は、2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線の最も低温側に最大ピークを示す点を中心として±5℃の範囲を指定し、解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次にDSC曲線で前記ピーク温度+5℃、及び−5℃の範囲で解析ソフトのピーク解析機能を用いてDSC曲線の最大吸熱温度を求める。ここで示された温度がトナーのTgに相当する。
以下に、前記結着樹脂及び前記結着樹脂前駆体のより具体的な製造例について説明する。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリエステル系樹脂が特に好適である。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレア変性ポリエステル系樹脂と未変性ポリエステル樹脂が特に好適なものとして挙げられる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、活性水素基含有化合物としてのアミン類(B)と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としてのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)とを水系媒体中で反応させて得られる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂としては、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよい。この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。前記ウレア結合が、10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂及び前記未変性ポリエステル樹脂の好ましい具体例としては、以下のものが挙げられる。
(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物。
(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物。
(3)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物。
(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物。
(5)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーを、ヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物。
(6)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物。
(7)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをエチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物。
(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物。
(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸/ドデセニルコハク酸無水物の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物。
(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂の生成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記トナー材料の溶解乃至分散液を、前記活性水素基含有化合物(例えば、アミン類(B))と共に、前記水系媒体中に乳化乃至分散させ、油滴を形成し、前記水系媒体中で両者を伸長反応乃至架橋反応させる方法。
(2)前記トナー材料の溶解乃至分散液を、予め前記活性水素基含有化合物を添加した前記水系媒体中に乳化乃至分散させ、油滴を形成し、前記水系媒体中で両者を伸長反応乃至架橋反応させる方法。
(3)前記トナー材料の溶解乃至分散液を、前記水系媒体中に添加混合させた後で、前記活性水素基含有化合物を添加し、油滴を形成し、前記水系媒体中で粒子界面から両者を伸長反応乃至架橋反応させる方法。
なお、(3)の場合、生成するトナー粒子表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、前記トナー粒子に濃度勾配を設けることが可能となる。
前記乳化乃至分散により結着樹脂を生成させるための反応条件としては、特に制限はなく、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と活性水素基含有化合物との組み合わせに応じて適宜選択することができる。なお、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
前記水系媒体中において、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む分散体を安定に形成する方法としては、例えば、前記水系媒体中に、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤及び前記未変性ポリエステル樹脂等のトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散させて調製したトナー材料の溶解乃至分散液を添加し、せん断力により分散させる方法等が挙げられる。
前記乳化乃至分散において、前記水系媒体の使用量としては、前記トナー材料100質量部に対し、50〜2,000質量部が好ましく、100〜1,000質量部がより好ましい。水系媒体の使用量が50質量部未満であると、トナー材料の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料及び金属石鹸等が挙げられる。
−−着色剤−−
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができる。着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華及びリトボン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤のトナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記着色剤の含有量が1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤としては、樹脂複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン及びパラフィンワックス等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン及びポリビニルトルエン等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレンービニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体及びスチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
前記マスターバッチとしては、マスターバッチ用の前記樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練して製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。
また、いわゆるフラッシング法も前記着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶媒成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。前記着色剤は2つの樹脂に対する親和性の差を利用することで、第一の樹脂相、第二の樹脂相いずれにも任意に含有させることができる。前記着色剤はトナー表面に存在した際にトナーの帯電性能を悪化させることが良く知られている。そのため内層に存在する第一の樹脂相に選択的に着色剤を含有させることで、トナーの帯電性能(環境安定性、電荷保持能、帯電量等)を向上させることができる。
−−離型剤−−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が50〜120℃の低融点の離型剤が好ましい。低融点の離型剤は、前記樹脂と分散されることにより、前記離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好である。
前記離型剤としては、例えば、ロウ類及びワックス類等が好適に使用される。
ロウ類及びワックス類としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等を用いてもよい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜120℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。融点が、50℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、120℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1,000mPa・s(5〜1,000cps)が好ましく、10〜100mPa・s(10〜100cps)がより好ましい。前記溶融粘度が、5mPa・s(5cps)未満であると、離型性が低下することがあり、1,000mPa・s(1,000cps)を超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
前記離型剤は、2つの樹脂に対する親和性の差を利用することで、第一の樹脂相、第二の樹脂相いずれにも任意に含有させることができる。前記トナー外層に存在する第二の樹脂相に選択的に含有させると、前記離型剤の染み出しが定着時の短い加熱時間でも充分生じるため、充分な離型性を得ることができる。また、前記離型剤を内層に存在する第一の樹脂相に選択的に含有させることで、感光体、キャリア等の他の部材への離型剤のスペントを抑制させることができる。
−−帯電制御剤−−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記帯電制御剤としては、市販品を使用してもよく、この市販品としては、例えば、電子供与性の官能基を持つ樹脂又は化合物、アゾ染料及び有機酸の金属錯体等が挙げられる。具体的には、例えば、ニグロシン系染料であるボントロン03、第四級アンモニウム塩であるボントロンP−51、含金属アゾ染料であるボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体であるE−82、サリチル酸系金属錯体であるE−84、フェノール系縮合物であるE−89(以上、オリエント化学工業社製)、サリチル酸系金属錯体であるTN−105、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体であるTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩であるコピーチャージPSY
VP2038、トリフェニルメタン誘導体であるコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩であるコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(以上、日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物等が挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記トナー粒子本体中の樹脂に対する親和性の差を利用することで、前記トナー粒子本体中の樹脂相に任意に含有させることができる。帯電制御剤を内層に存在するトナー粒子本体中の樹脂相に選択的に含有させると、感光体、キャリア等の他の部材への帯電制御剤のスペントを抑制させることができる。
−−無機微粒子−−
前記無機微粒子は、前記トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として使用する。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素及び窒化ケイ素等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記トナーの流動性や現像性、帯電性を補助するための無機微粒子として、80〜500nmの一次平均粒径を有する大粒径の無機微粒子の他に、小粒径の無機微粒子を好ましく用いることができる。
前記小粒径の無機微粒子としては、疎水性シリカ及びまたは疎水性酸化チタンが好ましい。前記小粒径の無機微粒子の一次平均粒径としては、5〜50nmが好ましく、10〜30nmがより好ましい。
前記無機微粒子のBET法による比表面積としては、特に制限はないが、20〜500m/gが好ましい。
前記無機微粒子の配合量は、トナー中0.01〜5質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
−−流動性向上剤−−
前記流動性向上剤は、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止する機能を有する。流動性向上剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル及び変性シリコーンオイル等が挙げられる。
前記無機微粒子におけるシリカ及び酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理を行い、疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンとして使用するのが好ましい。
−−クリーニング性向上剤−−
前記クリーニング性向上剤は、感光体及び一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加される。
前記クリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ソープフリー乳化重合により製造された、ポリメチルメタクリレート微粒子及びポリスチレン微粒子等のポリマー微粒子等が挙げられる。
前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
−−磁性材料−−
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト及びフェライト等が挙げられる。磁性材料としては、色調の点で白色のものが好ましい。
<乳化乃至分散液調製工程B>
前記乳化乃至分散液調製工程Bは、前記溶解乃至分散液を水系媒体中に添加し、乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製する工程である。
前記トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中で乳化乃至分散させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記溶解乃至分散液を水系媒体中で攪拌しながら分散させることが好ましい。
前記溶解乃至分散液を分散させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができる。分散機としては、特に制限はなく、例えば、低速せん断式分散機及び高速せん断式分散機等を用いることができる。
前記乳化乃至分散の際、前記活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)とを伸長反応乃至架橋反応させると、接着性基材(結着樹脂)が生成する。
−水系媒体−
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶媒、及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの中で、水が好ましい。
前記水と混和可能な溶媒としては、水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール類、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類及び低級ケトン類等が挙げられる。
前記アルコール類としては、例えば、メタノール、イソプロパノール及びエチレングリコール等が挙げられる。
前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン及びメチルエチルケトン等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
乳化乃至分散液調製工程Bにおいて用いる水系媒体は、アニオン性樹脂微粒子とアニオン性界面活性剤とを含むことが好ましい。
このような水系媒体の調製は、例えば、アニオン性界面活性剤の存在下でアニオン性樹脂微粒子を水系媒体に分散させることにより行うことが好ましい。
前記アニオン性界面活性剤及び前記アニオン性樹脂微粒子の水系媒体に対する添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水系媒体100質量部に対し、それぞれ0.5〜10質量部が好ましい。
−−アニオン性樹脂微粒子−−
前記アニオン性樹脂微粒子は、トナー表面に付着して融着、融合し、比較的硬い表面を形成する。また、前記アニオン性樹脂微粒子は、アニオン性を有するため、トナー材料を含む液滴に吸着し、液滴同士の合一を抑える効果があり、トナーの粒度分布を制御するのに重要である。さらに前記トナーの負帯電性を与えることもできる。これらの効果を発揮するために、アニオン性樹脂微粒子の粒子径は、平均粒子径として5〜50nmであることが好ましく、10〜25nmがより好ましい。
前記平均粒子径には、アニオン性樹脂微粒子の一次粒子の平均粒子径が相当し、この一次粒子の平均粒子径は、SEM(走査型電子顕微鏡)、TEM(透過型電子顕微鏡)及び光散乱法などによって測定することができる。例えば、測定試料を測定レンジに入るように適切な濃度に希釈し、レーザ散乱測定法により、粒度分布測定装置(LA−920;堀場製作所社製)を用いて測定することができる。前記一次粒子の平均粒子径は、体積平均粒径として求められる。
前記アニオン性樹脂微粒子用の樹脂としては、前記水系媒体中で水性分散液を形成し得る樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂及びポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中で、微細な球状の樹脂微粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂及びポリエステル樹脂が好ましく、これらから選択される少なくとも1種でアニオン性樹脂微粒子を形成することが好ましい。
なお、前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
前記アニオン性樹脂微粒子は、アニオン性であることが必要である。先に示したアニオン性界面活性剤とともに用いた際に凝集させないためである。
前記アニオン性樹脂微粒子は、後述する製造法で、アニオン活性剤を用いたり、樹脂中にカルボン酸基及びスルホン酸基等のアニオン性基を導入することによって作製することができる。
前記アニオン性樹脂微粒子の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の重合法により重合させる方法、樹脂微粒子の水性分散液として得る方法が挙げられる。これらの中で、樹脂微粒子の水性分散液として得る方法が好ましい。
前記樹脂微粒子の水性分散液の調製方法としては、例えば以下の方法が好ましい。
(1)ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法及びシード重合法及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子Aの水性分散液を製造する方法。
(2)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶媒溶液を適当な分散剤の存在下、水系媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子Aの水性分散液を製造する方法。
(3)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶媒溶液(液体であることが好ましく、加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合及び縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤の存在下、水中に分散させる方法。
(5)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合及び縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、該樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させる方法。
(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合及び縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液に貧溶媒を添加するか、又は予め溶媒に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次に溶媒を除去して樹脂微粒子を得た後、樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法。
(7)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合及び縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水系媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶媒を除去する方法。
(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合及び縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
−−アニオン性界面活性剤−−
前記アニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩及びリン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤が好ましい。フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記平均粒子径5〜50nmのアニオン性樹脂微粒子と、前記アニオン性界面活性剤とを含む水系媒体を用いて得られるトナーにおいては、前記着色剤及び前記結着樹脂を中心としたトナー材料を核としたトナー粒子本体の表面に、前記アニオン性樹脂微粒子が付着する。
なお、前記トナーの平均粒子径は、乳化乃至分散液調製工程Bにおける水系媒体の攪拌等の乳化乃至分散条件により調整される。
前記トナーの体積平均粒径として測定される平均粒子径としては、特に制限はないが、1〜6μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。前記体積平均粒径が1μm未満であると、一次転写及び二次転写においてトナーチリが発生しやすく、6μmを超えると、ドット再現性が不十分になり、ハーフトーン部分の粒状性も悪化して高精細な画像が得られなくなることがある。
前記水系媒体には、前記アニオン性界面活性剤、前記アニオン性樹脂微粒子に加えて、無機化合物分散剤及び高分子系保護コロイドを併用することができる。難水溶性の無機化合物に対する分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ及びヒドロキシアパタイト等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、特に制限はなく、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールのエーテル化合物、ビニルアルコールとカルボキシル基とを含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系化合物及びセルロース類等が挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸及び無水マレイン酸等が挙げられる。
前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド及びN−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。
前記ビニルアルコール又はビニルアルコールのエーテル化合物としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル及びビニルプロピルエーテル等が挙げられる。
前記ビニルアルコールとカルボキシル基とを含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及び酪酸ビニル等が挙げられる。
前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、及びこれらのメチロール化合物等が挙げられる。
前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド及びメタクリル酸クロライド等が挙げられる。
前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール及びエチレンイミン等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン系化合物としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル及びポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。
前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
酸やアルカリに溶解可能な、リン酸カルシウム塩等の分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
<有機溶媒除去工程C>
前記有機溶媒除去工程Cは、前記乳化乃至分散液(乳化スラリー)から前記有機溶媒を除去する工程である。
前記有機溶媒を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法等が挙げられる。
前記有機溶媒の除去が行われるとトナー粒子が形成される。形成されたトナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行い、さらにその後、所望により分級等を行う。この分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター及び遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行う。なお、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
このようにして得られたトナー粒子を、着色剤、離型剤及び帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、さらに機械的衝撃力を印加したりすることにより、トナー粒子の表面から離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法等が挙げられる。
この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)及び自動乳鉢等が挙げられる。
<トナー特性>
前記各工程により製造されるトナーは、以下のトナー特性を有する。
前記トナーの平均円形度としては、0.950〜0.990であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。トナーの平均円形度が、0.950未満であると、現像時の画像均一性が悪化したり、電子写真感光体から中間転写体もしくは中間転写体から記録媒体へのトナー転写効率が低下し均一転写が得られなくなることがある。トナーの平均円形度が、0.990を超えると、トナーがクリーニングブレードを擦り抜け、クリーニング不良が起こる恐れがある。また、前記トナーは、水系媒体中で乳化処理をして製造されるものであり、このような製造方法は、特にカラートナーにおける小粒径化、及び前記平均円形度を有する形状を得るために効果的である。
前記トナーの平均円形度は、平均円形度X=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%で定義される。前記平均円形度は、以下の方法で測定することができる。即ち、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2100;シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100
Data Processing Program For FPIA、Version00−10)を用いて行うことができる。
具体的には、ガラス製の100mLビーカーに10質量%界面活性剤[アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオゲンSC−A;第一工業製薬社製)]を0.1〜0.5mL添加し、各トナー0.1〜0.5g添加し、ミクロスパーテルで攪拌し、次いでイオン交換水80mlを添加する。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理する。前記分散液の濃度が5,000〜15,000個/μLとなるまで調整し、前記FPIA−2100を用いてトナーの形状及び分布を測定する。
この測定法では、平均円形度の測定再現性の点から、前記分散液濃度を5,000〜15,000個/μLにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために、前記分散液の調整条件である、添加する界面活性剤量、及びトナー量を変更する必要がある。前記界面活性剤は、前記トナーの疎水性の程度により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分にぬらすことができないため、分散が不十分となる。また、前記トナーの添加量は、トナー粒径により異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要がある。前記トナー粒径が、3〜7μmの場合、トナーの添加量を0.1〜0.5gとすることにより、前記分散液濃度を5,000〜15,000個/μLに合わせることが可能となる。
前記トナーの帯電量としては、トナー濃度7質量%でキャリア粒子とトナーとを、15秒間及び600秒間攪拌混合したときに得られる帯電量Qの絶対値が、10〜80μC/gであることが好ましい。前記帯電量Qの絶対値が、10μC/g未満であると、磁性キャリアとの吸着力が低く、低い現像電界でも現像されるトナー量が多くなるため、階調性のある高品位な画像が得られないことがある。また、逆帯電のトナー量が多くなり、白地背景部に現像されるトナー量が多く地かぶり等により画像品質が低下することがある。前記帯電量Qの絶対値が、80μC/gを超えると、磁性キャリアとの吸着力が大きくなり、現像されるトナー量が少なく画像濃度が低下するおそれがある。
前記トナーの帯電量は、Vブローオフ装置(リコー創造開発社製)を用いて測定することができる。前記トナー及びキャリアを、トナー濃度7質量%の現像剤として、温度40℃、湿度70%の環境下に2時間放置した後、前記現像剤を金属ゲージに入れ、回転数285rpmの攪拌装置で60秒又は600秒攪拌混合した6gの初期剤から、1gの現像剤を計量し、Vブローオフ装置(リコー創造開発社製)を用いてシングルモード法によるトナーの帯電量分布を測定する。ブロー時、目開き635メッシュを用いる。前記シングルモード法とは、Vブローオフ装置(リコー創造開発社製)を用い、装置マニュアルに従い、シングルモードを選び、高さ5mm、吸い込み100、2回ブローの測定条件で測定する方法である。
前記トナーにおける体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.25以下が好ましく、1.05〜1.25がより好ましい。前記(Dv/Dn)が、1.05未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力の低下や、クリーニング性の悪化につながり易い。一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがある。また、前記(Dv/Dn)が1.25を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。また、トナーの帯電量分布も広くなるために高品位な画像を得るのが困難になる。
一方、前記(Dv/Dn)を1.25以下とすることで、帯電量分布が均一になり、地肌かぶりを少なくすることができる。また、前記(Dv/Dn)1.05〜1.25であると、保存安定性、低温定着性、及び耐ホットオフセット性のいずれにも優れたトナーとなりやすい。特に、フルカラー複写機に使用した場合に画像の光沢性に優れる。二成分現像剤では長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の攪拌においても良好で安定した現像性が得られ、一成分現像剤ではトナーの収支が行われてもトナーの粒子径の変動が少なくなるとともに、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するブレード等への部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期使用(攪拌)においても良好で安定した現像性が得られ、高画質の画像を得ることが可能となる。
前記トナーの体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)は、以下の方法で測定することができる。即ち、粒度測定器(マルチサイザーIII;ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Multisizer
3、Version3.51)にて測定することができる。
具体的には、ガラス製100mLビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬社製)を0.5mL添加し、トナー0.5g添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加する。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II;本多電子社製)で10分間分散処理する。前記分散液を、前記マルチサイザーIIIを用いて、測定用溶液(アイソトンIII;ベックマンコールター社製)を用いて測定を行う。測定は装置が示す濃度が8±2質量%となるように前記トナーサンプル分散液を滴下して行う。本測定法は、トナー粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2質量%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
本発明のトナーのBET比表面積は、0.5〜4.0m/gであることが好ましく、0.5〜2.0m/gであることがより好ましい。BET比表面積が、0.5m/g未満であると、トナー表面全体を密に覆う状態となり、前記樹脂微粒子がトナー内部の結着樹脂成分と定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られる。また、樹脂微粒子がワックスの染み出しを阻害し、ワックスの離型性効果が得られず、オフセットの発生がおこることがある。また、BET比表面積が、4.0m/gを超えると、トナー表面上に残存する有機微粒子が凸部として大きく突出したり、粗状態の多重層として樹脂微粒子が残存し、樹脂微粒子がトナー内部の結着樹脂成分と定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られる。また、樹脂微粒子がワックスの染み出しを阻害し、ワックスの離型性効果が得られず、オフセットの発生が見られることがある。また、添加剤が浮出し、表面の凹凸により画質に影響が現れやすくなる。
本発明のトナーの体積固有抵抗ρ(Ωcm)の常用対数値Logρとしては、10.9〜11.4(LogΩcm)が好ましい。この常用対数値Logρが、10.9LogΩcm未満であると、導電性が高くなり、これにより帯電不良が生じ、地汚れやトナー飛散等が増加する傾向が見られることがあり、11.4LogΩcmを超えると、抵抗が高くなるため帯電量が上昇し、画像濃度が低下することがある。
図1に本発明のトナー構造の概略を示す。図1に示すように、トナー100は、トナー材料を核としたトナー母体粒子(トナー粒子本体)101と、着色トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助する外添剤102とからなり、外添剤102は、トナー母体粒子101の最表面に付着したりしている。なお、前記トナーの構造としては、図1に記載の構造に限定されず、例えば、異形化剤を使用してトナーの構造を異形化するようにしてもよい。
<現像剤>
現像剤は、前記トナーを有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、キャリア成分をさらに有してもよく、現像剤としては、例えば、前記トナーからなる一成分現像剤、前記トナー及びキャリアからなる二成分現像剤等が挙げられる。
近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタなどには、寿命向上等の点で、二成分現像剤を用いることが好ましい。このような現像剤は、磁性一成分現像法、非磁性一成分現像法及び二成分現像法などの公知の各種電子写真法に用いることができる。前記現像剤を一成分現像剤として用いると、トナーの収支が行われても、トナーの粒径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着を抑制することができ、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性が得られる。また、前記現像剤を二成分現像剤として用いると、長期に亘るトナーの収支が行われても、トナーの粒径の変動が少なく、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記トナーをキャリアと共に用いて二成分現像剤とする場合、前記キャリアの重量平均粒径としては、特に制限はないが、15〜40μmであることが好ましい。
前記重量平均粒径が15μm未満であると、転写工程においてキャリアも一緒に転写されてしまうキャリア付着が起こりやすくなり、40μmを超えると、キャリア付着は起こりにくいものの、高画像濃度を得るためにトナー濃度を高くした場合、地汚れが発生しやすくなるおそれがある。また、潜像のドット径が小さい場合、ドット再現性のバラツキが大きくなり、ハイライト部の粒状性が悪くなるおそれもある。
前記二成分現像剤中のキャリアの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記二成分現像剤中90〜98質量%であることが好ましく、93〜97質量%がより好ましい。前記キャリアの含有量が93〜97質量%であると、現像安定性の点で有利である。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、この芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
芯材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁化の強さが50〜90A・m/kgのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料及びマンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、画像濃度の確保の点では、芯材の材料として、鉄粉(100A・m/kg以上)及びマグネタイト(75〜120A・m/kg)等の高磁化材料が好ましい。穂立ち状態となっている感光体へのトナーの当りを弱くすることができ、高画質化に有利である点では、芯材の材料として、銅−亜鉛(Cu−Zn)系(30〜80A・m/kg)等の弱磁化材料が好ましい。
前記芯材の体積平均粒径(D50)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜150μmが好ましく、20〜80μmがより好ましい。
前記D50が10μm未満であると、キャリアの粒径分布において、微粉が多くなるため、1粒子当たりの磁化が低下して、キャリアの飛散が生じることがあり、150μmを超えると、キャリアの比表面積が低下して、トナーの飛散が生じることがある。その結果、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現性が低下することがある。
前記芯材の体積平均粒径(D50)が20〜80μmであると、現像安定性の点で有利である。
前記芯材を被覆する前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体の共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体のターポリマー等のフルオロターポリマー及びシリコーン樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレア−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ウレア樹脂、ポリアミド樹脂及びエポキシ樹脂等が挙げられる。
前記ポリビニル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びポリビニルブチラール等が挙げられる。
前記ポリスチレン系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン及びスチレン−アクリル共重合体等が挙げられる。
前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
前記樹脂層は、必要に応じて、導電粉等を含有してもよい。導電粉の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ及び酸化亜鉛等が挙げられる。
前記導電粉の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以下が好ましい。前記平均粒径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、シリコーン樹脂等を溶媒に溶解させて塗布液を調製した後、公知の塗布方法により、芯材の表面に塗布液を塗布して、乾燥及び焼付を行うことにより形成することができる。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬法、スプレー法及びハケ塗り法等が挙げられる。
また、前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びセルソルブチルアセテート等が挙げられる。
さらに、前記焼付の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、外部加熱方式及び内部加熱方式のいずれであってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉及びマイクロ波を用いる方法等が挙げられる。
前記キャリア中の前記樹脂層の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01〜5.0質量%が好ましい。樹脂層の含有量が0.01質量%未満であると、芯材の表面に均一な樹脂層を形成できないことがあり、5.0質量%を超えると、樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の合体造粒が発生して、均一なキャリアが得られないことがある。
前記キャリアの特性は、以下の方法により測定することができる。
<重量平均粒径>
前記キャリアの重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。この場合の重量平均粒径Dwは、下記式(1)で表わされる。
Dw={1/Σ(nD)}×{Σ(nD)}・・・(1)
式(1)中、Dは、各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示す。なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を等分に分割するための長さを示すもので、本発明においては2μmを採用した。また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子の粒径の下限値を採用した。
また、前記キャリア及びキャリアの芯材粒子における個数平均粒径Dpは、個数基準で測定された粒子の粒径分布に基づいて算出されたものである。この場合の個数平均粒径Dpは、下記式(2)で表わされる。
Dp=(1/ΣN)×(ΣnD)・・・(2)
式(2)中、Nは、計測した全粒子数を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示し、Dは、各チャネル(2μm)に保存する粒子の粒径の下限値を示す。
粒径分布を測定するための粒度分析計としては、マイクロトラック粒度分析計(モデルHRA9320−X100;Honewell社製)を用いることができる。その測定条件は以下のとおりである。
[1]粒径範囲:8〜100μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、電子写真感光体を帯電させる帯電工程と、帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像を形成された電子写真感光体上に本発明のトナーを用いて現像しトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を中間転写体上に一次転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録媒体上に二次転写する二次転写工程と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により前記記録媒体上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング工程とを含む。
前記画像形成方法の適用には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、フルカラー画像の画像形成方法として好適である。
前記二次転写工程におけるトナー像の記録媒体への転写の線速度、いわゆる印字速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、300〜1,000mm/secが好ましく、前記二次転写工程における転写時間は、0.5〜20msecであることが好ましい。なお、前記転写時間は、二次転写に用いられる転写ローラのニップ部における転写時間である。
前記画像形成方法による画像形成には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1回の画像形成に対し、前記帯電工程、露光工程、現像工程、一次転写工程、二次転写工程、定着工程及びクリーニング工程を含む画像形成工程をタンデム方式で複数同時に行うことが好ましい。
前記タンデム方式においては、前記電子写真感光体を複数個配備して、各々の回転時に1色ずつ現像する。
前記タンデム方式による画像形成工程は、前記帯電工程及び前記露光工程と、前記現像工程及び前記転写工程とが各色毎に行なわれて各色のトナー像が形成されるため、単色の画像形成速度とフルカラーの画像形成速度との差が小さく、高速印字に対応できる利点を有している。
一般にタンデム方式の画像形成方法においては、各色のトナー像を別々の電子写真感光体に形成し、各色トナー層の積層(色重ね)を行うことによりフルカラー画像を形成するため、各色のトナー粒子間での帯電性等が異なるなど、特性にばらつきがあると各色のトナー粒子による現像トナー量に差が生じ、色重ねによる二次色の色相の変化が大きくなり、色再現性が低下することがある。各色のバランスを制御するための現像トナー量を安定化すること(各色のトナー粒子間でばらつきがないこと)、各色のトナー粒子間で電子写真感光体及び記録媒体に対する付着性が均一であることが必要である。
この点に関し、本発明の前記トナーを現像工程に用いる前記画像形成方法によると、帯電特性が均一で、各色のトナー粒子間でばらつきがなく、各色のトナー粒子間で電子写真感光体及び記録媒体に対する付着性が均一であることから、タンデム方式の画像形成方法の前記利点を充分に発揮させることができる。
前記帯電工程においては、特に制限はないが、少なくとも交番電圧を重畳した直流電圧を印加するのが好ましい。前記交番電圧を重畳した直流電圧を印加することにより、直流電圧のみを印加する場合に比べて前記電子写真感光体の表面電圧を所望の値に安定化させることができるため、より均一帯電させることが可能となる。
また、前記帯電工程においては、特に制限はないが、前記電子写真感光体に帯電部材を接触させ、該帯電部材に電圧を印加することによって帯電を行うのが好ましい。前記電子写真感光体に帯電部材を接触させ、前記帯電部材に電圧を印加して帯電を行うことによって、前記交番電圧を重畳した直流電圧を印加することで得られる均一帯電性の効果をより一層向上させることが可能となる。
前記定着工程としては、特に制限はないが、磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱される加熱ローラと、この加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、前記加熱ローラと前記定着ローラとに張り渡され、前記加熱ローラにより加熱されるとともに、前記加熱ローラ及び前記定着ローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体としての加熱ベルトと、前記加熱ベルトを介して前記定着ローラに圧接されるとともに、前記加熱ベルトに対して順方向に回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着手段により行われることが好ましい。前記定着工程によると、前記定着ベルトの温度が短時間で上昇し、かつ安定した温度制御が可能となる。また、表面の粗い記録媒体を使用した場合にも、定着時にある程度転写紙の表面に応じた状態で前記定着ベルトが作用するため、十分な定着性が得られるようになる。
前記定着手段としては、特に制限はないが、オイルレス乃至オイルを微量塗布するタイプの定着手段であることが好ましい。これを達成するために、離型剤(ワックス)を含有し、この離型剤が前記トナー粒子中に微分散されているトナーを定着することが好ましい。前記離型剤がトナー粒子中に微量分散されているトナーにより、定着時に離型剤が浸み出しやすく、オイルレス定着装置を用いる場合、又は微量オイル塗布定着装置でオイル塗布効果が少なくなってきた場合においても、前記トナーのベルト側への転移を抑制することができる。
前記離型剤がトナー粒子中に分散した状態で存在するためには、前記離型剤と前記結着樹脂とは相溶しないことが好ましい。また、前記離型剤がトナー粒子中に微分散するためには、例えばトナー製造時の混練の剪断力を利用する方法がある。前記離型剤の分散状態は、トナー粒子の薄膜切片をTEMで観察することにより判断できる。前記離型剤の分散径としては、特に制限はなく、小さい方が好ましいが、小さすぎると定着時の染み出しが不十分な場合がある。従って、倍率1万倍で離型剤が確認できれば、離型剤が分散した状態で存在していると判断する。1万倍で離型剤が確認できない大きさでは、微分散していたとしても、定着時の染み出しが不十分な場合がある。
前記画像形成方法における各工程を、各工程を実施する手段とともに図面を参照しながら、より詳細に説明する。
前記帯電工程に用いられる帯電装置としては、例えば図2に示すローラ式帯電装置及び図3に示すファーブラシ式帯電装置等の接触式の帯電装置を用いることができる。
図2は、接触式帯電装置の一種であるローラ式帯電装置110の一例を示す概略構成図である。被帯電体である像担持体としての感光体3は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体3に接触させた帯電部材である帯電ローラ111は芯金112とこの芯金112の外周に同心一体にローラ上に形成した導電ゴム層113を基本構成とし、芯金の両端を不図示の軸受け部材などで回転自由に保持させるとともに、不図示の加圧手段によって感光体3に所定の加圧力で押圧させており、本図の場合はこの帯電ローラ111は感光体3の回転駆動に従動して回転する。帯電ローラ111は、直径9mmの芯金上に100,000Ω・cm程度の中抵抗の導電ゴム層113を被膜して直径16mmに形成されている。帯電ローラ111の芯金112と図示の電源114とは電気的に接続されており、電源114により帯電ローラ111に対して所定のバイアスが印加される。これにより感光体3の周面が所定の極性、電位に一様に帯電処理される。
前記帯電装置の形状としては、ローラ式帯電装置の他にも、磁気ブラシ式及びファーブラシ式等の形態をとってもよく、画像形成装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシ式帯電装置を用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。
図3は、接触式のブラシ式帯電装置120の一例を示す概略構成図である。ファーブラシ式帯電装置を用いる場合、例えばファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属、及び金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりする。
図3に示す接触式のブラシ式帯電装置120では、被帯電体としての像担持体としての感光体3は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体3に対して、芯金122とブラシ部123によって構成されるファーブラシローラ121が、ブラシ部123の弾性に抗して所定の押圧力をもって所定のニップ幅で接触させてある。
接触式帯電装置としてのファーブラシローラ121は、電極を兼ねる直径6mmの金属製の芯金122に、ブラシ部123として導電性レーヨン繊維(REC−B;ユニチカ社製)をパイル地にしたテープをスパイラル状に巻き付けて、外径14mm、長手方向長さ250mmのロールブラシとしたものである。ブラシ部123のブラシは300デニール/50フィラメント、1平方ミリメートル当たり155本の密度である。このロールブラシを内径が12mmのパイプ内に一方向に回転させながらさし込み、ブラシと、パイプが同心となるように設定し、高温多湿雰囲気中に放置してクセ付けで斜毛させる。
ファーブラシローラ121の抵抗値は、印加電圧100Vにおいて1×10Ωである。この抵抗値は、金属製の直径φ30mmのドラムにファーブラシローラをニップ幅3mmで当接させ、100Vの電圧を印加したときに流れる電流から換算する。このブラシ式帯電装置120の抵抗値は、被帯電体である感光体3上にピンホール等の低耐圧欠陥部が生じた場合にもこの部分に過大なリーク電流が流れ込んで帯電ニップ部が帯電不良になる画像不良を防止するために10Ω以上必要であり、感光体3表面に十分に電荷を注入させるために10Ω以下である必要がある。
ブラシの材質としては、ユニチカ社製のREC−B以外にも、REC−C、REC−M1、REC−M10、さらに東レ社製のSA−7、日本蚕毛社製のサンダーロン、カネボウ社製のベルトロン、クラレ社製のクラカーボ、レーヨンにカーボンを分散したもの、三菱レイヨン社製のローバル等が挙げられる。ブラシは一本が3〜10デニールで、10〜100フィラメント/束、80〜600本/mmの密度が好ましい。毛足は1〜10mmが好ましい。
このファーブラシローラ121は感光体3の回転方向と逆方向(カウンター)に所定の周速度(表面の速度)をもって回転駆動され、感光体面に対して速度差を持って接触する。そしてこのブラシローラ121に電源124から所定の帯電電圧が印加されることで、回転感光体面が所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
ファーブラシローラ121による感光体3の接触帯電は直接注入帯電が支配的となって行なわれ、回転感光体表面はファーブラシローラ511に対する印加帯電電圧とほぼ等しい電位に帯電される。
帯電部材の形状としてはファーブラシローラ121の他にも、帯電ローラ、ファーブラシなど、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。帯電ローラを用いる場合、芯金上に100,000Ω・cm程度の中抵抗ゴム層を被膜して用いるのが一般的である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。
図4は、磁気ブラシ式帯電装置の一例を示す概略構成図である。被帯電体、像担持体としての感光体3は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体3に対して、磁気ブラシによって構成されるブラシローラ131が、ブラシ部133の弾性に抗して所定の押圧力をもって所定のニップ幅で接触させてある。
接触帯電部材としての磁気ブラシとしては、例えば、平均粒径25μmのZn−Cuフェライト粒子と、平均粒径10μmのZn−Cuフェライト粒子とを、質量比1:0.05で混合して、それぞれの平均粒径の位置にピークを有する、平均粒径25μmのフェライト粒子を、中抵抗樹脂層でコートした磁性粒子を用いる。
前記接触帯電部材は、例えば、前記被覆磁性粒子、及びこれを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成され、前記被覆磁性粒子をスリーブ上に、厚さ1mmでコートして、感光体との間に幅約5mmの帯電ニップを形成する。また、前記磁性粒子保持スリーブと感光体との間隙は、約500μmとすることができる。さらに、マグネットロールは、例えば、スリーブ表面が、感光体表面の周速に対して、その2倍の速さで逆方向に摺擦するように、回転され、感光体と磁気ブラシとが均一に接触するようにする。
図5は、現像装置の一例を示す概略構成図である。前記現像工程において、感光体3の潜像を現像するに際しては、交互電界を印加することが好ましい。図5に示す現像装置40おいて、現像時、現像スリーブ41には、電源46により現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。背景部電位と画像部電位は、前記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。
これによって現像領域47に向きが交互に変化する交互電界が形成される。この交互電界中で現像剤のトナーとキャリアが激しく振動し、トナー100が現像スリーブ41及びキャリアへの静電的拘束力を振り切って感光体3に飛翔し、感光体3の潜像に対応して付着する。なお、トナー100は、本発明のトナーである。
振動バイアス電圧の最大値と最小値の差(ピーク間電圧)は、0.5〜5kVが好ましく、周波数は1〜10kHzが好ましい。振動バイアス電圧の波形としては、矩形波、サイン波及び三角波等が使用できる。振動バイアスの直流電圧成分は、前述したように背景部電位と画像部電位の間の値であるが、画像部電位よりも背景部電位に近い値である方が、背景部電位領域へのかぶりトナーの付着を防止する上で好ましい。
振動バイアス電圧の波形が矩形波の場合、デューティ比を50%以下とすることが好ましい。ここでデューティ比とは、振動バイアスの1周期中でトナー100が感光体3に向かおうとする時間の割合である。このようにすることにより、トナー100が感光体3に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を大きくすることができるので、トナー100の運動がさらに活発化し、トナー100が潜像面の電位分布に忠実に付着してざらつき感や解像力を向上させることができる。またトナー100とは逆極性の電荷を有するキャリアが感光体に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を小さくすることができるので、キャリアの運動を沈静化し、潜像の背景部にキャリアが付着する確率を大幅に低減することができる。
前記定着工程においては、例えば、図6に示す定着装置を用いることができる。図6に示す定着装置70は、誘導加熱手段760の電磁誘導により加熱される加熱ローラ710と、加熱ローラ710と平行に配置された定着ローラ720(対向回転体)と、加熱ローラ710と定着ローラ720とに張り渡され、加熱ローラ710により加熱されるとともに少なくともこれらのいずれかのローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の定着ベルト730(耐熱性ベルト、トナー加熱媒体)と、定着ベルト730を介して定着ローラ720に圧接されるとともに定着ベルト730に対して順方向に回転する加圧ローラ740(加圧回転体)とから構成されている。
加熱ローラ710は例えば鉄、コバルト、ニッケルまたはこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材からなり、外径を例えば20〜40mm、肉厚を例えば0.3〜1.0mmとして、低熱容量で昇温の早い構成となっている。
定着ローラ720(対向回転体)は、例えばステンレススチール等の金属製の芯金721と、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして芯金721を被覆した弾性部材722とからなる。そして、加圧ローラ740からの押圧力でこの加圧ローラ740と定着ローラ720との間に所定幅の接触部を形成するために外形を20〜40mm程度として加熱ローラ710より大きくしている。弾性部材722は、その肉厚を4〜6mm程度としている。この構成により、加熱ローラ710の熱容量は定着ローラ720の熱容量より小さくなるので、加熱ローラ710が急激に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。
加熱ローラ710と定着ローラ720とに張り渡された定着ベルト730は、誘導加熱手段760により加熱される加熱ローラ710との接触部位W1で加熱される。そして、加熱ローラ710と定着ローラ720の回転によって定着ベルト730の内面が連続的に加熱され、結果としてベルト全体に渡って加熱される。
図7は、定着ベルト730の層構成の一例を示す図である。ベルト730の構成は、内層から表層に向かって下記4層であり、以下のようにすることができる。
・基体731:ポリイミド(PI)樹脂等の樹脂層
・発熱層732:Ni、Ag、SUS等の導電材料層
・中間層733:均一定着のための弾性層
・離型層734:離型効果とオイルレス化のためのフッ素樹脂材料等の樹脂層
離型層734の厚さとしては、10〜300μmが好ましく、200μm程度が特に好ましい。このようにすれば、図6に示すような定着装置70において、記録媒体770上に形成されたトナー像Tを定着ベルト730の表層部が十分に包み込むため、トナー像Tを均一に加熱溶融することが可能になる。離型層734の厚さ、即ち表面離型層は経時耐磨耗性を確保するためには最低10μmは必要である。また、離型層734の厚さが300μmよりも大きい場合には、定着ベルト730の熱容量が大きくなってウォームアップにかかる時間が長くなる。さらに、トナー像定着工程において定着ベルト730の表面温度が低下しにくくなって、定着部出口における融解したトナーの凝集効果が得られず、定着ベルト730の離型性が低下してトナー像Tのトナーが定着ベルト730に付着し、いわゆるホットオフセットが発生する。なお、定着ベルト730の基体として、前記金属からなる発熱層732としてもよいが、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂及びPPS樹脂等の耐熱性を有する樹脂層を用いてもよい。
加圧ローラ740は、例えば銅又はアルミニウム等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金741と、この芯金741の表面に設けられた耐熱性及びトナー離型性の高い弾性部材742とから構成されている。芯金741には前記金属以外にSUSを使用してもよい。加圧ローラ740は定着ベルト730を介して定着ローラ720を押圧して定着ニップ部Nを形成しているが、本実施の形態では、加圧ローラ740の硬度を定着ローラ720に比べて硬くすることによって、加圧ローラ740が定着ローラ720及び定着ベルト730へ食い込む形となり、この食い込みにより、記録媒体770は加圧ローラ740表面の円周形状に沿うため、記録媒体770が定着ベルト730表面から離れやすくなる効果を持たせている。この加圧ローラ740の外径は定着ローラ720と同じ20〜40mm程度であるが、肉圧は0.5〜2.0mm程度で定着ローラ720より薄く構成されている。
電磁誘導により加熱ローラ710を加熱する誘導加熱手段760は、図6に示すように、磁界発生手段である励磁コイル761と、この励磁コイル761が巻き回されたコイルガイド板762とを有している。コイルガイド板762は加熱ローラ710の外周面に近接配置された半円筒形状をしており、励磁コイル761は長い一本の励磁コイル線材をこのコイルガイド板762に沿って加熱ローラ710の軸方向に交互に巻き付けたものである。なお、励磁コイル761は、発振回路が周波数可変の駆動電源(図示せず)に接続されている。励磁コイル761の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア763が、励磁コイルコア支持部材764に固定されて励磁コイル761に近接配置されている。
(プロセスカートリッジ)
本発明に係るプロセスカートリッジ2は、電子写真感光体3と、電子写真感光体3を帯電させる帯電手段である帯電装置10と、前記帯電された電子写真感光体3上に静電潜像を形成する露光手段である露光装置4と、電子写真感光体3上に形成された静電潜像をトナー100によりトナー像とする現像手段である現像装置40と、電子写真感光体3上に形成されたトナー像を中間転写体である中間転写ベルト51を介して又は介さずに記録媒体9上に転写する転写手段である転写装置50と、記録媒体9上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録媒体上に定着させる定着手段である定着装置70と、転写手段によりトナー像を中間転写体である中間転写ベルト51又は記録媒体9上に転写した後の電子写真感光体3表面に付着している転写残トナー100をクリーニングするクリーニング手段であるクリーニング装置20とを備えた画像形成装置1における各手段のうち、少なくとも電子写真感光体3、及び現像手段を含む上記手段を一体に支持して画像形成装置本体に着脱自在としたものである。そして、現像装置40には、本発明のトナー100を備えている。現像手段及び帯電手段としては、上述の現像装置及び帯電装置が好適に使用できる。
図8は、本発明に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。図8に示すプロセスカートリッジ2は、感光体3、帯電装置10、現像装置40及びクリーニング装置20を備えている。
このプロセスカートリッジ2の動作を説明すると、感光体3が所定の周速度で回転駆動される。感光体3は回転過程において、帯電装置10によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の不図示の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体3の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで、現像装置40によりトナー像化され、現像されたトナー像は、給紙装置60部から感光体3と転写装置50との間に感光体3の回転と同期されて給送された記録媒体9に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた記録媒体は、感光体面から分離されて定着装置70へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として画像形成装置1の外へプリントアウトされる。像転写後の感光体3の表面は、クリーニング装置20によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
(画像形成装置)
本発明の画像形成方法において使用されるフルカラー画像形成装置としては、例えば図9、図10に示すタンデム方式の画像形成装置1を用いることができる。図9は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図10は、本発明の画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。
図9において、画像形成装置1は電子写真方式によるカラー画像形成を行なうための画像書込の露光装置4、画像形成部6、給紙カセット61を備える給紙装置60から主に構成されている。
画像信号を元に、画像処理部(図示せず)で画像処理を行い、画像形成用の黒(Bk),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色信号に変換し、画像の書込を行う露光装置4に送信する。露光装置4は、例えば、レーザ光源、回転多面鏡等の偏向器、走査結像光学系及びミラー群(いずれも図示せず)からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部6に各色信号に応じた画像書込を行なう。
画像形成部6は、黒,シアン,マゼンタ,イエロー用の各感光体3K,3C,3M,3Yを備え、これらの各色用の感光体3K,3C,3M,3Yには通常OPC感光体が用いられる。各感光体3K,3C,3M,3Yの周囲には、帯電装置10K,10C,10M,10Y、上記露光装置4からのレーザ光の露光部、各色用の現像装置40K,40C,40M,40Y、一次転写装置52K,52C,52M,52Y、クリーニング装置20K,20C,20M,20Y、除電装置(図示せず)等が配設されている。なお、現像装置40K,40C,40M,40Yには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。また、中間転写ベルト51が各感光体3K,3C,3M,3Yと一次転写装置52K,52C,52M,52Yとの間に介在し、この中間転写ベルト51に各感光体3から各色のトナー像が順次重ね合わせて転写され、各感光体3上のトナー像を担持する。
場合によっては、この中間転写ベルト51の外側で、最終色の一次転写位置通過後で二次転写位置通過前の位置に転写前帯電手段としてのプレ転写チャージャ56が配設されるのが好ましい。このプレ転写チャージャ56は、上記一次転写部で感光体3に転写された中間転写ベルト51上のトナー像を記録媒体9に転写する前に、トナー像をトナー像と同極性に均一に帯電するものである。
各感光体3K,3C,3M,3Yから転写された中間転写ベルト51上のトナー像は、ハーフトーン部及びベタ部を含んでいたりトナー100の重ね合せ量が異なる部分を含んでいたりするため、帯電量がばらついている場合がある。また、中間転写ベルト移動方向における一次転写部の隣接下流側の空隙に発生する剥離放電により、一次転写後の中間転写ベルト51上のトナー像内に帯電量のばらつきが発生する場合もある。このような同一トナー像内の帯電量のばらつきは中間転写ベルト51上のトナー像を記録媒体9に転写する二次転写部における転写余裕度を低下させてしまう。そこで、プレ転写チャージャ56で記録媒体9へ転写する前のトナー像をトナー像と同極性に均一に帯電することにより、同一トナー像内の帯電量のばらつきを解消し、二次転写部における転写余裕度を向上させている。
以上、この画像形成方法によれば、各感光体3K,3C,3M,3Yから転写した中間転写ベルト51上のトナー像をプレ転写チャージャ56で均一に帯電することにより、中間転写ベルト51上のトナー像内に帯電量のばらつきがあっても、二次転写部における転写特性を、中間転写ベルト51上のトナー像の各部に渡ってほぼ一定にすることができる。従って、記録媒体9へ転写する時の転写余裕度の低下を抑え、トナー像を安定して転写できる。
なお、この画像形成方法において、プレ転写チャージャで帯電される帯電量は、帯電対象物である中間転写ベルト51の移動速度に依存して変化する。例えば、中間転写ベルト51の移動速度が遅ければ、中間転写ベルト51上のトナー像の同一部分がプレ転写チャージャによる帯電領域を通過する時間が長くなるので、帯電量が大きくなる。逆に、中間転写ベルト51の移動速度が速いと、中間転写ベルト51上のトナー像の帯電量が小さくなる。従って、中間転写ベルト51上のトナー像がプレ転写チャージャによる帯電位置を通過している途中に中間転写ベルト51の移動速度が変化するような場合には、その中間転写ベルト51の移動速度に応じて、トナー像に対する帯電量が途中で変化しないようにプレ転写チャージャを制御することが望ましい。
一次転写装置52K,52C,52M,52Yの間に導電性ローラ523,524,525が設けられている。そして、記録媒体9は給紙装置60から給紙された後、レジストローラ対64を介して中間転写ベルト51に担持され、中間転写ベルト51と中間転写ベルト51が接触するところで二次転写ローラ541により中間転写ベルト51上のトナー像が記録媒体9に転写され、カラー画像形成が行なわれる。
そして、画像形成後の記録媒体9は二次転写後の搬送ベルト65で定着装置70に搬送され、画像が定着されてカラー画像が得られる。転写されずに残った中間転写ベルト51上のトナー100は、中間転写ベルトクリーニング装置55によってベルトから除去される。
記録媒体9への転写前の中間転写ベルト51上のトナー極性は、現像時と同じマイナス極性であるため、二次転写ローラ541にはプラスの転写バイアス電圧が印加され、トナー100は記録媒体9上に転写される。この部分でのニップ圧が転写性に影響し、定着性に大きく影響する。また、転写されずに残った中間転写ベルト51上のトナー100は、記録媒体9と中間転写ベルト51とが離れる瞬間にプラス極性側に放電帯電され、0〜プラス側に帯電される。なお、記録媒体9のジャム時や非画像域に形成されたトナー像は、二次転写の影響を受けないため、もちろんマイナス極性のままである。
感光体層の厚みを30μmとし、光学系のビームスポット径を50×60μm、光量を0.47mWとしている。感光体(黒)3Kの帯電(露光側)電位V0を−700V、露光後電位VLを−120Vとして現像バイアス電圧を−470V即ち現像ポテンシャル350Vとして現像工程が行なわれるものである。感光体(黒)3K上に形成されたトナー100(黒)の顕像はその後、転写(中間転写ベルト及び記録媒体9)、定着工程を経て画像として完成される。転写は最初、一次転写装置52K,52C,52M,52Yから中間転写ベルト51へ全色転写された後、更に別の二次転写ローラ541へのバイアス印加により記録媒体9へ転写される。
次に、感光体3のクリーニング装置20について詳細に説明する。図9において、各現像装置40K,40C,40M,40Yと各クリーニング装置20K,20C,20M,20Yとは、各々トナー移送管48K,48C,48M,48Yで接続されている(図8中の破線)。そして、各トナー移送管48K,48C,48M,48Yの内部には、スクリュー(図示せず)が入っており、各クリーニング装置20K,20C,20M,20Yで回収されたトナー100が、各現像装置40K,40C,40M,40Yへ移送されるようになっている。
従来の4つの感光体3とベルト搬送との組合せによる直接転写方式では、感光体3と記録媒体9が当接することにより紙粉が付着しトナー100を回収すると紙粉が含有しているので、画像形成時にトナー抜け等の画像劣化をきたし使用することができなかった。更に、従来の一つの感光体3と中間転写ベルト51とを組合せたシステムでは、中間転写ベルト51の採用で記録媒体9転写時の感光体3への紙粉付着はなくなったが、感光体3への残トナー100のリサイクルを行おうした場合、混色したトナー100を分離することは実用上不可能である。また、混色トナー100を黒トナー100として使用する提案があるが、全色混合しても黒にならず、プリントモードにより色が変化するため1つの感光体3の構成ではトナーリサイクルは不可能であった。
これに対して、このフルカラー画像形成装置1では、中間転写ベルト51を使用するので紙粉の混入が少なく、かつ、紙転写時の中間転写ベルト51への紙粉の付着も防止される。各感光体3K,3C,3M,3Yが独立した色のトナー100を使用するので各感光体クリーニング装置20K,20C,20M,20Yを接離する必要もなく、確実にトナー100のみを回収することができる。
上記中間転写ベルト51上に残ったプラス帯電されたトナー100は、マイナス電圧が印加された導電性ファーブラシ552でクリーニングされる。導電性ファーブラシ552への電圧印加方法は、導電性ファーブラシ551と極性が異なるだけで全く同一である。転写されずに残ったトナー100も2つの導電性ファーブラシ551,552でほとんどクリーニングされる。ここで、導電性ファーブラシ552でクリーニングされずに残ったトナー100、紙粉、タルク等は、導電性ファーブラシ552のマイナス電圧により、マイナス帯電される。次の黒色の一次転写は、プラス電圧による転写であり、マイナス帯電したトナー100等は中間転写ベルト51側に引き寄せられるため、感光体(黒)3K側への移行は防止できる。
次に、この画像形成装置に使用される中間転写ベルト51について説明する。中間転写ベルトは前述のとおり、単層の樹脂層であることが好ましいが、必要に応じて、弾性層や、表層を保有してもよい。
前記樹脂層を構成する樹脂材料としては、特に制限はなく、例えば、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂及び変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記弾性層を構成する弾性材料(弾性材ゴム、エラストマー)としては、特に制限はなく、例えば、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム及び熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア及びポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記表層の材料としては、特に制限はないが、中間転写ベルト表面へのトナー100の付着力を小さくして二次転写性を高めるものが要求される。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種あるいは2種以上を使用して表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、二酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種あるいは2種以上または粒径を異ならせたものを分散させ使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行なうことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
前記樹脂層及び弾性層には、抵抗値調節用導電剤が添加されることが好ましい。この抵抗値調節用導電剤としては、特に制限はなく、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫,酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)及び酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物が挙げられる。これらの導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム及び炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。
図10は、本発明のフルカラー画像形成方法において使用される画像形成装置の他の例を示すもので、タンデム型間接転写方式の電子写真式の画像形成装置1である。
この画像形成装置1は、記録媒体9を載せる給紙装置60、装置本体上に取り付けるスキャナ8、さらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)7を備える。
画像形成装置1には、中央に、無端ベルト状の中間転写ベルト51を設ける。そして、図10に示すとおり、この例では3つの支持ローラ531、532、533に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つのなかの支持ローラ533の左に、画像転写後に中間転写ベルト51上に残留する残留トナー100を除去する中間転写体クリーニング装置55を設ける。また、3つのなかで支持ローラ531と支持ローラ532間に張り渡した中間転写ベルト51上には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段であるプロセスカートリッジ2K、2C、2M、2Yを横に並べて配置してタンデム画像形成装置1を構成する。
このタンデム画像形成装置1の上には、図10に示すように、さらに露光装置4を設ける。一方、中間転写ベルト51を挟んでタンデム画像形成装置1と反対の側には、二次転写装置54を備える。二次転写装置54は、図示例では、2つのローラ651、652間に、無端ベルトである搬送ベルト65を掛け渡して構成し、中間転写ベルト51を介して支持ローラ652押し当てて配置し、中間転写ベルト51上の画像を記録媒体9に転写する。二次転写装置54の横には、記録媒体9上の転写画像を定着する定着装置70を設ける。
定着装置70は、無端ベルトである定着ベルト730に加圧ローラ740を押し当てて構成する。上述した二次転写装置54には、画像転写後の記録媒体9をこの定着装置70へと搬送する記録媒体9搬送機能も備えてなる。もちろん、二次転写装置54として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合はこの記録媒体9搬送機能を併せて備えることは難しくなる。なお、図示例では、このような二次転写装置54及び定着装置70の下に、上述したタンデム画像形成装置1と平行に、記録媒体9の両面に画像を記録すべく記録媒体9を反転するシート反転装置67を備える。
次に、この画像形成装置1の画像形成動作について説明する。
このフルカラー画像形成装置1を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置7の原稿台801上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置7を開いてスキャナ8のコンタクトガラス802上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置7を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置7に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス801上へと移動して後、他方コンタクトガラス802上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ8を駆動し、第1走行体804及び第2走行体805を走行する。そして、第1走行体804で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体805に向け、第2走行体805のミラーで反射して結像レンズ806を通して読取りセンサであるCCD807に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ531、532、533の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト51を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段6でその感光体3を回転して各感光体3上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト51の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト51上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙カセット61の給紙ローラ62の1つを選択回転し、給紙装置60に多段に備える給紙カセット61の1つから記録媒体9を繰り出し、分離ローラ66で1枚ずつ分離して給紙路に入れ、搬送ローラ63で搬送して画像形成装置1内の給紙路に導き、レジストローラ64に突き当てて止める。
または、給紙ローラ62を回転して手差しトレイ上の記録媒体9を繰り出し、分離ローラ66で1枚ずつ分離して手差し給紙路に入れ、同じくレジストローラ64に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト51上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ64を回転し、中間転写ベルト51と二次転写装置54との間に記録媒体9を送り込み、二次転写装置54で転写して記録媒体9上にカラー画像を記録する。
画像転写後の記録媒体9は、二次転写装置54で搬送して定着装置70へと送り込み、定着装置70で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪で切り換えて排出ローラ93で排出し、排紙トレイ91上にスタックする。または、切換爪で切り換えてシート反転装置67に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ93で排紙トレイ91上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト51は、ベルトクリーニング装置55で、画像転写後に中間転写ベルト51上に残留する残留トナー100を除去し、タンデム画像形成装置1による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ64は一般的には接地されて使用されることが多いが、記録媒体9の紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
以下、本発明を実施例及び比較例にてさらに詳細に説明するが、本発明は、ここに例示される実施例及び比較例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は、特に記載がない限り「質量部」を表わす。
(実施例1)
<トナー材料の溶解液乃至分散液の調製>
−フェノール多量体A1の合成−
前記一般式(1)において、nが3〜4、R、R12、R22が塩素原子、それ以外が水素原子であるフェノール多量体A1を合成した。まず、p−クロロフェノール0.18molとパラホルムアルデヒド0.10molとを、水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で15分間還流して脱水し、次いで冷却した後、濾過し沈殿物を得た。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン及び水を用いてこの順で洗浄し、乾燥させた。次に、得られた乾燥物をクロロホルムにより再結晶させ、白色針状結晶を得た。
−未変性ポリエステル(低分子量ポリエステル)の合成−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84部、テレフタル酸274部及びジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させ、反応液を得た。次いで、この反応液を1333〜2000Pa(10〜15mmHg)の減圧下にて5時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が5,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃であった。
−マスターバッチ(MB)の調製−
水1000部、カーボンブラック(Printex35;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540部及び前記未変性ポリエステル1,200部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。得られた混合物を二本ロールで150℃にて30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
−プレポリマーの合成−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させ、反応液を得た。次いで、この反応液を1333〜2000Pa(10〜15mmHg)の減圧下にて5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器に、前記中間体ポリエステル411部、イソホロンジイソシアネート89部及び酢酸エチル500部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
<樹脂微粒子の調製>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30;三洋化成工業社製)16部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。得られた乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部を前記乳濁液に加え、75℃で5時間熟成させてビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液である[樹脂微粒子分散液A]を得た。得られた樹脂微粒子分散液Aの分散粒子の体積平均粒径(堀場製作所製のLA−920で測定)は42nmであった。
<トナーaの製造>
<<溶解乃至分散液調製工程A>>
−フェノール多量体A1分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A1を5部、前記未変性ポリエステル15部及び酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスしてフェノール多量体A1分散液を調製した。分散液中のフェノール多量体A1の平均粒子径(平均分散径)は120nmであった。
−トナー材料相の調製−
ビーカー内で、前記未変性ポリエステル100部及び酢酸エチル130部を攪拌し溶解させた。次いで、カルナウバワックス(分子量=1,800、酸価=2.5、針入度=1.5mm(40℃))10部、前記マスターバッチ10部及び前記フェノール多量体A1分散液1部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、前記プレポリマーを40部添加し、攪拌した後、トナー材料の溶解乃至分散液(トナー材料相)を調製した。
<<乳化乃至分散液調製工程B>>
−水系媒体相の調製−
ビーカー内で、水660部、樹脂微粒子分散液Aを1.25部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7;三洋化成工業社製)25部及び酢酸エチル60部を混合撹拌し、乳白色の液体(水系媒体相)を得た。
−乳化乃至分散液Aの調製−
前記水系媒体相150部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解乃至分散液100部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液A(乳化スラリー)を調製した。
<<有機溶媒除去工程C>>
−有機溶媒の除去−
脱気用配管、攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、前記乳化乃至分散液A100部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間減圧下で脱溶媒し、脱溶媒スラリーAを得た。
−洗浄・乾燥−
前記脱溶媒スラリーA全量を減圧濾過した、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)で混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)で混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行った。得られた濾過ケーキを順風乾燥機にて45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子aを得た。
−外添処理−
トナー母体粒子aを100部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6部と平均粒径20nmの酸化チタン1.0部と平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体0.8部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナーaを得た。
(実施例2)
<トナーbの製造>
実施例1において、平均分散径120nmのフェノール多量体A1に替えて、平均分散径70nmのフェノール多量体A1を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーbを作製した。平均分散径70nmのフェノール多量体A1の分散液は以下のようにして調製した。
−フェノール多量体A1分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A1を5部、前記未変性ポリエステル15部及び酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で5パスしてフェノール多量体A1分散液を調製した。
(実施例3)
<トナーcの製造>
実施例1において、平均分散径120nmのフェノール多量体A1に替えて、平均分散径300nmのフェノール多量体A1を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーcを作製した。平均分散径300nmのフェノール多量体A1の分散液は以下のようにして調製した。
−フェノール多量体A1分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A1を5部、前記未変性ポリエステル15部及び酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で2パスしてフェノール多量体A1分散液を調製した。
(実施例4)
<トナーdの製造>
実施例1において、フェノール多量体A1に替えて、フェノール多量体A2を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーdを作製した。フェノール多量体A2の合成及びその分散液の調製は以下のようにして行った。
−フェノール多量体A2の合成−
前記一般式(1)において、nが7〜8、R、R12、R22が塩素原子、それ以外が水素原子であるフェノール多量体A2を合成した。まず、p−クロロフェノール0.18molとパラホルムアルデヒド0.10molとを、水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で40分間還流して脱水し、次いで冷却した後、濾過し沈殿物を得た。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン及び水を用いてこの順で洗浄し、乾燥させた。次に、得られた乾燥物をクロロホルムにより再結晶させ、白色針状結晶を得た。
−フェノール多量体A2分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A2を5部、前記未変性ポリエステル15部及び酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で6パスしてフェノール多量体A2分散液を調製した。フェノール多量体A2の平均分散径は45nmであった。
(実施例5)
<トナーeの製造>
実施例1において、フェノール多量体A1に替えて、フェノール多量体A3を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーeを作製した。フェノール多量体A3の合成及びその分散液の調製は以下のようにして行った。
−フェノール多量体A3の合成−
前記一般式(1)において、nが18〜19、R、R12、R22が塩素原子、それ以外が水素原子であるフェノール多量体A3を合成した。まず、p−クロロフェノール0.18molとパラホルムアルデヒド0.10molとを、水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で2時間還流して脱水し、次いで冷却した後、濾過し沈殿物を得た。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン及び水を用いてこの順で洗浄し、乾燥させた。次に、得られた乾燥物をクロロホルムにより再結晶させ、白色針状結晶を得た。
−フェノール多量体A3分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A3を5部、前記未変性ポリエステル15部及び酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で6パスしてフェノール多量体A3分散液を調製した。フェノール多量体A3の平均分散径は45nmであった。
(実施例6)
<トナーfの製造>
実施例1において、フェノール多量体A1に替えて、フェノール多量体A4を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーfを作製した。フェノール多量体A4の合成及びその分散液の調製は以下のようにして行った。
−フェノール多量体A4の合成−
前記一般式(1)において、nが10〜11、R、R12、R22が塩素原子、それ以外が水素原子であるフェノール多量体A4を合成した。まず、p−クロロフェノール0.18molとパラホルムアルデヒドと0.10molとを、水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で1時間還流して脱水し、次いで冷却した後、濾過し沈殿物を得た。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン及び水を用いてこの順で洗浄し、乾燥させた。次に、得られた乾燥物をクロロホルムにより再結晶させ、白色針状結晶を得た。
−フェノール多量体A4分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A4を5部、前記未変性ポリエステル15部及び酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で4パスしてフェノール多量体A4分散液を調製した。フェノール多量体A4の平均分散径は100nmであった。
(実施例7)
<トナーgの製造>
実施例1において、フェノール多量体A1に替えて、フェノール多量体A5を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーgを作製した。フェノール多量体A7の合成及びその分散液の調製は以下のようにして行った。
−フェノール多量体A5の合成−
前記一般式(1)において、nが7〜8、R、R12、R22がフェニル基、それ以外が水素原子であるフェノール多量体A7を合成した。まず、p−フェニルフェノール0.18molとパラホルムアルデヒド0.10molとを、水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で40分間還流して脱水し、次いで冷却した後、濾過し沈殿物を得た。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン及び水を用いてこの順で洗浄し、乾燥させた。次に、得られた乾燥物をクロロホルムにより再結晶させ、白色針状結晶を得た。
−フェノール多量体A5分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A5を5部、前記未変性ポリエステル15部及び酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で6パスしてフェノール多量体A7分散液を調製した。フェノール多量体A5の平均分散径は40nmであった。
(実施例8)
<トナーhの製造>
実施例1において、フェノール多量体A1に替えて、フェノール多量体A6を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーhを作製した。フェノール多量体A6の合成及びその分散液の調製は以下のようにして行った。
−フェノール多量体A6の合成−
前記一般式(1)において、nが10〜11、R、R12、R22がtert−ブチル基、それ以外が水素原子であるフェノール多量体A8を合成した。まず、p−tert−ブチルフェノール0.18molとパラホルムアルデヒド0.10molとを、水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で50分間還流して脱水し、次いで冷却した後、濾過し沈殿物を得た。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン及び水を用いてこの順で洗浄し、乾燥させた。次に、得られた乾燥物をクロロホルムにより再結晶させ、白色針状結晶を得た。
−フェノール多量体A6分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A6を5部、前記未変性ポリエステル15部及び酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で6パスしてフェノール多量体A6分散液を調製した。フェノール多量体A6の平均分散径は37nmであった。
(実施例9)
<トナーiの製造>
実施例1において、フェノール多量体A1に替えて、フェノール多量体A7を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーiを作製した。フェノール多量体A7の合成及びその分散液の調製は以下のようにして行った。
−フェノール多量体A7の合成−
前記一般式(1)において、nが16〜17、R、R12、R22がイソプロピル基、それ以外が水素原子であるフェノール多量体A7を合成した。まず、p−イソプロピルフェノール0.18molとパラホルムアルデヒド0.10molとを、水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で1時間還流して脱水し、次いで冷却した後、濾過し沈殿物を得た。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン及び水を用いてこの順で洗浄し、乾燥させた。次に、得られた乾燥物をクロロホルムにより再結晶させ、白色針状結晶を得た。
−フェノール多量体A7分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A7を5部、前記未変性ポリエステル15部及び酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で6パスしてフェノール多量体A7分散液を調製した。フェノール多量体A7の平均分散径は31nmであった。
(実施例10)
<トナーjの製造>
実施例1において、フェノール多量体A1に替えて、フェノール多量体A8を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーjを作製した。フェノール多量体A8の合成及びその分散液の調製は以下のようにして行った。
−フェノール多量体A8の合成−
前記一般式(1)において、nが8〜9、R、R12、R22がフェニル基又はtert−ブチル基(両基の比率は1:1)、それ以外が水素原子であるフェノール多量体A8を合成した。まず、p−フェニルフェノール0.09molとp−tertブチルフェノール0.09molとパラホルムアルデヒド0.10molとを、水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で30分間還流して脱水し、次いで冷却した後、濾過し沈殿物を得た。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン及び水を用いてこの順で洗浄し、乾燥させた。次に、得られた乾燥物をクロロホルムにより再結晶させ、白色針状結晶を得た。
−フェノール多量体A10分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A8を5部、前記未変性ポリエステル15部及び酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で6パスしてフェノール多量体A8分散液を調製した。フェノール多量体A8の平均分散径は44nmであった。
(実施例11)
<トナーkの製造>
実施例1において、フェノール多量体A1に替えて、フェノール多量体A9を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーkを作製した。フェノール多量体A9の合成及びその分散液の調製は以下のようにして行った。
−フェノール多量体A9の合成−
前記一般式(1)において、nが12〜13、R、R12、R22がメチル基、それ以外が水素原子であるフェノール多量体A9を合成した。まず、p−メチルフェノール0.18molとパラホルムアルデヒド0.10molとを、水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で1時間還流して脱水し、次いで冷却した後、濾過し沈殿物を得た。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン及び水を用いてこの順で洗浄し、乾燥させた。次に、得られた乾燥物をクロロホルムにより再結晶させ、白色針状結晶を得た。
−フェノール多量体A9分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A9を5部、前記未変性ポリエステル15部及び酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で6パスしてフェノール多量体A9分散液を調製した。フェノール多量体A9の平均分散径は42nmであった。
(実施例12)
<トナーlの製造>
実施例1において、フェノール多量体A1に替えて、フェノール多量体A10を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーlを作製した。フェノール多量体A10の合成及びその分散液の調製は以下のようにして行った。
−フェノール多量体A10の合成−
前記一般式(1)において、nが11〜12、R、R12、R22が塩素原子、R、R15、R25がメチル基、それ以外が水素原子であるフェノール多量体10を合成した。まず、2−メチル−3−クロロフェノール0.18molとパラホルムアルデヒド0.10molとを、水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で1時間還流して脱水し、次いで冷却した後、濾過し沈殿物を得た。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン及び水を用いてこの順で洗浄し、乾燥させた。次に、得られた乾燥物をクロロホルムにより再結晶させ、白色針状結晶を得た。
−フェノール多量体A10分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A10を5部、前記未変性ポリエステル15部及び酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で6パスしてフェノール多量体A10分散液を調製した。フェノール多量体A10の平均分散径は39nmであった。
(実施例13)
<トナーmの製造>
実施例1において、フェノール多量体A1に替えて、フェノール多量体A11を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーmを作製した。フェノール多量体A11の合成及びその分散液の調製は以下のようにして行った。
−フェノール多量体A11の合成−
前記一般式(1)において、nが5〜6、R、R12、R22が塩素原子、R、R、R14、R15、R24、R25がメチル基、それ以外が水素原子であるフェノール多量体A11を合成した。まず、1,3−ジメチル−2−クロロフェノール0.18molとパラホルムアルデヒド0.10molとを、水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で30分間還流して脱水し、次いで冷却した後、濾過し沈殿物を得た。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン及び水を用いてこの順で洗浄し、乾燥させた。次に、得られた乾燥物をクロロホルムにより再結晶させ、白色針状結晶を得た。
−フェノール多量体A11分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A11を5部、前記未変性ポリエステル15部及び酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で6パスしてフェノール多量体A11分散液を調製した。フェノール多量体A11の平均分散径は46nmであった。
(実施例14)
<トナーnの製造>
実施例1において、フェノール多量体A1に替えて、フェノール多量体A12を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーnを作製した。フェノール多量体A12の合成及びその分散液の調製は以下のようにして行った。
−フェノール多量体A12の合成−
前記一般式(1)において、nが6以上、R、R12、R22がp−ブロモフェニル基、それ以外が水素原子であるフェノール多量体A12を合成した。まず、p−ブロモフェニルフェノール0.18molとパラホルムアルデヒド0.10molとを、水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で1時間還流して脱水し、次いで冷却した後、濾過し沈殿物を得た。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン及び水を用いてこの順で洗浄し、乾燥させた。次に、得られた乾燥物をクロロホルムにより再結晶させ、白色針状結晶を得た。
−フェノール多量体A12分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A12を5部、前記未変性ポリエステル15部及び酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で6パスしてフェノール多量体A12分散液を調製した。フェノール多量体A12の平均分散径は42nmであった。
(比較例1)
<トナーoの製造>
実施例1において、フェノール多量体A1に替えて、フェノール多量体A13を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーoを作製した。フェノール多量体A13の合成及びその分散液の調製は以下のようにして行った。
−フェノール多量体A13の合成−
前記一般式(1)において、nが1、R、R12、R22が塩素原子、それ以外が水素原子であるフェノール多量体A13を合成した。まず、p−クロロフェノール0.18molとパラホルムアルデヒド0.10molとを、水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で1分間還流して脱水し、次いで冷却した後、濾過し沈殿物を得た。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン及び水を用いてこの順で洗浄し、乾燥させた。次に、得られた乾燥物をクロロホルムにより再結晶させ、白色針状結晶を得た。
−フェノール多量体A13分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A13を5部、前記未変性ポリエステル15部及び酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスしてフェノール多量体A13分散液を調製したところ、フェノール多量体が酢酸エチルに対して溶解した。
(比較例2)
<トナーpの製造>
実施例1において、フェノール多量体A1に替えて、フェノール多量体A14を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーpを作製した。フェノール多量体A14の合成及びその分散液の調製は以下のようにして行った。
−フェノール多量体A14の合成−
前記一般式(1)において、nが5〜6、R、R12、R22がフッ素原子、それ以外が水素原子であるフェノール多量体A14を合成した。まず、p−フルオロフェノール0.18molとパラホルムアルデヒド0.10molとを、水酸化カリウム0.004molを用いてキシレン中で30分間還流して脱水し、次いで冷却した後、濾過し沈殿物を得た。得られた沈殿物をトルエン、エーテル、アセトン及び水を用いてこの順で洗浄し、乾燥させた。次に、得られた乾燥物をクロロホルムにより再結晶させ、白色針状結晶を得た。
−フェノール多量体A14分散液の調製−
ビーカー内に、フェノール多量体A14を5部、前記未変性ポリエステル15部、酢酸エチル30部を仕込み、ビーズミル(ウルトラビスコミル;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で5パスしてフェノール多量体A14分散液を調製したしたところ、フェノール多量体が酢酸エチルに対して溶解した。
(比較例3)
<トナーqの製造>
実施例1において、フェノール多量体A1に替えて、サリチル酸ジルコニウム錯体(TN−105;保土谷化学社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーqを作製した。
(比較例4)
<トナーrの製造>
実施例1において、フェノール多量体A1に替えて、サリチル酸亜鉛錯体(E−84;オリエント化学工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーrを作製した。
実施例1〜14及び比較例1〜4で得られたトナーの物性を下記評価方法で評価した。結果を表1に示す。
(体積平均粒径及び体積平均粒径/個数平均粒径)
体積平均粒径(Dv)及び体積平均粒径/個数平均粒径(Dv/Dn)を粒度測定器(マルチサイザーIII;ベックマンコールター社製)にて測定した。
(円形度)
ガラス製の100mLビーカーに10質量%界面活性剤[アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオゲンSC−A;第一工業製薬社製)]を0.1〜0.5mL添加し、各トナー0.1〜0.5gを添加し、ミクロスパーテルで攪拌し、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。前記分散液の濃度が5,000〜15,000個/μLとなるまで調整し、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2100;シスメックス社製)を用いてトナーの形状及び分布を測定した。
(BET比表面積)
BET法に従って、比表面積測定装置(トライスター3000;島津製作所社製)を用いて各トナーの表面に窒素ガスを吸着させて、BET多点法により測定した。
Figure 2012177827
[キャリアの作製]
次に、トナーの実機評価に用いたキャリアの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるキャリアは、これらの例に限定されるものではない。
−キャリア−
アクリル樹脂溶液(固形分50質量%) 21.0部
グアナミン溶液(固形分70質量%) 6.4部
アルミナ粒子[0.3μm、体積固有抵抗1014(Ω・cm)] 7.6部
シリコーン樹脂溶液 65.0部
[固形分23質量%(SR2410;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
アミノシラン 1.0部
[固形分100質量%(SH6020;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
トルエン 60部
ブチルセロソルブ 60部
上記キャリア原料をホモミキサーで10分間分散させ、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂の被覆膜形成溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe48.0、平均粒径25μm]を用い、この芯材に上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し、乾燥させて被覆フェライト粉を得た。得られた被覆フェライト粉を電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後、フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。
透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって前記被覆膜の膜厚とした。得られたキャリアの重量平均粒径は35μmであった。
[二成分系現像剤の作製]
上記トナーa〜rと前記キャリアを用い、キャリア100部に対しトナー7部を、容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し、帯電させて二成分系現像剤a〜rを作製した。
[トナーの評価]
(耐久性)
デジタルフルカラー複写機(DocuColor 8000 Digital Press;富士ゼロックス社製)を改造して、線速及び転写時間を調整可能にチューニングした評価機を用い、各現像剤について、A4サイズ、トナー付着量0.6mg/cmのベタパターンをテスト画像として100,000枚のランニング試験を実施した。耐久性の代用指標として1,000枚ごとに現像剤を一部サンプリングしてブローオフ法により帯電量を測定し、初期値とランニング試験後のトナーの帯電量を比較することで耐久性を下記評価基準により評価した。
◎:帯電量の減少が3μC/g未満
○:帯電量の減少が3μC/g以上5μC/g未満
△:帯電量の減少が5μC/g以上10μC/g未満
×:帯電量の減少が10μC/g以上
(帯電環境安定性)
デジタルフルカラー複写機(imagioColor2800;リコー社製)を用いて、単色モードで7%画像面積の画像チャートを100,000枚ランニング出力する間に、1,000枚ごとに現像剤を一部サンプリングしてブローオフ法により帯電量を測定して、帯電安定性を下記評価基準により評価した。常温常湿環境帯電安定性評価は温度25℃、湿度40%の環境にて、高温高湿環境帯電安定性評価は温度40℃、湿度90%の環境にて、低温低湿環境帯電安定性評価は温度10℃、湿度15%の環境にて行った。
◎:帯電量の変化が3μC/g未満
○:帯電量の変化が3μC/g以上5μC/g未満
△:帯電量の変化が5μC/g以上10μC/g未満
×:帯電量の変化が10μC/g以上
(造粒性)
トナーa〜rの体積平均粒径(Dv)及び体積平均粒径/個数平均粒径(Dv/Dn)を粒度測定器(マルチサイザーIII、ベックマンコールター社製)にて測定し、Dvが5.2±0.3μmに近づけられるかの評価、及びDv/Dnの評価を行った。Dvの評価基準は下記のとおりである。
◎:5.2±0.3μmの±0.1μm未満
○:5.2±0.3μmの±0.1μm以上0.3μm未満
△:5.2±0.3μmの±0.3μm以上0.5μm未満
×:5.2±0.3μmの±0.5μm以上
また、Dv/Dnの評価基準は下記のとおりである。
◎:1.15未満
○:1.15以上1.17未満
△:1.17以上1.25未満
×:1.25以上
(平均分散径)
各トナー1gをクロロホルム100gに10時間浸漬し、遠心分離器(H−9R;コクサン社製、LNアングルローター使用)を用いて5,500rpm(9,545g)にてフェノール多量体分散液を遠心分離した。遠心分離により得られた上澄みに存在するフェノール多量体の粒子を、粒度分布測定装置(LA−920;堀場製作所社製)を用いて粒径の測定を行った。LA−920を用いた測定の際に、LA−920専用アプリケーション(Ver3.32)(堀場製作所社製)を用いて解析を行った。
Figure 2012177827
Figure 2012177827
表2、3から、実施例1〜14のトナーは、造粒性、耐久性、環境安定性及び造粒性に優れていることがわかる。一方、トナーo(比較例1)とトナーp(比較例2)に用いたフェノール多量体は、酢酸エチルに対して溶解性を示し、トナー化しても十分な帯電付与効果が得られなかった。また、トナーq(比較例3)の作製に用いた「TN−105」は、サリチル酸ジルコニウム錯体構造を有するため、粉砕法トナーでは高い帯電付与効果を示すものであるが、造粒性が著しく悪く、トナーの表面性状も著しく悪い。また、トナーr(比較例4)の作製に用いた「E−84」は、サリチル酸亜鉛錯体構造を有するため、粉砕法トナーでは高い帯電付与効果を示すものであるが、造粒性が著しく悪く、トナー化することができず、比較例1〜4は、実施例1〜14のトナーと比較して耐久性、環境安定性及び造粒性が劣ることがわかる。
これらのことから、溶解乃至分散液調製工程Aにおいて、前記一般式(1)で表されるフェノール多量体を添加することにより、トナーの帯電性、帯電立ち上がり性、耐久性、及び環境安定性に優れたトナーを提供することができることがわかる。また、比較例1、2のトナーでは、耐久性に関しては、100,000ラン後でキャリアへのスペントが著しく、Q/Mの変動が大きかった。環境安定性に関しては、低温低湿環境下保管及び高温高湿環境下保管双方においてQ/Mの変動が大きく、改善が見込めなかった。
本発明のトナーは、フルカラー画像形成において、トナーの帯電性、耐久性、及び環境安定性に優れ、さらに、小粒径化との両立を可能にするので、本発明のトナーを用いると、高品位な画像を安定的に得ることができる。
1 画像形成装置
2 プロセスカートリッジ
3 感光体
4 露光装置
6 画像形成部
7 自動原稿読取装置(ADF)
8 スキャナ
801 原稿トレイ
802 コンタクトガラス
803 ランプ
804 第1走行体
805 第2走行体
806 レンズ
807 CCD
9 記録媒体
10 帯電装置
110 ローラ式帯電装置
111 帯電ローラ
112 芯金
113 導電ゴム層
114 電源
120 ファーブラシ式帯電装置
121 ブラシローラ
122 芯金
123 ブラシ部
124 電源
130 磁気ブラシ式帯電装置
131 ブラシローラ
133 ブラシ部
134 電源
20 クリーニング装置
21 クリーニングブレード
40 現像装置
41 現像スリーブ
42 規制部材
43、44 攪拌・搬送スクリュー
46 電源
47 現像領域
48 移送官
50 転写装置
51 中間転写ベルト
52 一次転写装置
521 一次転写ローラ
523、524、525 導電性ローラ
53 支持ローラ
531 駆動ローラ
532 二次転写対抗ローラ
533 支持ローラ
54 二次転写装置
541 二次転写ローラ
55 ベルトクリーニング装置
551 導電性ファーブラシ
552 導電性ファーブラシ
56 プレ転写チャージャ
60 給紙装置
61 給紙カセット
62 給紙ローラ
63 搬送ローラ
64 レジストローラ
65 搬送ベルト
651、652 支持ローラ
66 分離ローラ
67 シート反転装置
70 定着装置
710 加熱ローラ
720 定着ローラ(対向回転体)
721 芯金
722 弾性部材
730 定着ベルト(耐熱性ベルト、トナー加熱媒体)
731 基体
732 発熱層
733 中間層
734 離型層
740 加圧ローラ(加圧回転体)
741 芯金
742 弾性部材
750 温度検知部材
760 誘導加熱手段
761 励磁コイル
762 コイルガイド板
763 励磁コイルコア
764 励磁コイルコア支持部材
770 記録媒体
90 排紙装置
91 排紙トレイ
93 排紙ローラ
100 トナー
101 トナー母体粒子
102 外添剤
特許第3640918号公報 特開平06−250439号公報 特公昭55−42752号公報 特開昭61−69073号公報 特開昭61−221756号公報 特開平9−124659号公報 特開昭57−111541号公報 特開昭62−94856号公報 特公平7−31421号公報 特公平7−104620号公報 特許第2568675号公報

Claims (19)

  1. 結着樹脂及び結着樹脂前駆体のいずれかとフェノール多量体とを含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散させて前記トナー材料の溶解乃至分散液を調製する溶解乃至分散液調製工程Aと、
    前記トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中に添加し、乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製する乳化乃至分散液調製工程Bと、
    前記乳化乃至分散液から前記有機溶媒を除去する有機溶媒除去工程Cと、を少なくとも含むトナーの製造方法によって製造されるトナーであって、
    前記フェノール多量体が下記一般式(1)で表される化合物である
    ことを特徴とするトナー。
    Figure 2012177827
    (式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は−(CHCOOR10(R10は、水素原子又は低級アルキル基を表し、mは1〜3の整数である)を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、−NO、−NH、−NR (Rは低級アルキル基)、−SOH、フェニル基、アルコキシ基又は−Si(CHを表す。R乃至Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、−NH又は−N(R(Rは低級アルキル基)を表す。Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R11は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は−(CHCOOR20(R20は、水素原子又は低級アルキル基を表し、pは1〜3の整数である)を表す。R12は、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、−NO、−NH、−N(R17(R17は低級アルキル基)、−SOH、フェニル基、アルコキシ基又は−Si(CHを表す。R14及びR15は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、−NH又は−N(R19(R19は低級アルキル基)を表す。R16は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R21は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は−(CHCOOR20(R20は、水素原子又は低級アルキル基を表し、qは1〜3の整数である)を表す。R22は、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれがあってもよい炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、−NO、−NH、−N(R17(R17は低級アルキル基)、−SOH、フェニル基、アルコキシ基又は−Si(CHを表す。R24及びR25は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、−NH、又は−N(R19(R19は低級アルキル基)を表す。R26は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。nは整数である。)
  2. 前記フェノール多量体において、R、R11、R21が水素原子、R、R12、R22が塩素原子であり、且つ、R、R、R16、R26が水素原子、R、R、R14、R15、R24、R25が水素原子またはメチル基であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記フェノール多量体において、R、R、R14、R15、R24、R25が水素原子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記フェノール多量体において、重合度nが5〜25であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 乳化乃至分散液調製工程Bにおいて、前記トナー材料の溶解乃至分散液を平均粒子径5〜50nmのアニオン性樹脂微粒子とアニオン性界面活性剤とを含む水系媒体中に添加し、乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 前記フェノール多量体が、帯電性を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 前記結着樹脂が、ポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
  8. 前記フェノール多量体の含有量が、前記溶解乃至分散液中0.01〜5.0質量%であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  9. 前記フェノール多量体の平均分散径が、10〜500nmであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
  10. トナーの帯電量が、−80〜−10μC/gであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
  11. トナーの体積固有抵抗ρ(Ωcm)の常用対数値Logρが、10.9〜11.4(LogΩcm)であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のトナー。
  12. トナーの体積平均粒径/個数平均粒径(Dv/Dn)が、1.05〜1.25であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー。
  13. トナーの平均円形度が、0.950〜0.990であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナー。
  14. トナーのBET比表面積が、0.5〜4.0m/gであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のトナー。
  15. 前記トナー材料が、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のトナー。
  16. 電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーにより現像して前記電子写真感光体上にトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録媒体上に転写する二次転写工程と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を前記記録媒体上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を前記中間転写体上に転写した後の前記電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング工程とを有するフルカラー画像形成方法において、前記現像工程で用いるトナーが、請求項1乃至15のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
  17. 前記二次転写工程において、トナー像の記録媒体への転写の線速度が300〜1000mm/secであり、前記二次転写手段のニップ部での転写時間が0.5〜20msecであることを特徴とする請求項16に記載のフルカラー画像形成方法。
  18. タンデム方式の電子写真画像形成プロセスを採用することを特徴とする請求項16又は17に記載のフルカラー画像形成方法。
  19. 電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像して前記電子写真感光体上にトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を、中間転写体を介して又は介さずに記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により前記記録媒体上に定着させる定着手段と、前記転写手段によりトナー像を前記中間転写体又は前記記録媒体上に転写した後の前記電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えたフルカラー画像形成装置において、前記トナーが、請求項1乃至15のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするフルカラー画像形成装置。
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