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JP2012171687A - 蓋材 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐ブロッキング性および耐水性に優れるとともに、樹脂容器だけでなくガラス容器、特に経年・風化したガラス容器に対しても良好な封緘強度を維持することができる新規な蓋材を提供する。
【解決手段】容器口部にヒートシール被着されるホットメルト接着剤層12が基材11の下面に設けられてなる蓋材10において、該ホットメルト接着剤層が、熱可塑性樹脂接着剤と、ワックスと、有機反応基としてアミノ基を有するシランカップリング剤とを含んで構成されることを特徴とする。特にガラス容器に対して良好なシール性を与えるために、アミノ系シランカップリング剤は、熱可塑性樹脂接着剤とワックスとの合計に対して0.3重量%以上添加されることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は蓋材に関し、より詳しくは、食品などを収容する容器、特にガラス容器の口部にヒートシールされて該容器を密封する蓋材に関する。
インスタントコーヒー、クリーミングパウダー、調味料、ふりかけなどの各種食品類や、その他、医薬品、化粧品などを内容物とする容器において、開封前に内容物が空気や湿気に触れて変質することを防止するために、容器口部に蓋材をヒートシールして密封することが広く行われている。このような蓋材としては、たとえば特許文献1に開示されるようなタイプの蓋材と、たとえば特許文献2に開示されるようなタイプの蓋材の2つのタイプが知られている。いずれのタイプの蓋材においても最下層にホットメルト接着剤層を有し、これが容器口部にヒートシールされることによって容器を密封し、内容物の変質を防止するが、前者のタイプの蓋材は、開封の際にその全体が容器口部から剥離除去されるのに対して、後者のタイプの蓋材は、容器キャップを外すとリシール層とシール層とがそれらの間の剥離層で層間剥離して、リシール層はキャップの内側に残されるとともにシール層は容器口部に被着されたままの状態で残され、その後、開封の際にシール層を剥離除去する。この後者のタイプの場合は、シール層を除去した後であっても、キャップを閉めると、キャップの内側に残されたリシール層が容器口部を閉止するので、一定の変質防止効果が得られる。
このような蓋材において、最下層に設けられるホットメルト接着剤層は、主として、エチレンー酢酸ビニル共重合体(EVA)などの熱可塑性樹脂を主体とし、シール性(ピール強度、封緘強度)を良好にするための粘着付与剤(粘着剤)や、熱可塑性樹脂の粘度および軟化点を低下させるためのワックスなどを所定の比率で配合して調製したホットメルト接着剤組成物をグラビアロールコーティングなどの適宜手法によって塗着することによって形成されている(たとえば、特許文献1の段落0021および特許文献2の段落0010参照)。
特開2000−118546号公報 特開平11−138680号公報 特開2004−331199号公報 特開昭60−76586号公報 実願昭58−130213号(実開昭60−38264号)のマイクロフィルム
ところで、上記蓋材には、蓋材として使用されたときに容器口部に密着して容器内を気密に維持し、内容物の変質を長期にわたって防止するために所定値以上の封緘強度を有することや、使用に際して容器を開封しようとするときに引き剥しやすいものとするためにピール強度が所定値以下であることが要求されることはもちろんであるが、それらに加えて、使用前の蓋材を多数枚重ね合わせた状態で保管したときに貼り付いてしまわないこと(耐ブロッキング性)も重要な要求性能の一つである。しかしながら、前記従来技術による蓋材は、この点で必ずしも満足できるものではなかった。たとえば、特許文献2の蓋材におけるホットメルト接着剤層には、熱可塑性樹脂(EVA)30〜50重量%に対して水素添加ロジンなどの粘着付与剤が15〜30重量%配合されており、このような蓋材は、多数枚重ね合わせた状態で保管したときに、高配合された粘着付与剤の影響でブロッキングを起こしやすいものであった。
また、特にガラス瓶などの無機質容器は経時変化が著しく、長期間放置しておいたガラス瓶ではガラス表面にケイ酸ナトリウムやケイ酸カルシウムなどが析出して、蓋材との接着性を低下させることが問題視されている。この問題を解決するために、あらかじめガラス容器の口部を樹脂フィルムで被覆しておいてその上に蓋材のホットメルト接着剤層をヒートシールする手法(特許文献3)なども提案されているが、ガラス瓶への加工が必要であり、コストや工程の無駄が大きいだけでなく、複雑な口形状のガラス容器ではこのような加工を施すことが困難な場合もあって、根本的な解決には至っていない。従来の蓋材のホットメルト接着剤層に一般的に使用されてきた粘着付与剤は、製造直後のガラス瓶に対しては良好な封緘強度を与えるが、経年風化したガラス容器に対しては封緘強度が不十分となり、さらにシール後に高温高湿条件で長期間放置したときの封緘強度低下が著しく、内容物の気密性を長期にわたって保持することができない(後述の試験結果を参照)。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、耐ブロッキング性を向上させるとともに、ポリエステル樹脂などの樹脂容器だけでなくガラス容器、特に経年風化したガラス容器に対しても良好な封緘強度を発揮し且つ維持することができる新規な蓋材を提供することである。
この課題を解決するため、本発明者らは、蓋材のホットメルト接着剤層に、従来の粘着付与剤に代えてシランカップリング剤を配合することに着目した。シランカップリング剤は、一つの分子中に反応性の異なる2種類の反応基、すなわち無機質材料と化学的に結合する加水分解性基「OR」と、有機質材料と化学的に結合する有機反応基「X」とを有する有機ケイ素化合物である。シランカップリング剤は、化学的性質が大きく異なるため通常ではなかなか結合しにくい無機質材料と有機質材料とを強固に結合させることができるものとして様々な用途に用いられており、ガラスに対する接着性を向上させるために蓋材のホットメルト接着剤層に配合することについても提案されている(特許文献4,5)。しかしながら、シランカップリング剤には有機反応基「X」としてビニル、エポキシ、スチリル、メタクリル、アクリル、アミノ、メルカプト、スルフィド、イソシアネートなどが用いられた各種のものが存在するが、本発明者らが、蓋材のホットメルト接着剤層にこれら各種のシランカップリング剤を配合して各種試験を行ったところ、ある特定の有機反応基を持つシランカップリング剤のみが、前記課題を解決する上で有意に作用することが確認された。言い換えれば、蓋材のホットメルト接着剤層に従来の粘着付与剤に代えて配合するという特定の用途においては、あらゆるシランカップリング剤が一律に有用性を発揮するのではなく、一部のシランカップリング剤のみが有用性を発揮する。このことを発明者らは多くの試験と研究を重ねた結果として知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基材の下面に容器口部にヒートシール被着されるホットメルト接着剤層が設けられてなる蓋材において、該ホットメルト接着剤層が、熱可塑性樹脂接着剤と、ワックスと、有機反応基としてアミノ基を有するシランカップリング剤とを含むことを特徴とする。シランカップリング剤は、熱可塑性樹脂接着剤とワックスとの合計に対して0.3重量%以上添加することが好ましい。
本発明によれば、耐ブロッキング性が大幅に向上するので保管性・保存性が良好であり、また、合成樹脂製の容器だけでなくガラス瓶などの無機質容器に対しても良好なシール強度を長期にわたって安定して維持することができる蓋材が提供される。したがって、容器の材質を問わず、蓋材として利用するに最適である。
本発明による蓋材の一例を示す断面図である。 本発明による蓋材の他例を示す断面図である。
本発明による蓋材は、図1に例示するようなタイプの蓋材、または、図2に例示するようなタイプの蓋材として提供される。
図1の蓋材10は、基材11の裏面にホットメルト接着剤層12を設けた構成である。基材11の材質や構成は任意であり、たとえば、アルミニウム箔の裏面にポリエチレンシートを層着したものや、アルミニウム箔の両面にポリエチレンをサンドラミネートしてなる複合シートを紙の裏面に層着させたものなどを使用することができる。ホットメルト接着剤層12は、基材11の裏面に、たとえば20g/mの塗布量にてグラビアコーティングにより点状に設けることができる。この蓋材10は、特許文献1記載の蓋材と同タイプであって、ホットメルト接着剤層12を介して容器口部にヒートシールされることにより、容器内容物が空気や湿気に触れて変質することを防止し、使用に際して開封するとその全体が容器口部から剥離除去されるものである。なお、ヒートシールは、容器内容物の加温を極力押えるために、高周波シールによることが好ましい。
一方、図2の蓋材20は、リシール層21とシール層22とを剥離層23を介して剥離可能に設けた構成である。リシール層21は、たとえば、目付量480g/mの紙21aの裏面に厚さ60μのポリエチレン21bをラミネートしたものである。シール層22は、基材24の表面に剥離剤塗布による剥離層23が形成されるとともに、その裏面にホットメルト接着剤層25が設けられたものである。基材24の材質や構成は任意であり、たとえば、厚さ9〜30μのアルミニウム箔24aの裏面に、厚さ15〜30μのポリエチレン24bおよび30g/mのグラシン紙24cを順次に層着させたものを使用することができる。また、ホットメルト接着剤層25は、基材24の裏面(グラシン紙24cの裏面)に、たとえば20g/mの塗布量にてグラビアコーティングにより点状に設けることができる。この蓋材20は、特許文献2記載の蓋材と同タイプであって、リシール層21とシール層22とを有する一体としてホットメルト接着剤層25を介して容器口部にヒートシールされることにより、容器内容物が空気や湿気に触れて変質することを防止し、容器キャップを外すと、リシール層21とシール層22とが剥離層23で層間剥離して、リシール層21はキャップの内側に残され、シール層22は容器口部に被着されたままの状態で残される。その後、使用に際してシール層22を剥離除去するが、キャップを閉めると、キャップの内側に残されたリシール層21が容器口部を閉止するので、開封後であっても一定の変質防止効果を維持することができる利点がある。
本発明は、これらいずれのタイプの蓋材にも適用可能であり、その主たる特徴は、ホットメルト接着剤層12,25の組成にある。以下、ホットメルト接着剤層12,25について詳述する。
ホットメルト接着剤層は、熱可塑性樹脂接着剤と、ワックスと、有機反応基としてアミノ基を有するシランカップリング剤とを含む。熱可塑性樹脂接着剤としては、特にエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)が好適に用いられる。EVAは好ましくは酢酸ビニル(VA)を19〜35%含むものが好ましい。VA含量が19%未満であると接着性が低下し、35%を超えると耐ブロッキング性・耐水性・ピール強度が低下する。ワックスは、たとえば軟化点が90〜160度(華氏、以下も同じ)、好ましくは110〜150度のパラフィンワックスを用いることができる。軟化点が90度より小さいと耐ブロッキング性が低下し、160度より大きくなるとピール強度や封緘強度が低下する。EVA/ワックスの配合比は10/90〜90/10、好ましくは30/70〜70/30である。この配合比が10/90より小さくなるとピール強度や封緘強度が低下し、90/10より大きくなるとヒートシール加工時の生産性が低下する。
シランカップリング剤は、既述の通り、一つの分子中に反応性の異なる2種類の反応基、すなわち無機質材料と化学的に結合する加水分解性基「OR」と、有機質材料と化学的に結合する有機反応基「X」とを有する。ここで、無機反応基ORはメトキシ基、エトキシ基などのアクリロイル基であり、有機反応基Xはビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、アミノ基、メルカプト基などであって、これらの組み合わせによって多種のシランカップリング剤が知られているが、後述する本発明者らによる試験結果から、有機反応基Xがアミノ基であるシランカップリング剤が本発明において有意に作用することが確認された。無機反応基ORは特に限定されず、メトキシ基、エトキシ基などのいずれであっても良い。シランカップリング剤の配合割合は、熱可塑性樹脂接着剤とワックスの合計に対して0.1重量%の添加であっても効果があるが、好ましくは0.3重量%以上とするとより顕著な効果が得られる。
<試験>
VA混合率28%のEVA50%と、パラフィンワックス50%の合計に対して、各種シランカップリング剤(X−Si−(OR))を0.1%〜30%の範囲内で様々に添加量を変えて添加し、回転翼を有する加熱溶融釜を用いて加熱しながら均一に混錬してホットメルト接着剤化合物を調製し、これを基材11(厚さ30μのアルミニウム箔の裏面にポリエチレンシートを厚さ30μに層着したもの)の裏面に20g/mの塗布量にてグラビアコーティングにより点状に塗布してホットメルト接着剤層12を形成して、図1の構成を有する蓋材サンプル(実験番号1〜63)を得た。また、ホットメルト接着剤層12においてシランカップリング剤に代えて粘着付与剤として水素添加ロジン30%を添加した以外は上記と同様にして作成した蓋材サンプルを、従来技術相当の比較例(実験番号64)とした。
これら各蓋材サンプルを、通常瓶と風化瓶の2種のガラス瓶の口部に450KHzの高周波シール発振器を用いて毎分200本のシール速度で高周波シールした。ここで、通常瓶は外口径46mm、内口径42mmのガラス瓶であり、風化瓶はこの通常瓶を温度70℃、湿度90%の条件で12時間放置したものであって、通常の条件では約1年放置した状態に相当する。風化瓶では、経時変化によってガラス成分のうち接着を阻害する成分(ケイ酸ナトリウムやケイ酸カルシウムなど)が表面に析出していた。そして、各瓶に高周波シールした直後の初期状態およびその後温度40℃、湿度90%の条件で30日放置した後の経時状態におけるピール強度および封緘強度を測定した。
ピール強度は、蓋材の被着物(容器口部)に対する引き剥がし強度のことであり、消費者などが容器を開封するときの蓋材の剥がしやすさ(イージーピール性)の指標となるとともに密封性をも示すものであって、本試験においては、各蓋材サンプルをガラス瓶に高周波シールして接着した後、引張試験機により、接着したガラス面から90度方向に蓋材サンプルを引き剥がし、引き剥がし初期の値をピール強度とした。各蓋材サンプルについて20回繰り返して測定し、その平均値を採用して、○:15mm幅で7N以上、△:15mm幅で3N以上7N未満、×:15mm幅で3N未満、の3段階で評価した。
封緘強度は、シールした蓋材に対して1.33KPa/秒の内圧を掛けていく試験においてエアー漏れし始めたときの内圧値であり、容器の内容物を外部に漏出させないようにするための密封性の指標となるものであって、本試験においては、各蓋材サンプルをガラス瓶に前記と同一条件で高周波シールして接着した後1時間室温に放置した後に、封緘試験機で封緘強度を測定した。経時変化後の蓋材サンプルについては、前述のように高周波シール後温度40℃/湿度90%で30日間放置した後、室温で一日放置した上で同様にして封緘試験機で封緘強度を測定した。各蓋材サンプルについて20回繰り返して測定し、その平均値を採用して、○:40KPa以上、△:10KPa以上40KPa未満、×:10KPa未満、の3段階で評価した。
また、各蓋材サンプルを直径50mmに打ち抜き、250枚重ねて室温で30日放置した後の剥がしやすさの状況を目視で観察して、○:蓋材同士が接着することなく簡単に剥がれる、×:蓋材同士が剥がれずに重なったまま一体となった状態を維持している、の2段階で耐ブロッキング性を評価した。
また、粉状食品を入れた通常瓶に各蓋材サンプルを前記と同一条件で高周波シールし、シール部分を純水に完全に浸漬し、純水が内容物に浸透するまでの時間を目視にて測定して、○:24時間以上浸透せず、△:2時間以上24時間未満で浸透、×:2時間未満で浸透、の3段階で耐水性を評価した。
各蓋材サンプルにおいてホットメルト接着剤層12に添加したシランカップリング剤(または粘着付与剤)の種類、および、上記各試験結果を表1に示す。
Figure 2012171687
まず、ホットメルト接着剤層12に粘着付与剤として水素添加ロジン30%を添加した従来技術相当の比較例(実験番号64)は、風化瓶に対するシール性(ピール強度および封緘強度)が不十分であり、耐ブロッキング性および耐水性も不良であった。
これに対して、ホットメルト接着剤層12にシランカップリング剤を添加した蓋材サンプル(実験番号1〜63)はいずれも耐ブロッキング性が良好であり、従来技術による蓋材のホットメルト接着剤層に添加されていた水素添加ロジンなどの粘着付与剤に代えてシランカップリング剤を用いることによって耐ブロッキング性が改善されることが分かった。この点においては、シランカップリング剤の種類を問わずに有効性が確認された。
しかしながら、その他の評価項目、すなわちピール強度、封緘強度および耐水性については、有機反応基としてアミノ基を有するシランカップリング剤(以下「アミノ系シランカップリング剤」と言う、実験番号1〜14)は概ね良好な結果を示したが、非アミノ系シランカップリング剤(実験番号15〜63)では不十分であり、従来技術相当の比較例(実験番号64)よりもむしろ性能が低下する傾向が見られた。このことから、蓋材のホットメルト接着剤層に添加すべきシランカップリング剤は、あらゆる種類のものが一律に有用性を発揮するのではなく、アミノ系シランカップリング剤のみが有意に作用することが確認できた。また、無機反応基としてメトキシ基を有する蓋材サンプル(実験番号1〜7)とエトキシ基を有する蓋材サンプル(実験番号8〜14)との間には試験結果において有意差が認められないことから、シランカップリング剤の無機反応基については特に限定されないことも確認できた。すなわち、蓋材のホットメルト接着剤層に添加すべきシランカップリング剤としての必要十分条件は、有機反応基としてアミノ基を有することである。アミノ系シランカップリング剤であれば、これを蓋材のホットメルト接着剤層に添加することによって、耐ブロッキング性を大幅に改善することができるだけでなく、ガラス容器、それも経時変化によってガラス成分のうち接着を阻害する成分(ケイ酸ナトリウムやケイ酸カルシウムなど)が表面に析出しているようなガラス容器に対しても良好なシール性を発揮し、さらには耐水性をも向上させることができることが実証された。
ここで、シランカップリング剤の中でも特にアミノ系シランカップリング剤をホットメルト接着剤層12に添加したときにピール強度、封緘強度および耐水性が飛躍的に向上することの理由は必ずしも明確ではないが、風化ガラス瓶の表面に析出する接着阻害成分はケイ酸ナトリウムやケイ酸カルシウムなどの無機物であることから、無機物との接着性が良好であるアミノ系シランカップリング剤が風化ガラス瓶に対するピール強度や封緘強度を向上させる上で有意に作用しているものと考えられる。また、アミノ系シランカップリング剤添加のホットメルト接着剤層12は、蓋材の耐水性を飛躍的に向上させることから湿度(水分)の影響を受けにくく、このことが通常ガラス瓶および風化ガラス瓶のいずれについても経時によるピール強度および封緘強度の低下を最小限に抑制しているものと考えられる。また、アミノ系シランカップリング剤がホットメルト接着剤層12中の他の成分(EVAなどの熱可塑性樹脂およびワックス)に対して良好な相溶性を示すことも、これら物性の向上に貢献しているものと考えられる。
有機反応基としてアミノ基を有するシランカップリング剤の添加量については、熱可塑性樹脂接着剤とワックスの合計に対して0.1重量%の添加であっても効果がある(実験番号1,8)が、0.3重量%以上添加させることによって上記効果を最大限に発揮させることができる。添加量の上限は特に限定的ではないが、コストを考慮すると必要以上の添加は現実的でない。既述したように、たとえば特許文献2の蓋材におけるホットメルト接着剤層には、熱可塑性樹脂(EVA)30〜50重量%に対して水素添加ロジンなどの粘着付与剤が15〜30重量%配合されていることと比較すると、本発明では0.1重量%以上、好ましい実施形態においても0.3重量%以上のアミノ系シランカップリング剤を添加すれば十分な効果が得られるものであって、コスト面においてもきわめて優位性が高いことが実証された。
なお、この試験ではガラス瓶を対象としたが、これはピール強度および封緘強度において本発明による蓋材が特に優位性を発揮することを比較・実証するために選択したものであって、本発明の適用はガラス容器に限定されるものではなく、樹脂容器などにも適用可能である。この場合の試験データは特に示さないが、水素添加ロジンなどの粘着付与剤が添加されたホットメルト接着剤層を有する従来技術の蓋材と同等またはそれ以上のピール強度および封緘強度を発揮することが確認されており、且つ、耐ブロッキング性および耐水性については表1に示すように従来技術の蓋材と比べて顕著に優れている。
10 蓋材
11 基材
12 ホットメルト接着剤層
20 蓋材
21 リシール層
21a 紙
21b ポリエチレン
22 シール層
23 剥離層
24 基材
24a アルミニウム箔
24b ポリエチレン
24c グラシン紙
25 ホットメルト接着剤層

Claims (2)

  1. 基材の下面に容器口部にヒートシール被着されるホットメルト接着剤層が設けられてなる蓋材において、該ホットメルト接着剤層が、熱可塑性樹脂接着剤と、ワックスと、有機反応基としてアミノ基を有するシランカップリング剤とを含むことを特徴とする蓋材。
  2. シランカップリング剤が熱可塑性樹脂接着剤とワックスとの合計に対して0.3重量%以上添加される、請求項1記載の蓋材。
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