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JP2012157329A - 穀物粉食品用品質改良剤、穀物粉食品の生地の製造方法及び穀物粉食品の製造方法 - Google Patents

穀物粉食品用品質改良剤、穀物粉食品の生地の製造方法及び穀物粉食品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パン類、菓子類等の穀物粉食品に良好な食感や触感、外観を付与して、その品質を改良する方法を提供する。
【解決手段】パン類、菓子類等の穀物粉食品の品質改良のため、コラーゲンと、果糖又は果糖を含有する糖組成物を100〜200℃で加熱処理してなる糖加熱品とを、その原料に添加配合するようにして用いる。更に、天然多糖類を添加配合することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、穀物粉食品用品質改良剤、穀物粉食品の生地の製造方法及び穀物粉食品の製造方法に関する。
パン類、菓子類等の穀物粉食品においては、しっとり感、もっちり感、軟らかさ、ボリューム感等、良好な食感や触感、外観を付与することが望まれている。従来、菓子又はパンの品質を改良するための方法としては、例えば、増粘多糖類と酵素を利用する方法(特許文献1)、卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理を利用する方法(特許文献2)、天然物として乳酸発酵物とカテキン・食物酢を用いる方法(特許文献3)、平均分子量1万〜10万の魚類由来のゼラチンを用いる方法(特許文献4)などが開示されている。
特開2005−261221号公報 特開2003−325140号公報 特開2007−111043号公報 特開2006−345803号公報
しかしながら、従来の方法では、パン類、菓子類等の穀物粉食品の食感や触感、外観等の品質を改良する効果が十分とはいえなかった。
したがって本発明の目的は、パン類、菓子類等の穀物粉食品に、しっとり感、もっちり感、軟らかさ等、良好な食感や触感、外観を付与して、その品質を改良する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、コラーゲンと、果糖又は果糖を含有する糖組成物を100〜200℃で加熱処理してなる糖加熱品(以下、「糖加熱品」という。)とが、穀物粉食品用品質改良剤の有効成分として優れた特性を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1は、コラーゲンと、果糖又は果糖を含有する糖組成物を100〜200℃で加熱処理してなる糖加熱品とを含むことを特徴とする穀物粉食品用品質改良剤を提供するものである。
本発明の穀物粉食品用品質改良剤においては、前記糖加熱品は、その5質量%水溶液(固形分換算)の480nmにおける吸光度が0.1〜1.0であることが好ましい。また、更に、天然多糖類を含むことが好ましい。
一方、本発明の第2は、穀物粉を含む穀物粉食品の生地原料中に、該生地原料中に含まれる穀物粉100質量部に対してコラーゲン0.2〜5.0質量部及び果糖又は果糖を含有する糖組成物を100〜200℃で加熱処理してなる糖加熱品0.05〜1.2質量部を添加して、これを混練して生地とすることを特徴とする穀物粉食品の生地の製造方法を提供するものである。
本発明の穀物粉食品の生地の製造方法においては、前記生地原料中に、該生地原料中に含まれる穀物粉100質量部に対して天然多糖類0.02〜3.0質量部を更に添加することが好ましい。
また、本発明の第3は、上記の製造方法によって得られた生地を焼成又は蒸すことを特徴とする穀物粉食品の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、パン類、菓子類等の穀物粉食品において、コラーゲンと、果糖又は果糖を含有する糖組成物を100〜200℃で加熱処理してなる糖加熱品とを、その品質改良に用いることにより、しっとり感、もっちり感、軟らかさ等、良好な食感や触感、外観を付与することができる。
本発明に用いるコラーゲンは、その起源、抽出方法、分子量等において特に制限されるものではない。例えば、豚、牛、鶏等の骨や、皮、または魚の骨、皮、ウロコに含まれるコラーゲンを熱水抽出、加圧抽出等の抽出方法によって得られたコラーゲンを使用することができ、分子量としては10万以上の高分子のものから1000以下のペプチド状に分解されたものまで用いることができる。なかでも、重量平均分子量10,000以下のいわゆるコラーゲンペプチドと呼ばれるコラーゲンが好ましく用いられ、より好ましくは重量平均分子量1,000〜4,000のコラーゲンが用いられる。重量平均分子量10,000以下のコラーゲンを用いることで、製菓又は製パン類において、より優れた品質改良の効果が得られる。
また、上記コラーゲンとして、魚由来のコラーゲンであって、固形分中の遊離アミノ酸含量が1.0質量%以下、ヒ素含量が2ppm以下のものを用いてもよい。このようなコラーゲンは、既に外用剤やサプリメントとして使用実績が豊富であるため、安全性等の問題がなく、安心して使用することが可能である。そして、コラーゲン原料の特有の味や臭いがなく、更には、ヒ素含量2ppm以下と非常に低いので安全性が高く、幅広い分野に使用することができる。魚由来のコラーゲンは、例えば、特開2003−238597号公報に記載されている方法に従って得ることができる。
具体的には、カツオ、マグロ、カジキ、タラ、アジ、サバ、サケ、マス、サンマ、ウナギ、ティラピア、カワハギ、ハタ、オヒョウ、カレイ、ヒラメ、ニシン、イワシ、ティラピア、サメ、エイ、フグ、ブリ、カサゴ、メバル等から得られる魚皮及び/又は魚骨に、水を加えて加熱抽出又は加圧加熱抽出することにより、魚類由来のコラーゲンを得ることができる。上記魚類の中でも、大量かつ安定的に入手できることから、カツオ、マグロ、タラ、ティラピア、オヒョウ、サケ等を用いることが好ましい。
コラーゲンを低分子化したコラーゲンペプチドは、例えばコラーゲンを含む抽出物を、タンパク加水分解酵素で処理してコラーゲンを低分子化し、逆浸透膜処理して濃縮液を回収することで得ることができる。その濃縮の際には、適宜加水しながら、元液量の1〜10倍量、好ましくは3〜5倍量の水を加えて液を透過させることが好ましい。加水操作を繰り返すことにより、不純物をより効率よく除去することができ、更には、魚特有の風味を軽減できるので、より安全性の高いコラーゲンペプチドを得ることができる。このようなコラーゲンペプチドとして市販されているものとしては、商品名「マリンマトリックス」(焼津水産化学工業株式会社製)などが挙げられる。
コラーゲンの低分子化に用いる上記タンパク加水分解酵素としては、中性プロテアーゼ、アルカリ性プロテアーゼ、酸性プロテアーゼ、あるいはそれらを含有する酵素製剤など、特に制限されずに種種のものを用いることができる。また、酵素製剤は各社から市販されており、例えば、商品名「プロテアーゼN」(天野エンザイム製、中性プロテアーゼ)、商品名「プロテアーゼP−3」(天野エンザイム製、アルカリ性プロテアーゼ)、商品名「スミチームAP」(新日本化学工業製、酸性プロテアーゼ)などを用いることができる。また、上記逆浸透膜としては、食塩阻止率が10〜50%のものが好ましく用いられる。このような逆浸透膜としては、例えば、商品名「NTR−7410」、商品名「NTR−7430」、商品名「NTR−7450」(いずれも日東電工製)などが挙げられる。
コラーゲンの重量平均分子量は、例えば、蒸気圧浸透法、光散乱法、電気泳動法、GPC−HPLC法等の方法により測定することができる。
具体的な測定方法としては、例えば、GPC‐HPLC法でコラーゲンペプチドの重量平均分子量を測定する場合は、GPC‐HPLC装置(カラム:「TSK‐gel guardcolumnPWXL」(東ソー株式会社製)、「TSK‐gel G3000PWXL」(東ソー株式会社製)、「TSK‐gel G2500PWXL」(東ソー株式会社製)、移動相:0.5% 塩化ナトリウム水溶液、流速:0.8mL/min、カラム温度:30℃、検出:RI、HPLCポンプ:「HITACHI L−7100型」(日立製作所製)を使用し、標準物質として、ラミナリテトラオース(分子量660)、ラミナリヘキサオース(分子量990)、プルラン5量体(分子量5,900)、プルラン10量体(分子量11,800)、プルラン20量体(分子量22,800)を用いて、これら標準物質との相対分子量から求めることができる。なお、本発明の好ましい態様として重量平均分子量の範囲を特定するためには、上記GPC−HPLC法で求められる重量平均分子量で特定することが好ましい。
本発明に用いる糖加熱品は、果糖又は果糖を含有する糖組成物を100〜200℃で加熱処理することにより、得ることができる。好ましくは、その5質量%(固形分換算)水溶液の480nmにおける吸光度が0.1〜1.0になるように、加熱処理して調製する。このような糖加熱品は、その加熱により果糖又は果糖を含む糖組成物が脱水縮重合を起こし、それにより生じた所定分子量分布を備えた複合糖組成物から構成されている。
本発明において用いることのできる天然多糖類としては、常温の蒸留水に0.2質量%程度の濃度で分散できる天然多糖類であればよく、例えばカラギーナン、アルギン酸、アルギン酸塩、寒天、グルコマンナン、ペクチン、キサンタンガム、グアガム、粉末水飴、シクロデキストリン、プルランなどを好ましく例示できる。分散性の点からはカラギーナン、グルコマンナン、粉末水飴、アルギン酸、キサンタンガムが好ましく、味質、ハンドリングの点からはグルコマンナンが特に好ましい。
本発明においては、コラーゲン及び糖加熱品を穀物粉食品の原料に添加配合することで、その品質改良剤としての作用効果を発揮させることができる。その使用形態に特に制限はないが、例えば、穀物粉食品の生地原料中に含まれる穀物粉100質量部に対してコラーゲン0.2〜5.0質量部、好ましくは0.5〜1.5質量部、及び糖加熱品0.05〜1.2質量部、好ましくは0.1〜0.4質量部、を添加して、これを混練して穀物粉食品の生地とすることができる。そして、得られた生地を焼成又は蒸す等することによって穀物粉食品とすることができる。また、その生地原料中に含まれる穀物粉100質量部に対して天然多糖類0.02〜3.0質量部、好ましくは0.02〜0.5質量部、を更に添加してもよい。なお、コラーゲン及び糖加熱品、又は天然多糖類は、予め生地原料に配合する水に分散、混合又は溶解しておき、これにその他の原料を添加してもよい。特にグルコマンナン等の天然多糖類は、他の原料と混和又は分散しにくいため、予め生地原料に配合する水との水和ゲルの状態を形成させてから、これに他の原料を添加してもよい。
本発明は、常温、冷蔵、冷凍による流通等によって、穀物粉食品を製造する前の生地として製品が流通されるものについても、適用できる。すなわち、上記コラーゲン及び上記糖加熱品、又は必要に応じて上記天然多糖類を、その生地中に添加配合することで、その後焼成又は蒸す等によって穀物粉食品とされたときに、その品質改良剤としての作用効果を発揮させるように利用してもよい。
本発明が適用される穀物粉食品は、小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉)等の穀物粉を主な原料として水を加えて生地とし、これを焼成又は蒸すことにより製造される穀物粉食品であり、小麦粉の一部若しくは全部の代替として、米粉、ライ麦粉や他の穀物粉を使用したパン類や菓子類等の穀物粉食品にも適用される。例えば、パン類としては、食パン、バターロール、コッペパン、バンズ、クロワッサン、デニッシュ、フォカッチャ、パニーニ、ナン、ベーグル、ピロシキ、ロゼッタ、フランスパン、ドイツパン、中国パン、菓子パン、調理パン類等が挙げられる。また、菓子類としては、マフィン、マドレーヌ、ドーナツ、蒸しパン、シュークリーム、エクレア、シフォンケーキ、パウンドケーキ、スポンジケーキ、ロールケーキ、ホットケーキ、クッキー、ビスケット、サブレ、プリッツェル、パイ、クレープ、バウムクーヘン、ワッフル、その他ケーキ類、まんじゅう、団子、どら焼き、今川焼き、鯛焼き、八つ橋、カステラ、せんべい等が挙げられる。更に、小麦粉やその他の穀物粉を使用するものであれば、特にパン類や菓子類に限定されるものではなく、餃子や春巻きの皮、肉まんや飲茶の皮などにも幅広く適用できる。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
なお、以下の例においては、糖加熱品として下記方法で調製したものを用いた。
・糖加熱品A
果糖を120〜130℃の温度で4時間加熱後、加水冷却して固形分75%に調整したものである。この糖加熱品の5質量%(固形分換算)水溶液の480nmにおける吸光度は0.3であった。
・糖加熱品B
果糖ぶどう糖液糖を120〜130℃の温度で4時間加熱後、加水冷却して固形分75%に調整したものである。この糖加熱品の5質量%(固形分換算)水溶液の480nmにおける吸光度は0.3であった。
<試験例1> (食パン:コラーゲン添加とその分子量の影響)
ホームベーカリー「ZOJIRUSHI BB-HA10」(製品名、象印マホービン株式会社)を使用し、下記表1を基本配合として常法によって食パンを作成した。
このときコラーゲン添加とその分子量による影響を比較するため、各種分子量のコラーゲンを強力粉100質量部に対して2質量部添加して食パンを作成した。コラーゲンは魚由来のものを用い、具体的には、重量平均分子量10,000以上の魚由来コラーゲンとして「イクオス」(商品名、新田ゼラチン株式会社)(以下、「c-10,000」という。)と、重量平均分子量3,000以下の魚由来コラーゲンとして「マリンマトリックス」(商品名、焼津水産化学工業株式会社)(以下、「c-3,000」という。)と、重量平均分子量1,000以下の魚由来コラーゲンとして「マリンマトリックスM」(商品名、焼津水産化学工業株式会社)(以下、「c-1,000」という。)との3種類を比較した。
食パンは出来上がり後2時間放冷し、その後ビニール袋に入れシールして保存し、作成翌日に官能評価を実施した。官能評価はパネラー7名にて、食パンの外観(きめ)、触感、及び食感(弾力・しっとり感・軟らかさ)の計5項目について、コラーゲンを添加しない場合と比較して良い方を+として−5から+5の11段階で評価し、その平均点を算出した。また、その平均点の合計点を算出し、総合評価として、×(2.0点未満)・△(2.0〜3.5点未満)・○(3.5〜5.0点未満)・◎(5.0点以上)で示した。結果を表2に示す。
その結果、食パンの評価の各項目で、コラーゲンを添加することによる品質の改良が認められた。また、分子量の違いについては、項目別にはそれぞれの傾向はみられるものの、総合評価として明確な差が見られなかった。
<試験例2> (食パン その2:コラーゲンと糖加熱品の添加の影響)
コラーゲンと糖加熱品とを併用して添加したときの影響を検討するため、各種分子量のコラーゲンを強力粉100質量部に対して2質量部添加し、更に糖加熱品Aを強力粉100質量部に対して0.5質量部添加した以外は、試験例1と同様にして食パンを作成し、官能評価を行った。結果を表3に示す。
その結果、コラーゲンに加えて糖加熱品Aを添加することによって、コラーゲンによる食パンの品質の改良効果が増強した。総合評価では、c-1,000とc-3,000について特に大きな効果が認められた。
<試験例3> (食パン その3:コラーゲンと糖加熱品の添加量の影響)
コラーゲンと糖加熱品とを併用して添加した場合であって、その添加量を減らしたときの影響を検討するため、各種分子量のコラーゲンを強力粉100質量部に対して1質量部添加し、更に糖加熱品Aを強力粉100質量部に対して0.15質量部添加した以外は、試験例1と同様にして食パンを作成し、官能評価を行った。結果を表4に示す。
その結果、コラーゲンと糖加熱品Aの添加量を減らした場合でも、コラーゲンに加えて糖加熱品Aを添加することによって、コラーゲンによる食パンの品質の改良効果が増強した。c-1,000、c-3,000及びc-10,000のいずれにおいても、コラーゲンと糖加熱品Aを多く添加した試験例2よりも効果が高く、総合評価では、c-3,000について最も大きな効果が認められた。
<試験例4> (食パン その4:天然多糖類の添加の影響)
コラーゲンと糖加熱品とを併用して添加し、更に天然多糖類を添加したときの影響を検討するため、重量平均分子量3,000以下のコラーゲン(c-3,000)を強力粉100質量部に対して1質量部添加し、糖加熱品Aを強力粉100質量部に対して0.15質量部添加することを基本として、更にグルコマンナンを強力粉100質量部に対して0.05又は0.1質量部添加すること以外は、試験例1と同様にして食パンを作成し、官能評価を行った。結果を表5に示す。
その結果、コラーゲンと糖加熱品Aに加えて、少量のグルコマンナンを更に添加することにより、食パンの品質の改良効果がさらに増強した。少量のグルコマンナンを添加することで弾力が付与されるため、しっとり感・もっちり感・軟らかさを兼ねそろえたより良好な食感の食パンとなった。なお、グルコマンナンを強力粉100質量部に対して0.1質量部添加した場合、軟らかさよりも弾力が強いパンとなった。
<試験例5> (食パン その5:天然多糖類の添加の影響)
糖加熱品として糖加熱品Bを用い、試験例4と同様にして、重量平均分子量3,000以下のコラーゲン(c-3,000)を強力粉100質量部に対して1質量部、糖加熱品Bを強力粉100質量部に対して0.15質量部添加し、更にグルコマンナンを強力粉100質量部に対して0.05質量部添加して食パンを作成した。得られた食パンはしっとり感・もっちり感・軟らかさを兼ねそろえたより良好な食感であり、糖加熱品Aを使用した試験例4同様の品質改良効果が認められた。
<試験例6> (米粉パン)
表6に示す配合で、ホームベーカリー「ZOJIRUSHI BB-HA10」(製品名、象印マホービン株式会社)を使用し、米粉パンを作成した。米粉パンは出来上がり後2時間放冷し、その後ビニール袋に入れシールして保存し、作成翌日に官能評価を実施した。官能評価はパネラー7名にて、外観(きめ)、触感、及び食感(弾力・しっとり感・軟らかさ)の計5項目について、試験配合について比較配合に比べて良い方を+として−5から+5の11段階で評価し、その平均点を算出した。その結果を表7に示す。
その結果、米粉のパンにおいても、コラーゲンと糖加熱品A及びグルコマンナンを添加することにより、弾力が付与され、しっとり感・もっちり感・軟らかさを兼ねそろえたパンとなり、小麦粉パンと同様に品質改良効果が認められた。
<試験例7> (蒸しパン)
表8に示す配合で、常法に従い蒸しパンを作成した。官能評価は、作成当日に、パネラー7名にて、触感、及び食感(弾力・しっとり感・軟らかさ)の計4項目について、試験配合について比較配合に比べて良い方を+として−5から+5の11段階で評価し、その平均点を算出した。その結果を表9に示す。
その結果、蒸しパンにおいても、コラーゲンと糖加熱品A及びグルコマンナンを添加することにより、弾力が付与され、しっとり感・もっちり感・軟らかさを兼ねそろえた蒸しパンとなり、蒸しパンにおいても品質改良効果が認められた。
<試験例8> (マフィン)
表10に示す配合で、常法に従いマフィンを作成した。
その結果、試験配合のマフィンは比較配合のマフィンに比べて生地作成時の流動性も良く、食感もしっとりしており、焼き菓子であるマフィンにおいても品質改良効果が認められた。
<試験例9> (揚げドーナツ)
表11に示す配合で、常法に従い揚げドーナツを作成した。
その結果、試験配合の揚げドーナツは比較配合の揚げドーナツに比べて油臭が抑制され、食感が軽く、口溶け感も良好であり、揚げ菓子であるドーナツにおいても品質改良効果が認められた。
<試験例10> (餃子の皮)
表12に示す配合で作成した餃子の皮を用いて、常法に従い餃子を作成した。
その結果、試験配合の餃子の皮は比較配合の餃子の皮に比べてもっちりとしており、焼成後もパサパサしにくく、餃子の皮においても品質改良効果が認められた。

Claims (6)

  1. コラーゲンと、果糖又は果糖を含有する糖組成物を100〜200℃で加熱処理してなる糖加熱品とを含むことを特徴とする穀物粉食品用品質改良剤。
  2. 前記糖加熱品は、その5質量%水溶液(固形分換算)の480nmにおける吸光度が0.1〜1.0である請求項1記載の穀物粉食品用品質改良剤。
  3. 更に、天然多糖類を含む請求項1又は2記載の穀物粉食品用品質改良剤。
  4. 穀物粉を含む穀物粉食品の生地原料中に、該生地原料中に含まれる穀物粉100質量部に対してコラーゲン0.2〜5.0質量部及び果糖又は果糖を含有する糖組成物を100〜200℃で加熱処理してなる糖加熱品0.05〜1.2質量部を添加して、これを混練して生地とすることを特徴とする穀物粉食品の生地の製造方法。
  5. 前記生地原料中に、該生地原料中に含まれる穀物粉100質量部に対して天然多糖類0.02〜3.0質量部を更に添加する請求項4記載の穀物粉食品の生地の製造方法。
  6. 請求項4又は5の製造方法によって得られた生地を焼成又は蒸すことを特徴とする穀物粉食品の製造方法。
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