JP2012148924A - 光ファイバの線引炉及び線引き方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】径変動が大きい光ファイバ用ガラス母材を、光ファイバ線引炉体における上端開口部とガラス母材との間に生じる隙間をシールしながら、低コストで線引きすることが可能な光ファイバの線引炉を提供する。
【解決手段】光ファイバ用のガラス母材1が挿入される上端開口部と、上端開口部から挿入されたガラス母材1を内部に収容する炉心管と、ガラス母材1を加熱して溶融する加熱源と、上端開口部とガラス母材1との間の間隙をシールガスによりシールするシール機構と、を備える。上記シール機構は、上端開口部の上側であってガラス母材1を囲む位置に、環状の筐体31を有する。環状の筐体31は、内周面からシールガスを吹き出す吹出口(吹出口32a等)を持ち、環状の筐体31の内周面とガラス母材1との間の隙間の幅の最大値をδとしたとき、吹出口のうち最も上側と最も下側との間の距離LをL≧20δとする。
【選択図】図2
【解決手段】光ファイバ用のガラス母材1が挿入される上端開口部と、上端開口部から挿入されたガラス母材1を内部に収容する炉心管と、ガラス母材1を加熱して溶融する加熱源と、上端開口部とガラス母材1との間の間隙をシールガスによりシールするシール機構と、を備える。上記シール機構は、上端開口部の上側であってガラス母材1を囲む位置に、環状の筐体31を有する。環状の筐体31は、内周面からシールガスを吹き出す吹出口(吹出口32a等)を持ち、環状の筐体31の内周面とガラス母材1との間の隙間の幅の最大値をδとしたとき、吹出口のうち最も上側と最も下側との間の距離LをL≧20δとする。
【選択図】図2
Description
本発明は、光ファイバの線引炉及び線引き方法に関し、より詳細には、線引炉の本体の上端開口部と光ファイバ用のガラス母材との間隙をシールするシール機構を備えた光ファイバの線引炉、及びその線引炉を用いた光ファイバの線引き方法に関するものである。
光ファイバは、例えば石英を主成分として形成されたガラス母材を線引炉にて加熱して引き出される。この線引炉の炉内部品材料としては、主にカーボンが使われており、このカーボンの酸化を防ぐために不活性ガスまたは窒素ガス(以下、不活性ガス等と称す)が炉内に充填されている。
そして、さらに炉内圧力を陽圧にすることにより、炉外の空気(酸素)が炉内に入り込むことを防いでいるが、線引炉の上端部におけるガラス母材の導入口の隙間、つまり線引炉の上端開口部におけるガラス母材との隙間がうまくシールされていないと、ここから炉外の空気を巻き込んでしまうことになる。従って、この隙間から炉外空気を炉内に巻き込まないようにシールするシール機構が必要となる。また、この部分をうまくシールすることができれば、不活性ガス等の使用量を減らすことができ、コスト低減につなげることも可能である。
図3を参照しながら、従来のシール機構を採用した線引炉について説明する。図3で示す線引炉は、その本体(以下、線引炉体という)10にシール機構5が設置されてなる。線引炉体10は、炉筐体11と、その内部に設けられた炉心管12と、炉心管12の外周に設けられた筒状のヒータ13、ヒータ13の外周に設けられた断熱材14とを備える。また、線引炉体10には図示しない炉内ガス供給機構が設けられており、炉心管12内やヒータ13の周りに酸化や劣化防止のために不活性ガス等を供給するようになっている。
そして、シール機構5は、炉筐体11の上端面11aの上部に設置された環状の筐体51と、筐体51の内部空間(ガス溜)52に外部から炉内ガスと同種のガスをシールガスとして供給する図示しないガス供給機構と、内部空間52からガラス母材1の外周面に対してシールガスが吹き出すように筐体51の内周面に設けられた吹出口53とを備えている。
吹出口53としては、図示するように水平方向に吹き出すように全周方向に配置した吹き出しスリット、若しくは吹き出し穴などが用いられる。ここで、吹出口53からガラス母材1の外周面に沿って吹き出されたシールガスは、結果的に炉外及び上端開口部とガラス母材1との間に生じる隙間15に向かい、隙間15から炉外空気を炉内に巻き込まないようにしている。このような方式は、ガスシール方式と呼ばれている。
図3の線引炉体10では、このような構成により、炉外空気を炉内に巻き込まないようにしながら、炉内のガラス母材1の下部を炉心管12内でヒータ13により加熱し、加熱溶融されて細径となったガラス母材1の下端から光ファイバ1fを溶融垂下させて、炉筐体11の下端部に設けられた排出孔16からその光ファイバ1fを引き出すことができる。ここで、線引きが進むに連れて、支持棒2と共にガラス母材1を移動機構により徐々に下げていけばよい。
ガスシール方式としては、例えば特許文献1に記載のシール機構のように、線引炉体の上端開口部に多層構造の不活性ガス溜を設けたものもある。
ガスシール方式としては、例えば特許文献1に記載のシール機構のように、線引炉体の上端開口部に多層構造の不活性ガス溜を設けたものもある。
図4を参照しながら、ガスシール方式とは異なる方式を採用した従来のシール機構について説明する。図4で示す線引炉は、線引炉体10にシール機構6が設置されてなる。シール機構6は、直接、ガラス母材1のプリフォーム部1aをシールするのではなく、石英製のダミー棒部1bで接触した状態でシールするように構成されている。そのため、シール機構6は、管体61を備え、管体61の上に設置された環状の気密板ホルダ62に保持された耐熱ゴム等でなる気密板63によって、シールされている。
このようなダミー棒部1bを設け、プリフォーム全体を管体61で覆い、ダミー棒部1bとの気密を取って線引きする方式は、上煙突方式または接触シール方式と呼ばれている。上煙突方式の利点は、ダミー棒部1bでシールしているため、プリフォーム部1aを最後まで線引きすることができることにある。
なお、上煙突方式としては、例えば特許文献2に記載の線引炉のように、線引室の光ファイバ母材の上部空間で線引室の周囲壁面近傍以外の空間を上下方向に画成する仕切板を設けたものもある。
なお、上煙突方式としては、例えば特許文献2に記載の線引炉のように、線引室の光ファイバ母材の上部空間で線引室の周囲壁面近傍以外の空間を上下方向に画成する仕切板を設けたものもある。
ガラス母材径の変動が小さければ、上記シール機構として上記ガスシール方式を採用しても、そのガラス母材径に合わせて線引炉体の上端開口部とガラス母材との隙間を単に塞ぐようにしてシールすれば十分なシール効果が得られるが、ガラス母材径の変動が例えば±10mm程度と大きいような場合には、上記隙間の間隔が大きく変動するため、その隙間の変動分を加味しながらシールする必要があり、ガスシール方式では大量のガスが必要となってしまう。
一方で、上煙突方式では、ガラス母材径が変動しても、ダミー棒部で気密を取るためシール部に対する影響はないが、炉内ガスとして、高価なHeガス(熱伝達係数大)ではなく、安価なN2ガスやArガス(熱伝達係数小)を用いると、線引き後の光ファイバの径変動が大きくなる、という問題がある。これは、プリフォーム全体を囲うことにより線引炉体の内部の容量が大きくなるため、熱伝達係数の小さいガスを用いると炉内に温度差が生じ、ガスの対流が起きやすくなっているためと推測される。特に光ファイバ用ガラス母材を大型化していく際に、この問題が顕著になる。このため、上煙突方式では、対流の起きにくい高価なHeガスを使用せざるを得なくなる、といった製造上の制限も課されてくる。
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、径変動が大きい光ファイバ用ガラス母材を、光ファイバ線引炉体における上端開口部とガラス母材との間に生じる隙間をシールしながら、低コストで線引きすることが可能な光ファイバの線引炉及び線引き方法を提供することにある。
本発明に係る光ファイバの線引炉は、光ファイバ用のガラス母材が挿入される上端開口部と、上端開口部から挿入されたガラス母材を内部に収容する炉心管と、ガラス母材を加熱して溶融する加熱源と、上端開口部とガラス母材との間の間隙をシールガスによりシールするシール機構と、を備えている。そして、上記シール機構は、上端開口部の上側であってガラス母材を囲む位置に、環状の筐体を有し、この環状の筐体は、内周面からシールガスを吹き出す吹出口を持ち、環状の筐体の内周面とガラス母材との間の隙間の幅の最大値をδとしたとき、吹出口のうち最も上側と最も下側との間の距離LがL≧20δであるものとする。
また、上記環状の筐体は、吹出口を高さ方向に離間した位置に2つ以上持つ多段構造の多段吹出部を有することが好ましい。そして、上記多段吹出部は、吹出口のうち、最上段に位置する吹出口では斜め上向き、最下段に位置する吹出口では斜め下向きに、シールガスを吹き出すことが好ましい。
また、上記シール機構は、上記多段吹出部における最上段に位置する吹出口と最下段に位置する吹出口の間に、シールガスを排出するための排気部と、排気部から排出されるシールガスの濃度を検出する濃度検出部とを有することが好ましい。
さらに、上記シール機構は、上記多段吹出部における最下段に位置する吹出口の下部に設けられ、炉心管の内圧を検出する炉内圧検出部を有することが好ましい。
さらに、上記シール機構は、上記多段吹出部における最下段に位置する吹出口の下部に設けられ、炉心管の内圧を検出する炉内圧検出部を有することが好ましい。
本発明に係る光ファイバの線引き方法は、光ファイバ用のガラス母材が挿入される上端開口部と、上端開口部から挿入されたガラス母材を内部に収容する炉心管と、ガラス母材を加熱して溶融する加熱源と、を備えた線引炉を用い、光ファイバの線引きを行う。この線引き方法では、上端開口部の上側であってガラス母材を囲む位置に環状の筐体を有するシール機構を設置して、上端開口部とガラス母材との間の間隙を、シール機構からシールガスを吹き出すことによりシールしながら、線引きを行う。上記環状の筐体は、内周面からシールガスを吹き出す吹出口を持ち、環状の筐体の内周面とガラス母材との間の隙間の幅の最大値をδとしたとき、吹出口のうち最も上側と最も下側との間の距離LがL≧20δであるものとする。
本発明によれば、径変動が大きい光ファイバ用ガラス母材を、光ファイバ線引炉体における上端開口部とガラス母材との間に生じる隙間をシールしながら、低コストで線引きすることが可能になる。
図1は、本発明に係る線引炉の概略を説明するための図で、図中、1は光ファイバ用のガラス母材、2は支持棒、3はシール機構、10は光ファイバの線引炉の本体(以下、線引炉体という)である。
図1に示すように、線引炉体10は、炉筐体11と、その内部に設けられた炉心管12と、炉心管12の外周に設けられた筒状の加熱源(ヒータ)13と、ヒータ13の外周に設けられた断熱材14とを備える。炉心管12は、上端開口部から挿入されたガラス母材1を内部に収容する。ヒータ13は、炉心管12に収容されたガラス母材1を加熱して溶融する。
また、線引炉体10には図示しない炉内ガス供給機構が設けられており、炉心管12内やヒータ13の周りに酸化や劣化防止のために不活性ガス等を供給するようになっている。
また、線引炉体10には図示しない炉内ガス供給機構が設けられており、炉心管12内やヒータ13の周りに酸化や劣化防止のために不活性ガス等を供給するようになっている。
また、線引炉体10において、ガラス母材1は、別途設けた移動機構により線引方向(下側方向)に移動させることが可能となっており、ガラス母材1の上側には、そのガラス母材1を上側から吊り下げて支持するための支持棒2が連結されている。
この支持棒2は、ガラス母材1と一体に形成されたものでもよく、別々に製造して、融着させてもよい。支持棒2の断面形状としては円形が挙げられるが、それに限ったものではない。また、支持棒2とガラス母材1とを接続するために別途、接続部(嵌合部)を設けてもよい。
この支持棒2は、ガラス母材1と一体に形成されたものでもよく、別々に製造して、融着させてもよい。支持棒2の断面形状としては円形が挙げられるが、それに限ったものではない。また、支持棒2とガラス母材1とを接続するために別途、接続部(嵌合部)を設けてもよい。
このような線引炉体10における光ファイバ線引工程を概略的に説明する。線引炉体10では、後述のシール機構3によって炉外空気を巻き込まないようにしながら、炉内のガラス母材1の下部を炉心管12内でヒータ13により加熱し、加熱溶融されて細径となったガラス母材1の下端から光ファイバ1fを溶融垂下させて、炉筐体11の下端部に設けられた排出孔16からその光ファイバ1fを引き出す。そして、線引きが進むに連れて、支持棒2と共にガラス母材1を移動機構により徐々に下げていく。
以下、本発明に係るシール機構3について説明する。シール機構3は、線引炉体10の上端面11aにおいてガラス母材1が挿入される上端開口部とガラス母材1の外周面との間に生じる隙間15を、シールガスによりシールするための機構である。
図1では、炉心管12の内壁の上端部がそのまま線引炉体10の上端面11aの上端開口部を形成している例を挙げているが、これに限ったものではない。例えば、炉心管12の内径dよりさらに狭い上端開口部となる上蓋を炉心管12の上側に設けてもよく、この場合にシール対象となる隙間は、この狭い上端開口部とガラス母材1との間に生じる隙間となる。また、ガラス母材1の断面形状は、基本的に真円を目指して生成されたものとするが、その精度を問わず一部で凸凹が存在してもよく、また楕円形などであってもよい。また、上記上端開口部の断面は円形としておけばよいが、この精度は問わない。
そして、本発明の主たる特徴として、シール機構3は、上端開口部の上側であってガラス母材1を囲む位置に、環状の筐体31を有する。図1で示すシール機構3は、炉筐体11の上端面11aの上部に環状の筐体31が設置されている。
また、シール機構3は、図1では図示しないが、筐体31の内部空間(ガス溜)に外部からシールガスを供給するガス供給機構と、内部空間からガラス母材1の外周面に対してシールガスが吹き出すように筐体31の内周面に設けられた吹出口とを備えている。ここで、吹出口からガラス母材1の外周面に沿って吹き出されたガスは、炉外、及び上端開口部とガラス母材1との間に生じる隙間15に向かい、隙間15から炉外空気を巻き込まないようにしている。
また、シール機構3は、図1では図示しないが、筐体31の内部空間(ガス溜)に外部からシールガスを供給するガス供給機構と、内部空間からガラス母材1の外周面に対してシールガスが吹き出すように筐体31の内周面に設けられた吹出口とを備えている。ここで、吹出口からガラス母材1の外周面に沿って吹き出されたガスは、炉外、及び上端開口部とガラス母材1との間に生じる隙間15に向かい、隙間15から炉外空気を巻き込まないようにしている。
そして、環状の筐体31は、後述する環状の筐体31の内周面とガラス母材1の外周面との間の隙間の幅の最大値(つまり最大幅)をδとしたとき、吹出口のうち最も上側と最も下側との間の距離LをL≧20δとする。なお、隙間の最大幅δについては図2を参照しながら後述する。
また、吹出口のうち最も上側と最も下側との間の距離Lとは、吹出口が1つであった場合には、その上端と下端との距離を指し、図2を参照しながら後述するように吹出口が複数であった場合には最も上段の吹出口(の上端)と最も下段の吹出口(の下端)との距離を指す。
また、吹出口のうち最も上側と最も下側との間の距離Lとは、吹出口が1つであった場合には、その上端と下端との距離を指し、図2を参照しながら後述するように吹出口が複数であった場合には最も上段の吹出口(の上端)と最も下段の吹出口(の下端)との距離を指す。
例えば、ガラス母材1の直径Dが90mmで±10mmの径変動で形成されている場合には、炉心管12の直径dが120mm程度であればよいため、隙間の幅は10〜20mm程度(最大幅δは20mm)となる。この場合、距離LをL≧20δ、つまり400mm以上にしておけば、十分なシールができる。
このようなシール機構3は、ガスを吹き出す部分に高さ(間隔)があるので、間隙の最大幅δがある程度大きくてもシールすることが可能である。つまり、本発明によれば、ガラス母材1の径変動が大きくても小さい場合と同様の光ファイバ1fの外径変動で線引きすることができる。無論、本発明におけるシール機構3は、上煙突方式ではないため、高価なHeガスは必須では無く、また上煙突が無い分、ガラス母材1を供給する供給装置も短く構成できるので設備費が安くなる。
次に、図2を参照しながら、図1の線引炉におけるシール機構3の好ましい例について説明する。
環状の筐体31は、吹出口を高さ方向に離間した位置に2つ以上持つ多段構造をなすことが好ましい。このように、多段構造をなして高さを持たせたガスの吹出部を、以下、多段吹出部と呼ぶ。
環状の筐体31は、吹出口を高さ方向に離間した位置に2つ以上持つ多段構造をなすことが好ましい。このように、多段構造をなして高さを持たせたガスの吹出部を、以下、多段吹出部と呼ぶ。
そして、シール機構3は、上記ガス供給機構として、多段吹出部にガスを供給するガス供給部40とその供給量を制御するコントローラ39とを備える。
図2の例では、多段吹出部として吹出部32,33,34,37を備え、ガス供給部40から供給されたシールガスを吹出部32,33,34,37の吹出口32a,33a,34a,37aから、環状の筐体31の内周面に亘って吹き出すようにしている。吹出口32a,33a,34a,37aとしては、図示するように全周方向に配置した吹き出しスリット、若しくは吹き出し穴などが用いられる。
図2の例では、多段吹出部として吹出部32,33,34,37を備え、ガス供給部40から供給されたシールガスを吹出部32,33,34,37の吹出口32a,33a,34a,37aから、環状の筐体31の内周面に亘って吹き出すようにしている。吹出口32a,33a,34a,37aとしては、図示するように全周方向に配置した吹き出しスリット、若しくは吹き出し穴などが用いられる。
図2のように多段吹出部を設けた場合、距離Lは、図示したように、吹出口のうち最も上段の吹出口32aと最も下段の吹出口37aとの間の長さに相当する。この距離Lが、同じく図示した隙間の最大幅δを用いて、L≧20δの条件を満たすようにシール機構3を製造しておけばよい。
また、上記多段吹出部は、吹出部のうち、最上段に位置する吹出部では吹出口を斜め上向きにし、最下段に位置する吹出部では吹出口を斜め下向きにして、シールガスを吹き出すように構成することが好ましい。図2の例では、吹出部32,33,34,37のうち最上段の吹出部32における吹出口32aを斜め上に向けて斜め上に吹き出すようにし、最下段の吹出部37における吹出口37aを斜め下に向けて斜め下に吹き出すようにしている。図2の例では、さらに、吹出部33における吹出口33aは水平方向に吹き出すように形成されており、後述の排気部35から排出されやすいように、吹出部34における吹出口34aは斜め下に向けて形成され、斜め下向きに吹き出すようになっているが、最上段、最下段以外の吹出口の向きについては、特に限定しない。
また、シール機構3における環状の筐体31は、シールガスを排出するための排気部35を有することが好ましい。排気部35は、多段吹出部における最上段以外で且つ最下段以外で、すなわち、最上段の吹出部と最下段の吹出部の間に設けられる。排気部35における排気口35aとしては、図示するように全周方向に配置した排気用スリット、若しくは排気穴などが用いられる。
吹き出すガスとしては、He,Ar,N2などの不活性ガス等が挙げられるが、吹出口から吹き出すシールガスは、炉心管12に充填させる炉内ガスと種類が同じガスを用いてもよいし、一部異なるガスを用いてもよい。異なるガスを用いる場合、例えば炉内ガスとして高価なガス(He)を用いている場合は、最下段の吹出部37からは炉内ガスと同じ高価なガス(He)を用い、上段側の吹出部32,33,34で流すガスとしては安価なガス(窒素など)を用いることができる。無論、吹出口37aから吹き出すガスと吹出口32a,33a,34aから吹き出すガスとが異なる種類の場合、それらのガスの供給源は別々となるため、ガス供給部40及びコントローラ39は別々の供給源からの供給を個別に制御することになる。なお、シールガスの一部が炉内ガスと異なる場合、シール機構における炉内ガスを吹き出す吹出口は、上述した最下段のみに限定するものではなく、中段部分までを含むこととしてもよい。
吹出口32a,33a,34a,37aから全て同種のガスを吹き出す場合には全ての吹出口から炉内ガスと同種のガスを吹き出すことを意味するため、シール機構3により、炉内ガスを補充することができる。なお、シール機構から吹き出すガスは、上述したように炉内ガスと同じである場合も、一部異なる場合もあり得るが、炉内ガスもシールガスの一つであるので、シール機構で吹き出すガスについては、全て「シールガス」に含めるものとする。すなわち、「シール機構からシールガスを吹き出す」という表現は、シール機構の一部の吹き出し部から炉内ガスを流すような場合も含むものとする。
このように、図2で例示する多段吹出部は、上段から吹出部32〜34、排気部35、及び吹出部37が設けられており、それら個々の構成要素については次のような役割を果たす。吹出部32は外気混入を防止する(外側に吹き出す)役割を果たし、吹出部33,34は外気(酸素)混入濃度を緩和させる役割を果たす。そして、排気部35は、外気と炉内雰囲気の縁を切り、また巻き込んだ外気を排気する役割を持つ。従って、排気部35は、シールガスの一部が炉内ガスと異なる場合には特に有益である。吹出部37は炉内気流を安定化するとともに炉内ガスの補充または供給を行う。
さらに、シール機構3は、最下段の吹出部37の下段に設けられ、炉心管12の内圧(実際には炉心管12の上部の圧力)を検出する炉内圧検出部38を有することが好ましい。なお、炉内圧検出部38は、最下段の吹出部37の下段であれば、図2に示すように筐体31の中に設けても、シール機構3の外で炉内に設けてもよい。いずれの場合でも別途、炉内圧検出専用の通気口を設けるなどしてそこに配設してもよい。
そして、シール機構3は、炉内圧検出部38の検出結果に基づき、炉内ガスと同じガスを吹き出す吹出部のガスの流量を調節することが好ましい。この流量調節は、コントローラ39が炉内圧を一定に保つように行えばよい。炉内圧が変動すると線引きにより生成される光ファイバ1fの外径変動が大きくなるが、このようにして炉内圧を一定にコントロールすることで、生成された光ファイバ1fの外径変動も安定し、光ファイバの品質を保つことができる。
また、シール機構3は、外気混入を検出するために、環状の筐体31から排出されるガスの濃度(酸素濃度)を検出する濃度検出部36を有することが好ましい。濃度検出部36は、排気部35に設置することが好ましいが、多段吹出部内にあれば何処に設置しておいてもよい。そして、シール機構3は、濃度検出部36の検出結果に基づき、シールガスの供給流量を調節する。この調節はコントローラ39が行えばよい。ガス流量は、例えばシールガスがトータルで20リットル/分程度になるように制御し、例えば酸素濃度が50ppm以下になるように制御しながら、線引きを行えばよい。
吹出部から吹き出すシールガスの一部と、炉内ガスとで異なる種類のガスを用いる場合には、コントローラ39は、検出された酸素濃度に基づき、各々のシールガスの流量を個別にコントロールすればよい。また、上述したように炉内圧も併せて考慮する場合には、コントローラ39は、炉内ガスと同じガスを流す吹出部の流量を炉内圧(若しくは酸素濃度と炉内圧と)に基づきコントロールし、その他の吹出部から流すシールガスの流量を酸素濃度(若しくは酸素濃度と炉内圧と)に基づきコントロールすればよい。
また、本発明は、線引きの手順について説明したように、線引き方法としての形態もとり得る。具体的には、この線引き方法は、ガラス母材が挿入される上端開口部と、上端開口部から挿入されたガラス母材を内部に収容する炉心管と、ガラス母材を加熱して溶融する加熱源と、を備えた線引炉を用い、光ファイバの線引きを行う。そして、この線引き方法では、上端開口部の上側であってガラス母材を囲む位置に環状の筐体を有するシール機構を設置して、上端開口部とガラス母材との間の間隙を、シール機構から吹き出すシールガスによりシールしながら、線引きを行うものとする。
上記環状の筐体については、上述した通り、内周面からシールガスを吹き出す吹出口を持ち、環状の筐体の内周面と前記ガラス母材との間の隙間の幅の最大値をδとしたとき、吹出口のうち最も上側と最も下側との間の距離LがL≧20δであるものを用いればよい。なお、線引き方法の他の応用例については、線引炉について説明したものと同様であり、その説明を省略する。
1…ガラス母材、1f…光ファイバ、2…支持棒、3…シール機構、10…線引炉体、11…炉筐体、11a…上端面、12…炉心管、13…ヒータ、14…断熱材、15…隙間、16…排出孔、31…環状の筐体、32,33,34,37…吹出部、32a,33a,34a,37a…吹出口、35…排気部、35a…排気口、36…濃度検出部、38…炉内圧検出部、39…コントローラ、40…ガス供給部。
Claims (6)
- 光ファイバ用のガラス母材が挿入される上端開口部と、該上端開口部から挿入された前記ガラス母材を内部に収容する炉心管と、前記ガラス母材を加熱して溶融する加熱源と、前記上端開口部と前記ガラス母材との間の間隙をシールガスによりシールするシール機構と、を備えた光ファイバの線引炉であって、
前記シール機構は、前記上端開口部の上側であって前記ガラス母材を囲む位置に、環状の筐体を有し、該環状の筐体は、内周面からシールガスを吹き出す吹出口を持ち、前記環状の筐体の内周面と前記ガラス母材との間の隙間の幅の最大値をδとしたとき、前記吹出口のうち最も上側と最も下側との間の距離LがL≧20δであることを特徴とする光ファイバの線引炉。 - 前記環状の筐体は、前記吹出口を高さ方向に離間した位置に2つ以上持つ多段構造の多段吹出部を有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの線引炉。
- 前記多段吹出部は、前記吹出口のうち、最上段に位置する吹出口では斜め上向き、最下段に位置する吹出口では斜め下向きに、前記シールガスを吹き出すことを特徴とする請求項2に記載の光ファイバの線引炉。
- 前記シール機構は、前記多段吹出部における最上段に位置する吹出口と最下段に位置する吹出口の間に、前記シールガスを排出するための排気部と、該排気部から排出されるシールガスの濃度を検出する濃度検出部とを有することを特徴とする請求項2または3に記載の光ファイバの線引炉。
- 前記シール機構は、前記多段吹出部における最下段に位置する吹出口の下部に設けられ、前記炉心管の内圧を検出する炉内圧検出部を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の光ファイバの線引炉。
- 光ファイバ用のガラス母材が挿入される上端開口部と、該上端開口部から挿入された前記ガラス母材を内部に収容する炉心管と、前記ガラス母材を加熱して溶融する加熱源と、を備えた線引炉を用い、光ファイバの線引きを行う光ファイバの線引き方法であって、
前記上端開口部の上側であって前記ガラス母材を囲む位置に環状の筐体を有するシール機構を設置して、前記上端開口部と前記ガラス母材との間の間隙を、前記シール機構からシールガスを吹き出すことによりシールしながら、線引きを行い、
前記環状の筐体は、内周面からシールガスを吹き出す吹出口を持ち、前記環状の筐体の内周面と前記ガラス母材との間の隙間の幅の最大値をδとしたとき、前記吹出口のうち最も上側と最も下側との間の距離LがL≧20δであることを特徴とする光ファイバの線引き方法。
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