JP2012138231A - 切断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】個々の構成部に特殊な構造を施す必要がなく、構造自体の簡素化を図ると共に、部品点数を少なくして安価にする。
【解決手段】
切断装置(10)の本体部(10a)は、ケース(11)と、ハーネス(12)と、ブレード(30)と、高圧ガスを噴出させてハーネス(12)をブレード(30)によって切断するガス発生部(35)とを備えている。本体部(10a)には、全体を外側から覆う被膜(40)が施されている。ケース(11)には、空気を外部に導く排気孔(29)と、高圧ガスを外部に導く排ガス路(20a)とが形成されている。被膜(40)は、排気孔(29)に対応する部分が第1薄膜部(41)に形成され、排ガス路(20a)に対応する部分が第2薄膜部(42)に形成されている。本体部(10a)には、乾燥ガスが封入されている。
【選択図】図2
【解決手段】
切断装置(10)の本体部(10a)は、ケース(11)と、ハーネス(12)と、ブレード(30)と、高圧ガスを噴出させてハーネス(12)をブレード(30)によって切断するガス発生部(35)とを備えている。本体部(10a)には、全体を外側から覆う被膜(40)が施されている。ケース(11)には、空気を外部に導く排気孔(29)と、高圧ガスを外部に導く排ガス路(20a)とが形成されている。被膜(40)は、排気孔(29)に対応する部分が第1薄膜部(41)に形成され、排ガス路(20a)に対応する部分が第2薄膜部(42)に形成されている。本体部(10a)には、乾燥ガスが封入されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、電気を流す通電用部材を切断するための切断装置に関し、特に、ケースの被覆対策に係るものである。
従来より、電気を流すための通電用部材を切断するための切断装置が知られている。この種の切断装置は、例えば災害時に電源からの電力を遮断するためのものである。特許文献1に示す切断装置は、筒内に充填された火薬の爆発で推力を与えられるブレードが打台上の電線を切断するように構成されている。
また、特許文献2に示す切断装置は、略円柱状のブレードがケースに収納されて構成されている。この切断装置は、火薬の爆発によってブレードが移動し、電線を切断する。
しかしながら、従来の切断装置においては、単にブレードをケースに収納すると共に、ケースにガス発生部を装着しているに過ぎなかった。
したがって、上記ケースは、内部に異物が入らないようにシール構造を構成する必要がある。特に、上記切断装置は、電線を備えていることから、ケース内部で結露が生じないようにする必要がある。また、上記ガス発生部の電気端子には防水性を有する特別なコネクタを採用する必要があった。
しかしながら、これでは、上記シール部や電気端子など個々の構成部に特殊な構造を施す必要があり、構造自体が複雑になると共に、部品点数が多くなって高価になるという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、個々の構成部に特殊な構造を施す必要がなく、構造自体の簡素化を図ると共に、部品点数を少なくして安価にすることを目的とする。
本発明は、本体部を被覆で覆うようにしたものである。
第1の発明は、ケース(11)と、該ケース(11)の内部に移動自在に収納され、切断部(31)を有するブレード(30)と、上記ケース(11)に設けられると共に、ガス発生剤が装填され、上記ケース(11)の通電用部材(12)を上記切断部(31)によって切断するように上記ガス発生剤の反応により高圧ガスを噴出させて上記ブレード(30)を移動させるガス発生部(35)とを備えて本体部(10a)が構成されたものである。そして、上記本体部(10a)は、該本体部(10a)の全体を外側から覆う被膜(40)が施されている。
上記第1の発明では、本体部(10a)が被膜(40)によって覆われているので、ケース(11)の隙間等からの異物の侵入が被膜(40)によって阻止される。また、上記ガス発生部(35)の防水が被膜(40)によって施される。
第2の発明は、第1の発明において、上記被膜(40)が、上記ブレード(30)の移動によって該ブレード(30)がケース(11)の外部に押し出す空気によって変形するか、または破断するように構成されたものである。
上記第2の発明では、上記ブレード(30)が移動した際、ブレード(30)が押し出す空気によって被膜(40)が変形等し、ブレード(30)の作動が阻害されることがない。
第3の発明は、第1または第2の発明において、上記ケース(11)に、上記ブレード(30)の移動によって該ブレード(30)が押し出す空気を外部に導く排気孔(29)が形成され、上記被膜(40)は、排気孔(29)に対応する部分が第1薄膜部(41)に形成されたものである。
上記第3の発明では、上記ブレード(30)が移動した際、ブレード(30)が押し出す空気によって被膜(40)の排気孔(29)に対応する部分が変形または破断する。この結果、上記ブレード(30)の作動が阻害されることがない。
第4の発明は、第1〜第3の発明の何れか1の発明において、上記被膜(40)が、上記ガス発生部(35)が噴出する高圧ガスによって変形するか、または破断するように構成されたものである。
上記第4の発明では、上記ガス発生部(35)が作動した際、該ガス発生部(35)が噴出する高圧ガスによって被膜(40)が変形等し、上記ケース(11)が破壊されることがない。さらに、上記高圧ガスが本体部(10a)の内部に残っていると、解体時に危険であり、また、高圧ガスがブレード(30)の切断部(31)に漏れる可能性があり、ガスやススにより通電する危険性がある。上記第4の発明では、上記解体時の危険性および通電の危険性を未然に防止することができる。
第5の発明は、第1〜第4の発明の何れか1の発明において、上記ケース(11)に、上記ガス発生部(35)が噴出する高圧ガスを外部に導く排ガス路(20a)が形成され、上記被膜(40)は、排ガス路(20a)に対応する部分が第2薄膜部(42)に形成されたものである。
上記第5の発明では、上記ガス発生部(35)が作動した際、高圧ガスの排ガス路(20a)に対応する部分が変形または破断する。この結果、上記ケース(11)が破壊されることがない。また、上記第5の発明では、第4の発明と同様に、高圧ガスによる解体時の危険性および通電の危険性を未然に防止することができる。
第6の発明は、第1〜第5の発明の何れか1の発明において、上記本体部(10a)の内部には、乾燥ガスが封入されたものである。
上記第6の発明では、乾燥ガスによって上記本体部(10a)の内部が乾燥状態に維持される。
本発明によれば、上記本体部(10a)を全体に被膜(40)によって覆うようにしたために、各構成部品間のシール及び防水などを1つの被膜(40)によって行うことができる。この結果、異物の侵入を確実に防止することができると共に、確実に防水性を確保することができる。そして、防水性を確保することができるので、防錆性を確保することができる。
したがって、上記1つの被膜(40)によって個々の構成部に特殊な構造を施す必要がなくなる。この結果、上記本体部(10a)の構造自体の簡素化を図ることができると共に、部品点数の低減を図ることができ、安価にすることができる。
また、上記本体部(10a)を被膜(40)によって覆うので、ケース内部の結露を未然に防止することができる。
また、上記本体部(10a)を被膜(40)によって覆うので、上記ブレード(30)がケース(11)の外部に空気を押し出す際、この空気が周辺機器等に与える影響を低減することができる。
また、上記第2の発明によれば、上記被膜(40)が、上記ブレード(30)がケース(11)の外部に押し出す空気によって変形するか、または破断するので、上記ブレード(30)の作動を確実に確保することができる。
また、上記第3の発明によれば、上記被膜(40)は、上記ブレード(30)が押し出す空気の排気孔(29)に対応する部分が第1薄膜部(41)に形成されているので、上記ブレード(30)の作動時に被膜(40)が確実に破断等する。この結果、上記ブレード(30)の作動を確実に確保することができる。
また、上記第4の発明によれば、上記被膜(40)が、上記ガス発生部(35)の高圧ガスによって変形するか、または破断するので、上記高圧ガスを確実に排出させることができることから、上記ケース(11)の破壊を確実に防止することができる。さらに、上記高圧ガスが本体部(10a)の内部に残っていると、解体時に危険であり、また、高圧ガスがブレード(30)の切断部(31)に漏れる可能性があり、ガスやススにより通電する危険性がある。上記第4の発明によれば、上記解体時の危険性および通電の危険性を未然に防止することができる。
また、上記第5の発明によれば、上記被膜(40)は、上記ガス発生部(35)の高圧ガスの排ガス路(20a)に対応する部分が第2薄膜部(42)に形成されているので、上記ガス発生部(35)の作動時に被膜(40)が確実に破断等する。この結果、上記高圧ガスを確実に排出させることができることから、上記ケース(11)の破壊を確実に防止することができる。また、上記第5の発明によれば、第4の発明と同様に、高圧ガスによる解体時の危険性および通電の危険性を未然に防止することができる。
また、上記第6の発明によれば、上記本体部(10a)の内部に乾燥ガスを封入したために、上記本体部(10a)の内部が乾燥状態に維持され、防錆性をより確実に高めることができると共に、結露をより確実に防止することができるので、作動不良を確実に防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈発明の実施形態1〉
図1〜図5に示すように、本実施形態1に係る切断装置(10)は、ガス発生剤の反応により発生した高圧ガスを用いてブレード(30)を進出させることによって、通電用部材であるハーネス(12)を切断するように構成されている。この切断装置(10)は、高圧ガスを発生させるためのガス発生剤として火薬を用いている。
図1〜図5に示すように、本実施形態1に係る切断装置(10)は、ガス発生剤の反応により発生した高圧ガスを用いてブレード(30)を進出させることによって、通電用部材であるハーネス(12)を切断するように構成されている。この切断装置(10)は、高圧ガスを発生させるためのガス発生剤として火薬を用いている。
上記切断装置(10)は、図1及び図5に示すように、ケース(11)を備えている。該ケース(11)の内部には、ストッパ(23)と内筒(24)とブレード(30)とガス発生部(35)とが収容されている。
なお、図1は切断装置(10)の平面断面図であり、図2は図1のII−II線に沿う側面断面図であり、以下では説明の便宜上、図2における左右方向の左側を「前側」、右側を「後側」と称し、図2における上下方向の上側を「上側」、下側を「下側」と称して説明する。また、図2における紙面に直交する方向の手前側を「左側」、奥側を「右側」と称して説明する。
図1、図2、図4及び図5に示すように、上記ケース(11)は、箱状に形成された樹脂ケース(20)と筒状に形成された金属ケース(27)とを備えている。該金属ケース(27)の前側部分は樹脂ケース(20)内に形成された収納孔(21)に収容されている。
上記樹脂ケース(20)は、例えばPC(ポリカーボネート)等の樹脂によって形成されている。上記樹脂ケース(20)を構成する樹脂材料は、これに限られず、プラスチック等を含む樹脂材料であればよい。また、上記樹脂ケース(20)は、略直方体形状に形成されて樹脂ケース(20)の略下半部を構成する土台部(13)と、該土台部(13)の下面(13a)及び後面(13b)以外の面を一体的に覆い樹脂ケース(20)の略上半部を構成するカバー部(14)とを有している。
上記土台部(13)は、上面(13c)に断面が半円形状の溝(21a)が形成されている。該溝(21a)は、土台部(13)の後面(13b)から前面(13d)に向かって延び、後面(13b)のみに開口するように構成されている。
上記カバー部(14)は、土台部(13)の上面(13c)、前面(13d)、左面(13e)及び右面(13f)を覆うように構成されている。カバー部(14)の土台部(13)の上面(13c)との対向面(14a)には、土台部(13)の溝(21a)に対応する溝(21b)が形成されている。該溝(21b)は、カバー部(14)の後面(14b)から前面(14c)に向かって延び、後面(14b)のみに開口するように構成されている。
そして、上記樹脂ケース(20)の内部には、上記土台部(13)の溝(21a)と上記カバー部(14)の溝(21b)とによって、樹脂ケース(20)の後端面に開口する略円柱形状の収納孔(21)が形成される。該収納孔(21)には、前端から後端に向かって、上記ストッパ(23)、内筒(24)及び金属ケース(27)の前側部分が収容されている。
また、上記樹脂ケース(20)には、ハーネス(12)を設置するための設置孔(22)が土台部(13)とカバー部(14)とに跨って形成されている。該設置孔(22)は、収納孔(21)の軸心を含む鉛直面に関して対称な形状に形成されている。具体的には、設置孔(22)は、収納孔(21)の前後方向の中央部から左右方向にそれぞれ延びた後、後方に折れ曲がり、その後さらに下方向きに折れ曲がって土台部(13)の下面(13a)まで延びている。また、上記設置孔(22)は、収納孔(21)から左右方向に延びて後方に折れ曲がったところまでが幅の狭い幅狭部(22a)に構成され、その後下方向きに延びる部分は幅狭部(22a)よりも幅の広い幅広部(22b)に構成されている。
上記設置孔(22)に設置されるハーネス(12)は長板状に形成されている。該ハーネス(12)は、図3、図5及び図6に示すように、略U字形状に折り曲げ形成された幅狭部(12a)と、該幅狭部(12a)の両端にそれぞれ連続する2つの幅広部(12b)とを有している。2つの幅広部(12b)は、それぞれ略L字状の板状片となるように構成されている。ハーネス(12)の一部は、上記樹脂ケース(20)の設置孔(22)において、幅狭部(12a)が設置孔(22)の幅狭部(22a)に位置し、幅広部(12b)の一部が設置孔(22)の幅広部(22b)に位置するように設置されている。
また、図1に示すように、樹脂ケース(20)には、収納孔(21)と設置孔(22)とを連通する排出通路(28)が土台部(13)とカバー部(14)とに跨って形成されている。該排出通路(28)は、ガス発生部(35)によってブレード(30)を進出させるために生成された高圧ガスを排出する排ガス路(20a)の一部を構成している。排出通路(28)は、一端が設置孔(22)の幅狭部(22a)の後方側において収納孔(21)に連通し、他端が設置孔(22)の幅広部(22b)に連通するように形成されている。
上記排ガス路(20a)は、金属ケース(27)と内筒(24)との間の隙間と、金属ケース(27)の貫通孔(27a)と、樹脂ケース(20)の排出通路(28)と、設置孔(22)の一方の幅狭部(22a)とにより構成されている。
さらに、上記樹脂ケース(20)には、収納孔(21)の前端から空気を排出するための排気孔(29)が形成されている。該排気孔(29)は、収納孔(21)の前端の中央部から前方に向かって延びた後、下方向きに折れ曲がって土台部(13)の下面(13a)まで延びている。
上記ストッパ(23)は、進出したブレード(30)を受け止めて停止させるためのものである。上記ストッパ(23)は、収納孔(21)の前端部に配置され、樹脂材料によって有底円筒形状に形成されている。具体的には、ストッパ(23)は、円板状の底部(23a)と円筒状の筒部(23b)とを有し、収納孔(21)の前端部において底部(23a)が筒部(23b)よりも前方に位置するように配置されている。上記底部(23a)の中央部には、上記樹脂ケース(20)の排気孔(29)に連通する孔(23c)が形成されている。
上記内筒(24)は、収納孔(21)において上記ストッパ(23)の後方に配置され、ハーネス(12)を支持している。上記内筒(24)は、第1内筒部材(25)と第2内筒部材(26)とで構成され、両部材(25,26)でハーネス(12)を挟持している。
上記第1内筒部材(25)は、セラミックスによって略円筒状に形成され、収納孔(21)のストッパ(23)の後方において、ストッパ(23)と同軸となるように配置されている。第1内筒部材(25)は、ブレード(30)が挿通可能な内径に構成されている。
上記第2内筒部材(26)は、樹脂材料によって略円筒状に形成され、収納孔(21)の第1内筒部材(25)の後方において、第1内筒部材(25)と同軸となるように配置されている。第2内筒部材(26)は、内径が第1内筒部材(25)の内径と概ね等しくなるように構成されている。また、第2内筒部材(26)は、後側部分が前側部分よりも肉薄に構成されて外径が小さくなっている。第2内筒部材(26)の前側部分には、ハーネス(12)を挿通するための2つの切り欠き(26a)が形成されている。2つの切り欠き(26a)は、上記樹脂ケース(20)の設置孔(22)に対応する位置に形成されている。各切り欠き(26a)は、第2内筒部材(26)の外周縁から内周縁に向かって延び、断面がハーネス(12)の矩形断面よりも僅かに大きな矩形断面となるように形成されている。また、第2内筒部材(26)の肉薄の後側部分の外周面には、環状の溝が形成され、該溝にはOリング(26b)が設置されている。
このように、上記内筒(24)は、絶縁部材である第1内筒部材(25)と第2内筒部材(26)がハーネス(12)を両側から挟み込むことで、ハーネス(12)を支持している。
上記金属ケース(27)は、金属材料によって略円筒状に形成され、前側部分が収納孔(21)に収容される一方、後側部分は樹脂ケース(20)から露出している。金属ケース(27)の前側部分は、収納孔(21)の第2内筒部材(26)の後方において、第2内筒部材(26)と同軸となるように配置されている。また、金属ケース(27)は、前端部が第2内筒部材(26)の肉薄の後側部分に外嵌されている。第2内筒部材(26)の後側部分と該後側部分に外嵌された金属ケース(27)の前端部との間は、上記Oリング(26b)によってシールされている。また、上記金属ケース(27)の前端部には貫通孔(27a)が形成されている。該貫通孔(27a)は、上記樹脂ケース(20)の排出通路(28)と対応する位置に形成され、金属ケース(27)の前端部と第2内筒部材(26)の後端面との間の隙間に連通している。金属ケース(27)の前側部分であって上記前端部以外の部分は、内径が第2内筒部材(26)の内径と概ね等しくなるように構成されている。
上記収納孔(21)に収容されたストッパ(23)と内筒(24)と金属ケース(27)とによって、その内部に円柱通路(17)が形成され、該円柱通路(17)の一部がブレード(30)の進出路を構成している。また、上記円柱通路(17)は、前端部はストッパ(23)の後述する底部(23a)によって閉塞される一方、後端部は上記金属ケース(27)の内部に収容されたガス発生部(35)によって閉塞されている。上記円柱通路(17)には、上記設置孔(22)に収容されたハーネス(12)の幅狭部(12a)の一部が露出すると共に、該露出部分と上記ガス発生部(35)との間にブレード(30)が収容されている。
上記ガス発生部(35)は、ブレード(30)を進出させてハーネス(12)を切断させるための高圧ガスを発生させるものである。ガス発生部(35)は、ガス発生剤としての火薬と、該火薬を起爆するための発火部(37)と、該発火部(37)を保持して上記円柱通路(17)の後端部を閉塞する蓋部材(39)とを備えている。
上記蓋部材(39)は、略円筒状に形成されて金属ケース(27)に内嵌された筒部(39a)と、上記発火部(37)を保持すると共に筒部(39a)の中途部を閉塞する閉塞部(39b)とを有している。筒部(39a)及び閉塞部(39b)は、金属材料によって一体に形成されている。閉塞部(39b)によって、上記円柱通路(17)内のブレード(30)の後方には閉空間が形成され、該閉空間は上記火薬が充填されたガス発生室(36)を構成している。
また、上記蓋部材(39)の後端部(図1の右側の端部)には、発火部(37)に接続されるコネクタ(図示省略)の接続穴(39c)が形成されている。
上記発火部(37)は、雷管によって構成され、起爆薬を有する前端部が上記ガス発生室(36)内に露出するように蓋部材(39)の閉塞部(39b)に保持されている。そして、上記発火部(37)は、コネクタ(図示省略)に接続される接続ピン(37a)を備えている。該接続ピン(37a)は、閉塞部(39b)を通り、接続穴(39c)に延びている。
上記発火部(37)によってガス発生室(36)内の火薬が爆発すると、ガス発生室(36)内で高圧ガスが発生し、該高圧ガスがガス発生室(36)内の圧力を上昇させてブレード(30)を前方に進出させる。
上記ブレード(30)は、高圧ガスを受けて上記円柱通路(17)内を前方に進出してハーネス(12)を切断するためのものである。ブレード(30)は、図6及び図7に示すように、金属材料(例えば、鋼材)によって形成された切断部(31)と、該切断部(31)を取り付けるプッシャー(32)とを備えている。
上記プッシャー(32)は、ブレード(30)を保持すると共に、上記ガス発生室(36)において発生した高圧ガスの圧力を受けて切断部(31)を前方に進出させるものである。プッシャー(32)は、樹脂材料によって略円柱状に形成され、上記円柱通路(17)のガス発生部(35)の前方に収容されている。プッシャー(32)は、後述する切断部(31)よりも僅かに大径に形成され、絶縁部を構成している。
上記切断部(31)は、プッシャー(32)の前端部に取り付けられ、刃部(31a)と、該刃部(31a)と一体に形成された一対のガイド部(31b,31b)とを有している。刃部(31a)は、肉厚の円板状の部材によって構成され、前面の上下方向中央部が後方に凹んだ形状に構成されている。一方、一対のガイド部(31b,31b)は、上記刃部(31a)の前面の上端部と下端部とから前方に突出する突起によって構成されている。一対のガイド部(31b,31b)は、刃部(31a)の前面からハーネス(12)を避けて該ハーネス(12)よりも前方に突出している。各ガイド部(31b,31b)の内面はハーネス(12)の側面に沿う形状に形成される一方、外面は円柱通路(17)を形成する壁面に沿う形状に形成されている。また、刃部(31a)の前面の外縁部であって一対のガイド部(31b,31b)によって挟まれる部分が、ハーネス(12)を切断する刃先部に構成されている。
上記ケース(11)とストッパ(23)と内筒(24)とブレード(30)とガス発生部(35)とは、切断装置(10)の本体部(10a)を構成している。
本発明の特徴として上記本体部(10a)は、被膜(40)が施されている。該被膜(40)は、上記本体部(10a)を全体に外側から覆うように形成され、上記被膜(40)は、防水性及び防塵性を有する樹脂被膜で構成されている。
上記被膜(40)は、ケース(11)やガス発生部(35)などを覆い、土台部(13)とカバー部(14)との隙間、樹脂ケース(20)と金属ケース(27)との隙間、金属ケース(27)とガス発生部(35)との隙間、樹脂ケース(20)とハーネス(12)との隙間などを閉塞し、水分や異物の侵入を阻止するように構成されている。つまり、上記本体部(10a)の外表面は、樹脂ケース(20)及び金属ケース(27)の外周面とガス発生部(35)の蓋部材(39)の後端面とによって構成されている。つまり、上記被膜(40)は、ケース(11)より露出したハーネス(12)の幅広部(12b)および上記蓋部材(39)の接続穴(39c)には施されておらず、それ以外である本体部(10a)の外表面に施されている。なお、上記ハーネス(12)の幅広部(12b)は、ケース(11)から露出した根本部分に被膜(40)が施されていてもよい。
また、上記被膜(40)は、電気的絶縁性、防水性及び防塵性を有する樹脂被膜で構成するようにしてもよい。例えば、上記被膜(40)は、フッ素樹脂等の帯電防止コーティング等で構成するようにしてもよい。
上記切断装置(10)は、上記被膜(40)が施されたまま設置され、火災報知器が火災を感知したときなどの異常時に一度限り作動する。
したがって、上記被膜(40)は、防水性等の機能が長期間保持する堅牢な材料で構成されると同時に、切断装置(10)の作動時に内部空気等が放出されることから、この内部空気等によって確実に破断される柔軟性を有する材料で構成されている。
また、上記ガス発生部(35)は電気信号によって作動する。そのため、静電気や迷走電流によって誤作動を起こす可能性がある。そこで、上記本体部(10a)を電気的絶縁性の被膜(40)によって覆うことにより、上記ガス発生部(35)の誤作動が確実に防止される。
上記被膜(40)において、排気孔(29)の外部開口端及び排ガス路(20a)の外部開口端に対応する部分は、第1薄膜部(41)と第2薄膜部(42)とで形成されている。該第1薄膜部(41)と第2薄膜部(42)とは、ブレード(30)が作動した際、収納孔(21)から排出される空気及びガス発生室(36)から排出される高圧ガスによって破断されるように構成されている。
具体的に、上記第1薄膜部(41)は、樹脂ケース(20)の後部下面に開口する排気孔(29)の外部開口に対応して形成されている。上記第2薄膜部(42)は、図3に示すように、樹脂ケース(20)の中央部下面に開口する一方の幅広部(22b)の下面に形成されている。
また、上記本体部(10a)の内部には、空気または窒素ガスなどの乾燥ガスが充填されている。つまり、上記乾燥ガスは、内筒(24)等によって形成される円柱通路(17)などに充填されている。
−運転動作−
本実施形態1の切断装置(10)は、例えば、工場などの電気機器のハーネス(12)が第1内筒部材(25)と第2内筒部材(26)との間を通るように、設置孔(22)に挿通されて設置される。ハーネス(12)は、第1内筒部材(25)及び第2内筒部材(26)に挟まれて支持される。
本実施形態1の切断装置(10)は、例えば、工場などの電気機器のハーネス(12)が第1内筒部材(25)と第2内筒部材(26)との間を通るように、設置孔(22)に挿通されて設置される。ハーネス(12)は、第1内筒部材(25)及び第2内筒部材(26)に挟まれて支持される。
上記切断装置(10)は、発火部(37)が火災報知器や地震警報機などに接続された状態で設置される。発火部(37)には、火災報知器が火災を感知したときや、地震警報機が地震を感知したときに、警告信号が入力される。警告信号が入力されると、発火部(37)はガス発生室(36)内の火薬を爆発させる。
図8(A)〜(C)に示すように、火薬が爆発すると、爆発に伴って高圧ガスが発生することでガス発生室(36)の圧力が上昇し、ブレード(30)には前方への推力が与えられる。これにより、ブレード(30)が前方に進出して、切断部(31)の刃部(31a)がハーネス(12)を瞬時に切断する(図8(A)及び(B)参照)。
ここで、ブレード(30)が前進する際、円柱通路(17)内のブレード(30)の前方の空気は、ストッパ(23)の底部(23a)の孔(23c)及び樹脂ケース(20)の排気孔(29)によって構成される排気路を通って切断装置(10)の外部へ排出される(図1及び図2参照)。これにより、ブレード(30)の進出によってブレード(30)前方の空気が圧縮されてブレード(30)の進出を阻害することがないため、ブレード(30)が円滑に進出することとなる。
上記ブレード(30)は、ハーネス(12)を切断した後、さらに前方に進出してストッパ(23)の底部(23a)に当接して停止する(図8(C)参照)。
このように、上記切断装置(10)は、異常時に作動し、一回限り作動して使用されるものである。
そして、上記ガス発生室(36)内の火薬が爆発した際、ブレード(30)が移動するので、高圧ガスは、排ガス路(20a)を流れる。つまり、高圧ガスは、内筒(24)の円柱通路(17)から金属ケース(27)と内筒(24)との間の隙間を通り、金属ケース(27)の貫通孔(27a)と、樹脂ケース(20)の排出通路(28)とを経て設置孔(22)の一方の幅狭部(22a)から排出される。この高圧ガスによって第2薄膜部(42)が破断される。
また、上記ブレード(30)が移動すると、円柱通路(17)の空気が排気孔(29)を流れて排出される。この空気によって第1薄膜部(41)が破断される。
上記ブレード(30)は、停止位置においてプッシャー(32)がハーネス(12)の切断箇所に接触するように構成されている。そのため、切断されたハーネス(12)が切断部(31)を介して再び通電されることが阻止される。
また、ブレード(30)は、切断部(31)の後方のプッシャー(32)が切断部(31)よりも僅かに大径になるように形成されている。そのため、ブレード(30)がストッパ(23)の底部(23a)まで進出して該底部(23a)に当接する際に、切断部(31)よりも大径のプッシャー(32)が突出部(2)にひっかかることによってブレード(30)の反射が阻止される。
また、ブレード(30)の前進後、ブレード(30)の後方のガス発生室(36)に充満するガスは、金属ケース(27)の前端部と第2内筒部材(26)の後端面との間の隙間、金属ケース(27)の貫通孔(27a)及び樹脂ケース(20)の排出通路(28)によって構成される排ガス路を通って切断装置(10)の外部へ排出される(図1参照)。よって、ガス発生室(36)内の火薬の燃えかすや生成物等の導電性物質を含むガスがハーネス(12)側に進出して切断面に導電性物質が付着して放電が生じることを防止することができる。
−実施形態1の効果−
上記実施形態1によれば、上記本体部(10a)を全体に被膜(40)によって覆うようにしたために、各構成部品間のシール及び防水などを1つの被膜(40)によって行うことができる。この結果、異物の侵入を確実に防止することができると共に、確実に防水性を確保することができる。そして、防水性を確保することができるので、防錆性を確保することができる。
上記実施形態1によれば、上記本体部(10a)を全体に被膜(40)によって覆うようにしたために、各構成部品間のシール及び防水などを1つの被膜(40)によって行うことができる。この結果、異物の侵入を確実に防止することができると共に、確実に防水性を確保することができる。そして、防水性を確保することができるので、防錆性を確保することができる。
したがって、上記1つの被膜(40)によって個々の構成部に特殊な構造を施す必要がなくなる。この結果、上記本体部(10a)の構造自体の簡素化を図ることができると共に、部品点数の低減を図ることができ、安価にすることができる。
また、上記本体部(10a)を被膜(40)によって覆うので、ケース内部の結露を未然に防止することができる。
また、上記本体部(10a)を被膜(40)によって覆うので、上記ブレード(30)がケース(11)の外部に空気を押し出す際、この空気が周辺機器等に与える影響を低減することができる。
また、上記被膜(40)が、上記ブレード(30)がケース(11)の外部に押し出す空気によって変形するか、または破断するので、上記ブレード(30)の作動を確実に確保することができる。
また、上記被膜(40)は、上記ブレード(30)が押し出す空気の排気孔(29)に対応する部分が第1薄膜部(41)に形成されているので、上記ブレード(30)の作動時に被膜(40)が確実に破断する。この結果、上記ブレード(30)の作動を確実に確保することができる。
また、上記被膜(40)が、上記ガス発生部(35)の高圧ガスによって変形するか、または破断するので、上記高圧ガスを確実に排出させることができることから、上記ケース(11)の破壊を確実に防止することができる。さらに、上記高圧ガスが本体部(10a)の内部に残っていると、解体時に危険であり、また、高圧ガスがブレード(30)の切断部(31)に漏れる可能性があり、ガスやススにより通電する危険性がある。上記被膜(40)によれば、上記解体時の危険性および通電の危険性を未然に防止することができる。
また、上記被膜(40)は、上記ガス発生部(35)の高圧ガスの排ガス路(20a)に対応する部分が第2薄膜部(42)に形成されているので、上記ガス発生部(35)の作動時に被膜(40)が確実に破断等する。この結果、上記高圧ガスを確実に排出させることができることから、上記ケース(11)の破壊を確実に防止することができると共に、上記高圧ガスによる解体時の危険性および通電の危険性を未然に防止することができる。
また、上記本体部(10a)の内部に乾燥ガスを封入したために、上記本体部(10a)の内部が乾燥状態に維持され、防錆性をより確実に高めることができると共に、結露をより確実に防止することができるので、作動不良を確実に防止することができる。
〈発明の実施形態2〉
次に、本実施形態2について説明する。図9に示すように、本実施形態2は、本発明に係る切断装置(10)を備えたブレーカ(50)である。なお、本実施形態において、切断装置(10)は、被膜(40)によって覆われているが、被膜(40)の図示は省略している。
次に、本実施形態2について説明する。図9に示すように、本実施形態2は、本発明に係る切断装置(10)を備えたブレーカ(50)である。なお、本実施形態において、切断装置(10)は、被膜(40)によって覆われているが、被膜(40)の図示は省略している。
上記ブレーカ(50)は、樹脂製のケーシング(図示省略)に設けられた負荷側端子(55)及び電源側端子(54)と、負荷側端子(55)と電源側端子(54)とを接続するためのハーネス(12)により構成された端子間部材(51)とを備えている。
上記端子間部材(51)は、負荷側端子(55)に接続された固定接触子(52)と、電源側端子(54)に接続された可動接触子(53)とを備えている。可動接触子(53)は、固定接触子(52)に接触する接触位置と、固定接触子(52)から離れた非接触位置との間で移動可能に設けられている。可動接触子(53)が接触位置に移動すると、可動接触子(53)の可動接点(53a)が固定接触子(52)の固定接点(52a)に接触する。
さらに、ブレーカ(50)は、可動接触子(53)を手動で動かすためのリンク機構(58)と、異常電流時に可動接触子(53)を固定接触子(52)から引き離すためのトリップ機構(56)と、可動接触子(53)を固定接触子(52)から引き離すように可動接触子(53)を付勢する付勢バネ(60)とを備えている。リンク機構(58)は、ケーシングに取り付けられ、手動レバー(57)の操作によって可動接触子(53)を接触位置と非接触位置との間で移動させることができるように構成されている。トリップ機構(56)は、バイメタルによって構成され、可動接触子(53)と電源側端子(54)とを接続している。トリップ機構(56)は、過電流時(異常電流時)に熱変形し、その熱変形によってリンク機構(58)を動かして、可動接触子(53)を固定接触子(52)から引き離す。可動接触子(53)が固定接触子(52)から引き離されると、ブレーカ(50)は通電不能になる。
さらに、ブレーカ(50)は、上述の切断装置(10)と、可動接点(53a)と固定接点(52a)とが溶着したことを検出する溶着検出部(65)とを備えている。なお、切断装置(10)には、実施形態1及び後述するその他の実施形態の何れの切断装置(10)を用いてもよい。
上記切断装置(10)は、端子間部材(51)を切断可能な位置に設けられている。具体的に、上記切断装置(10)は、端子間部材(51)の裏側(図9における下側)に設けられている。
上記溶着検出部(65)は、例えば端子間部材(51)に接続され、端子間部材(51)の電流値に基づいて可動接点(53a)と固定接点(52a)とが溶着しているか否かを検出するように構成されている。溶着検出部(65)には、切断装置(10)の発火部(37)が接続されている。溶着検出部(65)は、可動接点(53a)と固定接点(52a)とが溶着していると判定すると、発火部(37)を作動させるように構成されている。
本実施形態2では、溶着検出部(65)が可動接点(53a)と固定接点(52a)とが溶着していると判定すると、発火部(37)が作動して火薬が爆発し、ブレード(30)が進出する。ブレード(30)は、端子間部材(51)を切断(破断)した後に、プッシャー(32)が端子間部材(51)の切断面に接触する状態で停止する。このため、端子間部材(51)の切断面の間が絶縁され、電源側端子(54)と負荷側端子(55)の間が通電不能になる。
−実施形態2の効果−
本実施形態2では、切断装置(10)によって、電源側端子(54)と負荷側端子(55)の間を強制的に通電不能にすることが可能である。このため、例えば可動接触子(53)と固定接触子(52)が溶着した場合であっても、切断装置(10)によって電源側端子(54)と負荷側端子(55)の間を強制的に通電不能にすることで、負荷側の機器の故障を防止することができる。その他の構成、作用・効果は実施形態1と同様である。
本実施形態2では、切断装置(10)によって、電源側端子(54)と負荷側端子(55)の間を強制的に通電不能にすることが可能である。このため、例えば可動接触子(53)と固定接触子(52)が溶着した場合であっても、切断装置(10)によって電源側端子(54)と負荷側端子(55)の間を強制的に通電不能にすることで、負荷側の機器の故障を防止することができる。その他の構成、作用・効果は実施形態1と同様である。
〈発明の実施形態3〉
次に、本実施形態3について説明する。図10に示すように、本実施形態3は、本発明に係る切断装置(10)を備えた接触器である。この接触器(70)は、図10に示すように、樹脂製のケーシング(86)に設けられた負荷側端子(75)及び電源側端子(74)と、負荷側端子(75)と電源側端子(74)とを接続するためのハーネス(12)により構成された端子間部材(71)とを備えている。なお、本実施形態において、切断装置(10)は、被膜(40)によって覆われているが、被膜(40)の図示は省略している。
次に、本実施形態3について説明する。図10に示すように、本実施形態3は、本発明に係る切断装置(10)を備えた接触器である。この接触器(70)は、図10に示すように、樹脂製のケーシング(86)に設けられた負荷側端子(75)及び電源側端子(74)と、負荷側端子(75)と電源側端子(74)とを接続するためのハーネス(12)により構成された端子間部材(71)とを備えている。なお、本実施形態において、切断装置(10)は、被膜(40)によって覆われているが、被膜(40)の図示は省略している。
上記端子間部材(71)は、負荷側端子(75)に接続された第1固定接触子(68)と、電源側端子(74)に接続された第2固定接触子(69)と、後述する可動鉄心(81)に連結された可動接触子(73)とを備えている。上記可動接触子(73)は、一対の固定接触子(68,69)に接触する接触位置と、一対の固定接触子(68,69)から離れた非接触位置との間で移動可能に設けられている。可動接触子(73)が接触位置に移動すると、可動接触子(73)の一端の可動接点(73a)が第1固定接触子(68)の第1固定接点(68a)に接触すると共に、可動接触子(73)の他端の可動接点(73b)が第2固定接触子(69)の第2固定接点(69a)に接触する。
さらに、接触器(70)は、可動接触子(73)を接触位置と非接触位置の間で動かすための移動機構(76)を備えている。この移動機構(76)は、可動鉄心(81)と固定鉄心(82)と励磁コイル(83)と巻枠(84)とを備えている。固定鉄心(82)はケーシング(86)の底面に固定されている。可動鉄心(81)は、固定鉄心(82)の上側に対面するように設けられている。励磁コイル(83)は巻枠(84)に巻かれている。可動鉄心(81)と巻枠(84)との間には、非通電時に可動鉄心(81)と固定鉄心(82)とを離間させるための一対の復帰バネ(79)が設けられている。
上記移動機構(76)は、外部からの信号によって励磁コイル(83)が通電されると、固定鉄心(82)が励磁されて可動鉄心(81)を引き寄せるように構成されている。上記可動鉄心(81)が固定鉄心(82)に引き寄せられると、接触器(70)は非通電状態になる。一方、上記移動機構(76)は、外部からの信号によって励磁コイル(83)の通電が停止されると、復帰バネ(79)によって可動鉄心(81)が固定鉄心(82)から離れるように構成されている。上記固定鉄心(82)が可動鉄心(81)から離れると、接触器(70)は通電状態になる。
さらに、接触器(70)は、上述の切断装置(10)と、上記実施形態2と同様の構成の溶着検出部(65)とを備えている。なお、切断装置(10)には、上記実施形態1、及び後述するその他の実施形態の何れの切断装置(10)を用いてもよい。
上記切断装置(10)は、端子間部材(71)を切断可能な位置に設けられている。具体的に、切断装置(10)は、進出前のブレード(30)の切断部(31)が可動接触子(73)の前面に対面するように設けられている。
本実施形態3では、溶着検出部(65)が可動接点(73a,73b)と固定接点(68a,69a)とが溶着していると判断すると、発火部(37)が作動して火薬が爆発し、ブレード(30)が進出する。ブレード(30)は、可動接触子(73)を切断する。この状態では、プッシャー(32)が可動接触子(73)の切断面に接触している。つまり、ブレード(30)は、プッシャー(32)が可動接触子(73)の切断面に接触するまで進出する。
−実施形態3の効果−
本実施形態3では、切断装置(10)によって、電源側端子(74)と負荷側端子(75)の間を強制的に通電不能にすることが可能である。このため、例えば可動接触子(73)と固定接触子(68,69)が溶着した場合であっても、切断装置(10)によって電源側端子(74)と負荷側端子(75)との間を強制的に通電不能にすることで、負荷側の機器の故障を防止することができる。
本実施形態3では、切断装置(10)によって、電源側端子(74)と負荷側端子(75)の間を強制的に通電不能にすることが可能である。このため、例えば可動接触子(73)と固定接触子(68,69)が溶着した場合であっても、切断装置(10)によって電源側端子(74)と負荷側端子(75)との間を強制的に通電不能にすることで、負荷側の機器の故障を防止することができる。
〈発明の実施形態4〉
次に、本実施形態4について説明する。図11に示すように、本実施形態4は、本発明に係る切断装置(10)を備えた電気回路遮断器(90)である。この電気回路遮断器(90)は、ブレーカ(50)と接触器(70)と樹脂製のケーシング(91)とを備えている。なお、ブレーカ(50)と接触器(70)についての説明は省略する。また、本実施形態において、切断装置(10)は、被膜(40)によって覆われているが、被膜(40)の図示は省略している。
次に、本実施形態4について説明する。図11に示すように、本実施形態4は、本発明に係る切断装置(10)を備えた電気回路遮断器(90)である。この電気回路遮断器(90)は、ブレーカ(50)と接触器(70)と樹脂製のケーシング(91)とを備えている。なお、ブレーカ(50)と接触器(70)についての説明は省略する。また、本実施形態において、切断装置(10)は、被膜(40)によって覆われているが、被膜(40)の図示は省略している。
上記ケーシング(91)には、ブレーカ(50)が配置されたブレーカ配置室(88)と、接触器(70)が配置された接触器配置室(89)が障壁を挟んで形成されている。また、ケーシング(91)には、負荷側端子(95)及び電源側端子(94)と、ブレーカ(50)と接触器(70)と接続する接続用部材(92)とが設けられている。接続用部材(92)は、ハーネス(12)により構成されている。
上記負荷側端子(95)は、接触器(70)の第1固定接触子(68)に接続されている。電源側端子(94)は、ブレーカ(50)の可動接触子(53)に接続されている。また、接続用部材(92)の一端は、接触器(70)の第2固定接触子(69)に接続されている。接続用部材(92)の他端は、ブレーカ(50)の固定接触子(52)に接続されている。
さらに、電気回路遮断器(90)は、上述の切断装置(10)と、上記実施形態2と同様の溶着検出部(65)とを備えている。なお、切断装置(10)には、上記実施形態1及び後述するその他の実施形態の何れの切断装置を用いてもよい。
上記切断装置(10)は、接続用部材(92)を切断可能な位置に設けられている。具体的に、切断装置(10)は、進出前のブレード(30)の切断部(31)が接続用部材(92)の前面に対面するよう設けられている。
本実施形態4では、上記ブレーカ(50)において可動接触子(53)と固定接触子(52)が溶着していると判定したり、接触器(70)において可動接触子(73)と固定接触子(68,69)が溶着していると判定した場合に、溶着検出部(65)が発火部(37)を作動させて、ブレード(30)が進出し、ブレード(30)は、接続用部材(92)を切断(破断)する。この状態では、プッシャー(32)が接続用部材(92)の切断面に接触している。つまり、ブレード(30)は、プッシャー(32)が接続用部材(92)の切断面に接触するまで進出する。
−実施形態4の効果−
本実施形態4では、切断装置(10)によって接続用部材(92)を切断して、電源側端子(94)と負荷側端子(95)の間を通電不能にすることが可能である。このため、例えばブレーカ(50)や接触器(70)で溶着が生じた場合であっても、切断装置(10)によって電源側端子(94)と負荷側端子(95)の間を通電不能にすることで、負荷側の機器の故障を防止することができる。
本実施形態4では、切断装置(10)によって接続用部材(92)を切断して、電源側端子(94)と負荷側端子(95)の間を通電不能にすることが可能である。このため、例えばブレーカ(50)や接触器(70)で溶着が生じた場合であっても、切断装置(10)によって電源側端子(94)と負荷側端子(95)の間を通電不能にすることで、負荷側の機器の故障を防止することができる。
〈発明の実施形態5〉
次に、本実施形態5について説明する。図12に示すように、本実施形態5は、本発明に係る切断装置(10)の他の実施形態を示し、被膜(40)の施す箇所が実施形態1とは異なっている。
次に、本実施形態5について説明する。図12に示すように、本実施形態5は、本発明に係る切断装置(10)の他の実施形態を示し、被膜(40)の施す箇所が実施形態1とは異なっている。
つまり、上記蓋部材(39)の接続穴(39c)には、コネクタ(38)が差し込まれて発火部(37)に(38)が接続されている。そして、上記被膜(40)は、金属ケース(27)の外周面からガス発生部(35)の蓋部材(39)の後端面を経てコネクタ(38)の外表面に亘って施されている。さらに、上記コネクタ(38)の配線(38a)の根本まで被膜(40)が施されている。その他の構成、作用・効果は実施形態1と同様である。
〈その他の実施形態〉
上記各実施形態は、第1薄膜部(41)と第2薄膜部(42)とを形成したが、第1の発明においては、第1薄膜部(41)及び第2薄膜部(42)を必ずしも形成する必要はない。つまり、上記被膜(40)は、前提に均一な厚さに形成してもよい。
上記各実施形態は、第1薄膜部(41)と第2薄膜部(42)とを形成したが、第1の発明においては、第1薄膜部(41)及び第2薄膜部(42)を必ずしも形成する必要はない。つまり、上記被膜(40)は、前提に均一な厚さに形成してもよい。
また、上記被膜(40)における第1薄膜部(41)と第2薄膜部(42)に対応する部分は、被膜(40)の他の部分よりも逆に厚くなっていてもよい。
また、第1の発明等においては、第1薄膜部(41)と第2薄膜部(42)の何れか一方を形成するのみでもよい。
また、上記各実施形態の被膜(40)は、ガス発生部(35)の作動により破断するように構成したが、被膜(40)は、排出空気等により部分的に膨出するものであってもよい。つまり、上記被膜(40)は、排出空気等により変形するものであってもよい。
また、上記各実施形態は、本体部(10a)に乾燥ガスを充填するようにしたが、第1の発明等では、必ずしも乾燥ガスを充填する必要はない。
また、上記ストッパ(23)は、樹脂材料で構成したが、ストッパ(23)を構成する材料はこれに限られず、ブレード(30)の切断部(31)よりも柔らかい材料であればいかなる材料であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、電気を流す通電用部材を切断する切断装置について有用である。
10 切断装置
10a 本体部
12 ハーネス(通電用部材)
17 円柱通路
20a 排ガス路
23 ストッパ
28 排出通路
29 排気孔
30 ブレード
31 切断部
35 ガス発生部
40 被膜
41 第1薄膜部
42 第2薄膜部
10a 本体部
12 ハーネス(通電用部材)
17 円柱通路
20a 排ガス路
23 ストッパ
28 排出通路
29 排気孔
30 ブレード
31 切断部
35 ガス発生部
40 被膜
41 第1薄膜部
42 第2薄膜部
Claims (6)
- ケース(11)と、
該ケース(11)の内部に移動自在に収納され、切断部(31)を有するブレード(30)と、
上記ケース(11)に設けられると共に、ガス発生剤が装填され、上記ケース(11)の通電用部材(12)を上記切断部(31)によって切断するように上記ガス発生剤の反応により高圧ガスを噴出させて上記ブレード(30)を移動させるガス発生部(35)とを備えて本体部(10a)が構成され、
上記本体部(10a)は、該本体部(10a)の全体を外側から覆う被膜(40)が施されている
を備えていることを特徴とする切断装置。 - 請求項1において、
上記被膜(40)は、上記ブレード(30)の移動によって該ブレード(30)がケース(11)の外部に押し出す空気によって変形するか、または破断するように構成されている
ことを特徴とする切断装置。 - 請求項1または2において、
上記ケース(11)には、上記ブレード(30)の移動によって該ブレード(30)が押し出す空気を外部に導く排気孔(29)が形成され、
上記被膜(40)は、排気孔(29)に対応する部分が第1薄膜部(41)に形成されている
ことを特徴とする切断装置。 - 請求項1〜3の何れか1項において、
上記被膜(40)は、上記ガス発生部(35)が噴出する高圧ガスによって変形するか、または破断するように構成されている - 請求項1〜4の何れか1項において、
上記ケース(11)には、上記ガス発生部(35)が噴出する高圧ガスを外部に導く排ガス路(20a)が形成され、
上記被膜(40)は、排ガス路(20a)に対応する部分が第2薄膜部(42)に形成されている
ことを特徴とする切断装置。 - 請求項1〜5の何れか1項において、
上記本体部(10a)の内部には、乾燥ガスが封入されている
ことを特徴とする切断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010289185A JP2012138231A (ja) | 2010-12-27 | 2010-12-27 | 切断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010289185A JP2012138231A (ja) | 2010-12-27 | 2010-12-27 | 切断装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2012138231A true JP2012138231A (ja) | 2012-07-19 |
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ID=46675497
Family Applications (1)
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JP2010289185A Withdrawn JP2012138231A (ja) | 2010-12-27 | 2010-12-27 | 切断装置 |
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JP (1) | JP2012138231A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023521932A (ja) * | 2020-05-28 | 2023-05-25 | アリアーヌグループ ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ | プラズマ室付き遮断装置 |
-
2010
- 2010-12-27 JP JP2010289185A patent/JP2012138231A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2023521932A (ja) * | 2020-05-28 | 2023-05-25 | アリアーヌグループ ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ | プラズマ室付き遮断装置 |
JP7314428B2 (ja) | 2020-05-28 | 2023-07-25 | アリアーヌグループ ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ | プラズマ室付き遮断装置 |
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