JP2012136965A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電力消費の抑制を図りひいては燃費の向上を図ることができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン10の運転状態が高負荷領域にあるか低負荷領域にあるかに対応して点火コイル34の1次電流の通電期間を第1の通電期間と、第1の通電期間よりも短い第2の通電期間とに設定するようにした。混合気に点火しにくい高負荷領域では点火コイル34の通電期間を長くすることで混合気を確実に燃焼させ、かつ、混合気に点火しやすい低負荷領域では点火コイル34の通電期間を短くすることで混合気を確実に燃焼させつつバッテリ16の電力消費を抑制することができる。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン10の運転状態が高負荷領域にあるか低負荷領域にあるかに対応して点火コイル34の1次電流の通電期間を第1の通電期間と、第1の通電期間よりも短い第2の通電期間とに設定するようにした。混合気に点火しにくい高負荷領域では点火コイル34の通電期間を長くすることで混合気を確実に燃焼させ、かつ、混合気に点火しやすい低負荷領域では点火コイル34の通電期間を短くすることで混合気を確実に燃焼させつつバッテリ16の電力消費を抑制することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は内燃機関の制御装置に関する。
車両に搭載されるガソリンエンジンなどの内燃機関においては、バッテリから点火コイルの1次側コイルに流れる1次電流を通電、遮断することにより、点火コイルの2次側コイルから点火プラグに点火用高電圧を印加して火花放電を発生させた火花放電によりシリンダ内の混合気を点火して燃焼させる。
従来、混合気が着火しにくい運転状態であっても混合気の燃焼が確実に行われることを重視する観点から、点火プラグで発生させる火花放電の点火エネルギーを最大のものとしている。
リーンバーンエンジンにおいて、このように常時点火エネルギーを最大とすると、混合気が着火しにくい低負荷低回転の運転状態においては問題がないものの、混合気が着火しやすい高負荷の運転状態においては多重放電による点火プラグの劣化が懸念される。そこで、点火プラグの劣化が懸念される運転状態では、火花放電の継続時間を強制的に短くする技術が提案されている(特許文献1参照)。
従来、混合気が着火しにくい運転状態であっても混合気の燃焼が確実に行われることを重視する観点から、点火プラグで発生させる火花放電の点火エネルギーを最大のものとしている。
リーンバーンエンジンにおいて、このように常時点火エネルギーを最大とすると、混合気が着火しにくい低負荷低回転の運転状態においては問題がないものの、混合気が着火しやすい高負荷の運転状態においては多重放電による点火プラグの劣化が懸念される。そこで、点火プラグの劣化が懸念される運転状態では、火花放電の継続時間を強制的に短くする技術が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来技術は、低負荷低回転時は混合気が着火しにくいというリーンバーンエンジンにおける点火プラグの劣化防止に留まり、通常のエンジンには適用されないものである。
通常のエンジンでは、常時点火エネルギーを最大とすると、以下の問題が考えられる。
そもそも、点火プラグで発生させる火花放電の点火エネルギーは、混合気に点火でき燃焼させることができればよい。必要以上に大きな点火エネルギーを消費することは、バッテリから点火コイルに供給される1次電流の無駄となることから、バッテリを充電するオルタネータの発電量の増大を招き、ひいては燃費の抑制を図る上で不利となる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、電力消費の抑制を図りひいては燃費の向上を図ることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
通常のエンジンでは、常時点火エネルギーを最大とすると、以下の問題が考えられる。
そもそも、点火プラグで発生させる火花放電の点火エネルギーは、混合気に点火でき燃焼させることができればよい。必要以上に大きな点火エネルギーを消費することは、バッテリから点火コイルに供給される1次電流の無駄となることから、バッテリを充電するオルタネータの発電量の増大を招き、ひいては燃費の抑制を図る上で不利となる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、電力消費の抑制を図りひいては燃費の向上を図ることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の内燃機関の制御装置は、内燃機関の運転状態が予め定められた高負荷領域にあるか低負荷領域にあるかを判定する運転状態判定手段と、前記内燃機関の点火コイルに流れる1次電流を通電、遮断することにより前記内燃機関の点火プラグに火花放電を発生させる通電手段と、前記運転状態が前記高負荷領域にあると判定された場合、前記通電手段に対して前記1次電流の通電期間を第1の通電期間に設定し、前記運転状態が前記低負荷領域にあると判定された場合、前記通電手段に対して前記1次電流の通電期間を前記第1の通電期間よりも短い第2の通電期間に設定する通電期間制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、内燃機関の運転状態が高負荷領域にあるか低負荷領域にあるかに対応して、点火コイルの1次電流の通電期間を、第1の通電期間と、第1の通電期間よりも短い第2の通電期間とに設定するようにしたので、混合気に点火しやすい低負荷領域では点火コイルの通電期間を短くすることで混合気を確実に燃焼させつつ電力消費を抑制することができ、ひいては燃費の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、車両は、走行用の駆動源である内燃機関としてのエンジン10と、点火装置12と、オルタネータ14と、バッテリ16と、アクセルペダル開度センサ18と、スロットルバルブ開度センサ20と、吸気量センサ22と、吸気管内圧センサ24と、回転数センサ26、エンジンECU28とが搭載されている。
なお、本実施の形態では、内燃機関の制御装置30は、エンジンECU28と点火装置12とを含んで構成されている。
エンジン10はガソリンエンジンであり、エンジンECU28によって始動、停止され、また、燃料の噴射タイミングや噴射量が制御される。
エンジン10には、火花放電することでシリンダ内の混合気に点火して燃焼させる点火プラグ32が設けられている。
点火装置12は、1次側コイル34Aと2次側コイル34Bとからなる点火コイル34を有し、1次側コイル34Aはバッテリ16からの電流を供給、遮断する不図示のスイッチに接続され、2次側コイル34Bは点火プラグ32に接続されている。
点火装置12は通電手段を構成するものであり、点火装置12は、エンジンECU28の制御に基づいて1次側コイル34Aに流れる1次電流を通電、遮断することにより、点火コイル34の2次側コイル34Bに点火用高電圧を発生させ、この点火用高電圧を点火プラグ32に印加して火花放電を発生させる。
オルタネータ14は、エンジン10により駆動される発電機である。
バッテリ16は、オルタネータ14により充電され、点火装置12や種々の補機類に電源を供給する。
図1に示すように、車両は、走行用の駆動源である内燃機関としてのエンジン10と、点火装置12と、オルタネータ14と、バッテリ16と、アクセルペダル開度センサ18と、スロットルバルブ開度センサ20と、吸気量センサ22と、吸気管内圧センサ24と、回転数センサ26、エンジンECU28とが搭載されている。
なお、本実施の形態では、内燃機関の制御装置30は、エンジンECU28と点火装置12とを含んで構成されている。
エンジン10はガソリンエンジンであり、エンジンECU28によって始動、停止され、また、燃料の噴射タイミングや噴射量が制御される。
エンジン10には、火花放電することでシリンダ内の混合気に点火して燃焼させる点火プラグ32が設けられている。
点火装置12は、1次側コイル34Aと2次側コイル34Bとからなる点火コイル34を有し、1次側コイル34Aはバッテリ16からの電流を供給、遮断する不図示のスイッチに接続され、2次側コイル34Bは点火プラグ32に接続されている。
点火装置12は通電手段を構成するものであり、点火装置12は、エンジンECU28の制御に基づいて1次側コイル34Aに流れる1次電流を通電、遮断することにより、点火コイル34の2次側コイル34Bに点火用高電圧を発生させ、この点火用高電圧を点火プラグ32に印加して火花放電を発生させる。
オルタネータ14は、エンジン10により駆動される発電機である。
バッテリ16は、オルタネータ14により充電され、点火装置12や種々の補機類に電源を供給する。
アクセルペダル開度センサ18は、アクセルペダルの開度を検出してその検出結果をエンジンECU28に供給する。
スロットルバルブ開度センサ20は、スロットルバルブの開度を検出してその検出結果をエンジンECU28に供給する。
吸気量センサ22は、エンジン10の吸気管に配置され吸入空気量を検出してその検出結果をエンジンECU28に供給する。
吸気管内圧センサ24は、エンジン10の吸気管に配置され吸気管内圧を検出してその検出結果をエンジンECU28に供給する。
アクセルペダル開度、スロットルバルブ開度、吸入空気量、吸気管内圧は、エンジン10の体積効率と相関関係にある。本実施の形態では、アクセルペダル開度、スロットルバルブ開度、吸入空気量、吸気管内圧がエンジン10の運転状態に関する状態量である。
また、アクセルペダル開度センサ18と、スロットルバルブ開度センサ20と、吸気量センサ22と、吸気管内圧センサ24とが状態量検出手段を構成している。
回転数センサ26は、エンジン10の回転数を検出してその検出結果をエンジンECU28に供給するものであり、回転数検出手段を構成している。
スロットルバルブ開度センサ20は、スロットルバルブの開度を検出してその検出結果をエンジンECU28に供給する。
吸気量センサ22は、エンジン10の吸気管に配置され吸入空気量を検出してその検出結果をエンジンECU28に供給する。
吸気管内圧センサ24は、エンジン10の吸気管に配置され吸気管内圧を検出してその検出結果をエンジンECU28に供給する。
アクセルペダル開度、スロットルバルブ開度、吸入空気量、吸気管内圧は、エンジン10の体積効率と相関関係にある。本実施の形態では、アクセルペダル開度、スロットルバルブ開度、吸入空気量、吸気管内圧がエンジン10の運転状態に関する状態量である。
また、アクセルペダル開度センサ18と、スロットルバルブ開度センサ20と、吸気量センサ22と、吸気管内圧センサ24とが状態量検出手段を構成している。
回転数センサ26は、エンジン10の回転数を検出してその検出結果をエンジンECU28に供給するものであり、回転数検出手段を構成している。
エンジンECU28は、CPU、制御プログラム等を格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含んで構成される。
エンジンECU28は、前記のCPUが前記制御プログラムを実行することにより、運転状態判定手段28Aと、通電期間制御手段28Bとを実現するものである。
エンジンECU28は、前記のCPUが前記制御プログラムを実行することにより、運転状態判定手段28Aと、通電期間制御手段28Bとを実現するものである。
運転状態判定手段28Aは、エンジン10の運転状態が予め定められた高負荷領域にあるか低負荷領域にあるかを判定するものである。
本実施の形態では、運転状態判定手段28Aは、アクセルペダル開度センサ18、スロットルバルブ開度センサ20、吸気量センサ22、吸気管内圧センサ24の何れかで検出された状態量に基づいて以下に説明するように低負荷領域および高負荷領域の判定を行う。
本実施の形態では、運転状態判定手段28Aは、アクセルペダル開度センサ18、スロットルバルブ開度センサ20、吸気量センサ22、吸気管内圧センサ24の何れかで検出された状態量に基づいて以下に説明するように低負荷領域および高負荷領域の判定を行う。
エンジン10の低負荷領域、高負荷領域について説明する。
エンジン10の負荷は、エンジン10の吸気量が大きいほど(アクセルの踏み込みが大きいほど)大きくなり、エンジン10の吸気量が小さいほど(アクセルの踏み込みが小さいほど)小さくなる。
エンジン10の吸気量は、体積効率ηという指標で示すことができ、体積効率ηが大きいほどエンジン10の運転状態は高負荷であり、体積効率ηが小さいほどエンジン10の運転状態は低負荷であるといえる。
体積効率ηが高いほど、シリンダ内の混合気の量は多く、したがって、シリンダ内の圧縮圧力が高いため、混合気に点火するために必要な点火エネルギーは高くなる。
すなわち、体積効率ηが高いほど、点火プラグ32の火花放電が維持される期間を長くする必要があり、したがって、バッテリ16から点火コイル34の1次側コイル34Aに流れる1次電流を通電する通電期間を長くする必要がある。
逆に、体積効率ηが低いほど、シリンダ内の混合気の量は少なく、したがって、シリンダ内の圧縮圧力はそれほど高くないため、混合気に点火するために必要な点火エネルギーは低くなる。
すなわち、体積効率ηが低いほど、点火プラグ32の火花放電が維持される期間は短くて済み、したがって、バッテリ16から点火コイル34の1次側コイル34Aに流れる1次電流を通電する通電期間を短くすることができる。
エンジン10の負荷は、エンジン10の吸気量が大きいほど(アクセルの踏み込みが大きいほど)大きくなり、エンジン10の吸気量が小さいほど(アクセルの踏み込みが小さいほど)小さくなる。
エンジン10の吸気量は、体積効率ηという指標で示すことができ、体積効率ηが大きいほどエンジン10の運転状態は高負荷であり、体積効率ηが小さいほどエンジン10の運転状態は低負荷であるといえる。
体積効率ηが高いほど、シリンダ内の混合気の量は多く、したがって、シリンダ内の圧縮圧力が高いため、混合気に点火するために必要な点火エネルギーは高くなる。
すなわち、体積効率ηが高いほど、点火プラグ32の火花放電が維持される期間を長くする必要があり、したがって、バッテリ16から点火コイル34の1次側コイル34Aに流れる1次電流を通電する通電期間を長くする必要がある。
逆に、体積効率ηが低いほど、シリンダ内の混合気の量は少なく、したがって、シリンダ内の圧縮圧力はそれほど高くないため、混合気に点火するために必要な点火エネルギーは低くなる。
すなわち、体積効率ηが低いほど、点火プラグ32の火花放電が維持される期間は短くて済み、したがって、バッテリ16から点火コイル34の1次側コイル34Aに流れる1次電流を通電する通電期間を短くすることができる。
通電期間制御手段28Bは、運転状態が高負荷領域にあると判定された場合、点火装置12に対して1次電流の通電期間を第1の通電期間Δt1に設定し、運転状態が低負荷領域にあると判定された場合、点火装置12に対して1次電流の通電期間を第1の通電期間Δt1よりも短い第2の通電期間Δt2に設定するものである。
このようにエンジン10の運転状態が高負荷領域であるか低負荷領域であるかに応じて、バッテリ16から点火コイル34の1次側コイル34Aに流れる1次電流を通電する通電期間を長く、あるいは、短く制御すれば、バッテリ16の電力消費を抑制することができる。
このようにエンジン10の運転状態が高負荷領域であるか低負荷領域であるかに応じて、バッテリ16から点火コイル34の1次側コイル34Aに流れる1次電流を通電する通電期間を長く、あるいは、短く制御すれば、バッテリ16の電力消費を抑制することができる。
次に、運転状態判定手段28Aによる高負荷領域、低負荷領域の判定方法について説明する。
図2はエンジン回転数Nと正味平均有効圧Pと体積効率ηとの関係を示す特性図である。図中、符号Tqmaxはスロットルバルブ全開の最大トルク線を示す。
体積効率ηは、η1、η2、……η5となるほど大きな値である。
図中体積効率ηrは、高負荷領域と低負荷領域とを判別するしきい値である。したがって、運転状態判定手段28Aは、体積効率ηがしきい値ηrを上回ると、エンジン10の運転状態が高負荷領域にあると判定し、体積効率ηがしきい値ηr以下であると、エンジン10の運転状態が低負荷領域にあると判定する。
具体的には、エンジン回転数Nとしきい値ηrとを対応付けた判定用マップを予め設けておき、運転状態判定手段28Aは、判定用マップに基づいてエンジン回転数Nからしきい値ηrを特定し、特定したしきい値ηrに基づいて高負荷領域、低負荷領域の判定を行う。
なお、体積効率ηは、吸気量センサ22で検出された吸気量、吸気管内圧センサ24で検出された吸気管内圧からエンジンECU28が算出すればよい。
図2はエンジン回転数Nと正味平均有効圧Pと体積効率ηとの関係を示す特性図である。図中、符号Tqmaxはスロットルバルブ全開の最大トルク線を示す。
体積効率ηは、η1、η2、……η5となるほど大きな値である。
図中体積効率ηrは、高負荷領域と低負荷領域とを判別するしきい値である。したがって、運転状態判定手段28Aは、体積効率ηがしきい値ηrを上回ると、エンジン10の運転状態が高負荷領域にあると判定し、体積効率ηがしきい値ηr以下であると、エンジン10の運転状態が低負荷領域にあると判定する。
具体的には、エンジン回転数Nとしきい値ηrとを対応付けた判定用マップを予め設けておき、運転状態判定手段28Aは、判定用マップに基づいてエンジン回転数Nからしきい値ηrを特定し、特定したしきい値ηrに基づいて高負荷領域、低負荷領域の判定を行う。
なお、体積効率ηは、吸気量センサ22で検出された吸気量、吸気管内圧センサ24で検出された吸気管内圧からエンジンECU28が算出すればよい。
体積効率のしきい値ηrは、以下のようにして設定する。
図3はエンジン回転数Nと正味平均有効圧Pと燃料消費率Fとの関係を示す特性図である。
図中燃料消費率Fは、F1、F2、……F7となるほど小さい値となる。
燃料消費率Fが小さい領域でエンジン10を多用して走行すると燃費の低減を実現する上で有利となる。したがって、実際の車両では、破線で囲むように燃料消費率Fが小さい領域Aが多用されるように、トランスミッションや変速比などが設定される。
本実施の形態では、体積効率ηのしきい値ηrは、低負荷領域が領域Aを含むように設定されており、言い換えると、高負荷領域は、エンジン10の燃費が高い領域であり、低負荷領域は、エンジン10の燃費が高負荷領域の燃費よりも低い領域である。
図3はエンジン回転数Nと正味平均有効圧Pと燃料消費率Fとの関係を示す特性図である。
図中燃料消費率Fは、F1、F2、……F7となるほど小さい値となる。
燃料消費率Fが小さい領域でエンジン10を多用して走行すると燃費の低減を実現する上で有利となる。したがって、実際の車両では、破線で囲むように燃料消費率Fが小さい領域Aが多用されるように、トランスミッションや変速比などが設定される。
本実施の形態では、体積効率ηのしきい値ηrは、低負荷領域が領域Aを含むように設定されており、言い換えると、高負荷領域は、エンジン10の燃費が高い領域であり、低負荷領域は、エンジン10の燃費が高負荷領域の燃費よりも低い領域である。
次に、エンジン回転数Nについて説明する。
図2に示すように、低負荷領域であってもエンジン回転数Nが大きな値(例えば4000〜5000rpm)を超える領域は、もともと燃料消費量が多い領域であり、仮に通電期間を短縮しても点火エネルギーの抑制による燃費低減効果はそれほど期待できない。すなわち、高回転を多用して運転する場合、燃費低減効果は望みにくい。
そのため、エンジン回転数Nについてもしきい値Nrを設定し、通電期間制御手段28Bは、エンジン回転数Nがしきい値Nrを上回る場合に、運転状態判定手段28Aの判定結果に拘わらず、通電期間を前記第1の通電期間に設定するようにした。
また、低負荷領域であってもエンジン回転数Nが大きな値(例えば4000〜5000rpm)を超える領域は、一般的に空燃比を理論空燃比よりも濃く(リッチ側)に設定する領域である。混合気がある程度以上濃くなると、混合気を確実に着火させるためには点火エネルギーを大きくするのが望ましいため、このようにすると確実な燃焼を実現する上でも有利となる。
図2に示すように、低負荷領域であってもエンジン回転数Nが大きな値(例えば4000〜5000rpm)を超える領域は、もともと燃料消費量が多い領域であり、仮に通電期間を短縮しても点火エネルギーの抑制による燃費低減効果はそれほど期待できない。すなわち、高回転を多用して運転する場合、燃費低減効果は望みにくい。
そのため、エンジン回転数Nについてもしきい値Nrを設定し、通電期間制御手段28Bは、エンジン回転数Nがしきい値Nrを上回る場合に、運転状態判定手段28Aの判定結果に拘わらず、通電期間を前記第1の通電期間に設定するようにした。
また、低負荷領域であってもエンジン回転数Nが大きな値(例えば4000〜5000rpm)を超える領域は、一般的に空燃比を理論空燃比よりも濃く(リッチ側)に設定する領域である。混合気がある程度以上濃くなると、混合気を確実に着火させるためには点火エネルギーを大きくするのが望ましいため、このようにすると確実な燃焼を実現する上でも有利となる。
以上では、運転状態判定手段28Aが体積効率ηに基づいてエンジン10の運転状態の低負荷領域、高負荷領域を判定するものとして説明してきたが、体積効率ηと相関関係にある状態量に基づいてエンジン10の運転状態の低負荷領域、高負荷領域を判定することもできる。
図4はエンジン回転数Nと正味平均有効圧Pと吸気管内圧Pinとの関係を示す特性図である。
吸気管内圧Pinは吸気管内圧センサ24によって検出される。
吸気管内圧Pinは負圧であり、Pin1、Pin2、……Pin6となるほど大きな圧力(負圧が小さな値)となる。
体積効率ηが大きくなるほど吸気管内圧Pinも大きくなる傾向にあり、吸気管内圧Pinは体積効率ηと相関関係にある。
そこで、図4に破線で示すように、図2における体積効率ηのしきい値ηrに相当する吸気管内圧のしきい値Pinrを設定する。
これにより、運転状態判定手段28Aは、吸気管内圧Pがしきい値Pinrを上回ると、エンジン10の運転状態が高負荷領域にあると判定し、吸気管内圧Pがしきい値Pinr以下であると、エンジン10の運転状態が低負荷領域にあると判定する。
具体的には、エンジン回転数Nとしきい値Pinrとを対応付けた判定用マップを予め設けておき、運転状態判定手段28Aは、判定用マップに基づいてエンジン回転数Nからしきい値Pinrを特定し、特定したしきい値Pinrに基づいて高負荷領域、低負荷領域の判定を行う。
なお、吸気管内圧Pinと、吸気量センサ22で検出される吸気量αとは相関関係にあるため、吸気管内圧Pinに代えて吸気量αを用いることもできる。
その場合、体積効率ηのしきい値ηrに相当する吸気量のしきい値αrを設定する。そして、エンジン回転数Nとしきい値αrとを対応付けた判定用マップを予め設けておき、運転状態判定手段28Aは、判定用マップに基づいてエンジン回転数Nからしきい値αrを特定し、特定したしきい値αrに基づいて高負荷領域、低負荷領域の判定を行う。
図4はエンジン回転数Nと正味平均有効圧Pと吸気管内圧Pinとの関係を示す特性図である。
吸気管内圧Pinは吸気管内圧センサ24によって検出される。
吸気管内圧Pinは負圧であり、Pin1、Pin2、……Pin6となるほど大きな圧力(負圧が小さな値)となる。
体積効率ηが大きくなるほど吸気管内圧Pinも大きくなる傾向にあり、吸気管内圧Pinは体積効率ηと相関関係にある。
そこで、図4に破線で示すように、図2における体積効率ηのしきい値ηrに相当する吸気管内圧のしきい値Pinrを設定する。
これにより、運転状態判定手段28Aは、吸気管内圧Pがしきい値Pinrを上回ると、エンジン10の運転状態が高負荷領域にあると判定し、吸気管内圧Pがしきい値Pinr以下であると、エンジン10の運転状態が低負荷領域にあると判定する。
具体的には、エンジン回転数Nとしきい値Pinrとを対応付けた判定用マップを予め設けておき、運転状態判定手段28Aは、判定用マップに基づいてエンジン回転数Nからしきい値Pinrを特定し、特定したしきい値Pinrに基づいて高負荷領域、低負荷領域の判定を行う。
なお、吸気管内圧Pinと、吸気量センサ22で検出される吸気量αとは相関関係にあるため、吸気管内圧Pinに代えて吸気量αを用いることもできる。
その場合、体積効率ηのしきい値ηrに相当する吸気量のしきい値αrを設定する。そして、エンジン回転数Nとしきい値αrとを対応付けた判定用マップを予め設けておき、運転状態判定手段28Aは、判定用マップに基づいてエンジン回転数Nからしきい値αrを特定し、特定したしきい値αrに基づいて高負荷領域、低負荷領域の判定を行う。
図5はエンジン回転数Nと正味平均有効圧Pとスロットルバルブ開度θTとの関係を示す特性図である。
スロットルバルブ開度θTはスロットルバルブ開度センサ20で検出される。
スロットルバルブ開度θTは、θT1、θT2、……θT6となるほど大きな値となる。
体積効率ηが大きくなるほどスロットルバルブ開度θTも大きくなる傾向にあり、スロットルバルブ開度θTは体積効率ηと相関関係にある。
そこで、図5に破線で示すように、図2における体積効率ηのしきい値ηrに相当するスロットルバルブ開度のしきい値θTrを設定する。
これにより、運転状態判定手段28Aは、スロットルバルブ開度θTがしきい値θTrを上回ると、エンジン10の運転状態が高負荷領域にあると判定し、スロットルバルブ開度θTがしきい値θTr以下であると、エンジン10の運転状態が低負荷領域にあると判定する。
具体的には、エンジン回転数Nとしきい値θTrとを対応付けた判定用マップを予め設けておき、運転状態判定手段28Aは、判定用マップに基づいてエンジン回転数Nからしきい値θTrを特定し、特定したしきい値θTrに基づいて高負荷領域、低負荷領域の判定を行う。
なお、スロットルバルブ開度θTと、アクセルペダル開度センサ18で検出されるアクセルペダル開度θAとは比例関係にあるため、スロットルバルブ開度θTに代えてアクセルペダル開度θAを用いることができる。
その場合、体積効率ηのしきい値ηrに相当するアクセルペダル開度のしきい値θArを設定する。そして、エンジン回転数Nとしきい値θArとを対応付けた判定用マップを予め設けておき、運転状態判定手段28Aは、判定用マップに基づいてエンジン回転数Nからしきい値θArを特定し、特定したしきい値θArに基づいて高負荷領域、低負荷領域の判定を行う。
スロットルバルブ開度θTはスロットルバルブ開度センサ20で検出される。
スロットルバルブ開度θTは、θT1、θT2、……θT6となるほど大きな値となる。
体積効率ηが大きくなるほどスロットルバルブ開度θTも大きくなる傾向にあり、スロットルバルブ開度θTは体積効率ηと相関関係にある。
そこで、図5に破線で示すように、図2における体積効率ηのしきい値ηrに相当するスロットルバルブ開度のしきい値θTrを設定する。
これにより、運転状態判定手段28Aは、スロットルバルブ開度θTがしきい値θTrを上回ると、エンジン10の運転状態が高負荷領域にあると判定し、スロットルバルブ開度θTがしきい値θTr以下であると、エンジン10の運転状態が低負荷領域にあると判定する。
具体的には、エンジン回転数Nとしきい値θTrとを対応付けた判定用マップを予め設けておき、運転状態判定手段28Aは、判定用マップに基づいてエンジン回転数Nからしきい値θTrを特定し、特定したしきい値θTrに基づいて高負荷領域、低負荷領域の判定を行う。
なお、スロットルバルブ開度θTと、アクセルペダル開度センサ18で検出されるアクセルペダル開度θAとは比例関係にあるため、スロットルバルブ開度θTに代えてアクセルペダル開度θAを用いることができる。
その場合、体積効率ηのしきい値ηrに相当するアクセルペダル開度のしきい値θArを設定する。そして、エンジン回転数Nとしきい値θArとを対応付けた判定用マップを予め設けておき、運転状態判定手段28Aは、判定用マップに基づいてエンジン回転数Nからしきい値θArを特定し、特定したしきい値θArに基づいて高負荷領域、低負荷領域の判定を行う。
次に本実施の形態の内燃機関の制御装置の動作について図6を参照して説明する。
なお、運転状態判定手段28Aは、アクセルペダル開度センサ18、スロットルバルブ開度センサ20、吸気量センサ22、吸気管内圧センサ24の何れかで検出された状態量に基づいて低負荷領域および高負荷領域の判定を行うものとする。
エンジンECU28は、エンジン10の運転状態が高負荷領域にあるか否かを判定する(ステップS10)。
運転状態が高負荷領域にあると判定された場合、エンジンECU28は、通電期間を第1の通電期間Δt1に設定し(ステップS16)、これにより点火装置12は、1次コイルに1次電流を第1の通電期間Δt1通電することで点火プラグ32を放電させる(ステップS18)。
ステップS10で運転状態が高負荷領域でない(低負荷領域である)と判定された場合、エンジンECU28は、エンジン回転数Nがしきい値回転数Nrを上回るか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果が肯定ならばステップS16に移行し、否定ならば、通電期間を第2の通電期間Δt2に設定し(ステップS14)、これにより点火装置12は、1次コイルに1次電流を第1の通電期間Δt1通電することで点火プラグ32を放電させる(ステップS18)。
なお、運転状態判定手段28Aは、アクセルペダル開度センサ18、スロットルバルブ開度センサ20、吸気量センサ22、吸気管内圧センサ24の何れかで検出された状態量に基づいて低負荷領域および高負荷領域の判定を行うものとする。
エンジンECU28は、エンジン10の運転状態が高負荷領域にあるか否かを判定する(ステップS10)。
運転状態が高負荷領域にあると判定された場合、エンジンECU28は、通電期間を第1の通電期間Δt1に設定し(ステップS16)、これにより点火装置12は、1次コイルに1次電流を第1の通電期間Δt1通電することで点火プラグ32を放電させる(ステップS18)。
ステップS10で運転状態が高負荷領域でない(低負荷領域である)と判定された場合、エンジンECU28は、エンジン回転数Nがしきい値回転数Nrを上回るか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果が肯定ならばステップS16に移行し、否定ならば、通電期間を第2の通電期間Δt2に設定し(ステップS14)、これにより点火装置12は、1次コイルに1次電流を第1の通電期間Δt1通電することで点火プラグ32を放電させる(ステップS18)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、エンジン10の運転状態が高負荷領域にあるか低負荷領域にあるかに対応して点火コイル34の1次電流の通電期間を第1の通電期間と、第1の通電期間よりも短い第2の通電期間とに設定するようにした。
したがって、混合気に点火しにくい高負荷領域では点火コイル34の通電期間を長くすることで混合気を確実に燃焼させ、かつ、混合気に点火しやすい低負荷領域では点火コイル34の通電期間を短くすることで混合気を確実に燃焼させつつバッテリ16の電力消費を抑制することができる。
したがって、バッテリ16を充電するオルタネータ14の発電量を抑制でき、ひいては燃費の向上を図ることができる。
したがって、混合気に点火しにくい高負荷領域では点火コイル34の通電期間を長くすることで混合気を確実に燃焼させ、かつ、混合気に点火しやすい低負荷領域では点火コイル34の通電期間を短くすることで混合気を確実に燃焼させつつバッテリ16の電力消費を抑制することができる。
したがって、バッテリ16を充電するオルタネータ14の発電量を抑制でき、ひいては燃費の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、運転状態判定手段28Aは、体積効率ηと相関関係にあるエンジン10の運転状態に関する状態量に基づいて低負荷領域および前記高負荷領域の判定を行うので、低負荷領域および高負荷領域の判定を的確に行うことができる。
また、本実施の形態では、高負荷領域は、エンジン10の燃費が高い領域であり、低負荷領域は、エンジン10の燃費が高負荷領域の燃費よりも低い領域であるため、結果的に、低負荷領域が多用されることになり、点火エネルギーの抑制を図りひいては燃費の向上を図る上でさらに好ましい。
また、本実施の形態では、高負荷領域は、エンジン10の燃費が高い領域であり、低負荷領域は、エンジン10の燃費が高負荷領域の燃費よりも低い領域であるため、結果的に、低負荷領域が多用されることになり、点火エネルギーの抑制を図りひいては燃費の向上を図る上でさらに好ましい。
次に実際の制御仕様について考える。
実施の形態では、運転状態判定手段28Aは、アクセルペダル開度センサ18、スロットルバルブ開度センサ20、吸気量センサ22、吸気管内圧センサ24の何れかで検出された状態量に基づいて低負荷領域および高負荷領域の判定を行うものとした。
しかしながら、アクセルペダルを踏み込んで、車両を加速させる場合、まず、アクセルペダルの開度が開く方向に変化し、次いでスロットルバルブの開度が開く方向に変化し、次いで混合気の吸入量が増え、次いで、吸気管内圧力や吸気量が増大するという順となる。
そのため、アクセルペダル開度センサ18、スロットルバルブ開度センサ20で検出される第1の状態量A(アクセルペダル開度、スロットルバルブ開度)は早期に変化するが、吸気量センサ22、吸気管内圧センサ24で検出される第2の状態量B(吸気量、吸気管内圧、あるいは、吸気量から算出される体積効率η)は第1の状態量Aに比較して時間遅れを持って変化する。
したがって、時間遅れを持って変化する第2の状態量Bに基づいて運転状態を判定して通電期間を切替える場合、既にシリンダ内の圧縮圧力が上がってしまった後で、通電期間を長くして点火コイル34の点火エネルギーを増大させることになる。
そのため、第2の状態量Bの時間遅れが大きいと、加速初期に通電期間が不足して、燃焼不良(失火)となることが懸念される。
よって、アクセルペダルを踏み込んで車両を加速させる場合は、第1の状態量A(アクセルペダルあるいはスロットルバルブが開いたこと)をトリガにして、速やかに通電期間を第1の通電期間として長くすることがエンジン10の運転状態を安定化する上で有利となる。
実施の形態では、運転状態判定手段28Aは、アクセルペダル開度センサ18、スロットルバルブ開度センサ20、吸気量センサ22、吸気管内圧センサ24の何れかで検出された状態量に基づいて低負荷領域および高負荷領域の判定を行うものとした。
しかしながら、アクセルペダルを踏み込んで、車両を加速させる場合、まず、アクセルペダルの開度が開く方向に変化し、次いでスロットルバルブの開度が開く方向に変化し、次いで混合気の吸入量が増え、次いで、吸気管内圧力や吸気量が増大するという順となる。
そのため、アクセルペダル開度センサ18、スロットルバルブ開度センサ20で検出される第1の状態量A(アクセルペダル開度、スロットルバルブ開度)は早期に変化するが、吸気量センサ22、吸気管内圧センサ24で検出される第2の状態量B(吸気量、吸気管内圧、あるいは、吸気量から算出される体積効率η)は第1の状態量Aに比較して時間遅れを持って変化する。
したがって、時間遅れを持って変化する第2の状態量Bに基づいて運転状態を判定して通電期間を切替える場合、既にシリンダ内の圧縮圧力が上がってしまった後で、通電期間を長くして点火コイル34の点火エネルギーを増大させることになる。
そのため、第2の状態量Bの時間遅れが大きいと、加速初期に通電期間が不足して、燃焼不良(失火)となることが懸念される。
よって、アクセルペダルを踏み込んで車両を加速させる場合は、第1の状態量A(アクセルペダルあるいはスロットルバルブが開いたこと)をトリガにして、速やかに通電期間を第1の通電期間として長くすることがエンジン10の運転状態を安定化する上で有利となる。
一方、アクセルペダルを戻して、車両を減速させる場合、アクセルペダルの開度が閉じる方向に変化すると、次いでスロットルバルブの開度が閉じる方向に変化し、次いで混合気の吸入量が減り、次いで吸気管内圧力や吸気量が減少するという順となる。
そのため、第1の状態量A(アクセルペダル開度、スロットルバルブ開度)は早期に変化するが、第2の状態量B(吸気量、吸気管内圧、あるいは、吸気量から算出される体積効率η)は第1の状態量Aに比較して時間遅れを持って変化する。
この場合に、第1の状態量A(アクセルペダル、スロットルバルブが閉じたこと)をトリガにして、通電期間を第2の通電期間として短くしてしまうと、混合気の吸入量が減っていない段階で、通電期間を短くして点火コイル34の点火エネルギーを減少させることになる。
そのため、第2の状態量Bの時間遅れが大きいと、減速初期に通電期間が不足して、燃焼不良(失火)となることが懸念される。
よって、アクセルペダルを戻して車両を減速させる場合は、時間遅れを持って変化する第2の状態量B(吸気管内圧力、吸気量、体積効率η)の変化を待ってから、通電期間を第2の通電期間として短くすることがエンジン10の運転状態を安定化する上で有利となる。
そのため、第1の状態量A(アクセルペダル開度、スロットルバルブ開度)は早期に変化するが、第2の状態量B(吸気量、吸気管内圧、あるいは、吸気量から算出される体積効率η)は第1の状態量Aに比較して時間遅れを持って変化する。
この場合に、第1の状態量A(アクセルペダル、スロットルバルブが閉じたこと)をトリガにして、通電期間を第2の通電期間として短くしてしまうと、混合気の吸入量が減っていない段階で、通電期間を短くして点火コイル34の点火エネルギーを減少させることになる。
そのため、第2の状態量Bの時間遅れが大きいと、減速初期に通電期間が不足して、燃焼不良(失火)となることが懸念される。
よって、アクセルペダルを戻して車両を減速させる場合は、時間遅れを持って変化する第2の状態量B(吸気管内圧力、吸気量、体積効率η)の変化を待ってから、通電期間を第2の通電期間として短くすることがエンジン10の運転状態を安定化する上で有利となる。
上述のことを考慮すると、以下の(1)、(2)のような制御を行うことが失火不良を抑制する上で有利となる。
(1)第1の状態量Aおよび第2の状態量Bの何れか一方または双方の判定結果が高負荷領域である場合は、通電期間を第1の通電期間Δt1とする。
(2)第1の状態量Aおよび第2の状態量Bの双方の判定結果が低負荷領域である場合は、通電期間を第2の通電期間Δt2とする。
また、以下の(3)のようにしても失火不良を抑制する上で有利となる。
(3)第2の状態量Bの判定結果が低負荷領域である場合は、通電期間を第2の通電期間Δt2とする。ただし、第1の状態量Aが開方向に変化して所定時間内は、通電期間を第1の通電期間Δt1とする。
(1)第1の状態量Aおよび第2の状態量Bの何れか一方または双方の判定結果が高負荷領域である場合は、通電期間を第1の通電期間Δt1とする。
(2)第1の状態量Aおよび第2の状態量Bの双方の判定結果が低負荷領域である場合は、通電期間を第2の通電期間Δt2とする。
また、以下の(3)のようにしても失火不良を抑制する上で有利となる。
(3)第2の状態量Bの判定結果が低負荷領域である場合は、通電期間を第2の通電期間Δt2とする。ただし、第1の状態量Aが開方向に変化して所定時間内は、通電期間を第1の通電期間Δt1とする。
また、点火プラグ32の電極温度が低いほど、点火プラグ32に印加する点火用高電圧も高くする必要があることから、電極温度の低いエンジン始動直後は、通電期間を長く(第1の通電期間Δt1)とすることが、失火を抑制し、エンジン10の運転状態の安定化を図る上で好ましい。
この場合、エンジン始動後の経過時間あるいはエンジン始動後の点火回数を電極温度の模擬データとして使用することが考えられる。すなわち、エンジン始動後の経過時間のしきい値、エンジン始動後の点火回数のしきい値を予め定めておき、経過時間あるいは点火回数がしきい値を下回る状況では通電期間を長く(第1の通電期間)すればよい。
また、エンジン水温に応じて、エンジン始動後の経過時間のしきい値やエンジン始動後の点火回数のしきい値を切替えることも考えられる。すなわち、エンジン水温が低いほどしきい値を大きくし、エンジン水温が高いほどしきい値を小さくすれば、エンジン水温が低いほど通電期間を長くした状態を延長させることができ、エンジン水温が高いほど通電期間を長くした状態を早期に終了させることができる。
この場合、エンジン始動後の経過時間あるいはエンジン始動後の点火回数を電極温度の模擬データとして使用することが考えられる。すなわち、エンジン始動後の経過時間のしきい値、エンジン始動後の点火回数のしきい値を予め定めておき、経過時間あるいは点火回数がしきい値を下回る状況では通電期間を長く(第1の通電期間)すればよい。
また、エンジン水温に応じて、エンジン始動後の経過時間のしきい値やエンジン始動後の点火回数のしきい値を切替えることも考えられる。すなわち、エンジン水温が低いほどしきい値を大きくし、エンジン水温が高いほどしきい値を小さくすれば、エンジン水温が低いほど通電期間を長くした状態を延長させることができ、エンジン水温が高いほど通電期間を長くした状態を早期に終了させることができる。
上述のことを考慮すると、以下の(5)、(6)のような制御を行うことがエンジン始動直後の運転状態の安定化を図る上で有利となる。
(5)エンジン始動後所定時間内は、強制的に通電期間を第1の期間Δt1とする。
所定時間のしきい値は、エンジン始動時の水温、またはエンジン10の現在水温で、可変の値としてもよい。
(6)エンジン始動後所定点火回数内は、強制的に通電期間を第1の期間Δt1とする。
所定点火回数のしきい値は、エンジン始動時の水温、またはエンジン10の現在水温で、可変の値としてもよい。
(5)エンジン始動後所定時間内は、強制的に通電期間を第1の期間Δt1とする。
所定時間のしきい値は、エンジン始動時の水温、またはエンジン10の現在水温で、可変の値としてもよい。
(6)エンジン始動後所定点火回数内は、強制的に通電期間を第1の期間Δt1とする。
所定点火回数のしきい値は、エンジン始動時の水温、またはエンジン10の現在水温で、可変の値としてもよい。
10……エンジン、12……点火装置、14……オルタネータ、16……バッテリ、18……アクセルペダル開度センサ、20……スロットルバルブ開度センサ、22……吸気量センサ、24……吸気管内圧センサ、26……回転数センサ、28……エンジンECU、28A……運転状態判定手段、28B……通電期間制御手段、32……点火プラグ、34……点火コイル、34A……1次側コイル、34B……2次側コイル。
Claims (4)
- 内燃機関の運転状態が予め定められた高負荷領域にあるか低負荷領域にあるかを判定する運転状態判定手段と、
前記内燃機関の点火コイルに流れる1次電流を通電、遮断することにより前記内燃機関の点火プラグに火花放電を発生させる通電手段と、
前記運転状態が前記高負荷領域にあると判定された場合、前記通電手段に対して前記1次電流の通電期間を第1の通電期間に設定し、前記運転状態が前記低負荷領域にあると判定された場合、前記通電手段に対して前記1次電流の通電期間を前記第1の通電期間よりも短い第2の通電期間に設定する通電期間制御手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記内燃機関の体積効率と相関関係にある前記内燃機関の運転状態に関する状態量を検出する状態量検出手段を備え、
前記運転状態判定手段は、前記状態量検出手段で検出された前記状態量に基づいて前記低負荷領域および前記高負荷領域の判定を行う、
ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。 - 前前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段を備え、
前記通電期間設定手段は、前前記内燃機関の回転数が予め定められたしきい値回転数を上回る場合に、前記運転状態判定手段の判定結果に拘わらず、前記通電期間を前記第1の通電期間に設定する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。 - 前記高負荷領域は、前記内燃機関の燃費が高い領域であり、
前記低負荷領域は、前記内燃機関の燃費が前記高負荷領域の燃費よりも低い領域である、
ことを特徴とする請求項1乃至3に何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
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JP2010288463A JP2012136965A (ja) | 2010-12-24 | 2010-12-24 | 内燃機関の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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-
2010
- 2010-12-24 JP JP2010288463A patent/JP2012136965A/ja not_active Withdrawn
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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