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JP2012079735A - マスク伸縮補正最適化方法、露光方法及びデバイス製造方法、並びにデバイス製造システム - Google Patents

マスク伸縮補正最適化方法、露光方法及びデバイス製造方法、並びにデバイス製造システム Download PDF

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JP2012079735A
JP2012079735A JP2010220644A JP2010220644A JP2012079735A JP 2012079735 A JP2012079735 A JP 2012079735A JP 2010220644 A JP2010220644 A JP 2010220644A JP 2010220644 A JP2010220644 A JP 2010220644A JP 2012079735 A JP2012079735 A JP 2012079735A
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Shinichi Okita
晋一 沖田
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】パターンを正確に位置合わせする。
【解決手段】ダブルパターニング法において使用される2つのレチクルのそれぞれの伸縮量を記述するレチクル伸縮補正モデルについて、伸縮に係るパラメータ(レチクル伸縮補正パラメータ(時定数と飽和値))を最適化する。そして、最適化後のレチクル伸縮補正モデルを用いて、パターンを次の露光対象のウエハのターゲット層に位置合わせする。これにより、レチクルの熱変形に起因する補正誤差に影響を受けることなく、目標パターンをウエハ上のターゲット層に正確に位置合わせすることが可能となる。
【選択図】図10

Description

本発明は、マスク伸縮補正最適化方法、露光方法及びデバイス製造方法、並びにデバイス製造システムに係り、さらに詳しくは、複数の物体のそれぞれに対して、既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成する処理を、順次行う際に、第1回目の露光と第2回目の露光とでそれぞれ用いられるマスクの伸縮補正を最適化する方法であって、いわゆるダブルパターニングに好適なマスク伸縮補正最適化方法、該マスク伸縮補正最適化方法を用いる露光方法及び該露光方法を用いるデバイス製造方法、並びに複数の物体のそれぞれに対して、既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成する処理を、順次行うデバイス製造システムに関する。
半導体素子、液晶表示素子等の電子デバイスの製造工程では、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(スキャナ)等が、主として用いられている。この種の露光装置では、照明光をレチクル(マスク)と投影光学系を介して感応剤(フォトレジスト)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等(以下、ウエハと総称する)上に照射することにより、レチクルに形成されたパターンがウエハ上に配列された複数のショットのそれぞれに転写される。
特に半導体素子の製造では、ウエハ上に数十層のパターンが重ね合わせて形成されるため(積層されるため)、各層間の高い重ね合わせ精度(各パターン間の高い位置合わせ精度)が要求される。そこで、近年では、露光工程におけるウエハの位置合わせ(ウエハアライメント)において、複数のショットのうちの一部に形成されたアライメントマークを検出し、その検出結果を統計処理することにより、全てのショットの配列、さらにショット内のパターンの歪み(ショット内誤差)を高精度に求めるエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)方式が、広く採用されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。
しかし、露光工程(ロット処理)中、照明光を吸収することによって発生する熱により、レチクルが変形し得る。さらに、同一のレチクルを用いてロット単位(1ロットは25枚又は50枚)のウエハを連続して露光処理するため、ウエハを露光する度にレチクル(マスク)の変形の程度が拡大する、すなわちパターンの投影像の歪みが拡大する。そこで、上述のEGA方式のウエハアライメントに加えて、レチクルの熱変形を予測し、その結果に基づいてパターンの投影像の歪みを調整するレチクル熱伸縮補正が行われるようになった。
一方、半導体素子等のパターンの微細化に伴い、2回のリソグラフィ・プロセスを繰り返すことによって、露光装置の解像限界を超える微細なパターンを形成するいわゆるダブルプロセス方式(ダブルパターニング法)が提案されている。従って、ダブルパターニング法に対応したレチクル熱伸縮補正が必要となる。
米国特許第4,780,617号明細書 米国特許第6,876,946号明細書
本発明の第1の態様によれば、複数の物体のそれぞれに対して、既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成する処理を、順次行う際に、第1回目の露光と第2回目の露光とでそれぞれ用いられるマスクの伸縮補正を最適化するマスク伸縮補正最適化方法であって、前記複数の物体のうちの1つの物体の前記ターゲット層に前記目標パターンの一部を構成する第1パターンとともに形成された複数の第1マークを検出し、該検出結果を用いて前記第1パターンの形成に用いられる第1マスクの伸縮量を求め、該第1マスクの伸縮量と該伸縮量を記述する第1補正モデルから得られる伸縮量の予測値との第1の残差を求める第1工程と;前記ターゲット層に前記目標パターンの一部を構成する第2パターンとともに形成された複数の第2マークを検出し、該検出結果を用いて前記第2パターンの形成に用いられる第2マスクの伸縮量を求め、該第2マスクの伸縮量と該伸縮量を記述する第2補正モデルから得られる伸縮量の予測値との第2の残差を求める第2工程と;前記第1の残差と前記第2の残差と前記第1及び第2の残差間の差との少なくとも1つについての統計和を用いて、前記第1及び第2補正モデルの少なくとも一方についてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化する第3工程と;を含むマスク伸縮補正最適化方法が、提供される。
これによれば、それぞれ第1及び第2マスクの伸縮量を記述する第1及び第2補正モデルの少なくとも一方に対応するマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化するので、マスク伸縮補正が最適化され、結果的にパターンの位置合わせ精度を向上させることが可能になる。
本発明の第2の態様によれば、複数の物体のそれぞれに対して、既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成する処理を、順次行う露光方法であって、本発明のマスク伸縮補正最適化方法を用いて、前記第1及び第2補正モデルの少なくとも一方についてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化することと;前記第1補正モデルを用いて前記第1パターンを前記複数の物体のうちの別の物体のターゲット層に位置合わせし、該ターゲット層上に前記第1パターンを転写することと;前記第2補正モデルを用いて前記第2パターンを前記別の物体のターゲット層に位置合わせし、該ターゲット層上に前記第2パターンを転写することと;を含む露光方法が、提供される。
これによれば、本発明のマスク伸縮補正最適化方法によりマスクの伸縮量に係るパラメータが最適化された第1及び第2補正モデルの少なくとも一方を用いて対応する第1又は第2パターンを別の物体のターゲット層に位置合わせする。これにより、マスクの熱伸縮補正誤差に影響を受けることなく、目標パターンを物体上のターゲット層に正確に位置合わせすることが可能となる。
本発明の第3の態様によれば、本発明の露光方法を用いて、複数の物体上にパターンを形成することと;前記パターンが形成された前記物体を現像することと;を含むデバイス製造方法が、提供される。
本発明の第4の態様によれば、複数の物体のそれぞれに対して、既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成する処理を、順次行うデバイス製造システムであって、マスクに形成されたパターンを前記複数の物体に転写する露光装置と;前記物体上に形成されるマークを検出する機能を有する計測装置と;前記露光装置と前記計測装置とに接続された上位コンピュータを含む1又は2以上のコンピュータと;を備え、前記露光装置及び前記計測装置の制御用コンピュータ、並びに前記1又は2以上のコンピュータを含む複数のコンピュータのいずれかが、前記複数の物体のうちの1つの物体の前記ターゲット層に前記目標パターンの一部を構成する第1パターンとともに形成された複数の第1マークを、前記計測装置を用いて検出し、該検出結果を用いて前記第1パターンの形成に用いられる第1マスクの伸縮量を求め、該第1マスクの伸縮量と該伸縮量を記述する第1補正モデルから得られる伸縮量の予測値との第1の残差を求め、前記ターゲット層に前記目標パターンの一部を構成する第2パターンとともに形成された複数の第2マークを、前記計測装置を用いて検出し、該検出結果を用いて前記第2パターンの形成に用いられる第2マスクの伸縮量を求め、該第2マスクの伸縮量と該伸縮量を記述する第2補正モデルから得られる伸縮量の予測値との第2の残差を求め、前記第1の残差と前記第2の残差と前記第1及び第2の残差間の差との少なくとも1つについての統計和を用いて、前記第1及び第2補正モデルの少なくとも一方についてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化するデバイス製造システムが、提供される。
これによれば、それぞれ第1及び第2マスクの伸縮量を記述する第1及び第2補正モデルの少なくとも一方を対応するマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化するので、マスク伸縮補正が最適化され、結果的にパターンの位置合わせ精度を向上させることが可能となる。
一実施形態のデバイス製造システムの構成を概略的に示す図である。 図1の露光装置の構成の一例を概略的に示す図である。 デバイス製造工程における処理の流れを示す図である。 図4(A)〜図4(J)は、ウエハ上に形成されるパターンの形成過程を説明するための図であって、ウエハ上の1つのショットの一部の領域を示す拡大断面図である。 図5(A)及び図5(B)は、それぞれ、レチクル伸縮補正モデルの最適化前後のショットスケーリングX及びショットスケーリングYの残差を示す図である。 一実施形態のデバイス製造システムにおいて、ホストによって実行される処理アルゴリズムの概略を示すフローチャート(その1)である。 一実施形態のデバイス製造システムにおいて、ホストによって実行される処理アルゴリズムの概略を示すフローチャート(その2)である。 図8(A)は、事前計測におけるショット内多点EGAのサンプルショットの配置の一例を説明するための図、図8(B)は、ロット処理中のアライメント計測におけるショット内多点EGAのサンプルショットの配置の一例を説明するための図である。 図9(A)は、事前計測及び事後計測において計測されるウエハ上のサンプルショット内に付与されたアライメントマークの配置の一例を示す図、図9(B)は、ロット処理中においてショット内多点EGA計測で計測されるサンプルショット内に付与されたアライメントマークの配置の一例を示す図である。 図7のステップ564のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。
図1には、一実施形態のデバイス製造システムの構成が概略的に示されている。デバイス製造システム1000は、基板、例えば半導体ウエハ(以下、「ウエハ」と呼ぶ)を処理し、マイクロデバイスを製造するためにデバイス製造工場内に構築されたシステムである。図1に示されるように、デバイス製造システム1000は、露光装置100と、その露光装置100に隣接して配置されたトラック200と、解析装置500と、ホスト・コンピュータ(以下、「ホスト」と表記する)600と、デバイス製造処理装置群900とを備えている。図1において、太線の矢印はウエハの流れ(移動)を示し、その他の実線の矢印はデータの流れを示す。
図2には、露光装置100の構成の一例が概略的に示されている。露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(すなわちスキャナ)である。露光装置100は、照明系IOP、レチクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学系PL、ウエハWが載置されるウエハステージWST、及びこれらの制御系等を備えている。
照明系IOPは、光源、及び光源に送光光学系を介して接続された照明光学系を含む。照明光学系は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、ビームスプリッタ、レチクルブラインド等(いずれも不図示)を含む。照明系IOPは、回路パターン等が描かれたレチクルR上のレチクルブラインドで設定されたスリット状(X軸方向(図2における紙面直交方向)に伸びる細長い長方形状)の照明領域を照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。照明光ILとしては、例えばArFエキシマレーザ光(波長193nm)(又はKrFエキシマレーザ光(波長248nm))などが用いられる。
レチクルステージRSTは、照明系IOPの図2における下方(−Z側)に配置されている。レチクルステージRST上には、パターンが形成されたレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、ここでは、リニアモータなどを含むレチクルステージ駆動系22によって、水平面(XY平面)内で微小駆動可能であるとともに、走査方向(ここでは図2における紙面内左右方向であるY軸方向とする)に所定のストローク範囲で指定された走査速度で駆動可能となっている。レチクルステージRSTのXY平面内の位置情報(Z軸回りの回転情報を含む)はレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、移動鏡15を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報は主制御装置50に送られ、該主制御装置50では、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動系22を介してレチクルステージRSTを駆動(位置制御)する。
投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図2における下方(−Z側)に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向とされている。投影光学系PLとしては、例えば、光軸AXと平行なZ軸方向に沿って所定間隔で配置された複数枚のレンズエレメントを含む、例えば両側テレセントリックな屈折系が用いられている。投影光学系PLの投影倍率βは、例えば1/4(あるいは1/5)とされている。このため、照明系IOPからの照明光ILによってレチクルRが照明されると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明光ILの照射領域(照明領域)内のレチクルRのパターンの縮小像(部分倒立像)が表面にフォトレジスト(感応剤;以下、レジストと略記する)が塗布されたウエハW上の前記照明領域に共役な領域(露光領域)に形成される(レジストにパターンの潜像が形成される)。
露光装置100には、投影光学系PLの結像特性、例えば諸収差を補正するための結像特性補正装置が設けられている。この結像特性補正装置は、大気圧変化、照明光吸収等による投影光学系PL自体の結像特性の変化を補正すると共に、ウエハW上の先行する特定レイヤ(例えば前レイヤ)のショット領域(以下、ショットと略称する)に転写されたパターンの歪みに合わせてレチクルRのパターンの投影像を歪ませる働きをもつ。投影光学系PLの結像特性としては例えば球面収差(結像位置の収差)、コマ収差(倍率の収差)、非点収差、像面湾曲、歪曲収差(歪み)等がある。結像特性補正装置は、結像特性(諸収差)を補正する機能を有しているが、以下の説明中では、結像特性補正装置は、主としてロット処理中の露光パワー吸収によるマスク(レチクル)の伸縮による投影像(転写像)の歪み(倍率収差含む)を経時的に補正するものとする。
図2において、投影光学系PLを構成する、レチクルRに最も近いレンズエレメント27は支持部材28に固定され、レンズエレメント27に続くレンズエレメント29,30,31,…は投影光学系PLのレンズ鏡筒38に固定されている。支持部材28は、伸縮自在の複数(ここでは3つ)の駆動素子、例えばピエゾ素子11a、11b、11c(但し、図2では紙面奥側の駆動素子11cは図示せず)を介して投影光学系PLのレンズ鏡筒38と連結されている。駆動素子11a、11b、11cに印加される駆動電圧が結像特性制御部12によって独立して制御され、これによって、レンズエレメント27が光軸AXに直交する面に対して任意に傾斜及び光軸AXに平行な方向に移動可能な構成となっている。各駆動素子によるレンズエレメント27の駆動量は不図示の位置センサにより厳密に測定され、その位置はサーボ制御により目標位置に保たれるようになっている。なお、投影光学系PLの光軸AXとはレンズエレメント29等の固定のレンズエレメントの共通の光軸を指すものとする。
なお、上述の説明では、説明の便宜上から、レンズエレメント27のみが、移動可能であるものとしたが、実際には、投影光学系PLでは、複数枚のレンズエレメント、あるいはレンズ群が、上記レンズエレメント27と同様に移動可能に構成されている。また、結像特性補正装置では、投影光学系PLを構成する光学素子の一部を移動させて投影像の歪みを補正する構成に加えて、投影光学系PL内の一部の気密空間内のガス圧を制御(屈折率を調整)することにより投影像の歪みを補正する構成を採用しても良い。
ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図2における下方(−Z側)に配置されている。ウエハステージWST上には、ウエハホルダ9を介してウエハWが真空吸着等により保持されている。
ウエハステージWSTは、リニアモータ等を含むウエハステージ駆動系24により、X軸方向、Y軸方向に所定ストロークで駆動されるとともに、Z軸方向、Z軸回りの回転方向(θz方向)、X軸回りの回転方向(θx方向)及びY軸回りの回転方向(θy方向)に微小駆動される。すなわち、ウエハホルダ9は、ウエハステージ駆動系24により、投影光学系PLの最良結像面に対し、任意方向に傾斜可能で、かつ光軸AX方向(Z軸方向)に微動が可能で、さらに光軸AXに平行なZ軸回りに回転可能に構成されている。
ウエハステージWSTのXY平面内での位置情報(ヨーイング(θz方向の回転)情報を含む)及びXY平面に対する傾斜情報(ピッチング(θx方向の回転)情報及びローリング(θy方向の回転)情報)はウエハレーザ干渉計(以下、ウエハ干渉計と略記する)18によって、移動鏡17を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時検出されている。ウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)は主制御装置50に送られ、主制御装置50では、その位置情報(又は速度情報)に基づいてウエハステージWSTのXY平面内の位置(θz方向の回転を含む)をウエハステージ駆動系24を介して制御する。
また、ウエハステージWSTの上面には、ウエハW表面とほぼ同一高さにその表面が設定された基準マーク板FMが固定されている。基準マーク板FMの表面には、レチクルアライメント用の第1基準マーク及び後述するアライメント系8のベースライン計測用の第2基準マークなどが所定の位置関係で形成されている。
投影光学系PLの側面には、ウエハW上の各ショットに形成されたアライメントマーク(ウエハマーク)、基準マーク板FM上の第2基準マーク等を検出するためのオフ・アクシス方式のアライメント系8が設けられている。アライメント系8は、内部に備える光学系を用いて、ウエハマーク等が含まれるウエハ面を照明し、そのウエハ面からの反射光をその光学系を用いて、内部に備えるアライメントセンサに導き、当該アライメントセンサを用いてその反射光に対応する信号を光電検出する。検出された信号は、例えばそのウエハ面の凹凸又は反射率の分布に対応する波形となる。アライメント系では、検出した波形データから、マークに対応する波形(マーク波形)を抽出し、その抽出結果に基づいてアライメントセンサの検出視野内におけるマーク波形の位置座標を検出する。アライメント系では、検出されたマーク波形の位置座標とアライメントセンサの検出視野自体の位置座標とに基づいて、XY座標系におけるウエハマーク等の位置を算出する。アライメント系8の検出結果は、アライメント信号処理系(不図示)を介して主制御装置50に送られる。
また、投影光学系PLの下端部の近傍には、前述の露光領域内及びその近傍の複数の検出点におけるウエハW表面のZ軸方向に関する位置情報(面位置情報)を検出する、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示される斜入射方式の多点焦点位置検出系(13,14)が設けられている。多点焦点位置検出系は、投影光学系PLの最良結像面に向けて結像光束を光軸AXに対して斜めに射出する照射光学系13と、ウエハWの表面からの反射光束をスリットを介して受光する受光光学系14と、を含む。多点焦点位置検出系(13,14)で検出されるウエハの面位置情報は、ウエハWのフォーカス・レベリング制御のため、主制御装置50に供給される。
この他、露光装置100には、レチクルステージRSTの上方に、例えば米国特許第5,646,413号明細書などに開示されるような一対のレチクルアライメント系(図示省略)が設けられている。レチクルアライメント系は、照明光ILと同じ波長の光を用いたTTR(Through The Reticle)アライメント系から構成されている。レチクルアライメント系の検出信号は、不図示のアライメント信号処理系を介して主制御装置50に供給される。
主制御装置50は、例えば、マイクロコンピュータ(あるいはワークステーション)から構成され、露光装置100の構成各部を統括制御する。
次に、上述のようにして構成された露光装置100で行われる一連の動作について、簡単に説明する。
露光に先立って、主制御装置50により、不図示のウエハ搬送系を用いたウエハホルダ9上へのウエハWのロード、レチクルアライメント及びアライメント系8のベースライン計測、及びウエハアライメント(例えば後述するEGA(Enhanced Global Alignment)、又はショット内多点EGA)などの準備作業が行われる。なお、上記のレチクルアライメント、ベースライン計測等については、前述の米国特許第5,646,413号明細書などに詳細に開示されている。
主制御装置50は、上記のレチクルアライメント及びベースライン計測の結果、並びにウエハアライメント(これについては後述する)の結果に基づいて、ウエハW上の全てのショットに、順次、走査露光によりレチクルRのパターンを転写する。
ウエハW上の各ショットに対する走査露光では、主制御装置50は、レチクル干渉計16及びウエハ干渉計18による計測情報(位置情報)をモニタしつつ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとをそれぞれの走査開始位置(加速開始位置)に移動させる。そして、主制御装置50は、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとをY軸方向に、ただし互いに逆向きに、相対駆動する。ここで、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとがそれぞれの目標速度に達すると、照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。
主制御装置50は、特に上記の走査露光時にレチクルステージRSTのY軸方向の移動速度VrとウエハステージWSTのY軸方向の移動速度Vwとが投影光学系PLの投影倍率に応じた速度比に維持されるようにレチクルステージRST及びウエハステージWSTを同期制御する。このとき、主制御装置50は、両ステージRST,WSTの同期駆動を調整し、あるいは結像特性補正装置を介して可動レンズを駆動して、レチクルRのパターンのウエハW上への投影像の歪みを補正する。
そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が照明光ILで逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第1ショットの走査露光が終了する。これにより、レチクルRの回路パターンが投影光学系PLを介して第1ショットに縮小転写される。
第1ショットに対する走査露光が終了すると、主制御装置50は、ウエハステージWSTを、次の第2ショットに対する走査開始位置(加速開始位置)へ移動(ステッピング)させる。そして、先と同様に、第2ショットに対する走査露光を行う。以後、第3ショット以降についても同様の動作を行う。このようにして、ショット間のステッピング動作とショットに対する走査露光動作とが繰り返され、ステップ・アンド・キャン方式でウエハW上の全てのショットにレチクルRのパターンが転写される。
図1に戻り、トラック200内には、露光装置100でのウエハの露光前後において、そのウエハに対する様々な測定検査を行うことが可能な複合的な測定検査器120と、ウエハに対してレジスト(感応剤)を塗布するとともに、露光後のウエハを現像するコータ・デベロッパ(以下、C/Dと略述する)110とが設けられている。
測定検査器120は、露光装置100及びC/D110とは、独立して動作可能である。また、測定検査器120は、その測定検査結果を、システム内の通信ネットワークを介して外部にデータ出力することができる。
測定検査器120の事後測定検査において、ウエハW上の欠陥・異物検査の他、露光装置100で転写されC/D110で現像された露光後(事後)のウエハW上のデバイスパターン等の形成状態及び重ね合わせ状態を計測する。詳述すると、測定検査器120は、パターンとともにウエハ上に形成されたアライメントマークを検出する。これにより、現工程レイヤに形成されたマークの絶対位置(の設計位置からのずれ)及び異なるレイヤに形成されたマーク間の相対位置(位置ずれ)が、それぞれ、形成誤差及び重ね合わせ誤差として求められる。測定検査器120による計測結果は、ホスト600又は露光装置100の主制御装置50に供給される。なお、測定検査器120は、現工程(レイヤ)に対する露光に先立って元工程(レイヤ)に形成された下地パターンの重ね合わせ状態を解析する場合、対象ウエハの露光に先立って先に露光されたウエハに形成された下地パターンの形成状態を測定してレチクルの熱変形を解析する場合等に使用される。
解析装置500は、露光装置100、C/D110及び測定検査器120とは独立して動作する装置である。解析装置500は、各種装置から各種データ(例えばその装置の処理データ)を収集し、ウエハWに対する一連のプロセスに関するデータの解析を行う。このような解析装置500を実現するハードウエアとしては、例えばパーソナルコンピュータ(以下、適宜「PC」と略称する)を採用することができる。この場合、解析処理は、解析装置500のCPU(不図示)で実行される解析プログラムの実行により実現される。この解析プログラムは、CD−ROMなどのメディア(情報記録媒体)に記録され、該メディアからPCにインストールされた状態で実行される。
解析装置500は、露光装置100及び測定検査器120の測定結果に基づいて、露光装置100のウエハアライメントに関するシミュレーションを行い、アライメント関連パラメータ、同期走査制御の補正パラメータ、及び投影光学系の調整パラメータなどを最適化する。
露光装置100と、C/D110と、測定検査器120とは、相互にインライン接続されている。ここで、インライン接続とは、装置間及び各装置内の処理ユニット間を、ロボットアーム及び/又はスライダ等のウエハWを自動搬送する搬送装置を介して接続することを意味する。インライン接続により、露光装置100とC/D110との間でのウエハWの受け渡し時間を格段に短くすることができる。
インライン接続された露光装置100とC/D110と測定検査器120とは、これを一体として、1つの基板処理装置(100、110、120)とみなすこともできる。基板処理装置(100、110、120)は、ウエハWに対して、レジスト等の感応剤を塗布する塗布工程、及び感応剤が塗布されたウエハW上にマスク又はレチクルのパターンを転写する露光工程、並びに、露光工程が終了したウエハを現像する現像工程等を行う。
デバイス製造システム1000においては、露光装置100と、C/D110と、測定検査器120とが複数台設けられている。各基板処理装置(100、110、120)、デバイス製造処理装置群900は、温度及び湿度が管理されたクリーンルーム内に設置されている。また、各装置の間では、所定の通信ネットワーク(例えばLAN:Local Area Network)を介して、データ通信を行うことができる。この通信ネットワークは、顧客の工場、事業所あるいは会社に対して設けられたいわゆるイントラネットと呼ばれる通信ネットワークである。
基板処理装置(100、110、120)においては、ウエハは複数枚(例えば25枚又は50枚)を1単位(ロットという)として処理される。デバイス製造システム1000においては、ウエハは1ロットを基本単位として処理され製品化されている。
なお、このデバイス製造システム1000では、測定検査器120は、トラック200内に置かれ、露光装置100及びC/D110とインライン接続されているが、測定検査器120を、トラック200外に配置し、隣接してインライン接続しても良いし、あるいは露光装置100及びC/D110とはオフラインに構成しても良い。
デバイス製造システム1000は、デバイス製造処理装置群900として、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置910、エッチング装置920、CMP(Chemical Mechanical Polishing)装置930、及び酸化・イオン注入装置940等を備えている。CVD装置910は、ウエハ上に薄膜を生成する装置である。エッチング装置920は、現像されたウエハに対しエッチングを行う装置であり、本実施形態では、エッチング装置920には、レジスト等を除去するアッシング装置が併設されているものとする。CMP装置930は、化学機械研磨によってウエハの表面を平坦化する研磨装置である。酸化・イオン注入装置940は、ウエハの表面に酸化膜を形成し、又はウエハ上の所定位置に不純物を注入するための装置である。CVD装置910、エッチング装置920、CMP装置930及び酸化・イオン注入装置940にも、露光装置100などと同様に、相互間でウエハを搬送可能とするための搬送経路が設けられている。デバイス製造処理装置群900には、不図示ではあるが、この他にも、ダイシング処理、パッケージング処理、ボンディング処理などを行う各種装置も含まれている。
ホスト600は、デバイス製造システム1000全体を統括管理する。従って、ホスト600は、露光装置100で行われる露光工程を制御・管理するとともに、露光装置100のスケジューリングを管理している。なお、ホスト600とは別に露光装置100の管理コントローラを設けても良い。また、本実施形態では、ホスト600は、解析装置500を用いて、例えば、後述する位置合わせ誤差の解析(レチクル伸縮補正)等を行う。
次に、デバイス製造システム1000におけるデバイス製造工程について、図3及び図4(A)〜図4(J)に基づいて、説明する。
図3には、デバイス製造工程における処理の流れが示されている。この処理の流れは、ホスト600によってスケジューリングされ、管理されている。図3では特に明示されていないが、ウエハWはロット単位で処理される。また、図4(A)〜図4(J)には、ウエハW上の1つのショットの一部の領域の拡大断面図が示されている。
本実施形態では、ウエハW上のターゲット層31(図4(A)等参照)にX軸方向にピッチPで線幅がP/2(すなわち、スペース幅がP/2)の、ライン幅とスペース幅との比が1:1のライン・アンド・スペースパターン(以下、L/Sパターンと呼ぶ)を、ダブルプロセス方式(ダブルパターニング法)を用いて形成することを目標とする。ピッチPは一例として64nmで、このとき線幅P/2は32nmである。露光装置100のドライ露光での解像限界は、位相シフトレチクルを用いた場合の線幅で60nm程度であり、ターゲット層31上に形成されるL/Sパターンの線幅はその解像限界のほぼ1/2である。また、本実施形態の説明中で使用されるパターンの寸法は投影像の段階での寸法であり、投影光学系PLのレチクルRからウエハWへの投影倍率βを用いて、そのパターンのレチクルR上での寸法は1/β倍(β=1/4に対し4倍)である。
〔成膜処理〕
まず、成膜処理として、CVD装置910により、図4(A)に示されるように、ウエハW上に例えば有機ポリマー等の層間絶縁膜よりなるターゲット層31が生成(成膜)され、さらにそのターゲット層31上に、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜等のセラミックスからなり、ターゲット層31及びレジストの両方とエッチングに対する反応性の異なるハードマスク層32が積層形成される。なお、ハードマスク層32を用いる代わりに、バイレイヤ(2層)レジストを用いることも可能である。
〔レジスト塗布処理〕
次に、ターゲット層31とハードマスク層32が形成されたウエハWがC/D110に搬送され、C/D110において、図4(A)に示されるように、そのウエハWの表面(ハードマスク層32上)にレジストが塗布される(レジスト層33が積層形成される)。ここでは、一例としてポジ型のレジストが用いられるものとする。
〔1回目の露光処理〕
次に、レジスト層33が形成されたウエハWが露光装置100に搬送され、露光装置100内のウエハステージWST上にロードされる。そして、露光装置100によって、ウエハWに対する1回目のウエハアライメント及び露光処理が行われる。
ここで、露光装置100のレチクルステージRST上には、第1回目の露光に用いられるレチクル(以下では、説明の便宜上からレチクルR1と呼ぶ)が搭載されており、レチクルR1には、一例として周期方向(これをX軸方向とする)の幅P(上記の如く投影像の段階での寸法、以下同様)のY軸方向に細長い遮光パターンとX軸方向の幅Pの透過部とをX軸方向にピッチ2Pで配列し、かつ一連の隣接する透過部に位相が交互に反転するように位相シフタ(位相シフト部)を設けた位相シフト型のL/Sパターンが形成されている。ここで、ウエハステージWST上へのウエハWのロードに先立って、レチクルアライメント及びアライメント系8のベースライン計測などは、行われているものとする。
この場合、露光装置100は、一例として投影光学系PLの開口数NAを大きい値(例えば0.92)とし、照明光学系のコヒーレンスファクタ(σ値)を小さい値(例えば0.2)として、ドライ露光によってレチクルRのパターンをウエハW上に投影する。なお、位相シフトレチクルは空間周波数変調型に限らず、例えばハーフトーン型など他のタイプでも良いし、変形照明(例えば輪帯照明、多極照明)などと組み合わせても良い。また、位相シフトレチクルの代わりに通常のレチクルをレチクルR1として使用して、照明条件をX軸方向に対称に傾斜した照明光でレチクルR1を照明する2極照明等としても良い。
主制御装置50により、アライメント系8を用いてウエハWに対する1回目のウエハアライメント(EGA計測)が行われ、その結果に基づいてステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行われ、レチクルR1のピッチ2PのL/Sパターンの像がウエハW上の各ショットに転写される。これにより、レジストの露光された部分(光が照射された部分)が現像液に対する溶解性が増大し(そのような変化を生じ)、その結果、図4(B)に示されるように、レジスト層33内に露光されなかった部分から成る、ライン部33を有するデバイスパターンに対応する潜像が形成される。
1回目の露光処理における露光量は、図4(B)において、得られるデバイスパターンのライン部33の線幅がPで、スペース部の幅がPとなるように設定される。このようにライン幅とスペース幅との比が1:1になるように露光量を設定する場合には、レジストの感度付近でのL/Sパターンの像の露光量(光強度)の変化に対する位置の変化量が小さく、露光量誤差の許容範囲が大きいため、レジストパターンを容易に高精度に形成することができる。
〔現像処理〕
次に、露光処理されたウエハWがC/D110に搬送され、C/D110にてウエハW(レジスト層33)に対する現像が行われる。現像後、図4(B)に示されるように、ウエハW(ハードマスク層32)上にライン部33のレジスト像(以下では、このレジスト像をライン部と同一符号を用いてレジスト像33と表記する)が形成される。
〔1回目のエッチング処理〕
次に、ウエハWがエッチング装置920に搬送され、エッチング装置920において、第1のレジストスリミング処理及びこれに続くエッチング処理が行われる。第1のレジストスリミング処理は、エッチング時間を、幅Pのレジスト像33が図4(C)に示される幅P/2のレジスト像33となるよう設定して、レジスト像33をエッチングする処理である。この結果、ハードマスク層32上に、幅P/2のレジスト像33(すなわち、スペース幅が3P/2)をX軸方向にピッチ2Pで配列したパターンである、ライン幅とスペース幅との比が1:3のレジストパターンが形成される。この場合、そのエッチング時間を管理するのみで、容易に幅P/2のレジスト像33を形成することができる。
次いで、レジスト像33をマスクとしてハードマスク層32のエッチングが行われる。エッチング後、図4(D)に示されるように、幅P/2のハードマスク層32をピッチ2PでX軸方向に配列したハードマスクパターン(第1パターン)32が得られる。その後、ウエハW上からレジスト層33(レジスト像33)が不図示のアッシング装置によって剥離される。
〔レジスト塗布処理〕
次に、ターゲット層31上にハードマスクパターン32が形成されたウエハWがC/D110に搬送され、C/D110において、図4(E)に示されるように、そのウエハWの表面(ハードマスクパターン32上)にレジストが塗布される(レジスト層34が形成される)。
〔2回目の露光処理〕
次に、レジスト層34が形成されたウエハWが露光装置100に搬送され、露光装置100にて、ウエハWに対する2回目の露光処理が行われる。ここで、ウエハステージWST上へのウエハWのロードに先立って、レチクルステージRST上のレチクルR1が、第1回目の露光に用いられるレチクル(以下では、説明の便宜上、レチクルR2と呼ぶ)に交換され、レチクルアライメント及びアライメント系8のベースライン計測などは、行われているものとする。そして、主制御装置50により、アライメント系8を用いてウエハWに対する2回目のウエハアライメント(EGA計測)が行われる。この2回目のEGAに際し、第1回目のときと同じ基準層(下地層)のマーク(マーク数やマーク配置が同じ)を同じ手順で検出する。
アライメント結果に基づいて、主制御装置50により、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行われ、レチクルR2上のデバイスパターンがウエハW上に転写される。レチクルR上には、一例として周期方向(これをX軸方向とする)の幅P(上記の如く投影像の段階での寸法、以下同様)のY軸方向に細長い遮光パターンとX軸方向の幅Pの透過部とをX軸方向にピッチ2Pで配列し、かつ一連の隣接する透過部に位相が交互に反転するように位相シフタ(位相シフト部)を設けた位相シフト型のL/Sパターンが形成されている。この場合、レチクルR上のパターンは、レチクルR1上のパターンとX軸方向の位置関係が180°異なっている。このため、レチクルR2上のピッチ2PのL/Sパターンの像とウエハWの各ショットとのX軸方向の位置関係が、上記の第1回目の露光の場合に対して180°異なるように、レチクルRとウエハWとの位置関係が調整されつつ、第2回目の露光が行われる。これにより、レジストの露光された部分(光が照射された部分)が現像液に対する溶解性が増大し(そのような変化を生じ)、その結果、図4(F)に示されるように、レジスト層34内に露光されなかった部分から成るライン部34を有するデバイスパターンに対応する潜像が形成される。
この第2回目の露光の際の露光量も、図4(F)において、得られるレジスト像34の線幅がPで、スペース部の幅がPとなるように設定される。このようにライン幅とスペース幅との比が1:1のレジストパターンは、容易に高精度に形成することができる。さらに、各レジスト像34はそれぞれX軸方向にピッチ2Pで配列された隣接する2つのハードマスクパターン32の中間に配置されている。
〔現像処理〕
次に、露光処理されたウエハWがC/D110に搬送され、C/D110にてウエハW(レジスト層34)に対する現像が行われる。現像後、図4(F)に示されるように、ウエハW(ターゲット層31)上にハードマスクパターン(第1パターン)32とともにライン部34のレジスト像(以下では、このレジスト像をライン部と同一符号を用いてレジスト像34と表記する)が形成される。
〔第2回目のエッチング処理〕
次に、ウエハWがエッチング装置920に搬送され、エッチング装置920において、第2のレジストスリミング処理及びこれに続くエッチング処理が行われる。第2のレジストスリミング処理は、エッチング時間を、幅Pのレジスト像34が図4(G)に示される幅P/2のレジスト像34となるよう設定して、レジスト像34をエッチングする処理である。この結果、ターゲット層31上に、ライン幅とスペース幅との比が1:3の幅P/2のレジスト像34よりなる第1周期パターン(第2パターン)と、ライン幅とスペース幅との比が1:3の幅P/2のハードマスクパターン32よりなる第2周期パターン(第1パターン)とからなるマスク層35が形成される。その第1周期パターンと第2周期パターンとは位相が180°異なっているため、マスク層35は、X軸方向にピッチPのライン幅とスペース幅との比が1:1の周期パターンとみなすことができる。この場合も、そのエッチング時間を管理するのみで、容易に幅P/2のレジスト像34を形成することができる。
次いで、マスク層35の周期パターンをマスクとしてターゲット層31のエッチングが行われる。エッチング後、図4(H)に示されるように、ウエハW上にマスクとしたマスク層35の周期パターンに対応する、幅P/2のターゲット部31をピッチPでX軸方向に配列したパターンが得られる。その後、不図示のアッシング装置によって、ウエハW上からレジスト像34が剥離された後、図4(I)のハードマスクパターン32が剥離される。これによって、図4(J)に示されるように、幅P/2のターゲット部311をピッチPでX軸方向に配列してなる、ライン幅とスペース幅との比が1:1のL/Sパターンが形成される。この場合、ピッチPを64nmとすると、ターゲット部31の幅(ライン幅)は32nmとなる。
〔不純物拡散、アルミ蒸着配線処理〕
解析処理と並行して、又は解析処理に続いて、エッチングされたウエハWに対する不純物拡散、アルミ蒸着配線処理、CVD装置910にて成膜、CMP装置930にて平坦化、酸化・イオン注入装置940でのイオン注入などが必要に応じて行われる。これにより、ウエハWのターゲット層31に対するパターニングプロセスが完了する。
次いで、ホスト600により、全工程が終了し、ウエハW上にすべてのパターンが形成されたか否かが判断される。この判断が否定されれば成膜処理に戻り、肯定されれば次の処理に進む。以上のように、一連のパターニングプロセスが工程数分繰り返し実行されることにより、ウエハW上にデバイスパターンが積層され、半導体デバイスが形成される。
繰り返し工程完了後、プロービング処理、リペア処理が、デバイス製造処理装置群900において実行される。プロービング処理において、不良を検出した場合には、例えば、リペア処理において、冗長回路へ置換する処理が行われる。解析装置500は、検出した重ね合わせの異常が発生した箇所などの情報を、プロービング処理、リペア処理を行う装置に送るようにすることもできる。不図示の検査装置では、ウエハW上の線幅異常が発生した箇所については、チップ単位で、プロービング処理、リペア処理の処理対象から除外することができる。その後、ダイシング処理、パッケージング処理、ボンディング処理が実行され、最終的に製品チップが完成する。
図3における第1回目の露光処理、及び第2回目の露光処理において、照明光ILを吸収することによってレチクルR1、R2が熱変形し、これに伴いウエハ上に投影されるパターンの像(投影像)が歪む。さらに、レチクルR1,R2を繰り返し用いてロット単位(通常、1ロットは25枚又は50枚)でウエハを連続して露光するため、ウエハを露光する度にレチクルR1,R2の変形(特に伸縮)が大きくなり、これによりパターンの投影像の歪みも大きくなる。
図5(A)にはロット処理中におけるショットスケーリングX(Xスケーリング)の実際の値と最適化前の予測値との残差が、図5(B)にはロット処理中におけるショットスケーリングY(Yスケーリング)の実際の値と最適化前の予測値との残差が、それぞれ黒丸(●)にて示されている。ウエハを露光する度にショットスケーリングの残差が拡大していることがわかる。これは、ウエハの露光に先立ってショット変形までも考慮する精密なウエハアライメント(例えばショット内多点EGA方式のウエハアライメント)を行っても、十分な重ね合わせ精度(位置合わせ精度)が得られないことを示唆している。
かかる点に鑑みて、本実施形態のデバイス製造システム1000では、上述のようなレチクルの変形(特に伸縮)に起因するパターンの重ね合わせ誤差(位置合わせ誤差)をウエハを露光する度に補正して、1ロットのウエハを連続して露光するロット処理シーケンスを採用している。
図6及び図7には、本実施形態のデバイス製造システム1000において、ホスト600によって実行される処理アルゴリズムの概略を示すフローチャートが示されている。
ホスト600に対するオペレータの指示により、このフローチャートで示されるロット処理シーケンスが開始する。指示にあたって、オペレータは、露光処理の内容、すなわち、露光処理するロット、使用する露光装置(ここでは露光装置100)、使用する2枚のレチクルR1,R2等を指定する。同時に、指定されたロットが、露光装置100に搬入される。1ロットには、K枚のウエハW(k=1〜K、一例としてK=25)が含まれているものとする。露光装置100では、指定されたレチクルR1がレチクルステージRST上にロードされる。
〔ステップ502〕
最初のステップ502において、ロット内のウエハの番号を示すカウンタkを1に初期化する。
〔ステップ504〕
次のステップ504では、露光対象のウエハW(ここでは1枚目のウエハW)を、測定検査器120に搬送する。ウエハWは、露光装置100にインライン接続されたコータ・デベロッパ(C/D(不図示))によりその表面にレジストが塗布された状態で測定検査器120に搬送される。
〔ステップ506〕
次のステップ506では、測定検査器120を用いて、露光対象のウエハWに対し、レチクルR1を用いた1回目の露光のための事前計測を行う。
事前計測にあたり、ホスト600は、アライメント処理条件を最適化する。ここで、アライメント処理条件には、アライメントマーク(ウエハマーク)の設計条件、アライメントマークの検出条件、アライメントマークの検出結果を処理するための処理条件、位置合わせ誤差の補正方法等が含まれる。なお、アライメントマークの設計条件にはアライメントマークの数、配置、及び形状等が、含まれる。検出条件には検出光を照射してアライメントマークを検出する際の検出光の波長、強度、照明領域の広さ及び形状、並びに位相差等が、含まれる。処理条件には後述するEGA計算モデルが含まれ、補正方法にはレチクルの伸縮に伴うパターンの投影像の歪みを補正するための補正モデル等が含まれる。
測定検査器120は、ホスト600の指示に応じ、上のアライメント処理条件のそれぞれについて、ウエハWkに対してウエハアライメント(ショット内多点EGA)を行う。そのウエハアライメントの結果は、測定検査器120からホスト600に送信される。ホスト600は、受信した結果を用いて、最適なアライメント処理条件を決定する。なお、後述する最小のアライメント残留誤差を与えるアライメント処理条件を最適条件とする。決定された最適アライメント処理条件は、ホスト600から測定検査器120及び露光装置100に送られる。
図8(A)には、ウエハW上に配列された複数のショットが示されている。上のアライメント処理条件の最適化により、一例として、ショットSa1〜Sa6,Sb1〜Sb6,Sc1〜Sc6,Sd1〜Sd6が、ショット内多点EGAのためのアライメントマークが検出されるショット(サンプルショット)として決定される。
図9(A)には、サンプルショット内に形成されたアライメントマークMij(i,j=1〜8)の配置の一例が示されている。サンプルショット内には、X軸方向に関して8個、Y軸方向に関して8個、合計64個のアライメントマークMij(i,j=1〜8)が形成されている。アライメントマークMij(i,j=1〜8)のX軸方向及びY軸方向に関する間隔はΔDである。これらのアライメントマークMij(i,j=1〜8)が、一例として、上のアライメント処理条件の最適化により、事前計測及び事後計測(のショット内多点EGA)においてその位置が計測される(検出される)対象マークとして決定される。
事前計測では、上で決定された最適アライメント処理条件において、ウエハWに対して、ウエハアライメント(ショット内多点EGA)のためのアライメントマークの検出が行われる。測定検査器120は、図8(A)に示されたサンプルショットSa1〜Sa6,Sb1〜Sb6,Sc1〜Sc6,Sd1〜Sd6のそれぞれに形成されたアライメントマークMij(i,j=1〜8)を検出し、ウエハ座標系(あるいはステージ座標系)上でのアライメントマークMij(i,j=1〜8)の位置(X位置、Y位置)ξij,ζijを計測する。その計測結果は、測定検査器120からホスト600に転送される。
ホスト600は、アライメントマークMij(i,j=1〜8)の計測結果ξij,ζijを用いて、ウエハWに対するショットスケーリングを求める。ここで、アライメントマークMij(i,j=1〜8)は、元工程(レイヤ)に形成された下地パターンとともに形成されている。従って、求められるショットスケーリングは、元工程(レイヤ)に形成された下地パターンの形成誤差に対応する。なお、実際には、アライメントマークMij(i,j=1〜8)は、元工程(レイヤ)に形成された下地パターンと同時に、その下地パターンが形成されるショットを区画するストリート上に形成されるが、ここでは、説明の便宜上からショット内に配置されるものとしている。
先のアライメント処理条件の最適化により、計測結果ξij,ζijを数値処理するための計算モデル(EGA計算モデル)の一例として、次の3次のショット配列変形計算モデル(ショット線形成分含む)(1a),(1b)が決定されているものとする。
ΔX=Cx30Wx+Cx21WxWy+Cx12WxWy+Cx03Wy
+Cx20Wx+Cx11WxWy+Cx02Wy
+Cx10Wx+Cx01Wy+Cx00+CxSXSx+CxSYSy …(1a)
ΔY=Cy30Wx+Cy21WxWy+Cy12WxWy+Cy03Wy
+Cy20Wx+Cy11WxWy+Cy02Wy
+Cy10Wx+Cy01Wy+Cy00+CySXSx+CySYSy …(1b)
上のEGA計算モデル(1a),(1b)において、(Wx,Wy)及び(Sx,Sy)はそれぞれウエハ中心及びショット中心を基準とするアライメントマークの設計上の位置である。また、(Cx10,Cy01)はウエハスケーリング、(Cx01,Cy10)はウエハ回転、(Cx00,Cy00)はウエハオフセット、(CxSX,CySY)はショットスケーリング、(CxSY,CySX)はショット回転である。これらの係数を、EGAパラメータと総称する。なお、米国特許第6,876,946号明細書などに開示されるEGAパラメータとの対応において、ウエハ直交度Ω=−(Cx01+Cy10)、ウエハローテーションΘ=Cy10、ショット直交度ω=−(CxSY+CySX)、ショットローテーションθ=CySXと与えられる。
ホスト600は、計測結果ξij,ζijを用いて、アライメント残留誤差ε=Σij=1〜8((ξij−ΔXij+(ζij−ΔYij)が最小となるように、最小自乗法を適用して、EGAパラメータ及びモデル内に含まれる係数を決定する。ここで、ΔXij,ΔYij(i,j=1〜8)は、計算モデル(1a),(1b)を適用して算出されたアライメントマークMij(i,j=1〜8)の補正量である。すなわち、計算モデル(1a),(1b)の右辺の(Wx,Wy)及び(Sx,Sy)に設計上の位置を代入して得られる左辺のΔX,ΔYである。
ホスト600は、上述のようにして求められたウエハWに対するショットスケーリング(CxSX,1,CySY,1と表記する)を記憶装置140に記憶(格納)する。これにより、事前計測が完了する。
〔ステップ508〕
次のステップ508では、事前計測されたウエハWを、不図示の搬送系を介して露光装置100に搬送する。露光装置100に搬送されたウエハWは、ウエハステージWST上にロードされる。
〔ステップ510〕
次のステップ510では、露光装置100に指示を与えて、露光対象のウエハWに対してウエハアライメント(ショット内多点EGA)を行う。先の事前計測と同様に、例えば、EGA計算モデルとして3次のショット配列変形計算モデル(ショット線形成分含む)(1a),(1b)が選択されているものとする。
また、露光直前のショット内多点EGA計測では、スループットを維持する又は向上させる観点から、前述した事前計測の対象となったサンプルショットの数24より少ない数のショットが計測対象として選択される。例えば、図8(A)に示される24個のサンプルショットの一部、又は図8(B)に示されるサンプルショットSa1,Sa2,Sb1,Sb2,Sc1,Sc2,Sd1,Sd2の8ショットが計測対象として選択される。
上の計測対象ショットに対して、図9(A)に示されるアライメントマークの数64より少ない数のアライメントマークが検出される。例えば、64のアライメントマークの一部、又は図9(B)に示されるX軸方向に関して4、Y軸方向に関して4、合計16のアライメントマークmij(i,j=1〜4)が検出される。ここで、アライメントマークmij(i,j=1〜4)のX軸方向及びY軸方向に関する間隔Δdは、先の事前計測において使用されたアライメントマークMij(i,j=1〜8)の間隔ΔDより大きい(Δd>ΔD)。
主制御装置50は、露光直前のショット内多点EGA計測において、事前計測において決定された最適アライメント処理条件にて、ウエハWに対し、図8(B)に示されるサンプルショットSa1,Sa2,Sb1,Sb2,Sc1,Sc2,Sd1,Sd2内にそれぞれ付与されている図9(B)に示される16のアライメントマークmij(i,j=1〜4)を検出し、ウエハ座標系(あるいはステージ座標系)上でのアライメントマークmij(i,j=1〜4)の位置(X位置、Y位置)ξij,ζijを計測する。
主制御装置50は、ショット配列変形計算モデル(ショット線形成分含む)(1a),(1b)を適用して、計測結果ξij,ζij(i,j=1〜4)からウエハ成分(ショット配列誤差)とショット線形成分を取り除く。主制御装置50は、計測結果ξij,ζijを用いて、アライメント残留誤差ε=Σij=1〜4((ξij−ΔXij+(ζij−ΔYij)が最小となるように、最小自乗法を適用して、EGAパラメータ及びモデル内に含まれる係数を決定する。なお、ΔXij,ΔYij(i,j=1〜4)は、計算モデル(1a),(1b)を適用して変換されたアライメントマークmij(i,j=1〜4)の補正量である。すなわち、計算モデル(1a),(1b)の右辺の(Wx,Wy)及び(Sx,Sy)に設計上の位置を代入して得られる左辺のΔX,ΔYである。
主制御装置50は、決定されたEGAパラメータ及び係数を用いて、計測結果ξij,ζij(i,j=1〜4)からウエハ成分(ショット配列誤差)とショット線形成分を取り除いて、残留誤差(すなわちショット内誤差)dξij=ξij−ΔX’ij,dζij=ζij−ΔY’ij(i,j=1〜4)を求める。ここで、ΔX’ij,ΔY’ijは、EGA計算モデル(1a),(1b)を適用して算出されたアライメントマークmij(i,j=1〜4)の補正量である。
なお、ウエハ成分(ショット配列誤差)に高次成分が含まれる場合、同様に取り除く。高次成分の取扱の詳細は、例えば、米国特許出願公開2006/0040191号明細書に開示されている。
〔ステップ512〕
次のステップ512では、露光装置100により、レチクルR1を用いて、ウエハWに対する1回目の露光処理が行われる。ここで、主制御装置50は、ステップ510において求められたEGAパラメータ及び係数を用いて、ウエハ上の処理対象のショットのステージ座標系上での位置座標を算出する。主制御装置50は、この算出結果とレチクルアライメント及びベースライン計測の結果とに基づいて、結像特性補正装置を介してレンズエレメント27を駆動しつつ、且つ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTの同期駆動を微小補正しつつ、前述の走査露光を実行する。そして、ウエハW上の全ショットに、順次、レチクルR1のパターン(第1パターン)を転写する。なお、投影像の歪みを補正するためのレンズエレメントの駆動の詳細は、例えば米国特許第5,117,255号明細書などに、投影像の歪みを補正するためのステージ駆動の詳細は、例えば米国特許第6,235,438号明細書などに、開示されている。ウエハ上の全てのショットに対する露光が終了すると、ステップ514に移行する。
〔ステップ514〕
ステップ514では、k<Kが成立するか否かを判断することで、ロット内の全てのウエハW(k=1〜K)の露光が終了していないことを判断する。この場合、k=1であるためここでの判断は肯定され、次のステップ516に移行する。なお、k=Kの場合、後述するステップ516,518をスキップして、ステップ520に移行する。
〔ステップ516〕
ステップ516では、露光済みのウエハWを、露光装置100から測定検査器120に搬送する。ただし、ウエハWは、露光装置100にインライン接続されたコータ・デベロッパ(C/D(不図示))により現像され、レジストパターンが形成された状態で搬送される。
〔ステップ518〕
次のステップ518では、測定検査器120を用いて、露光済みのウエハWに対する事後計測を行う。事後計測では、事前計測において決定された最適アライメント処理条件において、ステップ512の1回目の露光により新たに形成されたアライメントマークと元工程レイヤのマークとのずれ分(重ね合わせ)が計測される。ここで、測定検査器120は、図8(A)に示されたサンプルショットSa1〜Sa6,Sb1〜Sb6,Sc1〜Sc6,Sd1〜Sd6のそれぞれに付与された図9(A)に示される配置のアライメントマークMij(i,j=1〜8)を検出し、元工程レイヤに形成済みのアライメントマークからのX及びY相対位置(X及びY位置ずれ)Δξij,Δζijを計測する。その計測結果は、測定検査器120からホスト600に転送される。
ホスト600は、アライメントマークMij(i,j=1〜8)の計測結果Δξij,Δζijを用いて、先と同様に、ショット配列変形計算モデル(ショット線形成分含む)(1a),(1b)を用いてウエハWに対するショットスケーリングΔCxSX,ΔCySYを求める。ただし、アライメント残留誤差ε=Σij=1〜8((Δξij−ΔXij+(Δζij−ΔYij)が最小となるように、ショットスケーリングCxSX,CySYを決定する。決定されたショットスケーリングCxSX,CySYを、事前計測、又は、ウエハアライメント計測(ショット内多点EGA)において決定されたショットスケーリングCxSX,CySY等と区別するため、それぞれΔCxSX,1,ΔCySY,1と表記する。求められるショットスケーリングΔCxSX,1,ΔCySY,1は、元工程レイヤに形成されたパターンの形成誤差と現工程レイヤに形成されたパターンの形成誤差の差、すなわち両パターンの重ね合わせ誤差(元工程レイヤに形成されたパターンに対する現工程レイヤに形成されたパターンの重ね合わせ誤差)に対応する。
ホスト600は、ウエハWに対して求められたショットスケーリングΔCxSX,1,ΔCySY,1を記憶装置140に記憶(格納)する。これにより、事後計測が完了する。
〔ステップ520〕
次のステップ520では、ウエハWがエッチング装置920に搬送される。
〔ステップ522〕
次のステップ522では、エッチング装置920において、第1のレジストスリミング処理及びこれに続くエッチング処理が行われる。その後、アッシング装置(不図示)により、ウエハW上からレジスト層が剥離される。こられの処理の詳細は、前述の通りである。
〔ステップ524〕
次のステップ524では、ウエハWがエッチング装置920から搬出され、これにより、ダブルプロセス方式(ダブルパターニング法)における1回目のパターニングが終了する。
〔ステップ534〕
次のステップ534では、1回目のパターニングが終了したウエハW(ここでは1枚目のウエハW)が測定検査器120に搬送される。ウエハWの表面には、コータ・デベロッパ(C/D(不図示))により、レジストが塗布されている。
〔ステップ536〕
次のステップ536では、測定検査器120を用いて、ウエハWに対し、レチクルR2を用いた2回目の露光のための事前計測が行われる。詳細は、ステップ506における1回目の露光のための事前計測と同様である。すなわち、ウエハWに対してアライメントマークの検出が行われ、その検出結果からウエハWに対するショットスケーリングCxSX,2,CySY,2が求められ、記憶装置140に記録される。
〔ステップ538〕
次のステップ538では、事前計測されたウエハWが、不図示の搬送系を介して露光装置100に搬送される。露光装置100に搬送されたウエハWは、ウエハステージWST上にロードされる。
〔ステップ540〕
次のステップ540では、露光装置100において、ウエハWに対するウエハアライメント(ショット内多点EGA)が行われる。詳細は、ステップ510におけるウエハアライメントと同様である。これにより、ウエハWに対するEGAパラメータ及びモデル内に含まれる係数が決定される。
〔ステップ542〕
次のステップ542では、露光装置100により、レチクルR2を用いて、ウエハWに対する2回目の露光処理が行われる。詳細は、ステップ542における1回目の露光処理と同様である。主制御装置50は、ステップ542において求められたEGAパラメータ及び係数を用いて、ウエハ上の処理対象のショットのステージ座標系上での位置座標を算出する。主制御装置50は、この算出結果とレチクルアライメント及びベースライン計測の結果とに基づいて、結像特性補正装置を介してレンズエレメント27を駆動しつつ、且つ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTの同期駆動を微小補正しつつ、前述の走査露光を実行する。そして、ウエハW上の全ショットに、順次、レチクルR2のパターン(第2パターン)を転写する。ウエハ上の全てのショットに対する露光が終了すると、ステップ544に移行する。
〔ステップ544〕
ステップ544では、k<Kが成立するか否かを判断することで、ロット内の全てのウエハW(k=1〜K)の露光が終了していないことを判断する。この場合、k=1であるためここでの判断は肯定され、次のステップ546に移行する。なお、k=Kの場合、後述するステップ546,548をスキップして、ステップ550に移行する。
〔ステップ546〕
ステップ546では、露光済みのウエハWが、露光装置100から測定検査器120に搬送される。ただし、ウエハWは、露光装置100にインライン接続されたコータ・デベロッパ(C/D(不図示))により現像され、レジストパターンが形成された状態で搬送される。
〔ステップ548〕
次のステップ548では、測定検査器120を用いて、露光済みのウエハWに対する事後計測が行われる。詳細は、ステップ518における事後計測と同様である。すなわち、ステップ542の2回目の露光により新たに形成されたアライメントマークと元工程レイヤのマークとのずれ分(重ね合わせ)が計測される。その計測結果からウエハWに対するショットスケーリングΔCxSX,2,ΔCySY,2が求められ、記憶装置140に記録される。
〔ステップ550〕
次のステップ550では、ウエハWがエッチング装置920に搬送される。
〔ステップ552〕
次のステップ552では、エッチング装置920において、第2のレジストスリミング処理及びこれに続くエッチング処理が行われる。その後、アッシング装置(不図示)により、ウエハW上からレジスト層が剥離される。こられの処理の詳細は、前述の通りである。
〔ステップ554〕
次のステップ554では、ウエハWがエッチング装置920から搬出され。これにより、ダブルプロセス方式(ダブルパターニング法)における2回目のパターニングが終了する。
〔ステップ560〕
ステップ560では、k<Kが成立するか否かを判断することで、ロット内の全てのウエハW(k=1〜K)の露光が終了していないことを判断する。この場合、k=1であるためここでの判断は肯定され、次のステップ562に移行する。
〔ステップ562〕
次のステップ562では、事後計測(ステップ518,548)において求められたショットスケーリングΔCxSX,h,ΔCySY,h(h=1,2)、すなわち元工程(レイヤ)に形成された下地パターンと現工程(レイヤ)に形成された第1及び第2パターンとの重ね合わせ誤差が、所定の閾値を超えたか否かを判断する。この判断が肯定された場合、すなわち重ね合わせ誤差が閾値を超えた場合、レチクルR1,R2が伸縮(熱膨張)し、それによりウエハWに転写されるレチクルR1,R2のパターンの像が変形した可能性があると判断できる。この場合、ステップ564のレチクル伸縮補正&アライメント処理条件の最適化のサブルーチンへ移行する。一方、この判断が否定された場合、すなわち重ね合わせ誤差が閾値を超えていない場合には、ステップ564をスキップして、ステップ566に移行する。
〔ステップ564〕
ステップ(サブルーチン)564の処理は、ホスト600の指示の下、解析装置500によって行われる。ステップ(サブルーチン)564では、まず、図10のステップ602において、ウエハW毎に、レチクルRh(h=1,2)の実際(正味)の伸縮量EX,k,h=EMX,k,h+ELX,k,h+BX,k,h−SSX,k,h,EY,k,h=EMY,k,h+ELY,k,h+BY,k,h−SSY,k,hを求める。ここで、EMX,k,h、EMY,k,hは、現工程(レイヤ)に形成されたパターンの形成誤差であり、これらは、ウエハW毎にh回目の露光のための事前計測(ステップ506,536)において求められたショットスケーリングCxSX,k,h,CySY,k,hと事後計測(ステップ518,548)において求められたショットスケーリングΔCxSX,k,h,ΔCySY,k,hとの和から、求められる(EMX,k,h=CxSX,k,h+ΔCxSX,k,h,EMY,k,h=CxSY,k,h+ΔCxSY,k,h)。
なお、現工程(レイヤ)に形成されたパターンの形成誤差EMX,k,h、EMY,k,hは、アライメント計測(ショット内多点EGA)(ステップ510,540)において求められたショットスケーリングCxSX,k,h,CySY,k,hと事後計測(ステップ518,548)において求められたショットスケーリングΔCxSX,k,h,ΔCySY,k,hとの和から、求めることもできる(EMX,k,h=CxSX,k,h+ΔCxSX,k,h,EMY,k,h=CxSY,k,h+ΔCxSY,k,h)。
なお、上記の式中のELX,k,h,ELY,k,hはレンズ制御トレース量(結像特性補正装置により補正される量)、BX,k,h,BY,k,hはベースライン計測による倍率補正量、SSX,k,h,SSY,k,hは予め設定される一定の倍率オフセットである。これらの補正量は、主制御装置50から送られるウエハWについての露光履歴より与えられる。
次のステップ603で、次式を用いて、ウエハWのh(=1,2)回目の露光によりレチクルRhに吸収される露光パワーPk,hを求める。
Figure 2012079735
上式(2)において、ELk,hはウエハWkにおけるレンズ制御トレース量、EL,k-1,m,hは先に露光されたウエハWk-1におけるレンズ制御トレース量、ΔtはウエハWk−1の露光とウエハWの露光との時間間隔、Tm,hとSm,hはそれぞれレチクルRh(h=1,2)の伸縮の時定数と飽和値である。
次のステップ604において、ウエハWの露光時におけるレチクルRh(h=1,2)の伸縮量EX0,k,h,Y0,k,hを、次のレチクル伸縮補正モデルより算出する。
Figure 2012079735
ここで、EX0,k-1,m,hは、ウエハWk-1におけるX方向のレチクル伸縮量、ΔtはウエハWk−1の露光とウエハWの露光との時間間隔、Pk,hはウエハWのh回目の露光によりレチクルRhに吸収される露光パワー、TXm,hとSXm,hはそれぞれレチクルRhのX方向の伸縮の時定数と飽和値である。
Figure 2012079735
ここで、EY0,k-1,m,hは、ウエハWk-1におけるY方向のレチクル伸縮量、ΔtはウエハWk−1の露光とウエハWの露光との時間間隔、Pk,hはウエハWのh回目の露光処理によりレチクルRhに吸収される露光パワー、TYm,hとSYm,hはそれぞれレチクルRhのY方向の伸縮の時定数と飽和値である。なお、ここでは、レチクルRhの収縮と伸長の時定数は同じ値を用いている。
式(3)及び式(4)の右辺の括弧内の第1項は熱放出によるレチクルRh(h=1,2)の収縮、第2項は熱吸収によるレチクルRh(h=1,2)の膨張を表す。なお、複数のメカニズムがレチクルRh(h=1,2)の伸縮に寄与することを想定して、複数mの成分の総和からレチクルRh(h=1,2)の伸縮量が求められる。なお、本実施形態では、経験的にm=3と選ばれる。
次に、ステップ608において、上で求められたレチクルRh(h=1,2)のX方向の伸縮量EX0,k,hとY方向の伸縮量EY0,k,hが、それぞれ、先に事前計測(又はアライメント計測)と事後計測の計測結果から求められたレチクルRh(h=1,2)の実際のX方向の伸縮量EX,k,h,とY方向の伸縮量EY,k,h から顕著にずれているか否かを判断する。この判断が肯定された場合、すなわち差が所定の閾値より大きい場合には、ステップ610に進んで、レチクル伸縮補正パラメータ(時定数と飽和値)を最適化する。
具体的には、X方向のレチクル伸縮について、レチクルRh(h=1,2)を用いたh回目の露光に対し、ウエハWk-1についての実際の伸縮量EX0,k-1,m,h、ウエハWの露光処理においてレチクルRhに吸収される露光パワーPk,h、及びウエハWk−1の露光とウエハWの露光との時間間隔Δtをレチクル伸縮補正モデル(3)に代入して、ウエハWの露光時のレチクル伸縮量EX0,k,hを算出する。これをウエハW〜Wについて遂次計算を行い、EX0,k,hと実際のレチクル伸縮量EX,k,hとの残差ΔEX,k,h=EX0,k,h−EX,k,hの統計和、例えば自乗和Ex=Σk=1〜k1ΔEX,k,1 +w2ΔEX,k,2 +w3(ΔEX,k,1−ΔEX,k,2が最小となるように最小自乗法を適用して、レチクルRh(h=1,2)についての補正モデル(3)内のTXm,h及びSXm,hを最適化する。なお、w、w、及びwは、任意に定められる重みである。
Y方向のレチクル伸縮についても、上と同様に、レチクルRh(h=1,2)を用いたh回目の露光に対し、ウエハWk-1についての実際の伸縮量EY0,k-1,m,h、ウエハWの露光処理においてレチクルRhに吸収される露光パワーPk,h、及びウエハWk−1の露光とウエハWの露光との時間間隔Δtをレチクル伸縮補正モデル(4)に代入して、ウエハWの露光時のレチクル伸縮量EY0,k,hを算出する。これをウエハW〜Wについて遂次計算を行い、EY0,k,hと実際のレチクル伸縮量EY,k,hとの残差ΔEY,k,h=EY0,k,h−EY,k,hの統計和、例えば自乗和Ey=Σk=1〜k1ΔEY,k,1 +w2ΔEY,k,2 +w3(ΔEY,k,1−ΔEY,k,2が最小となるように最小自乗法を適用して、レチクルRh(h=1,2)についての補正モデル(4)内のTYm,h及びSYm,hを最適化する。なお、w、w、及びwは、任意に定められる重みである。
図5(A)には、ロット処理中における実際の伸縮量EX,k,hと最適化前及び後のレチクル伸縮補正モデル(3)から求められる伸縮量の予測値(以下、適宜、予測伸縮量とも呼ぶ)EX0,k,hとの差(残差)の典型例が、ロット内ウエハW(k=1〜25)について示されている。図5(B)には、ロット処理中における実際の伸縮量EY,k,hと最適化前及び後のレチクル伸縮補正モデル(4)から求められる伸縮量の予測値(予測伸縮量)EY0,k,hとの差(残差)の典型例が、ロット内ウエハW(k=1〜25)について示されている。
上述のようにレチクル伸縮補正パラメータ(飽和値と時定数)を最適化することにより、レチクルRh(h=1,2)の伸縮補正モデル(3)及び(4)が最適化され、パターンの重ね合わせ誤差が改善されることがわかる。ここではロット内のウエハ毎にレチクル伸縮補正モデルを最適化したが、各ウエハのショット毎に最適化するのが重ね合わせ精度上望ましい。
次のステップ612では、レチクル伸縮補正モデル(3)及び(4)を用いてレチクルRh(h=1,2)の予測伸縮量EX0,k,h及びEY0,k,hを求め、その結果を主制御装置50に送る。
次のステップ613では、レチクルRh(h=1,2)の最適化前のレチクル伸縮補正モデル(3)から求められる伸縮量EX0,k,hと最適化後のレチクル伸縮補正モデル(3)から求められる伸縮量EX0,k,hの差を、ウエハW毎に、h回目の露光におけるX方向の重ね合わせ計測結果に反映させる。同様に、レチクルRh(h=1,2)の最適化前のレチクル伸縮補正モデル(4)から求められる伸縮量EY0,k,hと最適化後のレチクル伸縮補正モデル(4)から求められる伸縮量EY0,k,hの差を、ウエハW毎に、h回目の露光におけるY方向の重ね合わせ計測結果に反映させる。
次のステップ614では、上の結果、パターンの重ね合わせ誤差が与えられた閾値より大きいか判断する。大きい場合、レチクル伸縮補正以外にも重ね合わせ誤差の主要な要因があると判断して、ステップ616に進んで、さらにアライメント処理条件の最適化を行う。その詳細は省略する。アライメント処理条件の最適化が終了すると、ステップ564のサブルーチンの処理を終了して、メインルーチンのステップ566にリターンする。
一方、ステップ614における判断が否定された場合、すなわちパターンの重ね合わせ誤差が与えられた閾値より小さい場合、ステップ616をスキップし、ステップ564のサブルーチンの処理を終了して、メインルーチンのステップ566にリターンする。
また、ステップ608における判断が否定された場合、すなわち差が所定の閾値以下の場合、ステップ616に進みアライメント処理条件の最適化を行う。
〔ステップ566〕
ステップ566では、カウンタkの値を1インクリメントした(k←k+1)後、ステップ504に戻り、以降、ステップ560における判断が否定されるまで、ステップ504以下の処理を繰り返す。
以上のステップを繰り返し、ロット内の全てのウエハW(k=1〜K)の露光が終了すると、ステップ560の判断が否定されて、本ルーチンの一連の処理(ロット処理シーケンス)を終了する。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るデバイス製造システム1000によると、ダブルパターニング法において使用される2つのレチクルR1,R2のそれぞれの伸縮を記述するレチクル伸縮補正モデル(3)及び(4)についてレチクルの伸縮量に係るパラメータ(レチクル伸縮補正パラメータ(時定数と飽和値))を最適化するので、レチクルR1,R2の伸縮補正が最適化され、結果的にパターンの位置合わせ精度を向上させることが可能になる。また、レチクル伸縮補正パラメータが最適化されたレチクル伸縮補正モデル(3)及び(4)を用いてレチクルR1,R2のパターンを次の露光対象のウエハのターゲット層に位置合わせする。これにより、レチクルの熱伸縮補正誤差に影響を受けることなく、目標パターンをウエハ上のターゲット層に正確に位置合わせすることが可能になる。
なお、本実施形態では、ロット処理シーケンスにおけるレチクル伸縮補正パラメータ(時定数と飽和値)の最適化(ステップ610)において、上述した自乗和Ex,Ey以外の統計和を用いてレチクルRh(h=1,2)に対する補正モデル(3),(4)内のTXm,h,TYm,h,SXm,h,SYm,hを最適化することもできる。
例えば、セカンドパターニングにおけるレチクル伸縮補正の残差EX,k,2、EY,k,2についての統計和Σk=1〜kΔEX,k,2 ,Σk=1〜kΔEY,k,2 が予め定められた閾値より小さいことを確認し、ファーストパターニング及びセカンドパターニング間のレチクル伸縮補正残差の差ΔEX,k,1−ΔEX,k,2、ΔEY,k,1−ΔEY,k,2についての統計和Σk=1〜k(ΔEX,k,1−ΔEX,k,2,Σk=1〜k(ΔEY,k,1−ΔEY,k,2を用いてレチクルR2についての補正モデル(3)内のTXm,2,SXm,2及び補正モデル(4)内のTYm,2,SYm,2を最適化する。これにより、レチクルR1の伸縮による位置合わせ誤差がレチクルR2についての伸縮補正に反映され、レチクルR2について伸縮補正をすることにより実効的にレチクルR1の伸縮補正がされることとなる。この方法は、例えば、ステップ608において、レチクル伸縮補正モデルから求められるレチクルR1の伸縮量の予測値(予測伸縮量)EX0,k,1,EY0,k,1は事前計測及び事後計測の計測結果から求められた実際の伸縮量(実測伸縮量)EX,k,1,,EY,k,1と大きく矛盾するが、レチクルR2の予測伸縮量EX0,k,2,EY0,k,2は実測伸縮量EX,k,2,,EY,k,2と大きく矛盾しないと判断された場合に適用できる。
あるいは、ファーストパターニングにおけるレチクル伸縮補正の残差EX,k,1、EY,k,1についての統計和Σk=1〜kΔEX,k,1 ,Σk=1〜kΔEY,k,1 が予め定められた閾値より小さいことを確認し、ファーストパターニング及びセカンドパターニング間のレチクル伸縮補正残差の差についての統計和Σk=1〜k(ΔEX,k,1−ΔEX,k,2,Σk=1〜k(ΔEY,k,1−ΔEY,k,2を用いてレチクルR1についての補正モデル(3)内のTXm,1,SXm,1及び補正モデル(4)内のTYm,1,SYm,1を最適化する。これにより、レチクルR2の伸縮による位置合わせ誤差がレチクルR1についての伸縮補正に反映され、レチクルR1について伸縮補正をすることにより実効的にレチクルR2の伸縮補正がされることとなる。この方法は、例えば、ステップ608において、レチクルR1の予測伸縮量EX0,k,1,EY0,k,1は実測伸縮量EX,k,1,,EY,k,1と大きく矛盾しないが、レチクルR2の予測伸縮量EX0,k,2,EY0,k,2は実測伸縮量EX,k,2,,EY,k,2と大きく矛盾すると判断された場合に適用できる。
この他、例えば重みw,w,wを適当に定めることにより、レチクルR1の伸縮補正(ファーストパターニングにおけるレチクル伸縮補正の残差に対応)、レチクルR2の伸縮補正(セカンドパターニングにおけるレチクル伸縮補正の残差に対応)、レチクルR1,R2の伸縮のずれの補正(ファーストパターニング及びセカンドパターニング間のレチクル伸縮補正残差の差に対応)、又はこれらの任意の組み合わせを重視して、補正モデルを最適化することもできる。
なお、上記実施形態では、統計和として自乗和を採用したが、これに代えて自乗和の平均、標準偏差、絶対値和、又は絶対値和の平均を採用することもできる。
なお、上記実施形態では、ロット内のウエハのそれぞれを露光する度にレチクル伸縮補正及びそのための事前計測及び事後計測を行うこととしたが、これに限らず、例えばレチクル伸縮の変化が緩やかである場合などには、レチクル伸縮補正及びそのための事前計測及び事後計測を所定枚数(複数枚)のウエハを露光する度に行うこととしても良い。なお、これに併せて、ウエハ毎にレチクル伸縮補正を行うか、所定枚数毎にレチクル伸縮補正を行うかを判断するための、事前計測と事後計測の計測結果から求められるレチクルRの実際の伸縮量とレチクル伸縮補正モデルを用いて求められる伸縮量の予測値との残差の閾値を定めると良い。
また、上記実施形態のデバイス製造システム1000には、1つの測定検査器120のみが導入されているが、複数の測定検査器を導入しても良い。ただし、1つのウエハについての事前計測と事後計測を、同じ測定検査器を用いて行うこととする。
また、上記実施形態では、ロット内のウエハとしたが、レチクル伸縮が1ロット内で飽和しない場合、複数ロット内のウエハについて、レチクル伸縮補正、及び、そのための事前計測、事後計測を行うこととしても良い。
また、上記実施形態では、ショットスケーリング成分の補正としたが、レチクル熱変形に起因する経時的な変形であれば、ショットシフト成分の補正、ショットローテーション成分の補正、ショット直交度成分の補正、2次以上のショット内高次変形成分の補正についても同様に適用できる。即ち、レチクル熱変形に起因して経時的に変化する前記各成分ごとに、ダブルパターニング法において使用される2つのレチクルのそれぞれの変形を記述するレチクル変形補正モデル式(3)、式(4)を算出し、レチクル変形補正パラメータ(飽和値と時定数)を求め、露光処理中に補正する。
また、上記実施形態では、ホスト600によって、図6、図7、及び図10のフローチャートに対応するロット処理シーケンスが行われるものとしたが、これに限らず、ホスト600の機能の少なくとも一部を、露光装置100の主制御装置50、その他の制御装置に持たせても良いことは勿論である。同様に、上記実施形態において、解析装置500が行うサブルーチン564の処理を、ホスト600、主制御装置50などの解析装置500以外のコンピュータが行うこととしても良い。
なお、上記実施形態では、所望の線幅(露光装置の解像限界以下の線幅)、かつ所望のピッチのレジスト像を形成するためのレジスト・ストリミング・プロセスを含むダブルパターニング法に、上記実施形態を適用する場合について説明したが、これに限らず、側壁コーティング・プロセス(Sidewall Process)を含むダブルパターニング法は勿論、レジスト・ストリミングを行わないピッチスプリッティングタイプ、その他のタイプのダブルパターニング法にも上記実施形態は好適に適用できる。
本実施形態では、露光装置100を、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置としたが、これに限らず、ステップ・アンド・リピート方式、あるいは他の方式の露光装置であっても良い。これに代表されるように、各種装置についても、その種類には限定されない。また、上記実施形態は、半導体製造工程に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造工程にも適用可能である。また、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する工程、薄膜磁気ヘッドの製造工程、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、有機EL、DNAチップなどの製造工程の他、すべてのデバイス製造工程における重ね合わせ管理に上記実施形態を適用することができるのは勿論である。
また、上記実施形態では、解析装置500をコンピュータとし、解析機能をそのコンピュータに実行させるプログラムにより実現するものとした。このプログラムは、インターネットからダウンロードされたり、CD−ROMのような情報記録媒体に記録された状態からインストールされたりするので、解析機能自体の追加、変更、修正が容易となる。
また、上記実施形態では、解析装置500を、例えばパーソナルコンピュータとした。すなわち解析装置500における解析処理は、解析プログラムが、PCで実行されることにより実現されている。この解析プログラムは、上述したようにメディアを介してPCにインストール可能となっていても良いし、インターネットなどを通じてPCにダウンロード可能となっていても良いのは前述したとおりである。また、解析装置500がハードウエアで構成されていても構わないのは勿論である。
本発明のマスク伸縮補正最適化方法は、ダブルパターニングにおけるマスク伸縮補正最適化に適している。また、本発明の露光方法は、物体上にパターンを精度良く重ね形成するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法、及びデバイス製造システムは、電子デバイスを製造するのに適している。
100…露光装置、110…C/D、120…測定検査器、500…解析装置、900…デバイス製造処理装置群、1000…デバイス製造システム、W…ウエハ。

Claims (41)

  1. 複数の物体のそれぞれに対して、既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成する処理を、順次行う際に、第1回目の露光と第2回目の露光とでそれぞれ用いられるマスクの伸縮補正を最適化するマスク伸縮補正最適化方法であって、
    前記複数の物体のうちの1つの物体の前記ターゲット層に前記目標パターンの一部を構成する第1パターンとともに形成された複数の第1マークを検出し、該検出結果を用いて前記第1パターンの形成に用いられる第1マスクの伸縮量を求め、該第1マスクの伸縮量と該伸縮量を記述する第1補正モデルから得られる伸縮量の予測値との第1の残差を求める第1工程と;
    前記ターゲット層に前記目標パターンの一部を構成する第2パターンとともに形成された複数の第2マークを検出し、該検出結果を用いて前記第2パターンの形成に用いられる第2マスクの伸縮量を求め、該第2マスクの伸縮量と該伸縮量を記述する第2補正モデルから得られる伸縮量の予測値との第2の残差を求める第2工程と;
    前記第1の残差と前記第2の残差と前記第1及び第2の残差間の差との少なくとも1つについての統計和を用いて、前記第1及び第2補正モデルの少なくとも一方についてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化する第3工程と;
    を含むマスク伸縮補正最適化方法。
  2. 前記第3工程では、前記第1の残差と前記第2の残差と前記第1及び第2の残差間の差とについての統計和を用いて、前記第1及び第2補正モデルについてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化する請求項1に記載のマスク伸縮補正最適化方法。
  3. 前記第3工程では、前記第2の残差と前記第1及び第2の残差間の差とのそれぞれについての統計和を用いて、前記第2補正モデルについてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化する請求項1に記載のマスク伸縮補正最適化方法。
  4. 前記第3工程では、前記第1の残差と前記第1及び第2の残差間の差とのそれぞれについての統計和を用いて、前記第1補正モデルについてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化する請求項1に記載のマスク伸縮補正最適化方法。
  5. 前記1つの物体の前記ターゲット層上には複数の区画領域が形成され、該複数の区画領域のそれぞれには、前記第1パターンとともに前記第1マークが形成され、かつ前記第2パターンとともに前記第2マークが形成され、
    前記第1工程では、前記複数の区画領域の少なくとも一部に形成された前記複数の第1マークを検出する請求項1〜4のいずれか一項に記載のマスク伸縮補正最適化方法。
  6. 前記第2工程では、前記複数の区画領域の少なくとも一部に形成された前記複数の第2マークを検出する請求項5に記載のマスク伸縮補正最適化方法。
  7. 前記統計和は、自乗和、自乗和の平均、標準偏差、絶対値和、及び絶対値和の平均のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のマスク伸縮補正最適化方法。
  8. 前記統計和は、前記第1の残差と前記第2の残差と前記第1及び第2の残差間の差のそれぞれについて統計的重みを加味して求められる請求項7に記載のマスク伸縮補正最適化方法。
  9. 前記第1パターンの形成に先立って、前記物体上に前記下地パターンとともに形成された複数のマークを検出し、前記複数のマークの検出結果を用いて前記下地パターンの形成位置の誤差を求める工程をさらに含む請求項1〜8のいずれか一項に記載のマスク伸縮補正最適化方法。
  10. 前記第1工程では、前記複数の第1マークの検出結果を用いて前記下地パターンに対する前記第1パターンの位置合わせ誤差を求め、前記下地パターンの形成位置の誤差と前記第1パターンの位置合わせ誤差とを用いて前記第1マスクの伸縮量を求める請求項9に記載のマスク伸縮補正最適化方法。
  11. 前記第2工程では、前記複数の第2マークの検出結果を用いて前記下地パターンに対する前記第2パターンの位置合わせ誤差を求め、前記下地パターンの形成位置の誤差と前記第2パターンの位置合わせ誤差とを用いて前記第2マスクの伸縮量を求める請求項9又は10に記載のマスク伸縮補正最適化方法。
  12. 前記第3工程では、前記統計和を用いて前記第1及び第2補正モデルの精度を検証し、該検証結果に基づいて、前記第1及び第2補正モデルの少なくとも一方についてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化する請求項1〜11のいずれか一項に記載のマスク伸縮補正最適化方法。
  13. 複数の物体のそれぞれに対して、既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成する処理を、順次行う露光方法であって、
    請求項1〜12のいずれか一項に記載のマスク伸縮補正最適化方法を用いて、前記第1及び第2補正モデルの少なくとも一方についてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化することと;
    前記第1補正モデルを用いて前記第1パターンを前記複数の物体のうちの別の物体のターゲット層に位置合わせし、該ターゲット層上に前記第1パターンを転写することと;
    前記第2補正モデルを用いて前記第2パターンを前記別の物体のターゲット層に位置合わせし、該ターゲット層上に前記第2パターンを転写することと;
    を含む露光方法。
  14. 前記第1及び第2パターンを前記別の物体上に転写する際には、前記別の物体上の複数の区画領域の少なくとも一部に形成された複数のマークを検出し、該検出結果を用いてそれぞれ前記第1及び第2パターンを位置合わせする請求項13に記載の露光方法。
  15. 前記第1及び第2パターンを前記別の物体上に転写する際には、それぞれ、前記第1及び第2補正モデルを用いて、前記複数の区画領域の倍率誤差に起因する前記第1及び第2パターンの位置合わせ誤差を補正する請求項14に記載の露光方法。
  16. 前記第1及び第2パターンを前記別の物体上に転写する際には、それぞれ、前記第1及び第2補正モデルを用いて、前記複数の区画領域のシフト誤差、ローテーション誤差、直交度誤差、2次以上の高次変形誤差のうち、少なくても1つに起因する前記第1及び第2パターンの位置合わせ誤差を補正する請求項14に記載の露光方法。
  17. 前記第1及び第2パターンは光学系を介して前記物体上に転写され、
    前記第1及び第2パターンを前記別の物体上に転写する際には、前記光学系が備える一部の光学素子を駆動することによって、前記第1及び第2パターンを前記別の物体上に位置合わせする請求項13〜16のいずれか一項に記載の露光方法。
  18. 前記第1及び第2パターンは、該パターンが形成されたマスクを前記物体に対して相対駆動することにより該物体上に転写され、
    前記第1及び第2パターンを前記別の物体上に転写する際には、前記相対駆動を調整することによって、それぞれ前記第1及び第2パターンを前記別の物体上に位置合わせする請求項13〜17のいずれか一項に記載の露光方法。
  19. マスクの伸縮量に係るパラメータを最適化することと、前記第1パターンを転写することと、前記第1パターンを転写することと、を繰り返すことにより、前記目標パターンを前記複数の物体のターゲット層に順次形成する請求項13〜18のいずれか一項に記載の露光方法。
  20. マスクの伸縮量に係るパラメータを最適化する第3工程は、所定数の物体毎に行われる、請求項19に記載の露光方法。
  21. 請求項13〜20のいずれか一項に記載の露光方法を用いて、複数の物体上にパターンを形成することと;
    前記パターンが形成された前記物体を現像することと;
    を含むデバイス製造方法。
  22. 複数の物体のそれぞれに対して、既に形成された下地パターンに重ね合わせて、ターゲット層に、露光と現像とを含むリソグラフィ工程を複数回経てパターンを重ね合わせて形成する処理を、順次行うデバイス製造システムであって、
    マスクに形成されたパターンを前記複数の物体に転写する露光装置と;
    前記物体上に形成されるマークを検出する機能を有する計測装置と;
    前記露光装置と前記計測装置とに接続された上位コンピュータを含む1又は2以上のコンピュータと;を備え、
    前記露光装置及び前記計測装置の制御用コンピュータ、並びに前記1又は2以上のコンピュータを含む複数のコンピュータのいずれかが、前記複数の物体のうちの1つの物体の前記ターゲット層に前記目標パターンの一部を構成する第1パターンとともに形成された複数の第1マークを、前記計測装置を用いて検出し、該検出結果を用いて前記第1パターンの形成に用いられる第1マスクの伸縮量を求め、該第1マスクの伸縮量と該伸縮量を記述する第1補正モデルから得られる伸縮量の予測値との第1の残差を求め、前記ターゲット層に前記目標パターンの一部を構成する第2パターンとともに形成された複数の第2マークを、前記計測装置を用いて検出し、該検出結果を用いて前記第2パターンの形成に用いられる第2マスクの伸縮量を求め、該第2マスクの伸縮量と該伸縮量を記述する第2補正モデルから得られる伸縮量の予測値との第2の残差を求め、前記第1の残差と前記第2の残差と前記第1及び第2の残差間の差との少なくとも1つについての統計和を用いて、前記第1及び第2補正モデルの少なくとも一方についてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化するデバイス製造システム。
  23. 複数のコンピュータのいずれかは、前記第1の残差と前記第2の残差と前記第1及び第2の残差間の差とについての統計和を用いて、前記第1及び第2補正モデルについてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化する請求項22に記載のデバイス製造システム。
  24. 複数のコンピュータのいずれかは、前記第2の残差と前記第1及び第2の残差間の差とのそれぞれについての統計和を用いて、前記第2補正モデルについてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化する請求項22に記載のデバイス製造システム。
  25. 複数のコンピュータのいずれかは、前記第1の残差と前記第1及び第2の残差間の差とのそれぞれについての統計和を用いて、前記第1補正モデルについてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化する請求項22に記載のデバイス製造システム。
  26. 前記1つの物体の前記ターゲット層上には複数の区画領域が形成され、該複数の区画領域のそれぞれには、前記第1パターンとともに前記第1マークが形成され、かつ前記第2パターンとともに前記第2マークが形成され、
    複数のコンピュータのいずれかは、前記複数の区画領域の少なくとも一部に形成された前記複数の第1マークを検出する請求項22〜25のいずれか一項に記載のデバイス製造システム。
  27. 複数のコンピュータのいずれかは、前記複数の区画領域の少なくとも一部に形成された前記複数の第2マークを検出する請求項26に記載のデバイス製造システム。
  28. 前記統計和は、自乗和、自乗和の平均、標準偏差、絶対値和、及び絶対値和の平均のうちの少なくとも1つを含む請求項22〜27のいずれか一項に記載のデバイス製造システム。
  29. 前記統計和は、前記第1の残差と前記第2の残差と前記第1及び第2の残差間の差のそれぞれについて統計的重みを加味して求められる請求項28に記載のデバイス製造システム。
  30. 複数のコンピュータのいずれかは、前記第1パターンの形成に先立って、前記物体上に前記下地パターンとともに形成された複数のマークを前記計測装置を用いて検出し、前記複数のマークの検出結果を用いて前記下地パターンの形成位置の誤差を求める請求項22〜29のいずれか一項に記載のデバイス製造システム。
  31. 複数のコンピュータのいずれかは、前記複数の第1マークの検出結果を用いて前記下地パターンに対する前記第1パターンの位置合わせ誤差を求め、前記下地パターンの形成位置の誤差と前記第1パターンの位置合わせ誤差とを用いて前記第1マスクの伸縮量を求める請求項30に記載のデバイス製造システム。
  32. 複数のコンピュータのいずれかは、前記複数の第2マークの検出結果を用いて前記下地パターンに対する前記第2パターンの位置合わせ誤差を求め、前記下地パターンの形成位置の誤差と前記第2パターンの位置合わせ誤差とを用いて前記第2マスクの伸縮量を求める請求項30又は31に記載のデバイス製造システム。
  33. 複数のコンピュータのいずれかは、前記統計和を用いて前記第1及び第2補正モデルの精度を検証し、該検証結果に従って前記第1及び第2補正モデルの少なくとも一方についてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化する請求項22〜32のいずれか一項に記載のデバイス製造システム。
  34. 前記露光装置が、前記第1補正モデルを用いて前記第1パターンを前記複数の物体のうちの別の物体のターゲット層に位置合わせし、該ターゲット層上に前記第1パターンを転写し、前記第2補正モデルを用いて前記第2パターンを前記別の物体のターゲット層に位置合わせし、該ターゲット層上に前記第2パターンを転写する請求項22〜33のいずれか一項に記載のデバイス製造システム。
  35. 前記露光装置は、前記第1及び第2パターンを前記別の物体上に転写する際には、前記別の物体上の複数の区画領域の少なくとも一部に形成された複数のマークを検出し、該検出結果を用いてそれぞれ前記第1及び第2パターンを位置合わせする請求項34に記載のデバイス製造システム。
  36. 前記露光装置は、前記第1及び第2補正モデルを用いて、前記複数の区画領域の倍率誤差に起因する前記第1及び第2パターンの位置合わせ誤差を補正する請求項35に記載のデバイス製造システム。
  37. 前記露光装置は、前記第1及び第2補正モデルを用いて、前記複数の区画領域のシフト誤差、ローテーション誤差、直交度誤差、2次以上の高次変形誤差のうち、少なくても1つに起因する前記第1及び第2パターンの位置合わせ誤差を補正する請求項35に記載のデバイス製造システム。
  38. 前記露光装置は、前記第1及び第2パターンを前記物体上に転写する光学系を有し、該光学系が備える一部の光学素子を駆動制御することによって、前記第1及び第2パターンを前記別の物体上に位置合わせする請求項34〜37のいずれか一項に記載のデバイス製造システム。
  39. 前記露光装置は、前記第1及び第2パターンを、該パターンが形成されたマスクを前記物体に対して相対駆動することによって前記物体上に転写し、前記相対駆動を調整することによって前記第1及び第2パターンを前記別の物体上に位置合わせする請求項34〜38のいずれか一項に記載のデバイス製造システム。
  40. 前記第1パターンの位置合わせ誤差を求めることと、前記第2パターンの位置合わせ誤差を求めることと、前記第1及び第2補正モデルの少なくとも一方についてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化することと、前記別の物体のターゲット層に前記第1及び第2パターンを転写することと、を繰り返すことにより、前記目標パターンを前記複数の物体のターゲット層に順次形成する請求項34〜39のいずれか一項に記載のデバイス製造システム。
  41. 前記第1パターンの位置合わせ誤差を求めることと、前記第2パターンの位置合わせ誤差を求めることと、前記第1及び第2補正モデルの少なくとも一方についてマスクの伸縮量に係るパラメータを最適化することは、所定数の物体毎に行われる請求項40に記載のデバイス製造システム。
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