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JP2012072007A - ガス発生剤及びマイクロポンプ - Google Patents

ガス発生剤及びマイクロポンプ Download PDF

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JP2012072007A JP2010217245A JP2010217245A JP2012072007A JP 2012072007 A JP2012072007 A JP 2012072007A JP 2010217245 A JP2010217245 A JP 2010217245A JP 2010217245 A JP2010217245 A JP 2010217245A JP 2012072007 A JP2012072007 A JP 2012072007A
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gas
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Yoshinori Akagi
良教 赤木
Masateru Fukuoka
正輝 福岡
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】マイクロポンプの出力を向上し得るガス発生剤及び高い出力を有するマイクロポンプを提供する。
【解決手段】ガス発生剤は、アジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルと、バインダーとを含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ流体デバイスに用いられるガス発生剤及びそれを用いたマイクロポンプに関する。
近年、小型であり、かつ携帯性に優れている分析装置として、マイクロ流体デバイスを用いた分析装置が用いられるようになってきている。このマイクロ流体デバイスを用いた分析装置では、マイクロ流路内においてサンプルの送液、希釈、分析などを行うことができる。
例えば、下記の特許文献1には、マイクロ流路に接続されたガス発生室が区画形成された基板を有し、ガス発生室に、アゾ化合物と、バインダー樹脂とを含むガス発生剤が収納されたマイクロポンプが提案されている。このマイクロポンプでは、ガス発生剤に熱エネルギーを供給することにより、ガス発生剤からガスが発生し、そのガスがマイクロ流路に供給されることにより、ポンプ機能が発現する。
下記の特許文献2には、一方の主面に開口するマイクロ流路が形成されている基板の上記主面を覆うようにガス発生層を設けることにより、マイクロ流体デバイスにポンプ機能を付与することが記載されている。特許文献2には、ガス発生層に含有させるガス発生剤として、種々のアゾ化合物やアジド化合物が例示されている。
特開2009−84128号公報 特開2010−107515号公報
近年、マイクロ流体デバイスに多段の希釈系列を形成したいという要望や、ひとつのマイクロ流体デバイスで複数のサンプルの測定を行いたいという要望などが高まってきている。このような要望を満足させるために、マイクロ流体デバイスの構造が益々複雑化してきている。マイクロ流体デバイスの構造が複雑化すると、マイクロポンプに要求される出力も高くなり、駆動時間も長くなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、マイクロポンプの出力を向上し、またその駆動時間を長くし得るガス発生剤及び高い出力を有するマイクロポンプを提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、種々のアゾ化合物及びアジド化合物のうち、アジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルとバインダーとを含むガス発生剤を用いることによりマイクロポンプの出力を向上できることを見出した。その結果、本発明者らは、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明に係るガス発生剤は、マイクロ流体デバイスのマイクロ流路にガスを供給するためのマイクロポンプに使用されるガス発生剤に関する。本発明に係るガス発生剤は、アジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルとバインダーとを含有する。
なお、本発明において、「マイクロ流体デバイス」とは、マイクロ流路を有するデバイスをいう。「マイクロ流路」とは、マイクロ流路を流れる液体に所謂マイクロ効果が発現する形状寸法に形成されている流路をいう。具体的には、「マイクロ流路」とは、マイクロ流路を流れる液体が、表面張力と毛細管現象との影響を強く受け、通常の寸法の流路を流れる液体とは異なる挙動を示す形状寸法に形成されている流路をいう。
本発明に係るガス発生剤のある特定の局面では、脂肪族ポリエーテルの含有量は、バインダー100重量部に対して、10重量部〜1000重量部の範囲内である。
本発明に係るガス発生剤の他の特定の局面では、脂肪族ポリエーテルとして、下記の式(1)、(2)及び(3)で表される化合物のうちの少なくともひとつを含有する。
Figure 2012072007
Figure 2012072007
Figure 2012072007
本発明に係るガス発生剤の別の特定の局面では、バインダーは、アクリル樹脂である。
本発明に係るガス発生剤のさらに他の特定の局面では、ガス発生剤は、脂肪族ポリエーテル100重量部に対し、更に、光増感剤を0.01〜50重量部含む。
本発明に係るマイクロポンプは、マイクロ流路が形成されている基材と、マイクロ流路にガスを供給するガス発生材とを備えている。ガス発生材は、アジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルと、バインダーとを含有するガス発生剤を含む。すなわち、本発明に係るマイクロポンプでは、ガス発生材が、上記本発明に係るガス発生剤を含む。従って、本発明に係るマイクロポンプは、高い出力を有し、また長い駆動時間を有する。
本発明に係るマイクロポンプのある特定の局面では、マイクロ流路は、基材の表面に開口しており、ガス発生材は、マイクロ流路の開口を覆うように、基材の表面の上に設けられている。この場合、基材内にガス発生室を設ける必要がなくなる。従って、基材を小型化できると共に、基材の作製が容易となる。
本発明に係るマイクロポンプの他の特定の局面では、基材には、マイクロ流路が開口しているガス発生室がさらに形成されており、ガス発生材は、ガス発生室内に配置されている。この構成によれば、ガス発生材から発生したガスを効率的にマイクロ流路に導くことができる。
本発明に係るガス発生剤は、アジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルを含有している。このため、本発明に係るガス発生剤を用いることにより、マイクロポンプの高出力化と駆動時間の長時間化を図ることができる。
第1の実施形態に係るマイクロポンプの略図的断面図である。 第2の実施形態に係るマイクロポンプの略図的断面図である。 実施例及び比較例においてマイクロポンプの出力を評価するために用いたマイクロポンプの略図的断面図である。
以下、本発明を実施した好ましい形態について、図1及び図2に示すマイクロポンプ1,2を例に挙げて説明する。但し、マイクロポンプ1,2は、単なる例示である。本発明は、マイクロポンプ1,2に何ら限定されない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るマイクロポンプの略図的断面図である。
図1に示すマイクロポンプ1は、マイクロ流体デバイスのマイクロ流路にガスを供給するためのポンプである。マイクロポンプ1は、マイクロポンプ1のマイクロ流路11が、マイクロ流体デバイスのマイクロ流路に接続された状態で使用される。マイクロポンプ1は、マイクロ流体デバイスと一体に形成されていてもよいし、別体に形成されていてもよい。マイクロポンプ1がマイクロ流体デバイスと別体に形成されている場合、マイクロポンプ1とマイクロ流体デバイスとを両方のマイクロ流路が接続されることにより貼り合わせて用いてもよいし、パイプなどの接続部材を用いて両方のマイクロ流路を接続して用いてもよい。
マイクロポンプ1は、基材10を備えている。基材10は、マイクロ流路11を流れる液体や気体との反応性が低く、かつ、液体がマイクロ流路11を流れる際にかかる圧力に対して十分な機械的耐久性を有するものである限りにおいて特に限定されない。基材10は、例えば、樹脂、ガラス、セラミックなどにより形成することができる。基材10の形成に好ましく用いられる樹脂としては、有機シロキサン化合物やポリメタクリレート樹脂などが挙げられる。有機シロキサン化合物の具体例としては、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)や、ポリメチル水素シロキサンなどが挙げられる。
基材10には、マイクロ流路11が形成されている。マイクロ流路11は、基材10の表面10aに開口している。
表面10aの上には、ガス発生材としてのガス発生層12が形成されている。このガス発生層12によって、マイクロ流路11の開口11aが覆われている。このため、ガス発生層12に光や熱などの外部刺激が付与されることによりガス発生層12から発生したガスは、開口11aからマイクロ流路11内に供給される。
ガス発生層12は、ガス発生層12において発生したガスがマイクロ流路11に好適に供給されるように設けられていることが好ましい。従って、ガス発生層12は、基材10に粘着または接着していることが好ましい。この場合において、ガス発生層12と基材10とを、粘着剤や接着剤を用いて粘着または接着させてもよいし、ガス発生層12及び基材10の少なくとも一方の表面に粘着能または接着能を持たせることにより、ガス発生層12と基材10とを直接粘着または接着してもよい。
なお、ガス発生層12の厚みは、特に限定されない。ガス発生層12の厚みは、例えば、10〜200μm程度とすることができる。
ガス発生層12の基材10とは反対側の表面は、ガスバリア層13により覆われている。このガスバリア層13は、ガス発生層12において発生したガスが、基材10とは反対側に流出することを抑制し、マイクロ流路11側に効率的に供給されるようにする層である。このため、ガスバリア層13は、ガス発生層12において発生したガスの透過性が低いものであることが好ましい。
具体的には、ガスバリア層13は、例えば、ポリアクリル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及びガラスなどからなるものであることが好ましい。
なお、ガスバリア層13の厚みは、例えば、25μm〜100μmであることが好ましく、50μm〜100μmであることがさらに好ましい。
本実施形態では、ガス発生材としてのガス発生層12は、ガス発生剤を含む。本実施形態において、ガス発生剤は、光が照射されることによりガスを発生する光応答性ガス発生剤である。
ガス発生剤は、バインダー樹脂とアジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルと光増感剤とを含む。このように、本実施形態のガス発生剤は、窒素含有量が高いアジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルを含むため、マイクロポンプ1は高い出力と長い駆動時間を有する。
好適に用いられるアジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルとしては、例えば、下記の式(1)、式(2)、式(3)で表される脂肪族ポリエーテルなどが挙げられる。式(1)、式(2)及び式(3)で表される脂肪族ポリエーテルのうちの2種以上を混合して用いてもよい。
Figure 2012072007
Figure 2012072007
Figure 2012072007
上記式(1)、式(2)、式(3)で表される脂肪族ポリエーテルの中でも、式(3)で表される脂肪族ポリエーテルがより好ましく用いられ、その場合、マイクロポンプ1の出力をさらに高めることができる。
また、アジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルは、式(4)や式(5)で表される構造を2個以上含む化合物であってもよい。
Figure 2012072007
Figure 2012072007
なお、式(1)で表される化合物は、例えば、ポリエピクロルヒドリン(PECH)(エピクロマーH、ダイソー(株))をアジ化ナトリウム(190−14901、和光純薬工業(株))でアジド置換することにより合成することができる。
式(2)で表される化合物は、例えば、3,3−ビスクロルメチルオキセタン(B1395、東京化成工業(株))をジ−メチルホルムアミド(20673、和光純薬工業(株))、ジ−メチルスルホオキシド(042−17095、和光純薬工業(株))等の溶媒下で、アジ化ナトリウム(190−14901、和光純薬工業(株))と反応することにより得られる3,3−ビスアジドメチルオキセタンを、開環重合することにより合成することができる。
式(3)で表される化合物は、例えば以下のようにして合成することができる。すなわち、ジグリセリンに反応触媒を溶解した後、エピクロルヒドリンを付加反応させ、側鎖にクロルメチル基を有する末端水酸基含有脂肪族ポリエーテルを製造する。次いで、このポリエーテルとアジ化ナトリウムとをジメチルホルムアミド中で反応させることにより合成することができる(例えば、特公平7−508号公報等を参照)。
ガス発生剤におけるアジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルの含有量は、特に限定されないが、例えば、バインダー100重量部に対して、10重量部〜1000重量部であることが好ましく、20重量部〜800重量部であることがより好ましく、50重量部〜400重量部であることがさらに好ましく、30重量部〜90重量部であることがなお好ましく、40重量部〜80重量部であることが特に好ましい。
アジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルの含有量が少なすぎると、ガス発生量が少なくなりすぎ、マイクロポンプ1の出力を十分に高めることができない場合がある。一方、アジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルの含有量が多すぎると、ガス発生層12の剛性が低くなりすぎたり、ガス発生層12の基材10に対する粘着力が低くなりすぎたりする場合がある。特に、本実施形態では、上述のようにガス発生層12がバインダー樹脂を含んでいるため、ガス発生層12と基材10との粘着力をより高めることができる。
好ましく用いられるバインダーの具体例としては、例えば、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミドなどの高分子材料が挙げられる。なかでも、ガスの発生効率がより一層高められるので、ポリ(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、ガス発生剤におけるバインダーの含有量は、特に限定されないが、例えば、10重量%〜70重量%の範囲内であることが好ましく、20重量%〜60重量%の範囲内であることがより好ましい。バインダーの含有量が少なすぎると、ガス発生層12の剛性が低くなりすぎる場合がある。一方、バインダーの含有量が多すぎると、ガス発生剤におけるグリシジルアジドポリマーの含有量が少なくなりすぎ、ガス発生層12のガス発生能が低くなりすぎる場合がある。
光増感剤は、光が照射されることによりガスを発生させるガス発生剤にエネルギーを移動させてガス発生剤の分解を促進する化合物である限りにおいて特に限定されない。光増感剤の具体例としては、例えば、チオキサントン、ベンゾフェノン、アセトフェノン類、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンジエート、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、脂肪族アミン、芳香族基を含むアミン、ピペリジンのように窒素が環系の一部をなしているもの、アリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性塩、N,N−ジ置換−p−アミノベンゾニトリル系化合物、トリ−n−ブチルフォスフィン、N−ニトロソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ−1,3−オキサジン化合物、ホルムアルデヒドかアセトアルデヒドとジアミンの縮合物、アントラセン及びその誘導体、キサンチン、N−フェニルグリシン、フタロシアニン、ナフトシアニン、チオシアニン等のシアニン色素類ポルフィリン及びその誘導体等が挙げられる。これらの光増感剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
光増感剤の配合割合は、光増感作用が得られる限りにおいて特に限定されず、例えば、光が照射されることによりガスを発生させる前記アジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテル100重量部に対して光増感剤を0.01重量部〜50重量部の範囲で含有させることが好ましく、1重量部〜10重量部の範囲で含有させることがより好ましい。光増感剤が少なすぎると、十分な増感作用が得難くなる傾向にあり、光増感剤が多すぎると、ガス発生剤の光分解が抑制されたりすることがある。
ガス発生剤は、架橋剤をさらに含んでいてもよい。ガス発生剤に架橋剤を含ませることにより、ガス発生材としてのガス発生層12の形状安定性を向上することが可能となる。架橋剤の具体例としては、例えば、イソシアネート化合物などが挙げられる。
(第2の実施形態)
図2は、第2の実施形態に係るマイクロポンプの略図的断面図である。
上記第1の実施形態では、ガス発生材として、基材10の表面10aの上にガス発生層12を設ける例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。
例えば、図2に示すマイクロポンプ2のように、基材10の内部に、マイクロ流路11が開口しているガス発生室14を形成し、そのガス発生室14内に、例えばタブレット状のガス発生材であるタブレット12aを配置してもよい。
(実施例1)
2−エチルへキシルアクリレート96.5重量部と、アクリル酸3重量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.5重量部とのアクリル系共重合体(重量平均分子量70万)を作製した。次に、そのアクリル系共重合体100重量部と、溶剤としての酢酸エチル200重量部と、架橋剤としてのイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン社製、商品名コロネートL45)3重量部と、アジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルとしてGAP4006(日油製)100重量部と、光増感剤としてのジエチルチオキサントン(チバスペシャルティケミカルズ社製、DETX−S)3.5重量部とを混合することによりガス発生剤を得た。
次に、ガス発生剤をアンカー処理が施された厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にキャストにより塗布し、乾燥させることにより、PETフィルムと、ガス発生層12とからなるガス発生フィルムを作製した。なお、乾燥後のガス発生層の厚みは約100μmであった。また、この実施例では、PETフィルムがガスバリア層13を構成している。
次に、図3に示すように、ガス発生フィルム17は粘着能を有しているため、両主面10a、10bのそれぞれに開口しているマイクロ流路11が形成されている基材10の表面10aの上に自己粘着力を用いて貼り付け、マイクロポンプを作製した。
なお、本実施例においては、基材10は、アクリル板から形成した。マイクロ流路11の断面形状は、0.5mm角の矩形状とした。マイクロ流路11の長さは、800mmとした。マイクロ流路11の先端は大気に開放した状態とした。
(比較例1)
アジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテル100重量部に替えて、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)(和光純薬社製、VAM110)40重量部を用いた以外は、上記実施例1と同様にしてガス発生フィルムを作製し、マイクロポンプを作製した。
(比較例2)
2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)100重量部を、実施例1と同様にして作製したアクリル系共重合体100重量部と、酢酸エチル200重量部と、イソシアネート系化合物(日本ポリウレタン社製、商品名コロネートL45)3重量部と、ジエチルチオキサントン(チバスペシャルティケミカルズ社製、DETX−S)3.5重量部とを混合しようとした。しかしながら、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)は、アクリル系共重合体に溶解せず、ガス発生フィルムを得ることができなかった。
(マイクロポンプの出力特性評価)
上記実施例1及び比較例1において作製したマイクロポンプの出力を以下の要領で評価した。まず、開口11bから1μlの水をマイクロ流路11内に注入し、その後、開口11bを、厚さ30μmのアクリル系粘着剤層と厚さ30μmのポリエチレンテレフタレート基材とからなる片面テープ16により封鎖した。その状態で、LEDを用いて波長380nmの紫外線を照射し、水滴15の移動時間と移動距離を10秒ごとに測定した。その結果から、水滴15の移動速度を算出した。また、移動速度の最大値の90%を維持できる移動時間を安定時間、60%を維持できる移動時間を持続時間として算出した。結果を下記の表1に示す。
(接着強度試験)
上記実施例1及び比較例1のそれぞれにおいて作製したガス発生フィルムを25mm幅に切り出し、2kgのゴムローラーによりアクリル樹脂板の清浄な表面に接着した。そして、JIS Z 0237に準じて、25℃における180度剥離力を、300m/分の引っ張り速度で測定し、平均接着力を算出した。なお、試験装置としては、島津製オートグラフ(AG−IS)を用いた。結果を下記の表1に示す。
Figure 2012072007
上記表1に示す結果から、アジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルをガス発生成分として使用することにより、基材とガス発生材との接着力を高められることが分かる。また、単位時間あたりのガス発生量の最大値と駆動時間を大きくできることが分かる。
1,2…マイクロポンプ
10…基材
10a、10b…基材の主面
11…マイクロ流路
11a、11b…開口
12…ガス発生層
12a…タブレット
13…ガスバリア層
14…ガス発生室
15…水滴
16…シール
17…ガス発生フィルム

Claims (8)

  1. マイクロ流体デバイスのマイクロ流路にガスを供給するためのマイクロポンプに使用されるガス発生剤であって、
    アジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルと、バインダーとを含有する、ガス発生剤。
  2. 前記脂肪族ポリエーテルの含有量は、バインダー100重量部に対して、10重量部〜1000重量部の範囲内である、請求項1に記載のガス発生剤。
  3. 前記脂肪族ポリエーテルとして、下記の式(1)、(2)及び(3)で表される化合物のうちの少なくともひとつを含有する、請求項1または2に記載のガス発生剤。
    Figure 2012072007
    Figure 2012072007
    Figure 2012072007
  4. 前記バインダーが、アクリル樹脂である、請求項4に記載のガス発生剤。
  5. 前記脂肪族ポリエーテル100重量部に対し、更に、光増感剤を0.01〜50重量部含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の、ガス発生剤。
  6. マイクロ流路が形成されている基材と、
    前記マイクロ流路にガスを供給するガス発生材と、
    を備え、
    前記ガス発生材は、アジドメチル基および水酸基を有する脂肪族ポリエーテルと、バインダーとを含有するガス発生剤を含む、マイクロポンプ。
  7. 前記マイクロ流路は、前記基材の表面に開口しており、
    前記ガス発生材は、前記マイクロ流路の開口を覆うように、前記基材の表面の上に設けられている、請求項6に記載のマイクロポンプ。
  8. 前記基材には、前記マイクロ流路が開口しているガス発生室がさらに形成されており、
    前記ガス発生材は、前記ガス発生室内に配置されている、請求項6に記載のマイクロポンプ。
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