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JP2012051028A - アルミニウム合金材を用いた構造体とその接合方法 - Google Patents

アルミニウム合金材を用いた構造体とその接合方法 Download PDF

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JP2012051028A JP2011157513A JP2011157513A JP2012051028A JP 2012051028 A JP2012051028 A JP 2012051028A JP 2011157513 A JP2011157513 A JP 2011157513A JP 2011157513 A JP2011157513 A JP 2011157513A JP 2012051028 A JP2012051028 A JP 2012051028A
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新倉昭男
Yoichiro Totsugi
戸次洋一郎
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Abstract

【課題】接合前後の寸法あるいは形状の変化が殆ど無く、また、ろう材あるいは溶加材のような接合部材を使用することなく被接合部材同士が接合するアルミニウム合金板を用いた構造体とその接合方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム合金材を一方の被接合部材とし、他方の被接合部材としてアルミニウム合金材、純アルミニウム材及びアルミニウム以外の金属材のいずれかを用い、前記一方の被接合部材と前記他方の被接合部材とを接合部材を用いることなく接合した構造体において、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材が、Si:1.5質量%〜5.0質量%を含有し、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金を連続鋳造法により製造したアルミニウム合金材であり、接合前と接合後の当該構造体の寸法および形状が略同一であることを特徴とする構造体。
【選択図】図1

Description

本発明は、接合前後の寸法あるいは形状の変化が殆ど無く、また、ろう材あるいは溶加材のような接合部材を使用することなく被接合部材同士が接合するアルミニウム合金材を用いた構造体とその接合方法に関するものである。
下記の特許文献1、2に記載されるように、自動車用熱交換器を代表とするブレージング法で製造する構造体は、従来Al−Si合金からなるろう材をクラッドしたブレージングシートを用いるか、ろう材を別途塗布して製造されていた。しかし、クラッド材を製造するには、各層を別々に製造し、さらにそれを合わせる工程が必要であり、別途ろう材を塗布する場合もコストがかかっていた。例えば、非特許文献1の「3.2 ろうとブレージングシート」の章に、これらのクラッドブレージングシートや粉末ろう材が説明されている。
特許文献3では、フィン材中のSrなどの微細化元素を、ろう侵食によりフィン材からろう材に供給し、ろう付後のろう材中の板状あるいは針状の粗大Si発生を防ぐことを提案している。
また、ろう付ではないが、圧着接合について、特許文献4では、アルミと異種金属との溶接に、インサート材を用いることを提案しており、そのインサート材にSiを含有させて溶融温度を低下させ、接合を良好にすることを提案している。
特開2008−303405公報 特開平09-302432号公報 特開2009−161835号公報 特開2004−90093号公報 「アルミニウムブレージングハンドブック(改訂版)」社団法人軽金属溶接構造協会 2003年
従来、熱交換器を始め各種構造体の製造においては、様々なブレージング法が開発されてきた。例えば車載用熱交換器においては、フィン材を単層で用いる場合はチューブ材にろう材をクラッドしたブレージング材を使用したり、チューブに別途Si粉末やSi含有ろうを塗布したりする必要があった。あるいは、タンク材を単層とした場合は表面にろう材をクラッドしたフィン材を使用するのが一般的であった。このようにすべてを単層の材料のみで製造することができず、コストダウンが困難であった。
また、ブレージング法においては、接合部材であるろう材が溶融し、被接合部材の隙間に流動、充填することで接合を可能とする。そのため、熱交換器をはじめとした構造体の設計においては、ろう材が溶融、流動することを考慮することが必要である。例えば、ブレージングシートのろう材のクラッド率が片面5%である場合、ろう材が流動すると最大で10%の寸法変化が生じる可能性がある。しかし、ろう材の流動はろう付加熱時の熱の分布や隙間や接合部の形状に影響されるため均一ではなく、接合前後の寸法変化を正確に予測することが困難である。従って、従来の接合方法を用いた構造体の設計において、接合後の寸法誤差を考慮する必要があるため、精密な寸法精度や清浄な表面品質が要求される構造体の製造には不向きであった。
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下の成分を有する被接合部材であるアルミニウム合金材を用いた構造体を、特定の条件で接合し組み立てる場合、ろう材のような接合部材を用いることなく接合することが可能であることを見出したものである。
すなわち、請求項1に記載の第1の発明は、アルミニウム合金材を一方の被接合部材とし、他方の被接合部材としてアルミニウム合金材、純アルミニウム材及びアルミニウム以外の金属材のいずれかを用い、前記一方の被接合部材と前記他方の被接合部材とを接合部材を用いることなく接合した構造体において、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材が、Si:1.5質量%〜5.0質量%(以下質量%は単に%と記す。)を含有し、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金を連続鋳造法により製造したアルミニウム合金材であり、接合前と接合後の当該構造体の寸法および形状が略同一であることを特徴とする構造体である。
請求項2記載の第2の発明は、請求項1に記載の構造体において、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の成分としてさらに、Zn:0.1%〜0.8%、Fe:0.1%〜2.0%、Mg:0.1%〜2.0%、Cu:0.1%〜1.5%、Mn:0.1%〜2.0%、Ti:0.05%〜0.3%、V:0.05%〜0.3%、Cr:0.05%〜0.3%、Ni:0.1%〜1.0%のうち1種または2種以上を含むことを特徴とする構造体である。
請求項3記載の第3の発明は、請求項1または請求項2に記載の構造体において、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の成分としてさらに、Be:0.0001%〜0.1%、Sr:0.0001%〜0.1%、Bi:0.0001%〜0.1%、Na:0.0001%〜0.1%、Ca:0.0001%〜0.05%のうち1種または2種以上を含むことを特徴とする構造体である。
請求項4記載の第4の発明は、請求項1〜請求項3に記載の構造体において、接合前の前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の分散粒子の円相当径が10μm以下であり、かつ平均円相当径が3μm以下であることを特徴とする構造体である。
請求項5記載の第5の発明は、請求項1〜請求項4に記載の構造体において、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の接合後に長径3μm以上の球状の共晶組織が断面で10個/mm〜3000個/mm存在することを特徴とする構造体である。
請求項6記載の第6の発明は、請求項1〜請求項5に記載の構造体の接合方法において、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の全質量に対する当該アルミニウム合金材内に生成する液相の質量の比が0%を超え35%以下となる温度で接合することを特徴とする構造体の接合方法である。
請求項7記載の第7の発明は、請求項6に記載の構造体の接合方法において、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の固相線温度と液相線温度の差が10℃以上であることを特徴とする構造体の接合方法である。
請求項8記載の第8の発明は、請求項6または請求項7に記載の構造体の接合方法において、接合前に対する接合後の寸法変化が5%以下であることを特徴とする構造体の接合方法である。
本発明に係るアルミニウム合金材は、材料内に一部生成した液相を利用して接合を行うものであり、本アルミニウム合金材を使用することで、単層材でも接合が可能となり、チューブ、タンク、フィン、プレートなどを組み合わせた構造材を、ブレージング材を使用せずに製造することができる。単層材を使用できるため、従来の2層以上のクラッド材を用いていた熱交換器などと比較して極めて安価に構造体を得ることができる。
また、ろう材等の接合部材を利用することなく接合を行うため、接合前後での寸法、形状変化が殆どなく、熱交換器等の設計精度が向上するとともに、精密な寸法精度が要求される構造体を量産製造することが可能である。
液相の染み出しのメカニズムを示す模式図である。 接合後の一方の被接合部材のL−ST方向に沿った断面における球状共晶組織の金属組織写真である。 実施例のテストピースに用いたチューブ形状の模式図である。 実施例1の3段積みのテストピース(ミニコア)の外観図である。 接合率、ならびに、接合による変形率を測定するための試料を示す斜視図である。 接合率、ならびに、接合による変形率の測定方法の説明図である。
以下に、本発明の詳細な説明を示す。
本発明に用いる被接合部材であるアルミニウム合金材は、Si:1.5%〜5.0%を含有し、残部Al及び不可避的不純物よりなるアルミニウム合金である。
該アルミニウム合金材を成形してチューブ、タンクなどの構造体を作製し、600℃程度の温度で熱処理を行うと、該アルミニウム合金材の内部の一部から液相が生成し、それが材料表面に染み出してきて接合が可能となる。
図1に本発明の接合方法のメカニズムである液相の染み出しを模式的に示す。本発明に係る接合のメカニズムを説明する。固相線温度より高い温度に加熱されると金属間化合物等の偏析の多い結晶粒界がまず溶融し、次いでマトリクス中に分散するSi粒子周辺が溶融する。Siの添加量が多いと分散するSi粒子の数が多く、マトリクス内部に多くの球状の液相が存在することになる。加熱温度が高くなると球状の液相は体積を増すが、直接粒界に触れるかあるいは固体内でのSi拡散によって、粒界に液相が移動する。これが粒界を伝って材料表面に染み出し、他方の被接合部材との隙間に充填されて接合が可能となる。液相が外部に流出すると球状の液相は次第に収縮していき、最後は消滅する。一方、球状に溶融した液相が外部に染み出さず残存すると冷却後は図2に示すように球状の共晶組織がマトリクスの結晶粒内に多数分散した組織となる。
材料の強度は未溶融のマトリクス(アルミニウム材料中で、金属間化合物を除いた部分)と液相生成に寄与しない金属間化合物が担っている。そのため、本発明に係る構造体は接合の前後で寸法や形状の変化が殆どない。
このようにSiはAl−Siの液相を生成し、接合に機能するが、1.5%未満の場合は充分な液相の染み出しが無く、接合が不完全となる場合が多い。一方、5.0%を越えるとアルミニウム合金材中のSi粒子が多くなり、液相の生成量が多くなるため、加熱中の材料強度が極端に低下し、構造体の形状維持が困難となる。したがって、Si量は1.5%〜5.0%と規定する。さらにSi量を1.5%〜3.5%とすると好ましい。さらにSi量を2.0%〜2.5%とするとより好ましい。なお、染み出す液相の量は板厚が厚く、加熱温度が高いほど多くなるが、加熱時に必要とする液相の量はコアの構造に依存するので、必要に応じてSi量やろう付け温度を調整することが望ましい。
本発明のアルミニウム合金材としての基本的な機能を果たすためにはSi量を規定すればよいが、さらに耐食性や強度を向上させるためには、他の元素を単独、もしくは複数添加すると良い。以下に各選択添加元素について述べる。
耐食性をさらに向上させるために、少量のZnを添加することが有効である。Znはマトリクス中にほぼ均一に固溶しているが、液相が生じるとその中に溶け出して、液相のZnが濃化する。液相が表面に染み出すと、その部分はZn濃度が上昇するため、犠牲陽極作用によって耐食性が向上する。この効果はZn量0.1%未満では小さく、0.8%を超えるとマトリクスに残存するZn量が多くなり、表面との電位差が不十分となり、有効な犠牲防食が働かない。したがって、Znは0.1%〜0.8%添加することが望ましい。
その他、強度を上げるために必要に応じてFe、Mn、Mg、Cu、Ti、V、Cr、Niの1種又は2種以上を添加しても良い。なお、Zn、Fe、Mn、Mg、Cu、Ti、V、Cr、Niの1種又は2種以上が添加される場合には、各添加成分のいずれもが請求項2に規定する成分範囲内にあることを必要とする。
Feは、若干固溶して強度を上げる効果があるのに加えて晶出物として分散して、特に高温での強度低下を防ぐ効果がある。添加量が0.1%未満の場合、この効果が小さいだけでなく、高純度の地金を使用する必要があり、コストがかかる。2.0%を超えると接合加熱時の再結晶が微細化し、本構造体が腐食環境(特に液体が流動するような腐食環境)に曝された場合に耐エロージョン性が低下する。従って、Feの添加量を0.1%〜2.0%とするのが好ましい。より好ましいFeの添加量は、0.2%〜1.0%である。
Mnは、SiとともにAl−Mn−Si系の金属間化合物を形成し、分散強化として作用し、或いはアルミニウム母相中に固溶して固溶強化により強度を向上させる。その添加量が0.1%未満ではその効果が小さく、2.0%を超えると粗大金属間化合物が形成されやすくなり、耐食性を低下させる。したがってMn添加量は0.1%〜2.0%が好ましい。よりこの好ましいMn添加量は0.3%〜1.0%である。
FeおよびMnはともにSiとともにAl−Fe−Mn−Si系の金属間化合物を形成する。金属間化合物となったSiは液相の生成に寄与しないため、接合性が低下することになる。従って、さらには、Si、Fe、Mnの含有量(質量%)をそれぞれS、F、Mとしたとき、1.2≦S−0.3(F+M)≦3.5の関係式を満たすことが好ましい。
Mgは接合加熱後、時効硬化するため強度向上の効果が特に大きいが、0.1%未満ではMgSiの時効硬化がほとんど起こらず、2.0%を超えるとフラックスと反応して、高融点の化合物を形成するため著しく接合性が低下する。従って、Mgの添加量は0.1%〜2.0%とするのが好ましい。
Cuは固溶して強度向上させるが、0.1%未満では強度向上効果がほとんど見られず、1.5%を超えると耐食性が低下する。従って、Cuの添加量は0.1%〜1.5%とするのが好ましい。より好ましいCuの添加量は0.1%〜0.8%である。
Niは、金属間化合物として晶出又は析出し、分散強化によって接合後の強度を向上させる効果がある。Niの添加量は、0.1%〜2.0%の範囲とすることが好ましく、0.2%〜0.5%の範囲とすることがより好ましい。Niの含有量が2.0%を超えると、自己耐食性が低下する。Niの含有量が0.1%未満だと、強度向上効果が充分に得られなくなる。
Ti、Vは固溶して強度向上させる他に、層状に分布して板厚方向の腐食の進展を防ぐ効果がある。この効果は0.05%未満ではほとんど見られず、0.3%を越えると巨大晶出物が発生し、成形性、耐食性を阻害する。従って、Ti及びVの添加量は0.05%〜0.3%とするのが好ましい。
Crは、固溶強化により強度を向上させ、またAl−Cr系の金属間化合物が析出し、加熱後の結晶粒粗大化に作用する。0.05%未満ではその効果は得られず、0.3%を超えると巨大金属間化合物を形成しやすくなり、塑性加工性を低下させる。よって、Crの添加量は0.05%〜0.3%とするのが好ましい。
また、必要に応じてBe:0.0001%〜0.1%、Sr:0.0001%〜0.1%、Bi:0.0001%〜0.1%、Na:0.0001%〜0.1%、Ca:0.0001%〜0.05%の1種又は2種以上を添加しても良いが、これらの微量元素はSi粒子の微細分散、液相の流動性向上等によって接合性を改善することができる。規定範囲以下では、その効果が小さく、規定範囲を超えると耐食性低下などの弊害を生じる場合がある。なお、Be、Sr、Bi、Na、Caの1種又は2種以上が添加される場合には、各添加成分のいずれもが上記成分範囲内にあることを必要とする。
本発明の構造体に用いるアルミニウム合金材の金属組織について説明する。
接合前の一方の被接合部材であるアルミニウム合金材は、アルミニウム合金材の分散粒子(Si粒子あるいはAl−Fe−Mn―Si系化合物など)(Si粒子あるいはAl−Fe−Mn―Si系化合物など)の円相当径は10μm以下であり、かつ平均円相当径が3μm以下であるアルミニウム合金材を被接合部材として用いるのが好ましい。
該アルミニウム合金材中に分散したSi粒子等の分散粒子は、接合時にまわりのマトリクスと反応し、液相を生成する。該分散粒子が微細なほど液相が生成しやすくなるため、良好な接合性が得られる。円相当径が10μmを超える分散粒子が存在したり、その平均円相当径が3μmを超えたりするとその効果が小さい。より好ましくは、分散粒子の円相当径は5μm以下であり、かつ平均円相当径は1μm以下である。さらにより好ましくは、分散粒子の最大円相当径は2μm以下であり、かつ平均円相当径は0.5μm以下である。
分散粒子の径は、断面のSEM観察などを行うことで調べることができる。SEM写真を画像解析することで、接合前の分散粒子の、最大円相当径及び平均円相当径を求めることが好ましい。
次に、本発明のアルミニウム合金材の製造方法について説明する。
本発明材である一方の被接合部材であるアルミニウム合金材は、連続鋳造法を用いて製造する。連続鋳造法としては、双ロール式連続鋳造圧延法や双ベルト式連続鋳造法など、連続的に板材を鋳造する方法であるならば特に限定するものではない。双ロール式連続鋳造圧延法とは、耐火物製の給湯ノズルから一対の水冷ロール間にアルミニウム溶湯を供給し、薄板を連続的に鋳造圧延する方法であり、ハンター法や3C法などが知られている。また、双ベルト式連続鋳造法は、上下に対峙し水冷されている回転ベルト間に溶湯を注湯してベルト面からの冷却で溶湯を凝固させてスラブとし、ベルトの反注湯側より該スラブを連続して引き出してコイル状に巻き取る連続鋳造方法である。
双ロール式連続鋳造圧延法では、鋳造時の冷却速度がDC(Direct Chill)鋳造法に比べて数倍〜数百倍速い。例えば、DC鋳造法の場合の冷却速度が0.5〜20℃/secであるのに対し、双ロール式連続鋳造圧延法の場合の冷却速度は100〜1000℃/secである。そのため、鋳造時に生成する分散粒子が、DC鋳造法に比べて微細かつ密に分布する特徴がある。この高密度に分布した分散粒子は、接合時にまわりのマトリクスと反応し、多くの液相を生成しやすくすることができ、それによって良好な接合性が得られる。
双ロール式連続鋳造圧延法で鋳造する際の溶湯温度は、650〜800℃の範囲が好ましい。溶湯温度は、給湯ノズル直前にあるヘッドボックスの温度である。溶湯温度が680℃より低い温度では、給湯ノズル内に巨大な金属間化合物の分散粒子が生成し、それらが鋳塊に混入することで冷間圧延時の板切れの原因となる。溶湯温度が800℃を超えると、鋳造時にロール間でアルミが十分に凝固せず、正常な板状鋳塊が得られない。より好ましい溶湯温度は680〜750℃である。
また、鋳造する板厚は2mm〜10mmが好ましい。この厚さであると板厚中央部の凝固速度も速く、均一組織な組織が得られやすい。鋳造する板厚が2mm未満であると、単位時間当たりに鋳造機を通過するアルミニウム量が小さく、安定して溶湯を板幅方向に供給することが難しく、鋳造が困難になる。逆に鋳造する板厚が10mmを超えると、ロールによる巻取りが困難になる。より好ましい鋳造板厚は4mm〜8mmである。
続いて、得られた鋳造板材を最終板厚に圧延加工する工程中では、焼鈍を1回以上いれてもよく特に限定するのもではない。調質は用途に応じて適切な調質を選定する。通常はエロージョン防止のためにH1nないしはH2n調質とするが、形状や使用方法によっては焼鈍材を使用しても良い。
本発明に係る構造体を製造する場合、上記組成を有する一方の被接合部材であるアルミニウム合金材と他方の被接合部材を組み合わせ、加熱処理を施す。その際に加熱雰囲気は窒素で置換した非酸化性雰囲気等が好ましい。また、非腐食性フラックスを使用することでさらに良好な接合性を得ることができる。加熱条件としては、本発明に係るアルミニウム合金材内部に液相が生成する固相線温度以上液相線温度以下であり、かつ該アルミニウム合金材に液相が生成し、強度が低下して形状を維持できなくなる温度以下の温度で、接合に必要な時間加熱する。本発明に係る上記アルミニウム合金の場合、580℃〜620℃で3〜10分程度とすれば良いが、組成によって加熱条件を調整し、冷却後に長径3μm以上の球状共晶組織が、断面で10個/mm〜3000個/mm存在するようにするのが好ましい。本発明に係る構造体を製造する場合、真空中で加熱して接合することも可能である。
上記非腐食性フラックス塗布する方法には、熱交換器として組み付けた後、フラックス粉末を振りかける方法や、フラックス粉末を水に懸濁してスプレー塗布する方法等がある。あらかじめ素材に塗装する場合には、フラックス粉末にアクリル樹脂等のバインダーを混合して塗布すれば、塗装の密着性を高めることができる。通常のフラックスの機能を得るために用いるフラックスとしては、KAlF、KAlF、KAlF・HO、KAlF、AlF、KZnF、KSiF等のフッ化物系フラックスや、CsAlF、CsAlF・2HO、CsAlF・HO等のセシウム系フラックス等が挙げられる。
本発明の場合、前述のSi粒子周辺が球状に溶融した部分がマトリクス内にある程度残存し、図2に示すような球状の共晶組織がマトリクスの結晶粒内に多数分散した組織となる。良好な接合性と接合時の材料強度のバランスが取れた場合、接合後に長径3μm以上の球状共晶組織が断面で10個/mm〜3000個/mm存在するのが好ましいことを見出した。この球状共晶組織の密度が10個/mm未満の場合、接合に寄与した液相が多すぎ、接合加熱中の強度維持が困難となる。3000個/mmを超える場合、接合に寄与した液相が少なく、接合性が低下することになる。例えば被接合部材であるアルミニウム合金材の板厚が厚い場合や、接合時の温度が高温になりやすい部分に配置されたアルミニウム合金部材ではSi量を低く設定しても充分な液相量が確保できる。具体的には150μm〜300μmの板厚のチューブ材の場合、Si量を1.5%〜3.5%程度として、加熱温度を595℃〜605℃程度とすることが望ましく、その場合、球状共晶組織は50〜2500個/mmとなる。このように接合後の組織を観察し、球状共晶組織の数密度を測定し、断面で10〜3000個/mmであるように予め被接合部材であるアルミニウム合金材のSi量を1.5%〜5.0%の範囲で調整することで、良好な接合性を得ることができる。なお、断面とは、アルミニウム合金材の任意の断面であり、例えば厚さ方向に沿った断面でもよく、板材表面と平行な断面でもよい。
本発明に係る構造体を製造するための接合方法においては、被接合部材であるアルミニウム合金材の全質量に対する当該アルミニウム合金材内に生成する液相の質量の比(以下、液相率と記す。)が0%を超え35%以下となる温度で接合する必要がある。液相率が35%を超えると、生成する液相の量が多過ぎて、接合加熱時にアルミニウム合金材は大きく変形してしまい形状を保てなくなる。一方、液相が生成しなければ接合ができないので液相率は0%より多いことが必要である。ただし、液相が少ないと接合が困難となる場合があるため、好ましい液相率は5〜30%であり、より好ましい液相率は10〜20%である。
また、液相が接合部に十分に充填される為には、液相率が5%以上である時間が30秒以上3600秒以内であるのが好ましい。より好ましくは、液相率5%以上の時間が60秒以上、1800秒以内とであると更に十分な充填が行われ確実な接合がなされる。なお、本接合では、液相は接合部の極近傍においてしか移動しないので、この充填に必要な時間は接合部の大きさには依存しない。
加熱中における実際の液相率を測定することは、極めて困難である。そこで、本発明で規定する液相率は状態図を利用して組成と温度の平衡計算によって求めるものとする。具体的には、平衡計算状態図ソフト(Thermo−Calc;Thermo−Calc Software AB社製)によって合金組成と加熱時の最高到達温度から計算される。
上記の条件を満たすことで必要な接合特性を得ることできるが、中空部があり、比較的脆弱な構造体を形成する場合においては、構造体内に発生する応力が高すぎると構造を維持できない場合がある。特に液相率が大きい場合は比較的小さな応力に留めたほうが良好な形状を維持できる。液相が生成する被接合部材内に発生する応力のうちの最大値をP(kPa)、液相率をV(%)とした場合、P≦460−12Vの条件を満たせば、非常に安定した接合が得られる。なお、両被接合部材から液相が発生する場合は、両被接合部材各々に対して、各々の応力P、液相率Vを用いてP≦460−12Vを算出し、両被接合部材ともこの式を同時に満たすように接合を行う。各被接合部材内の各部位に発生する応力は、形状と荷重から求められる。例えば、構造計算プログラムなどを用いて計算する。
接合部の圧力と同様に接合部の表面形態も接合性に影響を与え、両面が平滑なほうがより安定した接合が得られる。本発明においては、接合前の両被接合部材の接合面の表面の凹凸から求められる算術平均うねりWa1とWa2の和が、Wa1+Wa2≦10(μm)を満たす場合には、更に十分な接合が得られる。なお、算術平均うねりWa1、Wa2は、JISB0633で規定されるものであり、波長が25〜2500μmの間で凹凸となるようカットオフ値を設定し、レーザー顕微鏡やコンフォーカル顕微鏡で測定されたうねり曲線から求められる。
また、本発明に係る接合方法では、液相を生成するアルミニウム合金材の固相線温度と液相線温度の差を10℃以上とするのが好ましい。固相線温度を超えると液相の生成が始まるが、固相線温度と液相線温度の差が小さいと、固体と液体が共存する温度範囲が狭くなり、発生する液相の量を制御することが困難となる。従って、この差を10℃以上とするのが好ましい。例えば、この条件を満たす組成を有する2元系の合金としては、Al−Si系合金、Al−Cu系合金、Al−Mg系合金、Al−Zn系合金、Al−Ni系合金などが挙げられ、これら共晶型合金は固液共存領域を大きく有するので本接合方法に有利である。しかしながら、他の全率固溶型、包晶型、偏晶型などの合金であっても、固相線温度と液相線温度の差が5℃以上であるなら接合が可能となる。また、上記の2元系合金は主添加元素以外の添加元素を含有することができ、実質的には3元系や4元系合金、更に5元以上の多元系の合金も含まれる。例えばAl−Si−Mg系やAl−Si−Cu系、Al−Si−Zn系、Al−Si−Cu−Mg系などが挙げられる。
なお、固相線温度と液相線温度の差は大きくなるほど適切な液相量に制御するのが容易になる。従って、固相線温度と液相線温度の差に上限は特に設けない。
本発明においては、接合前後において構造体の寸法や形状が殆ど変化しない。これは前述のメカニズムに従い、接合に寄与する液相が被接合部材であるアルミニウム合金材内部に生成するものの、適切な量に制御されているためであり、接合時に結晶粒界等にそったすべり変形が発生しくにいためである。また、マトリクスや液相の生成に寄与しない金属間化合物により、加熱中に被接合部材の形状が維持される効果もある。従って、本発明における接合前後の寸法変化は5%以下とする。5%以下であれば、寸法精度の良好な構造体を製造することが可能であり、マイクロチャンネルのような微細な媒体通路を有する小型熱交換器の製造も行うことができる。また、本発明に係る構造体の耐食性をさらに向上させるために、表面にZn溶射やZn置換フラックス塗布を行っても良く、さらに加熱処理後にクロメート処理やノンクロメート処理などの表面処理を実施して耐食性向上を図っても良い。
本発明材を用いることによって、多くの接合部を有し、かつ寸法精度のよい構造体を得ることができる。
例えば本発明に係るアルミニウム合金材でチューブとタンクを作製し、さらに単層のフィン(ベアフィン)と組み合わせ、所定の加熱を施すことで、すべて単層材で構成される熱交換器とすることができる。また板をプレス成形し、積層することでラミネートタイプの熱交換器も製造することができる。その他、積層構造をもったオイルクーラー、ヒートシンクなどにも応用することができる。このようなすべて単層材からなる構造体は高温での剛性が従来材より低下する場合があるので、加熱の際は、鉄などの高温に耐える材質のジグにセットすると、より寸法精度の高いものを得ることができる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
先ず、表1に示す組成の材料を製造した。なお、表1の合金組成において、「−」は検出限界以下であることを示すものであり、「残部」は不可避的不純物を含む。
双ロール式連続鋳造圧延法により試験材を鋳造した。双ロール式連続鋳造圧延法で鋳造する際の溶湯温度は、650〜800℃で行い、鋳造板厚は7mmであった。ここで得られた板状鋳塊を冷間圧延し、0.45mmまで冷間圧延し、420℃×2Hrの中間焼鈍後、0.3mmまでさらに冷間圧延して供試材とした。供試材の算術平均うねりWaは約0.5μmであった。
また、所定の合金を80mm×200mm×200mmの金型で鋳造し、面削、加熱し3mm厚まで熱間圧延した。その後、0.45mmまで冷間圧延し、380℃×2Hrの中間焼鈍後、0.3mmまでさらに冷間圧延して供試材とした。供試材の算術平均うねりWaは約0.5μmであった。
表2に、所定の加熱温度での平衡液相率も示した。なお、平衡液相率は、平衡状態図計算ソフトによる計算値である。
製造性については、板材を製造した際に、健全な板材ができた場合を○とし、鋳造時に割れが発生した場合や鋳造時に巨大金属間化合物が発生するなどして、圧延できなかった場合を×とした。
製造した板材の分散粒子について、SEMを使い調べた。観察は各サンプル3視野ずつ行い、それぞれの視野のSEM写真を画像解析することで、板材の分散粒子の円相当径、平均円相当径を調べた。
加熱後の強度を評価するために、JIS5号試験片を切り出し、580〜600℃、3分の加熱を実施し、引張試験を行って、引張強度を調べた。そして加熱処理後の引張強度が110MPa以上を○、110MPa未満を×とした。
また、供試材を曲げて図3に示す幅18mm、高さ3mm、長さ60mmのチューブとした。これにb1の組成の算術平均うねりWaが0.3μmで板厚0.07mmのフィン材を高さ7mmにコルゲート成形したものと組み合わせ、ステンレス製のジグに組み込み、図4に示す3段積みのテストピース(ミニコア)を作製した。このミニコアの場合、ステンレスジグとアルミニウムの熱膨張率の差でろう付け時には約4Nの圧縮荷重が生じ、接合面積から計算すると接合面には約10kPaの応力が生じていることになる。
Figure 2012051028
このミニコアを非腐食性の弗化物系フラックスの10%懸濁液に浸漬、乾燥後、窒素雰囲気中で580〜600℃、3分の加熱をおこなった。その後、ミニコアの中央段のフィンとの接合部40箇所を調べ、完全に接合している箇所の比率(接合率)を測定した。
さらに同じ場所の断面組織を観察し長径3μm以上の球状共晶組織の数密度を測定した。
また完成したミニコアについて耐食性評価のためにCASS試験を500h、1000h行い、チューブを貫通する腐食が発生しなかった場合を○、チューブを貫通する腐食が発生した場合を×とした。更に、チューブ潰れの有無についても調べた。
表2に結果を示す。
Figure 2012051028
本発明例1〜12の発明例はいずれも本発明で規定する条件を全て満たしており、製造性、接合率、チューブ潰れ、引張強度、耐食性のいずれも合格であった。
比較例13では、Si成分が規定量に満たないため、球状共晶組織の数密度も発明範囲を超えていた。接合率が70%と低く、接合性の点で劣った。
比較例14では、Si成分は規定量を超えているため、接合時にチューブが潰れ、引張強度も不合格であった。
比較例15では、FeとCuとMnの成分がともに規定量を超えているため、CASS試験において貫通孔が発生し、耐食性の点で劣った。
比較例16では、Mgが規定量を超えているため、接合率が50%と低く、接合が不完全であった。
比較例17では、Zn及びNiが規定量を超えているため、CASS試験において貫通孔が発生し、耐食性の点で劣った。
比較例18では、Ti、V、Crが規定量を超えているため、鋳造時に巨大な金属間化合物が生成し、最終板圧まで圧延できなかった。
比較例19では、Be、Sr、Biが規定量を超えているため、CASS試験において貫通孔が発生し、耐食性の点で劣った。
比較例20では、Na、Caが規定量を超えているため、CASS試験において貫通孔が発生し、耐食性の点で劣った。
比較例21では、DC鋳造のため、鋳造時に粗大な金属間化合物が生成し、接合時にチューブが潰れてしまった。接合に有効なろう材がすくなくなり接合率が低下した。
実施例1にて製造した組成の材料の中から、表1に示す材料a1〜a9、a13、a14を抜粋して、双ロール式連続鋳造圧延法により試験材を鋳造した。双ロール式連続鋳造圧延法で鋳造する際の溶湯温度は、680〜750℃で行い、鋳造板厚は8mmであった。ここで得られた板状鋳塊を冷間圧延し、1.5mmまで冷間圧延し、420℃×2Hrの中間焼鈍後、1.0mmまでさらに冷間圧延して供試材とした。
この圧延板を切り出し、端面をフライスにより平滑にしたものを組み合わせて、図5に示す接合試験片を作製した。試験片の上板と中板には、表1に示す組成のアルミニウム合金板を用い、下板には純アルミニウム板(A1070)を用いた。上板と中板のアルミニウム合金板は同一組成である。これら例は、同一組成のアルミニウム合金材同士の接合である。この接合試験片の接合面には、フッ化物系の非腐食性フラックスを塗布した。図5(a)に示すように、下板に中板と上板を順次重ね、重ね合わせたものの上下に板厚1mmのステンレス板の治具を配するようにした。次いで、図5(b)に示すように、上下のステンレス板と側面に2本のステンレス線を架け渡して端部をそれぞれ縛り、下板、中板及び上板からなる試験片を固定して試料とした。なお、図5(a)に記載の数字は、部材の寸法(単位:mm)を表わす。
上記の試料を、窒素雰囲気中で所定の温度(580〜620℃)まで昇温しその温度に3分間保持した。
接合後の試験片を、図6(a)に示す観察断面が得られるように切断した。図6(b)に示すように、上板と中板は接合部1及び接合部2で接合されている。接合部1(2)の一部拡大図を6(c)に示す。上板と中板に接合界面が見られない部分が、接合されている部分であり、接合界面(図の横線)が見られる部分が、接合されていない未接合の部分である。接合率は、下記式(1)で定義される。
接合率(%)={(L1+L2)/2L0}×100 (1)
ここで、L1は接合部1において接合されている部分の長さ、L2は接合部2において接合されている部分の長さ、L0は接合部1と接合部2において、それぞれ接合されるべき長さである。
図6(d)に、試験片の天井部を示す。aは試験片の天井部の接合前の長さ、a1は試験片の天井部上側の接合後における湾曲長さ、a2は試験片の天井部下側の接合後における湾曲長さを表わす。下記式(2)で定義される変形率をもって、接合前に対する接合後の寸法変化とした。
変形率(%)={(a1+a2)/2a}×100 (2)
接合率が95%以上を◎、90%以上95%未満を○、25%以上90%未満を△、25%未満を×と判定した。また、変形率が3%以下を◎、3%を超え5%以下を○、5%を超え8%以下を△、8%を超えるものを×と判定した。
表3に結果及び所定の温度での平衡液相率も示した。なお、平衡液相率は、Thermo−Calcによる計算値である。
Figure 2012051028
本発明例22〜35はいずれも本発明で規定する条件を全て満たしており、接合率、変形率のいずれも合格であった。
比較例36では、Si成分が規定量に満たないため、液相が生成せず、接合が不十分であった。
比較例37では、Si成分は規定量を超えているため、生成する液相が過剰となり、被接合部材が形状を維持できず、大きく変形してしまった。
本発明により、接合前後の寸法あるいは形状の変化が殆ど無く、また、ろう材あるいは溶加材のような接合部材を使用することなく被接合部材同士が接合するアルミニウム合金板を用いた構造体とその接合方法が達成され、工業上顕著な効果を奏するものである。
a・・試験片の天井部の接合前の長さ
a1・・試験片の天井部上側の接合後における湾曲長さ
a2・・試験片の天井部下側の接合後における湾曲長さ

Claims (8)

  1. アルミニウム合金材を一方の被接合部材とし、他方の被接合部材としてアルミニウム合金材、純アルミニウム材及びアルミニウム以外の金属材のいずれかを用い、前記一方の被接合部材と前記他方の被接合部材とを接合部材を用いることなく接合した構造体において、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材が、Si:1.5質量%〜5.0質量%(以下質量%は単に%と記す。)を含有し、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金を連続鋳造法により製造したアルミニウム合金材であり、接合前と接合後の当該構造体の寸法および形状が略同一であることを特徴とする構造体。
  2. 請求項1に記載の構造体において、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の成分としてさらに、Zn:0.1%〜0.8%、Fe:0.1%〜2.0%、Mg:0.1%〜2.0%、Cu:0.1%〜1.5%、Mn:0.1%〜2.0、Ti:0.05%〜0.3%、V:0.05%〜0.3%、Cr:0.05%〜0.3%、Ni:0.1%〜2.0%のうち1種または2種以上を含むことを特徴とする構造体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の構造体において、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の成分としてさらに、Be:0.0001%〜0.1%、Sr:0.0001%〜0.1%、Bi:0.0001%〜0.1%、Na:0.0001%〜0.1%、Ca:0.0001%〜0.05%のうち1種または2種以上を含むことを特徴とする構造体。
  4. 請求項1〜請求項3に記載の構造体において、接合前の前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の分散粒子の円相当径が10μm以下であり、かつ平均円相当径が3μm以下であることを特徴とする構造体。
  5. 請求項1〜請求項4に記載の構造体において、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の接合後に長径3μm以上の球状の共晶組織が断面で10個/mm〜3000個/mm存在することを特徴とする構造体。
  6. 請求項1〜請求項5に記載の構造体の接合方法において、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の全質量に対する当該アルミニウム合金材内に生成する液相の質量の比が0%を超え35%以下となる温度で接合することを特徴とする構造体の接合方法。
  7. 請求項6に記載の構造体の接合方法において、前記一方の被接合部材であるアルミニウム合金材の固相線温度と液相線温度の差が10℃以上であることを特徴とする構造体の接合方法。
  8. 請求項6または請求項7に記載の構造体の接合方法において、接合前に対する接合後の寸法変化が5%以下であることを特徴とする構造体の接合方法。


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