JP2012050477A - シリコーンを塗布した縫合針とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シリコーンの塗布(乾燥時間を含む)に要する時間を短縮することができるシリコーンを塗布した縫合針と、その製造方法を提供する。
【解決手段】 所定の断面形状を有する胴部15と、該胴部15に続き、鋭利に尖った針先13に向かって徐々に細くなるテーパ部14とを有する縫合針10を複数本平面上に支持し、支持された縫合針10の一方側から前記テーパ部14に液状のシリコーンを噴霧してテーパ部14の他方側までシリコーンを塗布し、室温で乾燥する。こうした塗布を複数回したのち、シリコーンを加熱乾燥させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 所定の断面形状を有する胴部15と、該胴部15に続き、鋭利に尖った針先13に向かって徐々に細くなるテーパ部14とを有する縫合針10を複数本平面上に支持し、支持された縫合針10の一方側から前記テーパ部14に液状のシリコーンを噴霧してテーパ部14の他方側までシリコーンを塗布し、室温で乾燥する。こうした塗布を複数回したのち、シリコーンを加熱乾燥させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は外科手術に使用する縫合針に関し、特に、縫合針にシリコーンを塗布した縫合針とそれを製造する方法とに関する。
医療用縫合針は、その用途に応じて多様な種類がある。その中で代表的なものとして、角針、丸針が挙げられる。角針は、一般的に皮膚、筋肉等の硬組織の縫合に用いられ、鋭利に尖らせた先端と多角錘状のテーパ部と、その基端側に形成され所定の断面形状を有する胴部と、を有し、テーパ部における所定の稜線がそれぞれ切刃となって組織を切り開いていくものである。胴部の断面形状は、三角形、四角形、等の多角形の他、円形や長円形状のものがある。
丸針は、先端と、円錐状のテーパ部と、その基端側に形成され所定の断面形状を有する胴部と、を有する。円錐状のテーパ部や胴部の断面形状は、円形が普通であるが、ほぼ平行な2平面を有する長円形状や、4平面を有するものや、鼓形状のものもある。ただし、角針のように稜線を鋭くして切刃として使用することはない。
丸針は、針先端で組織に穿孔した後、テーパ部でこの穴を拡大していくが、角針のように切刃が無いので、組織をみだりに切断することがない。そのため、穿孔部の生体組織が糸の表面に密着し、縫合部から体液などが漏洩することを防止できる。このような特性から、丸針は、主として血管や、軟組織の縫合に用いられている。
医療用縫合針は、通常、次のようにして製造される。まず、所定の太さの線材を所定の長さに切断する。次に、この素材の一端に、縫合糸との係合部を形成する。この係合部としては、たとえば、軸方向に穿設された止まり穴や、弾機孔などがある。次いで、角針の場合は素材を所定の断面形状にプレス加工し胴部を形成した後、研削加工により切刃を形成し、テーパ部および先端を形成する。丸針の場合は、先端部分を砥石等により研削し、テーパ部および先端を形成する。そして、粗いバフ研磨や、細かい砥石等による研削を行った後、細かいバフ研磨や電解研磨等により研削条を取り去って鏡面に仕上げ、所定の形状に曲げ、熱処理、表面処理をして完成する。
ところで、針の切れ味、すなわち刺通抵抗の低減については、ユーザからの要求レベルが非常に高くなってきている。三角縫合針など、角錐型のテーパ部における切刃(エッジ)が組織を切り開きながら進む角針であっても、生体組織と針の表面との摩擦抵抗が大きくなる場合は刺通抵抗を増加させる原因になる為、刺通抵抗を可及的に低減させるための研究が日々行われている。そして、切刃の無い丸針は、特に刺通抵抗を低減させることが難しい。
この問題に対し、従来は、針の表面を鏡面に仕上げることで刺通抵抗を下げるようにしてきた。すなわち、上記の製造工程における、仕上げの表面処理として、バフ研磨仕上法、電解研磨仕上法、化学研磨仕上法などを行うことにより鏡面を得るようにしていた。
バフ研磨仕上げは、細かな砥粒を付けた木綿布、フェルトなどを回転させて被研磨材に当て、砥粒で研磨仕上げをするもので、針先端部や胴部を鏡面状に仕上げることができる。
電解研磨仕上法は、電解液中に縫合針を浸漬して、電気を通して電解させ、その表面を溶解させるものである。化学研磨仕上法は、電解研磨仕上法とは異なって、電流を強制的に流さずに酸によって針の表面を溶解するようにした方法である。この場合でも仕上げ研磨された表面は鏡面状となっている。
しかし、上記の仕上げ方法では、肉眼で見る限りは平滑な鏡面であるが、顕微鏡的に視ると、鏡面ではない。たとえば、バフ仕上げの場合は、砥粒による多数の筋状の凹凸がある。
また、電解研磨の場合でも、顕微鏡的に視ると、電解時に発生するガスが表面に付着することによって浅いクレータ状の凹凸ができているのが確認できる。化学研磨の場合には、電解研磨と同じガスによるクレータ状の凹凸の他に、材料の結晶粒ごとの研磨され易い結晶粒と、そうでない結晶粒とによっても針の表面に浅い凹凸が形成されている。
このように、鏡面仕上げだけでは、刺通抵抗を低減させるには限度がある。これに対し、テーパ部にシリコーンをコーティングすることも行われている。
特許文献1には、アミノアルキルシロキサン及びそれと共重合し得る少なくとも一種のその他のシロキサンを含むシリコーン処理材料を使用することで、通常のシリコーンコーティングより刺通抵抗を低減できることが記載されている。
特許文献2には、丸針の先端のテーパ部の一部に軸方向に沿って凹凸条面を形成し、その上からシリコーンをコーティングした縫合針を提案している。凹凸条面により縫合針と生体組織との間に、微細な隙間ができ、生体組織との接触面積が減少することで刺通抵抗を下げることができる。
特許文献3には、縫合針を形成する金属との密着力の高いシリコーンを適当な間隔を開けた縞状又は斑状に塗布し、縫合針の表面に凹凸を形成し、その上から潤滑性の高いシリコーンを塗布したものを提案している。縞状又は斑状に塗布されたシリコーンが生体組織と接触することで、接触面積を減らし、刺通抵抗を下げることができる。
従来のシリコーンの塗布方法は、シリコーン液に縫合針を浸漬する方法であり、縫合針全体にシリコーンを塗布している。しかし、縫合針全体に塗布する必要はないので、シリコーンの無駄が多かった。また、縫合針の刺通抵抗は、一般に、刺通回数が増えるに従って、増加する傾向があり、刺通回数が増えても刺通抵抗の増加が少ない縫合針の出現が望まれていた。
本発明は、斯かる実情に鑑み、刺通回数が増えても刺通抵抗の増加が少なく、シリコーンの使用量を減らすことができるシリコーンを塗布した縫合針とその製造方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明のシリコーンを塗布した縫合針は、所定の断面形状を有する胴部と、該胴部に続き、先端に向かって徐々に細くなるテーパ部と、を有する縫合針であって、該縫合針が、該縫合針の一方の側面側から液状のシリコーンを噴霧されてテーパ部の他方の側面側までシリコーンを塗布され、少なくとも前記胴部の一部にシリコーンが付着しない部分を有することを特徴としている。
前記縫合針の先端にシリコーンが塗布されている構成としたり、前記シリコーンが付着しない部分が、前記胴部の前記テーパ部に隣接する部分を含む構成としたりすることができる。
前記縫合針の先端にシリコーンが塗布されている構成としたり、前記シリコーンが付着しない部分が、前記胴部の前記テーパ部に隣接する部分を含む構成としたりすることができる。
上記の目的を達成するために本発明のシリコーンを塗布した縫合針の製造方法は、所定の断面形状を有する胴部と、該胴部に続き、先端に向かって徐々に細くなるテーパ部と、を有する縫合針を支持する工程と、支持された縫合針の一方側から液状のシリコーンを噴霧して前記テーパ部の他方側までシリコーンを塗布する工程と、を有することを特徴としている。
前記縫合針を支持する工程が、縫合針を平坦な載置面上に載置して縫合針を前記胴部で支持する工程であり、前記テーパ部の前記胴部より細い部分が前記載置面から浮くように支持する工程である構成としたり、前記液状のシリコーンを噴霧して塗布する工程が複数回行われ、各噴霧工程の後で前記シリコーンを加熱乾燥する工程が行われる構成としたり、最後の噴霧の後にのみ前記シリコーンを加熱乾燥する工程が行われる構成としたり、することができる。
従来の噴霧塗布では、縫合針の一方の側面側からシリコーンを塗布し、次に他方の側面側からシリコーンを塗布していた。また、塗布対象としては、縫合針の全長が対象となっていた。これに対し、本発明によれば、縫合針の片側からシリコーンを噴霧して塗布し、かつ、縫合針の全長には塗布する必要がないので、塗布時間を短縮し、シリコーンの無駄を減らすことができる。また、切味に影響を及ぼす先端部分の全周にはしっかりとシリコーンが塗布され、刺通回数が増えても、刺通抵抗の増加を抑えることができる、という優れた効果を奏する。
特に、アイレス縫合針の場合は、縫合糸用に縫合針の基端面から軸に沿って開けた止まり穴の内にシリコーンが入ると、縫合糸の固定力が低下する。そのため、従来は止まり穴に水を入れてシリコーンの進入を防止していた。しかし、細く小さい縫合針の場合、止まり穴の中に水が入りにくく、シリコーンの進入防止が困難であった。これに対し、本発明では、縫合針の必要な部分のみにシリコーンを塗布することができ、簡単に、止まり穴を避けてシリコーンを噴霧塗布することができる、という効果もある。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の縫合針の斜視図である。この縫合針10は、アイレス縫合針で、従来から公知の方法により製造されたものである。
図1は、本発明の縫合針の斜視図である。この縫合針10は、アイレス縫合針で、従来から公知の方法により製造されたものである。
図1に示すように、縫合針10は基端部11の一方の端部には基端面11aがあり、この基端面11aにレーザー加工法、電子ビーム加工法、放電加工法、ドリリング等の加工法によって止まり穴12が形成されている。また縫合針10の先端には鋭利な針先13が形成されており、この針先13から徐々に径が太くなるテーパ部14が形成されている。
テーパ部14の基端部11側は、基端部11と同じ外径の胴部15となっている。基端部11がほぼ直線状であるのに対し、胴部15は湾曲している点で相違している。また、基端部11は断面形状が円であるが、胴部15の断面形状は円とは限らず、ほぼ平行な2平面を有する長円形状や、4平面を有するものや、鼓形状のものもある。
本発明の縫合針としては、図1に示すようなアイレス縫合針に限定されず、アイド縫合針でもよいし、丸針にも限定されず、三角針などの角針でもよい。また、先端を鈍に構成したものでも良い。
縫合糸20としては、太さ、材質(ナイロン、シルク等)、モノフィラメントかマルチフィラメントか、等の構造等、多数の異なる種類のものが提供されている。そして縫合すべき生体組織及び縫合部位に応じて適切な種類の縫合糸を選択して用いている。縫合糸20は、その先端が基端部の止まり穴12に挿入され、プレス機などで止まり穴12を潰してかしめることによって縫合針10の基端部に固定される。縫合針10は、縫合に必要な長さの糸が最初から固定され、アイド針のように糸を孔に挿通する手間が不要であるという利点を有する。
図2は、図1に示す縫合針10を複数個、載置台21上に並べて載置した状態を示す。このように載置台21上に縫合針10を並べて、載置台21の上方からシリコーン溶液を噴霧する。
図3は、図2のA、B、C断面の状態を示す図である。図2のAは縫合針10の先端近傍の断面で、図2のBはテーパ部14の途中における断面である。縫合針10は、図3(c)に示すように、基端部11と胴部15とで、載置台21の上面、すなわち、載置面21aに支持されているので、これらに比べて径が細いテーパ部は、図3(a)、(b)のように、各断面は空中に浮いた状態になっている。
図4は、シリコーン液を噴霧した状態を示す図で、(a)は図3の(a)又は(b)における噴霧状態を示す。(b)は、図3(c)における噴霧状態を示す図である。
図4(a)に示すように、縫合針10の断面の直径が基端部11よりも細いところでは、縫合針10が載置台21の載置面21aから離れた空間に浮かんでいる。一方、噴霧されたシリコーンは、小さな粒子30となって縫合針の近くに浮かんでいる。シリコーンの粒子30のあるものはゆっくりと載置面21aに向かって降下し、あるものはやや早く降下し、あるものは昇降しながら空中を漂っている。そして、縫合針10のテーパ部14や胴部15や基端部11等に近づいた粒子30は、その部分に付着し、シリコーン層31を形成していく。
テーパ部14の基端部11よりも細い部分は、図4(a)に示すように載置面21aとの間に隙間があるので、シリコーンの粒子30は、縫合針10の上面と両側面は勿論、下面にも付着し、結局、縫合針10の全周に渡ってしっかりとシリコーン層31が形成される。
一方、図4(b)に示すように、胴部15や基端部11は、下側が載置面21aに接触しているので、上側と両側面にはシリコーンの粒子30が付着するが、下側にはシリコーンが付着しない。
このような噴霧によるシリコーン液の塗布方法は、シリコーンの粒子30が小さく、均等に付着するので、室温でも短時間で乾燥する。
乾燥したら、その上から再度シリコーンを同様に噴霧して塗布し、室温で乾燥させる。これを繰り返し、複数層(ここでは4層)のシリコーン層31が形成されたら、180℃に加熱し、8時間掛けて乾燥する。この加熱乾燥が完了すれば、縫合針10は完成となる。完成した縫合針10は、胴部15の載置面21aと接触していた線接触部分を中心にして両側にシリコーンが塗布されていない部分を有する。このシリコーンが塗布されていない部分は、胴部15のテーパ部14に隣接する部分から始まり、胴部15のシリコーンが塗布された範囲全体に及んでいる。
本発明では、噴霧による塗布なので、乾燥が早いため、最後の噴霧塗装がされた後、1回だけ加熱乾燥すればよく、従来塗装ごとに行っていた加熱乾燥を短時間の室温乾燥に置き換えることができる。したがって、加熱乾燥に要する時間を大幅に短縮することができる。さらに、乾燥が早いため、シリコーンの濃度を浸漬塗布による場合よりも濃くすることができ、膜厚が厚いシリコーンを均一に塗布することができる。浸漬による場合、シリコーンの濃度が1%以上となる場合は乾燥時間が掛かるため採用することは好ましくないが、噴霧による場合は、1%以上の濃度を採用することが好ましい。
図5は、本発明のシリコーンを塗布した縫合針の製造装置の構成を示す図である。製造装置は、搬送装置としてのベルトコンベア35と、ベルトコンベア35の搬送経路の途中に設けられたシリコーンの噴霧装置としてのノズル36と、ベルトコンベア35に搬送される載置台21と、ベルトコンベア35の端部に設けられた乾燥炉37とから構成される。
載置台21の載置面21aには、図2に示すように多数の縫合針10が載置されている。載置台21が搬送されて、ノズル36の下に達すると、ノズルからシリコーンが噴霧され、塗布される。塗布されたシリコーンは、載置台21がベルトコンベア35で移動して次のノズル36に達するまでに室温で乾燥し、次のノズル36により噴霧による塗布が行われる。このように、噴霧→乾燥→噴霧→乾燥を繰り返し、4回の塗布がされ、ベルトコンベア35の最終端で、乾燥炉37に送り込まれ、180℃、8時間の加熱乾燥がおこなわれることになる。なお、乾燥炉37は、ベルトコンベア35の端部に設けることに限定されるものではなく、ベルトコンベア35から離れた場所に設置されていてもよい。
本発明の実施例では、噴霧によるシリコーンの塗布を4回行っているが、回数は、特に制限されない。ただし、1回ではシリコーン膜の厚さが薄いので、複数回繰り返すことが望ましい。
なお、本発明では、縫合針10のテーパ部14にのみシリコーンを塗布すればよいので、縫合針の全長に渡るなど、広範囲にシリコーンを噴霧する必要はない。また、テーパ部14であっても、径が胴部15に近いところでは、全周にシリコーンが塗布されていない可能性がある。しかし、縫合針10の刺通抵抗は、本実施例のように丸針の場合、縫合針10の先端と、先端からやや進入した位置でピークになるので、先端からテーパ部14の長さの1/2程度までの部分が全周にシリコーンが塗布されていればよい。角針の場合でも、テーパ部14の最大径の位置付近でピークとなる。したがって、胴部15や基端部11には全くシリコーンが塗布されていなくても、刺通抵抗が上がることはない。
また、上記の実施例は、断面形状が丸い丸針について説明してきたが、三角針などの角形縫合針でも同様の効果を得ることができる。すなわち、三角針の場合、先端の尖った針先から、テーパ状の三角錐が形成され、胴部に達する形状となっている。そこで、三角錐の部分に噴霧によるシリコーンの塗布を行えばよい。角形縫合針でも、浸漬によるコーティングを行った場合、先端を含むエッジ付近のコーティングは薄くなってしまうため、噴霧による塗布は効果的である。
図6は、刺通回数に対する縫合針の刺通抵抗の変化を示すグラフである。本発明から比較例3まで全て丸針で外径0.24mmの縫合針である。被刺通材は人造皮革ポールベアの厚さ0.45mmを使用して測定し、5本の平均値を記載した。刺通抵抗の単位はN(ニュートン)で、シリコーンの塗布方法は、以下の通りである。
〔本発明〕上記の実施例のように、載置台21上に縫合針を載置し、上方からスプレーにより2.0%濃度のシリコーンを噴霧して塗装し、常温で短時間乾燥した。塗装場所は、縫合針の先端を含むテーパ部の全体と、一方の側面側である。塗装回数は4回で、最後の噴霧塗装の後180℃に加熱し、8時間掛けて加熱乾燥した。
〔比較例1〕噴霧塗装に代えて、0.8%濃度のシリコーン液に縫合針全体を浸漬することで塗装した。塗装回数は4回である。各浸漬の後、180℃で8時間ずつ4回加熱乾燥した。
〔比較例2〕噴霧塗装に代えて、0.8%濃度のシリコーン液に縫合針全体を浸漬することで塗装した。塗装回数は4回で、各浸漬の後、180℃で1時間ずつ3回加熱乾燥し、最後の浸漬塗装の後180℃で8時間掛けて加熱乾燥した。
〔比較例3〕他社の市販品で、シリコーンの塗布条件は不明であった。
〔比較例3〕他社の市販品で、シリコーンの塗布条件は不明であった。
図6のグラフを見ると、比較例2と比較例3は、刺通回数が増加するのに伴い、刺通抵抗が増加している。しかし、本発明と比較例1とは刺通回数が増加しても刺通抵抗が上昇しないことが分かる。本発明と比較例1は、ともに塗装回数は4回であるが、本発明では片側からの噴霧塗装であるのに対し、比較例1は浸漬塗装である。以上から、本発明によれば、従来のものより短時間で同じ性能のものを製造することができる、という格別の効果を奏することが分かる。また、本発明のものは噴霧塗装なので、シリコーンの量も少なくなり、無駄が少なくなる。さらに、本発明のものは噴霧塗装であり濃度を濃くしているため膜厚の厚いシリコーンが塗布でき、よって刺通回数が増加しても刺通抵抗が上昇しない、という結果が得られたと考えられる。
表1、表2は、別の実験例として、針の外径を0.14mm、0.18mm、0.24mm(以上は表1)、0.28mm、0.33mm、0.38mm(以上は表2)と変えていき、噴霧塗装と浸漬塗装とで、切味や切味耐久性がどのように変化するかについて、比較・検討した実験結果を示す表である。
被刺通材は、外径0.28mm以下のものでは厚さ0.45mmのポールベアを使用し、外径0.33mm以上のものでは厚さ1.10mmのポールベアを使用した。
〔本発明〕
上記の実施例のように、載置台21上に縫合針を載置し、上方からスプレーにより2.0%濃度のシリコーンを噴霧して塗装した。塗装場所は、先端を含むテーパ部の全体と、胴部の途中までである。塗装回数は4回である。1回目と3回目の噴霧の後、180℃で4時間加熱乾燥し、2回目と4回目の噴霧の後、180℃で8時間加熱乾燥した。各外径で、1刺通目〜10刺通目までの各刺通抵抗(5本の平均値)を測定した。刺通抵抗の単位はN(ニュートン)である。
上記の実施例のように、載置台21上に縫合針を載置し、上方からスプレーにより2.0%濃度のシリコーンを噴霧して塗装した。塗装場所は、先端を含むテーパ部の全体と、胴部の途中までである。塗装回数は4回である。1回目と3回目の噴霧の後、180℃で4時間加熱乾燥し、2回目と4回目の噴霧の後、180℃で8時間加熱乾燥した。各外径で、1刺通目〜10刺通目までの各刺通抵抗(5本の平均値)を測定した。刺通抵抗の単位はN(ニュートン)である。
〔比較例〕
比較例として、0.8%濃度のシリコーン液に縫合針を浸漬することで塗装した。塗装回数は4回である。1回目と3回目の浸漬の後、180℃で1時間加熱乾燥し、2回目と4回目の後、180℃で8時間加熱乾燥した。各外径で、1刺通目〜10刺通目までの各刺通抵抗(5本の平均値)を測定した。
比較例として、0.8%濃度のシリコーン液に縫合針を浸漬することで塗装した。塗装回数は4回である。1回目と3回目の浸漬の後、180℃で1時間加熱乾燥し、2回目と4回目の後、180℃で8時間加熱乾燥した。各外径で、1刺通目〜10刺通目までの各刺通抵抗(5本の平均値)を測定した。
実験の結果、外径0.14mmから0.38mmのものすべてにおいて、本発明のスプレー式の方が、1刺通目から10刺通目までの刺通抵抗の平均値が小さいことがわかった。浸漬式の刺通抵抗の平均値をスプレー式の刺通抵抗の平均値で割った値を求め切味を比較したところ、外径が0.14mmのものでは2.0を越えており、特に顕著に優位性が現れることがわかった。実験結果により、本発明は、特に細径の縫合針に適用した場合に、格別の効果を奏することがわかった。
また、スプレー式と浸漬式の双方について、それぞれ、10刺通目の刺通抵抗を、1刺通目刺通抵抗で割った値(「刺通抵抗増加率」という)を求めたところ、外径0.14mmから0.38mmのものすべてにおいて、スプレー式の方の値が低くなった。これは、10回刺通しても、刺通抵抗の増加が小さく切味耐久性が良いということで、図6の結果を裏付けるものとなった。
さらに、浸漬式の刺通抵抗増加率をスプレー式の刺通抵抗増加率で割った値を求め切味耐久性を比較したところ、外径0.14mmと、0.18mmでは2.0を越えていた。すなわち、本発明は、特に細径の縫合針で、効果が大きいことが分かった。
上記実験をまとめると、切味と切味耐久性の両方において、本発明のスプレー式で行った方が有利な結果が得られることがわかった。また、特に細径の縫合針において効果が高いことが認められ、前記したとおり、細径の縫合針は止まり穴の中にシリコーンが進入することを防止するための水が入りにくいということも鑑みると、細径の縫合針については本発明のスプレー式を採用することが最適ということがわかった。また特に外径が0.28mm以下の縫合針では、従来の浸漬式の場合と切味耐久性を比較すると1.59倍以上良いという結果となっており、特に好ましく適用できることがわかった。
10 縫合針
11 基端部
11a 基端面
12 止まり穴
13 針先
14 テーパ部
15 胴部
20 縫合糸
21 載置台
21a 載置面
30 シリコーンの粒子
31 シリコーン層
35 ベルトコンベア(搬送装置)
36 ノズル(噴霧装置)
37 乾燥炉
11 基端部
11a 基端面
12 止まり穴
13 針先
14 テーパ部
15 胴部
20 縫合糸
21 載置台
21a 載置面
30 シリコーンの粒子
31 シリコーン層
35 ベルトコンベア(搬送装置)
36 ノズル(噴霧装置)
37 乾燥炉
Claims (3)
- 所定の断面形状を有する胴部と、該胴部に続き、先端に向かって徐々に細くなるテーパ部と、を有する縫合針であって、
該縫合針が、該縫合針の一方の側面側から液状のシリコーンを噴霧されて前記テーパ部の他方の側面側までシリコーンを塗布され、少なくとも前記胴部の一部にシリコーンが付着しない部分を有することを特徴とするシリコーンを塗布した縫合針。 - 前記縫合針の先端にシリコーンが塗布されていることを特徴とする、請求項1に記載のシリコーンを塗布した縫合針。
- 所定の断面形状を有する胴部と、該胴部に続き、先端に向かって徐々に細くなるテーパ部と、を有する縫合針を支持する工程と、支持された縫合針の一方の側面側から液状のシリコーンを噴霧して前記テーパ部の他方の側面側までシリコーンを塗布する工程と、を有することを特徴とするシリコーンを塗布した縫合針の製造方法。
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