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JP2012044831A - コイル固定用絶縁樹脂シート、コイル固定用絶縁樹脂シートを用いたモータ用ステータおよびモータ用ステータの製造方法 - Google Patents

コイル固定用絶縁樹脂シート、コイル固定用絶縁樹脂シートを用いたモータ用ステータおよびモータ用ステータの製造方法 Download PDF

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JP2012044831A JP2010186028A JP2010186028A JP2012044831A JP 2012044831 A JP2012044831 A JP 2012044831A JP 2010186028 A JP2010186028 A JP 2010186028A JP 2010186028 A JP2010186028 A JP 2010186028A JP 2012044831 A JP2012044831 A JP 2012044831A
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Abstract

【課題】従来に比べ、絶縁シートの膜厚を薄くしてモータのステータコアにおけるスロット内のコイル導体の占積率を向上させ、且つ、スロット内のコイル導体の固定性を向上させたコイル固定用絶縁樹脂シートを提供する。
【解決手段】コイル固定用絶縁樹脂シート100aは、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂22と比誘電率が2以下の低誘電フィラー24とを有するコイル接合用樹脂層20aと、アミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂32と膨張フィラー34とを有するステータコア接合用樹脂層30aと、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、コイル固定用絶縁樹脂シート、コイル固定用絶縁樹脂シートを用いたモータ用ステータおよびモータ用ステータの製造方法に関する。
モータ用のステータにおけるステータコアにはスロットが形成され、このスロット内には複数本のコイル導体を収容される。その際に、スロット内周面と複数のコイル導体との間には絶縁層を形成する必要がある。この絶縁層をスロット内に設ける方法として、樹脂含浸法と絶縁シートを用いる方法とが挙げられる。
絶縁シートを用いる方法として、例えば、特許文献1には、絶縁フィルム基材の両表面に半硬化状態の熱硬化性樹脂を積層した絶縁シートを用い、この絶縁シートで複数本のコイル導体を包み込み、これをスロット内に収納することによってモータ用ステータを製造することが記載されている。
また、特許文献2には、絶縁性のシート状成形体として、特定の粒径、粒子密度および粒度勾配を有し、且つ特定の元素を所定量以下含有する微小中空ガラス球状体からなるフィラーが樹脂中に配合されたシートが記載され、特許文献3には、絶縁性シートとして、紫外線硬化型樹脂組成物に、有機性および無機系の中空体微粒子からなる紫外線透過性充填剤が配合されたシートが記載されている。
また、特許文献4には、素線コイルの列間に残存する空隙を無くすために、素線コイルの列の間に、剛性を有する絶縁シートを挟んで両側に膨張剤層を貼り付けた膨張剤貼り合わせ絶縁シートを挿入することが記載されている。
特開2009−33889号公報 特開2002−100238号公報 特開2002−249669号公報 特開平6−225489号公報
絶縁シートとして、例えばエポキシ樹脂組成物からなる樹脂シート(「エポキシプリプレグシート」ともいう)を用いた場合、エポキシ樹脂組成物は、一般的に比誘電率が高いため(例えば、エポキシ樹脂組成物の比誘電率は約3.5)、シートの単位厚みにおける部分放電開始電圧が低くなる。そのため、高電圧のモータにおいて、ステータコアに複数本のコイル導体を収容する際に用いる絶縁シートとしてエポキシ樹脂組成物からなる樹脂シートを用いる場合、樹脂シートの膜厚を厚く設計しなければならず、その結果、スロット内におけるコイル導体の占積率が低くなってしまう。
また、コイル導体の外周面には、一般に、絶縁皮膜が形成され、この絶縁皮膜をコイル皮膜ともいう。ここで、例えば、エポキシ樹脂組成物からなる樹脂シートの場合、エポキシ樹脂組成物の官能基の一つである水酸基(−OH基)によって、樹脂シートがコイル皮膜に強固に接着するため、モータの使用および停止に伴うコイル導体の熱膨張および冷却
収縮により、コイル皮膜が繰り返し引っ張られて皮膜に亀裂が生じるおそれがある。
また、絶縁シートが樹脂組成物のみからなる場合、樹脂シートをスロット内周面に配置し、複数本のコイル導体を挿入した後、必要に応じて加熱して硬化させた時に、予め樹脂シートとスロット内周面にあった空隙は、樹脂シートの硬化後も存在してしまう場合はある。かかる場合、スロット内のコイル導体の固定が不十分になりやすく、熱伝導性も低くなり、また絶縁性が低下するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、従来に比べ、絶縁シートの膜厚を薄くしてモータのステータコアにおけるスロット内のコイル導体の占積率を向上させ、また、コイル導体の熱膨張および冷却収縮などの熱衝撃に対してコイル皮膜の損傷を抑制し、また、スロット内のコイル導体の固定性を向上させ、絶縁性も向上させたコイル固定用絶縁樹脂シート、コイル固定用絶縁樹脂シートを用いたモータ用ステータおよびモータ用ステータの製造方法を提供する。
上記目的を達成するために、本発明のコイル固定用絶縁樹脂シート、コイル固定用絶縁樹脂シートを用いたモータ用ステータおよびモータ用ステータの製造方法は以下の特徴を有する。
(1)イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と比誘電率が2以下の低誘電フィラーとを有するコイル接合用樹脂層と、アミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂と膨張フィラーとを有するステータコア接合用樹脂層と、を有するコイル固定用絶縁樹脂シートである。
従来のエポキシ樹脂組成物に比べ、比誘電率の低いイミド変性不飽和ポリエステル樹脂およびアミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂を用いるため、コイル接合用樹脂層およびステータコア接合用樹脂層のそれぞれの層の単位厚みでの部分放電開始電圧が、エポキシ樹脂組成物を用いた樹脂シートに比べ高くなる。その結果、コイル固定用絶縁樹脂シートの総膜厚を薄くすることができ、従来に比べ、モータのステータコアにおけるスロット内のコイル導体の占積率が向上する。また、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂およびアミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂は、従来のエポキシ樹脂組成物に比べ、接着性の高い官能基(例えば水酸基)が少ないため、コイル皮膜との適度な接合状態を保持し、コイル導体の熱膨張および冷却収縮などの熱衝撃に対してコイル皮膜の亀裂が抑制される。ここで、「コイル皮膜」とは、コイル導体の外周面に設けられた絶縁皮膜を意味し、亀裂が生じる可能性のあるコイル皮膜は、後述する複数のコイル導体間が絶縁されて形成されたコイル導体群の外周に存在するコイル皮膜を指す。また、ステータコア接合用樹脂層に含まれた膨張フィラーが、熱等により膨張することにより、コイル導体群の外周面とコイル固定用絶縁樹脂シートとの間およびスロットの内壁面とコイル固定用絶縁樹脂シートとの間が隙間無く固着させるので、スロット内のコイル導体の固定性が向上し、絶縁性も向上する。
(2)上記(1)に記載のコイル固定用絶縁樹脂シートにおいて、前記コイル接合用樹脂層は、さらに膨張フィラーを含むコイル固定用絶縁樹脂シートである。
さらに、コイル接合用樹脂層に膨張フィラーが含まれるので、ステータコア接合用樹脂層に含まれる膨張フィラーとともに、熱等により膨張し、これにより、コイル導体群の外周面とコイル固定用絶縁樹脂シートとの間およびスロットの内壁面とコイル固定用絶縁樹脂シートとの間が隙間無く固着させることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載のコイル固定用絶縁樹脂シートにおいて、前記コイル接合用樹脂層と前記ステータコア接合用樹脂層との間に、耐熱フィルムが設けられて
いるコイル固定用絶縁樹脂シートである。
耐熱フィルムを前記コイル接合用樹脂層と前記ステータコア接合用樹脂層との間に設けることにより、コイル固定用絶縁樹脂シートの剛性が担保される。
(4)ステータコアにおけるスロット内に、複数のコイル導体間が絶縁されて形成されたコイル導体群を収容してなるモータ用ステータであって、複数のスロットが設けられたステータコアと、スロット内に収容されるコイル導体群と、コイル導体群の外周面を覆うコイル固定用絶縁樹脂シートと、を有し、前記コイル固定用絶縁樹脂シートは、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載のコイル固定用絶縁樹脂シートであって、コイル導体群の外周面と前記コイル接合用樹脂層が接し、スロットの内壁と前記ステータコア接合用樹脂層とが接するように配置されるコイル固定用絶縁樹脂シートを用いたモータ用ステータである。
上記モータ用ステータは、ステータコアのスロット内におけるコイル導体の占積率が高く、またコイル導体群がスロット内に密着して固定されているので、同じ大きさの従来のステータをモータに装着した場合に比べ、高出力が得られる。
(5)イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と比誘電率が2以下の低誘電フィラーと膨張フィラーとを有するコイル接合用樹脂層と、アミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂を有するステータコア接合用樹脂層と、を有するコイル固定用絶縁樹脂シートである。
(6)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載のコイル固定用絶縁樹脂シートのコイル接合用樹脂層が、複数のコイル導体間が絶縁されて形成されたコイル導体群の外周面に接するように、前記コイル固定用絶縁樹脂シートをコイル導体群の外周に巻き付け、コイル仮組体を形成し、前記コイル仮組体をステータコアのスロット内に挿入し、加熱してコイル固定用絶縁樹脂シートを膨張および硬化させ、コイル導体群の外周面と前記コイル固定用絶縁樹脂シートとの間およびスロットの内壁面と前記コイル固定用絶縁樹脂シートとの間を固着させるモータ用ステータの製造方法である。
予め、複数のコイル導体間が絶縁されて形成されたコイル導体群の外周にコイル固定用絶縁樹脂シートを巻き付けてコイル仮組体を形成しているので、スロット内に挿入し易く、組み立て効率が向上する。
(7)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載のコイル固定用絶縁樹脂シートのコイル接合用樹脂層が、複数のコイル導体間が絶縁されて形成されたコイル導体群の外周面に接するように、前記コイル固定用絶縁樹脂シートにコイル導体群を嵌め込み、コイル仮組体を形成し、前記コイル仮組体をステータコアのスロット内に挿入し、加熱してコイル固定用絶縁樹脂シートを膨張および硬化させ、コイル導体群の外周面と前記コイル固定用絶縁樹脂シートとの間およびスロットの内壁面と前記コイル固定用絶縁樹脂シートとの間を固着させるモータ用ステータの製造方法である。
上述のコイル導体群の外周にコイル固定用絶縁樹脂シートを巻き付けてコイル仮組体を形成する場合に比べ、コイル固定用絶縁樹脂シートにコイル導体群を嵌め込むだけであり、より組み立て効率が向上する。
(8)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載のコイル固定用絶縁樹脂シートのステータコア接合用樹脂層が、ステータコアのスロットの内壁面に接するように、予め前記コイル固定用絶縁樹脂シートをスロット形状に折り曲げ成形して、スロット内に挿入し、複数のコイル導体間が絶縁されて形成されたコイル導体群を、前記コイル固定用絶縁樹脂
シートのコイル接合用樹脂層に接するように挿入し、加熱してコイル固定用絶縁樹脂シートを膨張および硬化させ、コイル導体群の外周面と前記コイル固定用絶縁樹脂シートとの間およびスロットの内壁面と前記コイル固定用絶縁樹脂シートとの間を固着させるモータ用ステータの製造方法である。
予め、コイル固定用絶縁樹脂シートをスロット形状に折り曲げ成形して、スロット内に挿入するので、コイル固定用絶縁樹脂シートはスロット内に確実に位置決めされる。さらに、挿入されたコイル固定用絶縁樹脂シートをガイドにコイル導体群を挿入するので、コイル導体群の挿入時点で、スロットの内壁面とコイル固定用絶縁樹脂シートとの間およびコイル導体群の外周面とコイル固定用絶縁樹脂シートとの間の空隙が大幅に低減する。
本発明によれば、従来に比べ、絶縁シートの膜厚を薄くしてモータのステータコアにおけるスロット内のコイル導体の占積率を向上させ、また、コイル導体の熱膨張および冷却収縮などの熱衝撃に対してコイル皮膜の損傷が抑制され、また、スロット内のコイル導体の固定性が向上する。
モータのステータコアの一例を示す一部斜視図である。 本発明におけるコイル固定用絶縁樹脂シートの一例を示す部分断面図である。 本発明におけるコイル固定用絶縁樹脂シートの他の一例を示す部分断面図である。 本発明におけるコイル固定用絶縁樹脂シートの他の一例を示す部分断面図である。 本発明におけるコイル固定用絶縁樹脂シートの他の一例を示す部分断面図である。 本発明におけるコイル固定用絶縁樹脂シートの他の一例を示す部分断面図である。 本発明におけるコイル固定用絶縁樹脂シートの他の一例を示す部分断面図である。 本発明におけるモータ用ステータの構造の一例を示す部分断面図である。 本発明におけるモータ用ステータの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明におけるモータ用ステータの製造方法の他の一例を示す工程図である。 本発明におけるモータ用ステータの製造方法の他の一例を示す工程図である。 本発明におけるコイル固定用絶縁樹脂シートのスロット装着形態の他の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
[コイル固定用絶縁樹脂シート]
図1には、ステータコアの端面10Aから見たティースに、後述する複数コイル導線が充填されていない状態のモータのステータコアの一例を示す一部斜視図が示されている。図1に示すように、ステータコア10には、ティース1〜6と、各ティース1〜6との間に設けられたスロット11〜18とを有し、ティース1〜6にはそれぞれ複数のコイル導線が充填されて形成されている。
本実施の形態における(以下「樹脂シート」と略す)構成が、図2から図7に例示されている。まず、図2に示すように、樹脂シート100aは、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂22と比誘電率が2以下の低誘電フィラー24とを有するコイル接合用樹脂層20aと、アミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂32と膨張フィラー34とを有するステータコア接合用樹脂層30aとを有し、コイル接合用樹脂層20aの一面とステータコア接合用樹脂層30aの一面が張り合わされている。
従来のエポキシ樹脂組成物に比べ、比誘電率の低いイミド変性不飽和ポリエステル樹脂22およびアミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂32を用いるため、コイル接合用樹脂層20aおよびステータコア接合用樹脂層30aのそれぞれの層の単位厚みでの部分放電開始電圧が、エポキシ樹脂組成物を用いた樹脂シートに比べ高くなる。これにより、樹脂シート100aの総膜厚を薄くすることができ、従来に比べ、モータのステータコアにおけるスロット内のコイル導体の占積率が向上する。また、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂22およびアミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂32は、従来のエポキシ樹脂組成物に比べ、接着性の高い官能基(例えば水酸基)が少ないため、コイル皮膜との適度な接合状態を保持し、コイル導体の熱膨張および冷却収縮などの熱衝撃に対してコイル皮膜の亀裂が抑制される。また、ステータコア接合用樹脂層30aに含まれた膨張フィラー34が、熱等により膨張することにより、コイル導体群の外周面と樹脂シート100aとの間およびスロットの内壁面と樹脂シート100aとの間が隙間無く固着させるので、スロット内のコイル導体の固定性が向上し、絶縁性も向上する。
図3に示す樹脂シート100bは、図2に示す樹脂シート100aのコイル接合用樹脂層20aとステータコア接合用樹脂層30aとの間に、耐熱フィルム40が設けられ、耐熱フィルム40の一面にコイル接合用樹脂層20aが、耐熱フィルム40の他面にステータコア接合用樹脂層30aが貼り合わされている。これにより、樹脂シート100bの剛性が担保される。
また、図4に示す樹脂シート100cは、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂22と比誘電率が2以下の低誘電フィラー24と膨張フィラー34とを有するコイル接合用樹脂層20bと、アミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂32と膨張フィラー34とを有するステータコア接合用樹脂層30aとを有し、コイル接合用樹脂層20aとステータコア接合用樹脂層30aがそれぞれ一面で張り合わされている。これにより、コイル接合用樹脂層20bに膨張フィラー34が含まれるので、ステータコア接合用樹脂層30aに含まれる膨張フィラー34とともに、熱等により膨張し、コイル導体群の外周面と樹脂シート100cとの間およびスロットの内壁面と樹脂シート100cとの間が隙間無く固着させることができる。
また、図5に示す樹脂シート100dは、図4に示す樹脂シート100cのコイル接合用樹脂層20bとステータコア接合用樹脂層30aとの間に、耐熱フィルム40が設けられ、耐熱フィルム40の一面にコイル接合用樹脂層20bが、耐熱フィルム40の他面にステータコア接合用樹脂層30aが貼り合わされている。これにより、樹脂シート100dの剛性が担保される。
さらに、図6に示す樹脂シート100eは、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂22と比誘電率が2以下の低誘電フィラー24と膨張フィラー34とを有するコイル接合用樹脂層20cと、アミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂32を有するステータコア接合用樹脂層30bを有し、コイル接合用樹脂層とステータコア接合用樹脂層がそれぞれ一面で張り合わされている。
また、図7に示す樹脂シート100fは、図6に示す樹脂シート100eのコイル接合
用樹脂層20cとステータコア接合用樹脂層30bとの間に、耐熱フィルム40が設けられ、耐熱フィルム40の一面にコイル接合用樹脂層20cが、耐熱フィルム40の他面にステータコア接合用樹脂層30bが貼り合わされている。これにより、樹脂シート100fの剛性が担保される。
次に、上述した樹脂シート100a〜100fの構成について、詳細に説明する。
本実施の形態のイミド変性不飽和ポリエステル樹脂22は、ラジカル重合によって架橋するため、硬化反応途中のBステージでは樹脂流動性が足りないことから、触媒が入った段階で液状のAステージ状態で取り扱われる。しかしながら、Aステージでは、流動性が高すぎることから、行き過ぎた流動性およびべたつきを抑制し、且つコイル導線との密着性を得るために、本実施の形態のコイル接合用樹脂層20a,20b,20cでは、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂22に、好適な種類の低誘電フィラー24が後述する配合量で配合される。
本実施の形態の低誘電フィラー24は、比誘電率が2以下の無機系フィラーであって、例えば、炭酸カルシウム、タルク、または炭酸カルシウムとタルクの混合物が用いられる。また、低誘電フィラー24は、コイル接合用樹脂層20a,20b,20cにおいて、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂22の100vol%に対して、100±10vol%配合される。ここで「vol%」は容量%を意味する。低誘電フィラー24の配合量が110vol%を超えると、コイル側との固着性が低下してしまい、一方、低誘電フィラー24の配合量が90vol%未満の場合には、コイル接合用樹脂層20a,20b,20cの比誘電率が高くなり部分放電開始電圧が下がり、層の膜厚が厚くなってしまう。
ここで膨張フィラーは、無機系や有機系の化学膨張剤と、マイクロカプセル系の物理膨張剤との2つに大別される。無機系や有機系の化学膨張剤は、熱分解によりガス化して膨張するものである。そして、上記2種類の膨張剤は、様々な種類があり、また様々製法により製造されるが、例えば、樹脂の硬化性や物性に与える影響、膨張の均一性等を考慮し、背反が少ない点から、マイクロカプセル系の物理膨張剤の一種である、熱膨張性マイクロカプセルが好適である。また、マイクロカプセル系の物理膨張剤の一種の熱膨張性マイクロカプセルは、液状の低沸点物質を、熱可塑性ポリマーからなるポリマーシェルで包み込んだマイクロカプセルであって、ポリマーシェルの軟化点近傍、或いは、それ以上の温度で気化し、熱膨張するものである。
本実施の膨張フィラー34の形態は、例えば、熱可塑性ポリマーからなるポリマーシェル内に液状炭酸ガスが封入された熱膨張性マイクロカプセルが用いられ、この熱膨張性マイクロカプセルの5倍以上の体積膨張時には、比誘電率が1.4以下になることから、樹脂シートの低誘電率化を促進し、樹脂シートの体積膨張により、スロットの内壁面とコイル導体との空隙を減少させることができる。
コイル接合用樹脂層20aを用いた場合のステータコア接合用樹脂層30aにおいて、膨張フィラー34は、アミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂32の100vol%に対して、1vol%から10vol%配合される。膨張フィラー34の配合量が10vol%を超えると、コイル側およびステータコア側との固着性が低下し、樹脂シート自体も脆くなるおそれがある。一方、膨張フィラー34の配合量が1vol%未満の場合には、熱膨張が足りず、スロット内壁面とコイル導体との間に隙間が生じる可能性が高い。
また、コイル接合用樹脂層20bにおいて、膨張フィラー34は、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂22の100vol%に対して、0.5vol%から5vol%配合される。一方、コイル接合用樹脂層20bを用いた場合のステータコア接合用樹脂層30aに
おいて、膨張フィラー34は、アミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂32の100vol%に対して、0.5vol%から5vol%配合される。膨張フィラー34の配合量が5vol%を超えると、コイル側およびステータコア側との固着性が低下し、樹脂シート自体も脆くなるおそれがある。一方、膨張フィラー34の配合量が0.5vol%未満の場合には、熱膨張が足りず、スロット内壁面とコイル導体との間に隙間が生じる可能性が高い。
また、コイル接合用樹脂層20cにおいて、膨張フィラー34は、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂22の100vol%に対して、1vol%から10vol%配合される。膨張フィラー34の配合量が10vol%を超えると、コイル側との固着性が低下し、樹脂シート自体も脆くなるおそれがある。一方、膨張フィラー34の配合量が1vol%未満の場合には、熱膨張が足りず、スロット内壁面とコイル導体との間に隙間が生じる可能性が高い。
本実施例におけるアミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂は、ノボラック型エポキシ樹脂と、ゴム変性エポキシ樹脂とフェノキシ樹脂とアミン硬化剤との混合体であり、これら4成分は接着性および硬化特性を考慮して適宜配合される。
本実施の形態におけるコイル接合用樹脂層20a,20b,20cの膜厚は、12〜250μmであり、好ましくは30〜125μmである。コイル接合用樹脂層20a,20bの膜厚が125μmを越えると、樹脂シートの膜厚が厚くなり、スロット内のコイル導線の占積率が向上しない。一方、コイル接合用樹脂層20a,20b,20cの膜厚が30μm未満の場合には、コイル接合用樹脂層20a,20b,20cにおける所定の低誘電性が得られない。
本実施の形態におけるステータコア接合用樹脂層30a,30bの膜厚は、12〜250μmであり、好ましくは30〜125μmである。ステータコア接合用樹脂層30a,30bの膜厚が125μmを越えると、樹脂シートの膜厚が厚くなり、スロット内のコイル導線の占積率が向上しない。一方、ステータコア接合用樹脂層30a,30bの膜厚が30μm未満の場合には、ステータコア接合用樹脂層30a,30bとスロット内壁面との固着性が低下する可能性が高い。
本実施の形態における耐熱フィルムとして、例えば、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer、LCP)、アラミド紙(ノーメックペーパー等)、LPC紙などが用いられる。本実施の形態における耐熱フィルムの厚みは、12〜250μm、好ましくは50〜125μmである。耐熱フィルムの厚みが125μmを越えると、樹脂シートの膜厚が厚くなり、スロット内のコイル導線の占積率が向上しない。一方、耐熱フィルムの厚みが12μm未満の場合には、樹脂シートに剛性が付与されない。
[モータ用ステータ]
本実施の形態のモータ用ステータは、図8に示すように、ステータコア10におけるスロット内に、複数のコイル導体52の間が絶縁されて形成されたコイル導体群を収容してなるモータ用ステータ200であって、複数のスロットが設けられたステータコア10と、スロット内に収容されるコイル導体群と、コイル導体群の外周面を覆うコイル固定用絶縁樹脂シート100とを有する。コイル固定用絶縁樹脂シート100は、上述した樹脂シート100a〜100fのいずれか1つであり、複数のコイル導体52の間が絶縁されて形成されたコイル導体群の外周面とコイル固定用絶縁樹脂シート100のコイル接合用樹脂層が接し、スロットの内壁とコイル固定用絶縁樹脂シート100のステータコア接合用
樹脂層とが接するように配置されている。
上記構成を有する本実施の形態のステータ200は、スロット内のコイル導線占積率が約60%を超える。一般に、スロット内のコイル導線の占積率が1〜2%増加するだけで、モータの出力が大きく変わることを考慮すると、これは、従来のスタータにおけるスロット内のコイル導線占積率の約50%に比べ、格段に高くなっていることが分かる。
[モータ用ステータの製造方法]
本実施の形態のモータ用ステータの製造方法として、4つの製造方法の例を、図9から図12を用いて以下に例示する。
まず、図9を用いて、第1の製造方法の例について説明する。上述した樹脂シート100a〜100fのいずれか1つからなるコイル固定用絶縁樹脂シート100のコイル接合用樹脂層が、半硬化状態または流動性を有する液状に近い状態において、複数のコイル導体間が絶縁されて形成されたコイル導体群50の外周面に接するように、コイル固定用絶縁樹脂シート100をコイル導体群の外周に巻き付け、コイル仮組体60aを形成する。次いで、コイル仮組体60aをステータコアのスロット11内に挿入する。次に、ティース1,2の間のスロットにコイル仮組体60aを挿入し終えた後、加熱してコイル固定用絶縁樹脂シート100を膨張および硬化させ、コイル導体群50の外周面とコイル固定用絶縁樹脂シート100との間およびスロット11の内壁面とコイル固定用絶縁樹脂シート100との間を固着させる。
第1の製造方法によれば、予め、複数のコイル導体間が絶縁されて形成されたコイル導体群50の外周にコイル固定用絶縁樹脂シート100を巻き付けてコイル仮組体60aを形成しているので、スロット11内に挿入し易く、組み立て効率が向上する。
次に、図10を用いて、第2の製造方法の例について説明する。上述した樹脂シート100a〜100fのいずれか1つからなるコイル固定用絶縁樹脂シート100のコイル接合用樹脂層が、半硬化状態または流動性を有する液状に近い状態において、複数のコイル導体間が絶縁されて形成されたコイル導体群50の外周面に接するように、コイル固定用絶縁樹脂シート100にコイル導体群を嵌め込み、コイル仮組体60bを形成する。次いで、コイル仮組体60bをステータコアのスロット11内に挿入する。次に、ティース1,2の間のスロットにコイル仮組体60bを挿入し終えた後、加熱してコイル固定用絶縁樹脂シート100を膨張および硬化させ、コイル導体群50の外周面とコイル固定用絶縁樹脂シート100との間およびスロット11の内壁面とコイル固定用絶縁樹脂シート100との間を固着させる。
第2の製造方法の例によれば、第1の製造方法の例に比べ、コイル固定用絶縁樹脂シート100にコイル導体群50を嵌め込むだけであり、より組み立て効率が向上する。
さらに、図11を用いて、第3の製造方法の例について説明する。上述した樹脂シート100a〜100fのいずれか1つからなるコイル固定用絶縁樹脂シート100のステータコア接合用樹脂層が、半硬化状態において、ステータコアのスロット11の内壁面に接するように、予め、コイル固定用絶縁樹脂シート100をスロット形状に折り曲げ成形しておく。次いで、スロット形状に折り曲げ成形されたコイル固定用絶縁樹脂シート100を、スロット11内に挿入する。次に、複数のコイル導体間が絶縁されて形成されたコイル導体群50を、コイル固定用絶縁樹脂シート100の半硬化状態または流動性を有する液状に近い状態のコイル接合用樹脂層に接するように挿入し、ティース1,2の間のスロットにコイル導体群50を挿入し終えた後、加熱してコイル固定用絶縁樹脂シート100を膨張および硬化させ、コイル導体群50の外周面とコイル固定用絶縁樹脂シート100
との間およびスロット11の内壁面とコイル固定用絶縁樹脂シート100との間を固着させる。
第3の製造方法の例によれば、予め、コイル固定用絶縁樹脂シート100をスロット形状に折り曲げ成形して、スロット内に挿入するので、コイル固定用絶縁樹脂シート100はスロット11内に確実に位置決めされる。さらに、挿入されたコイル固定用絶縁樹脂シート100をガイドにコイル導体群50を挿入するので、コイル導体群の挿入時点で、スロット11の内壁面とコイル固定用絶縁樹脂シート100との間およびコイル導体群50の外周面とコイル固定用絶縁樹脂シート100との間の空隙が大幅に低減する。
また、第4の製造方法の例について、図12を用いて説明する。上記第3の製造方法の例において、スロット形状に折り曲げ成形したコイル固定用絶縁樹脂シート100(図9に記載)の両端に、カフス部70a,70bを設ける。カフス部70a,70bにより、スロットからコイル固定用絶縁樹脂シート100が抜けることが防止される。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、これらにより本発明は限定されるものではない。
[実施例1]
図2の構造樹脂シートの構成において、表1に示す配合量により樹脂シートのコイル接合樹脂層を調製し、得られた樹脂シートのコイル接合樹脂層の性能評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2012044831
註)*1:ハンドリング性は、コイル接合樹脂層のべたつき性を考慮し、作業性の良い場合は「○」とし、作業性が悪い場合を「×」とした。
*2:比誘電率は、理論値である。
*3:固着力は、コイル接合樹脂層の硬化後のコイルとの固着力を、室温20℃と180℃の2つの温度で、JIS K 6251に準拠して引っ張り強度を測定した。2つの温度における両測定値が、0.6MPa以上の場合を「○」とし、2つの温度の少なくとも一方の測定値が、0.6MPa未満の場合を「×」とした。なお、表2以降では、ステータコア接合樹脂層の硬化後のスロットとの固着力を、上述同様にして評価した。
さらに、表1に示す実験例4の構成比を有するコイル接合樹脂層に対して、表2に示す配合量により樹脂シートのステータコア接合樹脂層を調製し、得られた樹脂シートのステータコア接合樹脂層の性能評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2012044831
註)*4:スロットとコイル導線の隙間の充填性は、樹脂シートの熱による膨張前のスロットとコイル導線の最大隙間を基に判定し、最大隙間が0.3mm未満までの隙間であれば充填性を確保できるため「○」とし、0.3mm以上の場合は充填性が確保できないため「×」とした。
*5:樹脂シートの脆さは、膨張後の外観について評価し、膨張し過ぎて樹脂が手で触れた時に剥げ落ちる場合には「×」とし、一方、剥げ落ちない場合には「○」とした。
[実施例2]
図4の構造樹脂シートの構成において、表1に示す実験例4の構成比を基に、膨張フィラーを表3に示す配合量で配合して樹脂シートのコイル接合樹脂層を調製し、得られた樹脂シートのコイル接合樹脂層の性能評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2012044831
さらに、表3に示す実験例14の組成を有するコイル接合樹脂層に対して、表4に示す配合量により樹脂シートのステータコア接合樹脂層を調製し、得られた樹脂シートのステータコア接合樹脂層の性能評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2012044831
[実施例3]
図6の構造樹脂シートの構成において、表1に示す実験例4の構成比を基に、膨張フィラーを表3に示す配合量で配合して樹脂シートのコイル接合樹脂層を調製した。得られた樹脂シートのコイル接合樹脂層の性能評価は、上述の記表3の通りである。
さらに、表3に示す実験例17〜21の組成を有するコイル接合樹脂層に対して、表6に示す配合量により樹脂シートのステータコア接合樹脂層を調製し、得られた樹脂シートのステータコア接合樹脂層の性能評価を行った。結果を表5示す。
Figure 2012044831
また、実験例4のコイル接合用樹脂層と、実験例9のステータコア接合用樹脂層とからなる樹脂シートを用いた場合、スロット内におけるコイル導線の占積率は、63%であった。なお、上記表2に記載の実施例7,表3に記載の実施例12、表4に記載の実施例17、表5に記載の実施例22については、膨張フィラーが入っていないため、充填性が「×」になっている。
本発明は、モータ用ステータの製造に関する用途であれば、いかなる用途にも有効である。
1〜6 ティース、10 ステータコア、10A 端面、11〜18 スロット、20a,20b,20c コイル接合用樹脂層、22 イミド変性不飽和ポリエステル樹脂、24 低誘電フィラー、30a,30b ステータコア接合用樹脂層、32 アミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂、34 膨張フィラー、40 耐熱フィルム、50 コイル導体
群、52 コイル導体、60a,60b コイル仮組体、100 コイル固定用絶縁樹脂シート、100a〜100f 樹脂シート、200 モータ用ステータ。

Claims (8)

  1. イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と比誘電率が2以下の低誘電フィラーとを有するコイル接合用樹脂層と、
    アミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂と膨張フィラーとを有するステータコア接合用樹脂層と、
    を有することを特徴とするコイル固定用絶縁樹脂シート。
  2. 請求項1に記載のコイル固定用絶縁樹脂シートにおいて、
    前記コイル接合用樹脂層は、さらに膨張フィラーを含むことを特徴とするコイル固定用絶縁樹脂シート。
  3. 請求項1または請求項2に記載のコイル固定用絶縁樹脂シートにおいて、
    前記コイル接合用樹脂層と前記ステータコア接合用樹脂層との間に、耐熱フィルムが設けられていることを特徴とするコイル固定用絶縁樹脂シート。
  4. イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と比誘電率が2以下の低誘電フィラーと膨張フィラーとを有するコイル接合用樹脂層と、
    アミン硬化型ゴム分散エポキシ樹脂を有するステータコア接合用樹脂層と、
    を有することを特徴とするコイル固定用絶縁樹脂シート。
  5. ステータコアにおけるスロット内に、複数のコイル導体間が絶縁されて形成されたコイル導体群を収容してなるモータ用ステータであって、
    複数のスロットが設けられたステータコアと、
    スロット内に収容されるコイル導体群と、
    コイル導体群の外周面を覆うコイル固定用絶縁樹脂シートと、を有し、
    前記コイル固定用絶縁樹脂シートは、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコイル固定用絶縁樹脂シートであって、コイル導体群の外周面と前記コイル接合用樹脂層が接し、スロットの内壁と前記ステータコア接合用樹脂層とが接するように配置されることを特徴とするコイル固定用絶縁樹脂シートを用いたモータ用ステータ。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコイル固定用絶縁樹脂シートのコイル接合用樹脂層が、複数のコイル導体間が絶縁されて形成されたコイル導体群の外周面に接するように、前記コイル固定用絶縁樹脂シートをコイル導体群の外周に巻き付け、コイル仮組体を形成し、
    前記コイル仮組体をステータコアのスロット内に挿入し、
    加熱してコイル固定用絶縁樹脂シートを膨張および硬化させ、コイル導体群の外周面と前記コイル固定用絶縁樹脂シートとの間およびスロットの内壁面と前記コイル固定用絶縁樹脂シートとの間を固着させることを特徴とするモータ用ステータの製造方法。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコイル固定用絶縁樹脂シートのコイル接合用樹脂層が、複数のコイル導体間が絶縁されて形成されたコイル導体群の外周面に接するように、前記コイル固定用絶縁樹脂シートにコイル導体群を嵌め込み、コイル仮組体を形成し、
    前記コイル仮組体をステータコアのスロット内に挿入し、
    加熱してコイル固定用絶縁樹脂シートを膨張および硬化させ、コイル導体群の外周面と前記コイル固定用絶縁樹脂シートとの間およびスロットの内壁面と前記コイル固定用絶縁樹脂シートとの間を固着させることを特徴とするモータ用ステータの製造方法。
  8. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコイル固定用絶縁樹脂シートのステータ
    コア接合用樹脂層が、ステータコアのスロットの内壁面に接するように、予め前記コイル固定用絶縁樹脂シートをスロット形状に折り曲げ成形して、スロット内に挿入し、
    複数のコイル導体間が絶縁されて形成されたコイル導体群を、前記コイル固定用絶縁樹脂シートのコイル接合用樹脂層に接するように挿入し、
    加熱してコイル固定用絶縁樹脂シートを膨張および硬化させ、コイル導体群の外周面と前記コイル固定用絶縁樹脂シートとの間およびスロットの内壁面と前記コイル固定用絶縁樹脂シートとの間を固着させることを特徴とするモータ用ステータの製造方法。
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