JP2012043976A - 有機トランジスタ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、有機トランジスタ、及び有機半導体材料として用いるのに有用な化合物に関する。
有機半導体材料を利用した有機トランジスタは、従来の無機半導体材料を利用したトランジスタと比較して、デバイスの軽量化や、製造コストの低下、低温で製造できることが期待されるため、盛んに研究開発が行われている。
有機トランジスタの特性の一つである電界効果移動度は、活性層に含まれる有機半導体材料のキャリア移動度に大きく依存するため、様々な有機半導体材料を有機トランジスタの活性層に用いることが検討されている。
例えば、非特許文献1には、有機トランジスタに用いる有機半導体材料として、下記化合物が提案されている。
しかしながら、前記化合物はキャリア移動度が不十分であり、前記化合物を有機半導体材料として用いた有機トランジスタは、電界効果移動度が必ずしも十分に高くないという問題がある。
ケミストリー オブ マテリアルズ(Chemistry of Materials)、2008年、第20巻、p.3184−3190
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とすることころは、電界効果移動度が高い有機トランジスタを提供すること、及び有機トランジスタに有用な化合物を提供することにある。
即ち、本発明は、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、活性層及び絶縁層を有し、該活性層に式
〔式中、Yは、−O−、−S−又は−Se−を表す。Zは、各々独立して、水素原子又は置換基を表す。ただし、少なくとも1つのZは、ハメットのσp値が0.3以上である置換基である。〕
で表される化合物を含む有機トランジスタを提供する。
で表される化合物を含む有機トランジスタを提供する。
ある一形態においては、上記式(1)で表される化合物が、式
〔式中、Yは、−O−、−S−又は−Se−を表す。R1は、各々独立して、置換基を表す。Z1は、ハメットのσp値が0.3以上である置換基を表す。uは1〜2の整数を表す。Z1が2個ある場合、それらは同一であっても相異なってもよい。〕
で表される化合物である。
で表される化合物である。
また、本発明は、式
〔式中、R2は、各々独立して、水素原子又は置換基を表す。チオフェン環の隣接する炭素原子に置換しているR2同士が互いに結合して環状構造を形成してもよい。vは、1又は2を表す。〕
で表される化合物を提供する。
で表される化合物を提供する。
また、本発明は、上記化合物を含む有機半導体材料を提供する。
また、本発明は、上記有機半導体材料を含む有機層を有する有機半導体素子を提供する。
また、本発明は、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、活性層及び絶縁層を有し、該活性層に上記有機半導体材料を含む有機トランジスタを提供する。
本発明の有機トランジスタは、電界効果移動度が高く、極めて有用である。また、本発明の化合物は、キャリア移動度が高く、有機半導体材料として極めて有用である。
以下、必要に応じて図面を参照することにより、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
<化合物>
上述の通り、本発明の有機トランジスタに用いる化合物は、上記式(1)で表される化学構造を有する。式(1)中、Zが置換基である場合、該置換基の例としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルボキシル基、式
上述の通り、本発明の有機トランジスタに用いる化合物は、上記式(1)で表される化学構造を有する。式(1)中、Zが置換基である場合、該置換基の例としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルボキシル基、式
〔式中、Ar1はアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。Ar2はアリール基又はヘテロアリール基を表す。〕
で表される基、ニトロ基が挙げられる。ただし、少なくとも1つの置換基は、ハメットのσp値が0.3以上である置換基である。
で表される基、ニトロ基が挙げられる。ただし、少なくとも1つの置換基は、ハメットのσp値が0.3以上である置換基である。
ここで、アルキル基は、直鎖、分岐のいずれでもよく、シクロアルキル基であってもよい。アルキル基が有する炭素数は、通常1〜60であり、1〜20であることが好ましい。アルキル基の中でも、直鎖アルキル基、分岐アルキル基が好ましく、直鎖アルキル基がより好ましい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル墓、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基等の分岐アルキル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
アルキル基は置換基を有していてもよく、アルキル基が有していてもよい置換基としては、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。置換基を有しているアルキル基の具体例としては、メトキシエチル基、ベンジル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、置換基を除いたアルコキシ基の炭素数は、通常1〜20である。アルコキシ基は、直鎖、分岐いずれでもよく、シクロアルコキシ基であってもよい。
アルコキシ基の具体例としては、n−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、n−ドデシルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシ基の中でも、n−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基等の直鎖アルキルオキシ基が好ましい。
アルキルチオ基は、置換基を有していてもよく、置換基を除いたアルキルチオ基の炭素数は、通常1〜20である。アルキルチオ基は、直鎖、分岐いずれでもよく、シクロアルキルチオ基であってもよい。
アルキルチオ基の具体例としては、n−ブチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、n−ドデシルチオ基等が挙げられる。
アルキルチオ基の中でも、n−ブチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、n−ドデシルチオ基等の直鎖アルキルチオ基が好ましい。
アリール基は、芳香族炭化水素化合物から芳香環に直接結合する水素原子1個を除いた原子団であり、ベンゼン環を有する基、縮合環を有する基、独立した芳香族環又は縮合環2個以上が直接結合した基を含む。アリール基が有する炭素数は、通常6〜60であり、6〜20であることが好ましい。アリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、4−フェニルフェニル基等が挙げられる。
アリール基は置換基を有していてもよい。アリール基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ヘテロアリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。置換基を有しているアリール基としては、4−ヘキシルフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。アリール基が置換基を有する場合、置換基としてはアルキル基が好ましい。
ヘテロアリール基は、芳香族性を有する複素環式化合物から、芳香環に直接結合する水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環を有する基、独立した複素芳香族環又は縮合環2個以上が直接結合した基を含む。ヘテロアリール基が有する炭素数は、通常2〜60であり、3〜20であることが好ましい。ヘテロアリール基としては、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−イミダゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−チエノチエニル基等が挙げられる。
ヘテロアリール基は置換基を有していてもよい。ヘテロアリール基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。置換基を有しているヘテロアリール基としては、5−オクチル−2−チエニル基、5−フェニル−2−フリル基等が挙げられる。ヘテロアリール基が置換基を有する場合、置換基としてはアルキル基が好ましい。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、置換基を除いたアリールオキシ基の炭素数は、通常6〜20である。アリールオキシ基としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
アリールチオ基は、置換基を有していてもよく、置換基を除いたアリールチオ基の炭素数は、通常6〜20である。アリールチオ基としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基等が挙げられる。
アルケニル基は、置換基を有していてもよく、置換基を除いたアルケニル基の炭素数は、通常2〜20である。アルケニル基としては、ビニル基、1−オクテニル基等が挙げられる。
アルキニル基は、置換基を有していてもよく、置換基を除いたアルキニル基の炭素数は、通常2〜20である。置換基を有していてもよいアルキニル基としては、エチニル基、1−オクチニル基、2−フェニルエチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アミノ基は、置換基を有していてもよく、置換基を除いたアミノ基の炭素数は、通常0〜40である。置換基を有していてもよいアミノ基としては、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ピリジルアミノ基等が挙げられる。
シリル基は、置換基を有していてもよく、置換基を除いたシリル基の炭素数は、通常0〜60である。置換基を有していてもよいシリル基としては、シリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アシル基は、置換基を有していてもよく、置換基を除いたアシル基の炭素数は、通常2〜20である。置換基を有していてもよいアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基等が挙げられる。
アシルオキシ基は、置換基を有していてもよく、置換基を除いたアシルオキシ基の炭素数は、通常2〜20である。置換基を有していてもよいアシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
アミド基は、置換基を有していてもよく、置換基を除いたアミド基の炭素数は、通常1〜20である。置換基を有していてもよいアミド基としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジベンズアミド基等が挙げられる。
カルボキシル基は、置換基を有していてもよく、置換基を除いたカルボキシル基の炭素数は、通常2〜20である。置換基を有していてもよいカルボキシル基としては、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
式(3)で表される基において、Ar1が置換基を有していてもよい2,5−チエニレン基であり、Ar2が置換基を有していてもよい2−チエニル基であることが好ましい。Ar1及びAr2が置換基を有する場合、置換基としては、アルキル基が好ましい。
π共役平面の面積が広いほど分子間電荷ホッピングの確率が高まることから、少なくとも1つのZは、アリール基又はヘテロアリール基であることが好ましい。
式(1)中、少なくとも1つのZは、ハメットのσp値が0.3以上である置換基であり、ハメットのσp値が0.5以上である置換基であることが好ましく、ハメットのσp値が0.6以上である置換基であることがより好ましく、ハメットのσp値が0.7以上である置換基であることがさらに好ましく、ニトロ基が特に好ましい。
置換基のハメットのσp値とは、安息香酸のパラ位に該置換基を結合した化合物の酸解離平衡定数(pKa)から安息香酸の酸解離平衡定数を引いた値を表す。ハメットのσp値は、置換基の電子求引性および電子供与性の強度を示すパラメーターである。パラ位に電子吸引性の置換基をもつ安息香酸は安息香酸と比較してpKaが小さくなるため、電子吸引性が強い置換基であるほどハメットのσp値は大きくなる。置換基のハメットのσp値は、例えば、ケミカル レビュー(Chemical Review)、1991年、第91巻、p.165−195に記載されている。
置換基のハメットのσp値は、計算で求めてもよい。計算で求める場合は、ジャーナル オブ フィジカル ケミストリー エー(Jornal of Physical Chemistry A)、1997年、第101巻、p.5593−5595に記載の方法で化合物の酸解離平衡定数を算出し、置換基のハメットのσp値を求めることができる。
下記化合物に含まれる5−(5’−ヘキシル−2’−チエニル)−2−チエニル基のハメットのσp値を、ジャーナル オブ フィジカル ケミストリー エー(Jornal of Physical Chemistry A)、1997年、第101巻、p.5593−5595に記載の方法で計算したところ、−0.03であった。
ハメットのσp値が0.3以上の置換基としては、ニトロ基、トリフルオロメタンスルホニル基、シアノ基、ベンゼンスルホニル基、トリフルオロメチルカルボニル基、トリフルオロメチル基、アセチル基、メトキシカルボニル基、ペンタフルオロエチルオキシ基、メチルスルホニルオキシ基が挙げられる。
ハメットのσp値が0.5以上の置換基としては、ニトロ基、トリフルオロメタンスルホニル基、シアノ基、ベンゼンスルホニル基、トリフルオロメチルカルボニル基、トリフルオロメチル基、アセチル基が挙げられる。
ハメットのσp値が0.6以上の置換基としては、ニトロ基、トリフルオロメタンスルホニル基、シアノ基、ベンゼンスルホニル基、トリフルオロメチルカルボニル基が挙げられる。
ハメットのσp値が0.7以上の置換基としては、ニトロ基、トリフルオロメタンスルホニル基が挙げられる。
Zとして、アリール基又はヘテロアリール基とハメットのσp値が0.3以上である置換基を有することで、アリール基又はヘテロアリール基が比較的強く正に分極し、式(1)で表される化合物の該アリール基又はヘテロアリール基以外の構造が比較的強く負に分極する。この結果、分子間で静電的な引力が生じ、分子間のキャリア移動が促進されると考えられ、化合物のキャリア移動度の向上に特に有利になる。
式(1)中、Yは、−O−、−S−又は−Se−を表す。中でも、Yは、−S−が好ましい。
式(1)で表される化合物としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。
上記式(1)で表される化合物の好ましい一態様は、上記式(2)で表される化合物である。
式(2)中、uは、2であることが好ましい。uが2である場合、2個のZ1が同じ置換基であることが好ましい。
式(2)中、uは、2であることが好ましい。uが2である場合、2個のZ1が同じ置換基であることが好ましい。
式(2)中、R1が、アリール基、ヘテロアリール基又は式(3)で表される基であることが好ましい。
中でも、R1は、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、2−フリル基、3−フリル基、5−(2−チエニル)−2−チエニル基であることが好ましく、2−チエニル基、5−(2−チエニル)−2−チエニル基であることがより好ましく、5−(2−チエニル)−2−チエニル基であることがさらに好ましい。
Z1は、ハメットのσp値が0.5以上である置換基であることが好ましく、ハメットのσp値が0.6以上である置換基であることがより好ましく、ハメットのσp値が0.7以上である置換基であることがさらに好ましく、ニトロ基が特に好ましい。
上記式(2)で表される化合物の好ましい一態様は、上記式(4)で表される化合物である。
R2が置換基である場合、該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルボキシル基、ニトロ基が挙げられる。
式(4)中、R2で表されるアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルボキシル基の定義、具体例は、前述のZで表されるアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、アミド基又はカルボキシル基の定義、具体例と同じである。
式(4)中、R2は、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基である。より好ましくは、R2は水素原子又はアルキル基である。中でも、好ましいアルキル基は、炭素数2〜20、好ましくは4〜10の直鎖アルキル基である。
10個あるR2は同一でも相異なってもよい。例えば、R2は全て水素原子又は全てアルキル基であってよい。又は、例えば、R2のうちの一部、2個、3個又は4個がアルキル基であり、残りが水素原子であってもよい。
式(4)中、vは、1又は2を表す。vは2であることが好ましい。
<有機半導体素子>
式(1)、(2)又は(4)で表される化合物は、キャリア移動度が高いことから、有機半導体材料として、例えば、有機半導体素子の有機層に含ませて用いることができる。有機半導体素子としては、有機トランジスタ、有機太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス素子等が挙げられる。式(1)、(2)又は(4)で表される化合物は、中でも、有機トランジスタの電荷輸送材料として特に有用である。
式(1)、(2)又は(4)で表される化合物は、キャリア移動度が高いことから、有機半導体材料として、例えば、有機半導体素子の有機層に含ませて用いることができる。有機半導体素子としては、有機トランジスタ、有機太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス素子等が挙げられる。式(1)、(2)又は(4)で表される化合物は、中でも、有機トランジスタの電荷輸送材料として特に有用である。
<有機トランジスタ>
有機トランジスタとしては、ソース電極及びドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となり、式(1)、(2)又は(4)で表される化合物を含む活性層と、該電流経路を通る電流量を制御するゲート電極とを備えた構成を有するものが挙げられる。このような構成を有する有機トランジスタとしては、電界効果型有機トランジスタ、静電誘導型有機トランジスタ等が挙げられる。
有機トランジスタとしては、ソース電極及びドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となり、式(1)、(2)又は(4)で表される化合物を含む活性層と、該電流経路を通る電流量を制御するゲート電極とを備えた構成を有するものが挙げられる。このような構成を有する有機トランジスタとしては、電界効果型有機トランジスタ、静電誘導型有機トランジスタ等が挙げられる。
電界効果型有機トランジスタは、通常、ソース電極及びドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となり、式(1)、(2)又は(4)で表される化合物を含む活性層と、該電流経路を通る電流量を制御するゲート電極と、活性層とゲート電極との間に配置される絶縁層とを有する有機トランジスタである。特に、ソース電極及びドレイン電極が、活性層に接して設けられており、さらに活性層に接した絶縁層を挟んでゲート電極が設けられている有機トランジスタが好ましい。
静電誘導型有機トランジスタは、通常、ソース電極及びドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となり、式(1)、(2)又は(4)で表される化合物を含む活性層と、該電流経路を通る電流量を制御するゲート電極とを有し、該ゲート電極が活性層中に設けられている有機トランジスタである。特に、ソース電極、ドレイン電極、及び前記ゲート電極が、前記活性層に接して設けられている有機トランジスタが好ましい。
ゲート電極は、ソース電極からドレイン電極へ流れる電流経路が形成でき、かつ、ゲート電極に印加した電圧で該電流経路を流れる電流量が制御できる構造であればよく、例えば、くし型電極である。
図1は、本発明の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の一例を示す模式断面図である。図1に示す有機トランジスタ100は、基板1と、基板1上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6を覆うようにして基板1上に形成された活性層2と、活性層2上に形成された絶縁層3と、ソース電極5とドレイン電極6との間の領域上の絶縁層3を覆うように絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
図2は、本発明の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図2に示す有機トランジスタ110は、基板1と基板1上に形成されたソース電極5と、ソース電極5を覆うようにして基板1上に形成された活性層2と、ソース電極5と所定の間隔を持って活性層2上に形成されたドレイン電極6と、活性層2及びドレイン電極6上に形成された絶縁層3と、ソース電極5とドレイン電極6との間の領域上の絶縁層3を覆うように絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
図3は、本発明の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図3に示す有機トランジスタ120は、基板1と基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域の一部を覆うように、絶縁層3上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6の一部を覆うように絶縁層3上に形成された活性層2とを備えるものである。
図4は、本発明の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図4に示す有機トランジスタ130は、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域の一部を覆うように絶縁層3上に形成されたソース電極5と、ソース電極5の一部を覆うようにして絶縁層3上に形成された活性層2と、活性層2の一部を覆うように、ソース電極5と所定の間隔を持って絶縁層3上に形成されたドレイン電極6とを備えるものである。
図5は、本発明の有機トランジスタ(静電誘導型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図5に示す有機トランジスタ140は、基板1と、基板1上に形成されたソース電極5と、ソース電極5上に形成された活性層2と、活性層2上に所定の間隔を持って複数形成されたゲート電極4と、ゲート電極4の全てを覆うようにして活性層2上に形成された活性層2a(活性層2aを構成する材料は、活性層2と同一であっても異なっていてもよい)と、活性層2a上に形成されたドレイン電極6とを備えるものである。
図6は、本発明の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図6に示す有機トランジスタ150は、基板1と、基板1上に形成された活性層2と、活性層2上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6の一部を覆うようにして活性層2上に形成された絶縁層3と、ソース電極5が下部に形成されている絶縁層3の領域とドレイン電極6が下部に形成されている絶縁層3の領域とをそれぞれ一部覆うように、絶縁層3上に形成されたゲート電極4とを備えるものである。
図7は、本発明の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図7に示す有機トランジスタ160は、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域を覆うように形成された活性層2と、活性層2の一部を覆うように活性層2上に形成されたソース電極5と、活性層2の一部を覆うように、ソース電極5と所定の間隔を持って活性層2上に形成されたドレイン電極6とを備えるものである。
図8は、本発明の有機トランジスタ(電界効果型有機トランジスタ)の他の例を示す模式断面図である。図8に示す有機トランジスタ170は、ゲート電極4と、ゲート電極4上に形成された絶縁層3と、絶縁層3上に形成された活性層2と、活性層2上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、を備えるものである。この場合、ゲート電極4は基板1を兼ねる構成となっている。
上述した本発明の有機トランジスタにおいては、活性層2及び/又は活性層2aは、本発明の化合物を含有する膜によって構成され、ソース電極5とドレイン電極6との間の電流通路(チャネル)となる。また、ゲート電極4は、電圧を印加することにより電流通路(チャネル)を通る電流量を制御する。
このような電界効果型有機トランジスタは、公知の方法、例えば特開平5−110069号公報記載の方法により製造することができる。また、静電誘導型有機トランジスタは、特開2004−006476号に公報記載の方法等の公知の方法により製造することができる。
基板1の材料は、有機トランジスタの特性を阻害しない材料であればよい。基板としては、ガラス基板、フレキシブルなフィルム基板、プラスチック基板を用いることができる。
絶縁層3の材料は、電気の絶縁性が高い材料であればよく、SiOx、SiNx、Ta2O5、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、有機ガラス、フォトレジスト等を用いることができるが、低電圧化の観点からは、誘電率の高い材料を用いることが好ましい。
絶縁層3の上に活性層2を形成する場合は、絶縁層3と活性層2の界面特性を改善するため、シランカップリング剤等の表面処理剤で絶縁層3の表面を処理して表面改質した後に活性層2を形成することも可能である。
有機電界効果トランジスタの場合、電子やホール等の電荷は、一般に絶縁層と活性層の界面付近を通過する。従って、この界面の状態がトランジスタの移動度に大きな影響を与える。そこで、界面状態を改良して特性を向上させる方法として、シランカップリング剤による界面の制御が提案されている(例えば、表面化学、2007年、第28巻、第5号、p.242−248)。
シランカップリング剤としては、アルキルクロロシラン類(オクチルトリクロロシラン(OTS)、オクタデシルトリクロロシラン(ODTS)、フェニルエチルトリクロロシラン等)、アルキルアルコキシしラン類、フッ素化アルキルクロロシラン類、フッ素化アルキルアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等のシリルアミン化合物等が挙げられる。また、表面処理剤で処理する前に、絶縁層表面をオゾンUV処理、O2プラズマ処理してもよい。
このような処理によって、絶縁層として用いられるシリコン酸化膜等の表面エネルギーを制御することができる。また、表面処理により、活性層を構成している膜の絶縁層上での配向性が向上し、高い電荷輸送性(移動度)が得られる。
ゲート電極4には、金、白金、銀、銅、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン、低抵抗ポリシリコン、低抵抗アモルファスシリコン等の金属や、錫酸化物、酸化インジウム、インジウム・錫酸化物(ITO)等の材料を用いることができる。これらの材料は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、ゲート電極4としては、高濃度にドープされたシリコン基板を用いることも可能である。高濃度にドープされたシリコン基板は、ゲート電極としての性能とともに、基板としての性能も併有する。このような基板としての性能も有するゲート電極4を用いる場合には、基板1とゲート電極4とが接している有機トランジスタにおいて、基板1を省略してもよい。
ソース電極5及びドレイン電極6は、低抵抗の材料から構成されることが好ましく、金、白金、銀、銅、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン等から構成されることが特に好ましい。これらの材料は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記有機トランジスタにおいて、ソース電極5及びドレイン電極6と、活性層2との間には、更に他の化合物から構成された層が介在していてもよい。このような層としては、電子輸送性を有する低分子化合物、ホール輸送性を有する低分子化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、これらの金属と有機化合物との錯体、ヨウ素、臭素、塩素、塩化ヨウ素等のハロゲン、硫酸、無水硫酸、二酸化硫黄、硫酸塩等の酸化硫黄化合物、硝酸、二酸化窒素、硝酸塩等の酸化窒素化合物、過塩素酸、次亜塩素酸等のハロゲン化化合物、アルキルチオール化合物、芳香族チオール類、フッ素化アルキル芳香族チオール類等の芳香族チオール化合物等からなる層が挙げられる。
また、上述したような有機トランジスタを作製した後には、素子を保護するため、有機トランジスタ上に保護膜を形成することが好ましい。これにより、有機トランジスタが大気から遮断され、有機トランジスタの特性の低下を抑制することができる。また、有機トランジスタの上に駆動する表示デバイスを形成する場合、その形成工程における有機トランジスタへの影響も該保護膜により低減することができる。
保護膜を形成する方法としては、有機トランジスタを、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂や無機のSiONx膜等で覆う方法等が挙げられる。大気との遮断を効果的に行うため、有機トランジスタを作製後、有機トランジスタを大気にさらすことなく(例えば、乾燥した窒素雰囲気中、真空中等で)保護膜を形成することが好ましい。
このように構成された有機トランジスタの一種である有機電界効果トランジスタは、アクティブマトリックス駆動方式の液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの画素駆動スイッチング素子等として適用できる。そして、上述した実施形態の有機電界効果トランジスタは、活性層として、式(1)、(2)又は(4)で表される化合物を含有し、そのことにより電荷輸送性が向上した活性層を備えているため、その電界効果移動度が高いものとなる。したがって、十分な応答速度を持つディスプレイの製造等に有用である。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(質量分析)
実施例において、質量分析の値は、質量分析装置(AccuTOF TLC JMS−T100TD、日本電子製)により求めた。
実施例において、質量分析の値は、質量分析装置(AccuTOF TLC JMS−T100TD、日本電子製)により求めた。
(NMR分析)
NMR測定は、化合物を重クロロホルムに溶解させ、NMR装置(Varian社製、INOVA300)を用いて行った。
NMR測定は、化合物を重クロロホルムに溶解させ、NMR装置(Varian社製、INOVA300)を用いて行った。
合成例1
(化合物2の合成)
(化合物2の合成)
フラスコに、硫酸を41mL、発煙硝酸を41mL入れ、0℃に冷却した。反応液を撹拌しながら、化合物1(4.0g、14mmol)を少しずつ加えた。4時間後、反応液を室温(25℃)に昇温し、さらに6時間撹拌した。反応液を氷水に注ぎ、析出物をろ取した。得られた析出物を、シリカゲルカラム中のシリカゲルに吸着させ、シリカゲルカラムにn−ヘキサンを流して精製し、n−ヘキサン溶液を回収した。その後、n−ヘキサンを蒸発させて化合物2を得た。得量は1.6g、収率は31%であった。
MS 385.16
実施例1
(化合物4の合成)
(化合物4の合成)
フラスコ内の気体を窒素で置換したフラスコに、化合物2を1.0g(2.6mmol)、化合物3を2.2g(5.7mmol)、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:Aliquat336(登録商標)、Aldrich製)を0.2g、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを91mg、2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液を5.2mL、及びクロロベンゼンを100mL入れ、14時間還流した。その後、反応液をメタノールに注いだ。析出物を、シリカゲルカラム中のシリカゲルに吸着させ、シリカゲルカラムにn−ヘキサンとクロロホルムとを体積比10:1で混合した溶液を流して精製し、n−ヘキサンとクロロホルムとの混合溶液を回収した。その後、n−ヘキサンとクロロホルムとの混合溶液を蒸発させて固体を得た。さらに、トルエンと2−プロパノールから該固体を再結晶し、化合物4を得た。得量は0.22gであった。化合物4に含まれるニトロ基のハメットのσp値は、0.78である。5−(5’−ヘキシル−2’−チエニル)−2−チエニル基のハメットのσp値は、−0.03である。
1H−NMR(300MHz,CDCl3) δ7.03(d,2H),6.99(d,2H),6.97(d,2H),6.68(d,2H),2.79(t,4H),1.68(m,4H),1.2〜1.4(m,12H),0.90(t,6H)
合成例2
(化合物5の合成)
(化合物5の合成)
フラスコ内の気体を窒素で置換したフラスコに、化合物1を1.8g(6.0mmol)、化合物3を5.0g(13mmol)、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:Aliquat336(登録商標)、Aldrich製)を0.5g、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを0.21g、2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液を12mL、及びトルエンを90mL入れ、4時間還流した。その後、反応液を水に注いだ。フラスコ内にトルエンを加え、トルエン溶液である有機層を抽出した。抽出した有機層を水、塩酸水溶液、水の順で洗浄した。その後、トルエン溶液を濃縮し、シリカゲルカラムを用いて濃縮液を精製した。さらに、トルエンと2−プロパノールから再結晶し、化合物5を得た。得量は1.8gであった。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ8.04(m,2H),7.84(m,2H),7.19(m,2H),7.12(m,2H),6.73(m,2H),2.83(t,J=7.4Hz,4H),1.71(m,4H),1.34(m,12H),0.91(m,6H)
実施例2
(電界効果型有機トランジスタの作製及び評価)
ゲート電極となる高濃度にドーピングされたn−型シリコン基板の表面を熱酸化し、絶縁層である300nmのシリコン酸化膜(以下、熱酸化膜ということがある。)を形成した。次に、フォトリソ工程により、熱酸化膜上にソース電極及びドレイン電極を作製した。該ソース電極及び該ドレイン電極は、熱酸化膜側からクロム(Cr)層と金(Au)層とを有し、チャネル長が20μm、チャネル幅が2mmであった。こうして得られた熱酸化膜、ソース電極及びドレイン電極を形成した基板をアセトンで10分間超音波洗浄を行ない、オゾンUVクリーナーで20分間UVオゾン処理を行なった。その後、β−フェネチルトリクロロシラン(β−PTS)で熱酸化膜の表面を修飾し、ペンタフルオロベンゼンチオール(PFBT)でソース電極及びドレイン電極の表面を修飾した。次に、上記表面処理した熱酸化膜、ソース電極及びドレイン電極上に、真空蒸着装置を用いて化合物4を蒸着し、約84nmの活性層を形成しボトムコンタクト型の電界効果型有機トランジスタを作製した。熱酸化膜、ソース電極及びドレイン電極を形成した基板の蒸着時の温度は60℃であった。
(電界効果型有機トランジスタの作製及び評価)
ゲート電極となる高濃度にドーピングされたn−型シリコン基板の表面を熱酸化し、絶縁層である300nmのシリコン酸化膜(以下、熱酸化膜ということがある。)を形成した。次に、フォトリソ工程により、熱酸化膜上にソース電極及びドレイン電極を作製した。該ソース電極及び該ドレイン電極は、熱酸化膜側からクロム(Cr)層と金(Au)層とを有し、チャネル長が20μm、チャネル幅が2mmであった。こうして得られた熱酸化膜、ソース電極及びドレイン電極を形成した基板をアセトンで10分間超音波洗浄を行ない、オゾンUVクリーナーで20分間UVオゾン処理を行なった。その後、β−フェネチルトリクロロシラン(β−PTS)で熱酸化膜の表面を修飾し、ペンタフルオロベンゼンチオール(PFBT)でソース電極及びドレイン電極の表面を修飾した。次に、上記表面処理した熱酸化膜、ソース電極及びドレイン電極上に、真空蒸着装置を用いて化合物4を蒸着し、約84nmの活性層を形成しボトムコンタクト型の電界効果型有機トランジスタを作製した。熱酸化膜、ソース電極及びドレイン電極を形成した基板の蒸着時の温度は60℃であった。
作製した電界効果型有機トランジスタのゲート電圧(Vg)を20V〜−40Vの間で変化させ、ソース−ドレイン間電圧(Vds)を−40Vとしてトランジスタ特性を測定したところ、電界効果移動度(メジアン値)は1.1×10−1cm2/Vsであった。
比較例1
(電界効果型有機トランジスタの作製及び評価)
化合物4を蒸着して形成した活性層にかえて、化合物5を蒸着して約106nmの活性層を形成した以外は実施例2と同様に電界効果型有機トランジスタを作製した。
電界効果移動度(メジアン値)は3.6×10−2cm2/Vsであった。
(電界効果型有機トランジスタの作製及び評価)
化合物4を蒸着して形成した活性層にかえて、化合物5を蒸着して約106nmの活性層を形成した以外は実施例2と同様に電界効果型有機トランジスタを作製した。
電界効果移動度(メジアン値)は3.6×10−2cm2/Vsであった。
1…基板、
2、2a…活性層、
3…絶縁層、
4…ゲート電極、
5…ソース電極、
6…ドレイン電極、
100、110、120、130、140、150、160、170…有機トランジスタ。
2、2a…活性層、
3…絶縁層、
4…ゲート電極、
5…ソース電極、
6…ドレイン電極、
100、110、120、130、140、150、160、170…有機トランジスタ。
Claims (11)
- Ar1が置換基を有していてもよい2,5−チエニレン基であり、Ar2が置換基を有していてもよい2−チエニル基である請求項3に記載の有機トランジスタ。
- Z1が、ハメットのσp値が0.6以上である置換基である請求項2〜4のいずれか一項に記載の有機トランジスタ。
- Z1が、ニトロ基である請求項5に記載の有機トランジスタ。
- Yが、−S−である請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機トランジスタ。
- 請求項8に記載の化合物を含む有機半導体材料。
- 請求項9に記載の有機半導体材料を含む有機層を有する有機半導体素子。
- ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、活性層及び絶縁層を有し、該活性層に請求項9に記載の有機半導体材料を含む有機トランジスタ。
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