[go: up one dir, main page]

JP2012030669A - 車両用駆動装置の制御装置 - Google Patents

車両用駆動装置の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012030669A
JP2012030669A JP2010171163A JP2010171163A JP2012030669A JP 2012030669 A JP2012030669 A JP 2012030669A JP 2010171163 A JP2010171163 A JP 2010171163A JP 2010171163 A JP2010171163 A JP 2010171163A JP 2012030669 A JP2012030669 A JP 2012030669A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
vehicle
control means
electric motor
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010171163A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruya Kato
春哉 加藤
Kenta Kumazaki
健太 熊▲崎▼
Toru Matsubara
亨 松原
Yasuhiro Hiasa
康博 日浅
Atsushi Tabata
淳 田端
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2010171163A priority Critical patent/JP2012030669A/ja
Publication of JP2012030669A publication Critical patent/JP2012030669A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Landscapes

  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Fluid Gearings (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】車両走行中のエンジン停止にかかる時間を短縮することができ、且つそのエンジン停止の際に発生するショックを抑制することができる車両用駆動装置の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン12のクランク軸14に連結された第1電動機MG1と、自動変速機18のシフトポジションが前進自動変速ポジションであり且つ車両走行中であるときにおいて、エンジン12の停止要求があった場合には、トルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cを低下させる低容量化制御手段66と、その低容量化制御手段66によりトルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cが低下させられている状態でエンジン12の回転が停止させられるように第1電動機MG1を制御するエンジン停止制御手段68とを、含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の走行中においてその車両の走行状態に応じて作動または停止させられるエンジンを備える車両用駆動装置の制御装置に係り、特に、エンジン停止にかかる時間を短縮すると共にそのエンジン停止時のショックを抑制するための技術に関するものである。
車両の走行中においてその車両の走行状態に応じて作動または停止させられるエンジンと、そのエンジンに連結された流体伝動装置とを備える車両用駆動装置の制御装置が知られている。例えば、特許文献1に記載されたものがそれである。この特許文献1の車両用駆動装置の制御装置は、車両の走行状態に応じて燃料供給を遮断するフューエルカット機能を備えるエンジンと、上記流体伝動装置としてのトルクコンバータと、そのトルクコンバータのステータ翼車に連結された電動機と、フューエルカット中における車両走行時において車両の急停止が判定されたときに上記電動機を制御してトルクコンバータの容量係数を低下させる容量係数制御手段とを、備えている。これによれば、車両の急停止が判定されてエンジンが再始動されようとするときにはトルクコンバータの容量係数が比較的に小さくされているために、トルクコンバータのタービン翼車の急停止に引き摺られてエンジン回転速度がエンジン再始動不可能な程度にまで小さくなることが抑制されるので、エンジンへの燃料供給が再開されるフューエルカット復帰回転速度をより低回転速度側へ拡大することができる。
特開2009−264481号公報
ところで、上記従来の車両用駆動装置の制御装置においては、車両走行中においてエンジンの停止要求があった場合には、そのエンジンへの燃料供給を停止(フューエルカット)することでエンジンが停止させられていた。しかし、車両走行中において流体伝動装置のタービン翼車が回転させられている状態においては、ポンプ翼車が上記タービン翼車に引き摺られるためにエンジンの回転が停止するまでに時間がかかるという問題があった。また、上記のようにエンジン停止までに時間がかかることにより、エンジン回転速度が、例えば350〜400[rpm]付近に存在する共振域に比較的長く停滞することに起因して、ショックが発生するという問題があった。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、車両走行中のエンジン停止にかかる時間を短縮することができ、且つそのエンジン停止の際に発生するショックを抑制することができる車両用駆動装置の制御装置を提供することにある。
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a) 車両の走行中においてその車両の走行状態に応じて作動または停止させられるエンジンと、そのエンジンに連結された流体伝動装置とを備える車両用駆動装置の制御装置であって、(b) 前記エンジンのクランク軸に連結された第1電動機と、(c) 前記エンジンの停止要求があった場合には、前記流体伝動装置の容量係数を低下させる低容量化制御手段と、(d) その低容量化制御手段により前記流体伝動装置の容量係数が低下させられている状態で前記エンジンの回転が停止させられるように前記第1電動機を制御するエンジン停止制御手段とを、含むことにある。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1にかかる発明において、前記エンジン停止制御手段は、前記流体伝動装置の容量係数が予め定められた所定の容量係数以下となった場合に、前記第1電動機を制御するものであることにある。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項2にかかる発明において、前記エンジン停止制御手段は、前記エンジンの回転速度が予め定められた所定の回転速度よりも小さくなったときに、前記流体伝動装置の容量係数が前記所定の容量係数以下になったと判断することにある。
また、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至3のいずれか1にかかる発明において、前記エンジン停止制御手段は、前記エンジンの回転を停止させる際に、そのエンジンのクランク軸の回転停止位置が、そのエンジンの始動時に発生するショックが抑制されるように予め定められた所定の回転停止位置となるように、前記第1電動機を制御するものであることにある。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至4のいずれか1にかかる発明において、(a) 前記流体伝動装置の出力部材に連結された第2電動機を備え、(b) 前記低容量化制御手段による低容量化制御の実施前後において車両の減速度変化が抑制されるように、前記第2電動機の回生トルクを調節する減速度制御手段を含むことにある。
また、請求項6にかかる発明の要旨とするところは、請求項5にかかる発明において、(a) 前記流体伝動装置と前記車両の駆動輪との間に設けられた自動変速機と、(b) 前記減速度制御手段による減速度制御中は前記自動変速機の変速を禁止する変速禁止手段とを、含むことにある。
また、請求項7にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至6のいずれか1にかかる発明において、(a) 前記流体伝動装置は、前記エンジンのクランク軸に連結されたポンプ翼車と、その流体伝動装置の出力部材に連結されたタービン翼車と、そのタービン翼車とポンプ翼車との間に配設されたステータ翼車とを有するトルクコンバータであり、(b)ステータ翼車と非回転部材との間に設けられたブレーキを備え、(c) 前記低容量化制御手段は、そのブレーキの係合トルクを制御して前記ステータ翼車の回転を抑制することにより、前記流体伝動装置の容量係数を、前記ステータ翼車が前記非回転部材に対して自由回転状態であるときの値よりも小さくするものであることにある。
請求項1にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、エンジンのクランク軸に連結された第1電動機と、エンジンの停止要求があった場合には、前記流体伝動装置の容量係数を低下させる低容量化制御手段と、その低容量化制御手段により前記流体伝動装置の容量係数が低下させられている状態で前記エンジンの回転が停止させられるように前記第1電動機を制御するエンジン停止制御手段とを、含むことから、流体伝動装置の容量係数が低下させられることで流体伝動装置のタービン翼車とポンプ翼車とが滑り易い状態とされて駆動輪側からのトルクがエンジン側へ伝わり難くされ、その状態においてエンジンの回転を停止させる制動トルクが第1電動機から出力されることにより、例えば350〜400[rpm]付近に存在する共振域を比較的に短時間で通過するようにエンジン回転速度を速やかに低下させることができるので、車両走行中のエンジン停止にかかる時間を短縮することができ、且つそのエンジン停止の際に発生するショックを抑制することができる。
また、請求項2にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記エンジン停止制御手段は、前記流体伝動装置の容量係数が予め定められた所定の容量係数以下となった場合に、前記第1電動機を制御するものであることから、流体伝動装置の容量係数が十分に低下させられることで流体伝動装置のタービン翼車がポンプ翼車に対して十分に滑り易い状態とされてからエンジン停止制御が実施されるので、駆動輪側からエンジン側へ伝わる駆動力を十分に抑制させた状態においてエンジン停止制御が適切に実施され得る。
また、請求項3にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記エンジン停止制御手段は、前記エンジンの回転速度が予め定められた所定の回転速度よりも小さくなったときに、前記流体伝動装置の容量係数が前記所定の容量係数以下になったと判断することから、エンジン回転速度を検出することにより、駆動輪側からエンジン側へ伝わる駆動力が十分に抑制されていることを比較的容易に把握することができる。
また、請求項4にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記エンジン停止制御手段は、前記エンジンの回転を停止させる際に、そのエンジンのクランク軸の回転停止位置が、そのエンジンの始動時に発生するショックが抑制されるように予め定められた所定の回転停止位置となるように、前記第1電動機を制御するものであることから、エンジン再始動時に発生するショックが抑制されるので、速やかにエンジンを再始動することが可能となる。
また、請求項5にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、流体伝動装置の出力部材に連結された第2電動機を備え、前記低容量化制御手段による低容量化制御の実施前後において車両の減速度変化が抑制されるように、上記第2電動機の回生トルクを調節する減速度制御手段を含むことから、エンジン停止によりエンジンブレーキが無くなる分だけ低下する車両の減速度を、第2電動機の回生により補うことができるので、低容量化制御の実施による車両の減速度変化により運転者に与える違和感を軽減することができる。
また、請求項6にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記流体伝動装置と前記車両の駆動輪との間に設けられた自動変速機と、前記減速度制御手段による減速度制御中は前記自動変速機の変速を禁止する変速禁止手段とを、含むことから、自動変速機が変速されることによって車両減速度が変化して減速度制御が複雑になることを防止することができる。
また、請求項7にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記流体伝動装置は、前記エンジンのクランク軸に連結されたポンプ翼車と、その流体伝動装置の出力部材に連結されたタービン翼車と、そのタービン翼車とポンプ翼車との間に配設されたステータ翼車とを有するトルクコンバータであり、ステータ翼車と非回転部材との間に設けられたブレーキを備え、前記低容量化制御手段は、そのブレーキの係合トルクを制御して前記ステータ翼車の回転を抑制することにより、前記流体伝動装置の容量係数を、前記ステータ翼車が前記非回転部材に対して自由回転状態であるときの値よりも小さくするものであることから、ブレーキの係合トルクを調節することにより、比較的容易にトルクコンバータの容量係数を低下させることができる。
図1は、本発明の一実施例の車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 図1に示す自動変速機において各変速段を成立させるための各油圧式摩擦係合装置の作動表である。 図1に示す自動変速機のシフトポジションを切り換えるためのシフト操作装置を示す図である。 図1に示す自動変速機の自動変速制御において用いられる変速線図を示す図である。 図1に示すトルクコンバータの逆駆動状態における、ブレーキのスリップ率とトルクコンバータの逆駆動時容量係数との関係を示す図である。 図1に示すトルクコンバータの逆駆動状態における速度比と逆駆動時トルク比との関係を示す図である。 図1に示すトルクコンバータの逆駆動状態における速度比と逆駆動容量係数との関係を示す図である。 図1の車両用駆動装置を含む車両に設けられた各装置を制御するための制御系統を説明するブロック線図である。 図8の電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。 図8の電子制御装置の信号処理によって実行される制御作動の要部を説明するフローチャートである。 図8の電子制御装置の制御作動の一例を説明するためのタイムチャートである。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例の車両用駆動装置10の構成を説明する骨子図である。図1において、車両用駆動装置10は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)方式のハイブリッド車両に好適に採用されるものであり、内燃機関から構成されるエンジン12と、そのエンジン12のクランク軸14に連結されたトルクコンバータ(流体伝動装置)16と、エンジン12とトルクコンバータ16との間に設けられてエンジン12のクランク軸14に連結された第1電動機MG1と、トルクコンバータ16と図示しない駆動輪との間に設けられてトルクコンバータ16に連結された自動変速機18と、トルクコンバータ16と自動変速機18との間に設けられて自動変速機18の入力軸20に連結された第2電動機MG2とを備えている。なお、トルクコンバータ16、自動変速機18、および第1電動機MG1、MG2等はそれらの共通の軸心に対して対称的に構成されており、図1においてはその軸心の下半分が省略して図示されている。
トルクコンバータ16は、流体伝動装置であって、エンジン12のクランク軸14に連結され、そのエンジン12により回転駆動されることによってトルクコンバータ16内の作動油の流動による流体流を発生させるポンプ翼車16pと、自動変速機18の入力軸20に連結され、上記ポンプ翼車16pからの流体流を受けて回転させられるタービン翼車16tと、そのタービン翼車16tからポンプ翼車16pへの流体流中に回転可能に配設されたステータ翼車16sとを備えている。上記自動変速機18の入力軸20は、トルクコンバータ16の出力部材としても機能するものである。
このトルクコンバータ16においては、エンジン12からのトルクによりポンプ翼車16pが回転させられると、このポンプ翼車16pの回転が作動油を介してタービン翼車16tに伝達されて、タービン翼車16tが回転させられる。この状態をトルクコンバータ16の正駆動状態という。これにより、エンジン12のトルクが入力軸20に伝達される。また、上記の場合とは逆に、前記駆動輪側からのトルクによりタービン翼車16tが回転させられると、このタービン翼車16tの回転が作動油を介してポンプ翼車16pに伝達されて、ポンプ翼車16pが回転させられる。この状態をトルクコンバータ16の逆駆動状態という。これにより、入力軸20のトルクがエンジン12に伝達される。
また、トルクコンバータ16は、上記ポンプ翼車16pとタービン翼車16tとの間に設けられたロックアップクラッチL/Cを備えている。このロックアップクラッチL/Cは、完全係合状態、スリップ状態、および解放状態のいずれか1の状態に制御される。ロックアップクラッチL/Cが解放状態とされた場合には、上記のようにクランク軸14と入力軸20との間のトルク伝達がトルクコンバータ16内の作動油を介して行われる。そして、ロックアップクラッチL/Cが完全係合状態とされた場合には、エンジン12のクランク軸14と自動変速機18の入力軸20とが相互に一体的に連結されて、それらクランク軸14と入力軸20との間のトルク伝達がトルクコンバータ16内の作動油を介さずに直接的に行われる。
第2電動機MG2は、駆動トルクを発生させる電動モータとしての機能と回生トルクを発生させる発電機としての機能とが選択的に得られるように構成された回転機であって、例えば交流同期型のモータジェネレータにより構成される。この第2電動機MG2は、その駆動によって入力軸20に正回転方向(エンジン12作動時のクランク軸14の回転方向)の駆動トルクを付与することができ、また、その発電(回生)によって入力軸20に負回転方向(エンジン12作動時のクランク軸14の回転方向とは反対の回転方向)の負荷トルクすなわち制動トルクを付与すると共に車両に設けられたバッテリ(蓄電装置)を充電することができる。
第1電動機MG1は、第2電動機MG2と同様に、駆動トルクを発生させる電動モータとしての機能と回生トルクを発生させる発電機としての機能とが選択的に得られるように構成された回転機であって、例えば交流同期型のモータジェネレータにより構成される。この第1電動機MG1は、その駆動によってクランク軸14に正回転方向の駆動トルクを付与することができ、また、その発電(回生)によってクランク軸14に負回転方向の負荷トルクすなわち制動トルクを付与すると共に車両に設けられたバッテリ(蓄電装置)を充電することができる。
ここで、車両用駆動装置10においては、車両のコースト走行時(アクセルオフの惰性走行時)には、エンジン12への燃料供給が遮断される所謂フューエルカットが実施される。これにより、エンジン12の燃料消費が低減されて車両燃費が向上される。第1電動機MG1は、例えば、車両のコースト走行時において上記フューエルカットが実施される際に、エンジン12への燃料供給が停止されてから、そのエンジン12の回転を強制的に停止させるためにクランク軸14に負回転方向の負荷トルクすなわち制動トルクを付与するエンジンストップモータとして用いられる。さらには、第1電動機MG1は、上記フューエルカットが解除される際に、エンジン12を再始動するためにクランク軸14に正回転方向の駆動トルクを付与するエンジンスタータモータとしても用いられる。
自動変速機18は、トルクコンバータ16および第2電動機MG2の出力を変速して出力軸22から出力する装置である。この自動変速機18は、非回転部材としてのトランスミッションケース24内に収容された第1変速部26および第2変速部28を備えている。上記第1変速部26は、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置30を主体として構成される。そして、上記第2変速部28は、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置32及びダブルピニオン型の第3遊星歯車装置34を主体として構成される。
第1変速部26では、第1遊星歯車装置30のサンギヤS1がトランスミッションケース24に連結されて回転不能に固定される。また、第1遊星歯車装置30のキャリヤCA1が入力軸20に連結されると共に、第2遊星歯車装置32のサンギヤS2にクラッチC4を介して連結される。また、第1遊星歯車装置30のリングギヤR1が第3遊星歯車装置34のサンギヤS3にクラッチC1を介して連結されると共に、第2遊星歯車装置32のサンギヤS2にクラッチC3を介して連結される。
そして、第2変速部28では、第2遊星歯車装置32のサンギヤS2がトランスミッションケース24にブレーキB1を介して連結されて回転不能に固定される。また、第2遊星歯車装置32および第3遊星歯車装置34のキャリヤCA2がトランスミッションケース24にブレーキB2を介して連結されて回転不能に固定されると共に、入力軸20にクラッチC2を介して連結される。また、第2遊星歯車装置32および第3遊星歯車装置34のリングギヤR2が出力軸22に連結されて回転不能に固定される。
なお、上記クラッチC1〜C4およびブレーキB1、B2は、油圧シリンダとその油圧シリンダに供給される油圧に応じて摩擦係合される多板式のクラッチあるいはブレーキとを備える油圧式摩擦係合装置である。
この自動変速機18においては、各油圧式摩擦係合装置(ラッチC1〜C4、ブレーキB1、B2)が図2に示す所定の作動表に従ってそれぞれ係合または解放されることにより、変速比がそれぞれ異なる前進8段および後進2段の変速段が成立するようになっている。図2において、「○」は係合状態を、空欄は解放状態をそれぞれ示している。
また、自動変速機18は、図3に示すように、車両の運転者の手動操作により自動変速機18のシフトポジションを切り換えるためのシフト操作装置36を備えている。このシフト操作装置36は、例えば車両の運転席の側方等に配設され、複数のシフトポジションのいずれか1を選択するためのシフトレバー38を備えている。このシフトレバー38が複数の操作位置のいずれか1に操作されることで、「P(パーキング)」、「R(リバース)」、「N(ニュートラル)」、「D(ドライブ)」、および「M(マニュアル)」のいずれか1のシフトポジションが選択されて設定される。
上記「P(パーキング)」は、自動変速機18における入力軸20と出力軸22との間の動力伝達経路を遮断しつつ、その出力軸22を回転不能に固定するための駐車ポジションである。また、上記「R(リバース)」は、自動変速機18の変速段を後進変速段に切り換えるための後進走行ポジションである。また、上記「N(ニュートラル)」は、自動変速機18における入力軸20と出力軸22との間の動力伝達経路を遮断するための中立ポジションである。また、上記「D(ドライブ)」は、自動変速機18の変速レンジが自動的に切り換えられる自動変速制御を実行させるための前進自動変速ポジションである。また、上記「M(マニュアル)」は、自動変速機18の変速レンジが運転者の手動操作に応じて切り換えられる手動変速モードを成立させるための前進手動変速ポジションである。
また、上記自動変速機18の自動変速制御は、図4に示すように車速軸と要求出力トルク軸との二次元座標内において設定された複数本の変速線から構成される予め記憶された変速線図に従って実行される。具体的には、図4に示す変速線図から、車速V[km/h]および要求出力トルクTOUT[N・m]に基づいて、自動変速機18の変速すべき変速段が決定され、その決定されたギヤ段が成立するように前記図2に示す作動表に従って各油圧式摩擦係合装置が作動させられる。
以上のように構成された車両用駆動装置10においては、車両の走行状態に応じて、エンジン12の動力により車両を走行させるエンジン走行と第2電動機MG2の動力により車両を走行させるモータ走行とが切り換えられて作動させられるようになっている。上記エンジン走行とモータ走行との切り換えは、車両の走行状態が前記図4において1点鎖線で区画されて示されたエンジン走行領域およびモータ走行領域のどちらに属するかに基づいて行われる。
車両の走行状態が図4においてエンジン走行領域に属する場合には、エンジン12から出力されたトルクがクランク軸14を介してトルクコンバータ16に入力され、そのトルクコンバータ16にて増幅されて自動変速機18の入力軸20に入力される。そして、上記入力軸20に入力されたトルクが自動変速機18において変速されて出力軸22から出力される。これにより、エンジン12からのトルクが車両の駆動輪に伝達される。このとき、車両用駆動装置10では、エンジン12から入力軸20に伝達された出力の一部が用いられて第2電動機MG2が駆動させられることにより、その第2電動機MG2が発電機として機能して前記バッテリが充電されるようになっている。
また、車両の走行状態が図4においてモータ走行領域に属する場合には、前記バッテリから第2電動機MG2に電力が供給されることでその第2電動機MG2が電動モータとして機能させられ、その第2電動機MG2から出力された車両走行用のトルクが自動変速機18の入力軸20に入力される。そして、上記入力軸20に入力されたトルクが自動変速機18において変速されて出力軸22から出力される。これにより、第2電動機MG2からのトルクが車両の駆動輪に伝達される。このとき、車両用駆動装置10では、車両のコースト走行時(アクセルオフの惰性走行時)に駆動輪からのトルクが用いられて第2電動機MG2が回生させられることにより、その第2電動機MG2が発電機として機能して前記バッテリが充電されるようになっている。
なお、車両用駆動装置10では、たとえば、車両の走行状態がモータ走行領域に属していても前記バッテリのSOC(state of charge:充電状態)が所定値以下である場合にはエンジン走行が行われる、また、車両の急発進時や急加速時などにはエンジン12および第2電動機MG2の両方の出力が用いられて車両が走行させられる等の制御が適宜行われる。
図1に戻って、車両用駆動装置10は、さらに、ステータ翼車16sとトランスミッションケース24との間に設けられてそれらを連結するブレーキBsを備えている。
ブレーキBsは、前記ブレーキB1、B2と同様な油圧式摩擦係合装置である。このブレーキBsは、完全係合させられることでステータ翼車16sを非回転部材であるトランスミッションケース24に回転不能に固定する。また、ブレーキBsは、解放させられることでステータ翼車16sをトランスミッションケース24に対して自由回転状態にする。トルクコンバータ16では、その正駆動状態におけるコンバータ領域において上記ブレーキBsが完全係合させられてステータ翼車16sが固定されることによりトルク増幅作用が得られ、正駆動状態におけるカップリング領域において上記ブレーキBsが解放させられてステータ翼車16sが自由回転状態とされることにより効率低下が抑制されるようになっている。また、ブレーキBsは、その係合トルクが制御されることでトランスミッションケース24に対するスリップ率Rs[%]が連続的に変化させられる。なお、上記スリップ率Rsは、その値が小さいほどステータ翼車16sの回転を抑制することになる。そして、スリップ率Rsが零であるときには、ステータ翼車16sがトランスミッションケース24に回転不能に固定される。
図5は、トルクコンバータ16の逆駆動状態における、ブレーキBsのスリップ率Rsとトルクコンバータ16の容量係数(逆駆動時容量係数)C[N・m/rpm2]との関係を示す図である。図5に示すように、ブレーキBsのスリップ率Rsが小さいほどトルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cが小さくなる。これは、ステータ翼車16sの回転が抑制されることによって、トルクコンバータ16内の作動油の流れが阻害されることによる。
図6は、トルクコンバータ16の逆駆動状態における、速度比Ne/Ntとトルク比(逆駆動時トルク比)tとの関係を示す図である。図7は、トルクコンバータ16の逆駆動状態における、速度比Ne/Ntと逆駆動容量係数Cとの関係を示す図である。上記速度比Ne/Ntは、エンジン回転速度Neとタービン回転速度(タービン翼車16tの回転速度)Ntとの比である。また、上記トルク比tは、タービン翼車16tのトルクとポンプ翼車16pのトルクとの比である。図6および図7において、破線で示すのはブレーキBsが解放させられたときの値であり、また、実線で示すのはブレーキBsが完全係合されたときの値である。これらの図に示すように、ブレーキBsの係合トルクが制御されてスリップ率Rsが小さくされるほど逆駆動時トルク比tが1.0に近づき、また、逆駆動時容量係数Cが低下する。そして、ブレーキBsが完全係合されることで逆駆動時トルク比tが1となり、また、逆駆動時容量係数Cが速度比Ne/Ntに応じた最小値となる。
このように、逆駆動時容量係数Cが低下させられた状態においては、その逆駆動時容量係数Cが比較的に大きい場合と比べて、タービン翼車16tとポンプ翼車16pとが相対回転し易い状態すなわち滑り易い状態とされて、車両の駆動輪側からのトルクすなわち逆駆動トルクがエンジン12に伝達され難くなる。そのため、例えば、車両のコースト走行時において、駆動輪からのトルクがトルクコンバータ16を介してエンジン12に加わっても、その加えられたトルクよりもエンジン12のフリクショントルクの方が勝り、エンジン12が回転しないため、エンジン12の引き摺りトルクが低減され、その分第2電動機MG2の回生量を増やすことができる。また、逆駆動時容量係数Cが低下させられた状態においては、エンジン12において発生したショック、例えばエンジン停止時のショックが駆動輪側へ伝達され難くなる。
図8は、車両用駆動装置10を含む車両に設けられた各装置を制御するための制御系統を説明するブロック線図である。図8において、電子制御装置40は、車両用駆動装置10の制御装置として機能を有するものであって、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUがRAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン12の出力制御、自動変速機18の変速制御、第1電動機MG1および第2電動機MG2の出力制御、およびブレーキBsの係合トルク制御などを実行する。
電子制御装置40には、図8に示すように車両に設けられた各センサにより検出された各種入力信号が供給される。上記入力信号には、例えば、MG回転数センサ42により検出される電動機MG1、MG2の回転速度を表す信号、エンジン回転数センサ44により検出されるエンジン回転速度Neを表す信号、車速センサ46により検出される車速Vを表す信号、アクセル開度センサ48により検出されるアクセル開度Accを表す信号、車両加速度センサ50により検出される車両加速度Gを表す信号、タービン回転数センサ52により検出されるタービン回転速度Ntを表す信号、およびクランクポジションセンサ53により検出されるクランク軸14の回転角度位置を表す信号などがある。
そして、電子制御装置40からは、図8に示すように車両に設けられた各装置に各種出力信号が供給される。上記出力信号には、たとえば、エンジン12の出力制御のために点火装置54や電子スロットル弁56等に供給される信号、第1電動機MG1の出力制御のためにその第1電動機MG1に供給される信号、第2電動機MG2の出力制御のためにその第2電動機MG2に供給される信号、自動変速機18の変速制御のためにATライン圧コントロールバルブ58、ATソレノイドバルブ60、62、および64等に供給される信号などがある。
図9は、電子制御装置40に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。図9において、低容量化制御手段66は、自動変速機18のシフトポジションが前進自動変速ポジションであり、且つ車両走行中であるすなわち車速Vが零でないときにおいて、エンジン12の停止要求があった場合には、ブレーキBsの係合トルクを制御してステータ翼車16sの回転を抑制することにより、トルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cを、ステータ翼車16sが非回転部材としてのトランスミッションケース24に対して自由回転状態であるときの値よりも低下させる。例えば、低容量化制御手段66は、エンジン回転速度Neが大きいほどブレーキBsのスリップ率Rsが小さくなるようにブレーキBsの係合トルクを制御することで、エンジン回転速度Neが大きいほどトルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cの低下量を大きくする。そして、低容量化制御手段66は、エンジン回転速度Neが所定値以上の場合には、ブレーキBsを完全係合させてステータ翼車16sをトランスミッションケース24に回転不能に固定することで、トルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cを速度比Ne/Ntに応じて最小値とする
なお、上記エンジン12の停止要求がある場合とは、アクセル開度Accが零であるアクセルオフ状態であることが判定され、且つ車速Vが減少している減速走行であることが判定されたときである。
エンジン停止制御手段68は、低容量化制御手段66によりトルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cが予め定められた所定の逆駆動時容量係数C(1)以下に低下させられている状態においてエンジン12の回転が停止させられるように第1電動機MG1を制御するものである。なお、エンジン停止制御手段68は、エンジン回転速度Neが予め定められた所定のエンジン回転速度Ne1よりも小さくなったときに、トルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cが予め定められた所定の逆駆動時容量係数C(1)以下に低下させられていると判定し、その判定後に第1電動機MG1を制御する。
また、エンジン停止制御手段68は、エンジン12の回転を停止させる際に、クランク軸14の回転停止位置が、エンジン12の始動時に発生するショックが抑制されるように予め定められた所定の回転停止位置となるように、クランクポジションセンサ53により検出されるクランク軸14の回転角度を把握しつつ第1電動機MG1を制御する。なお、上記予め定められた所定の回転停止位置は、予め実験的に求められる位置であり、例えば、エンジン12が燃料を燃焼室内に直接噴射する所謂噴射系エンジンである場合には、そのエンジン12が有する複数の気筒のいずれか1のピストンの上死点に対応するクランク軸14の回転角度から回転方向後方60度又はその付近に位置している。また、例えば、エンジン12が燃料を吸気路内で噴射する所謂吸気系エンジンである場合には、そのエンジン12が有する複数の気筒のいずれか1のピストンの上死点に対応するクランク軸の回転角度から回転方向前方60度又はその付近に位置している。
減速度制御手段72は、低容量化制御手段66による低容量化制御の実施前後において車両減速度G変化が抑制されるように、車両加速度センサ50により検出される車両加速度Gを把握しつつ第2電動機MG2の回生トルクを調節する。
変速禁止手段74は、減速度制御手段72による減速度制御中は自動変速機18の変速制御を実行する変速制御手段76による自動変速機18の変速を禁止することで、その変速により車両減速度Gが変化することを抑制する。本実施例の変速禁止手段74は、低容量化制御手段66においてエンジン停止要求があると判定された場合には、減速度制御手段72による減速度制御が開始されると判定して、変速制御手段76による自動変速機18の変速を禁止する。また、変速禁止手段74は、エンジン停止制御手段68によりエンジン12の回転が停止させられたと判定された場合には、変速制御手段76による自動変速機18の変速禁止を解除する。
図10は、電子制御装置40の信号処理によって実行される制御作動の要部を説明するフローチャートである。このフローチャートは、電子制御装置40による制御作動のうちの低容量化制御、エンジン停止制御、減速度制御、および変速禁止制御のための制御作動を説明するためのものであり、自動変速機18のシフトポジションが前進自動変速ポジションであり、且つ車両走行中であるすなわち車速Vが零でないときに、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。
図10において、先ず、低容量化制御手段66に対応するステップ(以下、「ステップ」を省略する)S1においては、アクセル開度Accが零であるアクセルオフ状態であり且つ車速Vが減少している減速走行であるか、否かに基づいて、エンジン12の停止要求があるか否かが判定される。
上記S1の判定が否定される場合には、本ルーチンは終了させられる。そして、上記S1の判定が肯定される場合には、変速禁止手段74に対応するS2において、自動変速機18の変速が禁止される。
S2に次いで、低容量化制御手段66に対応するS3においては、ブレーキBsの係合トルクを制御してステータ翼車16sの回転が抑制されることにより、トルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cが、ステータ翼車16sが非回転部材としてのトランスミッションケース24に対して自由回転状態であるときの値よりも、小さくされる低容量化制御が開始される。
S3に次いで、エンジン停止制御手段68に対応するS4において、エンジン回転速度Neが予め定められた所定のエンジン回転速度Ne1よりも小さいか、否かに基づいて、トルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cが予め定められた所定の逆駆動時容量係数C(1)以下に低下させられているか否かが判定される。
上記S4の判定が否定される場合には、S4以下が繰り返し実行される。そして、上記S4の判定が肯定される場合には、エンジン停止制御手段68に対応するS5において、トルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cが予め定められた所定の逆駆動時容量係数C(1)以下に低下させられている状態においてエンジン12の回転が停止させられるように第1電動機MG1が制御される。
上記S5に次いで、エンジン停止制御手段68に対応するS6において、エンジン12のクランク軸14の回転停止位置が、エンジン12の再始動時に発生するショックが抑制されるように予め定められた所定の回転停止位置となるように、クランクポジションセンサ53により検出されるクランク軸14の回転角度位置が把握しつつ第1電動機MG1が制御される。なお、上記予め定められた所定の回転停止位置は、予め実験的に求められる位置である。
上記S6に次いで、減速度制御手段72に対応するS7においては、S3で開始された低容量化制御の実施前後において車両減速度Gの変化が抑制されるように、車両加速度センサ50により検出される車両加速度Gが把握されつつ第2電動機MG2の回生トルクが調節される。
上記S7に次いで、変速禁止手段74に対応するS8において、自動変速機18の変速禁止が解除されて、本ルーチンが終了させられる。
図11は、電子制御装置40の制御作動の一例を説明するためのタイムチャートであって、自動変速機18のシフトポジションが前進自動変速ポジションであり且つ車両走行中であるときにおいて、t1時点でエンジン12の停止要求があった場合のものである。図11において、t1時点直後から所定の間は変速が禁止される。そして、t2時点から、トルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cを低下させるためにブレーキBsに供給される油圧(Bsクラッチ油圧)PBs[Pa]が高められている。また、t2時点から、上記逆駆動時容量係数Cの低下に伴って変化する車両減速度Gの変化を抑制させるために第1電動機MG1の回生トルクが増加させられている。
そして、エンジン回転速度Neが所定のエンジン回転速度Ne1以下となるt3時点から、エンジン停止のために第2電動機MG2から制動トルクが出力されている。そして、エンジン回転速度Ne1が零となってエンジン停止したt4時点でエンジンの回転がロックされる。そして、t1時点から例えば2秒程度経過したt5時点において変速禁止が解除されて第2変速段から第1変速段への変速が実施されている。結果として、t1時点以降の低容量化制御中およびエンジン停止制御中において変速が判断されても、その判断された変速を実行するための変速指令はt5時点まで遅らされ、変速が遅延させられている。
本実施例の車両用駆動装置10の制御装置としての電子制御装置40によれば、エンジン12のクランク軸14に連結された第1電動機MG1と、自動変速機18のシフトポジションが前進自動変速ポジションであり且つ車両走行中であるときにおいて、エンジン12の停止要求があった場合には、トルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cを低下させる低容量化制御手段66と、その低容量化制御手段66によりトルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cが低下させられている状態でエンジン12の回転が停止させられるように第1電動機MG1を制御するエンジン停止制御手段68とを、含むことから、トルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cが低下させられることでタービン翼車16tとポンプ翼車16pとが滑り易い状態とされて駆動輪側からの駆動力がエンジン12側へ伝わり難くされ、その状態においてエンジン12の回転を停止させる制動トルクが第1電動機MG1から出力されることにより、例えば350〜400[rpm]付近に存在する共振域を比較的に短時間で通過するようにエンジン回転速度Neを速やかに低下させることができるので、車両走行中のエンジン停止にかかる時間を短縮することができ、且つそのエンジン停止の際に発生するショックを抑制することができる。また、エンジン12の回転が停止するまで成り行きに任せるような場合と比較して、第1電動機MG1により強制的にエンジン12の回転を停止させることでエンジン停止にかかる時間のばらつきの発生を抑制することができる。
また、本実施例の電子制御装置40によれば、トルクコンバータ16は、エンジン12のクランク軸14に連結されたポンプ翼車16pと、そのトルクコンバータ16の出力部材としての入力軸20に連結されたタービン翼車16tと、そのタービン翼車16tとポンプ翼車16pとの間に配設されたステータ翼車16sとを有するトルクコンバータ16であり、ステータ翼車16sとトランスミッションケース(非回転部材)24との間に設けられたブレーキBsを備え、低容量化制御手段66は、そのブレーキBsの係合トルクを制御してステータ翼車16sの回転を抑制することにより、トルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cを、ステータ翼車16sが非回転部材に対して自由回転状態であるときの値よりも小さくするものであることから、ブレーキBsの係合トルクを調節することにより、比較的容易にトルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cを低下させることができる。
また、本実施例の電子制御装置40によれば、エンジン停止制御手段68は、トルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cが予め定められた所定の逆駆動時容量係数C(1)以下となった場合に、第1電動機MG1を制御するものであることから、トルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cが十分に低下させられることでタービン翼車16tがポンプ翼車16pに対して十分に滑り易い状態とされてからエンジン停止制御が実施されるので、駆動輪側からエンジン12側へ伝わる駆動力を十分に抑制させた状態においてエンジン停止制御が適切に実施され得る。
また、本実施例の電子制御装置40によれば、エンジン停止制御手段68は、エンジン回転速度Neが予め定められた所定のエンジン回転速度Ne1よりも小さくなったときに、トルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cが前記所定の逆駆動時容量係数C(1)以下になったと判断することから、エンジン回転速度Neを検出することにより、駆動輪側からエンジン12側へ伝わる駆動力が十分に抑制されていることを比較的容易に把握することができる。
また、本実施例の電子制御装置40によれば、エンジン停止制御手段68は、エンジン12の回転を停止させる際に、そのエンジン12のクランク軸14の回転停止位置が、そのエンジン12の始動時に発生するショックが抑制されるように予め定められた所定の回転停止位置となるように、第1電動機MG1を制御するものであることから、エンジン再始動時にショックが発生するのが抑制されるので、速やかにエンジン12を再始動することが可能となる。
また、本実施例の電子制御装置40によれば、低容量化制御手段66による低容量化制御の実施前後において車両減速度Gの変化が抑制されるように、車両加速度センサ50により検出される車両加速度Gを把握しつつ第2電動機MG2の回生トルクを調節する減速度制御手段を含むことから、エンジン12の停止によりエンジンブレーキが無くなる分だけ低下する車両減速度Gを、第2電動機MG2の回生により補うことができるので、低容量化制御の実施による車両減速度G変化により運転者に与える違和感を軽減することができる。
また、本実施例の電子制御装置40によれば、トルクコンバータ16と車両の駆動輪との間に設けられた自動変速機18と、減速度制御手段72による減速度制御中は自動変速機18の変速を禁止する変速禁止手段74とを、含むことから、自動変速機18が変速されることによって車両減速度Gが変化して減速度制御が複雑になることを防止することができる。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
例えば、低容量化制御手段66は、前述の実施例のものに限定されず、例えば、エンジン回転速度Neに係わらず、ブレーキBsを完全係合させてステータ翼車16sをトランスミッションケース24に回転不能に固定することで、トルクコンバータ16の逆駆動時容量係数Cを一律に速度比Ne/Ntに応じて最小値とするように構成してもよい。
また、車両用駆動装置10は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)方式の車両に用いられるものに限らず、その他の駆動方式の車両に用いられるものであってもよい。
また、自動変速機18は、前述の実施例のものに限定されず、遊星歯車装置および油圧式摩擦係合装置の数や変速段数などに特に限定はない。
また、ブレーキBsは、油圧式摩擦係合装置から構成されていたが、例えば、電磁クラッチ等から構成されてもよい。
また、クランク軸位置制御に際しては第1電動機MG1が用いられていたが、それに代えて、クランク軸14の前端に連結されたスタータモータが用いられてもよい。
また、車両用駆動装置10にはトルクコンバータ16が備えられていたが、これに限らず、フルードカップリングが備えられていてもよい。
また、車両の走行状態によっては、エンジン12および第2電動機MG2の両方の出力を用いて車両を走行させるように構成されてもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両用駆動装置
12:エンジン
14:クランク軸
16:トルクコンバータ(流体伝動装置)
16p:ポンプ翼車
16s:ステータ翼車
16t:タービン翼車
18:自動変速機
20:入力軸(流体伝動装置の出力部材)
24:トランスミッションケース(非回転部材)
40:電子制御装置(車両用駆動装置の制御装置)
66:低容量化制御手段
68:エンジン停止制御手段
72:減速度制御手段
74:変速禁止手段
Bs:ブレーキ
C:逆駆動時容量係数(容量係数)
C(1):所定の逆駆動時容量係数
G:車両減速度
MG1:第1電動機
MG2:第2電動機
Ne:エンジン回転速度
Ne1:所定のエンジン回転速度

Claims (7)

  1. 車両の走行中において該車両の走行状態に応じて作動または停止させられるエンジンと、該エンジンに連結された流体伝動装置とを備える車両用駆動装置の制御装置であって、
    前記エンジンのクランク軸に連結された第1電動機と、
    前記エンジンの停止要求があった場合には、前記流体伝動装置の容量係数を低下させる低容量化制御手段と、
    該低容量化制御手段により前記流体伝動装置の容量係数が低下させられている状態で前記エンジンの回転が停止させられるように前記第1電動機を制御するエンジン停止制御手段と
    を、含むことを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
  2. 前記エンジン停止制御手段は、前記流体伝動装置の容量係数が予め定められた所定の容量係数以下となった場合に、前記第1電動機を制御するものであることを特徴とする請求項1の車両用駆動装置の制御装置。
  3. 前記エンジン停止制御手段は、前記エンジンの回転速度が予め定められた所定の回転速度よりも小さくなったときに、前記流体伝動装置の容量係数が前記所定の容量係数以下になったと判断することを特徴とする請求項2の車両用駆動装置の制御装置。
  4. 前記エンジン停止制御手段は、前記エンジンの回転を停止させる際に、該エンジンのクランク軸の回転停止位置が、該エンジンの始動時に発生するショックが抑制されるように予め定められた所定の回転停止位置となるように、前記第1電動機を制御するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の車両用駆動装置の制御装置。
  5. 前記流体伝動装置の出力部材に連結された第2電動機を備え、
    前記低容量化制御手段による低容量化制御の実施前後において車両の減速度変化が抑制されるように、前記第2電動機の回生トルクを調節する減速度制御手段を含むこと特徴する請求項1乃至4のいずれか1の車両用駆動装置の制御装置。
  6. 前記流体伝動装置と前記車両の駆動輪との間に設けられた自動変速機と、
    前記減速度制御手段による減速度制御中は該自動変速機の変速を禁止する変速禁止手段と
    を、含むことを特徴とする請求項5の車両用駆動装置の制御装置。
  7. 前記流体伝動装置は、前記エンジンのクランク軸に連結されたポンプ翼車と、該流体伝動装置の出力部材に連結されたタービン翼車と、該タービン翼車と該ポンプ翼車との間に配設されたステータ翼車とを有するトルクコンバータであり、
    該ステータ翼車と非回転部材との間に設けられたブレーキを備え、
    前記低容量化制御手段は、該ブレーキの係合トルクを制御して前記ステータ翼車の回転を抑制することにより、前記流体伝動装置の容量係数を、該ステータ翼車が前記非回転部材に対して自由回転状態であるときの値よりも小さくするものであること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれか1の車両用駆動装置の制御装置。
JP2010171163A 2010-07-29 2010-07-29 車両用駆動装置の制御装置 Pending JP2012030669A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010171163A JP2012030669A (ja) 2010-07-29 2010-07-29 車両用駆動装置の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010171163A JP2012030669A (ja) 2010-07-29 2010-07-29 車両用駆動装置の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012030669A true JP2012030669A (ja) 2012-02-16

Family

ID=45844638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010171163A Pending JP2012030669A (ja) 2010-07-29 2010-07-29 車両用駆動装置の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012030669A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012117424A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Jatco Ltd 車両の制御装置
KR101916547B1 (ko) 2016-12-16 2018-11-07 현대자동차주식회사 하이브리드 차량의 시동 꺼짐 지연 방지 방법

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1073161A (ja) * 1996-07-02 1998-03-17 Toyota Motor Corp ハイブリッド車両の駆動制御装置
JP2000118246A (ja) * 1998-10-15 2000-04-25 Toyota Motor Corp 車両用駆動装置の制御装置
JP2000324614A (ja) * 1999-05-14 2000-11-24 Toyota Motor Corp ハイブリッド車両の制御装置
JP2003240110A (ja) * 2002-02-18 2003-08-27 Aisin Aw Co Ltd 車輌の制御装置
JP2004108490A (ja) * 2002-09-18 2004-04-08 Toyota Motor Corp 車両の制御装置および制御方法
JP2006327509A (ja) * 2005-05-27 2006-12-07 Toyota Motor Corp 車両用駆動装置の制御装置
JP2009063001A (ja) * 2001-01-26 2009-03-26 Denso Corp エンジン制御装置
JP2009220618A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Toyota Motor Corp 車両用駆動装置
JP2009264481A (ja) * 2008-04-24 2009-11-12 Toyota Motor Corp 車両用駆動装置の制御装置

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1073161A (ja) * 1996-07-02 1998-03-17 Toyota Motor Corp ハイブリッド車両の駆動制御装置
JP2000118246A (ja) * 1998-10-15 2000-04-25 Toyota Motor Corp 車両用駆動装置の制御装置
JP2000324614A (ja) * 1999-05-14 2000-11-24 Toyota Motor Corp ハイブリッド車両の制御装置
JP2009063001A (ja) * 2001-01-26 2009-03-26 Denso Corp エンジン制御装置
JP2003240110A (ja) * 2002-02-18 2003-08-27 Aisin Aw Co Ltd 車輌の制御装置
JP2004108490A (ja) * 2002-09-18 2004-04-08 Toyota Motor Corp 車両の制御装置および制御方法
JP2006327509A (ja) * 2005-05-27 2006-12-07 Toyota Motor Corp 車両用駆動装置の制御装置
JP2009220618A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Toyota Motor Corp 車両用駆動装置
JP2009264481A (ja) * 2008-04-24 2009-11-12 Toyota Motor Corp 車両用駆動装置の制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012117424A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Jatco Ltd 車両の制御装置
KR101916547B1 (ko) 2016-12-16 2018-11-07 현대자동차주식회사 하이브리드 차량의 시동 꺼짐 지연 방지 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8983694B2 (en) Control apparatus and method for hybrid vehicle
US7434641B2 (en) Control apparatus of hybrid vehicle
JP4341610B2 (ja) ハイブリッド車両のエンジン再始動制御装置
WO2012172639A1 (ja) 車両の制御装置
JP5488712B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2004211600A (ja) ハイブリッド車輌の制御装置
JP2007131071A (ja) ハイブリッド車両のエンジン再始動制御装置
JP6003913B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
US9682697B2 (en) Control system for hybrid vehicle
JP2004224110A (ja) ハイブリッド車両の回生発電制御装置
JP2010167803A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP4670909B2 (ja) 車両の制御装置
JP2007191018A (ja) 車両用駆動装置
JP2009208563A (ja) ハイブリッド車両のエンジン始動制御装置
JP2007159360A (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP3856012B2 (ja) 可変気筒エンジンの制御装置および車両の制御装置
JP5716620B2 (ja) ハイブリッド車両の駆動装置
JP2005127332A (ja) 複数の原動機を備えた車両の制御装置
JP2012030669A (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP2012153311A (ja) ハイブリッド車両のエンジン停止制御装置
JP5413324B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP3797623B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2009264481A (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP2011063108A (ja) 動力伝達装置
JP2009228778A (ja) 車両用可変容量型トルクコンバータの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140320

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140729

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140925

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150310