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JP2012025332A - 電動補助自転車 - Google Patents

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JP2012025332A
JP2012025332A JP2010168138A JP2010168138A JP2012025332A JP 2012025332 A JP2012025332 A JP 2012025332A JP 2010168138 A JP2010168138 A JP 2010168138A JP 2010168138 A JP2010168138 A JP 2010168138A JP 2012025332 A JP2012025332 A JP 2012025332A
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way clutch
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axle
shifting
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JP2010168138A
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Inventor
Kiyohiro Ito
潔洋 伊藤
Hirokazu Oba
浩量 大場
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】回生機構を備えたセンターモータ方式の電動補助自転車において、駆動輪のハブ内の装置の外径を大きくすることなく、大きい変速比(増速比)を確保する。
【解決手段】駆動輪のハブ内に、車軸の軸方向に沿って第一遊星歯車機構と第二遊星歯車機構とを並列させ、駆動力が、入力側からハブケースに直結で伝達される低速状態と、入力側から第一遊星歯車機構又は第二遊星歯車機構のいずれかを介して増速されてハブケースに伝達される第一増速状態と、入力側から第一遊星歯車機構及び第二遊星歯車機構を介して増速されてハブケースに伝達される第二増速状態の3段階に変速可能とした。
【選択図】図1

Description

この発明は、電動モータにより人力駆動系に補助力を付加させる電動補助自転車に関するものである。
電動モータにより人力駆動系に補助力を付加させる電動補助自転車には、電動補助力を与えるためのモータ用電源としてバッテリが搭載される。このバッテリは、1回の充電で長時間走行できることが望ましいことから、走行エネルギーを有効に利用し、回生発電によりバッテリを充電する機能を備えた電動補助自転車が開発されている。
その回生発電によるバッテリの充電装置として、例えば、特許文献1に、ブレーキレバーの操作を検出して回生装置に回生作動を指令する回生制御装置の技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この種の電力回生機能を搭載する場合、例えば、特許文献2に示すように、車軸周辺にモータ及び変速機を設けた電動補助自転車(ハブモータ方式)の場合は、駆動輪とモータの出力軸とを直結とすることで、電力回生は比較的容易に実現できる(例えば、特許文献2参照)。
しかし、このハブモータ方式の場合、バッテリ(二次電池)からモータまでの距離が遠くなりがちであり、その二次電池までの配線の取り回しが煩雑になる傾向がある。また、モータをフロント側に配置すると操作性が悪化し、リア側に配置すると変速機との両立が困難になるという問題もある。
このため、電力回生機能を搭載する場合、操作性と構造の簡素化を求めるならば、例えば、特許文献3のように、クランク軸及びその軸受等を含む人力駆動系と、モータによる補助動力をクランク軸に合力させる駆動系とを単一のハウジングに収容した駆動装置、いわゆるセンタモータユニットを備えた構造(センタモータ方式)とするのが有利である(例えば、特許文献3参照)。
センタモータ方式で、電力回生機能を搭載した電動補助自転車として、例えば、特許文献4に示すものがある。
この電動補助自転車では、モータの出力軸と駆動スプロケットとの間に第一ワンウェイクラッチを設け、踏力が入力されるペダルクランク軸と駆動スプロケットとの間に第二のワンウェイクラッチを設け、さらにブレーキ操作に応じて第一ワンウェイクラッチをロックする直結手段を設けることで、制動時の電力回生を実現している。なお、リアハブとリアスプロケットとは、回生時に後輪からの逆入力トルクをモータに伝えることができるように直結されている(例えば、特許文献4参照)。
また、同じく、電力回生機能を搭載した電動補助自転車として、例えば、特許文献5に示すものがある。
この電動補助自転車では、センタモータユニット内で、モータの出力軸にブレーキ操作に連動してロック方向を切り替えることが出来るツーウェイクラッチを設け、制動時の電力回生を実現している。
すなわち、モータアシスト時には、ツーウェイクラッチを正回転方向でロックさせることにより、モータの出力を後輪に伝達することができ、モータアシストが可能となる。また、乗員のブレーキ操作に連動してツーウェイクラッチのロック方向を切替え、ツーウェイクラッチを逆回転方向でロックさせれば、後輪側からの逆入力トルク(正回転方向)をモータに伝達することができ、これによって回生発電およびブレーキアシストが可能となる。この構成では、回生時に後輪側からの逆入力トルクをモータ側に伝達させる必要があるため、リアハブとリアスプロケットとは直結としている(例えば、特許文献5参照)。
このように、センタモータ方式の駆動系において、電力回生機能を搭載する場合、後輪からの逆入力トルクをモータに伝えるため、上記特許文献4や特許文献5では、リアハブとリアスプロケットは直結されている。
ところで、一般的な自転車の変速機構は、クランク軸又はリア車軸の何れか一方、もしくは両方の同軸上に多段のスプロケットを設け、ディレイラーによってチェーンをスプロケット間で移動させることによって変速する方式(外装変速機)とリアハブの内部に設けた歯車を掛けかえることによって変速する方式(内装変速機)がある。
外装変速機は構造が簡単で軽量であるが、スプロケットやチェーンが摩耗する原因になり、チェーン外れの原因にもなる。一方、内装変速機は防塵、防水性があり、メンテナンスフリーであるためシティサイクルに使われることが多い。現在のところ、電動補助自転車はシティサイクルを中心に展開しており、その殆どが内装変速機を採用している。
この点、上記特許文献4や特許文献5では、リアハブとリアスプロケットとが直結されているので、内装変速機に対応することができない。
また、内装変速機内には、通常、惰性走行に対応するためのワンウェイクラッチが設けられている。このため、その構造を、そのまま回生機構を備えた電動補助自転車に適用しても、後輪からの逆入力は、リアハブからリアスプロケットに伝わらない。すなわち、ワンウェイクラッチは空転するから、後輪からの逆入力により、センタモータを回転、回生させることができない。
逆入力に対応するため、例えば、後輪からクランク軸、及び後輪からモータ軸をそれぞれ別々の動力伝達要素で結合することも可能であるが、2本の伝達要素を用いることはレイアウト的にもコスト的にも商品価値の大幅な低下を招く。
そこで、特許文献6では、内装変速機を備えたセンタモータ方式の電動補助自転車において、リアハブに変速機構と逆入力伝達用のクラッチを設けることにより、惰性走行時に後輪からの逆入力がチェーンを介してモータに伝達されることで、回生発電を可能としている。
この電動補助自転車において、変速機構は、遊星歯車機構を用いており、入力が等速以上で伝達される増速型か、あるいは、等速以下で伝達される減速型としている。
増速型の場合、遊星キャリアを入力として、遊星キャリアとハブケースとの間に設けた駆動用ワンウェイクラッチを介して駆動力が車輪(ハブケース)に伝達される直結状態とできる。また、歯数の異なる複数の歯車部を有する遊星歯車が、それぞれ車軸周りに設けた太陽歯車に噛み合っており、各歯車部に噛み合う太陽歯車と車軸との間にそれぞれ設けてある変速用クラッチを切り替えることによって、複数段の増速状態の切り替えを行っている。
また、逆入力伝達用のクラッチ(以下、「逆入力用クラッチ」と称する。)は、変速比が最も高速となる時に車軸に固定される太陽歯車と車軸との間に設けられている。
この構成とした場合、逆入力用クラッチとして通常のワンウェイクラッチを採用すると、後退しようとした際(自転車を手で押して後退するような状態)に、逆入力用クラッチが噛み合って車輪がロックしてしまう。このため、後退することができない状態となってしまう。このような事態を回避するため、その後退時において、逆入力用クラッチの係合を解除する(係合させない)機構が必要である。
特開平8−140212号公報 特開2003−166563号公報 特開平10−250673号公報 特開2001−213383号公報 特開2004−268843号公報 特開2010−095203号公報
上記特許文献6で示されている構成では、変速機構は、歯数の異なる複数の歯車部を有する遊星歯車を用いた構成としている。このため、変速比(増速比)を大きくしようとすると、その外径が大きくなりがちである。
また、後退時において、逆入力用クラッチの係合を解除する(係合させない)機構については、例えば、後退時にハブケースの回転を利用して自動で切り替える構造を採用できる。しかし、この場合、各クラッチの状態によっては、逆入力用クラッチが解除される前に先にロックしてしまい、その後は、切り替えることができない状態となる恐れがある。また、例えば、手動で切り替える機構とした場合、後退時において、その都度切り替え操作するのは不便である。
そこで、この発明は、回生機構を備えたセンターモータ方式の電動補助自転車において、駆動輪のハブ内の装置の外径を大きくすることなく、大きい変速比(増速比)を確保することを第一の課題とし、後退時において、逆入力用クラッチの係合を解除する(係合させない)状態に容易に切り替えできるようにすることを第二の課題とする。
上記第一の課題を解決するために、この発明は、前輪と後輪とを結ぶフレームに二次電池及び補助駆動用のモータを取り付け、クランク軸から伝達された踏力又は前記モータの出力による駆動力を駆動力伝達要素を介して駆動輪に伝達可能とし、前進非駆動時には、前記駆動輪から前記モータの出力軸への逆入力により生じた回生電力を前記二次電池に還元する回生機構を備えた電動補助自転車において、前記駆動輪に設けたハブ内部に変速機構と逆入力用ワンウェイクラッチとクラッチ切替装置とを備え、前記変速機構は、車軸の軸方向に沿って並列する少なくとも二つの遊星歯車機構を備え、前記遊星歯車機構の一つである第一遊星歯車機構は、車軸周りに設けられた第一太陽歯車と、その第一太陽歯車に噛み合う第一遊星歯車、及びその第一遊星歯車を保持する第一遊星キャリアを有し、もう一つの遊星歯車機構である第二遊星歯車機構は、車軸周りに設けられた第二太陽歯車と、その第二太陽歯車に噛み合う第二遊星歯車、及びその第二遊星歯車を保持する第二遊星キャリアを有し、前記変速機構は、駆動力に対し前記第一太陽歯車及び前記第二太陽歯車をそれぞれ車軸周りに相対回転可能または相対回転不能とに切り替え可能な変速用ワンウェイクラッチと、前記変速用ワンウェイクラッチの前記切り替えを行う変速制御機構とを備え、前記第二遊星キャリアは、前記第一遊星歯車と噛み合う第一外輪歯車と一体に回転し、前記ハブケースは、第二遊星歯車と噛み合う第二外輪歯車と一体に回転するようになっており、前記変速制御機構により、前記第一太陽歯車及び前記第二太陽歯車の一方を駆動力に対して車軸に相対回転不能とし他方を車軸に相対回転可能とすることにより、駆動力が、前記第一遊星キャリアから前記第一遊星歯車機構又は前記第二遊星歯車機構のいずれかを介して増速されて前記ハブケースに伝達される第一増速状態と、前記第一太陽歯車及び前記第二太陽歯車の両方を駆動力に対して車軸に相対回転不能とすることにより、駆動力が、第一遊星キャリアから前記第一遊星歯車機構及び前記第二遊星歯車機構を介して増速されて前記ハブケースに伝達される第二増速状態とに変速が可能であり、前記逆入力用ワンウェイクラッチは、前記各遊星歯車機構において、前記第一太陽歯車及び前記第二太陽歯車と前記車軸との間に設けられており、前進非駆動時に、前記クラッチ切替装置を操作することにより、前記駆動輪からの逆入力に対して前記少なくとも一つの太陽歯車を前記車軸周りに回転不能とすることにより、前記駆動輪からの逆入力をハブケースから前記駆動力伝達要素に伝達可能とするハブを備えた電動補助自転車とした。
このように、車軸の軸方向に沿って少なくとも二つの遊星歯車機構、すなわち、第一遊星歯車機構及び第二遊星歯車機構を並列させ、駆動力が、入力側から第一遊星歯車機構又は第二遊星歯車機構のいずれかを介して増速されてハブケースに伝達される第一増速状態と、入力側から第一遊星歯車機構及び第二遊星歯車機構を介して増速されてハブケースに伝達される第二増速状態とに変速可能としたことにより、装置を径方向に対して大型化させないコンパクトな構成としながら、より大きな変速比を得ることが可能となる。
これは、遊星キャリアを入力、外輪歯車を出力、太陽歯車を固定した場合、太陽歯車の歯数をa、外輪歯車の歯数をdとすると、増速比は(a+d)/dとなるため、太陽歯車の歯数を固定すると、外輪歯車の歯数が少ないほど増速比が大きくなることに基づいている。
すなわち、車軸の軸方向に沿って第一遊星歯車機構と第二遊星歯車機構とを並列させたことにより、各遊星歯車機構に対して、対応する外輪歯車を別々に設定できる。その各機構において遊星歯車が一段(複数の歯車部を有さない)であるものを採用した場合、その遊星歯車に噛み合う外輪歯車の外径が小さいほど(外輪歯車の歯数が少ないほど)増速比が大きくなるため、外輪歯車の外径が小さいコンパクトな構成であっても、大きな変速比を得ることが可能となっているのである。
また、上記第二の課題を解決するために、この発明は、前記の構成において、前記クラッチ切替装置が、ブレーキ操作と連動して、前記逆入力用ワンウェイクラッチを逆入力に対して係合可能な状態に切り替える構成を採用した。
すなわち、ブレーキを操作すれば(ブレーキが効いている状態となれば)、逆入力用ワンウェイクラッチが逆入力に対して係合可能な状態となり、ブレーキの操作を解除すれば(ブレーキが効いていない状態となれば)、逆入力用ワンウェイクラッチが逆入力に対して係合不能な状態となる構成である。
これにより、後退時においても、ブレーキを操作しない限り、逆入力用ワンウェイクラッチは係合可能な状態とはならないため、その機能が他のクラッチと干渉することはなく、後進が可能である。
これらの各構成において、前記第一遊星キャリアと前記第二遊星キャリアとの間に第一ワンウェイクラッチを、前記第二遊星キャリアとハブケースとの間に第二ワンウェイクラッチを備え、前記変速制御機構により、前記第一太陽歯車及び前記第二太陽歯車を駆動力に対して車軸に相対回転可能とすることにより、駆動力が、第一遊星キャリアから第一ワンウェイクラッチ及び第二ワンウェイクラッチを介してハブケースに直結で伝達される低速状態に変速可能とした構成を採用することができる。
この構成によれば、前述の第一増速状態、第二増速状態に加え、駆動力が、第一遊星キャリアから第一ワンウェイクラッチ及び第二ワンウェイクラッチを介してハブケースに直結で伝達される低速状態(直結状態)の合計3段変速を実現できる。
また、前記逆入力用ワンウェイクラッチは、並列する全ての遊星歯車機構に対して、それぞれ太陽歯車と車軸との間に設ける必要がある。
すなわち、並列する遊星歯車機構の各太陽歯車と車軸との間に逆入力用ワンウェイクラッチを設ける必要がある。ただし、各遊星歯車機構において、遊星歯車が歯車部を複数有する場合は、最も歯数の少ない歯車部と噛み合う太陽歯車と車軸との間に設けることが望ましい。
例えば、二つの遊星歯車機構を並列させた構成において、前記逆入力用ワンウェイクラッチは、前記第一太陽歯車と前記車軸との間に設けられる逆入力用第一ワンウェイクラッチと、前記第二太陽歯車と前記車軸との間に設けられる逆入力用第二ワンウェイクラッチとからなり、前進非駆動時には、前記クラッチ切替装置により、前記逆入力用第一ワンウェイクラッチ及び前記逆入力用第二ワンウェイクラッチを逆入力に対して係合可能な状態に切り替えることによって、前記ハブケースからの逆入力を前記駆動力伝達要素に伝達可能である構成である。
また、この第一遊星歯車機構と第二遊星歯車機構を、同一の遊星歯車機構によって構成することで、すなわち、同一の歯車諸元からなる太陽歯車、遊星歯車、さらには、可能であれば同一の歯車諸元からなる外輪歯車を用いることで、両遊星歯車機構の部品を共通化することが可能となり低コスト化が実現できる。
これらの各構成において、前記第一ワンウェイクラッチ及び前記第二ワンウェイクラッチをラチェットクラッチによって構成することができる。また、前記第一ワンウェイクラッチ及び前記第二ワンウェイクラッチをローラクラッチ又はスプラグクラッチによって構成することもできる。
また、逆入力用ワンウェイクラッチとしては、スプラグクラッチ、ローラクラッチ等の構成を採用してよいが、特に、ラチェットクラッチからなる構成を採用することができる。
逆入力用ワンウェイクラッチとしてラチェットクラッチを採用した場合、クラッチ切替装置として、例えば、以下の構成を採用することができる。
すなわち、前記クラッチ切替装置は、前記車軸内を通して外部に引き出された逆入力操作部を有しており、その逆入力操作部を軸方向に移動操作することにより、前記逆入力用ワンウェイクラッチが切り替えられる構成である。この構成によれば、簡単な機構により、逆入力用ワンウェイクラッチの切り替えを外部から行うことができるようになる。
また、前記逆入力用ワンウェイクラッチは、揺動自在の逆入力用クラッチ爪が前記車軸の外面に、その逆入力用クラッチ爪が噛み合う逆入力用クラッチカム面が前記太陽歯車の内面に設けられている構成を採用することができる。
この構成によれば、逆入力用ワンウェイクラッチのクラッチカム面の係合溝数を確保し易くなるため、クラッチの遊び角(係合するまでのタイムラグ)を小さくできる。すなわち、車軸側にクラッチカム面を設けるよりも、より径の大きい太陽歯車側にクラッチカム面を設けた方が有利である。
また、前記逆入力用クラッチ爪は、弾性部材によってその一端が前記逆入力用クラッチカム面側に起き上がる方向に付勢され、その他端が前記車軸の外周に設けた逆入力用スリーブに接することができるようになっており、前記逆入力操作部の軸方向への移動操作により、前記逆入力用スリーブに設けられた切欠部が、前記逆入力用クラッチ爪の位置と、その逆入力用クラッチ爪から退避した位置との間でそれぞれ移動することにより、前記逆入力用ワンウェイクラッチが切り替えられる構成を採用することができる。
また、この逆入力用スリーブは、前記車軸の軸方向に移動することにより、前記切欠部の移動が行われ、前記切欠部の軸方向端部に、軸方向外側に向かうにつれて外径側に近づくテーパ面を設けた構成を採用することができる。
この構成によれば、このようにすれば、クラッチカム面に噛み込んだクラッチ爪と切欠部が接触した際に、そのテーパ面の傾斜面によってクラッチ爪をカム面から外す力を大きくすることができる。
また、逆入力用スリーブが、前記車軸の軸周り方向に移動することにより、前記切欠部の移動が行われる場合は、変速用スリーブの切欠部の周方向端縁にテーパ面を設けることもできる。
また、前記変速用ワンウェイクラッチとしては、スプラグクラッチ、ローラクラッチ等の構成を採用してよいが、特に、ラチェットクラッチからなる構成を採用することができる。
例えば、二つの遊星歯車機構を並列させた構成において、前記変速用ワンウェイクラッチが、前記第一太陽歯車と前記車軸との間に設けられる変速用第一ワンウェイクラッチと、前記第二太陽歯車と前記車軸との間に設けられる前記変速用第二ワンウェイクラッチとからなる場合において、その変速用第一ワンウェイクラッチと変速用第二ワンウェイクラッチのそれぞれを、ラチェットクラッチによって構成することができる。
この構成において、前記変速制御機構は、前記車軸内を通して外部に引き出された変速操作部を有しており、その変速操作部を軸方向に移動操作することにより、前記変速用第一ワンウェイクラッチ及び前記変速用第二ワンウェイクラッチが切り替えられる構成を採用することができる。この構成によれば、簡単な機構により、各変速用ワンウェイクラッチの切り替えを外部から行うことができるようになる。
さらに、この構成において、前記変速用第一ワンウェイクラッチは、揺動自在の変速用第一クラッチ爪が前記車軸の外面に、その変速用第一クラッチ爪が噛み合う変速用第一クラッチカム面が前記第一太陽歯車の内面に設けられており、前記変速用第二ワンウェイクラッチは、揺動自在の変速用第二クラッチ爪が前記車軸の外面に、その変速用第二クラッチ爪が噛み合う変速用第二クラッチカム面が前記第二太陽歯車の内面に設けられている構成を採用することができる。
この構成によれば、変速用第一ワンウェイクラッチ、変速用第二ワンウェイクラッチのそれぞれにおいて、クラッチカム面の係合溝数を確保し易くなるため、クラッチの遊び角(係合するまでのタイムラグ)を小さくできる。すなわち、車軸側にクラッチカム面を設けるよりも、より径の大きい太陽歯車側にクラッチカム面を設けた方が有利である。
また、前記変速用第一クラッチ爪及び前記変速用第二クラッチ爪は、それぞれ弾性部材によってその一端が前記変速用第一クラッチカム面又は前記変速用第二クラッチカム面側に起き上がる方向に付勢され、その他端が前記車軸の外周に設けた変速用スリーブに接することができるようになっており、前記変速操作部の軸方向への移動操作により、前記変速用スリーブに設けられた切欠部が、前記変速用第一クラッチ爪及び前記変速用第二クラッチ爪の位置と、その変速用第一クラッチ爪及び変速用第二クラッチ爪から退避した位置との間でそれぞれ移動することにより前記変速用第一ワンウェイクラッチ及び前記変速用第二ワンウェイクラッチが切り替えられる構成を採用することができる。
前記変速用スリーブは、前記車軸の軸方向に移動することにより、前記切欠部の移動が行われ、前記切欠部の軸方向端部に、軸方向外側に向かうにつれて外径側に近づくテーパ面を設けた構成を採用することができる。
この構成によれば、こクラッチカム面に噛み込んだクラッチ爪と切欠部が接触した際に、そのテーパ面の傾斜面によってクラッチ爪をカム面から外す力を大きくすることができる。
また、変速用スリーブが、前記車軸の軸周り方向に移動することにより、前記切欠部の移動が行われる場合は、変速用スリーブの切欠部の周方向端縁にテーパ面を設けることもできる。
また、これらの構成において、前記変速用第一クラッチカム面と前記逆入力用第一クラッチカム面の両方の機能を有する両方向第一クラッチカム部を前記第一太陽歯車の内面に設け、前記変速用第二クラッチカム面と前記逆入力用第二クラッチカム面の両方の機能を有する両方向第二クラッチカム部を前記第二太陽歯車の内面に設けた構成を採用することができる。
すなわち、第一太陽歯車の内面に、変速用第一クラッチカム面と逆入力用第一クラッチカム面の両方の機能を有する両方向第一クラッチカム部を設け、第二太陽歯車の内面に、変速用第二クラッチカム面と逆入力用第二クラッチカム面の両方の機能を有する両方向第二クラッチカム部を設けることにより、軸方向に重複した位置に、変速用第一ワンウェイクラッチと逆入力用第一ワンウェイクラッチ、及び、変速用第二ワンウェイクラッチと逆入力用第二ワンウェイクラッチを配置することができる。このため、さらにコンパクトな装置の構成が可能となる。
また、軸方向同一の位置に、変速用第一ワンウェイクラッチと逆入力用第一ワンウェイクラッチ、及び、変速用第二ワンウェイクラッチと逆入力用第二ワンウェイクラッチを配置することもできる。このとき、前記変速用第一クラッチ爪と前記逆入力用第一クラッチ爪、及び、前記変速用第二クラッチ爪と前記逆入力用第二クラッチ爪を、それぞれ車軸の軸方向に対して同一位置に配置する。
この発明は、回生機構を備えたセンターモータ方式の電動補助自転車において、車軸の軸方向に沿って少なくとも二つの遊星歯車機構、すなわち、第一遊星歯車機構及び第二遊星歯車機構を並列させ、駆動力が、入力側から第一遊星歯車機構又は第二遊星歯車機構のいずれかを介して増速されてハブケースに伝達される第一増速状態と、入力側から第一遊星歯車機構及び第二遊星歯車機構を介して増速されてハブケースに伝達される第二増速状態とに変速可能としたことにより、駆動輪のハブ内の装置の外径を大きくすることなく、大きい変速比を得ることが可能となる。
また、クラッチ切替装置が、ブレーキ操作と連動して、逆入力用ワンウェイクラッチを逆入力に対して係合可能な状態に切り替える構成を採用したことにより、後退時において、逆入力用クラッチの係合を解除する(係合させない)状態に容易に切り替えできる。
この発明の実施形態の変速1段目(直結状態)を示すハブの断面図 (a)は図1のA−A断面図、(b)は同B−B断面図、(c)は同C−C断面図、(d)は同D−D断面図 この発明の実施形態の変速2段目(増速1段目)を示すハブの断面図 (a)は図3のA−A断面図、(b)は同B−B断面図、(c)は同C−C断面図、(d)は同D−D断面図 この発明の実施形態の変速3段目(増速2段目)を示すハブの断面図 (a)は図5のA−A断面図、(b)は同B−B断面図、(c)は同C−C断面図、(d)は同D−D断面図 この発明の実施形態の前進非駆動時(回生状態)を示すハブの断面図 (a)は図7のA−A断面図、(b)は同B−B断面図、(c)は同C−C断面図、(d)は同D−D断面図 電動補助自転車の全体図
この発明の実施形態を、図1〜図9に基づいて説明する。この実施形態の電動補助自転車は、前輪22と後輪25間の中央部付近において、その前輪22と後輪25とを結ぶフレームFに二次電池及び補助駆動用のモータを内蔵したセンタモータユニットCが取り付けたセンタモータ方式である。
駆動時、例えば、図9に示すペダル20を通じてクランク軸21から伝達された踏力が入力された場合は、フロントスプロケット24と後輪25のスプロケット4(以下、「リアスプロケット4」と称する。)とを結ぶチェーン23等の動力伝達要素を介して、後輪25に駆動力が伝達可能となっている。
また、前進非駆動時には、後輪25のハブ1(以下、「リアハブ1」と称する)から前記モータの出力軸へ逆入力が伝達され、その逆入力により生じた回生電力を、前記センタモータユニットCの二次電池に還元する回生機構を備えている。その回生機構は、センタモータユニットCやバッテリ26の周辺において、前記フレームFに取付けられる。
リアハブ1は、図1に示すように、後輪25の車軸5と同軸に設けたハブケース7内に、遊星歯車機構で構成された変速機構3と逆入力用ワンウェイクラッチ2、及び、その逆入力用ワンウェイクラッチ2を制御するクラッチ切替装置9等を備えている。車軸5はフレームFに対して回転不能に固定されている。
変速機構3の構成は、二つの遊星歯車機構3pとして、第一遊星歯車機構3p−1と第二遊星歯車機構3p−2が、車軸5の軸方向に沿って並列して配置されている。この実施形態では、この変速機構3によって、直結と2段増速の合計3段変速が可能なっている。
第一遊星歯車機構は3p−1は、車軸5周りに設けられた第一太陽歯車3a−1と、その第一太陽歯車3a−1に噛み合う第一遊星歯車3b−1、及びその第一遊星歯車3b−1を保持する第一遊星キャリア3c−1を有している。
また、第二遊星歯車機構3p−2は、車軸5周りに設けられた第二太陽歯車3a−2と、その第二太陽歯車3a−2に噛み合う第二遊星歯車3b−2、及びその第二遊星歯車3b−2を保持する第二遊星キャリア3c−2を有している。
第一遊星キャリア3c−1と車軸5との間、第一遊星キャリア3c−1とハブケース7との間、及び、ハブケース7と車軸5との間には、それぞれ軸受部13,14,13が設けられている。この軸受部13,14,13によって、第一遊星キャリア3c−1と車軸5、第一遊星キャリア3c−1とハブケース7、及び、ハブケース7と車軸5とは、それぞれ相対回転可能に支持されている。
さらに、変速機構3は、駆動力に対して、第一太陽歯車3a−1及び第二太陽歯車3a−2を、それぞれ車軸5周りに相対回転可能または相対回転不能とに切り替え可能な変速用ワンウェイクラッチ3eと、その変速用ワンウェイクラッチ3eの切り替えを行う変速制御機構10とを備えている。
その変速用ワンウェイクラッチ3eは、第一太陽歯車3a−1と車軸5との間に設けられる変速用第一ワンウェイクラッチ3e−1と、第二太陽歯車3a−2と車軸5との間に設けられる変速用第二ワンウェイクラッチ3e−2とからなる。
この実施形態では、変速用第一ワンウェイクラッチ3e−1及び変速用第二ワンウェイクラッチ3e−2は、ラチェットクラッチ(ラチェット機構)によって構成されている。
なお、遊星歯車機構3pが、車軸5の軸方向に3つ以上並列する場合は、それに対応して、変速用ワンウェイクラッチ3eは並列する遊星歯車機構3pの数、すなわち、太陽歯車3aの数と同数設けられる。全ての遊星歯車機構3pの太陽歯車3aは、車軸5との間にそれぞれ変速用ワンウェイクラッチ3eを備える。
変速用第一ワンウェイクラッチ3e−1は、車軸5に固定した揺動軸(クラッチ爪軸)3iの軸周りに揺動自在の変速用第一クラッチ爪3f−1が車軸5の外面に、その変速用第一クラッチ爪3f−1が噛み合う変速用第一クラッチカム面3g−1が第一太陽歯車3a−1の内面に設けられている(図2(a)参照)。
変速用第二ワンウェイクラッチ3e−2は、車軸5に固定した揺動軸3iの軸周りに揺動自在の変速用第二クラッチ爪3f−2が車軸5の外面に、その変速用第二クラッチ爪3f−2が噛み合う変速用第二クラッチカム面3g−2が第二太陽歯車3a−2の内面に設けられている(図2(b)参照)。
変速制御機構10は、車軸5内を通して外部に引き出された変速操作部10aと、その変速操作部10aに接続された変速用スリーブ10bを有している。
その変速操作部10aを軸方向に移動操作することにより、変速用スリーブ10bを通じて、変速用第一ワンウェイクラッチ3e−1及び変速用第二ワンウェイクラッチ3e−2が、係合状態又は係合不能状態とに切り替えられる。すなわち、駆動力に対して、第一太陽歯車3a−1及び第二太陽歯車3a−2を、それぞれ車軸5周りに相対回転可能または相対回転不能とに切り替えることができる。
その作用について、さらに詳しく説明すると、変速用第一クラッチ爪3f−1及び変速用第二クラッチ爪3f−2は、その一端が、図示しない弾性部材によって、変速用第一クラッチカム面3g−1又は変速用第二クラッチカム面3g−2側に起き上がる方向に負荷を与えられている。一方、その他端は、変速制御機構10における変速用スリーブ10bに接しており、その弾性部材の弾性力に抗して、変速用第一クラッチカム面3g−1又は変速用第二クラッチカム面3g−2側に起き上がるのが抑制されている(例えば、図2(a)(b)参照)。
ここで、変速用スリーブ10bには、車軸5の軸方向に沿って2箇所の切欠部10dが設けられている。車軸5内を通って外部に引き出された変速操作部10aを、車軸5外からの外部操作により軸方向へ移動させると、変速用スリーブ10bも軸方向に移動し、切欠部10dが、変速用第一クラッチ爪3f−1又は変速用第二クラッチ爪3f−2の位置、あるいは、その両方の位置に移動する。
そうすると、切欠部10dに対面した変速用第一クラッチ爪3f−1や変速用第二クラッチ爪3f−2は、その変速用スリーブ10bによる拘束が解除され、その一端が、変速用第一クラッチカム面3g−1や変速用第二クラッチカム面3g−2側に起き上がり、駆動力に対して係合することが可能な状態となる。例えば、図4(a)(b)は、変速用第一クラッチ爪3f−1と変速用第二クラッチ爪3f−2のうち、変速用第二クラッチ爪3f−2のみが起き上がって係合状態となっているのを示しており、図6(a)(b)は、変速用第一クラッチ爪3f−1と変速用第二クラッチ爪3f−2の両方が起き上がって、それぞれ係合状態となっているのを示している。
切欠部10dの軸方向一端には、テーパ面10eが設けられている。このテーパ面10eは、変速用第一クラッチ爪3f−1や変速用第二クラッチ爪3f−2が、変速用第一クラッチカム面3g−1や変速用第二クラッチカム面3g−2と係合している状態から、その係合を解除しようとする際に、テーパ面10eが各クラッチ爪3f−1,3f−2の一端に接することで、その係合解除をスムーズにしている。すなわち、そのテーパ面10eの傾斜面によって、各クラッチ爪3f−1,3f−2をカム面3g−1,3g−2から外す力を大きくすることができる。
変速操作部10aは軸状を成し、車軸5内に設けた軸孔5b内に進退自在に挿通されており、弾性部材10gによって、軸方向外側に付勢されている。このため、変速操作部10aの軸方向への移動操作は、その変速操作部10aをハブ1内に押し込む時は、前記弾性部材10gの付勢力に抗して行われ、押し込む力を解除すると、変速操作部10aは、その付勢力によって自動的に元の状態に復帰する。
また、変速用スリーブ10bは、車軸5に設けられた横穴10cに挿入されたピン10fによってその車軸5に固定されている。ピン10fを変速操作部10aによって横穴10c内で軸方向へ移動操作することにより、変速用スリーブ10bの軸方向への移動を行うことができる。
また、第一遊星キャリア3c−1と第二遊星キャリア3c−2との間に、第一ワンウェイクラッチ3kが備えられている。さらに、第二遊星キャリア3c−2とハブケース7との間に、第二ワンウェイクラッチ3mが備えられている。
第二遊星キャリア3c−2は、第一遊星歯車3b−1と噛み合う第一外輪歯車3d−1と一体に形成されているが、この第二遊星キャリア3c−2と第一外輪歯車3d−1とを別体に形成して、これらをスプライン等により結合することによって、一体に回転するようにしてもよい。
また、ハブケース7は、第二遊星歯車3b−2と噛み合う第二外輪歯車3d−2と一体に形成されているが、この第二遊星歯車3b−2と第二外輪歯車3d−2とを別体に形成して、これらをスプライン等により結合することによって、一体に回転するようにしてもよい。
第一ワンウェイクラッチ3kは、第一遊星キャリア3c−1の外面に設けた第一クラッチ爪3qと、第二遊星キャリア3c−2の内面に設けられ、その第一クラッチ爪3qが噛み合う第一クラッチカム面3nを備えている。第一クラッチ爪3qは、図示しない弾性部材によって、その一端が、第一クラッチカム面3n側に起き上がる方向に付勢されている(図2(c)参照)。
第二ワンウェイクラッチ3mは、第二遊星キャリア3c−2の外面に設けた第二クラッチ爪3rと、ハブケース7の内面に設けられ、その第二クラッチ爪3rが噛み合う第二クラッチカム面3sを備えている。第二クラッチ爪3rは、図示しない弾性部材によって、その一端が、第二クラッチカム面3s側に起き上がる方向に付勢されている。(図2(d)参照)
逆入力用ワンウェイクラッチ2は、第一太陽歯車3a−1と車軸5との間に設けられる逆入力用第一ワンウェイクラッチ2a−1と、第二太陽歯車3a−2と前記車軸5との間に設けられる逆入力用第二ワンウェイクラッチ2a−2とからなる。
逆入力用第一ワンウェイクラッチ2a−1及び逆入力用第二ワンウェイクラッチ2a−2は、ラチェットクラッチによって構成されている。
なお、遊星歯車機構3pが、車軸5の軸方向に3つ以上並列する場合は、それに対応して、逆入力用ワンウェイクラッチ2は並列する遊星歯車機構3pの数、すなわち、太陽歯車3aの数と同数設けられた構成を採用することができる。全ての遊星歯車機構3pの太陽歯車3aは、車軸5との間にそれぞれ逆入力用ワンウェイクラッチ2を備えた構成である。
逆入力用第一ワンウェイクラッチ2a−1は、車軸5に固定した揺動軸2dの軸周りに揺動自在の逆入力用第一クラッチ爪2c−1が車軸5の外面に、その逆入力用第一クラッチ爪2c−1が噛み合う変速用第一クラッチカム面2b−1が第一太陽歯車3a−1の内面に設けられている(図2(a)参照)。
逆入力用第二ワンウェイクラッチ2a−2は、車軸5に固定した揺動軸2dの軸周りに揺動自在の逆入力用第二クラッチ爪2c−2が車軸5の外面に、その逆入力用第二クラッチ爪2c−2が噛み合う逆入力用第二クラッチカム面2b−2が第二太陽歯車3a−2の内面に設けられている(図2(b)参照)。
クラッチ切替装置9は、車軸5内を通して外部に引き出された逆入力操作部9aと、その逆入力操作部9aに接続された逆入力用スリーブ9bを有している。逆入力操作部9aを軸方向に移動操作することにより、その逆入力用スリーブ9bを通じて、逆入力用第一ワンウェイクラッチ2a−1及び逆入力用第二ワンウェイクラッチ2a−2が、係合状態又は係合不能状態とに切り替えられる。すなわち、駆動輪からの逆入力に対して、第一太陽歯車3a−1及び第二太陽歯車3a−2を、それぞれ車軸5周りに相対回転可能または相対回転不能とに切り替えることができる。
その作用について、さらに詳しく説明すると、逆入力用第一クラッチ爪2c−1及び逆入力第二クラッチ爪2c−2は、その一端が、図示しない弾性部材によって、逆入力用第一クラッチカム面2b−1又は逆入力用第二クラッチカム面2b−2側に起き上がる方向に負荷を与えられている。一方、その他端は、クラッチ切替装置9における逆入力用スリーブ9bに接しており、その弾性部材の弾性力に抗して、逆入力用第一クラッチカム面2b−1又は逆入力用第二クラッチカム面2b−2側に起き上がるのが抑制されている(例えば、図2(a)(b)参照)。
ここで、逆入力用スリーブ9bには、車軸5の軸方向に沿って2箇所の切欠部9dが設けられている。車軸5内を通って外部に引き出された逆入力操作部9aを、車軸5外からの外部操作により軸方向へ移動させると、逆入力用スリーブ9bも軸方向に移動し、切欠部9dが、逆入力用第一クラッチ爪2c−1又は逆入力第二クラッチ爪2c−2の両方の位置に移動する。
そうすると、切欠部9dに対面した逆入力用第一クラッチ爪2c−1や逆入力用第二クラッチ爪2c−2は、その逆入力用スリーブ9bによる拘束が解除され、その一端が、逆入力用第一クラッチカム面2b−1や逆入力用第二クラッチカム面2b−2側に起き上がり、逆入力に対して係合することが可能な状態となる。例えば、図2(a)(b)は、逆入力用第一クラッチ爪2c−1と逆入力用第二クラッチ爪2c−2の両方が拘束されて係合不能な状態となっているのを示しており、図8(a)(b)は、逆入力用第一クラッチ爪2c−1と逆入力用第二クラッチ爪2c−2の両方が起き上がって、それぞれ係合状態となっているのを示している。
切欠部9dの軸方向一端には、テーパ面9eが設けられている。このテーパ面9eは、逆入力用第一クラッチ爪2c−1や逆入力用第二クラッチ爪2c−2が、逆入力第一クラッチカム面2b−1や逆入力用第二クラッチカム面2b−2と係合している状態から、その係合を解除しようとする際に、テーパ面9eが各クラッチ爪2c−1,2c−2の一端に接することで、その係合解除をスムーズにしている。すなわち、そのテーパ面9eの傾斜面によって、各クラッチ爪2c−1,2c−2をクラッチカム面2b−1,2b−2から外す力を大きくすることができる。
逆入力操作部9aは軸状を成し、車軸5内に設けた軸孔5a内に進退自在に挿通されており、弾性部材9gによって、軸方向外側に付勢されている。このため、逆入力操作部9aの軸方向への移動操作は、その逆入力操作部9aをハブ1内に押し込む時は、前記弾性部材9gの付勢力に抗して行われ、押し込む力を解除すると、逆入力操作部9aは、その付勢力によって自動的に元の状態に復帰する。
また、逆入力用スリーブ9bは、車軸5に設けられた横穴9cに挿入されたピン9fによってその車軸5に固定されている。ピン9fを変速操作部9aによって横穴9c内で軸方向へ移動操作することにより、逆入力用スリーブ9bの軸方向への移動を行うことができる。
このクラッチ切替装置9は、ブレーキ操作と連動して、逆入力用第一ワンウェイクラッチ2a−1及び逆入力用第二ワンウェイクラッチ2a−2を、逆入力に対して係合可能な状態に切り替えるようになっている。すなわち、ブレーキを操作すれば(ブレーキが効いている状態となれば)、逆入力用第一ワンウェイクラッチ2a−1及び逆入力用第二ワンウェイクラッチ2a−2が逆入力に対して係合可能な状態となり、ブレーキの操作を解除すれば(ブレーキが効いていない状態となれば)、逆入力用第一ワンウェイクラッチ2a−1及び逆入力用第二ワンウェイクラッチ2a−2が逆入力に対して係合不能な状態となる。
このため、前進非駆動時において、特にブレーキをかけた際には、クラッチ切替装置9の機能により、逆入力用第一ワンウェイクラッチ2a−1及び逆入力用第二ワンウェイクラッチ2a−2を逆入力に対して係合可能な状態に切り替えることによって、ハブケース7からの逆入力を、リアスプロケット4を通じて駆動力伝達要素(チェーン23)に伝達可能である。
以上のように、この実施形態において、第一遊星歯車3b−1と噛み合う第一太陽歯車3a−1は、車軸5に対して、変速用第一ワンウェイクラッチ3e−1と逆入力用第一ワンウェイクラッチ2a−1を介して支持されている。また、第二遊星歯車3b−2と噛み合う第二太陽歯車3a−2は、車軸5に対して、変速用第二ワンウェイクラッチ3e−2と逆入力用第二ワンウェイクラッチ2a−2を介して支持されている。
ここで、この実施形態では、第一遊星歯車機構3p−1と第二遊星歯車機構3p−2は、同一の遊星歯車機構によって構成されている。すなわち、同一の歯車諸元からなる太陽歯車3a、遊星歯車3bを用いることで、両遊星歯車機構3p−1,3p−2同士の部品を共通化することが可能となり、低コスト化を実現できる。
なお、第一外輪歯車3d−1と第二外輪歯車3d−2を、それぞれ、第二遊星キャリア3c−2、ハブケース7と別体で形成する場合は、その第一外輪歯車3d−1、第二外輪歯車3d−2も同一の歯車諸元からなるものとして、部品の共通化を図ることができる。
また、この実施形態では、変速用第一クラッチカム面3g−1と逆入力用第一クラッチカム面2b−1の両方の機能を発揮する両方向第一クラッチカム部3h−1を、第一太陽歯車3a−1の内面に形成している。また、変速用第二クラッチカム面3g−2と逆入力用第二クラッチカム面2b−2の両方の機能を発揮する両方向第二クラッチカム部3h−2を、第二太陽歯車3a−2の内面に形成している。
これにより、両方向第一クラッチカム部3h−1の凹凸は、変速用第一クラッチカム面3g−1としても機能し、また、逆入力用第一クラッチカム面2b−1としても機能する。また、両方向第二クラッチカム部3h−2の凹凸は、変速用第二クラッチカム面3g−2としても機能し、また、逆入力用第二クラッチカム面2b−2としても機能する。
このため、変速用第一ワンウェイクラッチ3e−1と逆入力用第一ワンウェイクラッチ2a−1、及び、変速用第二ワンウェイクラッチ3e−2と逆入力用第二ワンウェイクラッチ2a−2を、それぞれ軸方向同一位置に配置されている。
このとき、変速用第一クラッチ爪3f−1と逆入力用第一クラッチ爪2c−1、及び、変速用第二クラッチ爪3f−2と逆入力用第二クラッチ爪2c−2も、それぞれ軸方向同一位置に配置されている。
変速機構3の車軸5の軸方向への長さは、リアハブ1内のスペースに制約があることから、できる限り短くしなければならないので、このように、逆入力用ワンウェイクラッチ2や変速用ワンウェイクラッチ3eをラチェットクラッチによって構成し、これらを車軸5の軸方向において同一位置に配置することで、太陽歯車3aの軸方向長さを短くすることが可能である。
変速1段目の状態を図1及び図2に示す。この変速1段目において、変速用第一クラッチ爪3f−1及び変速用第二クラッチ爪3f−2は、図2(a)(b)に示すように、いずれも変速用スリーブ10bにより拘束されている。
このため、第一太陽歯車3a−1及び第二太陽歯車3a−2は、駆動力に対して、車軸5に相対回転可能となっている。
なお、このとき、逆入力用第一ワンウェイクラッチ2a−1及び逆入力用第二ワンウェイクラッチ2a−2は、いずれも逆入力用第一クラッチ爪2c−1及び逆入力用第二クラッチ爪2c−2が、逆入力用スリーブ9bにより拘束されているので、逆入力に対して係合不能な状態である。
この場合、リアスプロケット4からの駆動力は、第一遊星キャリア3c−1、第一ワンウェイクラッチ3k、第二遊星キャリア3c−2、第二ワンウェイクラッチ3m、ハブケース7の順に直結(等速)で伝達される。
変速2段目の状態を図3及び図4に示す。前記変速1段目の状態から、外部操作により変速制御機構10の変速操作部10aを、図3で示す矢印の方向へ軸方向のある位置まで押し込むと、変速用第一クラッチ爪3f−1は変速用スリーブ10bにより拘束されているが、変速用第二クラッチ爪3f−2の位置に変速用スリーブ10bの切欠部10dが移動した状態となる。この状態において、図4(a)(b)に示すように、変速用第二クラッチ爪3f−2の拘束が解除され、その変速用第二クラッチ爪3f−2は、図示しない弾性部材の付勢力によって揺動し、両方向第二クラッチカム部3h−2に係合する。
このため、駆動力に対して、第一太陽歯車3a−1は車軸5周りに相対回転可能であり、第二太陽歯車3a−2は相対回転不能となる。
なお、このとき、逆入力用第一ワンウェイクラッチ2a−1及び逆入力用第二ワンウェイクラッチ2a−2は、いずれも逆入力用第一クラッチ爪2c−1及び逆入力用第二クラッチ爪2c−2が、逆入力用スリーブ9bにより拘束されているので、逆入力に対して係合不能な状態である。
この場合、リアスプロケット4からの駆動力は、第一遊星キャリア3c−1、第一ワンウェイクラッチ3k、第二遊星キャリア3c−2、第二遊星歯車3b−2、第二外輪歯車3d−2、ハブケース7の順に増速されて伝達される。
その増速比は、第二太陽歯車3a−2の歯数をb、第二外輪歯車3d−2の歯数をdとすると、
(b+d)/d
となる。
変速3段目の状態を図5及び図6に示す。前記変速2段目の状態から、外部操作により変速制御機構10の変速操作部10aを、図5で示す矢印の方向へ軸方向のある位置までさらに押し込むと、変速用第一クラッチ爪3f−1及び変速用第二クラッチ爪3f−2の位置に変速用スリーブ10bの切欠部10dが移動する。これにより、変速用第一クラッチ爪3f−1及び変速用第二クラッチ爪3f−2の拘束が解除され、その変速用第一クラッチ爪3f−1及び変速用第二クラッチ爪3f−2は、図示しない弾性部材の付勢力によって揺動し、両方向第一クラッチカム部3h−1及び両方向第二クラッチカム部3h−2に係合する。
このとき、駆動力に対して、第一太陽歯車3a−1及び第二太陽歯車3a−2は相対回転不能となる。
また、このとき、逆入力用第一ワンウェイクラッチ2a−1及び逆入力用第二ワンウェイクラッチ2a−2は、いずれも逆入力用第一クラッチ爪2c−1及び逆入力用第二クラッチ爪2c−2が、逆入力用スリーブ9bにより拘束されているので、逆入力に対して係合不能な状態である。
この場合、リアスプロケット4からの駆動力は、第一遊星キャリア3c−1、第一遊星歯車3b−1、第一外輪歯車3d−1、第二遊星キャリア3c−2、第二遊星歯車3b−2、第二外輪歯車3d−2、ハブケース7の順に増速されて伝達される。
その増速比は、第一太陽歯車の歯数をa、第二太陽歯車3a−2の歯数をb、第一外輪歯車3d−1の歯数をc、第二外輪歯車3d−2の歯数をdとすると、
{(a+c)×(b+d)}/(c×d)
となる。
変速3段目から2段目に戻す場合や、変速2段目から1段目に戻す場合は、変速操作部10aを押し込む方向の力を解除すれば、弾性部材10g及び弾性部材9gの弾性力によって、変速操作部10a及び変速用スリーブ10bが押し戻されるので、その押し込む方向の力を解除あるいは緩めるだけでその変速操作が可能である。
このとき、切欠部10dの軸方向に設けられたテーパ面10eによって、両方向第一クラッチカム部3h−1及び両方向第二クラッチカム部3h−2に係合している変速用第一クラッチ爪3f−1及び変速用第二クラッチ爪3f−2を押し上げる力が強くなり、変速用スリーブ10bが戻り易くなるため、スムーズな切替が可能となる。
前進非駆動時の状態を図7及び図8に示す。ブレーキ操作に連動してクラッチ切替装置9の逆入力操作部9aを、図7に矢印で示す方向へ軸方向にある位置まで押し込むと、逆入力用第一クラッチ爪2c−1及び逆入力用第二クラッチ爪2c−2の位置に逆入力用スリーブ9bの切欠部9dが移動する。これにより、逆入力用第一クラッチ爪2c−1及び逆入力用第二クラッチ爪2c−2の拘束が解除され、その逆入力用第一クラッチ爪2c−1及び逆入力用第二クラッチ爪2c−2は、図示しない弾性部材の付勢力によって揺動し、両方向第一クラッチカム部3h−1及び両方向第二クラッチカム部3h−2に係合する。
このとき、逆入力に対して、第一太陽歯車3a−1及び第二太陽歯車3a−2は、車軸5に相対回転不能となる。
この場合、ハブケース7からの逆入力は、第二外輪歯車3d−2、第二遊星歯車3b−2、第二遊星キャリア3c−2、第一外輪歯車3d−1、第一遊星歯車3b−1、第一遊星キャリア3c−1、リアスプロケット4の順に減速されて伝達され、動力伝達要素としてのチェーン23を介してモータに伝わり回生発電可能となる。
その減速比は、第一太陽歯車3a−1の歯数をa、第二太陽歯車3a−2の歯数をb、第一外輪歯車3d−1の歯数をc、第二外輪歯車3d−2の歯数をdとすると、
{(a+c)×(b+d)}/(c×d)
となる。
なお、自転車を手で押して後退する際(後退時)において、逆入力用第一クラッチ爪2c−1及び逆入力用第二クラッチ爪2c−2は、ブレーキを操作しない限り両方向第一クラッチカム部3h−1及び両方向第二クラッチカム部3h−2に係合可能な状態とはならない。このため、その機能が、第一ワンウェイクラッチ3k及び第二ワンウェイクラッチ3mと干渉することはなく、後進が可能である。
また、変速制御機構10、クラッチ切替装置9の変形例として、例えば、変速用スリーブ10bや逆入力スリーブ9bを、車軸5の軸周り方向に回転移動操作するものも考えられる。すなわち、変速用スリーブ10bや逆入力スリーブ9bを、車軸5の軸周り方向に回転させることにより、各切欠部10d、9dが、変速用クラッチ爪3fや逆入力用クラッチ爪2cの位置と、その変速用クラッチ爪3fや逆入力用クラッチ爪2cの位置から退避した位置との間でそれぞれ移動することにより、その逆入力用ワンウェイクラッチ2や変速用ワンウェイクラッチ3eをそれぞれ切り替えるものである。
このとき、その変速用スリーブ10bや逆入力スリーブ9bの軸周り回転は、変速操作部10aや逆入力操作部9aの前記軸方向移動と連動して動作させることもできる。また、変速操作部10aや逆入力操作部9aの軸回り回転移動と連動して動作させることもできる。
また、これらの実施形態では、ラチェットクラッチで構成された変速用ワンウェイクラッチ3e、逆入力用ワンウェイクラッチ2において、そのラチェットクラッチの各クラッチ爪3f,2cのクラッチカム面3g,2bへの噛合を、変速用スリーブ10b、逆入力用スリーブ9bによって係合できる状態と係合できない状態とに切り替える方式を採用したが、車軸5と太陽歯車3aとの間のワンウェイクラッチを相対回転可能、相対回転不能とに切り替える手段としては、変速用スリーブ10b、逆入力用スリーブ9b以外のその他の構成を採用してもよい。
また、この実施形態では、変速用ワンウェイクラッチ3e、第一ワンウェイクラッチ3k、第二ワンウェイクラッチ3mは、ラチェットクラッチによって構成されているが、ローラクラッチ、スプラグクラッチ等、他の構成からなるワンウェイクラッチを採用することもできる。
1 リアハブ(ハブ)
2 逆入力用ワンウェイクラッチ
2a−1 逆入力用第一ワンウェイクラッチ
2a−2 逆入力用第二ワンウェイクラッチ
2b−1 逆入力用第一クラッチカム面
2b−2 逆入力用第二クラッチカム面
2c−1 逆入力用第一クラッチ爪
2c−2 逆入力用第二クラッチ爪
2d 揺動軸(クラッチ爪軸)
3 変速機構
3a 太陽歯車
3a−1 第一太陽歯車
3a−2 第二太陽歯車
3b 遊星歯車
3b−1 第一遊星歯車
3b−2 第二遊星歯車
3c 遊星キャリア
3c−1 第一遊星キャリア
3c−2 第二遊星キャリア
3d 外輪歯車
3d−1 第一外輪歯車
3d−2 第二外輪歯車
3e 変速用ワンウェイクラッチ
3e−1 変速用第一ワンウェイクラッチ
3e−2 変速用第二ワンウェイクラッチ
3f 変速用クラッチカム爪
3f−1 変速用第一クラッチ爪
3f−2 変速用第二クラッチ爪
3g 変速用クラッチカム面
3g−1 変速用第一クラッチカム面
3g−2 変速用第二クラッチカム面
3h−1 両方向第一クラッチカム部
3h−2 両方向第二クラッチカム部
3i 揺動軸(クラッチ爪軸)
3k 第一ワンウェイクラッチ
3m 第二ワンウェイクラッチ
3n 第一クラッチカム面
3q 第一クラッチ爪
3r 第二クラッチ爪
3s 第二クラッチカム面
4 リアスプロケット(スプロケット)
5 車軸
5a,5b 軸孔
6 ハブフランジ
7 ハブケース
9 クラッチ切替装置
9a 逆入力操作部
9b 逆入力用スリーブ
9c 横穴
9d 切欠部
9e テーパ面
9f ピン
9g 弾性部材
10 変速制御機構
10a 変速操作部
10b 変速用スリーブ
10c 横穴
10d 切欠部
10e テーパ面
10f ピン
10g 弾性部材
13,14 軸受部

Claims (12)

  1. 前輪と後輪とを結ぶフレームに二次電池及び補助駆動用のモータを取り付け、クランク軸から伝達された踏力又は前記モータの出力による駆動力を駆動力伝達要素を介して駆動輪に伝達可能とし、前進非駆動時には、前記駆動輪から前記モータの出力軸への逆入力により生じた回生電力を前記二次電池に還元する回生機構を備えた電動補助自転車において、
    前記駆動輪に設けたハブ(1)内部に変速機構(3)と逆入力用ワンウェイクラッチ(2)とクラッチ切替装置(9)とを備え、前記変速機構(3)は、車軸(5)の軸方向に沿って並列する少なくとも二つの遊星歯車機構(3p)を備え、前記遊星歯車機構(3P)の一つである第一遊星歯車機構は(3p−1)は、車軸(5)周りに設けられた第一太陽歯車(3a−1)と、その第一太陽歯車(3a−1)に噛み合う第一遊星歯車(3b−1)、及びその第一遊星歯車(3b−1)を保持する第一遊星キャリア(3c−1)を有し、もう一つの遊星歯車機構(3p)である第二遊星歯車機構(3p−2)は、車軸(5)周りに設けられた第二太陽歯車(3a−2)と、その第二太陽歯車(3a−2)に噛み合う第二遊星歯車(3b−2)、及びその第二遊星歯車(3b−2)を保持する第二遊星キャリア(3c−2)を有し、前記変速機構(3)は、駆動力に対し前記第一太陽歯車(3a−1)及び前記第二太陽歯車(3a−2)をそれぞれ車軸(5)周りに相対回転可能または相対回転不能とに切り替え可能な変速用ワンウェイクラッチ(3e)と、前記変速用ワンウェイクラッチ(3e)の前記切り替えを行う変速制御機構(10)とを備え、前記第二遊星キャリア(3c−2)は、前記第一遊星歯車(3b−1)と噛み合う第一外輪歯車(3d−1)と一体に回転し、前記ハブケース(7)は、第二遊星歯車(3b−2)と噛み合う第二外輪歯車(3d−2)と一体に回転するようになっており、
    前記変速制御機構(10)により、第一太陽歯車(3a−1)及び前記第二太陽歯車(3a−2)の一方を駆動力に対して車軸(5)に相対回転不能とし他方を車軸(5)に相対回転可能とすることにより、駆動力が、前記第一遊星キャリア(3c−1)から前記第一遊星歯車機構(3p−1)又は前記第二遊星歯車機構(3p−2)のいずれかを介して増速されて前記ハブケース(7)に伝達される第一増速状態と、前記第一太陽歯車(3a−1)及び前記第二太陽歯車(3a−2)の両方を駆動力に対して車軸(5)に相対回転不能とすることにより、駆動力が、第一遊星キャリア(3c−1)から前記第一遊星歯車機構(3p−1)及び前記第二遊星歯車機構(3p−2)を介して増速されて前記ハブケース(7)に伝達される第二増速状態とに変速が可能であり、前記逆入力用ワンウェイクラッチ(2)は、前記各遊星歯車機構(3p−1,3p−2)において、前記第一太陽歯車(3a−1)及び前記第二太陽歯車(3a−2)と前記車軸(5)との間に設けられており、前進非駆動時に、前記クラッチ切替装置(9)を操作することにより、前記駆動輪からの逆入力に対して前記少なくとも一つの太陽歯車(3a)を前記車軸(5)周りに回転不能とすることにより、前記駆動輪からの逆入力をハブケース(7)から前記駆動力伝達要素に伝達可能とするハブ(1)を備えた電動補助自転車。
  2. 前記クラッチ切替装置(9)は、ブレーキ操作と連動して、前記逆入力用ワンウェイクラッチ(2)を逆入力に対して係合可能な状態に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の電動補助自転車。
  3. 前記第一遊星キャリア(3c−1)と前記第二遊星キャリア(3c−2)との間に第一ワンウェイクラッチ(3k)を、前記第二遊星キャリア(3c−2)とハブケース(7)との間に第二ワンウェイクラッチ(3m)を備え、
    前記変速制御機構(10)により、前記第一太陽歯車(3a−1)及び前記第二太陽歯車(3a−2)を駆動力に対して車軸(5)に相対回転可能とすることにより、駆動力が、第一遊星キャリア(3c−1)から第一ワンウェイクラッチ(3k)及び第二ワンウェイクラッチ(3m)を介してハブケース(7)に直結で伝達される低速状態に変速可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動補助自転車。
  4. 前記逆入力用ワンウェイクラッチ(2)は、前記第一太陽歯車(3a−1)と前記車軸(5)との間に設けられる逆入力用第一ワンウェイクラッチ(2a−1)と、前記第二太陽歯車(3a−2)と前記車軸(5)との間に設けられる逆入力用第二ワンウェイクラッチ(2a−2)とからなり、前進非駆動時には、前記クラッチ切替装置(9)により、前記逆入力用第一ワンウェイクラッチ(2a−1)及び前記逆入力用第二ワンウェイクラッチ(2a−2)を逆入力に対して係合可能な状態に切り替えることによって、前記ハブケース(7)からの逆入力を前記駆動力伝達要素に伝達可能であることを特徴とする請求項3に記載の電動補助自転車。
  5. 前記第一遊星歯車機構(3p−1)と前記第二遊星歯車機構(3p−2)が、同一の遊星歯車機構によって構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電動補助自転車。
  6. 前記第一ワンウェイクラッチ(3k)及び前記第二ワンウェイクラッチ(3m)がラチェットクラッチによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の電動補助自転車。
  7. 前記第一ワンウェイクラッチ(3k)及び前記第二ワンウェイクラッチ(3m)がローラクラッチ又はスプラグクラッチによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の電動補助自転車。
  8. 前記変速用ワンウェイクラッチ(3e)は、前記第一太陽歯車(3a−1)と前記車軸(5)との間に設けられる変速用第一ワンウェイクラッチ(3e−1)と、前記第二太陽歯車(3a−2)と前記車軸(5)との間に設けられる前記変速用第二ワンウェイクラッチ(3e−2)とからなり、前記変速用第一ワンウェイクラッチ(3e−1)及び前記変速用第二ワンウェイクラッチ(3e−2)は、ラチェットクラッチによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の電動補助自転車。
  9. 前記変速制御機構(10)は、前記車軸(5)内を通して外部に引き出された変速操作部(10a)を有しており、その変速操作部(10a)を軸方向に移動操作することにより、前記変速用第一ワンウェイクラッチ(3e−1)及び前記変速用第二ワンウェイクラッチ(3e−2)が切り替えられることを特徴とする請求項8に記載の電動補助自転車。
  10. 前記変速用第一ワンウェイクラッチ(3e−1)は、揺動自在の変速用第一クラッチ爪(3f−1)が前記車軸(5)の外面に、その変速用第一クラッチ爪(3f−1)が噛み合う変速用第一クラッチカム面(3g−1)が前記第一太陽歯車(3a−1)の内面に設けられており、前記変速用第二ワンウェイクラッチ(3e−2)は、揺動自在の変速用第二クラッチ爪(3f−2)が前記車軸(5)の外面に、その変速用第二クラッチ爪(3f−2)が噛み合う変速用第二クラッチカム面(3g−2)が前記第二太陽歯車(3a−2)の内面に設けられていることを特徴とする請求項8又は9に記載の電動補助自転車。
  11. 前記変速用第一クラッチ爪(3f−1)及び前記変速用第二クラッチ爪(3f−2)は、それぞれ弾性部材によってその一端が前記変速用第一クラッチカム面(3g−1)又は前記変速用第二クラッチカム面(3g−2)側に起き上がる方向に付勢され、その他端が前記車軸(5)の外周に設けた変速用スリーブ(10b)に接することができるようになっており、前記変速操作部(10a)の軸方向への移動操作により、前記変速用スリーブ(10b)に設けられた切欠部(10d)が、前記変速用第一クラッチ爪(3f−1)及び前記変速用第二クラッチ爪(3f−2)の位置と、その変速用第一クラッチ爪(3f−1)及び変速用第二クラッチ爪(3f−2)から退避した位置との間でそれぞれ移動することにより前記変速用第一ワンウェイクラッチ(3e−1)及び前記変速用第二ワンウェイクラッチ(3e−2)が切り替えられることを特徴とする請求項10に記載の電動補助自転車。
  12. 前記変速用スリーブ(10b)は、前記車軸(5)の軸方向に移動することにより、前記切欠部(10d)の移動が行われ、前記切欠部(10d)の軸方向端部に、軸方向外側に向かうにつれて外径側に近づくテーパ面(10e)を設けたことを特徴とする請求項11に記載の電動補助自転車。
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