JP2012021495A - エンジンの始動装置およびそれを搭載する車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピニオンギヤの係合動作およびピニオンギヤの回転動作が個別に制御可能なスタータを有するエンジンの始動装置において、エンジン始動時に発生する振動およびノイズを低減する。
【解決手段】エンジン100の始動装置であって、エンジン100を始動させるスタータ200と、スタータ200を制御するECU300とを備える。スタータ200は、ピニオンギヤ260と、アクチュエータ232と、アクチュエータ232とは個別に制御可能でありピニオンギヤ260を回転させるモータ220とを含む。ECU300は、アクチュエータ232の駆動に先立ってモータ220を駆動させる第1のモードと、モータ220の駆動に先立ってアクチュエータ232によってリングギヤ110とピニオンギヤ260とを係合させる第2のモードとを有し、第2のモードが選択されている場合に、エンジン100の回転速度が駆動装置20の共振範囲外となったときに、モータ220の駆動を開始する。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン100の始動装置であって、エンジン100を始動させるスタータ200と、スタータ200を制御するECU300とを備える。スタータ200は、ピニオンギヤ260と、アクチュエータ232と、アクチュエータ232とは個別に制御可能でありピニオンギヤ260を回転させるモータ220とを含む。ECU300は、アクチュエータ232の駆動に先立ってモータ220を駆動させる第1のモードと、モータ220の駆動に先立ってアクチュエータ232によってリングギヤ110とピニオンギヤ260とを係合させる第2のモードとを有し、第2のモードが選択されている場合に、エンジン100の回転速度が駆動装置20の共振範囲外となったときに、モータ220の駆動を開始する。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンの始動装置およびそれを搭載する車両に関し、より特定的には、ピニオンギヤをエンジンのリングギヤに係合させるアクチュエータと、ピニオンギヤを回転させるためのモータとが個別に制御可能な始動装置の制御に関する。
近年、エンジンなどの内燃機関を有する自動車においては、燃費向上や排気エミッション低減などを目的として、車両が停止し、かつ運転者によりブレーキペダルが操作された状態においてエンジンの自動停止を行なうとともに、たとえば、ブレーキペダルの操作量がゼロまで減少されるなどの、運転者による再発進の動作によって自動再始動をする、いわゆるアイドリングストップ機能を搭載したものがある。
このアイドリングストップにおいて、エンジンの回転速度が比較的高い状態で、エンジンの再始動が行なわれる場合がある。このような場合において、エンジンを回転させるためのピニオンギヤの係合とピニオンギヤの回転とが1つの駆動指令によって行なわれる従来のスタータでは、ピニオンギヤとエンジンのリングギヤとの係合が容易となるように、エンジンの回転速度が十分に低下するのを待ってスタータが駆動される。そうすると、エンジンの再始動要求から実際のエンジンのクランキングまでに時間遅れが発生してしまい、運転者に違和感を与えてしまうおそれがあった。
特開2005−330813号公報(特許文献1)には、このような課題を解決するために、ピニオンギヤの係合動作およびピニオンギヤの回転動作が個別に制御可能な構成を有するスタータを用いて、停止要求発生直後のエンジン回転降下期間中に再始動要求が発生した場合に、ピニオンギヤの係合動作に先立ってピニオンギヤの回転動作を行なうとともに、ピニオンギヤの回転速度がエンジン回転速度に同期したときに、ピニオンギヤの係合動作を行なうことによってエンジンの再始動を行なう技術を開示する。
特開2005−330813号公報(特許文献1)に記載の技術によれば、停止要求発生直後のエンジン回転降下期間中に再始動要求が発生した場合においても、エンジン回転速度の低下を待つことなく、エンジンをクランキングすることが可能となる。
しかしながら、エンジンをクランキングする回転速度によっては、エンジンを含む駆動系の共振周波数帯に合致してしまう場合が発生し得る。そうすると、エンジンの回転速度が共振周波数帯に長く留まってしまうばかりか、共振によって車両の乗員に不快な振動やノイズを与えてしまうおそれがある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、第2のギヤの係合動作および第2のギヤの回転動作が個別に制御可能なスタータを有するエンジンの始動装置において、エンジン始動時に発生する振動およびノイズを低減することである。
本発明によるエンジンの始動装置は、エンジンを始動させるスタータと、スタータを制御する制御装置とを備える。スタータは、エンジンのクランク軸に連結された第1のギヤと係合可能な第2のギヤと、駆動状態において第2のギヤを第1のギヤとする位置に移動させるアクチュエータと、第2のギヤを回転させるモータとを含む。制御装置は、アクチュエータおよびモータの各々を個別に制御可能である。制御装置は、アクチュエータの駆動に先立ってモータを駆動させる第1のモードと、モータの駆動に先立ってアクチュエータによって第1のギヤおよび第2のギヤを係合させる第2のモードとを用いて前記スタータを制御する。そして、制御装置は、第2のモードが選択されている場合に、エンジンの回転速度が予め定められた基準範囲外となったときに、モータの駆動を開始する。
このようなエンジンの始動装置によれば、アクチュエータおよびモータの各々を個別に制御可能なスタータは、アクチュエータの駆動に先立ってモータを駆動させる第1のモードと、モータの駆動に先立ってアクチュエータによって第1のギヤおよび第2のギヤを係合させる第2のモードとを用いて制御される。そして、第2のモードの場合に、第1のギヤと第2のギヤとが係合した状態で、エンジンの回転速度が予め定められた基準範囲内であるときにはモータの駆動が制限され、基準範囲外となったときにモータが駆動されてエンジンが始動される。このようにすることによって、操作者に違和感を与え得る不所望のエンジン回転速度範囲を回避してエンジンを始動することが可能となる。
好ましくは、基準範囲は、エンジンを含む駆動装置の共振周波数に基づいて設定される。
このような構成とすることによって、エンジンの回転速度が駆動装置の共振周波数に対応して設定される範囲を回避して、エンジンを始動することができる。
好ましくは、駆動装置の共振周波数に対応するエンジンの回転速度は、基準範囲に含まれる。
このような構成とすることによって、エンジンの回転速度が駆動装置の共振周波数周辺である場合を回避して、エンジンを始動することができる。
好ましくは、制御装置は、エンジンの始動要求を受けた場合に、エンジンの回転速度が第1の基準値を下回るときには第2のモードを選択し、エンジンの回転速度が第1の基準値と第1の基準値より大きい第2の基準値との間であるときには第1のモードを選択する。
このような構成とすることによって、エンジンの回転速度が第1の基準値を下回る場合、すなわち低回転の場合には、第2のギヤを停止したまま第1のギヤと係合させ(第2のモード)、エンジンの回転速度が第1の基準値と第1の基準値より大きい第2の基準値との間である場合、すなわち比較的回転速度が高い場合には、第2のギヤを回転させながら第1のギヤと係合させることができる(第1のモード)。これによって、回転速度が比較的高い場合に、第1のギヤと第2のギヤとの回転速度の差を小さくでき、回転速度が比較的高い場合であっても滑らかに第1のギヤと第2のギヤとを係合させることができる。
好ましくは、制御装置は、第1のモードが選択されている場合に、アクチュエータの係合動作完了予定時のエンジンの回転速度とモータの回転速度との差が予め定められたしきい値の範囲内である場合に同期が成立すると判定し、同期が成立すると判定した場合にアクチュエータを駆動して第1のギヤと第2のギヤとを係合させる。
このような構成とすることによって、第1のモードの場合に、アクチュエータの係合動作完了予定時のエンジンの回転速度とモータの回転速度との差が予め定められた範囲内であるとき、すなわち、第1のギヤと第2のギヤとの回転速度の差を小さくなったところで、第1のギヤと第2のギヤとを係合させることができる。
好ましくは、制御装置は、第1のモードが選択されている場合に、同期が成立する時点から、アクチュエータの動作時間を差し引いた時点において、アクチュエータの駆動を開始する。
このような構成とすることによって、アクチュエータの動作時間を考慮して、アクチュエータの駆動開始を決定できる。そのため、第1のギヤと第2のギヤとの回転速度の差をできるだけ小さくすることが可能になる。
好ましくは、制御装置は、第1のモードが選択されている場合に、アクチュエータの駆動を開始するタイミングが、基準時間を経過した後となるときには、モータを停止させる。
このような構成とすることによって、第1のモードが選択されていても、アクチュエータの動作完了時にはすでに同期が成立しなくなる場合には、モータを停止し、第2のギヤを停止させた状態でエンジンを始動することができる。
好ましくは、制御装置は、第2のモードが選択されている場合に、第1のギヤと第2のギヤとの係合が完了したことに基づいて、モータの駆動を開始する。
このような構成とすることによって、第2のモードの場合には、第1のギヤと第2のギヤとが係合した状態で、エンジンの始動を開始することができる。
好ましくは、制御装置は、エンジンの始動が完了した場合は、モータおよびアクチュエータの駆動を停止する。
このような構成とすることによって、エンジン始動完了後は、モータおよびアクチュエータの駆動を停止し、スタータによる電力消費を防止することができる。
好ましくは、アクチュエータは、ソレノイドを含む。アクチュエータは、ソレノイドが励磁されると第2のギヤを待機位置から第1のギヤとの係合位置まで移動させ、ソレノイドが非励磁にされると第2のギヤを待機位置に戻す。
このような構成とすることによって、ソレノイドを励磁することによって第1のギヤと第2のギヤとを係合させ、ソレノイドを非励磁にすることによって係合状態を解除することができる。
本発明による車両は、車両を走行させるための駆動力を生成するエンジンと、エンジンを始動させるスタータと、スタータを制御する制御装置とを備る。スタータは、エンジンのクランク軸に連結された第1のギヤと係合可能な第2のギヤと、駆動状態において第2のギヤを第1と係合する位置に移動させるアクチュエータと、第2のギヤを回転させるモータとを含む。制御装置は、アクチュエータおよびモータ各々を個別に制御可能である。制御装置は、アクチュエータの駆動に先立ってモータを駆動させる第1のモードと、モータの駆動に先立ってアクチュエータによって第1のギヤおよび第2のギヤを係合させる第2のモードとを有する。そして、制御装置は、第2のモードが選択されている場合に、エンジンの回転速度が予め定められた基準範囲外となったときに、モータの駆動を開始する。
このような車両によれば、アクチュエータおよびモータの各々を個別に制御可能なスタータは、アクチュエータの駆動に先立ってモータを駆動させる第1のモードと、モータの駆動に先立ってアクチュエータによって第1のギヤおよび第2のギヤを係合させる第2のモードとを用いて制御される。そして、第2のモードの場合に、第1のギヤと第2のギヤとが係合した状態で、エンジンの回転速度が予め定められた基準範囲内であるときにはモータの駆動が制限され、基準範囲外となったときにモータが駆動されてエンジンが始動される。このようにすることによって、操作者に違和感を与え得る不所望のエンジン回転速度範囲を回避してエンジンを始動することが可能となる。
本発明によれば、ピニオンギヤの係合動作およびピニオンギヤの回転動作が個別に制御可能なスタータを有するエンジンの始動装置において、エンジン始動時に発生する振動およびノイズを低減することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
[エンジン始動装置の構成]
図1は、本実施の形態に従うエンジンの始動装置を搭載する車両10の全体ブロック図である。
図1は、本実施の形態に従うエンジンの始動装置を搭載する車両10の全体ブロック図である。
図1を参照して、車両10は、駆動装置20と、バッテリ120と、スタータ200と、制御装置(以下ECU(Electronic Control Unit)とも称する。)300と、リレーRY1,RY2とを備える。駆動装置20は、エンジン100と、動力伝達装置160と、駆動輪170とを含む。また、スタータ200は、プランジャ210と、モータ220と、ソレノイド230と、連結部240と、出力部材250と、ピニオンギヤ260とを含む。
エンジン100は、車両10を走行するための駆動力を発生する。エンジン100のクランク軸111は、クラッチや減速機などを含んで構成される動力伝達装置160を介して、駆動輪170に接続される。
エンジン100には、回転速度センサ115が設けられる。回転速度センサ115は、エンジン100の回転速度Neを検出し、その検出結果をECU300へ出力する。
バッテリ120は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。バッテリ120は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池または鉛蓄電などの二次電池を含んで構成される。また、バッテリ120は、電気二重層キャパシタなどの蓄電素子により構成されてもよい。
バッテリ120は、ECU300によって制御されるリレーRY1,RY2を介して、スタータ200に接続される。そして、バッテリ120は、リレーRY1,RY2が閉成されることによって、スタータ200に駆動用の電源電圧を供給する。なお、バッテリ120の負極は車両10のボディアースに接続される。
バッテリ120には、電圧センサ125が設けられる。電圧センサ125は、バッテリ120の出力電圧VBを検出し、その検出値をECU300へ出力する。
リレーRY1の一方端はバッテリ120の正極に接続され、リレーRY1の他方端はスタータ200内のソレノイド230の一方端に接続される。リレーRY1は、ECU300からの制御信号SE1により制御され、バッテリ120からソレノイド230への電源電圧の供給と遮断とを切替える。
リレーRY2の一方端はバッテリ120の正極に接続され、リレーRY2の他方端はスタータ200内のモータ220に接続される。リレーRY2は、ECU300からの制御信号SE2により制御され、バッテリ120からモータ220へ電源電圧の供給と遮断とを切替える。また、リレーRY2とモータ220とを結ぶ電力線には、電圧センサ130が設けられる。電圧センサ130は、モータ電圧VMを検出して、その検出値をECU300へ出力する。
上述のように、スタータ200内のモータ220およびソレノイド230への電源電圧の供給は、リレーRY1,RY2によってそれぞれ独立に制御することが可能である。
出力部材250は、モータ内部のロータ(図示せず)の回転軸と、たとえば直線スプラインなどで結合される。また、出力部材250のモータ220とは反対側の端部には、ピニオンギヤ260が設けられる。リレーRY2が閉成されることによって、バッテリ120から電源電圧が供給されてモータ220が回転すると、出力部材250は、ロータの回転動作をピニオンギヤ260に伝達して、ピニオンギヤ260を回転させる。
ソレノイド230の一方端は上述のようにリレーRY1に接続され、ソレノイド230の他方端はボディアースに接続される。リレーRY1が閉成されソレノイド230が励磁されると、ソレノイド230はプランジャ210を矢印の方向に吸引する。すなわち、ソレノイド230とプランジャ210とでアクチュエータ232を構成する。
プランジャ210は、連結部240を介して出力部材250と結合される。ソレノイド230が励磁されてプランジャ210が矢印の方向に吸引される。これにより、支点245が固定された連結部240によって、出力部材250が、図1に示された待機位置から、プランジャ210の動作方向とは逆の方向、すなわちピニオンギヤ260がモータ220の本体から遠ざかる方向に、リングギヤ110との係合位置まで動かされる。また、プランジャ210は、図示しないばね機構によって、図1中の矢印とは逆向きの力が付勢されており、ソレノイド230が非励磁となると、待機位置に戻される。
このように、ソレノイド230が励磁されることによって、出力部材250が軸方向に動作すると、ピニオンギヤ260が、エンジン100のクランク軸111に取付けられたリングギヤ110と係合する。そして、ピニオンギヤ260とリングギヤ110とが係合した状態で、ピニオンギヤ260が回転動作することによって、エンジン100がクランキングされ、エンジン100が始動される。リングギヤ110は、たとえばエンジンのフライホイールの外周に設けられる。
このように、本実施の形態においては、エンジン100のリングギヤ110と係合するようにピニオンギヤ260を移動させるアクチュエータ232と、ピニオンギヤ260を回転させるモータ220とが個別に制御される。
なお、図1には図示しないが、リングギヤ110の回転動作によって、モータ220のロータが回転されないように、出力部材250とモータ220のロータ軸の間にワンウェイクラッチが設けられてもよい。
また、図1におけるアクチュエータ232は、ピニオンギヤ260の回転をリングギヤ110に伝達でき、かつピニオンギヤ260およびリングギヤ110が係合した状態と、両方が非係合の状態とを切替えることができる機構であれば、上記のような機構に限られるものではなく、たとえば、出力部材250の軸を、ピニオンギヤ260の径方向に動かすことによってピニオンギヤ260とリングギヤ110とが係合するような機構であってもよい。
ECU300は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)と、記憶装置と、入出力バッファとを含み、各センサの入力や各機器への制御指令の出力を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、一部を専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
ECU300は、アクセルペダル140に設けられたセンサ(図示せず)からのアクセルペダル140の操作量を表わす信号ACCを受ける。ECU300は、ブレーキペダル150に設けられたセンサ(図示せず)からのブレーキペダル150の操作を表わす信号BRKを受ける。また、ECU300は、運転者によるイグニッション操作などによる始動操作信号IG−ONを受ける。ECU300は、これらの情報に基づいて、エンジン100の始動要求信号および停止要求信号を生成し、それに従って制御信号SE1,SE2を出力してスタータ200の動作を制御する。
[スタータの動作モードの説明]
図2は、本実施の形態におけるスタータ200の動作モードの遷移を説明するための図である。図1および図2を参照して、本実施の形態におけるスタータ200の動作モードには、待機モード410、係合モード420、回転モード430、および全駆動モード440が含まれる。
図2は、本実施の形態におけるスタータ200の動作モードの遷移を説明するための図である。図1および図2を参照して、本実施の形態におけるスタータ200の動作モードには、待機モード410、係合モード420、回転モード430、および全駆動モード440が含まれる。
待機モード410は、スタータ200のアクチュエータ232およびモータ220の両方が駆動されていないモード、すなわちスタータ200へのエンジン始動要求が出力されていないモードである。待機モード410は、スタータ200の初期状態に相当し、エンジン100の始動動作前、エンジン100が始動完了した後、およびエンジン100の始動が失敗したときなどにおいて、スタータ200の駆動が不要となった場合に選択される。
全駆動モード440は、スタータ200のアクチュエータ232およびモータ220の両方が駆動されているモードである。この全駆動モード440においては、ピニオンギヤ260とリングギヤ110が係合した状態で、モータ220によってピニオンギヤ260の回転動作が行なわれる。これによって、実際にエンジン100がクランキングされて始動動作が開始される。
本実施の形態におけるスタータ200は、上述のように、アクチュエータ232およびモータ220の各々を、個別に駆動することができる。そのため、待機モード410から全駆動モード440に遷移する過程において、モータ220の駆動に先立ってアクチュエータ232を駆動する場合(すなわち、係合モード420に相当)と、アクチュエータ232の駆動に先立ってモータ220を駆動する場合(すなわち、回転モード430に相当)とがある。
係合モード420は、アクチュエータ232のみが駆動され、モータ220が駆動されていないモードである。このモードは、ピニオンギヤ260が停止した状態においても、ピニオンギヤ260とリングギヤ110とが係合可能である場合に選択される。具体的には、エンジン100が停止している状態、あるいはエンジン100の回転速度Neが十分に低下した状態(Ne≦第1の基準値α1)の場合に、この係合モード420が選択される。
そして、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との係合が完了したことに応じて、動作モードが係合モード420から全駆動モード440に遷移する。
なお、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との係合が完了したか否かの判定については、出力部材250の位置を検出するセンサ(図示せず)を設けて、その検出信号によって判定することも可能である。しかしながら、エンジン100の回転あるいはピニオンギヤ260の回転のために、ある期間の間に係合する可能性が高いので、センサを用いなくてもアクチュエータ232の駆動開始から予め定められた時間が経過したことに基づいて、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との係合が完了したと判定することも可能である。このようにすることによって、出力部材250の位置を検出するセンサの配置を省略して、システムの複雑さおよびコストを低減することができる。
一方、回転モード430は、モータ220のみが駆動され、アクチュエータ232が駆動されていないモードである。このモードは、たとえば、エンジン100の停止要求直後に、エンジン100の再始動要求が出力されたような場合に、エンジン100の回転速度Neが相対的に高いとき(α1<Ne≦第2の基準値α2)に選択される。
このように、エンジン100の回転速度Neが高いときには、ピニオンギヤ260を停止したままの状態では、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との間の速度差が大きく、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との係合が困難となる可能性がある。そのため、回転モード430においては、アクチュエータ232の駆動に先立ってモータ220のみが駆動され、リングギヤ110の回転速度とピニオンギヤ260の回転速度とを同期させる。そして、リングギヤ110の回転速度とピニオンギヤ260の回転速度との差が十分に小さくなったことに応じてアクチュエータ232が駆動され、リングギヤ110とピニオンギヤ260との係合が行なわれる。そして、動作モードが回転モード430から全駆動モード440へ遷移する。
なお、リングギヤ110の回転速度とピニオンギヤ260の回転速度との同期ができなかった場合には、モータ駆動時間が所定時間(T1)経過後に、動作モードが待機モード410に戻される。その後、そのときのエンジン100の回転速度Neに応じて、係合モード420または回転モード430が選択され、再度始動動作が実行される。
また、全駆動モード440の場合に、エンジン100の始動が完了し、エンジン100が自立運転を開始したことに応じて、運転モードは全駆動モード440から待機モード410へ戻される。
図3は、本実施の形態において、エンジン始動動作時の2つの駆動モード(係合モード,回転モード)を説明するための図である。
図3の横軸には時間が示され、縦軸には、エンジン100の回転速度Ne、回転モード使用時および係合モード使用時における、アクチュエータ232およびモータ220の駆動状態が示される。
図1および図3を参照して、時刻t0において、たとえば車両が停止し、かつ運転者によりブレーキペダル150が操作されているという条件が満たされたことによってエンジン100の停止要求が生成され、エンジン100の燃焼が停止された場合を考える。この場合に、エンジン100が再始動されなければ、実線の曲線W0のように、徐々にエンジン100の回転速度Neが低下し、最終的にエンジン100の回転が停止する。
次に、エンジン100の回転速度Neの低下中に、たとえば、運転者によるブレーキペダル150の操作量がゼロになったことによってエンジン100の再起動要求が生成された場合について考える。この場合には、エンジン100の回転速度Neによって3つの領域に分類される。
第1の領域(領域1)は、エンジン100の回転速度Neが第2の基準値α2よりも高い場合であり、たとえば、図3中の点P0において再起動要求が生成されたような状態である。
この領域1は、エンジン100の回転速度Neが十分に高いので、燃料噴射および点火動作によって、スタータ200を用いなくともエンジン100が始動可能な領域、すなわち自立復帰可能な領域である。したがって、領域1においては、スタータ200の駆動が禁止される。なお、上述の第2の基準値α2については、モータ220の最高回転速度によって制限される場合もある。
第2の領域は(領域2)は、エンジン100の回転速度Neが第1の基準値α1および第2の基準値α2の間にある場合であり、図3中の点P1において再起動要求が生成されたような状態である。
この領域2は、エンジン100は自立復帰できないが、エンジン100の回転速度Neが比較的高い状態の領域である。この領域においては、図2で説明したように、回転モードが選択される。
ここで、回転モードの詳細について図4を用いて説明する。図4の横軸には時間が示され、縦軸にはエンジン100の回転速度Ne、およびクランク軸換算のモータ220の回転速度Nm1が示される。
図1および図4を参照して、時刻t11においてエンジン100の始動要求があり、エンジン100の回転速度Neに基づいて、回転モードが選択された状態を考える。このとき、エンジン100の回転速度Neは、再始動要求がないとした場合には、たとえば図4中の曲線W11のように時間とともに減少する。
また、回転モードが選択されたことによって、スタータ200のモータ220が時刻t11で駆動が開始される。そして、モータ220は時間とともに回転速度が上昇する。なお、図4においては、出力部材250の回転速度を、ピニオンギヤ260とリングギヤ110とのギヤ比に基づいて、エンジン100のクランク軸111の回転速度に換算した回転速度Nm1が、図4中の曲線W10で示される。
そして、時刻t13の点P10において、エンジン100の回転速度Neと、クランク軸換算のモータの回転速度Nm1が同期する。アクチュエータ232は、ソレノイド230への電圧印加からのプランジャ210の動作時間を考慮して、時刻t13においてピニオンギヤ260がリングギヤ110との係合位置に到達するように駆動される。たとえば、時刻t13からプランジャ210の動作時間を差し引いた時刻t12においてアクチュエータ232の駆動が開始される。
すなわち、プランジャ210の動作時間を考慮して、ピニオンギヤ260の係合完了予定時においてエンジン100の回転速度Neとクランク軸換算のモータの回転速度Nm1とが同期すると判定される時点(時刻t12)で、アクチュエータ232の駆動が開始される。
再び図3を参照して、時刻t2において、エンジン100の再始動要求が生成されると、まずモータ220が駆動される。これによって、ピニオンギヤ260が回転し始める。そして、係合完了予定時においてエンジン100の回転速度Neと、クランク軸111に換算したピニオンギヤ260の回転速度とが同期すると判定される時刻t3において、アクチュエータ232が駆動される。そして、リングギヤ110とピニオンギヤ260とが係合されると(時刻t3*)、モータ220によりエンジン100がクランキングされて、破線の曲線W1のようにエンジン100の回転速度Neが増加する。その後、エンジン100が自立運転を再開すると、アクチュエータ232およびモータ220の駆動が停止される。
第3の領域(領域3)は、エンジン100の回転速度Neが第1の基準値α1よりも低い場合であり、たとえば、図3中の点P2において再起動要求が生成されたような状態である。
この領域3は、エンジン100の回転速度Neが低く、ピニオンギヤ260を同期させなくても、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との係合が可能な領域である。この領域においては、図2で説明したように、係合モードが選択される。
時刻t4において、エンジン100の再始動要求が生成されると、まずアクチュエータ232が駆動される。これによって、ピニオンギヤ260がリングギヤ110側に押し出される。その後、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との係合が完了、あるいは所定の時間が経過したことに応じて、モータ220が駆動される(図3中の時刻t5)。これによってエンジン100がクランキングされて破線の曲線W2のように、エンジン100の回転速度Neが増加する。その後、エンジン100が自立運転を再開すると、アクチュエータ232およびモータ220の駆動が停止される。
このように、アクチュエータ232とモータ220とが個別に制御可能なスタータ200を用いて、エンジン100の再始動制御を行なうことによって、従来のスタータでは、エンジン100の自立復帰が不可能となる回転速度(図3中の時刻t1)から、エンジン100が停止するまで(図3中の時刻t6)の期間(Tinh)中エンジン100の再始動動作が禁止されていた場合に比べて、より短時間でエンジン100を再始動することが可能となる。これによって、運転者に対して、エンジン再始動が遅れてしまうことによる違和感を低減することができる。
ところで、エンジン100を含む駆動装置20には、一般的に共振周波数が存在する。そして、エンジン100の回転速度Neが、駆動装置20の共振周波数に対応する共振回転速度Nresの付近となると、駆動装置20の振動が大きくなる可能性がある。
このような駆動装置20の共振回転速度Nresは、一般的に低回転速度の領域に設計されることが多く、駆動装置20の振動が大きくなる共振領域(図3中の領域D1)の少なくとも一部が、図3における領域3に含まれる場合がある。
そうすると、係合モードの場合に、図3における時刻t5において、モータ220駆動開始時のエンジン回転速度Neが共振領域D1となる場合があり得る。これによって、エンジン回転速度Neが共振のために共振領域D1に留まる時間が長くなってしまい、エンジン始動時の振動やノイズが大きくなって車両100の乗員に不快感を与えてしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態においては、係合モードから全駆動モードへの遷移において、ピニオンギヤ260とリングギヤ110とが係合したことの条件に加えて、エンジン回転速度Neが図3の共振領域D1にないことを、モータ220の駆動を開始する条件とする。このようにすることによって、エンジン始動時の振動やノイズの増加を抑制することが期待できる。
[動作モード設定制御の説明]
図5は、本実施の形態において、ECU300で実行される動作モード設定制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図5に示すフローチャートは、ECU300に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図5は、本実施の形態において、ECU300で実行される動作モード設定制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図5に示すフローチャートは、ECU300に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図1および図5を参照して、ECU300は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100において、エンジン100の始動要求があるか否かを判定する。すなわち、エンジン100を始動するか否かが判定される。
エンジン100の始動要求がない場合(S100にてNO)は、エンジン100の始動動作は不要であるので、処理がS180に進められて、ECU300は、待機モードを選択する。
エンジン100の始動要求がある場合(S100にてYES)は、処理がS110に進められ、ECU300は、次にエンジン100の回転速度Neが第2の基準値α2以下であるか否かを判定する。
エンジン100の回転速度Neが第2の基準値α2より大きい場合(S110にてNO)は、エンジン100の自立復帰が可能な図3における領域1に対応するので、ECU300は、処理をS180に進めて待機モードを選択する。
エンジン100の回転速度Neが第2の基準値α2以下の場合(S110にてYES)は、ECU300は、さらにエンジン100の回転速度Neが第1の基準値α1以下であるか否かを判定する。
エンジン100の回転速度Neが第1の基準値α1以下の場合(S120にてYES)は、図3における領域1に対応するので、処理がS135に進められ、ECU300は、係合モードを選択する。そして、ECU300は、制御信号SE1を出力してリレーRY1を閉成することによってアクチュエータ232を駆動する。このとき、モータ220は駆動されない。
そして、ECU300は、S145にて、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との係合が完了したか否かを判定する。この判定は、上述のようにセンサを用いた位置検出によって判定してもよいし、所定時間の経過によって判定してもよい。
ピニオンギヤ260とリングギヤ110との係合が完了していない場合(S145にてNO)は、処理がS145に戻されて、ECU300は、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との係合が完了するのを待つ。
一方、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との係合が完了した場合(S145にてYES)は、次にS155に処理が進められて、ECU300は、現在のエンジン回転速度Neが図3における共振範囲D1の範囲外であるか否かを判定する。具体的には、エンジン回転速度Neが、共振範囲D1の上限しきい値Nth2よりも大きいか(Ne>Nth2)、もしくは下限しきい値Nth1よりも小さいか(Ne<Nth1)が判定される。
エンジン回転速度Neが共振範囲内の場合(S155にてNO)は、S155に処理が戻され、ECU300は、エンジン回転速度Neが共振範囲外となるのを待つ。
エンジン回転速度Neが共振範囲外の場合(S155にてYES)は、S160に処理が進められ、ECU300は、全駆動モードを選択する。そして、モータ220によって、エンジン100のクランキングが開始される。
次に、ECU300は、S170にて、エンジン100の始動が完了したか否かを判定する。エンジン100の始動完了の判定については、たとえば、モータ220の駆動開始から所定時間が経過した後に、エンジン回転速度が、自立運転を示すしきい値γより大きいか否かによって判定するようにしてもよい。
エンジン100の始動が完了していない場合(S170にてNO)は、S160に処理が戻され、エンジン100のクランキングが継続される。
エンジン100の始動が完了した場合(S170にてYES)は、S180に処理が進められて、ECU300は、待機モードを選択する。
一方、エンジン100の回転速度Neが第1の基準値α1より大きい場合(S120にてNO)は、図3における領域2に対応するので、処理がS130に進められ、ECU300は、回転モードを選択する。そして、ECU300は、制御信号SE2を出力してリレーRY2を閉成することによってモータ220を駆動する。このとき、アクチュエータ232は駆動されない。
そして、ECU300は、S140にて、モータ220の駆動継続時間が所定時間T1を経過したか否かを判定する。
モータ220の駆動継続時間が所定時間T1を経過した場合(S140にてYES)は、ECU300は、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との同期が成立せずエンジン100の始動ができなかったと判断し、S180に処理を進めて、一旦待機モードを選択する。その後、再度S100からの処理が実行され、エンジン始動処理が実行される。
モータ220の駆動継続時間が所定時間T1を経過していない場合(S140にてNO)は、S150に処理が進められ、ECU300は、アクチュエータ232の動作完了予定時における、エンジン100の回転速度Ne1と、クランク軸換算のモータ220の回転速度Nm1との同期が成立するか否かを判定する。同期の成立の判定としては、具体的には、エンジン100の回転速度Ne1とクランク軸換算のモータ220の回転速度Nm1との相対回転速度Ndiff(Ne1−Nm1)が所定のしきい値の範囲内となっているか否かによって行なう(0≦β1≦Ndiff<β2)。なお、同期の成立の判定を、相対回転速度Ndiffの絶対値がしきい値βより小さいか否か(|Ndiff|<β)によって判定することも可能であるが、エンジン100の回転速度Ne1のほうがモータ220の回転速度Nm1より高い状態で係合させるほうがより好ましい。
同期が成立しないと判断される場合(S150にてNO)は、S140に処理が戻され、ECU300は、同期が成立するのを待つ。
同期が成立すると判断される場合(S150にてYES)は、ECU300は、処理をS160に進め、全駆動モードを選択する。これによって、アクチュエータ232が駆動されて、ピニオンギヤ260とリングギヤ110とが係合し、エンジン100がクランキングされる。
なお、図5には示さないが、S160においてエンジンのクランキングを実行中に、たとえば燃料の不足や点火装置の不具合などで、所定時間が経過してもエンジンの自立運転がされない場合は、異常の可能性があるとして待機モードに動作モードを戻すようにしてもよい。
以上のような処理に従って制御を行なうことによって、係合モードによってエンジンを再始動する場合に、エンジン回転速度が駆動装置の共振周波数を含む共振範囲外となる状態でモータが駆動される。これによって、エンジン再始動中のエンジン回転速度が共振範囲に長く留まってしまうことに起因する振動やノイズの増加を抑制することができる。その結果、このような振動やノイズによる車両乗員への不快感を軽減することが可能となる。
なお、本実施の形態における「リングギヤ110」および「ピニオンギヤ260」は、それぞれ本発明における「第1のギヤ」および「第2のギヤ」の一例である。また、本実施の形態における「回転モード」および「係合モード」は、それぞれ本発明における「第1のモード」および「第2のモード」の一例である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 車両、100 エンジン、110 リングギヤ、111 クランク軸、115 回転速度センサ、120 バッテリ、125,130 電圧センサ、140 アクセルペダル、150 クラッチペダル、160 動力伝達装置、170 駆動輪、200 スタータ、210 プランジャ、220 モータ、230 ソレノイド、232 アクチュエータ、240 連結部、245 支点、250 出力部材、260 ピニオンギヤ、300 ECU、410 待機モード、420 係合モード、430 回転モード、440 全駆動モード、RY1,RY2 リレー。
Claims (11)
- エンジンの始動装置であって、
前記エンジンを始動させるスタータと、
前記スタータを制御する制御装置とを備え、
前記スタータは、
前記エンジンのクランク軸に連結された第1のギヤと係合可能な第2のギヤと、
駆動状態において前記第2のギヤを前記第1のギヤと係合する位置に移動させるアクチュエータと、
前記第2のギヤを回転させるモータとを含み、
前記制御装置は、前記アクチュエータおよび前記モータの各々を個別に制御可能であり、
前記制御装置は、前記アクチュエータの駆動に先立って前記モータを駆動させる第1のモードと、前記モータの駆動に先立って前記アクチュエータによって前記第1のギヤおよび前記第2のギヤを係合させる第2のモードとを有し、
前記制御装置は、前記第2のモードが選択されている場合に、前記エンジンの回転速度が予め定められた基準範囲外となったときに、前記モータの駆動を開始する、エンジンの始動装置。 - 前記基準範囲は、前記エンジンを含む駆動装置の共振周波数に基づいて設定される、請求項1に記載のエンジンの始動装置。
- 前記駆動装置の共振周波数に対応する前記エンジンの回転速度は、前記基準範囲に含まれる、請求項2に記載のエンジンの始動装置。
- 前記制御装置は、前記エンジンの始動要求を受けた場合に、前記エンジンの回転速度が第1の基準値を下回るときには前記第2のモードを選択し、前記エンジンの回転速度が前記第1の基準値と前記第1の基準値より大きい第2の基準値との間であるときには前記第1のモードを選択する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの始動装置。
- 前記制御装置は、前記第1のモードが選択されている場合に、前記アクチュエータの係合動作完了予定時の前記エンジンの回転速度と前記モータの回転速度との差が予め定められたしきい値の範囲内である場合に同期が成立すると判定し、前記同期が成立すると判定した場合に前記アクチュエータを駆動して前記第1のギヤと前記第2のギヤとを係合させる、請求項4に記載のエンジンの始動装置。
- 前記制御装置は、前記第1のモードが選択されている場合に、前記同期が成立する時点から、前記アクチュエータの動作時間を差し引いた時点において、前記アクチュエータの駆動を開始する、請求項5に記載のエンジンの始動装置。
- 前記制御装置は、前記第1のモードが選択されている場合に、前記アクチュエータの駆動を開始するタイミングが、基準時間を経過した後となるときには、前記モータを停止させる、請求項6に記載のエンジンの始動装置。
- 前記制御装置は、前記第2のモードが選択されている場合に、前記第1のギヤと前記第2のギヤとの係合が完了したことに基づいて、前記モータの駆動を開始する、請求項4に記載のエンジンの始動装置。
- 前記制御装置は、前記エンジンの始動が完了した場合は、前記モータおよび前記アクチュエータの駆動を停止する、請求項4に記載のエンジンの始動装置。
- 前記アクチュエータは、
ソレノイドを含み、
前記アクチュエータは、前記ソレノイドが励磁されると前記第2のギヤを待機位置から前記第1のギヤとの係合位置まで移動させ、前記ソレノイドが非励磁にされると前記第2のギヤを前記待機位置に戻す、請求項1〜9のいずれか1項に記載のエンジンの始動装置。 - 車両であって、
前記車両を走行させるための駆動力を生成するエンジンと、
前記エンジンを始動させるためのスタータと、
前記スタータを制御するための制御装置とを備え、
前記スタータは、
前記エンジンのクランク軸に連結された第1のギヤと係合可能な第2のギヤと、
駆動状態において前記第2のギヤを前記第1のギヤと係合する位置に移動させるアクチュエータと、
前記第2のギヤを回転させるモータとを含み、
前記制御装置は、前記アクチュエータおよび前記モータの各々を個別に制御可能であり、
前記制御装置は、前記アクチュエータの駆動に先立って前記モータを駆動させる第1のモードと、前記モータの駆動に先立って前記アクチュエータによって前記第1のギヤおよび前記第2のギヤを係合させる第2のモードとを有し、
前記制御装置は、前記第2のモードが選択されている場合に、前記エンジンの回転速度が予め定められた基準範囲外となったときに、前記モータの駆動を開始する、車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010161522A JP2012021495A (ja) | 2010-07-16 | 2010-07-16 | エンジンの始動装置およびそれを搭載する車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010161522A JP2012021495A (ja) | 2010-07-16 | 2010-07-16 | エンジンの始動装置およびそれを搭載する車両 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2012021495A true JP2012021495A (ja) | 2012-02-02 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010161522A Withdrawn JP2012021495A (ja) | 2010-07-16 | 2010-07-16 | エンジンの始動装置およびそれを搭載する車両 |
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Country | Link |
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2010
- 2010-07-16 JP JP2010161522A patent/JP2012021495A/ja not_active Withdrawn
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