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JP2012012427A - 新規の遷移金属化合物およびこれを用いたオレフィン重合用触媒 - Google Patents

新規の遷移金属化合物およびこれを用いたオレフィン重合用触媒 Download PDF

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JP2012012427A
JP2012012427A JP2010147337A JP2010147337A JP2012012427A JP 2012012427 A JP2012012427 A JP 2012012427A JP 2010147337 A JP2010147337 A JP 2010147337A JP 2010147337 A JP2010147337 A JP 2010147337A JP 2012012427 A JP2012012427 A JP 2012012427A
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carbon atoms
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halogen atom
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JP2010147337A
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English (en)
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正人 ▲高▼野
Masato Takano
Naoko Ochi
直子 越智
Yuji Hamaki
裕史 濱木
Masaya Tanimoto
匡哉 谷本
Shusuke Hanaoka
秀典 花岡
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

【課題】オリゴマー量の少ないオレフィン重合体を製造するための触媒成分として用いることのできる新規架橋ビスインデニルメタロセンおよび該オレフィン重合用触媒成分と該オレフィン重合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 一般式(I)で示される遷移金属錯体。

Figure 2012012427

【選択図】なし

Description

本発明は、架橋ビスインデニルメタロセンの少なくとも一方のインデニル環の5,6位のみに置換基を有する新規架橋ビスインデニルメタロセンおよびこれを用いたオレフィン重合用触媒に関する。
エチレン系重合体などのオレフィン重合体は、フィルム、シート、ボトル等に成形され、食品包装材などの種々の用途に用いられている。なかでも、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレン系重合体が、衝撃強度や引張強度等の機械的強度に優れることが知られている。
しかしながら、製造されたオレフィン重合体にはオリゴマーのような低分子量成分が含まれていることがある。低分子量成分が多い場合、高温条件下で加工時の発煙や異臭等の様々な問題の原因となることが知られており、オレフィン重合体中の低分子量成分の低減が課題となっている。
従来、架橋ビスインデニルメタロセンは、オレフィン重合用の触媒成分として有用であり、これまでに多種多様な化合物が合成されている。その重合性能は、化合物の構造に大きく依存する。
非特許文献1には、二つのインデニル環の5,6位のみに置換基を導入した架橋ビスインデニル錯体とそれを用いて重合されたエチレン系重合体について記載されているが、特定の置換基にのみ言及されており、また、分子量調整剤を用いた重合系は記載されていない。非特許文献2には、フェニレン架橋ビス(ヒドロ−s−インダセニル)錯体が記載されているが、それを用いたオレフィン重合に関する記載がない。先行文献にて開示されている広範なビスインデニルメタロセンにおいて、実際に5,6位のみに置換基を有するものを合成しているのは上記例のみである。
Organometallics,11, 2115,1992. Journal Of Organometallic Chemistry,568,41,1998.
かかる現状において、本発明の解決すべき課題、即ち本発明の目的は、オリゴマー量の少ないオレフィン重合体を製造するための触媒成分として用いることのできる新規架橋ビスインデニルメタロセンおよび該オレフィン重合用触媒成分と該オレフィン重合体の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、架橋ビスインデニルメタロセンの少なくとも一つのインデニル環の5,6位に置換基を有する新規遷移金属化合物および該化合物からなるオレフィン重合用触媒成分、該触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法を見出した。
すなわち、本発明は、一般式(I)で表される遷移金属化合物に関する。
一般式(I)で示される遷移金属錯体。

Figure 2012012427
(式中、Mは元素の周期律表の3族、4族、5族、ランタニド族またはアクチニド族から選択される遷移金属原子を示し、
およびRは、同一または相異なり、
水素原子、
ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数2〜20のアルキニル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいシリル基、
またはヘテロ環式化合物残基を示し、RおよびRは、インデニル環と共に連結して3〜8員環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
およびRは、同一または相異なり、
ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数2〜20のアルキニル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいシリル基、
またはヘテロ環式化合物残基を示し、RおよびRは、インデニル環と共に連結して3〜8員環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
Aは、二つのインデニル環を結ぶ架橋基−[Z(R)(R)]−を示す。
Zは、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子またはスズ原子を示し、Zが複数ある場合は、複数のZは同一でも異なっていてもよい。
およびRは、同一または相異なり、
水素原子、
ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、または
炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいシリル基を示す。
そしてnは、1、2、3または4を表す。
Xは、
水素原子、
ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいシリル基、
炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいアミノ基、
炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいチオラート基、または
炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいカルボキシラート基
を表し、
lは、1、2、3または4を表す。Xが複数ある場合は、それらは同一でも異なっていてもよく、X同士は、連結して環を形成してもよい。
Yは、中性のルイス塩基を表し、mは、0、1、2、3または4を表す。Yが複数ある場合は、それらは同一でも異なっていてもよい。
lとmとの総和は、2、3、または4である。
ただし、R、R、RおよびRのインデニル環に直接結合した4つの原子が全て炭素原子またはケイ素原子である場合は、当該原子のうちの少なくとも1つが1級原子または2級原子である。
また、RおよびRが水素原子であり、かつ、RおよびRがインデニル環と共に連結して6員環を形成し、該インデニル環に直接結合した2つの原子が炭素原子である場合は、2つの炭素原子のうち、少なくとも一方は2級炭素原子である。
さらに、エチレンビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、およびエチレンビス(5,6−ジメトキシインデニル)ジルコニウムジクロリドを除く。)
また、本発明は一般式(II)で表される化合物に関する。

Figure 2012012427
Figure 2012012427
(式中、R、R、R、RおよびAは前記の通りである。ただし、下記化合物は除く。)
Figure 2012012427
さらに、本発明は一般式(I)の化合物及び活性化用助触媒成分からなるオレフィン重合用触媒や該触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法に関する。
本発明によれば、オリゴマー量の少ないオレフィン重合体を製造するための触媒成分として用いることのできる新規架橋ビスインデニルメタロセンおよびオレフィン重合用触媒成分が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明において、R、R、R、R、R、RおよびXにおける炭素原子数1〜20のアルキル基とは、直鎖状もしくは分岐状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基が挙げられる。これらのアルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を置換基として有していてもよい。ハロゲン原子を置換基として有する炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パークロロプロピル基、パーブロモプロピル基、パーフルオロブチル基、パークロロブチル基、パーブロモブチル基、パーフルオロペンチル基、パークロロペンチル基、パーブロモペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パークロロヘキシル基、パーブロモヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パークロロヘプチル基、パーブロモヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パークロロオクチル基、パーブロモオクチル基、パーフルオロノニル基、パークロロノニル基、パーブロモノニル基、パーフルオロデシル基、パークロロデシル基、パーブロモデシル基、パーフルオロドデシル基、パークロロドデシル基、パーブロモドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パークロロペンタデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモエイコシル基が挙げられる。アルキル基の炭素原子数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜4である。
、R、R、RおよびXにおける炭素原子数3〜20のシクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が挙げられる。また、これらのシクロアルキル基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子といったハロゲン原子を置換基として有していてもよい。シクロアルキル基の炭素原子数は、好ましくは3〜8である。
、R、RおよびRにおける炭素原子数2〜20のアルケニル基は、直鎖状もしくは分岐状のいずれでもよく、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2 −ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基が挙げられる。また、これらのアルケニル基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子といったハロゲン原子を置換基として有していてもよい。アルケニル基の炭素原子数は、好ましくは2〜10であり、より好ましくは2〜5である。
、R、RおよびRにおける炭素原子数2〜20のアルキニル基は、直鎖状もしくは分岐状のいずれでもよく、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、3−メチル1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−3−ブチニル基、2−メチル−3−ブチニル基が挙げられる。また、これらのアルキニル基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子といったハロゲン原子を置換基として有していてもよい。アルキニル基の炭素原子数は、好ましくは、2〜10であり、より好ましくは2〜5である。
、R、R、RおよびXにおける炭素原子数7〜20のアラルキル基は、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2 ,3 ,5 −トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6 −テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、( イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(イソブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基が挙げられる。また、これらのアラルキル基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子といったハロゲン原子を置換基として有していてもよい。アラルキル基の炭素原子数は、好ましくは7〜12である。
、R、R、R、R、RおよびXにおける炭素原子数6〜20のアリール基は、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が挙げられる。また、これらのアリール基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子といったハロゲン原子を置換基として有していてもよい。アリール基の炭素原子数は、好ましくは6〜11である。
、R、R、R、R、RおよびXにおけるシリル基とは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいシリル基であって、ここでハイドロカルビル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基といった直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または、フェニル基などのアリール基が挙げられ、ハロゲン化ハイドロカルビル基とは、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子といったハロゲン原子を置換基として有する上記ハイドロカルビル基である。かかるシリル基としては、例えば、メチルシリル基、エチルシリル基、フェニルシリル基、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジフェニルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリ−イソブチルシリル基、tert−ブチル−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基が挙げられる。ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは炭素原子数1〜4である。
、R、R、RおよびXにおける炭素原子数1〜20のアルコキシ基は、直鎖状もしくは分岐状のいずれでもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基が挙げられる。また、これらのアルコキシ基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子といったハロゲン原子を置換基として有していてもよく、例えば、パーフルオロメトキシ基、パーフルオロエトキシ基、パーフルオロプロポキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロペンチルオキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基、パーフルオロドデシルオキシ基、パーフルオロペンタデシルオキシ基、パーフルオロエイコシルオキシ基が挙げられる。アルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜4である。
、R、R、RおよびXにおける炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基は、例えば、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、(n−テトラデシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基が挙げられる。また、これらのアラルキルオキシ基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を置換基として有していてもよい。アラルキルオキシ基の炭素原子数は、好ましくは7〜12である。
、R、R、RおよびXにおける炭素原子数6〜20のアリールオキシ基は、例えば、フェノキシ基、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基が挙げられる。また、これらのアリールオキシ基はいずれもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を置換基として有していてもよい。アリールオキシ基の炭素原子数は、好ましくは6〜11である。
Xにおけるにおけるアミノ基とは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいアミノ基であって、ここでハイドロカルビル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基といった直鎖状、分岐状もしくは環状の基、または、フェニル基などのアリール基が挙げられ、ハロゲン化ハイドロカルビル基とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子といったハロゲン原子を置換基として有する上記ハイドロカルビル基である。かかるアミノ基としては、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−n−デシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビストリメチルシリルアミノ基、ビス−tert−ブチルジメチルシリルアミノ基が挙げられる。ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは1〜10である。
Xにおけるホスフィノ基とは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいホスフィノ基であって、ここでハイドロカルビル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基といった直鎖状、分岐状もしくは環状の基、または、フェニル基などのアリール基が挙げられ、ハロゲン化ハイドロカルビル基とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子といったハロゲン原子を置換基として有する上記ハイドロカルビル基である。かかるホスフィノ基としては、例えばジメチルホスフィノ基、ジエチルホスフィノ基、ジ−n−プロピルホスフィノ基、ジイソプロピルホスフィノ基、ジ−n−ブチルホスフィノ基、ジ−sec−ブチルホスフィノ基、ジ−tert−ブチルホスフィノ基、ジ−イソブチルホスフィノ基、tert−ブチルイソプロピルホスフィノ基、ジ−n−ヘキシルホスフィノ基、ジ−n−オクチルホスフィノ基、ジ−n−デシルホスフィノ基、ジシクロヘキシルホスフィノ基、ジトリルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、ビストリメチルシリルホスフィノ基、ビス−tert−ブチルジメチルシリルホスフィノ基が挙げられる。ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは1〜10である。
Xにおけるチオラート基とは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいチオラート基であって、ここでハイドロカルビル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基といった直鎖状、分岐状もしくは環状の基、または、フェニル基などのアリール基が挙げられ、ハロゲン化ハイドロカルビル基とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子といったハロゲン原子を置換基として有する上記ハイドロカルビル基である。かかるチオラート基としては、例えばチオフェノキシ基、2,3,4−トリメチルチオフェノキシ基、2,3,5−トリメチルチオフェノキシ基、2,3,6−トリメチルチオフェノキシ基、2,4,6−トリメチルチオフェノキシ基、3,4,5−トリメチルチオフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルチオフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルチオフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、2−フルオロチオフェノキシ基、3−フルオロチオフェノキシ基、4−フルオロフェノキシ基ペンタフルオロチオフェノキシ基、2−トリフルオロメチルチオフェノキシ基、3−トリフルオロメチルチオフェノキシ基、4−トリフルオロメチルチオフェノキシ基、2,3−ジフルオロチオフェノキシ基、2,4−フルオロチオフェノキシ基、2,5−ジフルオロチオフェノキシ基、2−クロロチオフェノキシ基、2,3−ジクロロチオフェノキシ基、2,4−ジクロロチオフェノキシ基、2,5−ジクロロチオフェノキシ基、2−ブロモチオフェノキシ基、3−ブロモチオフェノキシ基、4−ブロモチオフェノキシ基、2,3−ジブロモチオフェノキシ基、2,4−ジブロモチオフェノキシ基、あるいは2,5−ジブロモチオフェノキシ基が挙げられる。ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは1〜10である。
Xにおけるカルボキシラート基とは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいカルボキシラート基であって、ここでハイドロカルビル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基といった直鎖状、分岐状もしくは環状の基、または、フェニル基などのアリール基が挙げられ、ハロゲン化ハイドロカルビル基とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子といったハロゲン原子を置換基として有する上記ハイドロカルビル基である。かかるカルボキシラート基としては、アセテート基、プロピオネート基、ブチレート基、ペンタネート基、ヘキサノエート基、2−エチルヘキサノエート基またはトリフルオロアセテート基が挙げられる。ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基の炭素原子数は、好ましくは1〜10である。
、R、RおよびRにおけるヘテロ環式化合物残基としては、例えば、ピリジル基、4,6−ジメチルピリジル基、2,6−ジメチルピリジル基、フラニル基、5−メチルフラニル基、2,5−ジメチルフラニル基、チオフェニル基、5−メチルチオフェニル基、2,5−ジメチルチオフェニル基が挙げられる。
以下、一般式(I)の化合物について説明する。
Figure 2012012427
式中、Mで示される遷移金属原子は、元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改定版1989)の3族、4族、5族、ランタニド族またはアクチニド族から選択される遷移金属原子であり、好ましくは、3族、4族またはランタニド族から選択される遷移金属原子であり、より好ましくは、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子が挙げられる。
またはRはそれぞれインデニル環上の5位または6位の置換基を示し、好ましくは、水素原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルキル基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、または炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいシリル基であり、より好ましくは、
水素原子、またはハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基である。
また、RおよびRは、インデニル環と共に連結して3〜8員環を形成していてもよく、好ましくは、5および6員環であり、該環は置換基を有していてもよい。
またはRはそれぞれインデニル環上の6位または5位の置換基を示し、好ましくは、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数3〜20のシクロアルキル基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、または炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいシリル基であり、より好ましくは、水素原子、またはハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基である。
また、RおよびRは、インデニル環と共に連結して3〜8員環を形成していてもよく、好ましくは、5および6員環であり、該環は置換基を有していてもよい。
ただし、R、R、RおよびRのインデニル環に直接結合した4つの原子が全て炭素原子またはケイ素原子である場合は、当該原子のうちの少なくとも1つが1級または2級である。また、RおよびRが水素原子であり、かつ、RおよびRがインデニル環と共に連結して6員環を形成し、インデニル環に直接結合した2つの原子が炭素原子である場合は、2つの炭素原子のうち、少なくとも一方は2級炭素原子である。
ここで、1級または2級の炭素原子およびケイ素原子とは、当該原子上に炭素原子で直接結合する置換基の数が、インデニル環を含めて1つまたは2つであることを示す。
Aは、二つのインデニル環を結ぶ架橋基−[Z(R)(R)]−を示す。Zは、同一でも異なっていてもよく、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子またはスズ原子を示し、好ましくは、炭素原子またはケイ素原子である。
およびRとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、または炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいシリル基であり、より好ましくは、水素原子、またはハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基である。
nは、2、3または4を表し、好ましくは2である。
かかる架橋基Aとしては、例えば、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CMeCMe−、−CCyCCy−、−CPhCPh−、−C{SiMeC{SiMe−、−SiMeSiMe−、−CHSiMe−、−SiMeCHSiMe−、−SiCySiCy−、−SiPhSiPh−が挙げられ、好ましくは、−CHCH−、−CHCHCH−、−CMeCMe−、−SiMeSiMe−であり、より好ましくは−CHCH−である。(以降、Cyはシクロヘキシル基、Meはメチル基、Phはフェニル基をそれぞれ表わす。)
Xとして、好ましくは、
ハロゲン原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数3〜10のシクロアルキル基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいシリル基、または
炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいアミノ基であり、
より好ましくは、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数3〜10のシクロアルキル基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、または炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいアミノ基であり、
特に好ましくは、
塩素原子、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、または炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいアミノ基である。
Xが複数ある場合は、それらは同一でも異なっていてもよく、また、連結されていてもよい。
lは、1、2または3を表す。lとして好ましくは、1、2であり、より好ましくは2である。
Yは中性のルイス塩基を示し、mは、0、1、2、3または4を表す。Yが複数ある場合は、それらは同一でも異なっていてもよい。lとmとの総和は、2、3、または4であり、好ましくは2または4である。
Yとしては、例えば、エーテル類、アミン類またはチオエーテル類が挙げられ、具体的には、テトロヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサンまたはピリジンが挙げられる。
ただし、化合物(I)は、エチレンビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、およびエチレンビス(5,6−ジメトキシインデニル)ジルコニウムジクロリドではない。
かかる一般式(I)の化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2012012427

Figure 2012012427

Figure 2012012427

Figure 2012012427
Figure 2012012427

Figure 2012012427

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Figure 2012012427

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Figure 2012012427

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Figure 2012012427

Figure 2012012427
Figure 2012012427

Figure 2012012427

Figure 2012012427
Figure 2012012427

Figure 2012012427
さらに、これらの化合物のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に変更したもの、これらの化合物の二つのインデニル環を結ぶ架橋基を−CMe−、−CPh−、−SiMe−、−SiPh−、−SiMePh−、−SiCy−、−CHCHCH−に変更したもの、これらの化合物の金属上の置換基を臭素原子、ヨウ素原子、エチル基、フェニル基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ジエチルアミノ基、メチルアニリド基に変更したものも挙げられる。
化合物(I)として好ましくは、以下の化合物である。
Figure 2012012427

Figure 2012012427

Figure 2012012427
架橋メタロセンは、インデニル環上の置換基の置換位置により、2個のインデニル基が同一である場合は、C2対称を有するラセミ体とCs対称を有するメソ体が存在する。一方で、2個のインデニル基が同一でない場合は、ラセミ体又はメソ体ではなく、C1対称を有するジアステレオマーとなる。インデニル環上の置換基の空間配置が異なるこれらのジアステレオマーは、プロピレンの重合の触媒成分として使用した場合、2個のシクロペンタジエニル基の相対的な空間配置に基づき、アイソタクチックポリプロピレンを与えるラセミ体またはアタクチックポリプロピレンを与えるメソ体のような挙動を示す。そのため、前者は疑似ラセミ体、後者は疑似メソ体と呼ばれる。本発明におけるラセミ体およびメソ体とは、これら擬似ラセミ体および擬似メソ体を包含する。
メタロセンの一般的な製造方法は、架橋インデンをアニオン化し、金属ハロゲン化物を反応させ、ラセミ体とメソ体の混合物とした後、所望のメタロセンを分離、精製する方法が多数知られている。(Organometallics,11,2115(1992)、本文献中の引用文献など。)
また、ラセミ選択的にメタロセンを合成する方法としては、架橋インデンのアニオンと嵩高い配位子を有する金属ハロゲン化物との反応(特開平10−109995号明細書)や架橋インデンとZr(NMeとの反応(特表平11−501612号明細書)が知られている。
さらには、上記方法により得られたメタロセンの配位子置換反応によっても、製造することが出来る。例えば、ジクロロ錯体とMeLiやPhOLiのような有機金属試薬と反応させることによるアルキル錯体やアリールオキシ錯体への変換(Organometallics,12,633(1993)、特開2003−12682号明細書)やジアミド錯体とMeNH・HClやSiMeClのようなハロゲン化剤との反応によるジクロロ錯体への変換(特表平11−501612号明細書、Organometallics,14,5(1996))、ジアミド錯体とフェノール類縁体との反応によるアリールオキシ錯体への変換(特開2003−231693号明細書)が知られている。
エチレンビスインデニル錯体を例とした上記製造方法の概要をスキーム1に示す。

Figure 2012012427
スキーム1 メタロセン製造方法例
化合物(I)も上記一般的なメタロセンと同様の方法によって製造することができ、例えば、スキーム1において、ビス(インデニル)エタンを化合物(II)に置き換えればよい。しかし、化合物(I)の製造方法は、これらに限定されるものではない。
例えば、一般式(II)で表される化合物をアニオン化した後、一般式(III)
MX(l+2)(III)
(式中、M、X、Y、lおよびmは前記の通りである。)
で表わされる化合物を反応させればよい。
かかる化合物(III)としては、以下の化合物が挙げられる。
Zr(NMe,Zr(NEt,Zr(NMePh),Zr(CHPh),Zr(OPh),Zr(OMe),Zr(OEt),Zr(OPr),Zr(SiMe
Zr(NMeCl,Zr(NMeBr,Zr(NMe,Zr(NMe(OPh),Zr(NMe(OMe),Zr(NMe(OEt)2,Zr(NMe(OPr),Zr(NMeMe,Zr(NMePh,Zr(NMeCy ,Zr(NMe(SiMe,Zr(NMe(CHPh)
Zr(NEtCl,Zr(NEtBr,Zr(NEt,Zr(NEt(OPh),Zr(NEt(OMe),Zr(NEt(OEt),Zr(NEt(OPr),Zr(NEtMe,Zr(NEtPh,Zr(NEtCy ,Zr(NEt(SiMe,Zr(NEt(CHPh)
Zr(NMePh)Cl,Zr(NMePh)Br,Zr(NMePh)I,Zr(NMePh)(OPh),Zr(NMePh)(OMe),Zr(NMePh)(OEt),Zr(NMePh)(OPr),Zr(NMePh)Me,Zr(NMePh)Ph,Zr(NMePh)Cy ,Zr(NMePh)(SiMe,Zr(NMePh)(CHPh)
さらに、これらの化合物のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に変更したものも挙げられる。
本反応におけるアニオン化は、化合物(II)に、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミン、リチウムヘキサメチルジシラザン、カリウムヘキサメチルジシラザン、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムなどの塩基を反応させればよい。
化合物(II)と塩基とを反応させる温度は、−100℃〜150℃の温度範囲であり、好ましくは−80℃〜50℃である。
化合物(II)と塩基とを反応させる時間は、5分間〜24時間であり、通常は30分間〜3時間である。
塩基の使用量は、化合物(II)に対して2モル当量以上であればよく、好ましくは、2.0〜2.5の範囲で用いればよい。
本反応で用いる化合物(III)における、少なくとも2つのXは、ハロゲン原子であることが好ましく、より好ましくは塩素原子である。
化合物(II)のアニオン化体と化合物(III)とを反応させる温度は、−100℃〜150℃の温度範囲であり、好ましくは−80℃〜50℃である。
化合物(II)のアニオン化体と化合物(III)とを反応させる時間は、5分間〜48時間であり、好ましくは10分間〜24時間である。
化合物(III)の使用量は、化合物(II)に対して2モル当量以上であればよく、好ましくは、2.0〜2.5の範囲で用いればよい。
本反応で用いる溶媒は、類似の反応で一般的に用いられる溶媒であれば特に制限されるものではない。そのような溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテルといったエーテル系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタンといった脂肪族ハイドロカルビル溶媒、トルエン、キシレンといった芳香族ハイドロカルビル溶媒が挙げられる。
本反応は、ヘリウム、アルゴンまたは窒素のような不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、窒素またはアルゴン雰囲気下がより好ましい。
本反応では圧力の影響は無視できるため、大気圧下で反応を行うのが一般的である。
また、化合物(I)は一般式(II)で表される化合物と化合物(III)とを反応させてもよい。本反応で用いる化合物(III)における、少なくとも2つのXは、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数3〜10のシクロアルキル基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいシリル基、または
炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいアミノ基
であることが好ましく、より好ましくは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいアミノ基である。
本反応は、ヘリウム、アルゴンまたは窒素のような不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、窒素またはアルゴン雰囲気下がより好ましい。
本反応では圧力の影響を考慮する必要はなく、大気圧下で反応を行うのが一般的である。
化合物(III)の使用量は、化合物(II)に対して、好ましくは、1.0〜2.0モル当量、より好ましくは、1.0〜1.5の範囲で用いればよい。また、反応の過程で化合物(III)が残存する場合は、反応の途中で化合物(II)を追加することで、反応を定量的に進行させることが出来る。
本反応では、イオン性化合物を任意に添加することもできる。イオン性化合物としては、陽イオンと陰イオンからなる化合物であり、陽イオンとしては、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ホスホニウムイオン、金属陽イオンが挙げられ、陰イオンとしては、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、燐酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオンが挙げられる。イオン性化合物はこれらの陽イオンと陰イオンの組み合わせた化合物である。イオン性化合物として、好ましくは、ハロゲン化アンモニウムや金属ハロゲン化物であり、より好ましくは塩化テトラブチルアンモニウムである。
イオン性化合物の使用量は、化合物(II)に対して、0.01〜1モル当量、好ましくは0.05〜0.5モル当量の範囲で用いればよい。
反応温度は、−100℃〜150℃の温度範囲であればよく、好ましくは0℃〜150℃、より好ましくは、50〜130℃、さらに好ましくは、60〜100℃である。
反応時間は、生成物の収率が最も高くなる時間まで行えばよく、好ましくは30分〜12時間、より好ましくは30分〜4時間である。
本反応では、反応に用いる化合物を一部でも溶解させることができ、また、原料や反応生成物を分解しない溶媒を用いればよい。そのような溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテルといったエーテル系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタンといった脂肪族ハイドロカルビル溶媒、トルエン、キシレンといった芳香族ハイドロカルビル溶媒が挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物(II)に対して、0.001 mol/L〜10 mol/L、好ましくは0.01 mol/L〜2 mol/Lである。
さらに、化合物(I)は上記方法で得られたメタロセンの配位子交換反応によっても得ることができる。
例えば、化合物(I)におけるXがハロゲン原子である場合は、アミド配位子を有するメタロセンとハロゲン化剤を反応させればよい。
ハロゲン化剤としては、トリメチルクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、テトラクロロシランといったハロゲン化シラン、やトリメチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩といったアミン塩酸塩が例示される。
本反応は、ヘリウム、アルゴンまたは窒素のような不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、窒素またはアルゴン雰囲気下がより好ましい。
本反応では圧力の影響を考慮する必要はなく、大気圧下で反応を行うのが一般的である。
反応温度は、−100℃〜150℃の温度範囲であればよく、好ましくは0℃〜150℃、より好ましくは、20〜130℃、さらに好ましくは、20〜100℃である。
反応時間は、生成物の収率が最も高くなる時間まで行えばよく、好ましくは30分〜12時間、より好ましくは30分〜4時間である。
本反応では、反応に用いる化合物を一部でも溶解させることができ、また、原料や反応生成物を分解しない溶媒を用いればよい。そのような溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテルといったエーテル系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタンといった脂肪族ハイドロカルビル溶媒、トルエン、キシレンといった芳香族ハイドロカルビル溶媒が挙げられる。
ハロゲン化剤の使用量は、置換する配位子のモル数に応じて決定すればよく、アミド配位子のモル数に対して等モル数のハロゲン化剤を用いればよい。全ての配位子を交換したい場合は、アミド配位子のモル数に対して過剰量のハロゲン化剤を加えてもよい。
また、化合物(I)におけるXがハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基である場合は、アミド配位子を有するメタロセンとXに対応するフェノール誘導体を反応させればよい。
本反応は、ヘリウム、アルゴンまたは窒素のような不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、窒素またはアルゴン雰囲気下がより好ましい。
本反応では圧力の影響を考慮する必要はなく、大気圧下で反応を行うのが一般的である。
反応温度は、−100℃〜150℃の温度範囲であればよく、好ましくは0℃〜150℃、より好ましくは、20〜130℃、さらに好ましくは、20〜100℃である。
反応時間は、生成物の収率が最も高くなる時間まで行えばよく、好ましくは30分〜12時間、より好ましくは30分〜4時間である。
本反応では、反応に用いる化合物を一部でも溶解させることができ、また、原料や反応生成物を分解しない溶媒を用いればよい。そのような溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテルといったエーテル系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタンといった脂肪族ハイドロカルビル溶媒、トルエン、キシレンといった芳香族ハイドロカルビル溶媒が挙げられる。
フェノール誘導体の使用量は、置換する配位子のモル数に応じて決定すればよく、アミド配位子のモル数に対して等モル数のフェノール誘導体を用いればよいが、アミド配位子のモル数に対して大過剰量のフェノール誘導体を用いると、生成物が分解する場合があることから、アミド配位子のモル数に対して1.0〜1.1モル倍が好ましい。
また、化合物(I)におけるXが
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数3〜10のシクロアルキル基
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいシリル基
である場合は、ハロゲン原子を配位子として有するメタロセンに対して、Xに対応する有機金属試薬を反応させればよい。
有機金属試薬としては、有機アルカリ金属化合物、グリニヤール試薬、有機アルミニウム化合物、有機亜鉛試薬を用いればよい。
本反応は、ヘリウム、アルゴンまたは窒素のような不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、窒素またはアルゴン雰囲気下がより好ましい。
本反応では圧力の影響を考慮する必要はなく、大気圧下で反応を行うのが一般的である。
反応温度は、−100℃〜150℃の温度範囲であればよく、好ましくは−80℃〜150℃、より好ましくは、−80〜130℃、さらに好ましくは、0〜130℃である。
反応時間は、生成物の収率が最も高くなる時間まで行えばよく、好ましくは30分〜12時間、より好ましくは30分〜6時間である。
本反応では、反応に用いる化合物を一部でも溶解させることができ、また、原料や反応生成物を分解しない溶媒を用いればよい。そのような溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテルといったエーテル系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタンといった脂肪族ハイドロカルビル溶媒、トルエン、キシレンといった芳香族ハイドロカルビル溶媒が挙げられる。
有機金属試薬の使用量は、置換する配位子のモル数に応じて決定すればよく、アミド配位子のモル数に対して等モル数のハロゲン化剤を用いればよい。全ての配位子を交換する場合は、アミド配位子のモル数に対して過剰量のハロゲン化剤を加えてもよい。
一般式(II)の化合物について説明する。

Figure 2012012427
Figure 2012012427
一般式(II)中、R、R、R、RおよびAは、前記の通りである。
かかる一般式(II)の化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2012012427

Figure 2012012427
Figure 2012012427

Figure 2012012427
さらに、これらの化合物の二つのインデニル環を結ぶ架橋基を−CMe−、−CPh−、−SiMe−、−SiPh−、−SiMePh−、−SiCy−、−CHCHCH−に変更したものも挙げられる。
化合物(II)として好ましくは、以下の化合物である。
Figure 2012012427
ただし、化合物(II)として、以下の化合物を除く。
Figure 2012012427
化合物(II)の製造方法は、特に限定されるものではなく、一般的な架橋ビスインデン類と同様の方法による製造することができる。
例えば、化合物(II)は、インデン誘導体(IV)および(V)
Figure 2012012427
(式中、R1、R2、R3、R4は前記の通りである。)をアニオン化した後、架橋基前駆体(VI)
Z−A−Z(VI)
(式中、Aは前記の通りである。Zは、同一または相異なるアニオン性脱離基を表し、例えばハロゲン原子またはアセテート基、トリフルオロアセテート基、ベンゾエート基、CFSO基、CHSO基または4−MeCSO基またはPhSO基などであり、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−MeCSO基またはPhSO基である。
)を反応させればよい。このとき、二つのインデンを架橋基に対して同時に導入しても、ひとつずつ段階的に導入してもよい。二つのインデンが異なる場合、後者の方法が好ましく、その導入順序は問わない。本反応の概要をスキーム2に示す。

Figure 2012012427
スキーム2 化合物(II)の合成スキーム
化合物(IV)および化合物(V)のアニオン化は、一般的なインデン化合物の脱プロトン化反応であれば、特に限定されないが、例えば、化合物(IV)または化合物(V)を塩基と反応させればよい。塩基としては、例えば、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムブトキシド、リチウムジイソプロピルアミドなどの有機アルカリ金属塩や、水素化リチウム、水素化カリウムなどの金属水素化物が挙げられる。
塩基の使用量は化合物(IV)および/または化合物(V)に対して、0.9〜1.5モル当量の範囲で用いればよく、好ましくは0.95〜1.2モル当量である。
反応温度は、−78℃〜100℃の温度範囲であればよく、好ましくは、−78℃〜80℃である。
反応時間は、生成物の収率が最も高くなる時間まで行えばよく、通常、30分〜24時間好ましくは、30分〜5時間反応を行えばよい。
本反応において使用できる溶媒は、当該反応条件において安定かつ不活性であれば特に制限されるものではなく、また、混合溶媒を用いてもよい。例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタンなどの脂肪族ハイドロカルビル溶媒,トルエン、キシレンなどの芳香族ハイドロカルビル溶媒が挙げられる。溶媒の使用量としては化合物(II)に対して、0.001 mol/L〜10 mol/L、好ましくは0.1 mol/L〜2 mol/Lである。
本反応は、ヘリウム、アルゴンまたは窒素雰囲気下で行うことができ、好ましくは、窒素またはアルゴン雰囲気下である。
本反応では圧力の影響は無視できるため、大気圧下で反応を行うのが一般的である。
本反応で得られたアニオン化体は、反応溶液をそのまま次工程に用いても、単離してもよい。
化合物(II)は上記で得られたアニオン化体と化合物(VI)を一度に、または逐次的に反応させればよい。
化合物(VI)(AおよびXは前記の通りである。)としては、例えば
Br−CHCH−Br、Br−CHCH−Cl、I−CHCH−I、I−CHCH−Br、(p−tol)SO−CHCH−OSO(p−tol)、(p−tol)SO−CHCH−Br、(p−tol)SO−CHCH−I、
Br−CMeCMe−Br、Br−CMeCMe−Br、Br−CMeCMe−Cl、I−CMeCMe−I、I−CMeCMe−Br、(p−tol)SO−CMeCMe−OSO(p−tol)、(p−tol)SO−CMeCMe−Br、(p−tol)SO−CMeCMe−I、
Br−CHCHCH−Br、Br−CHCHCH−Cl、I−CHCHCH−I、I−CHCHCH−Br、(p−tol)SO−CHCHCH−OSO(p−tol)、(p−tol)SO−CHCHCH−Br、(p−tol)SO−CHCHCH−I、
Br−CHCHCHCH−Br、Br−CHCHCHCH−Cl、I−CHCHCHCH−I、I−CHCHCHCH−Br、(p−tol)SO−CHCHCHCH−OSO(p−tol)、(p−tol)SO−CHCHCHCH−Br、(p−tol)SO−CHCHCHCH−I、
Br−CCyCCy−Br、Br−CCyCCy−Cl、I−CCyCCy−I、I−CCyCCy−Br、(p−tol)SO−CCyCCy−OSO(p−tol)、(p−tol)SO−CCyCCy−Br、(p−tol)SO−CCyCCy−I、
Br−CPhCPh−Br、Br−CPhCPh−Cl、I−CPhCPh−I、I−CPhCPh−Br、(p−tol)SO−CPhCPh−OSO(p−tol)、(p−tol)SO−CPhCPh−Br、(p−tol)SO−CPhCPh−I、
Br−C{SiMeC{SiMe−Br、Br−C{SiMeC{SiMe−Cl、I−C{SiMeC{SiMe−I、I−C{SiMeC{SiMe−Br、(p−tol)SO−C{SiMeC{SiMe−OSO(p−tol)、(p−tol)SO−C{SiMeC{SiMe−Br、(p−tol)SO−C{SiMeC{SiMe−I、
Br−SiMeSiMe−Br、Br−SiMeSiMe−Cl、I−SiMeSiMe−I、I−SiMeSiMe−Br、(p−tol)SO−SiMeSiMe−OSO(p−tol)、(p−tol)SO−SiMeSiMe−Br、(p−tol)SO−SiMeSiMe−I、
Br−CHSiMe−Br、Br−CHSiMe−Cl、I−CHSiMe−I、I−CHSiMe−Br、(p−tol)SO−CHSiMe−OSO(p−tol)、(p−tol)SO−CHSiMe−Br、(p−tol)SO−CHSiMe−I、
Br−SiMeCHSiMe−Br、Br−SiMeCHSiMe−Cl、I−SiMeCHSiMe−I、I−SiMeCHSiMe−Br、(p−tol)SO−SiMeCHSiMe−OSO(p−tol)、(p−tol)SO−SiMeCHSiMe−Br、(p−tol)SO−SiMeCHSiMe−I、
Br−SiCySiCy−Br、Br−SiCySiCy−Cl、I−SiCySiCy−I、I−SiCySiCy−Br、(p−tol)SO−SiCySiCy−OSO(p−tol)、(p−tol)SO−SiCySiCy−Br、(p−tol)SO−SiCySiCy−I、
Br−SiPhSiPh−Br、Br−SiPhSiPh−Cl、I−SiPhSiPh−I、I−SiPhSiPh−Br、(p−tol)SO−SiPhSiPh−OSO(p−tol)、(p−tol)SO−SiPhSiPh−Br、(p−tol)SO−SiPhSiPh−I、
が挙げられる。(p−tolは、パラトリル基を表す。)
化合物(VI)の使用量は、化合物(IV)および化合物(V)に対して、1〜100モル当量の範囲で用いればよい。二つのインデンを架橋基に対して同時に導入する場合(スキーム2経路1)は、1モル当量用いることが好ましく、段階的に導入する場合(スキーム2経路2または経路3)は、中間体(VII)または化合物(VIII)の収率の観点から、化合物(VI)を過剰量用いることが好ましく、より好ましくは1〜50モル当量、さらに好ましくは5〜20モル当量の範囲で用いればよい。
本反応は、ヘリウム、アルゴンまたは窒素雰囲気下で行うことができ、好ましくは、窒素またはアルゴン雰囲気下である。
本反応では圧力の影響は無視できるため、大気圧下で反応を行うのが一般的である。
反応温度は、−78℃〜100℃の温度範囲であればよく、好ましくは、−78℃〜80℃である。
反応時間は、生成物の収率が最も高くなる時間まで行えばよく、通常、30分〜24時間好ましくは、30分〜5時間反応を行えばよい。
本反応において使用できる溶媒は、当該反応条件において安定かつ不活性であれば特に制限されるものではなく、また、混合溶媒を用いてもよい。例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタンなどの脂肪族ハイドロカルビル溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族ハイドロカルビル溶媒が挙げられるが、反応温度が融点以上沸点以下となるようなものが好ましい。
溶媒の使用量としては化合物(II)に対して、0.001 mol/L〜10 mol/L、好ましくは0.1 mol/L〜2 mol/Lである。
スキーム2経路2または経路3のような方法の場合、中間体(VII)または中間体(VIII)に対して、化合物(V)または、化合物(IV)のアニオン化体を反応させればよい。このとき中間体(VII)または中間体(VIII)は精製しても反応混合物のままでもよいが、少なくとも未反応の化合物(VI)を除くことが、化合物(II)の収率の観点から好ましい。
上記説明した本発明の化合物(I)は、重合可能なモノマーの単独重合または二種以上の重合可能なモノマーの共重合により重合体を製造するに際して、重合用触媒成分として使用される。重合用触媒としては、上記の本発明の化合物(I)からなる重合用触媒成分(A)および活性化用助触媒成分(B)を接触させて得られる重合用触媒が用いられる。かかる活性化用助触媒成分は、上記の本発明の化合物(I)からなる重合用触媒成分を活性化させ、重合可能とするものであれば特に制限はないが、
(B−1)有機アルミニウム化合物
(B−2)ホウ素化合物
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでいてもよい。
〔有機アルミニウム化合物(B−1)〕
本発明において用いる化合物(B−1)としては、公知の有機アルミニウム化合物が使用できる。好ましくは、(B−1−1)一般式 Ea AlV 3−a で表される有機アルミニウム化合物、(B−1−2)一般式 {−Al(E )−O−} で表される構造を有する環状のアルミノキサン、及び(B−1−3)一般式 E {−Al(E)−O−}c AlE で表される構造を有する線状のアルミノキサン(但し、E 、E 、E は、炭素数1〜8のハイドロカルビル基であり、全てのE 、全てのE 及び全てのE は同じであっても異なっていても良い。Vは水素原子又はハロゲン原子を表し、全てのVは同じであっても異なっていても良い。aは0<a≦3の数で、bは2以上の整数を、cは1以上の整数を表す。Alはアルミニウム原子、Oは酸素原子を表す。)のうちのいずれか、あるいはそれらの2〜3種の混合物を例示することができる。
一般式 E AlV 3−a で表される有機アルミニウム化合物(B−1−1)の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムハクロライド、ジヘキシルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、プロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、ヘキシルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド等を例示することができる。好ましくは、トリアルキルアルミニウムであり、より好ましくは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムである。
一般式 {−Al(E )−O−} で表される構造を有する環状のアルミノキサン(B−1−2)、一般式 E {−Al(E )−O−} AlE で表される構造を有する線状のアルミノキサン(B−1−3)における、E 、E の具体例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基等のアルキル基を例示することができる。bは2以上の整数であり、cは1以上の整数である。好ましくは、E 及びE はメチル基、イソブチル基であり、bは2〜40、cは1〜40である。
上記のアルミノキサンは各種の方法で作られる。その方法については特に制限はなく、公知の方法に準じて作ればよい。例えば、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を適当な有機溶剤(ベンゼン、脂肪族ハイドロカルビルなど)に溶かした溶液を水と接触させて作る。また、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を結晶水を含んでいる金属塩(例えば、硫酸銅水和物など)に接触させて作る方法が例示できる。
〔ホウ素化合物(B−2)〕
本発明において化合物(B−2)としては、(B−2−1)一般式BR111213で表されるホウ素化合物、(B−2−2)一般式W (BR11121314 で表されるホウ素化合物、(B−2−3)一般式(G−H) (BR11121314で表されるホウ素化合物のいずれかを用いる。
一般式 BR111213で表されるホウ素化合物(B−2−2)において、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、R11 〜R13 はハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含むハイドロカルビル基、1〜20個の 炭素原子を含むハロゲン化ハイドロカルビル基、1〜20個の炭素原子を含む置換シリル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基または2〜20個の炭素原子を含む2置換アミノ基であり、それらは同じであっても異なっていても良い。好ましいR11 〜R13 はハロゲン原子、1〜20個の炭素原子を含むハイドロカルビル基、1〜20個の炭素原子を含むハロゲン化ハイドロカルビル基である。
ルイス酸(B−2−1)の具体例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等が挙げられるが、最も好ましくは、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである。
一般式W (BR11121314で表されるホウ素化合物(B−2−2)において、W は無機または有機のカチオンであり、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、R11 〜R14 は上記の(B−2−1)におけるR11 〜R13と同様である。
一般式W (BR11121314で表される化合物の具体例としては、無機のカチオンであるW には、フェロセニウムカチオン、アルキル置換フェロセニウムカチオン、銀陽イオンなどが、有機のカチオンであるW には、トリフェニルメチルカチオンなどが挙げられる。(BR11121314には、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,2,4ートリフルオロフェニル)ボレート、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどが挙げられる。
これらの具体的な組み合わせとしては、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどを挙げることができるが、最も好ましくは、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
また、一般式(G−H) (BR11121314で表されるホウ素化合物(B−2−3)おいては、Gは中性ルイス塩基、Hは水素原子であり、(G−H) はブレンステッド酸であり、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、R11 〜R14は上記の(B−2−3)におけるR11 〜R13と同様である。
一般式(G−H) (BR11121314で表される化合物の具体例としては、ブレンステッド酸である(G−H)には、トリアルキル置換アンモニウム、N,N−ジアルキルアニリニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアリールホスホニウムなどが挙げられ、(BR11121314には、前述と同様のものが挙げられる。
これらの具体的な組み合わせとしては、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることができるが、最も好ましくは、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、もしくは、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
本発明の、上記の遷移金属化合物と活性化用助触媒成分とを接触させて得られるオレフィン重合用触媒を製造する際の接触は、遷移金属化合物と活性化用助触媒成分とが接触し、触媒が形成されるならどのような手段によってもよく、あらかじめ溶媒で希釈してもしくは希釈せずに遷移金属化合物と活性化用助触媒成分とを混合して接触させる方法や、別々に重合槽に供給して重合槽の中で接触させる方法を取ることができる。ここで、活性化用助触媒成分としては複数種類を組み合わせて使用する場合があるが、それらのうちの一部をあらかじめ混合して使用してもよいし、別々に重合槽に供給して使用してもよいのは言うまでもない。
各成分の使用量は通常、(B−1)/一般式(1)で表される化合物のモル比が0.1〜10000で、好ましくは5〜2000、(B−2)/一般式(1)で表される化合物のモル比が0.01〜100で、好ましくは0.5〜10の範囲にあるように、各成分を用いることが望ましい。
各成分を溶液状態または溶媒に懸濁もしくはスラリー化した状態で供給する場合の濃度は、重合反応器に各成分を供給する装置の性能などの条件により、適宜選択されるが、一般に、一般式(1)で表される化合物が、通常0.0001〜1000ミリモル/リットルで、より好ましくは、0.05〜200ミリモル/リットル、さらに好ましくは、0.01〜50ミリモル/リットル、(B−1)が、アルミニウム原子換算で、通常0.01〜5000ミリモル/リットルで、より好ましくは、0.1〜2500ミリモル/リットル、さらに好ましくは、0.1〜2000ミリモル/リットル、(B−2)は、通常0.001〜500ミリモル/リットルで、より好ましくは、0.01〜250ミリモル/リットル、さらに好ましくは、0.05〜100ミリモル/リットルの範囲にあるように各成分を用いることが望ましい。
前記オレフィン重合用触媒は、上記の化合物(I)と、上記(B−1)および/または上記(B−2)とを接触させて得られる重合用触媒であるが、化合物(I)と(B−1)とを接触させて得られるオレフィン重合用触媒を用いる際は、(B−1)としては、前記の環状のアルミノキサン(B−1−2)および/または線状のアルミノキサン(B−1−3)が好ましい。また他に好ましいオレフィン重合用触媒の態様としては、化合物(I)、(B−1)および(B−2)を接触させて得られるオレフィン重合用触媒が挙げられ、その際の該(B−1)としては前記の(B−1−1)が使用しやすい。
重合方法も、特に限定されるべきものではないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族ハイドロカルビル、ベンゼン、トルエン等の芳香族ハイドロカルビル、またはメチレンジクロライド等のハロゲン化ハイドロカルビルを溶媒として用いる溶媒重合、またはスラリー重合、ガス状のモノマー中での気相重合等が可能であり、また、連続重合、回分式重合のどちらでも可能である。
重合温度は通常、−50℃〜200℃の範囲を取り得るが、特に、−20℃〜100℃の範囲が好ましく、重合圧力は通常、常圧〜6MPaが好ましい。重合時間は、一般的に、目的とするポリマーの種類、反応装置により適宜決定されるが通常、1分間〜20時間の範囲を取ることができる。また、本発明は共重合体の分子量を調節するために水素等の連鎖移動剤を添加することもできる。
本発明の化合物(I)からなる重合用触媒成分を、重合体粒子の形成を伴う重合(例えばスラリー重合、気相重合、バルク重合等)に適用する際には、活性化用助触媒成分として下記(1)または下記(2)の改質された粒子が好適に用いられる。即ち、本発明の好ましい重合用触媒として、上記の化合物(I)からなる重合用触媒成分、および下記(1)または下記(2)の改質された粒子(C)を接触させて得られる重合用触媒が挙げられる。
(1)下記(a)、下記(b)、下記(c)および粒子(d)を接触させて得られる改質された粒子。
(a):下記一般式[1]で表される化合物
[1]
(b):下記一般式[2]で表される化合物
15 t−1TH [2]
(c):下記一般式[3]で表される化合物
16 t−2TH [3]
(上記一般式[1]〜[3]においてそれぞれ、M は周期律表第1、2、12、14または15族の典型金属原子を表し、dはM の原子価を表す。L は水素原子、ハロゲン原子またはハイドロカルビル基を表し、L が複数存在する場合は、それらは互いに同じであっても異なっていても良い。R15 は電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、R15 が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていてもよい。R16 はハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表す。Tはそれぞれ独立に周期律表の第15族または第16族の原子を表し、tはそれぞれの化合物のTの原子価を表し、Hは水素原子を表す。)
(2)アルミノキサン(e)および粒子(d)を接触させて得られる改質された粒子。
以下、これらにつき順次さらに説明する。
(1)上記(a)、上記(b)、上記(c)および粒子(d)を接触させて得られる改質された粒子。
上記一般式[1]におけるM は、元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)第1、2、12、14または15族の典型金属原子を表す。その具体例としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子、ベリリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子、亜鉛原子、カドミウム原子、水銀原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、鉛原子、アンチモン原子、ビスマス原子等が挙げられる。M として特に好ましくは第12族の原子であり、最も好ましくは亜鉛原子である。
上記一般式[1]におけるdはM の原子価を表し、例えばM が亜鉛原子の場合mは2である。
上記一般式[1]におけるL は水素原子、ハロゲン原子またはハイドロカルビル基を表し、L が複数存在する場合は、それらは互いに同じであっても異なっていても良い。L におけるハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。L におけるハイドロカルビル基としては、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基が好ましい。
ここでいうアルキル基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基などが挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基またはイソブチル基である。
これらのアルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、パークロロクチル基、パークロロドデシル基、パークロロペンタデシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、パーブロモオクチル基、パーブロモドデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーブロモエイコシル基などが挙げられる。
またこれらのアルキル基はいずれも、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
アリール基としては、炭素原子数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、より好ましくはフェニル基である。
これらのアリール基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
アラルキル基としては、炭素原子数7〜20のアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基などが挙げられ、より好ましくはベンジル基である。
これらのアラルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
上記一般式[1]におけるL として好ましくは水素原子、アルキル基またはアリール基であり、さらに好ましくは水素原子またはアルキル基であり、特に好ましくはアルキル基である。
上記一般式[2]または[3]におけるTはそれぞれ独立に、元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第15族または第16族の原子を表す。一般式[2]におけるTと一般式[3]におけるTとは同じであっても異なっていてもよい。第15族原子の具体例としては、窒素原子、リン原子などが、第16族原子の具体例としては、酸素原子、硫黄原子などが挙げられる。Tとして好ましくは、それぞれ独立に窒素原子または酸素原子であり、特に好ましくは、Tは酸素原子である。
上記一般式[2]または[3]におけるtはそれぞれのTの原子価を表し、Tが第15族原子の場合は、tは3であり、Tが第16族原子の場合は、tは2である。
上記一般式[2]におけるR15 は、電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、R が複数存在する場合は、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。電子吸引性の指標としては、ハメット則の置換基定数σ等が知られており、ハメット則の置換基定数σが正である官能基が電子吸引性基として挙げられる。
電子吸引性基の具体例として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、スルホン基、フェニル基等が挙げられる。電子吸引性基を含有する基としてはハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基、シアノ化アリール基、ニトロ化アリール基、エステル基(アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基やアリールオキシカルボニル基)等が挙げられる。
ハロゲン化アルキル基の具体例としては、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジヨードメチル基トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、2,2,2−トリヨードエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル基、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチル基、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基 、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル基 、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチル基 、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチル基等が挙げられる。
ハロゲン化アリール基の具体例としては、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェニル基、パーフルオロ−1−ナフチル基、パーフルオロ−2−ナフチル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロ−4−トリクロロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ペンタクロロフェニルフェニル基、パークロロ−1−ナフチル基、パークロロ−2−ナフチル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、3,4−ジブロモフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、3,4,5−トリブロモフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモフェニル基、ペンタブロモフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモ−4−トリブロモメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモ−4−ペンタブロモフェニルフェニル基、パーブロモ−1−ナフチル基、パーブロモ−2−ナフチル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2,4−ジヨードフェニル基、2,6−ジヨードフェニル基、3,4−ジヨードフェニル基、3,5−ジヨードフェニル基、2,4,6−トリヨードフェニル基、3,4,5−トリヨードフェニル基、2,3,5,6−テトラヨードフェニル基、ペンタヨードフェニル基、2,3,5,6−テトラヨード−4−トリヨードメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラヨード−4−ペンタヨードフェニルフェニル基、パーヨード−1−ナフチル基、パーヨード−2−ナフチル基等が挙げられる。
(ハロゲン化アルキル)アリール基の具体例としては、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
シアノ化アリール基の具体例としては、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基等が挙げられる。
ニトロ化アリール基の具体例としては、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基等が挙げられる。
エステル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ノルマルプロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
15 として好ましくはハロゲン化ハイドロカルビル基であり、より好ましくはハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基である。さらに好ましくは、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基 、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェニル基、パーフルオロ−1−ナフチル基、パーフルオロ−2−ナフチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル基、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル基、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル基 、4−クロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3.5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、またはペンタクロロフェニル基であり、特に好ましくは、フルオロアルキル基またはフルオロアリール基であり、最も好ましくは、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基、3,5−ジフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基である。
上記一般式[3]におけるR16 はハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表す。R16 におけるハイドロカルビル基としては、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基が好ましく、一般式[1]におけるL として説明したと同様のハイドロカルビル基が用いられる。R におけるハロゲン化ハイドロカルビル基としては、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基等が挙げられ、上記一般式[2]のR15 における電子吸引性基の具体例として挙げたものと同様のハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基が用いられる。
上記一般式[3]におけるR16 として好ましくはハロゲン化ハイドロカルビル基であり、さらに好ましくはフッ素化ハイドロカルビル基である。
化合物(a)を具体的に例示すると、M が亜鉛原子の場合の具体例としては、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジノルマルブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジノルマルヘキシル亜鉛等のジアルキル亜鉛;ジフェニル亜鉛、ジナフチル亜鉛、ビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛等のジアリール亜鉛;ジアリル亜鉛等のジアルケニル亜鉛;ビス(シクロペンタジエニル)亜鉛;塩化メチル亜鉛、塩化エチル亜鉛、塩化プロピル亜鉛、塩化ノルマルブチル亜鉛、塩化イソブチル亜鉛、塩化ノルマルヘキシル亜鉛、臭化メチル亜鉛、臭化エチル亜鉛、臭化プロピル亜鉛、臭化ノルマルブチル亜鉛、臭化イソブチル亜鉛、臭化ノルマルヘキシル亜鉛、よう化メチル亜鉛、よう化エチル亜鉛、よう化プロピル亜鉛、よう化ノルマルブチル亜鉛、よう化イソブチル亜鉛、よう化ノルマルヘキシル亜鉛等のハロゲン化アルキル亜鉛;ふっ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、よう化亜鉛等のハロゲン化亜鉛等が挙げられる。
化合物(a)として好ましくは、ジアルキル亜鉛であり、さらに好ましくは、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジノルマルブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、またはジノルマルヘキシル亜鉛であり、特に好ましくはジメチル亜鉛またはジエチル亜鉛である。
化合物(b)を具体例に例示すると、アミン類としては、ジ(フルオロメチル)アミン、ジ(クロロメチル)アミン、ジ(ブロモメチル)アミン、ジ(ヨードメチル)アミン、ビス(ジフルオロメチル)アミン、ビス(ジクロロメチル)アミン、ビス(ジブロモメチル)アミン、ビス(ジヨードメチル)アミン、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(トリクロロメチル)アミン、ビス(トリブロモメチル)アミン、ビス(トリヨードメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリクロロエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリブロモエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリヨードエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチル)アミン、ビス(2−フルオロフェニル)アミン、ビス(3−フルオロフェニル)アミン、ビス(4−フルオロフェニル)アミン、ビス(2−クロロフェニル)アミン、ビス(3−クロロフェニル)アミン、ビス(4−クロロフェニル)アミン、ビス(2−ブロモフェニル)アミン、ビス(3−ブロモフェニル)アミン、ビス(4−ブロモフェニル)アミン、ビス(2−ヨードフェニル)アミン、ビス(3−ヨードフェニル)アミン、ビス(4−ヨードフェニル)アミン、ビス(2,6−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジクロロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジクロロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジブロモフェニル)アミン、ビス(3,5−ジブロモフェニル)アミン、ビス(2,6−ジヨードフェニル)アミン、ビス(3,5−ジヨードフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリヨードフェニル)アミン、ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(3,4,5−トリクロロフェニル)アミン、ビス(3,4,5−トリブロモフェニル)アミン、ビス(3,4,5−トリヨードフェニル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、ビス(ペンタクロロフェニル)アミン、ビス(ペンタブロモフェニル)アミン、ビス(ペンタヨードフェニル)アミン、ビス(2−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,6−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3,4,5−トリ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2−シアノフェニル)アミン、(3−シアノフェニル)アミン、ビス(4−シアノフェニル)アミン、ビス(2−ニトロフェニル)アミン、ビス(3−ニトロフェニル)アミン、ビス(4−ニトロフェニル)アミン等が挙げられる。また、窒素原子がリン原子に置換されたホスフィン化合物も同様に例示することができる。それらホスフィン化合物は、上述の具体例のアミンをホスフィンに書き換えることによって表される化合物等である。
また化合物(b)の具体例としてアルコール類としては、フルオロメタノール、クロロメタノール、ブロモメタノール、ヨードメタノール、ジフルオロメタノール、ジクロロメタノール、ジブロモメタノール、ジヨードメタノール、トリフルオロメタノール、トリクロロメタノール、トリブロモメタノール、トリヨードメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,2−トリクロロエタノール、2,2,2−トリブロモエタノール、2,2,2−トリヨードエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエタノール、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエタノール、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエタノール、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエタノール、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエタノール等が挙げられる。また、酸素原子が硫黄原子に置換されたチオール化合物も同様に例示することができる。それらチオール化合物は、上述の具体例のメタノールをメタンチオールに、エタノールをエタンチオールに、プロパノールをプロパンチオールに書き換えることによって表される化合物等である。
化合物(b)の具体例としてフェノール類としては、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,4−ジフルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,4−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノール、パーフルオロ−1−ナフトール、パーフルオロ−2−ナフトール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、2,6−ジクロロフェノール、3,4−ジクロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール、3,4,5−トリクロロフェノール、2,3,5,6−テトラクロロフェノール、ペンタクロロフェノール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−トリクロロメチルフェノール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ペンタクロロフェニルフェノール、パークロロ−1−ナフトール、パークロロ−2−ナフトール、2−ブロモフェノール、3−ブロモフェノール、4−ブロモフェノール、2,4−ジブロモフェノール、2,6−ジブロモフェノール、3,4−ジブロモフェノール、3,5−ジブロモフェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、3,4,5−トリブロモフェノール、2,3,5,6−テトラブロモフェノール、ペンタブロモフェノール、2,3,5,6−テトラブロモ−4−トリブロモメチルフェノール、2,3,5,6−テトラブロモ−4−ペンタブロモフェニルフェノール、パーブロモ−1−ナフトール、パーブロモ−2−ナフトール、2−ヨードフェノール、3−ヨードフェノール、4−ヨードフェノール、2,4−ジヨードフェノール、2,6−ジヨードフェノール、3,4−ジヨードフェノール、3,5−ジヨードフェノール、2,4,6−トリヨードフェノール、3,4,5−トリヨードフェノール、2,3,5,6−テトラヨードフェノール、ペンタヨードフェノール、2,3,5,6−テトラヨード−4−トリヨードメチルフェノール、2,3,5,6−テトラヨード−4−ペンタヨードフェニルフェノール、パーヨード−1−ナフトール、パーヨード−2−ナフトール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、2−シアノフェノール、3−シアノフェノール、4−シアノフェノール、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール等が挙げられる。また、酸素原子が硫黄原子に置換されたチオフェノール化合物も同様に例示することができる。それらチオフェノール化合物は、上述の具体例のフェノールをチオフェノールに書き換えることによって表される化合物等である。
化合物(b)として好ましくは、アミン類としては、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、またはビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、アルコール類としては、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、フェノール類としては、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、または3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェノールである。
化合物(b)としてより好ましくは、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、または2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノールであり、さらに好ましくは、3,5−ジフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノールである。
化合物(c)として好ましくは、水、硫化水素、アルキルアミン、アリールアミン、アラルキルアミン、ハロゲン化アルキルアミン、ハロゲン化アリールアミン、または(ハロゲン化アルキル)アリールアミンであり、さらに好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、イソペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−エイコシルアミン、アリルアミン、シクロペンタジエニルアミン、アニリン、2−トリルアミン、3−トリルアミン、4−トリルアミン、2,3−キシリルアミン、2,4−キシリルアミン、2,5−キシリルアミン、2,6−キシリルアミン、3,4−キシリルアミン、3,5−キシリルアミン、2,3,4−トリメチルアニリン、2,3,5−トリメチルアニリン、2,3,6−トリメチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、3,4,5−トリメチルアニリン、2,3,4,5−テトラメチルアニリン、2,3,4,6−テトラメチルアニリン、2,3,5,6−テトラメチルアニリン、ペンタメチルアニリン、エチルアニリン、n−プロピルアニリン、イソプロピルアニリン、n−ブチルアニリン、sec−ブチルアニリン、tert−ブチルアニリン、n−ペンチルアニリン、ネオペンチルアニリン、n−ヘキシルアニリン、n−オクチルアニリン、n−デシルアニリン、n−ドデシルアニリン、n−テトラデシルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、
ベンジルアミン、(2−メチルフェニル)メチルアミン、(3−メチルフェニル)メチルアミン、(4−メチルフェニル)メチルアミン、(2,3−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,6−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(ペンタメチルフェニル)メチルアミン、(エチルフェニル)メチルアミン、(n−プロピルフェニル)メチルアミン、(イソプロピルフェニル)メチルアミン、(n−ブチルフェニル)メチルアミン、(sec−ブチルフェニル)メチルアミン、(tert−ブチルフェニル)メチルアミン、(n−ペンチルフェニル)メチルアミン、(ネオペンチルフェニル)メチルアミン、(n−ヘキシルフェニル)メチルアミン、(n−オクチルフェニル)メチルアミン、(n−デシルフェニル)メチルアミン、(n−テトラデシルフェニル)メチルアミン、ナフチルメチルアミン、アントラセニルメチルアミン、フルオロメチルアミン、クロロメチルアミン、ブロモメチルアミン、ヨードメチルアミン、ジフルオロメチルアミン、ジクロロメチルアミン、ジブロモメチルアミン、ジヨードメチルアミン、トリフルオロメチルアミン、トリクロロメチルアミン、トリブロモメチルアミン、トリヨードメチルアミン、2,2,2−トリフルオロエチルアミン、2,2,2−トリクロロエチルアミン、2,2,2−トリブロモエチルアミン、2,2,2−トリヨードエチルアミン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピルアミン、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチルアミン、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチルアミン、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチルアミン、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチルアミン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミン 、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチルアミン、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチルアミン、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチルアミン、
2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、3−クロロアニリン、4−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、3−ブロモアニリン、4−ブロモアニリン、2−ヨードアニリン、3−ヨードアニリン、4−ヨードアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,6−ジブロモアニリン、3,5−ジブロモアニリン、2,6−ジヨードアニリン、3,5−ジヨードアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、2,4,6−トリクロロアニリン、2,4,6−トリブロモアニリン、2,4,6−トリヨードアニリン、3,4,5−トリフルオロアニリン、3,4,5−トリクロロアニリン、3,4,5−トリブロモアニリン、3,4,5−トリヨードアニリン、ペンタフルオロアニリン、ペンタクロロアニリン、ペンタブロモアニリン、ペンタヨードアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)アニリン、または3,4,5−トリ(トリフルオロメチル)アニリンである。
化合物(c)としてより好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−オクチルアミン、アニリン、2,6−キシリルアミン、2,4,6−トリメチルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、ベンジルアミン、トリフルオロメチルアミン、ペンタフルオロエチルアミン、パーフルオロプロピルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロペンチルアミン、パーフルオロヘキシルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロドデシルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、パーフルオロエイコシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、3,4,5−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、または3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、特に好ましくは、水、トリフルオロメチルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、3,4,5−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、または3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、もっとも好ましくは水またはペンタフルオロアニリンである。
粒子(d)としては一般に担体として用いられているものが好ましく使用され、粒径の整った、多孔性の物質が好ましく、無機物質または有機ポリマーが好適に使用され、無機物質がより好適に使用される。
粒子(d)としては、得られるポリマーの粒径分布の観点から、粒子(d)の粒径の体積基準の幾何標準偏差として好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.7以下である。
粒子(d)として用いられ得る無機物質の例としては、無機酸化物やマグネシウム化合物等が挙げられ、粘土や粘土鉱物等も支障無ければ使用可能である。これらは混合して用いてもかまわない。
無機酸化物の具体例としては、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等、およびこれらの混合物、例えば、SiO−MgO、SiO−Al、SiO−TiO、SiO−V、SiO−Cr、SiO−TiO−MgOなどを例示することができる。これらの無機酸化物の中では、SiOおよび/またはAlが好ましく、特にシリカが好ましい。なお、上記無機酸化物には少量のNaCO、KCO、CaCO、MgCO、NaSO、Al(SO、BaSO、KNO、Mg(NO、Al(NO、NaO、KO、LiO等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有してもかまわない。
マグネシウム化合物としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マグネシウムなどのアリロキシマグネシウムハライド;エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、n−オクトキシマグネシウム、2−エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキシマグネシウムなどのアリロキシマグネシウム;ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩などを例示することができる。
これらの中で好ましくは、ハロゲン化マグネシウムまたはアルコキシマグネシウムであり、さらに好ましくは塩化マグネシウムまたはブトキシマグネシウムである。
粘土または粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、バイロフィライト、タルク、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト等が挙げられる。
これらの中で好ましくは、スメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ラポナイト、サポナイトであり、さらに好ましくはモンモリロナイト、ヘクトライトである。
これらの無機物質のうちでは、無機酸化物が好適に用いられる。
これらの無機物質は、乾燥し実質的に水分が除去されていることが好ましく、加熱処理により乾燥させたものが好ましい。加熱処理は通常、目視で水分を確認できない無機物質について温度100〜1,500℃で、好ましくは100〜1,000℃で、さらに好ましくは200〜800℃で実施される。その加熱時間は特に限定されるものではないが、好ましくは10分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。さらに加熱中、例えば、乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させる方法、あるいは、減圧する方法等も挙げられるが、その方法に限定されるものではない。
無機物質の平均粒子径として好ましくは、5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは10〜100μmである。細孔容量として好ましくは0.1ml/g以上、より好ましくは0.3〜10ml/gである。比表面積として好ましくは、10〜1000m/g、より好ましくは100〜500m/gである。
粒子(d)として用いられ得る有機ポリマーとしては、どの有機ポリマーを用いても良く、また複数種の有機ポリマーを混合物として用いても構わない。有機ポリマーとしては、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基を有する重合体が好ましい。
活性水素を有する官能基としては、活性水素を有しておれば特に制限はなく、具体例としては1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、ヒドラジド基、アミジノ基、ヒドロキシ基、ヒドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、カルバモイル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、チオール基、チオホルミル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピペリジル基、インダゾリル基、カルバゾリル基等が挙げられる。好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホン酸基またはチオール基である。特に好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基またはヒドロキシ基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換されていてもよい。
非プロトン供与性のルイス塩基性官能基としては、活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する官能基であれば特に制限はなく、具体例としてはピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基、ニトリル基、アジド基、N−置換イミノ基、N,N−置換アミノ基、N,N−置換アミノオキシ基、N,N,N−置換ヒドラジノ基、ニトロソ基、ニトロ基、ニトロオキシ基、フリル基、カルボニル基、チオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、N,N−置換カルバモイル基、チオアルコキシ基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、置換スルホン酸基等が挙げられる。好ましくは、複素環基であり、さらに好ましくは、酸素原子および/または窒素原子を環内に有する芳香族複素環基である。特に好ましくは、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基であり、最も好ましくはピリジル基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換されていてもよい。
かかる活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基の量は特に限定されないが、好ましくは、重合体単位グラム当りの官能基のモル量として0.01〜50mmol/gであり、より好ましくは0.1〜20mmol/gである。
かかる官能基を有する重合体は、例えば、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーを単独重合することにより、またはこれと重合性不飽和基を有する他のモノマーとを共重合することにより得ることができる。このときさらに2個以上の重合性不飽和基を有する架橋重合性モノマーをもいっしょに共重合することが好ましい。
かかる活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーとしては、上記の活性水素を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマー、あるいは、上記の活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーを挙げることができる。かかる重合性不飽和基の例としては、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、エチン基等のアルキニル基等が挙げられる。
活性水素を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーの例としては、ビニル基含有1級アミン、ビニル基含有2級アミン、ビニル基含有アミド化合物、ビニル基含有ヒドロキシ化合物を挙げることができる。具体例としては、N−(1−エテニル)アミン、N−(2−プロペニル)アミン、N−(1−エテニル)−N−メチルアミン、N−(2−プロペニル)−N−メチルアミン、1−エテニルアミド、2−プロペニルアミド、N−メチル−(1−エテニル)アミド、N−メチル−(2−プロペニル)アミド、ビニルアルコール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール等が挙げられる。
活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーの具体例としては、ビニルピリジン、ビニル(N−置換)イミダゾール、ビニル(N−置換)インダゾールを挙げることができる。
重合性不飽和基を有する他のモノマーとしては、エチレン、α−オレフィン、芳香族ビニル化合物等が例示され、具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレンなどが挙げられる。好ましくはエチレンまたはスチレンである。これらのモノマーは2種以上を用いても良い。
また、2個以上の重合性不飽和基を有する架橋重合性モノマーの具体例としては、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
有機ポリマーの平均粒子径として好ましくは、5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmである。細孔容量として好ましくは、0.1ml/g以上、より好ましくは0.3〜10ml/gである。比表面積として好ましくは、10〜1000m/g、より好ましくは50〜500m/gである。
これらの有機ポリマーは、乾燥し実質的に水分が除去されていることが好ましく、加熱処理により乾燥させたものが好ましい。加熱処理は通常、目視で水分を確認できない有機ポリマーについて温度30〜400℃で、好ましくは50〜200℃で、さらに好ましくは70〜150℃で実施される。その加熱時間は特に限定されるものではないが、好ましくは30分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。さらに加熱中、例えば、乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させる方法、あるいは、減圧する方法等も挙げられるが、その方法に限定されるものではない。
(a)、(b)、(c)および(d)を接触させる順序としては特に限定されることはなく,以下の順序等が挙げられる。
<1>(a)と(b)との接触物と、(c)とを接触させて得られる接触物と(d)とを接触させる。
<2>(a)と(b)との接触物と、(d)とを接触させて得られる接触物と(c)とを接触させる。
<3>(a)と(c)との接触物と、(b)とを接触させて得られる接触物と(d)とを接触させる。
<4>(a)と(c)との接触物と、(d)とを接触させて得られる接触物と(b)とを接触させる。
<5>(a)と(d)との接触物と、(b)とを接触させて得られる接触物と(c)とを接触させる。
<6>(a)と(d)との接触物と、(c)とを接触させて得られる接触物と(b)とを接触させる。
<7>(b)と(c)との接触物と、(a)とを接触させて得られる接触物と(d)とを接触させる。
<8>(b)と(c)との接触物と、(d)とを接触させて得られる接触物と(a)とを接触させる。
<9>(b)と(d)との接触物と、(a)とを接触させて得られる接触物と(c)とを接触させる。
<10>(b)と(d)との接触物と、(c)とを接触させて得られる接触物と(a)とを接触させる。
<11>(c)と(d)との接触物と、(a)とを接触させて得られる接触物と(b)とを接触させる。
<12>(c)と(d)との接触物と、(b)とを接触させて得られる接触物と(a)とを接触させる。
接触順序として好ましくは上記の<1>、<2>、<11>または<12>である。
このような接触処理は不活性気体雰囲気下で実施するのが好ましい。処理温度は通常−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃である。処理時間は通常1分間〜200時間であり、好ましくは10分間〜100時間である。また、このような処理は溶媒を用いてもよく、用いることなくこれらの化合物を直接処理してもよい。
溶媒としては、その溶媒を使用するときに接触させる成分のそれぞれや接触させて得られる接触物と反応しない溶媒が通常用いられる。上述のように、段階的に各成分を接触させる場合には、例えば上記(a)と反応するような溶媒であっても、上記(a)と他の成分とが接触して得られた接触物はもはや該溶媒とは反応しないときがあり、そのようなときには、該接触物をひとつの成分とする接触操作の際の溶媒として該溶媒を用いることができる。以下に溶媒を例示するが、このように適宜使い分ければよい。使用され得る溶媒を例示すると、脂肪族ハイドロカルビル溶媒、芳香族ハイドロカルビル溶媒などの非極性溶媒、またはハロゲン化物溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、フェノール系溶媒、カルボニル系溶媒、リン酸誘導体、ニトリル系溶媒、ニトロ化合物、アミン系溶媒、硫黄化合物などの極性溶媒が挙げられる。具体例としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族ハイドロカルビル溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族ハイドロカルビル溶媒、ジクロロメタン、ジクロロジフルオロメタンクロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化物溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチル−エーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒、フェノール、p−クレゾール等のフェノール系溶媒、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のカルボニル系溶媒、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリエチル等のリン酸誘導体、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、ピリジン、ピペリジン、モルホリン等のアミン系溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物が挙げられる。
(a)、(b)および(c)を接触させて得られる接触物(f)と、粒子(d)とを接触させる場合、つまり上記の<1>、<3>、<7>の場合において、接触物(f)を製造する際の溶媒(s1)としては、上記の脂肪族ハイドロカルビル溶媒、芳香族ハイドロカルビル溶媒またはエーテル系溶媒が好ましい。
一方、接触物(f)と粒子(d)とを接触させる際の溶媒(s2)としては極性溶媒が好ましい。溶媒の極性を表す指標としては、E 値(C.Reichardt,“Solvents and Solvents Effects in Organic Chemistry”, 2nd ed., VCH Verlag (1988).)等が知られており、0.8≧E ≧0.1を満足する溶媒が特に好ましい。かかる極性溶媒を例示するとジクロロメタン、ジクロロジフルオロメタンクロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリエチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリル、ニトロメタン、ニトロベンゼン、エチレンジアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられる。溶媒(s2)としてさらに好ましくはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールまたはトリエチレングリコールであり、特に好ましくはジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノールまたはシクロヘキサノールであり、最も好ましくはテトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1−プロパノールまたは2−プロパノールである。
また、前記溶媒(s2)としては、これら極性溶媒とハイドロカルビル溶媒との混合溶媒を用いることもできる。ハイドロカルビル溶媒としては上に例示した脂肪族ハイドロカルビル溶媒や芳香族ハイドロカルビル溶媒が用いられる。極性溶媒とハイドロカルビル溶媒との混合溶媒を具体的に例示すると、ヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、ヘキサン/1−プロパノール混合溶媒、ヘキサン/2−プロパノール混合溶媒、ヘプタン/メタノール混合溶媒、ヘプタン/エタノール混合溶媒、ヘプタン/1−プロパノール混合溶媒、ヘプタン/2−プロパノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒、トルエン/エタノール混合溶媒、トルエン/1−プロパノール混合溶媒、トルエン/2−プロパノール混合溶媒、キシレン/メタノール混合溶媒、キシレン/エタノール混合溶媒、キシレン/1−プロパノール混合溶媒、キシレン/2−プロパノール混合溶媒等を例示することができる。好ましくはヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、ヘプタン/メタノール混合溶媒、ヘプタン/エタノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒、トルエン/エタノール混合溶媒、キシレン/メタノール混合溶媒、キシレン/エタノール混合溶媒である。さらに好ましくはヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒またはトルエン/エタノール混合溶媒である。最も好ましくはトルエン/エタノール混合溶媒である。
トルエン/エタノール混合溶媒における、エタノール分率の好ましい範囲は10〜50体積%であり、さらに好ましくは15〜30体積%である。
(a)、(b)および(c)を接触させて得られる接触物(f)と、(d)とを接触させる方法、つまり上記の<1>、<3>、<7>の場合において、溶媒(s1)および溶媒(s2)として、共にハイドロカルビル溶媒を用いることもできるが、この場合(a)、(b)および(c)を接触させた後、得られた接触物(f)と粒子(d)とを接触させるまでの時間間隔は短い方が好ましい。時間間隔として好ましくは0〜5時間であり、さらに好ましくは0〜3時間であり、最も好ましくは0〜1時間である。また、接触物(f)と粒子(d)とを接触させる際の温度は、通常−100℃〜40℃であり、好ましくは−20℃〜200℃であり、最も好ましくは−10℃〜10℃である。
上記の<2>、<5>、<6>、<8>、<9>、<10>、<11>、<12>の場合、上記の非極性溶媒、極性溶媒いずれも使用することができるが、非極性溶媒がより好ましい。というのも、(a)と(c)との接触物や、(a)と(b)との接触物と(c)とが接触した接触物は一般的に非極性溶媒に対し溶解性が低いので、これら接触物が生成する時に反応系内に(d)が存在する場合、生成した接触物が非極性溶媒中に存在するより(d)の表面に析出する方が安定であるため、より固定化されやすくなると考えられるため好ましい。
上記(a)、(b)、(c)各化合物の使用量は特に制限はないが、各化合物の使用量のモル比率を(a):(b):(c)=1:y:zのモル比率とすると、yおよびzが下記式(U)を実質的に満足することが好ましい。
|d−y−2z|≦1 (U)
(上記式(1)において、dはM の原子価を表す。)
上記式(1)におけるyとして好ましくは0.01〜1.99の数であり、より好ましくは0.10〜1.80の数であり、さらに好ましくは0.20〜1.50の数であり、最も好ましくは0.30〜1.00の数であり、また上記式(U)におけるzの同様の好ましい範囲は、d、yおよび上記式(U)によって決定される。
実際の各化合物の接触処理においては、仮に完全に上記式(U)を満足するよう各化合物の使用を企図しても、微妙に使用量は変動してしまうことがあり、また未反応で残存してしまう化合物の量等を考慮して適宜使用量を若干増減させることは通常行われることである。ここでいう“式(U)を実質的に満足する”とは、完全に上記式(U)を満足せずとも、上記式(U)を満足するモル比率で各化合物を接触させて得られるような目的物を得ようと企図する場合は含むことを意味する。
改質された粒子(1)の調製において、(a)に対して使用する(d)の量としては、(a)と(d)との接触により得られる粒子に含まれる(a)に由来する典型金属原子が、得られる粒子1gに含まれる典型金属原子のモル数にして、0.1mmol以上となる量であることが好ましく、0.5〜20mmolとなる量であることがより好ましいので、該範囲になるように適宜決めればよい。
上記のような接触処理の後、反応をより進行させるため、加熱することも好ましく行われる。加熱に際しては、より高温とするためより沸点の高い溶媒を使用することが好ましく、そのために接触処理に用いた溶媒を他のより沸点の高い溶媒に置換してもよい。
改質された粒子(1)としては、このような接触処理の結果、原料である(a)、(b)、(c)および/または(d)が未反応物として残存していてもよい。しかし、オレフィン重合体粒子の形成を伴う重合に適用する場合、予め未反応物を除去する洗浄処理を行った方が好ましい。その際の溶媒は、接触時の溶媒と同一でも異なっていても良い。
また、このような接触処理や洗浄処理の後、生成物から溶媒を留去し、その後25℃以上の温度で減圧下1時間〜24時間乾燥を行うことが好ましい。より好ましくは40℃〜200℃の温度で1時間〜24時間、さらに好ましくは60℃〜200℃の温度で1時間〜24時間、特に好ましくは60℃〜160℃の温度で2時間〜18時間、最も好ましくは80℃〜160℃の温度で4時間〜18時間乾燥を行うことが好ましい。
(2)アルミノキサン(e)および粒子(d)を接触させて得られる改質された粒子。
改質された粒子(2)の調整に用いられるアルミノキサン(e)としては、一般式{−Al(E)−O−}で表される構造を有する環状のアルミノキサンおよび/または一般式 E{−Al(E)−O−}AlE で表される構造を有する線状のアルミノキサンが好ましく用いられる。
(但し、E、E、およびEは、それぞれハイドロカルビル基であり、全てのE、全てのEおよび全てのEは同じであっても異なっていても良い。bは2以上の整数を、cは1以上の整数を表す。)
、E、またはEにおけるハイドロカルビル基としては、炭素数1〜8のハイドロカルビル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
上記E、Eの具体例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基等のアルキル基を例示することができる。bは2以上の整数であり、cは1以上の整数である。好ましくは、EおよびEはメチル基、またはイソブチル基であり、bは2〜40、cは1〜40である。
上記のアルミノキサンは各種の方法で作られる。その方法については特に制限はなく、公知の方法に準じて作ればよい。例えば、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を適当な有機溶媒(ベンゼン、トルエン、脂肪族ハイドロカルビルなど)に溶かした溶液を水と接触させて作る。また、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)に結晶水を含んでいる金属塩(例えば、硫酸銅水和物など)を接触させて作る方法が例示できる。このような方法で得られたアルミノキサンは通常、環状のアルミノキサンと線状のアルミノキサンとの混合物となっていると考えられる。
アルミノキサン(e)と粒子(d)は任意の方法により接触させ改質された粒子(2)を製造することができる。具体的には粒子(d)を溶媒中に分散させ、そこへアルミノキサン(e)を添加することにより製造される。
この場合の溶媒は、上記記載のいずれの溶媒も用いることができ、アルミノキサン(e)と反応しないものが好ましく、アルミノキサン(e)を溶解させる溶媒がより好ましい。具体的にはベンゼンや、トルエン、キシレンなどの芳香族ハイドロカルビル溶媒またはヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族ハイドロカルビル溶媒が好ましく、トルエンまたはキシレンが更に好ましい。
接触させる温度、時間は任意に取ることが出来るが、温度は通常−100℃〜200℃、好ましくは−50℃〜150℃、更に好ましくは−20℃〜120℃である。特に反応初期は発熱を抑えるために低温で反応させるのが好ましい。接触させる量は、任意に選ぶことが出来るが、粒子(d)の単位グラム当たりアルミノキサン(e)をアルミニウム原子換算で通常0.01〜100mmol、好ましくは0.1〜20mmol、更に好ましくは1〜10mmolである。
上記(1)または上記(2)の改質された粒子を活性化用助触媒成分として用いる場合、有機アルミニウム化合物を併用することが好ましい。即ち、本発明のより好ましい重合用触媒として、上記の本発明の化合物(1)からなる重合用触媒成分(A)、上記(1)または上記(2)の改質された粒子(C)および有機アルミニウム化合物(D)を接触させて得られる重合用触媒が挙げられる。
(D)有機アルミニウム化合物
前記成分(D)有機アルミニウム化合物としては、公知の有機アルミニウム化合物が使用できる。好ましくは、下記一般式[7]で表される有機アルミニウム化合物である。
17 AlV 3−c [7]
(式中、R17 はハイドロカルビル基を表し、全てのR17 は同一であっても異なっていてもよい。Vは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アラルキルオキシ基またはアリールオキシ基を表し、全てのVは同一であっても異なっていてもよい。cは0<c≦3を満足する数を表す。)
有機アルミニウム化合物を表す一般式[7]におけるR17 として好ましくは炭素原子数1〜24のハイドロカルビル基であり、より好ましくは炭素原子数1〜24のアルキル基である。具体例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、ノルマルオクチル基等が挙げられ、好ましくはエチル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルヘキシル基またはノルマルオクチル基である。
また、Vがハロゲン原子である場合の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子である。
Yにおけるアルコキシ基としては炭素原子数1〜24のアルコキシ基が好ましく、具体例としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ネオペントキシ基、n−ヘキソキシ基、n−オクトキシ基、n−ドデソキシ基、n−ペンタデソキシ基、n−イコソキシ基などが挙げられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基またはt−ブトキシ基である。
におけるアリールオキシ基としては炭素原子数6〜24のアリールオキシ基が好ましく、具体例としては、例えばフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基などが挙げられる。
におけるアラルキルオキシ基としては炭素原子数7〜24のアラルキルオキシ基が好ましく、具体例としては、例えばベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、(n−テトラデシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基などが挙げられ、好ましくはベンジルオキシ基である。
一般式[7]で表される有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジノルマルプロピルアルミニウムクロライド、ジノルマルブチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジノルマルヘキシルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ノルマルプロピルアルミニウムジクロライド、ノルマルブチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、ノルマルヘキシルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジノルマルプロピルアルミニウムハイドライド、ジノルマルブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジノルマルヘキシルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ(t−ブトキシ)アルミニウム等のトリアルコキシアルミニウム;メチル(ジメトキシ)アルミニウム、メチル(ジエトキシ)アルミニウム、メチル(ジ−t−ブトキシ)アルミニウム等のアルキル(ジアルコキシ)アルミニウム;ジメチル(メトキシ)アルミニウム、ジメチル(エトキシ)アルミニウム、ジメチル(t−ブトキシ)アルミニウム等のジアルキル(アルコキシ)アルミニウム;トリフェノキシアルミニウム、トリス(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、トリス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のトリアリールオキシアルミニウム;メチル(ジフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のアルキル(ジアリールオキシ)アルミニウム;ジメチル(フェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のジアルキル(アリールオキシ)アルミニウム等を例示することができる。
これらの内、好ましくはトリアルキルアルミニウムであり、さらに好ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウムまたはトリノルマルオクチルアルミニウムであり、特に好ましくはトリイソブチルアルミニウムまたはトリノルマルオクチルアルミニウムである。
これらの有機アルミニウム化合物は一種類のみを用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
成分(A)の使用量は、成分(C)1gに対し通常1×10−6〜1×10−3molであり、好ましくは5×10−6〜5×10−4molである。また成分(D)の使用量は、成分(A)化合物(I)の遷移金属原子に対する成分(D)有機アルミニウム化合物のアルミニウム原子のモル比(D)/(A)として、0.01〜10,000であることが好ましく、0.1〜5,000であることがより好ましく、1〜2,000であることが最も好ましい。
かかる重合用触媒としては、成分(A)および成分(C)、場合によってはさらに成分(D)を予め接触させて得られた反応物を用いてもよく、重合反応装置中に別々に投入して用いてもよい。成分(A)、(C)および(D)を用いる場合には、それらの内の任意の2つの成分を予め接触させて、その後もう一つの成分を接触させてもよい。
各触媒成分を反応器に供給する方法としては、特に制限されるものではない。各成分を固体状態で供給する方法、水分や酸素等の触媒成分を失活させる成分を十分に取り除いたハイドロカルビル溶媒に溶解させた溶液状態、または懸濁もしくはスラリー化させた状態で供給する方法等が挙げられる。
各触媒成分を溶液状態、または懸濁もしくはスラリー化させた状態で供給する場合、成分(C)の濃度は、通常0.01〜1000g/リットル、好ましくは0.1〜500g/リットルである。成分(D)の濃度は、Al原子換算で通常0.0001〜100モル/リットル、好ましくは0.01〜10モル/リットルである。成分(A)の濃度は、遷移金属原子換算で通常0.0001〜1000ミリモル/リットル、好ましくは0.01〜50ミリモル/リットルである。
化合物(I)と上記の成分(C)と有機アルミニウム化合物(D)とを接触させて得られる重合用触媒、または化合物(I)と、上記(B−1)および/または上記(B−2)とを接触させて得られる重合用触媒においては、必要に応じて、特開2005−126628に記載の活性水素を有する化合物(E)または、特開2005−126627記載の電子供与性化合物(F)を接触させてなる重合触媒としてもよい。好ましくは3級アミン,2級アミンが挙げられる。より好ましくは3級アミンであり、具体例としては、トリエチルアミン、トリノルマルオクチルアミンをあげることができる。
化合物(I)と上記の成分(C)と有機アルミニウム化合物(D)とを接触させて得られる重合用触媒における、活性水素を有する化合物(E)または、電子供与性化合物(F)の使用量としては、有機アルミニウム化合物(D)のアルミニウム原子のモル数に対して、0.1mol%以上であることがより好ましく、1mol%以上であることが更に好ましい。なお、該使用量は、重合活性を高める観点から、好ましくは30mol%以下であり、より好ましくは20mol%以下である。
重合方法も特に限定されるものではなく、ガス状のモノマー中での気相重合、溶媒を使用する溶液重合、スラリー重合等が可能である。溶液重合、またはスラリー重合に用いる溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族ハイドロカルビル溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族ハイドロカルビル溶媒、またはメチレンクロライド等のハロゲン化ハイドロカルビル溶媒が挙げられ、あるいはオレフィン自身を溶媒に用いる(バルク重合)ことも可能である。重合方法は、回分式重合、連続式重合のいずれでも可能であり、さらに重合を反応条件の異なる2段階以上に分けて行っても良い。重合時間は、一般に、目的とするオレフィン重合体の種類、反応装置により適宜決定されるが、1分間〜20時間の範囲を取ることができる。
スラリー重合は、公知のスラリー重合方法、重合条件に従って行えばよいが、それらに限定される事はない。スラリー法における好ましい重合方法として、モノマー(およびコモノマー)、供給物、稀釈剤などを必要に応じて連続的に添加し、かつ、ポリマー生成物を連続的または少なくとも周期的に取出す連続式反応器が含まれる。反応器としては、ループ反応器を使用する方法、反応器が異なったり、反応条件が異なる複数の攪拌反応器を直列または並列またはこれらの組合せなどが挙げられる。
稀釈剤としては、例えばパラフィン、シクロパラフィンまたは芳香族ハイドロカルビルのような不活性稀釈剤(媒質)を用いることができる。重合反応器または反応帯域の温度は、通常約0℃〜約150℃、好ましくは30℃〜100℃の範囲をとることができる。圧力は通常約0.1MPa〜約10MPaに変化させることができ、好ましくは0.5MPa〜5MPaである。触媒を懸濁状態に保持し、媒質および少なくとも一部のモノマーおよびコモノマーを液相に維持し、モノマーおよびコモノマーを接触させることができる圧力をとることができる。従って、媒質、温度、および圧力は、重合体が固体粒子として生成され、その形態で回収されるように選択すればよい。
重合体の分子量は反応帯域の温度の調節、水素の導入等、公知の各種の手段によって制御することができる。
重合用触媒成分、活性化用助触媒成分、モノマー(およびコモノマー)は、公知の任意の方法によって、任意の順序で反応器、または反応帯域に添加できる。例えば、各触媒成分、モノマー(およびコモノマー)を反応帯域に同時に添加する方法、逐次に添加する方法等を用いることができる。所望ならば、各触媒成分はモノマー(およびコモノマー)と接触させる前に、不活性雰囲気中において予備接触させることができる。
気相重合は、公知の気相重合方法、重合条件に従って行えばよいが、それらに限定されることはない。気相重合反応装置としては、流動層型反応槽、好ましくは、拡大部を有する流動層型反応槽が用いられる。反応槽内に攪拌翼が設置された反応装置でも何ら問題はない。
各成分を重合槽に供給する方法としては通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する、あるいは溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する等の方法を用いることができる。各触媒成分は個別に供給してもよいし、任意の成分を任意の順序にあらかじめ接触させて供給してもよい。
重合条件として、温度は重合体が溶融する温度未満、好ましくは0℃〜150℃、特に好ましくは30℃〜100℃の範囲である。さらに最終製品の溶融流動性を調節する目的で、水素を分子量調節剤として添加しても構わない。また、重合に際して、混合ガス中に不活性ガスを共存させてもよい。
本発明においては、このような重合(本重合)の実施前に以下に述べる予備重合を行ってもかまわない。
予備重合は、上記の本発明の一般式(1)で表される化合物からなる重合用触媒成分(A)および上記の改質された粒子(C)の存在下、あるいはさらに有機アルミニウム化合物(D)の存在下、少量のオレフィンを供給して実施され、スラリー状態で行うのが好ましい。スラリー化するのに用いる溶媒としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンのような不活性ハイドロカルビルを挙げることができる。また、スラリー化するに際し、不活性ハイドロカルビル溶媒の一部または全部に変えて液状のオレフィンを用いることができる。
予備重合時の有機アルミニウム化合物(D)の使用量は、重合用触媒成分(A)1モル当たり、0.5〜700モルのごとく広範囲に選ぶことができるが、0.8〜500モルが好ましく、1〜200モルが特に好ましい。
また、予備重合されるオレフィンの量は、改質された粒子1g当たり通常0.01〜1000g、好ましくは0.05〜500g、特に好ましくは0.1〜200gである。
予備重合を行う際のスラリー濃度は、0.1〜50g−改質された粒子/リットル−溶媒が好ましく、特に0.5〜20g−改質された粒子/リットル−溶媒が好ましい。予備重合温度は、−20℃〜100℃が好ましく、特に0℃〜80℃が好ましい。また、予備重合中の気相部でのオレフィンの分圧は、0.001MPa〜2MPaが好ましく、特に0.01MPa〜1MPaが好ましいが、予備重合の圧力、温度において液状であるオレフィンについては、この限りではない。さらに、予備重合時間に特に制限はないが、通常2分間から15時間が好適である。
予備重合を実施する際、オレフィン重合用触媒成分(A)、改質された粒子(C)、有機アルミニウム化合物(D)、オレフィンを供給する方法としては、オレフィン重合用触媒成分(A)と、改質された粒子(C)とを接触させておいた後、あるいは必要に応じて有機アルミニウム化合物(D)をも接触させておいた後オレフィンを供給する方法、オレフィン重合用触媒成分(A)、改質された粒子(C)およびオレフィンを接触させておいた後、有機アルミニウム化合物(D)を供給する方法、オレフィン存在下、有機アルミニウム化合物(D)および重合用触媒成分(A)を接触させた後、改質された粒子(C)を供給する方法などのいずれの方法を用いても良いが、改質された粒子(C)と有機アルミニウム化合物(D)とを接触させる際にはオレフィンが予め存在している方が好ましい。また、オレフィンの供給方法としては、重合槽内が所定の圧力になるように保持しながら順次オレフィンを供給する方法、或いは所定のオレフィン量を最初にすべて供給する方法のいずれの方法を用いても良い。また、得られる重合体の分子量を調節するために水素等の連鎖移動剤を添加することも可能である。
本発明においては、このようにして予備重合して得られたものについて、触媒成分として、あるいは触媒として使用する。本発明に係る予備重合済の触媒成分は、重合用触媒成分(A)および改質された粒子(C)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られる予備重合済重合用触媒成分、あるいは、重合用触媒成分(A)、改質された粒子(C)、並びに有機アルミニウム化合物(D)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られる予備重合済重合用触媒成分である。また本発明に係る予備重合済の触媒は、上記の重合用触媒成分(A)および改質された粒子(C)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られるオレフィン重合用触媒、あるいは、上記の重合用触媒成分(A)、改質された粒子(C)、並びに有機アルミニウム化合物(D)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られる重合用触媒である。本発明に係る該予備重合済重合用触媒成分を用いる触媒は、該予備重合済オレフィン重合用触媒成分、並びに有機アルミニウム化合物(D)を接触させて得られる重合用触媒である。
重合に使用するモノマーとしては、炭素原子数2〜20のオレフィン、ジオレフィン、環状オレフィン、アルケニル芳香族ハイドロカルビル、極性モノマー等を挙げることができ、同時に2種以上のモノマーを用いることもできる。
これらの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のオレフィン;1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,5−シクロオクタジエン、5,8−エンドメチレンヘキサヒドロナフタレン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等のジオレフィン;ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシクロデセン、トリシクロウンデセン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロヘキサデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、5−アセチルノルボルネン、5−アセチルオキシノルボルネン、5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−シアノノルボルネン、8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−テトラシクロドデセン、8−シアノテトラシクロドデセン等の環状オレフィン;スチレン、2−フェニルプロピレン、2−フェニルブテン、3−フェニルプロピレン等のアルケニルベンゼン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、o−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、p−第3級ブチルスチレン、p−第2級ブチルスチレンなどのアルキルスチレン、ジビニルベンゼン等のビスアルケニルベンゼン、1−ビニルナフタレン等のアルケニルナフタレン等のアルケニル芳香族ハイドロカルビル;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等のα,β−不飽和カルボン酸、およびそのナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム等の金属塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等のα,β−不飽和カルボン酸エステル、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル等の極性モノマーなどが挙げられる。
本発明は、これらのモノマーの単独重合または共重合に適用される。共重合体を構成するモノマーの具体例としては、エチレンとプロピレン、エチレンと1−ブテン、エチレンと1−ヘキセン、エチレンと1−オクテン、プロピレンと1−ブテン等が例示されるが、本発明はこれらに限定されるべきものではない。
本発明の重合用触媒はオレフィン重合用触媒として特に好適であり、オレフィン重合体の製造方法に好適に用いられる。かかるオレフィン重合体として特に好ましくはエチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、中でもポリエチレン結晶構造を有するエチレンとα−オレフィンとの共重合体が好ましい。ここでいうα−オレフィンとして好ましくは、炭素原子数3〜8のα−オレフィンであり、具体的には1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
反応に使用した有機溶媒は、乾燥、脱気したものを用いた。1,2−ビス(5,6−ジメチルインデニル)エタンは、前記非特許文献1に記載の方法を参考に合成した。
化合物の同定はNMRスペクトルや質量スペクトルの測定により行った。NMRスペクトルは、核磁気共鳴装置(日本電子社製、JNM−AL400)を用い室温にて測定した。化学シフト値は、テトラメチルシランを基準とした。質量スペクトルは、ガスクロマトグラフ質量分析計(島津製作所製、GCMS−QP5000/QP5050A)を用いて下記条件により測定した。
(1)測定カラム:DB−1(Agilent Technologies社製)
長さ60m、I.D.:0.25mm、Films:0.25μm
(2)測定:100℃〜300℃(10℃/分)300℃ 20分間保持
(3)イオン化:EI(電子イオン化)法
純度は、ガスクロマトグラフ(島津製作所製、GC−2010)またはH NMRスペクトルの測定から求めた。ガスクロマトグラフは下記条件により測定した。
(1)カラム:DB−1(Agilent Technologies社製)
長さ30m、I.D.:0.25mm、Films:0.25μm
(2)測定:100℃〜300℃(10℃/分)300℃ 5分間保持
元素分析:
Zn:試料を硫酸水溶液(1mol/リットル)に投じたのち超音波をあてて金属成分を
抽出した。得られた液体部分についてI C P 発光分析法により定量した。
F:酸素を充填させたフラスコ中で試料を燃焼させて生じた燃焼ガスを水酸化ナトリウム
水溶液( 1 0 % ) に吸収させ、得られた当該水溶液についてイオン電極法を用いて定量した。
(1)メルトフローレート= MFR:JIS K7210−1995に規定された方法に従い、190℃にて荷重21.18N(2.16kg)で測定したメルトフローレート値である(単位:g/10分)。メルトフローレート測定では、予め酸化防止剤を1000ppm配合した重合体を用いた。
(2)オリゴマー量の測定
オレフィン重合体のオリゴマー量は、試料約1.0gをTHF(10mL)にて60分間超音波抽出を行い、ガスクロマトグラムにより検出された各オリゴマー成分(C12〜C38)を、以下の式を用いてC18の標準試料で換算した定量値として算出した。
オリゴマー濃度(ppm)=(f×A×V×10−3)/(w×10−3
f:標準試料から得られたファクター
A:未知試料から得られたピーク面積
V:抽出液量(mL)
W:試料重量(g)
参考例1
5,6−ジエチルインデンの合成
(1)3−クロロ−1−(3,4−ジエチルフェニル)−1−プロパノンの合成
窒素置換した200 mL三口フラスコに塩化アルミニウム29 g(217mmol)とニトロメタン58 mLを仕込み、10 ℃まで冷却した後、1,2−ジエチルベンゼン26g(純度92%、181 mmol)と3−クロロプロパノイルクロリド25g(純度98%、190 mmol)の混合溶液を滴下した。この溶液を室温まで昇温し、1時間撹拌した。反応溶液を、氷を加えた濃塩酸へ撹拌しながら注ぎ、酢酸エチルで有機物を抽出した。分液後、水層をさらに酢酸エチルで抽出した。全ての抽出液を合わせ、炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水の順にそれぞれ2回洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去することで、3−クロロ−1−(3,4−ジエチルフェニル)−1−プロパノン)を含む褐色オイルを得た。収量は41 g(純度92%, 166 mmol)であり、収率は91%であった。得られた3−クロロ−1−(3,4−ジエチルフェニル)−1−プロパノンは特に精製せず、そのまま次の反応に用いた。
H NMR(CDCl)δ 1.24 (t, 3H), 1.25 (t, 3H), 2.70 (q, 4H), 3.43 (t, 2H), 3.43 (t, 2H), 7.25 (d, 1H), 7.72 (d, 1H), 7.77 (s, 1H)
質量スペクトル 224(M
(2)ジエチルインダノンの合成
窒素置換した200 mL三口フラスコに3−クロロ−1−(3,4−ジエチルフェニル)−1−プロパノン 41 g(純度92%, 166 mmol)と濃硫酸88 mLを仕込み、90 ℃まで昇温した後、2時間撹拌した。反応溶液を、撹拌しながら氷に注ぎ、酢酸エチルで有機物を抽出した。分液後、水層をさらに酢酸エチルで抽出した。全ての抽出液を合わせ、炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水の順にそれぞれ2回洗浄した後、有機層を活性炭で処理した。活性炭を濾別し、濾液を硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去することで、5,6−ジエチルインダノンと4,5−ジエチルインダノンを含む褐色オイルを得た。収量は25 g(純度91%, 122 mmol, 異性体比 68:32)であり、収率は73%であった。
5,6−ジエチルインダノン
H NMR(CDCl)δ 1.25(t,3H),1.27(t,3H)、2.65〜2.76(m,6H),3.08(quasi−t,2H),7.28 (s, 1H), 7.58 (s, 1H)
4,5−ジエチルインダノン
H NMR(CDCl)δ 1.19(t,3H),1.26(t,3H),2.65〜2.76(m,6H),3.08(quasi−t,2H),7.22(d,1H),7.56(d,1H)
質量スペクトル 188(M
(3)5,6−ジエチルインダン−1−p−トルエンスルホニルヒドラゾンの合成
窒素置換した200 mL三口フラスコに5,6−ジエチルインダノンと4,5−ジエチルインダノンを含む混合物25g(純度 91 %、122 mmol、異性体比 68:32)とメタノール 290 mLを加えた。ここに、p−トルエンスルホニルヒドラジン 28g(純度97%、147 mmol)とピリジン 4 g(純度99%、51 mmol)を加え、室温で2日間撹拌した。このとき、5,6−ジエチルインダン−1−p−トルエンスルホニルヒドラゾンと4,5−ジエチルインダン−1−p−トルエンスルホニルヒドラゾンを含む黄白色固体が析出した。析出した固体を濾別した後、1Lフラスコに移した。ここにジクロロメタン500 mLを加え室温で撹拌し、4,5−ジエチルインダン−1−p−トルエンスルホニルヒドラゾンを含む不要成分を抽出した。この懸濁液を濾過し、回収した固体を減圧下乾燥することで、5,6−ジエチルインダン−1−p−トルエンスルホニルヒドラゾンを白色固体として得た。収量は22 g(62 mmol、異性体含有率 <5%)であり、収率は51%であった。
H NMR(CDCl)δ 1.20(t,3H),1.22(t,3H), 2.41(s, 3H),2.63−2.66(m,6H),3.02(m,2H),7.09(s, 1H),7.53(s,1H),7.30(d,2H),7.91(d,2H)
(4)5,6−ジエチルインデンの合成
窒素置換した200 mL三口フラスコに5,6−ジエチルインダン−1−p−トルエンスルホニルヒドラゾン24g(67 mmol)と1,2−ジメトキシエタン 280 mLを仕込み、フラスコを水冷しながらn−BuLiのヘキサン溶液 84 mL(1.60 mol/L, 135 mmol)を滴下した。反応溶液を還流温度まで昇温した。2時間撹拌した後、反応溶液に水60 mLを加え、反応を停止させた。分液後、水層をさらに酢酸エチルで抽出した。全ての抽出液を合わせ、飽和食塩水で2回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下揮発成分を留去した。得られた褐色懸濁液をヘプタンで抽出、濾過し、濾液をシリカゲルに通過させた。シリカゲルをヘプタンで洗浄した後、濾液と洗液を合わせて減圧下、溶媒を留去することで、5,6−ジエチルインデンを無色オイルとして得た。収量は8.8 g(純度95%、48 mmol)であり、収率は72%であった。1,2−ジエチルベンゼンからの収率は、24%であった。
H NMR (CDCl)δ1.23(t,3H),1.24(t,3H),2.68(q,4H),3.33(m,2H),6.45−6.47(m,1H),6.82−6.85(m,1H),7.21(s,1H), 7.27(s,1H)
質量スペクトル 172(M
参考例2
1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセンの合成
(1)3−クロロ−1−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−1−プロパノンの合成
窒素置換した500 mL四口フラスコに塩化アルミニウム 53.3 g(400.0 mmol)とニトロメタン 164 mLを仕込み、インダン 23.6 g(純度99%、200.0 mmol)と3−クロロプロパノイルクロリド 25.4 g(純度98%、200.0 mmol)の混合溶液を滴下した。室温で5時間撹拌した後、反応溶液を、氷を加えた濃塩酸へ撹拌しながら注ぎ、酢酸エチルで有機物を抽出した。分液後、水層をさらに酢酸エチルで抽出した。全ての抽出液を合わせ、炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水の順に洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去することで、3−クロロ−1−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−1−プロパノンを含む褐色オイルを得た。収量は44.3 g(純度75%、159.8 mmol)であり、 収率は80%であった。得られた3−クロロ−1−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−1−プロパノンは特に精製せず、そのまま次の反応に用いた。
H NMR(CDCl)δ 2.06−2.13(m,2H),2.90(t,4H),3.38(t, 2H),3.79(t,2H),7.26(d,1H),7.73(d,1H),7.79(s,1H)
(2)3,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−オンの合成
窒素置換した500 mL四口フラスコに3−クロロ−1−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−1−プロパノン 44.3 g(純度75%、 159.8 mmol)と濃硫酸 167 mLを仕込み、90 ℃まで昇温した後、8時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応溶液を、撹拌しながら氷に注ぎ、酢酸エチルで有機物を抽出した。分液後、水層をさらに酢酸エチルで抽出した。全ての抽出液を合わせ、炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水の順に洗浄した後、有機層を活性炭で処理した。活性炭を濾別し、濾液を硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去することで、3,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−オンを含む褐色個体を得た。酢酸エチル/ヘキサンより再結晶することで淡黄色の固体として3,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−オンを得た。収量は20.1 g(純度98%、116.4 mmol)であり、収率は73%であった。
H NMR(CDCl)δ 2.09−2.17(m,2H),2.68(t,2H),2.90−2.97(m, 4H),3.07(t,2H),7.27(s,1H),7.57(s,1H)
(3)3,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−オールの合成
窒素置換した300 mL四口フラスコに3,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−オン 20.1 g(純度98%、116.4 mmol)とテトラヒドロフラン 47 mL、エタノール 93 mLを仕込み、0 ℃まで冷却した。粉末の水素化ホウ素ナトリウム 4.4 g(116.4 mmol)を0 ℃で少量ずつ加えた後、室温まで昇温し、15時間撹拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで有機物を抽出した。分液後、水層をさらにジエチルエーテルで抽出した。全ての抽出液を合わせ、水、飽和食塩水の順に洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去することで3,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−オールを含む黄色個体を得た。テトラヒドロフラン/ヘキサンより再結晶することで、淡黄色の固体として3,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−オールを得た。収量は14.9 g(純度90%、77.1 mmol)であり、収率は66%であった。
H NMR(CDCl)δ 1.67(s,1H),1.91−1.99(m,1H),2.08(quintet,2H),2.44−2.52(m,1H),2.72−2.80(m,1H),2.85−2.89(m, 4H),2.97−3.04(m,1H),5.18(s,1H),7.11(s,1H),7.26(s,1H)
(4)1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセンの合成
窒素置換した300 mL四口フラスコに3,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−オール 14.9 g(純度90%、77.1 mmol)とp−トルエンスルホン酸 0.2 g(1.2 mmol)、トルエン 134 mLを仕込み、60 ℃まで昇温した後、3時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応溶液を炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水の順に洗浄し、その後、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去することで、1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセンを含む淡黄色オイルを得た。ヘプタンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、無色オイルとして1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセンを得た。収量は9.9 g(純度98%、62.3 mmol)であり、収率は81%であった。この無色オイルは、冷蔵庫で固化した。
H NMR(CDCl)δ 2.10(quintet,2H),2.92(t, 4H),3.34(s,2H),6.46−6.48(m,1H),6.81−6.83(m,1H),7.25(s,1H),7.32(s,1H)
実施例1
1,2−ビス(5,6−ジエチルインデニル)エタンの合成
窒素置換した500 mL四口フラスコに5,6−ジエチルインデン8.76g(純度95%、48.4mmol)とテトラヒドロフラン190mLを仕込み、氷冷した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液 33.3mL(1.6M、53.3mmol)を滴下した。溶液の色は淡黄色から褐色に変化した。この溶液を室温まで徐々に昇温し、さらに2時間攪拌することで、リチウム(5,6−ジエチルインデニド)のテトラヒドロフラン溶液を調整した。この溶液を−68 ℃まで冷却した後、ジブロモエタン 2.11mL(24.2mmol)のテトラヒドロフラン(63mL)溶液を滴下した。滴下終了後、反応溶液を室温まで昇温した後、2時間撹拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水を加え、酢酸エチルで有機物を抽出した。分液後、水層をさらに酢酸エチルで抽出した。全ての抽出液を合わせ、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去することで、ビス(5,6−ジエチルインデン−1−イル)エタンを主成分とする黄色油状物を得た。収量は、9.80gであった。
ビス(5,6−ジエチルインデン−1−イル)エタン(ジアステレオマー混合物)
H NMR(CDCl)δ1.24,1.53,1.67,1.93,2.06,2.68,3.41,6.44,6.75,7.15,7.16,7.19,7.22.
窒素置換した200mLシュレンク管に先に得られた黄色油状物9.80gとテトラヒドロフラン125mLを仕込み、氷冷した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液 34.7mL(1.6M、55.5mmol)を滴下した。この溶液を室温まで徐々に昇温し、さらに2時間撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで有機物を抽出した。分液後、水層をさらに酢酸エチルで抽出した。全ての抽出液を合わせ、飽和食塩水で2回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下揮発成分を留去した。得られた黄色固体をエタノールにより洗浄後、減圧下乾燥することで、ビス(5,6−ジエチルインデン−3−イル)エタンを淡黄色固体として得た。収量は、7.03g(純度93%、17.6mmol)であり、収率は66%であった。
H NMR(CDCl)δ 1.25(m,12H),2.71,(m,8H),2.93(br,4H),3.31(br,4H),6.23(br,2H), 7.21,7.30(s,2H×2).
実施例2
1,2−ビス(テトラヒドロ−s−インダセニル)エタンの合成
窒素置換した300 mL四口フラスコに1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセン 9.9 g(純度98%、62.3 mmol)とテトラヒドロフラン 97mLを仕込み、−78 ℃まで冷却した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液 39.4mL(1.66 M、65.4 mmol)を滴下した。溶液の色は無色から黄色に変化した。この溶液を室温まで徐々に昇温し、さらに3時間攪拌することで、リチウム(1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセニド)のテトラヒドロフラン溶液を調整した。この溶液を−78 ℃まで冷却した後、ジブロモエタン 2.7mL(31.2mmol)を滴下した。滴下終了後、反応溶液を室温まで昇温した後、さらに12時間攪拌した。反応溶液に水を加え、ジエチルエーテルで有機物を抽出した。分液後、水層をさらにジエチルエーテルで抽出した。全ての抽出液を合わせ、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去することで得られた固体をエタノールで洗浄後、減圧下乾燥することにより、ビス(1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセニル)エタンの白色固体を得た。収量は6.0 g(17.7 mmol)であり、収率は57%であった。
H NMR(CDCl)δ 1.47−1.56(m,1H),1.64−1.71(m,1H),1.87−1.95(m,1H),1.96−2.05(m,1H),2.05−2.13(m,4H),2.87−2.94(m, 8H),3.35−3.43(m,2H),6.44(dd,2H),6.73−6.75(m,2H),7.18(s,1H),7.19(s,1H),7.23(s,1H),7.26(s,1H)
実施例3
1−(5,6−ジエチルインデニル)−2−インデニルエタンの合成
(1)1−ブロモ−2−(5,6−ジエチルインデニル)エタンの合成
窒素置換した100mLシュレンク管に参考例2にて合成した5,6−ジエチルインデン0.816 g (純度98%, 4.64mmol)と テトラヒドロフラン21mLを仕込み、氷浴により冷却した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液3.07 mL (1.59 M, 4.88 mmol)を滴下した。溶液の色は無色から茶色に変化した。この溶液を室温まで徐々に昇温し、さらに1時間撹拌することで、リチウム5,6−ジエチルインデニドのテトラヒドロフラン溶液を調整した。別途、窒素置換した100 mLのシュレンク管にジブロモエタン4.41 g (23.2 mmol)とテトラヒドロフラン7mLを仕込み、−78℃まで冷却した。ここに、先に調整したリチウム(5,6−ジエチルインデニル)のテトラヒドロフラン溶液を徐々に滴下した。溶液の色は橙色に変化した。滴下終了後、反応溶液を室温まで昇温した後、さらに2時間撹拌した。この溶液を水浴により冷却しながら、蒸留水10mLを滴下した。有機層を分離した後、水層を酢酸エチルで抽出した。分離した有機層と抽出液をあわせ、飽和食塩水で2回洗浄した後、硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去することで、1−ブロモ−2−(5,6−ジエチルインデン−1−イル)エタンを黄色液体として得た。収量1.25 g (純度87%, 3.79 mmol), 収率81%。
H NMR(CDCl) :δ1.24(t,6H),2.11(dt,1H),2.39(dt,1H),2.69(dq,4H),3.46(dd,2H),3.65(ddd,1H),6.43(dd),6.79(d,1H),7.18(s,1H),7.22(s,1H).
(2)1−(5,6−ジエチルインデニル)−2−インデニルエタンの合成
窒素置換した100 mLシュレンク管にインデン2.05 g (純度98%, 16.9 mmol)と テトラヒドロフラン52 mLを仕込み、氷浴により冷却した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液10.6 mL (1.59 M, 16.9 mmol)を滴下した。溶液の色は無色から黄色に変化した。この溶液を室温まで徐々に昇温し、さらに1時間撹拌することで、リチウム インデニドのテトラヒドロフラン溶液を調整した。別途、窒素置換した100 mLシュレンク管に1−ブロモ−2−(5,6−ジエチルインデニル)エタンの異性体混合物4.62 g(純度85%,14.1mmol)とテトラヒドロフラン17mLを仕込み、−78℃まで冷却した。ここに、先に調整したリチウムインデニドのテトラヒドロフラン溶液を徐々に滴下した。溶液の色は赤色に変化した。滴下終了後、反応溶液を室温まで昇温した後、さらに終夜撹拌した。この溶液を水浴により冷却しながら、蒸留水10mLを滴下した。有機層を分離した後、水層を酢酸エチルで抽出した。分離した有機層と抽出液をあわせ、飽和食塩水で2回洗浄した後、硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去して、(5,6−ジエチルインデニル)(インデニル)エタンの異性体混合物を黄色油状物として得た。収量は、4.19g (純度 76%, 10.1 mmol)であり,収率は72%であった。
(3)1−(5,6−ジエチルインデニル)−2−インデニルエタンの異性化
窒素置換した100 mLシュレンク管に(5,6−ジエチルインデニル)(インデニル)エタンの異性体混合物4.19 g (純度76%, 10.1 mmol)とテトラヒドロフラン39mLを仕込み、氷浴により冷却した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液14.9mL(1.59M,23.7mmol)を滴下した。溶液の色は黄色から茶色に変化した。この溶液を室温まで徐々に昇温し、さらに2時間撹拌した。この溶液を水浴により冷却しながら、蒸留水20mLを滴下した。有機層を分離した後、水層を酢酸エチルで抽出した。分離した有機層と抽出液をあわせ、飽和食塩水で2回洗浄した後、硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去し、得られた黄色油状物をヘプタンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで淡黄色の固体として(5,6−ジエチルインデン−3−イル)(インデン−3−イル)エタンを得た。収量は9.1g(純度 >98%,8.05mmol)であり,収率は58%であった。
H NMR(CDCl)δ 1.25 (t,6H),2.71(dq,4H),2.94 (br,4H),3.31(br,2H),3.35(br,2H),6.21(br,1H),6.31(br,1H),7.20(s,1H),7.21(m,1H),7.29(s,1H),7.31(dd,1H),7.41(d,1H),7.48(d,1H).
実施例4
1−(テトラヒドロ−s−インダセニル)−2−インデニルエタンの合成
(1)1−ブロモ−2−(テトラヒドロ−s−インダセニル)エタンの合成
窒素置換した100 mLシュレンク管に参考例3にて合成した1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセン1.0 g(純度87%,5.6mmol)とテトラヒドロフラン26mLを仕込み、氷浴により冷却した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液3.7mL(1.60M,5.83mmol)を滴下した。溶液の色は無色から黄色に変化した。この溶液を室温まで徐々に昇温し、さらに1時間撹拌することで、リチウム(1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセニド)のテトラヒドロフラン溶液を調整した。別途、窒素置換した100mLのシュレンク管にジブロモエタン2.4mL(27.8mmol)とテトラヒドロフラン9 mLを仕込み、−78℃まで冷却した。ここに、先に調整したリチウム(1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセニド)のテトラヒドロフラン溶液を徐々に滴下した。溶液の色は橙色に変化した。滴下終了後、反応溶液を室温まで昇温した後、さらに2時間撹拌した。この溶液を水浴により冷却しながら、蒸留水10mLを滴下した。有機層を分離した後、水層を酢酸エチルで抽出した。分離した有機層と抽出液をあわせ、飽和食塩水で2回洗浄した後、硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去して得られた黄色油状物をヘプタンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、1−ブロモ−2−(1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル)エタンと1−ブロモ−2−(3,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル)エタンの混合物(83:17)として得た。収量は1.25g(純度97%,4.6 mmol)であり、収率は83%であった。
1−ブロモ−2−(1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル)エタン
H NMR(CDCl))δ 7.21(s,1H),6.79(dd, 1H), 6.43 (dd,1H),3.63−3.67(m, 1H),3.45(quasi−t,2H),2.89−2.95(m,4H),2.34−2.42 (m,1H),2.07−2.2.16(m,3H). GCMS m/z: 262(M+).
1−ブロモ−2−(3,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル)エタン
H NMR(CDCl)δ 7.32(s,1H),6.26(s,1H),3.30(t,2H),3.12(t,2H).(主成分のシグナルと重なるため全てのシグナルを帰属できなかった。)
(2)1−(テトラヒドロ−s−インダセニル)−2−インデニルエタンの合成
窒素置換した50mLシュレンク管にインデン0.65g(純度98%,5.7 mmol)と テトラヒドロフラン17mLを仕込み、氷浴により冷却した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液3.6 mL(1.60M,5.7mmol)を滴下した。溶液の色は無色から褐色に変化した。この溶液を室温まで徐々に昇温し、さらに1時間撹拌することで、リチウムインデニドのテトラヒドロフラン溶液を調整した。別途、窒素置換した50mLのシュレンク管に1−ブロモ−2−(テトラヒドロ−s−インダセニル)エタンの異性体混合物1.3g(純度97%,4.8mmol)とテトラヒドロフラン6mLを仕込み、−78℃まで冷却した。ここに、先に調整したリチウムインデニドのテトラヒドロフラン溶液を徐々に滴下した。溶液の色は橙色に変化した。滴下終了後、反応溶液を室温まで昇温した後、さらに2時間撹拌した。この溶液を水浴により冷却しながら、蒸留水20mLを滴下した。有機層を分離した後、水層を酢酸エチルで抽出した。分離した有機層と抽出液をあわせ、飽和食塩水で2回洗浄した後、硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去して得られた黄色油状物をヘプタンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、(1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル)(インデン−1−イル)エタンを主成分とする異性体混合物を得た。収量は1.24g(純度 >99%,4.2 mmol)であり,収率は88%であった。
1H NMR(CDCl3))δ 1.67(m,2H),1.88(m,2H),2.11(m,4H),2.91(m,8H),3.37(br,2H),6.44(dd,2H),6.74(dd,2H),7.24(s,2H),7.26(s,2H)
(3)1−(テトラヒドロ−s−インダセニル)−2−インデニルエタンの異性化
窒素置換した50mLシュレンク管に(テトラヒドロ−s−インダセニル)(インデニル)エタンの異性体混合物 1.1g (純度>99%,3.7mmol)とテトラヒドロフラン19mLを仕込み、氷浴により冷却した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液5.1mL(1.60M,8.1mmol)を滴下した。溶液の色は無色から褐色に変化した。この溶液を室温まで徐々に昇温し、さらに1時間撹拌した。この溶液を水浴により冷却しながら、蒸留水19mLを滴下した。有機層を分離した後、水層を酢酸エチルで抽出した。分離した有機層と抽出液をあわせ、飽和食塩水で2回洗浄した後、硫酸ナトリウムにより乾燥した。減圧下、揮発成分を留去して、得られた黄色油状物をヘプタンを展開溶媒としたカラムクロマトグラフィーにより精製することで1−(3,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル)−2−(インデン−3−イル)エタンを白色固体として得た。収量は0.82g(2.7mmol)であり、収率は74%であった。
H NMR(CDCl)δ 7.48(d,1H),7.40(d,1H),7.33(s,1H),7.29−7.33(m,1H), 7.26 (s,1H),7.20−7.23(m,1H),6.30(s,1H),6.22(s,1H),3.35(s,2H),3.30(s,2H),2.92(m,8H),2.11(quintet, 2H).
13C{H} NMR(CDCl))δ 145.4,144.4,144.2,140.0,143.9,143.0,142.0,140.9,127.8,127.1,126.0,124.5,123.7,119.9,118.9,114.8,37.7,37.2,32.73,32.65,26.3
GCMS m/z: 298 (M+).
実施例5
ラセミ−エチレンビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)の合成
窒素置換した100mLのシュレンクに、1,2−ビス(5,6−ジメチルインデニル)エタン(1.0g,3.1mmol)、テトラキスジメチルアミノジルコニウム(0.92g,3.45mmol)、テトラn−ブチルアンモニウムクロライド(0.087g,0.31mmol)、トルエン(17mL)を入れた。この溶液を窒素雰囲気下、60℃まで昇温した後、3時間撹拌した。室温まで冷却した後、揮発成分を減圧留去した。得られた赤色固体をトルエン/ヘキサン(v/v=1/1)混合溶媒で抽出し、セライトをのせたグラスフィルターにて濾過した。濾液から減圧下溶媒を留去した。得られた固体にヘキサン加え濾過し、得られた橙色固体をヘキサンで洗浄することで、ラセミ−エチレンビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)の橙色固体を得た。収量は、1.0g(2.1mmol)であり、収率は、68%であった。
H NMR(CDCl))δ 2.17(s,6H),2.32(s,6H),2.34(s,12H),3.38−3.41(m,2H),3.57−3.60(m,2H), 5.92(d,2H),6.22(d,2H),7.13(s,2H),7.38(s,2H).
実施例6
ラセミ−エチレンビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジフェノキシドの合成
窒素置換した50mLシュレンク管に実施例5で合成したラセミ−エチレンビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)(0.30g,0.61mmol)とトルエン(5mL)を入れた。この溶液を氷浴により冷却し、フェノール(0.12g,1.28mmol)のトルエン(5mL)溶液を滴下した。滴下後、反応溶液を室温まで昇温し、さらに30分撹拌した。減圧下、揮発成分を留去した後、得られた黄色固体をペンタンで洗浄することで、ラセミ−エチレンビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジフェノキシドを黄白色固体として得た。収量は、0.29g(0.49mmol)であり、収率は、80%であった。
H NMR(CDCl))δ 1.89(s,6H),2.24(s,6H),3.73(s,4H),6.05(d,2H),6.20(d,4H),6.21(d,2H),6.70(t,2H),6.94(s,2H),7.09−7.13(m,4H),7.51(s,2H).
実施例7
ラセミ−エチレンビス(5,6−ジエチルインデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)の合成
窒素置換した100mLシュレンク管に1,2−ビス(5,6−ジエチルインデニル)エタン(1.39g,3.74mmol)、テトラキスジメチルアミノジルコニウム(1.00g,3.74mmol)、テトラn−ブチルアンモニウムクロライド(0.26g,0.93mmol)とトルエン(22mL)を入れた。この溶液を60℃まで昇温した後、窒素雰囲気下で2時間撹拌した。反応混合物のH NMRスペクトルから、反応収率は71%であったので、反応溶液にテトラキスジメチルアミノジルコニウム(0.46g,1.72mmol)を加え、窒素雰囲気下、60℃で1時間撹拌した。反応混合物をから減圧下揮発成分を留去することで得られた赤色油状物をヘキサンで抽出し、セライトをのせたグラスフィルターにて濾過した。濾液から減圧下溶媒を留去することで、ラセミ−エチレンビス(5,6−ジエチルインデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)を含む赤色油状物を得た。収量は、2.11gであった。
H NMR(CDCl))δ 1.24(t,6H),1.34(t,6H),2.38(s,12H),2.63−2.72(m,8H),3.40−3.42(m,2H),3.63−3.66(m,2H),5.90(d,2H),6.23(d,2H),7.20(s,2H),7.43(s,2H).
実施例8
ラセミ−エチレンビス(5,6−ジエチルインデニル)ジルコニウムジフェノキシドの合成
窒素置換した100mLシュレンク管にラセミ−エチレンビス(5,6−ジエチルインデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)を含む赤色油状物2.11gとトルエン(17mL)を入れた。この溶液に、フェノール(0.70g,7.4mmol)のトルエン(20mL)溶液を滴下し、1時間後、反応溶液にさらにフェノール(0.38g,4.0mmol)のトルエン(5mL)溶液を滴下した。室温で30分撹拌した後、反応溶液をセライトをのせたグラスフィルターにて濾過した。濾液から減圧下揮発成分を留去した後、得られた固体をペンタンにより洗浄した。ジクロロメタン/ペンタンから再結晶することで、ラセミ−エチレンビス(5,6−ジエチルインデニル)ジルコニウムジフェノキシドを淡黄色結晶として得た。収量は、0.73g(1.13mmol)であり、収率は、30%であった。
H NMR(CDCl))δ 0.94(t,6H),1.36(t,6H),2.17(q,2H),2.40(q,2H),2.57−2.66(m,4H),3.77−3.82(m,4H),6.03(d,2H),6.18−6.22(m,6H),6.69(t,2H),6.97(s,2H),7.06−7.10(m,4H),7.57(s,2H).
実施例9
ラセミ−エチレンビス(1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)の合成
窒素置換した500mL四口フラスコにビス(1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセニル)エタン(10.0g,29.57mmol)、テトラキスジメチルアミノジルコニウム(7.94g,29.68mmol)、テトラn−ブチルアンモニウムクロライド(0.82g,2.96mmol)とトルエン(173mL)を入れた。この溶液を70℃まで昇温した後、窒素雰囲気下で1時間撹拌した。この間、窒素を反応系内に流通し、副生成物であるジメチルアミンを積極的に放出した。反応溶液を室温まで冷却した後、減圧下揮発成分を留去した。反応混合物のH NMRスペクトルの測定から、反応収率は>99%であり、ラセミ選択率は>95%であった。得られた赤色固体をトルエン/ヘキサン(v/v=2/1)混合溶媒で抽出し、セライトをのせたグラスフィルターにて濾過した。濾液から、減圧下溶媒を留去することで、ラセミ−エチレンビス(1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)を主成分とする赤色固体を得た。収量は、16.15gであった。
H NMR(CDCl))δ 1.97−2.06(m,4H),2.36(s,12H),2.64−2.73(m,2H),2.78−2.97(m,6H),3.36−3.46(m, 2H),3.52−3.61(m,2H),5.94(d,2H),6.25(d,2H),7.17(s,2H),7.43(s,2H).
実施例10
ラセミ−エチレンビス(1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセニル)ジルコニウムジフェノキシドの合成
窒素置換した500mL四口フラスコに(1)で合成したラセミ−エチレンビス(1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)(16.15g)およびトルエン(175mL)を加えた。この溶液を70℃まで昇温した後、フェノール(5.57g,59.19mmol)のトルエン(31mL)溶液を滴下した。25分後、反応溶液を室温まで冷却し、減圧下揮発成分を留去した。得られた橙色固体をトルエン/ヘキサン(v/v=1/1)混合溶媒で抽出し、セライトをのせたグラスフィルターにて濾過した。濾液から、減圧下溶媒を留去した後、得られた固体をヘキサン、ジエチルエーテルの順で洗浄することで、ラセミ−エチレンビス(1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセニル)ジルコニウムジフェノキシドを淡黄色固体として得た。収量は、9.0g(29.6mmol)であり、収率は50%であった。
H NMR(CDCl))δ 1.69−1.92(m,4H),2.28−2.40(m,2H),2.59−2.62(m,2H),2.74−2.97(m, 4H),3.66−3.78(m,4H),6.08(d,2H),6.22(d,4H),6.25(d,2H),6.70(t,2H),6.97(s,2H),7.11(t,4H),7.56(s,2H).
実施例11
擬ラセミ−エチレン(5,6−ジエチルインデニル)(インデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)の合成
窒素置換した(100mLシュレンク管)に、(5,6−ジエチルインデニル)(インデニル)エタン(1.20g,3.82mmol)、テトラキスジメチルアミノジルコニウム(1.23g,4.58mmol)、テトラn−ブチルアンモニウムクロライド(0.106g,0.38mmol)、トルエン(28mL)を入れた。この溶液を窒素雰囲気下、60℃まで昇温した後、2時間撹拌した。室温まで冷却した後、揮発成分を減圧留去した。得られた反応混合物のH NMRスペクトルから、反応収率は60%であり、ラセミ選択率は91%であった。
得られた赤色固体にペンタン3mLで洗浄後、60℃のヘプタン30mLで抽出し、セライトをのせたグラスフィルターにて濾過した。濾液から減圧下溶媒を留去することで、擬ラセミ−エチレン(5,6−ジエチルインデニル)(インデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)を橙色固体として得た。収量は、0.89g(1.82mmol)であり、収率は、48%であった。
H NMR(CDCl))δ 1.24(t,3H),1.35(t,3H),2.38(s,3H),2.43(s,3H),2.53(m,1H),2.67(m,1H),2.67(m,1H),2.71(m,2H),3.44(m,2H),3.66(m,2H),5.95(d,1H),6.01(d,1H),6.24(d,1H),6.39(d,1H),6.79(dd,1H),7.04(dd,1H),7.20(s,1H),7.43(s,1H),7.49(d,1H),7.67(d,1H).
実施例12
擬ラセミ−エチレン(5,6−ジエチルインデニル)(インデニル)ジルコニウムジフェノキシドの合成
窒素置換した20mLシュレンク管に、擬ラセミ−エチレン(5,6−ジエチルインデニル)(インデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)(0.300g,0.610mmol)およびトルエン(4.6mL)を入れた。この溶液を0℃まで冷却した後、フェノール(0.115g,1.22mmol)のトルエン(2.3mL)溶液を滴下し、23℃まで昇温後、1時間撹拌した。減圧下揮発成分を留去し、得られた固体をトルエン/ヘプタン(v/v=1/1)混合溶媒で抽出した。抽出液をセライトをのせたグラスフィルターにて濾過した後、濾液から減圧下溶媒を留去し、減圧下乾燥することで、擬ラセミ−エチレン(5,6−ジエチルインデニル)(インデニル)ジルコニウムジフェノキシドを淡黄色固体として得た。収量は、0.209g(0.352mmol)であり、収率は、58%であった。
H NMR(CDCl))δ 0.96(t,3H),1.36(t,3H),2.20(m,1H),2.39(m,1H),2.61(m,2H),3.77−3.88(m,4H),5.97(d,1H),6.01(d, 1H),6.15(d,1H),6.17(d, 1H),6.20(d,2H),6.28(d,1H),6.31(d,2H),6.72 (m,2H),6.99(dd,1H),6.99(s,1H〕,7.06−7.12(m,4H),7.15(dd,1H),7.26(d,1H),7.58(s,1H),7.86(d,1H).
実施例13
擬ラセミ−エチレン(1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセニル)(インデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)の合成
窒素置換した100mLシュレンク管に、(1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセニル)(インデニル)エタン(2.00g,6.70mmol)、テトラキスジメチルアミノジルコニウム(1.97g,7.37mmol)、テトラn−ブチルアンモニウムクロライド(0.19g,0.67mmol)、トルエン(45mL)を入れた。この溶液を窒素雰囲気下、60℃まで昇温した後、2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、揮発成分を減圧留去した。得られた赤色粘性物をペンタンで洗浄後、トルエン/ヘキサン(v/v=1/2)混合溶媒で抽出し、セライトをのせたグラスフィルターにて濾過した。濾液から減圧下溶媒を留去することで、擬ラセミ−エチレン(1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセニル)(インデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)を橙色固体として得た。収量は、2.53g(2.53mmol)であり、収率は、79%であった。
H NMR(CDCl))δ 2.00−2.04(m,2H),2.36(s,6H),2.42(s,6H),2.69−2.74(m,1H),2.63−2.72(m,1H),2.81−2.90(m,2H),2.90−2.95(m,2H),3.40−3.45(m,2H),3.60−3.64(m,2H),5.95(d,1H),6.05(d,1H),6.25(d,1H),6.38(d,1H),6.77−6.81(m,1H),7.02−7.06(m,1H),7.17(s,1H),7.45(s,1H),7.48(d,1H),7.66(d,1H).
実施例14
擬ラセミ−エチレン(1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセニル)(インデニル)ジルコニウムジフェノキシドの合成
窒素置換した100mLシュレンク管に、擬ラセミ−エチレン(1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセニル)(インデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)(2.01g,4.22mmol)およびトルエン(31mL)を入れた。この溶液を100℃まで昇温した後、フェノール(0.80g,8.45mmol)のトルエン(15mL)溶液を滴下した。30分後反応溶液を室温まで冷却した後、減圧下揮発成分を留去し、得られた固体をトルエン/ヘプタン(v/v=1/1)混合溶媒で抽出した。抽出液をセライトをのせたグラスフィルターにて濾過した後、濾液から減圧下溶媒を留去した。得られた固体をヘプタン中、加熱撹拌した。室温まで冷却後、固体を濾取し、少量のジエチルエーテルにて2回洗浄した。減圧下乾燥することで、擬ラセミ−エチレン(1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセニル)(インデニル)ジルコニウムジフェノキシドを白色固体として得た。収量は、1.17g(2.04mmol)であり、収率は、48%であった。
H NMR(CDCl))δ 1.72−1.79(m,1H),1.80−1.87(m,1H),2.33−2.37(m,1H),2.62−2.69(m,1H),2.74−2.82(m,1H),2.82−2.92(m,1H),3.74−3.81(m,4H),5.97(d,2H),6.15(d,1H),6.20(d,1H),6.23(d,1H),6.25(d,1H),6.29(d,1H),6.30(d,2H),6.71−6.75(m,2H),6.98(s,1H),6.99−7.02(m,1H),7.08−7.13(m,4H),7.14−7.18(m,1H),7.27(d,1H),7.57(s,1H),7.87(d,1H).
参考例3
固体触媒成分(G−1)の調製
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;50%体積平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m/g)2.8kgとトルエン24kgとを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.9kgとトルエン1.4kgとの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に95℃に昇温し、95℃で3時間撹拌し、ろ過した。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで6回、洗浄を行った。その後、トルエン7.1kgを加えスラリーとし、一晩静置した。
上記で得られたスラリーに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(ジエチル亜鉛濃度:50重量%)1.73kgとヘキサン1.02kgとを投入し、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、3,4,5−トリフルオロフェノール0.78kgとトルエン1.44kgとの混合溶液を、反応器の温度を5℃に保ちながら60分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で1時間撹拌した。その後、22℃に冷却し、HO0.11kgを反応器の温度を22℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、22℃で1.5時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で2時間撹拌し、更に80℃に昇温し、80℃で2時間撹拌した。撹拌後、室温にて、残量16Lまで上澄み液を抜き出し、トルエン11.6kgを投入し、次に、95℃に昇温し、4時間撹拌した。撹拌後、室温にて、上澄み液を抜き出し、固体生成物を得た。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで4回、ヘキサン24リットルで3回、洗浄を行った。その後、乾燥することにより、固体触媒成分(G−1)を得た。
参考例4
固体触媒成分(H−1)の調製
窒素置換した攪拌機付きの50リットルの反応器に、固体状担体として窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m/g)9.68kgを入れた。トルエンを100リットル加えた後、2℃に冷却した。これにメチルアルモキサン(東ソー・ファインケム社製)のトルエン溶液(2.9M)26.3リットルを一時間かけて滴下した。5℃にて30分間攪拌した後、90分間かけて95℃まで加熱し、4時間攪拌を行った。その後40℃へ冷却した後、40分間静置し、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、トルエン100リットルを加え、10分間攪拌した後、攪拌を停止して静置し固体成分を沈降させ、同様に上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計3回繰り返した。さらに、トルエン100リットルを加え、攪拌を行った後、攪拌を止めると同時にろ過を行った。この操作をもう1回繰り返した後、ヘキサン110リットルを加え、同様の方法にてろ過を行った。この操作をもう一度繰り返した。その後、窒素流通下70℃で7時間乾燥を行うことにより、固体触媒成分(H−1)12.6kgを得た。
実施例15
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が約0.017MPaになるように加え、コモノマーとして1−ブテンを55g、重合溶媒としてブタンを1−ブテンとの重量の和が750gとなるように仕込み、70℃まで昇温した。その後、モノマーとしてエチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=1.14mol%であった。これに、有機アルミニウム化合物として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液0.9mlを投入した。次に、遷移金属化合物(化合物(I))として、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジフェノキシドのトルエン溶液0.25mlを投入し、続いて、固体触媒成分として上記参考例3で得られた改質された粒子(G−1)5.2mgを投入した。全圧およびガス中の水素濃度を一定に維持するようにエチレン/水素混合ガスをフィードしながら70℃で、3時間重合を行った。その結果、オレフィン重合体141gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は2.8×10g/molZrであった。また、得られたオレフィン重合体のMFRは、0.29g/10minであり、ポリマー中のオリゴマー量は、926ppmであった。重合条件および結果を表1に示した。
実施例16〜実施例23
重合条件を表1のように変更した以外は、実施例15と同様にして重合を行った。
表1
Figure 2012012427
実施例24
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積5リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が約0.016MPaになるように加え、コモノマーとして1−ヘキセンを300mL、重合溶媒としてブタンを1−ヘキセンとの重量の和が1200gとなるように仕込み、70℃まで昇温した。その後、モノマーとしてエチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.99mol%であった。これに、有機アルミニウム化合物として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液1.5mlを投入した。次に、遷移金属化合物(化合物(I))として、濃度を1μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(5,6−ジエチルインデニル)ジルコニウムジフェノキシドのトルエン溶液1mlを投入し、続いて、固体触媒成分として上記参考例3で得られた改質された粒子(G−1)9.6mgと電子供与性化合物として、濃度を0.1mmol/mlに調整したトリエチルアミンのトルエン溶液(1.5ml)を合わせて投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガスをフィードしながら70℃で、2時間重合を行った。その結果、オレフィン重合体236gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は2.4×10g/molZrであった。また、得られたオレフィン重合体のMFRは、0.43g/10minであり、ポリマー中のオリゴマー量は、950ppmであった。重合条件および結果を表2に示した。
実施例25〜実施例29
重合条件を表2のように変更した以外は、実施例24と同様にして重合を行った。
表2
Figure 2012012427
*実施例25, 実施例26:化合物(I)=1.25μmol
実施例30
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.016MPaになるように加え、コモノマーとして1−ブテンを93g、重合溶媒としてブタンを1−ブテンとの重量の和が750gとなるように仕込み、70℃まで昇温した。その後、モノマーとしてエチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.77mol%であった。これに、有機アルミニウム化合物として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、遷移金属化合物として、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジフェノキシドのトルエン溶液0.25mlを投入し、続いて、固体触媒成分(H−1)を5.9mgと電子供与性化合物として、濃度を0.1mmol/mlに調整したトリエチルアミンのトルエン溶液(0.9ml)を合わせて投入した。全圧およびガス中の水素濃度を一定に維持するようにエチレン/水素混合ガスをフィードしながら70℃で、2時間重合を行った。
重合の結果、オレフィン重合体51gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.0×10g/molZrであった。また、得られたオレフィン重合体のMFRは1.32g/10minであった。重合条件および結果を表3にまとめた。
実施例31〜33
重合条件を表3のように変更した以外は、実施例30と同様にして重合を行った。
表3
Figure 2012012427
実施例34
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.016MPaになるように加え、コモノマーとして1−ブテンを160g、重合溶媒としてブタンを1−ブテンとの重量の和が750gとなるように仕込み、70℃まで昇温した。その後、モノマーとしてエチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.83mol%であった。これに、共触媒成分として濃度を1.2mol/lに調整したPMAO(東ソー・ファインケム社製)のトルエン溶液 0.75mlを投入した。次に、遷移金属化合物として、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジフェノキシドのトルエン溶液 0.25mlを投入した。全圧およびガス中の水素濃度を一定に維持するようにエチレン/水素混合ガスをフィードしながら70℃で、2時間重合を行った。その結果、オレフィン重合体53gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.1×10g/molZrであった。また、得られたオレフィン重合体のMFRは1.32g/10minであった。重合条件および結果を表4にまとめた。
実施例35〜37
重合条件を表4のように変更した以外は、実施例34と同様にして重合を行った。
表4
Figure 2012012427

Claims (17)

  1. 一般式(I)で示される遷移金属錯体。

    Figure 2012012427
    (式中、Mは元素の周期律表の3族、4族、5族、ランタニド族またはアクチニド族から選択される遷移金属原子を示し、
    およびRは、同一または相異なり、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニル基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数2〜20のアルキニル基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
    炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいシリル基、
    またはヘテロ環式化合物残基を示し、RおよびRは、インデニル環と共に連結して3〜8員環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
    およびRは、同一または相異なり、
    ハロゲン原子、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニル基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数2〜20のアルキニル基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
    炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいシリル基、
    またはヘテロ環式化合物残基を示し、RおよびRは、インデニル環と共に連結して3〜8員環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
    Aは、二つのインデニル環を結ぶ架橋基−[Z(R)(R)]−を示す。
    Zは、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子またはスズ原子を示し、Zが複数ある場合は、複数のZは同一でも異なっていてもよい。
    およびRは、同一または相異なり、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、または
    炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいシリル基を示す。
    そしてnは、1、2、3または4を表す。
    Xは、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、
    ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、
    炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいシリル基、
    炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいアミノ基、
    炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいホスフィノ基、
    炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいチオラート基、または
    炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいカルボキシラート基
    を表し、
    lは、1、2、3または4を表す。Xが複数ある場合は、それらは同一でも異なっていてもよく、X同士は、連結して環を形成してもよい。
    Yは、中性のルイス塩基を表し、mは、0、1、2、3または4を表す。Yが複数ある場合は、それらは同一でも異なっていてもよい。
    lとmとの総和は、2、3、または4である。
    ただし、R、R、RおよびRのインデニル環に直接結合した4つの原子が全て炭素原子またはケイ素原子である場合は、当該原子のうちの少なくとも1つが1級原子または2級原子である。
    また、RおよびRが水素原子であり、かつ、RおよびRがインデニル環と共に連結して6員環を形成し、該インデニル環に直接結合した2つの原子が炭素原子である場合は、2つの炭素原子のうち、少なくとも一方は2級炭素原子である。
    さらに、エチレンビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、およびエチレンビス(5,6−ジメトキシインデニル)ジルコニウムジクロリドを除く。)
  2. 、R、RおよびRが同一であることを特徴とする請求項1に記載の遷移金属錯体。
  3. 、R、RおよびRがハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数2〜20のアルキル基、またはハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数2〜20のアルコキシ基であることを特徴とする請求項1または2に記載の遷移金属錯体。
  4. およびRが水素原子であり、RおよびRが同一であることを特徴とする請求項1に記載の遷移金属錯体。
  5. Aが、−CHCH−基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遷移金属錯体。
  6. Xが、ハロゲン原子、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、または炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基もしくはハロゲン化ハイドロカルビル基を置換基として有していてもよいアミノ基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の遷移金属錯体。
  7. Xが、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の遷移金属錯体。
  8. Mが4族遷移金属原子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の遷移金属錯体。
  9. Mがジルコニウム原子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の遷移金属錯体。
  10. 一般式(II)で示される化合物。
    Figure 2012012427
    Figure 2012012427
    (式中、R、R、R、RおよびAは請求項1で記載の通りである。ただし、下記化合物は除く。)
    Figure 2012012427
  11. 、R、RおよびRが同一であることを特徴とする請求項10に記載の化合物。
  12. およびRが水素原子であり、RおよびRが同一であることを特徴とする請求項10に記載の化合物。
  13. Aが、−CHCH−基であることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の化合物。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の遷移金属錯体および活性化用助触媒成分を含むオレフィン重合用触媒。
  15. 請求項1〜9のいずれかに記載の遷移金属錯体および活性化用助触媒成分を含むエチレン−α−オレフィン共重合用触媒。
  16. 請求項14に記載の重合用触媒を用いることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
  17. 請求項15に記載の重合用触媒を用いることを特徴とするエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法。
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