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JP2012000106A - 害虫防除ネット - Google Patents

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JP2012000106A
JP2012000106A JP2011108091A JP2011108091A JP2012000106A JP 2012000106 A JP2012000106 A JP 2012000106A JP 2011108091 A JP2011108091 A JP 2011108091A JP 2011108091 A JP2011108091 A JP 2011108091A JP 2012000106 A JP2012000106 A JP 2012000106A
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Kazunori Ohashi
和典 大橋
Kazuhide Nakada
一英 中田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】安価に製造でき、満足できる優れた害虫防除効果を発揮できる害虫防除ネットを提供する。
【解決手段】樹脂糸を多数の網目3を形成するように編んで、又は織って形成された害虫防除ネットにおいて、樹脂糸として、第1の樹脂糸1と第2の樹脂糸2とを共に用い、第1の樹脂糸1が害虫防除剤成分を、第2の樹脂糸2が昆虫成長制御剤成分を含有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば蚊帳や網戸を構成する害虫防除ネット、に関するものである。
害虫防除剤成分を含有した樹脂糸で構成された害虫防除ネットは、例えば特許文献1、2に示されている。
特開2008−13508号公報 特開平8−163950号公報
ところで、より優れた害虫防除効果を有する害虫防除ネットを得るために、ネットを形成する防虫繊維に、より多くの害虫防除剤成分を担持させることが、考えられる。しかしながら、1本の繊維に安定して担持できる害虫防除剤成分の量には、限界がある。また、害虫防除剤成分の担持量が多い場合には、洗濯等で除去される害虫防除剤成分の量も多くなるので、害虫防除剤成分の増量分に見合う程の、害虫防除効果の増強や残効が得られない場合がある。
本発明は、安価に製造でき、しかも、満足できる優れた害虫防除効果を発揮できる、害虫防除ネットを、提供することを目的とする。
本発明は、樹脂糸を、多数の網目を形成するように、編んで又は織って形成された、害虫防除ネットにおいて、樹脂糸として、第1の樹脂糸と第2の樹脂糸とを、共に用いており、第1の樹脂糸が、害虫防除剤成分を含有しており、第2の樹脂糸が、昆虫成長制御剤成分を含有している、ことを特徴としている。
本発明の害虫防除ネットによれば、優れた害虫防除効果を発揮できる。
しかも、本発明の害虫防除ネットによれば、第1の樹脂糸が害虫防除剤成分を含有しており、第2の樹脂糸が昆虫成長制御剤成分を含有しているので、第1の樹脂糸及び第2の樹脂糸の各々を、害虫防除剤成分及び昆虫成長制御剤成分の両方を含有している樹脂糸に比して、安価に製造でき、また、第1の樹脂糸及び第2の樹脂糸の割合や、編み方・織り方によって、目的に応じた種々のグレードの害虫防除ネットを製造できる。
本発明の害虫防除ネットの編構造の一例を示す図である。 本発明の害虫防除ネットの織構造の一例を示す図である。
本発明の害虫防除ネットは、樹脂糸を、多数の網目を形成するように、編んで又は織って形成されている。そして、本発明では、樹脂糸として、第1の樹脂糸と第2の樹脂糸とを、共に用いている。第1の樹脂糸は、害虫防除剤成分を含有している。第2の樹脂糸は、昆虫成長制御剤成分を含有している。なお、樹脂糸の代わりに、天然繊維、ガラス繊維等の、繊維材料から作られた糸を、使用してもよい。天然繊維としては、例えば、パルプ、セルロース、綿、毛等が、挙げられる。
本発明のネットは、編まれて構成された場合には編構造を有し、織られて構成された場合には織構造を有している。図1は編構造の一例を示し、図2は織構造の一例を示している。
本発明のネットは、編構造の場合でも織構造の場合でも、各網目が、第1の樹脂糸と第2の樹脂糸とで構成されているのが、好ましい。例えば、図1の編構造は、第1の樹脂糸1と第2の樹脂糸2とを、共に縦糸として、且つ、交互に、用い、そして、これらを編んで、構成されている。それ故、各網目3は、第1の樹脂糸1と第2の樹脂糸2とで囲まれている。また、図2の織構造は、第1の樹脂糸1を縦糸として用い、且つ、第2の樹脂糸2を横糸として用い、そして、これらを織って、構成されている。それ故、各網目3は、第1の樹脂糸1と第2の樹脂糸2とで囲まれている。なお、本発明のネットは、編構造を有するのが好ましい。
なお、網目の大きさは、防除対象とする害虫の体長に応じて適宜設定され、当該害虫がネットを通過しようとする際にネットに接触するような大きさであるのが好ましい。一般的には、網目の大きさ(ホールサイズ)は、1〜5mm、好ましくは2〜4mmの範囲である。
第1の樹脂糸及び/又は第2の樹脂糸を構成する樹脂成分としては、通常は、熱可塑性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、又はポリ塩化ビニルなどを、使用できる。
なお、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、次の化合物が好ましい。
(i)α−オレフィンの単独重合体:例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど。
(ii)エチレン−α−オレフィン共重合体:例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、又はエチレン−ヘキセン共重合体など。
(iii)エチレン性不飽和結合を有する有機カルボン酸誘導体とエチレンとの共重合体:例えば、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、又はエチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体など。
第1の樹脂糸において、害虫防除剤成分は、残効性の観点から、樹脂糸中に練り込まれているのが、好ましい。この場合、第1の樹脂糸は、次のようにして製造できる。すなわち、樹脂成分と害虫防除剤成分とを、混合し、単軸押出機を用いて溶融混練して、ペレットに成形する。そして、そのペレットから、樹脂糸を紡糸する。これにより、害虫防除剤成分が樹脂糸中に分散して存在することとなる。したがって、第1の樹脂糸においては、害虫防除剤成分が糸表面にブリードし、害虫が糸表面において害虫防除剤成分と接触することにより、害虫防除効果が発揮される。
第1の樹脂糸には、害虫防除剤成分が、通常0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜25重量%含有される。
なお、第1の樹脂糸において、害虫防除剤成分は樹脂糸表面にコーティングされてもよい。この場合でも、害虫が糸表面において害虫防除剤成分と接触することにより、害虫防除効果が発揮される。この場合のコーティングを行う方法としては、例えば、害虫防除剤成分を、そのままで、又は、アルコール等の溶剤に溶解して、樹脂糸表面に、浸漬処理、スプレー処理、又は塗布処理する方法が、挙げられる。
第2の樹脂糸において、昆虫成長制御剤成分は、残効性の観点から、樹脂糸中に練り込まれているのが、好ましい。この場合、第2の樹脂糸は、次のようにして製造できる。すなわち、樹脂成分と昆虫成長制御剤成分とを、混合し、単軸押出機を用いて溶融混練して、ペレットに成形する。そして、そのペレットから、樹脂糸を紡糸する。これにより、昆虫成長制御剤成分が樹脂糸中に分散して存在することとなる。したがって、第2の樹脂糸においては、昆虫成長制御剤成分が糸表面にブリードし、害虫が糸表面において昆虫成長制御剤成分と接触することにより、第1の樹脂糸の害虫防除剤成分による害虫防除効果を高める効果が発揮される。
第2の樹脂糸には、昆虫成長制御剤成分が、通常0.001〜50重量%、好ましくは0.01〜25重量%含有される。
なお、第2の樹脂糸において、昆虫成長制御剤成分は樹脂糸表面にコーティングされてもよい。この場合でも、害虫が糸表面において昆虫成長制御剤成分と接触することにより、第1の樹脂糸の害虫防除剤成分による害虫防除効果を高める効果が発揮される。この場合のコーティングを行う方法としては、例えば、昆虫成長制御剤成分を、そのままで、又は、アルコール等の溶剤に溶解して、樹脂糸表面に、浸漬処理、スプレー処理、又は塗布処理する方法が、挙げられる。
第1の樹脂糸及び/又は第2の樹脂糸は、所定の太さを有するモノフィラメントであるのが、好ましい。これによれば、編作業や織作業が容易となる。なお、この場合の「所定の太さ」とは、害虫防除ネットとしての強度を維持できる太さである。一般に、第1の樹脂糸及び/又は第2の樹脂糸がモノフィラメントである場合には、50〜350デニールの範囲のモノフィラメントを使用することが好ましい。
また、第1の樹脂糸及び/又は第2の樹脂糸としては、テープ状のものを使用してもよい。これによれば、本発明のネットには、第1の樹脂糸と第2の樹脂糸とによってモザイク状の模様が形成される。
害虫防除剤成分としては、ピレスロイド化合物が好ましい。ピレスロイド化合物としては、例えば、アクリナトリン、アレスリン(allethrin)、d−アレスリン、dd−アレスリン、ベータ−シフルトリン(beta−cyfluthrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、ジメフルトリン(dimefluthrin)、エンペントリン(empenthrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、テラレスリン、テフルトリン、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルフェンプロックス(flufenoprox)、フルメトリン(flumethrin)、フルバリネート(fluvalinate)、プロフルトリン(profluthrin)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、イミプロトリン(imiprothrin)、ペルメトリン(permethrin)、ベンフルスリン、プラレトリン(prallethrin)、ピレトリン(pyrethrins)、レスメトリン(resmethrin)、d−レスメトリン、シグマ−サイパーメトリン(sigma−cypermethrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、テフルトリン(tefluthrin)、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、テトラメトリン(tetramethrin)、d−テトラメトリン、フェノトリン(phenothrin)、d−フェノトリン、シフェノトリン(cyphenothrin)、アルファシペルメトリン(alpha−cypermethrin)、シアルファシペルメトリン、ゼータシペルメトリン(zeta−cypermethrin)、ラムダシハロトリン(lambda−cyhalothrin)、ガンマシハロトリン(gamma−cyhalothrin)、フラメトリン(furamethrin)、タウフルバリネート(tau−fluvalinate)、メトフルトリン(metofluthrin)、天然ピレトリン等が挙げられるが、特に、ペルメトリン、デルタメトリン、又はアルファシペルメトリンが好ましい。
これらのピレスロイド化合物は、一種のみで、又は、二種以上を組み合わせて、使用できる。また、上記化合物の中には、光学異性体、立体異性体、又は幾何異性体等が存在するものもあるが、本発明のピレスロイド化合物には、活性な異性体及びその混合物が、含まれる。
あるいは、害虫防除剤成分としては、例えば、ネオニコチノイド系化合物、カーバメート系化合物、有機リン系化合物、フェニルピラゾール系化合物、ピロール系化合物、又はオキサジアジン系化合物などを、用いてもよい。なお、ネオニコチノイド系化合物としては、クロチアニジン(clothianidin)が、好ましい。
昆虫成長制御剤成分としては、具体的には、幼若ホルモン活性化合物やキチン合成阻害剤を挙げることができる。
幼若ホルモン活性化合物としては、例えば、ピリプロキシフェン、メトプレン、ハイドロプレン、フェノキシカルブ等が挙げられる。
キチン合成阻害剤としては、例えば、エトキサゾール、クロルフルアズロン、フルアズロン、トリアズロン、ノバルロン、ヘキサフルムロン、ジフルベンズロン、シロマジン、フルフェノクスロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、フルシクロクスロン、ヒドロプレン、ルフェニュロン、ノビフルムロン、ビストリフルロン等が挙げられる。
なお、昆虫成長制御剤としては、ピリプロキシフェン又はメトプレンが好ましい。
本発明の害虫防除ネットにおいては、寄って来た害虫は、網目3を通り抜けようと試みる際に、第1の樹脂糸1及び第2の樹脂糸2に触れる。特に、網目3が第1の樹脂糸1と第2の樹脂糸2とで囲まれている場合には、害虫は、一度に且つ確実に、第1の樹脂糸1及び第2の樹脂糸2に触れる。また、害虫は、ネット上を歩行したりネット上で休息したりする際も、一度に且つ確実に、第1の樹脂糸1及び第2の樹脂糸2に触れる。このとき、害虫は、第1の樹脂糸1の表面において害虫防除剤成分に接触し、また、第2の樹脂糸2の表面において昆虫成長制御剤成分に接触する。このため、害虫は、害虫防除剤成分のみに接触した場合に比して高い害虫防除効果を受ける。したがって、害虫は、確実に防除される。
以上のように、本発明の害虫防除ネットによれば、害虫を、第1の樹脂糸の害虫防除剤成分及び第2の樹脂糸の昆虫成長制御剤成分に接触させることにより、害虫に対して高い害虫防除効果を及ぼすことができるので、満足できる優れた害虫防除効果を発揮できる。
また、本発明の害虫防除ネットでは、第1の樹脂糸は、害虫防除剤成分を含有しているが、昆虫成長制御剤成分を含有してはおらず、また、第2の樹脂糸は、昆虫成長制御剤成分を含有しているが、害虫防除剤成分を含有してはいない。したがって、次のような効果を発揮できる。
(1)第1の樹脂糸及び第2の樹脂糸の各々は、害虫防除剤成分及び昆虫成長制御剤成分の両方を含有している樹脂糸に比して、安価に製造できる。したがって、本発明の害虫防除ネットは、安価に製造できる。
(2)第1の樹脂糸及び第2の樹脂糸の各々は、害虫防除剤成分及び昆虫成長制御剤成分の両方を含有している樹脂糸に比して、害虫防除剤成分及び昆虫成長制御剤成分の各々を高濃度に含有させることができる。
(3)第1の樹脂糸及び第2の樹脂糸の各々は、殺虫剤成分及び昆虫成長制御剤成分の一方のみを含有しているので、殺虫剤成分及び昆虫成長制御剤成分の各々について最適な担持体である樹脂を選択することができる。したがって、本発明の害虫防除ネットは、殺虫剤成分及び昆虫成長制御剤成分の両方を含有している樹脂糸を用いた場合に比して、製品設計上の自由度が高い。
また、害虫防除剤成分が第1の樹脂糸中に練り込まれている場合には、害虫防除剤成分を糸表面に徐々にブリードできるので、害虫防除効果の持続性を向上できる。また、昆虫成長制御剤成分が第2の樹脂糸中に練り込まれている場合には、昆虫成長制御剤成分を糸表面に徐々にブリードできるので、昆虫成長制御剤成分による効果の持続性を向上できる。
本発明の害虫防除ネットの使用形態としては、例えば、蚊帳、網戸、防虫網等を、挙げることができ、特に、蚊帳や網戸が好ましい。
また、本発明の害虫防除ネットの利用形態としては、壁紙、レース、カーテン、床材等の、住宅用部品を、挙げることができ、特に、屋内設置用壁紙、レース、カーテンが、好ましい。更には、ペットや家畜のための、マット等の防虫製品を、挙げることもできる。
本発明の害虫防除ネットによれば、例えば、有害昆虫類及び有害ダニ類等の害虫を防除できる。そのような害虫としては、具体的には、例えば、次のものが挙げられる。
・Anopheles属の蚊である、An. gambiae, An. arabiensis, An. funestus, An. melas, An. minimus, An. dirus, An, stephensi, An. sinensis, An. anthropophagus等。
・Culex属の蚊である、Cx. pipiens pipiens, Cx. quinquefasciatus, Cx. pipiens pallens, Cx. pipiens f. molestus, Cx. restuans, Cx. tarsalis, Cx. modestus, Cx. tritaeniorhynchus等。
・Aedes属の蚊である、Aedes aegypti, Ae. albopictus, Ae. japonicus, Ae. vexans。
・アブ類、ハエ類、ブユ類、サシチョウバエ類、ヌカカ類、ツェツェバエ類、ユスリカ類、ノミ類、シラミ類、トコジラミ類、サシガメ類、アリ類、シロアリ類、ダニ類、マダニ類等。
なお、害虫が本発明の害虫防除ネットに接触すると、具体的には、次のような害虫防除効果が発揮される。
(1)害虫による吸血を、防止できる。
(2)害虫を不妊化できる。
(3)害虫の卵の孵化を阻害できる。
(4)害虫の2回目以降の吸血を阻害できる。
(5)害虫の寿命を短縮できる。
(6)上述の効果により、害虫の個体数密度を低減できる。
(7)上述した吸血阻害効果により、人畜への病原体の伝播を防止できる。
(8)害虫が感染症を媒介する場合には、上述の効果により、害虫の感染症媒介能を劇的に低下させることができる。したがって、本発明の害虫防除材を、所定の地域全体で使用すると、当該地域における感染症を撲滅できる。
(9)上述の効果は、kdr因子、及び/又は、代謝系のピレスロイド抵抗性、を持った害虫に対しても、優れている。
(10)人間の感染症だけでなく、家畜の感染症も防除できる。
第1の樹脂糸及び第2の樹脂糸の各々は、必要に応じて、共力剤、ネオニコチノイド化合物、カーバメート系化合物や有機リン系化合物などの殺虫剤、酸化防止剤、防黴剤、抗菌剤、顔料、芳香剤、消臭剤、展着剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、界面活性剤、充填剤、難然剤、可塑剤、又は防錆剤等の、配合剤を、含有してもよい。
共力剤としては、例えば、次のものが挙げられる。
・α−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ]−4,5−メチレンジオキシ−2−プロピルトルエン [ピペロニルブトキサイド(PBO)]
・N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ(2,2,2)オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド [サイネピリン500]
・ステアリン酸ブチル
・ビス−(2,3,3,3−テトラクロロプロピル)エーテル [S−421]
・N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド [MGK264]
以下、本発明の害虫防除ネットの実施例について説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。
[第1実施例]
本実施例の害虫防除ネットは、図1の編構造を有しており、次のようにして作製する。
(1)第1の樹脂糸1の調製
ポリエチレン96重量部と、非晶質シリカ2重量部と、ペルメトリン、デルタメトリン、及びアルファシペルメトリンからなる群から選ばれる1種のピレスロイド化合物2重量部とを、攪拌混合した後、単軸押出機を用いて溶融混練する。そして、得られた混合物から、円柱形状のペレット60kgを成形する。そして、20kgのペレットから、第1の樹脂糸1を紡糸する。第1の樹脂糸1はモノフィラメントであり、その太さは190デニールである。
(2)第2の樹脂糸2の調製
ポリエチレン96重量部と、非晶質シリカ2重量部と、ピリプロキシフェン又はメトプレン2重量部とを、攪拌混合した後、単軸押出機を用いて溶融混練する。そして、得られた混合物から、円柱形状のペレット60kgを成形する。そして、20kgのペレットから、第2の樹脂糸2を紡糸する。第2の樹脂糸2はモノフィラメントであり、その太さは190デニールである。
(3)ネットの作製
第1の樹脂糸1と第2の樹脂糸2とを、共に縦糸として、且つ、交互に、用い、そして、これらを編んで、ネットを作製する。網目3の大きさは、L1が約2mm、W1が約2.5mmとなるように設定する。
[第2実施例]
本実施例の害虫防除ネットは、図2の織構造を有しており、次のようにして作製する。
(1)第1の樹脂糸1の調製
ポリエチレン94重量部と、非晶質シリカ3重量部と、ペルメトリン、デルタメトリン、及びアルファシペルメトリンからなる群から選ばれる1種のピレスロイド化合物3重量部とを、攪拌混合した後、単軸押出機を用いて溶融混練する。そして、得られた混合物から、円柱形状のペレット60kgを成形する。そして、20kgのペレットから、第1の樹脂糸1を紡糸する。第1の樹脂糸1はモノフィラメントであり、その太さは190デニールである。
(2)第2の樹脂糸2の調製
ポリエチレン94重量部と、非晶質シリカ3重量部と、ピリプロキシフェン又はメトプレン3重量部とを、攪拌混合した後、単軸押出機を用いて溶融混練する。そして、得られた混合物から、円柱形状のペレット60kgを成形する。そして、20kgのペレットから、第2の樹脂糸2を紡糸する。第2の樹脂糸2はモノフィラメントであり、その太さは190デニールである。
(3)ネットの作製
第1の樹脂糸1を縦糸として用い、第2の樹脂糸2を横糸として用い、縦糸と横糸とを織って、ネットを作製する。網目3の大きさは、L2が約2mm、W2が約4mmとなるように設定する。
[第3実施例]
本実施例の害虫防除ネットは、織構造を有しており、次のようにして作製する。
(1)第1の樹脂糸の調製
非晶質シリカ4.0重量部と、ペルメトリン、デルタメトリン、及びアルファシペルメトリンからなる群から選ばれる1種のピレスロイド化合物8.2重量部と、ステアリン酸亜鉛2.6重量部と、BHT0.1重量部とを、攪拌混合し、その後、ポリエチレン85.1重量部とを加えて、単軸押出機を用いて溶融混練する。そして、得られた混合物から、円柱形状のペレットを成形する。次に、得られたペレット50.0重量部とポリエチレン50.0重量部とを、溶融混練する。そして、得られた混合物から、加工温度200℃にて、第1の樹脂糸を紡糸する。第1の樹脂糸はモノフィラメントであり、その太さは190デニールである。
(2)第2の樹脂糸の調製
非晶質シリカ4.0重量部と、ピリプロキシフェン又はメトプレン8.2重量部と、ステアリン酸亜鉛2.6重量部と、BHT0.1重量部とを、攪拌混合し、その後、ポリエチレン85.1重量部とを加えて、単軸押出機を用いて溶融混練する。そして、得られた混合物から、円柱形状のペレットを成形する。次に、得られたペレット50.0重量部とポリエチレン50.0重量部とを、溶融混練する。そして、得られた混合物から、加工温度200℃にて、第2の樹脂糸を紡糸する。第2の樹脂糸はモノフィラメントであり、その太さは190デニールである。
(3)ネットの作製
第1の樹脂糸及び第2の樹脂糸を縦糸として用い、第1の樹脂糸を横糸として用い、縦糸と横糸とを織って、ネットを作製する。縦糸は、約2.5mm間隔で配置する。横糸は、約4.0mm間隔で配置する。縦糸においては、第2の樹脂糸を3本続けて配置し且つ第1の樹脂糸を1本配置する、というサイクルを繰り返す。
[第4実施例]
本実施例の害虫防除ネットは、織構造を有しており、次のようにして作製する。
(1)第1の樹脂糸の調製
非晶質シリカ4.0重量部と、ペルメトリン、デルタメトリン、及びアルファシペルメトリンからなる群から選ばれる1種のピレスロイド化合物8.2重量部と、ステアリン酸亜鉛2.6重量部と、BHT0.1重量部とを、混合攪拌し、その後、ポリエチレン85.1重量部とを加えて、単軸押出機を用いて溶融混練する。そして、得られた混合物から、円柱形状のペレットを成形する。次に、得られたペレット50.0重量部とポリエチレン50.0重量部とを溶融混練する。そして、得られた混合物から、加工温度200℃にて、第1の樹脂糸を紡糸する。第1の樹脂糸はモノフィラメントであり、その太さは190デニールである。
(2)第2の樹脂糸の調製
非晶質シリカ4.1重量部と、ピリプロキシフェン又はメトプレン4.2重量部と、ステアリン酸亜鉛2.6重量部と、BHT0.1重量部とを、攪拌混合し、その後、ポリエチレン89.0重量部とを加えて、単軸押出機を用いて溶融混練する。そして、得られた混合物から、円柱形状のペレットを成形する。次に、得られたペレット50.0重量部とポリエチレン50.0重量部とを溶融混練する。そして、得られた混合物から、加工温度200℃にて、第2の樹脂糸を紡糸する。第2の樹脂糸はモノフィラメントであり、その太さは190デニールである。
(3)ネットの作製
第1の樹脂糸及び第2の樹脂糸を縦糸として用い、第1の樹脂糸を横糸として用い、縦糸と横糸とを織って、ネットを作製する。縦糸は、約2.5mm間隔で配置する。横糸は、約4.0mm間隔で配置する。縦糸においては、第2の樹脂糸を3本続けて配置し且つ第1の樹脂糸を1本配置する、というサイクルを繰り返す。
[第5実施例]
本実施例の害虫防除ネットは、図1の編構造を有しており、次のようにして作製する。
(1)第1の樹脂糸1の調製
非晶質シリカ4.0重量部と、ペルメトリン、デルタメトリン、及びアルファシペルメトリンからなる群から選ばれる1種のピレスロイド化合物8.2重量部と、ステアリン酸亜鉛2.6重量部と、BHT0.1重量部とを、攪拌混合し、その後、ポリエチレン85.1重量部とを加えて、単軸押出機を用いて溶融混練する。そして、得られた混合物から、円柱形状のペレットを成形する。次に、得られたペレット50.0重量部とポリエチレン50.0重量部とを、溶融混練する。そして、得られた混合物から、加工温度200℃にて、第1の樹脂糸を紡糸する。第1の樹脂糸はモノフィラメントであり、その太さは195デニールである。
(2)第2の樹脂糸2の調製
非晶質シリカ4.0重量部と、ピリプロキシフェン又はメトプレン8.2重量部と、ステアリン酸亜鉛2.6重量部と、BHT0.1重量部とを、攪拌混合し、その後、ポリエチレン85.1重量部とを加えて、単軸押出機を用いて溶融混練する。そして、得られた混合物から、円柱形状のペレットを成形する。次に、得られたペレット50.0重量部とポリエチレン50.0重量部とを、溶融混練する。そして、得られた混合物から、加工温度200℃にて、第2の樹脂糸を紡糸する。第2の樹脂糸はモノフィラメントであり、その太さは195デニールである。
(3)ネットの作製
第1の樹脂糸と第2の樹脂糸とを、共に縦糸として、且つ、交互に、用い、そして、これらを編んで、ネットを作製する。網目3の大きさは、L1が約2mm、W1が約2.5mmとなるように設定する。
[第6実施例]
本実施例の害虫防除ネットは、図2の織構造を有しており、次のようにして作製する。
(1)第1の樹脂糸1の調製
ポリエチレン94重量部と、非晶質シリカ3重量部と、クロチアニジン3重量部とを、攪拌混合した後、単軸押出機を用いて溶融混練する。そして、得られた混合物から、円柱形状のペレット60kgを成形する。そして、20kgのペレットから、第1の樹脂糸1を紡糸する。第1の樹脂糸1はモノフィラメントであり、その太さは190デニールである。
(2)第2の樹脂糸2の調製
ポリエチレン94重量部と、非晶質シリカ3重量部と、ピリプロキシフェン又はメトプレン3重量部とを、攪拌混合した後、単軸押出機を用いて溶融混練する。そして、得られた混合物から、円柱形状のペレット60kgを成形する。そして、20kgのペレットから、第2の樹脂糸2を紡糸する。第2の樹脂糸2はモノフィラメントであり、その太さは190デニールである。
(3)ネットの作製
第1の樹脂糸1を縦糸として用い、第2の樹脂糸2を横糸として用い、縦糸と横糸とを織って、ネットを作製する。網目3の大きさは、L2が約2mm、W2が約4mmとなるように設定する。
[参照例]
ポリエチレンから、加工温度240℃にて、モノフィラメントを紡糸する。そして、得られた樹脂糸を、多数の網目を形成するように、編んで、ネットを作製する。なお、網目の大きさは、6.45cmあたりのホールの数が100個になるように設定する。
[試験例]
第1実施例の害虫防除ネットから、25cm×25cmの切片を、試験サンプルとして切り出す。一方、参照例のネットからも、25cm×25cmの切片を、参照サンプルとして切り出す。そして、各サンプルを用いた場合における、ピレスロイド抵抗性のガンビエハマダラカ(Anopheles gambiae)の吸血率を、下記の参考文献に記載のトンネル試験によって、求める。吸血率は、式(a)により算出する。更に、試験サンプルに関する吸血阻害率を求める。吸血阻害率は、式(b)により算出する。その結果、本発明の害虫防除ネットが優れた害虫防除効力を示すことが、確認できる。
(参考文献)
WHOPES(2005), Guidelines for laboratory and field testing of long-lasting
insecticidal mosquito nets, WHO/CDS/WHOPES/GCDPP/2005.11 Geneva, WHO.
Figure 2012000106
Figure 2012000106
本発明の害虫防除ネットは、安価に製造でき、しかも、満足できる優れた害虫防除効果を発揮できるので、産業上の利用価値が大である。
1 第1の樹脂糸 2 第2の樹脂糸 3 網目

Claims (11)

  1. 樹脂糸を、多数の網目を形成するように、編んで又は織って形成された、害虫防除ネットにおいて、
    樹脂糸として、第1の樹脂糸と第2の樹脂糸とを、共に用いており、
    第1の樹脂糸が、害虫防除剤成分を含有しており、
    第2の樹脂糸が、昆虫成長制御剤成分を含有している、
    ことを特徴とする、害虫防除ネット。
  2. 各網目が、第1の樹脂糸と第2の樹脂糸とで構成されている、請求項1記載の害虫防除ネット。
  3. 害虫防除剤成分が、第1の樹脂糸中に練り込まれている、請求項1又は2に記載の害虫防除ネット。
  4. 昆虫成長制御剤成分が、第2の樹脂糸中に練り込まれている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の害虫防除ネット。
  5. 害虫防除剤成分が、第1の樹脂糸の表面にコーティングされている、請求項1、2、又は4に記載の害虫防除ネット。
  6. 昆虫成長制御剤成分が、第2の樹脂糸の表面にコーティングされている、請求項1、2、3、又は5に記載の害虫防除ネット。
  7. 害虫防除剤成分が、ピレスロイド化合物である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の害虫防除ネット。
  8. 害虫防除剤成分が、ペルメトリンである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の害虫防除ネット。
  9. 昆虫成長制御剤成分が、ピリプロキシフェンである、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の害虫防除ネット。
  10. 第1の樹脂糸及び/又は第2の樹脂糸が、ポリエチレンでできている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の害虫防除ネット。
  11. 第1の樹脂糸及び/又は及び第2の樹脂糸が、モノフィラメントである、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の害虫防除ネット。
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